JP2005214655A - 変形セグメント歯車を含むぜんまい巻き状態表示装置付き時計 - Google Patents

変形セグメント歯車を含むぜんまい巻き状態表示装置付き時計 Download PDF

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Abstract

【課題】 巻印針の回転中心を時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置できるように構成したぜんまい巻き状態表示装置付き時計を提供する。
【解決手段】 ムーブメント100は、香箱車120と、香箱歯車120dと連動され、香箱歯車120dの回転を減速させるための減速機構、すなわち遊星ユニット150とを備える。セグメント歯車184が遊星ユニット150の出力に基づいて回転可能なように設けられる。巻印表示車190はセグメント歯車184の作動に基づいて回転する。ぜんまい巻き状態表示部材196が、巻印表示車190の回転に基づいて、ぜんまい120の巻き状態を表示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械式時計の動力源を構成するぜんまいの巻き状態を表示する機能を備えたぜんまい巻き状態表示装置付き時計に関する。特に、本発明は、時計のムーブメント内で任意適当な位置にぜんまい巻き状態表示部材(パワーリザーブ指針)を配置できるように構成したぜんまい巻き状態表示装置付き時計に関する。
(1)従来の第1タイプのぜんまい巻き状態表示装置付き時計
従来の第1タイプのぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、ぜんまいが作動することができる残りの時間、すなわち、時計の持続時間の表示を行う機構(パワーリザーブ機構)を備えている。このようなパワーリザーブ機構は、時計の持続時間の表示を行う針を扇状に往復させるために遊星歯車機構を用いている。この従来の第1タイプのぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、角穴車と、香箱車と噛み合う遊星中間歯車と、遊星中間歯車の偏心部に回転可能に取付けられた遊星車と、遊星かなと噛み合う太陽車と、遊星歯車と噛み合う第二太陽車から構成される遊星歯車機構と、太陽かなと噛み合う表示伝え車と、表示伝えかなと噛み合う表示車と、表示度決めピンと、角穴車と第二太陽歯車と噛み合う遊星伝え車とで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
(2)従来の第2タイプのぜんまい巻き状態表示装置付き時計
従来の第2タイプのぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、香箱歯車の回転により回転可能なように設けられた遊星中間歯車と、遊星中間歯車の回転中心と異なる箇所を回転中心として、遊星中間歯車に回転可能に設けられ、一体となって回転可能な第1遊星車及び第2遊星車を有する遊星車と、遊星中間歯車の回転中心を回転中心として回転可能に設けられ、第2遊星車と噛み合っている第1太陽歯車を有する第1太陽車と、第1太陽車の回転中心を回転中心として回転可能に設けられ、角穴伝え車と噛み合っている第2太陽歯車と、第1遊星車と噛み合っている第2太陽かなとを有する第2太陽車と、第1太陽車に取付けられ、1つ以上の送りつめを有するつめ車と、送りつめにより、間欠的に回転可能に設けられた巻印中間車と、巻印中間車の回転方向の位置を規正するための巻印ジャンパと、巻印中間車の回転に基づいてぜんまい巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材(パワーリザーブ指針)とを備えている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−21886号公報(第3〜4頁、図1参照) 特開平11−183642号公報(第4〜5頁、図1〜図4参照)
従来のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、ぜんまい巻き状態表示部材(すなわち、巻印針:パワーリザーブ指針)の回転中心が香箱歯車の回転中心の近傍に配置されていた。したがって、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、複数の指針(時針、分針、秒針、巻印針など)の配置に関して、デザイン上の制約があった。また、従来のぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、ぜんまい巻き状態表示部材の回転中心を香箱歯車の回転中心から離れた位置に配置する場合、香箱歯車から歯車列を介してぜんまい巻き状態表示部材に回転を伝達しなければならなかった。このような構造では、複数の歯車間の噛合いのバックラッシュが存在し、巻印針(パワーリザーブ指針)の作動が遅れるという課題が生じていた。
本発明の目的は、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、香箱歯車の回転中心の位置にかかわらず、巻印針(パワーリザーブ指針)の回転中心を時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置できるように構成することにある。
本発明の他の目的は、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、巻印針(パワーリザーブ指針)に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を減らして、巻印針(パワーリザーブ指針)の作動が遅れるのを防止することにある。
本発明の更に他の目的は、デザイン上の制約が非常に小さい、小型で薄型のぜんまい巻き状態表示装置付き時計を提供することにある。
本発明は、機械式時計の動力源を構成するぜんまいの巻き状態を表示する機能を備えたぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、ぜんまいおよび香箱歯車を有し、香箱歯車がぜんまいの巻き戻しにより1つの方向にのみ回転可能なように構成されている香箱車と、香箱歯車と連動され、香箱歯車の回転を減速させるための減速機構と、減速機構の出力に基づいて回転可能なセグメント歯車と、セグメント歯車の作動に基づいて回転可能な巻印表示車と、巻印表示車の回転に基づいて、ぜんまいの巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材とを備えるように構成した。この構成により、ぜんまい巻き状態表示部材の回転中心(すなわち、巻印針の回転中心)が、香箱歯車の回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができるできる。また、この構成により、巻印針に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針の作動が遅れるのを防止することができる。
本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、減速機構は遊星ユニットで構成され、この遊星ユニットは、香箱真に固定された第1太陽車と、香箱歯車の底面に回転可能なように取付けられた遊星車と、香箱真に回転可能に取付けられた第2太陽車とを含み、香箱歯車が回転すると、遊星車は第1太陽車のまわりを公転しながら自転することができるように構成されるのが好ましい。
また、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、セグメント歯車は、減速機構の出力を受け入れるための第1セグメント歯車と、巻印表示車を回転させるための第2セグメント歯車とを含むのが好ましい。
さらに、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、地板と、巻真と、筒車とを備える。そして、地板に、筒車の回転中心を通り、巻真の中心軸線とほぼ平行な地板基準垂直軸線と、筒車の回転中心を通り地板基準垂直軸線と垂直な地板基準水平軸線を定義し、地板に、地板基準垂直軸線の一方の側に位置しかつ地板基準水平軸線より巻真に近い方の側に位置する第1領域と、地板基準垂直軸線の他方の側に位置しかつ地板基準水平軸線より巻真に近い方の側に位置する第2領域と、地板基準垂直軸線の上記第2領域のある上記他方の側に位置しかつ地板基準水平軸線より巻真から遠い方の側に位置する第3領域と、地板基準垂直軸線の上記第1領域のある上記一方の側に位置しかつ地板基準水平軸線より巻真から遠い方の側に位置する第4領域とを定義する。このとき、香箱車の回転中心は第2領域に配置され、減速機構の回転中心は香箱車の回転中心と同じ位置に配置され、巻印表示車の回転中心は、地板基準垂直軸線の上で、文字板の3時方向の領域に配置されるのが好ましい。
