JP2005226678A - 油圧駆動装置 - Google Patents

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究 高橋
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Abstract

【課題】LSシステムを備えた油圧駆動装置において、小流量が要求される油圧アタッチメント駆動用アクチュエータへの流量を必要流量以下に減少することができ、このときエンジン回転数の増減によって目標LS差圧が可変となっても、油圧アタッチメント駆動用アクチュエータと他の各作業用油圧アクチュエータのスピード比率が変化せず、優れた複合操作性を実現できるようにする。
【解決手段】油圧ポンプ2の吐出圧とアクチュエータ3a,3b,3c,3dの最高負荷圧との差圧を絶対圧として出力する差圧減圧弁11と油圧アタッチメント駆動用アクチュエータ3dの予備セクション(流量制御弁)6dに係わる圧力補償弁7dとを結ぶ油圧回路26に前記予備セクションの圧力補償弁7dの目標補償差圧Pc4を差圧減圧弁11の出力圧PLSの定数倍(<1)に減圧する減圧弁19を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械に用いられるLS制御方式の油圧駆動装置に係わり、特に、油圧ポンプの吐出圧が複数のアクチュエータの最高負荷圧より目標差圧だけ高くなるようロードセンシング制御しかつ複数の流量制御弁の前後差圧を制御する圧力補償弁のそれぞれの目標補償差圧を油圧ポンプの吐出圧と複数のアクチュエータの最高負荷圧との差圧により設定すると共に、ロードセンシング制御の目標差圧をエンジン回転数に依存する可変値として設定するものにおいて、油圧ポンプで小流量の油圧アタッチメント用アクチュエータを駆動するとき、油圧アタッチメント用アクチュエータの予備セクション(流量制御弁)の前後差圧を制御する圧力補償弁の目標補償差圧を減圧して油圧アタッチメント用アクチュエータの作動速度を抑制するようにした油圧駆動装置に関する。
油圧ポンプの吐出圧が複数のアクチュエータの最高負荷圧より目標差圧だけ高くなるようロードセンシング制御する油圧駆動装置はロードセンシングシステム(以下、適宜LSシステムという)と呼ばれ、複数の流量制御弁の前後差圧をそれぞれ圧力補償弁により制御し、複数のアクチュエータを同時に駆動する複合操作時に負荷圧の大小に係わらず流量制御弁の開口面積に応じた比率で圧油を供給できるようにしている。
このようなLSシステムでは、油圧ポンプの吐出圧と複数のアクチュエータの最高負荷圧との差圧(以下、LS差圧という)を圧力補償弁に導き、圧力補償弁のそれぞれの目標補償差圧をLS差圧により設定することが一般的に行われており、これにより複数のアクチュエータを同時に駆動する複合動作時に、油圧ポンプの吐出流量が複数の流量制御弁の要求する流量に満たないサチュレーション状態になったときでも、サチュレーションの程度に応じてLS差圧が低下し、これに伴って圧力補償弁の目標補償差圧も小さくなるため、油圧ポンプの吐出流量をそれぞれのアクチュエータが要求する流量の比に再分配することができる。
このようなLSシステムにおいて、特許文献1(特に図2およびその説明文参照)にはLS差圧を絶対圧として出力する差圧減圧弁(以下第1の差圧減圧弁という)を設け、この第1差圧減圧弁の出力圧を複数の圧力補償弁に導き、それぞれの目標補償差圧を設定し、かつ油圧ポンプを駆動するエンジンの回転数に依存する圧力を絶対圧として出力する差圧減圧弁(以下第2の差圧減圧弁という)を設け、この第2の差圧減圧弁の出力圧をLS制御レギュレータに導き、ロードセンシング制御の目標差圧(以下、目標LS差圧という)をエンジンの回転数に依存する可変値として設定した油圧駆動装置が記載されている。
また、特許文献2には、油圧ショベルのブーム、アーム、バケット、旋回体等を駆動する複数のアクチュエータに油圧ポンプから供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁と、これら複数の流量制御弁の前後差圧(目標補償差圧)を制御する圧力補償弁とを備え、この圧力補償弁は圧力補償弁に流量制御弁の上流圧と下流圧とを閉じ方向と開き方向に対抗して負荷する各制御圧力室を有すると共に複数のアクチュエータの最高負荷圧と油圧ポンプ圧とを閉じ方向と開き方向に対抗して負荷する各補助制御圧力室を有するように構成された油圧駆動装置において、油圧ポンプの吐出管路と前記旋回体を駆動する旋回モータに係わる圧力補償弁の補助制御圧力室とを結ぶ管路に減圧弁を設け、この減圧弁は油圧ショベルの作業フロントが旋回姿勢になると作動して圧力補償弁の開き方向に負荷される油圧ポンプから前記補助制御圧力室への吐出圧油を絞ると共に一部の圧油を絞りつつタンクに放出することにより、油圧ポンプの吐出圧を減圧して、該圧力補償弁の目標補償差圧をLS差圧により設定される他の圧力補償弁の目標補償差圧より低下させ、これにより圧力補償弁を通過して旋回モータに供給される流量を減少させて旋回加速度を下げ、旋回時の加速反力を小さくしてジヤーキングの発生を抑制することが記載されている。
さらに特許文献2には、上記旋回モータに係わる圧力補償弁の、複数のアクチュエータの最高負荷圧と油圧ポンプ圧とを対抗させて負荷する前記2つの補助制御圧力室を1つの補助圧力室として、この補助圧力室に複数のアクチュエータの最高負荷圧と油圧ポンプ圧との差圧に相当する油圧信号を導くと共に、この油圧信号を電磁比例減圧弁で減圧することにより、電気的制御を組み込んでも良い、との記載がある。
