JP2005038581A - 光学素子及び光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来と比較して少ない層数の反射防止膜で390〜430[nm]の波長の光束と630〜800[nm]の波長の光束との反射を防止する。
【解決手段】 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置1には、対物レンズ5が備えられている。対物レンズ5は、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦800[nm])を含む複数の波長の光束をAOD100,DVD200に集光させるものである。この対物レンズ5は、レンズ本体50と、レンズ本体50の両面に設けられて光学機能面52,53を形成した反射防止膜51とを備えている。光学機能面52,53に垂直に入射する光束の反射率は、波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置と、光ピックアップ装置に備えられる光学素子とに関する。
従来、情報記録媒体としては780[nm]程度の波長の光束を用いるCDや、635〜650[nm]の波長の光束を用いるDVD、405[nm]程度の波長の光束を用いるAOD(Advanced Optical Disc)またはブルーレイディスク(blu-ray disc)等があり、AODまたはブルーレイディスクと、DVD及び/またはCDとの何れの情報記録媒体に対しても対応可能な光ピックアップ装置が開発されている。この光ピックアップ装置に備えられる対物レンズなどの光学素子の光学機能面には、光束の反射を防止する反射防止膜が設けられている。
一般に、反射防止膜は、広帯域の波長の各光束に対して反射防止機能を有しており、反射が防止されるべき波長域(以下、反射防止波長域とする)の広さや、光学素子本体の屈折率、目標とする反射率(以下、目標反射率とする)の大きさ等に応じて様々な層数で構成されている。具体的には、AODまたはブルーレイディスクと、DVDとに対応可能な光ピックアップ装置において、例えば、反射防止波長域が400〜650[nm]、光学素子本体の屈折率が1.5〜1.6程度、目標反射率の大きさが1[%]以下である場合には、光学素子の反射防止膜は5〜7層で構成されるのが一般的である。また、AODまたはブルーレイディスクとDVDとCDとに対応可能な光ピックアップ装置において、反射防止波長域が400〜800[nm]である場合には、反射防止膜は9層以上で構成されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、反射防止膜の層数が多くなると、生産コストが嵩んだり、層と層との間に水分が浸透して分光特性が変化したりするという問題がある。また、特に光学素子本体が光学プラスチック製である場合には、反射防止膜自身の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりするなど、耐環境性が低下するといった問題がある。
そのため、このような問題を解消すべく、反射率が1[%]以下となる波長を2種類の波長のみに限定することによって3〜7層という少ない層数で反射防止膜を構成する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−111702号公報 特開平11−167003号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示の技術は150〜300[nm]の波長の光束と400〜800[nm]の波長の光束との反射を防止するものであって、390〜430[nm]の波長の光束と630〜800[nm]の波長の光束との反射を防止するものではない。
本発明の課題は、従来と比較して少ない層数の反射防止膜で390〜430[nm]の波長の光束と630〜800[nm]の波長の光束との反射を防止することができる光学素子と、この光学素子を備える光ピックアップ装置とを提供することである。
請求項1記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦800[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられて少なくとも1つの光学機能面を形成した反射防止膜とを備え、
前記光学機能面に垂直に入射する光束の反射率は、前記波長λ1と前記波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すことを特徴とする。
ここで、複数の波長とは、2種類以上の波長のことである。また、波長λ1と波長λ2との間とは、波長λ1よりも長く、波長λ2よりも短い範囲のことである。
請求項1記載の発明によれば、光学機能面に垂直に入射する光束の反射率は波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すので、波長λ1の光束及び波長λ2の光束に対しては相対的に反射率が低く、反射が防止された状態となる。従って、波長λ1と波長λ2との間で反射防止機能を低下させた分だけ、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、光学機能面に垂直に入射する光束の反射率は、波長λ1と波長λ2との間で2[%]以上の極大値を示すことが好ましい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学素子において、
前記複数の波長は、波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記波長λ2は、630[nm]≦λ2≦670[nm]であることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、AODまたはブルーレイディスクの使用波長λ1の光束と、DVDの使用波長λ2の光束と、CDの使用波長λ3の光束との反射を、少ない層数の反射防止膜で防止することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の光学素子において、
前記光学機能面における前記波長λ1の光束の最大入出射角度θmaxは、0[°]≦θmax≦40[°]であることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば0[°]≦θmax≦40[°]の光束を用いて、情報の正確な記録や再生を行うことができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子において、
前記光学素子本体の屈折率n0は、1.45≦n0≦1.65であり、
前記反射防止膜に含まれる層のうち、最も前記光学素子本体側に位置する第1層は、屈折率n1が1.7≦n1≦2.5、光学膜厚nd1が225[nm]≦nd1≦275[nm]であり、
2番目に前記光学素子本体側に位置する第2層は、屈折率n2が1.3≦n2≦1.55、光学膜厚nd2が100[nm]≦nd2≦150[nm]であることを特徴とする。
ここで、光学膜厚とは膜厚×屈折率[nm]で表される値のことであり、膜厚とは光学素子本体の表面の法線方向における厚さのことである。
請求項4記載の発明によれば、第1層及び第2層によって各波長の光束の反射を防止することができるので、反射防止機能を損なうことなく反射防止膜の層数を少なくすることができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子において、
前記光学素子本体の屈折率n0は、1.45≦n0≦1.65であり、
前記反射防止膜に含まれる層のうち、最も前記光学素子本体側に位置する第1層は、屈折率n1が1.7≦n1≦2.5、光学膜厚nd1が125[nm]≦nd1≦175[nm]であり、
2番目に前記光学素子本体側に位置する第2層は、屈折率n2が1.55≦n2<1.7、光学膜厚nd2が75[nm]≦nd2≦125[nm]であり、
3番目に前記光学素子本体側に位置する第3層は、屈折率n3が1.3≦n3<1.55、光学膜厚nd3が100[nm]≦nd3≦150[nm]であることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、第1層、第2層及び第3層によって各波長の光束の反射を防止することができるので、反射防止機能を損なうことなく反射防止膜の層数を少なくすることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子において、
前記光学素子本体の屈折率n0は、1.45≦n0≦1.65であり、
前記反射防止膜に含まれる層のうち、最も前記光学素子本体側に位置する第1層は、屈折率n1が1.7≦n1≦2.5、光学膜厚nd1が25[nm]≦nd1≦75[nm]であり、
2番目に前記光学素子本体側に位置する第2層は、屈折率n2が1.3≦n2≦1.55、光学膜厚nd2が25[nm]≦nd2≦75[nm]であり、
3番目に前記光学素子本体側に位置する第3層は、屈折率n3が1.7≦n3≦2.5、光学膜厚nd3が225[nm]≦nd3≦275[nm]であり、
4番目に前記光学素子本体側に位置する第4層は、屈折率n4が1.3≦n4≦1.55、光学膜厚nd4が135[nm]≦nd4≦185[nm]であることを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、第1層、第2層、第3層及び第4層によって各波長の光束の反射を防止することができるので、反射防止機能を損なうことなく反射防止膜の層数を少なくすることができる。
請求項7記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
これら光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、開口数の大きな光学素子本体の表面に対して{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように反射防止膜を成膜する方法としては、反射防止膜を蒸着させる蒸着機に自公転冶具を取り付ける方法や、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で成膜する際に雰囲気の圧力を高めに調整する方法などがある。また、このように反射防止膜を成膜する場合には、反射防止膜の光学膜厚が使用波長よりも大きいと、光束の入射角度が変化して球面収差が悪化することがあるため、成膜後の光学素子の透過波面を測定し、光学素子本体を成形するための金型を補正したり、予め反射防止膜の球面収差をキャンセルするよう光学素子本体の設計をしたりすることが好ましい。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記光学機能面は、
前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、この帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項9記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
これら光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
請求項9記載の発明によれば、光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記光学機能面は、
前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項10記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30 [nm]である場合には光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、この帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項11記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]である第1光学機能面と、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]である第2光学機能面とを、それぞれ少なくとも1つ形成し、
前記第1光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
請求項11記載の発明によれば、第1光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、第2光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、第2光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、第1光学機能面においては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、第2光学機能面においては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第2光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項12記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30 [nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項13記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
これら光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
ここで、面角度とは、光学機能面の法線と光軸とがなす角度のことである。
請求項13記載の発明によれば、光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項14記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項15記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
これら光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
請求項15記載の発明によれば、光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、光学機能面における反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項16記載の発明は、請求項15記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項16記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項17記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第1光学機能面と、
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第2光学機能面とを形成し、
前記第1光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
請求項17記載の発明によれば、第1光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、第2光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、第2光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、第1光学機能面においては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、第2光学機能面においては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第2光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項18記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項19記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第1光学機能面と、
40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]である少なくとも1つの第2光学機能面とを形成し
前記第1光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする。
請求項19記載の発明によれば、第1光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、第2光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、第1光学機能面においては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すので、従来と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項20記載の発明は、請求項19記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第2光学機能面は、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする。
請求項20記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項21記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
前記反射防止膜は、
{(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第1光学機能面と、
40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]である少なくとも1つの第2光学機能面とを形成し、
前記第1光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする。
