JP2005170381A - タイヤトレッド - Google Patents

Abstract

【課題】溝を通る水流を改良し、それによって、溝を通る水の流れを増やす。
【解決手段】トレッドは、複数の溝１４を有している。溝１４は、トレッド表面に対する溝の深さを画定する底部と、互いに向かい合う溝側壁１６，１８とを有し、溝１４の中心線ＣＬは互いに向かい合う両溝側壁１６，１８から等距離にある。溝１４は、トレッドの円周方向または横方向のいずれに延びていてもよい。少なくとも一つの溝１４は、溝１４の底部に互いに間隔をおいて設けられた複数の突起２２を備えている。突起２２は、一方の溝側壁１６から対向する溝側壁１８に延びており、溝の中心線ＣＬに対して１０〜５０°の角度αで傾斜している。溝の中心線ＣＬで測定された突起２２のピッチ長さＰは、溝の中心線ＣＬに沿って測定された突起の長さＬの０．７５〜１．２５倍である。
【選択図】図４

Description

本発明はタイヤに関し、特に、水流特性が改善された空気タイヤのトレッドに関する。

ウェット性能特性の改善は、タイヤ設計者にとってよく知られた目標である。これは、トレッドコンパウンドの選択、タイヤ技術、あるいはトレッド設計によって達成される。トレッド設計をタイヤのウェット性能を改善するように修正する場合、水を、タイヤと路面との間に形成される接触面から迅速に排除することが目標となる。水は、典型的には、接触面からトレッド溝を通って排水される。

溝を水流性能を改善するように修正する場合、溝を広げたり、溝の側壁を斜めにしたり、溝をタイヤの赤道面に対して傾けたりすることに焦点があてられてきた。これらの変更の全ては、水の移動を促進してきた。

本発明の目的は、溝を通る水流を改良し、それによって、溝を通る水の流れを増やすように、タイヤの溝を改善することである。

本発明の目的は、トレッドからの排水を促すため、トレッドの溝を通る水に螺旋流を生じさせることである。

空気タイヤのトレッドが開示されている。トレッドは、複数の溝を有している。溝は、トレッド表面に対する溝の深さを画定する底部と、互いに向かい合う溝側壁とを有し、溝の中心線は互いに向かい合う両溝側壁から等距離にある。溝は、トレッドが空気タイヤに適用される際に、トレッドの円周方向または横方向のいずれに延びていてもよい。少なくとも一つの溝は、溝の底部に互いに間隔をおいて設けられた複数の突起を備えている。突起は、一方の溝側壁から対向する溝側壁に延びており、溝の中心線に対して１０〜５０°の角度で傾斜している。溝の中心線で測定された突起のピッチ長さは、溝の中心線に沿って測定された突起の長さの０．７５〜１．２５倍である。ピッチ長さは、突起の一点から、中心線に沿った、隣接する突起の同じ点までの長さとして測定される。

本発明の一つの実施態様において、溝内の突起は、中心線において、溝の深さの最大３５％の径方向高さを有している。突起の両側の端部は、両側の溝側壁において、溝の底部から測定された溝の深さの４０〜６０％の高さで、終端している。

本発明の他の実施態様において、突起の長さに沿った突起の径方向最外周面は平坦である。径方向最外周面は、また、径方向内側に湾曲していてもよく、いずれかの方向にとがっていてもよい。

他の実施態様において、突起の突起の幅に平行な方向の断面形状は、正方形、矩形、三角形、矩形付き三角形、または円形のグループの中から選ばれている。

本発明を、付属する図面を参照しながら、例示によって説明する。以下の記述は、本発明を実施する上で、現在考えられている最良の形態についてのものである。この記載は、本発明の一般原理を説明する目的でなされており、発明を限定する意味で捉えられるべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって最も良く決定される。

図１に、乗用車のタイヤに適したトレッドの部分図を示す。トレッドは、複数の円周方向溝１０と横方向溝１２とによって画定されている。図示された特定のトレッドでは、円周方向溝１０は、各々がタイヤ中心面の各々の側にある、一対の連続するリブを形成している。横方向溝１２は、トレッドの軸方向外側領域に設けられ、タイヤのショルダー領域内まで延びている。当業者は、図１のトレッドは単一トレッドの代表例であり、本発明はこのトレッド形状に限定されないことを理解するであろう。円周方向溝１０と横方向溝１２とが任意の望ましいトレッド形状を形成することは、本発明の範囲にある。

図２には、トレッドの溝の部分図を示す。溝１４の一部は、円周方向溝１０または横方向溝１２のいずかであってもよい。溝１４は一対の対向する側壁１６，１８を有している。側壁１６，１８はトレッドの垂直面に対して傾斜している。溝中心線ＣＬは、各溝側壁１６，１８から等距離の位置に、溝の形状に沿って存在している。溝１４の底部２０は、対向する側壁１６，１８になめらかに接続している。溝底部２０はまた、トレッド表面に対する溝１４の深さｄを画定する。溝１４の深さｄは、中心線ＣＬ上で最大となっていることが望ましい。

溝１４の底部２０には、互いに間隔をおいた複数の流れ突起２２が設けられている。溝底部２０の突起２２の理想的な目標は、図３，４に線ｗで示されているように、溝１４を通るいかなる水流にも螺旋回転を発生させ、それによって、溝１４からの排水を促進することである。突起の形、間隔および傾斜を適切に選ぶことによって、この目標は達成できる。

流れ突起２２は、一方の溝側壁１６から対向する溝側壁１８に延びる、小さな、リブ状の部材である。突起２２は、図３に示されるように、溝中心線に対して１０〜５０°の角度αで傾斜している。突起２２は、長さＬとピッチ長Ｐとを持っている。突起２２の長さＬは、溝中心線ＣＬに沿って計測された、突起２２の一端から突起２２の反対側の端部までの長さである。ピッチ長Ｐは、溝中心線ＣＬに沿って計測された、一つの突起２２から次の隣接する突起２２までの距離である。突起のピッチ長Ｐは、突起長さＬの０．７５〜１．２５倍である。

