JP2005077869A - 現像剤担持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像濃度低下、画像濃度ムラの如き問題点が発生せず、均一で濃度ムラが無く、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体を提供することである。
【解決手段】 潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体に担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体において、
該現像剤担持体は、少なくとも基体および基体表面に形成された導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、結着樹脂、結着樹脂中に分散された黒鉛化粒子を少なくとも含有しており、該黒鉛化粒子は、黒鉛化度P(002)が0.20≦P(002)≦0.95であり、さらに、該黒鉛化粒子の体積平均粒径が0.5〜4.0μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合が5.0%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体等の像担持体上に形成された潜像を現像して顕像化するための現像装置に用いられる現像剤担持体に関するものである。
電子写真における現像方法としては、大別して少量のトナーとキャリアとを混合した二成分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いることなくトナー単独で現像に供する、いわゆる一成分系現像剤を用いる方法とがある。いずれの場合にも現像剤は現像剤担持体により担持搬送され、潜像担持体と対向する現像領域へと移動する。
上述の現像に用いられる現像剤担持体としては、従来、例えば金属、その合金又はその化合物を円筒状に成型し、その表面を電解、ブラスト、ヤスリ等で所定の表面粗度になるように処理したものが用いられる。
一成分系現像剤においてこのような現像剤担持体を用いる場合、規制部材によって現像剤担持体表面に形成される現像剤層中の現像剤担持体表面近傍に存在する現像剤は非常に高い電荷を有することとなり、担持体表面に鏡映力により強烈に引きつけられてしまい、これによりトナーと担持体との摩擦機会が持てなくなるため、現像剤は好適な電荷を持てなくなる。このような状況下では、十分な現像及び転写は行われず、画像濃度ムラや文字飛び散り等の多い画像となってしまう。
また、近年では省エネのための現像剤の低温定着化及び高精細画像形成のための小粒径化が望まれているため、このような機種においては上記方法では不十分である。例えば現像剤の低温定着化のため、現像剤のTgをより低目に設定したり、ワックスなどの低融点物質を多目に添加したりする傾向にあるため、本体の昇温等に影響され、現像剤が現像剤担持体上に融着しやすくなり、その結果、画像濃度低下・白筋・ブロッチ等が発生する。また、特許文献1や特許文献2等には、高画質化・高精細化のために粒径の小さいトナーを用いることが提案されている。このような粒径の小さいトナーでは単位質量当りの表面積が大きくなるため、表面電荷が大きくなりやすく、所謂チャージアップ現象によりトナーが現像剤担持体に固着し、その結果新たに現像剤担持体上に供給された現像剤が帯電されにくくなり、現像剤の帯電量が不均一となりやすく、画像上にスリーブゴーストが発生しやすくベタやハーフトーンなどの画像がスジ状画像、モヤ状画像など不均一になりやすい。
この様な現象を解決する方法として、特許文献3や特許文献4等においては、樹脂中に、結晶性グラファイト及びカーボンの如き導電性微粉末を分散させた被覆層が金属基体上に設けられている現像スリーブを現像装置に用いる方法が提案されている。この方法を用いることにより、上記した現象は大幅に軽減されることが認められる。
しかしながら、この方法では、上記粉末を多量に添加した場合には、被覆層表面が結晶性グラファイトの添加効果により潤滑性を有するようになるのでチャージアップやスリーブゴーストに対しては十分な効果を発揮するが、トナーへの帯電付与能力が不十分となり、特に高温高湿の環境下においては十分な画像濃度を得られにくい。また、その形状が鱗片状・針状等不定形であるために被覆層表面形状が不均一となり、さらに結晶性グラファイトの硬度が低いため、被覆層表面で結晶性グラファイト自体の摩耗や脱離が発生しやすく、耐久を進めていった場合に被覆層の表面粗さや表面組成が変化して、トナーの搬送不良やトナーへの帯電付与の不均一化が起こりやすくなる。
一方、添加量が少量の場合には、結晶性グラファイト及びカーボンの如き導電性微粉末の効果が薄く、チャージアップやスリーブゴーストに対して不十分であるという問題が残る。
また、特許文献5においては、樹脂中に結晶性グラファイト及びカーボンの如き導電性微粉末、更に球状粒子を分散させた導電性被覆層を金属基体上に設けた現像スリーブが提案されている。この現像スリーブでは、被覆層の耐磨耗性がある程度向上するとともに、被覆層表面の形状も均一化し、耐久による表面粗さの変化も比較的少なくなることから、スリーブ上のトナーコーティングが安定化してトナーの帯電を均一化することができ、スリーブゴースト、画像濃度、画像濃度ムラ等に問題が無い画質が安定化する傾向にある。しかしながら、この現像スリーブにおいても耐摩耗性、トナーへの均一帯電及びトナーへの帯電付与能力の安定化には不十分であり、更なる長期間の耐久においては、被覆層の球状粒子や結晶性グラファイトが摩耗あるいは脱落することで生じる被覆層表面の粗さの変化や粗さの不均一化、それに伴う被覆層のトナー汚染及びトナー融着等が生じ、このような場合にはトナーの帯電が不安定となり画像不良の原因となる。
特許文献6においては、導電性被覆層中に分散された球状粒子が低比重且つ導電性の球状粒子であり、これにより導電性被覆層中に均一に導電性球状粒子が分散されることで被覆層の耐磨耗性及び被覆層表面の形状が均一化してトナーへの均一な帯電性が向上し、且つ被覆層が多少摩耗した際にもトナー汚染及びトナー融着が抑制されうる現像スリーブが提案されている。しかしながら、この現像スリーブにおいても、耐摩耗性、トナーへの均一帯電及びトナーへの帯電付与能力の点では完全ではなく、更なる長期間の耐久においては、被覆層表面の導電性球状粒子が存在しない部分から、結晶性グラファイト等の導電性粒子が摩耗あるいは脱落しやすく、この摩耗及び脱落した部分から被覆層の摩耗が促進されてトナー汚染及びトナー融着が生じ、トナーの帯電が不安定となり画像不良の原因となる。更にこの現像スリーブを用いた場合、トナーへの高い帯電付与能力と言う点でも不十分で、現像スリーブ上で摩擦帯電を繰り返して劣化したトナー等に対しては高い画像濃度を得るための十分な帯電量を付与することができない場合がある。
特開平1−112253号公報 特開平2−284158号公報 特開平2−105181号公報 特開平3−36570号公報 特開平3−200986号公報 特開平8−240981号公報
本発明の目的は、現像剤担持体表面の樹脂被覆層が均一な表面形状を有し、耐久的な使用によっても樹脂被覆層の磨耗が少なく高耐久性を有すること、及び樹脂被覆層の磨耗のばらつきが少ないこと、及び被覆層表面の粗さの変化を抑制できることで、それらの結果から生じる画像濃度低下、画像濃度ムラの如き問題点が発生せず、均一で濃度ムラが無く、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体を提供することである。
また、本発明の目的は、耐久的な使用によっても現像剤担持体上の現像剤に高くて均一な帯電を付与すると共に、現像剤への過剰帯電を防止し、かつ現像剤の帯電を安定に保持させることで、それらの結果から生じる画像濃度低下・カブリ・飛び散り等が起こりにくい、長期に安定した画質が得られる現像剤担持体を提供することである。
また、本発明の目的は、異なる環境条件下においても、濃度低下、画像濃度ムラ、スリーブゴースト及びカブリの如き問題点が発生せず、均一で濃度ムラが無く、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体を提供することである。
さらに、本発明の目的は、粒径の小さいトナーや球形のトナーを用いた場合に現われる、現像剤担持体表面へのトナー付着を軽減させることにより、トナーの不均一な帯電を制御すると共にトナーに十分な帯電を与えることのできる現像剤担持体を提供することである。
本発明の目的は、以下の手段により達成される。
(I)潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体に担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体において、
該現像剤担持体は、少なくとも基体および基体表面に形成された導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、結着樹脂、結着樹脂中に分散された黒鉛化粒子を少なくとも含有しており、該黒鉛化粒子は、黒鉛化度P(002)が0.20≦P(002)≦0.95であり、さらに、該黒鉛化粒子の体積平均粒径が0.5〜4.0μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合が5.0%以下であることを特徴とする現像剤担持体。
(II)該黒鉛化粒子の体積平均粒径と黒鉛化度P(002)との関係が下記式を満たすことを特徴とする(I)記載の現像剤担持体。
−0.0464ln(X)+0.3143≦Y≦−0.0464ln(X)
+0.7643
0.5≦X≦4.0
[式中、Xは黒鉛化粒子の体積平均径(μm)、Yは黒鉛化粒子の黒鉛化度P(002)]
(III)該黒鉛化粒子はバルクメソフェーズピッチ及び/またはメソカーボンマイクロビーズ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする(I)〜(II)記載の現像剤担持体。
(IV)該樹脂被覆層が、0.3乃至2.0の中心線表面粗さRaを有していることを特徴とする(I)〜(III)記載の現像剤担持体。
本発明によれば、長期間にわたる連続複写においても、現像剤担持体表面の粗さが一定かつ均一に保つことができ、かつ樹脂被覆層の磨耗が少なく高耐久性を有することにより、均一で濃度ムラが無く、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体を提供することができる。
さらに、本発明によれば、現像剤担持体上の現像剤に高くて均一な帯電を付与できると共に、現像剤への過剰帯電を防止し、かつ現像剤の帯電を安定に保持させることが可能であり、それらの結果から生じる画像濃度低下・カブリ・飛び散り等が起こりにくい現像剤担持体を提供することができる。
また、本発明によれば、異なる環境条件下においても、濃度低下、画像濃度ムラ、スリーブゴースト及びカブリの如き問題点が発生せず、均一で濃度ムラが無く、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体を提供することができる。
さらに、本発明によれば、粒径の小さいトナーや球形のトナーを用いた場合に現われる、現像剤担持体表面へのトナー付着が軽減でき、トナーの不均一な帯電を制御すると共にトナーに十分な帯電を与えることのできる現像剤担持体を提供することができる。
