JP2005123162A - 電流測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気エネルギーを放出するセルを備える燃料電池の、使用中の異常発生要因を特定可能にすること、あるいは、品質に問題があるセルを製造段階で検出可能にする。
【解決手段】 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセルが複数積層された燃料電池の電流を測定する電流測定装置において、積層されたセル間に配置され、セルからの電流が流れる板状の導電体211、溝2112に囲まれるように設けられた柱状部2113と、柱状部の周囲に発生した磁界の強さを測定する磁気センサ212を設け、柱状部および磁気センサを導電体211における、セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つに対応する部位に設け、該当部位の局所電流測定することによりセルの異常を検出する。
【選択図】 図13

Description

本発明は、電気エネルギーを発生させるセルを備える燃料電池の、局所電流を測定する装置に関する。
従来、電気エネルギーを放出するセルを備える電力機器として、例えば水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池が知られている。そして、燃料電池運転中にセルの電圧を測定し、その測定値に基づいて燃料電池の運転中の異常を検出するようにしている。また、製造段階においても、燃料電池の電流−電圧特性を検査している。
しかしながら、燃料電池の運転中の異常発生要因としては、例えば、酸素の供給不足や水素の供給不足、電解質の抵抗増大などがあるが、それらはすべて電圧低下という形であらわれる。したがって、電圧を測定しているだけでは、運転中の異常発生要因を特定することができず、その要因に応じた適切な処置が行えないという問題が発生する。
また、セルの面内の加工ばらつきが大きい場合には、接触抵抗の面内ばらつきが大きくなって電流密度のばらつきが大きくなる。そのような加工ばらつきの大きいセルは、適正な加工状態のセルに比べ、一部領域に電流が集中するため劣化速度が速くなってしまう。積層されたセルの一部に加工ばらつきが大きいセルが存在すると、そのセルが早期に発電不能となるため、他のセルは正常でも電池スタックとしては運転が不能になってしまう。そして、加工ばらつきが大きいセルを予め排除してスタッキングすれば、電池スタックの寿命を長くすることができるが、製造段階における電流−電圧特性の検査では、積層されたセルの一部に加工ばらつきが大きいセルが存在するか否かを知ることはできなかった。
本発明は上記点に鑑みて、電気エネルギーを発生させるセルを備える燃料電池の、使用中の異常発生要因を特定可能にすること、あるいは、品質に問題があるセルを製造段階で検出可能にすることを目的とする。
ところで、例えば燃料電池において乾燥、水分過剰、あるいは燃料ガスの供給不足が発生すると、セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位における局所電流が著しく低下する。このように、異常発生要因に応じて特定の部位の局所電流が大きく変化するため、局所電流を測定することにより、燃料電池の運転中の異常発生要因を特定することが可能になる。また、製造段階で局所電流を測定することにより、品質に問題があるセルを製造段階で検出することが可能になる。
そこで、本発明は、電流測定装置にて燃料電池の局所電流を測定可能にすることにより、上記目的を達成しようとするものである。
請求項1に記載の発明では、セル(10)が複数積層された燃料電池(1)の電流を測定する電流測定装置であって、積層された前記セル間に配置され、前記セルからの電流が流れる板状の導電体(211、221)と、導電体において、溝(2112、2212)に囲まれるように設けられた柱状部(2113、2213)と、溝に設けられ、柱状部の周囲に発生した磁界の強さを測定する磁気センサ(212、213、223)とを備え、柱状部および磁気センサは、導電体において、セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つに対応する部位に設けられていることを特徴とする。
これによると、柱状部にはセル内の局所部位の電流が流れ、柱状部の周囲には柱状部を流れる電流に応じた磁界が発生するため、磁界の強さに基づいて局所部位の電流を測定することができる。したがって、この電流測定装置を用いることにより、電気エネルギーを放出するセルを備える燃料電池の、使用中の異常発生要因を特定すること、あるいは、品質に問題があるセルを製造段階で検出することが可能になる。
また、異常発生時の電流変化は電圧変化よりも早期に且つ顕著に現れるため、電流を測定することにより異常を早期に検知することができる。
また、磁気センサが溝に収納されているため、磁気センサとセルとの干渉を回避できる。したがって、複数積層されたセル間に導電体を配置することができ、例えば燃料電池内部において特に乾燥しやすい箇所等に電流測定装置を配置することができる。
ところで、電流測定装置をセル間に配置した際に、電流測定装置はセパレータで挟まれるが、これらのセパレータの表面には通常、冷却水が流れる溝状の冷却水流路が形成されている。このとき、セパレータの表面に溝等が接触する構成では、これらを迂回してセパレータの冷却水流路を設計する必要があり、冷却水流路の設計の自由度が小さくなる。
そこで、請求項2に記載の発明では、導電体(221)における柱状部が設けられた面に接するように設けられた第2の導電体(222)を設け、磁気センサを導電体と第2の導電体との間に溝によって形成される空間に位置させることで、溝や柱状部が露出しなくなるようにすることができる。これにより、セパレータの表面における冷却水流路の設計の自由度を大きくすることができる。さらに、鉄心を2枚の導電体の間に形成される空間内に配置することで、鉄心に荷重がかからなくなり、歪みが発生することを防止できる。これにより、歪みに起因する磁性材料の磁気特性の劣化を防止することができる。
