JP2005131598A - 導電性部材の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚ムラに起因した帯電不良によって画像に色濃度ムラが生じることがない導電性部材の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体、弾性層、被覆層を有する導電性部材の製造方法において、該塗工パレットに、未塗工導電性部材で囲まれた部分の面積Sの10%以上の総面積を有する開口部が設けられ、かつ未塗工導電性部材同士の中心間距離を該未塗工導電性部材の半径Rの4〜10倍とし、かつ複数吊り下げられた未塗工導電性部材の中心線となす角度を0〜25°で、該塗工パレットに風を送る手段が配置されている塗工装置を用いて、該未塗工導電性部材を塗工液に浸漬する工程、導電性部材を引き上げる工程、該塗工パレットの上方から下方に向けて、風速0.01〜1m/sの範囲内の風を送る工程、該導電性部材を乾燥する工程を有することを特徴とする導電性部材の製造方法および製造装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等の電子写真方式を採用した画像形成装置における導電性部材、例えば、帯電、現像、転写、クリーニング、除電ローラ等の製造方法および製造装置に関する。
従来、電子写真プロセスにおける帯電プロセスは、金属ワイヤーに高電圧(直流電圧6〜8kV)を印加して発生するコロナシャワーにより被帯電体である電子写真感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるコロナ帯電器が広く利用されていた。しかし、高圧電源を必要とする、比較的多量のオゾンが発生する等の問題があった。
これに対して、導電性部材を感光体に接触させながら電圧を印加して、感光体表面を帯電させる接触帯電方式が実用化されている。これは、感光体に、ローラ型、ブレード型、ブラシ型および磁気ブラシ型等の電荷供給部材としての導電性部材(帯電部材)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるものである。
この帯電方式は、電源の低電圧化とオゾンの発生量が少ないという利点を有している。この中でも特に接触帯電部材として導電性ローラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点から好ましく用いられている。しかしながら、帯電の均一性に関してはコロナ帯電器と比較してやや不利であった。
従来、帯電均一性を改善するために、所望の被帯電体表面電位Vdに相当する直流電圧に帯電開始電圧(Vth)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧(脈流電圧;時間と共に電圧値が周期的に変化する電圧)を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
これは、DC帯電にAC(脈流電圧)を重畳させることで、感光体表面の帯電ムラを生じることなく均一で安定した一様帯電が得られるようにする電位の均し効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である電位Vdに収束し、環境等の外乱には影響されることはなく、接触帯電方式として優れた方法である。
しかしながら、直流電圧印加時における放電開始電圧(Vth)の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるため、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップを招く。更には、交流電流が多量に流れることにより、帯電ローラおよび感光体の耐久性が低下し易いという問題点があった。
これらの問題点は、帯電ローラに直流電圧のみを印加して帯電を行うことにより解消されるものの、帯電ローラに直流電圧のみを印加すると、帯電部材被覆層表面の僅かな膜厚ムラ(塗工ムラ)がAC帯電方式に比べ、画像不良として現れ易い傾向にある。
一般的な被覆層の形成方法としては、均一な被覆層を形成するのに優れている浸漬コート法が主に用いられ、数μm〜数十μmの膜が形成されることが多い。この被覆層により、帯電ムラを防止する効果があるが、浸漬コート直後、ウエット膜の状態で希釈溶剤等をある程度揮発させるため、工程内で風乾をするが、ローラに対し、風を当てる方向や風速等を適切にしないと膜厚ムラ等が生じ易くなってしまう。
従来、ローラの支持体を塗工液へ浸漬させることことにより、ローラ表面に表面被覆層を形成させる工程を含むローラの製造方法において、支持体表面に表面被覆層を形成させた多数のローラを、塗工パレットに垂直状態で吊し、かつ互いに横方向に各ローラの半径のほぼ6〜9倍の軸間距離を保って吊し、かつそれらの横方向から、風速0.1〜1.5m/sの範囲内のほぼ均一な風を送って塗膜を乾燥させる方法があった(例えば、特許文献2参照)
しかし、溶剤系塗工液を用いた場合、浸漬直後の乾燥時は、気化した溶剤蒸気の比重が空気に比べて重いため、必然的にローラの上方から下方に向けての気流が発生するため、横方向からの送風の場合、送風方向が乱されることになる。また、水系塗工液においても、溶剤系塗工液においても、横方向からの送風の場合、風上側と風下側で乾燥ムラが生じ、これに起因して僅かな膜厚ムラが生じ、結果としてローラの電気抵抗周ムラが生じるため、画質上ではローラ円周ピッチの色濃度ムラが発生する。
