JP2005113123A - 光硬化型接着剤及びこれを用いる接着方法 - Google Patents

光硬化型接着剤及びこれを用いる接着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光照射前の粘度が低く、かつ、光照射後の液状態(ゲル化点に達する前の状態)を被着体同士の位置あわせ等に必要な時間、例えば5〜30分間、持続することができ、かつゲル化点における粘度が充分高い遅硬性の光硬化型接着剤及びそれを用いた接着方法を提供すること。
【解決手段】 2官能及び/又は多官能オキセタン化合物(成分A)を50〜99重量%、単官能オキセタン化合物(成分B)を0〜40重量%、環状構造を有するエポキシ化合物(成分C)を1〜50重量%、及び触媒量の光開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤であって、初期粘度が10〜1,000mPa・sであり、かつゲル化点粘度が1×101〜9×106Pa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型接着剤及びそれを用いた接着方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光不透過性部材の接着にも使用することができる光硬化型接着剤及びこれを用いた接着方法に関する。
DVD(デジタル・ビデオ/バーサタイル・ディスク)光記録用媒体では、2つの部材を貼り合わせて製品が完成する。貼り合わせには、2つの部材の位置あわせが必要であるから、比較的ゆっくりとした硬化速度を有する紫外線硬化型の接着剤が使用されている(特許文献1参照)。
これらのいわゆる遅硬性光硬化接着剤は、光カチオン重合性の組成物を利用し、組成物を1つの被着体に塗布し、この組成物に紫外線(UV)を照射することにより硬化反応を開始させ、まだこの組成物が液状である間にもう一つ別の被着体を重ね合わせ、加圧保持して接着を完了する。光照射により開始されたカチオン重合反応はいわゆるリビング性を有し、光を遮断しても暗反応として持続する。
最近、多種多様の光デバイスや電子デバイスが開発され製造されているが、従来使用されている遅硬性の光硬化接着剤では、光照射前の粘度が十分に低くないため薄層に塗布することが難しく、又、光照射後の液状保持時間が充分長くないために複雑な位置あわせを行うことが困難である。
特開2001−256677号公報 特開2000−344872号公報 特開2003−147324号公報
本発明が解決しようとする課題は、光照射前の粘度が低く、かつ、光照射後の液状態(ゲル化点に達する前の状態)を被着体同士の位置あわせ等に必要な時間、例えば5〜30分間、持続することができ、かつゲル化点における粘度が充分高い遅硬性の光硬化型接着剤を提供することである。
本発明の上記の課題は以下の手段(1)によって解決された。
(1)2官能及び/又は多官能オキセタン化合物(成分A)を50〜99重量%、単官能オキセタン化合物(成分B)を0〜40重量%、環状構造を有するエポキシ化合物(成分C)を1〜50重量%、及び触媒量の光開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤であって、初期粘度が10〜1,000mPa・sであり、かつゲル化点粘度が1×101〜9×106Pa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型接着剤、およびそれを用いた接着方法によって解決された。
以下に、上記(1)に係る接着剤について、いくつかの好ましい実施態様をこれを使用する接着方法と共に列挙する。
(2)光増感剤又はシランカップリング剤を含有する(1)に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤、
(3)紫外線又は可視光線の照射により硬化する(1)又は(2)に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤、
(4)紫外線又は可視光線を照射してからゲル化に要する時間t(gel)が紫外線の場合2〜30分であり、又、可視光線の場合5〜30分である(1)〜(3)いずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤、
(5)成分Bとして、水酸基を有する単官能オキセタン化合物を含有する(1)〜(4)いずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤、
(6)成分Aとして、2つのオキセタニル基の間に位置する連結基として、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、2つのフェニレン基がメチレン基で結合された基、又はビナフタレン基を有する2官能オキセタン化合物を含有する(1)〜(5)いずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤、
