JP2005080137A - バラン装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 伝送線路により構成され、帯域通過フィルタの特性を有する無線装置の小型化に好適なバラン装置を提供する。
【解決手段】 第1,第2の誘電体層21,22の間の第1〜第3の伝送線路1〜3と、第2,第3の誘電体層22,23の間の第4〜第9の伝送線路4〜9とから成り、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9は略同じ長さであり、第2の誘電体層22を挟んで幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、第1,第3,第4,第6,第7,第9の伝送線路1,3,4,6,7の一端は開放端で、他端はそれぞれ第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の両端に接続され、第4,第7の伝送線路4,7の開放端に不平衡端子INが、第2の伝送線路2の両端に平衡端子OUT1,2が、接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1,第2の誘電体層21,22の間の第1〜第3の伝送線路1〜3と、第2,第3の誘電体層22,23の間の第4〜第9の伝送線路4〜9とから成り、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9は略同じ長さであり、第2の誘電体層22を挟んで幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、第1,第3,第4,第6,第7,第9の伝送線路1,3,4,6,7の一端は開放端で、他端はそれぞれ第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の両端に接続され、第4,第7の伝送線路4,7の開放端に不平衡端子INが、第2の伝送線路2の両端に平衡端子OUT1,2が、接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば携帯電話や無線LAN等の無線通信機器その他の各種通信機器等において使用される高周波回路用のバラン装置に関するものである。
バラン装置とは、不平衡伝送線路を伝搬する不平衡信号と平衡伝送線路を伝搬する平衡信号とを相互に変換するためのバラン回路を用いた信号変換素子である。例えば、バラン装置の不平衡端子に不平衡信号を入力した場合、バラン装置の平衡端子には、互いに位相が180度異なり(逆相)、振幅が等しい2つの平衡信号が出力されることとなる。
高周波信号を伝送する不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続するバラン装置としては、分布定数による伝送線路により構成されるものがある。このような従来のバラン装置の例を図5に回路図で示す。
図5において、10は第1の伝送線路、11,12は第1の伝送線路10と同一平面上で平行もしくは3次元的に平行に配置されて電磁界的に結合したほぼ等しい長さを有する第2および第3の伝送線路、INは第1の伝送線路10に設けた不平衡端子の一方による入力端子、OUT1,2は第2の伝送線路11および第3の伝送線路12の対向する一端同士に設けた平衡端子の両方による出力端子である。そして、図5の例では第1の伝送線路10の入力端子INと反対側の他端を開放端とし、第2の伝送線路11および第3の伝送線路12の出力端子OUT1,2と反対側の他端をそれぞれ接地した構成となっていた。
このような構成のバラン装置は広帯域な周波数特性を持つ(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)。そして、図4に構成をブロック図で示すような無線装置に利用される。図4において、高周波信号はアンテナによって受信され、RF(高周波)増幅器によって増幅される。RF増幅器により発生する不要な信号を帯域通過フィルタにより遮断する。次に、ミキサの平衡入力端子に帯域通過フィルタの不平衡端子を繋ぐため、バラン装置を用いる。
チン ミン ツァイ、クルディップ C グプタ(Chin-ming Thai and Kuldip C. Gupta)著「A Generalized Model for Coupled Lines and its Applications to Two-Layer Planar Circuits」,米国, IEEE Trans. on Microwave Theory and Tech.,1992年12月,40巻,12号,pp.2190〜2199 特開平7−176918号公報
チン ミン ツァイ、クルディップ C グプタ(Chin-ming Thai and Kuldip C. Gupta)著「A Generalized Model for Coupled Lines and its Applications to Two-Layer Planar Circuits」,米国, IEEE Trans. on Microwave Theory and Tech.,1992年12月,40巻,12号,pp.2190〜2199
しかしながら、このような従来のバラン装置は、広帯域な周波数特性を有するため、図4に示すように、無線装置にはRF増幅器とミキサとの間に帯域通過フィルタとバラン装置とを別個に必要とするという問題点があった。これは無線装置のさらなる小型化の妨げになっていた。
本発明は、上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、伝送線路により構成されたバラン装置において、帯域通過フィルタの特性を有する無線装置の小型化に好適なバラン装置を提供することにある。
