JP2008052824A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】3種類の光記録媒体に対して互換性を有する光ピックアップ装置において、光伝達効率を向上し、光学系に配置される部品点数の増加を抑制し、対物レンズと光記録媒体との衝突の可能性を低減する光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置1は、BD及びCD用の光ビームの球面収差補正が可能な球面収差補正素子100と、DVD用の光ビームについて球面収差補正が可能な位相シフト素子9を備える。球面収差補正素子100には、CD用の光ビームを回折拡散して球面収差補正が可能な第1領域と、第1領域を取り囲むように形成されて、BD用の光ビームの位相分布を変化させることにより球面収差補正が可能な第2領域が形成される。この第1領域及び第2領域の機能は電気的にオンオフ制御できる。
【選択図】図1
【解決手段】光ピックアップ装置1は、BD及びCD用の光ビームの球面収差補正が可能な球面収差補正素子100と、DVD用の光ビームについて球面収差補正が可能な位相シフト素子9を備える。球面収差補正素子100には、CD用の光ビームを回折拡散して球面収差補正が可能な第1領域と、第1領域を取り囲むように形成されて、BD用の光ビームの位相分布を変化させることにより球面収差補正が可能な第2領域が形成される。この第1領域及び第2領域の機能は電気的にオンオフ制御できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光記録媒体に光ビームを照射して情報の読取りや書き込みを可能とする光ピックアップ装置に関し、より詳細には、異なる波長を使用する3種類の光記録媒体に対して互換性を有する光ピックアップ装置に関する。
近年、コンパクトディスク(以下、CDという。)やデジタル多用途ディスク(以下、DVDという。)といった光記録媒体が普及し、一般的に用いられるようになっている。そして、光記録媒体の情報量を増やすために、光記録媒体の高密度化に関する研究が進められ、例えば、ブルーレイディスク(以下、BDという。)やHD−DVDといった高密度化された光記録媒体(以下ではこれらを纏めて高密度光ディスクと表現することがある。)も実用化されてきている。
このような光記録媒体の記録再生を行うにあたっては、光記録媒体に光ビームを照射して情報の記録や情報の読取りを可能とする光ピックアップ装置が用いられるが、光記録媒体の種類によって、光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの開口数(NA)や光源の波長が異なってくる。これは、光記録媒体の記録密度が光記録媒体上に集光される光ビームのスポット径によって決まることに関係し、高密度記録を狙ってスポット径を小さくしようとすると、NAを大きくして波長を短くする必要がある。
このNAと光源の波長についてCD、DVD及びBDを例にして示すと、例えば、CDに対しては、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nm、DVDに対しては、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が650nm、BDに対しては、対物レンズのNAが0.85、光源の波長が405nm、が用いられる。
このように光記録媒体の種類によって、用いられる対物レンズのNAや光源の波長が異なるために、光記録媒体毎に異なる光ピックアップ装置を用いることも考えられるが、1つの光ピックアップ装置で複数種類の光記録媒体について情報の読取り等が行える方が便利であり、複数種類の光記録媒体を互換する光ピックアップ装置が多く開発されている。そして、このような光ピックアップ装置の中には、組立て性や装置の小型化等を考慮して、光源から出射された光ビームを光記録媒体に集光する対物レンズを1つのみとする光ピックアップ装置もある。
ところで、光ピックアップ装置に配置する対物レンズを1つとして、複数種類の光記録媒体に対応しようとすると、光記録媒体の種類によって記録層を保護する透明カバー層の厚みが異なるために、光ピックアップ装置の光学系において球面収差が発生する。このため、従来、光ピックアップ装置の中に球面収差を補正することが可能な球面収差補正素子を配置したり、対物レンズに光源から出射された光ビームを発散光や収束光として入射させる有限系の構成を導入したりすることによって球面収差の補正を行っている。
例えば、特許文献1では、高密度光ディスク、DVD、CDに対応する光ピックアップ装置において、対物レンズを高密度光ディスクに適すべく設計し、DVD用の光ビームの位相だけを補正して高密度光ディスク用及びCD用の光ビームを位相変化なしに進める第1位相補正器と、CD用の光ビームの位相だけを補正して高密度光ディスク用及びDVD用の光ビームを位相変化なしに進める第2位相補正器と、を備えるようにし、単一の対物レンズで3種類の光ディスクを互換して記録及び/または再生できる光ピックアップ装置を提案している。なお、ここでは第1及び第2位相補正器が上述の球面収差補正素子に対応する。
また、特許文献2では、高密度光ディスク、DVD、CDに対応する光ピックアップ装置において、高密度光ディスクに対し、無限系入射により球面収差の波面が最小になるように設計された対物レンズと、矩形溝の高さ及び硝種を選択して波長407nm(高密度光ディスク用)、波長780nm(CD用)では不感帯をもつ波長選択性により不要な作用はせずに、波長660nm(DVD用)の位相補正が十分確保される位相補正素子(球面収差補正素子)と、を備えるようにし、波長780nmの対物レンズへの入射光束をカップリングレンズによって所定の発散状態の光束に変換することによって球面収差を変化させる有限系入射の構成とすることにより、単一の対物レンズで3種類の光ディスクを互換する光ピックアップ装置を提案している。
