JP2005058832A - 液体濾過用フィルター濾材 - Google Patents

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光男 吉田
Masatoshi Kito
昌利 鬼頭
Yasuo Kaneda
安生 金田
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Abstract

【課題】本発明は上記の欠点や問題点を解決し、濾過抵抗が小さく、濾過効率が高く、且つプリーツ加工性が良く、湿潤強度の強いフィルター濾材を提供することを目的としている。
【解決手段】アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり繊維径1μm以下の繊維を含む濾材層に支持体層を一体化させた液体濾過用フィルター濾材において、該フィルター濾材のMD方向の内部結合強度が50gf・cm以上であり、且つMD方向のガーレー剛直度が0.5〜10mN、CD方向の湿潤引張強度が0.5〜5.0kN/mであり、 熱可塑性樹脂をフィルター濾材坪量に対して0.01〜20質量%含有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中に含有される粒子を効率良く除去し、清浄な液体を得るための液体濾過用フィルター濾材に関するものであり、プリーツ加工性が良く、湿潤強度の強いフィルター濾材に関するものである。更に詳しくは、金属の型彫、切断加工等に使用されている放電加工機の加工液中に含まれる加工クズやIC生産における基板のウエハの切断、研磨、エッジング等の工程で使用される超純水中に含まれる加工クズを効率良く除去し清浄な液体を得るための濾材、及び自動車用エンジンオイル、燃料等各種液体濾過用のフィルター濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、放電加工機やIC生産工程で使用されている液体濾過用フィルターや自動車用エンジンオイル、燃料等各種液体濾過用のフィルターには、天然パルプと有機繊維の混抄シートにフェノール樹脂等を含浸処理したシート、ポリエステル不織布(スパンボンド)等が使用されているが、濾過効率が低く、ライフが短い等の欠点があり、天然パルプを使用した場合、水中での長時間の使用により天然パルプが膨潤し、フィルター材の強度が低下するため使用中にフィルター材が破れるといった問題がある。
【0003】
また、放電加工機等に使用されるフィルター材は、一般にプリーツ加工することにより表面積を大きくし、濾過性能を高めたものが使用される。更に、近年加工機の加工速度の高速化、加工屑の微細化、更にはフィルターの使用限度差圧の上昇に伴い、フィルター内の濾材にかかる圧力が益々高まる傾向にあり、濾材に剛度を持たせることが必要となってきた。
【0004】
これらの問題を解決するために、水での湿潤時の破裂強度が5kgf/cm以上となるように部分的に熱圧着させていることを提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、熱圧着することにより、濾材空隙が潰れ濾過効率が落ちる欠点がある。また、乾式抄造法であることから、目付のバラツキが大きく、効率がバラツク問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−165009号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の欠点や問題点を解決し、濾過抵抗が小さく、濾過効率が高く、且つプリーツ加工性が良く、湿潤強度の強いフィルター濾材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
これらの問題点を解決する方法として、種々の繊維のフィルターへの応用を検討した結果、今までにない良好なフィルター特性及び加工適性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、
1.アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり繊維径1μm以下の繊維を含む濾材層に支持体層を一体化させた液体濾過用フィルター濾材において、該フィルター濾材のMD方向の内部結合強度が50gf・cm以上であり、且つMD方向のガーレー剛直度が0.5〜10mN、CD方向の湿潤引張強度が0.5〜5.0kN/mであることを特徴とする液体濾過用フィルター濾材である。
2.アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり1μm以下の繊維を含む濾材層と支持体層を、長網式、傾斜ワイヤー式、及び円網式のうちいづれか2つを組み合わせたコンビネーションマシンにより抄き合わせて一体化した後に乾燥させたことを特徴とする1記載の液体濾過用フィルター濾材である。
3.熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする1記載の液体濾過用フィルター濾材である。
