JP2005201123A - 車両用消音器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 材料費の削減によるコストの低減化と軽量化を図り、デッドスペースをなくし消音器の最大外径に対し消音器室内容量を最大限に確保することができる車両用消音器の製造方法の提供。
【解決手段】 アウタシェル1の両端開口縁部外向き傾斜状に起こしてフランジ部11を形成し、アウタプレート2における筒部22の開口縁部を筒部22の外面方向に折り返す状態に折り曲げてアウタシェル1のフランジ部11に当接するように傾斜状のフランジ部23を形成し、アウタシェル1のフランジ部11に対しアウタプレート2のフランジ部23を重ね合わせた状態で両フランジ部11、23をシーム溶接により接続させ、接続された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように縮径させることによりアウタシェル1と両アウタプレート2、2とをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】 アウタシェル1の両端開口縁部外向き傾斜状に起こしてフランジ部11を形成し、アウタプレート2における筒部22の開口縁部を筒部22の外面方向に折り返す状態に折り曲げてアウタシェル1のフランジ部11に当接するように傾斜状のフランジ部23を形成し、アウタシェル1のフランジ部11に対しアウタプレート2のフランジ部23を重ね合わせた状態で両フランジ部11、23をシーム溶接により接続させ、接続された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように縮径させることによりアウタシェル1と両アウタプレート2、2とをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両用消音器の製造方法に関し、特に、アウタシェルに対するアウタプレートの組み付け固定方法の改良に関する。
従来、車両用消音器の製造方法のうち、筒状のアウタシェルの両端開口部に対するアウタプレートの組み付け固定方法としては、例えば、図4の断面図および図5(a)〜(c)の工程図に示すように、アウタシェル(筒体)101の開口端部を外向きに折曲して形成したフランジ部102と、筒体101の開口部を閉塞するアウタプレート(エンドプレート)103の外周縁部104とを重ね合わせ、アウタシェル101の端部内面に嵌装した芯金105とアウタプレート103の外側に配置した受け手段106とにより筒体101と、アウタプレート103を保持し、フランジ部102と外周縁部104の重ね合わせ部を巻き締め加工して接続一体化させるようにした方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、従来の製造方法では、上述のように、フランジ部102と外周縁部104の重ね合わせ部を巻き締め加工にすることによりアウタシェル101に対しアウタプレート103を接続一体化させるようにしたものであったため、長く形成される巻き締め部分の材料費が無駄になるだけでなく重量の増加を招くと共に、該巻き締め部がアウタシェル101の外側に大きく突出した状態となるため、この突出分だけ消音器の最大外径に対する消音器室内容量確保のデッドスペースDになるという問題があった。
本発明の解決しようとする課題は、材料費の削減によるコストの低減化と軽量化を図ると共に、デッドスペースをなくし消音器の最大外径に対し消音器室内容量を最大限に確保することができる車両用消音器の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため請求項1記載の車両用消音器の製造方法は、アウタシェルの両端開口縁部に外向きに突出するフランジ部を形成すると共に該アウタシェルの両端開口部を閉塞するアウタプレートの外周に形成された筒部の開口縁部に外向きに突出する状態で前記アウタシェルのフランジ部に当接するフランジ部を形成し、前記アウタシェルのフランジ部に対し前記アウタプレートのフランジ部を重ね合わせた状態で両フランジ部を溶接により接続させ、該接続一体化された両フランジ部をその根本から前記アウタプレート側に折り曲げて筒部の外面に重なるように縮径させることにより前記アウタシェルと両アウタプレートとをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにしたことを特徴とする手段とした。
