JP2005048909A - 多段変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 変速比特性や変速制御性、コンパクト性などの要求を高いレベルで満足させることができる前進7段以上の変速が可能な多段変速機を提供する。
【解決手段】 サンギヤS2によって第1回転要素RM1、キャリアCA2、サンギヤS4によって第2回転要素RM2、リングギヤR3、キャリアCA4によって第3回転要素RM3、リングギヤR4によって第4回転要素RM4、サンギヤS3によって第5回転要素RM5が、それぞれ構成されている。そして、RM1、RM2はブレーキB1、B2によってケース32に連結され、RM1、RM5はクラッチC2、C1を介して第1遊星歯車装置12のリングギヤR1に連結され、RM1〜RM3はクラッチC3〜C5を介して入力軸24に連結され、RM4は出力軸26に一体的に連結されており、(b) に示す作動表に従って前進10段、後進1段が成立させられる。
【選択図】 図1
【解決手段】 サンギヤS2によって第1回転要素RM1、キャリアCA2、サンギヤS4によって第2回転要素RM2、リングギヤR3、キャリアCA4によって第3回転要素RM3、リングギヤR4によって第4回転要素RM4、サンギヤS3によって第5回転要素RM5が、それぞれ構成されている。そして、RM1、RM2はブレーキB1、B2によってケース32に連結され、RM1、RM5はクラッチC2、C1を介して第1遊星歯車装置12のリングギヤR1に連結され、RM1〜RM3はクラッチC3〜C5を介して入力軸24に連結され、RM4は出力軸26に一体的に連結されており、(b) に示す作動表に従って前進10段、後進1段が成立させられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は多段変速機の改良に関するものである。
車両用の自動変速機として、複数の遊星歯車装置とクラッチおよびブレーキを用いたものが多用されている。そして、このような自動変速機として前進7段以上の多段変速が可能な多段変速機が提案されている。特許文献1に記載の自動変速機はその一例で、3組または4組の遊星歯車装置を用いることにより前進9段〜12段の多段変速が可能とされている。
ところで、このような多段変速機においては、(a) 全体の変速比幅が十分に広く、(b) 各変速比のステップが等比乃至はそれに近い形で並び、(c) 係合要素(クラッチやブレーキ)の数ができるだけ少なく、(d) それ等の係合要素の変速時の掴み替えが容易で、(e) 遊星歯車装置の数ができるだけ少なく、(f) コンパクトに構成する上で遊星歯車装置のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)は約0.3〜0.7程度の範囲内が望ましいが、これらの要求を総て満たすことは難しく、必ずしも十分に満足できるものではなかった。例えば、前記特許文献1に記載の多段変速機は、変速段の切換えに際して最大4つの係合要素を掴み替える必要があり、複雑で高精度の変速制御が必要であるとともに変速ショックを生じる可能性がある一方、遊星歯車装置のギヤ比ρは0.273〜0.778でコンパクトに構成することが難しいなどの問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、変速比ステップや全体の変速比幅などの変速比特性、変速制御性、コンパクト性などの要求を高いレベルで満足させることができる多段変速機を提供することにある。
第1発明は、多段変速機であって、(a) 入力部材の回転を予め定められた一定の変速比で伝達する第1中間出力経路と、その第1中間出力経路よりも変速比が大きく、その第1中間出力経路よりも低回転で伝達する第2中間出力経路とを備えている第1変速部と、(b) 第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、および第4遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素とした時、第1回転要素は第1ブレーキによって選択的に回転停止させられ、第2回転要素は第2ブレーキによって選択的に回転停止させられ、第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、第1回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、第2回転要素は第4クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、第3回転要素は第5クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、第4回転要素は出力部材に連結されて回転を出力する第2変速部と、を有し、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする。
第2発明は、第1発明の多段変速機において、(a) 前記第2遊星歯車装置はシングルピニオン型で、前記第3遊星歯車装置はダブルピニオン型で、前記第4遊星歯車装置はシングルピニオン型であり、(b) 前記第1回転要素は前記第2遊星歯車装置のサンギヤで、前記第2回転要素は互いに連結された前記第2遊星歯車装置のキャリア、前記第3遊星歯車装置のキャリア、および前記第4遊星歯車装置のサンギヤで、前記第3回転要素は互いに連結された前記第2および第3遊星歯車装置のリングギヤおよび前記第4遊星歯車装置のキャリアで、前記第4回転要素は前記第4遊星歯車装置のリングギヤで、前記第5回転要素は前記第3遊星歯車装置のサンギヤであることを特徴とする。
