JP2005081256A - 塗布膜の乾燥方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶剤を含む塗布液をウエブに塗布して形成した塗布膜の乾燥時における乾燥ムラを顕著に低減することができる。
【解決手段】走行する長尺状のウエブ12に有機溶剤を含む塗布液を塗布して形成した塗布膜の乾燥方法において、塗布直後に走行するウエブ12の塗布膜面を囲んだ乾燥ゾーン16を形成し、乾燥ゾーン16内では先ず乾燥風を吹かないで塗布膜の塗布液粘度が塗布時における塗布液粘度の1.5倍になるまで塗布膜を乾燥する無風乾燥を行い、次に乾燥風を吹いて塗布膜を乾燥する。
【選択図】 図1

Description

本発明は塗布膜の乾燥方法及び装置に係り、特に、走行する長尺状の支持体(以下、ウエブという)に有機溶剤を含む塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥ムラのないように乾燥する乾燥方法及び装置に関する。
有機溶剤を含む有機溶剤系の塗布液を連続走行するウエブに塗布して形成した塗布膜を乾燥する場合、有機溶剤は蒸発速度が速いことから、特に塗布直後の初期乾燥において乾燥ムラが発生し易いという問題がある。例えば、有機溶剤系の塗布液を使用する光学補償シートの製造では、図5に示したように、塗布膜1の乾燥工程において、ブロードな斑状の乾燥ムラA(細い線で示す)とシャープな斑状の乾燥ムラB(太い線で示す)の2種類の乾燥ムラが発生し、場合によって製品の得率を下げるという問題がある。
このような有機溶剤系の塗布膜の初期乾燥で発生する乾燥ムラの一般的な対策としては、塗布液を高濃度化したり、増粘剤を添加したりすることで塗布液の粘度を増加させ、これにより、塗布直後の塗布膜面の乾燥風による流動を抑制することで乾燥ムラの発生を防止する方法がある。別の方法としては、高沸点溶媒を用いることにより、塗布直後の塗膜面の乾燥風による流動が発生してもレベリング効果が生じることで乾燥ムラの発生を防止する方法がある。しかし、塗布液の濃度を高濃度化したり、増粘剤を添加したりすることで塗布液の粘度を増加する方法は、高速塗布により超薄層な塗布膜を形成する超薄層精密塗布を行なうことができないという欠点がある。また、塗布液粘度が増加するほど限界塗布速度(安定塗布できる塗布速度の限界)が低下するので、粘度の増加と共に高速塗布が不可能になり、生産効率が極端に悪化するという欠点がある。一方、高沸点溶媒を用いる方法は、乾燥時間の増大、及び塗布膜中に残留する残留溶剤量の増大をもたらし、それだけ乾燥時間がかかるので生産効率が悪化するという欠点がある。
このことから、特許文献1では、有機溶剤系の塗布膜の乾燥方法として、塗布後5秒以内にウエブを加熱手段を有する乾燥ゾーンに突入させると共に、乾燥ゾーン突入までの空間で塗布膜上の風速が1m/秒以下に保たれるようにすることが開示されている。また、特許文献2には、塗布直後に乾燥ゾーンを設けて塗布膜面を囲み、囲んだ乾燥ゾーンの一方端側から他方端側に流れる一方方向の乾燥風で塗布膜を乾燥することを開示している。
特開2000−157923 特開2001−170547
しかしながら、特許文献1や特許文献2の乾燥方法であっても、昨今の乾燥ムラに対する厳しい要求を満足するにはいたっておらず、更なる改良が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、有機溶剤を含む塗布液を支持体に塗布して形成した塗布膜の乾燥時における乾燥ムラを顕著に低減することができる塗布膜の乾燥方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、走行する長尺状の支持体に有機溶剤を含む塗布液を塗布して形成した塗布膜の乾燥方法において、前記塗布直後に前記走行する支持体の4方向を囲んだ乾燥ゾーンを形成し、前記乾燥ゾーン内では先ず乾燥風を吹かないで前記塗布膜の塗布液粘度が前記塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまでは前記塗布膜を乾燥する無風乾燥を行い、次に乾燥風を吹いて前記塗布膜を乾燥することを特徴とする。
ここで、支持体の4方向を囲んだ乾燥ゾーンとは、支持体の幅方向と支持体の表裏方向の4方向を囲むトンネル状の乾燥ゾーンである。