また、塗工直後のローラは表面に指触性があるため、塵、ケバが付着し易く、横方向からの送風の場合、装置床面に落ちた塵、ケバが雰囲気中に再度漂ってしまい、結果として、ローラ表面に付着する塵、ケバ数が増加することによる画質上の欠陥が発生する。
特開昭63−149669号公報、(p.2) 特開2002−156825公報、(p.2)
以上のように電子写真技術においては近年、市場の高画質化の要求により、上記のような膜厚ムラで生じる僅かな帯電不良が画像における色濃度ムラとして現れることが問題となっている。この要求を満足することが解決すべき重要な課題となっており、更なる技術のレベルアップが必要であった。
従って、本発明の目的は、膜厚ムラに起因した僅かな帯電不良によって画像における色濃度ムラが生じることがない、高画質の画像が得られる導電性部材の製造方法および製造装置を提供することである。
本発明は、導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周に塗工された被覆層を有する導電性部材の製造方法であって、未塗工導電性部材を複数、塗工パレットに該塗工パレットに対して垂直方向に吊り下げて塗工する導電性部材の製造方法において、
該塗工パレットには、該未塗工導電性部材の各吊り下げ位置の間に開口部が設けられ、かつ該未塗工導電性部材の長手方向に直交する断面の半径をRとしたとき、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間距離が半径Rの4〜10倍であり、かつ該塗工パレットの最外に位置する該未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間を線で結んで囲まれた部分の面積をSとしたとき、面積Sに対して該塗工パレットの開口部の総面積が10%以上であり、
かつ該塗工パレットに対し、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心線となす角度を0〜25°の範囲内として、該塗工パレットの上方から下方に向けて風を送る手段が配置されている塗工装置を用いて、該未塗工導電性部材を塗工液に浸漬する工程、
導電性部材を引き上げる工程、
該塗工パレットの上方から下方に向けて、風速0.01〜1m/sの範囲内の風を送る工程、
該導電性部材を乾燥する工程を有することを特徴とする導電性部材の製造方法である。
また、本発明は、導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周に塗工された被覆層を有する導電性部材の製造装置であって、未塗工導電性部材を複数、塗工パレットに該塗工パレットに対して垂直方向に吊り下げて、該未塗工導電性部材の外周面上に塗工液を塗布し、該被覆層を塗工する導電性部材の製造装置において、
該塗工パレットには、該未塗工導電性部材の各吊り下げ位置の間に開口部が設けられ、かつ該未塗工導電性部材の長手方向に直交する断面の半径をRとしたとき、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間距離が半径Rの4〜10倍であり、かつ該塗工パレットの最外に位置する該未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間を線で結んで囲まれた部分の面積をSとしたとき、面積Sに対して該塗工パレットの開口部の総面積が10%以上であり、
かつ該塗工パレットに対し、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心線となす角度を0〜25°の範囲内として、該塗工パレットの上方から下方に向けて、風速0.01〜1m/sの範囲内の風を送る手段を有することを特徴とする導電性部材の製造装置である。
本発明によれば、膜厚ムラに起因した僅かな帯電不良によって画像における色濃度ムラが生じることがない、高画質の画像が得られる導電性部材の製造方法および製造装置が可能となった。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下では、ローラ形状の帯電部材の表面被覆層の形成に関して詳述するが、帯電部材以外の、現像剤担持部材、転写部材、クリーニング部材、除電部材等の被接触物を電気的にコントロールする導電性部材において、被覆層を形成する場合も、同様の考え方が適用され得る。また、更には、従来技術で上述したAC帯電よりも使用可能条件が厳しいと考えられるDC帯電の帯電ローラに対して適合するものであるが、AC帯電への使用可能性も高いのはいうまでもない。
(1)塗工パレットの形状
・塗工パレットの開口部
特に、量産生産装置においては、多数のローラを塗工パレットに吊し、垂直状態で同時に塗工液中に浸漬するため、当然、多数のローラを吊しても、精度良く塗工液面に対し平行を保ち、かつ全てのローラが塗工液面に対し同じ高さに保てるように吊せるような強度を有した塗工パレットが必要とされる。塗工パレットに開口部を設ける場合は、以上のような強度および精度的な要求を満足するものでなければならない。塗工パレットに設けられる開口部は、形状や開口部の個数は特に限定されるものではないが、吊り下げられるローラに対し、スムーズかつ均一に風が当たるような形状のものが好ましい。具体的には、ローラを吊り下げる部分を金属フレームとし、それ以外を開口部にするか、もしくは開口部に金属メッシュやパンチングメタル板にすることも可能である。また、塗工パレット自体を金属プレートで作成し、ローラ吊り下げ部分以外に穴を開けたものなども例として挙げられる。
