JP2005148009A - 超音波探傷装置、超音波探傷方法、超音波探傷用データベースの生成方法 - Google Patents

超音波探傷装置、超音波探傷方法、超音波探傷用データベースの生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ステンレスの溶接部等においても、精度のよい超音波探傷を行うことのできる超音波探傷装置、超音波探傷方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 事前に、検査対象箇所300に対応した位置に形成した人工欠陥200に向けて超音波ビームBを発し、その反射波Rに基づいて遅延時間の差を設定した駆動用電気信号S3を用意する。そして、実際に検査を行う際にはその駆動用電気信号S3でプローブ12から超音波ビームBを発することで、検査対象箇所300に超音波ビームBを確実に当てて超音波探傷を行うようにした。このとき、人工欠陥200は、超音波ビームBが確実に反射する大きさとし、検査対象物100が、超音波ビームBが散乱、屈折しやすいステンレスの溶接部101であっても、反射波Rを確実に捉え、駆動用電気信号S3を生成できるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波探傷、特にステンレスの溶接部等を対象として行う超音波探傷に用いて好適な超音波探傷装置、超音波探傷方法等に関する。
近年、金属の溶接部分等を対象として、内部の亀裂等の欠陥を非破壊で検査するため、超音波探傷法が用いられている。
このような超音波探傷法としては、フェイズドアレイ法がある。これは、図8(a)に示すように、複数の振動子1を独立に制御し、個々の振動子1を振動させるタイミングをずらすことによって、個々の振動子1から発する波が合成することで生成される合成波を、集束させたりその方向を制御するものである。このような方法によって超音波の合成波を検査対象物100の任意の検査対象箇所に当て、亀裂等の欠陥が生じているか否かを検査するのである(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
しかし、このように超音波を集束させても、検査対象物100の粒子の異方性によって、合成波の進行方向が曲がり、検査対象箇所からの反射波を受けることができず、いわゆるSN比が低い状態となって、欠陥の検査も行えないことがある。
このような点に関して有効な解決策として、事前に超音波を検査対象物100に向けて発し、その反射波が戻ってくるまでの時間を観測し、実際に検査を行うときには、戻ってきた反射波を反転させた信号を送信することで、検査対象箇所に到達させる方法がある(例えば、特許文献3参照。)。
特開2001−305115号公報 特開2001−343370号公報 特開平6−341978号公報
しかしながら、検査対象物100が、ステンレスの溶接部101や鋳造体である場合、図8(b)に示すように、結晶粒が大きいため、超音波が検査対象箇所に至る前に、結晶粒の境界で反射による散乱や屈折が生じ、その反射波自体を得ることができないため、検査を行うことができないという問題がある。
これは、事前に反射波を観測する特許文献3に記載の方法でも、上記と同様の理由から反射波そのものを得ることができないため、時間の観測すらできず、解決できない問題である。
また、この特許文献3に記載の方法は、理論のみであり、反転信号を生成できるだけの感度の反射波を実際に得るのが困難である等の理由により、実用化されてはいない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、ステンレスの溶接部等においても、精度のよい超音波探傷を行うことのできる超音波探傷装置、超音波探傷方法等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、テストピースに形成された既知の人工欠陥に対し超音波ビームを発し、人工欠陥からの反射波または回折波に基づき、特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を予め生成し、この情報に基づいた駆動用電気信号によって、実際の検査対象物の検査対象箇所に超音波ビームを当てるものである。