本発明者らは、前記の課題について鋭意検討を行った結果、現像剤担持体表面の樹脂被覆層中に上記のような黒鉛化度及び粒度分布を有する黒鉛化粒子を添加することで、上記黒鉛化粒子が小粒径で粗粒が少なく粒径のばらつきが小さいため、初期現像剤担持体表面の凹凸形状や材料組成のばらつきが小さいという効果を見出したのである。また、耐久的な使用を行っていくと、現像剤担持体上のキャリアやトナーに含まれる磁性体や研磨剤等の外添剤、更には、現像剤層厚規制部材等からの力を受けることにより、現像剤担持体表面の樹脂被覆層の磨耗が進行していくが、本発明に用いる黒鉛化粒子は、上記の事柄に加え従来使用していた黒鉛化度の高い結晶性グラファイトに比べ比較的硬く、磨耗しづらく、また結着樹脂との硬度差が小さい故に、耐久により削れや粒子の脱落が発生しても不均一に削られることが少なく、その表面の凹凸形状及び材料組成が変化しずらくなる効果を見出したのである。そして、上記のような黒鉛化度の黒鉛化粒子は、さらに潤滑性を有する為にスリーブへのトナー融着も発生しずらいという効果も有している。また、本発明の黒鉛化粒子を樹脂被覆層に含有させることにより、トナー汚染やトナーのチャージアップを発生させること無くトナーへ均一で高い帯電を付与する効果があることを見出したのである。
次に本発明に用いられる現像剤担持体の構成についてより詳しく説明する。
本発明の現像剤担持体は、基体および樹脂被覆層よりなる。
現像剤担持体の基体としては、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材等があるが、ドラムに非接触の現像方法においては、金属のような剛体の円筒管もしくは中実棒が好ましく用いられる。このような基体はアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等の非磁性の金属または合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削等を施したものが好適に用いられる。これらの基体は画像の均一性を良くするために、高精度に成型あるいは加工されて用いられる。例えば長手方向の真直度は30μm以下もしくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下が好ましく、スリーブと感光ドラムとの間隙の振れ、例えば、垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、スリーブを回転させた場合の垂直面との間隙の振れも30μm以下もしくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下であることが好ましい。材料コストや加工のしやすさからアルミニウムが好ましく用いられる。
また、弾性層を有する基体としては、芯材と、ウレタン、EPDM、シリコーン等のゴムやエラストマーを含む層構成を有する円筒部材が、特にドラムに現像剤担持体を直接接触させる現像方法の場合好ましく用いられる。
次に、本発明の現像剤担持体における導電性被覆層の基本的な構成について説明する。図1にその一例を模式的に示すが、アルミ円筒状基体26上の樹脂層24中に本発明で用いられる特定の黒鉛化度と粒度を有する黒鉛化粒子21が分散されている。この場合、黒鉛化粒子21は小さな凹凸を形成して、トナー粒子表面と被覆層の樹脂及び黒鉛化粒子21との接触帯電機会やトナーとの離型性を調整する役割も果たす。
図2においては、更に結着樹脂中に黒鉛化粒子21に加えて導電性微粒子23を添加することでさらに導電性を高めた構成であり、導電性微粒子23自体は実質的な凹凸形成にはあまり寄与していない。しかしながら、導電性微粒子23に限らず、添加される別の固体粒子により微小な凹凸が形成される様態も含まれる。
図3においては、球状粒子25が樹脂被覆層24の表面に比較的大きな凹凸を与えるために結着樹脂中に更に添加されたモデル図を示し、黒鉛化粒子21は樹脂被覆層24の表面に小さな凹凸を形成している。このような構成は、現像剤規制部材が現像剤担持体に対して(トナーを介して)弾性的に圧接されるタイプの現像装置に用いる場合に有利である。すなわち、この樹脂被覆層24の表面の球状粒子25により弾性規制部材の圧接力を規制しトナーの搬送量を制御してトナーと現像剤担持体との接触機会をコントロールし、且つ黒鉛化粒子21は小さな凹凸を形成して、トナー粒子表面と被覆層の樹脂及び黒鉛化粒子21との接触帯電機会やトナーとの離型性を調整する役割も果たす。
次に、本発明の被覆層を構成する材料について説明する。
まず、本発明の現像剤担持体を構成する基体表面に被覆された樹脂被覆層に用いられる黒鉛化粒子について説明する。
本発明に使用される黒鉛化粒子は、現像剤担持体の被覆層表面に均一な表面粗度を保持させると同時に、被覆層表面が摩耗した場合でも被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生し難くするために添加するものである。更に、該黒鉛化粒子はトナーへの帯電付与性を高める効果もある。
本発明において、現像剤担持体の被覆層に分散される黒鉛化粒子の黒鉛化度P(002)は、0.20≦P(002)≦0.95を満たす。黒鉛化度P(002)とは、Franklinのp値といわれるもので、黒鉛のX線回折図から得られる格子間隔d(002)を測定することで、d(002)=3.440−0.086(1−P2)で求められる。このp値は、炭素の六方網目平面積み重なりのうち、無秩序な部分の割合を示すもので、p値が小さいほど黒鉛化度は大きい。
該黒鉛化粒子は、前記特許文献3、特許文献4等において現像剤担持体表面の被覆層中に用いられていた、コークスなどの骨剤をタールピッチ等により固めて成形後1000〜1300℃程度で焼成してから2500〜3000℃程度で黒鉛化して得た人造黒鉛、あるいは天然黒鉛からなる結晶性のグラファイトとは、該黒鉛化粒子の原材料及び製造工程が異なる。そのため、該黒鉛化粒子は従来用いていた結晶性グラファイトより黒鉛化度は若干低いものの、従来に用いられていた結晶性グラファイトと同様に高い導電性や潤滑性を有しており、更に粒子の形状が従来に用いられていた結晶性グラファイトの鱗片状あるいは針状とは異なり、塊状でしかも粒子自身の硬度が比較的高いのが特徴である。
また、上記黒鉛化粒子は、前記特許文献6に記載している低比重且つ導電性の球状粒子とも原材料と製法が異なることにより、粒子自身の潤滑性や帯電付与特性の点で異なる。前記特許文献6に記載している低比重且つ導電性の球状粒子は、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化したものである。従って、前記の球状樹脂粒子そのものは黒鉛化しにくい材質であるので、表面は黒鉛化されていても粒子内部は炭化されたものであり、粒子自体の黒鉛化度P(002)は結晶性でないために粒子としての結晶性は小さい。そのため、前記の導電性球状粒子は、樹脂被覆層中に分散された場合、表面粗さを均一に付与しその耐久性を向上させるため、トナーの安定した搬送性及びそれに付随する帯電安定性には優れる。しかしながら本発明に使用する黒鉛化粒子ほど、被覆層表面に均一な潤滑性、導電性、帯電付与性等の特性を発揮させる機能は有していない。
即ち、上記のような本発明に使用する特性を有する黒鉛化粒子を用いると、樹脂被覆層中で均一且つ微細に分散することが可能となり、黒鉛化粒子が樹脂被覆層表面に形成する凹凸形状が小さく且つ均一な表面粗度となると共に、優れた潤滑性を保持しつつ耐磨耗性を被覆層表面に与えることができる。これに加えて黒鉛化粒子自身の形状が変化しがたいために樹脂被覆層中の被覆樹脂分等の削れ、またはその影響により粒子自身の脱落が生じたとしても、小粒径でかつ粗粒が少ない故に被覆層表面の凹凸形状の変化を小さく抑えることができ、かつ、従来用いられていた結晶性グラファイトに比べて本発明の黒鉛化粒子は結着樹脂との硬度差が小さくなっているので、削れたとしても不均一に削られることが少なく、よって樹脂被覆層の表面組成や形状の変化を小さくおさえることができる。
また、前記黒鉛化粒子が樹脂被覆層中に微細且つ均一に分散されていると、トナーの搬送性及び耐磨耗性を向上するために樹脂被覆中に含有させる粗し粒子の分散性もより良好となり、樹脂被覆層の耐磨耗性や耐久によりトナー融着が発生し難くなる効果が向上する。
本発明の黒鉛化粒子の黒鉛化度P(002)が0.95を超える場合は、耐磨耗性には優れているが、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップを発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度等の画質が悪化しやすくなり、更に弾性規制ブレードを使用した場合にブレード傷が発生する場合があり、画像にスジ・濃度ムラ等が発生しやすくなる。P(002)が0.20未満の場合は、黒鉛化粒子の耐磨耗性の悪化により被覆層表面の耐磨耗性、樹脂被覆層の機械的強度及びトナーへの帯電付与性が低下してしまう。
本発明において、現像剤担持体の被覆層に分散される黒鉛化粒子の体積平均粒径は0.5〜4.0μm、10μm以上の粒子の存在量は5.0体積%以下である。黒鉛化粒子の体積平均粒径が0.5μm未満では表面に均一な粗さを付与する効果と帯電性能を高める効果が少なく、現像剤への迅速且つ均一な帯電が不十分となると共に、被覆層の磨耗によるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、ゴーストの悪化、画像濃度低下を生じやすくなるため好ましくない。体積平均粒径が4.0μmを超える場合には、細かい凹凸付与効果が薄れ表面の粗さが不均一となりやすく、また耐久使用時に被覆層の磨耗にばらつきが生じやすく削れ部分に起因する画像濃度ムラやトナー汚染・融着等が発生しやすくなる。また、体積平均粒径が0.5〜4.0μm以上であっても10μm以上の粒子が多く存在すると、前記のような現象に加え弾性ブレードを用いた場合などは耐久によってブレード傷が発生する場合があり、画像にスジ・濃度ムラ等が発生しやすくなるため粗い粒子は粒子の体積分布において5.0%以下に抑える必要がある。
さらに本発明では、樹脂被覆層中に存在する黒鉛化粒子の体積平均粒径と黒鉛化度P(002)との関係が下記式を満たすことが好ましい。
−0.0464ln(X)+0.3143≦Y≦−0.0464ln(X)
+0.7643
0.5≦X≦4.0
[式中、Xは黒鉛化粒子の体積平均径(μm)、Yは黒鉛化粒子の黒鉛化度P(002)]
黒鉛等の層状鉱物では摩砕・粉砕の際のせん断応力によって層の積み重なりに不整を起こしたり、層間距離に変化が生じたりすることが認められている。本発明においても、黒鉛化粒子の製造過程における粉砕・分級工程等で粒径をコントロールする際、また、樹脂溶液中への黒鉛化粒子の分散を行う際に、黒鉛化粒子の小粒径化が進むに従いその黒鉛化度が若干低下する傾向にある。上記式は、分散後の黒鉛化粒子の黒鉛化度に対する分散粒径依存性を加味したもので、Y<−0.0464ln(X)+0.3143の場合は、黒鉛化粒子の耐磨耗性が落ちる傾向で、被覆層表面の耐磨耗性、樹脂被覆層の機械的強度及びトナーへの帯電付与性の低下を招きやすくなる。また、Y>−0.0464ln(X)+0.7643の場合は、耐磨耗性には優れているが、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップを発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度等の画質が悪化しやすくなり、更に弾性ブレードを使用した場合にブレード傷が発生する場合があり、画像にスジ・濃度ムラ等が発生しやすくなる。
