JP2005057818A - 電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びそのプログラム - Google Patents

電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電動駆動装置に開放による異常が発生した場合にも、異常が発生したと判断することができるようにする。
【解決手段】電動機械と、信号発生処理手段と、電流発生信号に基づいて電流を発生させ、電動機械に供給する電流発生部91と、電流検出部と、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段91とを有する。この場合、検出電流及び推定された電流に基づいて、各相の電流が異常であるかどうかが判断され、各相の電流のうちのいずれかの電流が異常である場合に、電動駆動装置に異常が発生したと判断する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びそのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両、例えば、電気自動車、ハイブリッド型車両等の電動車両においては、電動駆動装置が搭載され、該電動駆動装置によって電動車両を走行させることができるようになっている。
【0003】
そして、電気自動車の場合、前記電動駆動装置に電動機械としての駆動モータが配設され、該駆動モータを駆動することによって発生させられた回転が駆動輪に伝達され、電気自動車が走行させられる。前記駆動モータは、力行(駆動)時に、バッテリから直流の電流を受けて駆動され、前記駆動モータのトルク、すなわち、駆動モータトルクを発生させ、回生(発電)時に、電気自動車のイナーシャによってトルクを受け、直流の電流を発生させ、該電流をバッテリに供給する。
【0004】
また、ハイブリッド型車両の場合、エンジンのほかに、前記電動駆動装置に、第1の電動機械としての発電機(発電機モータ)及び第2の電動機械としての駆動モータが配設され、エンジンのトルク、すなわち、エンジントルクの一部を発電機に、残りを駆動輪に伝達するようになっている。そして、前記電動駆動装置は、サンギヤ、リングギヤ及びキャリヤを備えたプラネタリギヤユニットを有し、前記キャリヤとエンジンとが連結され、リングギヤと駆動輪とが連結され、サンギヤと発電機とが連結され、前記リングギヤ及び駆動モータから出力された回転が駆動輪に伝達され、ハイブリッド型車両が走行させられる。
【0005】
そのために、前記駆動モータ、発電機等には、回転自在に配設され、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等の電動機械部品が配設される。
【0006】
また、前記電気自動車には駆動モータ制御装置が、前記ハイブリッド型車両には発電機制御装置及び駆動モータ制御装置がそれぞれ電動機械制御装置として配設され、該電動機械制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって、前記駆動モータを駆動して駆動モータトルクを発生させたり、発電機を駆動して、発電機のトルク、すなわち、発電機トルクを発生させたりするようになっている。
【0007】
ところで、前記電動駆動装置に異常が発生することがある。そこで、各ステータコイルに供給される各相の電流を検出し、該各相の電流と、各相の電圧指令値に基づいて算出された電流の推定値との偏差に基づいて、電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断するようにした異常判定方法が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−172791号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の異常判定方法においては、バッテリ電圧が変化したり、駆動モータの回転速度、すなわち、駆動モータ回転速度の変化に対応させてキャリヤ周波数を切り換えたりしたときに、それに伴って、ステータコイルに供給される各相の電流が変化するのに対して、前記電流の推定値は、各相の電圧指令値に基づいて発生させられるので変化しない。また、前記電流の推定値を算出する当たり、インバータのスイッチングに必須となるデッドタイムについての考慮がされていない。すなわち、電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断するに当たり、電流の推定値にバッテリ電圧の変化、キャリヤ周波数の切換え、デッドタイム等を反映させることができないので、電動駆動装置に異常が発生したかどうかを正確に判断することが困難である。
【0010】
本発明は、前記従来の異常判定方法の問題点を解決して、電動駆動装置に異常が発生したかどうかを正確に判断することができる電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械と、電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させる信号発生処理手段と、前記電流発生信号に基づいて電流を発生させ、該電流を前記電動機械のコイルに供給する電流発生部と、前記コイルに供給される電流を検出する電流検出部と、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段とを有する。
【0012】
本発明の他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記異常判定処理手段は、前記電流発生信号に基づいて電流推定値を算出する電流推定値算出処理手段を備える。
