JP2005166442A - エネルギーデバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコンを主成分とする薄膜を負極活物質としたエネルギーデバイスのサイクル特性を向上させる。
【解決手段】 負極活物質薄膜の表面近傍の酸化層及び/又は負極活物質薄膜と集電体との界面近傍の酸化層を薄くする。または、該表面近傍及び該界面近傍を除く負極活物質薄膜内部の酸素濃度を低減する。これにより、イオンや電子の移動が容易になるのでサイクル特性が向上する。
【選択図】 図3

Description

本発明はエネルギーデバイス及びその製造方法に関する。
リチウムイオン2次電池は、負極集電体、負極活物質、電解質、セパレーター、正極活物質、正極集電体を主な構成要素とする。このリチウムイオン2次電池は、移動体通信機器や各種AV機器のエネルギー源として大きな役割を果たしている。機器の小型化高性能化とあいまってリチウムイオン2次電池の小形化、高エネルギー密度化が進められており、電池を構成する各要素の改良に多くの努力が払われている。
例えば、特許文献1には、特定の遷移金属酸化物の混合粉末を加熱し溶融後、急冷して得たアモルファス化した酸化物を正極活物質として用いることにより、高エネルギー密度化を実現できることが開示されている。
また、特許文献2には、正極活物質としてリチウムを含有する遷移金属酸化物を用い、負極活物質としてケイ素原子を含む化合物を用い、かつ正極活物質重量を負極活物質重量よりも多くすることによって電池容量とサイクル寿命を高めることができることが開示されている。
更に、特許文献3には、負極活物質として非晶質シリコン薄膜を用いることが開示されている。これにより、カーボンを用いた場合に比べてリチウムを多く吸蔵できるので大容量化が可能になると期待される。
特開平8−78002号公報 特開2000−12092号公報 特開2002−83594号公報
非晶質シリコン薄膜はスパッタ法や蒸着法をはじめとする真空成膜法で形成することが出来る。この非晶質シリコン薄膜を負極活物質材料として用いることは大容量化に有望であるが、シリコン薄膜はリチウムの吸蔵量が大きいために充放電時に膨張/収縮するなどの課題も多く、実用化のためにはサイクル特性の確保が課題となる。サイクル特性確保のためには膨張/収縮といった物理的課題とならんで化学的課題を明らかにし対策を施す必要がある。ところが負極活物質のサイクル特性に対する化学的なアプローチは未だ十分と言えない。
本発明は、サイクル特性が向上したエネルギーデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1のエネルギーデバイスは、集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記負極活物質薄膜の表面近傍における酸素濃度のピーク値をOP1、前記集電体又は前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、前記表面近傍において酸素濃度が{(OP1−OC)/2}+OCである位置をD1、前記位置D1の前記負極活物質薄膜の表面からの深さをT1としたとき、T1≦20nmであることを特徴とする。
本発明の第2のエネルギーデバイスは、集電体上にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記集電体と前記負極活物質薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、前記集電体と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、酸素濃度が前記ピーク値OP2をとる位置D2の近傍において前記位置D2を深さ方向において挟む、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCである位置をD3,D4、前記位置D3と前記位置D4との深さ方向における距離をT2としたとき、T2≦5nmであることを特徴とする。
本発明の第3のエネルギーデバイスは、集電体上に下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、酸素濃度が前記ピーク値OP2をとる位置D2の近傍において前記位置D2を深さ方向において挟む、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCである位置をD3,D4、前記位置D3と前記位置D4との深さ方向における距離をT2としたとき、T2≦5nmであることを特徴とする。
本発明の第4のエネルギーデバイスは、集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記集電体又は前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除く前記負極活物質薄膜中において、深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、深さ方向のシリコン濃度分布が略一定と見なせる部分におけるシリコン濃度をSCとしたとき、(OC/SC)×100≦0.5%であることを特徴とする。