また、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、香箱車と、香箱歯車と連動され、香箱歯車の回転を減速させるための減速機構と、減速機構の出力に基づいて回転可能なセグメント歯車と、セグメント歯車の作動に基づいて回転可能な巻印表示車と、巻印表示車の回転に基づいて、ぜんまいの巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材と、巻印表示車を回転可能なように支持する、複数の巻印表示車支持部とを備え、巻印表示車は、複数の巻印表示車支持部のうちの1箇所に支持され、セグメント歯車は、減速機構の作動を、前記複数の巻印表示車支持部のうちの1箇所に支持された巻印表示車に伝達させるように構成されている。この構成により、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、香箱歯車の回転中心の位置にかかわらず、巻印針の回転中心を時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置できる。そして、複数の巻印表示車支持部がムーブメントに設けられているので、巻印針の回転中心の位置を変えるために複数のムーブメントを用意する必要がない。また、この構成により、小型で薄型のぜんまい巻き状態表示装置付き時計を実現することができる。
さらに、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、セグメント歯車は、減速機構の出力を受け入れるための第1セグメント歯車を備え、第1セグメント歯車は、巻印表示車を回転させるように構成されるのがよい。また、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、セグメント歯車は、減速機構の出力を受け入れるための第1セグメント歯車と、他のセグメント歯車とを備え、前記他のセグメント歯車は、巻印表示車を回転させるように構成するのがよい。この構成により、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、巻印針に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針の作動が遅れるのを防止することができる。
さらに、本発明は、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、香箱車と、香箱歯車と連動され、香箱歯車の回転を減速させるための減速機構と、減速機構の作動に基づいて回転する巻印表示車と、巻印表示車の回転に基づいて、ぜんまいの巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材とを備えるように構成される。このぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、減速機構は遊星ユニットで構成され、この遊星ユニットは、香箱真に固定された第1太陽車と、香箱歯車の底面に回転可能なように取付けられた遊星車と、香箱真に回転可能に取付けられた第2太陽車とを含み、香箱歯車が回転すると、遊星車は第1太陽車のまわりを公転しながら自転することができるように構成され、第2太陽車の回転に基づいて巻印表示車を回転させるように構成されることを特徴とする。この構成により、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、香箱歯車の回転中心の位置にかかわらず、巻印針の回転中心を時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置できる。そして、複数の巻印表示車支持部がムーブメントに設けられているので、巻印針の回転中心の位置を変えるために複数のムーブメントを用意する必要がない。
本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、ぜんまい巻き状態表示部材の回転中心(すなわち、巻印針の回転中心)が、香箱歯車の回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができる。また、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、巻印針に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針の作動が遅れるのを防止することができる。さらに、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、小型で薄型であり、加えて、デザイン上の制約が非常に小さい。
以下に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1の実施の形態
(1・1)ムーブメントの全体構成
最初に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態について説明する。図1〜図4を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計はムーブメント100を備える。「ムーブメント」とは、駆動部分を含む時計の機械体を示す。また、「コンプリート」とは、時計のムーブメントに文字板、指針(時針、分針、秒針など)、りゅうずなどを取り付けて時計ケース(時計外装)に収容した時計の完成体を示す。ムーブメント100は、地板102、第二地板112、日車押え116を含む。ムーブメント100において、「表側」とは、地板102の両面のうちで、時計ケースのガラスから遠い方の側、すなわち、「裏蓋側」を示す。ムーブメント100において、「裏側」とは、地板102の両面のうちで、時計ケースのガラスに近い方の側、すなわち、「文字板側」を示す。ムーブメント100は、さらに、一番受104と、二番受105と、アンクル受106と、てんぷ受107とを備える。第二地板112、日車押え116は地板102の裏側に配置される。文字板110が第二地板112のガラス側に配置される。文字板110は文字板受リング109を介して地板102に取付けられる。巻真118が地板102に回転可能で、軸線方向に移動可能なように組み込まれる。
ムーブメント100の表側には、表輪列と、脱進機構と、調速機構と、自動巻機構と、手巻機構と、切換装置と、ぜんまい巻き状態表示機構を作動させる遊星機構とが配置される。或いは、手巻機構を削除してもよい。或いは、切換装置はムーブメント100の裏側に配置してもよい。或いは、ムーブメント100の表側に手巻機構を配置し、自動巻機構を省略してもよい。ムーブメント100の裏側には、裏輪列と、日表示機構と、日修正機構と、遊星機構により作動するぜんまい巻き状態表示機構とが配置される。表輪列は地板102、一番受104、二番受105に対して回転可能に支持される。裏輪列は地板102、第二地板112、日車押え116に対して回転可能に支持される。或いは、日表示機構および日修正機構を省略してもよい。必要ならば、曜表示機構および曜修正機構をムーブメント100の裏側に設けてもよい。
図1及び図2において、地板102に、筒車232の回転中心200を通り、巻真118の中心軸線とほぼ平行な地板基準垂直軸線205と、筒車232の回転中心200を通り地板基準垂直軸線205と垂直な地板基準水平軸線206を定義する。地板102には、地板基準垂直軸線205の一方の側に位置しかつ地板基準水平軸線206より巻真118に近い方の側に位置する第1領域201と、地板基準垂直軸線205の他方の側に位置しかつ地板基準水平軸線206より巻真118に近い方の側に位置する第2領域202と、地板基準垂直軸線205の上記第2領域202のある上記他方の側に位置しかつ地板基準水平軸線206より巻真118から遠い方の側に位置する第3領域203と、地板基準垂直軸線205の上記第1領域201のある上記一方の側に位置しかつ地板基準水平軸線206より巻真118から遠い方の側に位置する第4領域204とが設けられている。図1において、第1領域201及び第4領域204は地板基準垂直軸線205より右側にあるが、これらの第1領域201及び第4領域204は地板基準垂直軸線205より左側にあるように定義してもよい。この場合には、第2領域202及び第3領域203は、地板基準垂直軸線205より右側にあるように定義する。なお、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の実施の形態では、ムーブメントにおける部品の配置は、図示した配置であってもよいし、或いは、地板基準垂直軸線205を対称軸として図示した配置と線対称(ミラー・イメージ)の配置であってもよい。
(1・2)表輪列の構成