請求項21記載の発明によれば、第1光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、第2光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、第1光学機能面においては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すので、従来と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項22記載の発明は、請求項21記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30 [nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第2光学機能面は、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする。
請求項22記載の発明によれば、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項23記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
光学素子本体と、前記光学素子本体の両面に設けられて、前記光ピックアップ装置のレーザー光源側の第1光学機能面及び前記情報記録媒体側の第2光学機能面を形成した反射防止膜とを備え、
前記第1光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
ここで、レーザー光源側、情報記録媒体側とは、使用される光束の光路においてレーザー光源側、情報記録媒体側ということである。
請求項23記載の発明によれば、第1光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、第2光学機能面に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、第2光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、第2光学機能面における反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項24記載の発明は、請求項23記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記第1光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項24記載の発明によれば、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、第1光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、第2光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項25記載の発明は、情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
前記光ピックアップ装置のレーザー光源側に配設された第1光学素子本体と、
前記情報記録媒体側に配設された第2光学素子本体と、
前記第1光学素子本体の両面に設けられて、前記レーザー光源側の第1光学機能面及び前記情報記録媒体側の第2光学機能面を形成し、かつ
前記第2光学素子本体の両面に設けられて、前記レーザー光源側の第3光学機能面及び前記情報記録媒体側の第4光学機能面を形成した反射防止膜とを備え、
前記第1光学機能面及び前記第2光学機能面は、
垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
前記第3光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第4光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする。
請求項25記載の発明によれば、垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合とには、第1,2光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、第3光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、第4光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、前記波長λがλ1<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、第1,2光学機能面における反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、第4光学機能面における反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、光学素子本体が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜の応力によって反射防止膜にクラックが発生したり、反射防止膜と光学素子本体との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
請求項26記載の発明は、請求項25記載の光学素子において、
前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
前記第1光学機能面及び前記第2光学機能面は、
前記波長λがλ=λ3である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第3光学機能面は、
前記波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
前記第4光学機能面は、
前記波長λがλ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする。
請求項26記載の発明によれば、前記波長λがλ=λ3である場合には、第1,2光学機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、第3機能面における反射率が1[%]以下であり、前記波長λがλ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、第4光学機能面における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しても反射を防止することができる。
請求項27記載の発明は、請求項1〜26の何れか一項に記載の光学素子において、
開口数が0.65以上の対物レンズであることを特徴とする。
請求項27記載の発明によれば、開口数が0.65以上の対物レンズであるので、AODを情報記録媒体として記録及び/または再生を行うことができる。
請求項28記載の発明は、請求項1〜27の何れか一項に記載の光学素子において、
前記反射防止膜は、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
1.3≦n≦1.55である低屈折率材料と、
1.7≦n≦2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも2種類の材料から形成されていることを特徴とする。
請求項28記載の発明によれば、請求項1〜27の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項29記載の発明は、請求項28記載の光学素子において、
前記低屈折率材料は、MgF2またはSiO2を主成分とする材料であり、
前記高屈折率材料は、TiO2、Ta25、CeO2、ZrO2、HfO2またはCeF3を主成分とする材料であることを特徴とする。
請求項29記載の発明によれば、請求項28記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項30記載の発明は、請求項1〜27の何れか一項に記載の光学素子において、
前記反射防止膜は、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
1.3≦n<1.55である低屈折率材料と、
1.55≦n<1.7である中屈折率材料と、
1.7≦n<2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも3種類の材料から形成されていることを特徴とする。
請求項30記載の発明によれば、請求項1〜27の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項31記載の発明は、請求項30記載の光学素子において、
前記低屈折率材料は、MgF2またはSiO2を主成分とする材料であり、
前記中屈折率材料は、Al23を主成分とする材料であり、
前記高屈折率材料は、TiO2、Ta25、CeO2、ZrO2、HfO2またはCeF3を主成分とする材料であることを特徴とする。
請求項31記載の発明によれば、請求項30記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項32記載の発明は、請求項1〜31の何れか一項に記載の光学素子において、
前記光学素子本体はプラスチックで形成されていることを特徴とする。
ここで、プラスチックとしては、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂などの光学プラスチックを用いることができる。なお、ノルボルネン系樹脂としては、ポリオレフィン系のものを用いることが好ましい。
請求項32記載の発明によれば、請求項1〜31の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項33記載の発明は、請求項1〜31の何れか一項に記載の光学素子において、
前記光学素子本体はガラスで形成されていることを特徴とする。
ここで、ガラスとしては、低融点ガラスモールド用硝材を用いることができ、具体的にはM−BaCD5(商品名、HOYA製)などを用いることができる。
請求項33記載の発明によれば、請求項1〜31の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項34記載の発明は、請求項1〜33の何れか一項に記載の光学素子において、
前記光学素子本体と前記反射防止膜との間には下地層が介在し、
前記下地層の屈折率n0’は、前記光学素子本体の屈折率をn0とした場合に、|n0’−n0|≦0.1であることを特徴とする。
請求項34記載の発明によれば、光学素子本体と反射防止膜との間に下地層が介在するので、光学素子本体に対する反射防止膜の密着性を向上させることができる。
また、下地層の屈折率n0’は、光学素子本体の屈折率n0に対して|n0’−n0|≦0.1を満たすので、下地層を設けることによる光学機能の劣化を防止することができる。
請求項35記載の発明は、光ピックアップ装置であって、
請求項1〜34の何れか一項に記載の光学素子と、レーザー光源とを備え、
前記レーザー光源から出射された光束を前記光学素子によって光記録媒体上に集光することにより、この光記録媒体への情報の記録と、前記光記録媒体に記録された情報の再生と、の少なくとも一方を実行可能であることを特徴とする。
請求項35記載の発明によれば、請求項1〜34の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項1記載の発明によれば、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、AODまたはブルーレイディスクの使用波長λ1の光束と、DVDの使用波長λ2の光束と、CDの使用波長λ3の光束との反射を、少ない層数の反射防止膜で防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、0[°]≦θmax≦40[°]の光束を用いて、情報の正確な記録や再生を行うことができる。
請求項4〜6記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、反射防止機能を損なうことなく反射防止膜の層数を少なくすることができる。
請求項7,9,11,13,15,17,19,21,23,25記載の発明によれば、波長λ1の光束と波長2の光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
請求項8,10,12,14,16,18,20,22,24,26記載の発明によれば、請求項7,9,11,13,15,17,19,21,23,25記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])付近の帯域内の波長λに対しても反射を防止することができる。
請求項27記載の発明によれば、請求項1〜26の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、AODを情報記録媒体として記録及び/または再生を行うことができる。
請求項28,30記載の発明によれば、請求項1〜27の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項29,31記載の発明によれば、請求項28,30記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項32,33記載の発明によれば、請求項1〜31の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項34記載の発明によれば、請求項1〜33の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、光学素子本体と反射防止膜との間に下地層が介在するので、光学素子本体に対する反射防止膜の密着性を向上させることができる。
請求項35記載の発明によれば、請求項1〜34の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明に係る光ピックアップ装置の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態における光ピックアップ装置1の概略構成図である。
この図に示すように、光ピックアップ装置1は、レーザー光を出射する第1光源2aと第2光源2bとを備えている。
第1光源2aは波長λ1の第1光束を出射するものであり、波長λ1は380[nm]≦λ1≦450[nm]、本実施の形態においてはλ1=405[nm]となっている。この波長λ1は、AOD(情報記録媒体)100に対する使用波長である。なお、AOD100の保護基板101の厚さt1は、0.5[mm]≦t1≦0.7[mm]となっている。
第2光源2bは波長λ2の第2光束を出射するものであり、波長λ2は640[nm]≦λ2≦680[nm]、本実施の形態においてはλ2=650[nm]となっている。この波長λ2は、DVD(情報記録媒体)200に対する使用波長である。なお、DVD200の保護基板201の厚さt2は、0.5[mm]≦t2≦0.7[mm]となっている。
これら第1光源2a、第2光源2bから出射される各光束は、集光光学系3によってAOD100、DVD200に集光されるようになっている。
集光光学系3は、第1,第2コリメートレンズ30a,30bと、第1〜第3ビームスプリッタ31a〜31cと、対物レンズ(光学素子)5とを有している。
第1,第2コリメートレンズ30a,30bは、第1,第2光源2a,2bから出射される光束を平行光とするようになっている。
ビームスプリッタ31aは、第1光源2aから出射される第1光束を対物レンズ5の方向へ透過させるとともに、AOD100からの反射光、つまり戻り光を第1光検出器4aに導くようになっている。ビームスプリッタ31aと第1光検出器4aとの間には、センサーレンズ群33aが配設されている。
ビームスプリッタ31bは、第2光源2bから出射される第2光束をビームスプリッタ31cの方向へ透過させるとともに、DVD200からの反射光を第2光検出器4bに導くようになっている。ビームスプリッタ31bと第2光検出器4bとの間には、センサーレンズ群33bが配設されている。
ビームスプリッタ31cは第1光源2aからの第1光束と、第2光源2bからの第2光束とを同一の光路にのせるようになっている。
対物レンズ5は、図2に示すように、レンズ本体(光学素子本体)50と反射防止膜51とを備え、所定の方向に移動可能な2次元アクチュエータ(図示せず)に搭載されている。対物レンズ5の開口数NAは0.65、光学機能面52,53における波長λ1の光束の最大入出射角度θmaxは0[°]≦θmax≦40[°]となっている。
レンズ本体50は、プラスチックまたはガラスによって形成され、屈折率n0が1.45≦n0≦1.65となっている。
ここで、レンズ本体50に用いられるプラスチックとしては、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂などの光学プラスチックを用いることができる。なお、ノルボルネン系樹脂としては、ポリオレフィン系のものを用いることが好ましい。また、レンズ本体50に用いられるガラスとしては、低融点ガラスモールド用硝材を用いることができ、具体的にはM−BaCD5(商品名、HOYA製)などを用いることができる。
反射防止膜51は、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52,53を形成している。光学機能面52,53に垂直に入射する光束の反射率は、波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示し、波長λ1及び波長λ2で相対的に低くなっている。従って、第1光束及び第2光束に対しては光学機能面52,53での反射が防止された状態となっている。
この反射防止膜51は、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
1.3≦n≦1.55である低屈折率材料と、
1.7≦n≦2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも2種類の材料から2層以上30層以下で構成されている。ここで、低屈折率材料としては、MgF2またはSiO2を主成分とする材料を用いることができる。また、高屈折率材料としては、TiO2、Ta25、CeO2、ZrO2、HfO2またはCeF3を主成分とする材料を用いることができる。また、反射防止膜51の形成には、蒸着やスパッタリング、CVD、塗布などの方法が用いられている。