特開2003−113803号公報 特開平10−159135号公報
ところで、LSシステムを採用した油圧ショベルなどにおいて、ブーム、アームやバッケット等に油圧アタッチメントを取り付け、これを油圧アクチュエータで駆動する場合がある。例えば、油圧アタッチメントとしてブレーカ、破砕機をバケットの代わりにアームの先端に取り付け、油圧モータで駆動するケースやアームの先端にグラップルを取り付け油圧シリンダでグラップルの開閉を行うケース等がある。
特許文献1の従来技術に例を取ると、このような場合には、油圧ポンプの吐出油を流量制御弁グループ(コントロールバルブ)中に設けられた(不図示の)予備の流量制御弁(以下予備セクションという)を用いて油圧アタッチメント用の油圧アクチュエータに供給する。
しかし、油圧アタッチメント用の油圧アクチュエータの必要とする流量が油圧ショベル駆動用の油圧アクチュエータ(旋回モータやブーム、アーム駆動用油圧シリンダ等)に比較して少ない場合、例えば、油圧ブレーカ用の駆動モータの推奨流量が小流量の場合やグラップル駆動用の油圧シリンダが小径であり小流量で駆動される場合等、予備セクションの最大開口面積(操作レバーの最大操作位置)での吐出量より大幅に少ない場合には、予備セクションの開口面積(操作レバーの操作位置)を常にコントロールして予備セクションからの吐出量が必要流量を超えないように調整する必要がある。
この開口面積のコントロールは非常に難しく、予備セクションの操作量が大き過ぎると、油圧ブレーカの推奨流量を越えてブレーカ駆動用油圧モータが破壊されたり、また、グラップルとブーム、アーム等の同時操作により作業を行う場合には、ブーム、アーム等の動作速度に対してグラップルの開閉速度が速すぎて、複合操作性が悪化する等の問題がある。
このような問題の対処として、通常は油圧ショベル等の油圧ポンプを駆動する原動機(以下エンジンという)のエンジン回転数調整レバーによりエンジン回転数を下げることで、予備セクションから油圧アタッチメント駆動用油圧アクチュエータへの最大吐出流量を少なくすることが行われるが、この場合には、他の油圧アクチュエータ(油圧ショベル駆動用の旋回モータ,ブーム、アーム駆動用油圧シリンダ等)への各流量制御弁からの供給流量も少なくなり、それらの油圧アクチュエータが所望の動作速度より遅くなってしまうので、作業性が著しく低下してしまう。
一方、特許文献2には、旋回モータに係わる圧力補償弁を開き方向に負荷する補助制御圧力室への圧油供給管路の途中に減圧弁(油圧式)または電磁比例減圧弁を設け、この減圧弁または電磁比例減圧弁を油圧ショベルの作業フロントが旋回姿勢になると作動させて、圧力補償弁を通過して旋回モータに供給される流量を減少させることが開示されている。
したがって、この減圧弁または電磁比例減圧弁を用い、前述した油圧アタッチメント駆動用油圧アクチュエータの予備セクションの圧力補償弁へ送られるLS差圧を減圧してその値を減少することによって予備セクションから油圧アタッチメント駆動用油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を少なくすることが想定される。
しかしながら、特許文献2の減圧弁(油圧式)は圧力補償弁の補助圧力室への圧油を常時絞ると共に一部を絞りつつタンクに放出するもので、エネルギーロスが大きく、また内部の2つの絞りによって圧力補償弁の補助圧力室への出力圧が決定されるので、この出力圧は油温の影響を受けやすい。一般に、ブレーカなどの油圧アタッチメントを使用する場合、流量の変化はブレーカ打撃数の変化などによりオペレータに違和感を与えやすいが、上記の減圧弁では油温の変化によって減圧弁の出力圧が変動し、これに伴いブレーカの打撃数も変動してしまい、オペレーの操作感覚および操作性も悪化する。
また、特許文献2記載の電磁比例減圧弁を用いた場合を想定すると、下記の問題が生じる。
すなわち、油圧ショベル全体のスピード調節(ブーム、アーム、バケット、旋回体等を動作させる全アクチュエータの作動速度の調節)は作業モード(例えば、微操作モード、最燃費モード、重作業モード等)に対応して、エンジン回転数調節レバーやエンジン回転数自動設定手段等により(エンジンの燃料噴射ポンプの噴射量を調節して)、エンジンの回転数の設定を変えることにより行うことが知られている。
そして、特許文献1では目標LS差圧はエンジンの回転数に依存する可変値であり、したがって各作業アクチュエータ用流量制御弁の圧力補償弁へ伝達されるLS差圧すなわち各圧力補償弁の目標補償差圧はエンジン回転数に伴い変化し、エンジン回転数の設定を変更することによって全アクチュエータのスピードが可変となるが、そのときの各作業アクチュエータのスピード比率は、目標LS差圧の変化によらず一定(各流量制御弁の開口面積に比例する)となる。このため、複数アクチュエータの複合操作性は良好に保たれ、オペレータは違和感なく複合操作を行うことができる。
しかしながら、特許文献2の電磁比例減圧弁は予備セクションの圧力補償弁へ送られるLS差圧を減圧してその値をある値に制限する作用を行うことになる。したがって、油圧ショベルをスピード調節しエンジン回転数を変更した場合に、目標LS差圧の値が変化しこれに伴いLS差圧の値が変化した場合、LS差圧は常に一定の値に減圧されて予備セクションの圧力補償弁へ送られ(後述の図4および図5aを参照)、該圧力補償弁の目標補償差圧はエンジン回転数に依存しないので、エンジン回転数を変えることによって油圧アタッチメント駆動用アクチュエータと他の各作業アクチュエータのスピード比率が変化してしまうこととなる。