次に、本発明のエネルギーデバイスの第1の製造方法は、集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成する工程を有するエネルギーデバイスの製造方法において、前記負極活物質薄膜の表面に還元性材料を付与することを特徴とする。
本発明のエネルギーデバイスの第2の製造方法は、集電体上に直接あるいは下地層を介して、還元雰囲気でシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することを特徴とする。
本発明のエネルギーデバイスの第3の製造方法は、集電体の表面を還元雰囲気でプラズマ処理した後に、前記プラズマ処理された前記集電体の表面にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することを特徴とする。
本発明のエネルギーデバイスの第4の製造方法は、表面に下地層が形成された集電体の前記下地層の表面を還元雰囲気でプラズマ処理した後に、前記プラズマ処理された前記下地層の表面にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、サイクル特性が向上したエネルギーデバイスを提供することができる。
本発明の第1のエネルギーデバイスは、集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記負極活物質薄膜の表面近傍における酸素濃度のピーク値をOP1、前記集電体又は前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、前記表面近傍において酸素濃度が{(OP1−OC)/2}+OCである位置をD1、前記位置D1の前記負極活物質薄膜の表面からの深さをT1としたとき、T1≦20nmである。
1≦20nm、即ち、負極活物質薄膜の表面近傍での酸化層の厚みが薄いので、リチウムイオンの移動が容易となり、サイクル特性が向上する。
負極活物質薄膜の表面近傍での酸化層を薄くする第1の製造方法としては、集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成するに際し、前記負極活物質薄膜の表面に還元性材料を付与することが有効である。
ここで、前記還元性材料がTi、Zr、La、Ce、Sc、及びYから選ばれた少なくとも一種を主成分として含むことが好ましい。これらは、酸化層の厚みを薄くするのに有効だからである。
前記還元性材料の付与が真空成膜法によることが好ましい。効率よく還元性材料を付与することができるからである。
負極活物質薄膜の表面近傍での酸化層を薄くする第2の製造方法としては、集電体上に直接あるいは下地層を介して、還元雰囲気でシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することが有効である。
還元雰囲気の実現には水素ガスなどを用いることが出来る。
本発明の第2のエネルギーデバイスは、集電体上にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記集電体と前記負極活物質薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、前記集電体と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、酸素濃度が前記ピーク値OP2をとる位置D2の近傍において前記位置D2を深さ方向において挟む、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCである位置をD3,D4、前記位置D3と前記位置D4との深さ方向における距離をT2としたとき、T2≦5nmである。
2≦5nm、即ち、集電体と負極活物質薄膜との界面近傍における酸化層の厚みが薄いので、リチウムイオンの移動や電子の移動(集電)が容易となり、サイクル特性が向上する。また、界面近傍における酸化層の厚みが薄いことにより、充放電による負極活物質薄膜の膨張/収縮に対する界面近傍における脆性が改善されるので、サイクル特性が向上する。
集電体と負極活物質薄膜との界面近傍における酸化層を薄くする製造方法としては、集電体の表面を還元雰囲気でプラズマ処理した後に、前記プラズマ処理された前記集電体の表面にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することが有効である。
本発明の第3のエネルギーデバイスは、集電体上に下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、酸素濃度が前記ピーク値OP2をとる位置D2の近傍において前記位置D2を深さ方向において挟む、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCである位置をD3,D4、前記位置D3と前記位置D4との深さ方向における距離をT2としたとき、T2≦5nmであることを特徴とする。