また、特許文献3や特許文献4では、高密度光ディスク、DVD、CDに対応する光ピックアップ装置において、対物レンズの前に配置される開口制限機能を有する素子の表面に、回折格子として機能する構造を形成し、この素子を通過する複数の波長の光ビームについて回折光を生じさせることによって球面収差の補正を可能とし、これを利用して単一の対物レンズで3種類の光ディスクを互換できる光ピックアップ装置を提供できるとしている。なお、特許文献5においては、2種類の光記録媒体に対応する光ヘッド装置についてであるが、光路中に液晶ホログラムを配置し、液晶ホログラムの回折機能を利用して光の利用効率を向上して球面収差の補正ができる技術が紹介されている。
特開2003−207714号公報
特開2004−246931号公報
特開2006−73076号公報
特開2005−322301号公報
特開平10−92000号公報
しかしながら、特許文献1に示される構成では、対物レンズが大きな開口数を必要とする高密度光ディスクに適すべく設計され、各光源から出射する光ビームが対物レンズに平行光の状態で入射する無限系入射であるために、透明カバー層の厚みが厚く、記録層までの焦点距離が一番遠くなるCDを再生等する場合において、図9に示すように対物レンズの先端と光記録媒体との距離であるワーキングディスタンスWD3が極めて短くなり(WD1>WD2>WD3)、光記録媒体と対物レンズが衝突する可能性が高くなるという問題がある。
この点、特許文献2に示されるように、波長780nmのCD用の光ビームについて、光源の近傍であって異なる波長を有する3種類の光ビームの共通光学系外に配置されるカップリングレンズの調整によって、対物レンズに発散光を入射する有限系入射の構成とすると、CDを再生等する場合のWDが拡大するが、この場合には、例えばトラッキング制御等のために対物レンズをシフト(以下、単にレンズシフトと記載することがある。)させた場合に、コマ収差の発生が大きくなって光ピックアップ装置による情報の読取り等の品質が劣化するといった問題がある。
また、特許文献3や4に示されるような、回折格子が形成された透明部材から成る素子を対物レンズの手前に配置して、レンズシフトの際に対物レンズと一体で動くように形成すれば、前述のコマ収差発生の問題、及びCDを再生等する場合にWDが非常に短くなるといった問題を解消しつつ、各光記録媒体に対して球面収差の問題を解消することも可能となる。しかし、透明部材に回折格子を形成し、それを光ピックアップ装置の光学系に配置する場合には、本来、その部分において回折されることなくそのまま透過するように設定された波長の光ビームについても、その部分を通過する際に透過率が低下するといった問題がある。このため、光ピックアップ装置の光伝達効率について問題が発生する。
また、特許文献5に示されるような液晶ホログラムを用いれば、光伝達効率を向上して球面収差の補正をすることが可能であるが、特許文献5の構成は2種類の光記録媒体に対応するものであり、3種類の光記録媒体に対応しようとする場合には、液晶ホログラムを複数配置する必要があるために、部品点数が増加するといった問題がある。
以上の問題点を鑑みて、本発明の目的は、3種類の光記録媒体に対して互換性を有する光ピックアップ装置において、光伝達効率を向上し、光学系に配置される部品点数の増加を抑制し、対物レンズと光記録媒体との衝突の可能性を低減する光ピックアップ装置を提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、波長λ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)の光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に配置されて球面収差の補正を行う球面収差補正部と、前記対物レンズを少なくともフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するアクチュエータと、を備える光ピックアップ装置において、前記対物レンズは、波長λ3の光ビームが無限系入射した場合に球面収差が最小となるように設計され、前記球面収差補正部は、波長λ1及び波長λ3の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第1収差補正素子と、波長λ2の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第2収差補正素子と、から成り、前記対物レンズ、前記第1収差補正素子、及び前記第2収差補正素子は、前記アクチュエータによって一体的に駆動され、前記第1収差補正素子は、液晶と該液晶を挟む第1及び第2透明電極とを有する液晶素子から成り、前記第1透明電極は、パターン形成されることなく1つの電極から成って共通電極として機能し、前記第2透明電極に形成する電極パターンを2種類とすることにより、前記第1収差補正素子には、異なる機能を発揮する第1領域と該第1領域を取り囲むように配置される第2領域とが形成され、前記第1領域においては、前記電極パターンは同心状の干渉パターンとなっており、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に電圧が印加された場合に、波長λ1の光ビームが回折されて所定の発散角を有する発散光として射出され、前記第2領域においては、前記電極パターンは同心円状の複数の領域を有するように形成されて、前記複数の領域の各々で前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に印加する印加電圧の調整が可能となっており、前記印加電圧の調整により波長λ3の光ビームの位相分布が変化され、前記第2収差補正素子は、透明部材の厚みを階段状に変化させて成る複数の位相シフト領域を有して、波長λ2の光ビームの位相分布を変化し、波長λ1及びλ3の光ビームについては位相分布を変化しないように形成され、前記第2収差補正素子の外周側には、波長λ2の光ビームについて選択的に開口制限を行う開口制限機能が設けられることを特徴としている。
