JP2005145242A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005145242A
JP2005145242A JP2003385610A JP2003385610A JP2005145242A JP 2005145242 A JP2005145242 A JP 2005145242A JP 2003385610 A JP2003385610 A JP 2003385610A JP 2003385610 A JP2003385610 A JP 2003385610A JP 2005145242 A JP2005145242 A JP 2005145242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack
steering
spring
shaft
rack guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003385610A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimikazu Onishi
仁和 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003385610A priority Critical patent/JP2005145242A/ja
Publication of JP2005145242A publication Critical patent/JP2005145242A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】ハンドル転舵時には操舵感向上のためにラック軸に作用する摩擦力を小さく設定し、その一方で、直進走行時には安定感向上のためにラック軸に作用する摩擦力を大きく設定する。
【解決手段】パワーステアリング装置は、第1のバネ33を支持する弾性体シート41及び弾性体42と、弾性体シート41及び弾性体42をラックガイド32から離間する方向に移動させるように操舵アシスト力を供給する流体路31c,31dと、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラックアンドピニオン型のパワーステアリング装置に関する。
油圧パワーステアリングシステムのラックアンドピニオン型ステアリングギヤは、通常、ラック軸とピニオン歯車とが適切に噛み合うように当該ラック軸にラックガイドを押し付ける支持構造を有している(例えば特許文献1,2,3参照)。
ここで、ラックガイドをラック軸に押し付けるバネの荷重の大きさとラックガイドとラック軸との摺接面の摩擦係数とで、ラック軸が軸方向に移動する際の、ラック軸に作用する摩擦力を調節している。この摩擦力を大きくすれば、直進走行時にハンドルを安定させることができ、この摩擦力を小さくすれば、ハンドル転舵時に良好な操舵感を得ることができる。
また、前記摩擦力を調節するためにバネの荷重を変更する場合には、直進走行時やハンドル転舵時に関わらず異音が発生しないように、その荷重の設定値を一定値以上にする必要がある。
特開平10−86838号公報 特開2002−178935号公報 特開2002−370654号公報
ハンドル転舵時には操舵感向上のために前記摩擦力を小さく設定し、その一方で、直進走行時には安定感向上のために前記摩擦力を大きく設定したいという相反する要求を満足したい場合がある。
しかし、従来構造は、バネの荷重と摩擦係数とで前記摩擦力が一義的に決定されるような構造になっている。例えば、前記特許文献3に開示されている技術では、ラックガイドとラック軸との摺接面にグリス保持する構造としたり、前記特許文献2に開示されている技術では、ラックガイドの外周面に2硫化モリブデン被膜を有する構造としている。これにより、操舵感は向上するが、直進走行時とハンドル転舵時とで前記摩擦力は一定値のままである。
また、前記特許文献1に開示されている技術では、パワーシリンダ内のピストンの受圧面をラック軸に対して傾斜させることで、操舵感の向上を図りつつ異音の発生を防止する構造にしている。このような構造では、転舵時にパワーシリンダ内部の油圧が上昇した時にのみ、そのラック軸直角方向の分力でピニオン歯車部の摩擦力が上昇するようになる。
しかし、直進走行時には油圧は上昇していないので前記ピニオン歯車部の摩擦力は小さいままである。これでは、ハンドルの操舵は安定しなく、また、異音の発生も抑制できない。
また、通常、ラック軸の左右のストローク量を稼ぐためにピストン幅を最小肉厚に設定するが、前記特許文献1に開示されている構造では、ピストンを傾斜させているので、その裾野の部分により余分にピストン幅が広くなってしまう。この場合、ラック軸の左右のストローク量がピストン幅で制限され、この結果、車両の最小回転半径が大きくなってしまうといった問題が発生する。
