JP2005170747A - 多孔質な景観砂利とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 空隙率と吸水率が高く、極めて微細な空隙で保水性を向上し、軽くて充分な強度としながら、未燃カーボンの多いフライアッシュで安価に景観砂利を多量生産する。
【解決手段】10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに無機結合材を添加しないで、水をバインダーとして、平均粒子径を2mm〜30mmとする未焼結粒子に造粒し、造粒された未焼結粒子を圧縮強度が50N以上で、吸水率が40重量%以上となる温度で焼結する。
【選択図】図1
【解決手段】10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに無機結合材を添加しないで、水をバインダーとして、平均粒子径を2mm〜30mmとする未焼結粒子に造粒し、造粒された未焼結粒子を圧縮強度が50N以上で、吸水率が40重量%以上となる温度で焼結する。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として道路の中央分離帯に、公園の緑地帯や敷石に、あるいはガーデニング用の砂利等として地面に敷設され、又は建物の屋上等に敷設されて、ヒートアイランド対策に優れた効果のある多孔質な景観砂利とその製造方法に関する。
ヒートアイランド対策に効果のある景観砂利は、多孔質で多量の水分を吸収して保水できる特性が要求される。多孔質で多量の水分を保水できる景観砂利は、保水している水分の大きな気化熱で有効に冷却される。このため、多孔質な景観砂利を敷設すると、ヒートアイランド対策に効果がある。夏期においては、多くの場所でヒートアイランド現象が発生して生活環境を悪くしている。たとえば、建物が密集する都市においては、建物の屋上、公園、庭、道路等のアスファルトやコンクリートが太陽熱で加熱されてヒートアイランド現象が発生している。ヒートアイランド現象による温度上昇を解消して、生活空間を快適にするために、建物内が冷房される。ただ、冷房は冷房する熱量よりも大きな熱を排気するので、建物外の温度はさらに上昇して都市の温度を高くする原因となっている。このことから、ヒートアイランド現象を根本的に解消する方法が要求されている。多孔質な景観砂利は、ヒートアイランド現象を解消しながら、景観を美しくできる特徴がある。ただ、通常の石を破砕して製造される砂利ではヒートアイランドを解消できない。ヒートアイランド現象を解消するための景観砂利は、以下の(1)〜(4)の全ての物性が要求される。
(1) 多孔質で多量の水分を含有できること
(2) 軽いこと
(3) 上を歩いても破壊されない強度を有すること
(4) 安価であること
(1) 多孔質で多量の水分を含有できること
(2) 軽いこと
(3) 上を歩いても破壊されない強度を有すること
(4) 安価であること
景観砂利は、その施工面積が広いので、いかに優れた特性があっても、安価で経済的にヒートアイランド現象を解消できないと実用化されない。また、水の気化熱を利用して冷却するので、多量の水を保水できないと長い時間にわたって、効率よくヒートアイランドを解消できない。また、軽くないと建物の屋上等に敷設できない。さらに、多くの用途において上を歩く場所に使用されるので、歩行して破壊される程度の強度では用途が著しく制限される。
また、近年、発電所等の燃料が重油から石炭に移行して、多量の石炭が発電等の用途に使用されている。石炭は小さく粉砕して燃焼されるが、この石炭は燃焼されるとフライアッシュになる。したがって、現在、膨大な量のフライアッシュが廃棄物として発生している。フライアッシュは、極めて微細な無機質の粒子である。このフライアッシュは、セメントに充填して廃棄されているが、その発生量が膨大な量であるから、有効利用される用途が開発されていない。このため、やむなく、埋め立て等の方法で廃棄しているのが実状である。ただ、フライアッシュは、埋め立ての土として決して好ましいものではない。
フライアッシュを有効に利用するために、これを焼結して骨材にする技術が開発されている。(特許文献1〜3参照)
特開平9−156998号公報
特開平6−9251号公報
特開平9−30857号公報
特許文献1は、フライアッシュに無機結合剤を添加して焼結する。フライアッシュは、二酸化珪素と酸化アルミニウムを主成分とし、融点の低い融剤に相当する成分が少ないので低い温度で焼結できない。また、焼成する温度範囲が狭く、焼成温度が低すぎると焼結できず、反対に焼成温度が高すぎると全体が溶融して焼結される。この弊害を解消するこめに、引用文献1に記載する技術は、粘土鉱物好ましくはベントナイトを無機質結合材として、フライアッシュに対して3〜5重量%添加して焼成する。この焼成体は比較的低い温度で焼結できる。ただ、この焼結材は、フライアッシュに無機質結合材を添加するので、原料コストが高くなる欠点がある。無機質結合材であるベントナイトが廃棄物であるフライアッシュに比較して高いからである。また、無機結合材を添加することが、焼結体の吸水率を低下させる原因となる。フライアッシュを結合するために、無機質結合材が空隙に充填されて、空隙率を少なくするからである。したがって、この方法で骨材を製造すると、製造コストが高くなるにもかかわらず、景観砂利として大切な保水性が低下する欠点がある。