また、上記目的を達成するために本発明は、波長λ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)の光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に配置されて球面収差の補正を行う球面収差補正部と、を備える光ピックアップ装置において、前記球面収差補正部は、波長λ1及び波長λ3の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第1収差補正素子と、波長λ2の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第2収差補正素子と、から成り、前記第1収差補正素子は、波長λ1の光ビームを所定の発散角を有する発散光として射出する第1領域と、前記第1領域を取り囲むように形成されて、波長λ3の光ビームが入射した際に該第2光ビームの位相分布を変化させる第2領域と、を有し、前記第1領域及び前記第2領域が発揮する機能を電気的にオンオフ制御できることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記第1収差補正素子は、液晶と該液晶を挟む第1及び第2透明電極とを有する液晶素子から成り、前記第1及び第2透明電極の少なくとも一方に形成する電極パターンを2種類のパターンとすることにより、前記第1領域と前記第2領域とが形成され、前記第1領域においては、前記電極パターンは同心状の干渉パターンとなっており、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に電圧が印加された場合に、波長λ1の光ビームが回折されて前記発散光として射出され、前記第2領域においては、前記電極パターンは同心円状の複数の領域を有するように形成されて、前記複数の領域の各々で前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に印加する印加電圧の調整が可能となっており、前記印加電圧の調整により波長λ3の光ビームの位相分布が変化されることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記第2収差補正素子は、複数の位相シフト領域を有して波長λ2の光ビームの位相分布を変化し、波長λ1及びλ3の光ビームについては位相分布を変化しないことを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記第2収差補正素子は透明部材から成って、前記複数の位相シフト領域は前記透明部材の厚みを階段状に変化させて成ることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記第2収差補正素子の外周側には、波長λ2の光ビームについて選択的に開口制限を行う開口制限機能が設けられることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記対物レンズを少なくともフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するアクチュエータが備えられ、前記アクチュエータは、前記対物レンズ、前記第1収差補正素子、及び前記第2収差補正素子を一体的に駆動することを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、第1収差補正素子は、液晶素子であって収差補正機能を電気的にオンオフ制御できる構成であるために、光の透過率の不要な減少を抑制でき、光ピックアップ装置における光の伝達効率の向上を可能とする。また、第1収差補正素子は波長の異なる2種類の光ビームに対して球面収差の補正が可能であり、光ピックアップ装置の光学系に配置される部品点数の増加を抑制可能である。
また、第1収差補正素子に設けられる2つの球面収差補正領域のうち、内側の領域における球面収差の補正方法は、対物レンズに所定の発散角を有する発散光を入射して球面収差を打ち消すものであるために、例えば、BD/DVD/CDの互換性を有する光ピックアップ装置において、その有効径が最も小さく、焦点位置が遠くに設定されるCDの記録再生をする場合に、対物レンズの先端と光記録媒体との距離であるワーキングディスタンス(WD)を、光ビームの位相分布を変化させることによって球面収差の補正を行う場合に比べて拡大できる。このため、対物レンズと光記録媒体の衝突の可能性を低減することが可能となる。
また、対物レンズ、第1収差補正素子、及び第2収差補正素子が、アクチュエータによって一体的に駆動できるために、コマ収差の発生を抑制しやすい。また、第2収差補正素子には、開口制限フィルタが設けられているために、別途開口制限フィルタを設ける必要がないので光ピックアップ装置の光学系の構成が容易となる。
また、本発明の第2の構成によれば、第1収差補正素子は、収差補正機能を電気的にオンオフ制御できる構成であるために、光の透過率の不要な減少を抑制することができ、光ピックアップ装置における光の伝達効率の向上を可能とする。また、第1収差補正素子は波長の異なる2種類の光ビームに対して球面収差の補正が可能であり、光ピックアップ装置の光学系に配置される部品点数の増加を抑制可能となる。
更に、第1収差補正素子に設けられる2つの球面収差補正領域のうち、内側の領域における球面収差の補正方法は、対物レンズに所定の角度を有する発散光を入射して球面収差を打ち消すものであるために、例えば、BD/DVD/CDの互換性を有する光ピックアップにおいて、その有効径が最も小さく、焦点位置が遠くに設定されるCDの記録再生をする場合に、対物レンズの先端と光記録媒体との距離であるワーキングディスタンス(WD)を、光ビームの位相分布を変化させることによって球面収差の補正を行う場合に比べて拡大できる。このため、対物レンズと光記録媒体の衝突の可能性を低減することが可能となる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の光ピックアップ装置において、第1収差補正素子が液晶素子であるために、収差補正機能を電気的にオンオフ制御できる第1収差補正素子を容易に実現できる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2又は第3の構成の光ピックアップ装置において、第2収差補正素子による波長λ2の光ビームに発生する球面収差の補正が位相分布を変化させることによるものであるので、回折によって球面収差補正を補正する構成を採用する場合に比べ、第2収差補正素子での光の透過率の低下を極力防ぐことができる。このため、光ピックアップ装置における光伝達効率を向上できる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の光ピックアップ装置において、例えば位相シフト領域を液晶で形成する場合に比べて、第2収差補正素子の重量を軽量とでき、更に配線が不要であるために光ピックアップ装置への組付けが容易である。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第2から第5のうちのいずれかの構成の光ピックアップ装置において、別途開口制限フィルタを設ける必要がないので光ピックアップ装置の光学系の構成が容易となる。
