JP2005067471A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビード部の耐久性を高める。
【解決手段】 カーカスプライ6Aが、トロイド状の本体部6aと、ビードコア5の回りを軸方向内側から外側に折り返されしかもビードコア5の半径方向外側を軸方向内側にのび本体部6aの手前で終端する外端6beを有した折返し部6bとを具える。折返し部6bとビードコアの外面5oと本体部6aとが囲む断面略三角形状の領域にクッションゴム10が満たされる。該クッションゴム10は、高さhが3〜12mm、かつ、70℃における複素弾性率E*1が3〜13MPaのゴム組成物からなる。リムと接する領域に配されたビードベースゴム11は、70℃における複素弾性率E*2が11〜30MPaでしかも損失正接tanδが0.1〜0.7のゴム組成物からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビード部の耐久性を高め得る重荷重用空気入りタイヤに関する。
例えば、一般的な重荷重用の空気入りタイヤでは、図3に示すように、スチールコード等をトッピングゴムで被覆した少なくとも1枚のカーカスプライaが一対のビードコアb、b間に架け渡される(なお図では片側のビード部のみを示すが、もう一方のビード部も左右対称に構成される。)。カーカスプライaは、トレッド部からサイドウォール部を経てビードコアbに至るトロイド状の本体部a1と、その両端に連なりビードコアbの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部a2とを含んでいる。なお符号dは、断面略U字状に配されたコード補強層である。
しかしながら、折返し部a2の外端cは、スチールコードにメッキが施されておらずゴムとの接着力が低い。特に負荷走行時に大荷重が作用する重荷重用の空気入りタイヤにあっては、ビード部の屈曲変形等により前記外端cにてゴム剥離が生じ、これがカーカスプライaに沿って成長することによりセパレーションなどの損傷等が生じやすい。従来、かかる損傷を防止するために、下記特許文献1が提案されている。
特開2002−67628号公報
上記特許文献1では、図4に示すように、カーカスプライaが、本体部a1と、その両端からビードコアbの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるとともに、ビードコアbの外面に沿って軸方向内側にのび本体部a1の手前で終端する折返し部a2とで構成されている。また、このような折返し部a2を形成するに際して、カーカスプライに折曲げを容易とするためにくせ付け(組成変形箇所)を設けることも必要により行われている。
このような空気入りタイヤのビード部の構造は、折返し部a2の外端cが負荷走行時の歪が小さな領域に配されるため、外端cでのセパレーション損傷等の抑制には有効と考えられる。
しかしながら、特許文献1には、ビードコア5と折返し部a2との間のゴムの物性値が特定されていないため、有効なビード耐久性を得るためにはさらなる改善の余地がある。また製造に際して、折返し部a2を正しくビードコアbの外面に沿わせようとすると、図5に略示するように、内径が小となる折返し部a2の外端c近傍においてカーカスプライaにしわや波打ちが生じやすいばかりか、折返し部の跳ね上がりが生じやすく成形性が悪い。さらに折返し部a2とビードコアbとの間に空気を封じ込めたまま加硫されることがある。このようなタイヤは、製造にバラツキが生じやすく、かつビードコアbと折返し部a2との間の空気溜まりを起点としてビード部の構造破壊を生じやすい。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、カーカスプライの折返し部とビードコアの外面とカーカスプライの本体部とが囲む断面略三角形状の領域に高さ及び物性を限定したクッションゴムを配するとともに、リムと接するビード底面からビード外側面に至る領域に配されたビードベースゴムの物性を限定することを基本として、ビード部の耐久性を高め得る重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、一対のビードコア間に架け渡された1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層とが設けられた重荷重用空気入りタイヤであって、前記カーカスプライは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されしかもビードコアのタイヤ半径方向外側をタイヤ軸方向内側にのび前記本体部の手前で終端する外端を有した折返し部とを具え、該折返し部と前記ビードコアの外面と前記本体部とが囲む断面略三角形状の領域にクッションゴムが配されてなり、該クッションゴムは、前記ビードコアの断面最大幅方向と直角な高さhが3〜12mm、かつ、70℃における複素弾性率E*1が3〜13MPaのゴム組成物からなるとともに、リムと接するビード底面からビード外側面に至る領域に配されたビードベースゴムは、70℃における複素弾性率E*2が11〜30MPaでしかも損失正接tanδが0.1〜0.7のゴム組成物からなることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤである。