【0013】
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電流発生信号は電圧指令値に基づいて発生させられるパルス幅変調信号である。
【0014】
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電流発生信号はバッテリ電圧及びデッドタイムに基づいて発生させられる。
【0015】
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電流推定値算出処理手段は、所定のタイミングの検出電流、及びパルス幅変調信号のパルス幅に基づいて電流推定値を算出する。
【0016】
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記異常判定処理手段は、前記検出電流と電流推定値とを比較することによって電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断するとともに、前記検出電流と電流推定値とを比較する際に閾(しきい)値を設定する。
【0017】
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記検出電流と電流推定値との電流偏差が大きいとの判断が連続で行われた回数を表す連続検出回数が閾値より大きい場合、前記異常判定処理手段は電動駆動装置に異常が発生したと判断する。
【0018】
本発明の電動駆動制御方法においては、電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させ、該電流発生信号に基づいて電流を発生させ、該電流を電動機械のコイルに供給し、該コイルに供給される電流を検出し、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する。
【0019】
本発明の電動駆動制御方法のプログラムにおいては、コンピュータを、電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させる信号発生処理手段、並びに前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、電流検出部によって検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段として機能させる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、電動車両としての電気自動車について説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の機能ブロック図である。
【0022】
図において、31は電動機械としての駆動モータ、68は電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させる信号発生処理手段としてのPWM発生器、90は、前記電流発生信号に基づいて電流を発生させ、該電流を前記駆動モータ31の図示されないコイルに供給する電流発生部、33、34は前記コイルに供給される電流を検出する電流検出部としての電流センサ、91は、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段である。
【0023】
図2は本発明の実施の形態における電気自動車の概略図、図3は本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置のブロック図である。
【0024】
図において、31は電動機械としての駆動モータであり、該駆動モータ31は電気自動車の図示されない駆動軸等に取り付けられる。本実施の形態においては、前記駆動モータ31としてDCブラシレス駆動モータが使用される。駆動モータ31は、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、図示されないシャフトに図示されないハブを介して取り付けられたロータコア、及び該ロータコアの円周方向における複数箇所に配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させてティースが形成された図示されないステータコア、並びに前記ティースに巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。前記駆動モータ31の出力軸に、磁極位置θを検出するための磁極位置検出部としてレゾルバ71が配設され、該レゾルバ71は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。なお、前記駆動モータ31、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成される。
【0025】
そして、前記駆動モータ31を駆動して電気自動車を走行させるために、バッテリ14からの直流の電流が、電流供給装置としてのインバータ40に供給され、該インバータ40によって相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。なお、前記インバータ40及びドライブ回路51によって電流発生部90(図1)が構成される。
【0026】
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。
【0027】
なお、本実施の形態においては、電流供給装置としてインバータ40を使用するようになっているが、該インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