2≦5nm、即ち、下地層と負極活物質薄膜との界面近傍における酸化層の厚みが薄いので、リチウムイオンの移動や電子の移動(集電)が容易となり、サイクル特性が向上する。また、界面近傍における酸化層の厚みが薄いことにより、充放電による負極活物質薄膜の膨張/収縮に対する界面近傍における脆性が改善されるので、サイクル特性が向上する。
下地層と負極活物質薄膜との界面近傍における酸化層を薄くする製造方法としては、表面に下地層が形成された集電体の前記下地層の表面を還元雰囲気でプラズマ処理した後に、前記プラズマ処理された前記下地層の表面にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することが有効である。
本発明の第4のエネルギーデバイスは、集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、前記集電体又は前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除く前記負極活物質薄膜中において、深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、深さ方向のシリコン濃度分布が略一定と見なせる部分におけるシリコン濃度をSCとしたとき、(OC/SC)×100≦0.5%である。
(OC/SC)×100≦0.5%、即ち、集電体又は下地層と負極活物質薄膜との界面近傍及び負極活物質薄膜の表面近傍を除く負極活物質薄膜中の酸素濃度が低いので、リチウムイオン及び電子の移動が容易となり、サイクル特性が向上する。
集電体又は下地層と負極活物質薄膜との界面近傍及び負極活物質薄膜の表面近傍を除く負極活物質薄膜中の酸素濃度を低くする製造方法としては、集電体上に直接あるいは下地層を介して、還元雰囲気でシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することが有効である。
本発明において、負極活物質薄膜はシリコンを主成分として含む。「シリコンを主成分として含む」とは、シリコンの含有量が50at%以上であることを意味し、望ましくは70at%以上、更に望ましくは80at%以上、最も望ましくは90at%以上である。シリコン含有量が高いほど電池容量を向上できる。
負極活物質薄膜の製造方法は、特に制限はないが、真空成膜法が好ましい。「真空成膜法」とは、蒸着法、スパッタ法、CVD法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法などの各種真空薄膜製造プロセスを含む。薄膜の種類に応じて最適な成膜法を選択することができる。真空成膜法により薄い負極活物質薄膜を効率よく製造できる。その結果、小型薄型のエネルギーデバイスが得られる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施形態にかかるエネルギーデバイスは、両面に正極活物質が形成された正極集電体と、セパレータと、両面に負極活物質が形成された負極集電体とを、正極集電体と負極集電体との間にセパレータが介在するようにして巻回した円筒状巻回物を電池缶に収め、この電池缶を電解液で満たしてなる。
正極集電体としては、Al、Cu、Ni、ステンレススチールの厚さ10〜80μmの箔、網などを用いることが出来る。あるいは、表面に金属薄膜が形成されたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子基板を用いることも出来る。
正極活物質はリチウムイオンの出入が出来ることが必要であり、Co、Ni、Mo、Ti、Mn、Vなどの遷移金属を含むリチウム含有遷移金属酸化物や、これにアセチレンブラックなどの導電性補助剤とニトリルゴム、ブチルゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とを混合した混合ペーストを用いることも出来る。
負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレススチールの厚さ10〜80μmの箔、網などを用いることが出来る。あるいは、表面に金属薄膜が形成されたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子基板を用いることも出来る。
負極集電体の表面には下地層が形成(表面処理)されていてもよい。下地層としては、例えば、集電体と負極活物質薄膜との間の接着力強化や防錆処理などを目的とする層であってもよく、具体的には、例えばシリコン−銅薄膜やクロメート処理層などを用いることが出来る。あるいは、負極集電体として銅箔を用いる場合には、亜鉛メッキ、スズ、銅、ニッケル、若しくはコバルトと亜鉛との合金メッキ、ベンゾトリアゾールなどのアゾール誘導体を用いた被覆層、クロム酸若しくは二クロム酸塩を含む溶液などによるクロム含有被膜、またはこれらの組み合わせを用いることが出来る。負極集電体として、銅箔に代えて、他の基材の表面に銅被覆を施したものを用いることも出来、この場合には、この銅被覆の表面に上記の下地層を形成してもよい。
