JP2005148656A - レンズ、光ピックアップ、及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プラスチック射出成形によってレンズ本体部100とフランジ部110とを一体に成形される非点収差補正用のレンズにおいて、フランジ部110の側面に光軸方向に突出した突起部120を形成し、この突起部120によって樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部100の非軸対称性を得る。突起部120は、例えばレンズを保護するためのレンズプロテクタを兼用する構造を有し、例えば非点収差を光軸回り方向に90°補正する突起部として、レンズの光軸を挟んで両側に対称形の円弧状に形成されている。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、プラスチック製レンズで光学面自体を非軸対称に加工するには、射出成形用の金型の光学面形成領域の形状を高精度に非軸対称形状に加工するには高度な加工技術が必要となり、種々の困難が伴うことになる。例えば、加工対象である金型を回転させながら、レンズの半径方向に加工する際に、1回転に2周期の速度で工具を変位させる必要があるため、特殊な加工機が必要となる。また、仮に特殊な加工機を実現できたとしても、型加工プロセスの問題点として、切削加工で工具を回転させない場合に、工具を変位させる追従性に限界があるため、金型の高速回転が困難となり、相対速度の低下によって面粗度が低下し、良好な光学面が得られないといった問題が生じる。また、切削加工で工具を回転させる場合に、継続加工となり、工具自体の摩耗や破壊が発生しやすく、量産性に欠ける問題がある。
また、研削加工の場合には、切削加工と異なり、金型と工具の相対速度はコントロール可能であるが、工具自体の摩耗を考えると量産性に欠ける問題がある。
すなわち、この特許文献1(以下、従来例という)においては、フランジ部の対称位置に小径部を形成することにより、非軸対称性を有するレンズを形成し、非点収差を生じるような構成となっている。
一方、レンズの光軸方向については、焦点距離等の条件に基づいて隣接する光学素子に対して所定の間隔を設ける必要があるため、フランジ部の光軸方向の空間は十分なスペースを有することが一般的であるが、上記従来例のレンズでは、この光軸方向のスペースが行かされていないという課題がある。
そこで本発明は、フランジ部を外側に広げることなく、光軸方向のスペースを有効利用したコンパクトな形状で、十分な非軸対称性による有効な非点収差補正を行なうことができるレンズ、並びに、このレンズを光学系に搭載した光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することを目的とする。
また、本発明の光ピックアップは、光軸方向に対光記録媒体にレーザ光を照射し、その戻り光を検出することにより、前記光記録媒体に対する情報の記録または再生を行なう光学系内に光の非点収差補正を行なうレンズを有し、前記レンズは、光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って不均一な断面形状を有する円環状に形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得ることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、光ディスクにレーザ光を照射し、その戻り光を検出することにより、前記光ディスクに対する情報の記録または再生を行なう光学系内に光の非点収差補正を行なうレンズを有し、前記レンズは、光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って不均一な断面形状を有する円環状に形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得ることを特徴とする。
この突起部は、例えばレンズを保護するためのレンズプロテクタを兼用する構造を有し、例えば非点収差を光軸回り方向に90°補正する突起部として、レンズの光軸を挟んで両側に対称形の円弧状に形成されている。そして、突起部の半径方向の断面積S、この突起部と隣接するレンズ本体部の光学面部分の断面積SS、レンズ外径D(Lens)、レンズ本体部の非球面または球面の有効径Ape(asp)、非球面または球面の中の光学有効径Ape(opt)、非球面または球面の有効径Ape(asp)から突起部の内周縁部までの間隔d1、1つの突起部が形成されている領域の角度α、2つの突起部の間欠領域の角度β、突起部の体積Vが下記の式1で表される関係を満たすように形成される。
また、図3は図1に示すレンズの寸法条件を示す説明図であり、図4はレンズの寸法条件と非点収差補正効果との相関関係を示す説明図である。
さらに、図5は図1に示すレンズによる非点収差補正光の波面の変化を示す説明図である。
突起部120は、レンズ本体部の外周に沿って所定の間隔おきに間欠的な円弧状に形成され、光軸を挟んで対称形に設けられている。このような突起部120を設けることにより、樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得るようになっている。すなわち、レンズ本体部100の光学面において、突起部120を設けた部分と、設けていない部分とで、溶融樹脂の流れに差異が生じ、収縮、硬化後の曲面が微妙に変化することになり、非軸対称形状によって非点収差の補正作用を得ることができる。
なお、図1に示す例では、フランジ部110の片方の面だけに突起部120を設けているが、両面に設けてもよいし、さらに、他のレンズプロテクタが設けられていてもよいものとする。
また、図1の例では、レンズ本体部100の両側の光学面100A、100Bが凸レンズである例を示しているが、凹レンズの場合であっても同様に適用し得るものである。
なお、本例のように光軸に対称形状で一対の突起部を設けた場合には、光軸回りに90°回転方向の非点収差を発生させる作用を得ることができ、例えば、図5に示すように、90°回転方向の非点収差を有する入射光200を本実施例のレンズ210を透すことにより、非点収差のない出射光(補正光)220を得ることが可能となる。
なお、本例では、一対の突起部によって光軸回りに90°回転方向の非点収差を発生させる作用を得る場合について説明しているが、例えば45°回転方向の非点収差を発生させる作用を得る場合には、例えば4つの突起部を設けることで可能となり、突起部の具体的形状については、必要に応じて適宜に採用できるものとする。
また、本実施例では、互いに分離した複数の突起部をフランジ部に設けた例を示しているが、例えば円環状の突起部で、部分的に高さを変えたり、厚みを変えるといった不均一な断面形状を設けることで、本実施例の突起部と同様の作用効果を得ることができるものである。
図6は本実施例の光ディスク装置の構成例を示すブロック図である。
図示のように、この光ディスク装置は、光ディスク300を回転駆動するスピンドルモータ310と、光ディスク300に対して信号の記録や再生を行なう光ピックアップ320と、スピンドルモータ310や光ピックアップ320の駆動制御を行なうサーボ制御部330と、記録信号や再生信号、並びに各種サーボ制御用信号の処理を行なう信号処理部340と、本光ディスク装置のシステム全体の制御を行なうシステム制御部350とを有する。
このような構成の光ディスク装置において、例えば光ピックアップの対物レンズやコリメータレンズ等で必要となる非点収差補正を上述した図1〜図3に示すレンズを用いて補正することにより、適正な信号の再生や記録を行なうことが可能となる。