本発明の黒鉛化粒子を得る方法としては、以下に示すような方法が好ましいが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
本発明に使用される特に好ましい黒鉛化粒子を得る方法としては、原材料としてメソカーボンマイクロビーズやバルクメソフェーズピッチなどの光学的に異方性で、しかも単一の相からなる粒子を用いて黒鉛化することが、該黒鉛化粒子の黒鉛化度を所望の値とし且つ塊状形状を保持させるために好ましい。
上記の原材料の光学的異方性は、芳香族分子の積層から生じるものであり、その秩序性が黒鉛化処理でさらに発達し、高度の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子が得られる。前記のバルクメソフェーズピッチを用いる場合は、加熱下で軟化溶融するものを用いることが塊状で黒鉛化度の高い黒鉛化粒子を得るために好ましい。
前記のバルクメソフェーズピッチを得る方法として代表的なものは、例えば、コールタールピッチ等から溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行うことによって得られるメソフェーズピッチである。また前記重質化処理後、微粉砕し、次いでベンゼンまたはトルエン等により溶剤可溶分を除去することで得られるメソフェーズピッチである。
このバルクメソフェーズピッチはキノリン可溶分が95質量%以上であることが好ましい。95質量%未満のものを用いると、粒子内部が液相炭化しにくく、固相炭化するため粒子が破砕状のままとなり、球状のものが得られない。
次に前記のメソフェーズピッチを用いて黒鉛化する方法としては、まず、前記のバルクメソフェーズピッチを2〜25μmに微粉砕して、これを空気中で約200〜350℃で熱処理することにより、軽度に酸化処理する。この酸化処理によって、バルクメソフェーズピッチは表面のみ不融化され、次工程の黒鉛化熱処理時の溶融、融着が防止される。この酸化処理されたバルクメソフェーズピッチは酸素含有量が5〜15質量%であることが好ましい。5質量%未満であると熱処理時の粒子同士の融着が激しいので好ましくなく、15質量%を超えると粒子内部まで酸化されてしまい、形状が破砕状のまま黒鉛化し球状のものが得られにくい。
次に上記の酸化処理したバルクメソフェーズピッチを窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、約2000〜3500℃で熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
また、黒鉛化粒子を得るためのもう一つの好ましい原材料であるメソカーボンマイクロビーズを得る方法として代表的なものは、例えば、石炭系重質油または石油系重質油を300〜500℃の温度で熱処理し、重縮合させて粗メソカーボンマイクロビーズを生成し、反応生成物を濾過、静置沈降、遠心分離などの処理に供することによりメソカーボンマイクロビーズを分離した後、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤で洗浄し、更に乾燥することによって得られる。
前記のメソカーボンマイクロビーズを用いて黒鉛化する方法としては、まず乾燥を終えたメソカーボンマイクロビーズ破壊させない程度の温和な力で機械的に一次分散させておくことが黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。
この一次分散を終えたメソカーボンマイクロビーズは、不活性雰囲気下において200〜1500℃の温度で一次加熱処理され、炭化される。一次加熱処理を終えた炭化物は、やはり炭化物を破壊させない程度の温和な力で炭化物を機械的に分散させることが黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。
二次分散処理を終えた炭化物は、不活性雰囲気下において約2000〜3500℃で二次加熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
また、前記のいずれの原材料から得られた黒鉛化粒子は、いずれの製法にかかわらず、分級により粒度分布をある程度均一にしておくことが、樹脂被覆層の表面形状を均一にするために好ましい。
また、いずれの原材料を用いた黒鉛化粒子の生成方法においても、黒鉛化粒子の焼成温度は2000〜3500℃が好ましく、2300〜3200℃がより好ましい。
焼成温度が2000℃未満の場合は、黒鉛化粒子の黒鉛化度が不十分であり、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップを発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度等の画質が悪化しやすくなり、更に弾性ブレードを使用した場合にブレード傷が発生する場合があり、画像にスジ・濃度ムラ等が発生しやすくなる。焼成温度が3500℃超の場合は黒鉛化粒子の黒鉛化度が高すぎてしまう場合があり、そのため黒鉛化粒子の硬度が下がり、黒鉛化粒子の耐磨耗性の悪化により被覆層表面の耐磨耗性、樹脂被覆層の機械的強度及びトナーへの帯電付与性が低下しやすい。
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層の結着樹脂材料としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。
本発明においては、樹脂被覆層の体積抵抗を上記の値に調整するため、樹脂被覆層中に前記の黒鉛化粒子と併用して、他の導電性微粒子を分散含有させてもよい。
この導電性微粒子としては、体積平均粒径が、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01〜0.8μmのものがよい。この樹脂被覆層中に黒鉛化粒子と併用して分散含有させる導電性微粒子の個数平均粒径が1μmを超えた場合には、樹脂被覆層の体積抵抗を低く制御しづらくなり、トナーのチャージアップによるトナー汚染が発生しやすくなる。
本発明で使用することのできる導電性微粒子としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物等;アルミニウム、銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維、炭素繊維等の無機系充填剤等が挙げられる。
本発明に用いられる黒鉛化粒子は潤滑性を有するが、これとは別に潤滑性粒子を更に添加しても良い。この潤滑性粒子としては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらの潤滑性粒子は、体積平均粒径が好ましくは0.5〜4.0μm程度のものを使用するのが良い。潤滑性粒子の体積平均粒径が0.5μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくない。体積平均粒径が4.0μmを超える場合には、表面に均一な粗さを付与する効果が少なくなり、また耐久使用時に被覆層の磨耗にばらつきが生じやすく耐摩耗性の点で好ましくない。
本発明においては、比較的大きい凹凸を形成することで現像剤の搬送性を維持する為に樹脂被覆層中に凹凸形成のための固体粒子を添加してもよい。本発明に使用される固体粒子としては、球状のものが好ましい。球状粒子であることにより、不定形粒子に比べ現像剤の搬送性が均一となる。
本発明では、上記球状粒子は樹脂被覆層表面に比較的大きな凹凸を与え、黒鉛化粒子は樹脂被覆層の表面に微細な凹凸を形成する構成となる。この構成は特に、現像剤規制部材が現像剤に対しトナーを介して弾性的に圧接するタイプの現像装置に用いる場合に有利である。樹脂被覆層表面に存在する球状粒子は弾性規制部材の圧接力を規制しトナーの搬送量を制御してトナーと現像剤担持体との接触機会をコントロールする作用があり、且つ黒鉛化粒子は小さな凹凸を形成して、トナーと被覆層の樹脂及び黒鉛化粒子との接触帯電機会やトナーとの離型性を調整する役割も果たす。また球状粒子は、自身がスペーサーとして働き被覆層表面へのストレスを軽減させる故に、結果として被覆層の耐磨耗性の向上、及びトナー融着を発生しにくくする効果もある。
本発明に使用される球状粒子としては、体積平均粒径が1〜20μm、好ましくは2〜15μmである。球状粒子の体積平均粒径が1μm未満では被覆層表面への凹凸形成効果が少なく、現像剤の搬送性維持という面でも不十分となる場合がある。搬送性が十分に得られない場合には、現像剤への均一な帯電が不十分となると共に、樹脂被覆層の磨耗が大きくなりやすく、さらによるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、ゴーストの悪化、画像濃度低下を生じやすくなる。体積平均粒径が20μmを超える場合には、被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、現像剤の搬送過多或いは不均一な状態となりトナーの帯電が十分に行なわれにくくなってしまう。このような場合、摩擦帯電の不均一化により画像のスジやフェーディング、濃度薄が発生しやすくなる。また、球状粒子が形成する凸部が高くなりすぎるため、弾性ブレードを用いた場合などは球状粒子自身の突起がブレードを傷つける場合があり、画像上に濃度ムラ・スジ等が発生しやすくなる。
また、本発明で使用する球状粒子の真密度は、3g/cm3以下、好ましくは2.7g/cm3以下、より好ましくは0.9〜2.3g/cm3であることが良い。即ち、球状粒子の真密度が3g/cm3を超える場合には、被覆層中での球状粒子の分散性が不十分となる為、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーの均一な帯電化及び被覆層の強度が不十分となってしまい好ましくない。球状粒子の真密度が0.9g/cm3より小さい場合にも、被覆層中での球状粒子の分散性が不十分となるため好ましくない。
本発明において、導電性球状粒子における球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度のものを意味しており、本発明において好ましくは、長径/短径の比が1.0〜1.2の粒子を使用することが良い。球状粒子の長径/短径の比が1.5を超える場合には、樹脂被覆層中への球状粒子の分散性が低下すると共に、被覆層表面形状の不均一化が起こりやすく、トナーの摩擦帯電が不均一になったり、樹脂被覆層の不均一な削れが発生しやすい。
本発明に用いられる球状粒子は、公知の球状粒子が使用可能である。例えば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子などがある。球状の粒子としては、例えば、懸濁重合、分散重合法等による球状の樹脂粒子などが用いられる。球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さが得られ、更に均一な表面形状が得られやすい。この様な球状粒子としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子、等々が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的にあるいは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよい。
