JP2005163607A - ベーン式バキュームポンプとバキュームポンプにおけるロータ及びカップリングの製造方法 - Google Patents

ベーン式バキュームポンプとバキュームポンプにおけるロータ及びカップリングの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度アップしたロータ及びカップリングを使用して耐久性のあるベーン式バキュームポンプを提供すること。
【解決手段】ポンプ1は、ハウジング部12を含むボディ本体10と、ハウジング部12内で回転可能に配置するロータ3と、ロータ3に駆動部からの駆動を伝達するカップリング7と、を備えて構成する。ロータ3は、ハウジング部12内に配置するベーン支持部31と、ボディ本体部10に回転支持される軸部32と、カップリング7と嵌合するカップリング嵌合部33と、ベーン5を滑動可能に支持するベーン溝34とを備えて、精密冷間鍛造手段にて一体的に成形するカップリング7は、ロータ支持部71と、一対の突出片を有する突出部72とを有し精密冷間鍛造手段で一体的に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベーンを装着したロータを備え、ロータが駆動部からカップリングを介して回転駆動されるベーン式バキュームポンプとベーン式バキュームポンプにおけるロータ及びカップリングの製造方法に関する。
ベーン式バキュームポンプは、例えば、自動車のディーゼルエンジン搭載車のブレーキブースタ用負圧発生装置として用いられ、特許文献1に示すように、ハウジングと、エンジンのカムシャフトにカップリングを介して駆動を伝達されるとともにハウジング内で回動可能に配置されるロータと、ロータのベーン溝に滑動可能に配置されるベーンとを備えて構成されている。ハウジングは内周面が略楕円状の摺動面に形成され、ベーンはハウジングの摺動面の中心位置に対して偏心した位置を中心に回転して、両端部に装着するスライダでハウジングの略楕円状摺動面を摺接する。さらにハウジングには吸気口と吐出口が形成され、カムシャフト等駆動手段の回転によってカップリングを介してロータとともにベーンが回転することにより、吸気口からハウジング内に導入された空気を圧縮・膨張させながら、吐出ポートを介して吐出口から吐出させる。これによって、負圧を形成して負圧発生装置として構成される。
ロータはもともとハウジング内に収納されるベーン支持部とハウジングに回転可能に嵌合する軸部とを有して形成され、ベーン支持部と軸部とがスプラインで嵌合するように2体で形成されていた。しかし、2体で形成されることは、部品点数を多くしてコスト高となるだけでなく、嵌合隙間を有することから、嵌合部に応力が集中して過負荷がかかると破損しやすくなり、ベーン支持部と軸部とを一体的に形成する必要が生じてきた。一体で形成する場合、成形性がよくオイルを含んで耐摩耗性のあることから、焼結金属で一体成形することが一般的に行われていた。
特開平10−47273号公報(3〜4頁、図1参照)
例えば、上記の特許文献1を含めた従来のベーン式バキュームポンプのロータは、ハウジング内に収納されるベーン支持部と、ハウジングに対して回転可能に形成される軸部と、を焼結金属にて一体的に形成している。焼結金属は、粉体を融点以下又は部分的溶融の程度に加熱して強固な結合体として形成するものであり、成形性がよく、また多孔質でオイルを含有して形成できることから、複雑な形状のものや、潤滑部位に好適に使用されるものの、一般に、溶製材に比べて強度がそれほど強くないことから、過負荷がかかる部位には応力を低減するために例えば肉厚を厚くする等の処置が必要となっていた。
例えば、上記ロータの場合、図8に示すように、ロータ3は、ベーン支持部31、軸部32、カップリング嵌合部33の3段に形成されるとともにベーン支持部31においてベーン溝部34を形成していることから、ロータ3がハウジングに対して回転することによって、軸部32の根元部、あるいはカップリング嵌合部33の根元部、さらにベーン溝部34に応力がかかり、それらの部位が長期の使用で疲労破壊の懸念が生じてくる。また、多孔質のため焼結体の密度を均一にできないことから、軸部32やカップリング嵌合部33における加工しろを多く取る必要がある。つまり、図8に示すように、焼結金属で形成された外形形状では、中径の軸部32と小径のカップリング支持部33の加工しろW1が、ベーン支持部31の外形と同じ径で段差のない円柱状となり、そのために加工工数が増えてコストを高くすることとなる。
また、カップリングの場合においても、ロータと同様、焼結金属で形成されていることから、強度が低いこととなって、長期の使用で特にロータ嵌合部において疲労破壊の懸念が生じてくる。