本発明のバラン装置は、第1の誘電体層と、該第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に配された第1の接地電極と、前記第1および第2の誘電体層の間に配された第1乃至第3の伝送線路と、前記第2および第3の誘電体層の間に配された第4乃至第9の伝送線路と、前記第3の誘電体層の上面に配された第2の接地電極とから成り、
前記第1の伝送線路と前記第4および第7の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第2の伝送線路と前記第5および第8の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第3の伝送線路と前記第6および第9の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第1および第2の接地電極は、積層方向から見て前記第1乃至第9の伝送線路を覆うように配されており、
前記第1および第3の伝送線路は、それぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第2の伝送線路の一端および他端に電気的に接続され、前記第4および第6の伝送線路は、それぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第5の伝送線路の一端および他端に電気的に接続され、前記第7および第9の伝送線路はそれぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第8の伝送線路の一端および他端に電気的に接続されており、
前記第4および第7の伝送線路の前記開放端に不平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記他端に第1の平衡端子が、前記第3の伝送線路の前記他端に第2の平衡端子が、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とするものである。
前記第1の伝送線路と前記第4および第7の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第2の伝送線路と前記第5および第8の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第3の伝送線路と前記第6および第9の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第1および第2の接地電極は、積層方向から見て前記第1乃至第9の伝送線路を覆うように配されており、
前記第1および第3の伝送線路は、それぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第2の伝送線路の一端および他端に電気的に接続され、前記第4および第6の伝送線路は、それぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第5の伝送線路の一端および他端に電気的に接続され、前記第7および第9の伝送線路はそれぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第8の伝送線路の一端および他端に電気的に接続されており、
前記第4および第7の伝送線路の前記開放端に不平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記他端に第1の平衡端子が、前記第3の伝送線路の前記他端に第2の平衡端子が、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明のバラン装置は、上記構成において好ましくは、前記不平衡端子が、前記第4および第7の伝送線路の前記開放端に代えて、前記第4および第7の伝送線路の途中にまたは前記第5および第8の伝送線路に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明のバラン装置は、上記構成において好ましくは、前記第1の平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中に、前記第2の平衡端子が、前記第3の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中にそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明のバラン装置は、上記構成において好ましくは、前記第1の平衡端子が前記第1の伝送線路の前記他端に代えて、前記第2の平衡端子が前記第3の伝送線路の前記他端に代えて、それぞれ前記第2の伝送線路の途中に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明のバラン装置(第1のバラン装置)によれば、不平衡端子から供給された高周波信号は第4および第7の伝送線路を伝わり、第4の伝送線路に伝わった高周波信号の一部は直接電気的に接続された第5の伝送線路を伝わり、一部は第1および第4の伝送線路が第2の誘電体層を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配されていることにより電磁気的に結合されているので、第1の伝送線路へと伝わる。同様にして、第7の伝送線路に伝わった高周波信号の一部は直接電気的に接続された第8の伝送線路を伝わり、一部は第1および第7の伝送線路が第2の誘電体層を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配されていることにより電磁気的に結合されているので、第1の伝送線路へと伝わる。同様にして他の伝送線路へも高周波信号が伝わっていく。
