JP2005210370A - 画像処理装置、撮影装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、撮影装置、画像処理方法及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】特別な計測を行うことなく、また特別な専門知識を必要とせず、撮像データから、色の見えモデルに適用可能な画像データを簡単に生成することである。
【解決手段】画像処理装置100において、色の見えモデルに適用可能な鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを解析し、当該解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析部52と、前記算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換部53と、前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット部54と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像データを処理する画像処理装置、当該画像処理装置を有する撮影装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
今日、カラー写真フィルムのスキャニング画像や、撮影装置で撮影されたデジタル画像データは、CD−R(CD-Recordable)、フレキシブルディスク、メモリカード等の記憶デバイスやインターネット経由で配信され、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶、プラズマ等のディスプレイモニタや携帯電話の小型液晶モニタの表示デバイスに表示されたり、デジタルプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等の出力デバイスを用いてハードコピー画像としてプリントされるなど、その表示・プリント方法は多種多様化してきている。
ところが、各種の表示・プリント機器は、その原理と内部構成により表示できる色域や階調特性が異なり、同一の画像データに対して、各種の表示・プリント方法で見えが異なることが多く発生してきた。こうした見えの相違を少なくするために、多くの努力が図られてきた。
例えば、デジタルRGB信号が表現する色空間を撮像装置特性に依存しない色空間に標準化する試みがあり、現在では多くのデジタル画像データが標準化された色空間として「sRGB」を採用している(例えば、「Multimedia Systems and Equipment-Colour Measurement and Management-Part2-1:Colour Management-Default RGB Colour Space-sRGB)」IEC"61966-2-1参照)。このsRGBの色空間は標準的なCRTディスプレイモニタの色再現領域に対応して設定されている。
ところが、CRTディスプレイモニタ等の表示デバイスで表示される画像や、各種プリントデバイスによりプリントされたハードコピー画像は、用いられている蛍光体又は色材の構成によって色再現域が異なる。例えばsRGB標準色空間に対応するCRTディスプレイモニタの色再現領域は明るい緑や青の領域が広く銀塩写真プリント・インクジェットプリンタ・印刷等のハードコピーでは再現できない領域があり、逆に印刷・インクジェットのシアン領域や銀塩写真の黄色領域にはsRGB標準色空間に対応するCRTディスプレイモニタでは再現できない領域が存在する(例えば、「ファインイメージングとディジタル写真」,コロナ社,(社)日本写真学会出版委員会編,p.444参照)。
こうした問題に対応する方法として、ICC( International Color Consortium)が規定するICC Profile Formatも良く用いられている。これは、第1の機器での再生を意図して作成した第1の画像データに、第1の機器の第1の色空間情報を添付しておき、第2の機器で画像を再生する際は、第1の画像データを第1の色空間情報に基づき、特定機器に依存しないPCS(Profile Connection Space)の色空間での第3の画像データに変換し、次に第2の機器の第2の色空間情報に基づき、第3の画像データを第2の機器での再生に適した第2の画像データへ変換するという方法である。この方法において、測色計で測定される測色値の再生機器間での色再現性は著しく向上した。
しかし、測色値を厳密に再現しても、実際の観察者には色の見えが異なることが多いということが知られている。これは、人間の視覚は、絶対的な測色値を感じている訳でなく、観察条件(周囲・背景の明るさ等)に応じた順応状態で、色の見えが変化している為である。例えば、CRTのような発光表示機器と、プリントのような反射表示物では、一般的な観察条件や順応状態が異なるので、測色的に一致していても見えが一致しないことが多い。
こうした問題に対応するため、色の見えモデルを用いるカラーマネージメントが知られている。色の見えモデルとは、種々の観察条件下における「色の見え」を予測するモデルである。より具体的には、測色値から、観察条件パラメータに基づく変換をおこない、指定の観察条件下における「色の見え」を表わす値を算出する。このような色の見えモデルとしては、たとえば国際照明委員会(CIE)によって標準モデルとして勧告されたCIECAM97sが良く用いられている。さらに、CIECAM97sに改良を加えたCIECAM02が間もなく勧告されようとしている(例えば、非特許文献1参照)。
色の見えモデルには、上記以外にも、納谷モデル、Huntモデル、RLabモデル、LLabモデル等が発表されている。こうしたモデルで計算に用いる観察条件パラメータの具体例としては、順応視野の輝度・順応白色の3刺激値・背景相対輝度・周囲の影響等が挙げられる。図13に、CIECAM97sの具体的な観察条件パラメータを示す。例えば、図13に示すようなCIECAM97sの具体的な観察条件パラメータが挙げられる。
こうした色の見えモデルを用いると、例えば第1の観察条件での再生を意図して作成した第1の画像データを、第1の観察条件に対応する第1の観察条件パラメータに基づいて色の見えモデル変換に適用することで、色の見えを表す値に変換し、次に該色の見えを表す値を、第2の観察条件に対応する第2の観察条件パラメータに基づいて色の見えモデル逆変換に適用することで、第2の観察条件での再生を意図した第2の画像データに変換することができる。このような方法で異なる第1及び第2の観察条件での色の見えを一致させることができるのである(例えば特許文献1参照)。
このように、色の見えモデルを用いたカラーマネージメントを実施する為には、画像データと共に、その意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを入力することが必要である。
特開平7−222196号公報 矢口博久著,「色の見えモデル−CIECAM02の概要と課題」,画像電子学会カラーフォーラム2003予稿集,2003,p.57
ところで、例えばデジタルカメラ等による撮像で画像データを作る場合、その画像データを色の見えモデルを用いたカラーマネージメントを適用するためには、該画像データに対応する観察条件パラメータを決定しておく必要がある。この観察条件パラメータをいかに設定するかが問題となる。
撮影シーンに立ち会っていたシーン観察者の観察条件パラメータ(順応視野の輝度・順応白色の3刺激値・背景相対輝度・周囲の影響等)を撮影の都度計測するのは煩雑である。特に明暗の差の大きいシーンでは、観察者がシーンの中のどこに注目していたかにより、観察条件パラメータが変わってくるが、観察者の視線方向を撮影の都度計測するのは困難である。
また鑑賞画像を表す画像データに、観察条件パラメータを添付しようとした場合は、鑑賞画像が意図する観察条件に従ってシーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換したうえ、鑑賞画像が意図する観察条件を正確に表現する具体的な観察条件パラメータを算出する必要がある。
このように、画像データに適正な観察条件パラメータを添付する作業は、困難な作業であり、殊に色の見えモデルについて特別な知識を持たない者が適正な観察条件パラメータを算出するのは不可能に近い。
本発明の目的は、特別な計測を行うことなく、また特別な専門知識を必要とせず、デジタルカメラ等による撮像データから、色の見えモデルに適用可能な画像データを簡単に生成することである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換する画像処理装置において、
鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、前記シーン輝度を表す画像データを解析し、その解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析部と、
前記データ解析部により算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換部と、
前記画像変換部により変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
鑑賞画像が意図する観察条件を選択させる操作部を備え、
前記データ解析部は、前記操作部により選択された観察条件に対応する観察条件パラメータを算出し、
前記フォーマット部は、前記データ解析部により算出された観察条件パラメータを前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、
前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件を含むことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、
前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件及びホワイトバランス修正条件を含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の画像処理装置において、
