JP4437916B2 - 多孔質な景観砂利とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として道路の中央分離帯、公園の緑地帯や敷石、あるいはガーデニング用の砂利等として地面に敷設され、又は建物の屋上等に敷設されて、ヒートアイランド対策に優れた効果のある多孔質で軽量な景観砂利とその製造方法に関する。
ヒートアイランド対策に効果のある景観砂利は、多孔質で多量の水分を吸収し、さらに吸水した水を長い時間保水する。多孔質で多量の水分を保水できる景観砂利は、保水している水分の大きな気化熱で有効に冷却される。このため、多孔質な景観砂利を敷設すると、ヒートアイランド対策に効果がある。夏期においては、多くの場所でヒートアイランド現象が発生して生活環境を悪くしている。たとえば、建物が密集する都市においては、建物の屋上、公園、庭、道路等のアスファルトやコンクリートが太陽熱で加熱されてヒートアイランド現象を発生させる。生活空間を快適にするために、建物内が冷房される。こまったことに、冷房は冷却熱量よりもさらに大きな熱を排気する。このため、建物外の温度はさらに上昇してヒートアイランド現象を加速する。このことから、ヒートアイランド現象を根本的に解消する方法が要求されている。多孔質な景観砂利は、ヒートアイランド現象を防止しながら、景観を美しくできる特徴がある。ただ、この用途に、岩石を破砕して製造している通常の砂利を使用すると、有効にヒートアイランドを解消できない。ヒートアイランド現象を効率よく解消できる景観砂利は、以下の(1)〜(4)の全ての物性が要求される。
(1) 多孔質で多量の水分を含有できること
(2) 軽いこと
(3) 上を歩いても破壊されない強度を有するこ
(4) 安価であること
景観砂利は施工する面積が広いので、いかに優れた特性があっても、安価で経済的にヒートアイランド現象を解消できないと使用されない。また、保水する水の気化熱を利用して冷却するので、多量の水を保水できないと長い時間にわたって、効率よくヒートアイランドを解消できない。また、軽くないと建物の屋上等に敷設できない。さらに、多くの用途において上を歩く場所に使用されるので、上を歩行して破壊されない程度の強度が要求される。
さらに、近年、発電所等の燃料が重油から石炭に移行して、多量の石炭が発電等で使用されるようになった。この用途において、石炭は小さく粉砕して燃焼されるので、石炭が燃焼されて微細な粉末のフライアッシュとなる。現在、発電所等で多量の石炭が燃焼されているために、膨大な量のフライアッシュが廃棄物として発生している。フライアッシュは、二酸化珪素とアルミナを主成分とする極めて微細な無機質の粒子である。フライアッシュは、その一部をセメントの充填剤に使用している。ただ、フライアッシュの発生量が膨大なために、そのほとんどが有効利用されないで廃棄しているのが実状である。フライアッシュは、埋め立て等の方法で廃棄しているのが、埋め立ての土として決して好ましい物性のものでない。
フライアッシュを有効に利用するために、これを焼結して骨材にする技術が開発されている。(特許文献1〜3参照)
特開平9−156998号公報 特開平6−9251号公報 特開平9−30857号公報
特許文献1は、フライアッシュに無機結合剤を添加して焼結する技術を記載している。フライアッシュは、二酸化珪素と酸化アルミニウムを主成分とし、低融点の融剤に相当する成分の含有量が少なく、低い温度では焼結できない。また、好ましい状態で焼結できる温度範囲が狭い。焼成温度が低すぎると焼結できずに強度が弱くなり、反対に焼成温度が高すぎると全体が溶融してガラス状に焼結される。
この弊害を解消するこめに、引用文献1に記載する技術は、粘土鉱物、好ましくはベントナイトを無機質結合材として、フライアッシュに対して3〜5重量%添加して焼成している。この焼成体は比較的低い温度で焼結できる。ただ、この焼結材は、フライアッシュに無機質結合材を添加するので、原料コストが高くなる欠点がある。無機質結合材であるベントナイトが廃棄物であるフライアッシュに比較して高いからである。また、無機結合材を添加することは、焼結体の吸水率を低下させる原因ともなる。フライアッシュを結合するために、無機質結合材が空隙に充填されて、空隙率を少なくするからである。したがって、この方法で骨材を製造すると、製造コストが高くなるにもかかわらず、景観砂利として大切な保水性が低下し、また重くなる欠点がある。
引用文献2は、未燃カーボンの少ないフライアッシュに、未燃カーボンの多い重油灰を添加して造粒、焼成する人工軽量骨材の製造方法が記載される。フライアッシュに重油灰を混合するので、重油灰の未燃カーボンによって充分に焼結される。この方法は、フライアッシュと重油灰の両方を使用し、かつ重油灰には未燃カーボンの多いものを使用するので、ふたつの原料の管理に手間がかかる欠点があり、しかも重油灰を介して添加される未燃カーボンによっては、吸水性を高くして、吸水された水の保水時間を長くするのが難しい。それは、重油灰に含まれる未燃カーボンでもって、焼結された骨材に、微細な空隙を設けて、空隙率を高くするのが難しいからである。重油灰は、フライアッシュに、微粉炭に代わって添加されるが、微粉炭や重油灰の未燃カーボンの状態で添加されたカーボンは、骨材の内部に微細な空隙を設けるのが難しい。それは、フライアッシュの外部にカーボンを添加して焼結するために、カーボンが焼失してできる空隙が、フライアッシュの外部にできるからである。したがって、この方法も、フライアッシュに、特定量の重油灰を添加して製造するという手間のかかる製法であるにもかかわらず、製造される骨材を優れた物性にできない欠点がある。