本発明の請求項1によれば、塗布直後に乾燥ゾーンを設けることにより、乾燥ゾーン外からの強さや方向の不均一な風が塗布膜面に当たらない乾燥環境を形成しておき、乾燥ゾーン内では先ず乾燥風を吹かないで塗布膜の塗布液粘度が塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまで塗布膜を乾燥する無風乾燥を行う。この無風乾燥では、乾燥風による乾燥は行われないが、支持体が走行することにより発生する同伴風による乾燥と、塗布膜面から有機溶剤が蒸発することによる対流とによってのみ塗布膜面の乾燥が行われ、塗布膜の塗布液粘度が塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまで徐々に乾燥される。この場合、同伴風は、支持体の走行方向と同方向であり、乾燥ムラの発生要因にはならない。これにより、有機溶剤を多く含み塗布液が流動し易い状態の乾燥初期における乾燥ムラの発生を効果的に抑制することができる。この無風乾燥では、乾燥ムラのうちのブロードなムラの発生抑制に特に効果がある。
そして、無風乾燥によって塗布液粘度を上昇させて塗布膜が流動しにくくなったら次に、乾燥ゾーンによって乾燥ゾーン外からの強さや方向の不均一な風が塗布膜面に当たらない乾燥環境を形成しておき、乾燥風による乾燥によって一気に塗布膜を乾燥する。これにより、無風乾燥での乾燥不足分を補うことができると共に、無風乾燥での塗布液粘度の増加により塗布膜が流動しにくくなっているので、乾燥風による乾燥ムラも抑制できる。
請求項2は請求項1において、前記塗布直後は塗布後1秒以内であることを特徴とする。これは、支持体が乾燥ゾーン内に搬入されるまでに時間がかかると、乾燥ゾーン内に搬入されるまでに塗布膜面が乱れ、乾燥ゾーン内での無風乾燥の効果が低減してしまうためであり、支持体を塗布後1秒以内に乾燥ゾーン内に搬入することが好ましい。
請求項3は請求項1又は2において、前記乾燥ゾーンのうち前記無風乾燥を行う無風乾燥ゾーンでは、前記塗布膜面に対向するゾーン壁面を前記塗布膜面に対して5mm以上、20mm以下に近接させることを特徴とする。これは、塗布膜面に対向するゾーン壁面を塗布膜面に対して20mm以下に狭くすることにより、支持体の走行によって形成される同伴風が層流になり易く、層流は塗布膜面を乱さないためである。これに対し、塗布膜面に対向するゾーン壁面が塗布膜面に対して20mmを超えると、同伴風が乱流(渦風が発生する)になり易く、塗布膜面を乱し易い。尚、塗布膜面に対して20mm以下の下限はゾーン壁面が塗布膜面に接触しない5mm以上とすることが好ましい。
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記乾燥ゾーンのうち乾燥風を吹いて前記塗布膜を乾燥する乾燥風ゾーンでは、前記支持体幅方向の一方端側から他方端側に流れる一方向流れの乾燥風を発生させることを特徴とする。これは、乾燥風による乾燥において、支持体幅方向の一方端から他方端に流れる一方向流れの規則的な乾燥風を発生させると、塗布膜面近傍の有機溶剤濃度を常に一定に維持した状態で塗布膜の乾燥を行なうことができるためである。これにより、塗布膜面の乾燥を均一に行うことができるので、乾燥ムラの発生を一層抑制できる。ここで、支持体幅方向の一方端側から他方端側に流れる一方向流れとは、乾燥ゾーンのどこの位置でも、支持体幅方向の風速成分が供給する乾燥風量全体の80%以上の値を示すことを言う。
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記乾燥ゾーンのうち乾燥風を吹いて前記塗布膜を乾燥する乾燥風ゾーンでは、支持体走行方向の上流側から下流側にいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるようにすることを特徴とする。これにより、乾燥ムラのうち特にシャープなムラの発生を抑制することができる。
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記無風乾燥ゾーンと前記乾燥風ゾーンとの間には、前記塗布膜面と該塗布膜面に対向するゾーン壁面との距離を20mmを超えて離間させた緩衝ゾーンが設けられていることを特徴とする。これは、乾燥風ゾーンでの乾燥風や塗布膜から蒸発した有機溶剤が無風乾燥ゾーンに流れて、無風乾燥ゾーンの塗布膜面に悪影響を与えないようにするためである。
請求項7は請求項1〜6の何れか1において、前記塗布液に界面活性剤を含有させることを特徴とする。これは、界面活性剤により塗布液の表面張力を減少することにより、塗布膜の温度上昇に従って変化する表面張力の変化率を小さくするのに役立つためである。即ち、塗布膜の乾燥において、塗布膜内部に温度差が生じると、その温度差によって塗布液の流体運動が生じ乾燥ムラの原因となるが、界面活性剤を塗布液に含有させることにより、温度差の結果として生じる流体運動を起こす力を小さくできるので、乾燥ムラを抑制することができる。特に、有機溶剤の含有量が多く塗布液が流動し易い乾燥初期、即ち無風乾燥において効果がある。
