JP2011008280A - 反射防止膜 - Google Patents

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Koji Ikegami
耕司 池上
Toshimasa Kanai
敏正 金井
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Abstract

【課題】収差補正素子等の光学素子における反射防止膜に適切な改良を加えることにより、複数種の光ディスクに対して的確な互換性を有し且つ信頼性に優れた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置の構成要素である収差補正素子に設けられる反射防止膜で、収差補正素子の基体上に少なくとも4つの層が形成され、この4つの層は、基体側から順に、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが5〜50nmの第1の層と、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが50〜200nmの第3の層と、SiO2またはAl23もしくはSiONを含み且つ幾何学的厚みが50〜200nmの第4の層とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射防止膜に係り、詳しくは、複数種の光ディスクに対して互換性のある光ピックアップ装置の収差補正素子等の光学素子に設けられる反射防止膜の改良技術に関する。
周知のように、光学的に情報記録または情報再生が行なわれる情報記録媒体としては、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが、小型且つ大容量で利便性を有する観点から注目されている。そして、近年においては、これらの種類の異なる光ディスクを一台で使用することが可能な互換性を有する光ピックアップ装置(光学式情報記録再生装置)が開発されるに至っている。
この場合、DVDは、CDの約7倍の情報の高密度化を確保したものであるが、このように光ディスクの高密度化を確保するには、光ピックアップ装置に備えられている対物レンズの開口数(NA)を大きくすることや、短波長の光ビームを用いることにより、照射径の小さな光ビームを光ディスクに照射することが必要となる。
しかしながら、上記のように対物レンズのNAを大きくしたり、短波長の光ビームを用いる手法では、光ディスクによる光ビームへの収差の影響が大きくなり、記録や再生の精度を向上させることが困難となる。そこで、下記の特許文献1や特許文献2によれば、このような収差の影響を低減するため、収差補正素子(特許文献1では光学素子と称されている)を使用することが開示されている。
特開2001−100174号公報 特開2000−292755号公報
ところで、上述の特許文献1、2に開示された何れの収差補正素子にも、光ビームの反射による光源への戻り光を低減することや、ロスなく光ビームを透過させることを目的として、反射防止膜が設けられている。この反射防止膜は、特許文献1に開示の収差補正素子では、MgFやAl23の単層膜が使用され、また特許文献2に開示の収差補正素子では、SiO、Al23、MgF2、CaF2からなる単層膜が使用されている。
この場合において、従来の反射防止膜が設けられた収差補正素子では、例えば、特許文献2の図14〜図17に示されているように、CDで使用される波長780nmの光ビームやDVDで使用される波長658nmの光ビームの透過率は高いものの、BD(Blue Laser Disc)で使用される波長405nmの光ビームの透過率は、70%にも満たないものとなっている。従って、このような反射防止膜が設けられた収差補正素子では、CD、DVD、及びBDの三種の光ディスクに対して互換性を有するものとしては使用できないという問題を有していた。
また、同文献の図18には、反射防止膜が設けられた収差補正素子として、BDで使用される波長405nmの光ビームの透過率が80%を超えているものが記載されている。しかしながら、この収差補正素子は、CD及びDVDで使用される波長780nm及び658nmの光ビームの透過率が何れも88%に満たないのみならず、波長405nmの光ビームの透過率は85%に満たないものとなっている。これに対して、同文献における既述の図14〜図17に示す収差補正素子では、波長780nm及び658nmの光ビームの透過率は何れも93%を超えている。この事を勘案すれば、同文献の図18に示す収差補正素子は、400nm〜800nmの波長領域の全域に亘って透過率が低く、且つその中でも波長405nm近傍の光ビームの透過率は、同文献の図14〜図17に示す収差補正素子と同様に、最も低くなっている。以上のような事項から判断すれば、同文献の図18に示す収差補正素子も、CD、DVD、及びBDの三種の光ディスクに対して互換性を有するものとしては適していないということができる。
