JP4250447B2 - 現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置 - Google Patents

現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法など、潜像担持体上に形成された潜像を現像して顕像化する際に用いられる現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により潜像担持体(感光ドラム)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤(トナー)で現像を行なって可視像化し、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】
電子写真法における現像方式は主として一成分現像方式と二成分現像方式に分けられる。近年、電子写真装置の軽量・小型化等を目的として複写装置部分を小さくする必要があるため、一成分現像方式を用いた現像装置が使用されることが多い。
【0004】
一成分現像方式は、二成分現像方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式では、このような装置は必要とならないため、やはり小さく軽く出来るため好ましい。
【0005】
一成分現像方式を用いた現像装置としては、潜像担持体としての感光ドラム表面に潜像を形成し、現像剤担持体(現像スリーブ)とトナーとの摩擦、及び/或いは現像スリーブ上のトナーコート量を規制するための現像剤層厚規制部材との摩擦により、トナーに正或いは負の電荷を与え、そのトナーを現像スリーブ上に薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブとが対向した現像領域に搬送し、現像領域においてトナーを感光ドラム表面の潜像に飛翔・付着させて現像し、潜像をトナー像として顕像化するものが知られている。
【0006】
しかし、この様な一成分現像方式を用いる場合にはトナー帯電の調整が難しく、トナーによる工夫が種々行われているものの、トナー帯電の不均一性や帯電の耐久安定性に関わる問題は、完全には解決されていない。
【0007】
特に、現像スリーブが繰り返し回転を行っているうちに、現像スリーブ上にコーティングされたトナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなりすぎ、トナーが現像スリーブ表面との鏡映力により引き合って現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリーブから感光ドラム上の潜像に移動しなくなる、所謂、チャージアップ現象が特に低湿下で起こりやすくなる。この様なチャージアップ現象が発生すると、上層のトナーは帯電しにくくなってトナーの現像量が低下するため、ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄の如き問題点を生じる。更に、チャージアップにより適正に帯電されないトナーが規制不良となってスリーブ上に流出し、斑点状、波上のムラとなる、所謂ブロッチ現象も発生する。更に、画像部(トナー消費部)と非画像部とのトナー層の形成状態が変わり、帯電状態が異なってしまうため、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像を現像した位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現れてしまう、所謂、スリーブゴースト現象も生じやすくなる。
【0008】
また、最近では電子写真装置のデジタル化、また更なる高画質化のために、トナーの小粒径化及び微粒子化が図られている。例えば、解像度や文字シャープ性を向上させ潜像を忠実に再現するためには、重量平均粒径約5〜10μmのトナーを用いるのが一般的である。また、エコロジーの観点から、及び装置の更なる軽量・小型化等を目的として、廃トナーを軽減させるために、トナーの転写効率の向上が図られている。例えば、平均粒子径が0.1〜3μmの転写効率向上剤とBET比表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉末を含有させることで、トナーの体積抵抗を低減させ、感光ドラム上に転写効率向上剤の薄膜層を形成することにより転写効率を向上させるとともに、更にはトナー自身を機械的衝撃力により球形化処理し、転写効率を向上させる方法等が知られている。また、ファーストコピー時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温度を下げる傾向にある。この様な状況下、特に低温低湿下におけるトナーは、単位質量当たりの電荷量が増えるため更に現像スリーブ上へ静電的に付着しやすくなり、高温高湿下におけるトナーは、外部からの物理的な力や流動化しやすい材料を用いているため変質しやすくなり、トナーによるスリーブ汚染やスリーブ融着が起こりやすくなっている。
【0009】
この様な現象を解決する方法として、特許文献1及び2等においては、樹脂中に、固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末を分散させた被覆層が金属基体上に設けられている現像スリーブを現像装置に用いる方法が提案されている。この方法を用いることにより、上記した現象は大幅に軽減されることが認められる。しかしながら、この方法では、上記粉末を多量に添加した場合には、チャージアップやスリーブゴーストに対しては良好となるが、被覆層が削れやすくなり、耐久を進めていった場合、表面粗さが不均一となり、トナーへの帯電付与が不均一となりやすく、添加量が少量の場合には、固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末の効果が薄く、チャージアップやスリーブゴーストに対して不十分であるという問題が残る。
【0010】
また、特許文献3においては、樹脂中に固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末、更に球状粒子を分散させた導電性被覆層を金属基体上に設けた現像スリーブが提案されている。この現像スリーブでは、被覆層の耐磨耗性が向上するとともに、被覆層表面の形状が均一化し、更に表面粗さの変化も少ないことから、スリーブ上のトナーコーティングが安定化するためトナーの帯電が均一化し、スリーブゴースト、画像濃度、ベタ画像等のスジ・ムラ等の画質がより安定化する。しかしながら、この現像スリーブにおいても耐摩耗性は完全ではなく、更なる長期における耐久においては、被覆層に摩耗が生じ、その場合にはトナーの帯電が不安定となり画像不良の原因となる。また、前記のような低温定着性トナーを用いる場合、被覆層の磨耗による被覆層の表面粗さの減少が、スリーブ汚染やスリーブ融着を発生させる可能性があり、これまた画像劣化の原因となり易い。
【0011】
また、特許文献4においては、導電性被覆層中に分散された球状粒子が導電性の球状粒子であり、更に被覆層の耐摩耗性が向上されることで、被覆層表面の形状を更に安定させるとともに、トナー帯電を更に向上させ、且つ被覆層が多少摩耗した際にもトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着が抑制されうる表面層を有する現像スリーブが提案されている。しかしながら、更なる長期における耐久においては、被覆層の磨耗量と導電性球状粒子の磨耗量との違いにより、耐久初期と耐久後期の被覆層の表面粗さの変化が大きくなる可能性があり、耐久初期と耐久後期においてのトナーコート量が変化し、画像劣化の原因となる可能性がある。また、前記のような高転写性を有する小粒径トナーを用いる場合は、被覆層の表面粗さの変化がトナーコート量に与える影響は、より顕著となり易く、これまた画像劣化の原因となり易い。
【0012】