塗工パレット開口部の面積としては、塗工パレットの最外に位置する未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間を線で結んで囲われた部分の面積をSとしたとき、面積Sに対し塗工パレットの開口部は、総面積として10%以上が必要となるが、塗工パレットの強度や精度が確保できるなら、塗工パレットの開口部はできるだけ広い方が望ましい。
面積Sに対し塗工パレットの開口部が10%を下回ると、吊り下げたローラ上部の被覆層が乾き難くなり、膜厚ムラが生じ易くなる。また、球形状樹脂粒子を含むような塗工液を用いて被覆層を形成する場合、膜厚ムラが発生すると同時に、色ムラも併発し易い。これはウエット状の被覆層に乾燥ムラが生じると、膜中での球形状樹脂粒子の存在に偏りができるため、被覆層表面の光沢感に差が出るため色ムラとして観察される。
・導電性支持体中心間距離(ローラ軸間距離)
生産装置においては、多数のローラを塗工パレットに吊し、塗工液中に浸漬する工程、希釈溶液をある程度乾燥させる風乾工程等を同一の塗工パレットを用いて行うことが多く、その工程と工程の間には塗工パレットを搬送する機構がある。その場合、塗工パレットはできるだけ小さい方が装置をコンパクトにできる利点がある。しかし、塗工パレットを小さくするためには、吊り下げるローラ本数を減らすか、もしくはローラ同士の間隔を小さくするしかない。しかし、ローラ間隔を必要以上に小さくしてしまうと品質上の問題が出るため、ローラ間隔にはある一定の制約を受ける。
従来技術においては、ローラ半径Rの6〜9倍のローラ軸間距離を保つとあるが、本発明によれば、ローラ半径Rの4倍のローラ軸間距離まで縮めることが可能となった。これは塗工パレットに開口部を設けているため、ローラ軸間距離を縮めてもローラ間に風が流れる仕組みになっているからである。ローラ軸間距離をローラ半径Rの4倍未満にすると、塗工パレットに開口部を設け辛くなり、開口部を設けられたとしてもローラ間隔が狭いため、風が流れ辛くなるため、膜厚ムラによる色ムラが発生し易くなる。
ローラ半径Rの9倍を超える軸間距離とした場合、乾燥ムラができるというような品質上の問題はないが、浸漬塗工循環器由来の品質上の問題が発生する。また、塗工パレットも極めて大きなものとなるため、生産装置が大きくなってしまう等の不具合が発生する。
・風の向きおよび風速
従来技術においては、支持体表面に表面被覆層を形成させた多数のローラを、塗工パレットに垂直状態で吊し、それらの横方向から、風速0.1〜1.5m/sの範囲内のほぼ均一な風を送って塗膜を乾燥させるとある。しかし、溶剤系塗工液を用いた場合、浸漬直後の乾燥時は、気化した溶剤蒸気の比重が空気に比べて重いため、必然的にローラの上方から下方に向けての気流が発生するため、横方向からの送風の場合、送風方向が乱されることになる。また、水系塗工液においても、溶剤系塗工液においても、横方向からの送風の場合、風上側と風下側で乾燥ムラが生じ、これに起因して僅かな膜厚ムラが生じ、結果としてローラの電気抵抗周ムラが生じるため、画質上ではローラ円周ピッチの色濃度ムラが発生する。
また、塗工直後のローラは表面に指触性があるため、塵、ケバが付着し易く、横方向からの送風の場合、装置床面に落ちた塵、ケバが雰囲気中に再度漂ってしまい、結果として、ローラ表面に付着する塵、ケバ数が増加することによる画質上の欠陥が発生する。
本発明では、多数のローラを垂直状態で塗工液中に浸漬する浸漬コート法で導電性部材の表面被覆層を形成し、熱を加えて乾燥するまでの間、穴の開いた風を通す塗工パレットにローラを一定間隔以上あけて吊し、上から下へ風を送ることにより、膜厚ムラの無い被覆層を形成することが可能となる。具体的には、塗工パレットより高い位置から塵、ケバの極めて少ないクリーンエアー等を送風し、塗工パレットおよびローラを風が通過後、下方に排気ダクト等を設け、溶剤蒸気や水分を多く含んだ空気等を回収する。この時、風向きと複数吊り下げた導電性部材の導電性支持体中心線となす角度が0〜25°の範囲内である必要がある。25°を超えると、横方向からの送風と同じような形態となってしまい、ローラ周方向に対し風上側と風下側で乾燥ムラができ、これが僅かな膜厚ムラや色ムラとなり、結果としてローラの電気抵抗周ムラとなるため、画質上ではローラ円周ピッチの色濃度ムラが発生するためである。
また風速に関しては、風速0.01〜1m/sの範囲内の風を送る必要がある。風速が1m/sを超えると、塗工パレットの穴の開いている部分とそうでない部分での風速ムラが大きくなり、結果として膜厚ムラや色ムラが生じてしまう。風速0.01〜1m/sの範囲内の風であれば、画質上の問題となるような膜厚ムラや色ムラは生じることはない。
(2)導電性部材
導電性部材は、図1に示すようにローラ形状であり、本発明には含まれないが、基本的には導電性支持体2aと、その外周に一体に形成された弾性層2bから構成される。
本発明の導電性部材においては、図2に示すように、弾性層2bと被覆層2cからなる2層であってもよいし、弾性層2bおよび抵抗層2dと被覆層2cからなる3層、および抵抗層2dと被覆層2cの間に第2の抵抗層2eを設けた、4層以上を導電性支持体2aの上に形成した構成としてもよい。
本発明に用いられる導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよびニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施してもさしつかえないが、導電性を損なわないことが必要である。
