JP2005071424A - 収差補正装置および光学式記録媒体再生装置 - Google Patents

収差補正装置および光学式記録媒体再生装置 Download PDF

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充 佐藤
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Abstract

【課題】ディスクに対して開口径が異なる対物レンズを使用する場合でも、収差補正のみで実質的に開口制限も行うことができ、ディスクの再生に際して信号記録面で良好なビームスポットを簡易に得ることを課題とする。
【解決手段】BD用対物レンズ15を使用して、BD、DVDおよびCDの三種類のディスク1を再生するディスク再生装置10では、DVDを再生する場合には、DVDの有効径の内側に生ずる収差のみを補正し、有効径の外側では収差を残すようにする。また、これと同様に、CDを再生する場合には、CDの有効径の内側に生ずる収差のみを補正し、有効径の外側では収差を残すようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収差補正装置および光学式記録媒体再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ディスクの記録情報を読み取る光ピックアップの技術分野では、一つの対物レンズで複数種類の光ディスクを読み取るために、液晶パネルを利用した収差補正が行われている。例えば、特許文献1(特開平9−128785号公報)には、一つの対物レンズでDVDおよびCDの両方を再生できるように、ディスク厚などに応じて液晶パネルの印加電圧を制御して、対物レンズに発生する収差を補正する光ピックアップが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−128785号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術の場合、対物レンズに発生する収差は補正されるが、それだけでは各ディスクの開口数(NA)には対応することができず、これに対応するためには、液晶シャッターで光を遮光するなど、収差補正とは別個に開口制限を行わなければならないという問題がある。
【0005】
このようなことから、本発明が解決しようとする課題としては、「あるディスクに対して開口径が異なる対物レンズを使用する場合に、収差補正とは別個に開口制限を行う必要がある」という問題が一例として挙げられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、所定の光学式記録媒体の記録再生における第1の有効径とは異なる第2の有効径をもつレンズを用いて記録再生する場合に生ずる収差を補正する収差補正装置であって、前記第1の有効径の外側と内側に生ずる収差のうち、当該内側に生ずる収差のみを補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明は、記録密度またはカバー層の厚みの少なくとも一つが相互に相違する複数の光学式記録媒体に対して一つの対物レンズを使用する場合に生ずる収差を補正する収差補正装置であって、前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、前記電圧印加手段は、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする。
【0008】
請求項6に係る発明は、第1の光学式記録媒体に対して専ら使用される対物レンズを、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径が当該第1の光学式記録媒体よりも小さな第2の光学式記録媒体、および前記有効径が当該第2の光学式記録媒体よりも小さな第3の光学式記録媒体に対して使用する場合に生ずる収差を補正する収差補正装置であって、前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、前記電圧印加手段は、前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、当該第2の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、当該第3の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする。
【0009】
請求項14に係る発明は、光学式記録媒体再生装置であって、前記請求項1〜13のいずれか一つに記載の収差補正装置を備え、当該収差補正装置によって収差を補正し、前記光学式記録媒体に記録された情報を再生することを特徴とする。
【0010】
請求項15に係る発明は、所定の光学式記録媒体の記録再生における第1の有効径とは異なる第2の有効径をもつレンズを用いて記録再生する場合に生ずる収差を補正し、当該光学式記録媒体に記録された情報を再生する光学式記録媒体再生装置であって、前記第1の有効径の外側と内側に生ずる収差のうち、当該内側に生ずる収差のみを補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項16に係る発明は、記録密度またはカバー層の厚みの少なくとも一つが相互に相違する複数の光学式記録媒体に対して一つの対物レンズを使用する場合に生ずる収差を補正し、各光学式記録媒体に記録された情報を再生する光学式記録媒体再生装置であって、前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、前記電圧印加手段は、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする。
【0012】
請求項17に係る発明は、第1の光学式記録媒体に対して専ら使用される対物レンズを、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径が当該第1の光学式記録媒体よりも小さな第2の光学式記録媒体、および前記有効径が当該第2の光学式記録媒体よりも小さな第3の光学式記録媒体に対して使用する場合に生ずる収差を補正し、各光学式記録媒体に記録された情報を再生する光学式記録媒体再生装置であって、前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、前記電圧印加手段は、前記第2の光学式記録媒体に記録された情報を再生する場合には、当該第2の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、前記第3の光学式記録媒体に記録された情報を再生する場合には、当該第3の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る収差補正装置および光学式記録媒体再生装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本実施の形態で用いる主要な用語を説明した後に、本実施の形態の概要および特徴、本実施の形態に係る種々の実施例を説明し、最後に本実施の形態および実施例に対する種々の変形例を説明する。
【0014】
[用語の説明]
まず最初に、本実施の形態で用いる主要な用語を説明する。本実施の形態で用いる「ディスク(特許請求の範囲に記載の「光学式記録媒体」に対応する。)」とは、記録された情報が光学的に読み取られる情報記録媒体のことを指し、具体的には、BD(Blu−ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、AOD(Advanced Optical Disc)などがこれに該当する。なお、これらは、記録密度またはカバー層の厚みの少なくとも一つが相互に相違するディスクである(図2や図11参照)。
【0015】
また、本実施の形態で用いる「波面収差(特許請求の範囲に記載の「収差」に対応する。)」とは、ディスクに対して開口径が異なる対物レンズを使用する場合に生ずる収差(主として球面収差)のことを指し、具体的には、BD用の対物レンズやAOD用の対物レンズをDVDやCDに使用する場合や、BD、DVDおよびCDに互換可能な対物レンズをBD、DVDおよびCDに使用する場合などに対物レンズに発生する波面収差がこれに該当する(図3や図4参照)。なお、本実施の形態で言う「収差補正」とは、かかる収差に対する補正のことを指す。
【0016】
また、本実施の形態で用いる「ディスク再生装置(特許請求の範囲に記載の「光学式記録媒体再生装置」に対応する。)」とは、上記のディスクに記録された情報を読み出して再生する装置のことを指し、具体的には、上記したBD、DVDおよびCDの三種類を再生する装置や、AOD、DVDおよびCDの三種類を再生する装置などがこれに該当する。
【0017】
また、本実施の形態で用いる「有効径」とは、対物レンズにおいて、記録再生用のビームスポットの結像に寄与する径のことを指す。また、本実施の形態で用いる「段差」とは、液晶の透過波面において、包絡面が不連続になっている部分のことを指す。なお、本実施の形態では、段差を波長の整数倍にすることによって、光学的に段差がない状態と等価になっている。
【0018】
[概要および特徴]
続いて、図1〜図11を用いて、本実施の形態に係るディスク再生装置の概要および特徴を説明する。図1は、ディスク再生装置10の構成を示すブロック図である。このディスク再生装置10は、概略的には、BD用の対物レンズを使用して、BD、DVDおよびCDの三種類のディスク1を再生するものであり、同図に示すように、BD用光学系11と、DVD用光学系12と、CD用光学系13と、二つのダイクロプリズム14と、BD用対物レンズ15と、ディスク判別部16と、収差補正装置17とから構成される。
【0019】
このうち、BD用光学系11は、BD用光源や、コリメータレンズ、検出系などを有するユニットであり、BD用光源からダイクロプリズム14、液晶パネル20およびBD用対物レンズ15を通してBDに光を入射し、BDに記録された情報を読み取る。これと同様に、DVD光学系12は、DVD用光源からDVDに対して光を入射し、DVDに記録された情報を読み取るユニットであり、CD光学系13は、CD用光源からCDに対して光を入射し、CDに記録された情報を読み取るユニットである。