また、反射防止膜51に含まれる層を、レンズ本体50に近い側から順に第1層、第2層、…第n層とすると、第1層の屈折率n1及び光学膜厚nd1と、第2層の屈折率n2及び光学膜厚nd2とは、
1.7≦n1≦2.5、225[nm]≦nd1≦275[nm]
1.3≦n2≦1.55、100[nm]≦nd2≦150[nm]
となっている。
なお、レンズ本体50と反射防止膜51との間には下地層(図示せず)を介在させることが好ましい。この場合には、レンズ本体50に対する反射防止膜51の密着性を向上させることができる。更に、この下地層の屈折率n0’は、レンズ本体50の屈折率n0に対して、|n0’−n0|≦0.1とすることが好ましい。この場合には、下地層を設けることによる光学機能の劣化が防止された状態となる。
以上のように構成された光ピックアップ装置1の動作については周知であるため詳しい説明は省略するが、第1光源2aから出射された第1光束は、第1ビームスプリッタ31aを通過した後、第1コリメートレンズ30aにおいて平行光化され、第3ビームスプリッタ31cを通過する。
次に、第1光束は対物レンズ5によってAOD100の情報記録面上に集光され、光軸L上にスポットを形成する。スポットを形成した第1光束は情報記録面で情報ピットにより変調されて反射され、再び対物レンズ5を通過する。ここで、光学機能面52,53における第1光束の反射は反射防止膜51によって防止されているので、第1光束は光量を低下させずに対物レンズ5を通過する。
次に、第1光束は第3ビームスプリッタ31c、第1コリメートレンズ30aを通過して、第1ビームスプリッタ31aで反射して分岐される。
そして、分岐された第1光束はセンサーレンズ群33aを経て第1光検出器4aに入射する。第1光検出器4aは入射光のスポットを検出して信号を出力し、その出力された信号を用いてAOD100に記録された情報の読み取り信号を得る。
また、第1光検出器4a上でのスポットの形状変化や位置変化による光量変化等を検出して合焦検出やトラック検出が行われる。この検出結果に基づいて前記2次元アクチュエータは、第1光束が情報記録面上に正確にスポットを形成するように、対物レンズ5をフォーカス方向及びトラッキング方向に移動させる。
一方、第2光源2bから出射される第2光束は、第2ビームスプリッタ31bを通過した後、第2コリメートレンズ30bにおいて平行光化され、第3ビームスプリッタ31cで反射され、対物レンズ5に至る。
次に、第2光束は対物レンズ5によってDVD200の情報記録面上に集光され、光軸L上にスポットを形成する。スポットを形成した第2光束は情報記録面で情報ピットにより変調されて反射され、再び対物レンズ5を通過する。ここで、光学機能面52,53における第2光束の反射は反射防止膜51によって防止されているので、第2光束は光量を低下させずに対物レンズ5を通過する。
次に、第2光束は第3ビームスプリッタ31cで反射して分岐される。
そして、分岐された第2光束は第2コリメートレンズ30bを通過して、第2ビームスプリッタ31bで反射して分岐され、センサーレンズ群33aを経て第2光検出器4bに入射する。以下は第1光束の場合と同様である。
以上のような光ピックアップ装置1によれば、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束及び第2光束に対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51の層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51の層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51の応力によって反射防止膜51にクラックが発生したり、反射防止膜51とレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、第2光源の波長を640[nm]以上、680[nm]以下として説明したが、750[nm]以上、850[nm]以下としても良い。この場合には、情報記録媒体としてDVD200に代えてCDを用いることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る光ピックアップ装置の第2の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本第2の実施の形態における光ピックアップ装置1Aは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Aを備えている。
対物レンズ5Aは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Aとを備えている。
反射防止膜51Aは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52A,53Aを形成している。光学機能面52A,53Aに垂直に入射する光束の反射率は、波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示し、波長λ1及び波長λ2で相対的に低くなっている。従って、第1光束及び第2光束に対しては光学機能面52A,53Aでの反射が防止された状態となっている。
この反射防止膜51Aは、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
1.3≦n<1.55である低屈折率材料と、
1.55≦n<1.7である中屈折率材料と、
1.7≦n<2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも3種類の材料から3層以上30層以下で形成されている。ここで、低屈折率材料としては、MgF2またはSiO2を主成分とする材料を用いることができる。また、中屈折率材料としては、Al23を主成分とする材料を用いることができる。また、高屈折率材料としては、TiO2、Ta25、CeO2、ZrO2、HfO2またはCeF3を主成分とする材料を用いることができる。
また、反射防止膜51Aに含まれる層のうち、第1層の屈折率n1及び膜厚nd1と、第2層の屈折率n2及び膜厚nd2と、第3層の屈折率n3及び膜厚nd3とは、
1.7≦n1≦2.5、125[nm]≦nd1≦175[nm]、
1.55≦n2<1.7、75[nm]≦nd2≦125[nm]、
1.3≦n3<1.55、100[nm]≦nd3≦150[nm]、
となっている。
以上のような光ピックアップ装置1Aの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1の動作と同様である。
この光ピックアップ装置1Aによっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明に係る光ピックアップ装置の第3の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3は、第2の実施の形態における光ピックアップ装置1Bの概略構成図である。
この図に示すように、光ピックアップ装置1Bは、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と異なり、更に第3光源2c、コリメータレンズ30c、ビームスプリッタ31d及び回折板6を備え、かつ、前記対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Bを備えている。
第3光源2cは波長λ3の第3光束を出射するものであり、波長λ3は750[nm]≦λ3≦850[nm]、本実施の形態においてはλ3=780[nm]となっている。この波長λ3は、CD(第3光情報記録媒体)300に対する使用波長である。なお、CD300の保護基板301の厚さt3は、1.1[mm]≦t3≦1.3[mm]となっている。
第3コリメートレンズ30cは、第3光源2cから出射される光束を平行光とするようになっている。
ビームスプリッタ31dは、第3光源2cからの第3光束と、ビームスプリッタ31cを透過した第1光束及び第2光束とを同一の光路にのせるようになっている。ビームスプリッタ31dと第3光源2cとの間には、CD300からの反射光を第3光検出器4cに導く回折板6が配設されている。
対物レンズ5Bは、図2に示すように、レンズ本体(光学素子本体)50Bと、第1光束、第2光束及び第3光束に対して反射防止機能を有する反射防止膜51Bとを備えている。
反射防止膜51Bは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52B,53Bを形成している。光学機能面52B,53Bに垂直に入射する光束の反射率は、波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示し、波長λ1及び波長λ2で相対的に低くなっている。従って、第1光束及び第2光束に対しては光学機能面52B,53Bでの反射が防止された状態となっている。
この反射防止膜51Bは、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
1.3≦n≦1.55である低屈折率材料と、
1.7≦n≦2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも2種類の材料から4層以上30層以下で形成されている。
また、反射防止膜51Bに含まれる層のうち、第1層の屈折率n1及び光学膜厚nd1と、第2層の屈折率n2及び光学膜厚nd2と、第3層の屈折率n3及び光学膜厚nd3と、第4層の屈折率n4及び光学膜厚nd4とは、
1.7≦n1≦2.5、25[nm]≦nd1≦75[nm]、
1.3≦n2≦1.55、25[nm]≦nd2≦75[nm]、
1.7≦n3≦2.5、225[nm]≦nd3≦275[nm]、
1.3≦n4≦1.55、135[nm]≦nd4≦185[nm]
となっている。
以上のように構成された光ピックアップ装置1Bの動作のうち、AOD100及びDVD200を用いた記録及び/または再生については、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
また、光ピックアップ装置1Bの動作のうち、CD300を用いた記録及び/または再生においては、まず、第3光源2cから出射された第3光束は、回折板6を通過した後、第3コリメートレンズ30cにおいて平行光化され、第4ビームスプリッタ31dで反射され、対物レンズ5に至る。
次に、第3光束は対物レンズ5によってCD300の情報記録面上に集光され、光軸L上にスポットを形成する。スポットを形成した第3光束は情報記録面で情報ピットにより変調されて反射され、再び対物レンズ5を通過する。ここで、反射防止膜51によって光学機能面52,53における第2光束の反射が防止されているので、第3光束は光量を低下させずに対物レンズ5を通過する。
次に、第3光束は、第4ビームスプリッタ31dで反射して分岐される。
そして、分岐された第3光束は第3コリメートレンズ30cを通過して、回折板6を通過する際に進路を変更され、第3光検出器4cに入射する。以下は第1光束の場合と同様である。
以上のような光ピックアップ装置1Bによれば、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束、第2光束及び第3光束に対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Bの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Bの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Bの応力によって反射防止膜51Bにクラックが発生したり、反射防止膜51Bとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第4の実施の形態>
本第4の実施の形態における光ピックアップ装置1Cは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Cを備えている。
対物レンズ5Cは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Cとを備えている。
反射防止膜51Cは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52C,53Cを形成している。より詳細には、反射防止膜51Cは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Cの膜厚は、ほぼ均一とされている。
光学機能面52C,53Cは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]となっている。また、光学機能面52C,53Cは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52C,53Cは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Cの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Cによれば、光学機能面52C,53Cに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面52C,53Cにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Cの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Cの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Cの応力によって反射防止膜51Cにクラックが発生したり、反射防止膜51Cとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第5の実施の形態>
本第5の実施の形態における光ピックアップ装置1Dは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Dを備えている。
対物レンズ5Dは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Dとを備えている。
反射防止膜51Dは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52D,53Dを形成している。より詳細には、反射防止膜51Dは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Dの膜厚は、ほぼ均一とされている。
光学機能面52D,53Dは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]となっている。また、光学機能面52D,53Dは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52D,53Dは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Dの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Dによれば、光学機能面52D,53Dに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面52D,53Dにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Dの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Dの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Dの応力によって反射防止膜51Dにクラックが発生したり、反射防止膜51Dとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第6の実施の形態>
本第6の実施の形態における光ピックアップ装置1Eは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Eを備えている。
対物レンズ5Eは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Eとを備えている。
反射防止膜51Eは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52E,53Eを形成している。より詳細には、反射防止膜51Eは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Eの膜厚は、ほぼ均一とされている。
光学機能面52Eは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]となっている。また、光学機能面52Eは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52Eは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
光学機能面53Eは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]となっている。また、光学機能面53Eは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Eは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Eの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Eによれば、光学機能面53Eに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面53Eにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Eに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面52Eにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Eにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、光学機能面52Eにおいては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Eの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Eの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Eの応力によって反射防止膜51Eにクラックが発生したり、反射防止膜51Eとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Eを光入射面、光学機能面53Eを光出射面として説明したが、光学機能面52Eを光出射面、光学機能面53Eを光出射面としても良い。