なお前記複素弾性率、損失正接tanδは、4mm巾×30mm長さ×1.5mm厚さの短冊状試料を準備し、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、前記温度70℃で周波数10Hz、静歪10%、動歪±2%の条件で測定した値である。
また請求項2記載の発明は、前記クッションゴムは、前記複素弾性率E*1が3〜7MPaのゴム組成物からなることを特徴とする請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記クッションゴムは、タイヤ半径方向内側の底辺の長さwと、前記高さhとの比(h/w)が0.25〜0.75であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記カーカスプライは、前記折返し部の外端と前記本体部との間の最小ゴム厚さBが1〜5mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記折返し部は、前記ビードコアのタイヤ半径方向の最大高さ位置から前記外端までが実質的に直線形状をなす直線部からなり、かつ該直線部は、タイヤ軸方向線に対して15〜55゜の角度αで立ち上がることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、カーカスプライの折返し部が、ビードコアのタイヤ半径方向外側をタイヤ軸方向内側にのびカーカスプライの本体部の手前で終端する。従って、負荷走行時においても歪が小さい領域に折返し部の外端を位置させ得る。また該折返し部と、ビードコアの外面と、本体部とが囲む断面略三角形状の領域に高さ及び物性値を限定したクッションゴムが配されることにより、製造に際して折返し部とビードコアとの間の空気溜まりを減じるのに役立つ他、走行時の折返し部に作用する歪を緩和吸収することができる。また、リムと接するビード底面からビード外側面に至る領域に配されたビードベースゴムの複素弾性率E*2や損失正接tanδを限定したことによって、熱によるゴムの硬化及びリムとの接触に伴うせん断応力などの経時変化により生じがちなビードベースゴムのクラックを長期に亘って抑制できる。これらの相乗作用により、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、ビード部の耐久性を大幅に向上しうる。
また請求項3記載の発明のように、前記クッションゴムは、タイヤ半径方向内側の底辺の長さwと、前記高さhとの比(h/w)を0.25〜0.75の範囲に限定したときには、折返し部の外端の位置を歪の小さいより最適な領域に位置させることが可能となり、より一層、ビード部の耐久性を向上しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、正規リムJにリム組しかつ正規内圧を充填ししかも無負荷とした正規状態におけるトラック、バスなどに使用されるチューブレスタイプの重荷重用ラジアルタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1が例示される。また図2にはリムを省略しビード部4だけを取り出して拡大して示している。また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
図において、タイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置しリムJに装着されるビード部4とを有する。また空気入りタイヤ1には、前記ビード部4、4間に架け渡されたトロイド状のカーカス6と、このカーカス6の外側かつトレッド部2の内方に位置するベルト層7とが設けられている。
前記カーカス6は、1枚のカーカスプライ6Aにより構成されている。該カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりかつビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されしかもビードコア5のタイヤ半径方向外側をタイヤ軸方向内側にのび前記本体部6aの手前で終端する折返し部6bとを具えている。なおカーカスプライ6Aの本体部6aは、トレッド部2からビードコア5のタイヤ半径方向の最大高さHb(図2に示す)の位置を通るタイヤ軸方向線Nまでの部分を指し、そこから外端6beまでは折返し部6bとして定める。なお図2中、符号BLは、リム径位置を通るビードベースラインである。