第3発明は、多段変速機であって、(a) 入力部材の回転を予め定められた一定の変速比で伝達する第1中間出力経路と、その第1中間出力経路よりも変速比が大きく、その第1中間出力経路よりも低回転で伝達する第2中間出力経路とを備えている第1変速部と、(b) シングルピニオン型の第2遊星歯車装置、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置を備えているとともに、その第2遊星歯車装置のサンギヤによって第1回転要素が構成され、第2遊星歯車装置のキャリア、第3遊星歯車装置のキャリア、および第4遊星歯車装置のサンギヤが互いに連結されて第2回転要素が構成され、第2および第3遊星歯車装置のリングギヤおよび第4遊星歯車装置のキャリアが互いに連結されて第3回転要素が構成され、第4遊星歯車装置のリングギヤによって第4回転要素が構成され、第3遊星歯車装置のサンギヤによって第5回転要素が構成されているとともに、第1回転要素は第1ブレーキによって選択的に回転停止させられ、第2回転要素は第2ブレーキによって選択的に回転停止させられ、第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、第1回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、第2回転要素は第4クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、第3回転要素は第5クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、第4回転要素は出力部材に連結されて回転を出力する第2変速部と、を有し、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする。
第4発明は、第2発明または第3発明の多段変速機において、前記第2遊星歯車装置のピニオンギヤは大径部および小径部を有する段付ピニオンで、その大径部はその第2遊星歯車装置のサンギヤと噛み合わされており、その小径部は前記第3遊星歯車装置の第2ピニオンギヤとして機能し、その第3遊星歯車装置の第1ピニオンギヤおよびリングギヤと噛み合わされていることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの多段変速機において、前記第1変速部は、第1遊星歯車装置を有するとともに、その第1遊星歯車装置の3つの回転要素の何れか1つが前記入力部材に連結されて回転駆動され、他の1つが回転不能に固定され、残りの1つが中間出力部材として前記入力部材に対して減速回転させられて伝達するように構成され、その中間出力部材を経て伝達する経路が前記第2中間出力経路で、前記入力部材の回転を変速比1.0でそのまま伝達する経路が前記第1中間出力経路であることを特徴とする。
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの多段変速機において、(a) 前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって成立する最も大きい変速比の第1変速段、(b) 前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって成立する、前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段、(c) 前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって成立する、前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段、(d) 前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって成立する、前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段、(e) 前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって成立する、前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段、(f) 前記第1クラッチおよび前記第5クラッチが係合させられることによって成立する、前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段、(g) 前記第3クラッチ、前記第4クラッチ、および前記第5クラッチの何れか2つ以上が係合させられることによって成立する、前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段、(h) 前記第5クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって成立する、前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段、(i) 前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって成立する、前記第8変速段よりも変速比が小さい第9変速段、(j) 前記第5クラッチおよび前記第2ブレーキ、或いは前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって成立する、前記第9変速段よりも変速比が小さい第10変速段、のうちの7つ以上の変速段を用いて変速が行われることを特徴とする。