次に、表輪列の構成について説明する。図2〜図4を参照すると、香箱車120が一番受104及び地板102に対して回転可能に支持される。香箱車120は、ぜんまい120bと、香箱真120cと、香箱歯車120dと、香箱ふた120fとを有する。ぜんまい120bは機械式時計の動力源を構成する。ぜんまい120bが巻き戻される(解放される)ことにより、香箱歯車120dは1つの方向に回転し、表輪列及び裏輪列の回転を介して、指針(時針、分針、秒針など)により時刻情報を表示する。ぜんまい120bの動力により回転する香箱歯車120dの回転は、調速装置及び脱進装置によって制御される。調速装置はてんぷ142を含む。脱進装置はアンクル144及びがんぎ車146を含む。てんぷ142はてんぷ受107及び地板102に対して回転可能に支持される。アンクル144はアンクル受106及び地板102に対して回転可能に支持される。がんぎ車146は一番受104及び地板102に対して回転可能に支持される。香箱歯車120dの回転により、二番車122が1時間に1回転するように構成される。二番車122は二番受105及び地板102に対して回転可能に支持される。二番車122の回転により、三番車124が回転するように構成される。
三番車124は一番受104及び地板102に対して回転可能に支持される。三番車124の回転により、四番車126が1分間に1回転するように構成される。四番車126は一番受104及び地板102に対して回転可能に支持される。四番車126の回転速度は、がんぎ車146により制御されるように構成される。がんぎ車146の回転速度は、アンクル144により制御されるように構成される。アンクル144の揺動運動は、てんぷ142により制御されるように構成される。表輪列は、二番車122、三番車124、四番車126を含む。二番車122に取付けられた分針246が「分」を表示するように構成される。四番車126に取付けられた秒針248が「秒」を表示するように構成される。四番車126の回転中心と二番車122の回転中心とは同じ位置にあるように構成される。角穴車130の角穴部が、香箱車120の香箱真120cの上方部(一番受104がある方の側)に設けられた角軸部120hに組み込まれる。角穴止めねじ132により、角穴車130は香箱真120cと一体になって回転するように支持される。角穴車130は香箱車120の回転する方向と同一の方向にのみ回転することができる。角穴車の回転規正部材を構成するこはぜ131が、角穴車130の回転を1つの方向のみに規正するために一番受104に設けられる。こはぜ131により、角穴車130が香箱車120の回転する方向と反対の方向に回転するのを阻止することができる。手巻機構を設ける構成では、手巻機構は、つづみ車272と、きち車133と、丸穴車134と、丸穴伝え車135とを含む。つづみ車272の1つの方向の回転により、きち車133が回転するように構成される。きち車133の回転により、丸穴車134の回転を介して丸穴伝え車135が回転するように構成される。丸穴伝え車135の回転により、角穴車130が時計回り方向に回転するように構成される。角穴車130が回転することにより、ぜんまい120bを巻くことができるように構成される。
(1・3)自動巻機構の構成
次に、自動巻機構の構成について説明する。図2及び図4において、ぜんまい120bを巻き上げるための自動巻機構がムーブメント100の表側に設けられる。自動巻機構は、回転錘210と、一番伝え車212と、つめレバー214と、二番伝え車216とを含む。回転錘210はボールベアリング210bを介して一番受104に回転可能に組み込まれる。一番伝え車212は一番受104及び地板102に対して回転可能に支持される。一番伝え車212の歯車部は回転錘210の回転錘かな210cに噛み合うように構成される。つめレバー214の基部の穴(図示せず)が、一番伝え車212の偏心カム部分(図示せず)に回転可能に組み込まれる。つめレバー214は2つのつめ部分、すなわち引きつめ214fと、押しつめ214gとを有する。二番伝え車216は一番受104に対して回転可能に支持される。つめレバー214の引きつめ214fと、押しつめ214gは、二番伝え車216のラチェット歯(図示せず)に噛合うように構成される。回転錘210が回転すると、一番伝え車212が回転して、つめレバー214を作動させるように構成される。つめレバー214の引きつめ214fは、二番伝え車216を1つの方向(図2において反時計回り方向)にのみ回転させることができるように構成される。つめレバー214の押しつめ214gは、二番伝え車216を1つの方向(図2において反時計回り方向)にのみ回転させることができるように構成される。したがって、回転錘210が回転すると、つめレバー214が作動し、二番巻伝え車216の回転に基づいて、角穴車130が時計回り方向に回転するように構成される。その結果、回転錘210が回転すると、自動巻機構の作動により、ぜんまい120bを巻きあげることができる。
(1・4)裏輪列の構成
次に、裏輪列の構成について説明する。図4を参照すると、裏輪列は、日の裏車230と、筒車232とを含む。二番車122の回転により、日の裏車230が回転するように構成される。日の裏車230の回転により、筒車232が12時間で1回転するように構成される。筒車232に取付けられた時針244が「時」を表示する。筒車232の回転中心と二番車122の回転中心とは同じ位置にあるように構成される。日の裏車230の回転中心は地板基準垂直軸線205の上に配置されるのが好ましい。
(1・5)切換機構の構成
次に、切換機構の構成について説明する。本発明の時計では、時計の時刻を合わせるために、切換機構と、時刻合わせ機構とが設けられている。図3を参照すると、切換機構は、おしどり236、かんぬき237、かんぬき押え238を含むように構成される。時刻合わせ機構は、巻真118と、つづみ車272とを含む。つづみ車272の角穴部は巻真118の角軸部に組み込まれる。巻真118の中心軸線にそう方向における巻真118の位置は、切換装置(おしどり、かんぬき押えなど)により定められる。巻真118の中心軸線にそう方向におけるつづみ車272の位置は、切換装置(おしどり、かんぬき、かんぬき押えなど)により定められる。つづみ車272は、ムーブメント100の中心部に近い方に位置する甲歯272aと、ムーブメント100の外形部に近い方に位置する乙歯272bとを備える。つづみ車272の乙歯272bはラチェット歯車で構成される。きち車133は、つづみ車272の乙歯272bと噛合うことが出来るように構成されたきち小歯車133bと、丸穴車134の歯車部と噛合うことが出来るように構成されたきち大歯車133cとを備える。きち小歯車133bはラチェット歯車で構成される。
巻真118を0段目にした状態、および、巻真118を1段目にした状態では、つづみ車272の甲歯272aは日の裏車230の歯車部と噛合わないように構成される。巻真118を0段目にした状態、および、巻真118を1段目にした状態では、つづみ車272の乙歯272bはきち車133の小歯車133bと噛合うように構成される。巻真118を2段目にした状態では、つづみ車272の甲歯272aは日の裏車230の歯車部と噛合うように構成される。巻真118を2段目にした状態では、つづみ車272の乙歯272bはきち車133の小歯車133bと噛合わないように構成される。巻真118を0段目にした状態で、巻真118を1つの方向に回転させると、巻真118とともにつづみ車272が回転し、きち車133、丸穴車134、丸穴伝え車135の回転を介して、角穴車130が回転して、ぜんまい120bを巻き上げることができるように構成される。巻真118を0段目にした状態で、巻真118を他の方向に回転させると、巻真118とともにつづみ車272が回転するが、きち車133は回転しないように構成される。
(1・6)カレンダ機構の構成
次に、カレンダ機構の構成について説明する。カレンダ付き時計では、裏輪列の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日車送り機構は、日回し車250と、日回し中間車251と、日車252とを含む。筒車232の回転により、日回し中間車251が回転するように構成される。日回し中間車251の回転により、日回し車250が回転するように構成される。日回し車250に設けられた日送りつめ250bにより、日車252を1日に1度、(1/31)回転させるように構成される。日車252は31日間で1回転するように構成される。日車252の回転方向の位置は、日ジャンパ253により規正される。日車252に設けられた「1」から「31」の日文字252cが「日」を表示するように構成される(図5参照)。
(1・7)日修正機構の構成
次に、日修正機構の構成について説明する。本発明の時計には、日車252による日の表示を修正するための日修正機構を設けることができる。図1及び図4を参照すると、日修正機構は、つづみ車272と、きち車133と、第1修正伝え車257と、第1修正伝え車258と、修正車259とにより構成される。巻真118を1段目にした状態で、巻真118を1つの方向に回転させると、つづみ車272が回転し、きち車133および第1修正伝え車257の回転を介して、修正車259が1つの方向に揺動して第1の位置で止まり、その第1の位置で修正車259が回転して日車252を回転させることができるように構成される。巻真118を1段目にした状態で、巻真118を他の方向に回転させても、日車252を回転させることができないように構成される。
(1・8)ぜんまい巻き状態表示機構の構成