請求項8は請求項7において、前記界面活性剤の濃度が0.05〜0.50重量%(固形分/塗布液)であることを特徴とする。これは、界面活性剤の濃度が0.05重量%以上ないと塗布膜の温度上昇に従って変化する表面張力の変化率を小さくする効果が発揮されにくいためであり、界面活性剤の濃度が0.50重量%を超えると塗布液の泡立ちによる塗布スジが発生し易くなるためである。尚、界面活性剤固形分/塗布液とは、界面活性剤固形分の塗布液に対する比率である。
請求項9は請求項1〜8の何れか1において、前記支持体は、予め塗布された配向膜形成用樹脂をラビング処理して配向膜となる層を有するものであると共に、前記塗布液は液晶性ディスコティック化合物を含むものであることを特徴とする。これは、本発明の塗布膜の乾燥方法を用いることにより、光学補償シートの製造における塗布膜の乾燥で発生し易い、ブロードな斑状の乾燥ムラとシャープな斑状の乾燥ムラの2種類の乾燥ムラを効果的に抑制できるからである。
本発明の請求項10は前記目的を達成するために、走行する長尺状の支持体に塗布機により有機溶剤を含む塗布液を塗布して形成した塗布膜の乾燥装置において、前記塗布機の直後に設けられ、前記走行する支持体の4方向を囲む乾燥ゾーンを形成する乾燥装置本体と、前記乾燥ゾーンの前半部に形成され、前記塗布膜面に対向するゾーン壁面までの距離が5mm以上、20mm以下の空間である無風乾燥ゾーンと、前記乾燥ゾーンの後半部に形成され、前記塗布膜面に乾燥風を吹いて乾燥する乾燥風ゾーンと、を備えたことを特徴とする。
請求項10は、請求項1の乾燥方法を実施する装置構成を具体的に示したものである。
請求項11は請求項10において、前記無風乾燥ゾーンと乾燥風ゾーンとの間には、前記塗布膜面に対向するゾーン壁面までの距離が20mmを超え、該ゾーン壁面の支持体走行方向の長さが100〜500mmに形成された空間である緩衝ゾーンを備えていることを特徴とする。
これは、乾燥風ゾーンでの乾燥風や塗布膜から蒸発した有機溶剤が無風乾燥ゾーンに流れて、無風乾燥ゾーンの塗布膜面に悪影響を与えないようにするための緩衝ゾーンの好ましい構造を示したもので、1つ目は塗布膜面に対向するゾーン壁面までの距離が20mmを超えることが必要である。これにより、緩衝ゾーンは無風乾燥ゾーンよりも窪んだ空間として形成されるので、乾燥風ゾーンからの乾燥風や蒸発した有機溶剤の流れがこの空間でせき止められる。この場合、ゾーン壁面の支持体走行方向の長さが100mm未満では緩衝能力が殆どなく、500mmを超えると支持体が緩衝ゾーンを通過する時間が長くなり、却って塗布膜面が乱れる要因になる。
請求項12は請求項10又は11において、前記乾燥風ゾーンでは、前記長尺状支持体幅方向の一方端側から他方端側に流れる一方向流れの乾燥風を発生させる一方向気流発生手段が設けられていることを特徴とする。これにより、塗布膜面近傍の有機溶剤濃度を常に一定に維持した状態で塗布膜の乾燥を行なうことができるので、塗布膜面の乾燥を均一に行うことができ、風ムラの発生を一層抑制できる。
請求項13は請求項12において、前記乾燥風ゾーンを、前記長尺状支持体の走行方向に直交する仕切板で仕切って複数の分割ゾーンを形成し、支持体走行方向の上流側の分割ゾーンから下流側の分割ゾーンにいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるように前記一方向気流発生手段を制御手段で制御することを特徴とする。これは、乾燥風による乾燥において、支持体走行方向の上流側、即ち乾燥風ゾーンの前半は多少風速の大きな乾燥風でも、一方向気流のように制御した乾燥風であれば乾燥ムラが残らないので、無風乾燥ゾーンでの乾燥不足を乾燥風ゾーンの前半で補うようにする。そして、発生した場合に乾燥ムラが固定されてしまう支持体走行方向の下流側、即ち乾燥風ゾーンの後半は、乾燥風を低速化して乾燥風による乾燥ムラを発生させないようにすることが重要になる。
以上説明したように、本発明の塗布膜の乾燥方法及び装置によれば、有機溶剤を含む塗布液を支持体に塗布して形成した塗布膜の乾燥時における乾燥ムラを顕著に低減することができる。
以下、添付図面により本発明の塗布膜の乾燥方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の塗布膜の乾燥装置を組み込んだ塗布・乾燥装置の側面図であり、また、図2は図1を上方から見た平面図である。
図1及び図2に示すように塗布・乾燥装置10は、主として、走行する長尺状の支持体12(以下、「ウエブ12」と言う)に有機溶剤を含む塗布液を塗布する塗布機14と、塗布液が塗布されたウエブ12を通過させて塗布膜の乾燥を行なう乾燥装置18とで構成される。乾燥装置18は、塗布機14の直後に設けられ、塗布後1秒以内にウエブ12が乾燥装置18内に搬入されることが好ましい。