前記データ解析部は、前記シーン輝度を表す画像データから、シーンの種別を取得又は推定して解析することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記データ解析部は、特定の観察条件における仮の階調マッピング条件を算出し、当該仮の階調マッピング条件を鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて修正して前記階調マッピング条件を算出することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記データ解析部は、前記鑑賞画像を輝度拡張色空間で記載する画像変換条件を算出することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記フォーマット部は、前記データ解析部により算出された画像変換条件を前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記鑑賞画像を表す画像データに添付される、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、CIE-CAM97s又はCIE-CAM02で使用される観察条件パラメータであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
被写体を撮像して撮像データを出力する撮像部と、
前記撮像部から出力される撮像データから、シーン輝度を表す画像データを生成する画像生成部と、
請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置と、を備え、
前記データ解析部は、前記画像生成部により生成された前記シーン輝度を表す画像データを解析することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換する画像処理方法において、
鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、前記シーン輝度を表す画像データを解析し、その解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析工程と、
前記算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換工程と、
前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット工程と、を含むことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、
鑑賞画像が意図する観察条件を選択させる工程と、
前記選択された観察条件に対応する観察条件パラメータを算出する工程と、を含み、
前記フォーマット工程において、前記算出された観察条件パラメータを前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の画像処理方法において、
前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件を含むことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項11又は12に記載の画像処理方法において、
前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件及びホワイトバランス修正条件を含むことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の画像処理方法において、
前記データ解析工程において、前記シーン輝度を表す画像データから、シーンの種別を取得又は推定して解析することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項13から15のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記データ解析工程において、特定の観察条件における仮の階調マッピング条件を算出し、当該仮の階調マッピング条件を鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて修正して前記階調マッピング条件を算出することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項11から16のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記データ解析工程において、前記鑑賞画像を輝度拡張色空間で記載する画像変換条件を算出することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項11から17のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記フォーマット工程において、前記算出された画像変換条件を前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項11から18のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記鑑賞画像を表す画像データに添付される、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、CIE-CAM97s又はCIE-CAM02で使用される観察条件パラメータであることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、
コンピュータに、
鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを解析し、その解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析機能と、
前記算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換機能と、
前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット機能と、
を実現させるための画像処理プログラムである。
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
鑑賞画像が意図する観察条件を選択させる機能と、
前記データ解析機能は、前記選択された観察条件に対応する観察条件パラメータを算出する機能と、を実現させ、
前記フォーマット機能は、前記算出された観察条件パラメータを前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項20又は21に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件を含むことを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項20又は21に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件及びホワイトバランス修正条件を含むことを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、請求項22又は23に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記データ解析機能は、前記シーン輝度を表す画像データから、シーンの種別を取得又は推定して解析することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項22から24のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記データ解析機能は、特定の観察条件における仮の階調マッピング条件を算出し、当該仮の階調マッピング条件を鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて修正して前記階調マッピング条件を算出することを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項20から25のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記データ解析機能は、前記鑑賞画像を輝度拡張色空間で記載する画像変換条件を算出することを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項20から26のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記フォーマット機能は、前記算出された画像変換条件を前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、請求項20から27のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記鑑賞画像を表す画像データに添付される、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、CIE-CAM97s又はCIE-CAM02で使用される観察条件パラメータであることを特徴とする。
ここで、本発明の特許請求の範囲及び明細書に記載の用語を説明する。
本発明において、「シーン輝度を表す画像データ」とは、scene-referredのimage stateに属する画像データの一種であり、特に記録された画素の輝度値とシーン輝度の関係が実質的に一次直線の関係にあるものを意味している。
また、本発明における「鑑賞画像を表す画像データ」とは、output-referredのimage stateに属する画像データを意味している。ここで用いている、「image state」とは、「画像データのレンダリング状態」を示す概念として近年定着している用語であり、その詳細な定義はたとえば次の文献に示されている。”Requirements for Unambiguous Specification of a Color Encoding ISO 22028-1”,Kevin Spaulding, in Proc. Tenth Color Imaging Conference: Color Science and Engineering Systems, Technologies, Applications, IS&T, Springfield, VA, p. 106-111 (2002))