次に、ぜんまい巻き状態表示機構の構成について説明する。ぜんまい巻き状態表示機構は遊星機構を含む。図1及び図4を参照すると、遊星機構は、香箱歯車120dと連動され、かつ香箱歯車120dの回転を減速させるための減速機構を構成する。遊星機構は、第1太陽車150と、第1遊星車152と、第2遊星車154と、第2太陽車156とを含む。第1太陽車150は、香箱車120の香箱真120cの下方中間部(地板102がある方の側で、香箱歯車120dの底面に一番近い方の部分)に設けられた下軸部120hに固定される。第1遊星車152は、香箱歯車120dの底面に対して回転可能に取付けられる。第2遊星車154は、香箱歯車120dの底面に対して回転可能に取付けられる。第2太陽車156は、香箱車120の香箱真120cの下方先端軸部(地板102に一番近い方の部分)に回転可能に取付けられる。第1太陽車150は第1遊星車152と噛み合うように構成される。第1遊星車152は第2遊星車154と噛み合うように構成される。第2遊星車154は第2太陽車156と噛み合うように構成される。香箱歯車120dが回転すると、第1遊星車152は、第1太陽車150のまわりを公転しながら自転することができるように構成される。香箱歯車120dが回転すると、第2遊星車154は、第1太陽車150のまわりを公転しながら自転することができるように構成される。第1太陽車150の回転中心は第2領域202に配置されるのが好ましい。
第1巻印中間車180が地板102及び日車押え116に対して回転可能に支持される。第1巻印中間車180は第1巻印中間歯車180aと、第1巻印中間かな180bとを有する。第1巻印中間車180の回転中心は第3領域203に配置されるのが好ましい。第2巻印中間車182が第二地板112及び日車押え116に対して回転可能に支持される。第2巻印中間車182は第2巻印中間歯車182aと、第2巻印中間かな182bとを有する。第2巻印中間車182の回転中心は第3領域203に配置されるのが好ましい。巻印駆動車184が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動車184は、第二地板112と日車押え116との間に配置される。巻印駆動車184は、第1セグメント部184bと、第2セグメント部184fとを含む。第1セグメント歯車184cが第1セグメント部184bに設けられる。第2セグメント歯車184gが第2セグメント部184fに設けられる。第1セグメント歯車184cの外径(ピッチ径)は、第2セグメント歯車184gの外径(ピッチ径)より大きい寸法となるように構成されるのが好ましい。第1セグメント歯車184cの開角は、約25度であるのが好ましい。第2セグメント歯車184gの開角は、約50度であるのが好ましい。巻印駆動車184は、外径(ピッチ径)が異なる2つのセグメント歯車を備えた「変形セグメント歯車」を構成する。第1セグメント歯車184cは第2巻印中間歯車182aと噛み合うように構成される。
巻印表示車190が、第二地板112及び日車押え116に対して回転可能に支持される。巻印表示車190は、巻印歯車190aを含む。巻印歯車190aは第2セグメント歯車184gと噛み合うように構成される。巻印表示車190の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、巻真118に近い方の領域(文字板110の3時方向)に配置される。巻印駆動車184の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、巻真118に近い方の領域に配置されるのが好ましい。巻印駆動車184の回転中心は、巻印表示車190の回転中心と、筒車232の回転中心との間の領域に配置されるのが好ましい。ぜんまい巻き状態表示部材を構成する巻印針196が、巻印表示車190の巻印表示車真に取付けられる。ムーブメント100において、文字板110の3時方向の位置を回転中心としてぜんまい巻き状態を表示したい場合、ぜんまい巻き状態表示部材を構成する巻印針196が、巻印表示車190の巻印表示車真に取付けられる。この構成では、図5を参照すると、ぜんまい巻き状態を表す表示記号110aが文字板110に設けられる。例えば、表示記号110aは、「0」、「20」、「40」、「60」の数字を含む。ユーザは、巻印針196の先端の位置と、表示記号110aとにより、ぜんまいの巻き状態を知ることができる。この構成により、巻印針196の回転中心(すなわち、パワーリザーブ指針の回転中心)は、香箱歯車120dの回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント100内で任意適当な位置に配置することができる。また、この構成により、巻印針196に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針196の作動が遅れるのを効果的に防止することができる。
(1・9)ぜんまいの巻き上げの作用
図1〜図4を参照すると、ぜんまい120bが完全に巻き戻された状態において、自動巻き輪列の回転により、角穴車130が時計周り方向に回転する。この状態では、香箱歯車120dの回転は二番車122により規正されている。この状態では、角穴車130の回転により香箱真120と、第1太陽車150が回転する。第1太陽車150の回転により第1遊星車152が回転(自転のみ)する。第1遊星車152の回転により第2遊星車154が回転(自転のみ)する。第2遊星車154の回転により第2太陽車156が回転する。第2太陽車156の回転により第1巻印中間車180が回転する。第1巻印中間車180の回転により第2巻印中間車182が回転する。第2巻印中間車182の回転により巻印駆動車184が回転する。巻印駆動車184の回転により、巻印表示車190は時計周り方向に回転する。
従って、ぜんまい120bを巻き上げるにつれて、巻印針196が時計周り方向に回転して、巻印針196が表示記号110aのうちの「0」を指示する状態から、巻印針196が表示記号110aのうちの「20」を指示する状態を経て、さらに、巻印針196が「40」を指示する状態を経て、巻印針196が表示記号110aのうちの「60」を指示する状態になる。図5に示す状態は、巻印針196がぜんまいの「2/3巻き」状態を少し過ぎた状態を指示している。手巻き時計の場合には、ぜんまいの「フル巻き」状態以上にぜんまいを巻き上げることはできない。一方、自動巻き時計の場合には、ぜんまいの「フル巻き」状態以上にぜんまいを巻き上げようとすると、香箱車120内に設けられたスリッピングアタッチメント(図示せず)の部分でスリップする。スリッピングアタッチメントがスリップする状態において、巻印表示車190が巻印表示車度決めピン(図示せず)に当たることにより、巻印針196が更に反時計周り方向に回転するのを阻止することができる。
(1・10)通常運針のとき(ぜんまいの巻き戻しのとき)の作用
図1〜図4を参照すると、ぜんまいが巻き上げられた状態において、香箱歯車120dが回転して時刻を表示する。この状態では、香箱歯車120dは、時計周り方向に回転する。この状態では、角穴車130の歯に係合するこはぜ131の作用により、角穴車130の回転は規正される。したがって、第1太陽車150は遊星歯車機構の中の「固定歯車」を構成する。香箱歯車120dの回転により、第1遊星車152および第2遊星車154は、回転中心が変動する「遊星運動」を行う。第1遊星車152および第2遊星車154の遊星運動により、第2太陽車156が回転する。第2太陽車156の回転により第1巻印中間車180が回転する。第1巻印中間車180の回転により第2巻印中間車182が回転する。第2巻印中間車182の回転により巻印駆動車184が回転する。巻印駆動車184の回転により、巻印表示車190は反時計周り方向に回転する。従って、香箱車120が回転してぜんまい120bが巻き戻される(解除される)につれて、巻印針196が通常の輪列の回転速度より遅い速度で、反時計周り方向に回転する。従って、巻印針196が表示記号110aのうちの「60」を指示する状態から、巻印針196が表示記号110aのうちの「40」を指示する状態を経て、巻印針196が表示記号110aのうちの「20」を指示する状態になる状態を経て、巻印針196が表示記号110aのうちの「0」を指示する状態になる。
例えば、巻印針196が「20」を指示しているときは、持続時間が20時間であることを示し、巻印針196が「40」を指示しているときは、持続時間が40時間であることを示し、巻印針196が「60」を指示しているときは、持続時間が60時間であることを示す。表示記号110aは、「1」でぜんまいの「フル巻き」状態を示し、「1/2」でぜんまいの「半巻き」状態を示し、「0」でぜんまいの「巻き解け」状態を示すように構成してもよい。また、表示記号110aは、「100%」でぜんまいの「フル巻き」状態を示し、「50%」でぜんまいの「半巻き」状態を示し、「0%」でぜんまいの「巻き解け」状態を示すように構成してもよい。或いは、表示記号110aは、「黒丸の記号」でぜんまいの「フル巻き」状態を示し、「半丸の記号」でぜんまいの「半巻き」状態を示し、「白丸の記号」でぜんまいの「巻き解け」状態を示すように構成してもよい。
