JP2005163216A - 保温補助シートおよび膝掛けならびに肩掛け - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、ソフトな風合と保温性および密着性に優れた保温補助シートを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の保温補助シートは、ループパイル糸構造を有する編地であり、該ループパイル長がベース部から0.3〜10mmであり、かつ、ループパイル糸および/または地糸中に0.7〜0.00001デシテックスの超極細合成繊維を少なくとも該編地全重量に対し5重量%以上含んで構成されていることを特徴とするものである。また、本発明の膝掛けならびに肩掛けは、かかる保温補助シートで構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし
本発明は、ソフトな風合と保温性および密着性に優れた保温補助シートを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の保温補助シートは、ループパイル糸構造を有する編地であり、該ループパイル長がベース部から0.3〜10mmであり、かつ、ループパイル糸および/または地糸中に0.7〜0.00001デシテックスの超極細合成繊維を少なくとも該編地全重量に対し5重量%以上含んで構成されていることを特徴とするものである。また、本発明の膝掛けならびに肩掛けは、かかる保温補助シートで構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、ソフトな風合、保温性および密着性に優れた保温補助シートおよび膝掛けならびに肩掛けに関するものである。
従来、膝掛けは、毛布、厚地フェルトや厚地パイル地などを素材として形成されたものが使用されていたものである。
しかし、これらの素材は、いずれも1.5〜3.5dtexの単繊維繊度を有する通常合成繊維で構成されているのが主流で、場合によっては木綿などの天然繊維が含まれているものが存在するものであった。したがって、風合が粗硬で肌触りの悪いものでしかなかった。
さらに、1.0デシテックス未満の極細繊維糸条を用いたパイル織編物(特許文献1、2参照)も提案されているが、これらのものは、保温補助シートとして開発されたものでなく、人工毛皮などの防寒衣料用として設計されたものであり、必然的に得られる性能が異なること、さらに立毛部分はカットパイル糸からなるものであるので、これをそのまま保温補助シートとして用いた場合、立毛糸の収束力が強く筆状となり(極細糸のカットパイル糸は、特にこの傾向が顕著)、糸−糸間の微細な空隙が得られないので、吸水効果に乏しかったり、パイル糸がへたってしまったり、立毛糸間で糸がもつれたり、毛玉となり表面品位に著しい支障をきたす上に、特に密着性に乏しいなどの問題があった。
したがって、ソフトな風合と表面品位、さらには保温性と密着性優れた保温補助シートは、いまだ見られなかったのが現状である。
特公昭61−10588号公報
特公昭61−52257号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ソフトな風合と表面品位、さらには保温性および密着性に優れた新規な保温補助シートを提供せんとするものであり、より具体的には、例えば膝掛けや肩掛けに用いた場合、非常にソフトな風合と表面品位を示し、かつ、衣服にピッタリ密着して、ズレにくく保温したい部位を確実に保温保護することができる保温補助シートを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の保温補助シートは、ループパイル糸構造を有する編地であり、該ループパイル長がベース部から0.3〜10mmであり、かつ、ループパイル糸および/または地糸中に0.7〜0.00001デシテックスの超極細合成繊維を少なくとも該編地全重量に対し5重量%以上含んで構成されていることを特徴とするものである。また、本発明の膝掛けならびに肩掛けは、かかる保温補助シートで構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ソフトな風合と表面品位、さらには保温性および密着性に優れた保温補助シートを提供することができるので、例えば膝掛けや肩掛けに用いれば、肌触りがよくて衣服にピッタリ密着して、ズレにくく保温したい部位を確実に保護することができるものを提供することができる。
以下、本発明の保温補助シートについてさらに詳しく説明する。
本発明において、保温補助シートは、0.7デシテックス〜0.00001デシテックスの超極細合成繊維を含んで構成されているものである。
