JP2005104743A - シリコン鋳造用鋳型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 離型材層を鋳型内面に被覆してシリコンを鋳造する際に、シリコン融液と鋳型との接触を避け、シリコン鋳塊の割れを防止する鋳造用鋳型を提供する。
【解決手段】 鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、この鋳型の内表面の上部における離型材層を下部における離型材層より厚くしたことを特徴とするシリコン鋳造用鋳型。
【選択図】 図1

Description

本発明はシリコン鋳造用鋳型とその製造方法に関し、特に太陽電池などを形成するための多結晶シリコン鋳造用鋳型に関する。
従来から太陽電池を形成するための半導体基板の一種として多結晶シリコンが用いられている。このような多結晶シリコンは、高温度で加熱溶融させたシリコン融液を鋳型内に注湯して凝固させることによって形成したり、シリコン原料を鋳型内に入れて一旦溶解した後に再び凝固させることによって形成している。
このような鋳型としては、通常、分割可能である黒鉛からなる鋳型の内表面に離型材を被覆したものや、一体構造であるシリカからなる鋳型の内表面に離型材を被覆したものが用いられる。一般的に離型材としてはシリコンの窒化物である窒化珪素(Si)、シリコンの炭化物である炭化珪素(SiC)、シリコンの酸化物である二酸化珪素(SiO)等の粉末が用いられ、これらの粉末を適当なバインダーと溶剤とから構成される溶液中に混合して攪拌してスラリーとし、鋳型内壁に被覆若しくはスプレー等の手段でコーティングすることが公知の技術として知られている(例えば、非特許文献1参照)。
15th Photovoltaic Specialists Conf. (1981), P576〜P580, "A NEW DIRECTIONAL SOLIDIFICATION TECHNIQUE FOR POLYCRYSTALLINE SOLAR GRADE SILICON"
ところが、窒化珪素を黒鉛製鋳型の内表面に被覆してシリコンを鋳造するような場合、離型材層がポーラスな構造であるため、シリコン融液が離型材層に浸透して鋳型と接触し、脱型する時にシリコン鋳塊が割れるという問題があった。そのため、離型材層を厚く被覆することで、シリコン融液と鋳型との接触を避け、シリコン鋳塊の割れを防止する必要があった。また、黒鉛製鋳型を再利用するためにもシリコン融液と鋳型との接触を避ける必要があり、離型材層を厚くする方法が用いられていた。しかし、離型材層を厚く被覆すると、脆弱である窒化珪素膜が、シリコン融液を注湯する際に、またその後の凝固の際に、窒化珪素膜が破損してシリコン融液内に混入するという問題があった。
また、窒化珪素を石英からなる鋳型に被覆してシリコンを鋳造するような場合は、石英製鋳型を割ることによりシリコン鋳塊を脱型するために、再利用を考慮して離型材層を厚く被覆する必要は無いが、黒鉛製鋳型と同様にシリコン融液と鋳型の接触によるシリコン鋳塊の割れが生じ、割れの大きさによっては良品となるシリコン鋳塊が所望寸法より小さくなるような問題が生じていた。そのため、黒鉛製鋳型と同様、離型材層を厚く被覆する対策方法が用いられているが、窒化珪素膜が破損してシリコン融液内に混入するという黒鉛製鋳型と同様の問題が存在した。
一般的に鋳型の離型材層とシリコン鋳塊が接触する部分では、接触していない部分と比較してシリコン鋳塊の品質が悪く、高品質な太陽電池を要求されるような場合には利用されていなかったため、切除領域を大きく取ることで良品となるシリコン鋳塊が小さくなるような問題は回避できたが、品質の優れたシリコン鋳塊では、本来切除する必要の無い領域まで切除するという無駄が生じていた。
また、離型材と鋳型基材の接着力を増加するような二酸化珪素(SiO)を混合した離型材を被覆することで、離型材層の破損を防止するような方法もあるが、二酸化珪素(SiO)の重量比率が大きくなると、離型材層と鋳型との付着が生じるため鋳型の再利用ができなくなる問題、二酸化珪素の重量比率が小さくなると、離型材層が破損してシリコン融液内に混入するという同様の問題が生じていた。