(7)被着体A及びこれとは別の被着体Bとを接着する接着方法であって、被着体Aの表面に、(1)〜(6)いずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤を接着剤厚みが0.05〜50μmとなるように塗布して接着剤層を形成する工程、前記接着剤層に紫外線又は可視光線を照射する工程、及び、活性エネルギー線照射開始後、前記接着剤のゲル化に要する時間t(gel)の0.01〜4倍の時間を経過した後に、前記接着剤層と被着体Bとを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする接着方法。
ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、可視光線を含み、電子線、γ−線等の上記成分A、B、C及び光開始剤を含有する組成物の硬化反応を開始することのできる活性種を生成することができるエネルギー線をいう。以下、「活性エネルギー線硬化接着剤」を単に「光硬化接着剤」ともいう。
本発明の光硬化接着剤は、光不透過性の被着体同士を貼り合わせる場合でも、2つの被着体同士の位置決めをするために必要とされる充分な作業時間を与える。かつ、本発明の光硬化接着剤は、高いゲル化点粘度を与える接着剤とすることもでき、貼り合わせの際に2つの被着体界面からはみ出す接着剤の量を低減することができる。
本発明の光硬化型接着剤は、二官能及び/又は多官能オキセタン化合物(成分A)を50〜99重量%、単官能オキセタン化合物(成分B)を0〜40重量%、環状構造を有するエポキシ化合物(成分C)を1〜50重量%、及び触媒量の光開始剤を含有し、初期粘度が10〜1,000mPa・sであり、かつゲル化点粘度が1×101〜9×106Pa・sであることを特徴とする。成分Aについて、二官能及び多官能オキセタン化合物が併用されている場合には、配合比率については、その総量を意味する。本発明において、初期粘度とは光を照射する前の室温25℃における光硬化型接着剤の粘度を意味する。ゲル化点とは、粘弾性測定における貯蔵弾性率と損失弾性率が交差する点(tanδ=1)をいう。ゲル化点粘度とは、ゲル化点における粘度を意味する。
本発明の光硬化型接着剤の成分A、B及びCについて、その配合比率と共に説明する。
本発明に用いる光硬化型接着剤は、2官能又は多官能オキセタン化合物(成分A)を50〜99重量%、単官能オキセタン化合物(成分B)を0〜40重量%、環状構造を有するエポキシ化合物(成分C)を1〜50重量%含有する。ここで、成分A、B及びCの合計は100重量%である。
成分Aは、2官能オキセタン化合物及び/又は多官能オキセタン化合物である。2官能オキセタン化合物とは、1分子中に2個のオキセタニル基を有する化合物をいう。また、多官能オキセタン化合物とは、1分子中に平均して2個を超えるオキセタニル基を有する化合物をいう。
本発明において、2官能又は多官能オキセタン化合物としては、以下の一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005113123
式(1)中、mは2、3又は4の自然数を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。R1は水素原子、フッ素原子、炭素数が1ないし6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、炭素数が1ないし6のフルオロアルキル、アリル基、フェニル基又はフリル基である。R2は、m価の連結基であり、炭素数が1ないし20の基であることが好ましく、1個以上の酸素原子、硫黄原子を含んでいても良い。
Zは酸素原子が好ましく、R1はエチル基が好ましく、mは2、3又は4が好ましく、2がより好ましく、R2としては、炭素数が1ないし16の線形又は分岐アルキレン基、線形又は分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、フェニレン基、1,4−CH2−C64−CH2−、ビフェニレン基、2つのフェニレン基がメチレン基で結合された基、ナフタレン基、ビスナフタレン基等が好ましく、R1、R2、Z、及びmに対する好ましい例の内から任意の2つ以上を組み合わせた化合物は更に好ましい。
成分Aとして使用できる2官能オキセタン化合物の例は、東亞合成(株)製の1,4−ビス{(3−エチル−オキセタニル)メトキシメチル}ベンゼン(XDO)、1,3−ビス{(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}ベンゼン(RSOX)、2,2’−ビス{(3−エチルオキセタニル−3−イル)メトキシ}ビフェニル(2,2’−BPOX)等が例示できる。