塗布機14は、例えば、図1に示すワイヤーバー14Aを備えたバー塗布装置を使用することができ、複数のサポートローラ20、22、24に支持されて走行するウエブ12の下面に塗布液が塗布されて塗布膜が形成される。塗布膜の厚みはウエット厚みで1μm〜50μmの範囲、好ましくは2μm〜40μmの範囲、特に好ましくは2μm〜10μmの範囲である。塗布液の粘度は20mPas/秒以下が好ましい。ウエブ12の走行速度は5〜100m/分の範囲が好ましく、20〜80m/分の範囲が特に好ましい。
乾燥装置18の乾燥装置本体26は、走行するウエブ12の塗布膜面側(ウエブの下面側)に沿った長四角な箱体状に形成され、箱体の各辺のうちの塗布膜面側の辺(箱体の上辺)が切除されている。また、ウエブ12を挟んで、乾燥装置本体26の反対側位置には、乾燥ゾーン16外からの、例えば空調風等の風により、ウエブ12の安定走行が阻害されないように遮蔽蓋28が被せられる。これにより、走行するウエブ12の4方向を囲むトンネル状の乾燥ゾーン16が形成される。
乾燥ゾーン16は、その乾燥ゾーン16の前半部に形成され、塗布膜面に対向するゾーン壁面26A(底板)までの距離L1が5mm以上、20mm以下の空間である無風乾燥ゾーン30と、乾燥ゾーン16の後半部に形成され、塗布膜面に乾燥風を吹き付けて乾燥する乾燥風ゾーン32と、無風乾燥ゾーン30と乾燥風ゾーン32との間に設けられた緩衝ゾーン33とで構成される。乾燥装置本体26の塗布機14側の面にはウエブ12の入口開口13が形成され、反対側の面には出口開口15が形成される。無風乾燥ゾーン30のウエブ走行方向の長さL2は、塗布膜の塗布液粘度が塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまで乾燥するだけの距離が確保できればよく、ウエブ12の走行速度との兼ね合いもあるが、2500〜3000mmの範囲が好ましい。
乾燥風ゾーン32は、乾燥装置本体26を、ウエブ12の走行方向に直交した複数の仕切板34、34…で仕切ることにより、複数の分割ゾーン32A、32B、32C(本実施の形態では3つの分割ゾーン)に分割される。この場合、乾燥風ゾーン32を分割する仕切板34の上端と、ウエブ12の塗布膜面との距離L3は、0.5mm〜20mmの範囲が好ましく、更に好ましくは1mm〜15mmの範囲である。
また、図2に示すように、乾燥風ゾーン32の各分割ゾーン32A〜32Cには一方向気流発生手段36が設けられる。一方向気流発生手段36は、乾燥装置本体26の両側辺の一方側に形成された給気口36A、36B、36Cに給気ダクト38が分岐接続され、給気ダクト38には給気ファン40が設けられる。また、乾燥装置本体26の両側辺の他方側に給気口36A〜36Cに対向して排気口36D、36E、36Fが形成され、各排気口36D、36E、36Fに排気ダクト42が分岐接続されると共に、排気ダクト42に排気ファン44が設けられる。また、排気ダクト42の途中から循環ダクト46が給気ファン40の吸込み側に接続されると共に、循環ダクト46の途中に所定の温度に加熱された乾燥風の導入ダクト48が設けられる。これにより、給気ファン40と排気ファン44を駆動することによって各分割ゾーン32A〜32Cには、塗布膜面上をウエブ幅方向の一方端側(給気口側)から他方端側(排気口側)に流れる一方向の乾燥風が発生する。また、塗布膜面からの蒸発した有機溶剤を含む排気ガスの一部は排気ダクト42から循環ダクト46を通って循環され、導入ダクト48からの乾燥風と混合される。これにより、有機溶剤を含む乾燥風が各分割ゾーン32A〜32Cに給気されるので、塗布膜面からの有機溶剤の急激な蒸発を生じないようにできる。また、給気ダクト38の分岐された枝管と排気ダクト42の分岐された枝管には、それぞれバルブ50A〜50Fが設けられ、各バルブ50A〜50Fの開度はコントローラ52によって制御される。そして、コントローラ52は、ウエブ走行方向の上流側の分割ゾーン32Aから下流側の分割ゾーン32Cにいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるように各バルブ50A〜50Fを制御する。乾燥風ゾーン32のウエブ走行方向の長さL6は、無風乾燥ゾーン30の長さL2(図1参照)の1/2〜1/1程度の範囲が好ましい。
また、乾燥装置本体26の幅はウエブ12の幅よりも大きくなるように形成して、乾燥ゾーン16の両側の開放部分を整風板54で蓋をした整風部分を設けるようにした。この整風部分は、給気口36A〜36Cから塗布膜端までの距離と、塗布膜端から排気口36D〜36Fまでの距離を確保することにより、乾燥ゾーン16に急激な乾燥風の流れを作らないようにしたものである。