本発明において、このような0.7デシテックス以下の超極細繊維は、たとえば下記に例示するような各種方法で製造することができ、これらのうちのいずれのものでも、またこれらの方法以外で製造されたものも本発明に使用することができる。
すなわち、一般に海島型複合繊維といわれる高分子相互配列体繊維による方法で作っても、あるいは、またさらにその島成分が海島型複合繊維といわれる高分子相互配列体繊維になっているものから作ってもよい。海成分は、溶剤や分解剤で分離してもよいし、A、Bの2成分からなる剥離型の分割繊維のように分離してもよい。また、直接紡糸する方法においては、紡糸の設定条件を適宜厳しくして作ってもよい。また、さらに2成分以上からなる剥離型の分割繊維を使用して分離せしめてもよいし、要するに0.7デシテックス以下の単繊維繊度となしたものが使用される。
本発明において、かかる超極細合成繊維は、保温補助シートのループパイル糸および/または地糸中に存在すると、その構成繊維どうしの間隙で網目状のミクロスポイト構造もしくはミクロスポンジ構造というべき構造を形成するので、この構造が存在すると、本発明の保温補助シートに非常にソフトな風合を与えると共に、さらに非常に効果的な吸水、保水能力をも与えることになる。
かかる網目状のクロスポイト構造もしくはミクロスポンジ構造を形成するためには、保温補助シートのループパイル糸および/または地糸を形成する繊維の単繊維繊度が非常に重要であり、単繊維繊度は0.00001デシテックス以上0.7デシテックス以下の超極細合成繊維を用いるのが肝要であり、好ましくは0.00001デシテックス以上0.5デシテックス以下、より好ましくは0.001デシテックス以上0.2デシテックス以下のものを用いることである。
かかる超極細合成繊維は、保温補助シート全重量に対し5重量%以上含まれていることが好ましく、より好ましくは20重量%以上、最も好ましくは35重量%以上含まれているのが好ましい。5重量%未満では、超極細合成繊維の機能を十分に発揮することがむずかしく、目的とする吸水性、ソフトな風合いを得ることが難しくなる。
かかる超極細合成繊維は、フィラメントとステープルのいずれの態様で使用されてもよいが、フィラメント糸として使用される方が、スパン糸で使用される場合よりも繊維脱落が少なくなるので好ましい。
本発明において、パイル構造はループパイルであることが重要である。すなわち、かかるループパイルを超極細合成繊維で構成することにより、非常に密着性に優れた保温補助シートを提供することができる。つまり、一般に衣服は、紡績糸で構成されているものであって、かかる紡績糸の短い毛羽が、いわゆる面ファスナーの雄型シートの機能を発揮し、本発明の保温補助シートのループパイルは、面ファスナーの雌型シートの機能を発揮し、衣服にピッタリ密着してズレない効果を発揮するのである。このループパイルは、へたりにくく、ソフトな風合いを維持する機能をも発揮するものである。これに対して、カットパイルでは、かかるパイル繊維として超極細繊維を用いても、使用中にパイルどうしがもつれたり、ピリングを発生したり、さらにはへたってしまって、品位や性能に支障をきたすこととなるので上に、本発明のような密着性に乏しく、ズレ易く、安定して、保温したい部位を確実に保護することができない。
かかるループパイル編物を形成する手段は、従来から知られている経編み組織または緯編み組織で構成されているものであればいずれでも使用することができる。具体的には、例えば、片面あるいは両面にパイル組織を有する丸編、トリコット編、ラッセル編などのループパイル編物を使用することができる。
超極細合成繊維は、少なくともループパイル糸、もちろん、地糸にも使用されているのが、本発明の効果の上からよい。
かかる超極細合成繊維は、本発明の地糸部分にも使用することによって、前述ミクロスポイトもしくはミクロスポンジ構造が、地組織部分にも形成されることになり、該地組織部分でも良好な吸水、保水性能と併せてソフトな風合いを発揮することになる。すなわち、この場合、パイル糸側でまず水分をとらえて、地組織内の前述ミクロスポイトもしくはミクロスポンジ構造側に、毛細管現象などにより該水分を移動させて、地組織で前述の良好な吸水性能を発揮するメカニズムとなり、とらえた水分を保持することにより、蒸発潜熱をとられることがなく、それだけより効果的な保温効果を奏することができるのである。る。
本発明の保温補助シートにおいては、地組織部分とパイル糸部分の双方に、超極細合成繊維を含む構成にするのがベストモードであって、かくすることにより、それら双方が前述の良好なソフト風合、吸水、保水性能を発揮することになる。この場合、地糸側に水分がより移行しやすいように、地糸側の超極細合成繊維を、ループパイル糸の超極細合成繊維よりも細く構成してもよく、このような特異な組合せ構成とすると、地糸側の方で構成されるミクロスポイトもしくはミクロスポンジ構造の方が空隙がより細かくなり、かくすることにより、毛細管現象によって、ループパイル糸側の水分が、地糸側に非常に移行されやすい構造を形成することができるものである。