【0020】
また、ディスク判別部16は、光ディスクドライブ(図示せず)に挿入されたディスクの種類を判別する処理部であり、判別結果に応じて、BD用光学系11、DVD用光学系12およびCD用光学系13のいずれかを動作させるとともに、後述する収差補正装置17に対して挿入ディスクの種別情報を出力する。
【0021】
このような構成において、ディスク再生装置10は、BD用対物レンズ15を使用してBD、DVDおよびCDを再生するが、このBD用対物レンズ15は、例えば、焦点距離は2.35mm、有効径は半径2mm(φ4mm)といった具合に、BD用に最適された対物レンズである。一方、DVDおよびCDは、図2(a)に示すように、使用波長、NAおよびカバー層の厚みがBDと相違し、同図(b)に示すように、有効径もBDと相違する。
【0022】
このため、BD用対物レンズ15をDVDに対して使用する場合には、図3に示すような波面収差が発生し、また、BD用対物レンズ15をCDに対して使用する場合には、図4に示すような波面収差が発生する。かかる波面収差は、光源からの光(ビーム)のスポット形成を乱すので、そのままではDVDおよびCDに記録された情報を読み取ることができなくなってしまうが、これを補正するのが、以下に説明する収差補正装置17である。
【0023】
かかる収差補正装置17は、概略的には、上記したような波面収差を補正するものであり、図1に示すように、液晶パネル20(特許請求の範囲に記載の「液晶素子」に対応する。)と、液晶パネル制御部30(特許請求の範囲に記載の「電圧印加手段」に対応する。)とから構成される。このうち、液晶パネル20は、BD用対物レンズ15と光源との間に配置され、屈折率が可変に制御される屈折率変化媒体の一つであり、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される。
【0024】
これを具体的に説明すると、液晶パネル20は、一般的には、図5(a)に示すように、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶(液晶分子)21を、後述する液晶パネル制御部30によって電圧が印加される透明電極層(透明電極)22aおよび22b(以下、適宜「電極」と略称する。)で挟み込み、さらに、これらをガラス基板23によって挟んで構成される。
【0025】
かかる構成の液晶パネル20では、図5(b)に示すように、二つの透明電極22aおよび22bの間に電圧を印加しない状態では、液晶分子21は一方向に整列するが、これに電圧を印加した状態では、それによって生じた電界の影響で液晶分子21はその向きを変える。すなわち、電圧の印加によって液晶分子21の向きが変化した領域では、屈折率が変化することになるため、液晶パネル20を透過する光は、その領域だけ所定の位相差φを持った透過波面となる。また、その位相差φは、同図(c)に示すように、印加電圧の大きさによって任意に制御される。したがって、電極22の形状を任意に構成し、それに印加する電圧の大きさを任意に制御することによって、任意の形状で任意の位相差を有する任意の透過波面を形成することができるわけである。
【0026】
そして、液晶パネル制御部30は、液晶パネル20を透過した光の波面が光軸から同心円状に任意の位相差を有する任意の透過波面を形成するように、液晶分子21の屈折率を光軸から同心円状に可変制御する屈折率制御手段の一つであり、液晶パネル20の透明電極22を介して液晶分子21に電圧を印加する。
【0027】
ここで、液晶パネル20の構成を説明する。上記したような光軸から同心円状に広がる透過波面を形成するためには、液晶パネル20のガラス基板23上において、液晶分子21に沿って光軸から同心円状に複数の電極22を配置した液晶パネル20を構成する必要があるが、かかる構成例の代表的なものとして「セグメント型」や「グラデーション型」などがある。なお、以下に、「セグメント型」および「グラデーション型」による構成例を説明するが、説明の便宜上、透明電極層22bを接地(全面を電位0V)して、透明電極層22aに「セグメント型」および「グラデーション型」の電極パターンを構成する場合を説明する。
【0028】
図6は、液晶パネル20の構成例(セグメント型)を示す図である。このセグメント型の液晶パネル20は、同図(a)および(b)に示すように、低抵抗の同心円形状の複数の透明電極を有し、互いに隣り合う電極間を透明電極と同一素材の抵抗素子で接続し、所定の電極(A、B、C、D)に対して液晶パネル制御部30から電圧を印加できるようにして構成される。
【0029】
そして、このセグメント型の液晶パネル20の場合には、電極(A、B、C、D)に対して任意の大きさの電圧を印加することで、図7(a)に示すように、光軸から階段状で同心円状に広がる電圧分布が形成されるので、液晶パネル20には、同図(b)に示すように、光軸から階段状で同心円状に広がる透過波面が形成されることになる。したがって、同図(c)に示すような波面収差が発生する場合でも、同図(b)に示すような透過波面(波面収差に対応した逆位相の透過波面)を液晶パネル20に与えることで、同図(d)に示すように、波面収差を補正することができるわけである。
【0030】
また、図8は、液晶パネル20の構成例(グラデーション型)を示す図である。このグレデーション型の液晶パネル20は、同図(a)および(b)に示すように、高抵抗の分割のない透明電極(ITO)上に低抵抗の同心円形状の複数の電極(A、B、C、D)を有し、この電極(A、B、C、D)に対して液晶パネル制御部30から電圧を印加できるように構成される。
【0031】
そして、このグラデーション型の液晶パネル20の場合には、電極(A、B、C、D)に対して任意の大きさの電圧を印加することで、同図(c)に示すように、光軸から滑らかに同心円状に広がる電圧分布が形成されるので、液晶パネル20にも、光軸から滑らかに同心円状に広がる透過波面が形成されることになる。したがって、このグラデーション型の液晶パネル20の場合にも、波面収差に対応した逆位相の透過波面を液晶パネル20に与えることで、波面収差を補正することができるわけである。
【0032】
このようなことから、本実施の形態に係るディスク再生装置10では、DVDに対してBD用対物レンズ15を使用した場合に生ずる波面収差と、CDに対してBD用対物レンズ15を使用した場合に生ずる波面収差とを予め想定して、それぞれの波面収差に対応した逆位相の透過波面を形成し得るように構成された液晶パネル20を備え、この液晶パネル20に対して液晶パネル制御部30から所定の電圧を印加することで、それぞれの波面収差を補正している。
【0033】
そして、本実施の形態に係るディスク再生装置10は、収差補正装置17(液晶パネル20および液晶パネル制御部30)による収差補正に主たる特徴がある。これを具体的に説明すると、従来では、DVDやCDに対してBD用対物レンズ15を使用した場合に生ずる波面収差を補正したとしても、それだけではDVDやCDの有効径(図2(b)参照)には対応できないので、液晶シャッターで光を遮光するなど、収差補正とは別個に開口制限を行なっていた。
【0034】
これに対して、本実施の形態に係るディスク再生装置10では、BD用対物レンズ15をDVDやCDに対して使用する場合に生ずる収差に対しては、各ディスク1(DVDおよびCD)の有効径(図2(b)参照)の外側と内側に生ずる収差のうち、内側に生ずる収差のみを補正するようにしている。すなわち、収差補正装置17は、DVDを再生する場合には、図9に示すように、DVDの有効径の内側に生ずる収差のみを補正し、有効径の外側では収差を残すようにする。また、これと同様に、CDを再生する場合には、図10に示すように、CDの有効径の内側に生ずる収差のみを補正し、有効径の外側では収差を残すようにする。これらの収差補正の結果、DVDやCDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなるので、実質的には、DVDやCDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0035】
したがって、本実施の形態に係るディスク再生装置10(より詳細には、収差補正装置17)によれば、BD用対物レンズ15をDVDやCDに対して使用する場合でも、収差補正のみで実質的に開口制限も行うことができ、ディスクの再生に際して信号記録面で良好なビームスポットを簡易に得ることが可能になる。
【0036】
さて、これまでBD用対物レンズ15を使用してBD、DVDおよびCDを再生するディスク再生装置10を例に挙げて、本実施の形態の概要および特徴を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すようなスペックを有するAOD、DVDおよびCDに対してAOD用の対物レンズを使用して各ディスクを再生する場合はもちろんのこと、BD、DVDおよびCDに互換可能な対物レンズを使用して各ディスク(BD、DVDおよびCD)を再生する場合など、ディスクに対して開口径が異なる対物レンズを使用する場合であれば、上記の内容を同様に適用することができる。つまり、各種のディスク1に対して開口径が異なる対物レンズを使用して波面収差が発生する場合に、ディスク1の有効径の内側に生ずる収差のみを補正するようにすればよい。
【0037】
なお、以下では、上記した本実施の形態に係るディスク再生装置10の種々の実施例(変形例も含む。)を説明するが、その概要構成はいずれの実施例においても上記のディスク再生装置10と同様であるので、各部の詳細な説明は省略して、ディスク再生装置10における収差補正装置17を中心に説明する。
【0038】
[実施例1]
実施例1では、図12〜図14を用いて、BD、DVDおよびCDに互換可能な対物レンズを使用してBD、DVDおよびCDを再生するディスク再生装置10を説明する。なお、かかる対物レンズは、いずれのディスク用にも最適化されておらず、これをBD、DVDおよびCDに使用する場合には、図12(a)に示すように、位相ゼロの半径位置がそれぞれのディスクで相違する非相似な形状の波面収差がそれぞれ発生するものとする。
【0039】
実施例1の液晶パネル20は、図12(b)に示すように、BDの有効径の内側でグラデーション型の電極パターンを有し、電極(A、B、C、D、E、F、G)に対し、液晶パネル制御部30から独立に電圧を印加することができるようにして構成される。なお、BDの有効径の内側に電極パターンを構成する理由は、BD、DVDおよびCDが補正対象のディスクだからである。