<第7の実施の形態>
本第7の実施の形態における光ピックアップ装置1Fは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Fを備えている。
対物レンズ5Fは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Fとを備えている。
反射防止膜51Fは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52F,53Fを形成している。より詳細には、反射防止膜51Fは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Fの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52F,53Fは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面52F,53Fは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52F,53Fは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Fの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Fによれば、光学機能面52F,53Fに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面52F,53Fにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Fの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Fの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Fの応力によって反射防止膜51Fにクラックが発生したり、反射防止膜51Fとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第8の実施の形態>
本第8の実施の形態における光ピックアップ装置1Gは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Gを備えている。
対物レンズ5Gは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Gとを備えている。
反射防止膜51Gは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52G,53Gを形成している。より詳細には、反射防止膜51Gは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Gの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52G,53Gは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面52G,53Gは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52G,53Gは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Gの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Gによれば、光学機能面52G,53Gに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面52G,53Gにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Gの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Gの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Gの応力によって反射防止膜51Gにクラックが発生したり、反射防止膜51Gとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第9の実施の形態>
本第9の実施の形態における光ピックアップ装置1Iは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Iを備えている。
対物レンズ5Iは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Iとを備えている。
反射防止膜51Iは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52I,53Iを形成している。より詳細には、反射防止膜51Iは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Iの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Iは、有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面52Iは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52Iは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
光学機能面53Iは、有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面53Iは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Iは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Iの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Iによれば、光学機能面53Iに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面53Iにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Iに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面52Iにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Iにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、光学機能面52Iにおいては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ2の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Iの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Iの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Iの応力によって反射防止膜51Iにクラックが発生したり、反射防止膜51Iとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Iを光入射面、光学機能面53Iを光出射面として説明したが、光学機能面52Iを光出射面、光学機能面53Iを光出射面としても良い。
<第10の実施の形態>
本第10の実施の形態における光ピックアップ装置1Jは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Jを備えている。
対物レンズ5Jは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Jとを備えている。
反射防止膜51Jは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52J,53Jを形成している。より詳細には、反射防止膜51Jは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Jの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Jは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]となっている。また、光学機能面52Jは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、反射率を1.5[%]以下に抑えるようになっている。
光学機能面53Jは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面53Jは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Jは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Jの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Jによれば、光学機能面53Jに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、光学機能面53Jにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Jに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、光学機能面52Jにおける反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Jにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すので、従来と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Jの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Jの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Jの応力によって反射防止膜Jにクラックが発生したり、反射防止膜51Jとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Jを光入射面、光学機能面53Jを光出射面として説明したが、光学機能面52Jを光出射面、光学機能面53Jを光出射面としても良い。
<第11の実施の形態>
本第11実施の形態における光ピックアップ装置1Kは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Kを備えている。
対物レンズ5Kは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Kとを備えている。
反射防止膜51Kは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52K,53Kを形成している。より詳細には、反射防止膜51Kは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Kの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Kは、有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]となっている。また、光学機能面52Kは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、反射率を1.5[%]以下に抑えるようになっている。
光学機能面53Kは、有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面53Kは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Kは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Kの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Kによれば、光学機能面53Kに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面53Kにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Kに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、光学機能面52Kにおける反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Kにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すので、従来と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Kの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Kの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Kの応力によって反射防止膜Kにクラックが発生したり、反射防止膜51Kとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Kを光入射面、光学機能面53Kを光出射面として説明したが、光学機能面52Kを光出射面、光学機能面53Kを光出射面としても良い。
<第12の実施の形態>
本第12の実施の形態における光ピックアップ装置1Lは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Lを備えている。
対物レンズ5Lは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Lとを備えている。
反射防止膜51Lは、レンズ本体50の両面に設けられ、光学機能面52L,53Lを形成している。
光学機能面52Lは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。
光学機能面53Lは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Lは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Lの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Lによれば、光学機能面52Lに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、光学機能面52Lにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面53Lに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面53Lにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Lにおいては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、従来と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Lの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Lの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Lの応力によって反射防止膜51Lにクラックが発生したり、反射防止膜51Lとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Lを光入射面、光学機能面53Lを光出射面として説明したが、光学機能面52Lを光出射面、光学機能面53Lを光出射面としても良い。
<第13の実施の形態>
本第13の実施の形態における光ピックアップ装置1Mは、上記第1の光ピックアップ装置1と異なり、対物レンズ5の代わりに対物レンズ5Mを備えている。
対物レンズ5Mは、図4に示すように、2つのレンズ本体501,502と、反射防止膜51Mとを備えている。
レンズ本体501はレーザー光源2a,2b側に配設されており、レンズ本体502はAOD100等の情報記録媒体側に配設されている。
反射防止膜51Mは、各レンズ本体501,502の両面に設けられ、光学機能面54〜57を形成している。
レンズ本体501に対しレーザー光源2a,2b側の光学機能面54と、情報記録媒体側の光学機能面55とは、垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。
レンズ本体502に対しレーザー光源2a,2b側の光学機能面56は、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。
レンズ本体502に対し情報記録媒体側の光学機能面57は、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面57は、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Mの動作は、上記第1の実施の形態における光ピックアップ装置1と同様である。