本発明では、上記球状粒子の中では特に導電性の粒子を用いることが好ましい。即ち、粒子に導電性を持たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。本発明において、粒子の導電性としては、体積抵抗値が106Ω・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子であることが好ましい。このような粒子の体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。さらには粒子の真密度としては3000kg/m3程度以下であることがより好ましい。導電性であっても、粒子の真密度が高すぎる場合、同じ粗さを形成するための添加量は増加してくることと、樹脂または樹脂組成物と真密度差が大きくなるため、製造時の粒子の分散状態が非均一となりやすく、したがって形成された被覆層においても分散状態が不均一となり好ましくない。また粒子が球状であると、圧接される現像剤規制部材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリーブ回転トルクの増加や、トナーの付着などを軽減することができるのでより好ましい。特に下記に示すような導電性の球状粒子を用いた場合には、より良い効果が得られる。
すなわち特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。そして、樹脂系球状粒子に用いられる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。
また、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄することによって製造することができる。
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
また、前述したが、上記球状樹脂粒子そのものは黒鉛化しにくい材質であるので、表面は黒鉛化されていても粒子内部は炭化されたものであり、粒子自体の黒鉛化度P(002)は結晶性でないために粒子としての結晶性は小さい。そのため、前記の導電性球状粒子は、樹脂被覆層中に分散された場合、表面粗さを均一に付与しその耐久性を向上させるため、トナーの安定した搬送性及びそれに付随する帯電安定性には優れる。しかしながら本発明に使用する黒鉛化粒子ほど、被覆層表面に均一な潤滑性、導電性、帯電付与性等の特性を発揮させる機能は有していない。
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させることによって得られる球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。また、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密度が大きくなりすぎない範囲で、導電性の金属及び/または金属酸化物のメッキを施していても良い。
次に、樹脂被覆層を構成する各成分の構成比について説明するが、これは本発明において特に好ましい範囲である。
樹脂被覆層中に含有される黒鉛化粒子の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは2〜200質量部、より好ましくは10〜100質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。黒鉛化粒子の含有量が2質量部未満の場合には黒鉛化粒子の添加効果が小さく必要な凸部が形成されにくく、潤滑性効果も発揮できない。200質量部を超える場合には黒鉛化粒子と樹脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて耐磨耗性が悪化してしまう場合がある。
樹脂被覆層中に併用して凹凸形成の為の固体粒子を含有させる場合の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは2〜60質量部、より好ましくは2〜40質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。粗し粒子の含有量が2質量部未満の場合には粗し粒子の添加効果が小さく必要な凸部が形成されにくい、60質量部を超える場合には粗し粒子と樹脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて耐磨耗性が悪化してしまう場合がある。
樹脂被覆層中に併用して潤滑性粒子を含有させる場合の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは5〜120質量部、より好ましくは10〜100質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。潤滑性粒子の含有量が120質量部を超える場合には、被膜強度の低下が認められ、5質量部未満では長期間使用した場合など、潤滑性粒子としての効果を発揮し得ない傾向がある。
樹脂被覆層中に併用して導電性微粒子を含有させる場合の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは2〜35質量部の範囲で使用すると特に好ましい結果が得られる。即ち、導電性微粒子の含有量が40質量部を超える場合には、被膜強度の低下が認められ好ましくない。
これらの分散には一般的に公知の分散装置、例えばペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく用いられる。現像剤担持体への樹脂被覆層の形成方法としては、導電性支持体をスプレーガンの移動方向に平行に垂直に立てて、導電性支持体を回転させつつ、導電性支持体とスプレーガンのノズル先端との距離を一定に保ちスプレーガンを一定速度で上昇させながら上記材料を分散した塗料を用いてエアスプレー法により塗料を基体に塗布することで得られる。一般にエアスプレー法では塗料を安定して微粒子液滴化させることにより分散の良好な被覆層を得ることができる。これを高温乾燥機にて乾燥硬化させることにより樹脂被覆層を表面に有する現像剤担持体を得ることができる。
本発明において、現像剤担持体の樹脂被覆層の体積抵抗は、104Ωcm以下、より好ましくは103〜10-2Ωcmであることがよい。被覆層の体積抵抗が104Ωcmを超える場合には、トナーのチャージアップが発生し易くなり、樹脂被覆層へのトナー汚染を引き起こしやすい。樹脂被覆層の体積抵抗は100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの被覆層を形成し、ローレスターAP(三菱油化社製)に4端子プローブを取付けて測定した。
上記したような構成の樹脂被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであると均一な膜厚を得るために好ましいが、特にこの層厚に限定されるものではない。これらの層厚は、基体の外径・樹脂被覆層に使用する材料にもよるが、付着質量として、4000〜20000mg/m2程度にすれば得られる。
次に、上記した様な本発明の現像剤担持体が組み込まれている本発明の現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。図4は、本発明の現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置の模式図を示す。図4において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、電子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ8は、現像剤容器としてのホッパー3によって供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を担持して矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ8と感光ドラム1とが対向している現像領域Dに現像剤4を搬送する。図4に示す様に、現像スリーブ8内には、現像剤4を現像スリーブ8上に磁気的に吸引し且つ保持する為に磁石が内接されているマグネットローラー5が配置されている。本発明の現像装置で用いられる現像スリーブ8は、基体としての金属円筒管6上に被覆された導電性被覆層7を有する。ホッパー3中には、現像剤4を撹拌する為の撹拌翼10が設けられている。12は現像スリーブ8とマグネットローラー5とが非接触状態にあることを示す間隙である。
現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ8上の導電性被覆層7との摩擦によって、感光ドラム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図4の例では、現像領域Dに搬送される現像剤4の層厚を規制する為に、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像スリーブ8の表面から約50〜500μmのギャップ幅をもって現像スリーブ8に臨む様に、ホッパー3から垂下されている。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード2に集中することにより、現像スリーブ8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード2に代えて非磁性ブレードを使用することもできる。この様にして現像スリーブ8上に形成される現像剤4の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
本発明の現像剤担持体は、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。説明の煩雑を避ける為、以下の説明では、上記した様な非接触型現像装置を例に採って行う。
現像スリーブ8に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を飛翔させる為、上記現像スリーブ8にはバイアス手段としての現像バイアス電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときには、静電潜像の画像部(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との中間の値の電圧を現像スリーブ8に印加するのが好ましい。現像された画像の濃度を高め、或いは階調性を向上させる為には、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加するのが好ましい。
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤4は少なくとも現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
図5は、本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模式図、図6は、本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である。図5及び図6に示した現像装置では、現像スリーブ8上の現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード11を使用し、この弾性規制ブレード11を図5の現像装置では現像スリーブ8の回転方向と逆方向の向きで圧接させており、図6の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像スリーブ8の回転方向と順方向の向きで圧接させているのが特徴である。これらの現像装置では、現像スリーブ8に対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を弾性的に圧接することによって、現像スリーブ上に現像剤の薄層を形成することから、現像スリーブ8上に、上記した図4の例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することができる。