【0040】
さらに、この液晶パネル20では、各電極(A、B、C、D、E、F、G)に印可する電圧の大きさをそれぞれ任意に変化させた場合に、BDの有効径の内側の領域に生ずるBD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面と、DVDの有効径の内側の領域に生ずるDVD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面と、CDの有効径の内側の領域に生ずるCD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面とを形成することができるように、電極パターンが構成される。なお、各ディスクの波面収差を想定して電極パターンを構成する理由は、各ディスクの波面収差が非相似な形状だからである。また、各ディスクの有効径の内側の波面収差を想定して電極パターンを構成する理由は、後述するように、各ディスクの有効径の外側では波面収差を補正しないからである。
【0041】
ただし、この液晶パネル20では、図12(b)に示すように、各ディスク(BD、DVDおよびCD)の再生時に生ずる非相似な形状の収差を概ね補正し得る範囲で、電極数を少なくして共用化が図られている。すなわち、各ディスクの有効径に対応する位置には電極(同図の場合には、D、E、G)を配置するが、各ディスクの有効径の間では、ディスクごと非相似な形状となる収差に対して完璧に対応した透過波面を形成すべく多数の電極を配置するのではなく、各収差に対して概ね対応し得る程度に、可能な限り少ない数の電極(同図の場合には、B、C、F)で電極パターンを構成している。
【0042】
実施例1の液晶パネル制御部30は、上記した液晶パネル20の各電極(A、B、C、D、E、F、G)に対して印加する電圧の大きさを、ディスクの種別(ディスク判別部16から入力される種別情報)に応じて選択して切り替える。具体的には、CDを再生する場合には、図13(a)に示すように、CDの有効径の内側にある電極(A、B、C)に対しては、波面収差を想定して予め設定された大きさの電圧をそれぞれ印加するが、CDの有効径の外側にある電極(D、E、F、G)に対しては、収差とは無関係に同一の電圧を印加する。
【0043】
また、これと同様、DVDを再生する場合には、図13(b)に示すように、DVDの有効径の内側にある電極(A、B、C、D)に対しては、波面収差を想定して予め設定された大きさの電圧をそれぞれ印加するが、DVDの有効径の外側にある電極(E、F、G)に対しては、収差とは無関係に同一の電圧を印加する。さらに、BDを再生する場合にも、図13(c)に示すように、DVDの有効径の内側にある電極(A、B、C、D、E、F)に対しては、波面収差を想定して予め設定された大きさの電圧をそれぞれ印加する。
【0044】
これらの結果、液晶パネル20では、図14に示すように、各ディスクの有効径の内側の領域に生ずる収差のみが補正され、各ディスクの有効径の外側では依然として収差補正がなされないので、各ディスクの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、各ディスクの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0045】
上記したように、実施例1によれば、BD、DVDおよびCDに対して一つの対物レンズを使用する場合に生ずる収差について、各ディスクの有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加する。これによって、各ディスクの有効径の内側で開口が制限されるので、ディスクに対して開口径が異なる対物レンズを使用する場合でも、収差補正のみで実質的に開口制限も行うことができ、各ディスクの再生に際して信号記録面で良好なビームスポットを簡易に得ることが可能になる。
【0046】
また、実施例1によれば、液晶21に沿って光軸から同心円状に配置された複数の電極のうち、各ディスクの有効径の内側の領域に配置された複数の電極に対しては、この領域に生ずる収差に対応した形状を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、有効径の外側の領域に配置された複数の電極に対しては、この領域に生ずる収差に対応した形状を持たない透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加する。これによって、各ディスクの有効径の内外で異なる電圧制御を行うだけで、収差補正のみならず、実質的に開口制限も行うことが可能になる。
【0047】
また、実施例1によれば、各ディスク(BD、DVDおよびCD)の再生時に生ずる非相似な形状の収差を概ね補正し得る範囲で、電極数を少なくして共用化を図り、各電極に対して印加する電圧の大きさをディスクの種別に応じて切り替える。これによって、制御対象の電極数を減らすことができ、簡便な制御で収差補正および開口制限を実現することが可能になる。
【0048】
[実施例1の変形例]
さて、これまで実施例1を説明したが、この実施例1の内容は上記した以外にも、種々の変形例にて実施されてよいものである。例えば、上記の実施例1では、ディスクの有効径の外側にある電極に対して同一の電圧を印加する場合を説明したが(図13参照)、これは簡便な制御を実現するためであり、必ずしもこれに限定されるものではなく、有効径の外側で収差が補正されない態様であれば、各電極に異なる電圧を印加してもよい。
【0049】
また、上記の実施例1では、BD、DVDおよびCDに互換可能な対物レンズを使用する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、BD用に最適されたBD用対物レンズ15を使用する場合にも同様に適用することができる。さらに、この場合には、図15(a)に示すように、DVDの有効径の内側で収差を補正することができればよいので、同図(b)に示すように、このDVDの有効径の内側にのみ電極を配置するなど、制御対象の電極数を一層減らすことも可能でなる。
【0050】
また、上記の実施例1では、BD、DVDおよびCDを再生する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図11に示すようなスペックを有するAOD、DVDおよびCDを一つの対物レンズで再生する場合はもちろんのこと、BDおよびDVDに互換可能な対物レンズでBDおよびDVDを再生する場合など、ディスクに対して開口径が異なる対物レンズを使用する場合であれば、同様に適用することができる。
【0051】
なお、上記の実施例1では、液晶パネル20がグラデーション型の電極パターンを有する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、いわゆるセグメント型の電極パターンを有する場合でも同様に適用することができる。さらに、上記した電極パターンの構成はあくまでも一例に過ぎず、上記したような透過波面を形成できる構成であれば、同様に適用することができる。
【0052】
[実施例2]
続いて、実施例2では、図16〜図21を用いて、BD用対物レンズ15を使用してBD、DVDおよびCDを再生するディスク再生装置10を説明する。つまり、上記した「実施例1の変形例」でも、BD用対物レンズ15を使用してBD、DVDおよびCDを再生する場合を説明したが、実施例2では、これに対する更なる変形例を説明する。なお、この実施例2において、BD用対物レンズ15は、BD用に最適化された対物レンズ(例えば、焦点距離は2.35mm、有効径は半径2mm)であり、DVDおよびCDに使用する場合にのみ、図15(a)にも示したように、位相ゼロの半径位置がDVDの有効径で重なる相似な形状の波面収差がそれぞれ発生するものとする。
【0053】
実施例2の液晶パネル20は、図16に示すように、DVDの有効径の内側でセグメント型の電極パターンを有し、電極(V01、Vin1、Vin2、V02)を介して、CDの有効径の内側に対応する領域Aと、DVDの有効径の内側でCDの有効径の外側に対応する領域Bとに対し、液晶パネル制御部30から独立に電圧を印可することができるようにして構成される。つまり、図17に示すように、領域Aの一番外側の電極Vin1および領域Bの一番内側の電極Vin2には任意の大きさの電圧を印加し、領域Aの一番内側の電極V01および領域Bの一番外側の電極V02にはバイアス電圧を印加することができるように、液晶パネル20は構成される。
【0054】
なお、DVDの有効径の内側に電極パターンを構成する理由は、DVDおよびCDが補正対象のディスクだからである。また、領域Aと領域Bとに対して独立に電圧を印可することができるように電極パターンを構成する理由は、後述するように、領域Aと領域Bとで異なる電圧制御を行うためである。
【0055】
さらに、この液晶パネル20では、電極V01および電極V02のバイアス電圧を固定電圧(V01=V02)とし、電極Vin1および電極Vin2に対して所定の同一の大きさの電圧を印加した場合に、DVDの有効径の内側の領域(領域Aおよび領域B)に生ずるDVD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面を形成することができるように、電極パターンが構成される。
【0056】
なお、DVDの波面収差を想定して電極パターンを構成する理由は、DVDとCDの波面収差が相似な形状であり、振幅の変化(印可電圧の変化)のみでCDの波面収差にも対応するからである。つまり、図17に示すように、電極Vin1および電極Vin2に印可する電圧の大きさをそれぞれ任意に変化させることで、領域Aおよび領域Bに形成される透過波面の振幅のみをそれぞれ独立に変化させることができ、DVDおよびCDの波面収差に対応できる。また、DVDの有効径の内側の波面収差を想定して電極パターンを構成する理由は、後述するように、DVDの有効径の外側では波面収差を補正しないからである。
【0057】