さて、本発明の超音波探傷装置は、電気信号に基づいて超音波ビームを発するプローブと、テストピース中の特定の位置に形成された既知の人工欠陥に対しプローブで超音波ビームを発することで得られる反射波または回折波に基づき、テストピース中の特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成する情報生成部と、生成された情報を格納する情報格納部と、情報格納部に格納された情報に基づき、プローブに駆動用電気信号を送信し、プローブから検査対象物中の特定の位置にて集束する超音波ビームを発生させる信号送信部と、超音波ビームの特定の位置における反射波または回折波に基づき、特定の位置の探傷解析を行う探傷解析部と、を備えることを特徴とする。
このように、テストピースに形成された既知の人工欠陥に対し超音波ビームを発するに際し、人工欠陥が超音波ビームを確実に反射あるいは回折するような大きさとしておくことで、人工欠陥からの反射波または回折波を確実に得て、特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号の情報を生成することができる。
このとき、人工欠陥の数は、一つのみでもよいが複数とすることもできる。その場合、情報生成部は、既知の複数の人工欠陥に対し超音波ビームを発することで得られる反射波または回折波に基づき、複数の特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成する。
また、プローブは、複数の振動子を備え、信号送信部で発生した駆動用電気信号に基づいたそれぞれタイミングで複数の振動子が振動することで、超音波ビームを発するものとすることができる。このようなプローブは、複数振動子を所定の方向に沿って一列に配列したものとすることもできるし、複数行×複数列のマトリックス状に配置したものとすることもできる。
さらに、この超音波探傷装置は、プローブ側で発した超音波ビームの特定の位置における回折波を受信する受信プローブをさらに備えることもできる。つまり、プローブと受信プローブにより、TOFD(Time of Flight Diffraction)配置の超音波探傷装置を実現できる。この場合、情報生成部および探傷解析部は、受信プローブで受信した回折波を用いることになる。
本発明は、テストピースに形成された既知の人工欠陥に対しプローブで超音波ビームを発する工程と、人工欠陥からの反射波または回折波を受信する工程と、受信した反射波または回折波に基づき、特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成し、データベースに格納する工程と、を備えることを特徴とする超音波探傷用データベースの生成方法として捉えることもできる。
そして、本発明の超音波探傷方法は、このようにして生成された情報に基づく駆動用電気信号を用いることができる。すなわち、前記の駆動用電気信号をプローブに送信してプローブから超音波ビームを発生させ、検査対象物の特定の位置に集束させ、その特定の位置における反射波または回折波を受信し、これに基づき、特定の位置の探傷解析を行うことができる。
また、プローブから超音波ビームを発生させ、検査対象物の特定の位置に集束させる工程では、異なる角度から超音波ビームを複数回発生させ、特定の位置の探傷解析を行う工程では、異なる角度から複数回発生させた超音波ビームの反射波または回折波のそれぞれに基づいて探傷解析結果を得て、これら探傷解析結果を重ね合わせることもできる。
また、本発明は、人工欠陥を有するテストピースを用いることなく、数値解析によってデータベースを構築することもできる。すなわち本発明は、コンピュータ装置によって実行される超音波探傷用データベースの生成方法であって、検査対象物に対応した解析モデルを作成するステップと、作成された解析モデルを用い、検査対象物の検査対象箇所に対応した位置から、検査対象物に超音波探傷用のプローブをセットする位置まで超音波が到達する時間を数値解析により算出するステップと、算出された時間に基づき、プローブから発する超音波ビームを検査対象箇所に集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成し、データベースに格納するステップと、を備えることを特徴とする。