図1に示すように、緩衝ゾーン33は、塗布膜面に対向するゾーン壁面26A(底板)までの距離L4が20mmを超えて離間しており、該ゾーン壁面26Aのウエブ走行方向の長さL5が100〜500mmに形成される。これは、緩衝ゾーン33は乾燥風ゾーン32からの乾燥風や蒸発した有機溶剤の流れをせき止めるために無風乾燥ゾーン30よりも窪んだ空間として形成されることが必要であり、緩衝ゾーン33の長さが100mm未満では緩衝能力が極端に減少し、500mmを超えるとウエブ12が緩衝ゾーン33の通過時間が長くなり、却って塗布膜面が乱れる要因になるからである。
次に、上記の如く構成された乾燥装置10の作用を説明する。
サポートローラ22、24、26に支持され走行するウエブ12に塗布機14のワイヤーバー14Aで有機溶剤を含む塗布液を塗布した直後、即ち塗布後1秒以内に、無風乾燥ゾーン30において塗布膜面の初期乾燥である無風乾燥が行なわれる。この無風乾燥ゾーン30では、乾燥風を吹かないで塗布膜の塗布液粘度が塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまで、ウエブ12の搬送による同伴風と塗布膜面から有機溶剤が自然蒸発することによる対流によってのみ塗布膜面を徐々に乾燥する。同伴風や対流によって塗布膜面から蒸発した有機溶剤は、主としてウエブ12の入口開口13から自然排出される。この無風乾燥において、塗布膜面に対向するゾーン壁面26Aを塗布膜面に対して5mm以上、20mm以下に近接させているので、上記した同伴風はウエブ走行方向に沿った層流となり、塗布膜面を乱すことなく乾燥することができる。また、塗布膜面からゾーン壁面26Aまでの距離の下限を5mmにしたので、ゾーン壁面26Aに塗布膜面が接触することもない。
無風乾燥ゾーン30で塗布膜の無風乾燥が行われたウエブ12は、緩衝ゾーン33を通って乾燥風ゾーン32に搬入される。乾燥風ゾーン32では、塗布膜面上をウエブ幅方向の一方端側から他方端側に流れる一方向の乾燥風で塗布膜面を乾燥する。これにより、塗布膜面から蒸発した有機溶剤が塗布膜面を覆う乾燥環境が形成され、この乾燥環境下で、塗布膜面上をウエブ幅方向に流れる一方向流れの乾燥風が発生するので、塗布膜面が有機溶剤で覆われた状態のまま、蒸発した有機溶剤を含む乾燥エアが排気口36D〜36Fから排気されて次第に乾燥される。この場合、排気口36D〜36Fからの排気量が大き過ぎると、塗布膜面を有機溶剤が均等に覆わなくなるので、バルブ50D〜50Fの開度を調整して、排気量が大きくなりすぎないようにする必要がある。これにより、塗布膜面近傍における有機溶剤濃度を均等にできるので、塗布膜面の各部分から有機溶剤を均等に蒸発させることができる。従って、塗布膜面からの有機溶剤の蒸発分布が原因で発生する乾燥ムラを抑制し、均一な乾燥を行なうことができる。この場合、ウエブ走行方向の上流側の分割ゾーン32Aから下流側の分割ゾーン32Cにいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるようにして乾燥する。これは、塗布膜面に有機溶剤が未だ多く残存している乾燥風ゾーン32の前半では、多少風速の大きな乾燥風でも、一方向気流のように制御した乾燥風であればレベリング作用により乾燥ムラが残らないためであり、乾燥風ゾーン32の前半では、強い乾燥風で無風乾燥ゾーンでの乾燥不足を補うようにする。そして、塗布膜の有機溶剤が少なくなり乾燥ムラが発生した場合にレベリング作用が発揮されずに乾燥ムラが固定されてしまう乾燥風ゾーン32の後半では、乾燥風を低速化して乾燥風による乾燥ムラを発生させないようにすることが重要である。また、この乾燥風による乾燥風ゾーン32では、塗布膜に含有される有機溶剤の80%が蒸発するまでは、20°C〜30°Cの低温乾燥風で乾燥することが好ましい。これは、乾燥風が20°C未満では塗布膜面の結露によりブラッシング故障が発生し易く、30°Cを超えると急激な乾燥が起こることにより乾燥ムラが出易くなるためである。尚、強制乾燥での乾燥風は、ウエブ幅方向の一方端から他方端への一方向に制御されることには限定されず、塗布膜面を乾燥するための制御された均一風を使用することができる。
このように、本発明は、塗布直後の塗布膜面が流動し易いときに無風乾燥を行い、塗布液粘度が塗布時の少なくとも1.5倍になったところで、乾燥風で一気に乾燥して無風乾燥での乾燥不足を補いつつ、乾燥風の風速を次第に弱めていくようにしており、これにより塗布膜の乾燥ムラを顕著に低減することが可能となる。本発明は、乾燥すべき有機溶剤量が10g/m2 以下の場合に特に効果を発揮する。
本発明に使用される塗布液の有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メタノール、エタノール、n−プロパノール、メチルアセテート等を単独、又は混合溶剤として用いることができるが、沸点が100°C以下のものが特に好ましい。