前記カーカスプライ6Aは、スチールコードからなるカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90°の角度範囲で配列したコード配列体の両面をトッピングゴムで被覆したシート状のものが用いられる。なおカーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすとともに空気非透過性に優れたインナーライナゴム層(詳細不図示)が添着されている。
前記ベルト層7は、少なくとも2枚、本例では4枚のベルトプライ7A〜7Dで形成されたものが例示される。具体的には、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して、例えば60±10°程度の角度で傾けた最も内のベルトプライ7Aと、タイヤ赤道Cに対して30°以下の小角度で傾けたベルトプライ7B、7C及び7Dとを、前記ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重ね合わされている。各ベルトプライのベルトコードには、例えばスチールコードが好適に用いられる。
前記ビードコア5は、本例では、断面円形をなすスチール製のビードワイヤを所定回数螺旋巻きすることにより断面多角形状(本例では横長の略六角形状)に形成されている。ビードコア5の輪郭形状において、タイヤ半径方向の内側で長い内面5i及び外側で長い外面5o(各面は、いずれも断面円形ワイヤーがなす凸凹の輪郭線に接する仮想の直線とする。)は、いずれもタイヤ軸方向線に対して10〜17°程度で傾斜し、15゜深底リムである正規リムJのリムシートJ1の傾斜にほぼ沿っている。またビードコア5は、図2に示すように、内面5i、外面5oと平行な断面最大幅BWを持っている。ビードコア5は、本実施形態ではスチール材料が用いられているが、これ以外にも芳香族ポリアミド等の実質的に非伸張性の材料を用いることができる。
本実施形態のカーカスプライ6Aは、両側の折返し部6bが、ビードコア5でタイヤ軸方向内側から外側に折り返される。しかも折返し部6bは、ビードコア5を包み込むよう該ビードコア5のタイヤ半径方向外側をタイヤ軸方向内側かつタイヤ半径方向外側にやや斜めにのびている。そして、折返し部6bの外端6beは、カーカスプライの本体部6aに接触することなくその手前で終端している。
前記折返し部6bと前記ビードコア5の外面5oと前記本体部6aとが囲む断面略三角形状の領域にはクッションゴム10が配されている。該クッションゴムは、ビードコア5の断面最大幅BWの方向と直角な高さhが3〜12mm、かつ、70℃における複素弾性率E*1が3〜13MPaのゴム組成物から構成されている。
発明者らは、クッションゴム10の高さhを変化させて複数の重荷重用空気入りタイヤを試作し、その成型性やビード耐久性を確認した。その結果、前記高さhが3mmよりも小さいと、前述の如く折返し部6bがビードコア5から跳ね上がり易く、かつ折返し部6bとビードコア5との間のゴムボリュームが少なくなるため、折返し部6bの外端付近でのしわや波打ちを吸収するだけのクッションゴム量を確保できず、成形時にビードコア5の外面に空気等が封止されやすくなるほか、両者の界面で剥離が生じやすくなることが判明した。また、これとは逆に、クッションゴムの高さhが12mmを越えると、折返し部6bの外端6beが走行中の歪の大きい領域に位置しやすくなるため、該外端を起点とする損傷が生じやすい。特に好ましくは、クッションゴム10の前記高さhは、5mmより大きくかつ10mmよりも小さいときに、より顕著な耐久性の向上と優れた成形性とが得られる。
またクッションゴム10は、70℃における複素弾性率E*1が3〜13MPaのゴム組成物から構成されている。本実施形態の折返し部6bは、ビードコア5のタイヤ半径方向の外側を、タイヤ軸方向内側に斜め外側にのびている。従って、クッションゴム10は、この折返し部6bを介して負荷走行時のタイヤ半径方向の荷重を受ける。ここで、クッションゴム10の弾性率を最適化することによって、走行時の折返し部6bの振動、とりわけ折返し部6bの外端6beの動きを吸収、緩和して該外端6beからの損傷を効果的に防止することができる。後述の実施例においても述べているが、クッションゴム10の複素弾性率E*1は、特に好ましくは3〜7MPa、さらに好ましくは4〜6MPaのときにより顕著なビード耐久性の向上効果をもたらす。
またクッションゴム10は、特に限定されるわけではないが、タイヤ半径方向内側の底辺の長さw(ビードコアの外面5oと平行に測定する)と、前記高さhとの比(h/w)が0.25〜0.75、より好ましくは0.3〜0.7であることが望ましい。このように、クッションゴムの前記比(h/w)を限定した場合には、折返し部6bの外端6beの位置を歪のより小さい領域へと位置させるのに役立ち、さらにビード部の耐久性を向上しうる。