ここで、第2,第5,第8の伝送線路の長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるように、第1,第4,第7の伝送線路の長さと、第1,第4,第7の伝送線路の自己インピーダンスおよび第1,第4の伝送線路間と第1,第7の伝送線路間の相互インピーダンスとを、また第3,第6,第9の伝送線路の長さと、第3,第6,第9の伝送線路の自己インピーダンスおよび第3,第6の伝送線路間と第3,第9の伝送線路間の相互インピーダンスとを、また第2,第5,第8の伝送線路の長さと、第2,第5,第8の伝送線路の自己インピーダンスおよび第2,第5の伝送線路間と第2,第8の伝送線路間の相互インピーダンスとを適切に設定する。
これにより、第2の伝送線路の長さ方向の中心付近を節とし第1の伝送線路および第3の伝送線路の開放端を腹とした電圧定在波が生じ、第2の伝送線路の長さ方向の中心付近が電圧定在波の節となるため、第2の伝送線路の両端にある第1および第2の平衡端子で位相差が約180度の出力電圧の信号が取り出せ、バラン装置としての特性が得られる。また、第3の伝送線路と第6の伝送線路と第9の伝送線路は片端が開放となるため、容量性の結合線路共振器を構成することができて、第2,第5および第8の伝送線路は長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるため、誘導性の結合線路共振器を構成することができる。
したがって、容量性の結合線路共振器と誘導性の結合線路共振器が電気的に接続されることとなり、帯域通過のフィルタ特性を有する回路をもつバラン装置を提供することができる。
本発明のバラン装置(第2のバラン装置)は、不平衡端子が第4および第7の伝送線路の途中にまたは第5および第8の伝送線路に接続される場合には、第4および第7の伝送線路の開放端から第5および第8の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなるので、本発明の第1のバラン装置の不平衡端子の入力インピーダンスに対して、不平衡端子が低い入力インピーダンスを有するものとなる。
本発明のバラン装置(第3のバラン装置)は、本発明の第1のバラン装置または第2のバラン装置の第1の平衡端子および第2の平衡端子の入力インピーダンスに対して、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第1または第3の伝送線路の他端からそれぞれの開放端に向かってインピーダンスが大きくなる伝送線路の途中にまたは開放端に接続されることから、第1および第2の平衡端子が高い入力インピーダンスを有するものとなる。
本発明のバラン装置(第4のバラン装置)は、本発明の第1または第2のバラン装置の第1の平衡端子および第2の平衡端子の入力インピーダンスに対して、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第1または第3の伝送線路の他端から第2の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなる伝送線路の途中に接続されることから、第1および第2の平衡端子の入力インピーダンスが低い入力インピーダンスを有するものとなる。
本発明のバラン装置について以下に詳細に説明する。図1は、本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例を示す回路図である。図2は、本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例を積層方向から見た透視平面図、図3(a)は図2のa−a’線における断面図、図3(b)は図2のb−b’線における断面図である。
図1〜図3において、21は第1の誘電体層、22は第1の誘電体層21上に積層された第2の誘電体層、23は第2の誘電体層22上に積層された第3の誘電体層、31は第1の誘電体層21の下面に配された第1の接地電極、1〜3は第1および第2の誘電体層21,22間に配された第1〜第3の伝送線路、4〜9は第2および第3の誘電体層22,23間に配された第4〜第9の伝送線路、32は第3の誘電体層23の上面に配された第2の接地電極である。
そして、第1の伝送線路1と第4および第7の伝送線路4,7とは、それぞれ長さの差が20%以内で略同じ長さを有し、第2の誘電体層22を挟んで第4および第7の伝送線路4,7のそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、第2の伝送線路2と第5および第8の伝送線路5,8とは、それぞれ長さの差が20%以内で略同じ長さを有し、第2の誘電体層22を挟んで第5および第8の伝送線路5,8のそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、第3の伝送線路3と第6および第9の伝送線路6,9とは、それぞれ長さの差が20%以内で略同じ長さを有し、第2の誘電体層22を挟んで第6および第9の伝送線路6,9のそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、第1および第2の接地電極31,32は、積層方向から見て第1〜第9の伝送線路1〜9を覆うように配されている。
さらに、第1および第3の伝送線路1,3はそれぞれ一端が開放端であり、第1および第3の伝送線路1,3の他端はそれぞれ第2の伝送線路2の一端および他端に電気的に接続されている。同様に、第4および第6の伝送線路4,6はそれぞれ一端が開放端であり、第4および第6の伝送線路4,6の他端はそれぞれ第5の伝送線路5の一端および他端に電気的に接続され、第7および第9の伝送線路7,9は一端が開放端であり、第7および第9の伝送線路7,9の他端はそれぞれ第8の伝送線路8の一端および他端に電気的に接続されている。そして、第4および第7の伝送線路4,7の開放端または途中に不平衡端子INが、第1の伝送線路1の他端に第1の平衡端子OUT1が、第3の伝送線路3の他端に第2の平衡端子OUT2が、それぞれ電気的に接続されている。
