JP2005206534A

JP2005206534A - 抗リーシュマニア剤

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Publication number: JP2005206534A
Application number: JP2004015622A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Fuchino; 裕之渕野; Marie Takahashi; 真理衣高橋; Setsuko Sekida; 節子関田; Motokichi Satake; 元吉佐竹; Yutaka Azuma; 豊我妻
Original assignee: Japan Health Sciences Foundation
Current assignee: Japan Health Sciences Foundation
Priority date: 2004-01-23
Filing date: 2004-01-23
Publication date: 2005-08-04
Anticipated expiration: 2024-01-23
Also published as: JP4590525B2

Abstract

【課題】安価で副作用が少ない抗原虫剤を提供する。
【解決手段】 Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物に由来し、抗原虫活性を示す物質を有効成分として含有する抗原虫剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来で、抗原虫活性または抗リーシュマニア活性を示す物質を有効成分として含有する抗原虫剤、特に抗リーシュマニア剤に関する。

従来より、リーシュマニア原虫、マラリア原虫、膣トリコモナス、トリパノソーマ、ニューモシスチス・カリニ等の様々な原虫が寄生虫病を引き起こすことが知られている。

中でもリーシュマニア症は、リーシュマニア原虫（Leishmania原虫）により引き起こされる南米を含む熱帯地方特有の寄生虫病で、ＷＨＯ指定の六大熱帯病の一つである。アフリカ、中近東、中南米およびアジアでの総患者数はおよそ１２００万人であり、毎年４０万人が感染している。感染経路は、吸血性昆虫であるサシチョウバエであり、このサシチョウバエの体内のリーシュマニア原虫が吸血時に傷口から侵入することにより感染が成立する。原虫は、マクロファージに寄生し、内臓型、皮膚型および粘膜皮膚型の病態を呈する。特に、内臓型は重篤な場合には死に至る危険な病態である。

リーシュマニア原虫には、Leishmania donovani、L. tropica、L. mexicanaおよびL. braziliensisの４つの群（complex）があり、それぞれによって発生する病態は異なるが、基本的には原虫がそれぞれの臓器、局所のマクロファージに寄生することが原因となる。内臓リーシュマニアは、L. donovaniが肝臓、脾臓、骨髄等のマクロファージ、細網内皮系細胞に寄生することで引き起こされる。主症状は、肝臓、脾臓の肥大、貧血、白血球の減少、発熱、リンパ節腫脹である。皮膚リーシュマニアは旧世界型と新世界型に分けられる。旧世界皮膚リーシュマニアは、L. tropicaにより引き起こされるもので、新世界皮膚リーシュマニアは、L. mexicanaにより引き起こされるが、いずれも皮膚のマクロファージに寄生し皮膚潰瘍を形成する。L. braziliensisは、粘膜と皮膚に病変を作る粘膜皮膚リーシュマニアを引き起こすが、皮膚リーシュマニアを引き起こす場合もある。

このようにリーシュマニア原虫は多様性に富んでおり、免疫学的な見地からしても、似たような病態でも地域により抗原性に差がある。このことがワクチン開発を困難にしており、化学療法の必要性が高い。

現在、リーシュマニア症の治療には五価のアンチモン剤（商標名ペントスタム：Pentostam、グルカンタイム：Glucantime）が第一選択薬として用いられており、それらが有効でない場合、ペンタミジン（Pentamidine）、アンフォテリシンＢ（Amphotericin B）等が用いられる。しかし、これらの薬剤は強い副作用を示すことがあり、使用に関しては医師の注意が必要である。また、アンチモン剤は高価なことも問題点である。

この他の治療薬として、特許文献１は、ゲルマクラノリド型またはグアイアノリド型セスキテルペノイド化合物およびそれを含む医薬について開示しており、特許文献２は、リーシュマニア症の治療に有効なトリアゾール誘導体を開示している。
しかし、現在でも、より安価で副作用が少ない治療薬の開発が望まれている。

Cedrela種の植物の心材からは、数種のトリテルペノイド類が抽出されている（非特許文献１）。C. toonaの種子からは２種類のリモノイドが単離されているが（非特許文献２）、これらのリモノイドが抗原虫活性を有することについては知られていない。また、Cedrela種の植物のその他の成分として、カジナン型セスキテルペンおよびクマリン誘導体が報告されているが（非特許文献１、非特許文献３）、これらの抗原虫活性についても知られていない。