本発明は、このような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、離型材層を鋳型内面に被覆してシリコンを鋳造する際に、シリコン融液と鋳型との接触を避け、シリコン鋳塊の割れを防止する鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
また、鋳型内にシリコン融液を注湯する際、その後の凝固する際、或いは鋳型に入れたシリコン原料を溶解する際に、破損した離型材のシリコン融液内への落下を抑制したシリコン鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のシリコン鋳造用鋳型は、鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、この鋳型の内表面の上部における離型材層を下部における離型材層より厚くしたことを特徴とする。
また、本発明のシリコン鋳造用鋳型は、鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、上部の離型材層と下部の離型材層との間に、これら各離型材層に比べて厚くした中間離型材層を設けたことを特徴とする。
また、本発明のシリコン鋳造用鋳型は、前記離型材は窒化珪素と二酸化珪素の混合比が10:0〜1:9であることを特徴とする。
また、本発明のシリコン鋳造用鋳型は、前記離型材の乾燥後の密度が1〜2g/cmであり、この離型材層の厚くされた部分の厚みを0.5mm以上にしたことを特徴とする。
また、本発明のシリコン鋳造用鋳型は、前記離型材の乾燥後の密度が2〜3g/cmであり、この離型材層の厚くされた部分の厚みを0.15mm以上にしたことを特徴とする。
また、本発明のシリコン鋳造用鋳型は、前記鋳型の本体が黒鉛やシリカからなることが望ましい。
さらに前記黒鉛は炭素繊維強化材料であればさらによい。
請求項1に係るシリコン鋳造用鋳型によれば、鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、この鋳型の内表面の上部における離型材層を下部における離型材層より厚くしたことから、鋳型がシリコンの鋳塊に付着することによって発生するシリコンの割れを防止することができる。
また、請求項2に係るシリコン鋳造用鋳型によれば、鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、この鋳型の内表面に上部及び下部の離型材層より離型材層を厚くした部分を設けたことから、鋳型がシリコン鋳塊に付着することによって発生するシリコンの割れを防止することができる。また、シリコン鋳塊への離型材の落下を防止することができ、異物不良枚数を減らすことが可能である。
以下、各請求項に係る発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシリコン鋳造用鋳型に用いられる鋳型を示す模式図、図2は本発明に係るシリコン鋳造用鋳型の一例を示す図、図3は本発明に係る他のシリコン鋳造用鋳型の一例を示す図である。
図1において、鋳型1は例えば黒鉛などから成り、一つの底部材1aと4つの側部材1bを組み合わせた分割、組み立て可能な分割鋳型等で構成される。
なお、底部材1aと側部材1bは、ボルト(不図示)などで固定することによって分割可能に組み立てられたり、底部材1aと側部材1bが丁度嵌まる枠部材(不図示)で固定することによって分割可能に組み立てられる。
鋳型1の内表面には、底部材1aや側部材1bを何回も繰り返して使用することができるように離型材2が被覆される。このような離型材2としては、窒化珪素(Si)の粉体とポリビニルアルコール水溶液で混ぜ合わせて鋳型1の内面に被覆する。窒化珪素とポリビニルアルコール水溶液などで混合することによって、粉体である窒化珪素がスラリー状となり、黒鉛製の鋳型1に被覆しやすくなる。