この光ピックアップ装置1Mによれば、光学機能面54,55に垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合とには、光学機能面54,55における反射率が1[%]以下であり、光学機能面56に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、光学機能面56における反射率が1[%]以下であり、光学機能面57に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、光学機能面57における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面57においては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、従来と異なり、第1光束と第2光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Mの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Mの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Mの応力によって反射防止膜51Mにクラックが発生したり、反射防止膜51Mとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第14の実施の形態>
本第14の実施の形態における光ピックアップ装置1Nは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Nを備えている。
対物レンズ5Nは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Nとを備えている。
反射防止膜51Nは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52N,53Nを形成している。より詳細には、反射防止膜51Nは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Nの膜厚は、ほぼ均一とされている。
光学機能面52N,53Nは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]となっている。また、光学機能面52N,53Nは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52N,53Nは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Nの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Nによれば、光学機能面52N,53Nに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、光学機能面52N,53Nにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Nの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Nの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Nの応力によって反射防止膜51Nにクラックが発生したり、反射防止膜51Nとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第15の実施の形態>
本第15の実施の形態における光ピックアップ装置1Oは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Oを備えている。
対物レンズ5Oは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Oとを備えている。
反射防止膜51Oは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52O,53Oを形成している。より詳細には、反射防止膜51Oは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Oの膜厚は、ほぼ均一とされている。
光学機能面52O,53Oは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]となっている。また、光学機能面52O,53Oは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52O,53Oは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Oの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Oによれば、光学機能面52O,53Oに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、光学機能面52O,53Oにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Oの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Oの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Oの応力によって反射防止膜51Oにクラックが発生したり、反射防止膜51Oとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第16の実施の形態>
本第16の実施の形態における光ピックアップ装置1Pは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Pを備えている。
対物レンズ5Pは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Pとを備えている。
反射防止膜51Pは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52P,53Pを形成している。より詳細には、反射防止膜51Pは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Pの膜厚は、ほぼ均一とされている。
光学機能面52Pは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]となっている。また、光学機能面52Pは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52Pは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
光学機能面53Pは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]となっている。また、光学機能面53Pは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Pは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Pの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Pによれば、光学機能面53Pに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]場合とには、光学機能面53Pにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Pに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、光学機能面52Pにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Pにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、光学機能面52Pにおいては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Pの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Pの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Pの応力によって反射防止膜51Pにクラックが発生したり、反射防止膜51Pとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Pを光入射面、光学機能面53Pを光出射面として説明したが、光学機能面52Pを光出射面、光学機能面53Pを光出射面としても良い。
<第17の実施の形態>
本第17の実施の形態における光ピックアップ装置1Qは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Qを備えている。
対物レンズ5Qは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Qとを備えている。
反射防止膜51Qは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52Q,53Qを形成している。より詳細には、反射防止膜51Qは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Qの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Q,53Qは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面52Q,53Qは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52Q,53Qは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Qの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Qによれば、光学機能面52Q,53Qに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、光学機能面52Q,53Qにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Qの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Qの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Qの応力によって反射防止膜51Qにクラックが発生したり、反射防止膜51Qとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第18の実施の形態>
本第18の実施の形態における光ピックアップ装置1Rは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Rを備えている。
対物レンズ5Rは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Rとを備えている。
反射防止膜51Rは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52R,53Rを形成している。より詳細には、反射防止膜51Rは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Rの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52R,53Rは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面52R,53Rは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52R,53Rは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Rの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Rによれば、光学機能面52R,53Rに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、光学機能面52R,53Rにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Rの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Rの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Rの応力によって反射防止膜51Rにクラックが発生したり、反射防止膜51Rとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
<第19の実施の形態>
本第19の実施の形態における光ピックアップ装置1Tは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Tを備えている。
対物レンズ5Tは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Tとを備えている。
反射防止膜51Tは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52T,53Tを形成している。より詳細には、反射防止膜51Tは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Tの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Gは、有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面52Gは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面52Gは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
光学機能面53Gは、有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面53Gは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Gは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Tの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Tによれば、光学機能面53Tに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]場合とには、光学機能面53Tにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Tに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、光学機能面52Tにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Tにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、光学機能面52Tにおいては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、波長λ1〜λ3の広い波長域の光束全体に対して反射を防止する従来の反射防止膜と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Tの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Tの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Tの応力によって反射防止膜51Tにクラックが発生したり、反射防止膜51Tとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Tを光入射面、光学機能面53Tを光出射面として説明したが、光学機能面52Tを光出射面、光学機能面53Tを光出射面としても良い。
<第20の実施の形態>
本第20の実施の形態における光ピックアップ装置1Uは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Uを備えている。
対物レンズ5Uは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Uとを備えている。
反射防止膜51Uは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52U,53Uを形成している。より詳細には、反射防止膜51Uは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Uの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Uは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]となっている。また、光学機能面52Uは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、反射率を1.5[%]以下に抑えるようになっている。