したがって、油圧アタッチメント駆動用アクチュエータと他の各作業アクチュエータとの複合操作性に問題が生じる。
たとえば、油圧ショベルの油圧アタッチメントとしてアームの先端にグラップルを装備し、他のアクチュエータ(例えば、ブーム、アーム駆動用油圧シリンダ等)との複合操作を行う場合にエンジン回転数によってグラップルの開閉速度とブーム、アームの動作速度の比率が変化することはオペレータに多大な違和感を与え、複合操作性を悪化させる。
本発明の目的は、LSシステムを備えた油圧駆動装置において、油圧ポンプから小流量が要求される油圧アタッチメント駆動用アクチュエータへの流量を減少することができ、このときエンジン回転数の増減によって目標LS差圧が可変となっても、油圧アタッチメント駆動用の油圧アクチュエータと他の各作業用油圧アクチュエータのスピード比率が変化しない油圧駆動装置を提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンにより駆動される可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁と、前記複数の流量制御弁の前後差圧をそれぞれ制御する複数の圧力補償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧が前記複数のアクチュエータの最高負荷圧より目標差圧だけ高くなるようロードセンシング制御する油圧ポンプ制御手段と、前記油圧ポンプの吐出圧と前記複数のアクチュエータの最高負荷圧との差圧を絶対圧として出力する第1の差圧減圧弁と、前記油圧ポンプを駆動する前記エンジンの回転数に依存する圧力を絶対圧として出力する第2の差圧減圧弁とを備え、前記複数の圧力補償弁のそれぞれに前記第1の差圧減圧弁の出力圧を導き各圧力補償弁の目標補償差圧を設定すると共に前記ポンプ制御手段に前記第2の差圧減圧弁の出力圧を導き、前記ロードセンシング制御の目標差圧を前記エンジンの回転数に依存する可変値として設定した油圧駆動装置において、前記複数のアクチュエータは油圧アタッチメント駆動用のアクチュエータを含み、前記複数の流量制御弁は油圧アタッチメント駆動用アクチュエータの予備セクションを含み、前記予備セクションに係わる圧力補償弁と前記第1の差圧減圧弁とを結ぶ油圧回路に前記予備セクショの圧力補償弁の目標補償差圧を第1の差圧減圧弁の出力圧の定数倍(<1)に減圧する減圧弁を設けたものとする。
このように前記予備セクションに係わる圧力補償弁と前記第1の差圧減圧弁とを結ぶ油圧回路に前記予備セクション用圧力補償弁の目標補償差圧を一定倍に減圧する減圧弁を設けたことにより、小流量が要求される油圧アッタチメント駆動用アクチュエータへ油圧ポンプから送られる流量を減少することができ、エンジン回転数の調整によって目標LS差圧が可変となっても油圧アタッチメント駆動用アクチュエータと他の各作業アクチュエータのスピード比率が変化しないので、油圧アタッチメントと他の作業部材(旋回、ブーム、アーム等)との複合操作性を良好に保持することが可能となる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記減圧弁は通常モードと小流量モードとの少なくとも2つの位置を切換え可能にし、通常モードの切換位置では前記第1の差圧減圧弁の出力圧を前記予備セクションに係わる圧力補償弁に出力し、小流量モードの切換位置では前記第1の差圧減圧弁の出力圧を一定倍に減圧して圧力補償弁に出力するよう構成する。
これにより、予備セクションにより通常流量の油圧アタッチメント駆動用アクチュエータの流量制御を行う場合には、減圧弁を通常モードに切換え、他の油圧アクチュエータと同様の大流量を予備セクションから油圧アタッチメント用のアクチュエータに供給可能となり、また、このときエンジン回転数の変更によって目標LS差圧が変化しても他のアクチュエータとの速度比率は一定に保持され、複合操作性も良好となる。
したがって、1台の油圧ショベル等の建設機械において、通常流量を必要とする油圧アタッチメントと小流量の油圧アタッチメントの変更を容易に行うことができる。
また、上記(2)において、好ましくは、前記減圧弁の通常モードから小流量モーへの切換えを電気信号または油圧パイロット信号により行う。
これにより、上記切換えを容易に行うことができる。
また、上記(1)または(2)において、好ましくは、前記油圧アタッチメント駆動用のアクチュエータはグラップルを開閉する油圧シリンダとする。
これにより、油圧アタッチメントとして油圧ショベル等のアームの先端にグラップルを取り付けたとき、グラップルと他の作業部材(旋回体、ブーム、アーム等)との複合操作時に、グラップル開閉と他の作業部材の作動速度比率が変化しないので、複合操作性が良好となり作業効率が向上する。
また、上記(1)または(2)において、好ましくは、前記油圧アタッチメント駆動用のアクチュエータはブレーカまたは破砕機を駆動する油圧モータとする。
これにより、推奨流量が小流量のブレーカまたは破砕機を油圧アタッチメントとして採用しても駆動モータが破壊される等の問題の発生を防止できる。
本発明によれば、LSシステムを備えた油圧駆動装置において、予備セクションの前後差圧を制御する圧力補償弁へのLS差圧を減圧し圧力補償弁の目標補償差圧とすることによって、油圧ポンプから小流量が要求される油圧アタッチメント駆動用アクチュエータへの流量を減少することができ、このときエンジン回転数の増減によって目標LS差圧が可変となっても、油圧アタッチメント駆動用油圧アクチュエータと他の各作業用油圧アクチュエータのスピード比率が変化せず、複合操作性の優れた油圧駆動装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる油圧駆動装置を示す図である。