また本実施形態では、折返し部6bの外端6beと本体部6aとの間の最小ゴム厚さBは1〜5mmに設定されたものを示す。前記最小ゴム厚さBが1mm未満の場合、本体部6aと折返し部6bとのカーカスコードが接近してゴム剥離などを招きやすくなり、逆に前記最小ゴム厚さBが5mmを超えると、折返し部6aとゴムとの接着長さが減少する傾向があり、本体部6aに作用するカーカスコード張力によって、折返し部6bがつるべ状に引き抜かれやすくなるなど、同様にビード部4の耐久性を低下させる傾向がある。このような観点より、特に好ましくは前記最小ゴム厚さBを1.5〜6.0mm、さらに好ましくは2.0〜4.0mmとするのが望ましい。
さらに本実施形態の折返し部6bは、ビードコア5のタイヤ半径方向の最大高さHbの位置から折返し部の外端6beまでが実質的に直線形状をなす直線部9として形成される。このような直線部6bは、折返し部6bのカーカスコードを屈曲させる必要が無いため、くせ付け等の加工を不要とし、製造時の成形性に優れる。直線部9は、タイヤ軸方向線Nに対して例えば15〜55゜、より好ましくは40〜55゜程度の角度αでタイヤ軸方向内側に向かってタイヤ半径方向外側に立ち上がることが望ましい。
折返し部6bは、ビード部4に作用するタイヤ半径方向の荷重を、該折返し部6bをクッションゴム10に倒れ込ませるスチールコードの曲げ変形力と、該スチールコードの長手方向に沿う軸力とで分担できる。前者の力は、さらにクッションゴム10によっても負担されるため、ビード部4におけるタイヤ半径方向の耐圧縮荷重性能を向上するのに役立つ。
折返し部6bのタイヤ半径方向の外側には、先細状でタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックス12が配置される。ビードエーペックス12は、クッションゴム10に比して十分大きいタイヤ半径方向の高さを有し、ビード部4の曲げ剛性を効果的に高めている。ビードエーペックス12は、複素弾性率E*3が例えば20〜50MPa、より好ましくは30〜45MPaのゴム組成物が用いられる。ビードエーペックス12の複素弾性率E*3が20MPa未満であると、ビード部4の曲げ剛性を効果的に高めることができず、大きな屈曲変形に伴う発熱等により耐久性が悪化する傾向があり、逆に50MPaを超えると、ビード部4の曲げ剛性が著しく大となり、衝撃吸収性が低下して乗り心地を損ねる傾向がある。
また、ビード部4は、リムJと接するビード底面4bからビード外側面4aに至る領域にビードベースゴム11が配されている。本実施形態のビードベースゴム11は、前記ビード底面4bをのびる主部11aと、該主部11aのタイヤ軸方向内側でタイヤ半径方向外側にのびビードトウを覆う内側部11bと、前記主部11aのタイヤ軸方向外側からタイヤ半径方向外方にのびビード外側面4aを覆う外側部11cとを含んだ断面略U字状のものが例示されている。
ビードベースゴム11は、走行時にリムJとの間で大きな摩擦が生じるため、表面に大きなせん断力を受けるとともに発熱が生じる。発熱はゴムの硬化をもたらし、かつせん断力は硬化したゴムにクラックを発生させる。本実施形態では、ビードベースゴム11に、このようなクラックを長期に亘って抑制することが可能なゴム組成物を採用する。具体的には、70℃における複素弾性率E*2が11〜30MPaでしかも損失正接tanδが0.1〜0.7のゴム組成物を用いることによって、リムJと接触するビード底面4bやビード外側面4aでのクラックの発生を抑制する。
なお前記複素弾性率E*2が、11MPaよりも小さくなると、長期走行によってビードベースゴム11にクラックが生じる傾向があり、逆に30MPaよりも大きくなると、リム組時に欠け等が発生し易くなるためいずれも好ましくない。特に好ましくは、この複素弾性率E*2はE*1よりも大であって、とりわけ15〜25MPa、さらに好ましくは17〜23MPaとするのが望ましい。
またビードベースゴム11の損失正接tanδが0.1よりも小さいと、走行時の振動が生じ易くなり、またエアー抜け等が生じ易くなる傾向があり、逆に0.7よりも大きくなると、熱が蓄積され硬化し易いという傾向があるためいずれも好ましくない。特に好ましくは、ビードベースゴム11の損失正接tanδを0.2〜0.5、さらに好ましくは0.2〜0.4とするのが望ましい。
また、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1では、ビード部4に図3に示したようなコード補強層dが設けられていない。本実施形態のタイヤ1では、カーカスプライ6Aの折返し部6bが、走行時の歪の小さい領域に位置しているため、コード補強層でこれを覆う必要がない。むしろ、従来のコード補強層dを設けるとの、その外端が新たな損傷の起点となり好ましくない。またビード底面4bについては、上述のゴム物性を規定したビードベースゴム11によって覆われるため、コード補強層dを設けなくても耐久性を維持できる。