【0028】
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、ステータコイル11、12のリード線にU相及びV相の電流Iu、Ivを検出電流iu、ivとして検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34は、検出電流iu、ivを駆動モータ制御装置45に送り、該駆動モータ制御装置45は検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出することによって検出する。なお、前記検出電流iu、ivのほかに検出電流iwを電流センサによって直接検出することもできる。
【0029】
前記駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM、フラッシュメモリ等の図示されない記録装置が配設される。そして、前記RAMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等をハードディスク、メモリカード等の外部の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、該外部の記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。また、前記ROMはd軸用及びq軸用の電流指令値マップを備える。
【0030】
そして、前記駆動モータ制御装置45の磁極位置算出部46は、磁極位置信号SGθを読み込み、磁極位置信号SGθに従って磁極位置θを算出する。また、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ回転速度算出処理手段は、駆動モータ回転速度算出処理を行い、磁極位置算出部46によって算出された磁極位置θに基づいて駆動モータ回転速度NMを算出する。そして、前記駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。
【0031】
そして、該車両制御装置の図示されない車両用指令値発生処理手段は、車両用指令値発生処理を行い、前記車速V及び図示されないアクセル開度検出部において検出されたアクセル開度を読み込み、車速V及びアクセル開度に基づいて車両要求トルクTOを算出し、該車両要求トルクTOに対応させて駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルク(トルク指令値)TMを発生させ、該駆動モータ目標トルクTMを前記駆動モータ制御装置45に送る。次に、該駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、前記駆動モータ目標トルクTMを受けると、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ31を駆動する。
【0032】
そして、前記駆動モータ制御処理手段の電流用の指令値発生処理手段としてのトルク指令・電流指令変換部47は、指令値発生処理を行い、電圧検出部としてのバッテリ電圧検出センサ15によって検出されたバッテリ14の電圧、すなわち、バッテリ電圧VBを読み込むとともに、駆動モータ回転速度NMを読み込み、前記各電流指令値マップを参照して、前記駆動モータ目標トルクTMに対応するd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを、インバータ40を作動させるための電流用の指令値として算出し、減算器62、63に送る。
【0033】
ところで、前記駆動モータ制御装置45においては、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
【0034】
そのために、前記駆動モータ制御処理手段は、電流センサ33、34から検出電流iu、ivを読み込む。そして、駆動モータ制御装置45の第1の変換処理手段としてのUV−dq変換部61は、第1の変換処理を行い、前記検出電流iu、iv及び前記磁極位置θに基づいて三相/二相変換を行い、検出電流iu、ivをそれぞれd軸電流id及びq軸電流iqに変換する。
【0035】
次に、d軸電流idは減算器62に送られ、該減算器62においてd軸電流idと前記d軸電流指令値idとのd軸電流偏差Δidが算出され、該d軸電流偏差Δidが電圧指令値発生部64に送られる。一方、q軸電流iqは減算器63に送られ、該減算器63においてq軸電流iqと前記q軸電流指令値iqとのq軸電流偏差Δiqが算出され、該q軸電流偏差Δiqが電圧指令値発生部65に送られる。
【0036】
そして、前記電圧指令値発生部64、65は、前記d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqが零(0)になるように、2軸上のインバータ出力としてのd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqをそれぞれ発生させ、該d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqをそれぞれ駆動モータ制御装置45の第2の変換処理手段としてのdq−UV変換器67に送る。
【0037】
なお、前記電圧指令値発生部64、65によって駆動モータ制御装置45の電圧用の第1の指令値発生処理手段が構成され、電圧指令値発生部64、65は、前記電流Iu、Iv、Iwに基づいて、前記d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを電圧用の第1の指令値として発生させる。
