JP2005120958A - 内燃機関排ガス浄化装置,排ガス浄化方法及び硫化水素捕捉触媒 - Google Patents
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Abstract
リーンバーン状態で運転される内燃機関において、硫化水素の排出を抑制する。
【解決手段】
空燃比リーンの排ガスと空燃比リッチ或いはストイキの排ガスとが流入する内燃機関排ガス流路に、リーンの時には排ガス中のNOx及びSOxを捕捉する働きを有するNOx浄化触媒を備え、その後段に硫化水素を捕捉する働きを有する硫化水素捕捉触媒を備え、該硫化水素捕捉触媒を加熱する加熱手段を備えた内燃機関排ガス浄化装置において、該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS量が所定量に達した時に空燃比をリーンにし、さらに前記加熱手段を用いて該硫化水素捕捉触媒温度を予め設定された所定温度以上とすることにより、硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させる。
【選択図】図1
Description
H2S 低減技術が求められている。その一つとして特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、希薄燃焼内燃機関の排気通路にNOx吸蔵触媒を設け、さらにその下流にNi酸化物が添加された三元触媒を備えた排気浄化装置が記載されている。
を備え、該NOx浄化触媒よりも排ガス流れの下流側に硫化水素を捕捉する働きを有する硫化水素捕捉触媒を備え、該硫化水素捕捉触媒を加熱する加熱手段を備えた内燃機関排ガス浄化装置において、該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS量が所定量に達した時に空燃比をリーンにし、さらに前記加熱手段を用いて該硫化水素捕捉触媒温度を予め設定された所定温度以上とすることにより、硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部を
SOxとして放出させるようにしたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置にある。
ところが上記触媒再生時に、特に空燃比のリッチ度合いが大きい場合には、例えば式
(2)に示すようにS分が排ガス中に含まれるH2 等と反応することにより、脱離したS分がSOxのみならず硫化水素(H2S )として放出されてしまう場合がある。
そこで、上記NOx捕捉触媒の後段にH2S 捕捉触媒を設置することで大気中への
H2S 放出を抑制することが試みられている。この場合、H2S 捕捉触媒としてMn,
CO,Niを含む触媒を用いれば式(3)に示した反応により、Mn,Co,Niが硫化物を生成するため効果的にH2S を捕捉することができる。
しかし、式(3)に従いH2S を捕捉していくと、長時間の運転後には全てのAが硫化物化してしまいH2S が捕捉できなくなってしまう。そこで、H2S 捕捉触媒にO2 を導入することで式(4)の反応によりSOxとして大気に放出することが必要となる。
上記の方法により、長時間の運転後においても大気中へのH2S 放出を高度に抑制することができる。
H2S 捕捉触媒成分に応じた触媒温度に設定しないと、式(5)の反応によりMn,Co,Niが硫酸塩を生成するため、H2S 捕捉触媒からS分を脱離させることができず、
H2S 捕捉能の再生がされないことが判明した。
即ち、このままではH2S 捕捉触媒のH2S 捕捉能力が低く、長時間の運転後には大気中にH2S を放出することとなる。
H2S 捕捉率が高く、触媒調製に要する原料が少なくてすむという利点がある。
Co3S4,CoS2,CoS1.035,Co4S3,CoS,CoS1.097,Co6S5,Co9S8等が考えられる。Mnの硫化物の形態としては、MnS,MnS2 等が考えられる。Niの硫化物の形態としては、Ni3S2,Ni7S6,Ni9S8,Ni3S4,NiS2 ,NiS,NiS1.03,Ni3.11S2,Ni3S2,Ni2.82S2等が考えられる。
0.2mol部以上0.8mol部以下であることが望ましい。NOx捕捉成分量を基準とする場合はNOx捕捉触媒に含有されるアルカリ量、アルカリ土類量の総和mol 部に対し、Mn,Co,Niの総量が0.2mol部以上0.8mol部以下であると好適である。ここでmol 部とは、各成分のmol換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分1mol部に対してB成分の担持量が0.5mol部ということは、A成分の絶対量の多少にかかわらず、mol 換算でAが1に対しBが0.5の割合で担持されていることを意味する。
manifold入口)から1m未満の距離を指す。この場合、NOx捕捉触媒が縦に設置される場合も想定される。
(触媒調製法)
アルミナ粉末及びアルミナの前駆体からなり硝酸酸性に調製したスラリーをコージェライト製ハニカム(400セル/inc2)にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見掛けの容積1リットルあたり1.9molのアルミナをコーティングしたアルミナコートハニカムを得た。該アルミナコートハニカムに第一回目含浸成分として硝酸Ce溶液を含浸した後、120℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。次に第二回目含浸成分として該Ce担持ハニカムに、ジニトロジアンミンPt硝酸溶液とジニトロジアンミンPd硝酸溶液と硝酸Rh溶液と硝酸Mnと酢酸Kの混合溶液を含浸し、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。次に第三回目含浸成分として該Ce,Rh,Pt,Pd,