セパレーターは機械的強度とイオン透過性とに優れることが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることが出来る。セパレーターの孔径は例えば0.01〜10μmであり、その厚さは例えば5〜200μmである。
電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、6フッ化メチルアセテート、又はテトロヒドロフラン等の溶媒に、LiPF6、LiBF4、LiClO4などの電解質塩を溶解させた溶液を用いることが出来る。
電池缶としては、ステンレススチール、鉄、アルミニウム、ニッケルメッキスチールなどの金属材料を用いることができるが、電池用途に応じてプラスチック材料を用いることもできる。
負極活物質は、シリコンを主成分とするシリコン薄膜である。シリコン薄膜はアモルファスまたは微結晶であることが好ましく、スパッタリング法、蒸着法、CVD法をはじめとする真空成膜法で形成することができる。
[実施例1〜8、比較例1]
まず、正極の作製方法を述べる。Li2CO3とCoCO3とを所定のモル比で混合し、大気中において900℃で加熱することによって合成してLiCoO2を得た。これを100メッシュ以下に分級して正極活物質を得た。この正極活物質100g、導電剤として炭素粉末12g、結着剤としてポリ4フッ化エチレンディスパージョン10g、及び純水を混ぜ合わせてペースト状にした。この正極活物質含有ペーストを、正極集電体としての厚さ25μmの帯状のアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥して正極を得た。
負極集電体として厚さ30μmの帯状の銅箔を用い、その両面に負極活物質としてシリコン薄膜をスパッタリング法により形成した。詳細は後述する。
セパレータとして、厚さ35μmで、正極集電体及び負極集電体よりも広幅の帯状の多孔性ポリエチレンを用いた。
正極集電体にこれと同材質の正極リードをスポット溶接にて取り付けた。また、負極集電体にこれと同材質の負極リードをスポット溶接にて取り付けた。
上記によって得た正極と負極との間にセパレータが介在するようにこれらを重ね合わせて渦巻き状に巻回した。この円筒状巻回物の上下面に、ポリプロピレン製の絶縁板をそれぞれ配して有底の円筒状電池缶内に収納し、電池缶の開口近傍に段部を形成した後、非水電解液として、LiPF6を濃度1×103モル/m3で溶解したエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの等比体積混合溶液を電池缶に注入し、封口板で開口を密閉してリチウムイオン二次電池を得た。
負極活物質としてのシリコン薄膜の形成方法を説明する。
シリコン薄膜の形成に先立ち、帯状の銅箔からなる負極集電体に対して図1に示すプラズマ処理装置50を用いてプラズマ処理を行った。真空ポンプ59により減圧された真空槽51内で、負極集電体5は、巻き出しロール52から巻き出され、複数の搬送ロール54で搬送されて巻き取りロール53に巻き取られる。この過程で、負極集電体5はプラズマ発生装置55内を通過する。プラズマ発生装置55は13.56MHzの高周波プラズマを発生し、これにガス導入管56によりアルゴンガスと水素ガスとが導入される。負極集電体5は、プラズマ発生装置55内を通過する際に、還元ガス雰囲気下でのプラズマの照射を受けて還元プラズマ処理される。プラズマ発生装置55へのアルゴンガスの導入量は0.07Pa・m3/sとし、還元ガスとしての水素ガスの導入量は0Pa・m3/s(導入無し)、0.009Pa・m3/s、0.09Pa・m3/sの3通りとした。
プラズマ処理した負極集電体5に対して図2の真空成膜装置10を用いて負極集電体としてのシリコン薄膜をスパッタ法により形成した。
図2に示す真空成膜装置10は、隔壁1aにより上下に仕切られた真空槽1を備える。隔壁1aより上側の部屋(搬送室)1bには、捲き出しロール11,円筒状のキャンロール13,捲き取りロール14,搬送ロール12a,12bが配置される。隔壁1aより下側の部屋(薄膜形成室)1cには、スパッタ成膜源21、ガス導入ノズル23a,23bが配置されている。隔壁1aの中央部にはマスク4が設けられ、マスク4の開口を介してキャンロール13の下面が薄膜形成室1c側に露出している。真空槽1内は、真空ポンプ16により所定の真空度に維持される。
捲き出しロール11から捲き出された帯状の負極集電体5は、搬送ロール12a、キャンロール13、搬送ロール12bによって順に搬送され、捲き取りロール14に捲き取られる。この過程で、スパッタ成膜源21から生成された原子、分子、又はクラスタなどの粒子(以下、「スパッタ粒子」という)が隔壁1aのマスク4を通過して、キャンロール13上を走行している負極集電体5の表面上に付着して薄膜6を形成する。この際、ガス導入ノズル23a,23bより負極集電体5のスパッタ粒子の被付着領域に向けて還元ガスが導入される。