なお、図2では第1〜第9の伝送線路1〜9についての構成を示すため、第1および第2の接地電極31,32を図示から省いている。本発明のバラン装置において、接地電極31,32は、第1〜第6の伝送線路1〜6に伝わる高周波信号の帰路の役割を担うと伴に、不平衡端子INならびに第1および第2の平衡端子OUT1,2の基準電位を与えるために設けられる。
このような構成の第1のバラン装置においては、不平衡端子INから供給された高周波信号は第4および第7の伝送線路4,7を伝わり、第4の伝送線路4に伝わった高周波信号の一部は直接電気的に接続された第5の伝送線路5を伝わり、一部は第1および第4の伝送線路1,4が第2の誘電体層22を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配されていることにより電磁気的に結合されているので、第1の伝送線路1へと伝わる。同様にして、第7の伝送線路7に伝わった高周波信号の一部は直接電気的に接続された第8の伝送線路8を伝わり、一部は第1および第7の伝送線路1,7が第2の誘電体層22を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配されていることにより電磁気的に結合されているので、第1の伝送線路1へと伝わる。同様にして他の伝送線路へも高周波信号が伝わっていく。
ここで、第2の伝送線路2および第5の伝送線路5および第8の伝送線路8の長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるように、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7の長さと、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7の自己インピーダンスおよび第1,第4の伝送線路1,4間と第1,第7の伝送線路1,7間の相互インピーダンスとを、また、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の長さと、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の自己インピーダンスおよび第3,第6の伝送線路3,6間と第3,第9の伝送線路3,9間の相互インピーダンスとを、また、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さと、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の自己インピーダンスおよび第2,第5の伝送線路2,5間と第2,第8の伝送線路2,8間の相互インピーダンスとを、適切に設定する。
すなわち、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7および第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の長さは、長さの差が20%以内で略同じとし、高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の1/4波長以下とする。また、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さは高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の1/2波長以下とする。
さらに、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7および第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の長さが略同じであるので、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7の自己インピーダンスおよび第1,第4の伝送線路1,4間と第1,第7の伝送線路1,7間の相互インピーダンスは、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の自己インピーダンスおよび第3,第6の伝送線路3,6間と第3,第9の伝送線路3,9間の相互インピーダンスとそれぞれほぼ同じ値に設定される。これにより、図1の回路は、第2,第5および第8の伝送線路2,5,8の長さ方向の中心付近を軸とした対称な回路構成となる。
さらに、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さは、高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の1/2波長以下の長さとする。そして、線路長と伝送線路のインピーダンスは、例えば、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さと、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の自己インピーダンスおよび第2,第5の伝送線路2,5間と、第2,第8の伝送線路2,8間の相互インピーダンスを、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さ方向の中心付近が電位ゼロとなるように定める。これには、片端を短絡した伝送線路の入力インピーダンスZinと線路長lと伝送線路の特性インピーダンスZ0の関係式を利用する。以下にその式を示す。
数1により、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さ方向の中心付近から両端までの線路長がそれぞれ1/4の波長以下であれば、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8は第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の両端部で入力インピーダンスZinの値をもつ誘導性の素子として働く。