実施例2の液晶パネル制御部30は、図18に示すように、上記した液晶パネル20の各電極(V01、Vin1、Vin2、V02)に対して印加する電圧の大きさを、ディスクの種別(ディスク判別部16から入力される種別情報)に応じて選択して切り替える。具体的には、BDを再生する場合には、液晶パネル20が動作しないように、各電極(V01、Vin1、Vin2、V02)に対して印加する電圧をともにゼロにする。
【0058】
また、DVDを再生する場合には、「領域Aおよび領域Bにおいて、各領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面」を形成するように電圧を印加する。つまり、電極V01および電極V02のバイアス電圧を固定電圧(V01=V02)とし、電極Vin1および電極Vin2に対しては、領域Aおよび領域Bに生ずる波面収差を想定して予め設定された同一の大きさの電圧を印加する。
【0059】
その結果、液晶パネル20では、図19に示すように、DVDの有効径の内側の領域(領域Aおよび領域B)に生ずる収差のみが補正されるので、DVDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、DVDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0060】
一方、CD再生時の波面収差を補正する位相差を持つ透過波面は、図20に示すように、DVD用の透過波面(図19参照)に対して約1.58倍の振幅比を有する。そこで、液晶パネル制御部30は、CDを再生する場合には、「領域AではDVD用の透過波面(図19参照)の約1.58倍の振幅比となるが、領域Bでは約1.58倍の振幅比とならない透過波面」を形成するように電圧を印加する。つまり、電極Vin1に対しては、上記の振幅比(約1.58倍)になるように予め設定された大きさの電圧を印加し、電極Vin2に対しては、上記の振幅比とは異なる振幅比(例えば、約0.79倍)になるように予め設定された大きさの電圧を印加する。
【0061】
その結果、液晶パネル20では、図21に示すように、CDの有効径の内側の領域(領域A)に生ずる収差のみが補正されるので、CDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、CDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0062】
上記したように、実施例2によれば、BD用対物レンズ15をDVDおよびCDに使用する場合に生ずる収差について、BD用対物レンズ15をDVDに使用する場合には、DVDの有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、BD用対物レンズ15をCDに使用する場合には、CDの有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加する。これによって、DVDおよびCDに対してBD用対物レンズ15を使用する場合でも、収差補正のみで実質的に開口制限も行うことができ、各ディスクの再生に際して信号記録面で良好なビームスポットを簡易に得ることが可能になる。
【0063】
また、実施例2によれば、CDの有効径の内側に対応する領域Aと、CDの有効径の外側でDVDの有効径の内側に対応する領域Bとに対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の振幅のみをそれぞれ可変に制御する。具体的には、DVDを再生する場合には、領域Aおよび領域Bに対して、各領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧をそれぞれ印加する。また、CDを再生する場合には、領域Aに対しては、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、領域Bに対しては、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持たない透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加する。これによって、領域Aおよび領域Bで異なる電圧制御を行うだけで、収差補正のみならず、実質的に開口制限も行うことが可能になる。
【0064】
また、実施例2によれば、CDを再生する場合には、領域Aに対しては、DVDを再生する場合において領域Aで形成する透過波面に対して所定の振幅比(例えば、1.58倍)を有する透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、領域Bに対しては、この振幅比とは相違する振幅比(例えば、0.79倍)を有する透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加する。これによって、領域Aおよび領域Bで異なる振幅比の透過波面を与えるだけで、収差補正のみならず、実質的に開口制限も行うことが可能になる。
【0065】
また、実施例2によれば、DVDを再生する場合に、領域Aおよび領域Bに対して同様の大きさの電圧をそれぞれ印加する。これによって、領域Aの透過波面と領域Bの透過波面とを滑らかに繋げることが可能になる。
【0066】
[実施例2の変形例]
さて、これまで実施例2を説明したが、この実施例2の内容は上記した以外にも、種々の変形例にて実施されてよいものである。例えば、上記の実施例2では、電極Vin2に対して、約0.79倍の振幅比になるように電圧を印加する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図22に示すように、約3.16倍の振幅比になるように電圧を印加してもよく、さらには、図23に示すように、電極V02のバイアス電圧と等しい電圧を印加してもよいし、図24に示すように、電極Vin2および電極V02ともに電圧ゼロを印可するようにしてもよい。つまり、CDの有効径の内側の領域(領域A)に生ずる収差のみが結果的に補正される(領域Bに生ずる収差は補正されない)態様であれば、電極Vin2に対して印可される電圧の大きさは問われない。
【0067】
また、上記の実施例2では、BD、DVDおよびCDを再生する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図11に示したようなスペックを有するAOD、DVDおよびCDをAOD用対物レンズ(例えば、焦点距離は2.3mm、有効径は半径1.5mm)で再生する場合など、第1の光学式記録媒体に対して専ら使用される対物レンズを、当該第1の光学式記録媒体よりも小さな有効径の第2の光学式記録媒体および当該第2の光学式記録媒体よりも小さな有効径の第3の光学式記録媒体に対して使用する場合であれば、同様に適用することができる。
【0068】
ここで、AOD、DVDおよびCDをAOD用対物レンズで再生する場合を簡単に説明すると、この場合の液晶パネル20は、図25および図26に示すように構成され、液晶パネル制御部30は、図27に示すように電圧の大きさを切り替える。つまり、DVDを再生する場合には、図28に示すように、「領域Aおよび領域Bにおいて、各領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面」を形成するように電圧を印加する。一方、CDを再生する場合には、図29に示すように、「領域AではDVD用の透過波面(図28参照)の約8倍の振幅比となるが、領域Bでは約8倍の振幅比とならない透過波面」を形成するように電圧を印加する。これらの結果、各ディスクの有効径の内側の領域に生ずる収差のみが補正されるので、各ディスクの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、上記の実施例2と同様、実質的に、ディスクの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0069】
なお、上記の実施例2では、液晶パネル20がセグメント型の電極パターンを有する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、いわゆるグラデーション型の電極パターンを有する場合でも同様に適用することができる。さらに、上記した電極パターンの構成はあくまでも一例に過ぎず、上記したような透過波面を形成できる構成であれば、同様に適用することができる。
【0070】
[実施例3]
続いて、実施例3では、図30〜図35を用いて、AOD用対物レンズを使用してAOD、DVDおよびCDを再生するディスク再生装置10を説明する。つまり、上記した「実施例2の変形例」でも、AOD、DVDおよびCDをAOD用対物レンズで再生する場合を説明したが、実施例3では、これに対する更なる変形例を説明する。ここで、各ディスクのスペックは、図11に示した通りであり、DVDは記録特性を考慮して、通常使用されるNA0.60よりも大きなNA0.65としている。つまり、この例では、AODとDVDの有効径が等しくなっている。なお、この実施例3において、AOD用対物レンズは、AOD用に最適化された対物レンズ(例えば、焦点距離は2.3mm、有効径は半径1.5mm)であり、DVDおよびCDに使用する場合にのみ、図30に示すように、位相ゼロの半径位置がCDの有効径で重なる相似な形状の波面収差がそれぞれ発生するものとする。
【0071】
実施例3の液晶パネル20は、図31に示すように、DVD(AOD)の有効径の内側でセグメント型の電極パターンを有し、電極(V1、V2、V3、V4)を介して、CDの有効径の内側に対応する領域Aと、DVD(AOD)の有効径の内側でCDの有効径の外側に対応する領域Bとに対し、液晶パネル制御部30から独立に電圧を印可することができるように構成される。なお、DVDの有効径の内側に電極パターンを構成する理由は、DVDおよびCDが補正対象のディスクだからである。
【0072】
さらに、この液晶パネル20では、各電極(V1、V2、V3、V4)にそれぞれ所定の大きさの電圧(固定電圧)を印加した場合に、図32に示すように、電極V1およびV2がある領域Aでは、CD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面を形成し、電極V3およびV4がある領域Bでは、DVD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面を形成することができるように、電極パターンが構成される。なお、上記した実施例2と相違して、領域AでDVDの波面収差を想定して電極パターンを構成しない理由は、後述するように、この領域Aに生ずる収差は無補正でも十分に実用に耐え得るほど小さく(図30参照)、補正対象にしないからである。このため、領域Aでは、CDの波面収差を想定して電極パターンを構成している。