Mn,K担持ハニカムに酢酸K溶液と硝酸Na溶液と硝酸Li溶液とTiゾルの混合溶液を含浸した後、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。第二回目含浸液と第三回目含浸液に含有されているKは同じとした。
Mn,Co,Ni,Fe溶液を含浸した後、120℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。この結果、ハニカム1Lに対してアルミナが190g、及び元素換算でMn,
Co,Ni,Feがそれぞれ0.8mol添加されたH2S 捕捉触媒A,B,C,Dを得た。
NOx捕捉触媒中に含まれているアルカリ金属Li,Na,Kが全て硫酸塩化した場合に、リッチガスを流通させた場合のH2S 捕捉触媒に流入するガス成分、及びH2S 捕捉能力を熱力学的に計算した。計算ソフトとしてMALT2(パソコン用熱力学データベース:日本熱測定学会)を用いた。単純化するためNOx捕捉触媒の成分はLi,Na,K,Mn,Tiとした。また、NOx捕捉触媒のハニカム体積を1Lとし、リッチ時のNOx捕捉触媒の温度を700℃とした。
結果を図2に示す。触媒Dは全くH2S を捕捉しないのに対し、触媒A,B,Cは高いH2S 捕捉率を示した。特に触媒Cは500℃〜800℃の広い温度域でH2S 捕捉率が高い。また触媒A,Bは高温になるほどH2S 捕捉率が低くなることから、触媒A,Bを用いる場合にはより500℃に近い温度でH2S を捕捉する必要がある。
CoO+0.89H2S +0.11H2 →CoS0.89+H2O :触媒B
3NiO+2H2S +H2 →Ni3S2+3H2O :触媒C
次に図1に示したシステムに対し、ガス雰囲気をリーンとすることで触媒A,B,CからのS脱離を試みた。NOx捕捉触媒中に含まれているLi,Na,Kは硫酸塩化していないとした。表2にNOx捕捉触媒に流入するリーンガス組成及びNOx捕捉触媒後段から流出するガスの組成の計算結果を示す。
硫酸塩生成率(%)=(1−H2S 捕捉触媒上に生成した硫酸塩量(mol)/H2S 捕捉触媒に存在していたS量(mol))×100(%) …(8)
触媒Aについての結果を図3に示す。触媒Aに含有されているMnが全てMnSになっているとして計算した。
H2S 捕捉能を再生させる場合、リーン運転時に650℃以上の温度に設定する必要がある。
550℃以上とすることで最も効率高く大気へのH2S 放出を抑制。
700℃以上とすることで最も効率高く大気へのH2S 放出を抑制。
650℃以上とすることで最も効率高く大気へのH2S 放出を抑制。
触媒A,B,Cの温度を上記適正温度に上昇させやすくするために、なるべくエンジンに近い部分にH2S 捕捉触媒を設置した方が好ましい。その場合、H2S 捕捉触媒の前段に設置されるNOx捕捉触媒もエンジンに近い部分に設置することが望ましい。図9に
NOx捕捉触媒をエンジン直下に設置した一例を示した。図9のような触媒配置にすることによりH2S 捕捉触媒の温度を高めることが可能となる。
触媒A,B,Cに関し、それぞれ含有されているMn,Co,Ni量を変化させた場合のH2S 捕捉量を計算した。それぞれ実施例1と同様の計算を行った。
molであればH2S 捕捉率は45%を超え、高いH2S 捕捉能を示す。
図13は本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置はリーンバーン可能なエンジン99,エアクリーナー12,エアフローセンサー2,スロットバルブ3等を有する吸気系、酸素濃度センサー(又はA/Fセンサー)7,H2S 捕捉触媒入口ガス温度センサー8,NOx捕捉触媒入口ガス温度センサー、NOx捕捉触媒温度センサー10,NOx捕捉触媒1,H2S 捕捉触媒13,加熱ヒーター14、等を有する排気系及び制御ユニット(ECU)11等から構成される。
ECUは入出力インターフェイスとしてのI/O,LSI,演算処理装置MPU,多数の制御プログラムを記憶させた記憶装置RAM及びROM,タイマーカウンター等により構成される。
Claims (14)
- 空燃比がリーンの排ガスと空燃比がリッチ或いはストイキの排ガスとが流入する内燃機関排ガス流路に、空燃比がリーンの時には排ガス中のNOx及びSOxを捕捉する働きを有するNOx浄化触媒を備え、該NOx浄化触媒よりも後段に硫化水素を捕捉する働きを有する硫化水素捕捉触媒を備え、更に該硫化水素捕捉触媒を加熱する加熱手段を備えた内燃機関排ガス浄化装置において、該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS量が所定量に達した時に空燃比をリーンにし且つ前記加熱手段により該硫化水素捕捉触媒の温度を予め設定された所定温度以上にすることにより、該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させるようにしたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 