そして、以上のように収差補正素子が上記三種の光ディスクに対して互換性を有しないものとなるのは、反射防止膜における上記三つの波長での光ビームの透過率が適切でないことに大きく由来している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、収差補正素子等の光学素子の反射防止膜に適切な改良を加えることにより、複数種の光ディスクに対して的確な互換性を有し、且つ、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐NaCl性、耐湿性、耐摩耗性、及び付着性の評価試験に対する信頼性に優れた光ピックアップ装置を提供することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明の反射防止膜は、光ピックアップ装置の構成要素である収差補正素子に設けられる反射防止膜であって、前記収差補正素子の基体上に少なくとも4つの層が形成され、この4つの層は、前記基体側から順に、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが5〜50nmの第1の層と、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが50〜200nmの第3の層と、SiO2またはAl23もしくはSiONを含み且つ幾何学的厚みが50〜200nmの第4の層とを備えていることに特徴づけられる。ここで、上記の「幾何学的厚み」とは、λ/4等の光学的厚みと区別されるものであり、波長に依存しない厚みである。また、上記の「SiO2またはAl23もしくはSiONを含み」とは、それらの物質が主たる成分として含まれていることを意味する。
即ち、本発明は、収差補正素子に設けられる反射防止膜の特性を適切なものとすれば、当該収差補正素子における特定複数の波長での光ビームの透過特性が優れたものになることを、本発明者等が知見したことにより案出されたものである。そして、上記の構成によれば、CD、DVD及びBDでそれぞれ使用される波長780nm、658nm及び波長405nmでの光ビームの反射率が全て3%以下となる反射防止膜が提供されることから、上記三種の光ディスクに対して的確な互換性を有し且つ信頼性に優れた収差補正素子ひいては光ピックアップ装置を得ることが可能となる。詳述すると、上記三つの波長のうち少なくとも何れか一つの波長での光ビームの反射率が仮に3%を超える反射防止膜を収差補正素子に設けたならば、その少なくとも何れか一つの波長での光ビームの反射に起因する光源への戻り光を適切に低減できなくなり、或いはロスを生じることなくその光ビームを透過させることが困難となるおそれがある。従って、上記の反射率が全て3%以下であれば、このような不具合は生じ難くなる。この事を勘案すれば、上記の反射率は全て1%以下、更には全て0.5%以下であることがより好ましい。
そして、上記のように4つの層を形成すれば、従来の単層の場合と比較して、反射率特性が好適に変化し、既に述べたように、波長が、405nm、658nm及び780nmでの光ビームの反射率が3%以下(好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下)の反射防止膜を得ることができる。
更に、上記のように4つの層を形成すれば、波長領域が、400〜410nm、640〜680nm及び760〜800nmでの光ビームの反射率が3%以下(好ましくは1%以下)の反射防止膜を得ることができる。このような反射防止膜が得られることにより、光源の波長のバラツキや光ディスクからの反射光の波長シフトがあっても、当該収差補正素子としては、不当なロスを生じることなく好適に光ビームを透過させることが可能となる。
この場合、光ビームの反射率が、特定複数の波長域で上記の4つの層を有する場合と同等の小さな値を示す反射防止膜を得るという要請に応じるには、以下に示すような構成とすることもできる。
即ち、前記基体上に少なくとも5つの層を形成し、この5つの層は、前記第1〜第4の層に加えて、前記基体と前記第1の層との間に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の内層を備えるようにする。
また、前記基体上に少なくとも6つの層を形成し、この6つの層は、前記第1〜第4の層に加えて、前記第3の層と前記第4の層との間に、前記基体側から順に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の外層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の外層とを備えるようにする。
更に、前記基体上に少なくとも9つの層を形成し、この9つの層は、前記第1〜第4の層に加えて、前記基体と前記第1の層との間に、前記基体側から順に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の内層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが5〜50nmの第2の内層と、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜100nmの第3の内層とを備えると共に、前記第3の層と前記第4の層との間に、前記基体側から順に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の外層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の外層とを備えるようにする。