図5及び図6の現像装置の他の基本的構成は図4に示した現像装置と同じであり、同符号のものは、基本的には同一の部材であることを示す。図4〜図6はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパー3)の形状、撹拌翼10の有無、磁極の配置に様々な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置では、現像剤として非磁性一成分現像剤を用いた場合、またトナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
次に、本発明の現像装置で用いられるトナーについて説明する。トナーは主として樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分級等をして粒度分布をそろえた微粉体である。トナーに用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックス等が単独或は混合して使用できる。
また、トナー中には顔料を含有することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG、オイルピンクOP等が適用できる。
トナーを磁性トナーとして用いるために、トナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末、又はマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー質量に対して15〜70質量%が良い。
トナーに、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
必要に応じて、トナーに荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤、正荷電制御剤がある。例えば、トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
また、トナーを正帯電させるための物質としては下記のようなものがある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。
トナーは必要に応じて、流動性改善等の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられる。このような微粉末としては、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微粉体が用いられる。
これらの微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤等で有機処理して用いることが可能である。例えば、有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
また、未処理の微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。特にポジトナーの場合好ましい。そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等がある。
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば、1)スプレー法、2)有機溶媒法、3)水溶液法等がある。一般に、スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌しここにカップリング剤の水溶液或いは溶媒液をスプレーし、この後水或いは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。また、有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸積した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水或いは水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸積し後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。
他の有機処理としてシリコーンオイルで処理された微粉体を用いることも可能である。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10000mm2/sec、好ましくは1〜1000mm2/secのものが用いられ、例えば、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
また、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いてもよい。特にポジトナーの場合は好ましい。シリコーンオイルによる処理は、例えば、次のようにして行い得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱しており、これに上記シリコーンオイル或いはその溶液をスプレー若しくは気化して吹き付けるか、又は顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。これらのシリコーンオイルは1種或いは2種以上の混合物或いは併用や多重処理して用いられる。また、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。
このようなトナーは、種々の方法で、球形化処理、表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、攪拌羽根又はブレード等、及びライナー又はケーシング等を有する装置で、例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法等がある。
また、球状のトナーを作る方法としては、水中にトナー結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー化する方法がある。一般的な方法としては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を、分散安定剤を含有する連続層、例えば、水相中に適当な攪拌機を用いて適度な粒径に分散し、更に重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得る方法である。
トナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。キャリア材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトといった磁性体金属、及びそれらの合金、或いは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト及びリチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライトといった鉄系酸化物、及びそれらの混合物、更には、ガラス、炭化ケイ素等のセラミックス粒子、樹脂粉体、磁性体を含有する樹脂粉体等をあげることができ、通常は平均粒径が20〜300μm程度の粒状物として用いる。
このようなキャリアは上記に挙げた粒状物を直接キャリア粒子として用いてもよいが、トナーの摩擦帯電電荷を調整したりキャリアへのトナースペントを防止したりするために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等のコート剤により適宜粒子表面に樹脂コートを施して用いることもできる。
以下に本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
(1)黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)
黒鉛化度p(002)は、マックサイエンス社製の強力型全自動X線回折装置“MXP18”システムにより、黒鉛のX線回折スペクトルから得られる格子間隔d(002)を測定することで、d(002)=3.440−0.086(1−P2)で求めた。
尚、格子間隔d(002)は、CuKαをX線源とし、CuKβ線はニッケルフィルターにより除去している。標準物質に高純度シリコーンを使用し、C(002)及びSi(111)回折パターンのピーク位置から算出した。主な測定条件は以下のとおりである。
X線発生装置:18kw
ゴニオメータ:横型ゴニオメータ
モノクロメータ:使用
管電圧:30.0kV
管電流:10.0mA
測定法:連続法
スキャン軸:2θ/θ
サンプリング間隔:0.020deg
スキャン速度:6.000deg/min
発散スリット:0.50deg
散乱スリット:0.50deg
受光スリット:0.30mm
(2)トナー及び樹脂粒子の粒径測定
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μmまたは100μm等の適宜トナーサイズに合わせたアパーチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求め、さらに個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を計算し、1/2倍径累積分布以下の累積値を求める。同様に体積基準の粒度分布より重量平均粒径の2倍径累積分布以上の累積割合を計算し、2倍径累積分布以上の累積値を求める。
(3)現像剤担持体表面の中心線平均粗さ(Ra)の測定
現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3500を用い、測定条件としてはカットオフ0.8mm、評価長さ4mm、送り速度0.5mm/sにて、軸方向3点X周方向3点=9点について各々測定し、その平均値をとった。
(4)樹脂被覆層の体積抵抗の測定
100μmの厚さのPETシート上に、7〜20μmで導電性樹脂被覆層を形成し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに三菱化学製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。なお、測定環境は、20〜25℃、50〜60%RHとした。
(5)導電性粒子の粒径測定
黒鉛化粒子等の導電性粒子の粒径はレーザー回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用する。IPAにて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行する。
次にIPA50ml中に、測定試料を1〜25mg加える。試料を懸濁した溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算術した体積平均粒径を求める。
(6)樹脂被覆層の削れ量測定