また、本発明の第7の構成によれば、上記第2から第6のうちのいずれかの構成の光ピックアップ装置において、対物レンズ、第1収差補正素子、及び第2収差補正素子が、アクチュエータによって一体的に駆動できるために、コマ収差の発生を抑制しやすい。
以下において、本発明の内容について図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。図1は本発明の光ピックアップ装置の実施形態の光学系を示した概略図である。本実施形態の光ピックアップ装置1は、BD/DVD/CDを互換可能に設けられている。
光ピックアップ装置1は、CD用の780nm帯の光ビームとDVD用の650nm帯の光ビームとを出射できる2波長一体型の第1光源2と、BD用の405nm帯の光ビームを出射できる第2光源3と、それぞれ光源2、3から出射された光ビームを反射すると共に、光記録媒体15(CD、DVD又はBD)からの反射光を透過して光検出器13、14へと導く第1ビームスプリッタ4及び第2ビームスプリッタ5と、入射する光ビームを平行光に変換する第1コリメートレンズ6及び第2コリメートレンズ7と、CD、DVD用の光ビームは反射して、BD用の光ビームは透過するダイクロプリズム8と、その詳細な構成は後述するがDVD用の光ビームについて位相分布を変化させ球面収差の補正を可能とするとともに、CD及びBD用の光ビームについては作用せず透過させる位相シフト素子9(第2収差補正素子)と、その詳細な構成は後述するが、その機能のオンオフ制御によってCD及びBD用の光ビームについて球面収差の補正を行うとともに、DVD用の光ビームについては作用しない球面収差補正素子100(第1収差補正素子)と、入射した光ビームを光記録媒体15の記録面15aに集光させる対物レンズ11と、CD/DVD(光記録媒体)15からの反射光を受光して電気信号へと変換する第1光検出器13と、BD(光記録媒体)15からの反射光を受光して電気信号へと変換する第2光検出器14と、を備える。
本実施形態の光ピックアップ装置1においては、対物レンズ11はBDの情報の読取り等を行う場合に最適に設計されている。この場合、光記録媒体15の透明カバー層15bの厚みが異なるDVD/CDの情報の読取り等を行う場合に球面収差が発生する。そこで、光ピックアップ装置1においてはDVD/CDの情報の読取り時等に球面収差の補正を行えるようにする必要がある。また、BDについては、透明カバー層15bの厚みのばらつき等によって発生する球面収差の影響が大きいために、球面収差の補正値を適宜変更できる構成が好ましい。この点を考慮して、光ピックアップ装置1は設計されている。
なお、本実施形態では対物レンズ11をBDの情報の読取り等を行う場合に最適に設計に対しているが、このように構成しない場合においても、本実施形態と同様にBD/DVD/CDの球面収差の補正が必要な場合があり、必ずしも対物レンズ11の設計は本実施形態の構成に限定される趣旨ではない。
対物レンズ11と球面収差補正素子100と位相シフト素子9とは、対物レンズ11を少なくともフォーカス方向とトラッキング方向に駆動するアクチュエータ12に搭載されて一体的に駆動可能となっている。このようなアクチュエータ12の構成は、永久磁石とコイルとの電磁力を用いて駆動する公知の構成であるために、ここではその詳細な説明は省略する。なお、これらを一体的に駆動する理由は、対物レンズ11のみを単独で駆動する構成とした場合にはコマ収差の発生が大きくなる可能性があるために、コマ収差の影響を低減するためである。
次に、位相シフト素子9について、図2を参照しながら説明する。なお、図2は、位相シフト素子9の構成を示す概略図で、図2(a)は位相シフト素子9の構成を示す概略平面図、図2(b)は図2(a)のB−B位置での断面図である。
図2(a)に示すように位相シフト素子9においては、同心円状に複数の位相シフト領域が形成されている。この複数の位相シフト領域は、図2(b)に示すように、透明基板16に階段状の段差を設けて成り、それぞれで透明基板16の厚みが調整されている。このため、位相シフト素子9を通過する光ビームは、各位相シフト領域で透明基板16の通過時間に差が生じるために、位相分布に変化を生じることとなる。
この位相シフト素子9の各位相シフト領域のパターン(その横幅と透明基板16の厚み)は、予めDVD用の光ビームについて生じる球面収差量を調べておき、これを補正できるように形成すれば良い。なお、BD及びCD用の光ビームが位相シフト素子9を通過する際には、その光ビームの位相分布に変化が生じては都合が悪いために、例えば、隣接した位相シフト領域の間で生じる位相シフト量が各光ビームの波長の略整数倍となるように調整している。以上のように形成することで、位相シフト素子9は、DVD用の光ビームのみ位相分布の変化を生じ、BD及びCD用の光ビームに対して作用しない。
また、位相シフト素子9には、位相シフト領域が形成されない外周側でDVD用の光ビームについて開口制限が行えるように、開口制限部17が設けられている。この開口制限部17は、例えばBD用の光ビームを透過し、DVD用の光ビームを反射するダイクロイックミラーを取り付ける構成や、DVD用の光ビームのみを回折し、BD用の光ビームを透過する回折領域を形成する等によって実現される。なお、CD用の光ビームは開口制限されても、されなくても構わない。