図1において、本実施の形態に係わる油圧駆動装置は、エンジン1と、このエンジン1により駆動されるメインポンプとしての可変容量型の油圧ポンプ2及び固定容量型のパイロットポンプ30と、メインの油圧ポンプ2から吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータ3a,3b,3c,3dと、油圧ポンプ2の供給油路5に接続され、油圧ポンプ2からアクチュエータ3a,3b,3c,3dに供給される圧油の流量と方向をそれぞれ制御する複数の流量制御弁(メインスプール)4a,4b,4c,4dを含むコントロールバルブ4と、油圧ポンプ2の吐出圧と複数のアクチュエータ3a,3b,3c,3dの最高負荷圧との差圧(LS差圧)を絶対圧として出力する第1の差圧減圧弁11と、第1の差圧減圧弁11の出力圧を減圧する減圧弁19と、油圧ポンプ2の傾転(容量)を制御するポンプ傾転制御機構12と、エンジン回転数に依存する圧力を絶対圧として出力する第2の差圧減圧弁51を含むエンジン回転数検出回路13とを備えている。
本実施の形態に係わる油圧駆動装置は例えば図2に示す木造家屋解体作業用のグラップル13を油圧アタッチメントとして装備した油圧ショベルに搭載されるものであり、この油圧ショベルは下部走行体14に旋回可能に搭載された上部旋回体15と、上部旋回体15に上下方向に回動可能に装備されたブーム16、アーム17、グラップル13を有し、図1のアクチュエータ3a,3b,3c,3dは例えばそれぞれ油圧ショベルのブームシリンダ、アームシリンダ、旋回モータ(図示を省略)、グラップル開閉用シリンダ3dである。
ブームシリンダ3a及びアームシリンダ3bはそれぞれブーム16及びアーム17を上下方向に回動駆動し、旋回モータ3bは上部旋回体15を旋回駆動し、グラップル開閉用シリンダ3dは木材掴み等の挟み部材13a、13bを開閉する。なお、図2のグラップル13を上下方向に回動駆動するグラップル回動シリンダ4eは図1では図示を省略している。
複数の流量制御弁4a,4b,4c,4dは、それぞれ、クローズドセンタ型の複数の流量制御弁6a,6b,6c,6dと、これら複数の流量制御弁6a,6b,6c,6dのメータイン絞り部61,62の前後差圧を同じ値に制御する複数の圧力補償弁7a,7b,7c,7dとで構成されている。
流量制御弁6a,6b,6c,6dはそれぞれ操作レバー(図2には操作レバー群18が示される)の操作により切り換え操作され、その操作レバーの操作量に応じてメータイン絞り部61又は62の開口面積が決まる。
複数の圧力補償弁7a,7b,7c,7dは、それぞれ、流量制御弁6a,6b,6c,6dのメータイン絞り部61,62の上流に設置された前置きタイプ(ビフォアオリフィスタイプ)であり、圧力補償弁7aは1対の対向する受圧部70a,70bと開方向作動の受圧部70cとを有し、受圧部70a,70bに流量制御弁6aの上流側及び下流側の圧力がそれぞれ導かれ、受圧部70cに差圧減圧弁11の出力圧が導かれ、その出力圧を目標補償差圧として流量制御弁6bの前後差圧を制御する。圧力補償弁7bも圧力補償弁7aと同様であり、1対の対向する受圧部71a,71bと開方向作動の受圧部71cとを有し、受圧部71a,71bに流量制御弁6bの上流側及び下流側の圧力がそれぞれ導かれ、受圧部71cに差圧減圧弁11の出力圧が導かれ、その出力圧を目標補償差圧として流量制御弁6bの前後差圧を制御する。圧力補償弁7cも圧力補償弁7aおよび圧力補償弁7bと同様であり、1対の対向する受圧部72a,72bと開方向作動の受圧部72cとを有し、受圧部72a,72bに流量制御弁6cの上流側及び下流側の圧力がそれぞれ導かれ、受圧部72cに差圧減圧弁11の出力圧が導かれ、その出力圧を目標補償差圧として流量制御弁6cの前後差圧を制御する。
流量制御弁6d(以下予備セクション6dという)は油圧ショベルの通常の作業アクチュエータ(旋回モータ,ブーム、アームシリンダ等)以外の作業アッタチメント駆動用アクチュエータの流量制御弁を行うためにコントロールバルブ4に設けられたもので、圧力補償弁7dは1対の対向する受圧部73a,73bと開方向作動の受圧部73cとを有し、受圧部73a,73bに流量制御弁6dの上流側及び下流側の圧力がそれぞれ導かれ、受圧部73dには減圧弁19からの出力圧が導かれ、その出力圧を目標補償差圧として予備セクション6dの前後差圧を制御する。
複数の流量制御弁6a,6b,6cと予備セクション6dには、それぞれ、アクチュエータ3a,3b,3c,3dの駆動時にそれらの負荷圧を取り出す負荷ポート60a,60b,60c,60dが設けられ、これら負荷ポート60a,60b,60c,60dに取り出された負荷圧のうちの最高の圧力が負荷ライン8a,8b,8c、8d及びシャトル弁9a,9b,9cを介して信号ライン10に検出される。
差圧減圧弁11は、出力圧を増やす側に位置する受圧部11aと出力圧を減らす側に位置する受圧部11b,11cを有し、受圧部11aに油圧ポンプ2の吐出圧が導かれ、受圧部11b,11cにそれぞれ信号ライン10に検出された最高負荷圧と自己の出力圧が導かれ、これらの圧力のバランスで油圧ポンプ2の吐出圧と最高負荷圧との差圧(LS差圧)を絶対圧として出力する。