【0073】
実施例3の液晶パネル制御部30は、図33に示すように、上記した液晶パネル20の各電極(V1、V2、V3、V4)に対して印加する電圧の大きさを、ディスクの種別(ディスク判別部16から入力される種別情報)に応じて選択して切り替える。ただし、実施例3では、上記したように、領域Aおよび領域Bで、それぞれ一種類の透過波面を形成するだけであるので、いわゆるオン/オフの切替のみで電圧が制御される。
【0074】
具体的には、AODを再生する場合には、液晶パネル20が動作しないように、各電極(V1、V2、V3、V4)に対して印加する電圧をともにゼロにする。また、DVDを再生する場合には、「領域Aおよび領域Bにおいて、各領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面」を形成するように、電極V1および電極V2に対しては電圧ゼロを印加し、電極V3および電極V4に対しては、領域Bに生ずる波面収差を想定して予め設定された上記の固定電圧を印加する。
【0075】
ここで、領域Aに対して何ら補正もしていないが、この領域Aに生ずる収差は無補正でも十分に実用に耐え得るほど小さいので(図30参照)、上記の電圧印加の結果、液晶パネル20では、図34に示すような十分小さな残留収差となり、DVDの有効径の内側の領域(領域Aおよび領域B)に生ずる収差が補正される。なお、この例では、DVDとAODの有効径が同じであるので、DVDの開口制限は、AOD用の開口制限手段をそのまま使用すればよい。
【0076】
一方、CDを再生する場合には、「領域Aでは領域Aに生ずる収差に対応した振幅を持つが、領域Bでは領域Bに生ずる収差に対応した振幅を持たない透過波面」を形成するように、電極V3および電極V4に対しては電圧ゼロを印加し、電極V1および電極V2に対しては、領域Aに生ずる波面収差を想定して予め設定された上記の固定電圧を印加する。
【0077】
その結果、液晶パネル20では、図35に示すように、CDの有効径の内側の領域(領域A)に生ずる収差のみが補正されるので、CDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、CDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0078】
上記したように、実施例3によれば、AOD用対物レンズをDVDおよびCDに使用する場合に生ずる収差について、AOD用対物レンズをDVDに使用する場合には、DVDの有効径の内側の領域に生ずる収差を補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、AOD用対物レンズをCDに使用する場合には、CDの有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加する。これによって、CDの有効径の内側で開口が制限されるので、CDに対してAOD用対物レンズを使用する場合でも、収差補正のみで実質的に開口制限も行うことができ、また、DVDに対してAOD用対物レンズを使用する場合には、AOD用の開口制限手段により適切な開口制限がなされるので、各ディスクの再生に際して信号記録面で良好なビームスポットを簡易に得ることが可能になる。
【0079】
また、実施例3によれば、CDの有効径の内側に対応する領域Aと、CDの有効径の外側でDVDの有効径の内側に対応する領域Bとに対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の振幅のみをそれぞれ可変に制御する。具体的には、DVDを再生する場合には、領域Bに対してのみ、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧をそれぞれ印加する。また、CDを再生する場合には、領域Aに対してのみ、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加する。これによって、領域Aおよび領域Bで異なる電圧制御を行うことで、収差補正のみならず、実質的に開口制限も行うことが可能になる。
【0080】
また、実施例3では、領域Aおよび領域Bに対して固定値の電圧をそれぞれ印加する。これによって、一つの電極に印可する電圧値を複数切り替えるための回路などが不要になり、いわゆるオン/オフ切替のみの簡易な電圧制御を採用することが可能になる。
【0081】
[実施例3の変形例]
さて、これまで実施例3を説明したが、この実施例3の内容は上記した以外にも、種々の変形例にて実施されてよいものである。例えば、上記の実施例3では、DVDを再生する場合に電極V1および電極V2を電圧ゼロにする場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、両者に他の同一の大きさの電圧を印可する場合など、DVDの有効径の内側の領域(領域Aおよび領域B)に生ずる収差のみが結果的に補正される態様であれば、電極V1および電極V2に対して印可される電圧の大きさは問われない。また、これと同様に、CDを再生する場合も、CDの有効径の内側の領域(領域A)に生ずる収差のみが結果的に補正される態様であれば、電極V3および電極V4に対して印可される電圧の大きさは問われない。
【0082】
なお、上記の実施例3では、液晶パネル20がセグメント型の電極パターンを有する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、いわゆるグラデーション型の電極パターンを有する場合でも同様に適用することができる。さらに、上記した電極パターンの構成はあくまでも一例に過ぎず、上記したような透過波面を形成できる構成であれば、同様に適用することができる。
【0083】
[実施例4]
続いて、実施例4では、図36〜図42を用いて、BD用対物レンズ15を使用してBD、DVDおよびCDを再生するディスク再生装置10を説明する。つまり、上記した「実施例2」でも、BD用対物レンズ15を使用してBD、DVDおよびCDを再生する場合を説明したが、実施例4では、これに対する更なる変形例を説明する。なお、この実施例4においても、BD用対物レンズ15は、BD用に最適化された対物レンズ(例えば、焦点距離は2.35mm、有効径は半径2mm)であり、DVDおよびCDに使用する場合にのみ、図15(a)にも示したように、位相ゼロの半径位置がDVDの有効径で重なる相似な形状の波面収差がそれぞれ発生するものとする。
【0084】
実施例4の液晶パネル20は、図36に示すように、DVDの有効径の内側でセグメント型の電極パターンを有し、電極(V0、Vin)を介して、CDの有効径の内側に対応する領域Aと、DVDの有効径の内側でCDの有効径の外側に対応する領域Bとに対し、液晶パネル制御部30から一体的に任意の大きさの電圧を印加することができるように構成される。つまり、図37に示すように、領域Aおよび領域Bにおける所定の複数の半径位置に接続される電極Vinには任意の大きさの電圧を印加し、領域Aおよび領域Bにおける所定の複数の半径位置に接続されるV0にはバイアス電圧を印加することができるように、液晶パネル20は構成される。
【0085】
なお、上記した実施例2や実施例3と相違して、領域Aと領域Bとに対して一体的に電圧を印可することができるように電極パターンを構成する理由は、後述するように、領域Aと領域Bとで一体的に電圧制御を行うためである。すなわち、図36に示すように、電極Vinに印可する電圧の大きさを任意に変化させることで、領域Aおよび領域Bに形成される透過波面の振幅のみを一体的に変化させるためである。
【0086】
さらに、この液晶パネル20では、電極V0のバイアス電圧を固定電圧とし、電極Vinに対して所定の大きさの電圧を印加した場合に、領域AではDVD再生時の波面収差に対応した逆位相の透過波面を形成し、領域Bではその包絡面が波長の整数倍である深さの複数の段差を持つ透過波面を形成することができるように、電極パターンが構成される。
【0087】
なお、上記した実施例2や実施例3と相違して、領域Bでその包絡面が波長の整数倍である深さの複数の段差を持つ透過波面を想定して電極パターンを構成する理由は、後述するように、大きさが波長の整数倍となる波面の段差は光学的には意味を持たず、段差がない(収差が補正されている)ことと同じになるからである。さらに、電極Vinに印可する電圧の大きさを変化させるだけで、領域Bでその包絡面が波長の整数倍ではない深さの段差を持つ透過波面(収差が補正されない透過波面)を形成することができるようにするためである。
【0088】
実施例4の液晶パネル制御部30は、図38に示すように、上記した液晶パネル20の各電極(V0、Vin)に対して印加する電圧の大きさを、ディスクの種別(ディスク判別部16から入力される種別情報)に応じて選択して切り替える。具体的には、BDを再生する場合には、液晶パネル20が動作しないように、各電極(V0、Vin)に対して印加する電圧をともにゼロにする。
【0089】
また、DVDを再生する場合には、図39に示すように、「領域Aでは当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持ち、領域Bではその包絡面が波長の整数倍である深さの複数の段差を持つ透過波面」を形成するように電圧を印加する。つまり、電極V0のバイアス電圧を固定電圧とし、電極Vinに対しては、上記の透過波面を想定して予め設定された大きさの電圧を印加する。なお、図39において、包絡面と「収差をキャンセルするための波面」は光学的に等価である。
【0090】
その結果、液晶パネル20では、図40(a)に示すように、領域Aでは波面収差がなくなり、領域Bでは階段状の収差が残留することになるが、この階段状の収差は、各段差の大きさが1波長分であるため光学的には意味を持たず、波面収差が補正されたことと同じになる。つまり、同図(b)は、波長の整数倍分を差し引いた場合の残留収差を示すが、領域Aおよび領域Bでは十分に収差が補正されている。その一方で、同図(c)に示すように、領域Bの外側では、依然として収差が補正されずに残留している。したがって、DVDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、DVDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0091】