請求項3に記載の発明のように、導電体と第2の導電体との間には、導電性を有する弾性体(226)が設けられていることで、セルと導電体との間の接触を良好にすることができ、これらの間に生ずる接触抵抗を低減することができる。
請求項4に記載の発明では、溝には磁気センサを固定するための緩衝材(225)が設けられており、溝と磁気センサとの間は絶縁処理が施されていることを特徴としている。これにより、磁気センサが溝の内部でがたつくことを防止でき、磁気特性の劣化を防止することが可能となる。
請求項5に記載の発明のように、磁気センサを溝において接着して固定することによっても、磁気センサが溝の内部でがたつくことを防止でき、磁気特性の劣化を防止することが可能となる。
請求項6に記載の発明では、セル(10)が複数積層された燃料電池(1)の電流を測定する電流測定装置であって、積層されたセル間に配置され、セルからの電流が流れる板状の導電体(201)と、導電体に設けられ、セルの局所部位からの電流が流れる局所電流経路(202、2321〜2328)と、導電体の外部に設けられ、局所電流経路を流れる電流を導電体の外部に迂回させる迂回回路(204、2341〜2348)と、導電体の外部に設けられ、迂回回路を流れる電流を測定する電流センサ(205)とを備え、局所電流経路、迂回経路および電流センサは、導電体において、セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つに対応する部位に設けられていることを特徴としている。
これによると、局所部位の電流を測定することができるため、この電流測定装置を用いることにより、電気エネルギーを放出するセルを備える電力機器の、使用中の異常発生要因を特定すること、あるいは、品質に問題があるセルを製造段階で検出することが可能になる。
また、異常発生時の電流変化は電圧変化よりも早期に且つ顕著に現れるため、電流を測定することにより異常を早期に検知することができる。
また、磁気センサが溝に収納されているため、磁気センサとセルとの干渉を回避できる。したがって、複数積層されたセル間に導電体を配置することができ、例えば燃料電池内部において特に乾燥しやすい箇所等に電流測定装置を配置することができる。
請求項7に記載の発明のように、セルと導電体との間に導電性を有する弾性体(12、13)を設けることで、セルと導電体との間の接触を良好にすることができ、これらの間に生ずる接触抵抗を低減することができる。
請求項8に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセル(10)が複数積層された燃料電池の電流を測定する電流測定装置であって、セルにおいて、電解質膜の両側に一対の電極が配置された電解質・電極接合体(111)の外側に配置され、燃料ガスが流れる燃料ガス流路および酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路の少なくとも一方が形成されている導電性のセパレータ(110、120)と、セパレータにおいて、溝に囲まれるように設けられた柱状部と、溝に設けられ、柱状部に発生した磁界の強さを測定する磁気センサとを備え、柱状部および磁気センサは、セパレータにおいて、セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つの部位に設けられていることを特徴とする。
これによると、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、燃料電池が備えている導電性のセパレータを利用しているため、板状の導電体を新たに設ける必要がない。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電流測定装置について説明する。図1は第1実施形態に係る電流測定装置20を装着した燃料電池1の斜視図、図2は図1の燃料電池1の側面図である。
本実施形態の燃料電池1は、固体高分子電解質膜型燃料電池であり、基本単位となるセル10が多数積層され、且つ電気的に直列接続されている。図2に示すように、セル10は、電解質膜の両側面に電極が配置されたMEA(Membrane Electrode Assembly:電解質・電極接合体)100と、このMEA100を挟持する空気側セパレータ110および水素側セパレータ120で構成されている。セパレータ110、120は、カーボン材または導電性金属よりなる板状部材からなる。
図1に示すように、燃料電池1には空気および水素が供給される。図2に実線で示すように、空気側セパレータ110には、空気を流すための空気流路Aが形成されており、空気流路Aを介して酸素が各セル10に対して並列に供給される。また、図2に一点鎖線で示すように、水素側セパレータ120には、水素を流すための水素流路Bが形成されており、水素流路Bを介して水素が各セル10に対して並列に供給される。電解質膜は湿潤状態にしておく必要があるため、燃料電池1に供給される空気と水素は、図示しない加湿器により加湿される。
燃料電池1では、水素を酸素が供給されることで以下の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
(負極側)H2→2H++2e-
(正極側)2H++1/2O2+2e-→H2
図1に示すように、積層されたセル10の両端には端子板11が配置されている。図1中の斜線で示すように、ある2つのセル10間に電流測定装置20が配置されている。
図3は図1の電流測定装置20の斜視図であり、図4(a)は図1の電流測定装置20における板部200の正面図、図4(b)は板部200の右側面図、図6(c)は図4(a)のA−A線に沿う断面図、図4(d)は図6(a)のB−B線に沿う断面図である。なお、本実施形態の電流測定装置20では電流センサ205等が複数設けられているが、図3、図4では電流センサ205等を1つのみ図示している。