差圧減圧弁11の出力ポートは信号ライン21,22を介してポンプ傾転制御機構12に設けられたLS制御弁12bの受圧部12dに接続され、差圧減圧弁11の出力圧が受圧部12dに導かれる。また、差圧減圧弁11の出力ポートは、信号ライン21,23を介して圧力補償弁7aの受圧部70cに接続され、信号ライン21,24を介して圧力補償弁7bの受圧部71cに接続され、信号ライン21,25を介して圧力補償弁7cの受圧部72cに接続され、信号ライン21,26を介して減圧弁19に接続されている。
減圧弁19は信号ライン27を介して圧力補償弁7dの受圧部73cに接続され、減圧弁19に入力された圧力をある定数倍(<1)に減圧する弁ブロック19aと、前記入力をそのままの圧力信号として出力するか、もしくは減圧された圧力信号として出力するかを選択的に切換える切換弁ブロック19bとから構成されている。
弁ブロック19aは対抗するスプールの受圧面積をそれぞれS1,S2(但しS1<S2)とすると、弁ブロック19aの出力は入力信号圧×(S1/S2)となる。
また、切換弁ブロック19bは電磁切換弁であり、切換スイッチ33からの電気信号により切換えられる。
切換スイッチ33は通常モード位置33aと小流量モード位置33bに切換え可能であり、通常モード位置33aは切換電気信号を出力しないので切換弁ブロック19bは図1の位置にあり差圧減圧弁11からの出力圧はそのまま圧力信号として圧力補償弁7dの受圧部73cに出力される。
切換スイッチ33が小流量モード位置33bに切換えられると切換電気信号が出力されて切換弁ブロック19bは図1において右側位置に切換えられ、差圧減圧弁11の出力圧はブロック19aを通ってS1/S2に減圧されて圧力補償弁7dの受圧部73cに出力される。
このように、差圧減圧弁11は切換弁ブロック19bの切換えによって通常モードと小流量モードの2つの位置に切換え可能となっている。
ポンプ傾転制御機構12は、油圧ポンプ2の吐出圧が高くなると油圧ポンプ2の傾転を減らす馬力制御傾転アクチュエータ12aと、油圧ポンプ2の吐出圧が複数のアクチュエータ3a,3b,3c,3dの最高負荷圧より目標差圧だけ高くなるようロードセンシング制御するLS制御弁12b及びLS制御傾転アクチュエータ12cとを備えている。
LS制御弁12bは、アクチュエータ12cを増圧し油圧ポンプ2の傾転を減らす側に位置する受圧部12dと、アクチュエータ12cを減圧し油圧ポンプ2の傾転を増やす側に位置する受圧部12eとを有し、受圧部12dには差圧減圧弁11の出力圧(LS差圧)が導かれ、受圧部12eにはエンジン回転数検出回路13の差圧減圧弁51の出力圧がロードセンシング制御の目標差圧(目標LS差圧)として導かれている。
エンジン回転数調節レバー28は油圧ショベルの運転室に設けられ、油圧ショベルの全体のスピード調節(ブーム、アーム、バケット、旋回体等を動作させる全アクチュエータの作動速度の調節)を行うもので、図の矢印Hi方向に操作するとエンジンの燃料噴射ポンプの噴射量を多くしエンジン回転数を大きくし、図の矢印Low方向に操作するとエンジンの燃料噴射ポンプの噴射量を少なくしてエンジン回転数を少なくする。
エンジン回転数検出回路13は、流量検出弁50と上記の差圧減圧弁51とを有し、流量検出弁50は可変の絞り部50aを有しかつその絞り部50aがパイロットポンプ30の吐出ライン31に配置されている。吐出ライン31は流量検出弁50の上流側のライン31aと下流側のライン31bを有し、下流側のライン31bには、パイロット油圧源としての元圧を規定するリリーフ弁32が接続され、ライン31bは、例えば流量制御弁6a,6b,6c,6dを切換操作するためのパイロット圧を生成するリモコン弁(図示せず)へと接続されている。
流量検出弁50は吐出ライン31を流れる圧油の流量を絞り部50aの前後差圧の変化として検出し、その前後差圧を目標LS差圧として用いるためのものである。ここで、吐出ライン31を流れる圧油の流量はパイロットポンプ30の吐出流量であり、この吐出流量はエンジン1の回転数によって変化するため、吐出ライン31を流れる圧油の流量を検出することはエンジン1の回転数を検出することである。例えば、エンジン1の回転数が低下すれば当該流量が減少し、絞り部50aの前後差圧は低下する。
また、絞り部50aは開口面積が連続的に変化する可変絞り部として構成されており、流量検出弁50は更に開方向作動の受圧部50bと絞り方向作動の受圧部50c及びバネ50dを有し、受圧部50bに可変絞り部50aの上流側圧力(ライン31aの圧力)が導かれ、受圧部50cに可変絞り部50aの下流側圧力(ライン31bの圧力)が導かれ、可変絞り部50a自身の前後差圧に依存してその開口面積を変化させる構成となっている。このように流量検出弁50を構成し、可変絞り部50aの前後差圧を目標LS差圧として用いることにより、エンジン回転数に応じたサチュレーション現象の改善が図れ、エンジン回転数を低く設定した場合に良好な微操作性が得られる。
差圧減圧弁51は、エンジン回転数に依存する圧力として可変絞り部50aの前後差圧を絶対圧として出力するエンジン回転数検出弁であり、出力圧を増やす側に位置する受圧部51aと出力圧を減らす側に位置する受圧部51b,51cを有し、受圧部51aに可変絞り部50aの上流側圧力が導かれ、受圧部51b,51cにそれぞれ可変絞り部50aの下流側圧力と自己の出力圧が導かれ、これらの圧力のバランスでライン31bの圧力を基に可変絞り部50aの前後差圧を絶対圧として出力する。この差圧減圧弁51の出力ポートは信号ライン53を介してLS制御弁12bの受圧部12eに接続され、差圧減圧弁51の出力圧が目標LS差圧として受圧部12eに導かれる。その結果、エンジン回転数に応じたアクチュエータスピードの設定が可能となる。