また、ピストンの受圧面が傾斜していると、ラック軸直角方向の分力に相当する油圧ロスが生じる。このため、油圧ロス分を予定して、油圧出力アップを図る必要がある。しかし、そのためには、最大油圧を大きく設定したり、パワーシリンダをサイズアップする必要があり、これでは、システムサイズが大きくなってしまうといった問題が発生する。
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、ハンドル転舵時には操舵感向上のためにラック軸に作用する摩擦力を小さく設定し、その一方で、直進走行時には安定感向上のためにラック軸に作用する摩擦力を大きく設定することができるパワーステアリング装置の提供を目的とする。
前述の問題を解決するために、本発明に係るパワーステアリング装置は、操舵時に流体圧を操舵方向への操舵補助力として供給するパワーステアリング装置において、前記パワーステアリング装置は、ラックの軸方向への移動によって、操舵を可能にするラックアンドピニオン型であり、ラックを支持するラックガイドを当該ラック側に付勢する付勢手段の付勢力を、前記操舵補助力として供給される流体圧で小さくする付勢力変更手段を備える。
これにより、ハンドル操舵時には、付勢手段によるラック側へのラックガイドの付勢力が小さくなり、ラックに作用する摩擦力が小さくなり、直進走行時には、操舵補助力が発生しないので、付勢手段が本来の付勢力でラックガイドをラック側に付勢する。
本発明によれば、ハンドル操舵時には、ラックに作用する摩擦力を小さくすることで、その操舵感を向上させることができ、直進走行時には、本来の付勢力でラックガイドをラック側に付勢することで、安定感を向上させることができる。
また、パワーステアリング装置が本来有している付勢手段及び操舵補助力を利用することで前述の効果を得ているので、簡単な構造でその効果を得ていることになる。
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施の形態は、操舵時に流体圧を操舵方向への操舵補助力として供給するラックアンドピニオン型のパワーステアリング装置である。
図示しないが、パワーステアリング装置では、ステアリングホイールにはステアリングコラムシャフトが嵌合されており、運転者のステアリングホイールの回転操舵によって、このステアリングコラムシャフトも同等の位相で回転する。このステアリングコラムシャフトの回転運動、即ちステアリングホイールの回転運動が操舵入力側端であるスタブシャフトに伝達される。
図1に示すように、スタブシャフト1は、ロータリーバルブ2に内装されているトーションバー3を介してピニオン軸4に連結されている。ピニオン軸4の外周にはピニオン5が設けられている。このピニオン5にラック軸6のラック7が噛合していて、両者で所謂ラックアンドピニオン機構をなす。ラックアンドピニオン機構は、既知のようにステアリングホイールから伝達されたピニオン軸4の回転運動をピニオン5及びラック7を介してラック軸6の直線運動(並進運動)に変換するものであり、当該ラック軸6の直線推力はその軸線方向に一致又はほぼ一致すると考えてよい。ここで、ラック軸6は、ピニオン5側にラックガイド32により付勢されている。このラックガイド32によるピニオン5へのラック軸6の付勢機構については、後で詳述する。
このように並進運動に変換されたラック軸6の直線推力により、転舵輪が転舵される。ここで、この直線推力は、実質的にはパワーシリンダの操舵補助力である操舵アシスト力によって発生するものとなる。
ここで、トーションバー3は、スタブシャフト1に回転力が発生すると、捩じり変位を伴いながら当該回転力を出力側端であるピニオン軸4に伝達する。つまり、トーションバー3の入力側端と出力側端との間に操舵トルクに相当する回転力に応じた位相差(回転差)が発生し、この位相差による回転力によりピニオン軸4を回転させる。
トーションバー3には、その外周を覆うような構造をなすバルブシャフト8が前記入力側端に固定されている。バルブシャフト8は、トーションバー3の入力側端が回転すると一緒に回転する。そして、このバルブシャフト8を覆うようにバルブボディ9が配置されている。
バルブボディ9は、ピニオン軸4と一体とされて形成されている。すなわち、ピニオン軸4はバルブボディ9とピニオン5とが一体として形成されていている。ピニオン軸4は、ピニオン5が形成されている側の一端がローラベアリング11によりバルブハウジング13に対して回転自在に支持されており、バルブボディ9が形成されている側の一端がボールベアリング12によりバルブハウジング13に対して回転自在に支持されている。
また、バルブボディ9には流体路9aが形成されている。流体路9aの構造については、既知の構造であるので、説明は省略する。また、バルブハウジング13には、パワーシリンダ21、ポンプ22及びリザーバタンク23がそれぞれ接続されているポート13a,13b,13c,13dが形成されている。ここで、パワーシリンダ21は、ラック軸6に連結されたピストン21aを内装している。また、バルブハウジング13には、バルブボディ9の流体路9aと後述するラックハウジング31の流体路31aと接続するための流体路13eが形成されている。