また、例えば、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の長さと、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の自己インピーダンスおよび第3,第6の伝送線路3,6間と第3,第9の伝送線路3,9間の相互インピーダンスとにおいては、一端を開放した伝送線路となるので、入力アドミタンスYinと線路長lと伝送線路の特性インピーダンスZ0の次式の関係式を利用できる。
数2により、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の線路長がそれぞれ1/4の波長以下であれば第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の他端すなわち第2,第5,第8の伝送線路2,5,8が接続されている端部は入力アドミタンスYinの値をもつ容量性の素子として働く。
次に、数1で説明したように、例えば第2の伝送線路2の端部で入力インピーダンスZinの値をもつ誘導性の素子として働く線路の端部と、数2による第3の伝送線路3の端部で入力アドミタンスYinの値をもつ容量性の素子として働く線路の端部とを接続することで、誘導性と容量性の素子として働く線路の端部を接続した並列共振回路が形成されることとなる。その結果、第2の伝送線路2端部のインピーダンスZinと第3の伝送線路3端部のアドミタンスYinを高周波信号の通過帯域で共振するような設定にすれば、不平衡端子INから第2の平衡端子OUT2に流れる信号に対してこの並列共振回路が並列に挿入されることとなるので、帯域通過のフィルタ特性を示すようにすることができる。
同様にして、例えば、第2,第5の伝送線路2,5の端部間で相互の入力インピーダンスZinの値をもつ相互の誘導性の素子として働く相互の線路の端部と、第3,第6の伝送線路3,6の端部間で相互の入力アドミタンスYinの値をもつ相互の容量性の素子として働く相互の線路の端部とを接続することで、誘導性と容量性の素子として働く相互の線路の端部とを接続した並列共振回路が形成されることとなる。その結果、相互の入力インピーダンスZinと相互の入力アドミタンスYinを高周波信号の通過帯域の近傍で共振するような設定にすれば、不平衡端子INから第2の平衡端子OUT2に流れる信号に対してこの並列共振回路が直列に挿入されることとなるので、高周波信号の通過帯域の近傍に減衰極ができるようなフィルタ特性を示すようにすることができる。
これらのことにより、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7と第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の長さが略同じで、さらに第1,第4,第7の伝送線路1,4,7の自己インピーダンスおよび第1,第4の伝送線路1,4間と第1,第7の伝送線路1,7間の相互インピーダンスは、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の自己インピーダンスおよび第3,第6の伝送線路3,6間と第3,第9の伝送線路3,9間の相互インピーダンスとそれぞれほぼ同じ値であるので、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さ方向の中心付近を軸とした対称な回路構成となる。
さらに、このように対称な回路構成において、第2の伝送線路2の中心付近が電位ゼロとなるように線路長と伝送線路のインピーダンスとを決めているので、結果として、高周波信号によって励起された第1〜第3の伝送線路1〜3に第1の伝送線路1および第3の伝送線路3の開放端を腹(電位最大となる位置)とした電圧定在波が生じ、そして電圧定在波の節(電位最小となる位置)は第2の伝送線路2の長さ方向の中心付近にできる。
同様にして、第1の伝送線路1および第3の伝送線路3の開放端では、インピーダンスが無限大なので電流はゼロとなり、第2の伝送線路2の長さ方向の中心付近では電位ゼロであるので、電流は最大となる。また、第2の伝送線路2の長さ方向の中心付近が電位ゼロで電圧定在波の節となり、第2の伝送線路2の中心付近を軸とした対称な回路構成としているため、その節から電気長でほぼ同一の距離に位置する第2の伝送線路2の両端すなわち第1および第2の平衡端子OUT1,2では電圧定在波の電位の大きさがほぼ同じで、位相差が約180度となる。
すなわち、電流においては、上記により、第2の伝送線路2の長さ方向の中心付近を腹(電流最大の位置)とし第1の伝送線路1および第3の伝送線路3の開放端を節(電流最低の位置)とした電流定在波が生じる。従って、第2の伝送線路2の両端すなわち第1および第2の平衡端子OUT1,2では第2の伝送線路2の長さ方向の中心付近を軸としてほぼ対称な回路構成であるので、電流の定在波も対称となり、電流の大きさおよび位相差がほぼ同じとなり、第1および第2の平衡端子OUT1,2の出力電力(=電圧×電流)は大きさがほぼ同じで位相差は約180度となるので、バラン装置としての特性が得られ、これにより帯域通過のフィルタ特性を有するバラン装置を提供することができる。
図7は本発明の第2〜第4のバラン装置の実施の形態の一例を示す回路図である。図8は図7に示す本発明の第2〜第4のバラン装置の実施の形態の一例を積層方向から見た透視平面図である。なお、図7,図8において、図1,図2と対応する同じ部位には同じ符号を付している。