弾性層2bの導電性は、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイトおよび導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤およびアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ω・cm未満に調整されるのが好ましい。弾性層2bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂等も挙げられる。
直流電圧のみを印加して、被帯電体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CRおよびウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂を弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性を持つと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を形成し、得られた帯電部材は低温低湿環境(L/L)において、抵抗値が高くなり1010Ω・cm以上となってしまうものもあるため帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなる。
そこで、L/L環境で帯電部材の抵抗値が1010Ω・cm未満になるように、前述した電子導電機構を有する導電剤やイオン導電機構を有する導電剤を適宜添加して調整するのが好ましい。イオン導電機構を有する導電剤の方が、抵抗調整がし易く製法上好ましい。しかしながら、イオン導電機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン導電機構を有する導電剤の添加と併せて電子導電機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。また、弾性層2bはこれらの弾性材料を発泡成型した発泡体であってもよい。
抵抗層2d(e)は、弾性層に接した位置に形成されるため弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電部材表面へのブリードアウトを防止する目的で設けたり、帯電部材全体の電気抵抗を調整する目的で設ける。
設ける層が複数(抵抗層、被覆層)であるときに、抵抗層2d(e)を構成する材料としては、例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーおよび塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの材料は、単独または2種類以上を混合してもよく、共重合体であってもよい。
抵抗層2d(e)は、導電性もしくは半導電性を有している必要がある。導電性、半導電性の発現のためには、各種電子伝導機構を有する導電剤(導電性カーボン、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)或いはイオン導電剤(アルカリ金属塩およびアンモニウム塩)を適宜用いることができる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。抵抗層2d(e)には、表面処理された無機微粒子および導電剤を含有することが特に好ましく、被覆層が抵抗層を兼ねる場合には、表面処理された無機微粒子および導電剤であることが好ましい。
また、設ける層が複数(抵抗層、被覆層)であるときの被覆層2cは、帯電部材の表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため感光体を汚染してしまう材料構成であってはならない。
被覆層2cの結着樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)およびオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられ、特にはフッ素樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂等の滑り性や離型性に優れたものが好ましい。
これらの結着樹脂に静摩擦係数を小さくする目的で、グラファイト、雲母、二硫化モリブテンおよびフッ素樹脂粉末等の固体潤滑剤、或いはフッ素系界面活性剤、ワックスまたはシリコーンオイル等を添加してもよい。
被覆層には、各種導電剤(導電性カーボン、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉および金属酸化物である導電性酸化錫や導電性酸化チタン等)を適宜用いる。本発明においては、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。導電剤の粒径は平均粒径で1.0μm以下であることが好ましい。平均粒径が1.0μmを超えると感光ドラム上にピンホールが存在した場合、ピンホールリークが発生し易くなるため好ましくない。また、導電剤粒子の比重が重い場合は平均粒径が1.0μmを超えると塗料分散安定性が悪くなり、塗料中で沈降し易いので好ましくない。