請求項2記載の車両用消音器の製造方法は、前記請求項1に記載の車両用消音器の製造方法において、前記アウタプレートにおける筒部の外径が前記アウタシェルにおける両開口縁部の外径より小径に形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項3記載の車両用消音器の製造方法は、請求項1または2に記載の車両用消音器の製造方法において、前記アウタシェルに対するアウタプレートの組み付け前の状態で前記アウタシェルのフランジ部および前記アウタプレートのフランジ部がそれぞれアウタプレートの筒部方向へ向けて傾斜する状態に形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項4記載の車両用消音器の製造方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用消音器の製造方法において、前記両フランジ部をその全周に亙って溶接するようにしたことを特徴とする手段とした。
請求項1記載の車両用消音器の製造方法では、上述のように、前記アウタシェルのフランジ部に対しアウタプレートのフランジ部を重ね合わせた状態で両フランジ部を溶接により接続させ、該接続一体化された両フランジ部をその根本からアウタプレート側に折り曲げて筒部の外面に重なるように縮径させることによりアウタシェルと両アウタプレートとをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにしたことで、巻き締め加工のためにフランジ部を長く形成する必要がある従来例に比べ、材料費の削減によるコストの低減化と軽量化が図れると共に、アウタシェルの外面に突出する部分がなくなるため、デッドスペースが形成されることがなく、これにより、消音器の最大外径に対し消音器室内容量を最大限に確保することができるようになるという効果が得られる。
請求項2記載の車両用消音器の製造方法では、上述のように、前記アウタプレートにおける筒部の外径がアウタシェルにおける両開口縁部の外径より小径に形成された構成のものが用いられることにより、接続一体化された両フランジ部をその根本からアウタプレート側に折り曲げて筒部の外面に重なるように縮径させる際に、小径であるアウタプレートにおけるフランジ部の根本側を基点として折り曲げることができるため、折り曲げ部がアウタシェルの外面に突出することを防止することができるようになる。
請求項3記載の車両用消音器の製造方法では、前記アウタシェルに対するアウタプレートの組み付け前の状態でアウタシェルのフランジ部およびアウタプレートのフランジ部がそれぞれ折り曲げ方向であるアウタプレートの筒部方向へ向けて傾斜する状態に形成されている構成のものが用いられることにより、接続一体化された両フランジ部をその根本からアウタプレート側に折り曲げて筒部の外面に重なるように縮径させる作業が径方向に押圧する工程のみでよくなるため、作業工程が簡略化されると共に、傾斜分だけ縮径率が少なくなるため、作業性を高めることができると共に、縮径加工によるしわの発生を抑制することができるようになる。
請求項4記載の車両用消音器の製造方法では、上述のように、前記両フランジ部をその全周に亙って溶接するようにしたことで、アウタシェルに対し両アウタプレートを隙間なく接続一体化させることができるようになる。
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例の車両用消音器の製造方法は、請求項1〜4に記載の発明に対応する。
まず、この実施例の車両用消音器の製造方法を図面に基づいて説明する。
まず、この実施例の車両用消音器の製造方法を図面に基づいて説明する。
図1はこの実施例の車両用消音器の製造方法が適用される消音器における組み付け前の状態を示す縦断面図、図2はこの実施例の車両用消音器の製造方法を示す工程説明図である。
この車両用消音器の製造方法が適用される消音器は、アウタシェル1と、アウタプレート2、2と、中組みアッセンブリ品3とを主な構成として備えている。
この車両用消音器の製造方法が適用される消音器は、アウタシェル1と、アウタプレート2、2と、中組みアッセンブリ品3とを主な構成として備えている。
さらに詳述すると、図1に示すように、組み付け前における前記アウタシェル1は、板材を二重に巻いて端部をスポット溶接することにより筒状に形成されると共に、該アウタシェル1の両端開口縁部を外向き傾斜状に起こしてフランジ部11、11がそれぞれ形成されている。
また、前記アウタプレート2、2は、アウタシェル1の両端開口部を閉塞するもので、中央部を外向きに膨らませた本体部21と、該本体部21の外周を本体部21の膨らみ方向とは逆方向に折曲して形成した筒部22とで構成されると共に、組み付け前の状態では、前記筒部22の開口縁部を筒部22の外面方向に折り返す状態に折り曲げて前記アウタシェル1のフランジ部11に当接するように傾斜状のフランジ部23が形成されている。
そして、この実施例では、前記アウタプレート2における筒部22の外径がアウタシェル1における両開口縁部の内径よりはアウタプレート2の板厚分の2倍の寸法だけ小径に形成されている。