4.熱可塑性樹脂の含有量が0.01〜20質量%であることを特徴とする3記載の液体濾過用フィルター濾材。
5. 支持体層面に熱可塑性樹脂を塗布したことを特徴とする1に記載の液体濾過用フィルター濾材である。
6.熱可塑性樹脂を付与する前、又は後にフィルター濾材を熱処理したことを特徴とする3〜5のいずれかに記載の液体濾過用フィルター濾材。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体濾過用フィルター濾材について、詳細に説明する。本発明の液体濾過用フィルター濾材は、濾材層と支持体層とを抄合わせて一体化してなるものであり、該濾材のガーレー剛直度、内部結合強度、湿潤引張強度、MIT試験機による耐折強さが特定の物性値を有することを特徴とするものである。
【0010】
ガーレー剛直度とは、JIS−L−1085(不織布しん地試験方法)に記載されている物性値を指し、液体濾過用フィルター濾材をプリーツ加工する時の加工適性に関するものである。液体濾過用フィルター濾材のガーレー剛直度が低い場合、プリーツ加工機で、鋭角に折れないばかりでなく、折り加工部の走行性不良いわゆるジャムリが発生する。ガーレー剛直度が高すぎる場合、プリーツ加工適性は優れているものの、折り目に割れが発生する。その割れがきっかけで、水中での長時間の使用によりフィルター濾材が破れるといった問題がある。このガーレー剛直度は、後述する濾材層と支持体層を構成する繊維の種類、配合量及び熱可塑性樹脂の種類、付着量によりコントロールすることができる。液体濾過用フィルター濾材のMD方向(すなわち、液体濾過用フィルター濾材の抄紙方向)のガーレー剛直度が0.5mNより低い場合、上述通り、プリーツ加工適性が悪い。一方、ガーレー剛直度が10mNを超える場合、折り目に割れが発生し、水中での長時間の使用によりフィルター材が破れるといった問題が発生することになる。従って、液体濾過用フィルター濾材のMD方向のガーレー剛直度は、0.5〜10mNの範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜5mNの範囲であることが好ましい。
【0011】
内部結合強度について説明する。内部結合強度とは、TAPPI UM403(内部結合試験機による繊維結合試験)に記載されている物性値を指す。液体濾過用フィルター濾材は、一般的にプリーツ加工後、フィルター形態にするため形成加工するが、内部結合強度が弱い場合、プリーツ加工後、折り部で濾材層と支持体層が剥離し、形成加工する際この剥離した部分が引っかかり濾材が破れてしまう。液体濾過用フィルター濾材のMD方向の内部結合強度が、50gf・cm未満である場合は、上述通り、プリーツ加工後剥離が発生し、形成加工時に破れが発生する。従って、液体濾過用フィルター濾材のMD方向の内部結合強度は、50gf・cm以上であることが好ましく、上限に関しては特に制限はない。
【0012】
湿潤引張強度について説明する。湿潤引張強度とは、JIS−8135、JIS−8113に準じた物性値を指す。具体的には、巾15mm、長さ200mmの試料を、20℃の純水に5分間浸した後、テンシロン測定機を用いて測定した物性値であり、液体濾過用フィルター濾材を加工して、フィルターにし実使用する際、水圧によるフィルターの破れにくさに関するものである。湿潤引張強度が低いと水圧によりフィルターが破れてしまう。この湿潤引張強度は、液体濾過用フィルター濾材を構成する熱融着繊維の種類、配合量によりコントロールが可能である。液体濾過用フィルター濾材のCD方向の湿潤引張強度が、0.5kN/m未満であると、上述通り、水中使用時に破れが発生してフィルターとして使用できなくなる。一方、5.0kN/mを超えた場合は、液体濾過用フィルター濾材をプリーツ加工後に裁断する際にカットし難いという問題がある。従って、液体濾過用フィルター濾材の湿潤引張強度は0.5〜5.0kN/mであることが好ましい。
【0013】
また、熱可塑性樹脂を支持体層面に塗布することにより濾過性能が良化することについて説明する。熱可塑性樹脂を濾材層及び支持体層両方に塗布しても、フィルターとして実用上特に問題はなく、引張強度、ガーレー剛直度を向上させることが出来る。しかし、支持体層に多く熱可塑性樹脂を塗布した液体濾過用フィルター濾材をフィルターとして使用した際、濾過効率のダウン巾を少なくし、圧力損失ダウンし、濾過性能が良化することを見出した。濾材層に多くのバインダーを含浸すると、濾材層の微細な目をつめてしまい、微細粒子を捕集し難くなり、また目をつめたことにより圧力損失が大きくなることが考えられる。以上より、支持体層に多く熱可塑性樹脂を塗布することは、非常に有効である。
【0014】
続いて、本発明で用いる繊維及び構成について説明する。