一方、CDを再生する場合には、図41に示すように、「領域Aでは当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持ち、領域Bではその包絡面が波長の整数倍ではない深さの複数の段差を持つ透過波面」を形成するように電圧を印加する。つまり、電極Vinに対して、上記のDVD用の透過波面に対して所定の振幅比(約1.58倍)になるように予め設定された大きさの電圧を印加する。
【0092】
その結果、液晶パネル20では、図42(a)に示すように、領域Aでは波面収差がなくなり、領域Bでは階段状の収差が残留することになるが、この階段状の収差は、各段差の大きさが波長の整数倍でないため、DVDの場合と異なり、波面収差が補正されたことにはならない。つまり、同図(b)は、波長の整数倍分を差し引いた場合の残留収差を示すが、領域Aでは十分に収差が補正されているのに対して、領域Bでは依然として収差が補正されずに残留している。さらに、同図(c)に示すように、領域Bの外側でも、依然として収差が補正されずに残留している。したがって、CDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、CDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0093】
上記したように、実施例4によれば、BD用対物レンズ15をDVDおよびCDに使用する場合に生ずる収差について、BD用対物レンズ15をDVDに使用する場合には、DVDの有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、BD用対物レンズ15をCDに使用する場合には、CDの有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加する。これによって、DVDおよびCDの有効径の内側で開口が制限されるので、DVDおよびCDに対してBD用対物レンズ15を使用する場合でも、収差補正のみで実質的に開口制限も行うことができ、各ディスクの再生に際して信号記録面で良好なビームスポットを簡易に得ることが可能になる。
【0094】
また、実施例4によれば、CDの有効径の内側に対応する領域Aと、CDの有効径の外側でDVDの有効径の内側に対応する領域Bとに対し、一体的に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の振幅のみを一体的に可変に制御する。具体的には、DVDを再生する場合には、領域Aでは当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持ち、領域Bではその包絡面が波長の整数倍である深さの複数の段差を持つ透過波面を形成するように、所定の大きさの電圧を領域Aおよび領域Bに対して一体的に印加する。また、CDを再生する場合には、領域Aでは当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持ち、領域Bではその包絡面が波長の整数倍ではない深さの複数の段差を持つ透過波面を形成するように、所定の大きさの電圧を領域Aおよび領域Bに対して一体的に印加する。これによって、領域Aおよび領域Bで一体的な電圧制御を行うだけで、収差補正のみならず、実質的に開口制限も行うことが可能になる。また、波面収差の形状に単純に対応した厚みのある液晶パネル20を構成する必要がなく、薄い構成の液晶パネル20で、収差補正および開口制限を行うことが可能になる。
【0095】
[実施例4の変形例]
さて、これまで実施例4を説明したが、この実施例4の内容は上記した以外にも、種々の変形例にて実施されてよいものである。例えば、上記の実施例4では、DVDの再生時に、領域Bでその包絡面が1波長分の深さの段差を持つ透過波面を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、2波長分や3波長分など、その包絡面が波長の整数倍である深さの段差を持つ透過波面であればよい。
【0096】
さらに、図43に示すように、液晶21の厚みを、所望な波面の位相分布の形状に応じて変化させた液晶パネルを用いることによっても、上記の実施例4で所望される透過波面を生成することが可能である。つまり、図43に示すような液晶パネルにおいて、透明電極22に印可する電圧を変化させることで、その透過波面の振幅のみを変化させることができるので、図39や図41に示した包絡面と同じ波面を生成することができる。したがって、このような液晶パネルを用いることによっても上記の実施例4と同様の効果を得る。
【0097】
また、上記の実施例4では、領域Aおよび領域Bに対し、一体的に任意の大きさの電圧を印加する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、図44に示すように、領域Aと領域Bとに対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加するようにしてもよい。具体的には、DVDを再生する場合には、領域Aに対しては、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、領域Bに対しては、その包絡面が波長の整数倍である深さの複数の段差を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加する。また、CDを再生する場合には、領域Aに対しては、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、領域Bに対しては、その包絡面が波長の整数倍ではない深さの複数の段差を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加する。これによって、領域Aおよび領域Bで異なる電圧制御を行うことができ、CD再生時に領域Bで形成する透過波面の振幅を領域Aと切り離して確実に制御することが可能になる。
【0098】
ところで、上記では、いわゆる無限系(平行光での入射)として、液晶の電圧変化のみで収差補正を行う場合を説明したが、CDの収差に対しては、電圧の変更なしに、有限系とすることのみで補正することもできる。すなわち、DVDの収差補正と印可電圧を変更しない場合には、透過波面の位相差量は変化しないが、波長(λの値)は変化するため、例えば、DVD(使用波長650nm)で1λの位相差であったものは、CD(使用波長780nm)では、650/780=0.83λの位相差となる。
【0099】
例えば、図39に示した透過波面は、縦軸の単位が波長であるので、電圧をこの状態に維持したまま、CDのシステム(波長780nm)で使用した場合には、図45に示すように、縦軸方向に0.83倍した波面となる。これは、同図に示すように、物体距離(対物レンズの光源側の面から光源までの距離)を43.3mmとしたときに収差をキャンセルするために必要な波面と、CDの有効径内でよく一致しており、この透過波面で収差を補正できることがわかる。
【0100】
この場合、液晶パネル20では、図46(a)に示すように、領域Aでは波面収差がなくなるが、領域Bでは波長の整数倍でない深さの段差を持つ収差が残留するので、波面収差が補正されたことにはならない。つまり、同図(b)は、波長の整数倍分を差し引いた場合の残留収差を示すが、領域Aでは十分に収差が補正されているのに対して、領域Bでは依然として収差が補正されずに残留し、さらに、同図(c)に示すように、領域Bの外側でも依然として収差が補正されずに残留している。したがって、CDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、CDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0101】
このように、CDの収差補正については、電圧の変更なしに、有限系とすることのみで行うこともできるが、さらに、CDの収差補正を、電圧変化と有限系の両方で行うこともできる。すなわち、図47には、物体距離を100mmとしたときに収差をキャンセルするために必要な波面と、DVDでの透過波面の振幅を約1.26倍とした波面とを示しているが、この場合も、CDの有効径の内側では両波面が良く一致しており、この透過波面で収差を補正できることがわかる。
【0102】
すなわち、液晶パネル20では、図48(a)に示すように、領域Aでは波面収差がなくなるが、領域Bでは波長の整数倍でない深さの段差を持つ収差が残留するので、波面収差が補正されたことにはならない。つまり、同図(b)は、波長の整数倍分を差し引いた場合の残留収差を示すが、領域Aでは十分に収差が補正されているのに対して、領域Bでは依然として収差が補正されずに残留し、さらに、同図(c)に示すように、領域Bの外側でも依然として収差が補正されずに残留している。したがって、CDの有効径の外側を通る光は、残留収差の影響を受けてスポット形成には寄与しなくなり、実質的に、CDの有効径の内側で開口が制限されたのと同様の効果を得る。
【0103】
このようなことから、電圧変化のみで収差を補正しようとする場合や、物体距離の変化のみで収差を補正しようとする場合に、CDの有効径の外側の包絡面の位相段差がたまたま波長の整数倍となってしまうことがあったとしても、上記のような電圧変化と物体距離の変化を適当に組み合わせることで、かかる位相段差の大きさを波長の整数倍から確実に外すことが可能になる。
【0104】
また、上記の実施例4では、BD、DVDおよびCDを再生する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図11に示したようなスペックを有するAOD、DVDおよびCDをAOD用対物レンズ(例えば、焦点距離は2.3mm、有効径は半径1.5mm)で再生する場合など、第1の光学式記録媒体に対して専ら使用される対物レンズを、当該第1の光学式記録媒体よりも小さな有効径の第2の光学式記録媒体および当該第2の光学式記録媒体よりも小さな有効径の第3の光学式記録媒体に対して使用する場合であれば、同様に適用することができる。