前記中組みアッセンブリ3は、2枚のインナプレート31、32とインレットパイプ33と、アウトレットパイプ34とで構成されていて、2枚のインナプレート31、32により消音器室内が3つの室1a、1b、1cに仕切られている。そして、前記インレットパイプ33は、上流側のアウタプレート2および2枚のインナプレート31、32を貫通する状態で組み付けられ、また、アウトレットパイプ34は2枚のインナプレート31、32および下流側のアウタプレート2を貫通する状態で組み付けられている。なお、前記両インナプレート31、32には、複数の連通孔(図示せず)が形成されている。
次に、以上のように構成された消音器の製造方法を、図2の工程説明図に基づいて説明する。
まず、図2(イ)に示すように、2枚のインナプレート31、32にインレットパイプ33とアウトレットパイプ34を貫通して組み付けることにより、中組みアッセンブリ品3を組み立てる。
まず、図2(イ)に示すように、2枚のインナプレート31、32にインレットパイプ33とアウトレットパイプ34を貫通して組み付けることにより、中組みアッセンブリ品3を組み立てる。
次に、図2(ロ)に示すように、前記アウタシェル1内に前記中組みアッセンブリ品3を圧入し、スポット溶接によりインナプレート31、32をアウタシェル1に固定する。
次に、図2(ハ)に示すように、前記アウタシェル1のフランジ部11に対しアウタプレート2のフランジ部23をそれぞれ重ね合わせた状態で両フランジ部11、23をシーム溶接により接続させる。
最後に、図2(ニ)に示すように、接続一体化された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように押圧して縮径させることにより、アウタシェル1と両アウタプレート2とをそれぞれ隙間なく接続一体化させ、これにより、消音器の製造が終了する。
次に、この実施例の作用・効果を説明する。
この実施例の車両用消音器の製造方法では、上述のように、アウタシェル1のフランジ部11に対しアウタプレート2のフランジ部23を重ね合わせた状態で両フランジ部11、23を溶接により接続させ、該接続一体化された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように縮径させることによりアウタシェル1と両アウタプレート2、2とをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにしたことで、巻き締め加工のためにフランジ部を長く形成する必要がある従来例に比べ、材料費の削減によるコストの低減化と軽量化が図れると共に、アウタシェル1の外面に突出する部分がなくなるため、デッドスペースD(図5参照)が形成されることがなく、これにより、消音器の最大外径に対し消音器室内容量を最大限に確保することができるようになるという効果が得られる。
この実施例の車両用消音器の製造方法では、上述のように、アウタシェル1のフランジ部11に対しアウタプレート2のフランジ部23を重ね合わせた状態で両フランジ部11、23を溶接により接続させ、該接続一体化された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように縮径させることによりアウタシェル1と両アウタプレート2、2とをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにしたことで、巻き締め加工のためにフランジ部を長く形成する必要がある従来例に比べ、材料費の削減によるコストの低減化と軽量化が図れると共に、アウタシェル1の外面に突出する部分がなくなるため、デッドスペースD(図5参照)が形成されることがなく、これにより、消音器の最大外径に対し消音器室内容量を最大限に確保することができるようになるという効果が得られる。
また、前記アウタプレート2における筒部22の外径がアウタシェル1における両開口縁部の内径よりはアウタプレート2の板厚分の2倍の寸法だけ小径に形成された構成のものが用いられることにより、接続一体化された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように縮径させる際に、小径であるアウタプレートにおけるフランジ部11の根本側を基点として折り曲げることができるため、折り曲げ部がアウタシェル1の外面に突出することを防止することができるようになる。
また、図1に示すように、前記アウタシェル1に対するアウタプレート2の組み付け前の状態でアウタシェル1のフランジ部11およびアウタプレート2のフランジ部23がそれぞれ折り曲げ方向であるアウタプレート2の筒部22方向へ向けて傾斜する状態に形成されている構成のものが用いられることにより、接続一体化された両フランジ部11、23をその根本からアウタプレート2側に折り曲げて筒部22の外面に重なるように縮径させる作業が径方向に押圧する工程のみでよくなるため、作業工程が簡略化されると共に、傾斜分だけ縮径率が少なくなるため、作業性を高めることができると共に、縮径加工によるしわの発生を抑制することができるようになる。