また、本実施形態では位相シフト素子9に開口制限部17を設ける構成としているが、開口制限用のフィルタを位相シフト素子9とは別個に設ける構成等としても、もちろん構わない。
次に、球面収差補正素子100について説明する。図3は、本実施形態の球面収差補正素子100の構成を示す断面図である。また、図4は、本実施形態の球面収差補正素子100の構成を示す平面図で、図4(a)は図3の下側から見た場合の図で、図4(b)は図3の上側から見た場合の図である。なお、後述するように本実施形態の球面収差補正素子100はその機能が異なる第1領域と第2領域の2つの領域を有するが、図3及び図4においては、第1領域における第2透明電極102bのパターンはその詳細を省略した形で示している。
図3及び図4に示されるように、本実施形態の球面収差補正素子100は、液晶101と、液晶101を挟むように配置される第1透明電極102a及び第2透明電極102bと、液晶101と透明電極102a、102bとで形成される部分を挟むように配置される2枚の透明基板103と、を備える。液晶101は、例えばネマティック液晶等から成っており、透明電極102a、102bに電圧を印加するとその配向方向が変化する。透明電極102a、102bは、例えばITO(酸化インジウムスズ)から成って、液晶101に電圧を印加する役割を果たす。透明基板103は、例えばガラス等で形成されて、透明電極102a、102bを支持する役割を果たす。
透明電極102a、102bのうち、第1透明電極102aは、図4(a)に示されるように、特にパターン形成されることなく1つの電極から成って共通電極として機能する。一方、第2透明電極102bは、その詳細は後述するが2種類の電極パターンを有しており、このことにより、球面収差補正素子100には、それぞれ異なる機能を発揮する第1領域と第2領域とが形成される。
以下、第1領域及び第2領域に分けて球面収差補正素子100の構成及び作用について説明する。まず、第1領域について図5を参照しながら説明する。なお、図5は、本実施形態における球面収差補正素子100の第1領域の構成を示す図で、図5(a)は第2透明電極102b側から第1領域を見た平面図で、図5(b)は図5(a)におけるA−A位置での断面図である。
図5(a)に示すように、第1領域に配置される第2透明電極102bの電極パターンは同心状の干渉パターンとなっている。そして、液晶101は、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間に電圧が印加されていない時には、第1領域の全ての領域で一様な屈折率(n0)を有し、且つ通過する光ビームに対して作用しないように配向されている。
このため、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間に電圧が印加されていない場合は、光ビームは第1領域によって作用を受けることなく透過する。一方、両者の間に電圧を印加すると、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間の液晶101(図3(b)参照)は配向方向が変化し、その位置における屈折率が変化する(n0→n1)。従って、第1領域には、屈折率がn0である部分と屈折率n1である部分が同心円状に交互に形成されることとなり、第1領域に入射する光ビームを図6に示すように回折して発散光(例えば+1次光)を生じることが可能となる。
なお、図6は、本実施形態の球面収差補正素子100に入射した光ビームが回折されて発散光となって出射する様子を示した模式図である。また、その詳細な構成は図示しないが、第1領域の第2透明電極102bは全て等電位となっており、球面収差補正素子100用の駆動回路(図示せず)に一本の配線で接続されている。また、共通電極として機能する第1透明電極102aも1本の配線によって、前述の駆動回路と接続されている。
第1領域における第2透明電極102bの同心状の干渉パターンは、CDに使用される光ビームが入射した場合に所定の発散角α(図4参照)を有する発散光を出射するように形成されて、これにより、CD用の光ビームに発生する球面収差を補正することが可能となっている。
このような第2透明電極102bの同心状の干渉パターンは、例えば、光ピックアップ装置1の第1光源2から出射されて球面収差補正素子100に入射されるCD用の光ビームと、球面収差補正素子100で所定の発散角αを有する発散光として出射された後に対物レンズ11によって光記録媒体(CD)15に集光され、その後光記録媒体15で反射されて対物レンズ11を通って球面収差補正素子100に収束して入射する収束光と、が透明基板103の第2透明電極102bが形成される面上で干渉して作るパターンと同じであり、この点を考慮して干渉パターンが形成される。
次に、球面収差補正素子100の第2領域について、図3、図4及び図7を参照しながら説明する。なお、図7は、球面収差補正素子100の第2領域を用いて行う球面収差補正を説明するために説明図で、その詳細は後述する。
図4(b)に示すように、第2領域は第1領域を取り囲むように形成される。第2領域においては、第2透明電極102bの電極パターンは、同心円状の複数の領域を有するように形成される。この同心円状の領域のそれぞれは、接触しないようになっている(図4(b)における黒い円の部分が接触しないように設けられてできる隙間に相当する)。また、この複数の領域には、それぞれ別々に配線104が接続されており、複数の領域それぞれについて独立に電位を与えることができるようになっている。なお、配線104は、図示しない球面収差補正素子100用の駆動回路と接続されている。また、複数の領域にうちで、常に同一の電位を与えればよい領域がある場合には、その常に同一の電位を与える領域同士について配線104を一本に纏めて、前述の駆動回路と接続する構成等としても構わない。
第2領域においても第1領域の場合と同様に、液晶101は、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間に電圧が印加されていない時には、第2領域の全ての領域で一様な屈折率(n0)を有し、且つ通過する光ビームに対して作用しないように配向されている。このため、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間に電圧が印加されていない場合は、光ビームは第2領域によって作用を受けることなく透過する。一方、両者の間に電圧を印加すると、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間の液晶101(図3参照)は配向方向が変化し、その位置における屈折率が変化する。