「Scene-referred」とは、風景シーンの色度評価値を表現した状態を意味する。例えばDSC(Digital Still Camera)のRawデータに分光感度等の校正のみを施し、意図的な強調を加えていない画像の状態相当する。たとえば、一般的に用いられているRawデータ(CCD(Charge-Coupled Devices)等の受光素子が出力する生データ)は、3色の分光感度を補正するマトリックス演算を施すことでScene-referredの画像データに変換することができる。
「Output-referred」とは、特定の出力機器・観察条件に対して適切な表現にレンダリングされた状態を意味する。例えば、一般的なDSCが生成するJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)画像はディスプレイ表示に最適化されているのでoutput-referredに該当する。
本発明における、「シーン輝度を表す画像データの解析」とは、該シーン輝度を表す画像データのヒストグラム分析を行い、輝度分布の実質的な最大値と最小値、最も出現頻度の高い輝度値等の統計情報を算出することを意味する。更に、該ヒストグラムの形状から、通常撮影・逆光シーン・ストロボ近接シーン種別の判別を行うことが好ましい。更に、肌色領域や顔形状の検出を行い、該領域の平均(あるいはメジアン・モード)輝度を求めておくことは更に好ましい。
本発明における「解析結果」とは上記の方法で得られた、シーン輝度の統計情報・シーン種別・肌色領域や顔領域の平均輝度等の情報を意味する。
本発明における「鑑賞画像が意図する観察条件」とは、鑑賞画像を表す画像データを作成する際に前提としている標準的な観察条件を意味する。観察条件の種類としては、例えばCRT観察・プロジェクタ投影観察・プリント観察等が挙げられる。本発明において、鑑賞画像が意図する観察条件は、たとえばユーザに直接指定させるか、画像用途を選択させて該用途における標準的な観察条件を採用することで決定できる。別な態様として、鑑賞画像データ出力用に指定された色空間から鑑賞画像が意図する観察条件を推定することも可能である。たとえばsRGB色空間が指定されている場合は鑑賞画像が意図する観察条件はCRT観察であり、YMCK色空間が指定されている場合はプリント観察であると推定できる。更に、本発明の画像処理装置に、画像表示装置又はプリント装置等の機器が接続されていて、該機器へ鑑賞画像を表す画像データを出力する場合、該機器の機種情報から鑑賞画像が意図する観察条件を推定することも可能である。例えば、液晶プロジェクタが接続されている場合は、鑑賞画像が意図する観察条件は、薄暗い部屋での投影観察であると推定できる。
本発明における「画像変換条件」とは、シーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換する為の条件を意味し、具体的には、ホワイトバランス補正、階調マッピングの項目が含まれる。従来の技術ではシーン輝度を表す画像データの解析結果からこれらの画像変換条件が決定されていた。これに対して本発明では、シーン輝度を表す画像データの解析結果と、鑑賞画像が意図する観察条件の両方を参照して、これらの画像変換条件を決定することを特徴としている。また、本発明の画像処理において、撮影条件に関する情報、例えばシーンタイプ(屋外・屋内・ポートレート・夜景等)・ストロボ有無などExif(Exchangeable Image File Format)等で記載される情報を取得できるときは、該取得情報も加えて参照して画像変換条件を決定する際に利用することが好ましい。
以下、上記各項目について説明する。
従来、ホワイトバランス補正の条件は、基本的にシーン輝度を表す画像データのRGBチャンネル別のヒストグラム解析結果に基づいて決定されてきた。また、特に色相変化が目立ち易い肌色を検出し、肌色の色相が好ましい範囲に入るようにホワイトバランス条件を調整することも行われてきた。この方法は、鑑賞画像を表す画像データを表現する色空間で指定された白色点(例えばsRGB色空間の場合はD65)を前提として算出される測色値(例えばCIE L*a*b*)を最適化する技術であったが、鑑賞画像が意図する観察条件の相違については注意が払われていなかった。たとえば、同じsRGB色空間の画像であっても、明るい室内で十分な光量のあるCRTを間近で観察している時はCRTの白色点への順応が高いため適正に見えていた画像が、暗い室内で光量の弱いプロジェクタ投影画像を見ている時には投影画像の白色点への順応が低いために青っぽく見えることがある。これに対して本発明の画像処理では、鑑賞画像が意図する観察条件に基づいて、ホワイトバランス補正の条件を補正することにより、鑑賞画像が意図する観察条件に適した画像を作成する。
次に階調マッピングについて説明する。一般に撮影シーンは照明のムラが多く、輝度比が1000倍を超えることも稀ではない。(例えば、日本色彩学会編 色彩科学ハンドブック第2版,東京大学出版会,p925-926(1998)を参照)これに対して、各種メディアが表示できる輝度比は100倍オーダである。必然的に鑑賞画像を表す画像データの階調はシーン輝度を表す画像データの階調と異なることになる。そこで、シーン輝度を表す画像データの階調から鑑賞画像を表す画像データの階調への変換を行う工程を階調マッピングという。この工程は、広範囲のシーン輝度のうち、どの輝度領域を鑑賞画像の中心輝度にマッピングするかを選択する露出補正と、シーン輝度と鑑賞画像の輝度をどのような関係でマッピングするかを選択する階調補正の2工程に分離して考えることができるが、実技的には両者の補正を同時に行うアルゴリズムも存在するので、ここでは階調マッピングと総称している。
この階調マッピング条件は一律でなく、撮影シーンの状況により変化させる必要がある。例えばシーンの7割が明るく、シーンの3割が日陰である場合、通常はシーンの明るい部分、あるいはシーン全体の平均輝度が見やすいように階調マッピングを行うべきである。しかし前記日陰の部分が画面のほぼ中央にあり、そこに人物が映っている場合は、逆光シーンと判断して、前記日陰部分にある人物が見やすいように階調マッピングを変更しなければならない。また、集合写真のように小さな顔が映っている写真ではやや硬調な表現が好まれるのに対して、ポートレートのような顔のクローズアップの写真ではやや軟調な表現が好まれる。そこで、シーン輝度の統計情報・シーン種別・肌色領域や顔領域の平均輝度の解析結果に基づき、マッピング条件を決定する方法が行われている。具体的には例えば特願2003−434669号に記載される方法が知られている。こうした従来の技術は、鑑賞画像を表す画像データを表現する色空間で指定された再現ガンマ(例えばsRGB色空間の場合は約2.2)を前提として算出される測色値(例えばCIE L*a*b*)の輝度階調を最適化する技術であった。これに対して、本発明では、意図する観察条件をも加味して該マッピング条件を変化させることが特徴である。例えば同じ輝度の画像を、明るい部屋と薄暗い部屋で観察する場合には、薄暗い部屋で観察した方が明るく硬調に見えるので、鑑賞画像が意図する観察条件において周囲の環境が薄暗い場合は、標準の階調マッピング条件より、やや暗く軟調に調整する方が好ましい。このように、本発明では、鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて階調マッピングを調整する。
本発明における「鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータ」とは、前記鑑賞画像が意図する観察条件において想定される、色の見えモデルの計算に用いる具体的な入力数値であり、順応視野の輝度・順応白色の3刺激値・背景相対輝度・周囲の影響などが挙げられる。こうした観察条件パラメータの具体的な値をユーザが直接指定しても良いが、専門家を除く一般的なユーザが観察条件パラメータの具体的数値を設定するのは困難なことが多いので、観察条件の種類と観察条件パラメータの対応を示すテーブルを用意しておいて、ユーザが指定した観察条件の種類に対応して、具体的な観察条件パラメータを設定するのが好ましい。また、前記シーン輝度を表す画像の解析結果に基づいて、前記テーブルに用意されていた観察条件パラメータの数値を必要に応じて修正することが好ましい。例えば背景相対輝度としては、通常は順応白色輝度の20%程度の値が採用されるが、例えば夜景や花火の写真のように画像全体の背景が前記値より著しく暗い場合は、背景相対輝度の値をより暗めに設定する。
こうした鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、鑑賞画像を表す画像データのファイル内にメタ情報(タグ情報)として記録するか、あるいは該ファイルに関連づけられた別ファイル内に記録する形で、鑑賞画像を表す画像データに添付されて出力される。
このように、本発明の画像処理で作成された鑑賞画像を表す画像データは、鑑賞画像が意図する観察条件に適合するように変換されたものであり、かつ鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータが添付されている。そこで、本発明の画像処理で作成された鑑賞画像を表す画像データを受け取った画像表示装置・プリント装置あるいは別の画像処理装置は、鑑賞画像が意図する観察条件とは異なる観察条件においても、色の見えモデルを使って、適正な画像の見えを達成することができるようになる。
また、本発明において、画像処理の演算に用いる色空間と、鑑賞画像を出力する色空間とは、輝度拡張色空間を用いるのが好ましい。この輝度拡張色空間について説明する。現在DSC画像で普遍的に用いられているsRGB色空間は、IEC(International Electrotechnical Commission)によりIEC61966-2-1として規格定義されている。たとえば8bitの場合、黒色点は8bitの最小値である0、白色点は8bitの最高値である255と規定され、かつ画像データを表示・印刷する時のガンマは2.2と規定されている。ここで白色点とは何を指すのかが問題になる。白色点としては、(i)表示・印刷する際のメディアの白地、(ii)撮影シーンにおける完全拡散反射板の白地、(iii)撮影シーンにおける輝度最大値(鏡面反射や発光部を含む。)の3通りが考えられるが、現在市場にある表示デバイス・プリンタ・画像関連のアプリケーションソフトウエアは、(i)を白色点とみなして稼動する。