空燃比がリーンの排ガスと空燃比がリッチ或いはストイキの排ガスとが流入する内燃機関排ガス流路に、空燃比がリーンの時には排ガス中のNOx及びSOxを捕捉する働きを有するNOx浄化触媒を備え、該NOx浄化触媒の後段に硫化水素を捕捉する働きを有する硫化水素捕捉触媒を備えた内燃機関排ガス浄化装置において、空燃比をリーンにし更に該硫化水素捕捉触媒の温度を予め設定された所定温度以上とすることで、該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させるようにしたことを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求項1または2に記載の内燃機関排ガス浄化装置において、前記硫化水素捕捉触媒がMn,Co,Niから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求3に記載の内燃機関排ガス浄化装置において、前記硫化水素捕捉触媒が排ガス中の硫化水素をMn,Co,Niから選ばれた少なくとも1種を含有する硫化物として捕捉する触媒よりなることを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求項3において、排気空燃比をリーンとして、更に前記硫化水素捕捉触媒の温度を、該硫化水素捕捉触媒の含有成分がCoを含む場合は700℃以上、Coを含まずNiを含む場合は650℃以上、Co,Niを含まずMnを含む場合は550℃以上、とすることで該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させることを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記NOx浄化触媒をエンジン直下に備えたことを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させる際に該硫化水素捕捉触媒の前段に空気を吹き込むようにしたことを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記NOx浄化触媒がアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種と、貴金属とを含むことを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 請求項8において、前記硫化水素捕捉触媒に含有されているMn,Coの総量が、前記硫化水素捕捉触媒の前段に設置されたNOx浄化触媒の触媒成分に含有されるアルカリ金属量,アルカリ土類金属量の総和mol 部に対し、0.2mol部以上0.8mol部以下であることを特徴とする内燃機関排ガス浄化装置。
- 空燃比がストイキもしくはリッチ時には排ガス中の硫化水素を硫化物として捕捉し、空燃比がリーン時には捕捉したS分をSOxとして放出する硫化水素捕捉触媒であって、硫化水素捕捉成分としてMnまたはCoの少なくとも一方を含むことを特徴とする硫化水素捕捉触媒。
- 請求項10において、前記硫化水素捕捉成分が多孔質担体に担持され、該多孔質担体
1.9mol部に対して、金属元素換算で、Mn,Coの総量が0.2mol部以上0.8mol部以下であることを特徴とする硫化水素捕捉触媒。 - 空燃比がリッチ或いはストイキ時には排ガス中の硫化水素を硫化水素捕捉触媒に硫化物として捕捉し、空燃比がリーン時には前記硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分をSOxとして放出させる内燃機関の排ガス浄化方法において、空燃比をリーンにして、さらに該硫化水素捕捉触媒の温度を予め設定された所定温度以上とすることで、前記硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させるようにしたことを特徴とする内燃機関排のガス浄化方法。
- 請求項12において、前記硫化水素捕捉触媒がMn,Co,Niから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
- 請求項13において、排気空燃比をリーンとして更に前記硫化水素捕捉触媒の温度を、その含有成分がCo,Niを含まずMnを含む場合は550℃以上、Coを含まずNiを含む場合は650℃以上、Coを含む場合は700℃以上とすることで該硫化水素捕捉触媒に捕捉されたS分の一部或いは全部をSOxとして放出させるようにしたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
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JP2003358644A JP2005120958A (ja) | 2003-10-20 | 2003-10-20 | 内燃機関排ガス浄化装置,排ガス浄化方法及び硫化水素捕捉触媒 |
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---|---|---|---|---|
FR2922592A1 (fr) * | 2007-10-17 | 2009-04-24 | Renault Sas | Procede de desulfuration des gaz d'echappement d'un moteur de vehicule |
KR101526768B1 (ko) * | 2013-12-27 | 2015-06-05 | 현대자동차주식회사 | 질소산화물 정화 장치의 탈황 방법 |
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2003
- 2003-10-20 JP JP2003358644A patent/JP2005120958A/ja active Pending
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