(1・11)コンプリートの説明
図5を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計のコンプリートは、時計ケース290を含む。時計ケース290の中にぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント100が収容されている。時針244により、現在時刻のうちの「時」を表示する。分針246により、現在時刻のうちの「分」を表示する。秒針248により、現在時刻のうちの「秒」を表示する。日車252に設けられた日文字252cにより、現在の「日」を表示する。文字板110に設けられた表示記号110aは、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計の作動可能な持続時間を示している。図5では、巻印針196が表示記号110aのうちの「40」を少し過ぎた位置を指示している。この状態は、ぜんまいの持続時間が40時間以上あることを示す。ぜんまいの「フル巻き」状態から巻印針196が回転する角度が、時計の持続時間に対応するように構成されている。以上説明したように、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、時計の持続時間を非常にわかりやすく表示することができる。
(2)第2の実施の形態
次に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施形態が本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。図6〜図8を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施の形態では、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント320において、巻印表示車190の回転中心は地板基準水平軸線206の上で、文字板110の6時方向の領域に配置される。巻印駆動車324が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動車324の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、文字板110の3時方向の領域に配置されるのが好ましい。巻印駆動車324の回転中心は、巻印表示車190の回転中心と、筒車232の回転中心との間の領域に配置されるのが好ましい。巻印駆動車324は、第1セグメント部324bと、第2セグメント部324fを含む。第1セグメント歯車324cが第1セグメント部324bに設けられる。第1セグメント歯車324cの外径(ピッチ径)は、第2セグメント歯車324gの外径(ピッチ径)とほぼ同じ寸法となるように構成されるのが好ましい。第1セグメント歯車324cの外径(ピッチ径)は、第2セグメント歯車324gの外径(ピッチ径)と異なるように構成してもよい。第1セグメント歯車324cの開角は、約25度であるのが好ましい。第2セグメント歯車324gが第2セグメント部324fに設けられる。第2セグメント歯車324gの開角は、約60度であるのが好ましい。
巻印駆動車324は、2つのセグメント歯車を含む「変形セグメント歯車」を構成する。第1セグメント歯車324cは第2巻印中間歯車182aと噛み合うように構成される。巻印表示車190が、第二地板112及び日車押え116に対して回転可能に支持される。巻印表示車190は、巻印歯車190aを含む。第2セグメント歯車324gは巻印歯車190aと噛み合うように構成される。この構成により、巻印針196の回転中心(すなわち、パワーリザーブ指針の回転中心)は、香箱歯車120dの回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができる。また、この構成により、巻印針196に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針196の作動が遅れるのを効果的に防止することができる。第二地板112、日車押え116、巻印表示車190は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態および第2の実施の形態に兼用して適用することができるように、複数の位置に同じ巻印表示車190を組み込めるように構成される。第二地板112は、さらに、他の位置に巻印表示車190を設ける構成にも適用することができるように、さらに他の位置に巻印表示車190を組み込めるように構成するのが好ましい。本発明により、1つのムーブメントを用いて、複数の位置を回転中心として巻印針196によりぜんまい巻き状態を表示することができるので、複数のデザインの時計を容易に実現することができる。
図8を参照すると、時計ケース290の中にぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント320が収容されている。文字板328に設けられた表示記号328aは、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計の作動可能な持続時間を示している。図8では、巻印針196が表示記号328aのうちの「40」を少し過ぎた位置を指示している。以上説明したように、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、時計の持続時間を非常にわかりやすく表示することができる。
(3)第3の実施の形態
次に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第3の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第3の実施形態が本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。図9および図10を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第3の実施の形態では、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント330において、巻印表示車190の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、文字板110の9時方向の領域に配置される。巻印駆動車334が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動車334の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、文字板110の3時方向の領域に配置されるのが好ましい。巻印駆動車324の回転中心は、巻印表示車190の回転中心と、筒車232の回転中心との間の領域に配置されるのが好ましい。巻印駆動車324は、第1セグメント部324bと、第2セグメント部324fとを含む。第1セグメント歯車324cが第1セグメント部324bに設けられる。第2セグメント歯車324gが第2セグメント部324fに設けられる。第1セグメント歯車324cの外径(ピッチ径)は、第2セグメント歯車324gの外径(ピッチ径)とほぼ同じ寸法となるように構成されるのが好ましい。第1セグメント歯車324cの外径(ピッチ径)は、第2セグメント歯車324gの外径(ピッチ径)と異なるように構成してもよい。第1セグメント歯車324cの開角は、約25度であるのが好ましい。第2セグメント歯車324gの開角は、約60度であるのが好ましい。
巻印駆動伝達車336が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動伝達車336の歯車部は第2セグメント歯車324gと噛合うように構成される。巻印歯車190aは巻印駆動伝達車336の歯車部と噛み合うように構成される。巻印表示車190が、第二地板112及び日車押え116に対して回転可能に支持される。巻印表示車190は、巻印歯車190aを含む。巻印歯車190aは第2セグメント歯車324gと噛み合うように構成される。第二地板112、日車押え116、巻印駆動車324、巻印表示車190は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施の形態および第3の実施の形態に兼用して適用することができるように、複数の位置に同じ巻印表示車190を組み込めるように構成される。第二地板112、日車押え116は、さらに、他の位置に巻印表示車190を設ける構成にも適用することができるように、さらに他の位置に巻印表示車190を組み込めるように構成するのが好ましい。