また、特許文献5〜7においては、樹脂被覆層中に複数種の粒子を含有させることで、被覆層の耐磨耗性を維持しつつ、トナー帯電を更に向上させうる表面層を有する現像スリーブが提案されている。しかしながら、更なる長期における耐久においては、これまた被覆層の磨耗量と複数種粒子の磨耗量との違いにより、耐久初期と耐久後期の被覆層の表面粗さの変化が大きくなる可能性があり、耐久初期と耐久後期においてのトナーコート量が変化し、画像劣化の原因となる可能性がある。これは、特許文献8に提案されている、球状粒子及び繊維状粒子を少なくとも含有する樹脂被覆層を有する現像スリーブについても同様で、更なる長期における耐久においても、被覆層の表面粗さの変化がより小さく、トナーコート量に与える影響がより小さい表面層を有する現像スリーブが望まれている。
【0013】
【特許文献1】
特開平02−105181号公報
【特許文献2】
特開平03−036570号公報
【特許文献3】
特開平03−200986号公報
【特許文献4】
特開平08−240981号公報
【特許文献5】
特許第3113431号
【特許文献6】
特許3182051号
【特許文献7】
特許第3182052号
【特許文献8】
特開平10−186839号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粒径の小さいトナーや高転写性を有するトナーを用いた場合に現れる、トナーのチャージアップ現象及びブロッチを防止し、異なる環境下においても長期に渡って、トナーに適正な帯電量を与えることのできる現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置を提供することである。
【0015】
また本発明の目的は、異なる環境下においても長期間に渡って、画像濃度低下、及びカブリの如き問題点が発生せず、高品位の画像を安定的に得ることができ、また低温定着性を有するトナーを用いた場合に現れる、現像剤担持体表面へのトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着を生じず、スジ・ムラ等の不良画像を発生しない現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置を提供することである。
【0016】
また本発明の目的は、異なる環境下においても長期間に渡って、現像剤担持体表面の表面粗さの変化を小さくすることにより、現像剤担持体上のトナーコート量を一定量に制御することのできる現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
【0018】
即ち本発明は、円筒状もしくは円柱状の基体表面に樹脂被覆層を有する現像剤担持体において、
該樹脂被覆層は、結着樹脂であるフェノール樹脂と該樹脂被覆層表面に凹凸を形成するための粒子とを含み、層厚が4μm以上15μm以下であり、且つ、
該粒子は、
(1)該樹脂被覆層のマトリクス部分である樹脂層の硬度よりも大きい硬度を有する、個数平均粒径Dmが3.0μm以上19.9μm以下の球状炭素粒子、及び
(2)該樹脂被覆層のマトリクス部分である樹脂層の硬度よりも小さい硬度を有する、個数平均粒径Dnが3.2μm以上19.6μm以下の、カーボンブラック分散PMMA樹脂からなる球状粒子からなり、且つ、
Dm/Dnが0.9〜1.0であることを特徴とする現像剤担持体に関する。
【0027】
更に本発明は、現像容器と、該現像容器に収容された現像剤を担持、搬送するための現像剤担持体と、該現像剤担持体に近接、又は圧接して配置されている現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制部材を有し、該現像剤担持体によって現像剤を潜像担持体と対向する現像領域に搬送し、該潜像担持体上に形成された潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、
該現像剤担持体は少なくとも基体及び樹脂被覆層を有し、且つ
該樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂、固体潤滑剤、及び硬度の異なる2種類以上の被覆層表面に凹凸を形成するための球状粒子を含有し、該球状粒子の少なくとも1種類の球状粒子の硬度が、マトリクス部分である樹脂層の硬度よりも大きく、且つ該球状粒子の少なくとも1種類の球状粒子の硬度が、マトリクス部分である樹脂層の硬度よりも小さいことを特徴とする現像装置に関する。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に本発明に用いられる現像スリーブ、及びそれを用いた現像装置について、更に詳細に述べる。
【0029】
まず、本発明の現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層の材料構成について詳しく説明する。
【0030】
本発明の樹脂被覆層に用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。機械的強度を考慮すると熱あるいは光硬化性の樹脂がより好ましいが、十分な機械的強度を有するものであれば、熱可塑性樹脂も適用可能である。
【0031】
本発明において、上記した形成材料によって現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層は、チャージアップによるトナーの現像スリーブ表面への固着や、トナーのチャージアップに伴って生じる現像スリーブの表面からトナーへの帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。また、被覆層の体積抵抗値としては、好ましくは104Ω・cm以下、より好ましくは103Ω・cm以下である。現像スリーブ表面の被覆層の体積抵抗値が、104Ω・cmを超えるとトナーへの帯電付与不良が発生し易く、その結果、ブロッチ(斑点画像や波模様画像)が発生し易い。
【0032】
本発明においては、樹脂被覆層の抵抗値を、上記の値に調整するためには、下記に挙げる導電性微粉末を被覆層中に含有させてもよい。この際に使用される導電性微粉末としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、グラファイト等の炭素物、更には金属繊維等が挙げられる。これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。塗料にした場合の分散安定性も良好となりうる。また、本発明において、これら導電性微粉末を使用する場合、その添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。1質量部未満では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難であり、また、現像スリーブ被覆層に用いられる結着樹脂に対するトナー付着が発生する可能性が高い。100質量部超であると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。
【0033】
次に本発明の樹脂被覆層に用いられる固体潤滑剤としては、一般に公知の固体潤滑剤が使用可能である。例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられ、特にグラファイトが被覆層の導電性を損なわないので好ましく用いられる。また、本発明で使用することのできるこれら固体潤滑剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。1質量部未満では被覆層の結着樹脂表面に対する現像剤の付着制の改善効果は少なく、100質量部超となると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体が多く含まれる材料を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。これらの固体潤滑剤は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのものを使用するのが良い。固体潤滑剤の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを超える場合には、樹脂被覆層表面の形状への影響が大きく表面性が不均一となり、トナーの均一な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0034】
次に本発明の樹脂被覆層に用いられる被覆層表面に凹凸を形成するための球状粒子(以下、凹凸形成粒子と称す)について説明する。