第2領域においては、上述のように第2透明電極102bが同心円状の複数の領域を有するように形成されて、それぞれの領域(同心円状の領域)で独立に電位を与えることが可能となっているために、同心円状の領域のそれぞれで、第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間に印加される電圧を調整することができ、各領域(同心円状の領域)で液晶102が有する屈折率を制御することが可能となる。
図7(a)は、BDを光ピックアップ装置で再生する場合に、BD用の光ビームに発生する球面収差(実線)を示している。図に示すように、球面収差は光軸から離れた外周側で大きくなる。このため、主に外周側に発生する大きな球面収差を補正すれば、球面収差の発生により再生品質の劣化を抑制することが可能となる。従って、第2領域に第2透明電極102bのパターンとして形成される同心円状の複数の領域は、外周側において大きくなる球面収差を補正できるように、その領域数及びその面積を決定すれば良い。
そして、上記のように領域数及び面積が決定された同心円状の複数の領域を用い、各領域に印加する印加電圧を調整してBD用の光ビームに発生する球面収差を補正する場合の位相シフトパターンが、図7(a)に一点鎖線で示されるパターンである。なお、第1領域においては第1透明電極102aと第2透明電極102bとの間には電圧が印加されていない。また、正確には、同心円状の複数の領域に発生させる位相シフトパターンは、図7(a)に示すパターンと絶対値が同一であって、負の値を発生する必要があるが、図7(a)においては便宜上、負の値としていない。
図7(b)は図7(a)の球面収差(実線)から位相シフトパターン(一点鎖線)を差し引いた結果を示している。この図からわかるように、BD用の光ビームは、第2領域に相当する部分で位相分布を変化させるように補正すれば、球面収差が補正できることがわかる。
なお、第1領域と第2領域との大きさは、各領域で球面収差の補正を行う光ビームの有効径や対物レンズの設計によって様々変わる球面収差の発生状況等を考慮して適宜決定される。
また、本実施形態の球面収差補正素子100においては、透明電極102a、102bに電圧を印加した場合に第1領域と第2領域において球面収差補正機能が発揮される構成としているが、これに限定されず、透明電極102a、102bに電圧を印加していない場合に球面収差の補正ができ、透明電極102a、102bに電圧を印加すると球面収差補正機能を発揮しない構成等としても構わない。
また、本実施形態では、第1透明電極102aを共通電極としているが、第1透明電極102aを第2透明電極102bと同一の電極パターンを有する構成としても構わない。この場合においても、上記と同様の効果を得ることが可能である。
以上のように構成される光ピックアップ装置1で、BD、DVD、CDの情報の読取り等を行う場合の動作について、主に図1及び図8を参照しながら説明する。なお、図8は光記録媒体15に光ビームが集光する場合の様子を示す図で、図8(a)は光記録媒体15がBDの場合、図8(b)は光記録媒体15がDVDの場合、図8(c)は光記録媒体15がCDの場合を示す。
BD用の光ビームが第2光源3から出射された場合には、第2ビームスプリッタ5、第2コリメートレンズ7、ダイクロプリズム8の順に通過し、図8(a)に示すように平行光が位相シフト素子9に入射する。なお、位相シフト素子9に入射する光ビームは、アクチュエータ12の図示しないベース基板に設けられる開口によって開口制限される。
上述のように、位相シフト素子9は、BD用の光ビームに作用しない構成とされているために、位相シフト素子9を透過し、球面収差補正素子100に入射する。球面収差補正素子100は、BD用の光ビームが入射する場合には、第1領域においては透明電極102a、102bの間に電圧を印加せず、第2領域においてのみ透明電極102a、102bに所定の電圧を印加する。これにより、第1領域の回折機能がオフされた状態となり、第2領域の位相分布を制御する機能のみがオンされた状態となる。従って、BD用の光ビームについて位相分布を変化させて球面収差の補正を行うことが可能となる。
球面収差補正素子100によって位相分布が変化された光ビームは対物レンズ11によって光記録媒体(BD)15に集光される。光記録媒体15で反射された光ビームは、往路と同一の光路を通って第2ビームスプリッタ5に入射し、第2ビームスプリッタ5を透過して第2光検出器14に集光する。
なお、以上においては、BD用の光ビームが球面収差補正素子100に入射した場合には第1領域の機能をオフする構成としているが、場合によっては第1領域をオンした状態でBD用の光ビームに発生する球面収差の補正を行う構成としても構わない。
DVD用の光ビームが第1光源2から出射された場合には、第1ビームスプリッタ4、第1コリメートレンズ6、ダイクロプリズム8の順に通過し、図8(b)に示すように平行光が位相シフト素子9に入射する。なお、位相シフト素子9に入射する光ビームは、アクチュエータ12の図示しないベース基板に設けられる開口によって開口制限される。
上述のように、位相シフト素子9にはDVD用の光ビームに発生する球面収差を補正できるように、複数の位相シフト領域が形成されており、DVD用の光ビームは位相補正される。また、位相シフト素子9には、DVD用の光ビームを開口制限する開口制限部17が形成されているために、開口制限部17に対応してDVD用の光ビームは開口制限される。
位相シフト素子9によって位相補正及び開口制限された光ビームは、球面収差補正素子100に入射するが、DVD用の光ビームが入射される場合には球面収差補正素子100の第1領域及び第2領域の機能はオフ(透明電極102a、102b間に電圧が印加されない状態)されているために、作用を受けずに透過する。すなわち、DVD用の光ビームは、球面収差補正素子100によって光の透過率をほとんど低減されない。