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの多段変速機において、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって逆回転方向の変速段が成立させられることを特徴とする。
本発明の多段変速機によれば、正回転方向へ7段以上の多段変速が可能であるとともに逆回転方向についても複数の変速段を成立させることが可能であるが、変速比が異なる2つの中間出力経路を有する第1変速部および3組の遊星歯車装置を有する第2変速部により、5つのクラッチおよび2つのブレーキの係合切換えでその多段変速が達成されるため、軽量で且つコンパクトに構成できるとともに、2つの係合要素(クラッチまたはブレーキ)の掴み替えで殆どの変速を行うことができるため、変速制御が容易で変速ショックの発生が抑制される。例えば第6発明の第1変速段〜第10変速段では、第9変速段を飛ばして変速制御を行うようにすれば、総ての変速段において2つの係合要素の掴み替えで変速を行うことができる。
第1回転要素〜第5回転要素について具体的に定められている第2発明、第3発明では、第2変速部の3つの遊星歯車装置のギヤ比ρを約0.3〜0.7程度の範囲内で適当に定めることにより、それ等の遊星歯車装置として比較的小型(小径)のものを使用しつつ、7段以上の変速段の変速比を等比に近い形で設定することができるとともに、トータルで例えば6程度以上の大きな変速比幅を確保でき、車両用多段変速機に好適に適用される。逆回転方向についても複数の変速段を成立させることが可能で、適当な変速比の変速段を選択したり変速が容易な複数の変速段を用いて変速したりすることにより、車両用多段変速機に好適に適用される。
本発明は車両用の自動変速機に好適に適用され、例えば内燃機関等の走行用駆動源からトルクコンバータなどの流体継手を経て回転が入力され、所定の変速比で変速して出力歯車や出力軸などの出力部材から差動歯車装置を経て左右の駆動輪に伝達されるが、車両用以外の自動変速機にも適用され得る。入力部材は、例えばトルクコンバータのタービン軸などである。
自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、自動変速機の軸線が車両の幅方向となるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型でも、自動変速機の軸線が車両の前後方向となるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両などの縦置き型でも良い。
自動変速機は、アクセル操作量や車速などの運転状態に応じて自動的に変速段を切り換えるものでも良いが、運転者のスイッチ操作(アップダウン操作など)に従って変速段を切り換えるものでも良い。本発明の多段変速機は、正回転方向である前進7段以上の多段変速が可能で、前進8段や前進9段、前進10段の多段変速機に好適に適用される。10段の場合、第6発明の第1変速段〜第10変速段をそのまま用いることが望ましく、7段変速〜9段変速では、第1変速段〜第10変速段のうちの任意の7つ、8つ、または9つの変速段を用いることができるが、例えば7段変速では第6発明の第1変速段〜第7変速段、或いは第2変速段〜第8変速段を用いることが望ましく、8段変速では第1変速段〜第8変速段、第2変速段〜第9変速段、或いは第2変速段〜第8変速段+第10変速段を用いることが望ましく、9段変速では第1変速段〜第9変速段、或いは第1変速段〜第8変速段+第10変速段を用いることが望ましい。なお、第6発明の第1変速段〜第10変速段のうちの6つ以下の変速段を用いて変速を行う6段以下の多段変速機として使用することもできる。
また、第6発明の各変速段の他に、例えば第2クラッチおよび第5クラッチを係合させることにより第7変速段と第8変速段との中間の第7.5変速段を成立させることも可能で、使用する変速段の態様は適宜定められる。
第6発明の第7変速段は、第3クラッチ、第4クラッチ、および第5クラッチの何れか2つ以上が係合させられれば良いが、変速制御の容易さから第5クラッチと、第3クラッチおよび第4クラッチの何れか一方とを係合させることが望ましい。
逆回転方向である後進変速段については、第7発明のように第2クラッチおよび第2ブレーキを係合させて成立させることができるが、第3クラッチおよび第2ブレーキを係合させて逆回転方向の変速段を成立させることも可能で、所望の変速比等に応じて1または2の後進変速段を適宜選択できる。
第1クラッチ〜第5クラッチ、第1ブレーキ〜第2ブレーキとしては、油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式や単板式、ベルト式などの油圧式摩擦係合装置が好適に用いられるが、電磁式等の他の形式の係合装置を採用することもできる。変速制御を容易にするため、それ等のブレーキやクラッチと並列に一方向クラッチを設けることもできる。例えば第2ブレーキと並列に一方向クラッチを設ければ、第1クラッチを係合させるだけで第1変速段が成立させられ、更に第1ブレーキを係合させるだけで第2変速段へ切り換えることができる。エンジンブレーキが必要無い場合には、第2ブレーキに代えて一方向クラッチを設けるだけでも良い。回転を停止する点で一方向クラッチはブレーキと同様の機能が得られるのである。この他、第1ブレーキと並列に、直列に接続されたブレーキおよび一方向クラッチを設けるなど、種々の態様が可能である。
第2変速部は、例えば第2発明〜第4発明のように構成されるが、他の連結形態を採用することもできる。第4発明では段付ピニオンを用いて構成されているが、第2発明、第3発明では、そのような段付ピニオンは必ずしも必須でなく、種々の態様が可能である。