光学機能面53Uは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面53Uは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Uは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Uの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Uによれば、光学機能面53Uに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、光学機能面53Uにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Uに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、光学機能面52Uにおける反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Uにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すので、従来と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Uの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Uの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Uの応力によって反射防止膜51Uにクラックが発生したり、反射防止膜51Uとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Uを光入射面、光学機能面53Uを光出射面として説明したが、光学機能面52Uを光出射面、光学機能面53Uを光出射面としても良い。
<第21の実施の形態>
本第21の実施の形態における光ピックアップ装置1Vは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Vを備えている。
対物レンズ5Vは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Vとを備えている。
反射防止膜51Vは、レンズ本体50の少なくとも一方の面、本実施の形態においては両面に設けられ、光学機能面52V,53Vを形成している。より詳細には、反射防止膜51Vは、{(第1光束に対する有効径内での最大膜厚)−(この有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されている。つまり、反射防止膜5Vの膜厚は、不均一とされている。
光学機能面52Vは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]となっている。また、光学機能面52Vは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、反射率を1.5[%]以下に抑えるようになっている。
光学機能面53Vは、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]となっている。また、光学機能面53Vは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+30 [nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Vは、前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Vの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Vによれば、光学機能面53Vに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合と、λ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合とには、光学機能面53Vにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面52Vに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、光学機能面52Vにおける反射率が1.5[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Vにおいては、波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すので、従来と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Vの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Vの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Vの応力によって反射防止膜51Vにクラックが発生したり、反射防止膜51Vとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Vを光入射面、光学機能面53Vを光出射面として説明したが、光学機能面52Vを光出射面、光学機能面53Vを光出射面としても良い。
<第22の実施の形態>
本第22の実施の形態における光ピックアップ装置1Wは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Wを備えている。
対物レンズ5Wは、図2に示すように、レンズ本体50と、反射防止膜51Wとを備えている。
反射防止膜51Wは、レンズ本体50の両面に設けられ、光学機能面52W,53Wを形成している。
光学機能面52Wは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。
光学機能面53Wは、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面53Wは、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Wの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Wによれば、光学機能面52Wに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、光学機能面52Wにおける反射率が1[%]以下であり、光学機能面53Wに垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、光学機能面53Wにおける反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面53Wにおいては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、従来と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Wの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Wの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Wの応力によって反射防止膜51Wにクラックが発生したり、反射防止膜51Wとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、光学機能面52Wを光入射面、光学機能面53Wを光出射面として説明したが、光学機能面52Wを光出射面、光学機能面53Wを光出射面としても良い。
<第23の実施の形態>
本第23の実施の形態における光ピックアップ装置1Xは、上記第3の光ピックアップ装置1Bと異なり、対物レンズ5Bの代わりに対物レンズ5Xを備えている。
対物レンズ5Xは、図4に示すように、2つのレンズ本体501,502と、反射防止膜51Xとを備えている。
レンズ本体501はレーザー光源2a〜2c側に配設されており、レンズ本体502はAOD100等の情報記録媒体側に配設されている。
反射防止膜51Xは、各レンズ本体501,502の両面に設けられ、光学機能面54〜57を形成している。
レンズ本体501に対してレーザー光源2a〜2c側の光学機能面54と、情報記録媒体側の光学機能面55とは、垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合と、λ=λ3である場合とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。
レンズ本体502に対してレーザー光源2a,2b側の光学機能面56は、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。
レンズ本体502に対して情報記録媒体側の光学機能面57は、垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ3+30[nm]とには、反射率を1[%]以下に抑えるようになっている。また、光学機能面57は、前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すようになっている。
以上の光ピックアップ装置1Xの動作は、上記第3の実施の形態における光ピックアップ装置1Bと同様である。
この光ピックアップ装置1Xによれば、光学機能面54,55に垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合と、λ=λ3である場合とには、光学機能面54,55における反射率が1[%]以下であり、光学機能面56に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、光学機能面56における反射率が1[%]以下であり、光学機能面57に垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合とには、光学機能面57における反射率が1[%]以下であるので、これらの帯域内の波長に対しては反射を防止することができる。また、光学機能面57においては、波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示す、つまり反射防止機能が低下するので、従来と異なり、第1光束と第2光束と第3光束とに対する反射防止機能を損なうことなく、反射防止膜51Xの層数を少なくすることができる。従って、生産コストを低廉化することができるとともに、反射防止膜51Xの層と層との間に水分が浸透することによる分光特性の変化を抑えることができる。
また、レンズ本体50が光学プラスチック製である場合であっても、反射防止膜51Xの応力によって反射防止膜51Xにクラックが発生したり、反射防止膜51Xとレンズ本体50との密着性が低下したりすることを防ぐことができる、つまり耐環境性を向上させることができる。
なお、上記第1〜第23の実施の形態においては、対物レンズ5,5A〜5Xの開口数を0.65として説明したが、0.85〜0.9としても良い。この場合には、情報記録媒体として、保護基板厚0.1mmのブルーレイディスクをAOD100に代えて用いることができる。
また、上記第1〜第12,第14〜第22の実施の形態においては、対物レンズは1つのレンズ本体と、レンズ本体の両面に設けられた反射防止膜とを備えるものとして説明したが、2つ以上のレンズ本体と、各レンズ本体の表面に設けられた反射防止膜とを備えるものとしても良い。
また、上記第1〜23の実施の形態においては、光学素子を対物レンズ5として説明したが、ビームシュリンカーやビームエキスパンダーとしても良い。
以下に、実施例および比較例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例において波長λ1は405[nm]、λ2は650[nm]、λ3は780[nm]であるものとする。
<実施例1>
実施例1では、上記第1の実施の形態における対物レンズ5の反射防止膜51を、表1に示すように2層で構成した。なお、レンズ本体はBK7(商品名:ショットグラス社製)で形成した。
Figure 2005038581
この対物レンズ5の光学機能面52,53における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面52,53の反射率は、図5に示すように、前記波長λ1と波長λ2との間で2[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2付近で1[%]以下となって極小値を示していた。
このことから、本実施例1の対物レンズ5は波長λ1の第1光束と、波長λ2の第2光束とに対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例2>
実施例2では、上記第2の実施の形態における対物レンズ5Aの反射防止膜51Aを、表2に示すように3層で構成した。
Figure 2005038581
この対物レンズ5Aの光学機能面52A,53Aにおける反射率と入射光線の波長との関係を測定した。
測定の結果、対物レンズ5Aの光学機能面52A,53Aにおける反射率は、図6に示すように、前記波長λ1と波長λ2との間で2[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2を含む広帯域の波長範囲で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例2の対物レンズ5Aは波長λ1の第1光束と波長λ2の第2光束とに対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例3>
実施例3では、上記第3の実施の形態における対物レンズ5Bの反射防止膜51Bを、表3に示すように4層で構成した。
Figure 2005038581
この対物レンズ5Bの光学機能面52B,53Bにおける反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面52B,53Bの反射率は、図7に示すように、前記波長λ1と波長λ2との間で2[%]以上の極大値を示すものの波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例3の対物レンズ5Bは波長λ1の第1光束と、波長λ2の第2光束と、波長λ3の第3光束とに対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例4>
実施例4では、上記第3の実施の形態における対物レンズ5Bの反射防止膜51Bを、表4に示すように6層で構成した。
Figure 2005038581
この対物レンズ5Bの光学機能面52B,53Bにおける反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面52B,53Bの反射率は、図8に示すように、前記波長λ1と波長λ2との間で2[%]以上の極大値を示すものの波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例4の対物レンズ5Bは波長λ1の第1光束と、波長λ2の第2光束と、波長λ3の第3光束とに対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例5>
実施例5では、上記第4,5,6の実施の形態における対物レンズ5Cを、いわゆる2枚玉構成のレンズとして表5に示すように構成した。なお、2枚玉構成のレンズとは、2つのレンズ本体を備えるものである。この対物レンズ5Cの焦点距離は、波長408[nm]の光束に対して2.2[mm]となっていた。
Figure 2005038581
ここで、表5中、S1〜S4はそれぞれ対物レンズ5Cの光学機能面であり、レーザー光源2a,2bからAOD100等の情報記録媒体に向かってS1〜S4の順に位置している。
より詳細には、光学機能面S1,S2は、上記表1に示す2層構成の反射防止膜によって形成した。また、光学機能面S3,S4は、表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
Figure 2005038581
この対物レンズ5Cの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Cの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図5に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2の付近で1[%]以下となっていた。
また、この対物レンズ5Cの光学機能面S3,S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3,S4の反射率は、図9に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例5における対物レンズ5Cは、少ない層数の反射防止膜51Cによって第1、第2光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例6>
実施例6では、上記第14,15,16の実施の形態における対物レンズ5Oを、いわゆる2枚玉構成のレンズとして上記表5に示すように構成した。
より詳細には、光学機能面S1,S2は、上記表4に示す6層構成の反射防止膜によって形成した。また、光学機能面S3,S4は、上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
この対物レンズ5Oの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、785[nm]の波長の光束に対する透過率は97[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Oの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図8に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、この対物レンズ5Oの光学機能面S3,S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3,S4の反射率は、図9に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例6における対物レンズ5Oは、少ない層数の反射防止膜51Oによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例7>
実施例7では、上記第7,9,10,11,13の実施の形態における対物レンズ5F,5I,5J,5Kを、いわゆる2枚玉構成のレンズとして上記表5に示すように構成した。
より詳細には、光学機能面S1,S2は、上記表1に示す2層構成の反射防止膜によって形成した。また、光学機能面S3は、表7に示す5層構成の反射防止膜によって構成した。また、光学機能面S4は、上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
Figure 2005038581