引用文献2は、未燃カーボンの少ないフライアッシュに、未燃カーボンの多い重油灰を添加して造粒、焼成する人工軽量骨材の製造方法が記載される。フライアッシュに重油灰を混合しているので、重油灰の未燃カーボンによって充分に焼結される。この方法は、フライアッシュと重油灰の両方を使用し、かつ重油灰には未燃カーボンの多いものを使用するので、ふたつの原料の管理に手間がかかる欠点があり、しかも重油灰を介して添加される未燃カーボンによっては、吸水性を高くすると共に、吸水された水の保水時間を長くするのが難しい。それは、重油灰に含まれる未燃カーボンでもって、焼結された骨材に、極めて微細な空隙を設けながら、空隙率を高くするのが難しいからである。重油灰は、フライアッシュに、微粉炭に代わって添加されるが、微粉炭や重油灰の未燃カーボンの状態で添加されたカーボンは、骨材の内部に極めて微細な空隙を設けるのが難しい。それは、フライアッシュの外部にカーボンを添加して焼結するために、カーボンが焼失してできる空隙が、フライアッシュの外部の間にできるからである。したがって、この方法も、フライアッシュに、特定量の重油灰を添加して製造するという手間のかかる製法であるにもかかわらず、製造される骨材を優れた物性にできない欠点がある。
さらに、引用文献3は、未燃カーボンを含むフライアッシュを焼結して焼結体を製造する方法が記載される。この公報は、フライアッシュに含まれる未燃カーボンが、焼結体の物性を低下させるので、未燃カーボンの少ない特別なフライアッシュを使用して焼結することを記載する。フライアッシュの未燃カーボンは、燃焼して空孔を生じ、焼結体の物性に影響を与え、さらに多孔面に空気を連行して加熱時に空気が膨張、脱気するため焼結体のヒビ割れを招き、さらに酸化雰囲気下での焼結が未燃カーボン燃焼のために還元雰囲気となって焼結不良を生じる問題があるので、未燃カーボンの少ないフライアッシュを使用することが記載される。
本発明者は、フライアッシュの焼結体に悪影響を与えると考えられていた未燃カーボンを有効に利用することにより、ヒートアイランド現象を効果的に解消できる景観砂利を開発することに成功した。したがって本発明の大切な目的は、保水性を向上するために、空隙率を高くして吸水率を高くし、しかも空隙を極めて微細な状態とし、さらに屋上等に敷設するために全体を軽くしながら充分な強度とし、また、有効利用するのが難しいとされる未燃カーボンの多いフライアッシュを使用することにより、安価に多量生産できる景観砂利とその製造方法を提供することにある。
本発明の多孔質な景観砂利の製造方法は、10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに、実質的に無機結合材を添加することなく、水をバインダーに使用して造粒し、平均粒子径を2mm〜30mmとする未焼結粒子とする造粒工程と、この造粒工程で得られる未焼結粒子を圧縮強度が50N以上で、吸水率が40重量%以上となる温度に焼結する焼成工程とからなる。
本発明の景観砂利の製造方法は、造粒工程において、15重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒することができる。また、造粒工程において、20重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒することもできる。さらに、造粒工程においては、フライアッシュに水を添加して皿の上で転動して造粒することができる。また、本発明の製造方法は、焼成工程における焼成温度は、好ましくは1050〜1200℃である。
さらに、本発明の景観砂利は、10重量%以上の未燃カーボンを含み、実質的に無機結合材を含まないフライアッシュが水をバインダーとして平均粒子径を2mm〜30mmとする粒子に造粒されて、圧縮強度を50N以上、吸水率を40重量%以上とする温度で焼結されてなる多孔質な状態となっている。この景観砂利は、好ましくは、吸水率を50重量%以上とする。
本発明は、産業廃棄物として膨大な発生量のフライアッシュを有効に利用するにもかかわらず、理想的な物性の景観砂利が得られる。得られる景観砂利は、空隙率と吸水率が高く、しかも空隙は極めて微細な空隙となって、吸水した多量の水を長い時間にわたって有効に保水する。本発明の景観砂利がこのように優れた物性を実現するのは、10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに、無機結合材を添加しないで水をバインダーとして造粒し、これを圧縮強度が50N以上で吸水率が40重量%以上となる温度で多孔質に焼結しているからである。フライアッシュに含まれる未燃カーボンを焼結してできる空隙は極めて微細な空隙となって、水の保水性を著しく向上させる。このため、吸水した水の保水時間を極めて長くできる。また、本発明は、無機結合材を添加することなくフライアッシュを焼結するので、原料コストを削減しながら、簡単に能率よく多量生産して、しかも空隙率を高くできる特徴がある。