以上の構成において、前記屈折率ndが2.0以上の層は、TiO2またはNb25を含む層であり、前記屈折率ndが1.5以下の層は、SiO2、MgF2及びCaF2から選ばれた層であることが好ましい。
また、以上の構成においては、前記第4の層を、最外層とすることができる。このようにした場合に、その第4の層が、特に既述のSiO2を含むものであれば、保護膜としての役目を果たすことができ、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐NaCl性、及び耐湿性に優れた反射防止膜を得ることが可能となる。
更に、以上の各層は、スパッタ膜として形成することができ、そのようにした場合には、耐摩耗性や付着性(または密着性)に優れた反射防止膜を得ることが可能となる。
そして、以上の反射防止膜は、良好な特性を得る上で、収差補正素子の表裏両面に設けることが好ましい。
この場合において、以上の反射防止膜は、光ピックアップ装置の収差補正素子に代えて、他の光学素子に使用することもできる。すなわち、波長が、405nm、658nm及び780nmでの光ビームの反射率、または、波長領域が、400〜410nm、640〜680nm及び760〜800nmでの光ビームの反射率が、上述のように小さな値を示すことが要求される光学素子であれば、収差補正素子に限らず、他の光学素子に以上の反射防止膜を設けるようにしてもよい。
また、以上の反射防止膜をガラス板(例えば光学素子の全部又は一部として使用されるガラス板の表面)に設けて、ガラス物品として提供することもできる。
以上のように本発明に係る反射防止膜によれば、CD、DVD及びBDでそれぞれ使用される三つの波長または三つの波長領域での光ビームの反射率が適切に小さくされることから、上記三種の光ディスクに対して的確な互換性を有し、且つ、信頼性に優れた光学素子ひいては光ピックアップ装置を得ることが可能となり、利便性の向上を図る上で極めて有利となる。加えて、この反射防止膜が設けられた光学素子は、上記三つの波長の光ビームが反射することによる光源への戻り光を適切に低減でき、しかも不当なロスを生じることなくそれらの光ビームを良好に透過させることが可能となり、高品質の光学的特性が得られる。
本発明の実施形態に係る反射防止膜が設けられた収差補正素子を構成要素とする光ピックアップ装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る四種類の反射防止膜の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る反射防止膜(第1及び第2の例)の特性を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る反射防止膜(第3の例)の特性を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る反射防止膜(第4の例)の特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る反射防止膜が設けられた収差補正素子を構成要素とする光ピックアップ装置の一例を示す概略図である。同図に示すように、この光ピックアップ装置1は、半導体レーザ2、ビームスプリッタ3、倍率変換機構4、ミラー5、収差補正素子(液晶素子)6、NA制御素子7、1/4波長板8、対物レンズ9、及び光検出器10から概略構成されている。そして、半導体レーザ2から照射された光ビームLは、ビームスプリッタ3を透過した後、倍率変換機構4で平行光線とされ、更に収差補正素子6などを透過して、対物レンズ9により光ディスクDの記録面に集光される。また、光ディスクDの記録面で反射した光ビームLは、ビームスプリッタ3に再度入射した後、光路を屈曲させて光検出器10に導かれ、所定の検出が行なわれる。
この場合、光ビームLは、収差補正素子6を透過することにより、球面収差などが補正されるが、この収差補正素子6の表裏両面または片面には、それぞれ以下に示すような反射防止膜が設けられている。
即ち、第1の例として、図2に符号40で示す欄に記載した四層の反射防止膜が、収差補正素子6の基体(例えば当該素子6の表裏に配置されるガラス基材)の片面(光ビームが入射する側の面)に、スパッタ法により形成される。詳述すると、この四層の反射防止膜は、基体側から順に、幾何学的厚みが24nmであってTiO2からなる第1の層と、幾何学的厚みが33nmであってSiO2からなる第2の層と、幾何学的厚みが111nmであってNb25からなる第3の層と、幾何学的厚みが119nmであってSiO2からなる第4の層(最外層)とを形成してなる。この場合、TiO2の屈折率ndは、2.32であり、SiO2の屈折率ndは、1.47であり、Nb25の屈折率ndは、2.20である。
図3は、本発明者等が、ホウケイ酸塩ガラス基板(屈折率ndが1.52)上に、上記の四層の反射防止膜をスパッタ法により形成し、その反射防止膜の反射率を測定することにより得られた反射率曲線4Aを示すグラフである。尚、反射率は、第4の層(最外層)から光ビームを入射し、分光光度計で測定した値である。この図3に示す反射率曲線4Aから概ね把握できるように、波長405nmでの光ビームの反射率は0.04%、波長658nmでの光ビームの反射率は0.03%、波長780nmでの光ビームの反射率は0.05%であった(図2に符号40で示す欄参照)。