従って、ベーン式バキュームポンプにおけるロータとカップリングを焼結金属でなく合金鋼によって形成することが望まれていた。しかし、従来、合金鋼にしても加工しろを必要とすることから、刃具によって削られる段差部位の強度が低下することとなって、強度低下を防止する対策が望まれることになっていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ベーン式バキュームポンプにおいて強度を向上したロータ及びカップリングを使用することを目的とするものであり、目的を達成するために、請求項1記載の発明では、ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプであって、
前記ロータは、前記ハウジング内に収納されるベーン支持部と、前記ハウジングに回転可能に嵌合される軸部と、前記カップリングに嵌合されるカップリング嵌合部と、を有して精密鍛造手段で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の発明では、ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプであって、
前記カップリングが、前記ロータと嵌合するロータ嵌合部と、前記駆動部材と連結する突出部と、を有して精密鍛造手段で形成されていることを特徴とするものである。
さらに、請求項3記載の発明では、ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプにおけるロータの製造方法であって、
前記ロータが、前記ハウジング内に収納されるベーン支持部と、前記ハウジングに回転可能に嵌合される軸部と、前記カップリングに嵌合されるカップリング嵌合部と、を有して精密鍛造手段で形成されるとともに、少なくとも前記カップリング嵌合部と前記軸部との連結部位及び前記ベーン溝部を加工しろ無しで形成することを特徴とするものである。
また、請求項4記載の発明では、ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプにおけるカップリングの製造方法であって、
前記カップリングが、前記ロータと嵌合するロータ嵌合部と、前記駆動部材と連結する突出部と、を有して精密鍛造手段で形成されるとともに、少なくとも前記ロータ嵌合部と前記突出部との連結部位を加工しろ無しで形成することを特徴とするものである。
また、請求項5記載の発明では、ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプであって、
前記ロータが、前記ハウジング内に収納されるベーン支持部と、前記ハウジングに回転可能に嵌合される軸部と、前記カップリングに嵌合されるカップリング嵌合部と、を有して精密鍛造手段で形成され、前記カップリングが、前記ロータと嵌合するロータ嵌合部と、前記駆動部材と連結する突出部と、を有して精密鍛造手段で形成されるとともに、
前記冷間鍛造手段で形成される前記ロータが、少なくとも前記カップリング嵌合部と前記軸部との連結部位及び前記ベーン溝部を加工しろ無しで形成し、前記精密冷間鍛造手段で形成される前記カップリングが、少なくとも前記ロータ嵌合太前記突出部との連結部位を加工しろ無しで形成することを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、例えばエンジンの駆動手段からの駆動によりカップリングを介してロータが回転すると、ベーンはロータのベーン溝内を滑動するとともにハウジングの内周面に摺接しながら回転される。ベーン式バキュームポンプの作動によりロータにかかる負荷は、ロータの回転時、回転停止時にロータのカップリング嵌合部の根元部位に最大応力となってかかることとなる。ロータを、精密鍛造手段で形成することによって、カップリング嵌合部、又はベーン溝部における応力集中がかかる部位に加工しろを形成しないで面粗度を維持することができ、それによってロータ自体の強度を向上することができる。
従って、従来のようにロータを焼結金属で一体成形することに比べて、充分な強度を有することができることから、応力集中がかかっても、充分に耐えることができる。また、加工しろを少なくすることができることから、加工時間を低減してコスト低減化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、例えばエンジンの駆動手段からの駆動によりカップリングを介してロータが回転すると、ベーンはロータのベーン溝内を滑動するとともにハウジングの内周面に摺接しながら回転される。ベーン式バキュームポンプの作動によりカップリングにかかる負荷は、カップリングの回転時、回転停止時にカップリングにおけるロータ嵌合部と突出片部との連接部位に最大応力となってかかることとなる。カップリングを、精密鍛造手段で形成することによって、ロータ嵌合部、突出部における応力集中がかかる部位に加工しろを形成しないで面粗度を維持することができ、それによってカップリング自体の強度を向上することができる。