【0035】
このような凹凸形成粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のビニル系重合体や共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子、アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫等の酸化物粒子、炭素粒子、導電化処理を施した樹脂粒子等の導電性粒子、その他、後述する帯電制御剤等の有機化合物を粒子状にして用いることも可能である。この場合には、トナーに摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
【0036】
これら凹凸形成粒子のうち、樹脂粒子としては、例えば、懸濁重合法、分散重合法等による球状の樹脂粒子等が好ましく用いられる。ここで、球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度のものをいい、好ましくは長径/短径の比が1.0〜1.2の粒子、更に好ましくは真球状の粒子を使用することがよい。球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さが得られ、さらに均一な表面形状が得られやすい。このような球状の樹脂粒子としては、ポリアクリレート,ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子等が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的にあるいは物理的な球形化処理を行ってから用いても良い。また、このように凹凸形成粒子が球状であると、圧接される現像剤層厚規制部材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリーブ回転トルクの増加や、トナーの付着などを軽減することができるのでより好ましい。
【0037】
このような球状の樹脂粒子の表面には、無機微粉末を付着させる、あるいは固着させて用いてもよい。無機微粉末としては、SiO2、SrTiO3、CeO2、CrO、Al23、ZnO、MgO、TiO2の如き酸化物、Si34の如き窒化物、SiCの如き炭化物、CaSO4、BaSO4、CaCO3の如き硫酸塩・炭酸塩等が挙げられる。
【0038】
更に上記の無機微粉末は、カップリング剤により処理して用いても良い。特に結着樹脂との密着性を向上させる目的、あるいは粒子に疎水性を与える等の目的では好ましく用いることが可能である。このようなカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等がある。より具体的には、例えばシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。このように球状樹脂粒子表面に対して無機微粉末で処理することにより、塗料中への分散性、塗工表面の均一性、被覆層表面の耐汚染性、トナーへの帯電付与性、被覆層の耐磨耗性等を向上させることができる。
【0039】
また、被覆層表面の耐汚染性、耐磨耗性を更に向上させるために、凹凸形成粒子に導電性を付与することが更に好ましい。導電性の球状粒子としては、例えば、導電化処理された球状粒子として、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マンガン、酸化鉛等の金属酸化物や硫酸バリウム等の顔料の表面に、酸化スズ等の良導電性物質をコートしたもの、あるいは酸化亜鉛、酸化銅、酸化イリジウム等の絶縁性金属酸化物中に、酸化数の異なる金属をドーピングして導電性をもたせたもの、更には本発明者らが提案した特開平8−240981公報に記載の導電性球状粒子がある。
【0040】
このような導電性球状粒子の体積抵抗は106Ω・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子であることが好ましい。体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。即ち、粒子に導電性を持たせることによって、その導電性ゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。
【0041】
また、添加される凹凸形成粒子の真密度は、3g/cm3以下のものが好ましい。真密度が3g/cm3を超えると、結着樹脂との真密度差が大きくなるため、塗料製造時の粒子の分散状態が不均一となりやすく、従って被覆層中での凹凸形成粒子の分散状態も不均一となる。そのため、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーへの均一な帯電付与や被覆層の強度が不十分となり、更にこれらの粒子の利点である耐汚染性や耐磨耗性が発揮できなくなる可能性がある。
【0042】
以上のように、上記の条件を満たす凹凸形成粒子の種類としては、球状炭素粒子、導電性物質で表面処理された球状樹脂粒子、導電性微粒子が分散された球状樹脂粒子などが挙げられる。
【0043】
また、このような凹凸形成粒子の粒径は、個数平均粒径で1.0μm〜30μmが好ましく、より好ましくは3.0μm〜20μmである。1.0μm未満では均一な表面凹凸は難しく、表面粗さを大きくしようとした場合添加量が過大になり、樹脂被覆層が脆くなり耐摩耗性が極端に低下する。逆に30μmより大きくなると、粒子が被覆層表面から突出しすぎるため、トナーコート層の厚みが大きくなり過ぎてトナーの帯電が低下したり、不均一になりやすく、バイアスをかけた際に感光ドラムへリークするポイントになる恐れがある。
【0044】
更に本発明の樹脂被覆層には、必要に応じて荷電制御剤を含有させて用いてもよい。荷電制御剤としては、後述のトナー粒子形成に用いるものと同様なものが使用可能である。
【0045】
次に、本発明の樹脂被覆層に用いられる凹凸形成粒子の硬度と、マトリクス部分である樹脂層の硬度の関係、及び複数種の凹凸形成粒子の粒径の関係について詳しく説明する。
【0046】
本発明においては、樹脂被覆層に用いられる硬度の異なる2種類以上の凹凸形成粒子のうち少なくとも1種類の粒子の硬度が、マトリクス部分である樹脂層の硬度よりも大きく、且つ凹凸形成粒子のうち少なくとも1種類の粒子の硬度が、マトリクス部分である樹脂層の硬度よりも小さく設定される。ここで、マトリクス部分とは、被覆層表面に凹凸形成粒子が存在しない部分、もしくは凹凸形成粒子を含有しない被覆層を意味する。マトリクス部分より大きい硬度を有する凹凸形成粒子のみを使用すると、被覆層表面の耐磨耗性は向上するものの、凹凸形成粒子の磨耗量とマトリクス部分の磨耗量との違いにより、耐久後期には被覆層表面に凹凸形成粒子が突出し、単位面積当たりの凹凸形成粒子の存在量が増加することから、被覆層の表面粗さが大きくなってしまう傾向がある。これにより、耐久後期のトナーコート量が増加し、低湿下では、文字の飛び散りやカブリ等、画像劣化の原因となってしまう。また、マトリクス部分より小さい硬度を有する凹凸形成粒子のみを使用すると、耐久初期における被覆層表面の形状は均一化するものの、耐久を進めるにつれて、被覆層表面の凹凸形成粒子から選択的に磨耗が生じてしまうため、被覆層の表面粗さが小さくなってしまう傾向がある。これにより、耐久後期のトナーコート量が減少し、特に高温高湿下では、画像濃度低下やベタ画像のスジ・ムラ等の画像劣化、また低温定着性トナーを用いた場合にはトナーによるスリーブ汚染やスリーブ融着の原因となってしまう。耐久による表面粗さ推移とトナーコート量推移の模式図を図1及び図2に示す。
【0047】
また、樹脂被覆層に用いられる硬度の異なる2種類以上の凹凸形成粒子の個数平均粒径の関係が、最も硬度の大きい粒子の粒径をDm、最も硬度の小さい粒子の粒径をDnとした時、0.5≦Dm/Dn≦1.5であることが好ましい。Dm/Dn比が1.5を超える場合は、上記したように耐久後期には単位面積当たりの凹凸形成粒子の存在量が増加することで、被覆層の表面粗さが大きくなってしまう傾向が強くなり、耐久後期のトナーコート量が増加し、これまた低湿下における文字の飛び散りやカブリ等の画像劣化の原因となってしまう。Dm/Dn比が0.5よりも小さい場合についても、上記したように被覆層表面の凹凸形成粒子から選択的に磨耗が生じてしまうため、被覆層の表面粗さが小さくなってしまう傾向が強くなり、耐久後期のトナーコート量が減少し、これまた高温高湿下における画像濃度低下やベタ画像のスジ・ムラ等が顕著となり易い。