この対物レンズの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5F,5I,5J,5Kの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図5に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、前記波長λ1,λ2付近で1[%]以下となり、極小値を示していた。
また、光学機能面S3における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3の反射率は、図10に示すように、波長λ1,λ2の付近で1.5[%]以下となっていた。
また、光学機能面S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S4の反射率は、図9に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例7における対物レンズは、少ない層数の反射防止膜によって第1、第2光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例8>
実施例8では、上記第17,19,20,21,23の実施の形態における対物レンズ5Q,5T,5U,5Wを、いわゆる2枚玉構成のレンズとして上記表5に示すように構成した。
より詳細には、光学機能面S1,S2は、上記表4に示す6層構成の反射防止膜によって形成した。また、光学機能面S3は、表8に示す9層構成の反射防止膜によって形成した。また、光学機能面S4は、上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
Figure 2005038581
この対物レンズ5Q,5T,5U,5Wの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、785[nm]の波長の光束に対する透過率は97[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Q,5T,5U,5Wの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図8に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S3における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3の反射率は、図11に示すように、波長λ1,λ2,λ3の付近で1.5[%]以下となっていた。
また、光学機能面S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S4の反射率は、図9に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例8における対物レンズ5Q,5T,5U,5Wは、少ない層数の反射防止膜51Q,51T,51U,51Wによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例9>
実施例9では、上記第5の実施の形態における対物レンズ5Dを、いわゆる1枚玉レンズとして表9に示すように構成した。この対物レンズ5Eの焦点距離は、波長405[nm]の光束に対して2.0[mm]となっていた。
Figure 2005038581
ここで、表9中、S1,S2はそれぞれ対物レンズ5Dの光学機能面であり、レンズ本体50に対して、S1はレーザー光源2a,2b側に、S2はAOD100等の情報記録媒体側に位置している。
より詳細には、光学機能面S1,S2は、上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
この対物レンズ5Dの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Dの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図9に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例9における対物レンズ5Dは、少ない層数の反射防止膜51Dによって第1、第2光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例10>
実施例10では、上記第15の実施の形態における対物レンズ5Oを、いわゆる1枚玉レンズとして上記表9に示すように構成した。
より詳細には、光学機能面S1,S2は、上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
この対物レンズ5Oの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、785[nm]の波長の光束に対する透過率は97[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Oの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図9に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例10における対物レンズ5Oは、少ない層数の反射防止膜51Oによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例11>
実施例11では、上記第11,12の実施の形態における対物レンズ5Kを、いわゆる1枚玉レンズとして上記表9に示すように構成した。
より詳細には、光学機能面S1は上記表7に示す5層構成の反射防止膜によって形成し、S2は上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
この対物レンズ5Kの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Kの光学機能面S1における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1の反射率は、図10に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S2の反射率は、図9に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例11における対物レンズ5Kは、少ない層数の反射防止膜51Kによって第1、第2光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例12>
実施例12では、上記第21,22の実施の形態における対物レンズ5Vを、いわゆる1枚玉レンズとして上記表9に示すように構成した。
より詳細には、光学機能面S1は上記表8に示す9層構成の反射防止膜によって形成し、S2は上記表6に示す7層構成の反射防止膜によって形成した。
この対物レンズ5Vの透過率を測定した結果、408[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、658[nm]の波長の光束に対する透過率は98[%]、785[nm]の波長の光束に対する透過率は97[%]と、良好な値を示した。
また、この対物レンズ5Vの光学機能面S1における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1の反射率は、図11に示すように、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S2の反射率は、図9に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例12における対物レンズ5Vは、少ない層数の反射防止膜51Vによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例13>
実施例13では、上記第15の実施の形態における対物レンズ5Wをいわゆる1枚玉レンズとし、光学機能面S1,S2は表11に示す10層構成の反射防止膜によって形成した。反射防止膜の{(前記有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値は5[%]以下とし、膜厚分布を均一とした。
Figure 2005038581
この対物レンズ5Wを用いた光ピックアップ装置1Wにおいては、第1〜第3光束によって記録再生を確実に行うことができた。また、この対物レンズ5Wにおける第1〜第3光束のP偏光とS偏光との透過率を測定したところ、表10に示すようにほぼ等しくなった。
Figure 2005038581
また、この対物レンズ5Wの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図12に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例13における対物レンズ5Wは、少ない層数の反射防止膜51Wによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。また、P偏光とS偏光との透過率の乖離に起因して光検出器の入射光量が減少することがないため、記録再生の確実性をより高められることが分かる。
<実施例14>
実施例14では、上記第22の実施の形態における対物レンズ5Wをいわゆる1枚玉レンズとし、光学機能面S1は表12に示す9層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S2は表13に示す9層構成の反射防止膜によって形成した。反射防止膜の{(前記有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値は5[%]以下とし、膜厚分布を均一とした。
Figure 2005038581
Figure 2005038581
この対物レンズ5Wを用いた光ピックアップ装置1Wにおいては、第1〜第3光束によって記録再生を確実に行うことができた。
また、この対物レンズ5Wの光学機能面S1における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1の反射率は、図13に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S2の反射率は、図14に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例14における対物レンズ5Wは、少ない層数の反射防止膜51Wによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例15>
実施例15では、上記第22の実施の形態における対物レンズ5Wをいわゆる1枚玉レンズとし、光学機能面S1は上記表12に示す9層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S2は上記表13に示す9層構成の反射防止膜によって形成した。反射防止膜の{(前記有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値は5[%]より大きくし、膜厚分布を不均一とした。
この対物レンズ5Wの透過率を測定したところ、上記実施例14の対物レンズ5Wよりも若干透過率が低かったが、本実施例15の対物レンズ5Wを用いた光ピックアップ装置1Wにおいても、第1〜第3光束によって記録再生を確実に行うことができた。
このことから、本実施例15における対物レンズ5Wは、少ない層数の反射防止膜51Wによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例16>
実施例16では、上記第14,15,16の実施の形態における対物レンズ5Xをいわゆる2枚玉レンズとし、光学機能面S1,S2は上記表4に示す6層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S3,S4は上記表11に示す10層構成の反射防止膜によって形成した。反射防止膜の{(前記有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値は5[%]以下とし、膜厚分布を均一とした。
この対物レンズ5Xを用いた光ピックアップ装置1Xにおいては、第1〜第3光束によって記録再生を確実に行うことができた。また、この対物レンズ5Xにおける第1〜第3光束のP偏光とS偏光との透過率を測定したところ、表14に示すようにほぼ等しくなった。
Figure 2005038581
また、この対物レンズ5Xの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図8に示すように、波長λ1+15[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S3,S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3,S4の反射率は、図12に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例16における対物レンズ5Xは、少ない層数の反射防止膜51Xによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。また、P偏光とS偏光との透過率の乖離に起因して光検出器の入射光量が減少することがないため、記録再生の確実性をより高められることが分かる。
<実施例17>
実施例17では、上記第23の実施の形態における対物レンズ5Xをいわゆる2枚玉レンズとし、光学機能面S1,S2は上記表4に示す6層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S3は上記表12に示す9層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S4は上記表13に示す9層構成の反射防止膜によって形成した。反射防止膜の{(前記有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値は5[%]以下とし、膜厚分布を均一とした。
この対物レンズ5Xを用いた光ピックアップ装置1Xにおいては、第1〜第3光束によって記録再生を確実に行うことができた。
また、この対物レンズ5Xの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図8に示すように、波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S3における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3の反射率は、図13に示すように、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S4の反射率は、図14に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例17における対物レンズ5Xは、少ない層数の反射防止膜51Xによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
<実施例18>
実施例18では、上記第23の実施の形態における対物レンズ5Xをいわゆる2枚玉レンズとし、光学機能面S1,S2は上記表4に示す6層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S3は上記表12に示す9層構成の反射防止膜によって形成し、光学機能面S4は上記表13に示す9層構成の反射防止膜によって形成した。反射防止膜の{(前記有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値は5[%]より大きくし、膜厚分布を不均一とした。
この対物レンズ5Xの透過率を測定したところ、上記実施例17の対物レンズ5Xよりも若干透過率が低かったが、本実施例18の対物レンズ5Xを用いた光ピックアップ装置1Xにおいても、第1〜第3光束によって記録再生を確実に行うことができた。
また、この対物レンズ5Xの光学機能面S1,S2における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S1,S2の反射率は、図8に示すように、波長λ1と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S3における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S3の反射率は、図13に示すように、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
また、光学機能面S4における反射率と入射光線の波長との関係を測定した結果、光学機能面S4の反射率は、図14に示すように、波長λ1+50[nm]と波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すものの、波長λ1,λ2,λ3の付近で1[%]以下となっていた。
このことから、本実施例18における対物レンズ5Xは、少ない層数の反射防止膜51Xによって第1〜第3光束に対して反射防止機能を有しており、透過光量の低下を防ぐことによって記録再生の確実性を高められることが分かる。
本発明に係る光ピックアップ装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る対物レンズを示す縦断面図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の他の実施の形態の概略構成を示す図である。 本発明に係る対物レンズの他の実施の形態を示す縦断面図である。 表1の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表2の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表3の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表4の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表6の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表7の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表8の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表11の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表12の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。 表13の反射防止膜によって形成される光学機能面における分光反射率曲線を示す図である。