【0038】
続いて、前記dq−UV変換器67は、第2の変換処理を行い、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vq及び磁極位置θを読み込み、二相/三相変換を行い、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値VqをU相、V相及びW相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換し、該電圧指令値Vu、Vv、Vwを信号発生処理手段としてのPWM発生器68に送る。なお、前記dq−UV変換器67によって駆動モータ制御装置45の電圧用の第2の指令値発生処理手段が構成され、dq−UV変換器67は、前記電圧指令値Vu、Vv、Vwを電圧用の第2の指令値として発生させる。
【0039】
前記PWM発生器68は、信号発生処理を行い、前記各相の電圧指令値Vu、Vv、Vw及び前記バッテリ電圧VBに基づいて、前記d軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqに対応するパルス幅を有する各相の電流発生信号としてのパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを発生させ、ドライブ回路51に送る。
【0040】
該ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて、トランジスタTr1〜Tr6を駆動するための6個のゲート信号をそれぞれ発生させ、該ゲート信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記ゲート信号がオンの間だけトランジスタTr1〜Tr6をオンにして各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記各ステータコイル11〜13に供給する。
【0041】
このように、駆動モータ目標トルクTMに基づいてトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電気自動車が走行させられる。なお、17はインバータ40とバッテリ14との間に配設された平滑用のコンデンサである。また、前記PWM発生器68、ドライブ回路51、インバータ40等によって、駆動モータ31を駆動する駆動装置部が構成される。
【0042】
ところで、前記電動駆動装置において、例えば、前記駆動モータ31、駆動モータ31の電動機械部品、インバータ40、ゲート信号をインバータ40に送るためのゲート信号線等に異常が発生することがあるが、その場合、前記駆動モータ制御装置45の異常判定処理手段91によって、異常判定処理を行い、電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断するようにしている。
【0043】
次に、異常判定処理手段91の動作について説明する。
【0044】
図4は本発明の実施の形態における異常判定処理手段の動作を示すメインフローチャート、図5は本発明の実施の形態におけるU相電流異常判断処理のサブルーチンを示す図、図6は本発明の実施の形態における電流推定値算出処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態におけるV相電流異常判断処理のサブルーチンを示す図、図8は本発明の実施の形態におけるW相電流異常判断処理のサブルーチンを示す図である。
【0045】
まず、異常判定処理手段91(図1)の図示されないU相電流異常判断処理手段は、U相電流異常判断処理を行い、U相の電流Iuが異常であるかどうかを判断し、次に、異常判定処理手段91の図示されないV相電流異常判断処理手段は、V相電流異常判断処理を行い、V相の電流Ivが異常であるかどうかを判断し、続いて、異常判断処理手段91の図示されないW相電流異常判断処理手段は、W相電流異常判断処理を行い、W相の電流Iwが異常であるかどうかを判断する。
【0046】
この場合、PWM発生器68によって発生させられた各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、各相の電流Iu、Iv、Iwが推定され、検出電流iu、iv、iwと、推定された電流Iu、Iv、Iwの値、すなわち、電流推定値iue、ive、iweとが比較される。各相の電流Iu、Iv、Iwの波形は、理論上正弦波になり、検出電流iu、iv、iwと電流推定値iue、ive、iweとは一致する。そこで、検出電流iu、iv、iwと電流推定値iue、ive、iweとが等しくないかどうかによって各相の電流Iu、Iv、Iwが異常であるかどうかを判断するようにしている。
【0047】
そして、各相の電流Iu、Iv、Iwのうちのいずれかの電流が異常である場合、前記異常判定処理手段91の図示されない異常発生判断処理手段は、異常発生判断処理を行い、電動駆動装置に異常が発生したと判断し、ドライブ回路51(図2)によって発生させられ、インバータ40に送られるゲート信号をオフにして、駆動モータ31のシャットダウンを行う。
【0048】
このように、検出電流iu、iv、iwと電流推定値iue、ive、iweとの比較結果に基づいて、各相の電流Iu、Iv、Iwが異常であるかどうかが判断され、各相の電流Iu、Iv、Iwのうちのいずれかの電流が異常である場合に、電動駆動装置に異常が発生したと判断するようになっているので、異常が発生したかどうかを確実に判断することができる。
【0049】