図２の線５−５に沿って突起の幅に平行に示されている突起２２の断面形状は、図５Ａ〜５Ｄに示されているように、種々の形状をとることができる。突起２２は、図５Ａのように、正方形または矩形断面でもよく、図５Ｂのように、三角形形状でもよく、図５Ｃのように、矩形付き三角形形状(raised triangular)でもよく、図５Ｄのように、丸められた形状でもよい。また、他の多角形形状も可能である。

突起２２の高さｌと幅ｇは、高さ：幅比が２：１から０．７５：１までの間で、互いに関連している。好ましくは、突起の高さｌは突起幅ｇの１．５倍である。突起２２の深さｄに対する高さｌはまた、溝を通る水流特性の決定要因となる。溝の中心線ＣＬにおいて、突起２２は、溝の深さｄの１０〜３５％の高さｌを持っている。もし、突起２２が低すぎると、水流は突起２２によって影響されない。もし、突起が高すぎると、水流は望ましい渦流に変換されない。

溝１４を通る水流特性を調整するために、突起２２の長さＬに平行な平面から見た、すなわち図２の線６−６から見た、突起２２の長さに沿った突起２２の半径方向外側表面２４もまた、図６Ａ〜６Ｃのように種々に変更できる。図６Ａに示す突起２２の半径方向外側表面２４は、タイヤの水平面すなわち、タイヤのトレッド表面と平行である。図６Ｂに示す突起２２では、突起２２の半径方向外側表面２４はＶ字形である。Ｖ字の折点２６は、突起の長さの中央に示されているが、Ｖ字の折点２６は、溝１４を通る水流パターンを最適化するために、突起の長さに沿った任意の位置に設けることができる。図６Ｃの突起２２は、図６Ｂの突起と逆の形状を有している。この場合でも、Ｖ字形の折点２８は突起の長さに沿った任意の位置に設けることができる。

図７Ａには、同じく突起２２の長さＬと平行な面から見た、突起２２の図を示す。突起２２は、内側に曲げられた半径方向外側表面２４を持つ。半径方向外側表面２４の最も内側の点３０は、突起２２の長さに沿った任意の点に設けることができる。突起２２の端部３２は、溝の側壁１６，１８に沿って、溝の深さｄの約５０％の高さｅで終端する。突起の端部３２が側壁まで達したとき、突起は溝の深さｄの４０〜６０％の高さで終端する。

図７Ａの溝１４が、図７Ｂに示すように圧縮されると、溝側壁１６，１８は、互いに向会うように押され、圧縮力は突起２２の外形を変化させる。全体的な開口は、円形に近似した形状となり、溝底部２０に沿った傾斜した突起とともに、溝を通る望ましい螺旋流パターンを生じさせるように働く。圧縮の有無によって進行する溝側壁の湾曲運動はまた、水を、溝を通して突起２２の外にかき出すように作用する。

本発明の目標は、タイヤトレッドの溝を通る水に螺旋流を生じさせることである。開示された突起２２は、タイヤトレッドのどの溝に設けられていてもよい。もし、トレッドが、より小さいネット・グロス比を持つオフロード乗用車や大型トラックのタイヤ用に設計される場合にも、突起２２は溝からの排水を促進するように使われることができる。

乗用車に最も適したトレッドの部分図である。 トレッドの溝の部分図である。 溝を通る望ましい水流パターンを示す溝の平面図である。 望ましい水流パターンを示す溝の斜視図である。 トレッドの溝内にある突起の断面図である。 トレッドの溝内にある突起の断面図である。 トレッドの溝内にある突起の断面図である。 トレッドの溝内にある突起の断面図である。 突起の側面図である。 突起の側面図である。 突起の側面図である。 突起の他の実施形態を示す側面図である。 図７Ａに示す溝と突起の、圧縮時の側面図である。

符号の説明

１０ 円周方向溝
１２ 横方向溝
１４ 溝
１６、１８ 側壁
２０ 底部
２２ 突起
２４ 半径方向外側表面
２６、２８ 折点
３０ 点
３２ 端部
ＣＬ 溝中心線
ｄ 溝の深さ
ｇ 溝の巾
ｌ 溝の高さ
Ｌ 突起長さ
Ｐ 突起のピッチ長

Claims (3)

1. 複数の溝を持つトレッド表面を有し、該溝は、前記トレッド表面に対する前記溝の深さを画定する底部と、互いに向かい合う溝側壁とを有し、該溝の中心線は前記互いに向かい合う両溝側壁から等距離にあり、該溝は前記トレッドの円周方向または横方向のいずれかに延びており、該溝の少なくとも一つは、該溝の前記底部に互いに間隔をおいて設けられ、かつ一方の前記溝側壁から対向する前記溝側壁に延びている複数の突起を備えている、空気タイヤのトレッドにおいて、
   前記突起は、前記溝の中心線に対して１０〜５０°の角度で傾斜し、前記溝の中心線で測定された前記突起のピッチ長さは、前記溝の中心線に沿って測定された前記突起の長さの０．７５〜１．２５倍であることを特徴とする、空気タイヤのトレッド。
2. 前記突起は、両側の前記溝側壁において、前記溝の底部から測定された該溝の深さの４０〜６０％の高さで終端している、請求項１に記載のトレッド。
3. 前記突起の該突起の幅に平行な方向の断面形状は、正方形、矩形、三角形、矩形付き三角形、または円形のグループの中から選ばれている、請求項１に記載のトレッド。

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