ここでいう平均粒径とは、10万倍の透過電子顕微鏡像から任意の一次粒子400個の粒子径を実測し、個数平均径を算出したものである。
また、導電剤と結着樹脂の割合は質量比で0.1:1.0〜2.0:1.0であることが好ましい。導電剤が0.1に満たないと導電剤を含有させたことによる効果を得難くなり、2.0を超えると被覆層の機械的強度が低下し、層が脆くなったり、硬度が上がって柔軟性がなくなり易い。
被覆層に含有される無機微粒子としては、絶縁性無機微粒子が好ましく、例えは、酸化物、複酸化物、金属酸化物、金属、炭素、炭素化合物、フラーレン、ホウ素化合物、炭化物、窒化物、セラミックスおよびカルコゲン化合物が挙げられる。本発明においては、前記各種無機微粒子を2種以上併用してもよい。また、体積抵抗率が1010Ω・cm以上の絶縁性無機微粒子を用いることが好ましい。
導電剤の表面は、チタンカップリング剤或いはアルコキシシランカップリング剤等のカップリング剤およびフルオロアルキルアルコキシシランカップリング剤等のカップリング剤(珪素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の中心金属は特に選ばない)、またはオイル、ワニス、有機化合物等で処理されていてもよい。
被覆層に含有される球形状樹脂粒子としては、粒子直径が1μm以上であり、材質としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン等があり、使用する希釈溶剤により膨潤や溶解しないような球形状樹脂粒子が望まれる。
(被覆層の塗工について)
被覆層2cの被覆方法としては、前記した各材料を2成分以上の有機溶剤中に添加し塗工液を調製する。塗工液を液循環機に入れ、本発明の塗工パレットに複数の未塗工導電性支持体(2a上に2bが形成されているもの)の端部を吊し、塗工液中に浸漬する。浸漬コート法で被覆した被覆層2cの厚みは10〜30μmであることが好ましい。
本発明に用いることのできる有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンのケトン類、キシレン、トルエン等の芳香族類、n−酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、テトラヒドロピラン等のエーテル類が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
塗工液の調製において粉砕工程を加える場合は、ボールミル、サンドミルまたは振動ミル等を用いる。
次に、上記のような塗工方法で被覆したウエット状態の被覆層2cを本発明で用いる塗工パレットに吊したまま、上から下に向けて送風しながら風乾し、次にそれを乾燥機に移す。乾燥機は、導電性部材を静置するバッチ式、導電性部材を乾燥機中を通過させる連続式等を採用することができる。
以下に、具体的な実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
(実施例1)
下記の要領で本発明の導電性部材としての帯電ローラを作製した。
エピクロルヒドリンゴム 100部
四級アンモニウム塩 2部
炭酸カルシウム 30部
酸化亜鉛 5部
脂肪酸 5部
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100部に対してエーテルエステル系可塑剤15部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100部に対し加硫剤としての硫黄1部、加硫促進剤としてのノクセラーDM 1部およびノクセラーTS 0.5部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練した。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製支持体の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
次に、前記弾性層上に以下に示すような被覆層を被覆形成した。被覆層2cの材料として、
アクリルポリオール溶液 100部
イソシアネートA(IPDI) 40部
イソシアネートB(HDI) 30部
表面処理した導電性酸化錫 90部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂粒子 35部
メチルイソブチルケトン 340部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を調製した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理(処理速度500ml/min)を行い、浸漬用塗工液を調製し、塗工液用循環機に塗工液を入れ、塗工液の液温度を23.0℃、液比重を1.013に調節した。
次に、図3に示す本発明の塗工用パレットに未塗工帯電ローラ32本を吊り下げて浸漬処理を行った。図中、3は塗工パレット、4は風抜き穴、5は導電性支持体吊し把持部である。
浸漬処理後、ウェット状態の被覆層が形成されたローラを吊り下げた塗工用パレットに塗工パレットの真上1.5mからクリーンエアーを10分間送風し、風乾を実施した。この時の風速は、塗工パレット上側面から上3cm付近で0.7m/s、塗工パレット下側面で塗工パレットより下3cm付近で0.6m/s(塗工パレットに穴の開いている部分の真下)と0.2m/s(塗工パレットに穴の開いていない部分の真下)であった。形成された被覆層は乾燥後、膜厚ムラの有無を目視観察にて行い発生本数を表1に示した。また作製した導電性部材を切断し、断面を電子顕微鏡で観察し、膜厚を調べたところ、被覆層の膜厚は、18μmであった。