次に、本実施の形態の動作を比較例と対比して説明する。以下の説明では、油圧ポンプ2の吐出圧をPs、アクチュエータ3a,3b,3c,3dの最高負荷圧をPLmax、油圧ポンプ2の吐出圧と最高負荷圧との差圧(ΔPLS=LS差圧=差圧減圧弁11の出力圧)をPLS、差圧減圧弁51の出力圧をPgr(目標LS差圧)、圧力補償弁7aの目標補償差圧をPc1、圧力補償弁7bの目標補償差圧をPc2、圧力補償弁7cの目標補償差圧をPc3,圧力補償弁7dの目標補償差圧をPc4とする。
図3は比較例として、図1に示した予備セクションの圧力補償弁7dの受圧部73cに他のセクションの圧力補償弁7a,7b,7cと同様に差圧減圧弁11の出力圧をそのまま導いたものである。この構成は、特許文献1(特開2003−113803号公報)に記載の従来技術(図2)に油圧アタッチメント用の油圧アクチュエータに油圧ポンプ2の圧油を供給する流量制御弁として予備セクション7dを付加し、圧力補償弁7a,7b,7cおよび予備セクション7dに油圧ポンプ2の吐出圧Psと複数のアクチュエータ3a,3b,3c,3dの最高負荷圧PLmaxとの差圧ΔPLSを絶対圧(=差圧減圧弁11の出力圧PLS)として導くようにした構成に相当する。
図3の比較例1においては、油圧アタッチメント駆動用の油圧アクチュエータ3dの必要とする流量が予備セクション7dの最大開口面積(操作レバーの最大操作位置)での吐出量より大幅に少ない場合に、予備セクション6dの開口面積(操作レバーの操作位置)を常にコントロールして予備セクションからの吐出量が必要流量を超えないように調整する必要があり、操作性が著しく悪化するとともに予備セクション7dの操作量が大き過ぎると過大な流量が油圧アクチュエータ3dに供給され油圧アクチュエータ(例えば、油圧アクチュエータ3dがブレーカや破砕機の駆動用油圧モータの場合には該油圧モータ)が破壊されたり、他の油圧アクチュエータ3a,3b,3cとの複合操作時に油圧アッタチメントの油圧アクチュエータ3dの動作速度が速すぎて(例えば油圧アクチュエータ3dがグラップルの開閉シリンダの場合にブームシリンダ3aおよびアームシリンダ3b等の動作速度に対してグラップル13の開閉シリンダの開閉速度が速すぎて)複合操作性が悪化する等の問題が発生する。
そこで、特許文献2(特開平−159135号公報)の開示に習って
差圧減圧弁11の出力ポートと予備セクションの圧力補償弁7dの受圧部73cとを結ぶ信号ライン26に電磁比例減圧弁34を設けることによって圧力補償弁へ送られるPLSを減圧してその値を減少することによって予備セクションから油圧アタッチメント用の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を少なくようにする方法が考えられる。図4は、その場合の構成を比較例2として示すものである。
切換スイッチ33が通常モード位置33aでは切換電気信号を出力しないので電磁比例減圧弁34は差圧減圧弁11からのPLSはそのまま圧力信号として圧力補償弁7dの受圧部73cに出力される。
切換スイッチ33が小流量モード位置33bに切換えられると切換電気信号(一定の電流値)が電磁比例減圧弁34に出力され、電磁比例減圧弁34は電流値に応じた位置に切換えられる。
この切換位置では差圧減圧弁11からの出力圧PLSを常に一定値に減圧するので圧力補償弁7dの目標補償差圧Pc4は常にPLSより低い一定値となり、一方圧力補償弁7a,圧力補償弁7bおよび圧力補償弁7cの目標補償差圧Pc1,Pc2およびPc3はPLSと等しくなる。したがって、予備セクションから4dの予備セクション7dの最大開口面積(操作レバーの最大操作位置)での吐出量をある一定値に制限することができ、油圧アタッチメント駆動用の油圧アクチュエータ3dに送られる吐出量を必要流量以下に抑えて、油圧アタッチメント駆動の油圧アクチュエータ(ブレーカ駆動用油圧モータ等)が破壊されたり、他の油圧アクチュエータと複合操作時に他の油圧アクチュエータ動作速度に対する動作速度が速すぎる等の問題を解消することができる。
しかし、上記構成では、小流量モード時に予備セクションの圧力補償弁へ送られるPLSが常に一定値に制限されるので、例えば、油圧ショベルのスピード調節を行いエンジン回転数Nを変更してPgr(目標LS差圧)が変化し、差圧減圧弁11からの出力圧PLS(LS差圧)の値が変化すると、これに伴って他の各作業アクチュエータのスピードは比率を変えずに変化するが、油圧アタッチメント駆動の油圧アクチュエータのスピードは変わらず、他の各作業アクチュエータのスピード比率が変化してしまうので複合操作性に問題が生じる。
以下、そのメカニズムについて説明する。
図5aは図4の比較例2におけるエンジン回転数Nと電磁比例減圧弁34から圧力補償弁7dの受圧部73cに出力される目標補償差圧Pc4との関係を示す。実線イは切換スイッチ33が通常モード位置33aでのエンジン回転数Nの変化に対する目標補償差圧Pc4の値(Pc1〜Pc3の値も同様となる)を表し、実線ロは切換スイッチ33が小流量モード33bに切換えられ切換電気信号(一定の電流値)が出力され電磁比例減圧弁34が切換えられた状態でのエンジン回転数Nの変化に対する目標補償差圧をPc4の値を表す。
図のように、通常モード時(実線イ)に電磁比例減圧弁34から出力される目標補償差圧Pc4は差圧減圧弁11からのPLSと等しくなり、エンジン回転数Nの増加あるいは減少にほぼ比例して変化するが、小流量モード時には目標補償差圧をPc4はエンジン回転数Nが所定の値より増大すると一定の値(実線ロ)に制限される。