DSCで撮影したRawデータを鑑賞画像参照データ(output-referred)に変換する際には、表示・印刷の際に白色表示したいシーン輝度に白色点に割りつけるが、この場合(ii)や(iii)の領域が該白色点より撮影輝度値が高いことが多く、白色点以上の画素値は記録できないため、該領域を白く塗りつぶすことになる。しかし、DSCの露光調整は万能ではないので、後で画像を調整する必要が生じる。たとえば、額や鼻で光が反射して、顔の中に白ヌケが発生している場合が例として挙げられる。ところが、sRGB色空間で記録した画像では、該領域は白(8bitの場合255)でクリッピングされており、該領域の撮影情報は失われているので、これを修正することができない。こうした問題を避ける為に、(iii)を白色点としてデータ記録することが考えられるが、表示デバイス・プリンタ・画像関連のアプリケーションソフトウエアは該白色点を(i)として扱うので、こうした画像は暗く軟調に表示・プリントされて鑑賞に適さない。
これに対して、白色点を超える輝度値の記録を可能にした色空間が提案されている。たとえばIEC61966-2-2が規定するscRGB,scRGB-nl,scYCC-nlや、ANSI/I3A IT10.7466が規定するRIMM RGB,ERIMM RGBが例として挙げられる。本明細書ではこうした色空間を「輝度拡張色空間」として総称している。16bitのscRGB色空間を例にとって説明する。CIE 1931 XYZ 空間での測色値を、黒色点を0、白色点を1で規格化した値をX,Y,Zとすると、scRGBのR,G,B値は次式(1)、(2)のように定義される。ここでR',G',B'は、整数に量子化されない浮動少数点での値を示す。
Figure 2005210370
逆に、scRGBのR,G,B値からX,Y,Z値へ次式(3)、(4)のように変換することもできる。
Figure 2005210370
上記の定義により、黒色点の(R',G',B')は(0,0,0)となり、その16bit表現(R,G,B)は(4096,4096,4096)となる。またD65白色点での(R',G',B')は(1,1,1)となり、その16bit表現(R,G,B)は(12288,12288,12288)となる。16bit表現においては0から4095までが黒色点以下の輝度、4096から12288までが黒色点以上白色点以下の輝度、12289から65535までが白色点を超える輝度に相当し、黒色点を0.0、白色点を1.0で規格化した値において-0.5から7.4999の輝度範囲を表現することができる。
本発明の画像処理の演算に用いる色空間と、鑑賞画像を表す画像データを出力する色空間とに、上記の輝度拡張色空間を用いると、鑑賞画像において白色表示すべき領域よりもシーン輝度が高かった領域のデータを、白色点にクリッピングせず、白色点以上の輝度として記録しておくことができる。こうしておくと、本発明の画像処理において作成した鑑賞画像を表す画像データを、別の表示装置・プリント装置が受け取り、鑑賞画像が意図する観察条件とは異なる観察条件に対応する画像データへ変換する際に、白色点付近の潰れや擬似輪郭の発生を防止することができる。
また、本発明が出力する鑑賞画像を表す画像データを出力する色空間に、上記の輝度拡張色空間を採用し、更に本発明の画像処理において実施した画像変換条件を、鑑賞画像を表す画像データに添付して出力しても良い。このようにしておくと、鑑賞画像ファイルを受けとった別の画像処理装置において、鑑賞画像を表す画像データを作成する時に使用した色の見えモデルとは互換性の無い別の色の見えモデルを使用したい時に、鑑賞画像を表す画像データからシーン輝度を表す画像データを逆算し、改めて別の色の見えモデルに基づく画像変換を行うことができるようになる。
なお、式(2)は色空間を16bitの符号無し整数で表現するための変換であり、画像処理装置で浮動少数点を高速に処理できる場合は、式(1)で定義される浮動少数点値(R',G',B')を内部演算で用いてもよい。この(R',G',B')値は輝度に対して比例関係にある為に画像処理の演算式が簡単になり、浮動少数点処理が許される場合の本発明の画像処理の演算としては好ましい態様である。
なお、scRGBは輝度値と一次式の関係にある整数を記録するため、ファイルに記録した時のサイズが大きくなる。そこで、ファイルに記録したり、他の画像処理装置・表示装置・プリンタにデータを送る際には、scRGBより小さいサイズで記録できる輝度拡張色空間にデータを変換してもよい。こうした色空間としては、IEC61966-2-2 Annex Bが規定するscRGB-nl,scYCC-nlや、ANSI/I3A IT10.7466が規定するRIMM RGBが挙げられる。逆にデータサイズが問題にならない場合は、整数値のscRGBの代わりに、前記の浮動少数点表記のデータをファイルに記録したり、他の画像処理装置・表示装置・プリンタにデータ転送する態様も考えられる。このように具体的な輝度拡張色空間の選択は、本発明を応用する装置の仕様に基づき任意に決めることができる。
本発明によれば、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データの解析結果と、鑑賞画像が意図する観察条件とから画像変換条件を算出し、当該算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換し、前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するので、撮影時特別な計測を行うことなく、また特別な専門知識を必要とすることもなく、デジタルカメラ等による撮像データから、色の見えモデルに適用可能な鑑賞画像を表す画像データを簡単に生成することができる。
また、出力された鑑賞画像を表す画像データに、鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するので、色の見えモデルに適応した各種の画像表示装置、プリント装置、画像処理装置などの機器に前記鑑賞画像を表す画像データを出力することで、前記機器側において、前記観察パラメータを用いて、鑑賞画像を作成する時に意図していた観察条件とは異なる観察条件においても、鑑賞画像を作成する時に意図していた色の見えを適正に再現することができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1〜図4を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係る画像処理システム1αの要部構成の概要を示す。画像処理システム1αは、画像処理装置100と、モニタ41と、操作部42と、デジタルカメラ43と、CD/DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ44と、LAN(Local Area Network)などのネット回線45と、プリンタ46と、プロジェクタ47とを備える。画像処理装置100は、制御部10と、記憶部20と、入出力I/F(インタフェース)と、を備えて構成される。
モニタ41、操作部42、デジタルカメラ43、CD/DVDドライブ44及びネット回線45は、入出力I/F30に接続される。制御部10は、各部を中央制御するCPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリ12と、などを備える。
画像処理システム1αは、パーソナルコンピュータ、モニタ、ユーザなどが各種選択事項を入力する操作部42を備えており、記憶部20にアプリケーション21として記憶されたプログラムを、制御部11のメモリ12に読み込み、制御部10のCPU11で実行することで、パーソナルコンピュータなどが画像処理装置100の一部として機能するようになっている。画像処理装置100は、入出力I/F部30を介して、デジタルカメラ43、CD/DVDドライブ44、ネット回線45と接続可能であり、これらの装置・回線から、画像データを入力し、鑑賞画像を表す画像データを出力することができる。また、パーソナルコンピュータには、プリンタ46、投影用のプロジェクタ47等の、画像表示・プリント装置を接続することができ、鑑賞画像を表す画像データにこれらの装置に出力する場合は、前記アプリケーション21から図示しない画像表示・プリント装置のドライバソフトに鑑賞画像を表す画像データが出力される。
図2に、画像処理装置100のアプリケーションの機能としての構成を示す。画像処理装置100は、上記パーソナルコンピュータとしての機能により、Rawデータ変換部51と、データ解析部52と、画像変換部53と、フォーマット部54とを備えて構成される。ユーザ操作によりRawデータの入力命令があると、該RawデータはRawデータ変換部51へ送られ、センサー分光感度を較正するマトリックス演算・オートホワイトバランス演算・オート露光補正演算といった公知の演算によりシーン輝度を表す画像データに変換され、データ解析部52へ送られる。また、ユーザ操作によりシーン輝度を表す画像データの入力命令があった場合は、該シーン輝度を表す画像データは直接データ解析部52へ送られる。
また、入力された画像データの撮影条件情報(シャッタースピード・絞り・シーンタイプ・ストロボ有無など)が、該画像データのファイル内にメタデータとして記録されていたり、該画像データに関連づけて記録された別のファイルから取得可能であった場合は、該撮影条件情報もデータ解析部52へ送られる。
図3に、鑑賞画像観察条件の選択ダイアログDIを示す。また、画像データの入力命令があった際は、モニタ41に、図3に示す鑑賞画像観察条件の選択ダイアログDIを表示し、選択ダイアログDIに基づいてユーザが操作部42を介して選択入力した観察条件の情報がデータ解析部52へ送られる。
次に、画像処理装置100におけるデータ解析部52の内部構成及びその演算について説明する。図4に、データ解析部52の内部構成及び演算処理の流れを示す。データ解析部52は、画像内容解析部521と、仮画像変換条件決定部522と、仮画像変換条件修正部523と、観察条件テーブル参照部524と、観察条件パラメータ修正部525と、を備えて構成され、さらに、記憶部20に記憶されるデータとして、ホワイトバランス修正係数テーブル61と、階調マッピング修正条件テーブル62と、観察条件テーブル63と、観察条件パラメータの修正重みテーブル64と、を有する。
シーン輝度を表す画像データは、画像内容解析部521に送られる。図5に、画像内容解析部521により実行される画像内容解析処理を示す。ここで、図5を参照して、画像内容解析部521により実行される画像内容解析処理を説明する。
まず、シーン輝度を表す画像データがグレーバランス調整される(ステップS0)。このグレーバランス調整は、ステップS1における変換を正しく行うために行うものである。そして、グレーバランス調整されたシーン輝度を表す画像データのRGB値がHSV表色系の値に変換される(ステップS1)。HSV表色系は色を色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value又はBrightness)の3つの要素で表し、マンセルにより提案された表色体系を元にして考案されたものである。変換方法の実例は例えばJohn Clark Craig, Jeff Webb 共著 永山操訳「Visual Basic 5.0 テクニックライブラリ」(アスキー出版局)512頁に書かれている。