窒化珪素の粉体としては、0.4〜0.6μm程度の平均粒径を有するものが用いられ、このような窒化珪素と濃度が5〜15重量%程度のポリビニルアルコール水溶液に混合してスラリー状とし、へらや刷毛などで鋳型1の内表面に被覆する。その状態で自然乾燥又はホットプレートに載せて乾燥させて脱脂処理した後、鋳型1内にシリコン融液3を注湯する。
鋳型1の内表面への離型材2の被覆は、窒化珪素と二酸化珪素の粉体を混合したものを、プラズマ溶射機を用いて被覆することも可能である。通常、粉体とポリビニルアルコールなどの有機バインダー水溶液を混合してスラリー状にした離型材を被覆するような場合、その後の加熱で有機バインダーの熱分解性生成物がシリコン融液中に混入することを防止するために脱脂処理が行われる。
プラズマ溶射では、溶射温度は32000°Kに及ぶプラズマ気流中の10000℃前後の温度帯を使用して溶射粒子を噴射させて被覆するため、従来使用していた有機バインダーを除去する工程を省略することができる。
シリコン融液3の注湯と凝固は、例えば鋳型1の内面に離型材2を被覆して乾燥させた後に、鋳型1を70〜90Torrに減圧したアルゴン(Ar)雰囲気中に置き、鋳型1をシリコン融液3と同程度か若干低い温度で加熱してシリコン融液を注湯する。また鋳型1内にシリコン原料を入れ、直接溶解してもよい。しかる後、鋳型1の底部から徐々に降温させてシリコン融液3を鋳型の底部から徐々に凝固させる。最後に鋳型1を分割してシリコンの鋳塊を取り出すことにより完成する。
しかしながら、窒化珪素とポリビニルアルコールからなるスラリー被覆量が少ないような場合には離型材層2がポーラスな構造であるために、シリコン融液3が離型材層2に浸透して鋳型と接触し、脱型する時にシリコン鋳塊が割れるという問題が生じる。離型材層温度が特に高温になると、シリコン融液3の表面張力が低下し濡れ性が増加するため、離型材層へのシリコン融液3の浸透が起きやすくなる。
この問題を解決するため、本発明の請求項1に係るシリコン鋳型では、図2に示すように、鋳型の内表面の上部における離型材層を下部における離型材層より厚くする。このとき、シリコン融液を厚くされた離型材層の最下位部位置7と同じレベルになるように注入する。シリコン融液位置4より下部に当たる位置では離型材層2とシリコン融液3との接触はシリコンの融点である1412℃前後に保たれており、離型材層2が極端に薄くないような場合には問題無く離型することが可能である。
シリコン融液表面からは抜熱が大きいためにシリコン融液表面が凝固した状態でシリコン融液が内部に取り残されると、取り残されたシリコン融液が凝固した際の膨張によりシリコン鋳塊が噴火した状態となりシリコン鋳塊に割れが生じる。この問題を防止するため、シリコン融液表面を凝固させないように、シリコン融液3の上部に位置するヒータにより加熱された状態で、鋳型の下部から抜熱を行い、シリコン融液3を凝固される方法がとられている。
そのため、シリコン融液位置4より上部に当たる部分では、上部に位置するヒータにより離型材層2が加熱された状態になる。離型材層が加熱されると、高温、低圧力条件下における昇華分解が進むため、離型材層厚みが薄くなり、シリコン融液と鋳型が接触しやすくなる。また、毛細管現象によりシリコン融液がしみ上がり濡れた部分の融液が加熱された場合、融液の表面張力が減少し濡れ性が増加するため、しみ上がり部分のシリコン融液が離型材層に浸透しやすくなる結果、シリコン融液と鋳型が接触し、融液が離型材層中にしみ込んだ状態になるため、脱型する際、シリコンと鋳型の熱膨張係数の違いから、シリコン鋳塊の割れが生じる結果となる。そのため、本発明の請求項1に係るシリコン鋳造用鋳型では、図2に示すように、鋳型の内表面の上部における離型材層を下部における離型材層より厚くしている。このとき、シリコン融液を厚くされた離型材層の最下位部位置7と同じレベルになるように注入する。上部に当たる部分を厚くするために、全体を厚く被覆した場合と比較して、離型材のコストを削減できるだけでなく、被覆時間を短縮できる効果もある。
また、請求項1に係るシリコン鋳造用鋳型において、シリコン融液を厚くされた離型材層の最下位部位置7より高い位置まで注入する場合も、窒化珪素膜が破損してシリコン融液内に混入する問題を避けながら、離型材のコスト削減、被覆時間の短縮の効果が得られる。