次に、第2の例として、図2に符号50で示す欄に記載した五層の反射防止膜は、収差補正素子6の基体の片面に、基体側から順に、幾何学的厚みが50nmであってSiO2からなる第1の内層と、幾何学的厚みが24nmであってTiO2からなる第1の層と、幾何学的厚みが35nmであってSiO2からなる第2の層と、幾何学的厚みが111nmであってNb25からなる第3の層と、幾何学的厚みが117nmであってSiO2からなる第4の層(最外層)とを、スパッタ法により形成したものである。
ここで、本発明者等が、上記第1の例と同様の手順で、五層の反射防止膜を形成し、その反射防止膜の反射率を測定することにより得られた反射率曲線は、上述の図3に示す曲線4Aと略同一となった。そして、この五層の反射防止膜は、波長405nmでの光ビームの反射率が0.02%、波長658nmでの光ビームの反射率が0.03%、波長780nmでの光ビームの反射率が0.05%であった(図2に符号50で示す欄参照)。
更に、第3の例として、図2に符号60で示す欄に記載した六層の反射防止膜は、収差補正素子6の基体の片面に、基体側から順に、幾何学的厚みが7nmであってNb25からなる第1の層と、幾何学的厚みが163nmであってSiO2からなる第2の層と、幾何学的厚みが160nmであってNb25からなる第3の層と、幾何学的厚みが119nmであってSiO2からなる第1の外層と、幾何学的厚みが147nmであってNb25からなる第2の外層と、幾何学的厚みが58nmであってSiO2からなる第4の層(最外層)とを、スパッタ法により形成したものである。
図4は、本発明者等が、上記第1の例と同様の手順で、六層の反射防止膜を形成し、その反射防止膜の反射率を測定することにより得られた反射率曲線6Aを示すグラフである。この図4に示す反射率曲線6Aから概ね把握できるように、波長405nmでの光ビームの反射率は0.05%、波長658nmでの光ビームの反射率は0.22%、波長780nmでの光ビームの反射率は0.04%であった(図2に符号60で示す欄参照)。
また、第4の例として、図2に符号90で示す欄に記載した九層の反射防止膜は、収差補正素子6の基体の片面に、基体側から順に、幾何学的厚みが99nmであってSiO2からなる第1の内層と、幾何学的厚みが7nmであってTiO2からなる第2の内層と、幾何学的厚みが47nmであってSiO2からなる第3の内層と、幾何学的厚みが21nmであってNb25からなる第1の層と、幾何学的厚みが31nmであってSiO2からなる第2の層と、幾何学的厚みが79nmであってNb25からなる第3の層と、幾何学的厚みが16nmであってSiO2からなる第1の外層と、幾何学的厚みが22nmであってNb25からなる第2の外層と、幾何学的厚みが101nmであってSiO2からなる第4の層(最外層)とを、スパッタ法により形成したものである。
図5は、本発明者等が、上記第1の例と同様の手順で、九層の反射防止膜を形成し、その反射防止膜の反射率を測定することにより得られた反射率曲線9Aを示すグラフである。この図5に示す反射率曲線9Aから概ね把握できるように、波長405nmでの光ビームの反射率は0.05%、波長658nmでの光ビームの反射率は0.18%、波長780nmでの光ビームの反射率は0.23%であった(図2に符号90で示す欄参照)。
上記の図3〜図5に示す四層、五層、六層、九層の各反射防止膜の各反射率曲線4A、6A、9Aによれば、光ディスクDとしてCD、DVD及びBDでそれぞれ使用される波長780nm、658nm及び波長405nmでの光ビームの反射率が全て3%以下(実験値では0.25%以下)となっている。しかも、波長領域が、400〜410nm、640〜680nm及び760〜800nmでの光ビームの反射率も全て3%以下(実験値では0.8%以下)となっている。従って、これらの反射防止膜が表裏両面に形成された収差補正素子6は、上記三種の光ディスクに対して的確な互換性を有するものとなることが伺える。
更に、本発明者等は、上記の各反射防止膜を形成してなるホウケイ酸塩ガラス基板(以下、試料という)について、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐NaCl性、耐湿性、耐摩耗性、及び付着性の評価試験を行なったところ、全て合格となった。
尚、耐アルカリ性については、試料を3%のKOH水溶液に10分間浸漬し、耐溶剤性については、試料を室温でアセトンに20分間浸漬し、その時の各試料の反射率が、波長405nm±10nm、波長658nm±25nm、及び波長780nm±25nmにおいて0.5%以下であり、且つ、膜剥れ、クラック、及びシミがなければ合格とした。また、耐NaCl性については、MIL−C−675 3.8.1に準じ、試料をNaCl溶液に24時間浸漬した後、膜欠け、剥れ、クラック、及び気泡等の膜の劣化が認められなければ合格とした。更に、耐摩耗性については、KIL−C−675 3.8.4に準じ、約1.0kgの荷重をかけた消しゴムで試料を50ストローク擦った後、膜剥れがなく、且つ、乾いた清潔なコットン(ベンコットン)で試料を擦った後、膜剥れがなければ合格とした。また、耐湿性については、MIL−C−675 3.8.2に準じ、48.9±2.2℃で95〜100%湿度の雰囲気に試料を24時間曝した後、膜欠け、剥れ、クラック、及び気泡等の膜の劣化がなく、且つ、上記の耐摩耗性に合格することを条件として合格とした。更に、付着性については、MIL−C−675 3.8.5に準じ、ニチバンセロテープ(登録商標)♯405(株式会社ニチバン製)を試料に貼り付け、3回剥がした時点で、膜剥れがなければ合格とした。