従って、従来のようにカップリングを焼結金属で一体成形することに比べて、充分な強度を有することができることから、応力集中がかかっても、充分に耐える強度を保つことができる。また、加工しろを少なくすることができることから、加工時間を低減してコスト低減化を図ることができる。
請求項3記載の発明によれば、例えばエンジンの駆動手段からの駆動によりカップリングを介してロータが回転すると、ベーンはロータのベーン溝内を滑動するとともにハウジングの内周面に摺接しながら回転される。ベーン式バキュームポンプの作動によりロータにかかる負荷は、ロータの回転時、回転停止時にロータのカップリング嵌合部の根元部位及びベーン溝部の軸部連結部位に最大応力となってかかることとなる。ロータを、精密鍛造手段で形成することによって、カップリング嵌合部、又はベーン溝部における応力集中がかかる部位に加工しろを形成しないで面粗度を維持することができ、それによってロータ自体の強度を向上することができる。
従って、従来のようにロータを焼結金属で一体成形することに比べて、充分な強度を有することができることから、応力集中がかかっても、充分に耐えることができる。また、加工しろを少なくすることができることから、加工時間を低減してコスト低減化を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、例えばエンジンの駆動手段からの駆動によりカップリングを介してロータが回転すると、ベーンはロータのベーン溝内を滑動するとともにハウジングの内周面に摺接しながら回転される。ベーン式バキュームポンプの作動によりカップリングにかかる負荷は、カップリングの回転時、回転停止時にカップリングにおけるロータ嵌合部と突出部との連接部位に最大応力となってかかることとなる。カップリングを、精密鍛造手段で形成することによって、ロータ嵌合部、突出片部における応力集中がかかる部位に加工しろを形成しないで面粗度を維持することができ、それによってカップリング自体の強度を向上することができる。また、カップリングの他方で嵌合するカムシャフトの磨耗に対しても有利となる。
従って、従来のようにカップリングを焼結金属で一体成形することに比べて、充分な強度を有することができることから、応力集中がかかっても、充分に耐えることができる。また、加工しろを少なくすることができることから、加工時間を低減してコスト低減化を図ることができる。
請求項5記載の発明によれば、例えばエンジンの駆動手段からの駆動によりカップリングを介してロータが回転すると、ベーンはロータのベーン溝内を滑動するとともにハウジングの内周面に摺接しながら回転される。ベーン式バキュームポンプの作動によりロータ及びカップリングにかかる負荷は、ロータの回転時、回転停止時にロータのカップリング嵌合部の根元部位、ベーン溝部の軸部連結部位、及びカップリングにおけるロータ嵌合部と突出部との連接部位に最大応力となってかかることとなる。ロータ及びカップリングを、精密鍛造手段で形成することによって、ロータのカップリング嵌合部、ベーン溝部における応力集中がかかる部位、及びカップリングのロータ嵌合部、突出部における応力集中がかかる部位に加工しろを形成しないで面粗度を維持することができ、それによって、ロータ及びカップリング自体の強度を向上することができる。
従って、従来のようにロータ及びカップリングを焼結金属で一体成形することに比べて、充分な強度を有することができることから、応力集中がかかっても、充分に耐えることができる。また、加工しろを少なくすることができることから、加工時間を低減してコスト低減化を図ることができる。
次に、本発明の一形態のベーン式バキュームポンプ(以下ポンプという。)について、図面に基づいて説明をする。
図1は、ポンプ1のロータ3を示す正面断面図であり、図2は、ポンプ1の側面断面図を示している。ポンプ1は、図1〜2に示すように、ボディ本体10と、ボディ本体10内に収納されるロータ3と、ロータ3に配設されボディ本体10内を摺接するベーン5とを有して構成され、ロータ3には、例えば、エンジンのカムシャフト等の駆動手段9からの駆動をロータ3に伝達するカップリング7が嵌合される。