【0105】
なお、上記の実施例4では、液晶パネル20がセグメント型の電極パターンを有する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、いわゆるグラデーション型の電極パターンを有する場合でも同様に適用することができる。さらに、上記した電極パターンの構成はあくまでも一例に過ぎず、上記したような透過波面を形成できる構成であれば、同様に適用することができる。
【0106】
[他の実施の形態]
さて、これまで実施の形態および実施例を説明したが、これらの内容は上記した以外にも、他の実施の形態として実施されてよいものである。例えば、上記では、液晶パネル20に対して電圧を印加して任意の透過波面を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、屈折率が可変に制御される屈折率変化媒体の屈折率を可変制御して任意の透過波面を形成する場合であれば、上記の内容を同様に適用することができる。
【0107】
また、上記では、液晶パネル20における一つの透明電極層22aに種々の電極パターンを構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、透明電極層22aではなく透明電極層22bに電極パターンを構成する場合や、両方に電極パターンを構成する(例えば、透明電極層22aをDVD用に構成し、透明電極層22bをCD用に構成して、オン/オフで切り替える)場合などに、上記の内容を同様に適用することができる。なお、透明電極層22aで波面収差を補正し、透明電極層22bで他の収差(例えば、コマ収差など)を補正するようにしてもよい。
【0108】
また、上記では、実施例1〜4でそれぞれ異なる電圧制御で異なる透過波面を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、複数のディスクを再生する一つのディスク再生装置10において、あるディスクのグループに対しては実施例1の電圧制御を行い、他のディスクのグループに対しては実施例2の電圧制御を行うなど、一つのディスク再生装置10で上記の各実施例の内容を組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0109】
なお、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。さらに、図示した装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】BD、DVDおよびCDの主なスペックを示す図である。
【図3】BD用対物レンズをDVDに対して使用する場合に生ずる波面収差の一例を示す図である。
【図4】BD用対物レンズをCDに対して使用する場合に生ずる波面収差の一例を示す図である。
【図5】液晶パネルの構成などを示す図である。
【図6】液晶パネルの構成例(セグメント型)を示す図である。
【図7】波面収差の補正の一例を示す図である。
【図8】液晶パネルの構成例(グラデーション型)を示す図である。
【図9】BD用対物レンズをDVDに対して使用する場合に補正される収差の範囲を示す図である。
【図10】BD用対物レンズをCDに対して使用する場合に補正される収差の範囲を示す図である。
【図11】AOD、DVDおよびCDの主なスペックを示す図である。
【図12】実施例1における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図13】実施例1における電圧印加を示す図である。
【図14】実施例1における透過波面を示す図である。
【図15】実施例1の変形例における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図16】実施例2における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図17】実施例2における電圧印加を示す図である。
【図18】実施例2における電圧選択を示す図である。
【図19】実施例2におけるDVD用の透過波面の一例を示す図である。
【図20】透過波面の振幅比を示す図である。
【図21】実施例2におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図22】実施例2の変形例におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図23】実施例2の変形例におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図24】実施例2の変形例におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図25】実施例2の変形例における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図26】実施例2の変形例における電圧印加を示す図である。
【図27】実施例2の変形例における電圧選択を示す図である。
【図28】実施例2の変形例におけるDVD用の透過波面の一例を示す図である。
【図29】実施例2の変形例におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図30】実施例3において補正する波面収差の一例を示す図である。
【図31】実施例3における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図32】実施例3における透過波面の一例を示す図である。
【図33】実施例3における電圧選択を示す図である。
【図34】実施例3におけるDVD用の透過波面の一例を示す図である。
【図35】実施例3におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図36】実施例4における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図37】実施例4における電圧印加を示す図である。
【図38】実施例4における電圧選択を示す図である。
【図39】実施例4におけるDVD用の透過波面の一例を示す図である。
【図40】実施例4におけるDVD用の透過波面の効果を示す図である。
【図41】実施例4におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図42】実施例4におけるCD用の透過波面の効果を示す図である。
【図43】実施例4の変形例における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図44】実施例4の変形例における液晶パネルの構成例を示す図である。
【図45】実施例4の変形例におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図46】実施例4の変形例におけるCD用の透過波面の効果を示す図である。
【図47】実施例4の変形例におけるCD用の透過波面の一例を示す図である。
【図48】実施例4の変形例におけるCD用の透過波面の効果を示す図である。
【符号の説明】
10 ディスク再生装置
15 BD用対物レンズ(対物レンズ)
16 ディスク判別部
17 収差補正装置
20 液晶パネル
21 液晶(液晶分子)
22 透明電極(透明電極層)
23 ガラス基板
30 液晶パネル制御部

Claims (17)

  1. 所定の光学式記録媒体の記録再生における第1の有効径とは異なる第2の有効径をもつレンズを用いて記録再生する場合に生ずる収差を補正する収差補正装置であって、
    前記第1の有効径の外側と内側に生ずる収差のうち、当該内側に生ずる収差のみを補正する補正手段を備えたことを特徴とする収差補正装置。
  2. 前記補正手段は、
    前記対物レンズと光源との間に配置され、屈折率が可変に制御される屈折率変化媒体と、
    前記屈折率変化媒体を透過した光の波面が任意の位相差を有する任意の透過波面を形成し、前記光学式記録媒体の有効径の内側に生ずる収差のみを補正するように、当該屈折率変化媒体の屈折率を可変制御する屈折率制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の収差補正装置。
  3. 前記屈折率変化媒体は、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子であり、
    前記屈折率制御手段は、前記液晶素子を透過した光の波面が前記任意の透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加することを特徴とする請求項2に記載の収差補正装置。
  4. 記録密度またはカバー層の厚みの少なくとも一つが相互に相違する複数の光学式記録媒体に対して一つの対物レンズを使用する場合に生ずる収差を補正する収差補正装置であって、
    前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、
    前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記電圧印加手段は、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする収差補正装置。
  5. 前記電圧印加手段は、前記液晶素子に沿って配置された複数の電極に対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加して透過波面の形状を可変に制御するものであって、
    前記光学式記録媒体の有効径の内側の領域に配置された複数の電極に対しては、当該領域に生ずる収差に対応した形状を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、当該有効径の外側の領域に配置された複数の電極に対しては、当該領域に生ずる収差に対応した形状を持たない透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の収差補正装置。
  6. 第1の光学式記録媒体に対して専ら使用される対物レンズを、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径が当該第1の光学式記録媒体よりも小さな第2の光学式記録媒体、および前記有効径が当該第2の光学式記録媒体よりも小さな第3の光学式記録媒体に対して使用する場合に生ずる収差を補正する収差補正装置であって、