なお、上記実施形態では、本発明に係る反射防止膜を、光ピックアップ装置の収差補正素子に設けるようにしたが、波長が、405nm、658nm及び780nmでの光ビームの反射率、または、波長領域が、400〜410nm、640〜680nm及び760〜800nmでの光ビームの反射率が、上述のように小さな値を示すことが要求される光学素子であれば、他の光学素子に、本発明に係る反射防止膜を設けるようにしてもよい。
本発明に係る反射防止膜は、CD、DVD、BDの互換性のある収差補正素子(例えばホログラム素子)に使用可能である、また、これと同様の作用効果を奏することが要求されるガラス物品にも使用可能である。
1 光ピックアップ装置
6 収差補正素子(光学素子)
40 四層の反射防止膜
50 五層の反射防止膜
60 六層の反射防止膜
90 九層の反射防止膜

Claims (9)

  1. 光ピックアップ装置の構成要素である収差補正素子に設けられる反射防止膜であって、
    前記収差補正素子の基体上に少なくとも4つの層が形成され、この4つの層は、前記基体側から順に、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが5〜50nmの第1の層と、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが50〜200nmの第3の層と、SiO2またはAl23もしくはSiONを含み且つ幾何学的厚みが50〜200nmの第4の層とを備えていることを特徴とする反射防止膜。
  2. 前記基体上に少なくとも5つの層が形成され、この5つの層は、前記第1〜第4の層に加えて、前記基体と前記第1の層との間に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の内層を備えていることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 前記基体上に少なくとも6つの層が形成され、この6つの層は、前記第1〜第4の層に加えて、前記第3の層と前記第4の層との間に、前記基体側から順に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の外層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の外層とを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射防止膜。
  4. 前記基体上に少なくとも9つの層が形成され、この9つの層は、前記第1〜第4の層に加えて、前記基体と前記第1の層との間に、前記基体側から順に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の内層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが5〜50nmの第2の内層と、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜100nmの第3の内層とを備えると共に、前記第3の層と前記第4の層との間に、前記基体側から順に、屈折率ndが1.5以下で且つ幾何学的厚みが10〜150nmの第1の外層と、屈折率ndが2.0以上で且つ幾何学的厚みが10〜200nmの第2の外層とを備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の反射防止膜。
  5. 前記屈折率ndが2.0以上の層は、TiO2またはNb25を含む層であり、前記屈折率ndが1.5以下の層は、SiO2、MgF2及びCaF2から選ばれた層であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の反射防止膜。
  6. 前記第4の層は、最外層であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の反射防止膜。
  7. 前記収差補正素子の表裏両面に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の反射防止膜。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の反射防止膜が、収差補正素子に代えて、他の光学素子に設けられていることを特徴とする反射防止膜。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の反射防止膜が、ガラス板に設けられてなることを特徴とするガラス物品。
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Citations (10)

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