さらに本発明は、プローブから検査対象物に対し第一の角度で超音波ビームを発生させて検査対象物の検査対象箇所に集束させ、超音波ビームの検査対象箇所における第一の反射波または回折波を受信する工程と、プローブから検査対象物に対し第二の角度で超音波ビームを発生させて検査対象物の検査対象箇所に集束させ、超音波ビームの検査対象箇所における第二の反射波または回折波を受信する工程と、受信した第一および第二の反射波または回折波のそれぞれについて検査対象箇所の探傷解析を行う工程と、第一および第二の反射波または回折波に基づく探傷解析結果を重ね合わせる工程と、を備えることを特徴とすることもできる。
本発明によれば、テストピースに人工欠陥を設けておくことで、検査対象物が、超音波が散乱、屈折しやすいステンレスの溶接部等であっても、駆動用電気信号を確実に生成することができる。
また、このような駆動用電気信号を数値解析に基づいて生成することもできる。
そして、実際に検査を行う際にはその駆動用電気信号によって超音波ビームを発することで、検査対象箇所に超音波ビームを確実に当て、精度のよい超音波探傷を行うことが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本実施の形態における超音波探傷装置の構成を説明するための図である。
この図1に示すように、超音波探傷装置10は、複数の振動子11を備えたプローブ12と、このプローブ12の制御部20とを備える。
本実施の形態において、振動子11は、所定の方向に沿って一列に配置されている。各振動子11は、圧電素子からなり、電気信号に応じた振動を発するとともに、外部から受けた振動に応じた電気信号を発する。
制御部20は、プローブ12の各振動子11を振動させるための電気信号を送信する信号送信部21と、プローブ12で検出される振動に応じた電気信号を受信する反射信号受信部22と、受信した電気信号を解析する解析部(情報生成部、探傷解析部)23と、信号送信部21で送信する電気信号の遅延時間等が格納されたデータベース(情報格納部)24と、を備えている。
さて、このような超音波探傷装置10では、データベース24に、以下のようにして得られるデータを格納する。
すなわち、図2(a)に示すように、実際に超音波探傷等を行うに先立ち、テストピースとして、データ収集用の検査対象物100の溶接部101に、予め、超音波ビームの反射波が確実に得られるだけの大きさ、例えば数mmの穴を形成し、これを人工欠陥200とする。この人工欠陥200は、実際に検査を行う検査対象箇所に対応した位置に形成する。
そして、このような人工欠陥200を有した検査対象物100に対し、プローブ12を所定の位置にセットした後、各振動子11から発する超音波の合成波である超音波ビームが人工欠陥200の位置に集束するよう、信号送信部21から電気信号S1を送信する。
この電気信号S1を各振動子11が受けると、その電気信号S1の波形に応じたタイミングで振動子11が振動して、超音波を発する。このとき、各振動子11には、超音波が人工欠陥200の位置に到達するよう、振動を発生させるタイミング(遅延時間)が異なった波形を有した電気信号S1が信号送信部21から送信されるので、各振動子11から発した超音波により、人工欠陥200に向けた超音波ビームが形成される。
この超音波ビームは、通常の検査対象物100の溶接部101に存在する欠陥に比較して遥かに大きい人工欠陥200で反射し、反射波Rが生じる。
その反射波Rがプローブ12の各振動子11に到達すると、各振動子11では、到達した反射波Rに応じた電気信号S2を発する。この電気信号S2は、制御部20の反射信号受信部22にて受信される。
受信した電気信号S2に基づき、解析部23にて、各振動子11のそれぞれに対応した反射波Rの電気信号S2を反転(時間的に反転)させた電気信号(以下、駆動用電気信号と称する)S3が生成される。ここで、反射波Rは、人工欠陥200から各振動子11に戻る際の経路、つまり溶接部101の結晶粒による曲がり等の影響を受けた経路を通っている。つまり、各振動子11で受信する電気信号S2は、経路の違いによる時間差を含んでいるため、この電気信号S2を反転させることによって、個々の振動子11に対する駆動用電気信号S3において、振動を発生させるタイミング(遅延時間)を設定するのである。
生成された個々の振動子11に対する駆動用電気信号S3のデータ(駆動用電気信号に関する情報)は、設定された駆動用電気信号S3の遅延時間の情報を含み、人工欠陥200の位置を示す情報に関連付けられてデータベース24に格納される。