図3および図4に示すように、電流測定装置20は、導電性金属よりなる板状の導電体201、導電体201内に設けられた導電性金属よりなる局所電流経路202、導電体201と局所電流経路202との間を絶縁する絶縁性樹脂よりなる絶縁層203、導電体201および局所電流経路202の外部にて導電体201と局所電流経路202との間を接続する迂回回路204、迂回回路204中に配置された電流センサ205を備えている。
導電体201と局所電流経路202と絶縁層203とからなる板部200は、セル10間に挿入され(図1参照)、導電体201におけるセル積層方向の両端面2011、2012がセル10に接触するようになっている。
局所電流経路202の一方の露出面2021は、導電体201の一方の端面2011に露出していて、セル10に接触するようになっている。局所電流経路202の他方の露出面2022は、導電体201の側面2013に露出しており、セル10には接触しないようになっている。
導電体201の側面2013と局所電流経路202の他方の露出面2022との間が迂回回路204によって接続されており、この迂回回路204を流れる電流を電流センサ205にて検出するようになっている。
上記構成において、燃料電池1からの放電電流は、電流測定装置20を通過する際に分岐して流れる。すなわち、導電体201の一方の端面2011に接するセル10から導電体201の他方の端面2012に接するセル10へ流れる電流は、導電体201のみを介して流れる電流と、局所電流経路202、迂回回路204および導電体201を介して流れる電流とに分かれる。
そして、セル10における局所電流経路202の一方の露出面2021に対向する部位から放電される局所電流が、局所電流経路202および迂回回路204を流れ、したがって電流センサ205によってセル10の局所電流を検出することができる。
図5は図2の右側から見た空気側セパレータ110の透視図である。図5に示すように、空気側セパレータ110は、空気流路20に接続される空気入口部111および空気出口部112と、空気入口部111から空気出口部112に向かって空気を流すための空気流路溝113とを備えている。なお、空気側セパレータ110は本発明の第1セパレータに相当し、空気流路溝113は本発明の酸化剤ガス流路に相当し、空気入口部111は本発明の酸化剤ガスの入口部に相当し、空気出口部112は本発明の酸化剤ガスの出口部に相当する。
図6は図2の右側から見た水素側セパレータ120の透視図である。図6に示すように、水素側セパレータ120は、水素流路30に接続される水素入口部121および水素出口部122と、水素入口部121から水素出口部122に向かって水素を流すための水素流路溝123とを備えている。なお、水素側セパレータ120は本発明の第2セパレータに相当し、水素流路溝123は本発明の燃料ガス流路に相当し、水素入口部121は本発明の燃料ガスの入口部に相当し、水素出口部122は本発明の燃料ガスの出口部に相当する。
図3、図4で示した局所電流経路202、絶縁層203、迂回回路204、電流センサ205は、電流測定装置20において、燃料電池1の局所電流を測定したい部位に対応する部位に設けられる。具体的には、局所電流経路202、絶縁層203、迂回回路204、電流センサ205は、電流測定装置20において、空気入口部111近傍(図5で符号Bを付して示す部位)に対応する部位、水素入口部121近傍(図6で符号Cを付して示す部位)に対応する部位、水素出口部122近傍(図6で符号Dを付して示す部位)に対応する部位の3箇所に設けられている。
燃料電池10に供給される空気への加湿量が低下すると、MEA100の電解質膜における、空気入口部111に近い部位が乾燥する。図7は、空気湿度ψaの低下に伴って電解質膜の乾燥が発生した際の乾燥発生部における電流Iの経時変化を示すもので、電解質膜における乾燥部位ではプロトン伝導抵抗が増加して電流が低下する。
同様に、燃料電池10に供給される水素への加湿量が低下すると、MEA100の電解質膜における水素入口部121近傍が乾燥し、乾燥部位ではプロトン伝導抵抗が増加し電流が低下する。なお、水素への加湿量の低下に伴って電解質膜の乾燥が発生した際の乾燥発生部における電流の変化は、図7に示した空気湿度ψa低下の場合と同様となる。
このことから、乾燥が発生しやすい空気入口部111近傍や水素入口部121近傍の電流I、すなわち、空気入口側電流Ia・inや水素入口側電流Ih・inを測定することにより、燃料電池10の電解質膜の乾燥状態を診断することが可能である。具体的には、空気入口側電流Ia・inや水素入口側電流Ih・inが所定電流値未満の場合は、電解質膜の乾燥部位ありと推定することができる。なお、所定電流値は、電解質膜の乾燥がないときの電流値の90%程度に設定する。
逆に、空気や水素への加湿量が過剰になった場合、電極に水分過剰な濡れ状態が発生する。その際には、水素出口部122近傍に最も液滴が滞留して水分過剰となりやすく、したがってMEA100の電極における水素出口部122に近い部位で顕著に発生しやすい。水素出口部122近傍が水分過剰となりやすい理由としては、水素入口部121から水素流路溝123を介して水素出口部122に水が輸送されることに加え、水素が消費されるため水素流量が低下しており水の排出力が低下していることが挙げられる。図8は、水素出口部122の水滴量Vwの増加に伴って電極が水分過剰状態となった際の、水分過剰部の局所電流Iの変化を示すもので、水滴量Vwの増加に伴ってガスの透過が阻害されて電池の出力が低下する。
また、水素供給量が発電量に対して不足する場合も、水素出口部122近傍から水素不足が発生するため、MEA100における水素出口部122に近い部位の電流が低下する。図9は、水素供給量Qhが不足した際の、MEA100における水素出口部122に近い部位の電流Iの変化を示すもので、水素不足が発生すると、直ちに且つ急激に電流Iが低下する。