いくつかのCordia種の植物から、数種のベンゾキノンおよびヒロドキノン誘導体が単離されている。これらの成分はp-ベンゾキノンまたはp-ヒドロキノン部分を有する(非特許文献４〜７)。Cordia種の植物からの成分の単離に関して多くの報告がなされているが、C. fragrantissimaから化学物質を単離したという報告はなく、該植物における抗原虫活性を有する化合物の存在についても報告されていない。

Dalbergia属の植物は、通常、ネオフラボノイドを含む。この植物の心材には、4-アリールクマリン誘導体、p-ヒドロキノン誘導体及びジフェニルプロペン誘導体が含まれることが報告されている(非特許文献８）。しかし、これらの薬理学的活性については、不明瞭な点が多い。

Calophyllum種の植物から単離されたCalanolide Aは、強力な抗HIVクマリンとして知られ、抗HIV剤としての有力な候補薬物である（非特許文献９）。しかし、C. Kunstleri由来の成分が抗原虫活性を有することについては知られていない。

特開２００１−２２６３６９号公報特開２００３−１４６８７７号公報 Campos, A.M., Oliveira, F.S., Machado, M.I.L., Braz-Filho, R., Matosa, F.J.A., 1991, Phytochemistry 30, 1225-1229. Chatterjee, A., Chakrabortty, T., Chandrasekharan, S., 1971, Phytochemistry 10, 2533-2535. Nagasampagi, B.A., Sriraman, M.C., Yankov, L., Dev, S., 1975, Phytochemistry 14, 1673. Ioset, J.-R., Marston, A., Gupta, M.P., Hostettmann, K., 2000, Phytochemistry 53, 613-617. Ioset, J.-R., Marston, A., Gupta, M.P., Hostettmann, K., 1998, Phytochemistry 47, 729-734. Bieber, L.W., Messana, I., Lins, S.C.N., Filho, A. A.S., Chiappeta, A.A., Mello, J.F.D., 1990, Phytochemistry 29, 1955-1959. Stevens, K.L., Jurd, L. Manners, G., 1973, Tetrahedron Letters 14, 2955-2958. Donnelly, D.M.X., O'Reilly, J., Thompson, J., 1972, Phytochemistry 11, 823-826. Xu, Z.-Q., Hollingshead, M.G., Borgel, S., Elder, C., Khilevich, A., Flavin, M.T., 1999, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 9, 133-138.

本発明は、安価で副作用が少ない抗原虫剤を提供することを目的とする。
本発明は、安価で副作用が少ない抗リーシュマニア剤を提供することを目的とする。

本発明者らは、ミャンマーに生息する植物の抽出物の抗原虫活性についてスクリーニングを行った結果、特定の植物に由来する物質が抗原虫活性、特に抗リーシュマニア活性を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。

上記課題を解決する本発明は、以下の発明を包含する。
（１）Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物に由来し、抗原虫活性を示す物質を有効成分として含有する抗原虫剤。
（２）抗リーシュマニア剤である（１）記載の抗原虫剤。

（３）Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物の抽出物またはその処理物を有効成分として含有する抗原虫剤。
（４）前記植物の心材の抽出物またはその処理物を有効成分として含有する（３）記載の抗原虫剤。
（５）抗リーシュマニア剤である（３）または（４）記載の抗原虫剤。

（６）Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物を粉砕する工程、得られた粉砕物を抽出する工程、および必要に応じて精製処理を行う工程を含む、抗原虫剤の製造方法。

本発明の抗原虫剤は、リーシュマニア原虫、マラリア原虫、膣トリコモナス、トリパノソーマ、ニューモシスチス・カリニ等の様々な原虫が引き起こす寄生虫病の治療に有効である。

本発明の抗リーシュマニア剤は、リーシュマニア症の治療に有効である。
本発明の抗原虫剤は材料が安価であり、製造が容易であるため、安価である。

本発明の抗原虫剤は、天然成分由来の物質を有効成分として含有しており、副作用の問題が少ない。

本発明の抗原虫剤は、Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物に由来し、抗原虫活性、特に抗リーシュマニア活性を示す物質を有効成分として含有する。

好ましくは、Cordia fragrantissima KurzおよびCedrela serrata Royle.からなる群から選択される少なくとも１種の植物に由来し、抗原虫活性、特に抗リーシュマニア活性を示す物質を有効成分として含有する。