ボディ本体10は、ポンプ1を装着するためのブラケット部11と、ロータ3を収納するとともに略楕円筒状に形成され内周面に摺動面121を有するハウジング部12と、ロータ3の軸部を支持する軸受部13と、ハウジング部12の正面の開口された部位に装着するカバー14とを備えている。また、ハウジング部12の底面(ロータ3のスラスト側端面に対向してカバー14が取り付けられる面と反対側の面)には排気口15が湾曲長孔状に形成されている。さらに、ハウジング部12の摺動面121の一部には、吸気口16が形成され吸気口16に吸気ポート17が装着されている。
ボディ本体10のブラケット部11は、図3に示すように、ハウジング部12と軸受部13との間でハウジング部12から両方向に延設して形成されるとともに、両端部においてポンプ1を被取付け部材に取り付けるための取付け孔111が形成されている。
ハウジング部12は、前述のように、略楕円筒状に形成されて内周面に略楕円状の摺動面121を有し、ロータ3とともに回転するベーン5の先端部に装着されたスライダ51が摺動面121に摺接する。回転するロータ3の中心は摺動面121の中心に対して偏心した位置にあり、ロータ3の一部が摺動面121の一端部に、極めて接近した位置(以下、圧縮室・膨張室仕切り位置P1という)に配置されている。
また、ボディ本体10の軸受部13には、内周面に油溜り131と油誘導溝132が一部に形成されている。
一方、ロータ3は、図2に示すように、ハウジング部12内に収納されるベーン支持部31と、ハウジング部12に回転可能に支持される軸部32と、ボディ本体11から外部に突出してカップリング7と嵌合可能なカップリング嵌合部33と、を有して、ハウジング部12に対して回転可能に配置されている。また、ベーン支持部31には、ベーン5が滑動するベーン溝34がロータ3の軸心に対して直交する方向に形成されている。さらに、カップリング嵌合部33には、カップリング嵌合部33側の端面から給油孔が軸心方向に沿って形成される給油縦孔331と給油縦孔331の先端から直交して形成される給油横孔332とが形成され、ロータ3に嵌合されたカップリング7側に配管された給油管8から給油された油が、ボディ本体1のハウジング部12内に供給される。
ロータ3のベーン支持部31におけるスラスト方向の両端部、つまり、ボディ本体10のハウジング部12の内周側面部と対向するロータ3の両側面部と、ハウジング部12の内周両側面部との間には、油を通す僅かな隙間が形成され、給油管8から供給された油が、ボディ本体10の軸受部13に形成された油誘導溝132からハウジング12内に供給されるのを誘導案内する。なお、カップリング嵌合部33は、図6に示すように、一方の方向における両端面を平面状に形成している。これによって、嵌合するカップリング7の回転トルクを容易に受けることができる。
ベーン5は、図2及び図4に示すように、ロータ3のベーン溝34に滑動可能に装着されるとともに、ハウジング12の摺動面121の幅方向全体に対向するように矩形板状に形成されるとともに摺動面121と対向する面にスライダ51が配置されている。スライダ51は、摺動面121に摺接するために、摺接面が摺動面121の幅方向全体に対向して形成されるとともに、断面円弧状に形成されている。スライダ51は、ベーン5の両端に形成された溝部52・52にそれぞれ挿入してベーン5に装着され、ロータ3の回転によって一対のスライダ51・51が摺動面121上を摺接するように滑動することとなる。
この際、ロータ3は、摺動面121の中心に対して偏心した位置を中心に回転し、一対のスライダ51・51が、ロータ3のどの回転位置においても摺動面121に接触することとなるから、ベーン5はロータ3のベーン溝34内を滑動することとなる。
さらに、ロータ3が摺動面121内を回転する際に、ハウジング12内部は、膨張室122と圧縮室123に分割される。図1に示すように、ベーン5が水平方向を示している角度において吸気口16から供給される空気は、ベーン5の上方に流れ、ロータ3が図1中、反時計方向に回転すると、ベーン5の上方は空気が膨張することになるから膨張室122を形成することとなり、ベーン5の下方であってロータ3とハウジング12の内周面が極めて接近して略接触する位置(圧縮室・膨張室仕切り位置P1)から左側の部屋が圧縮室123として形成される。そして排気口15は、このベーン5の水平方向の角度において形成された圧縮室123内に形成されることとなる。
なお、圧縮室123における、圧縮室・膨張室仕切り位置P1と対称の部屋は膨張開始室124となり、空気はこの部屋から膨張し始めることとなる。