このことから、MEA100における水素出口部122に近い部位の電流I、すなわち水素出口側電流Ih・outが、所定電流値未満の場合は、水分過剰発生または水素不足発生と推定することができる。なお、所定電流値は、水分過剰状態および水素不足状態の電流値の90%程度に設定する。
ここで、水分過剰時および水素不足発生時は、いずれもMEA100における水素出口部122に近い部位の電流Iが低下するため、電流Iの低下要因がいずれであるかを特定する必要がある。
図10は、水分過剰発生時の、MEA100における水素出口部122に近い部位の電流Iの変化と、水素不足発生時の、MEA100における水素出口部122に近い部位の電流Iの変化を示すものである。また、図11は、水分過剰発生時および水素不足発生時の、MEA100における水素出口部122に近い部位の電流Iの低下速度(以下、電流低下速度という)を示すものである。なお、本明細書でいう電流低下速度とは、単位時間あたりの電流変化量の絶対値である。図10、図11において、実線は水分過剰発生時の特性、破線は水素不足発生時の特性であり、t1は水分過剰や水素不足が発生した時刻である。
図10、図11に示すように、水分過剰発生時と比較すると、水素不足発生時の電流Iは急激に低下する。このことから、電流低下が発生する際の電流低下速度によって電流Iの低下要因を特定することが可能である。具体的には、水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ電流低下速度が所定低下速度dI1(図11参照)未満の場合は水分過剰発生と推定し、水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ電流低下速度が所定低下速度dI1以上の場合は水素不足発生と推定することができる。なお、所定低下速度dI1は、1.0(mA/SEC/cm2)程度に設定する。
次に、上記電流測定装置20を用いた燃料電池1の出力低下要因の診断方法について説明する。
まず、空気入口部111近傍に設けられた電流センサ205によって空気入口側電流Ia・inを測定する。この結果、空気入口側電流Ia・inが所定電流値未満であれば、電解質膜の乾燥部位ありと診断し、空気入口側電流Ia・inが所定電流値以上であれば、電解質膜の乾燥部位なしと診断することができる。このように電解質膜の乾燥部位ありと診断された場合には、燃料電池1に供給される空気の湿度ψaが低いと推測されるため、例えば加湿器による空気への加湿量を増加すればよい。
次に、水素入口部121近傍に設けられた電流センサ205によって水素入口側電流Ih・inを測定する。この結果、水素入口側電流Ih・inが所定電流値未満であれば、電解質膜の乾燥部位ありと診断し、水素入口側電流Ih・inが所定電流値以上であれば、電解質膜の乾燥部位なしと診断することができる。このように電解質膜の乾燥部位ありと診断された場合には、燃料電池10に供給される水素への加湿量が少ないと推測されるため、例えば加湿器による水素への加湿量を増加すればよい。
次に、水素出口部122近傍に設けられた電流センサ205によって水素出口側電流Ih・outを測定する。この結果、水素出口側電流Ih・outが所定電流値以上であれば、水分過剰または水素不足が発生していないと診断することができる。水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ水素出口側電流Ih・outの電流低下速度が所定低下速度未満の場合は、電極が水分過剰状態であると診断することができる。このように、電極が水分過剰状態と診断された場合には、空気や水素への加湿量が過剰、あるいは、水素流量低下による水の排出力低下と推測されるため、例えば加湿器による空気および水素への加湿量をともに減少させるとともに、水素流量を増加させればよい。
また、水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ水素出口側電流Ih・outの電流低下速度が所定低下速度以上の場合は、水素供給量が不足と診断することができる。このように、水素供給量が不足と診断された場合には水素流量を増加させればよい。
上記した本実施形態によれば、燃料電池1に局所電流を測定可能な電流測定装置20設けることで、空気入口側電流Ia・inおよび水素入口側電流Ih・inに基づいて電解質膜の乾燥状態を診断し、水素出口側電流Ih・outと水素出口側電流Ih・outの電流低下速度とに基づいて電極の水分過剰や水素不足を診断することができる。これにより、燃料電池1の出力低下要因を適確に診断することができる。さらに、燃料電池1の出力低下要因を特定することができ、したがって出力低下要因に応じた適確な制御を行うことができる。
例えば、セル10に対して水素の供給不足が発生した場合、水素出口部122での電流密度が極度に低下する。このような、水素不足の状態のまま運転すると、MEA100の電極を損傷することになるため、この状態をいち早く検知し、回避するように制御しなくてはならない。そこで、電流測定装置20で水素出口部122の近傍での局所電流を測定し、局所電流の経時変化を測定することにより、セル電圧のみでは検出が困難な水素の供給状態を診断することが可能である。これに基づいて、水素の供給状態を制御することにより、劣化の危険性がある運転状態を極力回避することが可能となる。
また、本実施形態の電流測定装置20では、導電体201の外部に電流センサ205を設けるため、電流センサ205とセル10との干渉を回避できる。したがって、積層されたセル10間に導電体201を配置することができる。このため、電流測定装置20は、燃料電池1における任意の位置に単数あるいは複数配置することができる。