また、バルブボディ9の軸線方向の両端がシール部材14,15が配設されている。これにより、バルブボディ9回りの作動流体が外側に漏れるのを防止する。また、バルブボディ9とバルブシャフト8との間にローラベアリング16,17が配置されている。
このような構造により、バルブシャフト8とバルブボディ9とがトーションバー3の捩じり変位に応じて相対回転し、これによりバルブボディ9の各流体路9aとバルブハウジング13の各ポート13a,13b,13c,13dとの接続が切り替わって、パワーシリンダ21による各方向の操舵アシスト力が発生する。
すなわち、トーションバー3の回転に伴ってバルブシャフト8が回転すると、それに伴ってバルブボディ9の流体路9aが、バルブハウジング13のポンプポート13bから供給される流体(この場合は流体圧)を何れか一方の出力ポート13a,13cに出力し、且つ他方の出力ポート13a,13cからの戻り圧をリターンポート13dに戻す流体路となる。このとき、出力ポート13a,13cのうちの何れかの出力ポートからの出力流体圧は、パワーシリンダ21でピストン21aにより区画された何れか一方の流体室の内圧を増加させる。この流体室の内圧を増加により、ピストン21aが他方の流体室側に移動し、この移動が、ラック軸6に作用して操舵の補助力、すなわち操舵アシスト力になる。
ここで、移動されるピストン21aによって容積が小さくなる流体室内の流体圧は、当該流体室に連通されている他方の出力ポート13a,13cを介してリターンポート13dを通ってリザーバタンク23等に還元される。
また、このとき、バルブハウジング13のポンプポート13bから供給される流体(この場合は流体圧)が何れか一方の出力ポート13a,13cに出力されることに連動して、当該流体(この場合は流体圧)がバルブハウジング13の流体路13eにも出力される。
次に、ラックガイド32によるピニオン5へのラック軸6の付勢機構を説明する。
ラックハウジング31内の支持部40により第1及び第2のバネ33,34が支持されており、この第1及び第2のバネ33,34によりラックガイド32がラック軸6側に付勢されている。ここで、第1及び第2のバネ33,34は、コイル状の巻きバネである。また、第1のバネ33と第2のバネ34とは弾性係数が異なる。
ここで、バルブハウジング13におけるピニオン軸4を収容する一端側に、当該バルブハウジング13に対して直角に突出したラックハウジング31が形成されている。
ラックハウジング31には、軸心部を貫通する円形断面の保持孔31aが形成されている。また、ラックハウジング31の端部には、その保持孔31aよりも大径とされた支持部40の取り付け溝31bが形成されている。さらに、ラックハウジング31の周壁内部には前記バルブハウジング13に形成されている流体路13eと連通する第1及び第2の流体路31c,31dが形成されている。
第1及び第2の流体路31c,31dは、ラックハウジング31の周壁内部に対向するように形成されている。この第1及び第2の流体路31c,31dの端部は、前記取り付け溝31bで開口されている。具体的には、後述の支持部40の弾性シート41の外周部が位置されている取り付け溝31bで開口されている。この第1及び第2の流体路31aにおける取り付け溝31bの開口部には、周囲をシール部材37,38によりシールされたピストン35,36が配置されている。このピストン35,36は、第1及び第2の流体路31c,31dそれぞれの流体圧の変動により動作(図1において左右方向に動作)する。
前記保持孔31aには、円筒形をなすラックガイド32が軸長方向に摺動自在に保持されている。ラックガイド32は、ラック軸6をガイドする部材であり、そのガイドする側の先端32aが当該ラック軸6の外形に対応するアーチ形状をなしている。ラックガイド32の基端部(ラック軸6をガイドする側と反対側の端部)には、第1及び第2のバネ33,34の端部を収容する略凹形状の収容部32bが形成されている。第1のバネ33は、第2のバネ34を内部に収容可能な直径を有しており、この収容部32bの周直径は、その第1のバネ33の外径よりも多少大きい径になっている。第1のバネ33,34は、一端がこの収容部32bに収容されるとともに、他端が前記支持部40に支持されている。
支持部40は、弾性シート41、弾性体42及び基部43によって構成されており、基部43によりラックハウジング31の間に、弾性シート41及び弾性体42を保持している。弾性シート41及び弾性体42は、肉薄の円盤形状をなしており、基部43は、肉厚の円盤形状をなしている。基部43は、鉄等の金属材料により形成されており、その外周面に形成されているネジ溝によりラックハウジング31の取り付け溝31bに螺合されている。