さらに、好ましくは、請求項2に係るシリコン鋳造用鋳型のように、鋳型の内表面に上部及び下部の離型材層より離型材層を厚くした部分を設ける(図3)。
シリコン融液の密度は約2.55g/cm、シリコン鋳塊の密度は約2.33g/cmであり、液体から固体へ移行するときに約9%の体積膨張が生じる。そのためシリコン融液面は凝固体積に伴い上昇することになる。シリコン融液と鋳型が最も接触しやすいのは、高温、低圧力条件下で離型材層厚みが薄くなった状態で、かつ、毛細管現象によりシリコン融液がしみ上がり濡れた部分が加熱され、融液の表面張力が減少し濡れ性が増加することで、しみ上がり濡れた部分のシリコン融液が離型材層に浸透しやすくなるときである。そのため、この部分に離型材層を厚くしたことが一番好ましく、凝固膨張に伴うシリコン融液の上昇9%としみ上がり濡れる部分の離型材層を厚くすればよいが、しみ上がり濡れる部分は温度、雰囲気、離型材の種類などにより異なるため、凝固前のシリコン融液位置よりシリコン融液高さ10%〜13%程度の領域だけ離型材層を厚くすることが望ましいと考えられる。
本当に離型材層を厚くする必要のある部分のみ離型材層を厚くして被覆するため、請求項1に係るシリコン鋳造用鋳型と比較して離型材コストの削減、被覆時間の短縮ができる。また、離型材の破損によるシリコン融液中への異物の落下を削減できる。
離型材の種類は脱型、シリコン融液への溶け込み、混入を考慮すると、窒化珪素と二酸化珪素の混合比が10:0〜1:9であることが好ましい。混合比が10:0の場合は、離型材が窒化珪素から構成されることを意味する。
離型材の密度が小さくなると、離型材がよりポーラスな構造を有するため、シリコン融液が離型材層を浸透しやすくなり、シリコン融液と鋳型が接触することになる。シリコン融液と鋳型との接触を防止するためには、離型材の密度が1〜2g/cmのときは0.3mm以上、離型材の密度が2〜3g/cmのときは0.05mm以上の厚みが下部の離型材層の薄い部分でも最低限必要になる。
これに対して、上部の離型材層を厚くする必要がある部分では、離型材の密度が1〜2g/cmのときは0.5mm以上、離型材の密度が2〜3g/cmのときは0.15mm以上の離型材を被覆させることが好ましい。被覆量が少ない場合、シリコン融液と鋳型との接触が起こり易くなる。
凝固開始前のシリコン融液位置より下部で、充分に離型材層が厚いような場合は、鋳型の内表面の上部における離型材層を厚くする必要は無いが、離型材コストの増加に繋がる。また、離型材層が厚くなると、シリコン融液への溶け込みや混入に繋がる結果となる。
鋳型の内表面に必要な部分の離型材層の厚みを増加する方法を述べたが、前記した離型材の条件(混合比、密度、必要厚み)を満たしていれば、複数種類の離型材を使うことも可能である。
平均粒径0.5μmの窒化珪素粉末と平均粒径20μmの二酸化珪素粉末を秤量し重量比にして10:0〜1:9の間で混合した後、混合粉末と8.7%のポリビニルアルコール水溶液で攪拌混合してスラリー状にした離型材を3種類得た。その離型材を黒鉛製鋳型の内表面に刷毛で被覆してホットプレートに載せて乾燥した。表1に示すように凝固前のシリコン融液位置を基準に、融液位置より下部に当たる部分、上部に当たる部分、凝固開始前のシリコン融液位置より上部に当たる部分において、シリコンの凝固膨張に伴うシリコン融液面の上昇部分としみ上がり部分を足した部分(凝固開始前のシリコン融液高さから上部にシリコン融液高さの10〜13%の部分)で離型材層の厚みを変えた試料を作製した。
乾燥終了後、鋳型を80Torrに減圧したアルゴン雰囲気中に置き、黒鉛ヒータを使って1000℃に加熱した状態で鋳型内にシリコン融液70kgを注湯して8時間かけて徐々に凝固させた。冷却後固化したシリコンの鋳塊を鋳型から取り出し、離型材と鋳型の付着の有無、シリコンの鋳塊と鋳型の付着の有無について調べた。また、脱型したシリコン鋳塊を切断、スライスし、出来上がったウエハの目視検査を行い、異物の有無を確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2005104743