ステップS1においてシーン輝度を表す画像データの各画素の色相及び明度値が取得されると、X軸を色相値(H)、Y軸を明度値(V)とした座標平面内に、画素の累積度数分布を示す2次元ヒストグラムが作成される(ステップS2)。図6に、2次元ヒストグラムの一例を示す。図6に示す2次元ヒストグラムは、X軸を色相値(H)、Y軸を明度値(V)とした座標平面内に、画素の累積度数分布の値を有する格子点を表したものである。座標平面の縁にある格子点は、色相値(H)が18、明度値(V)が約13の範囲に分布する画素数の累積度数を保持している。それ以外の格子点は、色相値(H)が36、明度値(S)が約25の範囲に分布する画素数の累積度数を保持している。領域Aは、色相値(H)が70〜184の緑色相領域を表す。
次いで、ステップS2において作成された2次元ヒストグラムに基づいて、シーン輝度を表す画像データが所定の明度領域に分割される(ステップS3)。具体的には、作成された2次元ヒストグラムが、予め定義された少なくとも1つの明度値を境界に、少なくとも2つの平面に分割されることにより、シーン輝度を表す画像データが所定の明度領域に分割される。本発明では、少なくとも2つの明度値により、シーン輝度を表す画像データを3つの平面に分割することが望ましい。境界とする明度値としては、HSV変換プログラムによる算出値で、85、170と定義することが望ましい。本実施の形態においても、2次元ヒストグラム(シーン輝度を表す画像データ)を85、170の明度値で3つの明度領域に分割するものとする。これにより、2次元ヒストグラム(シーン輝度を表す画像データ)をシャドー領域(明度0〜84)、中間領域(明度85〜169)、ハイライト領域(明度170〜255)に分割することが可能となる。
ステップS3においてシーン輝度を表す画像データが所定の明度領域に分割されると、分割された明度領域の夫々について、各領域内の累積度数分布のシグマ値を入力画像データの全画素数で除算することにより、各明度領域が入力画像の画面内に占める割合、即ち、明度領域毎の占有率が算出される(ステップS4)。
次いで、ステップS2において作成された2次元ヒストグラムに基づいて、シーン輝度を表す画像データが所定の色相及び明度の組み合わせからなる領域に分割される(ステップS5)。具体的には、作成された2次元ヒストグラムが、予め定義された少なくとも1つの色相値及び1つの明度値を境界に、少なくとも4つの領域に分割されることにより、入力画像データが所定の色相と明度の組み合わせからなる領域に分割される。本発明では、少なくとも1つの色相値と、2つの明度値により、6つの領域に分割することが望ましい。境界とする色相値としては、HSV変換プログラムによる算出値で70と定義することが望ましい。また、境界とする明度値としては、HSV変換プログラムによる算出値で、85、170と定義することが望ましい。これにより2次元ヒストグラム(シーン輝度を表す画像データ)を、少なくとも肌色相シャドー領域(色相値0〜69、明度値0〜84)、肌色相中間領域(色相値0〜69、明度値85〜169)、肌色相ハイライト領域(色相値0〜69、明度値170〜255)に分割することが可能となる。
シーン輝度を表す画像データが所定の色相及び明度の組み合わせからなる領域に分割されると、分割された領域の夫々について、画素の累積度数分布のシグマ値から入力画像データの全画素数で除算することにより、各分割領域が入力画像の画面内に占める割合、即ち、分割領域毎の占有率が算出される(ステップS6)。
次いで、ステップS4及びS6で求められた占有率に基づいて、シーン輝度を表す画像データの撮影シーンが推定され(ステップS7)、画像内容解析処理が終了される。具体的には、シャドー、中間、ハイライト領域の占有率と、肌色相シャドー領域、肌色相中間領域、肌色相ハイライト領域の占有率により、逆光か、ストロボ近接撮影か、通常シーンかが推定され、本処理は終了する。推定方法としては、例えば下記[定義1]にしめすように、撮影シーンと、中間、ハイライト領域の各占有率の大小関係及び肌色相シャドー、肌色相中間、肌色相ハイライト領域の各占有率の大小関係との対応関係を定義してテーブルとしてROM等に記憶しておき、この定義に基づいて、撮影シーンを推定する。
[定義1]
シャドー領域の占有率 …Rs
中間領域の占有率 …Rm
ハイライト領域の占有率 …Rh
肌色相シャドー領域の占有率 …SkRs
肌色相中間領域の占有率 …SkRm
肌色相ハイライト領域の占有率…SkRh
逆光シーン …Rs>Rm,Rh>Rm,SkRs>SkRm>SkRh
ストロボ近接撮影 …Rh>Rs,Rh>Rm,SkRh>SkRm>SkRs
なお、画像内容解析部521に、撮影条件情報が入力され、該撮影条件情報に逆光撮影やストロボ近接撮影が行われたことが記載されている場合は、上記の画像内容解析処理を省略し、該撮影条件情報により撮影シーン推定結果を確定する。以上の画像内容解析処理で算出した、前記の各種統計情報とシーン推定結果は、画像内容解析結果として、画像内容解析部521から、仮画像変換条件決定部522と観察条件パラメータ修正部525に送られる。
仮画像変換条件決定部522では、あらかじめ定められた特定の観察条件パラメータを前提として仮画像変換条件を算出する。この仮画像変換条件は、仮画像変換修正部523で指定された観察条件パラメータに対応する画像変換条件へ修正する。このように、画像変換条件を2段階で算出することは必須ではない。しかし、あらかじめ定める特定の観察条件パラメータとして、室内でのCRT観察に相当する条件を採用し、上記の2段階で画像変換条件を算出する態様にすると、仮画像変換条件決定部522の演算にsRGB最適化を前提とした既存のアルゴリズムを使用できるので、画像処理装置100を簡単に作成できるようになる。
次に、仮画像変換条件決定部522での演算内容の例としての階調変換処理を説明する。なお、仮画像変換条件決定部522の演算方法は下記階調変換処理に限定されるものでなく、上述のように、sRGB最適化を前提とした既存の各種アルゴリズムを使用することができる。
ここで、階調変換処理を行う際に必要な、階調変換後の目標値を定める指標として、画像全体の明るさの平均値を用いるのが一般的である。しかしながら、逆光シーンや、ストロボ撮影シーンなどでは、画像中に極端に明るい領域と、暗い領域とが混在し、かつ重要な被写体である顔領域の明るさの平均値を用いて、顔領域の明度を適切な値に補正するように調整することが理想的となる。実際の撮影では、明るい領域と暗い領域との明るさの差異は様々に異なるため、その差異の程度に応じて、顔領域の明るさを重視する割合(以下、顔領域の寄与率と称す)を調整することが望まれる。
そこで、本実施の形態においては、撮影シーンの推定結果を利用して、顔領域と画像全体との明るさの差異の程度を考慮して、仮画像変換条件を決定処理する。図7に、仮画像変換条件決定部522により実行される仮画像変換条件決定処理を示す。
先ず、シーン輝度を表す画像データから顔領域の抽出が行われる(ステップS11)。顔領域の抽出方法には数々の方法が知られているが、本発明では、X軸を色相(H)、Y軸を彩度(S)として2次元ヒストグラムを作成し、所定の色相と彩度の組み合わせからなる肌色領域に分布する画素を、顔領域として抽出することが望ましい。2次元ヒストグラムを用いる場合の肌色領域は、HSV変換プログラムによる算出値で色相値が0〜50、彩度値が10〜120であることが望ましい。
なお、上記の肌色領域を抽出する方法と併せて、顔領域を抽出する画像処理を別途行い、抽出精度を向上させることが望ましい。顔領域を抽出する画像処理には、公知の如何なる処理を行っても良い。前記公知の顔領域を抽出する画像処理の例としては、単純領域拡張法等が挙げられる。単純領域拡張法とは、肌色の定義に当てはまる画素(肌色画素)が離散的に抽出される場合に、周囲の画素について、前記離散的に抽出された肌色画素との差を求め、差が所定の闘値よりも小さい場合には肌色画素と判断し、次第に顔領域を拡張させていくことで、顔領域としての抽出を可能とするものである。また、ニューラルネットワークによる学習機能を用いて肌色領域から顔領域を抽出することも可能である。
ステップS11において顔領域が抽出されると、抽出された顔領域の平均明度値及び画像全体の平均明度値が算出される(ステップS12)。また、画像内容解析部521における画像内容解析処理で推定された撮影シーンに基づいて、顔領域の寄与率が決定される(ステップS13)。顔領域の寄与率は、例えば、下記[定義2]に示すように、経験値に基づいて、撮影シーンと予め対応付けて設定されている。この撮影シーンと顔領域の寄与率の相関は、テーブル化されてROM等に記憶されており、このテーブルが参照されることにより、撮影シーンに基づく顔領域の寄与率が決定される。
[定義2]
逆光シーン =100%
半逆光シーン = 50%
ストロボ近接撮影=100%
通常シーン = 30%
逆光シーンは、顔領域の平均明度値、又は画像全体に対する明度偏倚量(詳細後述)に応じて、顔領域の寄与率を調整することが望ましい。上述した例においては、顔領域の平均明度値に闘値を設け、闘値を超えるか否かで逆光シーンの程度を2段階に分けた例をしめしているが、更に、逆光シーンの程度を細かく設定しても良い。
次いで、決定された顔領域の寄与率に基づいて、輝度域の制限指標となる、「黒色飽和点」と「白色飽和点」、並びに入力画像データに適用する「階調変換曲線の種類」とが、仮画像変換条件として決定され(ステップS14)、仮画像変換条件決定処理が終了される。
以下、「平均明度値」の決定方法について述べる。
平均明度入力値(C)は、画像全体の平均明度値をa、顔領域の平均明度値をb、顔領域の寄与率をRskとすると、次式(5)により求められる。
C=a×(1-(Rsk×0.01))+(b×Rsk×0.01) …(5)
図8に、階調変換曲線を示す。続いて、図8に示すように、この平均明度入力値を、予め設定された平均明度値変換目標値に変換するように階調変換曲線が決定される。図8において、主に、逆光シーンの場合は、平均明度入力値がC1、C2となり、出力値がより明るくなるような階調変換曲線が決定される。通常シーンの場合は、平均明度入力値がC3となり、出力値がやや明るくなるような階調変換曲線が決定される。ストロボ近接撮影の場合は、平均明度入力値がC4、C5となり、出力値が入力値と同等か、又はやや低くなるような階調変換曲線が決定される。