また、塗布液には界面活性剤を含有させることが好ましく、特にフッ素系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の添加量は、塗布液に対して0.05重量%から0.50重量%の範囲が好ましい。
本発明で使用されるウエブ12としては、一般に幅0.3〜5m、長さ45〜10000m、厚さ5〜200μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフィルム、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙、アルミニウム、銅、錫等の金属箔等、或いは帯状基材の表面に予備的な加工層を形成させたものが含まれる。更に、前記したウエブ12には、光学補償シート塗布液、磁性塗布液、写真感光性塗布液、表面保護、帯電防止あるいは滑性用塗布液等がその表面に塗布され、乾燥された後、所望する長さ及び幅に裁断されるものも含まれ、これらの代表例としては、光学補償シート、各種写真フィルム、印画紙、磁気テープ等が挙げられる。
塗布液の塗布方法として、上記したバーコーティング法の他、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法及びスライドコーティング法を使用することができる。特にバーコーティング法、エクストルージョンコーティング法、スライドコーティング法が好適に使用できる。
また、本発明において同時に塗布される塗布液の塗布層の数は単層に限定されるものではなく、必要に応じて同時多層塗布方法にも適用できる。
(実施例A)
本発明の有機溶剤を含む塗布膜の乾燥の実施例として、以下に光学補償シートの一例で説明する。
図3は、光学補償シートの製造工程に、無風乾燥ゾーン30、乾燥風ゾーン32、緩衝ゾーン33を備えた乾燥装置18を組み込んだ本発明の実施例である。また、比較例は、実施例の乾燥装置18に代えて、乾燥装置全体が乾燥風を吹いて乾燥するタイプの乾燥ゾーンを用いた場合であり、7つの分割ゾーンに分割したものである。尚、実施例の乾燥装置18と比較例の乾燥装置の乾燥路長を同じにした。
また、実施例にのみ備わっている無風乾燥ゾーン30は前半部をゾーン1、中間部をゾーン2、後半部をゾーン3として表すと共に、緩衝ゾーン33は無風乾燥ゾーン30と乾燥風ゾーン32との間に配置されるので、ゾーン4として表した。従って、残りのゾーン5〜7の3つのゾーンが乾燥風ゾーン32となり、図1の3つの分割ゾーン32A〜32Cに相当する。
そして、実施例の乾燥装置18と比較例の乾燥装置のそれぞれについて、乾燥風ゾーン32における各ゾーンの乾燥風の給気速度及び排気速度を図4のように調整し、製造された光学補償シートの乾燥ムラ(ブロードのムラ、シャープなムラ)の発生状況を調べた。
実施例1は、緩衝ゾーン33を設けないと共に、無風乾燥ゾーン30で塗布膜を無風乾燥した後、乾燥風ゾーン32における各ゾーン5〜7の給排気の風速が全て2.0m/秒の乾燥風で乾燥した場合である。実施例1は緩衝ゾーン33を設けなかったので、ゾーン1〜4が無風乾燥ゾーン30である。
実施例2は、緩衝ゾーン33を設けた場合であり、他の条件は実施例1と同様である。
実施例3は、緩衝ゾーン33を設けると共に、無風乾燥ゾーン30で塗布膜を無風乾燥した後、乾燥風ゾーン32における各分割ゾーンの給排気の風速を、ゾーン5が2.0m/秒、ゾーン6が0.5m/秒、ゾーン7が0.1m/秒と、上流側のゾーン5から下流側のゾーン7にいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるようにして乾燥した場合である。
比較例1は、ゾーン1〜4の給排気の風速を1.0m/秒、ゾーン5〜7の給排気の風速を0.5m/秒にした乾燥風で乾燥した場合である。
比較例2は、ゾーン1〜4の給排気の風速を1.0m/秒、ゾーン5を0.5m/秒、ゾーン6を0.3m/秒、ゾーン7を0.1m/秒にした乾燥風で乾燥した場合である。
ここで、光学補償シートの製造工程について説明すると、図3のように送出機55で送り出されたウエブ12は複数のガイドローラ56、56…によって支持されながらラビング処理装置58、塗布機14、そして本発明の乾燥装置18(実施例)又は比較例の乾燥装置で乾燥を行った後、本乾燥ゾーン60、加熱ゾーン62、紫外線ランプ64を通過して巻取機66で巻き取られる。
ウエブ12としては、厚さ100μmのトリアセチルセルロース(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を使用した。そして、ウエブ12の表面に、長鎖アルキル変性ポバール(MP−203、クラレ(株)製)の2重量パーセント溶液をフィルム1m2 当り25ml塗布後、60°Cで1分間乾燥させて造られた配向膜用樹脂層を形成したウエブ12を、18m/分で搬送走行させながら、樹脂層表面にラビング処理を行って配向膜を形成した。ラビング処理におけるラビングローラ68の押しつけ圧力は、配向膜樹脂層の1cm2 当たり98Pa(10k gf/cm2 )とすると共に、回転周速を5.0m/秒とした。