レーザー測長器(KEYENCE社製:コントローラLS−5500、センサーヘッドLS5040T)で被覆層形成前後の外径を測定した。その前後の測定値より、30点の平均値をとって削れ量(μm)とした。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部である。
《実施例1》
実施例1−1〜6及び比較例1−1〜5では、図2のような表層構成の現像剤担持体を例として評価をおこなった。基本構成としては、樹脂中に本発明の黒鉛化粒子を分散した構成で、黒鉛化粒子は小さな凹凸を形成して、トナー粒子表面と被覆層の樹脂及び黒鉛化粒子との接触帯電機会やトナーとの離型性を調整している。また、抵抗調整の為に導電性微粒子をさらに加えているが、導電性微粒子自体は実質的な凹凸形成にはあまり寄与していない。
現像剤担持体の評価にあたっては、市販のレーザービームプリンターLaserJet4100(ヒューレッドパッカード社製)改造機を用い、現像剤に関しては下記一成分系現像剤E−1を用いて評価を行なった。本実験に用いたLaserJet4100改造機は、LaserJet4100をベースに、スリーブ周速をドラム周速に対し1.6倍に速めている。カートリッジには、トナー容器のキャパシティーを上げる改造を施しており、また、現像剤規制部材である弾性ブレードの当接圧(現像剤担持体の軸線方向についての当接荷重(gf/cm))設定を15gf/cmに設定した。更に、本体及びカートリッジには、それぞれメカ的強度補強を加えている。外部のキャラクタージェネレーター(CG)から画像信号を送り、画像を出力させ画出しを行った。トナーが少なくなる毎に磁性トナーを補給しながら1.5万枚までの連続耐久テストを行い、評価を行った。
[トナー製造例1]
一成分系現像剤としては次のものを用いた。
・スチレン−アクリル系樹脂 100部
・マグネタイト 100部
・3,5−ジ・ターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 1部
・低分子量ポリプロピレン 5部
前記材料を一般的な乾式トナー製法にて混練、粉砕及び分級等を行い、個数平均粒径が5.8μmの微粉体を得た。この微粉体100部に疎水性コロイダルシリカ1.0部を外添して、磁性トナーとし、この磁性トナーを一成分現像剤E−1とした。
<実施例1−1>
下記に示す方法によって現像スリーブを作製した。先ず、下記に示す配合比にて現像スリーブ表面に設ける樹脂被覆層の塗工液の作製を行なった。
・レゾール型フェノール樹脂(50%メタノール溶液) 300部
・黒鉛化粒子 A−1 100部
・カーボンブラック 10部
・イソプロピルアルコール 430部
黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて3000℃で熱処理を行い、さらにそれを分級して得られた黒鉛化粒子A−1を使用した。
上記材料を、ガラスビーズを用いてサンドミルにて分散した。分散方法としては、レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有)200部に黒鉛化粒子A−1を100部、及びイソプロピルアルコールを200部添加し、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて分散して塗料中間体I−1を得た。このI−1中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は2.22μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0.15%、黒鉛化度P(002)は0.42であった。表1に本実施例に用いる塗料中間体に分散される黒鉛化粒子の物性を列記した。図7には、本実施例で使用される黒鉛化粒子の分散粒径と黒鉛化度P(002)との関係を示している。
また、残りのレゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有)100部にイソプロピルアルコール30部とカーボンブラック10部を加え、直径0.5mmのガラスビーズをメディア粒子としたサンドミル分散して塗料中間体Jを得た。前記塗料中間体I−1、塗料中間体J及びイソプロピルアルコール200部を混合・攪拌して塗工液P−1を得た。
上記塗工液を用いてスプレー法により外径16mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体D−1を作製し評価を行った。画像評価の結果は表3〜5に挙げたように、いずれの環境下においても終始良好な現像性を得ることができた。
〔評価〕
下記に挙げる評価項目について耐久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価を行った。表4に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ及び耐久ゴーストの評価結果を示した。また、表5に、高温高湿下における画像濃度の耐久性、文字シャープ性の耐久性、耐久ゴーストの評価、ブレード傷/融着(スジ)、濃度一様性の評価及び結果を示した。
耐久環境としては、15℃/10%RHの低温/低湿環境(L/L)下、23℃/60%RHの常温/常湿環境(N/N)下及び30℃/85%RHの高温/高湿環境(H/H)下の3つの耐久環境について行った。
<評価方法>
(1)画像濃度
画像濃度は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を使用し、ベタ印字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とした。
(2)ゴースト
ベタ白とベタ黒部が隣り合う画像を画像先端部(スリーブ回転1周目)で現像し、2周目以下のハーフトーン上に現れるベタ白跡とベタ黒跡の濃度差を主として目視で比較し、画像濃度測定の参考にした。評価結果は、下記の指標で表示した。
A:濃淡差が全く見られない。
B:見る角度によってわずかな濃淡差が確認できる程度。
C:目視では濃淡差が確認できるが、画像濃度差は0.01以内である。
D:エッジがはっきりしない程度の濃淡差が確認できるが、実用上はOKレベル。
E:濃淡差がややはっきりし、実用レベル下限。
F:濃淡差がはっきり確認でき、画像濃度差として確認できる。実用レベルに劣る。
G:濃淡差がかなり大きく、反射濃度計での濃度差が0.05以上ある。
(3)被膜層の耐磨耗性
耐久前後で現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定を行った。また、導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
(4)樹脂被覆層の耐汚染性
耐久後の現像剤担持体表面をKEYENCE社製の超深度形状測定顕微鏡を用いて、約200倍で観察し、トナー汚染の程度を下記の基準に基づいて評価した。
A:軽微な汚染しか観察されない。
B:やや汚染が観察される。
C:部分的に汚染が観察される。
D:著しい汚染が観察される。
(5)画像スジ・ムラ
特にハーフトーンに発生する、画像進行方向に走る、線状、帯状のスジについて、下記基準にて評価した。
A:画像にもスリーブ上にも全く確認できない。
B:良く見ると軽微に確認できるが、一見ではほとんど確認できない。
C:ハーフトーンでは軽微に確認できるが、ベタ黒では問題ないレベル。
D:ハーフトーンでは、スジが確認できるが、ベタ黒では軽微に確認できるレベル。
E:ベタ黒画像でも濃淡差が確認できるが、実用可。
F:ベタ黒画像全体で実用上問題となる濃淡差が目立つ。
G:濃度が低く、スジの非常に多い画像。
(6)ブレードキズ
ブレード傷A:軽微で画像には影響無し。
ブレード傷B:やや目立つが、画像には影響無し。
ブレード傷C:目立つ傷が数箇所に発生し、画像上軽微なスジとして現れる。
ブレード傷D:非常に目立つ傷が多数発生し、画像上に顕著なスジとして現れる。
<実施例1−2>
黒鉛化粒子として、A−1と同様な生成方法で分級条件を変えただけの黒鉛化粒子A−2を使用し、他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体I−2を得た。このI−2中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は3.75μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は3.53%、黒鉛化度P(002)は0.39であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液P−2を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−2を作製した。
<実施例1−3>
黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて2000℃で熱処理し、更に分級して得られたA−3を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体I−3を得た。このI−3中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は2.88μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0.22%、黒鉛化度P(002)は0.94であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液P−3を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−3を作製した。
<実施例1−4>
黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて3200℃で熱処理し、更に分級して得られたA−4を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体I−4を得た。このI−4中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は3.92μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は4.09%、黒鉛化度P(002)は0.23であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液P−4を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−4を作製した。
<実施例1−5>
黒鉛化粒子として、石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において1200℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後窒素雰囲気下において2800℃で熱処理し、更に分級して得られたA−5を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体I−5を得た。このI−5中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は2.98μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0.61%、黒鉛化度P(002)は0.37であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液P−5を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−5を作製した。