また、作製した32本の導電性部材から任意の1本を選び出し、市販のレーザービーム・プリンタ(レーザーショットLBP−470:キヤノン社製)に取り付けて、温度15℃/湿度10%RHの環境下において、ハーフトーン画像をプリントし、帯電ローラの画像不良(被覆層表面の膜厚ムラに対応)の発生について、目視にて画像評価を行った。但し、電子写真感光体の暗部電位Vdが画像出し試験初期に、−600V付近となるように印字電圧(直流電圧のみ)を設定して画像出しを行った。
(実施例2)
実施例1において弾性層の外径をφ18mmにした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。但し、ローラ径が大きく市販のレーザービーム・プリンタには取り付けられなかったので、画像評価は実施しなかった。
(実施例3)
実施例1において塗工パレットの形状を図4に示すものにした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
(比較例1)
実施例1において塗工パレットの形状を図3に示すものから、穴の開いた部分を全て無くした塗工パレットに変えた以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
Figure 2005131598
実施例1〜3は、塗工パレット形状を本発明の範囲内で作成したものを用い、風速も本発明の範囲内に設定しているため、膜厚ムラは発生しなかった。また、実施例1の画像出し試験の結果も特に問題なかった。
比較例1においては、塗工パレット形状を本発明の範囲外で作成し用いているため、膜厚ムラあるローラが形成された。また画像出し試験では、膜厚ムラの発生したローラを選択し、画像出しした結果、膜厚ムラに対応した画像不良が発生した。
本発明には含まれないが、基本的な帯電ローラの概略図である。 本発明の帯電ローラの概略図である。 本発明に用いる塗工パレットの概略図である。 本発明に用いる別の塗工パレットの概略図である。
符号の説明
2a:導電性支持体
2b:弾性層
2c:被覆層
2d:抵抗層
2e:抵抗層
3:塗工パレット
4:風抜き穴
5:導電性支持体吊し把持部

Claims (3)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周に塗工された被覆層を有する導電性部材の製造方法であって、未塗工導電性部材を複数、塗工パレットに該塗工パレットに対して垂直方向に吊り下げて塗工する導電性部材の製造方法において、
    該塗工パレットには、該未塗工導電性部材の各吊り下げ位置の間に開口部が設けられ、かつ該未塗工導電性部材の長手方向に直交する断面の半径をRとしたとき、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間距離が半径Rの4〜10倍であり、かつ該塗工パレットの最外に位置する該未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間を線で結んで囲まれた部分の面積をSとしたとき、面積Sに対して該塗工パレットの開口部の総面積が10%以上であり、
    かつ該塗工パレットに対し、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心線となす角度を0〜25°の範囲内として、該塗工パレットの上方から下方に向けて風を送る手段が配置されている塗工装置を用いて、該未塗工導電性部材を塗工液に浸漬する工程、
    導電性部材を引き上げる工程、
    該塗工パレットの上方から下方に向けて、風速0.01〜1m/sの範囲内の風を送る工程、
    該導電性部材を乾燥する工程を有することを特徴とする導電性部材の製造方法。
  2. 該被覆層を形成する塗工液中に、粒子直径1μm以上の球形状樹脂粒子を含有していることを特徴とする請求項1記載の導電性部材の製造方法。
  3. 導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周に塗工された被覆層を有する導電性部材の製造装置であって、未塗工導電性部材を複数、塗工パレットに該塗工パレットに対して垂直方向に吊り下げて、該未塗工導電性部材の外周面上に塗工液を塗布し、該被覆層を塗工する導電性部材の製造装置において、
    該塗工パレットには、該未塗工導電性部材の各吊り下げ位置の間に開口部が設けられ、かつ該未塗工導電性部材の長手方向に直交する断面の半径をRとしたとき、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間距離が半径Rの4〜10倍であり、かつ該塗工パレットの最外に位置する該未塗工導電性部材の導電性支持体の中心間を線で結んで囲まれた部分の面積をSとしたとき、面積Sに対して該塗工パレットの開口部の総面積が10%以上であり、
    かつ該塗工パレットに対し、該複数吊り下げられた未塗工導電性部材の導電性支持体の中心線となす角度を0〜25°の範囲内として、該塗工パレットの上方から下方に向けて、風速0.01〜1m/sの範囲内の風を送る手段を有することを特徴とする導電性部材の製造装置。

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