弾性シート41及び弾性体42にはそれぞれ、その中心部分に第1及び第2のバネ33,34のうちの第2のバネ34だけを挿通するのに足りる孔41a,42aが形成されている。そして、基部43には、その中心部分に第2の第2のバネ34の端部を支持するための略凹形状の支持穴43aが形成されている。
このような構造により、第1のバネ33の端部を弾性シート41の孔41aの外周部で支持するとともに、弾性シート41及び弾性体42の孔41a,42a内を挿通されている第2のバネ34の一端を基部43の支持穴43aで支持している。
ここで、第2のバネ34については、通常状態(ハンドルを転舵していない状態)で、遊びができるように保持されている。すなわち、基部43の支持孔43aの底面とラックガイド32の収容部32bの底面との距離を、圧縮されていない第2のバネ34の長さよりも多少長く設定しており、これにより、第2のバネ34の端部に一定のクリアランスを確保している。例えば、この図1に示すように、ラックガイド32の収容部32bの底面と第2のバネ34の端部との間に一定のクリアランスCを確保する。
これにより、第1のバネ33により、常にラックガイド32をラック軸6側に押し付けて、ラック7とピニオン5とが適切に噛み合うようにしている。そして、第2のバネ34については、通常状態で遊びができるように保持している。
一方、弾性シート41の外周部に、前記第1及び第2の流体路31c,31dの開口部に設置されているピストン35,36が当接されている。これにより、第1及び第2の流体路31c,31dそれぞれの流体圧の変動により動作するピストン35,36に連動して、弾性シート41さらには弾性体42が進退(図1において左右方向に移動)するようになる。
次に、動作を説明する。
ハンドルが転舵されると、バルブシャフト8とバルブボディ9とがトーションバー3の捩じり変位に応じて相対回転し、これによりバルブボディ9の各流体路9aとバルブハウジング13の各ポート13a,13b,13c,13dとの接続が切り替わって、パワーシリンダ21による各方向の操舵アシスト力が発生する。
このとき、その操舵アシスト力を発生させる流体圧が、バルブハウジング13の流体路13eにも出力される。これにより、第1及び第2の流体路31c,31d内の液圧が上昇し、これによりピストン35,36が弾性シート41を基部43側に押し込む。この結果、第1のバネ33が伸張するので、ラックガイド32に対する第1のバネ33の付勢力(荷重)が減少し、ラックガイド32の先端32aとラック軸6の外周面との間の摩擦力が小さくなる。
一方、直進走行状態等の通常時には、前記流体圧が第1及び第2の流体路31c,31dに供給されないので、ピストン35,36及び弾性シート41にはその流体圧が作用しなくなる。これにより、ラックガイド32に対する第1のバネ33の付勢力(荷重)は通常のものになる。すなわち、直進走行状態等になりハンドルの転舵が終了した場合には、ラックガイド32に対する第1のバネ33の付勢力(荷重)は通常の値に復帰する。
さらに、タイロッド(ラック軸6)に外部からの大入力があった場合でも、第2のバネ34がラックガイド32を付勢することで、ラックガイド32でラック軸6を適切に案内することができる。例えば、前述したようにハンドルを転舵させている最中、すなわち前記流体圧が第1及び第2の流体路31c,31dに供給されている最中、第1のバネ33の付勢力は小さくなる。しかし、この場合でも、ラックガイド32に対してクリアランスCをもって配置されている第2のバネ34が、いわゆるバックアップ用として、ラックガイド32をラック軸6側に付勢することができるようになる。もちろん、前記流体圧が第1及び第2の流体路31c,31dに供給されている最中でなく、すなわち第1のバネ33が通常の付勢力によりラックガイド32を支持している場合でも、ラックガイド32の変位量が大きい場合には、第2のバネ34が当該ラックガイド32をラック軸6側に付勢することもできる。このようにラックガイド32に対して所定のクリアランスCを設けて第2のバネ34を配置し、通常時には第2のバネ34の弾性力がラックガイド32に作用しないようにすることで、付勢力を低下させた第1のバネ33による当該ラックガイド32の支持をより効果的にしている。
次に本発明の効果を説明する。
前述したように、ラック7(ラック軸6)を支持するラックガイド32を当該ラック7(ラック軸6)側に付勢する第1のバネ33及び第2のバネ34を備え、そのうちの第1のバネ33の付勢力を、操舵アシスト力として供給される流体圧で小さくしている。
これにより、ハンドル転舵時のラックガイド32の先端32aとラック軸6の外周面との間の摩擦力が小さくなり、これにより、ラック軸6に作用する摩擦力が小さくなるので、当該ハンドル転舵時の操舵感を向上させることができる。
一方、直進走行状態等の通常時には、前記流体圧を第1及び第2の流体路31c,31dに供給しないようにして、ラックガイド32に対する第1のバネ33の付勢力(荷重)を通常のものにしている。これにより、直進走行状態等では、ラック軸6に作用する摩擦力を大きくして、安定感を向上させることができる。