本発明の第2のバラン装置の実施の形態の一例は、第1のバラン装置の実施の形態の一例において、不平衡端子INが、第4および第7の伝送線路4,7の開放端に接続されていたのに代えて、図7に示すように不平衡端子INが、第4および第7の伝送線路4,7の途中にまたは第5および第8の伝送線路5,8に電気的に接続されたものである。また、図7においての図示は省略しているが、本発明の第3のバラン装置の実施の形態の一例は、第1の平衡端子OUT1が第1の伝送線路1の開放端または途中に、第2の平衡端子OUT2が第3の伝送線路3の開放端または途中に電気的に接続されているものである。さらに、本発明の第4のバラン装置の実施の形態の一例は、第1または第2のバラン装置の実施の形態の一例において、第1の平衡端子OUT1が第1の伝送線路1の他端に接続されていたのに代えて、また第2の平衡端子OUT2が第3の伝送線路3の他端に接続されていたのに代えて、図7に示すように第1および第2の平衡端子OUT1,2が第2の伝送線路2の途中に電気的に接続されているものである。
図9は本発明のバラン装置の不平衡端子INの入力インピーダンス(縦軸に示す)と、第4および第7の伝送線路4,7の開放端から途中にかけて、または第5および第8の伝送線路5,8に接続された不平衡端子INの第4および第7の伝送線路4,7の開放端から接続された位置までの距離(横軸に示す)との関係を示したグラフである。
また、図10は本発明のバラン装置の第1および第2の平衡端子OUT1,2の入力インピーダンス(縦軸に示す)と、第1,第2の伝送線路1,2の接続点(第1の伝送線路1の他端)もしくは第2,第3の伝送線路2,3の接続点(第3の伝送線路3の他端)から第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2が接続された位置までの距離(横軸に示す)との関係を示したグラフである。
不平衡端子INが第4および第7の伝送線路4,7の開放端に電気的に接続されている本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例において、不平衡端子INの入力インピーダンスは、図9において横軸が0の位置で示すように50Ωである。この不平衡端子INを第4および第7の伝送線路4,7の開放端から第4および第7の伝送線路4,7の途中に、さらには第4および第7の伝送線路4,7と第5および第8の伝送線路5,8との接続点である、図9においての横軸の1/8波長の位置を超えて、第5および第8の伝送線路5,8に電気的に接続することによって、不平衡端子INの入力インピーダンスは図9に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。これにより、不平衡端子INの入力インピーダンスが第4および第7の伝送線路4,7の開放端における50Ωより低い任意のインピーダンスを有する本発明の第2のバラン装置を得ることができる。
このように、本発明の第2のバラン装置においては、不平衡端子INが第4および第7の伝送線路4,7の途中にまたは第5および第8の伝送線路5,8に電気的に接続されるいるため、第4および第7の伝送線路4,7の開放端から第5および第8の伝送線路5,8の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなるので、不平衡端子INの入力インピーダンスは図9に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。
また、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2が、第1の伝送線路1と第2の伝送線路2との接続点(第1の伝送線路1の他端)もしくは第2の伝送線路と第3の伝送線路3との接続点(第3の伝送線路3の他端)に電気的に接続されている本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例において、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の入力インピーダンスは、図10の横軸が0の位置に示すように50Ωである。第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の位置を、第1の伝送線路1と第2の伝送線路2との接続点もしくは第2の伝送線路2と第3の伝送線路3との接続点から、第1の伝送線路1もしくは第3の伝送線路3の開放端または途中に移動させ電気的に接続することによって、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の入力インピーダンスは、図10に示すように50Ωより高いインピーダンスが得られる。これにより、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の入力インピーダンスが50Ωより高い任意のインピーダンスを有する本発明の第3のバラン装置を得ることができる。
さらには、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の位置を、第1の伝送線路1と第2の伝送線路2との接続点(第1の伝送線路1の他端)もしくは第2の伝送線路2と第3の伝送線路3との接続点(第3の伝送線路3の他端)から、第2の伝送線路2の途中に移動させ電気的に接続することによって、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の入力インピーダンスは、図10に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。これにより、第1もしくは第2の平衡端子OUT1,2の入力インピーダンスが50Ωより低い任意のインピーダンスを有する本発明の第4のバラン装置を得ることができる。