第5発明では、第1変速部の第2中間出力経路の変速比(=第1変速部の入力回転速度/出力回転速度)が1.0より大きくて入力部材の回転を減速して伝達する一方、第1中間出力経路は入力部材の回転をそのまま伝達する(変速比=1.0)が、他の発明の実施に際しては、第1中間出力経路の変速比は必ずしも1.0である必要はなく、例えば第1中間出力経路の変速比が1.0より小さくて入力部材の回転を増速して伝達する一方、第2中間出力経路の変速比が1.0で入力部材の回転をそのまま伝達するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
また、第5発明では、第1変速部が第1遊星歯車装置を有して構成されているが、平行2軸式のカウンタギヤタイプの変速機を用いて第1変速部を構成することもできるなど、種々の態様が可能である。平行2軸式の変速機の場合、第1中間出力経路および第2中間出力経路に対応して2組のカウンタギヤ対が設けられるが、同じ変速比の回転を複数経路で伝達するように3組以上のカウンタギヤ対を設けることもできる。カウンタギヤの代わりにプーリおよびベルト、或いはスプロケットおよびチェーンなどの他の伝達媒体を採用することもできる。
第1変速部の第1遊星歯車装置としては、3つの回転要素としてサンギヤ、キャリア、およびリングギヤを有するダブルピニオン型、或いはシングルピニオン型の遊星歯車装置が好適に用いられ、それ等のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの何れか1つが入力部材に連結されて回転駆動され、他の1つが回転不能に固定され、残りの1つが中間出力部材として前記入力部材に対して減速回転させられて伝達するように構成される。
シングルピニオン型の遊星歯車装置を用いる場合には、キャリアに配設されるピニオンギヤとして、大径部および小径部を有する段付きのものを採用することも可能である。その場合は、3つの回転要素がピニオンギヤの大径部、小径部の一方および他方に噛み合わされるサンギヤおよびリングギヤとキャリアにて構成される場合の他、ピニオンギヤの大径部、小径部にそれぞれ噛み合わされる一対の小径サンギヤおよび大径サンギヤとキャリアにて構成したり、ピニオンギヤの大径部、小径部にそれぞれ噛み合わされる一対の大径リングギヤおよび小径リングンギヤとキャリアにて構成したりすることもできる。
第1変速部と第2変速部との位置関係や、第2変速部の第2遊星歯車装置〜第4遊星歯車装置の位置関係は特に限定されず、例えば第1変速部が第1遊星歯車装置を有する場合に、その第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置との間に第3遊星歯車装置を配置するなど、種々の態様が可能である。クラッチやブレーキについても、例えば一端部に集中して配置するなど種々の態様が可能である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の(a) は、本発明の一実施例である多段変速機としての車両用自動変速機10の骨子図で、(b) は複数の変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表である。この車両用自動変速機10は、例えばFR車両などの縦置き用として用いられるもので、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置20を主体として構成されている第2変速部22とを有し、入力軸24の回転を変速して出力軸26から出力する。入力軸24は入力部材に相当するもので、トルクコンバータ28のタービン軸であり、走行用駆動源としての内燃機関のクランク軸30からトルクコンバータ28を介して回転が入力される一方、出力軸26は出力部材に相当するもので、例えばプロペラシャフトや差動歯車装置などを介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機10は中心線に対して略対称的に構成されており、図1(a) では中心線の下半分が省略されている。
図1の(a) は、本発明の一実施例である多段変速機としての車両用自動変速機10の骨子図で、(b) は複数の変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表である。この車両用自動変速機10は、例えばFR車両などの縦置き用として用いられるもので、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置20を主体として構成されている第2変速部22とを有し、入力軸24の回転を変速して出力軸26から出力する。入力軸24は入力部材に相当するもので、トルクコンバータ28のタービン軸であり、走行用駆動源としての内燃機関のクランク軸30からトルクコンバータ28を介して回転が入力される一方、出力軸26は出力部材に相当するもので、例えばプロペラシャフトや差動歯車装置などを介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機10は中心線に対して略対称的に構成されており、図1(a) では中心線の下半分が省略されている。