上記のようなデータをデータベース24に格納した超音波探傷装置10で、実際に(データ収集用ではない)検査対象物100を検査する際には、図2(b)に示すように、プローブ12を所定の位置にセットする。
そして、事前にデータベース24に格納されたデータに基づき、信号送信部21から、駆動用電気信号S3をプローブ12の個々の振動子11に送信する。するとプローブ12の各振動子11は駆動用電気信号S3の波形(遅延時間)に応じたタイミングで超音波を発する。
駆動用電気信号S3によって設定される各振動子11の振動発生タイミングは異なっており、個々の振動子11から発する超音波の合成波として、超音波ビームBが形成される。このとき、駆動用電気信号S3は、溶接部101の結晶粒による曲がり等の影響を受けて人工欠陥200から各振動子11に至る経路を通る反射波Rの電気信号S2を反転させたものであるので、振動子11から発した超音波は、反射波Rの経路を逆行する形で伝搬し、その合成波である超音波ビームBは、検査対象物100の溶接部101において、データ収集用の検査対象物100における人工欠陥200に対応した位置にある検査対象箇所(特定の位置)300に集束する。
集束した超音波ビームBは、検査対象箇所300の傷の有無、状況等に応じて反射し、その反射波Rは、プローブ12の各振動子11に伝わる。各振動子11では、到達した反射波Rに応じた電気信号を発し、これは制御部20の反射信号受信部22にて受信される。
受信した電気信号に基づき、解析部23にて、各振動子11のそれぞれに対応した反射波Rを解析し、傷の有無、傷がある場合にはその大きさ等の情報を生成し、これを適宜出力手段で外部に出力する。
このようにして、要は、特許文献3のように、事前に人工欠陥200に向けて超音波ビームBを発し、その反射波Rに基づいて遅延時間の差を設定した駆動用電気信号S3を用意しておく。そして、実際に検査を行う際にはその駆動用電気信号S3でプローブ12から超音波ビームBを発することで、超音波ビームBの進行方向が検査対象物100の溶接部101の異方性の影響を受ける場合であっても、検査対象箇所300に超音波ビームBを確実に当てることができる。
しかも、駆動用電気信号S3を得るために事前に超音波ビームBを人工欠陥200に当てるに際しては、人工欠陥200を、超音波ビームBが確実に反射する大きさとしておくことで、超音波ビームBが散乱、屈折しやすいステンレスの溶接部101であっても、反射波Rを確実に捉え、駆動用電気信号S3を生成することができるのである。
図3は、上記実施の形態の応用例を示すものである。
上記実施の形態では、人工欠陥200を一箇所に設けた例を挙げたが、図3(a)の例では、溶接部101の全体をカバーするように複数の人工欠陥200を配し、それぞれの人工欠陥200に対し、上記と同様にして事前に超音波ビームBを当て、その反射波Rに基づいて駆動用電気信号S3を生成し、データベース24に格納しておく。
そして、図3(b)に示すように、実際に検査を行う際には、生成された駆動用電気信号S3を用い、複数の人工欠陥200に対応した複数の検査対象箇所300に対して超音波ビームBを順次当てることでスキャンしていき、それぞれの検査対象箇所300における反射波Rから、探傷を行うのである。
このような構成により、溶接部101のほぼ全域の探傷検査を行うことができ、欠陥の検出性能を向上させることができる。
図4は、上記実施の形態の他の応用例である。
上記実施の形態では、プローブ12の振動子11を一列に直線状に配した構成としたが、図4の例では、プローブ12の振動子11を、マトリックス状、つまり互いに直交する方向にm×n列配置するのである。
そして、これらm×n列の振動子11から発する超音波ビームBを一点に集束させ、上記実施の形態と同様、人工欠陥200を用いて得た駆動用電気信号S3によって超音波ビームBを発生させ、超音波探傷を行うことができる。
このような構成とすることで、超音波ビームBの集束性(エネルギー集中度)が高まり、SN比が向上し、欠陥の検出性能を一層高めることができる。
〔第二の実施の形態〕
次に、本発明に係る第二の実施の形態を示す。
図5に示すように、本実施の形態においては、二個一対のプローブ12A、12Bを、送信側と受信側に分け、溶接部101の両側に対向配置させる。このような配置を、TOFD配置と称する。