階調変換曲線の決定は、算出された平均明度入力値に基づいて、階調変換曲線をその都度作り変えることで行っても良いし、予め階調変換曲線を複数用意しておき、平均明度入力値に応じて階調変換曲線を選択し適用する態様であっても良い。また図8に示した階調変換曲線を複数用意しておき、集合写真・ポートレート等の撮影モード情報に従って使い分けてもよい。
次に、仮画像変換条件修正部525の演算内容を説明する。画像処理装置100の記憶部20には、指定された観察条件と鑑賞画像のホワイトバランス修正係数との関係を記載したホワイトバランス修正係数テーブル61と、指定された観察条件と階調マッピング修正条件の関係を記載した階調マッピング修正条件テーブル62が記憶されており、仮画像変換条件修正部523では、ホワイトバランス修正係数テーブル61及び階調マッピング修正条件テーブル62を参照して、仮画像変換条件を修正し、画像変換条件を算出する。
下記にホワイトバランス修正係数テーブル61の例を示す。
Figure 2005210370
下記に階調マッピング修正条件テーブル62の例を示す。
Figure 2005210370
図9に、階調マッピング修正前後の輝度の変換曲線を示す。階調マッピング修正条件テーブル62で、A・B・Cと記されているのは、図9のA・B・Cで示す変換曲線を意味する。仮画像変換条件として与えられた階調マッピングテーブルの値を図9の修正前の輝度として、選択された変換曲線上の修正後の輝度を読み取ることで、修正された階調マッピングテーブルを得ることができる。
以上で、仮画像変換条件修正部523により算出された階調マッピングテーブルと、ホワイトバランス修正係数とが、画像変換条件として、データ解析部52から出力され、画像変換部53へ送られる。
次に、観察条件テーブル参照部524の機能説明を行う。画像処理装置100の記憶部20には、指定された観察条件と、色の見えモデルの計算で用いる具体的なパラメータとの関係を記載した観察条件テーブル63が記憶されている。
下記に、色の見えモデルがCIECAM02である場合の観察条件テーブル63の例を示す。
Figure 2005210370
観察条件テーブル参照部524では、入力された観察条件に対応する観察条件パラメータを観察条件テーブル63から検索し、該当する値を仮観察条件パラメータとして出力する。
観察条件パラメータ修正部525では、画像内容解析部521から入力される画像内容解析結果に基づき、仮観察条件パラメータを修正する。一般的な色の見えモデルにおいて、背景とはおよそ2度視野の外側かつ10度視野の内側の領域を意味し、順応視野は10度視野の外側の領域を意味する。この背景と順応視野が鑑賞画像の外側にある場合、この背景と順応視野の領域の輝度は周囲の観察環境に依存するが、鑑賞画像の表示サイズが大きくこの背景と順応視野の領域が鑑賞画像内にある場合には、この背景と順応視野の領域の輝度は鑑賞画像の状態の影響を受ける。観察条件パラメータ修正部525では、このような状況が想定される場合に仮観察条件パラメータの修正を行い、修正済みの値を観察条件パラメータとして出力する。また前記の状況が想定されない場合には、仮観察条件パラメータの値をそのまま観察条件パラメータとして出力する。
具体的には、画像処理装置100の記憶部20には、下記の観察条件パラメータの修正重みテーブル64が記憶されている。
Figure 2005210370
指定された観察条件に従い、各観察条件パラメータの修正重み係数wが上記テーブルから取得される。該係数wに基づき、次式(6)により、観察条件パラメータが算出される。
Pcorr=Ptemp*(1-w)+Pfig*w …(6)
temp:仮観察条件パラメータ
fig:鑑賞画像から算出される観察条件パラメータ
corr:観察条件パラメータ
ここで、鑑賞画像から算出される観察条件パラメータは、次式(7)、(8)で算出される。
LAの場合:
LAfig=(Vavg/100)Yw …(7)
Vavg:鑑賞画像の平均明度値
Ybの場合:
Ybfig=(Vavg/100)Yw …(8)
Vavg:鑑賞画像の平均明度値
以上で、観察条件パラメータ修正部525により算出された観察条件パラメータが、データ解析部52から出力され、フォーマット部54へ送られる。
以上のデータ解析部52での演算の結果、画像変換条件と、観察条件に対応する観察条件パラメータとが算出される。
データ解析部52により算出された画像変換条件は、図2に示すように画像変換部53へ送られ、該画像変換条件に基づいて、シーン輝度を表す画像データは鑑賞画像を表す画像データに変換される。画像変換部53での演算を説明する。シーン輝度を表す画像データは、scRGBの浮動小数点表記 R',G',B'で記録されている。これを次式(9)に従って、輝度Y'と色差Cb',Cr'に変換する。
Figure 2005210370
次に、上記Y'に画像変換条件として与えられた階調マッピングテーブルを適用し、Y'mに変換する。続いて、次式(10)のように、階調マッピング後の値R'm,G'm,B'mを算出する。
Figure 2005210370
更に、画像変換条件として与えられたホワイトバランス修正係数を用いて、鑑賞画像を表す画像データの値 R'o,G'o,B'oを次式(11)のように算出する。
Figure 2005210370
ここで算出された R'o,G'o,B'oが鑑賞画像を表す画像データとしてフォーマット部54へ送られる。
フォーマット部54は、算出された鑑賞画像を表す画像データと前記観察条件パラメータとを受け取り、図示しないダイアログで指定された、生成する鑑賞画像のファイル形式・画像サイズ・色空間等の指示を含む鑑賞画像生成条件に基づき、指定された画像フォーマットにより鑑賞画像ファイルを出力する。
まずフォーマット部54では、scRGBの浮動小数点表記で記載されたR'o,G'o,B'oを、出力用に指定された色空間表現に変換する。たとえば出力用の色空間がscRGBであるならば、次式(12)に従い、出力用の画素値Ro,Go,Boを得る。
Figure 2005210370
こうして得られた出力用の画素値Ro,Go,Boは指定された画像フォーマットに従い、データ解析部52から送られた観察条件を添付して出力する。この時、前記観察条件パラメータは該鑑賞画像ファイル内にメタデータとして記録され、鑑賞画像を表す画像データに添付された形で出力される。該メタデータの形式は任意であるが、たとえばDCF/Exifファイル形式の場合には、メーカーノートを示す領域に記入することができる。なお、前記画像変換条件の内容を併せてメタデータとして記録しておいても良い。
こうして画像処理装置100より出力された、観察条件パラメータを添付した鑑賞画像ファイルは、モニタ41、プリンタ46、プロジェクタ47等の、種々の画像表示装置、画像プリント装置に読み込まれ、色の見えモデルに従ったカラーマネージメントが行われる。図10に、カラーマネージメントの概要を示す。
画像表示装置又は画像プリント装置は、CAM変換部71と、CAM逆変換部72と、を含む。画像処理装置100で作成された画像データ1aと、該データに添付された観察条件パラメータ2aは、CAM変換部71に送られ、画像データ1aは色の見えを表す画像データ1cに変換される。次に、画像表示装置又は画像プリント装置に設定されている観察条件パラメータ2bと、前記色の見えを表す画像データ1cが、CAM逆変換部72へ送られ、観察条件パラメータ2bに対応する画像データ1bに変換される。
色の見えモデルとして、CIECAM97sが採用されている場合を例にあげ、図10のカラーマネージメントを更に詳しく説明する。なお、CIECAM02は、基本構造は、CIECAM97sと同じで、部分的な算出式が変更されている程度である。
図11に、CAM変換部71により実行されるCAM変換処理を示す。本実施の形態では、まずアピアランスモデルとしてCIECAM97sを用いた説明をおこなう。モデルへの入力データとして必要になるのは、以下のデータである。
見えを予測したい色の3刺激値 X,Y,Z
観察条件パラメータ
順応視野における白色の3刺激値 Xw,Yw,Zw
順応視野の平均輝度 LA
背景の相対輝度 Yb
周辺の条件により決定する定数 c,Nc,FLL,F
先ず、入力画像データの各画素のRGB値が、3刺激値XYZに変換される(ステップS31)。ここで、見えを予測したい色の3刺激値は、画像データ1aの各画素のRGB値から算出される。例えば画像データ1aがscRGBで記載されている場合は、次式(13)、(14)にて色の3刺激値X,Y,Zに変換可能される。
Figure 2005210370
また、sRGBの場合は、次式(15)〜(18)を使用する。
Figure 2005210370
Figure 2005210370
また、Rawデータの場合は、デジタルカメラの特性を記述したICCプロファイルをもちいて変換される。具体的には、プロファイル内に記述されている、3×3マトリックス情報を用いて、上記と同様の変換が実行される。
そして、設定された観察条件パラメータから、後の計算で使用する次式(19)〜(23)の値k,FL,n,Nbb,zが計算される(ステップS32)。
Figure 2005210370
そして、画像データに対して色順応変換が行われる(ステップS33)。色順応変換は、フォンクリースタイプの色順応変換を改良したもので、観察条件下での白色に対する順応度合いが考慮されている。まず、次式(24)により、X,Y,ZがRバー,Gバー,Bバーに変換される。
Figure 2005210370
ここで、変換マトリックスMBとして、次式(25)を使用する。
Figure 2005210370
変換したRバー,Gバー,Bバーから、次式(26)〜(28)によって色順応変換した応答、Rc,Gc,Bcが算出される。
Figure 2005210370
ここでRw,Gw,Bwは、順応白色の3刺激値をマトリックスMBによって変換したものである。
そして、色順応処理をおこなった画像データが人間の視覚系のセンサに相当する錐体の応答R',G',B'変換される(ステップS34)。次式(29)〜(31)により、まず、先ほどおこなったマトリックスによる変換の逆変換が行われ、それからHunt-Pointer-Estevez変換と呼ばれる3×3マトリックスがかけられる。
Figure 2005210370
そして、錐体応答に変換された画像データに、次式(32)により、視覚系の非線形応答に対応した変換が行われる(ステップS35)。
Figure 2005210370
最後に、色の見えを予測する数値、色相角:h、明度:J、クロマ:Cがそれぞれ次式(33)〜(40)に従って算出され(ステップS36)、CAM変換処理が終了される。
Figure 2005210370