上記第1変速部14を構成している第1遊星歯車装置12のキャリアCA1は入力軸24に連結されて回転駆動され、サンギヤS1は回転不能にケース32に一体的に固定され、リングギヤR1は中間出力部材として入力軸24に対して減速回転させられて第2変速部22へ伝達する。本実施例では、入力軸24の回転をそのまま第2変速部22へ伝達する経路が、予め定められた一定の変速比(=1.0)で伝達する第1中間出力経路PA1で、入力軸24からキャリアCA1、そのキャリアCA1に配設されたピニオンギヤ、および中間出力部材としてのリングギヤR1を経て第2変速部22へ伝達する経路が、第1中間出力経路PA1よりも大きい変速比(>1.0)で入力軸24の回転を変速(減速)して伝達する第2中間出力経路PA2である。上記第1中間出力経路PA1は、入力軸24から第1遊星歯車装置12を経ることなく第2変速部22へ伝達する直結経路PA1aと、入力軸24から第1遊星歯車装置12のキャリアCA1を経て第2変速部22へ伝達する間接経路PA1bとを備えている。
第2変速部22を構成している第2遊星歯車装置16のピニオンギヤ34は大径部34aおよび小径部34bを有する段付ピニオンで、大径部34aは第2遊星歯車装置16のサンギヤS2と噛み合わされている一方、小径部34bは第3遊星歯車装置18の第2ピニオンギヤとして機能し、その第3遊星歯車装置18の第1ピニオンギヤ36およびリングギヤR3と噛み合わされている。そして、この第2遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置18、および第4遊星歯車装置20は、一部が互いに連結されることによって5つの回転要素RM1〜RM5が構成されており、具体的には、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18のキャリアCA2、および第4遊星歯車装置20のサンギヤS4が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18のリングギヤR3、および第4遊星歯車装置20のキャリアCA4が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成され、第4遊星歯車装置20のリングギヤR4によって第4回転要素RM4が構成され、第3遊星歯車装置18のサンギヤS3によって第5回転要素RM5が構成されている。
上記第1回転要素RM1(サンギヤS2)は第1ブレーキB1によってケース32に選択的に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(キャリアCA2およびサンギヤS4)は第2ブレーキB2によってケース32に選択的に連結されて回転停止させられ、第5回転要素RM5(サンギヤS3)は第1クラッチC1を介して中間出力部材である前記第1遊星歯車装置12のリングギヤR1すなわち第2中間出力経路PA2に選択的に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS2)は第2クラッチC2を介して同じくリングギヤR1すなわち第2中間出力経路PA2に選択的に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS2)は第3クラッチC3を介して前記第1遊星歯車装置12のキャリアCA1すなわち第1中間出力経路PA1の間接経路PA1bに選択的に連結され、第2回転要素RM2(キャリアCA2およびサンギヤS4)は第4クラッチC4を介して前記入力軸24すなわち第1中間出力経路PA1の直結経路PA1aに選択的に連結され、第3回転要素RM3(リングギヤR3およびキャリアCA4)は第5クラッチC5を介して同じく入力軸24すなわち第1中間出力経路PA1の直結経路PA1aに選択的に連結され、第4回転要素RM4(リングギヤR4)は出力軸26に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第1クラッチC1〜第5クラッチC5は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式等の油圧式摩擦係合装置である。
図2は、上記第1変速部14および第2変速部22の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線が回転速度「0」で、上の横線が回転速度「1.0」すなわち入力軸24と同じ回転速度である。また、第1変速部14の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリアCA1を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置12のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.661の場合である。第2変速部22の5本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RM1(サンギヤS2)、第2回転要素RM2(キャリアCA2およびサンギヤS4)、第3回転要素RM3(リングギヤR3およびキャリアCA4)、第4回転要素RM4(リングギヤR4)、第5回転要素RM5(サンギヤS3)を表しており、それ等の間隔は第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置18のギヤ比ρ3、および第4遊星歯車装置20のギヤ比ρ4に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ2=0.382、ρ3=0.404、ρ4=0.524の場合である。