このような装置を用いて、スパッタ成膜源21においてアルゴンイオンによりシリコンをスパッタして、負極集電体5としての銅箔上に厚さ4μmのシリコン薄膜を形成した。シリコン薄膜の堆積速度を概ね2nm/sに設定した。スパッタ成膜源21として直流マグネトロンスパッタを使用した。アルゴンガス導入前の真空度は3×10-4Pa、アルゴンガス導入後の真空度を4×10-2Paとした。ガス導入ノズル23a,23bからの還元ガスとしての水素ガスの導入量は0Pa・m3/s(導入無し)、0.003Pa・m3/s、0.009Pa・m3/sの3通りとした。
上述のように、負極集電体5に対するプラズマ処理における水素ガス導入量を3通りに変え、シリコン薄膜形成時の水素ガス導入量を3通りに変えて、合計9種類のリチウムイオン二次電池を作製した(実施例1〜8,比較例1)。
得られたリチウムイオン二次電池に対し、試験温度20℃、充放電電流3mA/cm2、充放電電圧範囲4.2V〜2.5Vで充放電サイクル試験を行った。初回放電容量に対する200サイクル後の放電容量の割合を電池容量維持率(サイクル特性)として求めた。結果を表1に示す。
Figure 2005166442
シリコン薄膜(負極活物質薄膜)が形成された負極集電体5のオージェデプスプロファイルを測定し、プラズマ処理やシリコン薄膜の成膜中の還元ガス導入がシリコン薄膜に及ぼす化学的影響を調べた。オージェデプスプロファイルは、フィリップス社製のSAM670を用いて測定した。電子銃の加速電圧を10kV、照射電流10nAとし、エッチング用のイオンガンの加速電圧3kV、スパッタレート0.17nm/sにて測定した。
図3はオージェデプスプロファイルの一例を示した模式図である。図の横軸の「膜表面からの深さ」は、サンプルと同一のSi膜とCu膜をスパッタエッチングして形成された段差を段差計で測定して得たスパッタレートを用いて、サンプルのスパッタエッチング時間を厚さ方向のエッチング深さに換算して得た。縦軸の「オージェ信号強度」は、各元素ごとに、最大値を1として規格化して表示している。
シリコン薄膜(負極活物質薄膜)中の深さ方向における酸素濃度分布は、図3に示すように、シリコン薄膜の表面近傍及びシリコン薄膜と負極集電体(銅箔)との界面近傍においてピークとなり、この間の部分ではこれより少なくほぼ一定値をとる。シリコン薄膜の表面近傍での酸素濃度のピーク値はシリコン薄膜と負極集電体との界面近傍での酸素濃度のピーク値よりも大きい。なお、図示していないが、負極集電体に上述の下地層を形成した場合には、シリコン薄膜と下地層との界面近傍において酸素分布がピークとなる以外は、図3と同様の酸素濃度分布となることを確認した。
このような酸素分布を定量的に表現するために、図3に示すように、T1、T2、Rという指標を以下のように定義する。
シリコン薄膜の表面近傍における酸素濃度のピーク値をOP1、負極集電体5(下地層が形成されている場合は下地層)とシリコン薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、酸素濃度がピーク値OP2をとる位置をD2、負極集電体5(下地層が形成されている場合は下地層)とシリコン薄膜との界面近傍及びシリコン薄膜の表面近傍を除いたシリコン薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOCとする。
そして、シリコン薄膜の表面近傍において、酸素濃度がピーク値OP1から一定値OCに減少する過程において、酸素濃度が{(OP1−OC)/2}+OCになる位置をD1、この位置D1のシリコン薄膜の表面(深さ=0)からの深さをT1とする。このT1はシリコン薄膜の表面近傍での酸化層の厚みを示す指標である。
また、位置D2に対して深さ方向の両側において酸素濃度がピーク値OP2から減少する過程において、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCになる位置をD3,D4、この位置D3と位置D4との深さ方向における距離をT2とする。このT2はシリコン薄膜と負極集電体5(下地層が形成されている場合は下地層)との界面近傍での酸化層の厚みを示す指標である。
さらに、シリコン薄膜中において、深さ方向のシリコン濃度分布が略一定と見なせる部分におけるシリコン濃度をSCとしたとき、(OC/SC)×100をR(%)とする。このRはシリコン薄膜内部での酸化の程度を示す指標である。
上記の実施例1〜8及び比較例1のシリコン薄膜について、上記のサイクル試験を行う前に、T2、Rを測定した。測定では、分析機器によるばらつきを防ぐ為に、SiO2をオージェデプスプロファイルで分析したときにOC/SC=2となるように測定結果を補正した。測定結果を成膜条件とともに表2に示す。
Figure 2005166442
表2から分かるように、シリコン薄膜の形成に先立って還元雰囲気で負極集電体5に対してプラズマ処理を行うことによりT2すなわちシリコン薄膜と負極集電体5との界面近傍での酸化層が薄くなっていることが分かる。また、還元ガスを導入しながらシリコン薄膜を成膜することによりRすなわちシリコン薄膜内部の酸素含有量が低下していることが分かる。
表1及び表2より、電池容量維持率(サイクル特性)は、T2≦5nm及びR≦0.5%のうちの一方を満足する場合には良好な結果が得られており、両方を満足する場合には更に良好な結果が得られている。これは、以下の理由によると思われる。