また、成分Aとして、特開2001−31664号公報に記載された連結部分にナフタレン基を有するビスオキセンタン類が使用できる。同じく、特開2001−31666号公報に記載されたビナフタレン基を連結部分に含むビスオキセタン類、特開2002−80581号公報に記載されたビスフェノールF及びその核置換体を連結部分とするビスオキセタン類も成分Aとして使用できる。
本発明で成分Aとして使用する2官能又は多官能オキセタン化合物は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
2官能又は多官能のオキセタン化合物(成分A)は、本発明の接着剤の主成分であり、リビング重合性を付与し、硬化後の接着剤に必要とされる強度を付与する。
成分Aの含量は、成分A〜成分Cの総量に対して、好ましくは60〜98重量%、より好ましくは70〜98重量%である。
成分Bは単官能オキセタン化合物である。単官能オキセタン化合物とは、1分子中に1個のオキセタニル基を有する化合物をいう。
本発明において、単官能オキセタン化合物としては、以下の一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005113123
式(2)中、R3はメチル基又はエチル基を示す。R4は水素原子または炭素数1ないし12の炭化水素基を示す。
4の炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフタレン基、又はアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数6ないし8のアルキル基が好ましく、2−エチルへキシル基等の分岐アルキル基が特に好ましい。R4がフェニル基であるオキセタン化合物の例は、特開平11−140279号公報に記載されている。R4が置換されていても良い、ベンジル基であるオキセタン化合物の例は、特開平6−16804号公報に記載されている。
成分Bとして使用できる単官能オキセタン化合物は、市販されており、東亞合成(株)製の3−エチル−3−(2−エチルシクロヘキシルメチル)オキセタン(EHOX)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(POX)、3−エチル−3−(ヒドロキシシメチル)オキセタン(OXA)が例示できる。
本発明で使用する単官能オキセタン化合物は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
成分Bの含量は、成分A〜成分Cの総量に対して、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは、0〜20重量である。
単官能オキセタン化合物(成分B)は、カチオン重合性であるが、成分Aよりは低粘度であるために、その配合により接着剤の粘度を低下するのに有効である。一般に40重量%を超える配合量は、希釈効果のためには不要である。配合量が多すぎると、硬化後の接着剤の強度を低下させる傾向がある。
式(2)において、R4が水素原子の単官能オキセタンを配合すると、ゲル化に要する時間(以下、「t(gel)」とも表記し、「ゲル化点時間」ともいう。)を長くするのに有効である。配合量が約5重量%で効果が明らかであり、約10重量%の配合量が多くの場合適切である。
成分Cは、エポキシ化合物である。このエポキシ化合物は、エポキシ基以外の部分に環状構造を有することが好ましく、単官能でも良く、2官能以上のエポキシ化合物であっても良い。
本発明において遅硬性を高めるためには、反応速度の比較的遅い「通常のエポキシ化合物」が成分Cとして好ましく使用できる。「通常のエポキシ化合物」とは、シクロペンテン基やシクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸等の酸化剤でエポキシ化した部分構造を有する脂環式エポキシ基を有しないエポキシ化合物をいう。
上記の単官能又は2官能以上の、通常のエポキシ化合物は化合物中に1つ以上の環状構造を有することが好ましい。ここで環状構造とは、オキシラン環以外の環をいい、芳香族基、シクロアルキル基等が挙げられる。
環状構造を有するエポキシ化合物の具体例としては、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物が挙げられる。本発明において、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は好ましく使用できる。これらのエポキシ化合物は、ダイセル化学工業(株)、大日本インキ化学工業(株)等から市販されている。