さらに、引用文献3は、未燃カーボンを含むフライアッシュを焼結して焼結体を製造する方法が記載される。この公報は、未燃カーボンを含むフライアッシュの焼結体が充分な強度でないとの欠点を解消するために、BET比表面積6.0m2/g以下で、80μmフルイ上残分5重量%以下のフライアッシュを焼結する。この方法は、特定のフライアッシュを選択して使用する必要があり、また未燃カーボンの多いものは充分な強度に焼結できないことから、できるかぎり未燃カーボンの少ないフライアッシュを使用するので、吸水率が高くて軽量な焼結体を製造できない。
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、産業廃棄物であるフライアッシュを有効に利用しながら、空隙率を高くして吸水率を高くし、しかも空隙を極めて微細な状態として、吸水した水を長時間に有効に保水でき、さらに全体を軽くしながら充分な強度にでき、また、安価に多量生産できる景観砂利とその製造方法を提供することにある。
本発明の景観砂利の製造方法は、未燃カーボンを含むフライアッシュにバインダーを添加し、造粒して核粒子とする造粒工程と、この造粒工程で得られた核粒子の表面を、構成するフライアッシュよりも焼結されやすい無機粉末であって、流紋岩又は砂岩の微粉末の無機粉末でコーティングして表面層を形成したもので、平均粒子径を2mm〜30mmとする未焼結粒子を得るコーティング工程と、このコーティング工程で得られる未焼結粒子の表面層と核粒子とを焼結して、核粒子と表面層の両方を多孔質な状態とし、かつ核粒子を表面層よりも多孔質な状態とし、なおかつ表面層を核粒子よりも強い強度に焼結する焼成工程とからなる。
本発明の請求項2ないし3の景観砂利の製造方法は、造粒工程において、5重量%以上、または10重量%の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒する。
さらに、本発明の請求項の製造方法は、焼成工程における焼成温度は、好ましくは1000〜1200℃とする。
本発明の景観砂利は、未燃カーボンを含むフライアッシュにバインダーを添加して造粒された核粒子の表面を、核粒子のフライアッシュよりも焼結されやすい無機粉末であって、流紋岩又は砂岩からなる岩石の微粉末無機粉末でコーティングして表面層を形成して、全体の平均粒子径を2mm〜30mmとして、さらに核粒子と表面層の両方を多孔質な状態とし、かつ、核粒子を表面層よりも多孔質な状態とし、なおかつ表面層を核粒子よりも強い強度に焼結したものである。この景観砂利は、核粒子と表面層との間に空気層を設けることができる。
本発明は、産業廃棄物として膨大な発生量のフライアッシュを有効に利用することで、理想的な物性の景観砂利が得られる。得られる景観砂利は、空隙率と吸水率が高く、しかも空隙は極めて微細な空隙となって、吸水した多量の水を長い時間にわたって有効に保水する。本発明の景観砂利がこのように優れた物性を実現するのは、未燃カーボンを含むフライアッシュを造粒して核粒子とし、この核粒子の表面を、流紋岩又は砂岩からなる岩石の微粉末無機粉末でコーティングして表面層を設けて未焼結粒子とし、この未焼結粒子を、核粒子と表面層の両方が多孔質な状態を保留、核粒子を表面層よりも多孔質な状態とし、さらに、表面層を核粒子よりも強い強度に焼結するからである。核粒子と表面層の多層構造をなす景観砂利は、核粒子には強い強度が要求されないので、この部分の空隙率と吸水率と保水性を極めて高くできる。とくに、好ましいことに焼成工程においては、核粒子は表面層に被覆されて表面層よりも加熱温度が低くなる。フライアッシュは、焼成する温度が低いと、強度は低くなるが、空隙率は高くなる。フライアッシュの溶融が少なく、フライアッシュの表面と、隣接するフライアッシュの間に多くの微細な空隙ができるからである。このため、本発明の景観砂利は核粒子を極めて空隙ができるように焼成して、吸水性と保水性を著しく向上できる。さらに本発明の景観砂利は、フライアッシュの間にのみ空隙ができるように焼結するのではなく、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを焼失して空隙を設ける。未燃カーボンは各々のフライアッシュに含まれるので、これを焼失してできる空隙は、極めて微細な空隙となって景観砂利の保水性を著しく向上する。図1は、本発明の景観砂利の核粒子の電子顕微鏡写真である。この図に示すように、本発明の景観砂利の核粒子は、極めて微細で多くの空隙があり、これが吸水性と保水性を向上させる