シリコン薄膜と負極集電体5との界面近傍での酸化層の厚みの指標であるT2が小さいと、リチウムイオンの移動及び電子の移動(集電)が容易になるため、サイクル特性が向上したと考えられる。また、充放電時のシリコン粒子の膨張/収縮に対する耐性が向上する(界面近傍の脆性が改善する)ので、界面での両層の付着強度が向上するため、サイクル特性が向上したと考えられる。
シリコン薄膜内部での酸化の程度を示す指標であるRが小さい、即ち、シリコン薄膜中の酸素(酸化物)が少ないと、リチウムイオン及び電子の移動が容易になるため、サイクル特性が向上したと考えられる。
[実施例9〜13,比較例2〜3]
まず、正極の作製方法を述べる。Li2CO3とCoCO3とを所定のモル比で混合し、大気中において900℃で加熱することによって合成してLiCoO2を得た。これを100メッシュ以下に分級して正極活物質を得た。この正極活物質100g、導電剤として炭素粉末12g、結着剤としてポリ4フッ化エチレンディスパージョン10g、及び純水を混ぜ合わせてペースト状にした。この正極活物質含有ペーストを、正極集電体としての厚さ25μmの帯状のアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥して正極を得た。
負極集電体として厚さ30μmの帯状の銅箔を用い、その両面に負極活物質としてシリコン薄膜を蒸着法により形成した。詳細は後述する。一部の例では、銅箔の両表面に下地層としてクロメート処理層を形成した。
セパレータとして、厚さ35μmで、正極集電体及び負極集電体よりも広幅の帯状の多孔性ポリエチレンを用いた。
正極集電体にこれと同材質の正極リードをスポット溶接にて取り付けた。また、負極集電体にこれと同材質の負極リードをスポット溶接にて取り付けた。
上記によって得た正極と負極との間にセパレータが介在するようにこれらを重ね合わせて渦巻き状に巻回した。この円筒状巻回物の上下面に、ポリプロピレン製の絶縁板をそれぞれ配して有底の円筒状電池缶内に収納し、電池缶の開口近傍に段部を形成した後、非水電解液として、LiPF6を濃度1×103モル/m3で溶解したエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの等比体積混合溶液を電池缶に注入し、封口板で開口を密閉してリチウムイオン二次電池を得た。
負極活物質としてのシリコン薄膜の形成方法を説明する。
シリコン薄膜の形成に先立ち、帯状の銅箔からなる負極集電体に対して図1に示すプラズマ処理装置50を用いてプラズマ処理を行った。プラズマ発生装置55にて100kHzの高周波プラズマを発生させ、これにガス導入管56によりアルゴンガスと水素ガスとを導入した。これを通過する負極集電体5は、還元ガス雰囲気下でプラズマの照射を受けて還元プラズマ処理される。プラズマ発生装置55へのアルゴンガスの導入量は0.14Pa・m3/sとし、還元ガスとしての水素ガスの導入量は0Pa・m3/s(導入無し)、0.07Pa・m3/sの2通りとした。クロメート処理層を形成した負極集電体5に対してもその表面にプラズマ処理を行った。
プラズマ処理した負極集電体5に対して図4の真空成膜装置10を用いて負極集電体としてのシリコン薄膜を蒸着法により形成した。
図4の装置では、薄膜形成室1cに、スパッタ成膜源21に代えて、蒸着源31、補助蒸着源32、及び遮蔽板35が配置されている点で図2の装置と異なる。図4において図2と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらについての説明を省略する。
キャンロール13に沿って搬送される負極集電体5の走行方向に沿って、その上流側から下流側に向かって、蒸着源31、遮蔽板35、及び補助蒸着源32がこの順に配置されている。
捲き出しロール11から捲き出された帯状の負極集電体5は、搬送ロール12a、キャンロール13、搬送ロール12bによって順に搬送され、捲き取りロール14に捲き取られる。この過程で、蒸着源31及び補助蒸着源32から生成された原子、分子、又はクラスタなどの粒子(以下、「蒸発粒子」という)が隔壁1aのマスク4を通過して、キャンロール13上を走行している負極集電体5の表面上に付着して薄膜6を形成する。負極集電体5に対向して、その搬送方向の上流側から下流側に向かって、蒸着源31及び補助蒸着源32が配置されている。蒸着源31からの蒸発粒子の一部と補助蒸着源32からの蒸発粒子の一部とが、キャンロール13の外周面の近傍にて相互に混ざり合うように、遮蔽板35のキャンロール13の外周面からの距離が調整されている。従って、負極集電体5の表面には、最初に蒸着源31から蒸発粒子が主として堆積し、その後、徐々に補助蒸着源32からの蒸発粒子の比率が増加し、最後には、蒸着源31からの蒸発粒子及び補助蒸着源32からの蒸発粒子が混合して堆積する。この際、蒸発源31を挟むように配置されたガス導入ノズル23a,23bより負極集電体5の蒸発粒子の被付着領域に向けて還元ガスが導入される。