本発明で使用するエポキシ化合物(成分C)は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
成分A及び成分Bに、成分Cを配合することにより、接着剤の硬化速度を速くすることができる。
成分Cの含量は、成分A〜成分Cの総量に対して、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは、5〜30重量%である。
脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物を配合すると、硬化速度が速くなりすぎる傾向があり本発明の成分Cとして使用するのにはあまり適当でない。
本発明に用いる光硬化型接着剤には、紫外線又は可視光線等の活性エネルギー線(以下単に「光」ともいう。)の照射によりカチオン重合を開始させる活性種を生成する光開始剤を配合することが必要である。なお、活性エネルギー線として電子線を使用することもできる。
光開始剤としては、吸収された光の作用により硬化反応を開始することのできる活性種を生成することのできるオニウム塩が好ましく使用される。オニウム塩光開始剤は、開始剤自身が光を吸収することにより励起状態になり、又は共存する光増感剤が光を吸収して生成する励起状態の光増感剤から光開始剤へのエネルギー移動により励起状態になり、活性な化学種を生成すると考えられる。オニウム塩光開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩等が、熱的に比較的安定であるために好ましい。ここで、オニウム塩から活性な化学種を生成する光は、波長が300nmないし390nm未満の紫外線、及び波長が390nmないし500nmの可視光線が好ましい。
又、光開始剤は触媒量使用すれば良く、その添加量は成分A〜成分Cの合計100重量部に対して、通常0.1ないし10重量部であり、0.1ないし6重量部が好ましい範囲である。
以下に、光開始剤の化学構造について詳しく説明する。
芳香族スルフォニウム塩及び芳香族ヨードニウム塩を光開始剤として使用する場合、その対アニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C654 -などが挙げられる。開始剤としては、芳香族スルフォニウムのPF6塩又はSbF6塩が、溶解性と適度の重合活性を有するために好ましく使用できる。又、溶解性を改良するために、芳香族基ヨードニウム塩又は芳香族スルフォニウム塩の芳香族基、通常はフェニル基に、1ないし10の炭素を有する、アルキル基又はアルコキシ基を1つ以上導入した化学構造が好ましい。
芳香族スルフォニウム塩のPF6塩又はSbF6塩は、ユニオンカーバイド日本(株)等から市販されている。旭電化工業(株)からも、アデカオプトマーSPシリーズの商品名で芳香族スルフォニウムのPF6塩が市販されている。日本曹達(株)からも、カチオン重合開始剤「CIシリーズ」の商品名で芳香族スルフォニウムのPF6塩が市販されている。
以下に示す化学構造式の中でもスルフォニウム塩PI−3及びPI−4は、本発明で好ましく使用される。
また、PI−11〜PI−13に示すヨードニウム塩は、特開2002−302507号公報に記載されている。
Figure 2005113123
本発明の接着剤に好ましく使用できるヨードニウム塩を、以下に例示する。これらの他に、特開2002−302507号公報に記載されているヨードニウム塩化合物も本発明の光開始剤として使用できる。
Figure 2005113123
なお、式中、Etはエチル基を示し、Meはメチル基を示す。
(光増感剤)
本発明に用いる光硬化型接着剤には、必要に応じて光開始剤の活性を高めるため、光増感剤を併用することができる。
光増感剤は、オニウム塩光開始剤を含む光硬化型接着剤が可視光線、好ましくは390〜500nmの領域の可視光線に対して本接着剤を硬化性にするための化合物である。この光増感剤により吸収された光エネルギーは、共存する光開始剤にエネルギー移動され、光開始剤に硬化反応を開始するカチオン種及び/又はラジカルカチオン種を生成せしめると考えられる。別の開始機構としては、光増感剤が励起状態から活性化学種を生成し光開始剤の反応開始種を生成するとも考えられる。
本発明で好ましく使用される光増感剤は、390〜500nmに吸収を有するチオキサントン類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、及び9,10−ジアルコキシアントラセン類であり、中でも9,10−ジアルコキシアントラセン類が特に好ましい。この化合物の具体例は特開平11−322952号公報に記載されている。また、特開2002−302507号公報に記載された式(I)の化合物も使用することができる。