Claims (14)
- 光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、
前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って所定の間隔おきに間欠的に複数形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得る、
ことを特徴とするレンズ。 - 前記突起部はレンズ本体の両側に一対、互いに軸対称形状で設けられていることを特徴とする請求項1記載のレンズ。
- 前記突起部はレンズ本体の保護を行なうレンズプロテクタの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項1記載のレンズ。
- 光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、
前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って不均一な断面形状を有する円環状に形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得る、
ことを特徴とするレンズ。 - 前記突起部はレンズ本体の保護を行なうレンズプロテクタの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項1記載のレンズ。
- 光記録媒体にレーザ光を照射し、その戻り光を検出することにより、前記光記録媒体に対する情報の記録または再生を行なう光学系内に光の非点収差補正を行なうレンズを有し、
前記レンズは、光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、
前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って所定の間隔おきに間欠的に複数形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得る、
ことを特徴とする光ピックアップ。 - 前記突起部はレンズ本体の保護を行なうレンズプロテクタの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ。
- 光軸方向に対光記録媒体にレーザ光を照射し、その戻り光を検出することにより、前記光記録媒体に対する情報の記録または再生を行なう光学系内に光の非点収差補正を行なうレンズを有し、
前記レンズは、光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、
前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って不均一な断面形状を有する円環状に形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得る、
ことを特徴とする光ピックアップ。 - 前記突起部はレンズ本体の保護を行なうレンズプロテクタの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項9記載の光ピックアップ。
- 光ディスクにレーザ光を照射し、その戻り光を検出することにより、前記光ディスクに対する情報の記録または再生を行なう光学系内に光の非点収差補正を行なうレンズを有し、
前記レンズは、光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、
前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って所定の間隔おきに間欠的に複数形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得る、
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記突起部はレンズ本体の保護を行なうレンズプロテクタの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項11記載の光ディスク装置。
- 光ディスクにレーザ光を照射し、その戻り光を検出することにより、前記光ディスクに対する情報の記録または再生を行なう光学系内に光の非点収差補正を行なうレンズを有し、
前記レンズは、光軸方向に対して両側面に光学面を有するレンズ本体部と、前記レンズ本体部の外周に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部の少なくとも光軸方向の一方の側面に光軸方向に突出して形成された突起部とが樹脂成形によって一体形成され、
前記突起部はレンズ本体部の外周に沿って不均一な断面形状を有する円環状に形成され、前記樹脂成形時に成形型内における樹脂収縮の挙動を制御してレンズ本体部の非軸対称性を得る、
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記突起部はレンズ本体の保護を行なうレンズプロテクタの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項13記載の光ディスク装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003389834A JP2005148656A (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | レンズ、光ピックアップ、及び光ディスク装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003389834A JP2005148656A (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | レンズ、光ピックアップ、及び光ディスク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005148656A true JP2005148656A (ja) | 2005-06-09 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003389834A Pending JP2005148656A (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | レンズ、光ピックアップ、及び光ディスク装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011159334A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Ricoh Co Ltd | 光学素子、およびそれを用いた光ピックアップ用レンズアクチュエータ、光ピックアップ、光ディスクドライブ装置 |
JP2020021064A (ja) * | 2018-08-04 | 2020-02-06 | エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド | 光学レンズおよび光学レンズユニット |
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2003
- 2003-11-19 JP JP2003389834A patent/JP2005148656A/ja active Pending
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