例えば、短絡によって過電流、過電圧、過熱等の現象が起こった場合に、異常が発生したと判断することができるだけでなく、過電流、過電圧、過熱等の現象が起こらない場合、例えば、インバータ40のトランジスタTr1〜Tr6が破損したり、ゲート信号線等が断線したりして、前記電動駆動装置に開放による異常が発生した場合においても、異常が発生したと確実に判断することができる。また、検出電流iu、iv、iwに乱れが生じた場合等においても、異常が発生したと確実に判断することができる。
【0050】
さらに、ノイズによって異常が発生したかどうかの判断を誤ることがなくなる。
【0051】
また、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwは、駆動モータ31を駆動するために発生させられる各種の信号のうちの最も出力側の信号であり、制御上の最終指令値であり、デッドタイムが考慮されるので、最も電流Iu、Iv、Iwの変化に近似して変化する。したがって、異常が発生したかどうかの判断の速度及び精度を高くすることができる。
【0052】
そして、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwは、電圧指令値Vu、Vv、Vwに基づいて算出され、該電圧指令値Vu、Vv、Vwは、バッテリ電圧VB、制御周期を表すキャリヤ周波数fc等に基づいて、しかも、バッテリ電圧VBが低下したときに行われる電圧制限等の制限情報、デッドタイム等を加えて算出される。したがって、バッテリ電圧VBが変化したり、駆動モータ回転速度NM、駆動モータ目標トルクTM等の変化に対応させてキャリヤ周波数fcを切り換えたりしたときに(例えば、駆動モータ回転速度NMが低く、所定の駆動モータトルクTMが発生させられる場合に、キャリヤ周波数fcが低くされる。)、それに伴って、パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwが変化するので、電流推定値iue、ive、iweにバッテリ電圧VBの変化、キャリヤ周波数fcの切換え等を反映させることができる。
【0053】
また、インバータ40を作動させるのに当たり、3相変調と2相変調(6個のトランジスタTr1〜Tr6のうちの二つを休止させる方式)とを切り換えることがあるが、この場合も、3相変調と2相変調との切換えに伴ってパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwがそれに対応させて発生させられるので、電流推定値iue、ive、iweに3相変調と2相変調との切換えを反映させることができる。
【0054】
その結果、異常が発生したかどうかの判断の精度を一層高くすることができる。
【0055】
次に、図4のフローチャートについて説明する。
ステップS1 U相電流異常判断処理を行う。
ステップS2 V相電流異常判断処理を行う。
ステップS3 W相電流異常判断処理を行う。
ステップS4 各相の電流Iu、Iv、Iwのうちのいずれかの電流が異常であるかどうかを判断する。各相の電流Iu、Iv、Iwのうちのいずれかの電流が異常である場合はステップS5に進み、各相の電流Iu、Iv、Iwがいずれも異常でない場合は処理を終了する。
ステップS5 異常が発生したと判断し、シャットダウンを行い、処理を終了する。
【0056】
なお、各相の電流Iu、Iv、Iwをいずれも電流センサによって検出するようにした電動駆動装置において、各相の電流Iu、Iv、Iwのうちの1相の電流だけが異常であると判断された場合、他の2相の電流に基づいて、異常であると判断された電流を算出することができる。
【0057】
次に、図4のステップS1におけるU相電流異常判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0058】
まず、前記U相電流異常判断処理手段の電流推定値算出処理手段は、電流推定値算出処理を行い、バッテリ電圧VB、電圧指令値Vu及びキャリヤ周期Tcを読み込み、PWM発生器68によって発生させられたU相のパルス幅変調信号Muのオン時間を表すパルス幅Ton
Ton=(Vu/VB)・Tc+(Tond+Toffd+2Td)
を算出する。ただし、Tondはオンディレイ時間、Toffdはオフディレイ時間、Tdはデッドタイムである。
【0059】
続いて、電流推定値算出処理手段は、電流センサ33によって検出された電流を表す検出電流iu、バッテリ電圧検出センサ15によって検出されたバッテリ電圧VB、U相のステータコイル11のインダクタンスLuを読み込み、電流推定値iueを算出する。
【0060】
この場合、所定のタイミング(サンプリングタイミング)nにおける検出電流iuのサンプリング値をiu(n)とすると、次のタイミングn+1における電流推定値iue(n+1)は、
iue(n+1)=iu(n)+(VB/pLu)・Ton
になる。なお、pは微分演算子であり、pLuはインダクタンスLuの変化率を表す。また、値VB/pLuはバッテリ電流IBと等しく、電流Iuの傾きを表す。
【0061】
続いて、前記U相電流異常判断処理手段の電流異常判断処理手段は、電流異常判断処理を行い、タイミングn+1で検出電流iuを読み込み、サンプリング値iu(n+1)と電流推定値iue(n+1)とを比較する。すなわち、電流異常判断処理手段は、サンプリング値iu(n+1)と電流推定値iue(n+1)との差の絶対値、すなわち、電流値差Δiu
Δiu=|iu(n+1)−iue(n+1)|
を算出し、該電流値差Δiuが閾値iuthより大きいかどうかを判断する。電流値差Δiuが閾値iuthより大きい場合、電流異常判断処理手段は、電流値差Δiuが閾値iuthより大きいとの判断が連続で行われた回数、すなわち、連続検出回数Neをカウントし、該連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合、U相の電流Iuが異常であると判断する。