そして、この共線図から明らかなように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられると、出力軸26に連結された第4回転要素RM4は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比(=入力軸24の回転速度/出力軸26の回転速度)の第1変速段「1st」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第4回転要素RM4は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられると、第2変速部22は第1変速部14を介して一体的に減速回転させられ、第4回転要素RM4は「3rd」で示す回転速度で回転させられて、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が入力軸24と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「4th」で示す回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立させられる。第1クラッチC1および第4クラッチC4が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸24と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立させられる。
第1クラッチC1および第5クラッチC5が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第3回転要素RM3が入力軸24と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「6th」で示す回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立させられる。第5クラッチC5と、第3クラッチC3および第4クラッチC4の何れか一方とが係合させられると、第2変速部22は入力軸24と一体回転させられ、第4回転要素RM4は「7th」で示す回転速度すなわち入力軸24と同じ回転速度で回転させられて、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立させられる。この第7変速段「7th」の変速比は1.0である。第5クラッチC5および第1ブレーキB1が係合させられて、第3回転要素RM3が入力軸24と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第4回転要素RM4は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立させられる。第2クラッチC2および第4クラッチC4が係合させられて、第1回転要素RM1が第1変速部24を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸24と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「9th」で示す回転速度で回転させられ、第8変速段「8th」よりも変速比が小さい第9変速段「9th」が成立させられる。第5クラッチC5および第2ブレーキB2が係合させられて、第3回転要素RM3が入力軸24と一体回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられると、第4回転要素RM4は「10th−1」で示す回転速度で回転させられ、第9変速段「9th」よりも変速比が小さい第10変速段「10th−1」が成立させられる。なお、第10変速段「10th−1」の代わりに、第4クラッチC4および第1ブレーキB1を係合させて、第2回転要素RM2を入力軸24と一体回転させるとともに第1回転要素RM1を回転停止させることにより、第10変速段「10th−2」を成立させるようにしても良い。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられると、第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられることにより、第4回転要素RM4は「Rev」で示す回転速度で逆回転させられ、後進変速段「Rev」が成立させられる。
図1の(b) の作動表は、上記各変速段とクラッチC1〜C5、ブレーキB1、B2の作動状態との関係をまとめたもので、「○」は係合、「(○)」は何れか一方の係合を表しており、空欄は解放である。各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置18、第4遊星歯車装置20の各ギヤ比ρ1〜ρ4によって適宜定められ、例えばρ1=0.661、ρ2=0.382、ρ3=0.404、ρ4=0.524とすれば、図1(b) に示す変速比が得られ、ギヤ比ステップ(各変速段間の変速比の比)の値が略適切であるとともにトータルの変速比幅(=4.799/0.656)も7.313程度と大きく、後進変速段「Rev」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。第10変速段「10th−2」の場合のトータルの変速比幅は約7.593である。
このように本実施例の車両用自動変速機10によれば、前進10段の多段変速および後進1段が計4組の遊星歯車装置12、16、18、20と5つのクラッチC1〜C5および2つのブレーキB1、B2によって得られるため、軽量で且つコンパクトに構成され、車両への搭載性が向上する。しかも、図1(b) から明らかなように、第9変速段「9th」を除いてクラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで変速を行うことができるため、変速制御が容易で変速ショックの発生が抑制される。