このような装置を用いて、蒸発源31からシリコンを蒸発させて、負極集電体5としての銅箔上に厚さ8μmのシリコン薄膜を形成した。シリコン薄膜の堆積速度を概ね0.15μm/sに設定した。ガス導入前の真空度は5×10-3Paとした。ガス導入ノズル23a,23bからの還元ガスとしての水素ガスの導入量は0Pa・m3/s(導入無し)、0.09Pa・m3/sの2通りとした。一部の例では、シリコン蒸着の際に、補助蒸発源32からチタンを蒸着した。蒸着源31及び補助蒸着源32として電子ビーム蒸発源を使用した。
負極集電体5に対するプラズマ処理時に水素ガス導入を行ったものに対して、シリコン薄膜形成時の水素ガス導入を有り/無しの2通りに変え、さらにプラズマ処理時及びシリコン薄膜形成時に水素ガス導入を行ったものに対してチタンの混合蒸着を有り/無しの2通りに変えて、リチウムイオン二次電池を作製した。また、シリコン薄膜形成時の水素ガス導入を行わないものに対して、負極集電体5のクロメート処理層が有り/無しの2通りに変えて、リチウムイオン二次電池を作製した。比較例として、プラズマ処理時及びシリコン薄膜形成時の両方で水素ガスを導入せず、チタンの混合蒸着も行わないものに対して、クロメート処理層が有り/無しの2通りに変えて、リチウムイオン二次電池を作製した。
作製した各リチウムイオン二次電池について、試験温度20℃で、充放電電流3mA/cm2、充放電電圧範囲4.2V〜2.5Vで充放電サイクル試験を行った。初回放電容量に対する100サイクル後の放電容量の割合を電池容量維持率(サイクル特性)として求めた。表3に、結果を製造条件とともに示す。
Figure 2005166442
表3から分かるように、負極活物質薄膜として蒸着法でシリコン薄膜を形成する場合にも、シリコン薄膜の形成に先立って還元雰囲気で負極集電体5に対してプラズマ処理を行うことや、還元ガスを導入しながらシリコン薄膜を成膜することがサイクル特性に有効であることが分かった。
さらに、実施例9、実施例13で示されるように、シリコン薄膜の成膜期間の終了側でチタン蒸発粒子を堆積させることでサイクル特性が向上することが分かった。実施例9、実施例13ではシリコンと混合蒸着する材料としてチタンを用いたが、チタンの代わりにZr、La、Ce、Sc、Yを用いた場合にも同様の効果が得られた。
シリコン薄膜(負極活物質薄膜)が形成された負極集電体5のオージェデプスプロファイルを測定し、プラズマ処理やシリコン薄膜の成膜中の還元ガス導入、シリコン薄膜の表面へのチタンなどの還元性材料の付与がシリコン薄膜に及ぼす化学的影響を調べた。
蒸着法によりシリコン薄膜を形成する場合であっても、実施例1〜8の結果と同様に、シリコン薄膜の形成に先立つ還元雰囲気での負極集電体5に対するプラズマ処理や、シリコン薄膜の成膜中の還元ガス導入により、シリコン薄膜と負極集電体との界面近傍及びシリコン薄膜内部での酸素濃度が少なくなることを確認した。
図5は実施例12、図6は実施例13のシリコン薄膜の表面近傍でのオージェデプスプロファイルの模式図である。実施例13ではシリコン薄膜の形成期間の終了側でチタンの混合蒸着を行ったことにより、シリコン薄膜の表面近傍にチタンが分布していることが分かる。
上述したシリコン薄膜の表面近傍での酸化層の厚みを示す指標であるT1を測定したところ、比較例2及び実施例10ではT1=40nmであったのに対し、実施例12ではT1=20nm、実施例13ではT1=12nmであった。この結果から、シリコン薄膜の成膜中の還元ガス導入やシリコン薄膜の表面近傍へのチタンなどの還元性材料の付与により、シリコン薄膜の表面近傍での酸化層の厚みの指標であるT1が減少することがわかった。そして、T1が小さいほどサイクル特性が向上している。この理由は、シリコン薄膜の表面近傍での酸化層の厚みの指標であるT1が小さい(即ち、酸素(酸化物)が少ない)と、リチウムイオンの移動が容易になるため、サイクル特性が向上したと考えられる。
上記の実施例では、負極活物質薄膜(シリコン薄膜)をスパッタ法又は蒸着法により形成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、CVD法をはじめとする他の真空成膜法を用いてもよく、その場合であっても同様の効果が得られる。
本発明のエネルギーデバイスの利用分野は特に限定されないが、例えば薄型、軽量の小型携帯機器の2次電池として利用することができる。
本発明の一実施例において、負極集電体に対するプラズマ処理装置の概略構成を示した断面図である。 本発明のエネルギーデバイスの製造に使用される装置の一実施形態の概略構成を示した断面図である。 シリコン薄膜が形成された負極集電体のオージェデプスプロファイルの一例を示した図である。 本発明のエネルギーデバイスの製造に使用される装置の別の実施形態の概略構成を示した断面図である。 本発明の実施例12に係るエネルギーデバイスにおいて、シリコン薄膜の表面近傍での厚み方向の元素分布図である。 本発明の実施例13に係るエネルギーデバイスにおいて、シリコン薄膜の表面近傍での厚み方向の元素分布図である。
符号の説明
1・・・真空槽
1a・・・隔壁
1b・・・搬送室
1c・・・薄膜形成室
4・・・・マスク