【0062】
また、電流値差Δiuが閾値iuth以下である場合、電流異常判断処理手段は、連続検出回数Neをクリアし、処理を終了する。そして、連続検出回数Neが閾値Neth以下である場合、電流異常判断処理手段は処理を終了する。
【0063】
次に、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS1−1 電流推定値算出処理を行う。
ステップS1−2 検出電流iuを読み込む。
ステップS1−3 電流値差Δiuが閾値iuthより大きいかどうかを判断する。電流値差Δiuが閾値iuthより大きい場合はステップS1−5に、電流値差Δiuが閾値iuth以下である場合はステップS1−4に進む。
ステップS1−4 連続検出回数Neをクリアし、リターンする。
ステップS1−5 連続検出回数Neをカウントする。
ステップS1−6 連続検出回数Neが閾値Nethより大きいかどうかを判断する。連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合はステップS1−7に進み、連続検出回数Neが閾値Neth以下である場合はリターンする。
ステップS1−7 U相の電流Iuが異常であると判断し、リターンする。
【0064】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS1−1−1 パルス幅Tonを算出する。
ステップS1−1−2 電流推定値iueを算出し、リターンする。
【0065】
次に、図4のステップS2におけるV相電流異常判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0066】
まず、前記V相電流異常判断処理手段の電流推定値算出処理手段は、電流推定値算出処理を行い、バッテリ電圧VB、電圧指令値Vv及びキャリヤ周期Tcを読み込み、PWM発生器68によって発生させられたV相のパルス幅変調信号Mvのオン時間を表すパルス幅Ton
Ton=(Vv/VB)・Tc+(Tond+Toffd+2Td)
を算出する。ただし、Tondはオンディレイ時間、Toffdはオフディレイ時間、Tdはデッドタイムである。
【0067】
続いて、電流推定値算出処理手段は、電流センサ34によって検出された検出電流iv、バッテリ電圧VB、V相のステータコイル12のインダクタンスLvを読み込み、電流推定値iveを算出する。
【0068】
この場合、所定のタイミングnにおける検出電流ivのサンプリング値をiv(n)とすると、次のタイミングn+1における電流推定値ive(n+1)は、
ive(n+1)=iv(n)+(VB/pLv)・Ton
になる。なお、pは微分演算子であり、pLvはインダクタンスLvの変化率を表す。
【0069】
続いて、前記V相電流異常判断処理手段の電流異常判断処理手段は、電流異常判断処理を行い、タイミングn+1で検出電流ivを読み込み、サンプリング値iv(n+1)と電流推定値ive(n+1)とを比較する。すなわち、電流異常判断処理手段は、サンプリング値iv(n+1)と電流推定値ive(n+1)との差の絶対値、すなわち、電流値差Δiv
Δiv=|iv(n+1)−ive(n+1)|
を算出し、該電流値差Δivが閾値ivthより大きいかどうかを判断する。電流値差Δivが閾値ivthより大きい場合、電流異常判断処理手段は、電流値差Δivが閾値ivthより大きいとの判断が連続で行われた回数、すなわち、連続検出回数Neをカウントし、該連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合、V相の電流Ivが異常であると判断する。
【0070】
また、電流値差Δivが閾値ivth以下である場合、電流異常判断処理手段は、連続検出回数Neをクリアし、処理を終了する。そして、連続検出回数Neが閾値Neth以下である場合、電流異常判断処理手段は処理を終了する。
【0071】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS2−1 電流推定値算出処理を行う。
ステップS2−2 検出電流ivを読み込む。
ステップS2−3 電流値差Δivが閾値ivthより大きいかどうかを判断する。電流値差Δivが閾値ivthより大きい場合はステップS2−5に、電流値差Δivが閾値ivth以下である場合はステップS2−4に進む。
ステップS2−4 連続検出回数Neをクリアし、リターンする。
ステップS2−5 連続検出回数Neをカウントする。
ステップS2−6 連続検出回数Neが閾値Nethより大きいかどうかを判断する。連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合はステップS2−7に進み、連続検出回数Neが閾値Neth以下である場合はリターンする。
ステップS2−7 V相の電流Ivが異常であると判断し、リターンする。
【0072】
次に、図4のステップS3におけるW相電流異常判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0073】
まず、前記W相電流異常判断処理手段の電流推定値算出処理手段は、電流推定値算出処理を行い、バッテリ電圧VB、電圧指令値Vw及びキャリヤ周期Tcを読み込み、PWM発生器68によって発生させられたW相のパルス幅変調信号Mwのオン時間を表すパルス幅Ton
Ton=(Vw/VB)・Tc+(Tond+Toffd+2Td)
を算出する。ただし、Tondはオンディレイ時間、Toffdはオフディレイ時間、Tdはデッドタイムである。
【0074】