次に、配向膜用樹脂層をラビング処理して得られた配向膜上に、塗布液としては、ディスコティック化合物TE−8の(3)とTE−8の(5)の重量比で4:1の混合物に、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製造)を前記混合物に対して1重量パーセント添加した混合物の40重量%メチルエチルケトン溶液とする液晶性化合物を含む塗布液を使用した。ウエブ12を走行速度18m/分で走行させながら、この塗布液を配向膜上に、塗布液量がウエブ1m2 当りウエット厚みで5μmになるようにワイヤーバー14Aで塗布した。そして、塗布直後に、本発明の乾燥装置18又は比較例の乾燥装置を使用して乾燥を行なった。
次に、ウエブ12は、100°Cに調整された本乾燥ゾーン60及び、130°Cに調整された加熱ゾーン62を通過させてネマチック相を形成した後、この配向膜及び液晶性化合物が塗布されたウエブ12を連続搬送しながら、液晶層の表面に紫外線ランプ64により紫外線を照射した。
結果を表1に示す。表1の、乾燥ムラ(ブロードのムラ、シャープなムラ)の発生状況において、×はムラが多く発生したことを示し、△はムラが少し発生したことを示し、□はムラが微かに発生したことを示し、○はムラが発生しなかったことを示す。
Figure 2005081256
表1の乾燥ムラの評価うち、ブロードなムラについて見てみると、無風乾燥ゾーン30のない比較例1及び2の乾燥装置は共に△の評価であったが、無風乾燥ゾーン30を有する実施例1〜3は□又は□〜○の評価であった。実施例1〜3のうち実施例1のみが少し悪い評価であったが、実施例1の場合には、無風乾燥ゾーン30と乾燥風ゾーン32との間に緩衝ゾーン33を設けていないために、乾燥風ゾーン32の乾燥風や塗布膜面から蒸発した有機溶剤が無風乾燥ゾーン30に多少悪影響を及ぼしているものと推察される。
また、表1の風ムラの評価うちシャープなムラについて見みると、ゾーン5以降の乾燥後半において、上流側のゾーンから下流側のゾーンにいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるようにした比較例2と実施例3が○で良い評価になっている。これに対し、乾燥後半における乾燥風の風速が同じ比較例1が×の評価で、実施例1及び2が△の評価であった。実施例1及び2が比較例1よりも良くなった理由としては、無風乾燥ゾーンで塗布膜の塗布液粘度を塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまで乾燥し、塗布膜面が安定した後で強制乾燥させたことが良く影響したものと考察される。
このように、無風乾燥ゾーン30は特にブロードなムラの発生抑制に効果があり、乾燥風ゾーン32において上流側のゾーンから下流側のゾーンにいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるように乾燥することが特にシャープなムラの発生抑制に効果がある結果が得られた。
(実施例B)
実施例Aにおける実施例3の塗布液にフッ素系界面活性剤であるメガファックF-781-F (大日本インキ化学工業製)を添加して、塗布液の静的表面張力を低くしていった場合に乾燥ムラ、特にブロードなムラがどのように改良されるかを調べた。結果を表2に示す。乾燥ムラの評価方法は表1と同様である。
Figure 2005081256
表2の結果から分かるように、フッ素系界面活性剤を添加しない試験1及び添加濃度が0.03重量%の試験2は、ブロードムラの評価が□であった。これに対し、添加濃度が0.05重量%の試験3、添加濃度が0.10重量%の試験4、添加濃度が0.50重量%の試験5は、ブロードムラの評価が何れも○で良い結果となった。更に、フッ素系界面活性剤の添加濃度を0.55重量%まであげた試験6は、塗布液に泡立ちが生じ、塗布スジが発生してしまった。
このことから、塗布液に添加するフッ素系界面活性剤を添加濃度を0.05重量%から0.50重量%の範囲に設定することでブロードなムラを改良できる。 以上の結果から、塗布液への界面活性剤の添加濃度を0.05重量%から0.50重量%の範囲に設定し、且つ無風乾燥ゾーン30を設けることで、ブロードなムラの発生低減に一層効果を発揮するものと考察される。
本発明の乾燥装置の側面図 本発明の乾燥装置の平面図 光学補償シートの製造工程に、本発明の乾燥装置を組み込んだ工程図 本発明の実施例及び比較例の条件を表にした表図 従来の乾燥方式で発生した斑(ムラ)発生状況図
符号の説明