<実施例1−6>
黒鉛化粒子として、石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において1200℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後窒素雰囲気下において2400℃で熱処理し、更に分級して得られたA−6を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体I−6を得た。このI−6中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は3.85μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は2.65%、黒鉛化度P(002)は0.69であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液P−6を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−6を作製した。
(比較例1−1)
黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて1800℃で熱処理し、更に分級して得られたa−1を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体i−1を得た。このi−1中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は3.75μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は2.73%、黒鉛化度P(002)は0.99であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液p−1を作製し、同様の方法にて現像剤担持体d−1を作製した。
(比較例1−2)
黒鉛化粒子として、石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において1200℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後窒素雰囲気下において2400℃で熱処理し、更に分級して得られたa−2を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体i−2を得た。このi−2中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は8.89μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は10.48%、黒鉛化度P(002)は0.72であった。さらに、実施例1−1と同様に塗工液p−2を作製し、同様の方法にて現像剤担持体d−2を作製した。
(比較例1−3)
黒鉛化粒子として、コークス及びタールピッチを2800℃程度で焼成することで黒鉛化し、更に分級して得られたa−3を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体i−3を得た。このi−3中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は3.88μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は4.82%、黒鉛化度P(002)は0.10であった。さらに、実施例1と同様に塗工液p−3を作製し、同様の方法にて現像剤担持体d−3を作製した。
(比較例1−4)
黒鉛化粒子として、a−3と同様な生成方法で分級条件を変えただけの黒鉛化粒子a−4を使用し、他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体i−4を得た。このi−4中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は7.43μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は19.94%、黒鉛化度P(002)は0.06であった。さらに、実施例1−1と同様に分散を行い塗工液p−4を作製し、同様の方法にて現像剤担持体d−4を作製した。
(比較例1−5)
黒鉛化粒子として、球状フェノール樹脂粒子を窒素雰囲気下において2200℃で焼成することで黒鉛化し、更に分級して得られたa−5を使用した。他は実施例1と同様の材料及び配合比とし、実施例1と同様の方法で分散を行い中間体i−5を得た。このi−9中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は3.87μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は4.56%、黒鉛化度P(002)に関しては測定不能であった。さらに、実施例1−1と同様に分散を行い塗工液p−5を作製し、同様の方法にて現像剤担持体d−5を作製した。
《実施例2》
実施例2−1〜5及び比較例2−1〜4では、図3のような表層構成の現像剤担持体を例として評価をおこなった。基本構成としては、黒鉛化粒子に加えて球状粒子が樹脂被覆層の表面に比較的大きな凹凸を与えるために結着樹脂中に更に添加された構成である。樹脂被覆層表面の球状粒子は弾性規制部材の圧接力を規制しトナーの搬送量を制御してトナーと現像剤担持体との接触機会をコントロールし、且つ黒鉛化粒子は実施例1と同様に小さな凹凸を形成して、トナー粒子表面と被覆層の樹脂及び黒鉛化粒子との接触帯電機会やトナーとの離型性を調整している。
現像剤担持体の評価にあたっては、市販のレーザービームプリンターLaserJet4100(ヒューレッドパッカード社製)改造機を用い、現像剤に関しては上記一成分系現像剤E−1を用いて評価を行なった。実施例2に用いたLaserJet4100改造機は、LaserJet4100をベースにA4縦送り25枚機を35枚相当に改造したものであり、プロセススピードを151mm/sec.から245mm/sec.にアップさせ、且つドラム周速に対しスリーブ周速を1.5倍とした。更に、トナー容器のキャパシティーを上げ、また、高速化による現像剤規制ブレードでの規制不均一を防ぐため、規制部材に金属板で補強を施しブレード圧接力を強めている。また、本体及びカートリッジには、それぞれメカ的強度補強を加えている。外部のキャラクタージェネレーター(CG)から画像信号を送り、画像を出力させ画出しを行った。カートリッジのトナー残検が表示される毎に磁性トナーを補給しながら2万枚までの連続耐久テストを行い、評価を行った。
<実施例2−1>
下記に示す方法によって現像スリーブを作製した。先ず、下記に示す配合比にて現像スリーブ表面に設ける樹脂被覆層の塗工液の作製を行なった。
・レゾール型フェノール樹脂(50%メタノール溶液) 300部
・黒鉛化粒子 A−1 100部
・カーボンブラック 10部
・導電性球状粒子 C−1 30部
・イソプロピルアルコール 500部
実施例1に比べ実施例2は評価機のスピードを上げており、樹脂被覆層の耐久性をさらに向上させ、またトナーの搬送性をより安定化させる目的で、本実施例には導電性球状粒子を添加した。
導電性球状粒子としては、体積平均粒径5.2μmの球状フェノール樹脂粒子100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径2μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた体積平均粒径6.9μmの球状導電性炭素粒子(球状粒子C−1)を用いた。この球状粒子C−1の真密度は1.48g/cm3、体積抵抗は8.5×10-2Ω・cm、球状粒子の長径/短径の比は1.07であった。
上記材料を、ガラスビーズを用いてサンドミルにて分散した。実施例1で用いた塗料中間体Jに導電性球状粒子C−1を加え、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて分散させる。この溶液に、実施例1−1で用いた中間体I−1および残りのイソプロピルアルコールを加え攪拌を行い塗工液P−1を得た。
上記塗工液を用いて実施例1と同様にスプレー法により外径16mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体D−7を作製した。D−7の現像剤担持体を使用して、実施例1と同様に耐久評価テストを行った。評価項目は実施例1と同様の項目とした。
画像評価の結果は表4に挙げたように、いずれの環境下においても終始良好な現像性を得ることができた。
<実施例2−2>
黒鉛化粒子として、実施例1−2で使用した黒鉛化粒子A−2(中間体I−2)を使用し、他は実施例2−1と同様の材料及び配合比とした。実施例2−1と同様の方法で塗工液P−8を作製し、現像剤担持体D−8を作製した。
<実施例2−3>
黒鉛化粒子として、実施例1−4で使用した黒鉛化粒子A−4(中間体I−4)を使用し、他は実施例2−1と同様の材料及び配合比とした。実施例2−1と同様の方法で塗工液P−9を作製し、現像剤担持体D−9を作製した。
<実施例2−4>
黒鉛化粒子として、実施例1−6で使用した黒鉛化粒子A−6(中間体I−6)を使用し、他は実施例2−1と同様の材料及び配合比とした。実施例2−1と同様の方法で塗工液P−10を作製し、現像剤担持体D−10を作製した。
<実施例2−5>
黒鉛化粒子として、A−1と同様な生成方法で分級条件を変えただけの黒鉛化粒子A−7を使用し、他は実施例2と同様の材料及び配合比とし、実施例2と同様の方法で分散を行い中間体I−7を得た。このI−3中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は1.29μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0%、黒鉛化度P(002)は0.49であった。さらに、実施例1と同様に分散を行い塗工液P−11を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−11を作製した。
(比較例2−1)
黒鉛化粒子として、比較例1−1で使用した黒鉛化粒子a−1(中間体i−1)を使用し、他は実施例2−1と同様の材料及び配合比とした。実施例2−1と同様の方法で塗工液p−6を作製し、現像剤担持体d−6を作製した。
(比較例2−2)
黒鉛化粒子として、比較例1−3で使用した黒鉛化粒子a−3(中間体i−3)を使用し、他は実施例2−1と同様の材料及び配合比とした。実施例2−1と同様の方法で塗工液p−7を作製し、現像剤担持体d−7を作製した。
(比較例2−3)
黒鉛化粒子として、比較例1−4で使用した黒鉛化粒子a−4(中間体i−4)を使用し、他は実施例2−1と同様の材料及び配合比とした。実施例2−1と同様の方法で塗工液p−8を作製し、現像剤担持体d−8を作製した。
(比較例2−4)
黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて3500℃で熱処理し、更に分級して得られたa−6を使用した。他は実施例2と同様の材料及び配合比とし、実施例2と同様の方法で分散を行い中間体i−6を得た。このi−6中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は1.94μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0.06%、黒鉛化度P(002)は0.16であった。さらに、実施例1と同様に分散を行い塗工液p−9を作製し、同様の方法にて現像剤担持体d−9を作製した。