【0048】
しかしながら、本発明者らは、マトリクス部分の硬度に対し、それぞれ大小の硬度を有し、粒径差が上記関係を満たす凹凸形成粒子を併用することによって、耐久初期と耐久後期の被覆層の表面粗さの変化を低減し、耐久初期と耐久後期においてのトナーコート量を一定に制御でき得ることを見出した。
【0049】
また、本発明における硬度とは、(株)アカシ製微小硬度計MZT−4で、軸芯に対する面角が68度の三角錐のダイヤモンド圧子を用いて測定される押し込み硬さ値HUT[68]であり、下記式(1)で表される。
押し込み硬さ値HUT[68]=K×F/(h2)2 (1)
[但し、K:係数 F:試験荷重 h2:圧子の最大押し込み深さ]
【0050】
上記硬さ値は、その他の硬度等よりも微小な荷重で測定できると共に、弾性、塑性を有する材料に関しても、弾性変形、塑性変形分を含んだ硬度が得られるので、好ましく用いられる。
【0051】
また、測定用に用意される試料は、基体表面に樹脂被覆層が形成された試料を用いるが、被覆層表面に関しては平滑である方が測定精度が向上するので、研磨処理等の平滑化処理を施した後測定することが、更に好ましい。本発明においては、被覆層表面を♯2000の研磨テープを用いて研磨処理を施し、研磨処理後の表面粗さRaが0.2以下になるように設定した。また、主な測定条件は以下のとおりである。
【0052】
TEST MODE A
試験荷重F1:5.00gf
基準荷重F0:0.50gf
押し込み速度V:1.00μm/sec
保持時間T2:5sec
除荷時間T3:5sec
【0053】
試験荷重及び圧子の最大押し込み深さは、被覆層表面の表面粗さの影響を受けず、且つ下地の基体の影響を受けない程度の範囲が好ましく、本発明においては、試験荷重圧子の最大押し込み深さが1〜2μm程度になるよう試験荷重をかけて測定を行った。また、測定環境は23℃,50%とし、測定回数は、凹凸形成粒子及びマトリクス部分いずれに関しても10回とし、その平均値から比較を行った。
【0054】
本発明で好適に使用される上記のような構成を有する現像スリーブ表面の被覆層の表面粗さは、一般的には、JIS B0601に基づく算術平均粗さRaで0.3〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。ただし、その現像方式によって好ましい表面粗さは異なる。例えば、図3に示されるような、磁性トナーを用い、現像剤層厚規制部材として現像スリーブと間隙をもって配置された磁性ブレードを有するような現像装置では、Raが、0.3〜1.5μm程度にあることが好ましい。0.3μmより小さい場合には、トナーコート量が不十分であり、トナーコート量不足による画像濃度薄や、トナーのチャージアップ現象やブロッチ等が発生する。また、1.5μmより大きい場合には、トナーコート量が過多のため摩擦帯電が不均一となり、文字の飛び散りやカブリ、トナー帯電不足による画像濃度薄等を発生しやすい。また、例えば、図4に示されるような、弾性部材が現像スリーブに圧接して用いられる現像装置の場合には、Raが0.8〜3.5μm程度にあることが好ましい。0.8μmより小さい場合には、トナーコート量が不十分であり、トナーコート量不足による画像濃度薄や、トナーのチャージアップ現象やブロッチ等が発生する。更には、現像スリーブへのトナー融着も発生しやすい。また、3.5μmより大きい場合には、トナーコート量が過多のため摩擦帯電が不均一となり、文字の飛び散りやカブリ、トナー帯電不足による画像濃度薄等を発生しやすい。また図5に示されるような二成分現像装置においては、キャリア粒子やマグネット配置など、その磁気力によって、またキャリア粒径や現像スリーブ−規制部材間隙の大きさなどにより、搬送力が大きく変化するので、その時々に応じて上記範囲で任意の表面粗さとするが、通常は、Raで1.0〜2.5μm程度のものが好ましく用いられる。
【0055】
本発明における表面粗さの測定は、小坂研究所製表面粗度計SE−3500を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm、送り速度0.1mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0056】
本発明の樹脂被覆層を得る方法としては、例えば、各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、後述する基体上に塗工することにより得ることが可能である。各成分の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。また塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等公知の方法が適用可能である。
【0057】
また、上記した様な構成の樹脂被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであると均一な層厚を得る為に好ましいが、特にこの層厚に限定されるものではない。
【0058】
また、本発明において、上記の構成で形成される樹脂被覆層を有する現像スリーブの基体としては、例えば、金属、その合金またはその化合物が好適に用いられ、特にステンレススチール及びアルミニウムやその合金を円筒状に成形したものが好適に用いられる。中でもアルミニウムは加工性に優れ、例えば円筒状基体の場合、軸方向の振れ、及び周方向の真円度等、機械的精度が向上するので特に好ましい。これら基体の表面は、更にブラスト、ヤスリ、切削等で所定の表面粗さになるように処理されていてもよく、電解・無電解メッキ等で処理されていてもよい。
【0059】
また、本発明において、上記の構成で形成される樹脂被覆層を有する現像スリーブの基体としては、例えば、ステンレス等の芯金の外周面に弾性層を有するものでもよい。芯金の外周面に形成される弾性層としては、一般的にはシリコーンゴム、ウレタンゴム等を成型加工したものが好適に用いられ、更に電気抵抗を調整するための導電剤等を含有したものが特に好ましい。これら弾性層は表面層となる上記樹脂被覆層の密着性向上のために、所定の硬度、表面粗さを有しているものが好ましいが、もしくは弾性層表面に更に中間層を有していてもよい。また、芯金状の基体表面もブラスト、ヤスリ、切削等で所定の表面粗さに処理されていてもよく、電解・無電解メッキ等で処理されていてもよい。
【0060】
次に上記の構成で形成される樹脂被覆層を有する現像スリーブを用いた現像装置について詳しく説明する。
【0061】
現像装置としては、例えば図3及び図4に示すような現像装置が知られている。図3において、公知のプロセスにより形成された潜像を担持する潜像担持体、例えば、感光ドラム301は、矢印A方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ308は、現像剤容器303に収容された一成分系磁性トナーとしての現像剤304を担持して、矢印B方向に回転することによって、現像スリーブ308と感光ドラム301とが対向している現像領域Dに現像剤304を搬送する。図3に示すように、現像スリーブ308は、基体としての金属円筒管306上に形成された樹脂被覆層307を有し、また現像スリーブ308内には現像剤304を現像スリーブ308上に磁気的に吸引且つ保持するために、マグネットローラー305が配置、固着されている。現像スリーブ308とマグネットローラー305とは非接触状態にある。
【0062】
また現像剤容器303中には、矢印C方向に回転することによって、現像剤304を撹拌する撹拌翼309、310、現像剤容器303中に現像剤304を供給するスクリュー311、現像剤容器303中の現像剤量を調整する撹拌壁312が設けられている。
【0063】