また、本発明は核粒子の表面を表面層で被覆するので、内部の核粒子を多孔質な状態にしながら、表面を強靭な状態にできる。表面層は、核粒子よりも強く焼結されて、景観砂利の全体強度を向上さす。また、フライアッシュの焼結体は淡い色で、これを緑地帯等に敷設して、天然の砂利にように美しいものにならない。本発明の景観砂利は、表面層を天然の岩石の粉末とするので、焼結して表面を美しい色にできる。このため、緑地帯や道路に敷設して、極めて美しい景観にできる特長がある。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための景観砂利とその製造方法を例示するものであって、本発明は景観砂利とその製造方法を以下に特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の景観砂利は、以下の工程で製造される。
(1) 造粒工程
この工程は、未燃カーボンを含むフライアッシュにバインダーを添加して造粒して核粒子とする。フライアッシュには、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上の未燃カーボンを含むものを使用する。フライアッシュに、未燃カーボンの含有量の多いものを使用して、焼結された景観砂利の空隙率を高く、すなわち吸水率を高くできる。とくに、未燃カーボンによる空隙は、極めて微細な空隙となり、水を長時間にわたって保水する効果がある。ただ、フライアッシュの未燃カーボンが多すぎると、景観砂利の強度が低下するので、未燃カーボンの含有率は40重量%以下、好ましくは30重量%以下とする。
フライアッシュを結合して造粒するバインダーには水を使用する。フライアッシュにバインダーとして水を添加して造粒する方法では、核粒子を造粒できる。ただし、バインダーには焼成工程で焼失する合成樹脂製のバインダー、たとえば酢酸ビニル樹脂やPVA等の合成樹脂バインダーも使用できる。バインダーの添加量は、フライアッシュを結合して造粒できる量、たとえば10重量%とする。ただし、バインダーの添加量はバインダーの種類により変化し、たとえば、5重量%〜20重量%として造粒することもできる。バインダーに水を使用する場合、フライアッシュに水を噴霧しながら、皿の上で転動させながら造粒する。ただ、フライアッシュに10重量%の水を添加して混練りし、これを成形型に入れてプレス成形して造粒することもできる。造粒工程において、平均粒子径を1〜25mm、好ましくは3〜20mm、さらに好ましくは5〜15mmとする核粒子に造粒する。
(2) コーティング工程
造粒工程で得られる核粒子の表面に、造粒工程で得られた核粒子の表面を無機粉末でコーティングして未焼結粒子とする。コーティングに使用する無機粉末は、核粒子を構成するフライアッシュよりも岩石の微粉末を使用する。また、無機粉末には、フライアッシュと岩石の微粉末の混合物も使用できる。岩石の混合物である無機粉末には、骨材を破砕して骨材を製造する工程で発生する砕石の微粉末屑を有効に使用できる。この岩石には、流紋岩の微粉末や砂岩を破砕したものが使用できる。核粒子をコーティングする無機粉末は、核粒子のフライアッシュよりも多量の酸化鉄を含有する。酸化鉄を含有する無機粉末は、還元雰囲気で焼成されて、茶色から赤色に変色して、景観砂利の外観を美しい色に着色する。
コーティング工程において、未焼結粒子の平均粒子径を2mm〜30mmとする。無機粉末をコーティングして核粒子に積層される表面層の厚さは、核粒子の平均粒子径は一定でないが、たとえば0.5〜3mm、好ましくは1〜2mmとする。表面層を薄くして、景観砂利の吸水率を高くできる。ただ、表面層を薄くすると圧縮強度が低下する。反対に表面層を厚くして景観砂利の圧縮強度を向上できる。したがって、表面層の厚さは、景観砂利の用途により最適値とする。敷設した上を頻繁に歩行する場所に敷設される景観砂利は、表面層を厚くして圧縮強度を強くする。反対に、敷設された上を歩く頻度が少ない場所、たとえば建物の屋上等に使用される景観砂利は、表面層を薄くして吸水性と保水性を向上して軽くする。コーティング工程において、無機粉末でコーティングする場合も、無機粉末に水や合成樹脂等のバインダーを添加する。ただ、無機粉末を核粒子の表面に薄くコーティングする場合、バインダーを添加することなく、核粒子に含まれる水分で核粒子の表面に結合することもできる。
(3) 焼成工程
未焼結粒子を乾燥した後、この工程で表面層と核粒子とを焼結する。焼成温度は、1000℃〜1200℃、好ましくは1050℃〜1200℃とする。焼成温度が低いと、表面層を充分に焼結できずに強度が低下する。反対に高すぎると空隙が少なくなって、吸水性と保水性が低下する。表面層は、内部の核粒子よりも強固に焼結される。焼成工程は、未焼結粒子を焼成して、コーティングされた表面層と、内部の核粒子を焼結する。焼成された核粒子と表面層は、両方が多孔質な状態となる。内部の核粒子は、含有される未燃カーボンが焼失して多孔質な状態となる。表面層は、無機粉末が焼結されるが、焼結される無機粉末の間に隙間ができて多孔質な状態となる。核粒子は、含有される未燃カーボンによって極めて微細な空隙ができる。さらに、フライアッシュに含まれる未燃カーボンが焼失することにより、核粒子は表面層よりも微細な空隙が多くなって、表面層よりも多孔質な状態となる。さらに、表面層は核粒子よりも高い温度に加熱されることで、フライアッシュよりも焼結されやすい無機粉末が含まれているため、より強い強度に焼結される。