通常モード時には他の油圧アクチュエータ3a,3b,3cの流量制御弁6a,6b,6cの前後差圧を制御する圧力補償弁7a,7b,7cの目標補償差圧Pc1,Pc2,Pc3も差圧減圧弁11からのPLSと等しくなりエンジン回転数Nの増加あるいは減少にほぼ比例する値(実線イ)となるので油圧アクチュエータ3a,3b,3c,3dの複合操作時にはエンジン回転数Nの増減に伴ってPLSが増減しても目標補償差圧Pc1,Pc2,Pc3,Pc4は全て同じ比率で変化するので油圧アクチュエータ3a,3b,3c,3dのスピードも同じ比率で変わる(各流量制御弁6a,6b,6c、6dの開口面積、すなわち操作量にのみ応じた値となる)ので良好な複合操作性が得られる。
しかし、切換スイッチ33を小流量モード位置33bに切換え状態で、油圧アタッチメントと他の作業部材との複合操作を行うと、例えば、図2のグラップル13とブーム16およびアーム17との複合操作時には、ブームシリンダ3aおよびアームシリンダ3bはエンジン回転数Nの設定を変えることによってPLSが増減しても目標補償差圧Pc1,Pc2は同じようにで変化(実線イ)しブームシリンダ3aおよびアームシリンダ3bのスピード比率が変わらないのに対しグラップル開閉用シリンダ3dの目標補償差圧Pc4はエンジン回転数Nの設定を変えても一定値(実線ロ)に制限され、ブームシリンダ3aおよびアームシリンダ3bとのスピード比率が変化するので、オペレータの操作に多大な違和感を与えることとなり複合操作性が悪化する。
このような問題を解決するため、本実施の形態では、上記のように前記予備セクション6dに係わる圧力補償弁7dと差圧減圧弁11とを結ぶ油圧回路(信号ライン26)に前記予備セクションの圧力補償弁7dへの目標補償差圧Pc4を差圧減圧弁11の出力圧PLSの定数倍(<1)に減圧する減圧弁19を設けたものである。
図5bは本実施の形態の図1におけるエンジン回転数Nと減圧弁19から圧力補償弁7dの受圧部73cに出力される目標補償差圧をPc4との関係を示す。実線ハ(イと同じ)は切換スイッチ33が通常モード位置33aでのエンジン回転数Nの変化に対する目標補償差圧Pc4の値を表す。
この場合切換弁ブロック19bは図1の位置にあり切換わらないので差圧減圧弁11からの出力圧PLSはそのまま圧力補償弁7dの受圧部73cに伝達され、エンジン回転数N(目標LS差圧Pgr)の増減にほぼ比例して増減する。
実線ニは切換スイッチ33が小流量モード位置33bに切換えられ切換電気信号が出力されて、切換弁ブロック19bが図1において右側位置に切換えられた状態でのエンジン回転数Nの変化に対する目標補償差圧Pc4の値を表す。
この場合、差圧減圧弁11の出力圧PLSは弁ブロック19aを通ってS1/S2に減圧されて圧力補償弁7dの受圧部73cに伝達される。すなわち、エンジン回転数Nの増減に対して圧力補償弁7dの目標補償差圧Pc4は実線ニに示すようにPLS×(S1/S2)倍で増減することになる。また、油圧ポンプ2から圧力補償弁7dを通って流量制御弁6dに導かれる流量は目標補償差圧Pc4の√倍に比例するので√PLS×(S1/S2)倍となる。
例えば、S1:S2=1:4に設定した場合、圧力補償弁7dの目標補償差圧Pc4は(1/4)PLS倍となり、流量制御弁6dに導かれる流量は√(1/4)PLS=1/2PLS倍となる。
実線ニに示すように、切換スイッチ33の小流量モード位置33bで圧力補償弁7dの目標補償差圧Pc4はエンジン回転数N(目標LS差圧Pgr)の増減に応じて増減する差圧減圧弁11からの出力圧PLS(実線ハ)に対して常に常数倍(S1/S2<1)を保持して増減するので、油圧アタッチメントと他の作業部材との複合操作時、例えば、図2のグラップル13とブーム16およびアーム17との複合操作時に、
エンジン回転数Nの設定を変えることによってブームシリンダ3aおよびアームシリンダ3bに係わる圧力補償弁7a,7bの目標補償差圧Pc1,Pc2=PLSが増減してもグラップル13のグラップル開閉シリンダ3dに係わる圧力補償弁7dの目標補償差圧Pc4は常に定数倍(S1/S2<1)を保持するためブームシリンダ3aおよびアームシリンダ3bに対するスピード比率が変化せず、しかも油圧ポンプ2からグラップル開閉シリンダ3dに供給される流量は必要流量以内に抑えられる。
また、図1の実施形態によれば、減圧弁19の出力圧は弁ブロック19aのスプールの対抗する面積差で決まり、油温の影響を受けにくいので、油温に影響されることなく安定した流量の変更が可能となる。
さらに、図1の実施形態によれば、公知文献2の減圧弁(油圧式)に比べ、圧油をタンクに放出するものではないので、減圧弁19の消費流量を小さく抑えることが容易であり、エネルギーロスを小さくできる。
さらに、減圧弁19をコントロールバルブ4の外部の信号ライン26に着脱可能に設けることができるので、例えば、油圧ショベルの油圧アタッチメントの油圧アクチュエータの必要流量が油圧ショベル駆動用の油圧アクチュエータに比較して少ないものを採用するに際し、本実施形態の減圧弁19を容易に取り付け可能となる。
しかも、油圧アタッチメントの油圧アクチュエータが通常流量を必要とするものと付け変えた場合には、減圧弁19を通常モードに切換えることで、油圧ポンプから必要流量を油圧アクチュエータに供給可能である。