このように、本発明の第3のバラン装置においては、第1または第2の平衡端子OUT1,2が、第1または第3の伝送線路1,3の他端、すなわち第1,第2の伝送線路1,2の接続点または第2,第3の伝送線路2,3の接続点からそれぞれの開放端に向かってインピーダンスが大きくなる伝送線路の途中または開放端に接続されるので、図10に示すような50Ωより高い任意のインピーダンスが得られる。
また、本発明の第4のバラン装置においては、第1または第2の平衡端子OUT1,2が、第1または第3の伝送線路1,3の他端、すなわち第1,第2の伝送線路1,2の接続点または第2,第3の伝送線路2,3の接続点から第2の伝送線路2の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなる伝送線路の途中に接続されるので、図10に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。
本発明のバラン装置を構成するに当たり、第1〜第3の誘電体層21〜23、第1および第2の接地電極31,32、第1〜第9の伝送線路1〜9、不平衡端子INおよび平衡端子OUT1,2と伝送線路との接続線路は、周知の高周波用配線基板に使用される種々の材料,形態のものを使用することができる。たとえば、接続線路は、高周波信号伝送用の金属材料の導体層、例えばCu層,Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Wのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Cr−Cu合金層,Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Ta2N層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの,Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの、またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの等を用いて、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅も、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
本発明のバラン装置に用いる第1〜第3の誘電体層21〜23としては、例えばアルミナセラミックス,ムライトセラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、あるいは四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE),四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE),四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂,ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。これらの材料による第1〜第3の誘電体層21〜23の形状や寸法(厚みや幅,長さ)は、使用される周波数や用途等に応じて設定される。
本発明のバラン装置に用いる第1〜第3の誘電体層21〜23の作製にあたっては、例えば誘電体層がガラスセラミックスから成る場合、まず誘電体層となるガラスセラミックスのグリーンシートを準備し、これに所定の打ち抜き加工を施して、例えば不平衡端子INおよび平行端子OUT1,2と伝送線路との接続線路を貫通導体で形成する場合は貫通導体となる貫通孔を形成した後、スクリーン印刷法によりCu等の導体ペーストを貫通孔に充填するとともに、所定の伝送線路パターンおよびその他の導体層のパターンを印刷塗布する。次に、850〜1000℃で焼成を行ない、最後に外表面に露出している導体層上にNiメッキおよびAuメッキを施す。
図6は、図1の構成の本発明の第1のバラン装置と、図5に示す従来のバラン装置において、高周波信号の透過損失特性をシミュレーションで比較した結果を示すグラフである。このシミュレーションは、以下に示すパラメータを持つ伝送線路を用いて、それぞれ図1および図5に示す構成となるシミュレーションモデルを作成し、比較検討をすることにより行なった。
図1の本発明の第1のバラン装置の場合、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/8波長、第1,第4,第7の伝送線路1,4,7の自己および相互インピーダンスを2〜20Ωとし、また第3,第6,第9の伝送線路3,6,9は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/8波長、第3,第6,第9の伝送線路3,6,9の自己および相互インピーダンスを2〜20Ωとし、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/4波長、第2,第5,第8の伝送線路2,5,8の自己および相互インピーダンスを2Ω〜30Ωとしている。
図5の従来のバラン装置の場合、第1の伝送線路10と第2の伝送線路11で形成される結合線路の長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/4波長、第1の伝送線路10と第2の伝送線路11で形成される結合線路の自己および相互インピーダンスを30〜100Ωとし、第1の伝送線路10と第3の伝送線路12で形成される結合線路の長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/4波長、第1の伝送線路と第3の伝送線路で形成される結合線路の自己および相互インピーダンスを30〜100Ωとしている。
図6において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸は挿入損失(単位:dB)を表わし、各特性曲線は、実線で示すAが本発明のバラン装置における結果、破線で示すBが図5の従来のバラン装置における結果を示している。