現像剤304は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ308上の樹脂被覆層307との摩擦により、感光ドラム301上の潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図3の例では、現像領域Dに搬送される現像剤304の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード302が、現像スリーブ308の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って現像スリーブ308に臨む様に現像剤容器303から垂下されており、マグネットローラー305のN極からの磁力線が磁性規制ブレード302に集中することにより、現像スリーブ308上に現像剤304の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレードにかえて図4に示すような非磁性ブレード、弾性ブレードを使用することもできる。
【0064】
この様にして現像スリーブ308上に形成される現像剤304の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像スリーブ308と感光ドラム301との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0065】
本発明の現像スリーブは、以上の様な現像剤の薄層により潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ308と感光ドラム301との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0066】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0067】
上記現像スリーブ308に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤304を飛翔させるため、上記現像スリーブ308にはバイアス手段としての現像バイアス電源313により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、潜像の画像部(現像剤304が付着して可視像化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ308に印加するのが好ましい。
【0068】
現像された画像の濃度を高め、あるいは階調性を向上するためには、現像スリーブ308に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ308に印加するのが好ましい。高電位部と低電位部を有する潜像の高電位部にトナーを付着させて可視像化する、所謂正規現像の場合には、潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。高電位部と低電位部を有する潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂反転現像の場合には、潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位,低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤304は少なくとも現像スリーブ308との摩擦により帯電する。
【0069】
図3はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器303の形状、撹拌翼309、310の有無、磁極の配置に様々な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
【0070】
次に本発明の現像スリーブが組み込まれる二成分現像装置について説明例示する。図5は、二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置の模式図を表す。図5において、現像容器553の現像室564内に、矢印E方向に回転される潜像担持体551に対向して現像スリーブとしての非磁性現像スリーブ559を備えており、本発明においては基体としての円筒状の非磁性金属557の表面に樹脂被覆層558が設けられている。この現像スリーブ559内に磁界発生手段としての磁性ローラー556が不動に設置されており、現像ローラー560を形成している。磁性ローラー556はS1〜3、N1、N2の5極構成に着磁されている。現像室564内には、トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤が収容されている。この現像剤は、現像室564上端開放の隔壁554の開口を通って現像容器553の撹拌室565内に送られると、トナー室555から撹拌室565内に供給されたトナーがトナー送り規制部材563を介して補給され、撹拌室565内の第1現像剤撹拌・搬送手段562によって混合される。撹拌室565で撹拌された現像剤は、隔壁554の図示しない他の開口を通って現像室564内に戻され、そこで現像室565内の第2現像剤撹拌・搬送手段561により、撹拌・搬送されながら現像スリーブ559に搬送される。現像スリーブ559に供給された現像剤は、上記の磁石ローラ556の磁力の作用により磁気的に拘束され、現像スリーブ559上に担持され、現像スリーブ559の下部設けられた現像剤層厚規制部材552での規制によって現像スリーブ559上で現像剤の薄層に形成されながら、現像スリーブ559の矢印F方向への回転に伴い潜像保持体551と対向した現像部Gへと搬送され、そこで潜像担持体551上の潜像の現像に供される。現像に消費されなかった残余の現像剤は、現像スリーブ559の回転により現像容器564内に回収される。現像容器5644内では同極のS2、S3間での反発磁界により現像スリーブ559上に磁気的に拘束されている現像残りの残余の現像剤を剥ぎ取るようになっている。現像スリーブ上方にはトナー飛散を防止するために飛散防止部材566が固定、設置されている。図5は、あくまでも模式的な例であり、容器の形状、撹拌部材の有無、磁極の配置、回転方向等に様々な形態があることは言うまでもない。
【0071】
次に、本発明の現像装置で用いられるトナーについて説明する。トナーは主として樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分級などをして粒度分布をそろえた微粉体である。トナーに用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。
【0072】
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックスなどが単独あるいは混合して使用できる。
【0073】
また、トナー中には顔料を含有することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG、オイルピンクOP等が適用できる。
【0074】
トナーを磁性トナーとして用いるために、トナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末、又はマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー質量に対して15〜70質量%が良い。
【0075】
トナーに、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0076】
また、必要に応じてトナーに荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤、正荷電制御剤がある。例えばトナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、トナーを正帯電させるための物質としては下記のようなものがある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。
【0077】