ここで、制御部20の構成については、上記第一の実施の形態で送信・受信を兼ねていたプローブ12が、本実施の形態では送信側・受信側のプローブ12A、12Bに分かれただけなので、実質的に同じ機能を有する。
このような構成の超音波探傷装置10は、基本的には、 特開2001−228126号公報に開示した技術と同様の構成を有している。すなわち、送信側のプローブ12Aから発した超音波ビームBを、検査対象物100の検査対象箇所300に集束させ、そこで反射ではなく回折した回折波Hを受信側のプローブ(受信プローブ)12Bで受信する。
そして、上記第一の実施の形態と同様、事前に、データ収集用の検査対象物100に、複数の人工欠陥200(図3(a)参照)を設け、その人工欠陥200に、送信側のプローブ12Aから発した超音波ビームBを集束させ、その回折波Hを受信側のプローブ12Bで受信し、これに基づいて駆動用電気信号S3を生成し、そのデータをデータベース24に格納しておく。実際に検査を行う際には、生成された駆動用電気信号S3を用い、人工欠陥200に対応した検査対象箇所300に対し、超音波ビームBを集束させて当て、それぞれの検査対象箇所300における回折波Hから、探傷を行うのである。
このようにして、TOFD配置したプローブ12A、12Bを用いることで、溶接部101の欠陥400の上下端の回折波Hから、欠陥400の深さ(長さ)を検出することができる。しかもそのとき、上記第一の実施の形態と同様にして、事前に検査対象箇所300に向けて超音波ビームBを発するに際し、検査対象物100に人工欠陥200を設けておくことで、超音波ビームBが散乱、屈折しやすいステンレスの溶接部101であっても、反射波Rを確実に捉え、駆動用電気信号S3を生成することができるのである。
〔第三の実施の形態〕
次に、本発明に係る第三の実施の形態を示す。
第三の実施の形態では、一つの検査対象箇所300に対し、角度が異なる複数の方向から超音波ビームBを当て、欠陥400の探傷を行う。
これには、上記第一の実施の形態(図3および図4に示した応用例を含む)において、予め、人工欠陥200に対し、角度が異なる複数の方向から、それぞれ超音波ビームBを当て、その反射波Rに基づいて駆動用電気信号S3を生成し、データベース24に格納しておく。
そして、実際に検査を行う際には、図6(a)および(b)に示すように、生成された駆動用電気信号S3を用い、検査対象箇所300に対し、角度が異なる複数の方向(角度θ1、θ2)から超音波ビームB1、B2を別々に当て、それぞれの方向で検査対象箇所300における反射波R(第一の反射波、第二の反射波)を得る。このとき、解析部23では、それぞれの方向から超音波ビームBを当てて得た反射波Rに基づき、欠陥400がある場合の位置を含む探傷解析結果を生成する。そして、図6(c)に示すように、解析部23にて、異なる超音波ビームBを当てて得た複数の探傷解析結果を互いに重ね合わせることで、欠陥400の位置を示す情報を強調することができる。
このようにして、角度が異なる複数の方向から超音波ビームBを当てたときの、検査対象箇所300における反射波Rから、欠陥400がある場合の位置を含む情報を生成し、これらを重ね合わせることで、欠陥400の位置を示す情報を強調し、信号のSN比を向上させることができる。
このときも、予め、人工欠陥200に対し、角度が異なる複数の方向から、それぞれ超音波ビームBを当て、その反射波Rに基づいて駆動用電気信号S3を生成して、データベース24に格納しておくことで、超音波ビームBが散乱、屈折しやすいステンレスの溶接部101であっても、反射波Rを確実に捉え、駆動用電気信号S3を生成することができるのである。
〔第四の実施の形態〕
次に、本発明に係る第四の実施の形態を示す。
上記第一〜第三の実施の形態では、予め、人工欠陥200に対し超音波ビームBを当て、その反射波Rに基づいて駆動用電気信号S3を生成し、データベース24に格納しておくようにしたが、第四の実施の形態では、人工欠陥200に対し超音波ビームBを当てるのではなく、これを数値解析で求める。
これには、コンピュータ装置において、図7に示すような流れの処理を実行させる。