また、上記の光増感剤を使用する場合には、390〜500nmの可視光を吸収して接着剤の硬化反応を開始させるに充分な量であれば良く、その添加量は成分A〜成分Cの合計100重量部に対して、通常0.1ないし10重量部であり、0.1ないし5重量部が好ましい範囲である。
以下に本発明の光増感剤の具体例を示す。
Figure 2005113123
(シランカップリング剤)
また、本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤には、必要に応じてシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤は、被着体と接着剤を化学的に結合する性質を有していると考えられている。このシランカップリング剤の併用により、接着強度及び接着耐久性を改良することができる。本発明に併用するシランカップリング剤としては、1分子中にエポキシ基及びトリエトキシシリル基を有するエポキシシラン類が好ましく用いられる。このようなカップリング剤は、信越化学工業(株)からKBM403、KBM303、KBM402等の商品名で入手できる。シランカップリング剤の添加量は、上記成分A〜成分Cの合計100重量部に対して、0.1ないし10重量部であり、0.1ないし3重量部が好ましい範囲である。
本発明の接着剤は、活性エネルギー線を照射する前の初期粘度が、10〜1,000mPa・sである。10mPa・s未満の粘度であると被着体上に塗布した際に流れる傾向があり、1,000mPa・sを超えると被着体に均一に塗布しにくい傾向がある。
なお、本発明における初期粘度は、室温25℃において、VAR−100型ビスコアナライザー(ジャスコインタナショナル(株)製)により測定する。測定は、アルミ製円板(直径30mm)と石英ガラス製円板の間に接着剤が300μmの厚さとなるように接着剤をはさみ込み、オシレーション歪制御(周波数1Hz、歪み30%)の測定モードで複素粘性率η*を測定する
本発明の接着剤は、下記の方法により測定して得られるゲル化点粘度が1×101〜9×106Pa・sである。このゲル化点粘度の範囲であると、貼り合わせた際に2つの被着体間からはみ出す接着剤量を低減することができ、かつ、硬化反応が完結したときに必要な接着強度を得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤は、紫外線又は可視光線を照射してからゲル化点に要する時間、すなわちゲル化点時間t(gel)が紫外線の場合2〜30分であり、又、可視光線の場合5〜30分であることが好ましい。t(gel)は、以下に記載する粘弾性測定測定により測定することができる。
粘弾性測定は室温25℃において行い、VAR−100型ビスコアナライザーを測定に使用する。測定には石英ガラス上に接着剤を約12μmの厚さに塗布し接着剤層を形成する。水銀ランプ光源からUV遮断フィルター及び石英ガラスを通して、光硬化型接着剤に露光する。露光後、速やかに、この接着剤層の上に、直径6mmのアルミニウム板を押し下げ、接着剤層の測定厚さが10μmとなるようにして接着剤層を石英ガラスとこのアルミニウム板とで挟み込み、粘弾性測定を開始する。オシレーション歪制御(周波数1Hz、歪み最大5%)の測定モードで複素粘性率 η*及びtanδを測定する。露光後の接着剤の硬化の進行を粘弾性測定により追跡できる。測定条件の詳細は説明する通りである。
本発明の光硬化型接着剤は、初期粘度が1,000mPa・s以下であるため、容易に接着剤層を約10μmの薄い厚さで形成することができる。石英ガラス板上に塗布用バーロッド等を使用して接着剤層を形成した後に、接着剤層に紫外線又は可視光線を照射する。
紫外光は、UVスポット光源(浜松ホトニクス(株)製L5662−01)を使用して、その照射強度はUVパワーメータ(浜松ホトニクス(株)製C6080−03)で測定し、石英ガラスを透過する位置で100mW/cm2となるようにする。可視光は、上記のスポット光源のシングルライトガイドと石英ガラスとの間にUV遮断フィルターGG385(ショット日本(株)製)を設置して使用した。
図1に動的粘弾性の測定結果の1例を示す。
第1図において、横軸は可視光照射開始からの経過時間(分)を示し、縦軸(左)は複素粘性率η*を指数目盛りで示し、縦軸(右)はtanδを指数目盛りで示す。複素粘性率は経過時間と共に単調に増大し、その曲線上の白丸(○)はゲル化点を示す。このゲル化点は、ASTM D4473により定義されるように貯蔵弾性率及び損失弾性率が交差する点、すなわちtanδ=1に相当する。白丸を与える光照射開始からの経過時間は、ゲル化点時間t(gel)である。
図1には、実施例3及び実施例13の接着剤についての結果を図示した。
以上のような光硬化型接着剤層に、上記の光源から紫外光又は可視光を照射して、前述の粘弾性測定の結果得られるゲル化点時間t(gel)が25℃において、紫外線の場合2〜30分であり、又、可視光線の場合5〜30分であることが好ましい。