表1に示すように、離型材種類Aから、凝固開始前のシリコン融液位置の上部と下部で離型材の厚みが同じ試料(試料1、2)では、離型材層が厚い試料(試料2)はシリコン融液と鋳型との付着が無いが、離型材層が薄い試料(試料1)では付着している。このことから、離型材層が薄い試料では、シリコン融液と鋳型との付着を抑える離型材としての機能が有していないことが分かる。また、離型材層が厚い試料(試料2)ではシリコン融液と鋳型との付着は無いが、離型材層が厚くなると異物不良枚数が多くなっており、離型材が破損してシリコン融液中に落下していることが分かる。これらのことは、離型材種類Cの結果からも分かる。
凝固開始前のシリコン融液位置より上部に当たる部分の離型材層が厚い試料(試料3、4)では、上部に当たる部分の離型材層が薄い試料(試料4)はシリコン融液と鋳型との付着が一部あるが、離型材層が厚い試料(試料3)はシリコン融液と鋳型との付着が無いことが分かる。また、試料3はシリコン融液位置より上部に当たる位置、下部に当たる位置共に同じ厚みで被覆した試料(試料2)と比較して、異物不良枚数が少なくなっていることが分かる。このことは、離型材種類Cの結果からも分かる。
また、凝固開始前のシリコン融液位置より上部に当たる位置全ての離型材層が厚い試料(試料3)よりも、凝固膨張に伴う融液面上昇部分としみ上がり部分に離型材層が厚い試料(試料5)の方が、異物不良枚数が減少しており、シリコン融液中への離型材の破損落下が減少していることが分かる。このことは、離型材種類B、Cからも分かる。
以上の結果から、結論として請求項1〜5に記載した条件で使用することが望ましいことが判った。
本発明に係るシリコン鋳造用鋳型を示す模式図である。 本発明に係るシリコン鋳造用鋳型の一例を示す図である。 本発明に係る他のシリコン鋳造用鋳型の一例を示す図である。
符号の説明
1・・・鋳型
2・・・離型材
3・・・シリコン融液
4・・・凝固開始前のシリコン融液位置
5・・・シリコンの凝固膨張に伴うシリコン融液面の上昇部分
6・・・シリコン融液面より上の部分で毛細管現象によりシリコン融液がしみ上がり濡れる部分(しみ上がり部分)
7・・・厚くした離型材層の最下位部位置
8・・・厚くした離型材層の最上位部位置

Claims (7)

  1. 鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、この鋳型の内表面の上部における離型材層を下部における離型材層より厚くしたことを特徴とするシリコン鋳造用鋳型。
  2. 鋳型の内表面に珪素とニ酸化珪素を混合した離型材を被覆したシリコン鋳造用鋳型であって、上部の離型材層と下部の離型材層との間に、これら各離型材層に比べて厚くした中間離型材層を設けたことを特徴とするシリコン鋳造用鋳型。
  3. 前記離型材の窒化珪素とニ酸化珪素の混合比が10:0〜1:9であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン鋳造用鋳型。
  4. 前記離型材の乾燥後の密度が1〜2g/cmであり、この離型材層の厚くされた部分の厚みを0.5mm以上にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシリコン鋳造用鋳型。
  5. 前記離型材の乾燥後の密度が2〜3g/cmであり、この離型材層の厚くされた部分の厚みを0.15mm以上にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシリコン鋳造用鋳型。
  6. 前記鋳型の本体が黒鉛、又はシリカからなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のシリコン鋳造用鋳型。
  7. 前記黒鉛が炭素繊維強化材料からなることを特徴とする請求項6に記載のシリコン鋳造用鋳型。
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