図1、図3及び図4の基本構成を有するタイヤサイズが11R22.5の5リブパターンの重荷重用空気入りラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、以下の手順に従い、ビード強度、ビード耐久性、製造時の不良率、ビードベースの経時変化についてテストを行った。各タイヤともビードエーペックスの高さは同一とした。またクッションゴムを有するものについては、いずれもクッションゴムの底辺の長さWは12mmとした。また実施例7は、断面U字状のコード補強層が設けられておりそれ以外の実施例1〜6及び比較例2〜7については、ビード部にカーカスプライ以外の補強プライは設けられていない。
<ビード強度>
各供試タイヤを7.50×22.5のリムにリム組み後、タイヤ内部に水を注入し、タイヤが破裂したときの圧力を測定した。結果は、比較例1の圧力を100とする指数で表示しており、数値が大きいほどビード強度が大きく良好である。
<ビード耐久性>
各供試タイヤを7.50×22.5のリムにリム組み後、JATMA規格の空気圧を充填するとともに、JATMA規格の最大負荷能力の3倍の荷重を付加し、速度30km/Hでドラム上を走行させ、タイヤが損傷するまでの時間を測定した。結果は、比較例1の時間を100とする指数で表示しており、数値が大きいほどビード耐久性に優れ良好である。
<製造時の不良率>
各供試タイヤをそれぞれ100本づつ試作し、不良品の発生率を測定した。不良品は、タイヤの子午線断面をCTスキャナで走査し、ビードコアと折返し部との間に空気が閉じこめられているものとした。数値が小さいほど不良率が少なく良好である。
<ビードベースの経時変化>
各供試タイヤを7.50×22.5のリムにリム組み後、正規内圧を充填するとともに、定積載の20トン積みのダンプ車の後輪に装着し、10万kmを走行後、タイヤをリムから取り外し、新品時からのビード底面の角度の変化を測定した。数値が小さいほどビードベース角度変化が小さく良好である。
テストの結果などを表1、表2に示す。
Figure 2005067471
Figure 2005067471
テストの結果、実施例のタイヤは、ビード部の強度、耐久性を有意に向上していることが分かる。また製造時の不具合も大きく改善されていることが確認できる。
本実施形態の空気入りタイヤの正規状態の断面図である。 そのビード部を拡大した拡大断面図である。 従来の空気入りタイヤのビード部の拡大断面図である。 他の例の従来の空気入りタイヤのビード部の拡大断面図である。 そのビードコア付近の部分拡大斜視図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a 本体部
6b 折返し部
6be 折返し部の外端
10 クッションゴム
11 ビードベースゴム

Claims (5)

  1. 一対のビードコア間に架け渡された1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層とが設けられた重荷重用空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、
    この本体部に連なりかつ前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されしかもビードコアのタイヤ半径方向外側をタイヤ軸方向内側にのび前記本体部の手前で終端する外端を有した折返し部とを具え、
    該折返し部と前記ビードコアの外面と前記本体部とが囲む断面略三角形状の領域にクッションゴムが配されてなり、
    該クッションゴムは、前記ビードコアの断面最大幅方向と直角な高さhが3〜12mm、かつ、70℃における複素弾性率E*1が3〜13MPaのゴム組成物からなるとともに、
    リムと接するビード底面からビード外側面に至る領域に配されたビードベースゴムは、70℃における複素弾性率E*2が11〜30MPaでしかも損失正接tanδが0.1〜0.7のゴム組成物からなることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記クッションゴムは、前記複素弾性率E*1が3〜7MPaのゴム組成物からなることを特徴とする請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記クッションゴムは、タイヤ半径方向内側の底辺の長さwと、前記高さhとの比(h/w)が0.25〜0.75であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスプライは、前記折返し部の外端と前記本体部との間の最小ゴム厚さBが1〜5mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記折返し部は、前記ビードコアのタイヤ半径方向の最大高さ位置から前記外端までが実質的に直線形状をなす直線部からなり、かつ該直線部は、タイヤ軸方向線に対して15〜55゜の角度αで立ち上がることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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