本発明の液体濾過用フィルター濾材に係る濾材層に用いる繊維は、アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり繊維径1μm以下の繊維とその他の繊維で構成されるものである。アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり繊維径1μm以下の繊維としては、ケブラー繊維等の高結晶性、高配向性繊維を適当な繊維長に切断後、水中に分散させ、ホモジナイザー、均質化装置、ビーター、SDR、DDR、PFIミル、ダイノミル、ボールミル、トップファイナー等の叩解機を用いてフィブリル化する方法等によって得られる繊維であるティアラー400S(ダイセル社製)やリヨセル繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、レーヨン繊維、その他として麻や木材繊維を同様の方法でフィブリル化した繊維等が挙げられる。また、繊維径1μm以下のマイクロガラス繊維は製法が異なるが含まれる。アスペクト比が10未満の場合、繊維長が非常に短いことから抄紙ワイヤーから繊維が脱落してしまう。一方、アスペクト比が100000を超えた場合、繊維を均一に水中に分散することが非常に困難となり、モツレや地合不良を起こしてしまう。よって、アスペクト比は10〜100000が好ましく、より好ましくは100〜50000である。
【0015】
濾材層に含まれるその他の繊維としては、繊維径が1μm以上の有機繊維または無機繊維が挙げられる。この繊維は、上述の繊維径1μm以下の繊維と混合することにより、均一なネットワークを構成するためや濾材層を形成した際に強度を高める役割を果たすものであり、具体的には皮膜の少ない木材パルプ、麻パルプ、コットンリンター、リント、また、再生繊維としては、リヨセル繊維、レーヨン、キュプラが、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックスが、合成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、ナイロン系、ポリオレフィン系、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系などの繊維が挙げられる。上記の繊維の他に、植物繊維として、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプ、バガスパルプ、コットンなどの木本類、草本類を含むものとする。これらの繊維はフィブリル化されていても通液性、通気性を阻害しない範囲であればなんら差し支えない。さらに、古紙、損紙などから得られる再生パルプ等も含まれる。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維や、チョップドストランドガラス繊維も通気性、通液性確保のために含有できる。
【0016】
また、強度を高める目的で、本発明の液体濾過用フィルター濾材には熱融着性バインダー繊維を併用しても良い。熱融着性バインダー繊維としては、単繊維のほか、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維などの複合繊維が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、濾材の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。熱融着性バインダー繊維としては、例えば、ポリプロピレンの短繊維、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせが挙げられる。また、ポリエチレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、濾材の乾燥工程で皮膜を形成し易いが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。
【0017】
本発明の液体濾過用フィルター濾材の坪量は5〜50g/mが適当であり、好ましくは10〜40g/mである。5g/m未満ではピンホール等により信頼性の点で問題がある。一方、50g/mを越えると濾過抵抗が上昇し抄紙性が悪くなり、又、表面濾過の点から坪量を増やしても効果は期待できず、コスト面でも問題がある。
【0018】
本発明の支持体に用いられる繊維は特に限定しないが、濾材層に配合される上記に記載の1μm以上の繊維、熱融着性バインダー繊維等が挙げられる。
【0019】
本発明の支持体層の坪量は10〜150g/mが適当であり、好ましくは30〜100g/mである。10g/m未満では抄紙方向の剛直度が低く、折り加工性が悪い。150g/mを超えると厚みが増し、ユニットに納まる濾材面積が小さくなり、又濾過抵抗が大きくなり実用上問題があると共にコスト面からも好ましくない。
【0020】
次に、本発明で用いる熱可塑性樹脂について説明する。本発明で用いる熱可塑性樹脂とは、アクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、合成ゴム系、ポリエステル系、ウレタン系、塩化ビニリデン系等のラテックス、PVA、澱粉、フェノール樹脂等であり、単独、又は2種類以上を併用できる。必要に応じて架橋剤を添加することにより強度、耐水性を向上できる。
【0021】