球面収差補正素子100を透過した光ビームは、対物レンズ11によって光記録媒体(DVD)15に集光される。光記録媒体15で反射された光ビームは、往路と同一の光路を通って第1ビームスプリッタ4に入射し、第1ビームスプリッタ4を透過して第1光検出器13に集光する。
CD用の光ビームが第1光源2から出射された場合には、第1ビームスプリッタ4、第1コリメートレンズ6、ダイクロプリズム8の順に通過し、図8(c)に示すように平行光が位相シフト素子9に入射する。なお、位相シフト素子9に入射する光ビームは、アクチュエータ12の図示しないベース基板に設けられる開口によって開口制限される。
上述のように、位相シフト素子9は、CD用の光ビームに作用しない構成とされているために、位相シフト素子9を透過し、球面収差補正素子100に入射する。球面収差補正素子100は、CD用の光ビームが入射する場合には、第2領域においては透明電極102a、102bの間に電圧を印加せず、第1領域においてのみ透明電極102a、102bに所定の電圧を印加する。これにより、第2領域の位相シフト機能がオフされた状態となり、第1領域の回折機能のみがオンされた状態となる。従って、CD用の光ビームは、球面収差補正素子100を通過することにより、所定の発散角αを有する発散光となり、対物レンズ11を通過して光記録媒体(CD)15に至った場合に発生する球面収差を打ち消すことができる。光記録媒体15で反射された光ビームは、往路と同一の光路を通って第1ビームスプリッタ4に入射し、第1ビームスプリッタ4を透過して第1光検出器13に集光する。
このように対物レンズ11に入射する光ビームを発散光とすることによって球面収差を補正する構成とした場合、対物レンズ11の先端と光記録媒体15との距離であるワーキングディスタンスWD4(図8(c)参照)を、従来のように光ビームの位相分布を変化させることによって球面収差の補正を行う場合に比べて拡大することができる(WD4>WD3;図8(c)及び図9(c)参照)。従って、対物レンズ11と光記録媒体15との衝突の可能性を低減することが可能となる。
なお、以上に示した光ピックアップ装置1では、CD用の光ビームに対して、CDの使用開口数に適した開口制限を行う構成としていない。この場合、光ビームの外周側の成分はフレア成分となって広がり焦点を結ばない。しかし、このような状況となってもCDの再生等の品質を十分確保できるために、部品点数の増加等を考慮して特に開口制限を設けない構成としている。このため、CD用の光ビームの開口制限を行う素子を別途設けても、もちろん構わない。なお、図8(c)においては有効径に相当する部分の光ビームのみを便宜的に描いている。
以上に示すように、本実施形態の光ピックアップ装置1においては、球面収差補正素子100がその機能をオンオフ制御できるために光ピックアップ装置1の光伝達効率を向上できる。また、光記録媒体15と対物レンズ11の衝突の可能性を低減することもできる。さらに、球面収差補正素子100が2種類の光ビームについて球面収差の補正が可能であるために、球面収差の補正を行うために必要となる部材の数を低減する効果も有する。
なお、以上に示した光ピックアップ装置1においては、位相シフト素子9に入射するDVD及びCD用の光ビームを平行光とする構成としたが、例えば第1コリメートレンズ6の位置調整により発散光等として入射する構成としても構わない。なお、この場合にはコマ収差の発生の可能性があるため、発散角に注意が必要となり、場合によってはアクチュエータ12にチルト補正機能を設ける等して対応することも考えられる。
また、以上に示した光ピックアップ装置1においては、DVD用の光ビームについて位相シフト素子9を用いて球面収差を補正する構成としているが、DVD用の球面収差を行う素子(第2収差補正素子)の構成は、これに限定される趣旨ではない。すなわち、例えば、図10に示すような、透明電極202の一方を同心円状の複数の領域を有する電極パターンとし、各領域に印加する電圧を調整することで液晶201の配向を調整して、通過する光ビームの位相分布を調整する液晶素子200を用いる構成等としても構わない。なお、図10は、第2収差補正素子の変形例を示す図で、図10(a)は液晶素子200の概略断面図、図10(b)は電極パターンが形成された透明電極202の平面図である。また、位相シフト素子9の代わりに、エキスパンダレンズ(その構成は公知であるため、詳細な構成は省略する)等としても構わない。ただし、エキスパンダレンズとする場合には、対物レンズ11と一体に駆動するのが難しく、コマ収差の問題が発生することも考えられるために、この場合には、例えばアクチュエータ12にチルト補正機能を設ける等して対応しても良い。
その他、以上においては、BD/DVD/CDを互換可能な光ピックアップ装置について説明したが、光ピックアップ装置が互換可能な光記録媒体の種類がここに示すもの以外の場合にも、もちろん本発明は適用可能である。
本発明の光ピックアップ装置は、複数種類の光記録媒体に対応可能であって、光伝達効率の向上、部品点数の抑制、及び光記録媒体と対物レンズの衝突確率の低減を達成しつつ、球面収差の補正も的確に行えるために非常に有用である。
1 光ピックアップ装置
2 第1光源
3 第2光源
9 位相シフト素子(第2収差補正素子)
11 対物レンズ
12 アクチュエータ
15 光記録媒体
15a 記録面
16 透明基板(透明部材)
17 開口制限部
100 球面収差補正素子(第1収差補正素子)
101 液晶
102a 第1透明電極
102b 第2透明電極
2 第1光源
3 第2光源
9 位相シフト素子(第2収差補正素子)
11 対物レンズ
12 アクチュエータ
15 光記録媒体
15a 記録面
16 透明基板(透明部材)
17 開口制限部
100 球面収差補正素子(第1収差補正素子)
101 液晶
102a 第1透明電極
102b 第2透明電極
Claims (7)
- 波長λ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)の光ビームを出射する光源と、
前記光源から出射された光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、