また、4つの遊星歯車装置12、16、18、20のギヤ比ρ1〜ρ4を約0.3〜0.7程度の範囲内として、それ等の遊星歯車装置12、16、18、20を比較的小型(小径)に維持しつつ、図1(b) に示すように第1変速段「1st」〜第10変速段「10th−1または2」の変速比を等比に近い形で設定することができるとともに、トータルで6以上の大きな変速比幅を確保でき、且つ後進変速段「Rev」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。
なお、上記実施例の第2変速部22は、第1変速部14側から順番に第2遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置18、および第4遊星歯車装置20が軸方向に配置されていたが、例えば図3に示す車両用自動変速機40の第2変速部42のように第3遊星歯車装置18と第4遊星歯車装置20との間に第2遊星歯車装置16を配置したり、図4に示す車両用自動変速機50の第2変速部52のように第1変速部14側から順番に第4遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置18、および第2遊星歯車装置16を軸方向に配置したりすることも可能である。これ等の車両用自動変速機40、50においては、第1ブレーキB1および第2ブレーキB2を第1変速部14と反対側の先端部に配置する構造となるため、出力部材として出力歯車44を用いて出力するように構成される。
また、前記実施例では前進10段変速の場合について説明したが、例えば第1変速段「1st」〜第9変速段「9th」、或いは第1変速段「1st」〜第8変速段「8th」+第10変速段「10th−1または2」などの前進9段で変速を行ったり、第1変速段「1st」〜第8変速段「8th」、第2変速段「2nd」〜第9変速段「9th」、或いは第2変速段「2nd」〜第8変速段「8th」+第10変速段「10th−1または2」などの前進8段で変速を行ったり、第1変速段「1st」〜第7変速段「7th」、或いは第2変速段「2nd」〜第8変速段「8th」などの前進7段で変速を行ったりすることもできる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
10、40、50:車両用自動変速機(多段変速機) 12:第1遊星歯車装置 14:第1変速部 16:第2遊星歯車装置 18:第3遊星歯車装置 20:第4遊星歯車装置 22、42、52:第2変速部 24:入力軸(入力部材) 26:出力軸(出力部材) 44:出力歯車(出力部材) PA1:第1中間出力経路 PA2:第2中間出力経路 RM1:第1回転要素 RM2:第2回転要素 RM3:第3回転要素 RM4:第4回転要素 RM5:第5回転要素 C1:第1クラッチ C2:第2クラッチ C3:第3クラッチ C4:第4クラッチ C5:第5クラッチ B1:第1ブレーキ B2:第2ブレーキ
Claims (7)
- 入力部材の回転を予め定められた一定の変速比で伝達する第1中間出力経路と、該第1中間出力経路よりも変速比が大きく、該第1中間出力経路よりも低回転で伝達する第2中間出力経路とを備えている第1変速部と、
第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、および第4遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素とした時、該第1回転要素は第1ブレーキによって選択的に回転停止させられ、該第2回転要素は第2ブレーキによって選択的に回転停止させられ、該第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、該第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、該第1回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、該第2回転要素は第4クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、該第3回転要素は第5クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、該第4回転要素は出力部材に連結されて回転を出力する第2変速部と、
を有し、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を切り換えることにより複数の変速段が成立させられる
ことを特徴とする多段変速機。 - 前記第2遊星歯車装置はシングルピニオン型で、前記第3遊星歯車装置はダブルピニオン型で、前記第4遊星歯車装置はシングルピニオン型であり、
前記第1回転要素は前記第2遊星歯車装置のサンギヤで、前記第2回転要素は互いに連結された前記第2遊星歯車装置のキャリア、前記第3遊星歯車装置のキャリア、および前記第4遊星歯車装置のサンギヤで、前記第3回転要素は互いに連結された前記第2および第3遊星歯車装置のリングギヤおよび前記第4遊星歯車装置のキャリアで、前記第4回転要素は前記第4遊星歯車装置のリングギヤで、前記第5回転要素は前記第3遊星歯車装置のサンギヤである
ことを特徴とする請求項1に記載の多段変速機。 - 入力部材の回転を予め定められた一定の変速比で伝達する第1中間出力経路と、該第1中間出力経路よりも変速比が大きく、該第1中間出力経路よりも低回転で伝達する第2中間出力経路とを備えている第1変速部と、