図6の結果より、本発明のバラン装置によれば、従来のバラン装置における結果(B)に比べて、5.1〜5.4GHzの通過帯域の近傍に大きな減衰量frを有する特性が得られ、帯域通過のフィルタ特性を有するバラン装置を実現することができた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更,改良を加えることは何ら差し支えない。例えば、本発明のバラン装置を構成する第1〜第9の伝送線路1〜9は、それぞれ必ずしも直線状の伝送線路により形成されるものに限られるものではなく、角型状や円形状等に折り曲げた伝送線路や、コの字型,スパイラル形状,ミアンダライン形状の伝送線路等で形成することができる。このような形状とすることで、バラン装置を用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板の表面または内部に、高周波信号の伝送特性に優れた伝送線路により、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して構成する際の設計自由度が向上するとともに、小型で高性能なバラン装置を提供することが可能となる。
また、第1〜第9の伝送線路1〜9は、それぞれ単一の線路導体で形成するものに限られるものではなく、それぞれ電磁気的に1つの伝送線路とみなせるような2個以上の導体で形成してもよい。
さらに、第1および第2の平衡端子OUT1,2に平衡信号を供給して、不平衡端子INから不平衡信号を出力してもよい。
1〜9・・・第1〜第9の伝送線路
21・・・第1の誘電体層
22・・・第2の誘電体層
23・・・第3の誘電体層
31・・・第1の接地電極
32・・・第2の接地電極
IN・・・不平衡端子(入出力端子)
OUT1,2・・・平衡端子(入出力端子)
21・・・第1の誘電体層
22・・・第2の誘電体層
23・・・第3の誘電体層
31・・・第1の接地電極
32・・・第2の接地電極
IN・・・不平衡端子(入出力端子)
OUT1,2・・・平衡端子(入出力端子)
Claims (4)
- 第1の誘電体層と、該第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に配された第1の接地電極と、前記第1および第2の誘電体層の間に配された第1乃至第3の伝送線路と、前記第2および第3の誘電体層の間に配された第4乃至第9の伝送線路と、前記第3の誘電体層の上面に配された第2の接地電極とから成り、
前記第1の伝送線路と前記第4および第7の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第2の伝送線路と前記第5および第8の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第3の伝送線路と前記第6および第9の伝送線路とは、それぞれ略同じ長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向して配され、前記第1および第2の接地電極は、積層方向から見て前記第1乃至第9の伝送線路を覆うように配されており、
前記第1および第3の伝送線路は、それぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第2の伝送線路の一端および他端に電気的に接続され、前記第4および第6の伝送線路は、それぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第5の伝送線路の一端および他端に電気的に接続され、前記第7および第9の伝送線路はそれぞれ一端が開放端であるとともに、他端が前記第8の伝送線路の一端および他端に電気的に接続されており、
前記第4および第7の伝送線路の前記開放端に不平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記他端に第1の平衡端子が、前記第3の伝送線路の前記他端に第2の平衡端子が、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とするバラン装置。 - 前記不平衡端子が、前記第4および第7の伝送線路の前記開放端に代えて、前記第4および第7の伝送線路の途中にまたは前記第5および第8の伝送線路に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のバラン装置。
- 前記第1の平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中に、前記第2の平衡端子が、前記第3の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中にそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバラン装置。
- 前記第1の平衡端子が前記第1の伝送線路の前記他端に代えて、前記第2の平衡端子が前記第3の伝送線路の前記他端に代えて、それぞれ前記第2の伝送線路の途中に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバラン装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116566329A (zh) * | 2022-01-27 | 2023-08-08 | 锐石创芯(深圳)科技股份有限公司 | 巴伦、射频前端芯片和射频前端模组 |
-
2003
- 2003-09-02 JP JP2003310771A patent/JP2005080137A/ja active Pending
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