また、前記両フランジ部11、23をその全周に亙って溶接するようにしたことで、アウタシェル1に対し両アウタプレート2、2を隙間なく接続一体化させることができるようになる。
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、実施例では板材を二重に巻いてアウタシェルを形成したが、一重に形成してもよい。
例えば、実施例では、実施例では板材を二重に巻いてアウタシェルを形成したが、一重に形成してもよい。
また、実施例では、予め筒状に形成されたアウタシェル1内に中組みアッセンブリ品3を圧入して組み付けるようにしたが、中組みアッセンブリ品3の外周に板材を巻くことによりアウタシェル1を形成させるようにしてもよい。
また、実施例では、アウタシェル1に対するアウタプレート2の組み付け前の状態でアウタシェル1のフランジ部11およびアウタプレート2のフランジ部23がそれぞれ折り曲げ方向であるアウタプレート2の筒部22方向へ向けて傾斜する状態に形成されている構成のものを用いたが、図3の要部拡大断面図に示すように、両フランジ部11、23を垂直に立設した構成のものを用いるようにしたもよい。
また、実施例では、前記アウタプレート2における筒部22の外径がアウタシェル1における両開口縁部の内径よりはアウタプレート2の板厚分の2倍の寸法だけ小径に形成された構成のものを用いたが、この寸法には限定されるものではなく、例えば、1〜2倍等で任意に設定することができる。
また、実施例では、両フランジ部11、23をシーム溶接により接続させるようにしたが、レーザ溶接やプラズマアーク溶接により接続させるようにしてもよい。
また、中組みアッセンブリ品3の構成は任意である。
また、中組みアッセンブリ品3の構成は任意である。
1 アウタシェル
1a 室
1b 室
1c 室
11 フランジ部
2 アウタプレート
21 本体部
22 筒部
23 フランジ部
3 中組みアッセンブリ品
31 インナプレート
32 インナプレート
33 インレットパイプ
34 アウトレットパイプ
1a 室
1b 室
1c 室
11 フランジ部
2 アウタプレート
21 本体部
22 筒部
23 フランジ部
3 中組みアッセンブリ品
31 インナプレート
32 インナプレート
33 インレットパイプ
34 アウトレットパイプ
Claims (4)
- アウタシェルの両端開口縁部に外向きに突出するフランジ部を形成すると共に該アウタシェルの両端開口部を閉塞するアウタプレートの外周に形成された筒部の開口縁部に外向きに突出する状態で前記アウタシェルのフランジ部に当接するフランジ部を形成し、
前記アウタシェルのフランジ部に対し前記アウタプレートのフランジ部を重ね合わせた状態で両フランジ部を溶接により接続させ、
該接続一体化された両フランジ部をその根本から前記アウタプレート側に折り曲げて筒部の外面に重なるように縮径させることにより前記アウタシェルと両アウタプレートとをそれぞれ隙間なく接続一体化させるようにしたことを特徴とする車両用消音器の製造方法。 - 請求項1に記載の車両用消音器の製造方法において、前記アウタプレートにおける筒部の外径が前記アウタシェルにおける両開口縁部の外径より小径に形成されていることを特徴とする車両用消音器の製造方法。
- 請求項1または2に記載の車両用消音器の製造方法において、前記アウタシェルに対するアウタプレートの組み付け前の状態で前記アウタシェルのフランジ部および前記アウタプレートのフランジ部がそれぞれアウタプレートの筒部方向へ向けて傾斜する状態に形成されていることを特徴とする車両用消音器の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用消音器の製造方法において、前記両フランジ部をその全周に亙って溶接するようにしたことを特徴とする車両用消音器の製造方法。
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JP2004007290A JP2005201123A (ja) | 2004-01-14 | 2004-01-14 | 車両用消音器の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014105704A (ja) * | 2012-11-23 | 2014-06-09 | Hyundai Motor Company Co Ltd | 車両用マフラ |
JP2017125463A (ja) * | 2016-01-14 | 2017-07-20 | 株式会社ユタカ技研 | 排気消音器 |
-
2004
- 2004-01-14 JP JP2004007290A patent/JP2005201123A/ja active Pending
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