トナーは必要に応じて、流動性改善等の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられる。このような微粉末としては、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微粉体が用いられる。これらの微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤等で有機処理して用いることが可能である。例えば有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、および1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。また、未処理の微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。特にポジトナーの場合好ましい。そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール、等がある。
【0078】
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば、1)スプレー法、2)有機溶媒法、3)水溶液法などがある。一般に、スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌しここにカップリング剤の水溶液あるいは溶媒液をスプレーし、この後水あるいは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。また、有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸積した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水あるいは水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸積し後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。
【0079】
他の有機処理としてシリコーンオイルで処理された微粉体を用いることも可能である。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10000mm2/s、好ましくは1〜1000mm2/sのものが用いられ、例えばメチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。また、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いても良い。特にポジトナーの場合は好ましい。シリコーンオイルによる処理は、例えば次のようにして行ない得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱しており、これに上記シリコーンオイル或いはその溶液をスプレーもしくは気化して吹き付けるか、又は顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。これらのシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。また、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。このようなトナーは、種々の方法で、球形化処理、表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、撹拌羽根またはブレードなど、およびライナーまたはケーシングなどを有する装置で、例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法等がある。また、球状のトナーを直接作る方法としては、水中にトナー結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー化する方法がある。一般的な方法としては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて適度な粒径に分散し、さらに重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得る方法である。
【0080】
トナーはキャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。
【0081】
キャリア材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトといった磁性体金属、及びそれらの合金、或いは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト及びリチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライトといった鉄系酸化物、およびそれらの混合物、さらには、ガラス、炭化ケイ素などのセラミックス粒子、樹脂粉体、磁性体を含有する樹脂粉体などをあげることができ、通常は平均粒径が20〜300μm程度の粒状物として用いる。
【0082】
このようなキャリアは上記に挙げた粒状物を直接キャリア粒子として用いるても良いが、トナーの摩擦帯電電荷を調整したりキャリアへのトナースペントを防止したりするために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等のコート剤により適宜粒子表面に樹脂コートを施して用いることもできる。
【0083】
以下に本発明に関わるその他物性の測定方法について述べる。
【0084】
[測定方法]
(1)凹凸形成粒子(球状粒子)の体積抵抗測定
粒状試料を40mmφのアルミリングに入れ、2500Nで加圧成形し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに三菱油化製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。なお、測定環境は、20〜25℃,50〜60%RHとした。
【0085】
(2)凹凸形成粒子(球状粒子)の真密度測定
本発明で使用する球状粒子の真密度は、乾式密度計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定した。
【0086】
(3)凹凸形成粒子(球状粒子)の粒径測定
レーザー回折型粒度分布計のコールターLS230型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定し、個数分布から算出した個数平均粒径を求めた。
【0087】
(4)凹凸形成粒子(球状粒子)の長径/短径比
電子顕微鏡を用いて、6000倍程度で撮影し、写真上で粒子の長径及び短径を測定した。これを100サンプルについて測定し、その平均値を長径/短径比とした。
【0088】
(5)トナーの粒径測定
コールターカウンターのマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定し、体積分布から算出した質量基準の重量平均径を求めた。
【0089】
(6)樹脂被覆層の体積抵抗測定
100μmの厚さのPETシート上に、7〜20μmで樹脂被覆層を形成し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに三菱油化製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。なお、測定環境は、20〜25℃、50〜60%RHとした。
【0090】
【実施例】
以下、具体的実施例をもって本発明を更に詳しく説明する。
【0091】
<凹凸形成粒子製造例1>
現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層に用いる凹凸形成粒子を作製した。凹凸形成粒子としては、個数平均粒径7.5μmの球状フェノール樹脂100質量部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径3.0μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14質量部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,000℃で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒子を作製した。この球状炭素粒子は、個数平均粒径7.2μm、真密度1.51g/cm3、体積抵抗7.5×10-2Ω・cm、長径/短径比が1.15であり、押し込み硬さ値は、被覆層のマトリクス部分の硬さ値よりも大きかった。この球状炭素粒子を凹凸形成粒子aとした。