また、前述したように、タイロッド(ラック軸6)に対し外部から大入力があった場合、さらに第2のバネ34によりラックガイド32をラック軸6側に付勢するようにしている。これにより、タイロッド(ラック軸6)に対し外部から大入力があった場合でも、異音が発生してしまうことを防止することができる。
次に第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態と同様にラックアンドピニオン型のパワーステアリング装置である。この第2の実施の形態のパワーステアリング装置は、操舵アシスト力を発生させることに関して前記第1の実施の形態のパワーステアリング装置と同一構造であるが、前記第2のバネ34を他の付勢手段にしている点で異なっている。具体的には、前記第1の実施の形態では、第2のバネ34がコイル状の巻きバネであったのに対して、第2の実施の形態では、板バネで付勢手段を実現している。図2は、その付勢手段としての弾性手段50を備えるパワーステアリング装置である。
なお、図2に示すパワーステアリング装置の構成部位であって、前記第1の実施の形態のパワーステアリング装置と同一の構成部位については、前記第1の実施の形態のパワーステアリング装置と同一の構成部位の番号と同一番号を付している。以下の説明では、前記第1の実施の形態のパワーステアリング装置と同一の構成部位についての説明を省略し、特に第2の実施の形態で実現されている弾性手段50の構成等を中心に説明する。
弾性手段50は、第1及び第2の円環状部材51,52に板バネ53が挟持されて構成されている。この弾性手段50は、ラックハウジング31の保持孔31aの端部に取り付けられている。そして、このように取り付けられた円環状部材51,52及び板バネ53内の孔を、バネ(第1のバネ)33が挿通されており、これにより、バネ33が、前記第1の実施の形態と同様に、その一端が弾性シート41で支持されて、その他端がラックガイド32の収容部32bで支持される。
ここで、弾性手段50についてさらに詳しく説明すると、第2の円環状部材52の外周には、ネジ溝が設けてあり、このネジ溝と、これに対応してラックハウジング31の保持孔31aの外周面に形成されているネジ溝とが螺合している。すなわち、弾性手段50において、第2の円環状部材52はラックガイド32に対して固定部をなす。
一方、ラックハウジング31の保持孔31aの外周面の、弾性手段50が収容されている部分とラックガイド32が収容されている部分との所定の境界部分に、弾性手段50が収容されている部分の方が直径が大きくなるような段差が形成されている。このような形状に対応して、第1の円環状部材51の外径を、そのように直径が大きい方の当該弾性手段50の収容部分の内径に略等しい値にすることで、当該第1の円環状部材51が、ラックガイド32側に移動してしまうことを防止している。
弾性手段50では、以上のように配置した第1及び第2の円環状部材51,52により板バネ53を挟持している。これにより、第1の円環状部材51が所定距離移動可能となっており、その変位の際に、板バネ53による弾性力を発生させる。
なお、図2に示すように、通常状態(ハンドルを転舵していない状態)で、第1の円環状部材51とラックガイド33の端面との間にクリアランスCができるように、弾性手段50を所定の位置に配置し、或いはラックガイド32を所定の長さにしている。
次に、動作を説明する。
ハンドルが転舵されると、前記第1の実施の形態のパワーステアリング装置と同様に動作する。すなわち、ハンドルが転舵されると、バルブシャフト8とバルブボディ9とがトーションバー3の捩じり変位に応じて相対回転し、これによりバルブボディ9の各流体路とバルブハウジング13の各ポート13a,13b,13c,13dとの接続が切り替わって、パワーシリンダ21による各方向の操舵アシスト力が発生する。
このとき、操舵アシスト力を発生させた流体圧が、バルブハウジング13の流体路13eにも出力される。これにより、第1及び第2の流体路31c,31d内の液圧が上昇し、これによりピストン35,36が弾性シート41を基部41側に押し込む。この結果、バネ33が伸張するので、ラックガイド32に対するバネ33の付勢力(荷重)が減少し、ラックガイド32の先端32aとラック軸6の外周面との間の摩擦力が小さくなる。
一方、直進走行状態等の通常時には、前記流体圧が流体路13eに出力されないことから、ピストン35,36及び弾性シート41には前記流体圧が作用しなくなるので、ラックガイド32に対するバネ33の付勢力(荷重)は通常のものになる。すなわち、直進走行状態等になりハンドルの転舵が終了した場合には、ラックガイド32に対するバネ33の付勢力(荷重)は通常の値に復帰する。