続いて、電流推定値算出処理手段は、検出電流iu、ivから算出された検出電流iw、バッテリ電圧VB、W相のステータコイル13のインダクタンスLwを読み込み、電流推定値iweを算出する。
【0075】
この場合、所定のタイミングnにおける検出電流iwのサンプリング値をiw(n)とすると、次のタイミングn+1における電流推定値iwe(n+1)は、
iwe(n+1)=iw(n)+(VB/pLw)・Ton
になる。なお、pは微分演算子であり、pLwはインダクタンスLwの変化率を表す。
【0076】
続いて、前記W相電流異常判断処理手段の電流異常判断処理手段は、電流異常判断処理を行い、タイミングn+1で検出電流iwを読み込み、サンプリング値iw(n+1)と電流推定値iwe(n+1)とを比較する。すなわち、電流異常判断処理手段は、サンプリング値iw(n+1)と電流推定値iwe(n+1)との差の絶対値、すなわち、電流値差Δiw
Δiw=|iw(n+1)−iwe(n+1)|
を算出し、該電流値差Δiwが閾値iwthより大きいかどうかを判断する。電流値差Δiwが閾値iwthより大きい場合、電流異常判断処理手段は、電流値差Δiwが閾値iwthより大きいとの判断が連続で行われた回数、すなわち、連続検出回数Neをカウントし、該連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合、W相の電流Iwが異常であると判断する。
【0077】
また、電流値差Δiwが閾値iwth以下である場合、電流異常判断処理手段は、連続検出回数Neをクリアし、処理を終了する。そして、連続検出回数Neが閾値Neth以下である場合、電流異常判断処理手段は処理を終了する。
【0078】
次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS3−1 電流推定値算出処理を行う。
ステップS3−2 検出電流iwを読み込む。
ステップS3−3 電流値差Δiwが閾値iwthより大きいかどうかを判断する。電流値差Δiwが閾値iwthより大きい場合はステップS3−5に、電流値差Δiwが閾値iwth以下である場合はステップS3−4に進む。
ステップS3−4 連続検出回数Neをクリアし、リターンする。
ステップS3−5 連続検出回数Neをカウントする。
ステップS3−6 連続検出回数Neが閾値Nethより大きいかどうかを判断する。連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合はステップS3−7に進み、連続検出回数Neが閾値Neth以下である場合はリターンする。
ステップS3−7 W相の電流Iwが異常であると判断し、リターンする。
【0079】
ところで、U相電流異常判断処理、V相電流異常判断処理及びW相電流異常判断処理において、実際に検出電流iu、iv、iwを読み込むタイミングと、電流推定値iue、ive、iweを算出するタイミングn+1との間に差があり、タイミングn+1における実際の電流Iu、Iv、Iwとサンプリング値iu(n+1)、iv(n+1)、iw(n+1)との間にずれが生じてしまう。ところが、本実施の形態においては、検出電流iu、iv、iwと電流推定値iue、ive、iweとを比較する際に閾値iuth、ivth、iwthが設定されるので、電流Iu、Iv、Iwが異常であるかどうかを正確に判断することができる。
【0080】
また、連続検出回数Neが閾値Nethより大きい場合に、電流Iu、Iv、Iwが異常であると判断するようになっているので、ノイズによって誤って判断されることもない。
【0081】
さらに、U相電流異常判断処理、V相電流異常判断処理及びW相電流異常判断処理において、検出電流iu、iv、iwの積分値、ピーク値等を使用すると、電流Iu、Iv、Iwが異常であると判断するまでに少なくとも半周期にわたってサンプリングを行う必要があるのに対して、電流推定値iue、ive、iweを算出するためには、二つのサンプリング値が必要なだけであり、しかも、連続検出回数Neが閾値Nethより大きくなると、電流Iu、Iv、Iwが異常であると判断することができる。したがって、半周期にわたってサンプリングを行う必要がないので、異常判定処理に必要な時間を短くすることができる。
【0082】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0083】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械と、電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させる信号発生処理手段と、前記電流発生信号に基づいて電流を発生させ、該電流を前記電動機械のコイルに供給する電流発生部と、前記コイルに供給される電流を検出する電流検出部と、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段とを有する。
【0084】
この場合、検出電流及び推定された電流に基づいて、各相の電流が異常であるかどうかが判断され、各相の電流のうちのいずれかの電流が異常である場合に、電動駆動装置に異常が発生したと判断するようになっているので、異常が発生したかどうかを確実に判断することができる。
【0085】
例えば、短絡によって過電流、過電圧、過熱等の現象が起こった場合に、異常が発生したと判断することができるだけでなく、過電流、過電圧、過熱等の現象が起こらない場合、例えば、電流発生部のスイッチング素子が破損したり、ゲート信号線等が断線したりして、前記電動駆動装置に開放による異常が発生した場合においても、異常が発生したと確実に判断することができる。また、レゾルバ、R/Dコンバータ等のように磁極位置を算出するために必要な電動機械部品に異常が発生した場合、検出電流に乱れが生じた場合等においても、異常が発生したと確実に判断することができる。