まず、図7に示すように、検査対象物100に対応し、溶接部101の超音波異方性を含む解析モデルを作成する(ステップS101)。ここで、作成する解析モデルは溶接部101の開先形状、材料音速、異方性等の情報を含んだものとする。また解析モデルのメッシュは、用いる解析手法に対応したものとする。
そして、解析モデル上において、有限要素法、差分法等の数値解析手法により、検査対象物100の検査対象箇所300に対応した点から、点音源を発生させる(ステップS102)。
解析モデル上において、検査対象物100にプローブ12の各振動子11をセットする位置(探傷面)に対応した各点にて、音の到達時間を算出する(ステップS103)。
このようにして音の到達時間を数値解析によるシミュレーションで得た後は、上記第一〜第三の実施の形態とほぼ同様にして、音の到達時間から逆算して、駆動用信号の情報を設定し、これをデータベース24に格納する(ステップS104)。
このようにして、駆動用信号の情報をデータベース24に格納した後、実際に検査を行う際には、生成された駆動用電気信号S3を用い、実際の検査対象物100の検査対象箇所300に対し、超音波ビームBを当て、それぞれの検査対象箇所300における反射波R、回折波Hから、探傷を行うのである。
このような構成により、事前にデータ収集用の検査対象物100を用いた実験を行うことなく、数値解析によりデータベース24を構築することが可能となる。これにより、事前の準備に要する時間を短縮したり、様々な形態の検査対象物100の探傷を容易に行うことが可能となる。また、データ収集用の検査対象物100を準備できないような場合にも、本実施の形態の構成は非常に有効である。
なお、上記第一〜第四の実施の形態で示した構成は、適宜組み合わせることが可能となる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態における超音波探傷装置の構成を示す図である。 第一の実施の形態を示す図であり、(a)は駆動用電気信号を生成するために人工欠陥に超音波ビームを当てている状態、(b)は実際の検査対象箇所に超音波ビームを当てている状態を示す図である。 第一の実施の形態の応用例を示す図であり、(a)は人工欠陥に超音波ビームを当てている状態、(b)は検査対象箇所に超音波ビームを当てている状態を示す図である。 第一の実施の形態の他の応用例を示す図であり、マトリックス状の振動子を有するプローブを用いる場合の例である。 第二の実施の形態を示す図であり、実際の検査対象箇所に超音波ビームを当てている状態を示す図である。 第三の実施の形態を示す図であり、(a)は第一の方向から超音波ビームを当てている状態、(b)は第二の方向から超音波ビームを当てている状態、(c)は(a)と(b)を重ね合わせた状態を示す図である。 駆動用電気信号を数値解析によって求めるための処理の流れを示す図である。 従来の技術を示す図であり、(a)はフェイズドアレイ法により超音波ビームが集束している状態、(b)は超音波ビームが散乱してしまっている状態を示す図である。
符号の説明
10…超音波探傷装置、11…振動子、12、12A…プローブ、12B…プローブ(受信プローブ)、20…制御部、21…信号送信部、22…反射信号受信部、23…解析部(情報生成部、探傷解析部)、24…データベース(情報格納部)、100…検査対象物、101…溶接部、200…人工欠陥、300…検査対象箇所(特定の位置)、400…欠陥、B…超音波ビーム、B1…超音波ビーム、B2…超音波ビーム、H…回折波、R…反射波、S3…駆動用電気信号、θ1…角度(第一の角度)、θ2…角度(第二の角度)

Claims (10)

  1. 電気信号に基づいて超音波ビームを発するプローブと、
    テストピース中の特定の位置に形成された既知の人工欠陥に対し前記プローブで超音波ビームを発することで得られる反射波または回折波に基づき、前記テストピース中の特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成する情報生成部と、
    生成された前記情報を格納する情報格納部と、
    前記情報格納部に格納された前記情報に基づき、前記プローブに前記駆動用電気信号を送信し、前記プローブから検査対象物中の特定の位置にて集束する超音波ビームを発生させる信号送信部と、
    前記超音波ビームの前記特定の位置における反射波または回折波に基づき、前記特定の位置の探傷解析を行う探傷解析部と、