ここで、第2の実施の形態では、タイロッド(ラック軸6)に対し外部から大入力があった場合、弾性手段50がラックガイド32をラック軸6側に付勢することで、ラックガイド32でラック軸6を適切に案内することができる。例えば、ハンドルを転舵している最中、すなわち前記流体圧が第1及び第2の流体路31c,31dに供給されている最中、バネ33の付勢力は小さくなる。しかし、この場合でも、ラックガイド32に対してクリアランスCをもって配置されている弾性手段50が、いわゆるバックアップ用として、ラックガイド32をラック軸6側に付勢することができるようになる。もちろん、前記流体圧が第1及び第2の流体路31c,31dに供給されている最中でなく、すなわちバネ33が通常の付勢力によりラックガイド32を支持している場合でも、ラックガイド32の変位量が大きい場合には、弾性手段50が当該ラックガイド32をラック軸6側に付勢することもできる。このようにラックガイド32に対して所定のクリアランスCを設けて弾性手段50を配置し、通常時には弾性手段50の弾性力がラックガイド32に作用しないようにすることで、付勢力を低下させたバネ33による当該ラックガイド32の支持をより効果的にしている。
次に本発明の効果を説明する。
前述したように、ラック7(ラック軸6)を支持するラックガイド32を当該ラック7(ラック軸6)側に付勢するバネ33及び弾性手段50を備え、そのうちのバネ33の付勢力を、操舵アシスト力として供給される流体圧で小さくしている。
これにより、ハンドル転舵時のラックガイド32の先端32aとラック軸6の外周面との間の摩擦力を小さくなり、これにより、ラック軸6に作用する摩擦力が小さくなるので、当該ハンドル転舵時の操舵感を向上させることができる。
一方、直進走行状態等の通常時には、前記流体圧を第1及び第2の流体路31c,31dに供給しないようにして、ラックガイド32に対するバネ33の付勢力(荷重)を通常のものにしている。これにより、直進走行状態等では、ラック軸6に作用する摩擦力を大きくして、安定感を向上させることができる。
また、前述したように、タイロッド(ラック軸6)に対し外部から大入力があった場合、さらに弾性手段50によりラックガイド32をラック軸6側に付勢するようにしている。これにより、タイロッド(ラック軸6)に対し外部から大入力があった場合でも、異音が発生してしまうことを防止することができる。
ここで、図3及び図4は、実施例の結果を示す。
図3及び図4は、ラックストロークと摩擦力との関係を示している。図3は、従来構造による結果であり、図4は、本発明を適用した構造による結果である。この図3と図4とを比較してもわかるように、ハンドルを転舵している最中(ラックストロークが発生している最中)、摩擦力を小さくするとができる。さらに、ハンドルを転舵していない直進走行時においては、摩擦力がハンドル転舵していない場合のそれよりも大きい値になる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施の形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施の形態では、複数の付勢手段として第1及び第2のバネ33,34を備えている場合、或いはバネ(第1のバネ)33及び弾性手段50を備えている場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、3個以上の付勢手段を備えるようにしてもよい。この場合には、複数の付勢手段のうちの少なくとも一つの付勢手段の付勢力を操舵補助力として供給される流体圧で小さくする。
また、前述の実施の形態では、付勢手段をコイル状の巻きバネや板バネで構成した場合を説明した。しかし、これに限定されないことはいうまでもない。付勢手段は、他の物或いは構造により実現してもよい。
なお、前述の実施の形態の説明において、弾性シート41及び弾性体42並びに第1及び第2の流体路31c,31dが付勢力変更手段を構成しており、詳しくは、弾性シート41及び弾性体42が、付勢手段を支持する支持部材を構成しており、第1及び第2の流体路31c,31dが、支持部材をラックガイドから離間する方向に移動させるように前記流体圧を供給する流体路を構成している。
本発明の第1の実施の形態のパワーステアリング装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態のパワーステアリング装置の構成を示す図である。 従来構造による実施例の結果を示す特性図である。 本発明を適用した構造による実施例の結果を示す特性図である。
符号の説明
4 ピニオン軸
5 ピニオン
6 ラック軸
7 ラック
31c,31d 流体路
32 ラックガイド
33 第1のバネ
34 第2のバネ
35,36 ピストン
40 支持部
41 弾性シート
42 弾性体
43 基部
50 弾性手段
51,52 円環状部材
53 板バネ
C クリアランス

Claims (3)

  1. 操舵時に流体圧を操舵方向への操舵補助力として供給するパワーステアリング装置において、