式(40)に用いるh1,h2,e1,e2については、以下の表から検索する。
h<h1の場合はh'=h+360、それ以外はh'=hとし、下記表でHi≦h'<hi+1を満たすiを求め、h1=hi,h2=hi+1,e1=ei,e2=ei+1として使用する。
Figure 2005210370
また、カラーアピアランスモデルとしてCIECAM02を使用した場合は、CAM変換処理のステップS32以後の処理を以下のように入れ替える。
ステップS32において、設定された観察条件パラメータから、次式(19’)〜(23’)の値k,FL,n,Nbb,zが計算される。
Figure 2005210370
そして、ステップS33において、画像データに対して色順応変換が行われる。色順応変換は、フォンクリースタイプの色順応変換を改良したもので、観察条件下での白色に対する順応度合いが考慮されている。まず、次式(24’)により、X,Y,ZがRバー,Gバー,Bバーに変換される。
Figure 2005210370
ここで、変換マトリックスMCAT02として、次式(25’)を使用する。
Figure 2005210370
変換したRバー,Gバー,Bバーから、次式(26’)、(28’)によって色順応変換した応答、Rc,Gc,Bcが算出される。
Figure 2005210370
ここでRw,Gw,Bwは、順応白色の3刺激値をマトリックスMCAT02によって変換したものである。
そして、ステップS34において、色順応処理をおこなった画像データが人間の視覚系のセンサに相当する錐体の応答R',G',B'に変換される。次式(29’)〜(31’)を用いて、まず、先ほどおこなったマトリックスによる変換の逆変換が行われ、それからHunt-Pointer-Estevez変換と呼ばれる3×3マトリックスがかけられる。
Figure 2005210370
そして、ステップS35において、錐体応答に変換された画像データに視覚系の非線形応答に対応した次式(32’)の変換が行われる。
Figure 2005210370
最後に、ステップS36において、色の見えを予測する数値、色相角:h、明度:J、クロマ:Cがそれぞれ次式(33’)〜(40’)に従って算出される。
Figure 2005210370
以上の変換により、画像データのRGB値は、「色の見え」を表わしたJ,C,hの値となる。
図12に、CAM逆変換部72により実行されるCAM逆変換処理を示す。本実施の形態では、まずアピアランスモデルとしてCIECAM97sを用いた説明を行う。まず、出力画像に関係した第2の観察条件パラメータ、Xw'、Yw'、Zw'、LA'、Yb'、c'、Nc'、FLL'、F'から、次式(41)〜(45)を用いて変数k',FL',N'bb,Z'が算出される(ステップS41)。
Figure 2005210370
また、図11のCAM変換処理におけるステップS33〜S36の演算をXw'、Yw'、Zw'に適用して、Aw'が算出される。
そして、色の見えを表わすパラメータJ,C,hから非線形応答値Ra',Ga',Ba'が算出される(ステップS42)。はじめに、J,Cから、次式(46)、(47)によりA,sが求められる。
Figure 2005210370
そして、次式(48)、(49)によりa,bが求められる。
Figure 2005210370
Figure 2005210370
式(50)に用いるh1,h2,e1,e2については、以下の表から検索する。h<h1の場合はh'=h+360、それ以外はh'=hとし、下記表でhi≦h'<hi+1を満たすiを求め、h1=hi,h2=hi+1,e1=ei,e2=ei+1として使用する。
Figure 2005210370
Ra',Ga',Ba'は、次式(51)から算出される。
Figure 2005210370
次に、次式(52)を用いて、非線形応答値Ra',Ga',Ba'が逆変換され錐体応答R',G',B'が求められる(ステップS43)。
Figure 2005210370
ここで、Ra'-1<0の場合は、次式(53)を使用する。Ga'、Ba'についても同様である。
Figure 2005210370
そして、次式(54)、(55)により、錐体応答が逆変換され、RcY,GcY,BcYが算出される(ステップS44)。
Figure 2005210370
そして、色順応逆変換が行われて測色値にもどされる(ステップS45)。はじめに、次式(56)によってYcが算出される。
Yc=0.43231-RcY+0.51836-GcY+0.04929-BcY …(56)
Figure 2005210370
3刺激値X'',Y'',Z''は、次式(59)によって算出される。
Figure 2005210370
以上で、色の見えを表す値と、第2の観察環境パラメータから、該環境で指定された見えに相当する色の3刺激値X'',Y'',Z''が算出された。
この3刺激値X'',Y'',Z''が、出力機器の色空間(R,G,B)に変換されて出力され(ステップS46)、CAM逆変換処理が終了される。具体的には、モニタ・プリンタの特性を記述したICCプロファイルに記述されている3×3マトリックス情報、もしくは、3次元ルックアップテーブルを用いて変換される。
また、カラーアピアランスモデルとしてCIECAM02を用いた場合、CAM逆変換処理は、以下のようにとって代わる。まず、ステップS41において、次式(41’)〜(45’)により、第2の観察条件パラメータから変数k',FL',N'bb,Z'が算出される。
Figure 2005210370
また、順応視野における白色の3刺激値Xw',Yw',Zw'について第2の観察条件パラメータを用いて、図11のCAM変換処理のステップS33〜S36の演算を適用して、Aw'が算出される。
そして、ステップS42において、色の見え値からの非線形応答算出が行われる。はじめに色相角hの入力値を下記表で検索し、hi≦h<hi+1を満たすiを求める。
Figure 2005210370
上記iと色の見えの色相成分Hの入力値を用いて、次式(60)が計算される。
Figure 2005210370
ここでh'>360の場合は360を減じた値とする。
そして、色の見えのクロマを表すCと明度を表すJの入力値を用いて、次式(61)〜(67)により変数t,e,A,p1,p2,p3,hrが計算される。
Figure 2005210370
Figure 2005210370
Figure 2005210370
そして、次式(51’)の計算を行う。
Figure 2005210370
そして、ステップS43において、次式(52’)により非線形応答逆変換の計算が行われる。
Figure 2005210370
ここでsign(x)は、x>0で1、x=0で0、x<0で-1の値をとる関数である。
そして、ステップS44において、次式(53’)により錐体応答逆変換の計算を行う。
Figure 2005210370
そして、ステップS45において、次式(57’)、(59’)により色順応逆変換の計算が行われる。
Figure 2005210370
なお、カラーアピアランスモデルには、本実施の形態でもちいたCIECAM97s、CIECAM02以外にも、納谷モデル、Huntモデル、RLabモデル、LLabモデルなど、いくつも発表されている。これらをCIECAM97s、CIECAM02の代わりに用いることも可能である。
このようにして、画像処理装置100で作成された画像データ1aは、該データ作成時に意図されていた観察条件(パラメータ2a)に基づき、色の見えを表す画像データに変換され、しかる後に観察条件(パラメータ2b)において同じ色の見えを示す画像データ1bに変換されるため、画像データ1aを作成時に意図していた観察条件(パラメータ2a)と異なる観察条件(パラメータ2b)においても適正な表示・プリントが可能になるのである。
以上、本実施の形態によれば、データ解析部52により、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データの解析結果と、鑑賞画像が意図する観察条件とから画像変換条件を算出し、画像変換部53により、前記算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換し、フォーマット部54により、前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するので、撮影時特別な計測を行うことなく、また特別な専門知識を必要とすることもなく、デジタルカメラ等による撮像データから、色の見えモデルに適用可能な鑑賞画像を表す画像データを簡単に生成することができる。
また、フォーマット部54により、出力された鑑賞画像を表す画像データに、鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するので、色の見えモデルに適応した各種の画像表示装置、プリント装置、画像処理装置などの機器に前記鑑賞画像を表す画像データを出力することで、前記機器側において、前記観察パラメータを用いて、鑑賞画像を作成する時に意図していた観察条件とは異なる観察条件においても、鑑賞画像を作成する時に意図していた色の見えを適正に再現することができる。
なお、以上の各実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像処理装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施の形態における画像処理装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、被写体を撮像して撮像データを出力する撮像部と、前記撮像部から出力される撮像データからシーン輝度を表す画像データを生成する画像生成部と、画像処理装置100と、を備え、データ解析部52が、前記画像生成部により生成されたシーン輝度を表す画像データを解析する、デジタルカメラなどの撮影装置として構成してもよい。
本発明の実施の形態に係る画像処理システム1αの要部構成の概要を示す図である。 画像処理装置100のアプリケーションの機能としての構成を示す図である。 鑑賞画像観察条件の選択ダイアログDIを示す図である。 データ解析部52の内部構成及び演算処理の流れを示す図である。 画像内容解析部521により実行される画像内容解析処理を示すフローチャートである。 2次元ヒストグラムの一例を示す図である。 仮画像変換条件決定部522により実行される仮画像変換条件決定処理を示すフローチャートである。 階調変換曲線を示す図である。 階調マッピング修正前後の輝度の変換曲線を示す図である。 カラーマネージメントの概要を示す図である。 CAM変換部71により実行されるCAM変換処理を示すフローチャートである。 CAM逆変換部72により実行されるCAM逆変換処理を示すフローチャートである。 CIECAM97sの具体的な観察条件パラメータを示す図である。