また、ロータ3は、ベーン溝34を形成するベーン支持部31と、軸部32と、カップリング支持部33と、を合金鋼による精密な冷間鍛造手段で一体的に形成される。つまり、精密な冷間鍛造手段では、図5に示すように、ロータ3は、一部に加工しろを残して最終製品に近い形状で形成される。図5において、斜線部は、加工しろWを示すものであり、ロータ3は精密冷間鍛造手段で形成された状態では、外形の実線部で示す部位の形状となり、ベーン支持部31と軸部32の外周面及びベーン支持部31の左端面に加工しろWが形成されている。軸部32における加工しろWは、ベーン支持部31の加工しろを含めた外形から延設して加工する肉厚部を広くする大径肉厚部と、所定の加工しろで形成される小径肉厚部との段状に形成されている。
軸部32端面(図5における軸部32の右端面)及びカップリング係合部33の外周面と端面(図5におけるカップリング嵌合部33の右端面)及びベーン溝34には加工しろWは形成されていない。これらの面は、この精密な冷間鍛造手段によって無垢の状態で面粗度3.2Rz程度を維持するように形成していることから、加工することによって強度を低下させることはない。
従って、軸部32とカップリング嵌合部33との段差部における円弧面が加工しない無垢のままで形成できることから、組織フローが緻密でフローの切断がなく、そのため、応力集中のかかる部位の強度を低下させることがない。しかも、加工しろが少ないことから、加工時間が少なく加工コストを低減することができる。
ロータ3のカップリング嵌合部33に嵌合するカップリング7は、図2及び図7に示すように、ロータ3のカップリング嵌合部33に嵌合するロータ嵌合部71と、カムシャフト9の端部に形成された溝部に挿入可能な突出部72とを備えている。ロータ嵌合部71は円板状に形成されるとともに、内部に、ロータ3のカップリング嵌合部33と略同形の平面部731を両面に有する嵌合孔73を形成し、カムシャフト9の回転トルクをロータ3に伝達する。突出部72は嵌合孔73を間にして対向するように一対の突出片721・721を有してカムシャフト9に連結可能に形成される。
そして、カップリング7は、ロータ3と同様、合金鋼による精密な冷間鍛造手段で一体的に形成される。つまり、この精密な冷間鍛造手段によって、カップリング7のすべての外形部を最終寸法として形成される。
つまり、ロータ嵌合部71の端面(図2におけるロータ嵌合部71の右端面)及び突出片721・721の端面(図2における突出片721・721の左端面)と、嵌合孔73及び突出片721・721の対向するそれぞれの内周面には、加工しろWは形成されていない。これらの面は、この精密な冷間鍛造手段によって無垢の状態で面粗度3.2Rz程度を維持するように形成していることから、加工することによって強度を低下させることはない。従って、嵌合孔73と一対の突出片721・721との段差部における円弧面が加工しない無垢のままで形成できることから、組織フローが緻密でフローの切断がなく、そのため、応力集中のかかる部位の強度を低下させることがない。しかも、加工しろが少ないことから、加工時間が少なく加工コストを低減することができる。
次に、上記のように構成されたポンプ1の作用について説明する。
カムシャフト9が回転することによって、カムシャフト9の回転はカップリング7からロータ3に伝達すると、ハウジング部12の摺動面121の中心位置に対して偏心した位置を中心に回転するロータ3の反時計方向の回転とともにベーン5がロータ3のベーン溝34内を滑動しながら反時計方向に回転する。つまり、ベーン5の両端に装着されたスライダ51・51のうち、慣性により一方がロータ3から飛び出し、他方がロータ3内に引き込まれて、ベーン5がロータ3のベーン溝34内を滑動することによって、一対のスライダ51・51がハウジング部12の摺動面121に沿って摺接する。
一方、ハウジング部12内では、ベーン5が回転することによって、各室の容積が変化するため、吸気口16から供給された空気が膨張室122に流入する。膨張室122に流入された空気は回転するベーン5によって次第に圧縮室123に送られ、圧縮室・膨張室仕切り位置P1に近づいて、圧縮室123内で圧縮されると排気口15から排気される。圧縮室・膨張室仕切り位置P1を越えると、残された空気は、膨張開始室124に移動されて膨張を開始し、さらに吸気口16から新たに供給される空気とともに膨張室122に送られてハウジング12内を循環することになる。
従って、ロータ3が連続的に回転することによって、ハウジング12内に供給された空気は膨張・圧縮を繰り返して、排気口から排気させることによって、負圧発生装置を形成することができる。
この際、カムシャフト9の回転トルクがロータ3に伝達するときに、カップリング7とロータ3との連結部位、またロータ3とベーン5との連結部位に、トルクがかかって、応力集中を発生させる。この応力集中は、ロータ3におけるカップリング嵌合部31と軸部32との連結部位又はカップリング7のロータ嵌合部71と突出部72との連結部位に最大にかかることとなる。