また、本発明の保温補助シートにおいては、該超極細合成繊維の他に、適宜の他繊維も混合使用されていてもよく、その混合使用の態様は、混繊や交編あるいは交織の態様のいずれでもよい。該他繊維としては、木綿などの天然繊維を用いることなどもできる。例えば、ループパイル糸に超極細合成繊維を用いて、地組織には木綿を用いる組合せ、あるいはこの逆の組合せなどの構成にしてもよい。
本発明において、ループパイル長およびループパイル糸を構成する繊維構成本数は、良好な密着性、吸水、保水性能あるいはソフト風合などの性能を得ることを左右する上で重要な要素である。
すなわち、ループパイル長や構成糸本数が不適正であると、特に面ファスナー効果、つまり密着性効果が弱くなってしまう。さらには、微細な前述網目構造が効果的に形成されず、良好な毛細管現象が得られにくくなって、保温性、吸水、保水効果が弱くなることがあり望ましくない。
このような点から、ループパイル長は、ベース部から0.3〜10mmであることが重要であり、より好ましくは2mm〜6mmである。ここでいうループパイル長は被測定ループパイルをピンセットで引っ張ってベース部からの長さを測定したものである。また、ループパイル構成本数においては、該ループパイル糸1本当りの構成繊維本数で表示したものであるが、この本数は、多い方が好ましく、280本以上であることがより好ましい。
なお、本発明においてループパイル長さとは、ループパイルを真直ぐに立たせたときの長さ(高さ)で表わすものである。
本発明の保温補助シートは、極細繊維をループパイル糸として用いた場合、ループパイル糸が三次元構造でシート表面を覆い、しかもパイル間及びパイルを構成する繊維−繊維間で極く微細な孔を無限に構成するものとなり、前述ミクロスポイト構造もしくはミクロスポンジ構造を構成するものとなる。
これらのループパイルは、横方向から見るとあたかも綿菓子状、平面方向から見るとあたかも微細で立体的なクモの巣状、または緻密な網の目状を呈するものである。
したがって、このような微細で無限大の空孔に水分や空気が吸い込まれることにより、良好な保温性、吸水、保水性、及びソフト風合を示すこととなる。さらに、このようにいったんとじ込められた水分は、再び放出しないように極細の繊維−繊維間の内部へ順次引き込んでしまうので、水分の保持能力などにも優れるという特徴も発揮されるものである。
極細繊維を地糸に用いた場合には、地組織部分に前述したミクロスポイト構造もしくはミクロスポンジ構造が構成されることになる。
また、極細繊維に捲縮糸、あるいは適度な撚数を付与されている実撚糸を用いることは、空隙効果あるいは適度の集束性を付与し、水の毛細管現象を高めるので好ましい。
該捲縮糸としては、仮撚加工糸、エアー交絡糸などの顕在捲縮糸や、熱収縮率の異なる2種以上の繊維成分からなる複合繊維に熱処理を加えることにより糸長差を付与して捲縮を発現させる潜在捲縮糸などを使用することができる。
また、実撚糸は、イタリー撚糸機などの加工機で得られる撚数1〜500t/mの範囲内程度の実撚糸を良好に使用することができる。このような実撚糸を用いる場合、撚数が500t/mよりも多いものを用いると、概して繊維の収束性が過度となりミクロスポイトもしくはミクロスポンジ構造の形成性からは好ましくない方向となる。好ましい実撚数は、極細繊維束のトータル繊度にも左右されるが、10〜300t/mであり、より好ましくは10〜200t/mである。
良好に作られた本発明の保温補助シートは、後述する吸水性の試験(JIS−L1018 B法)において、概して80mm以上とか、さらに100mm以上とかの非常に高度な吸水性能を示すものである。ちなみに、従来の通常の膝掛けや肩掛けは、せいぜい70mm程度までのものである。
超極細合成繊維と木綿とを混合または交編織して布帛を製造することも、性能をより効果的に付与できることから好ましいものである。
例えば、極細繊維をパイル糸として用い、ベース部に綿糸を用いた場合、極細ループパイル糸により形成されるミクロスポイト構造により、高吸水性が得られ、しかもベース部を形成する綿糸により、水分の保持能がさらに助長されることにより、保水量が増し、より吸水性能を高めることができる。
超極細繊維には、多成分系繊維を用い製編織した後、該繊維の1成分を除去および/または分離することにより、超極細繊維となすのが空隙が有効に得られるので好ましい。
1成分の除去法は、溶剤処理による方法、弱アルカリ溶液による方法、酸処理とアルカリ処理を併用する方法、さらには熱水処理による方法などがある。これらは、多成分系繊維を形成するポリマーの種類により適宜の方法を選択して用いればよい。