符号の説明
1α 画像処理システム
10 制御部
11 CPU
12 メモリ
20 記憶部
21 アプリケーション
30 入出力I/F
41 モニタ
42 操作部
43 デジタルカメラ
44 CD/DVDドライブ
45 ネット回線
46 プリンタ
47 プロジェクタ
51 Rawデータ変換部
52 データ解析部
521画像内容解析部
522 仮画像変換条件決定部
523 仮画像変換条件修正部
524 観察条件テーブル参照部
525 観察条件パラメータ修正部
61 ホワイトバランス修正係数テーブル
62 階調マッピング修正条件テーブル
63 観察条件テーブル
64 観察条件パラメータの修正重みテーブル
53 画像変換部
54 フォーマット部
71 CAM変換部
72 CAM逆変換部

Claims (28)

  1. 撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換する画像処理装置において、
    鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、前記シーン輝度を表す画像データを解析し、その解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析部と、
    前記データ解析部により算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換部と、
    前記画像変換部により変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 鑑賞画像が意図する観察条件を選択させる操作部を備え、
    前記データ解析部は、前記操作部により選択された観察条件に対応する観察条件パラメータを算出し、
    前記フォーマット部は、前記データ解析部により算出された観察条件パラメータを前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件及びホワイトバランス修正条件を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  5. 前記データ解析部は、前記シーン輝度を表す画像データから、シーンの種別を取得又は推定して解析することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
  6. 前記データ解析部は、特定の観察条件における仮の階調マッピング条件を算出し、当該仮の階調マッピング条件を鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて修正して前記階調マッピング条件を算出することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記データ解析部は、前記鑑賞画像を輝度拡張色空間で記載する画像変換条件を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記フォーマット部は、前記データ解析部により算出された画像変換条件を前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記鑑賞画像を表す画像データに添付される、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、CIE-CAM97s又はCIE-CAM02で使用される観察条件パラメータであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 被写体を撮像して撮像データを出力する撮像部と、
    前記撮像部から出力される撮像データから、シーン輝度を表す画像データを生成する画像生成部と、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置と、を備え、
    前記データ解析部は、前記画像生成部により生成された前記シーン輝度を表す画像データを解析することを特徴とする撮影装置。
  11. 撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを、鑑賞画像を表す画像データに変換する画像処理方法において、
    鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、前記シーン輝度を表す画像データを解析し、その解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析工程と、
    前記算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換工程と、
    前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法。
  12. 鑑賞画像が意図する観察条件を選択させる工程と、
    前記選択された観察条件に対応する観察条件パラメータを算出する工程と、を含み、
    前記フォーマット工程において、前記算出された観察条件パラメータを前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  13. 前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の画像処理方法。
  14. 前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件及びホワイトバランス修正条件を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の画像処理方法。
  15. 前記データ解析工程において、前記シーン輝度を表す画像データから、シーンの種別を取得又は推定して解析することを特徴とする請求項13又は14に記載の画像処理方法。
  16. 前記データ解析工程において、特定の観察条件における仮の階調マッピング条件を算出し、当該仮の階調マッピング条件を鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて修正して前記階調マッピング条件を算出することを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  17. 前記データ解析工程において、前記鑑賞画像を輝度拡張色空間で記載する画像変換条件を算出することを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  18. 前記フォーマット工程において、前記算出された画像変換条件を前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  19. 前記鑑賞画像を表す画像データに添付される、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、CIE-CAM97s又はCIE-CAM02で使用される観察条件パラメータであることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  20. コンピュータに、
    鑑賞画像が意図する観察条件を取得し、撮像データに基づくシーン輝度を表す画像データを解析し、その解析結果及び前記鑑賞画像が意図する観察条件から画像変換条件を算出するデータ解析機能と、
    前記算出された画像変換条件に基づいて前記シーン輝度を表す画像データを、前記鑑賞画像を表す画像データに変換する画像変換機能と、
    前記変換された鑑賞画像を表す画像データに、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータを添付して出力するフォーマット機能と、
    を実現させるための画像処理プログラム。
  21. 前記コンピュータに、
    鑑賞画像が意図する観察条件を選択させる機能と、
    前記データ解析機能は、前記選択された観察条件に対応する観察条件パラメータを算出する機能と、を実現させ、
    前記フォーマット機能は、前記算出された観察条件パラメータを前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする請求項20に記載の画像処理プログラム。
  22. 前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件を含むことを特徴とする請求項20又は21に記載の画像処理プログラム。
  23. 前記画像変換条件は、シーン輝度を鑑賞画像の輝度に変換する階調マッピング条件及びホワイトバランス修正条件を含むことを特徴とする請求項20又は21に記載の画像処理プログラム。
  24. 前記データ解析機能は、前記シーン輝度を表す画像データから、シーンの種別を取得又は推定して解析することを特徴とする請求項22又は23に記載の画像処理プログラム。
  25. 前記データ解析機能は、特定の観察条件における仮の階調マッピング条件を算出し、当該仮の階調マッピング条件を鑑賞画像が意図する観察条件に合わせて修正して前記階調マッピング条件を算出することを特徴とする請求項22から24のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
  26. 前記データ解析機能は、前記鑑賞画像を輝度拡張色空間で記載する画像変換条件を算出することを特徴とする請求項20から25のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
  27. 前記フォーマット機能は、前記算出された画像変換条件を前記鑑賞画像を表す画像データに添付して出力することを特徴とする請求項20から26のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
  28. 前記鑑賞画像を表す画像データに添付される、前記鑑賞画像が意図する観察条件に対応する観察条件パラメータは、CIE-CAM97s又はCIE-CAM02で使用される観察条件パラメータであることを特徴とする請求項20から27のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
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