前記光源と前記対物レンズとの間に配置されて球面収差の補正を行う球面収差補正部と、
前記対物レンズを少なくともフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するアクチュエータと、
を備える光ピックアップ装置において、
前記対物レンズは、波長λ3の光ビームが無限系入射した場合に球面収差が最小となるように設計され、
前記球面収差補正部は、波長λ1及び波長λ3の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第1収差補正素子と、波長λ2の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第2収差補正素子と、から成り、
前記対物レンズ、前記第1収差補正素子、及び前記第2収差補正素子は、前記アクチュエータによって一体的に駆動され、
前記第1収差補正素子は、液晶と該液晶を挟む第1及び第2透明電極とを有する液晶素子から成り、
前記第1透明電極は、パターン形成されることなく1つの電極から成って共通電極として機能し、
前記第2透明電極に形成する電極パターンを2種類とすることにより、前記第1収差補正素子には、異なる機能を発揮する第1領域と該第1領域を取り囲むように配置される第2領域とが形成され、
前記第1領域においては、前記電極パターンは同心状の干渉パターンとなっており、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に電圧が印加された場合に、波長λ1の光ビームが回折されて所定の発散角を有する発散光として射出され、
前記第2領域においては、前記電極パターンは同心円状の複数の領域を有するように形成されて、前記複数の領域の各々で前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に印加する印加電圧の調整が可能となっており、前記印加電圧の調整により波長λ3の光ビームの位相分布が変化され、
前記第2収差補正素子は、透明部材の厚みを階段状に変化させて成る複数の位相シフト領域を有して、波長λ2の光ビームの位相分布を変化し、波長λ1及びλ3の光ビームについては位相分布を変化しないように形成され、
前記第2収差補正素子の外周側には、波長λ2の光ビームについて選択的に開口制限を行う開口制限機能が設けられることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 波長λ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)の光ビームを出射する光源と、
前記光源から出射された光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、
前記光源と前記対物レンズとの間に配置されて球面収差の補正を行う球面収差補正部と、
を備える光ピックアップ装置において、
前記球面収差補正部は、波長λ1及び波長λ3の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第1収差補正素子と、波長λ2の光ビームについて発生する球面収差の補正を行う第2収差補正素子と、から成り、
前記第1収差補正素子は、波長λ1の光ビームを所定の発散角を有する発散光として射出する第1領域と、前記第1領域を取り囲むように形成されて、波長λ3の光ビームが入射した際に該第2光ビームの位相分布を変化させる第2領域と、を有し、前記第1領域及び前記第2領域が発揮する機能を電気的にオンオフ制御できることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記第1収差補正素子は、液晶と該液晶を挟む第1及び第2透明電極とを有する液晶素子から成り、
前記第1及び第2透明電極の少なくとも一方に形成する電極パターンを2種類のパターンとすることにより、前記第1領域と前記第2領域とが形成され、
前記第1領域においては、前記電極パターンは同心状の干渉パターンとなっており、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に電圧が印加された場合に、波長λ1の光ビームが回折されて前記発散光として射出され、
前記第2領域においては、前記電極パターンは同心円状の複数の領域を有するように形成されて、前記複数の領域の各々で前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に印加する印加電圧の調整が可能となっており、前記印加電圧の調整により波長λ3の光ビームの位相分布が変化されることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。 - 前記第2収差補正素子は、複数の位相シフト領域を有して波長λ2の光ビームの位相分布を変化し、波長λ1及びλ3の光ビームについては位相分布を変化しないことを特徴とする請求項2又は3に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第2収差補正素子は透明部材から成って、前記複数の位相シフト領域は前記透明部材の厚みを階段状に変化させて成ることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第2収差補正素子の外周側には、波長λ2の光ビームについて選択的に開口制限を行う開口制限機能が設けられることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記対物レンズを少なくともフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するアクチュエータが備えられ、
前記アクチュエータは、前記対物レンズ、前記第1収差補正素子、及び前記第2収差補正素子を一体的に駆動することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
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