シングルピニオン型の第2遊星歯車装置、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置を備えているとともに、該第2遊星歯車装置のサンギヤによって第1回転要素が構成され、該第2遊星歯車装置のキャリア、該第3遊星歯車装置のキャリア、および該第4遊星歯車装置のサンギヤが互いに連結されて第2回転要素が構成され、該第2および第3遊星歯車装置のリングギヤおよび該第4遊星歯車装置のキャリアが互いに連結されて第3回転要素が構成され、該第4遊星歯車装置のリングギヤによって第4回転要素が構成され、該第3遊星歯車装置のサンギヤによって第5回転要素が構成されているとともに、該第1回転要素は第1ブレーキによって選択的に回転停止させられ、該第2回転要素は第2ブレーキによって選択的に回転停止させられ、該第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、該第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結され、該第1回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、該第2回転要素は第4クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、該第3回転要素は第5クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結され、該第4回転要素は出力部材に連結されて回転を出力する第2変速部と、
を有し、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を切り換えることにより複数の変速段が成立させられる
ことを特徴とする多段変速機。 - 前記第2遊星歯車装置のピニオンギヤは大径部および小径部を有する段付ピニオンで、該大径部は該第2遊星歯車装置のサンギヤと噛み合わされており、該小径部は前記第3遊星歯車装置の第2ピニオンギヤとして機能し、該第3遊星歯車装置の第1ピニオンギヤおよびリングギヤと噛み合わされている
ことを特徴とする請求項2または3に記載の多段変速機。 - 前記第1変速部は、第1遊星歯車装置を有するとともに、該第1遊星歯車装置の3つの回転要素の何れか1つが前記入力部材に連結されて回転駆動され、他の1つが回転不能に固定され、残りの1つが中間出力部材として前記入力部材に対して減速回転させられて伝達するように構成され、該中間出力部材を経て伝達する経路が前記第2中間出力経路で、前記入力部材の回転を変速比1.0でそのまま伝達する経路が前記第1中間出力経路である
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の多段変速機。 - 前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって成立する最も大きい変速比の第1変速段、
前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって成立する、前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段、
前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって成立する、前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段、
前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって成立する、前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段、
前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって成立する、前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段、
前記第1クラッチおよび前記第5クラッチが係合させられることによって成立する、前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段、
前記第3クラッチ、前記第4クラッチ、および前記第5クラッチの何れか2つ以上が係合させられることによって成立する、前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段、
前記第5クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって成立する、前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段、
前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって成立する、前記第8変速段よりも変速比が小さい第9変速段、
前記第5クラッチおよび前記第2ブレーキ、或いは前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって成立する、前記第9変速段よりも変速比が小さい第10変速段、
のうちの7つ以上の変速段を用いて変速が行われる
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の多段変速機。 - 前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって逆回転方向の変速段が成立させられる
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の多段変速機。
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