ぜんまい120bが完全に巻き戻された状態において、自動巻き輪列の回転により、角穴車130が時計周り方向に回転すると、遊星機構の作動を介して、第1巻印中間車180が回転する。第1巻印中間車180の回転により第2巻印中間車182が回転する。第2巻印中間車182の回転により巻印駆動車334が回転する。巻印駆動車184の回転により、巻印駆動伝達車336は回転する。巻印駆動伝達車336の回転により、巻印表示車190は反時計周り方向に回転する。ぜんまいが巻き上げられた状態において、香箱歯車120dの回転により、遊星機構の作動を介して、第1巻印中間車180が回転する。第1巻印中間車180の回転により第2巻印中間車182が回転する。第2巻印中間車182の回転により巻印駆動車184が回転する。巻印駆動車184の回転により、巻印駆動伝達車336は回転する。巻印駆動伝達車336の回転により、巻印表示車190は時計周り方向に回転する。従って、香箱車120が回転してぜんまい120bが巻き戻される(解除される)につれて、巻印針196が通常の輪列の回転速度より遅い速度で、時計周り方向に回転する。
巻印駆動車334は、外径(ピッチ径)がほぼ同じ寸法である2つのセグメント歯車を備えた「変形セグメント歯車」を構成する。この構成により、巻印針196の回転中心(すなわち、パワーリザーブ指針の回転中心)は、香箱歯車120dの回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができる。また、この構成により、巻印針196に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針196の作動が遅れるのを効果的に防止することができる。したがって、本発明により、1つのムーブメントを用いて、複数の位置を回転中心としてぜんまい巻き状態を表示することができるので、複数のデザインの時計を容易に実現することができる。図10を参照すると、時計ケース290の中にぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント330が収容されている。文字板338に設けられた表示記号338aは、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計の作動可能な持続時間を示している。図10では、巻印針196が表示記号338aのうちの「40」を少し過ぎた位置を指示している。以上説明したように、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、時計の持続時間を非常にわかりやすく表示することができる。
(4)第4の実施の形態
次に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施形態が本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。図11および図12を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施の形態では、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント340において、巻印表示車190の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、文字板110の3時方向の領域に配置される。巻印駆動車344が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動車344の回転中心は筒車232の回転中心200と同じ位置に配置されるのが好ましい。巻印駆動車344は、第1セグメント部344aと、第2セグメント部344cと、第3セグメント部344fを含む。第1セグメント部344aは、文字板110のおおよそ12時方向と、おおよそ4時方向との間の領域に配置される。第2セグメント部344cは、文字板110のおおよそ6時方向と、おおよそ7時方向との間の領域に配置される。第3セグメント部344fは、文字板110のおおよそ9時方向と、おおよそ10時方向との間の領域に配置される。
第1セグメント歯車344bが第1セグメント部344aに設けられる。第2セグメント歯車344dが第2セグメント部344cに設けられる。第3セグメント歯車344gが第3セグメント部344fに設けられる。第1セグメント歯車344bの外径(ピッチ径)と、第2セグメント歯車344dの外径(ピッチ径)と、第3セグメント歯車344gの外径(ピッチ径)は、同じ寸法となるように構成されるのが好ましい。第1セグメント歯車344aの開角は、約130度であるのが好ましい。第2セグメント歯車344dの開角は、約40度であるのが好ましい。第3セグメント歯車344gの開角は、約40度であるのが好ましい。第1セグメント歯車344bの一部分は第2巻印中間歯車182aと噛み合うように構成される。第1セグメント歯車344bの他の一部分は巻印歯車190aと噛み合うように構成される。
巻印駆動車344は、外径(ピッチ径)が同じ寸法である3つのセグメント歯車を備えた「変形セグメント歯車」を構成する。巻印駆動車344が「変形セグメント歯車」で構成されるのは、第1修正伝え車257、第1修正伝え車258、日回し車250、日ジャンパ253を避ける必要があるためである。第1セグメント歯車344bは第2巻印中間歯車182aと噛み合うように構成される。第1セグメント歯車344bは巻印歯車190aと噛み合うように構成される。この構成により、巻印針196の回転中心(すなわち、パワーリザーブ指針の回転中心)は、香箱歯車120dの回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができる。また、この構成により、巻印針196に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針196の作動が遅れるのを効果的に防止することができる。例えば、第二地板112は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施の形態、第5の実施の形態、第6の実施の形態のいずれにも適用することができるように、少なくとも3箇所の位置に巻印駆動車344を組み込めるように構成される。第二地板112、日車押え116、巻印駆動車344、巻印表示車190は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施の形態、第5の実施の形態、第6の実施の形態のいずれにも兼用して適用することができるように、複数の位置に同じ巻印表示車190を組み込めるように構成される。第二地板112、日車押え116は、さらに、他の位置に巻印表示車190を設ける構成にも適用することができるように、さらに他の位置に巻印表示車190を組み込めるように構成するのが好ましい。本発明により、1つのムーブメントを用いて、複数の位置を回転中心としてぜんまい巻き状態を表示することができるので、複数のデザインの時計を容易に実現することができる。
(5)第5の実施の形態
次に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第5の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第5の実施形態が本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態についての説明と、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施形態についての説明とをここに準用する。図13および図14を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第5の実施の形態では、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント350において、巻印表示車190の回転中心は地板基準水平軸線206の上で、文字板110の6時方向の領域に配置される。巻印駆動車344が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動車344の回転中心は筒車232の回転中心200と同じ位置に配置されるのが好ましい。第1セグメント歯車344bは第2巻印中間歯車182aと噛み合うように構成される。第2セグメント歯車344dは巻印歯車190aと噛み合うように構成される。この構成により、巻印針196の回転中心(すなわち、パワーリザーブ指針の回転中心)は、香箱歯車120dの回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができる。また、この構成により、巻印針196に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針196の作動が遅れるのを効果的に防止することができる。
(6)第6の実施の形態