例えば燃料電池1の中央付近のセル10は、放熱しにくいため高温になりやすく、燃料電池1の端部に近いセル10に比較して乾燥しやすい。したがって、電流測定装置20を燃料電池1の中央付近に配置することで、燃料電池1の乾燥状態を適切に診断することが可能となる。また、燃料電池1の端部に近いセル10は、放熱しやすいため低温になりやすく、水分過剰になりやすい。したがって、電流測定装置20を燃料電池1の端部付近に配置することで、燃料電池1の水分過剰状態を適切に診断することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る電流測定装置について説明する。上記第1実施形態では導電体201の外部にセンサ205を配置したが、本第2実施形態では、導電体211の内部にセンサを配置している。この電流測定装置21は、上記第1実施形態と同様に燃料電池1に装着して使用される。
図12は第2実施形態に係る電流測定装置21の斜視図であり、図13(a)は図12の電流測定装置21の要部の正面図であり、図13(b)は図13(a)のA−A断面図である。
図12および図13(a)に示すように、電流測定装置21は、導電性金属よりなる板状の導電体211を備えている。導電体211はセル10(図1参照)間に挿入されることにより、導電体211におけるセル積層方向の一方の端面2111および他方の端面はセル10に接触するようになっている。導電体211の一方の端面2111には、ロの字状の溝2112によって囲まれた直方体の柱状部2113が形成され、この柱状部2113の端面もセル10に接触するようになっている。なお、図12に示す例では溝2112をロの字状とし、柱状部2113を直方体状としたが、これに限らず、例えば溝2112を円状、柱状部2113を円柱状のような他の形状にすることもできる。
溝2112には、柱状部2113を囲むようにして鉄心212が配置され、図13(a)、(b)に示すように、鉄心212の両端部間にホール素子213が配置されている。なお、鉄心212とホール素子213とにより、本発明の磁気センサを構成している。
導電体211には、溝2112を外部とを連通させるように、ホール素子213のリード線213aを外部に取り出すための溝2114が形成されている。さらに導電体211には、空気入口側通路2115、空気出口側通路2116、水素入口側通路2117、水素出口側通路2118が形成されている。
上記構成において、セル10における柱状部2113に対向する部位から放電される局所電流が柱状部2113に流れると、その電流に比例した磁界が柱状部2113の周囲に発生する。ホール素子213は、局所電流によって発生した磁界を検出し、電圧に変換する。したがって、鉄心212部の磁界の強さをホール素子213にて測定することにより、柱状部2113を流れる電流、ひいてはセル10の局所電流を検出することができる。
上記本実施形態によれば、電流測定装置21によりセル10の局所電流を検出することができる。そして、セル10の局所電流を検出することにより、燃料電池1の運転中の異常発生要因を特定することが可能になる。
また、異常発生時の電流変化は電圧変化よりも早期に且つ顕著に現れるため、電流を測定することにより異常を早期に検知することができる。
また、磁気センサを構成する鉄心212とホール素子213が溝2112に収納されているため、磁気センサとセル10との干渉を回避できる。したがって、積層されたセル10間に導電体211を配置することができる。
磁気センサとして、ホール素子の他にMR素子、MI素子、フラックスゲート等を用いることができる。図14(a)にセンサ素子214としてMR素子あるいはMI素子を用いた場合の電流測定装置21の要部の正面図を示し、図14(b)に図14(a)のA−A断面図を示す。ホール素子213の場合には、長手方向が鉄心212に対して直交するように配置する必要があるが(図13(b)参照)、センサ素子214としてMR素子やMI素子を用いる場合には、長手方向が鉄心212に対して平行となるように配置できる(図14(b)参照)。したがって、センサ素子としてMR素子やMI素子を用いる場合には、ホール素子を用いる場合に比較して、導電体211の厚みを薄くすることができ、電流測定装置21の厚みを薄くすることができる。
なお、電流測定装置は、セル10を構成するセパレータ110、120に組み込むことができる。すなわち、セパレータ110、120に、溝によって囲まれた直方体の柱状部を形成し、その溝に鉄心およびホール素子を配置する。それによると、鉄心部の磁界の強さをホール素子にて測定することにより、柱状部を流れる電流、ひいてはセル10の局所電流を検出することができる。また、この場合はセパレータ110、120を利用するため、板状の導電体を新たに設ける必要がない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態の電流測定装置22は、上記第2実施形態の導電体を2枚張り合わせた構成となっている。
図15は第3実施形態に係る電流測定装置22の斜視図であり、図16(a)は第1の導電体221の正面図であり、図16(b)は第2の導電体222の正面図であり、図16は図15、図16のB−B断面図である。
図15〜図17に示すように、本第3実施形態の電流測定装置22は、2枚の導電体221、222を有している。図16(a)、(b)に示すように、各導電体221、222の一方の端面2211、2221には、ロの字状の溝2212、2222、柱状部2213、2223、ホール素子のリード線224aの外部に取り出し用の溝2214、2224、空気入口側通路2215、2225、空気出口側通路2216、2226、水素入口側通路2117、2227、水素出口側通路2218、2228が形成されている。これらは、柱状部2213、2223等が形成された端面2211、2221同士を張り合わせた際に対応する位置となるように形成されている。
図17に示すように、鉄心223と、ホール素子(図示せず)は、2枚の導電体221、222を張り合わせた際に、ロの字状の溝2212、2222で形成される空間内に配置される。鉄心223とホール素子は、絶縁性を有する接着剤等を用いてロの字状の溝2212、2222で形成される空間内で接着され固定されている。これにより、ロの字状の溝2212、2222、柱状部2213、2223、鉄心223、ホール素子は外部に露出しない。