《実施例3》
実施例3−1〜3及び比較例3−1〜3では、図5のような現像剤層厚規制部材として強磁性金属製の磁性規制ブレードを使用した。現像剤担持体の評価にあたっては、キヤノン社製複写機IR6000を60枚機から70枚機に改造したものを使用し、現像剤に関しては上記一成分系現像剤E−2を用いて評価を行なった。
[トナー製造例2]
トナーとしては、下記のものを用いた。
・スチレン−アクリル系樹脂 :100部
・マグネタイト : 90部
・負帯電制御剤(アゾ系の鉄錯体) : 2部
・炭化水素系ワックス : 3部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行い、個数平均粒径6.4μmの微粉体を得た。次に疎水性コロイダルシリカを、上記分級品100部に対し、1.0部ヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、本発明のトナーE−2とした。
<実施例3−1>
下記に示す方法によって現像スリーブを作製した。先ず、下記に示す配合比にて現像スリーブ表面に設ける樹脂被覆層の塗工液の作製を行なった。
・レゾール型フェノール樹脂(50%メタノール溶液) 600部
・黒鉛化粒子 A−1 90部
・カーボンブラック 10部
・荷電制御性粒子 B−1 30部
・導電性球状粒子 C−1 20部
・イソプロピルアルコール 300部
荷電制御性粒子B−1としては下記式の4級アンモニウム塩を使用した。
Figure 2005077869
上記材料を、ガラスビーズを用いてサンドミルにて分散した。分散方法としては、上記導電性球状粒子C−1、カーボンブラック、荷電制御性粒子B−1、導電性球状粒子C−1を、レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有)400部とイソプロピルアルコール100部を加えた溶液中に添加し、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて分散させる。この溶液に実施例1で使用した中間体I−1を加え、攪拌を行い塗工液P−12を得た。
上記塗工液を用いてスプレー法により外径24.5mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体D−12を作製した。この現像体担持体にマグネットを装着してステンレス製フランジを嵌合し、キヤノン社製複写機IR6000改造機の現像装置に装着可能とした。
磁性トナーE−2を補給しながら、50万枚までの連続耐久を行い、評価を行った。評価としては、総合的な画像評価および被覆層の耐久性を判断基準とした。環境は、24℃/10%の常温低湿(N/L)環境、24℃/55%の常温常湿(N/N)環境、30℃/80%の高温高湿(H/H)環境にて行った。結果を表5に示す。画像および耐久性共に良好な結果が得られた。
〔評価〕
(1)画像濃度
ベタ黒画像の濃度を、反射濃度計RD918(マクベス社製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とした。
(2)カブリ及び反転カブリ
ベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の最高値)をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。ただし、測定値を目視で判断した場合、1.5以下は目視ではほとんど確認できないレベル、2.0〜3.0程度はよく見ると確認できるレベル、4.0を超えると一見してカブリが確認できるレベルである。
(3)文字飛び散り
画像比率6.0%程度の文字チャートを用い、得られた画像上の文字を光学顕微鏡にて100倍程度に拡大、飛び散り具合を観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
(4)画像スジ・ムラ
ベタ黒画像及びハーフトーン(HT)画像を現像し、それぞれの画像においてスジ・ムラを目視により観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
(5)樹脂被覆層の耐汚染性
耐久後の現像剤担持体表面をKEYENCE社製の超深度形状測定顕微鏡を用いて、約200倍で観察し、トナー汚染の程度を下記の基準に基づいて評価した。
A:軽微な汚染しか観察されない。
B:やや汚染が観察される。
C:部分的に汚染が観察される。
D:著しい汚染が観察される。
(6)被膜層の耐磨耗性
耐久前後で現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)及び導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定を行った。
<実施例3−2>
黒鉛化粒子として、A−4と同様な生成方法で分級条件を変えただけの黒鉛化粒子A−8を使用し、他は実施例3−1と同様の材料及び配合比とした。塗料中間体の分散は実施例1−1と同様の方法で分散を行い中間体I−8を得た。このI−8中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は1.47μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0%、黒鉛化度P(002)は0.75であった。さらに、実施例3−1と同様に塗工液P−13を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−13を作製した。D−13の現像剤担持体を使用して、実施例3−1と同様に耐久評価テストを行った。
<実施例3−3>
黒鉛化粒子として、石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において1200℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後窒素雰囲気下において3200℃で熱処理し、更に分級して得られたA−10を使用した。
他は実施例3−1と同様の材料及び配合比とし、塗料中間体の分散は実施例1−1と同様の方法で分散を行い中間体I−9を得た。このI−9中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は1.38μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は0%、黒鉛化度P(002)は0.33であった。さらに、実施例3−1と同様に塗工液P−14を作製し、同様の方法にて現像剤担持体D−14を作製、耐久評価テストを行った。
(比較例3−1)
黒鉛化粒子として、比較例1−1で使用した黒鉛化粒子a−1(中間体i−1)を使用し、他は実施例3−1と同様の材料及び配合比とした。実施例3−1と同様の方法で塗工液p−10を作製し、現像剤担持体d−10を作製、耐久評価テストを行った。
(比較例3−2)
黒鉛化粒子として、比較例1−4で使用した黒鉛化粒子a−4(中間体i−4)を使用し、他は実施例3−1と同様の材料及び配合比とした。実施例3−1と同様の方法で塗工液p−11を作製し、現像剤担持体d−11を作製、耐久評価テストを行った。
(比較例3−3)
黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて3000℃で熱処理し、更に分級して得られたa−7を使用した。他は実施例1−1と同様の材料及び配合比とし、実施例1−1と同様の方法で分散を行い中間体i−7を得た。このi−7中の黒鉛化粒子の体積平均粒径は6.82μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合は9.77%、黒鉛化度P(002)は0.32であった。さらに、実施例3−1と同様の方法で塗工液p−12を作製し、現像剤担持体d−12を作製、耐久評価テストを行った。
Figure 2005077869
Figure 2005077869
Figure 2005077869
Figure 2005077869
Figure 2005077869
本発明の現像剤担持体表層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の現像剤担持体表層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の現像剤担持体表層の構成の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる現像装置の概略図の一例である。 本発明に用いられる現像装置の概略図の一例である。 本発明に用いられる現像装置の概略図の一例である。 本発明の実施例に用いられる黒鉛化粒子の分散粒径と黒鉛化度P(002)との関係を示したものである。
符号の説明
1:電子写真感光ドラム
2、11:現像剤層厚規制部材
3:ホッパー(トナー容器)
4:磁性トナー
5:磁石
6:金属製円筒管
7:樹脂被覆層
8:現像スリーブ
9:電源
10:トナー攪拌翼
21:黒鉛化粒子
23:導電性微粒子
24:樹脂被覆層
25:球状粒子
26:円筒状基体

Claims (5)

  1. 潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体に担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体において、
    該現像剤担持体は、少なくとも基体および基体表面に形成された導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、結着樹脂、結着樹脂中に分散された黒鉛化粒子を少なくとも含有しており、該黒鉛化粒子は、黒鉛化度P(002)が0.20≦P(002)≦0.95であり、さらに、該黒鉛化粒子の体積平均粒径が0.5〜4.0μm、体積平均における10μm以上の粒子の存在割合が5.0%以下であることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 該黒鉛化粒子の体積平均粒径と黒鉛化度P(002)との関係が下記式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
    −0.0464ln(X)+0.3143≦Y≦−0.0464ln(X)
    +0.7643
    0.5≦X≦4.0
    [式中、Xは黒鉛化粒子の体積平均径(μm)、Yは黒鉛化粒子の黒鉛化度P(002)]
  3. 該黒鉛化粒子はバルクメソフェーズピッチを黒鉛化して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤担持体。
  4. 該黒鉛化粒子はメソカーボンマイクロビーズ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤担持体。
  5. 該樹脂被覆層が、0.3乃至2.0の中心線表面粗さRaを有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤担持体。
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