参考例1
以下の工程で景観砂利を製造する。
(1) 造粒工程
30重量%の未燃カーボンを含むフライアッシュに、バインダーとして水を噴霧し、皿の上で転動させて球形の核粒子を造粒する。水の添加量は、100重量部のフライアッシュに対して10重量部とする。造粒する核粒子の平均粒子径は約10mmとする。
(2) コーティング工程
造粒工程で製造される核粒子の表面を無機粉末でコーティングして未焼結粒子とする。無機粉末には、未燃カーボンが約12重量%のフライアッシュを使用する。コーティングする表面層の厚さを1mmとして、未燃カーボンの平均粒子径を12mmとする。コーティングは造粒工程と同じように、皿の上で核粒子を転動させて、水を噴霧しながらフライアッシュを供給して、核粒子の表面を未燃カーボンの少ないフライアッシュでコーティングする。
(3) 焼成工程
未焼結粒子を乾燥した後、焼成炉に搬入し、焼成温度を1140℃として1時間焼成する。焼成炉は、200℃/時間の温度勾配で炉内の温度を上昇し、1140℃に1時間保持した後、自然冷却して、焼成炉から景観砂利を取り出す。
以上の工程で製造される景観砂利は、吸水率が約50重量%と極めて高くなる。吸水率が50重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に50gの水を保水する。景観砂利の真比重は2.6とすれば、この景観砂利の空隙率は約57%と極めて高くなる。さらに、この景観砂利は極めて微細な空隙に吸水するので、極めて優れた保水性を実現する。図2はこの参考例で製作される景観砂利が長時間に渡って保水する特性を示す。この図の曲線Aはこの実施例の景観砂利の水分が減少する状態を示し、曲線Bはレンガを同じ大きさに加工したものの水分が減少する状態を示している。ただし、この試験は温度40℃、湿度80%の室内で水分が減少する状態を示している。レンガも水を保水するが、保水した水の放出が速く、長い時間に渡って保水できない。これに対して本発明の景観砂利は、400時間(16.7日)経過後も約30%の水分を保水する、極めて優れた保水性を実現する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。破壊強度を測定するために、球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧しても約125Nの圧力で加圧するまで破壊されない。この破壊試験は、景観砂利を極めて狭い領域で局部的に押圧するので、景観砂利と押圧面との間にゴム状弾性体等を配設して、押圧する面積を大きくすると、破壊強度は極めて大きくなる。現実に、景観砂利の上を靴で踏む状態はこの状態となる。靴の底が弾性変形するからである。また、靴底で景観砂利を踏みつける状態は、多数の景観砂利を一緒に靴底で踏むので、1個の景観砂利に作用する圧力は体重よりも小さく、前述の強度の景観砂利が踏んで破壊されることはない。
参考例2
(3)の焼成工程における焼成温度を1140℃から1180℃にする以外、参考例1と同様にして景観砂利を製造する。この参考例で製造される景観砂利は、吸水率が約42重量%と極めて高くなる。吸水率が42重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に42gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、参考例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約30%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約163Nの圧力で加圧するまで破壊されず、参考例1の景観砂利よりも更に強靭なものとなる。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
コーティング工程において、コーティングする無機粉末を、フライアッシュに代わって砂岩の砕石屑を使用し、焼成工程における焼成温度を1060℃とする以外、参考例1と同様にして景観砂利を製作する。
この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約36重量%と極めて高くなる。吸水率が36重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に36gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、参考例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約30%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約220Nの圧力で加圧するまで破壊されず、参考例1及び2の景観砂利よりも更に強靭なものとなる。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