以上の優れた物性を備える本発明の景観砂利は、軽いので建物に与える重量を軽くしながら屋上等に厚く敷設することができる。建物の屋上に厚く敷設される多量の景観砂利は、微細な空隙に多量の水を保水し、保水する水の大きな気化熱で屋上を効率よく冷却する。このため、水を供給して屋上を涼しくでき、都市のヒートアイランド現象を極めて有効に阻止できる特徴がある。とくに、本発明の景観砂利は、未燃カーボンを利用して極めて微細な空隙を設けるので、水を保水できる時間が極めて長く、保水する水で屋上等を有効に冷却できる特徴がある。また、本発明は、10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュを、圧縮強度が50N以上となるように焼結して景観砂利とするので、屋上や道路のように、その上を歩行する場所に敷設して涼しくできる特徴がある。
さらにまた、本発明は、有効利用するのが難しいとされて廃棄している未燃カーボンの多いフライアッシュを原料として景観砂利を製造するので、前述の極めて優れた物性の景観砂利を、極めて安価に、しかも多量生産できる特徴がある。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための景観砂利とその製造方法を例示するものであって、本発明は景観砂利とその製造方法を以下に特定しない。
本発明の景観砂利は、以下の工程で製造される。
(1) 造粒工程
この工程は、10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに、実質的に無機結合材を添加することなく、バインダーに水を添加して造粒して未焼結粒子とする。フライアッシュには、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上の未燃カーボンを含むものを使用する。フライアッシュに、未燃カーボンの含有量の多いものを使用して、焼結された景観砂利の空隙率をより高く、すなわち吸水率を高くできる。とくに、未燃カーボンによる空隙は、極めて微細な空隙となり、水を長時間にわたって保水する効果がある。ただ、フライアッシュの未燃カーボンが多すぎると、景観砂利の強度が低下するので、未燃カーボンの含有率は40重量%以下、好ましくは30重量%以下とする。
フライアッシュを結合して造粒するバインダーには水を使用するが、焼成工程で焼失する合成樹脂製のバインダー、たとえば酢酸ビニル樹脂やPVA等の合成樹脂バインダーを添加して使用することもできる。バインダーである水の添加量は、フライアッシュを結合して造粒できる量、たとえば10重量%とする。ただし、バインダーの添加量は、5重量%〜20重量%として造粒することもできる。造粒工程は、フライアッシュに水を噴霧しながら、皿の上で転動させながら造粒する。ただ、フライアッシュに10重量%の水を添加して混練りし、これを成形型に入れてプレス成形して造粒することもできる。造粒工程において、平均粒子径を2〜30mm、好ましくは3〜20mm、さらに好ましくは5〜15mmとする未焼結粒子に造粒する。
(1) 造粒工程
この工程は、10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに、実質的に無機結合材を添加することなく、バインダーに水を添加して造粒して未焼結粒子とする。フライアッシュには、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上の未燃カーボンを含むものを使用する。フライアッシュに、未燃カーボンの含有量の多いものを使用して、焼結された景観砂利の空隙率をより高く、すなわち吸水率を高くできる。とくに、未燃カーボンによる空隙は、極めて微細な空隙となり、水を長時間にわたって保水する効果がある。ただ、フライアッシュの未燃カーボンが多すぎると、景観砂利の強度が低下するので、未燃カーボンの含有率は40重量%以下、好ましくは30重量%以下とする。
フライアッシュを結合して造粒するバインダーには水を使用するが、焼成工程で焼失する合成樹脂製のバインダー、たとえば酢酸ビニル樹脂やPVA等の合成樹脂バインダーを添加して使用することもできる。バインダーである水の添加量は、フライアッシュを結合して造粒できる量、たとえば10重量%とする。ただし、バインダーの添加量は、5重量%〜20重量%として造粒することもできる。造粒工程は、フライアッシュに水を噴霧しながら、皿の上で転動させながら造粒する。ただ、フライアッシュに10重量%の水を添加して混練りし、これを成形型に入れてプレス成形して造粒することもできる。造粒工程において、平均粒子径を2〜30mm、好ましくは3〜20mm、さらに好ましくは5〜15mmとする未焼結粒子に造粒する。