    前記パワーステアリング装置は、ラックの軸方向への移動によって、操舵を可能にするラックアンドピニオン型であり、ラックを支持するラックガイドを当該ラック側に付勢する付勢手段の付勢力を、前記操舵補助力として供給される流体圧で小さくする付勢力変更手段を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記付勢力変更手段は、前記付勢手段を支持する支持部材と、前記支持部材をラックガイドから離間する方向に移動させるように前記流体圧を供給する流体路と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. ラックを支持するラックガイドを当該ラック側に付勢する付勢手段を複数備え、
    前記付勢力変更手段は、前記複数の付勢手段のうちの少なくとも一つの付勢手段の付勢力を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
JP2003385610A 2003-11-14 2003-11-14 パワーステアリング装置 Pending JP2005145242A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385610A JP2005145242A (ja) 2003-11-14 2003-11-14 パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385610A JP2005145242A (ja) 2003-11-14 2003-11-14 パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005145242A true JP2005145242A (ja) 2005-06-09

Family

ID=34693610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003385610A Pending JP2005145242A (ja) 2003-11-14 2003-11-14 パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005145242A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006044278A1 (de) * 2006-09-20 2008-04-03 Volkswagen Ag Fahrzeuglenkung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006044278A1 (de) * 2006-09-20 2008-04-03 Volkswagen Ag Fahrzeuglenkung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7374011B2 (en) Power steering apparatus
US7765888B2 (en) Steering apparatus
US7174825B2 (en) Hydraulic power steering apparatus
JP4883349B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2018083994A1 (ja) コイルスプリングを用いた付勢構造を有する車両搭載機器
JP2005145242A (ja) パワーステアリング装置
JP2002037107A (ja) ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置
JP2001520959A (ja) 自動車の動力舵取り装置のロータリ・シフト弁
JPH0581464B2 (ja)
JP3798225B2 (ja) ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置
JP2002029430A (ja) 車両用操舵装置
WO2020075550A1 (ja) パワーステアリングバルブ
JPH10181624A (ja) パワ−ステアリング装置
JP2005096650A (ja) 油圧パワーステアリング装置
JP3400860B2 (ja) ラックピニオン式ステアリング装置
JP2914455B2 (ja) 動力舵取装置
JPH05319284A (ja) ボールねじ式舵取り装置
JPH0634208Y2 (ja) 動力舵取装置の油圧反力装置
JPH05319285A (ja) ボールねじ式舵取り装置
JP2007091109A (ja) パワーステアリング装置
JP3563157B2 (ja) 油圧パワーステアリング装置
JP2008184085A (ja) パワーステアリング装置
JPS642546B2 (ja)
JPH09309446A (ja) ラックピニオン式舵取り装置
JP2009120027A (ja) 油圧パワーステアリング装置