特に、単なる熱水(温度60〜120℃、pH4〜7)のみによる処理方法は、木綿との混合、交編織物の場合の処理法として好ましいものである。すなわち、木綿に実質的に何ら害を及ぼさずに、1成分を除去し超極細化できるからである。
該ポリマーとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリマーなどがある。
また、2成分以上からなる剥離型の分割繊維を使用して分離することにより0.7デニール以下の超極細繊維となすには、例えば各種公知の方法が使用でき、例えば具体的にはベンジルアルコールを用いて分離処理する方法などが一般的な方法である。
超極細化処理は、多成分系繊維をパイル糸および/または地糸として用い製編織後、熱処理と同時または熱処理後、適宜の手段を用いて行うのが、取り扱い性、工程通過性、ミクロスポイトもしくはミクロスポンジ構造の形成性から好ましいものである。なお、ここで言う熱処理とは、生機セット、中間セットなど100℃以上の乾熱処理あるいは蒸熱処理、あるいは湯洗い、精練など60℃以上の熱水処理のことであり、潜在捲縮糸を用いた場合は、捲縮を発現させるための乾熱、蒸熱あるいは熱水処理などを言うものである。
このように、本願発明の保温補助シートは、超極細ループパイルにより形成されるミクロスポイトもしくはミクロスポンジ構造により、良好な吸水性能を有する一方、良好な密着性あるいはソフト風合にも優れた特性を発揮するものである。
本発明の保温補助シートは、製編の前後において、親水加工、吸水処理、抗菌、防臭、衛生処理などがそれぞれ単独でまたは組合わされて行なわれることも好ましい。
さらに、パイル糸および/または地糸に親水基を導入した共重合繊維を用いたり、あるいは後加工による親水性を付与された繊維などを用いて製編することも好ましい。
本発明の保温補助シートは、JIS L−1018に基づいて測定した1.5kg定荷重下での伸長率が、ウェール方向、コース方向が共に好ましくは5〜30%、より好ましくは10〜20%の範囲の伸縮性を有するものが、密着性を確保する上から好ましい。すなわち、保温補助シートは、腰や肩などの身に付けて使用するものであるから、身体の動きに追従して伸縮することにより、ループパイルによる面ファスナーによる密着効果をより確実に確保することができるものである。伸縮性が5%未満であると、密着性が確保しにくく落下し易く、伸縮性が30%を超えると、身体の動きに制約がかからないのでよいが、逆に保温性や吸水性が低下して好ましくない。
本発明の保温補助シートは、単位体積当たりの重量を測定した見掛け密度の逆数でみたときの嵩高性が好ましくは8〜20cm3 /g、より好ましくは10〜15cm3 /gであるのが、保温性を確保する上から好ましい。すなわち、保温補助シートは、腰や肩などの身体の特定箇所を保温するために使用するものであるから、体温を確実に保持することが重要であり、それを確保するために、適度の嵩高性が要求されるものである。嵩高性が8cm3 /g未満であると、保温性が確保しにくくく、嵩高性が20cm3 /gを超えると、モコモコして身体を動かしにくくなるので好ましくない。
本発明の保温補助シートは、ズレにくく落ちにくいので、腰や肩などの身体の特定箇所を保温するために使用する、つまり、膝掛けや肩掛けとして、特に好ましく使用されるものである。しかし、身体の特定箇所を保温するのみならず、これを毛布として使用することもできる。つまり、本発明の保温補助シートを毛布替わりに使用すると、寝間着、パジャマやネグリジェなどに密着してズレないので、寝冷えや風邪にかかりにくく、特に乳幼児の掛布としては絶好のものである。
以下に本発明を実施例にて説明するが、これらの実施例によって本発明が制約あるいは限定されるものではない。
なお、実施例中の吸水性、洗髪後の髪の毛の水分の拭き取り性、風合の測定は、次の方法によった。
吸水性:JIS L−1018 B法(バイレック法)に基づいて測定した。
密着性:5名のパネラーによるモニターテストにより判定した。
風合:5名のパネラーによる触感判定した。
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
伸縮性:JIS L−1018に基づいて測定した。但し1.5kg定荷重下での伸長率で表示した。
○:良好
×:不良
伸縮性:JIS L−1018に基づいて測定した。但し1.5kg定荷重下での伸長率で表示した。
嵩高性:単位体積当たりの重量を測定して、見掛け密度を算出し、その逆数で表示した。
実施例1、比較例1