次に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第6の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第6の実施形態が本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態についての説明と、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施形態についての説明とをここに準用する。図15および図16を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第6の実施の形態では、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計のムーブメント360において、巻印表示車190の回転中心は地板基準垂直軸線205の上で、文字板110の9時方向の領域に配置される。巻印駆動車344が、第二地板112に対して回転可能に支持される。巻印駆動車344の回転中心は筒車232の回転中心200と同じ位置に配置されるのが好ましい。第1セグメント歯車344bは第2巻印中間歯車182aと噛み合うように構成される。第3セグメント歯車344gは巻印歯車190aと噛み合うように構成される。この構成により、巻印針196の回転中心(すなわち、パワーリザーブ指針の回転中心)は、香箱歯車120dの回転中心の位置と関連することなしに、時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができる。また、この構成により、巻印針196に回転を伝達する歯車間の噛合いのバックラッシュの影響を削減することができ、巻印針196の作動が遅れるのを効果的に防止することができる。
(7)第7の実施の形態
次に、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第7の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第7の実施形態が本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。図17および図18を参照すると、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第7の実施の形態では、文字板410が文字板受リング409を介して地板102に取付けられる。巻印中間車420が地板102及び日車押え416に対して回転可能に支持される。巻印中間車420は巻印中間歯車420aと、巻印中間かな420bとを有する。巻印中間歯車420aは第2太陽車150と噛み合うように構成される。巻印中間車420の回転中心は第3領域203に配置されるのが好ましい。巻印表示車422が、第二地板412及び日車押え416に対して回転可能に支持される。巻印表示車422は、巻印歯車422aを含む。巻印歯車422aは巻印中間かな420bと噛み合うように構成される。巻印表示車422の回転中心は地板基準水平軸線206の上で、文字板410の12時方向の領域に配置される。ぜんまい巻き状態表示部材を構成する巻印針196が、巻印表示車422の巻印表示車真に取付けられる。この構成では、図19を参照すると、ぜんまい巻き状態を表す表示記号410aが文字板410に設けられる。例えば、表示記号110aは、「0」、「20」、「40」、「60」の数字を含む。ユーザは、巻印針196の先端の位置と、表示記号410aとにより、ぜんまいの巻き状態を知ることができる。
ぜんまい120bが完全に巻き戻された状態において、自動巻き輪列の回転により、角穴車130が時計周り方向に回転すると、遊星機構の作動を介して、巻印中間車420が回転する。巻印中間車420の回転により、巻印表示車190は時計周り方向に回転する。ぜんまいが巻き上げられた状態において、香箱歯車120dの回転により、遊星機構の作動を介して、巻印中間車420が回転する。巻印中間車420の回転により、巻印表示車190は反時計周り方向に回転する。従って、香箱車120が回転してぜんまい120bが巻き戻される(解除される)につれて、巻印針196が通常の輪列の回転速度より遅い速度で、反時計周り方向に回転する。以上説明したように、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、時計の持続時間を非常にわかりやすく表示することができる。
本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態は、一例として、下記の条件で構成することができる。
香箱歯車120dの歯数: 84
角穴車130の歯数: 62
第1太陽車150の歯数: 20
第1遊星車152の歯数: 24
第2遊星車154の歯車の歯数: 20
第2遊星車154のかなの歯数: 12
第1巻印中間車180の歯車の歯数: 48
第1巻印中間車180のかなの歯数: 8
第2太陽車156の歯数: 24
第1セグメント歯車184cの歯数(全周にわたって歯があるときの計算値):200
第2セグメント歯車184gの歯数(全周にわたって歯があるときの計算値):104
巻印表示車190の歯数: 13
この構成では、香箱歯車120dから巻印表示車190までの減速比は、1/18である。そして、ぜんまいの巻数が6巻のとき、巻印表示車190に取付けられた指針196は120度動くことができる。また、ぜんまいの巻数が7巻のとき、巻印表示車190に取付けられた指針196は140度動くことができる。
なお、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計では、上記の歯車の歯数を変えることにより、ぜんまい巻き状態の表示の内容を変えることができる。そして、上記の減速比を変えることにより、香箱歯車120dの回転に基づく巻印針196の回転する角度を変えることができる。例えば、香箱歯車120dから巻印表示車190までの減速比を / にする構成では、本発明の上述した実施の形態で用いたものと同じぜんまいを用いた場合に、ぜんまいの巻き解け状態から全巻き状態までに対応する巻印表示車190の回転角度を約90度にすることができる。
本発明は、機械式時計の動力源を構成するぜんまいの巻き状態を表示する機能を備えたぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、時計のムーブメント内で任意適当な位置にぜんまい巻き状態表示部材(パワーリザーブ指針)を配置する構成に適用することができる。すなわち、本発明により、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、香箱歯車の回転中心の位置にかかわらず、巻印針の回転中心を時計のムーブメント内で任意適当な位置に配置することができ、複数の巻印表示車支持部がムーブメントに設けられているので、巻印針の回転中心の位置を変えるために複数のムーブメントを用意する必要がない。したがって、本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、デザイン上の制約が非常に小さい。
本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態において、ムーブメントを裏蓋側からみた状態を示す平面図(表平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態において、一番受を外したムーブメントを裏蓋側からみた状態を示す平面図(表平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態において、ムーブメントの一部分を示す部分断面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第1の実施の形態において、ぜんまいが途中まで巻き戻された状態におけるコンプリートの外観を示す平面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施の形態において、ムーブメントの一部分を示す部分断面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第2の実施の形態において、ぜんまいが途中まで巻き戻された状態におけるコンプリートの外観を示す平面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第3の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第3の実施の形態において、ぜんまいが途中まで巻き戻された状態におけるコンプリートの外観を示す平面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第4の実施の形態において、ムーブメントの一部分を示す部分断面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第5の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第5の実施の形態において、ムーブメントの一部分を示す部分断面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第6の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第6の実施の形態において、ムーブメントの一部分を示す部分断面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第7の実施の形態において、ぜんまいがほどけた状態におけるムーブメントを文字板側からみた状態を示す平面図(裏平面図)である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第7の実施の形態において、ムーブメントの一部分を示す部分断面図である。 本発明のぜんまい巻き状態表示装置付き時計の第7の実施の形態において、ぜんまいが途中まで巻き戻された状態におけるコンプリートの外観を示す平面図である。