本発明の液体濾過用フィルター濾材に付与される熱可塑性樹脂の量は、液体濾過用フィルター濾材に対して0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜10質量%である。20質量%を超えると液体濾過用フィルター濾材の濾過抵抗が大きくなり、また濾過性能も低下する。一方、0.01質量%未満では、液体濾過用フィルター濾材の堅さの向上が見られず、プリーツ加工適性の不足、また湿強度不足により、液体の圧力で破れる問題がある。また、好ましくは支持体層に多く含有することが好ましい。これにより、濾過効率を維持しつつ、圧力損失を悪化させない。濾材層に多量に熱可塑性樹脂を含有すると、濾材層の微細な目をつめてしまい、微細粒子を捕集し難くなり、また目をつめたことにより濾過抵抗(圧力損失)が大きくなることが考えられる。
【0022】
以下に本発明の液体濾過用フィルター濾材の製造方法について説明するが、この方法は一例であり、この方法に限定されるものではない。
【0023】
本発明の液体濾過用フィルター濾材は、円網式、傾斜ワイヤー式、長網式のいずれか2機組み合わせたコンビネーションマシンにより抄き合わせられる。湿式抄造法であることから、乾式法より、坪量のバラツキが小さく、濾過効率等のバラツキも小さくすることが可能である。コンビネーションマシンにより抄き合わせ後、ヤンキードライヤー等で乾燥させる。
ドライヤー温度としては、支持体層で使用している熱融着性バインダー繊維の融点以上であれば良い。その後に別途熱可塑性樹脂を塗布する。
熱可塑性樹脂を塗布する方法としては、特に限定はしないが、タブサイズプレス方式、サイズプレス方式等が挙げられる。また支持体層のみに塗布する方法としてはグラビア方式、スプレー方式等が挙げられる。
付着量の制御については、液濃度、プレス圧、グラビアロールのメッシュ、噴霧圧等一般的な方法で可能である。
塗布後の乾燥は、エア−ドライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー、これらの併用等一般的な乾燥方式が可能である。
塗布乾燥後に熱処理を行う場合、装置として特に限定はしないが、ベーキング装置、ヤンキードライヤー方式、サクションドラムドライヤー方式、赤外方式ドライヤー等が挙げられる。
熱処理温度としては、液体濾過用フィルター濾材を構成する熱融着性バインダー繊維の融点以上であればよい。この熱処理をすることにより、液体濾過用フィルター濾材の内部結合強度が得られる。この内部結合強度を高くすることにより、折り加工時での層間剥離を抑えることができる。
【0024】
さらに好ましくは、濾材層と支持体層を抄き合わせた後、支持体層側をヤンキードライヤーに密着させ乾燥し、支持体層のみに熱可塑性樹脂を塗布する方が良い。支持体層側をヤンキードライヤーに密着させることにより、平滑性が良くなり、熱可塑性樹脂を塗布する際、均一に塗布することができる。一方、濾材層側をヤンキードライヤーに密着させた場合、支持体層側は凹凸な面となる。この凹凸面に塗布した場合、凹の部分に熱可塑性樹脂が多く付着することで濾過ムラが発生、及び強度が弱い部分ができ、ライフが短くなる等の問題が発生する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではない。なお、実施例及び比較例におけるガーレー剛直度、内部結合強度、湿潤引張強度、耐折強さ及び濾過性能は以下の方法で測定した。
【0026】
ガーレー剛直度はJIS−L−1085(不織布しん地試験方法)に記載されているガーレー剛直度を指す。
【0027】
内部結合強度はTAPPI UM403(内部結合試験機による繊維結合試験)に記載されている内部結合強度を指す。
【0028】
湿潤引張強度はJIS−8135、JIS−8113に準じて測定する。巾15mm、長さ200mmに裁断し、20℃の純水に5分間浸した後、テンシロン測定機を用いて測定する。
【0029】
折り加工適性は折り加工機にでプリーツ加工し、加工性の良いものを○、やや悪いものを△、悪いものを×の3段階で評価した。また、折り部にて、層間剥離を確認し、剥離していないものを○、剥離しているものを×の2段階評価した。
【0030】
濾過効率、濾過速度の測定:JIS第8種粉体を0.05%濃度になるように水に希釈したものを試験用液体として用い、以下の方法で測定した。
初期濾過効率(単位:%):濾材を水で湿潤した後、試験用液体100mlを濾過面積14cm、差圧△P=320mmHgで濾過し、濾過前後液の3〜10μm粒子数をリオン(株)製の液中微粒子計数器(KL−01)で測定した。初期濾過速度(単位:cc/cm・min):上記濾過性能試験時の濾過時間から濾過速度を得た。
ライフ試験:上記試験液を用いて10回繰り返し濾過した後、上記試験と同様の方法で濾過効率、濾過速度を測定した。
【0031】
実施例1〜4、比較例1、2
濾材は下記の繊維を使用して表1の繊維配合で下記の抄造方法で作製した。
繊維A:ケブラー微細繊維(ティアラー400S、ダイセル化学社製)(繊維径約0.45μm、アスペクト比約20000)
繊維B:1.7dt×4mmのリヨセル繊維(コートルズ社製)をSDR(シングルディスクリファイナー)で処理した繊維(平均繊維径約0.6μm、アスペクト比約10000)