しかし、上述のように、実施例のロータ3とカップリング7は、合金鋼で形成されるとともに精密冷間鍛造手段で製造されていて、しかもその部位には、面粗度3.2Rzが維持されていることから、加工を施さない無垢の状態で連結されていることとなる。従って、強度を向上できることとなって、応力集中がかかっても充分に耐えることになる。しかも加工を施さない分、加工時間を減らしてコストを低減することができる。
本発明の一形態におけるベーン式バキュームポンプの正面断面図である。 同側面断面図である。 同背面図である。 図1におけるIV−IV断面図である。 図1におけるロータの加工しろを示す説明図である。 図1におけるロータを示す側面図である。 図2におけるカップリングを示す斜視図である。 従来のロータにおける加工しろを示す説明図である。
符号の説明
1、ベーン式バキュームポンプ(ポンプ)
3、ロータ
5、ベーン
7、カップリング
10、ボディ本体
12、ハウジング部
121、摺動面
13、軸受部
31、ベーン支持部
32、軸部
33、カップリング嵌合部
34、ベーン溝
51、スライダ
71、ロータ支持部
72、突出部
721、突出片

Claims (5)

  1. ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプであって、
    前記ロータは、前記ハウジング内に収納されるベーン支持部と、前記ハウジングに回転可能に嵌合される軸部と、前記カップリングに嵌合されるカップリング嵌合部と、を有して精密鍛造手段で形成されていることを特徴とするベーン式バキュームポンプ。
  2. ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプであって、
    前記カップリングが、前記ロータと嵌合するロータ嵌合部と、前記駆動部材と連結する突出部と、を有して精密鍛造手段で形成されていることを特徴とするベーン式バキュームポンプ。
  3. ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプにおけるロータの製造方法であって、
    前記ロータが、前記ハウジング内に収納されるベーン支持部と、前記ハウジングに回転可能に嵌合される軸部と、前記カップリングに嵌合されるカップリング嵌合部と、を有して精密鍛造手段で形成されるとともに、少なくとも前記カップリング嵌合部と前記軸部との連結部位及び前記ベーン溝部を加工しろ無しで形成することを特徴とするベーン式バキュームポンプにおけるロータの製造方法。
  4. ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に活動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプにおけるカップリングの製造方法であって、
    前記カップリングが、前記ロータと嵌合するロータ嵌合部と、前記駆動部材と連結する突出部と、を有して精密鍛造手段で形成されるとともに、少なくとも前記ロータ嵌合部と前記突出部との連結部位を加工しろ無しで形成することを特徴とするベーン式バキュームポンプにおけるカップリングの製造方法。
  5. ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて前記ハウジングに回転可能に支持されるロータと、前記ロータに形成されたベーン溝に滑動可能に配設されて前記ハウジングの内周面を摺接するベーンと、前記ロータに、前記ロータとともに回転可能に配設されて駆動部材からの駆動を前記ロータに伝達するカップリングと、を備え、前記ロータのスラスト方向の端面と、前記ハウジング側面との間から前記ハウジング内に潤滑油を供給するように構成されるベーン式バキュームポンプであって、
    前記ロータが、前記ハウジング内に収納されるベーン支持部と、前記ハウジングに回転可能に嵌合される軸部と、前記カップリングに嵌合されるカップリング嵌合部とを有して精密鍛造手段で形成され、前記カップリングが、前記ロータと嵌合するロータ嵌合部と、前記駆動部材と連結する突出部と、を有して精密鍛造手段で形成されるとともに、
    前記精密鍛造手段で形成される前記ロータが、少なくとも前記カップリング嵌合部と前記軸部との連結部位及び前記ベーン溝部を加工しろ無しで形成し、前記精密鍛造手段で形成される前記カップリングが、少なくとも前記ロータ嵌合部と前記突出部との連結部位を加工しろ無しで形成することを特徴とするベーン式バキュームポンプ。
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