符号の説明
100 時計のムーブメント
102 地板
112 第二地板
118 巻真
120 香箱車
122 二番車
124 三番車
126 四番車
130 角穴車
150 第1太陽車
152 第1遊星車
154 第2遊星車
156 第2太陽車
180 第1巻印中間車
182 第2巻印中間車
184 巻印駆動車
184c 第1セグメント歯車
184g 第2セグメント歯車
190 巻印表示車
196 巻印針
210 回転錘
232 筒車

Claims (8)

  1. 機械式時計の動力源を構成するぜんまいの巻き状態を表示する機能を備えたぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、
    ぜんまい(120b)、香箱真(120c)、香箱歯車(120d)を有し、該香箱歯車(120d)が前記ぜんまい(120b)の巻き戻しにより1つの方向にのみ回転可能なように構成されている香箱車(120)と、
    前記香箱歯車(120d)と連動され、前記香箱歯車(120d)の回転を減速させるための減速機構(150)と、
    前記減速機構(150)の出力に基づいて回転可能なセグメント歯車(184)と、
    前記セグメント歯車(184)の作動に基づいて回転可能な巻印表示車(190)と、
    前記巻印表示車(190)の回転に基づいて、ぜんまい(120b)の巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材(196)と、
    を備えることを特徴とする、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  2. 減速機構(150)は遊星ユニットで構成され、該遊星ユニットは、前記香箱真(120c)に固定された第1太陽車(150)と、香箱歯車(120d)の底面に回転可能なように取付けられた遊星車(152、154)と、前記香箱真(120c)に回転可能に取付けられた第2太陽車(156)とを含み、前記香箱歯車(120d)が回転すると、前記遊星車(152、154)は前記第1太陽車(150)のまわりを公転しながら自転することができるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  3. 前記セグメント歯車(184)は、前記減速機構(150)の出力を受け入れるための第1セグメント歯車(184c)と、前記巻印表示車(190)を回転させるための第2セグメント歯車(184g)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  4. ぜんまい巻き状態表示装置付き時計は、地板(102)と、巻真(118)と、筒車(232)とを備え、
    地板(102)に、筒車(232)の回転中心(200)を通り、巻真(118)の中心軸線とほぼ平行な地板基準垂直軸線(205)と、筒車(232)の回転中心(200)を通り地板基準垂直軸線(205)と垂直な地板基準水平軸線(206)を定義し、
    地板(102)に、地板基準垂直軸線(205)の一方の側に位置しかつ地板基準水平軸線(206)より巻真(118)に近い方の側に位置する第1領域(201)と、地板基準垂直軸線(205)の他方の側に位置しかつ地板基準水平軸線(206)より巻真(118)に近い方の側に位置する第2領域(202)と、地板基準垂直軸線(205)の上記第2領域(202)のある上記他方の側に位置しかつ地板基準水平軸線(206)より巻真(118)から遠い方の側に位置する第3領域(203)と、地板基準垂直軸線(205)の上記第1領域(201)のある上記一方の側に位置しかつ地板基準水平軸線(206)より巻真(118)から遠い方の側に位置する第4領域(204)とを定義したとき、
    前記香箱車(120)の回転中心は第2領域(202)に配置され、
    前記減速機構(150)の回転中心は前記香箱車(120)の回転中心と同じ位置に配置され、
    前記巻印表示車(190)の回転中心は、地板基準垂直軸線(205)の上で、文字板(110)の3時方向の領域に配置される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  5. 機械式時計の動力源を構成するぜんまいの巻き状態を表示する機能を備えたぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、
    ぜんまい(120b)および香箱歯車(120d)を有し、該香箱歯車(120d)が前記ぜんまい(120b)の巻き戻しにより1つの方向にのみ回転可能なように構成されている香箱車(120)と、
    前記香箱歯車(120d)と連動され、前記香箱歯車(120d)の回転を減速させるための減速機構(150)と、
    前記減速機構(150)の出力に基づいて回転可能なセグメント歯車(344)と、
    前記セグメント歯車(344)の作動に基づいて回転可能な巻印表示車(190)と、
    前記巻印表示車(190)の回転に基づいて、ぜんまい(120b)の巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材(196)と、
    前記巻印表示車(190)を回転可能なように支持する、複数の巻印表示車支持部とを備え、
    前記巻印表示車(190)は、前記複数の巻印表示車支持部のうちの1箇所に支持されており、
    前記セグメント歯車(344)は、前記減速機構(150)の作動を、前記複数の巻印表示車支持部のうちの1箇所に支持された前記巻印表示車(190)に伝達させるように構成される、
    ことを特徴とする、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  6. 前記セグメント歯車(344)は、前記減速機構(150)の出力を受け入れるための第1セグメント歯車(344b)を備え、前記第1セグメント歯車(344b)は、前記巻印表示車(190)を回転させるように構成されることを特徴とする、請求項5に記載のぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  7. 前記セグメント歯車(344)は、前記減速機構(150)の出力を受け入れるための第1セグメント歯車(344b)と、他のセグメント歯車(344d、344f)とを備え、前記他のセグメント歯車(344d、344f)は、前記巻印表示車(190)を回転させるように構成されることを特徴とする、請求項5に記載のぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
  8. 機械式時計の動力源を構成するぜんまいの巻き状態を表示する機能を備えたぜんまい巻き状態表示装置付き時計において、
    ぜんまい(120b)、香箱真(120c)、香箱歯車(120d)を有し、該香箱歯車(120d)が前記ぜんまい(120b)の巻き戻しにより1つの方向にのみ回転可能なように構成されている香箱車(120)と、
    前記香箱歯車(120d)と連動され、前記香箱歯車(120d)の回転を減速させるための減速機構(150)と、
    前記減速機構(150)の作動に基づいて回転する巻印表示車(422)と、
    前記巻印表示車(422)の回転に基づいて、ぜんまい(120b)の巻き状態を表示するためのぜんまい巻き状態表示部材(196)とを備え、
    減速機構(150)は遊星ユニットで構成され、該遊星ユニットは、前記香箱真(120c)に固定された第1太陽車(150)と、香箱歯車(120d)の底面に回転可能なように取付けられた遊星車(152、154)と、前記香箱真(120c)に回転可能に取付けられた第2太陽車(156)とを含み、前記香箱歯車(120d)が回転すると、前記遊星車(152、154)は前記第1太陽車(150)のまわりを公転しながら自転することができるように構成され、
    前記第2太陽車(156)の回転に基づいて前記巻印表示車(422)を回転させるように構成される、
    ことを特徴とする、ぜんまい巻き状態表示装置付き時計。
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