5・・・・負極集電体
6・・・・薄膜
10・・・真空成膜装置
11・・・巻き出しロール
12a,12b・・・搬送ロール
13・・・キャンロール
14・・・巻き取りロール
16・・・真空ポンプ
21・・・スパッタ成膜源
23a,23b・・・ガス導入ノズル
31・・・蒸着源
32・・・補助蒸着源
35・・・遮蔽板
50・・・プラズマ処理装置
51・・・真空槽
52・・・巻き出しロール
53・・・巻き取りロール
54・・・搬送ロール
55・・・プラズマ発生装置
56・・・ガス導入管
59・・・真空ポンプ

Claims (10)

  1. 集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、
    前記負極活物質薄膜の表面近傍における酸素濃度のピーク値をOP1、前記集電体又は前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、前記表面近傍において酸素濃度が{(OP1−OC)/2}+OCである位置をD1、前記位置D1の前記負極活物質薄膜の表面からの深さをT1としたとき、T1≦20nmであることを特徴とするエネルギーデバイス。
  2. 集電体上にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、
    前記集電体と前記負極活物質薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、前記集電体と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、酸素濃度が前記ピーク値OP2をとる位置D2の近傍において前記位置D2を深さ方向において挟む、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCである位置をD3,D4、前記位置D3と前記位置D4との深さ方向における距離をT2としたとき、T2≦5nmであることを特徴とするエネルギーデバイス。
  3. 集電体上に下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、
    前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍における酸素濃度のピーク値をOP2、前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除いた前記負極活物質薄膜中の深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、酸素濃度が前記ピーク値OP2をとる位置D2の近傍において前記位置D2を深さ方向において挟む、酸素濃度が{(OP2−OC)/2}+OCである位置をD3,D4、前記位置D3と前記位置D4との深さ方向における距離をT2としたとき、T2≦5nmであることを特徴とするエネルギーデバイス。
  4. 集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜が形成されたエネルギーデバイスであって、
    前記集電体又は前記下地層と前記負極活物質薄膜との界面近傍及び前記負極活物質薄膜の表面近傍を除く前記負極活物質薄膜中において、深さ方向の酸素濃度分布が略一定と見なせる部分における酸素濃度をOC、深さ方向のシリコン濃度分布が略一定と見なせる部分におけるシリコン濃度をSCとしたとき、(OC/SC)×100≦0.5%であることを特徴とするエネルギーデバイス。
  5. 集電体上に直接あるいは下地層を介して、シリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成する工程を有するエネルギーデバイスの製造方法において、前記負極活物質薄膜の表面に還元性材料を付与することを特徴とするエネルギーデバイスの製造方法。
  6. 前記還元性材料がTi、Zr、La、Ce、Sc、及びYから選ばれた少なくとも一種を主成分として含む請求項5に記載のエネルギーデバイスの製造方法。
  7. 前記還元性材料の付与が真空成膜法による請求項5に記載のエネルギーデバイスの製造方法。
  8. 集電体上に直接あるいは下地層を介して、還元雰囲気でシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することを特徴とするエネルギーデバイスの製造方法。
  9. 集電体の表面を還元雰囲気でプラズマ処理した後に、前記プラズマ処理された前記集電体の表面にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することを特徴とするエネルギーデバイスの製造方法。
  10. 表面に下地層が形成された集電体の前記下地層の表面を還元雰囲気でプラズマ処理した後に、前記プラズマ処理された前記下地層の表面にシリコンを主成分として含む負極活物質薄膜を形成することを特徴とするエネルギーデバイスの製造方法。
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