図6aは図1の実施形態において、減圧弁19に代えて減圧弁19′を設けこの減圧弁19′の切換弁ブロック19b′を手動切換弁としたもので、切換えスイッチ33を用いずに手動操作により必要に応じて通常モード切換位置と小流量モード切換位置を選択できる。
図6bは図1の実施形態において、減圧弁19に代えて減圧弁19″を設けこの減圧弁19″の切換弁ブロック19の切換弁ブロック19b″をパイロット操作の切換弁としたもので、図示しないパイロット圧操作手段によって通常モード切換位置と小流量モード切換位置を選択できる。
本発明の実施の形態に係わる油圧駆動装置の全体構成を示す図である。 本発明が適用される木造家屋解体作業用のグラップル13を油圧アタッチメントとして装備した油圧ショベルを示す図である。 従来技術に基づく構成を比較例1として示す図1と同様な図である。 比較例1の対策例を比較例2として示す図1と同様な図である。 比較例2におけるエンジン回転数と電磁比例減圧弁から圧力補償弁の受圧部に出力される目標補償差圧との関係を示す図である。 本実施の形態の図1におけるエンジン回転数と減圧弁から圧力補償弁の受圧部に出力される目標補償差圧との関係を示す図である。 図1の実施形態の減圧弁に代えて減圧弁を手動操作切換えとした図である。 図1の実施形態の減圧弁に代えて減圧弁をパイロット操作切換えとした図である。
符号の説明
1 エンジン
2 メインの油圧ポンプ
3a,3b,3c,3d アクチュエータ
4 コントロールバルブ
4a,4b,4c,4d 流量制御弁
5 供給油路
6a,6b,6c,6d 流量制御弁
7a,7b,7c,7d 圧力補償弁
8a,8b,8c,8d 負荷ライン
9a,9b,9c シャトル弁
10 信号ライン
11 第1の差圧減圧弁
11a,11b,11c 受圧部
12 ポンプ傾転制御機構
12a 馬力制御傾転アクチュエータ
12b LS制御弁
12c LS制御傾転アクチュエータ
13 エンジン回転数検出回路
19 減圧弁
19a 弁ブロック(減圧用)
19b 切換ブロック
21,22,23,24,25、26,27 信号ライン
31 吐出ライン
32 リリーフ弁
50 流量検出弁
50a 絞り部
51 第2の差圧減圧弁
51a,51b,51c 受圧部
53, 信号ライン
60a,60b,60c,60d… 負荷ポート
61,62 メータイン可変絞り部
70a,70b,70c,70d 受圧部
71a,71b,71c,71d 受圧部

Claims (8)

  1. エンジンと、このエンジンにより駆動される可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁と、前記複数の流量制御弁の前後差圧をそれぞれ制御する複数の圧力補償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧が前記複数のアクチュエータの最高負荷圧より目標差圧だけ高くなるようロードセンシング制御する油圧ポンプ制御手段と、前記油圧ポンプの吐出圧と前記複数のアクチュエータの最高負荷圧との差圧を絶対圧として出力する第1の差圧減圧弁と、前記油圧ポンプを駆動する前記エンジンの回転数に依存する圧力を絶対圧として出力する第2の差圧減圧弁とを備え、前記複数の圧力補償弁のそれぞれに前記第1の差圧減圧弁の出力圧を導き各圧力補償弁の目標補償差圧を設定すると共に前記ポンプ制御手段に前記第2の差圧減圧弁の出力圧を導き、前記ロードセンシング制御の目標差圧を前記エンジンの回転数に依存する可変値として設定した油圧駆動装置において、
    前記複数のアクチュエータは油圧アタッチメント駆動用のアクチュエータを含み、前記複数の流量制御弁は油圧アタッチメント駆動用アクチュエータの予備セクションを含み、
    前記予備セクションに係わる圧力補償弁と前記第1の差圧減圧弁とを結ぶ油圧回路に前記予備セクション用圧力補償弁の目標補償差圧を第1の差圧減圧弁の出力圧の定数倍(<1)に減圧する減圧弁を設けたことを特徴とする油圧駆動装置。
  2. 請求項1記載の油圧駆動装置において、前記減圧弁は通常モードと小流量モードとの少なくとも2つの位置を切換え可能にし、通常モードの切換位置では前記第1の差圧減圧弁の出力圧を前記予備セクションに係わる圧力補償弁に出力し、小流量モードの切換位置では前記第1の差圧減圧弁の出力圧を一定倍に減圧して圧力補償弁に出力するよう構成したことを特徴とする油圧駆動装置。
  3. 請求項1または2記載の油圧駆動装置において、前記減圧弁は圧力補償弁と前記第1の差圧減圧弁とを結ぶ油圧回路に着脱自在に設けられたことを特徴とする油圧駆動装置。
  4. 請求項2記載の油圧駆動装置において、前記減圧弁の通常モードから小流量モードへの切換えを電気信号により行うことを特徴とする油圧駆動装置。
  5. 請求項2記載の油圧駆動装置において、前記減圧弁の通常モードから小流量モードへの切換えを手動操作により行うことを特徴とする油圧駆動装置。
  6. 請求項2記載の油圧駆動装置において、前記減圧弁の通常モードから小流量モードへの切換えを油圧パイロット信号により行うことを特徴とする油圧駆動装置。
  7. 請求項1または2記載の油圧駆動装置において、前記油圧アタッチメント駆動用のアクチュエータはグラップルを開閉する油圧シリンダであることを特徴とする油圧駆動装置。
  8. 請求項1または2記載の油圧駆動装置において、前記油圧アタッチメント駆動用のアクチュエータは油圧ブレーカまたは油圧破砕機を駆動する油圧モータであることを特徴とする油圧駆動装置。
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