電流測定装置22をセル10間に配置した際に、電流測定装置22はセパレータ110、120で挟まれるが、これらのセパレータ110、120の表面には通常、冷却水が流れる溝状の冷却水流路が形成されている。このとき、セパレータ110、120の表面にロの字状の溝2212、2222等が接触する構成では、これらを迂回してセパレータ110、120の冷却水流路を設計する必要があり、冷却水流路の設計の自由度が小さくなる。そこで、本実施形態のようにロの字状の溝2212、2222等を露出しないようにすることで、セパレータ110、120の表面における冷却水流路の設計の自由度を大きくすることができる。
また、鉄心223を2枚の導電体221、222の間に形成される空間内に配置することで、鉄心223に荷重がかからなくなり、歪みが発生することを防止できる。これにより、歪みに起因する磁性材料の磁気特性の劣化を防止することができる。
図18、図19は本実施形態の電流測定装置21の変形例を示している。図18は図16に対応し、図19は図17に対応している。図18、図19に示すように、第2の導電体221のみにロの字状の溝2212、柱状部2213を形成し、第1の導電体221にはロの字状の溝、柱状部を形成しない構成においても、両方の導電体221、222にロの字状の溝等を形成した構成と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本第4実施形態は、上記第3実施形態の電流測定装置22の構成において、鉄心とホール素子を固定するための緩衝材を設けた点が異なるものである。
図20は図15のB−B断面図である。図20に示すように、本実施形態の電流測定装置22では、2枚の導電体221、222を張り合わせた際に、ロの字状の溝2212、2222で形成される空間内に緩衝材225が充填されている。鉄心223とホール素子(図示せず)は、ロの字状の溝2212、2222で形成される空間内において、緩衝材225により固定される。緩衝材225としては、例えば一般的な弾性部材であるゴム等を用いることができる。
鉄心223と溝2212、2222との間は絶縁する必要があるので、緩衝材225として絶縁性弾性部材を用いるか、あるいは緩衝材225として導電性の弾性部材を用いる場合には、鉄心223や溝2212、2222に絶縁性被膜を設ける等して絶縁処理を行う。
本実施形態のように、緩衝材225を用いて鉄心223とホール素子を固定することで、鉄心223とホール素子がロの字状の溝2212、2222で形成される空間内でがたつくことを防止できる。これにより、鉄心223の歪みの発生を防止でき、磁気特性の劣化を防止することが可能となる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本第5実施形態は、上記第4実施形態の電流測定装置22の構成において、2枚の導電体221、222の間に弾性体を設けた点が異なるものである。
図21は図15のB−B断面図である。図21に示すように、本実施形態の電流測定装置22では、第1の導電体221と第2の導電体222の間に、導電性を有する弾性体226が設けられている。導電性を有する弾性体226としては、導電材料(例えばカーボン)の粉体をゴムに混入した導電性弾性部材を用いる。
本実施形態のように、2枚の導電体221、222の間に導電性を有する弾性体226を設けることで、セル10や電流測定装置22の加工誤差や組み付け誤差によるばらつきを吸収することができる。さらに、温度変化に伴う熱歪みを吸収することもできる。これにより、セル10と導電体221、222との間の接触を良好にすることができ、これらの間に生ずる接触抵抗を低減することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本第5実施形態は、上記第1実施形態の燃料電池1の構成において、電流測定装置20を挟み込むように弾性体を設けた点が異なるものである。
図22は、本実施形態の燃料電池1の全体構成を示す側面図である。図22に示すように、本実施形態では電流測定装置20の両側において、セル10と電流測定装置20との間に導電性を有する弾性体12、13を設けている。導電性を有する弾性体12、13としては、導電材料(例えばカーボン)の粉体をゴムに混入した導電性弾性部材を用いる。
本実施形態のように、セル10と電流測定装置20の間に導電性を有する弾性体12、13を設けることで、セル10や電流測定装置20の加工誤差や組み付け誤差によるばらつきを吸収することができる。さらに、温度変化に伴う熱歪みを吸収することもできる。これにより、セル10と導電体221、222との間の接触を良好にすることができ、これらの間に生ずる接触抵抗を低減することができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態では、電流測定装置でセル面内の発電ばらつき検出している。
図23は第7実施形態に係る電流測定装置23を用いた検査装置の構成図、図24は図23の電流測定装置23の斜視図、図25(a)は図24の電流測定装置23およびセル10の右側面図、図25(b)は電流測定装置23およびセル10の上面図、図26は局所電流測定箇所毎の電流値の測定結果例を示す図、図27は図26の測定結果に基づいて求めたセル内の電流分布を示す図である。
上記「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、燃料電池1のセル面内の加工ばらつきが大きい場合には、電流密度のばらつきが大きくなり、劣化速度が速くなってしまう。そして、積層されたセルの一部に加工ばらつきが大きいセルが存在すると、そのセルが早期に発電不能となるため、他のセルは正常でも電池スタックとしては運転が不能になる。