(2) 焼成工程
未焼結粒子を乾燥した後、この工程で表面層と核粒子とを焼結する。焼成温度は、1050℃〜1200℃とする。焼成温度が低いと、充分に焼結できずに強度が低下する。反対に高すぎると空隙が少なくなって、吸水性と保水性が低下する。焼成工程において、未焼結粒子は含有される未燃カーボンが焼失して多孔質な状態となる。未燃カーボンは、景観砂利の全体に、極めて微細な空隙を形成して多孔質な状態とする。図1は、景観砂利の内部が焼結されて多孔質な状態となる状態を示す電子顕微鏡写真である。この図に示すように、景観砂利の内部には、極めて微細な多くの空隙ができ、ここに吸水した水を保水する。この状態で内部の微細な空隙に保水する景観砂利は、極めて優れた保水性を実現して、長い時間にわたって保水する。
未焼結粒子を乾燥した後、この工程で表面層と核粒子とを焼結する。焼成温度は、1050℃〜1200℃とする。焼成温度が低いと、充分に焼結できずに強度が低下する。反対に高すぎると空隙が少なくなって、吸水性と保水性が低下する。焼成工程において、未焼結粒子は含有される未燃カーボンが焼失して多孔質な状態となる。未燃カーボンは、景観砂利の全体に、極めて微細な空隙を形成して多孔質な状態とする。図1は、景観砂利の内部が焼結されて多孔質な状態となる状態を示す電子顕微鏡写真である。この図に示すように、景観砂利の内部には、極めて微細な多くの空隙ができ、ここに吸水した水を保水する。この状態で内部の微細な空隙に保水する景観砂利は、極めて優れた保水性を実現して、長い時間にわたって保水する。
以下の工程で景観砂利を製造する。
(1) 造粒工程
30重量%の未燃カーボンを含むフライアッシュに、バインダーとして水を噴霧し、皿の上で転動させて球形の未焼結粒子を造粒する。水の添加量は10重量%とする。造粒する核粒子の平均粒子径は約10mmとする。
(1) 造粒工程
30重量%の未燃カーボンを含むフライアッシュに、バインダーとして水を噴霧し、皿の上で転動させて球形の未焼結粒子を造粒する。水の添加量は10重量%とする。造粒する核粒子の平均粒子径は約10mmとする。
(3) 焼成工程
未焼結粒子を乾燥した後、焼成炉に搬入し、焼成温度を1160℃として1時間焼成する。焼成炉は、200℃/時間の温度勾配で炉内の温度を上昇し、1160℃に1時間保持した後、自然冷却して、焼成炉から景観砂利を取り出す。
未焼結粒子を乾燥した後、焼成炉に搬入し、焼成温度を1160℃として1時間焼成する。焼成炉は、200℃/時間の温度勾配で炉内の温度を上昇し、1160℃に1時間保持した後、自然冷却して、焼成炉から景観砂利を取り出す。
以上の工程で製造される景観砂利は、吸水率が約60重量%と極めて高くなる。吸水率が60重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に60gの水を保水する。景観砂利の真比重は2.6とすれば、この景観砂利の空隙率は約61%と極めて高くなる。さらに、この景観砂利は極めて微細な空隙に吸水するので、極めて優れた保水性を実現する。図2はこの実施例で製作される景観砂利が長時間にわたって保水する特性を示す。この図の曲線Aはこの実施例の景観砂利の水分が減少する状態を示し、曲線Bはレンガを同じ大きさに加工したものの水分が減少する状態を示している。ただし、この試験は温度40℃、湿度80%の室内で水分が減少する状態を示している。レンガも水を保水するが、保水した水の放出が速く、長い時間にわたって保水できない。これに対して本発明の景観砂利は、400時間(16.7日)経過後も40%の水分を保水する、極めて優れた保水性を実現する。
図3は、この実施例で得られた景観砂利の空隙分布を示すグラフである。このグラフにより、この実施例の景観砂利の空隙は、10〜20μmと極めて微細な空隙がほとんどを占めることが判る。ただし、このグラフはHg注入法で測定した空隙の細孔径を示している。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。破壊強度を測定するために、球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧しても約226Nの圧力で加圧するまで破壊されない。この破壊試験は、景観砂利を極めて狭い領域で局部的に押圧するので、景観砂利と押圧面との間にゴム状弾性体等を配設して、押圧する面積を大きくすると、破壊強度は極めて大きくなる。現実に、景観砂利の上を靴で踏む状態はこの状態となる。靴の底が弾性変形するからである。また、靴底で景観砂利を踏みつける状態は、多数の景観砂利を一緒に靴底で踏むので、1個の景観砂利に作用する圧力は体重よりも小さく、前述の強度の景観砂利が踏んで破壊されることはない。