光硬化型接着剤が上記のゲル化点時間を有すると、一方の被着体上に接着剤層を形成し、適当な時間光照射して硬化反応を開始した後、光を透過しない別の被着体を貼り合わせて、必要な位置あわせの時間を確保できる。
本発明の光硬化型接着剤は、紫外線又は可視光線等の活性エネルギー線の照射により、硬化反応が開始する。所定の時間光照射した後は、光を遮断しても暗反応により硬化反応が持続し、時間の経過と共に硬化反応が完結する。硬化反応を暗反応として持続するために必要な光照射時間は、成分A、B及びCの配合処方に依存するが、一般に、光照射時間が短い場合ゲル化点時間は長くなり、光照射時間が長い場合ゲル化点時間は短くなる。
本発明の接着方法は、被着体A及びこれとは別の被着体Bとを接着する方法であって、上記の光硬化型接着剤を接着剤厚みが0.05〜50μmとなるように被着体Aに塗布する工程、前記接着剤に紫外線又は可視光線を照射する工程、及び、活性エネルギー線照射開始後前記接着剤のゲル化に要する時間t(gel)の0.01〜4倍を経過した後に、前記接着剤と被着体Bを貼り合わせる工程を含む。
塗布工程において、接着剤の厚みは0.1〜30μmであることがより好ましく、0.5〜15μmであることが特に好ましい。
貼り合わせ工程は、活性エネルギー線照射開始後t(gel)の0.1〜2倍を経過した後に実施することが好ましく、t(gel)の0.2〜1.0倍を経過した後に実施することがより好ましい。
貼り合わせ工程の後、必要に応じて、2つの被着体A及びBの位置あわせを行う。
位置合わせが終了した後、2つの被着体を固定し、必要に応じて、圧着する。
前述したように、本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤は、活性エネルギー線の照射により硬化反応が開始され、その硬化反応は活性エネルギー線の照射を遮断しても暗反応として熱的に持続する。従って、光を透過しない被着体同士の接着に対しても、本発明の接着剤を好適に使用することができる。
本発明の実施例で使用する材料を、後掲の表1にまとめて示した。また、その化学構造式を以下に示した。
Figure 2005113123
Figure 2005113123
Figure 2005113123
Figure 2005113123
<動的粘弾性による硬化プロフィールの測定>
VAR−100型ビスコアナライザー(ジャスコインタナショナル(株)製)を用いて、測定ジオメトリーはパラレルプレートにより測定を行った。パラレルプレートは石英ガラス製プレートとアルミ製プレート(直径6mm)を用いた。
まず、石英ガラス製プレート上へ、接着剤を厚さ10〜13μmとなるようにD−Bar(オーエスジー製)によりバーコートを行った。
次に、石英ガラスプレートを通して、UV光、または可視光を一定時間照射した。UV光は、UVスポット光源(L5662−01:浜松ホトニクス製)を使用し、その照射強度はUVパワーメーターC6080−03(浜松ホトニクス製)で石英ガラスプレートを通して100mW/cm2とした。また、可視光は、スポット光源のシングルライトガイドと石英パラレルプレートの間にUVカットフィルターGG385(ショット日本(株)製)を設置することにより得た。
光照射後、速やかにアルミプレートを石英ガラスプレートとの間隔が10μmになるように、接着剤を挟み込み、測定を開始した。
測定温度は25℃とし、測定モードはオシレーション歪制御(周波数=1Hz、歪=5%(Max)etc.)の条件として、複素粘性率η*及びtanδを測定した。
ゲル化点は、ASTM D4473により定義される、貯蔵弾性率及び損失弾性率が交差する点(tanδ=1)とし、その点の粘度をゲル化点粘度とした。また、ゲル化点となる時間は、光照射開始からの経過時間とし、ゲル化点時間とした。
(実施例1及び2)
実施例1及び2、比較例1〜3の接着剤を以下の表2に示したように配合し、得られたゲル化点時間及びゲル化点粘度の結果と共に示した。何れも可視光を照射した。
Figure 2005113123
比較例は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂をメインとした配合で、ゲル化点粘度は高いが、ゲル化点時間が短い。
実施例は、2官能オキセタンをメインとした配合で、ゲル化点時間は比較例の2倍以上であるが、ゲル化点粘度は10Pa・sのオーダーである。
(実施例3〜5)
実施例3〜5の接着剤を以下の表3に示したように配合し、得られたゲル化点時間及びゲル化点粘度の結果と共に示した。何れも可視光を照射した。
Figure 2005113123
表2より光開始剤と光増感剤を変更した。添加量を多くすると、ゲル化点時間が短くなる。
EXA830LVPの添加率を多くするとゲル化点時間が短くなる。何れの場合も、この添加の範囲ではゲル化点粘度は少し大きくなった。