【0086】
さらに、ノイズによって異常が発生したかどうかの判断を誤ることがなくなる。
【0087】
また、電流発生信号は、電動機械を駆動するために発生させられる各種の信号のうちの最も出力側の信号であり、制御上の最終指令値であるので、最もコイルに供給される電流の変化に近似して変化する。したがって、異常が発生したかどうかの判断の速度及び精度を高くすることができる。
【0088】
さらに、前記電流発生信号は、バッテリ電圧、キャリヤ周波数等に基づいて、しかも、電圧制限等の制限情報、デッドタイム等を加えて算出される。したがって、バッテリ電圧が変化したり、駆動モータ回転速度、駆動モータ目標トルク等の変化に対応させてキャリヤ周波数を切り換えたりしたときに、それに伴って、パルス幅変調信号が変化するので、電流の推定にバッテリ電圧の変化、キャリヤ周波数の切換え等を反映させることができる。その結果、異常が発生したかどうかの判断の精度を一層高くすることができる。
【0089】
本発明の他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電流推定値算出処理手段は、所定のタイミングの検出電流、及びパルス幅変調信号のパルス幅に基づいて電流推定値を算出する。
【0090】
この場合、所定のタイミングの検出電流に基づいて電流推定値が算出されるので、異常判定処理に必要な時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における電気自動車の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における異常判定処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態におけるU相電流異常判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における電流推定値算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるV相電流異常判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるW相電流異常判断処理のサブルーチンを示す図である。
【符号の説明】
11〜13 ステータコイル
31 駆動モータ
33、34 電流センサ
45 駆動モータ制御装置
68 PWM発生器
90 電流発生部
91 異常判定処理手段

Claims (9)

  1. 電動機械と、電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させる信号発生処理手段と、前記電流発生信号に基づいて電流を発生させ、該電流を前記電動機械のコイルに供給する電流発生部と、前記コイルに供給される電流を検出する電流検出部と、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段とを有することを特徴とする電動駆動制御装置。
  2. 前記異常判定処理手段は、前記電流発生信号に基づいて電流推定値を算出する電流推定値算出処理手段を備える請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  3. 前記電流発生信号は電圧指令値に基づいて発生させられるパルス幅変調信号である請求項1又は2に記載の電動駆動制御装置。
  4. 前記電流発生信号はバッテリ電圧及びデッドタイムに基づいて発生させられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動駆動制御装置。
  5. 前記電流推定値算出処理手段は、所定のタイミングの検出電流、及びパルス幅変調信号のパルス幅に基づいて電流推定値を算出する請求項2〜4のいずれか1項に記載の電動駆動制御装置。
  6. 前記異常判定処理手段は、前記検出電流と電流推定値とを比較することによって電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断するとともに、前記検出電流と電流推定値とを比較する際に閾値を設定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動駆動制御装置。
  7. 前記検出電流と電流推定値との電流偏差が大きいとの判断が連続で行われた回数を表す連続検出回数が閾値より大きい場合、前記異常判定処理手段は電動駆動装置に異常が発生したと判断する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動駆動制御装置。
  8. 電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させ、該電流発生信号に基づいて電流を発生させ、該電流を電動機械のコイルに供給し、該コイルに供給される電流を検出し、前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断することを特徴とする電動駆動制御方法。
  9. コンピュータを、電圧指令値に基づいて電流発生信号を発生させる信号発生処理手段、並びに前記電流発生信号に基づいて電流を推定し、電流検出部によって検出された電流を表す検出電流及び推定された電流に基づいて電動駆動装置に異常が発生したかどうかを判断する異常判定処理手段として機能させることを特徴とする電動駆動制御方法のプログラム。
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