(2)の焼成工程における焼成温度を1160℃から1180℃にする以外、実施例1と同様にして景観砂利を製造する。この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約53重量%と極めて高くなる。吸水率が53重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に53gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、実施例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約40%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約248Nの圧力で加圧するまで破壊されず、実施例1の景観砂利よりも更に強靭なものとなる。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
コーティング工程において、フライアッシュに12重量%の未燃カーボンを含有するものを使用し、焼成温度を1060℃とする以外、実施例1と同様にして景観砂利を製作する。
この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約49重量%と極めて高くなる。吸水率が49重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に49gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、実施例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約40%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約66Nの圧力で加圧するまで破壊されず、強靭なものとなる。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
焼成工程における焼成温度を1100℃とする以外、実施例3と同様にして景観砂利を製作する。
この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約45重量%と極めて高くなる。吸水率が45重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に45gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、実施例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約40%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約187Nの圧力で加圧するまで破壊されない。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
Claims (7)
- 10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュに、実質的に無機結合材を添加することなく、水をバインダーに使用して造粒し、平均粒子径を2mm〜30mmとする未焼結粒子とする造粒工程と、この造粒工程で得られる未焼結粒子を圧縮強度が50N以上で、吸水率が40重量%以上となる温度に焼結する焼成工程とからなる多孔質な景観砂利の製造方法。
- 造粒工程において、15重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒する請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
- 造粒工程において、20重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒する請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
- 造粒工程において、フライアッシュに水を添加して皿の上で転動して造粒する請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
- 焼成工程における焼成温度が1050〜1200℃である請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
- 10重量%以上の未燃カーボンを含み、実質的に無機結合材を含まないフライアッシュが水をバインダーとして平均粒子径を2mm〜30mmとする粒子に造粒されて、圧縮強度を50N以上、吸水率を40重量%以上とする温度で焼結されてなる多孔質な景観砂利。
- 吸水率が50重量%以上である請求項6に記載される多孔質な景観砂利。
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