10…塗布・乾燥装置、12…ウエブ、14…塗布機、16…乾燥ゾーン、18…乾燥装置、20、22、24…サポートローラ、26…乾燥装置本体、28…遮蔽蓋、30…無風乾燥ゾーン、32…乾燥風ゾーン、33…緩衝ゾーン、34…仕切板、36A,36B,36C…給気口、36D,36E,36F…排気口、38…給気ダクト、40…給気ファン、42…排気ダクト、44…排気ファン、46…循環ダクト、48…導入ダクト、50A,50B,50C、50D,50E,50F…バルブ、52…コントローラ、54…整風板、55…送出機、58…ラビング処理装置、60…本乾燥ゾーン、62…加熱ゾーン、64…紫外線ランプ、66…巻取機、68…ラビングローラ

Claims (13)

  1. 走行する長尺状の支持体に有機溶剤を含む塗布液を塗布して形成した塗布膜の乾燥方法において、
    前記塗布直後に前記走行する支持体の4方向を囲んだ乾燥ゾーンを形成し、前記乾燥ゾーン内では先ず乾燥風を吹かないで前記塗布膜の塗布液粘度が前記塗布時における塗布液粘度の少なくとも1.5倍になるまでは前記塗布膜を乾燥する無風乾燥を行い、次に乾燥風を吹いて前記塗布膜を乾燥することを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
  2. 前記塗布直後は塗布後1秒以内であることを特徴とする請求項1の塗布膜の塗布方法。
  3. 前記乾燥ゾーンのうち前記無風乾燥を行う無風乾燥ゾーンでは、前記塗布膜面に対向するゾーン壁面を前記塗布膜面に対して5mm以上、20mm以下に近接させることを特徴とする請求項1又は2の塗布膜の乾燥方法。
  4. 前記乾燥ゾーンのうち乾燥風を吹いて前記塗布膜を乾燥する乾燥風ゾーンでは、前記支持体幅方向の一方端側から他方端側に流れる一方向流れの乾燥風を発生させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  5. 前記乾燥ゾーンのうち乾燥風を吹いて前記塗布膜を乾燥する乾燥風ゾーンでは、支持体走行方向の上流側から下流側にいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるようにすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  6. 前記無風乾燥ゾーンと前記乾燥風ゾーンとの間には、前記塗布膜面と該塗布膜面に対向するゾーン壁面と距離を20mmを超えて離間させた緩衝ゾーンが設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  7. 前記塗布液に界面活性剤を含有させたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  8. 前記界面活性剤の濃度が0.05〜0.50重量%(固形分/塗布液)であることを特徴とする請求項7の塗布膜の乾燥方法。
  9. 前記支持体は、予め塗布された配向膜形成用樹脂をラビング処理して配向膜となる層を有するものであると共に、前記塗布液は液晶性ディスコティック化合物を含むものであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  10. 走行する長尺状の支持体に塗布機により有機溶剤を含む塗布液を塗布して形成した塗布膜の乾燥装置において、
    前記塗布機の直後に設けられ、前記走行する支持体の4方向を囲む乾燥ゾーンを形成する乾燥装置本体と、
    前記乾燥ゾーンの前半部に形成され、前記塗布膜面に対向するゾーン壁面までの距離が5mm以上、20mm以下の空間である無風乾燥ゾーンと、
    前記乾燥ゾーンの後半部に形成され、前記塗布膜面に乾燥風を吹いて乾燥する乾燥風ゾーンと、
    を備えたことを特徴とする塗布膜の乾燥装置。
  11. 前記無風乾燥ゾーンと前記乾燥風ゾーンとの間には、前記塗布膜面に対向するゾーン壁面までの距離が20mmを超え、該ゾーン壁面の支持体走行方向の長さが100〜500mmに形成された空間である緩衝ゾーンを備えていることを特徴とする請求項10の塗布膜の乾燥装置。
  12. 前記乾燥風ゾーンには、前記長尺状支持体幅方向の一方端側から他方端側に流れる一方向流れの乾燥風を発生させる一方向気流発生手段が設けられていることを特徴とする請求項10又は11の塗布膜の乾燥装置。
  13. 前記乾燥風ゾーンを、前記長尺状支持体の走行方向に直交する仕切板で仕切って複数の分割ゾーンを形成し、支持体走行方向の上流側の分割ゾーンから下流側の分割ゾーンにいくに従って乾燥風の風速が徐々に小さくなるように前記一方向気流発生手段を制御手段で制御することを特徴とする請求項12に記載の塗布膜の乾燥装置。
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