コーティング工程において、コーティングする無機粉末を、フライアッシュに代わって、流紋岩を微粉砕したものを使用し、焼成工程における焼成温度を1060℃とする以外、参考例1と同様にして景観砂利を製作する。
この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約38重量%と極めて高くなる。吸水率が36重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に38gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、参考例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約30%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約52Nの圧力で加圧するまで破壊されない。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
焼成工程における焼成温度を1060℃から1100℃とする以外、実施例と同様にして景観砂利を製作する。
この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約41重量%と極めて高くなる。吸水率が41重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に41gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、参考例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約30%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約115Nの圧力で加圧するまで破壊されない。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
焼成工程における焼成温度を1060℃から1140℃とする以外、実施例と同様にして景観砂利を製作する。
この実施例で製造される景観砂利は、吸水率が約30重量%と極めて高くなる。吸水率が30重量%である景観砂利は、100gの景観砂利に30gの水を保水する。この景観砂利も極めて微細な空隙に吸水するので、参考例1の景観砂利と同じように、極めて優れた保水性を実現し、400時間(16.7日)経過後も約30%の水分を保水する。
さらに、製造された景観砂利をコンクリートや地面に敷設して、上を歩行しても全く破壊されない強度となった。球形に焼結された景観砂利を、変形しない平行な金属面で挟着して、局部的に加圧して破壊強度を測定すると約189Nの圧力で加圧するまで破壊されない。このため、敷設した景観砂利の上を靴で歩いても、体重で景観砂利が破壊されることがない。
本発明の実施例にかかる景観砂利の電子顕微鏡写真 本発明の参考例にかかる景観砂利の時間に対する保水性を示すグラフ

Claims (5)

  1. 未燃カーボンを含むフライアッシュにバインダーを添加して造粒して核粒子とする造粒工程と、
    造粒工程で得られた核粒子の表面を、核粒子を構成するフライアッシュよりも焼結されやすい無機粉末であって、流紋岩又は砂岩からなる岩石の微粉末無機粉末でコーティングして表面層を形成して、平均粒子径を2mm〜30mmとする未焼結粒子を得るコーティング工程と、
    コーティング工程で得られる未焼結粒子を焼成して表面層と核粒子とを焼結して、核粒子と表面層の両方を多孔質な状態とし、かつ核粒子を表面層よりも多孔質な状態とし、なおかつ表面層を核粒子よりも強い強度に焼結する焼成工程とからなる多孔質な景観砂利の製造方法。
  2. 造粒工程において、5重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒する請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
  3. 造粒工程において、10重量%以上の未燃カーボンを含むフライアッシュで核粒子を造粒する請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
  4. 焼成工程における焼成温度が1000〜1200℃である請求項1に記載される多孔質な景観砂利の製造方法。
  5. 未燃カーボンを含むフライアッシュにバインダーが添加されて造粒された核粒子の表面を、核粒子のフライアッシュよりも焼結されやすい無機粉末であって、流紋岩又は砂岩からなる岩石の微粉末無機粉末でコーティングして表面層を形成して、全体の平均粒子径を2mm〜30mmとしており、さらに核粒子と表面層の両方を多孔質な状態とし、かつ、核粒子を表面層よりも多孔質な状態とし、なおかつ表面層を核粒子よりも強い強度に焼結してなる多孔質な景観砂利。
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