符号の説明
1,1A〜1X 光ピックアップ装置
2a〜2c レーザー光源
5,5A〜5X 対物レンズ(光学素子)
50 レンズ本体
51,51A〜51X 反射防止膜
52,52A〜52X,53,53A〜53X 光学機能面
501 レンズ本体(第1光学素子本体)
502 レンズ本体(第2光学素子本体)

Claims (35)

  1. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦800[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられて少なくとも1つの光学機能面を形成した反射防止膜とを備え、
    前記光学機能面に垂直に入射する光束の反射率は、前記波長λ1と前記波長λ2との間で1[%]以上の極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1記載の光学素子において、
    前記複数の波長は、波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記波長λ2は、630[nm]≦λ2≦670[nm]であることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1または2記載の光学素子において、
    前記光学機能面における前記波長λ1の光束の最大入出射角度θmaxは、0[°]≦θmax≦40[°]であることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記光学素子本体の屈折率n0は、1.45≦n0≦1.65であり、
    前記反射防止膜に含まれる層のうち、最も前記光学素子本体側に位置する第1層は、屈折率n1が1.7≦n1≦2.5、光学膜厚nd1が225[nm]≦nd1≦275[nm]であり、
    2番目に前記光学素子本体側に位置する第2層は、屈折率n2が1.3≦n2≦1.55、光学膜厚nd2が100[nm]≦nd2≦150[nm]であることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記光学素子本体の屈折率n0は、1.45≦n0≦1.65であり、
    前記反射防止膜に含まれる層のうち、最も前記光学素子本体側に位置する第1層は、屈折率n1が1.7≦n1≦2.5、光学膜厚nd1が125[nm]≦nd1≦175[nm]であり、
    2番目に前記光学素子本体側に位置する第2層は、屈折率n2が1.55≦n2<1.7、光学膜厚nd2が75[nm]≦nd2≦125[nm]であり、
    3番目に前記光学素子本体側に位置する第3層は、屈折率n3が1.3≦n3<1.55、光学膜厚nd3が100[nm]≦nd3≦150[nm]であることを特徴とする光学素子。
  6. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記光学素子本体の屈折率n0は、1.45≦n0≦1.65であり、
    前記反射防止膜に含まれる層のうち、最も前記光学素子本体側に位置する第1層は、屈折率n1が1.7≦n1≦2.5、光学膜厚nd1が25[nm]≦nd1≦75[nm]であり、
    2番目に前記光学素子本体側に位置する第2層は、屈折率n2が1.3≦n2≦1.55、光学膜厚nd2が25[nm]≦nd2≦75[nm]であり、
    3番目に前記光学素子本体側に位置する第3層は、屈折率n3が1.7≦n3≦2.5、光学膜厚nd3が225[nm]≦nd3≦275[nm]であり、
    4番目に前記光学素子本体側に位置する第4層は、屈折率n4が1.3≦n4≦1.55、光学膜厚nd4が135[nm]≦nd4≦185[nm]であることを特徴とする光学素子。
  7. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
    これら光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  8. 請求項7記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記光学機能面は、
    前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  9. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
    これら光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  10. 請求項9記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記光学機能面は、
    前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  11. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]以下となるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが0[°]≦θmax≦40[°]である第1光学機能面と、前記有効径内での最大入出射角度θmaxが40[°]<θmax<90[°]である第2光学機能面とを、それぞれ少なくとも1つ形成し、
    前記第1光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
    前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  12. 請求項11記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第2光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  13. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
    0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
    これら光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  14. 請求項13記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  15. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
    0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
    または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも2つの光学機能面を形成し、
    これら光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  16. 請求項15記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  17. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
    0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第1光学機能面と、
    0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
    または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第2光学機能面とを形成し、
    前記第1光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
    前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  18. 請求項17記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第2光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  19. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
    0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第1光学機能面と、
    40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]である少なくとも1つの第2光学機能面とを形成し
    前記第1光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+15[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+15[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+15[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
    前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  20. 請求項19記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+15[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第2光学機能面は、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  21. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    1つ以上の光学素子本体と、前記光学素子本体の表面に設けられた反射防止膜とを備え、
    前記反射防止膜は、
    {(前記波長λ1の光束に対する有効径内での最大膜厚)−(前記有効径内での最小膜厚)}/平均膜厚の値が5[%]より大きくなるように成膜されて、前記有効径内での最大入出射角度θmaxと、前記有効径内における最大面角度θ⊥maxとが
    0[°]≦θmax≦40[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]
    または40[°]<θmax<90[°]、かつ、0[°]≦θ⊥max≦40[°]である少なくとも1つの第1光学機能面と、
    40[°]<θmax<90[°]、かつ、40[°]<θ⊥max<90[°]である少なくとも1つの第2光学機能面とを形成し、
    前記第1光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
    前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ2+130[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  22. 請求項21記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記第1光学機能面は、前記波長λがλ3≦λ≦λ3+30 [nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第2光学機能面は、前記波長λがλ1≦λ≦λ3+120[nm]である場合には、反射率が1.5[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  23. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    光学素子本体と、前記光学素子本体の両面に設けられて、前記光ピックアップ装置のレーザー光源側の第1光学機能面及び前記情報記録媒体側の第2光学機能面を形成した反射防止膜とを備え、
    前記第1光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  24. 請求項23記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記第1光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  25. 情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、波長λ1(390[nm]≦λ1≦430[nm])及び波長λ2(630[nm]≦λ2≦670[nm])を含む複数の波長の光束を情報記録媒体に集光させる光学素子であって、
    前記光ピックアップ装置のレーザー光源側に配設された第1光学素子本体と、
    前記情報記録媒体側に配設された第2光学素子本体と、
    前記第1光学素子本体の両面に設けられて、前記レーザー光源側の第1光学機能面及び前記情報記録媒体側の第2光学機能面を形成し、かつ
    前記第2光学素子本体の両面に設けられて、前記レーザー光源側の第3光学機能面及び前記情報記録媒体側の第4光学機能面を形成した反射防止膜とを備え、
    前記第1光学機能面及び前記第2光学機能面は、
    垂直に入射する光束の波長λがλ=λ1である場合と、λ=λ2である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示し、
    前記第3光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ2+40[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第4光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ1+50[nm]である場合と、λ2≦λ≦λ2+40[nm]である場合とには、反射率が1[%]以下であり、
    前記波長λがλ1+50[nm]<λ<λ2の範囲内の或る波長である場合に、反射率が1[%]よりも大きい極大値を示すことを特徴とする光学素子。
  26. 請求項25記載の光学素子において、
    前記複数の波長は波長λ3(760[nm]≦λ3≦800[nm])を含み、
    前記第1光学機能面及び前記第2光学機能面は、
    前記波長λがλ=λ3である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第3光学機能面は、
    前記波長λがλ1≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であり、
    前記第4光学機能面は、
    前記波長λがλ2≦λ≦λ3+30[nm]である場合には、反射率が1[%]以下であることを特徴とする光学素子。
  27. 請求項1〜26の何れか一項に記載の光学素子において、
    開口数が0.65以上の対物レンズであることを特徴とする光学素子。
  28. 請求項1〜27の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記反射防止膜は、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
    1.3≦n≦1.55である低屈折率材料と、
    1.7≦n≦2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも2種類の材料から形成されていることを特徴とする光学素子。
  29. 請求項28記載の光学素子において、
    前記低屈折率材料は、MgF2またはSiO2を主成分とする材料であり、
    前記高屈折率材料は、TiO2、Ta25、CeO2、ZrO2、HfO2またはCeF3を主成分とする材料であることを特徴とする光学素子。
  30. 請求項1〜27の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記反射防止膜は、波長500[nm]の光束に対する屈折率nが
    1.3≦n<1.55である低屈折率材料と、
    1.55≦n<1.7である中屈折率材料と、
    1.7≦n<2.5である高屈折率材料とのうち、少なくとも3種類の材料から形成されていることを特徴とする光学素子。
  31. 請求項30記載の光学素子において、
    前記低屈折率材料は、MgF2またはSiO2を主成分とする材料であり、
    前記中屈折率材料は、Al23を主成分とする材料であり、
    前記高屈折率材料は、TiO2、Ta25、CeO2、ZrO2、HfO2またはCeF3を主成分とする材料であることを特徴とする光学素子。
  32. 請求項1〜31の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記光学素子本体はプラスチック成形されていることを特徴とする光学素子。
  33. 請求項1〜31の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記光学素子本体はガラスモールド成形されていることを特徴とする光学素子。
  34. 請求項1〜33の何れか一項に記載の光学素子において、
    前記光学素子本体と前記反射防止膜との間には下地層が介在し、
    前記下地層の屈折率n0’は、前記光学素子本体の屈折率をn0とした場合に、|n0’−n0|≦0.1であることを特徴とする光学素子。
  35. 請求項1〜34の何れか一項に記載の光学素子と、レーザー光源とを備え、
    前記レーザー光源から出射された光束を前記光学素子によって光記録媒体上に集光することにより、この光記録媒体への情報の記録と、前記光記録媒体に記録された情報の再生と、の少なくとも一方を実行可能であることを特徴とする光ピックアップ装置。
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