ループパイル糸として、82.5デシテックス、96フィラメントのマルチフィラメント糸が2本合糸されたポリエチレンテレフタレート糸を用い、一方、地糸として、137.5デシテックス、20フィラメントで、島成分本数が36本、島/海比率(重量比)が78/22(海成分溶出後の島単糸繊度は0.143デシテックス)で、島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリスチレンからなる仮撚加工糸を用い、両面パイル丸編機にて両面ループパイル編物を製編した。
ループパイル糸として、82.5デシテックス、96フィラメントのマルチフィラメント糸が2本合糸されたポリエチレンテレフタレート糸を用い、一方、地糸として、137.5デシテックス、20フィラメントで、島成分本数が36本、島/海比率(重量比)が78/22(海成分溶出後の島単糸繊度は0.143デシテックス)で、島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリスチレンからなる仮撚加工糸を用い、両面パイル丸編機にて両面ループパイル編物を製編した。
該編物を80℃で20分間液流染色機中で熱処理を施した後、脱水乾燥を行なった。
次に、トリクロルエチレン液中でもみ処理を行ないながら液を交換しつつ、地糸の極細化処理を行ない、タンブル乾燥機でもみながら乾燥した。
こうして、ループパイル長が1.2mm、地糸1本当りの該超極細繊維の本数が720本からなるループパイル編物からなる保温補助シートを得た。
なお、地糸に用いた0.143デシテックスの超極細繊維の含有率は、編物全重量に対して32重量%であった。
この保温補助シートの伸縮率は、タテ15%、ヨコ20%で、嵩高性は、12.5cm3 /gで、吸水性は、バイレック法で115mmであった。
また、比較例1として、超極細繊維からなるパイル糸の代わりに、従来、膝掛けに多用される30s/1の綿糸を用い同様な織設計で製織したカットパイル織物からなる膝掛けを準備した。
このものの表面は、カットパイルであり、密着性やソフト風合(×)に劣り、さらにへたり癖のある品位の悪いものであった。この比較例の保温補助シートの伸縮率は、織物であり、タテ、ヨコ共にほぼ0%で、嵩高性は、5.5cm3 /gで、吸水性は、バイレック法で65mmであった。
これらの保温補助シートを膝掛けに用い、女性5名を選んで、モニターテストを実施した。また、密着性の測定も行った。
その結果、比較例1の膝掛けに比べ、実施例1のものは、非常にソフトな風合(◎)と密着性に優れ、保温性、吸水、保水効果に優れているものであった。
Claims (10)
- ループパイル糸構造を有する編地であり、該ループパイル長がベース部から0.3〜10mmであり、かつ、ループパイル糸および/または地糸中に0.7〜0.00001デシテックスの超極細合成繊維を少なくとも該編地全重量に対し5重量%以上含んで構成されていることを特徴とする保温補助シート。
- 該ループパイル糸および/または地糸1本当りの該超極細合成繊維の構成繊維本数が280本以上であることを特徴とする請求項1に記載の保温補助シート。
- 該超極細合成繊維が捲縮を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の保温補助シート。
- 該ループパイル糸および/または地糸が、1〜500t/mの実撚糸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保温補助シート。
- 該ループパイル糸および/または地糸が、該超極細合成繊維に木綿繊維が混繊された混繊糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保温補助シート。
- 該編地の地糸側の超極細合成繊維が、ループパイル糸側の超極細合成繊維よりも細い単繊維で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保温補助シート。
- 該編地が、経編み組織または緯編み組織で構成されているものである請求項1〜6のいずれかに記載の保温補助シート。
- 該編地が、JIS L−1018に基づいて測定した1.5kg定荷重下での伸長率が、ウェール方向、コース方向が共に5〜30%の範囲内にあるものである請求項1〜7のいずれかに記載の保温補助シート。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の保温補助シートで構成されていることを特徴とする膝掛け。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の保温補助シートで構成されていることを特徴とする肩掛け。
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