繊維C:1.7dt×4mmのリヨセル繊維(コートルズ社製)を直径2mmのビーズ、水を顔料等の分散装置であるボールミル(ペイントコンディショナー)に投入し、11時間処理した。その結果、リヨセル繊維はフィブリル化の過程を超えていた(繊維径約0.5μm、アスペクト比約50)
繊維D:ポリエステル繊維(帝人社製、0.1dt×3mm、直径約3.2μm)
繊維E:ポリエステル繊維(帝人社製、0.5デニール×5mm直径約7μm)
繊維F:熱接着性ポリエステル繊維(ユニチカ社製4080、2デニール×5mm直径約15μm)
繊維G:NBKP(三菱製紙社製)
を表1に示す濾材層、支持体層の繊維配合になるように混合してスラリーを作製した。
抄紙:支持体層スラリーを傾斜ワイヤー方式で、濾材層スラリーを円網方式のコンビネーションマシンで抄き合わせ、このウエットシートをプレス脱水し、支持体層側をヤンキードライヤー(約120℃)に密着させて乾燥させる。そのシートをタブサイズブレスにて表1に示す固形分付着量のアクリルバインダー液を含浸させ、エアードライヤーにて乾燥させる。乾燥したシートを130℃のヤンキードライヤーで熱処理し、液体濾過用フィルター濾材を作製した。その結果を表1に示す。
【0032】
実施例5
実施例5は、タブサイズ方式をグラビア塗工方式に変えて、バインダーを支持体層面に転写方式で表1に示す付着量を付与させた。それ以外は、実施例1と同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を作製した。結果を表1に示す。
【0033】
表1の実施例1〜5の液体濾過用フィルター濾材に使用している繊維径1μm以下の繊維は、アスペクト比が10000と20000であることから初期濾過効率、ライフ濾過効率共に良好であった。また、ガーレ剛直度が0.5mN以上であり内部結合強度も50gf・cm以上で、湿潤引強度も0.5kN/mを超えており、加工適正が良好であり、層間剥離もなかった。
さらに、実施例5の液体濾過用フィルター濾材は支持体層面にバインダー液を付着させることにより濾材層のミクロポアを埋めていないことから、実施例2よりもさらに濾過効率が良好で、ライフ濾過速度も速く良好であった。
一方、比較例1は支持体層の坪量が8g/mと非常に薄いためにガーレ剛直度が0.4mNであり、加工適正が非常に悪かった。また、比較例2は濾材層と支持体層に配合している繊維F(バインダー繊維)が非常に少ないために内部結合強度が40fg・cmしかなく、プリーツ加工試験時に層間剥離が生じ加工適正が悪かった。
【0034】
【表1】
Figure 2005058832
【0035】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の濾材層と支持体層とを抄き合わせて一体化してなる液体濾過用フィルター濾材は、アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり繊維径1μm以下の繊維を含む濾材層に支持体層を一体化させた液体濾過用フィルター濾材において、該フィルター濾材のMD方向の内部結合強度が50gf・cm以上であり、且つMD方向のガーレー剛直度が0.5〜10mN、CD方向の湿潤引張強度が0.5〜5.0kN/mであり、熱可塑性樹脂をフィルター濾材坪量に対して0.01〜20質量%含有することにより初期濾過効率、ライフ濾過効率共に良好で加工適正が良好であり、層間剥離もなかった。

Claims (6)

  1. アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり繊維径1μm以下の繊維を含む濾材層に支持体層を一体化させた液体濾過用フィルター濾材において、該フィルター濾材のMD方向の内部結合強度が50gf・cm以上であり、且つMD方向のガーレー剛直度が0.5〜10mN、CD方向の湿潤引張強度が0.5〜5.0kN/mであることを特徴とする液体濾過用フィルター濾材。
  2. アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000であり1μm以下の繊維を含む濾材層と支持体層を、長網式、傾斜ワイヤー式、及び円網式のうちいづれか2つを組み合わせたコンビネーションマシンにより抄き合わせて一体化した後に乾燥させたことを特徴とする請求項1記載の液体濾過用フィルター濾材。
  3. 熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の液体濾過用フィルター濾材。
  4. 熱可塑性樹脂の含有量が0.01〜20質量%であることを特徴とする請求項3記載の液体濾過用フィルター濾材。
  5. 支持体層面に熱可塑性樹脂を塗布したことを特徴とする請求項1に記載の液体濾過用フィルター濾材。
  6. 熱可塑性樹脂を付与する前、又は後にフィルター濾材を熱処理したことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の液体濾過用フィルター濾材。
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