本発明で用いる植物の生産地や品種は特に制限されない。その果実を搾汁したもの、破砕、粉砕等により粉末化処理したもの等を用いてもよいが、抽出物またはその処理物、特に、心材、樹皮および葉の抽出物またはその処理物を用いることが好ましい。

上記原材料からの有効成分の抽出方法として公知の方法を使用でき、例えば溶媒による抽出法や炭酸ガスを使用する超臨界抽出法が挙げられる。超臨界抽出法と溶媒による抽出法を組み合わせて使用してもよい。

抽出物として用いる場合、用いる抽出溶媒としては、水、アセトン、ジオキサン、ヘキサン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ブチルメチルケトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、キシレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ベンゼン、クロロホルム、トルエンならびにアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコールおよびプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。好ましくはアルコール、より好ましくは低級アルコール、特に好ましくはメタノールを使用する。上記の溶媒を単独で使用しても、２種以上を混合して使用してもよく、水と有機溶媒を併用してもよい。通常、植物１ｋｇ当り抽出溶媒３〜１０Ｌを使用する。

抽出温度に特に制限はなく、溶媒の融点ないし溶媒の沸点の範囲内であればよく、超臨界抽出をしてもよい。超臨界抽出は、好ましくは炭酸ガスを主溶媒とし、エントレーナーとしてメタノール、エタノール等のアルコール類を添加して行われる。また、抽出は、通常常圧下で行うが、加圧下または減圧下で行ってもよい。抽出時間は、抽出温度や使用量等により異なるが、通常５分間〜１日間である。

前記のようにして得られた抽出液を、布、ステンレスフィルター、濾紙等で濾過して不純物等を取り除くことで、目的の抽出液を得ることができる。また、濾過後の抽出液に、スプレードライ処理、フリーズドライ処理、超臨界処理等の処理を施してもよい。このようにして得られる抽出物は、そのまま本発明の抗原虫剤の有効成分として用いることができる。

また、さらに当該抽出物をイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、透析等の各種精製手段により処理し、さらに活性を高めた処理物を用いることもできる。本発明においては、精製処理を施した処理物を用いるのが好ましい。

本発明の抗原虫剤は、リーシュマニア原虫、マラリア原虫、膣トリコモナス、トリパノソーマ、ニューモシスチス・カリニ等の原虫が引き起こす寄生虫病の治療に有効である。特に、リーシュマニア原虫が引き起こすリーシュマニア症の治療に有効であるため、本発明の一態様において、本発明の抗原虫剤は、抗リーシュマニア剤として好ましく使用できる。

リーシュマニア症は、内臓リーシュマニア症（カラアザール）、旧世界皮膚リーシュマニア症、新世界皮膚リーシュマニア症、皮膚粘膜リーシュマニア症の４型に分類することができ、本発明の抗リーシュマニア剤は、旧世界皮膚リーシュマニア症および新世界皮膚リーシュマニア症の治療に特に有効である。

また、リーシュマニア症の原因となるリーシュマニア原虫としては、Leishmania aethiopica、Leishmania braziliensis、Leishmania donovani、Leishmania furunculosa、Leishmania major、Leishmania mexicana、Leishmania peruviana、Leishmania pifanoi、Leishmania tropica等が挙げられるが、本発明の抗リーシュマニア剤は、Leishmania majorによって引き起こされるリーシュマニア症の治療に特に有効である。

また、本発明の抗原虫剤は、単一種の植物に由来するものでもよいし、複数種の植物に由来するものでもよい。本発明の抗原虫剤は、上記植物に由来し抗原虫活性を有する物質、または上記植物の抽出物もしくはその処理物を、公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化することができる。

投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、エキス剤等の経口剤、または注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤として使用される。このうちエキス剤とは、生薬の浸出液を濃縮して得られる剤であり、軟エキス剤、乾燥エキス剤の２種類がある。エキス剤は、通常、有効成分を含有する植物を粉砕後、浸出剤を加えて一定時間冷浸または温浸させるか、あるいはパーコレーション法により浸出させ、この浸出液を濃縮することにより製造する。

本発明の抗原虫剤または抗リーシュマニア剤の投与量は、患者の年令、体重、疾患の程度、投与経路により異なるが、例えば経口投与では、本発明の抽出物またはその処理物の抽出物乾燥粉末として、通常１日１０〜３０００ｍｇであり、投与回数は、通常、経口投与では１日１〜３回である。