【0092】
<凹凸形成粒子製造例2〜4>
凹凸形成粒子製造例1において、個数平均粒径5.0μm、10μm及び20μmの球状フェノール樹脂を用いた以外は、凹凸形成粒子製造例1と同様にして球状炭素粒子を作製し、更に分級工程を加えることで、それぞれ個数平均粒径を3.0μm、12.8μm及び19.9μmとした。それぞれ、得られた球状炭素粒子の物性を表1に示す。これら球状炭素粒子を、それぞれ凹凸形成粒子b〜dとした。
【0093】
<凹凸形成粒子製造例5>
現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層に用いる凹凸形成粒子を作製した。凹凸形成粒子としては、PMMA樹脂100質量部及びカーボンブラック25質量部を溶融混合し、混練、粉砕、及び分級を行って、個数平均粒径7.0μmのカーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を得た後、ハイブリタイザー(奈良機械製)を用いて球形化処理を行うことによって、球状のカーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を作製した。この球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子は、個数平均粒径6.9μm、真密度1.23g/cm3、体積抵抗1.7×101Ω・cm、長径/短径比が1.16であり、押し込み硬さ値は、被覆層のマトリクス部分の硬さ値よりも小さかった。この球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を凹凸形成粒子eとした。
【0094】
<凹凸形成粒子製造例6〜8>
凹凸形成粒子製造例5と同様にして、個数平均粒径5.0μm、10μm及び20μmのカーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を作製し、更に分級工程を加えることで、それぞれ個数平均粒径3.2μm、12.7μm及び19.6μmの球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子とした。それぞれ、得られた球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子の物性を表1に示す。これら球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を、それぞれ凹凸形成粒子f〜hとした。
【0095】
<現像スリーブ製造例1>
現像スリーブ表面に樹脂被覆層を塗布するための塗料を作製した。
・フェノール樹脂中間体(固形分50%) :200質量部
・凹凸形成粒子a : 50質量部
・凹凸形成粒子e : 10質量部
・イソプロパノール :240質量部
上記材料を、サンドミルを用いて分散した。フェノール樹脂中間体のメタノール溶液に凹凸形成粒子a、eを添加し、ガラスビーズをメディヤとし、サンドミル分散を進め、固形分32%の塗料とした。この塗料をスプレー法にて、外径20mmφのアルミ製円筒基体表面に15μm程度の樹脂被覆層を形成させ、これを熱風乾燥機にて150℃で30分間乾燥硬化させた後、マグネットローラー及びフランジを装着し、現像スリーブAとした。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0096】
<現像スリーブ製造例2>
現像スリーブ表面に樹脂被覆層を塗布するための塗料を作製した。
・フェノール樹脂中間体(固形分50%) :200質量部
・結晶性グラファイト微粉末 : 40質量部
・凹凸形成粒子a : 10質量部
・凹凸形成粒子e : 10質量部
・イソプロパノール :240質量部
上記材料を、サンドミルを用いて分散した。フェノール樹脂中間体のメタノール溶液の一部に結晶性グラファイト微粉末を添加し、ガラスビーズをメディヤとしサンドミル分散し、更に凹凸形成粒子a、eを添加し、サンドミル分散を進め、固形分32%の塗料とした。この塗料をスプレー法にて、外径20mmφのアルミ製円筒基体表面に15μm程度の樹脂被覆層を形成させ、これを熱風乾燥機にて150℃で30分間乾燥硬化させた後、マグネットローラー及びフランジを装着し、現像スリーブBとした。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0097】
<現像スリーブ製造例3〜9>
表2に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製した以外は、現像スリーブ製造例2と同様にして現像スリーブC〜Iを作製した。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0098】
<現像スリーブ製造例10〜13>
表2に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製した以外は、現像スリーブ製造例1と同様にして現像スリーブJ〜Mを作製した。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0099】
<現像スリーブ製造例14>
表2に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製し、外径32.5mmφのアルミ製円筒基体表面に15μm程度の樹脂被覆層を形成させた以外は、現像スリーブ製造例1と同様にして現像スリーブNを作製した。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0100】
<現像スリーブ製造例15>
表2に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製し、外径32.5mmφのアルミ製円筒基体表面に15μm程度の樹脂被覆層を形成させた以外は、現像スリーブ製造例2と同様にして現像スリーブOを作製した。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0101】
<現像スリーブ製造例16〜22>
表2に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製した以外は、現像スリーブ製造例15と同様にして現像スリーブP〜Vを作製した。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0102】
<現像スリーブ製造例23〜26>
表2に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製した以外は、現像スリーブ製造例14と同様にして現像スリーブW〜Zを作製した。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を表2に示す。
【0103】
<トナー製造例1>
次に、一成分現像剤としての磁性ネガトナーを作製した。
・スチレン−アクリル系樹脂 :100質量部
・マグネタイト : 90質量部
・負帯電制御剤(サリチル酸のクロム錯体) : 2質量部
・炭化水素系ワックス : 3質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行い、重量平均粒径7.5μm、4μm以下の粒子の個数割合が12.0%、10.1μm以上の粒子の質量割合が5.0%の分布を有する分級品を得た。次に疎水性コロイダルシリカを、上記分級品100質量部に対し、1.0質量部ヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、一成分現像剤としての磁性トナーαを得た。
【0104】
<トナー製造例2>
次に、一成分現像剤としての磁性ポジトナーを作製した。
・スチレン−アクリル系樹脂 :100質量部
・マグネタイト : 90質量部
・正帯電制御剤(トリフェニルメタン化合物) : 2質量部