また、セルが多数積層されて構成された二次電池やキャパシタなどの大面積の電力貯蔵手段においては、製造工程において例えば電極の接合不良があった場合、その部分の抵抗が増大するため、セルの面内に電流のばらつきが発生する。局所的に発電特性の悪い部分が存在すると、そのセルの特性はセルの面内の電流ばらつきが少ないセルに比べて早く劣化する。しかし、単に電流−電圧特性をチェックするのみでは、局所的な発電ばらつきが大きいセルを検出することができない。そのため、セルが多数積層されて構成された二次電池やキャパシタにおいては、寿命の異なるセルが混在することになり、アセンブリとしての信頼性が低下する。
そこで、本実施形態は、図23の検査装置によりセル毎の電流密度分布を測定して、電流ばらつきが少ないセルのみを選別するようにしたものである。
図23において、燃料電池1、あるいは二次電池やキャパシタなどの電力貯蔵手段における1つのセル10と、電流測定装置23とが、コの字状の検査用治具30内に隣接して配置される。セル10と電流測定装置23は、検査用治具30に対して相対移動可能な押し付け部材31により検査用治具30に押し付けられる。セル10には、電力を消費する負荷装置32が接続される。
本実施形態の電流測定装置23は、セル10内の多数の箇所の局所電流を測定するために、第1実施形態の電流測定装置20における、局所電流経路202、絶縁層203、迂回回路204、および電流センサ205に相当するものを、多数備えている。
すなわち、図24および図25に示すように、電流測定装置23は、導電性金属よりなる板状の1枚の導電体231、導電体231内に設けられた導電性金属よりなる多数(本例では8個)の局所電流経路2321〜2328、導電体231と各局所電流経路2321〜2328との間を絶縁する絶縁性樹脂よりなる絶縁層(図示せず)、導電体231および局所電流経路2321〜2328の外部にて導電体231と各局所電流経路2321〜2328との間を接続する迂回回路2341〜2348、各迂回回路2341〜2348中に配置された電流センサ2351〜2358を備えている。
導電体231における一端面2311に、各局所電流経路2321〜2328の一端面が露出していて、導電体231の一端面2311および各局所電流経路2321〜2328の露出面が、セル10に接触するようになっている。
そして、セル10における8カ所の局所電流が、各局所電流経路2321〜2328および各迂回回路2341〜2348をそれぞれ流れ、したがって電流センサ2351〜2358によってセル10の8カ所の局所電流を検出することができる。
図26および図27において、縦軸のaはセル10において第1電流センサ2351にて局所電流が検出される部位、縦軸のbはセル10において第2電流センサ2352にて局所電流が検出される部位、縦軸のcはセル10において第3電流センサ2353にて局所電流が検出される部位、縦軸のdはセル10において第4電流センサ2354にて局所電流が検出される部位である。
図26および図27に示す例では、セル10において第4電流センサ2354にて局所電流が検出される部位dの電流値が他の部位a〜cの電流値に比べて著しく低く、このように電流ばらつきが大きい場合はそのセルは品質に問題ありと判定し、使用を禁止する。したがって、電流ばらつきが少ないセルのみで燃料電池や電力貯蔵手段が構成されるため、これらの信頼性が向上する。
(第8実施形態)
図28は本発明の第8実施形態に係る電流測定装置23の斜視図、図29は図28の電流測定装置24の要部の正面図である。本実施形態の電流測定装置24は、第7実施形態における電流測定装置23の代わりに用いることができる。
本実施形態の電流測定装置24は、第2実施形態の電流測定装置21における、溝2112、柱状部2113、鉄心212、およびホール素子213に相当するものを、多数備えている。
すなわち、図28に示すように、電流測定装置24は、導電性金属よりなる板状の1枚の導電体241を備え、導電体241におけるセルとの接触面2411側に、ロの字状の溝2412によって囲まれた直方体の柱状部2413が多数(本例では15個)形成されている。また、図29に示すように、各溝2412には、各柱状部2413を囲むようにして鉄心242が配置され、鉄心242の両端部間にホール素子243が配置されている。なお、鉄心242とホール素子243とにより、本発明の磁気センサを構成している。
この電流測定装置24を、図23の検査装置の電流測定装置23の代わりに用いた場合、セル10における各柱状部2413に対向する部位から放電される各部の局所電流が対応する柱状部2413に流れ、その電流に比例した磁界が各柱状部2413の周囲に発生する。したがって、各鉄心242部の磁界の強さを各ホール素子243にて測定することにより、各柱状部2413を流れる電流、ひいてはセル10の各部の局所電流を検出することができる。そして、このようにして検出した15カ所の局所電流のばらつき度合いに基づいて、そのセルは品質に問題があるか否かを判定することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、燃料電池として固体高分子型電解質膜を備えるものを用いたが、これに限らず、本発明は例えば無機材料系の電解質を備える燃料電池にも適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る電流測定装置を装着した燃料電池の斜視図である。 図1の燃料電池の側面図である。 図1の電流測定装置の斜視図である。 (a)は図1の電流測定装置における板部の正面図、(b)は板部の右側面図、(c)は(a)のA−A線に沿う断面図、(d)は(a)のB−B線に沿う断面図である。 空気側セパレータの透視図である。 水素側セパレータの透視図である。 電解質膜の乾燥が発生した際の電流Iの変化を示す特性図である。 水素出口部の水滴量増加による水分過剰状態が発生した際の電流Iの変化を示す特性図である。 水素供給量が不足した際の電流Iの変化を示す特性図である。 水分過剰時および水素不足時の電流Iの変化を示す特性図である。 水分過剰時および水素不足時の電流Iの低下速度を示す特性図である。 