    前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、
    前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記電圧印加手段は、前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、当該第2の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、当該第3の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする収差補正装置。
  7. 前記電圧印加手段は、前記第3の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第1の領域と、当該第3の光学式記録媒体の有効径の外側で前記第2の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第2の領域とに対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の振幅のみをそれぞれ可変に制御するものであって、
    前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記第1の領域および第2の領域に対して、各領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧をそれぞれ印加し、
    前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記第1の領域に対しては、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、前記第2の領域に対しては、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持たない透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加することを特徴とする請求項6に記載の収差補正装置。
  8. 前記電圧印加手段は、前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合に、前記第1の領域に対しては、前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合において当該第1の領域で形成する透過波面に対して所定の振幅比を有する透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、前記第2の領域に対しては、前記所定の振幅比とは相違する振幅比を有する透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加することを特徴とする請求項7に記載の収差補正装置。
  9. 前記電圧印加手段は、前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合に、前記第1の領域の最外周部と第2の領域の最内周部に対して同様の大きさの電圧をそれぞれ印加することを特徴とする請求項7または8に記載の収差補正装置。
  10. 前記電圧印加手段は、前記第3の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第1の領域と、当該第3の光学式記録媒体の有効径の外側で前記第2の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第2の領域とに対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の振幅のみをそれぞれ可変に制御するものであって、
    前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記第2の領域に対してのみ、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加し、
    前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記第1の領域に対してのみ、当該領域に生ずる収差に対応した振幅を持つ透過波面を形成するように所定の大きさの電圧を印加することを特徴とする請求項6に記載の収差補正装置。
  11. 前記電圧印加手段は、前記第1の領域および第2の領域に対して固定値の電圧をそれぞれ印加することを特徴とする請求項10に記載の収差補正装置。
  12. 前記電圧印加手段は、前記第3の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第1の領域と、当該第3の光学式記録媒体の有効径の外側で前記第2の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第2の領域とに対し、一体的に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の段差のみを一体的に可変に制御するものであって、
    前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記透過波面の包絡面が、前記第1の領域では当該領域に生ずる収差に対応した段差を持ち、前記第2の領域では前記第2の光学式記録媒体の記録再生で使用する波長の整数倍である深さの複数の段差を持つように、所定の大きさの電圧を前記第1の領域および第2の領域に対して一体的に印加し、
    前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記透過波面の包絡面が、前記第1の領域では当該領域に生ずる収差に対応した段差を持ち、前記第2の領域では前記第3の光学式記録媒体の記録再生で使用する波長の整数倍ではない深さの複数の段差を持つように、所定の大きさの電圧を前記第1の領域および第2の領域に対して一体的に印加することを特徴とする請求項6に記載の収差補正装置。
  13. 前記電圧印加手段は、前記第3の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第1の領域と、当該第3の光学式記録媒体の有効径の外側で前記第2の光学式記録媒体の有効径の内側に対応する第2の領域とに対し、それぞれ独立に任意の大きさの電圧を印加して各領域に形成される透過波面の段差のみをそれぞれ可変に制御するものであって、
    前記第2の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記透過波面の包絡面が、前記第1の領域では当該領域に生ずる収差に対応した段差を持ち、前記第2の領域では前記第2の光学式記録媒体の記録再生で使用する波長の整数倍である深さの複数の段差を持つように、所定の大きさの電圧を前記第1の領域および第2の領域に対してそれぞれ独立に印加し、
    前記第3の光学式記録媒体に前記対物レンズを使用する場合には、前記透過波面の包絡面が、前記第1の領域では当該領域に生ずる収差に対応した段差を持ち、前記第2の領域では前記第3の光学式記録媒体の記録再生で使用する波長の整数倍ではない深さの複数の段差を持つように、所定の大きさの電圧を前記第1の領域および第2の領域に対してそれぞれ独立に印加することを特徴とする請求項6に記載の収差補正装置。
  14. 前記請求項1〜13のいずれか一つに記載の収差補正装置を備え、当該収差補正装置によって収差を補正し、前記光学式記録媒体に記録された情報を再生することを特徴とする光学式記録媒体再生装置。
  15. 所定の光学式記録媒体の記録再生における第1の有効径とは異なる第2の有効径をもつレンズを用いて記録再生する場合に生ずる収差を補正し、当該光学式記録媒体に記録された情報を再生する光学式記録媒体再生装置であって、
    前記第1の有効径の外側と内側に生ずる収差のうち、当該内側に生ずる収差のみを補正する補正手段を備えたことを特徴とする光学式記録媒体再生装置。
  16. 記録密度またはカバー層の厚みの少なくとも一つが相互に相違する複数の光学式記録媒体に対して一つの対物レンズを使用する場合に生ずる収差を補正し、各光学式記録媒体に記録された情報を再生する光学式記録媒体再生装置であって、
    前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、
    前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記電圧印加手段は、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする光学式記録媒体再生装置。
  17. 第1の光学式記録媒体に対して専ら使用される対物レンズを、前記光学式記録媒体の記録再生における有効径が当該第1の光学式記録媒体よりも小さな第2の光学式記録媒体、および前記有効径が当該第2の光学式記録媒体よりも小さな第3の光学式記録媒体に対して使用する場合に生ずる収差を補正し、各光学式記録媒体に記録された情報を再生する光学式記録媒体再生装置であって、
    前記対物レンズと光源との間に配置され、印加電圧に応じて屈折率が可変に制御される液晶素子と、
    前記液晶素子を透過した光の波面が任意の位相分布を有する透過波面を形成するように、当該液晶素子に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記電圧印加手段は、前記第2の光学式記録媒体に記録された情報を再生する場合には、当該第2の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加し、前記第3の光学式記録媒体に記録された情報を再生する場合には、当該第3の光学式記録媒体の有効径の内側の領域に生ずる収差のみを補正する位相分布を持つ透過波面を形成するように電圧を印加することを特徴とする光学式記録媒体再生装置。
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