・炭化水素系ワックス : 3質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行い、重量平均粒径7.3μm、4μm以下の粒子の個数割合が15.6%、10.1μm以上の粒子の質量割合が3.2%の分布を有する分級品を得た。次に疎水性コロイダルシリカを、上記分級品100質量部に対し、1.0質量部ヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、一成分現像剤としての磁性トナーβを得た。
【0105】
<実施例1>
次に、上記現像スリーブA、及びトナーαを用いて、図3に示すような現像装置に組み込み、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン製複写機GP405の改造機を用いて、所定の現像バイアスを印加して、画出し評価を行った。画出しは、23℃,60%RHの常温常湿(N/N)、23℃,5%RHの常温低湿(N/L)、及び30℃,80%RHの高温高湿(H/H)環境下にて、25万枚まで行った。以下の評価方法による評価結果を表3に示す。
【0106】
[評価方法]
(1)スリーブ上トナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、捕集されたトナー質量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位面積当たりのトナー質量M/S(mg/cm2)を計算し、トナー搬送量(M/S)とした。
【0107】
(2)画像濃度
ベタ黒画像の濃度を、反射濃度計RD918(マクベス社製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とした。
【0108】
(3)カブリ及び反転カブリ
ベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の最高値)をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。ただし、測定値を目視で判断した場合、1.5以下は目視ではほとんど確認できないレベル、2.0〜3.0程度はよく見ると確認できるレベル、4.0を超えると一見してカブリが確認できるレベルである。
【0109】
(4)文字飛び散り
画像比率6.0%程度の文字チャートを用い、得られた画像上の文字を光学顕微鏡にて100倍程度に拡大、飛び散り具合を観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
【0110】
(5)ベタ画像スジ・ムラ
ベタ黒画像及びハーフトーン(HT)画像を現像し、それぞれの画像においてスジ・ムラを目視により観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
【0111】
(6)トナーによるスリーブ汚染及び融着(耐汚染及び耐融着)
各環境下で画出し評価した後、現像スリーブを取り外し、電界放射型−走査型顕微鏡(FE−SEM)によりスリーブ上を観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
【0112】
<実施例2〜5、参考例1及び2、実施例8及び9、比較例1〜4>
実施例1に用いた現像スリーブAの代わりに、現像スリーブB〜Mを用いた以外は、それぞれ実施例1と同様にして画出し評価した。評価結果を表3〜4に示した。
【0113】
<実施例10>
次に、上記現像スリーブN、及びトナーβを用いて、図3に示すような現像装置に組み込み、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン製複写機GP605の改造機を用いて、所定の現像バイアスを印加して、画出し評価を行った。画出しは、23℃,60%RHの常温常湿(N/N)、23℃,5%RHの常温低湿(N/L)、及び30℃,80%RHの高温高湿(H/H)環境下にて、50万枚まで行った。評価方法は実施例1と同様にして、得られた評価結果を表5に示した。
【0114】
<実施例11〜14、参考例3及び4、実施例17及び18、比較例5〜8>
実施例10に用いた現像スリーブNの代わりに、現像スリーブO〜Zを用いた以外は、それぞれ実施例10と同様にして画出し評価した。評価結果を表5〜6に示した。
【0115】
【表1】
Figure 0004250447
【0116】
【表2】
Figure 0004250447
【0117】
【表3】
Figure 0004250447
【0118】
【表4】
Figure 0004250447
【0119】
【表5】
Figure 0004250447
【0120】
【表6】
Figure 0004250447
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、粒径の小さいトナーや高転写性を有するトナーを用いた場合に現れる、トナーのチャージアップ現象及びブロッチを防止し、異なる環境下においても長期に渡って、トナーに適正な帯電量を与えることのできる現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置を提供することができる。
【0122】
また本発明によれば、異なる環境下においても長期間に渡って、画像濃度低下、及びカブリの如き問題点が発生せず、高品位の画像を安定的に得ることができ、また低温定着性を有するトナーを用いた場合に現れる、現像剤担持体表面へのトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着を生じず、スジ・ムラ等の不良画像を発生しない現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置を提供することができる。
【0123】
また本発明によれば、異なる環境下においても長期間に渡って、現像剤担持体表面の表面粗さの変化を小さくすることにより、現像剤担持体上のトナーコート量を一定量に制御することのできる現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を示す模式図である。
【図2】本発明の効果を示す模式図である。
【図3】本発明に用いられる現像装置の模式図である。
【図4】本発明に用いられる現像装置の模式図である。
【図5】本発明に用いられる現像装置の模式図である。
【符号の説明】
301 感光ドラム(潜像担持体)
304 現像剤
306 金属円筒管
307 樹脂被覆層
308 現像スリーブ(現像剤担持体)

Claims (3)

  1. 円筒状もしくは円柱状の基体表面に樹脂被覆層を有する現像剤担持体において、
    該樹脂被覆層は、結着樹脂であるフェノール樹脂と該樹脂被覆層表面に凹凸を形成するための粒子とを含み、層厚が4μm以上15μm以下であり、且つ、
    該粒子は、
    (1)該樹脂被覆層のマトリクス部分である樹脂層の硬度よりも大きい硬度を有する、個数平均粒径Dmが3.0μm以上19.9μm以下の球状炭素粒子、及び
    (2)該樹脂被覆層のマトリクス部分である樹脂層の硬度よりも小さい硬度を有する、個数平均粒径Dnが3.2μm以上19.6μm以下の、カーボンブラック分散PMMA樹脂からなる球状粒子からなり、且つ、
    Dm/Dnが0.9〜1.0であることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 前記粒子(1)及び粒子(2)が、長径/短径の比が1.0〜1.5の球状である請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 現像容器と、該現像容器に収容された現像剤を担持、搬送するための現像剤担持体と、該現像剤担持体に近接、又は圧接して配置されている現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制部材とを有し、該現像剤担持体によって現像剤を潜像担持体と対向する現像領域に搬送し、該潜像担持体上に形成された潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、
    該現像剤担持体が、請求項1に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。
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