(実施例3、6及び7)
実施例3を繰り返し、新たな実施例6及び7の接着剤を以下の表4に示したように配合し、得られたゲル化点時間及びゲル化点粘度の結果と共に示した。何れも可視光を照射した。
Figure 2005113123
XDOをRSOXに変えると、ゲル化点時間は短くなるが、ゲル化点粘度が10倍以上大きくなった。
光開始剤と光増感剤の組合せでは、CI−5102/CS7102の方が、UVI6992/SP100の組合せよりもゲル化点時間が長くなった。
(実施例8〜13)
実施例8〜13の接着剤を以下の表5に示したように配合し、得られたゲル化点時間及びゲル化点粘度の結果を表5に示した。何れも可視光を照射した。
Figure 2005113123
2官能オキセタンを2,2’−BPOXとすると、RSOXよりゲル化点時間は短くなるが、ゲル化点粘度は1000倍以上大きくなる。
EXA830LVPを減らすとゲル化点粘度は大きくは変わらないが、ゲル化点時間が長くなる。
単官能オキセタンOXAを添加するとゲル化点粘度は大きくは変わらないが、ゲル化点時間が長くなる。
(実施例14及び15)
新たな実施例14及び実施例15並びに前記の実施例8及び10の再実験の接着剤を表6に示したように作成し、試験して得られたゲル化点時間及びゲル化点粘度の結果を表6に示した。それぞれ可視光又はUV光を照射した。
Figure 2005113123
可視光とUV光を比較すると、可視光の方がゲル化点時間が長くなる。ゲル化点粘度は大きくは変わらない。
(比較例5)
参考までに市販品(DVD貼り合せ用)を実施例1と同様にして試験して得られたゲル化点時間及びゲル化点粘度の結果を表7に示した。紫外光を5秒照射した。この市販品のゲル化点時間が短いことが明らかとなった。
Figure 2005113123
本発明は、各種の光デバイス及び電子デバイスの製造に使用できる。特にCCDの装着に好適に使用できるので、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の製造に有用である。
図1は本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤の光照射による硬化反応を動的粘弾性挙動の時間変化として示した1例である。

Claims (5)

  1. 2官能及び/又は多官能オキセタン化合物(成分A)を50〜99重量%、
    単官能オキセタン化合物(成分B)を0〜40重量%、
    環状構造を有するエポキシ化合物(成分C)を1〜50重量%、及び
    触媒量の光開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤であって、
    初期粘度が10〜1,000mPa・sであり、
    かつゲル化点粘度が1×101〜9×106Pa・sであることを特徴とする
    活性エネルギー線硬化型接着剤。
  2. 光増感剤又はシランカップリング剤を含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤。
  3. 活性エネルギー線として紫外線又は可視光線を照射することにより硬化する請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤。
  4. 活性エネルギー線として紫外線又は可視光線を照射してからゲル化に要する時間t(gel)が紫外線の場合2〜30分であり、又、可視光線の場合5〜30分である請求項1〜3いずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤。
  5. 被着体A及びこれとは別の被着体Bとを接着する接着方法であって、
    被着体Aの表面に、請求項1〜4いずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤を接着剤厚みが0.05〜50μmとなるように塗布して接着剤層を形成する工程、
    前記接着剤層に活性エネルギー線を照射する工程、及び
    活性エネルギー線照射開始後、前記接着剤層のゲル化に要する時間t(gel)の0.01〜4倍を経過した後に、前記接着剤層と被着体Bとを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする接着方法。
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JP2022531208A (ja) * 2019-04-29 2022-07-06 常州強力電子新材料股▲分▼有限公司 光硬化型接着剤組成物、光硬化型接着剤、偏光板及び光学設備

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