    を備えることを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 前記情報生成部は、既知の複数の前記人工欠陥に対し前記超音波ビームを発することで得られる前記反射波または回折波に基づき、複数の前記特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷装置。
  3. 前記プローブは、複数の振動子を備え、前記信号送信部で発生した前記駆動用電気信号に基づいたそれぞれのタイミングで、前記複数の振動子が振動することで、超音波ビームを発することを特徴とする請求項2に記載の超音波探傷装置。
  4. 前記プローブの前記複数の振動子は、複数行×複数列のマトリックス状に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波探傷装置。
  5. 前記プローブ側で発した前記超音波ビームの前記特定の位置における回折波を受信する受信プローブをさらに備え、
    前記情報生成部および前記探傷解析部は、前記受信プローブで受信した前記回折波を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超音波探傷装置。
  6. テストピースに形成された既知の人工欠陥に対しプローブで超音波ビームを発する工程と、
    前記人工欠陥からの反射波または回折波を受信する工程と、
    受信した前記反射波または回折波に基づき、特定の位置に超音波ビームを集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成し、データベースに格納する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波探傷用データベースの生成方法。
  7. テストピースに形成された既知の人工欠陥に対して超音波ビームを発することによって生成される駆動用電気信号をプローブに送信することにより、前記プローブから超音波ビームを発生させ、検査対象物の特定の位置に集束させる工程と、
    発生させた前記超音波ビームの前記特定の位置における反射波または回折波を受信する工程と、
    受信した前記反射波または回折波に基づき、前記特定の位置の探傷解析を行う工程と、
    を備えることを特徴とする超音波探傷方法。
  8. 前記プローブから超音波ビームを発生させ、検査対象物の特定の位置に集束させる工程では、異なる角度から前記超音波ビームを複数回発生させ、
    前記特定の位置の探傷解析を行う工程では、異なる角度から複数回発生させた前記超音波ビームの前記反射波または回折波のそれぞれに基づく探傷解析結果を重ね合わせることを特徴とする請求項7に記載の超音波探傷方法。
  9. コンピュータ装置によって実行される超音波探傷用データベースの生成方法であって、
    検査対象物に対応した解析モデルを作成するステップと、
    作成された前記解析モデルを用い、前記検査対象物の検査対象箇所に対応した位置から、前記検査対象物に超音波探傷用のプローブをセットする位置まで超音波が到達する時間を数値解析により算出するステップと、
    算出された前記時間に基づき、前記プローブから発する超音波ビームを前記検査対象箇所に集束させるための駆動用電気信号に関する情報を生成し、データベースに格納するステップと、
    を備えることを特徴とする超音波探傷用データベースの生成方法。
  10. プローブから検査対象物に対し第一の角度で超音波ビームを発生させて前記検査対象物の検査対象箇所に集束させ、前記超音波ビームの前記検査対象箇所における第一の反射波または回折波を受信する工程と、
    前記プローブから検査対象物に対し第二の角度で超音波ビームを発生させて前記検査対象物の検査対象箇所に集束させ、前記超音波ビームの前記検査対象箇所における第二の反射波または回折波を受信する工程と、
    受信した前記第一および第二の反射波または回折波のそれぞれについて前記検査対象箇所の探傷解析を行う工程と、
    前記第一および第二の反射波または回折波に基づく探傷解析結果を重ね合わせる工程と、
    を備えることを特徴とする超音波探傷方法。
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