第2実施形態に係る電流測定装置の斜視図である。 (a)は図12の電流測定装置の要部の正面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は図12の電流測定装置の要部の正面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 第3実施形態に係る電流測定装置の斜視図である。 図15の導電材の平面図である。 図15のB−B断面図である。 図15の導電材の平面図である。 図15のB−B断面図である。 第4実施形態に係る図15のB−B断面図である。 第5実施形態に係る図15のB−B断面図である。 第6実施形態に係る燃料電池の側面図である。 第7実施形態に係る電流測定装置を用いた検査装置の構成図である。 図23の電流測定装置の斜視図である。 (a)は図24の電流測定装置およびセルの右側面図、(b)は電流測定装置およびセルの上面図である。 局所電流測定箇所毎の電流値の測定結果例を示す図である。 図26の測定結果に基づいて求めたセル内の電流分布を示す図である。 第8実施形態に係る電流測定装置の斜視図である。 図28の電流測定装置の要部の正面図である。
符号の説明
1…燃料電池(電力機器)、10…セル、20、21、22、23…電流測定装置、201、221、222…導電体、2112、2212、2222、2412…溝、2113、2213、2223、2413…柱状部、212、223、242…鉄心、213、243…ホール素子。

Claims (8)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセル(10)が複数積層された燃料電池(1)の電流を測定する電流測定装置であって、
    積層された前記セル間に配置され、前記セルからの電流が流れる板状の導電体(211、221)と、
    前記導電体において、溝(2112、2212)に囲まれるように設けられた柱状部(2113、2213)と、
    前記溝に設けられ、前記柱状部の周囲に発生した磁界の強さを測定する磁気センサ(212、213、223)とを備え、
    前記柱状部および前記磁気センサは、前記導電体において、前記セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つに対応する部位に設けられていることを特徴とする電流測定装置。
  2. 前記導電体(221)における前記柱状部が設けられた面に接するように設けられた第2の導電体(222)を備え、
    前記磁気センサは、前記導電体と前記第2の導電体との間に前記溝によって形成される空間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の電流測定装置。
  3. 前記導電体と前記第2の導電体との間には、導電性を有する弾性体(226)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電流測定装置。
  4. 前記溝には前記磁気センサを固定するための緩衝材(225)が設けられており、前記溝と前記磁気センサとの間は絶縁処理が施されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電流測定装置。
  5. 前記磁気センサは、前記溝において接着されて固定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電流測定装置。
  6. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセル(10)が複数積層された燃料電池(1)の電流を測定する電流測定装置であって、
    積層された前記セル間に配置され、前記セルからの電流が流れる板状の導電体(201)と、
    前記導電体に設けられ、前記セルの局所部位からの電流が流れる局所電流経路(202、2321〜2328)と、
    前記導電体の外部に設けられ、前記局所電流経路を流れる電流を前記導電体の外部に迂回させる迂回回路(204、2341〜2348)と、
    前記導電体の外部に設けられ、前記迂回回路を流れる電流を測定する電流センサ(205)とを備え、
    前記局所電流経路、前記迂回経路および前記電流センサは、前記導電体において、前記セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つに対応する部位に設けられていることを特徴とする電流測定装置。
  7. 前記セルと前記導電体との間には、導電性を有する弾性体(12、13)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電流測定装置。
  8. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセル(10)が複数積層された燃料電池の電流を測定する電流測定装置であって、
    前記セルにおいて、電解質膜の両側に一対の電極が配置された電解質・電極接合体(111)の外側に配置され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路および前記酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路の少なくとも一方が形成されている導電性のセパレータ(110、120)と、
    前記セパレータにおいて、溝に囲まれるように設けられた柱状部と、
    前記溝に設けられ、前記柱状部に発生した磁界の強さを測定する磁気センサとを備え、
    前記柱状部および前記磁気センサは、前記セパレータにおいて、前記セル内の乾燥しやすい部位、水分過剰となりやすい部位あるいは燃料ガスが不足しやすい部位の少なくとも1つの部位に設けられていることを特徴とする電流測定装置。
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