経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造される。

この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。

結合剤の具体例としては、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロＷピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーＥ、アミノアルキルメタクリレートコポリマーＲＳ、メタクリル酸コポリマーＬ、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アラビアゴム末、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖、マクロゴールが挙げられる。

崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、トラガントが挙げられる。

界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴールが挙げられる。

滑沢剤の具体例としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油、ポリエチレングリコールが挙げられる。

流動性促進剤の具体例としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムが挙げられる。

また、本発明の抗原虫剤または抗リーシュマニア剤は、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤として投与する場合には、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。

本発明の抗原虫剤または抗リューシュマニア剤は、食品、チューインガム、飲料等に添加して、いわゆる特定保健用食品（例えば、抗リューシュマニア食品）等とすることもできる。

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。

リーシュマニアプロマスチゴートの培養
Medium 199培地（Life Technologies Co. Ltd.）を用いて、Leishmania major のプロマスチゴート(MHOM/SU/73/5ASKH)を培養した。プロマスチゴートは、熱不活化（56℃で30分）ウシ胎仔血清（10％）を補充した培地中、5% CO₂下、27℃にて培養した。

抽出物の調製及び抗リーシュマニア活性の測定
ミャンマー産の植物75種の材部30〜50gをメタノール100 mlずつを用いて４時間、50℃で3回抽出し、抽出液を合わせて減圧下濃縮し、メタノール抽出エキスを得た。

メタノール抽出エキスの抗リーシュマニア活性を、WST-8（2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウムモノナトリウム塩）と1-メトキシPMS（1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチル硫酸塩）の混合物（テトラカラーワン試薬）を用いるMTT改良法によって、以下のようにアッセイした。

抽出エキス40 mｇをDMSO 1mlに溶解した後、Medium 199培地（Life Technologies Co. Ltd.）で希釈し、メンブレンフィルターに通した。試料溶液は9つの濃度に調製し、マイクロタイタープレートに各濃度の試料溶液50μlと、最終濃度が2×10⁵/mlとなるように調製したリーシュマニア培養液50μlをそれぞれ接種し、培養液の全量を100μlとした。

27℃、5％ CO₂下で48時間インキュベートを行った後、テトラカラーワン試薬（生化学工業（株）製）を加え、27℃で6時間のインキュベートの後にマイクロプレートリーダーによりOD値(450〜630nm)を測定した。試験は、各試料及び各濃度につき3ウェルずつ行い、平均値よりMLC（minimum lethal concentration）、MIC（minimum inhibitory concentration）を求めた。結果を表１に示す。

表１の結果から、Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.は、その抽出物のMLC値及びMIC値のいずれかが400未満の値を示しており、これらの植物の抽出物およびこれらの植物に由来する成分が抗リーシュマニア活性を有することが明らかとなった。

Claims

Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物に由来し、抗原虫活性を示す物質を有効成分として含有する抗原虫剤。
抗リーシュマニア剤である請求項１記載の抗原虫剤。
Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物の抽出物またはその処理物を有効成分として含有する抗原虫剤。
前記植物の心材の抽出物またはその処理物を有効成分として含有する請求項３記載の抗原虫剤。
抗リーシュマニア剤である請求項３または４記載の抗原虫剤。
Dipterocarpus tuberculatus Roxb.；Grevillea robusta A-Cun.；Xylocarpus moluccensis(Lam.)Roem.；Tectona grandis Linn.f.；Lagerstroemia tomentosa Presl.；Terminalia chebula Retz.；Haplophragma adenophyllum (Wall.) Dep；Xylia dolabriformis Benth.；Cananga odorata Hook.f.&.T.；Michelia champaca Linn.；Cordia fragrantissima Kurz.；Acacia catechu Willd.；Albizzia procera Benth.；Dalbergia oliveri Gamble.；Terminalia tomentosa W&A.；Cedrela serrata Royle.；Calophyllum kunstleri King.；Cedrela toona Roxb.；Albizzia odoratissima Benth.；Dalbergia cultrata Grah.；Chukrasia tabularis A. Juss.；Anogeissus acuminata Wall.；Lagerstroemia villosa Wall.およびDillenia pentagyna Roxb.からなる群から選択される少なくとも１種の植物を粉砕する工程、得られた粉砕物を抽出する工程、および必要に応じて精製処理を行う工程を含む、抗原虫剤の製造方法。