JP2005033953A - 燃料電池車両の坂道発進時後退防止システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 走行用電動機のトルクのみでは後退してしまう坂道発進時に、車両が後退せずに発進できる燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムを提供する。
【解決手段】 走行用電動機11は、ギヤ13を介して駆動軸14を駆動する。空気圧縮機用電動機3は、空気圧縮機4を駆動して、圧縮空気を燃料電池2へ供給する。勾配検出機構16が登り勾配を検出した状態で、車両が発進する際に、コントローラ6は、アシストトルク伝達用クラッチ17を接続して、空気圧縮機用電動機3の出力トルクの一部を駆動軸14に伝達する。
【選択図】 図1
【解決手段】 走行用電動機11は、ギヤ13を介して駆動軸14を駆動する。空気圧縮機用電動機3は、空気圧縮機4を駆動して、圧縮空気を燃料電池2へ供給する。勾配検出機構16が登り勾配を検出した状態で、車両が発進する際に、コントローラ6は、アシストトルク伝達用クラッチ17を接続して、空気圧縮機用電動機3の出力トルクの一部を駆動軸14に伝達する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムに関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
ところで、従来の電動車両にはAT車のようなクリープ現象が無いため、坂道発進時の後退を防止するために、アクセル操作がされていない停車状態でもブレーキ操作量に応じて走行用電動機からクリープトルクを発生させ、坂道発進時に後退を防止するシステムが考案されていた(例えば、特許文献1)。これにより、坂道でのブレーキペダルからアクセルペダルへの踏み換えの際に車両が後退するのを防ぎ発進を容易にすることができた。
特開平9−037415号公報(第3頁、図2)
ところで、走行用電動機とその回転出力を適当な回転数に調整するギヤ、ギヤで調整された回転をホイールおよびタイヤに伝達する駆動軸のいずれかの間に回転伝達を一時切り離すクラッチが備えられていないシステムでは、停車時に走行用電動機の回転も停止する必要がある。
また、走行用電動機には、永久磁石直流モータや交流同期モータ等が多く利用され、これらのモータの回転制御には、ロータの磁極位置検出が必要である。
しかしながら、レゾルバのようなロータと回転検出部の相対運動でロータ磁極位置を検出している検出器の場合、車両停止により走行用電動機も停止すると、次に発車する際にロータが前後どちらかにおよそ一回転するまで磁極位置が検出できず、その間は走行用電動機の出力が一定値以下に制限されるため、回転始めから最大トルクが発生できないという問題点があった。
このため、急勾配や車両重量の重い車両の場合など、制限された走行用電動機の出力のみでは発車時のトルクが足りず、車両が後退してしまうという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するため、燃料電池を主たる電力供給源とする走行用電動機と、前記燃料電池に空気を供給する空気圧縮機と、該空気圧縮機を駆動する空気圧縮機用電動機と、前記走行用電動機の磁極位置を検出する磁極位置検出装置と、該磁極位置検出装置が検出した磁極位置に基づいて前記走行用電動機を制御するコントローラとを備えた燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムであって、前記空気圧縮機用電動機の出力トルクを前記空気圧縮機と車両の駆動軸とに分配して伝達するクラッチ機構と、車両進行方向の勾配を検出する勾配検出機構と、を備え、前記コントローラは、前記勾配検出機構が登り勾配を検知した状態で車両が発進する際に、前記磁極位置検出装置が磁極位置を検出するまで、前記空気圧縮機用電動機の出力トルクの一部を前記駆動軸に伝達するように前記クラッチ機構を制御することを要旨とする。
本発明によれば、車両の坂道発進時に、磁極位置検出装置が磁極位置を検出して走行用電動機が所望のトルクを出力可能となるまで、空気圧縮機用電動機のトルクを駆動軸に伝達して、車両の後退を防止することができるという効果がある。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明に係る燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムの第一実施形態の構成を説明するシステム概略図である。本実施形態では簡略化のため、燃料電池車両1の構成要素のうち本システムに必要な構成要素のみを図示し、冷却系統等は図示を省略している。
以下、本発明の第一実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明に係る燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムの第一実施形態の構成を説明するシステム概略図である。本実施形態では簡略化のため、燃料電池車両1の構成要素のうち本システムに必要な構成要素のみを図示し、冷却系統等は図示を省略している。
図中の太実線は電動機の動力となる電力の流れを示し、細実線は制御指令、勾配検出値等の弱電系信号の流れを示す。また、破線は空気、水素のガスの流れを示す。
図1において、燃料電池車両1は、例えば固体高分子型の燃料電池2と、空気圧縮機用電動機3と、空気圧縮機用電動機3で駆動され燃料電池2へ空気を供給する空気圧縮機4と、水素ガスを貯蔵する水素タンク5と、空気圧縮機4から燃料電池2へ供給する空気流量を調整するバルブ7と、水素タンク5から燃料電池2へ供給する水素流量を調整するバルブ8と、燃料電池2が発電した直流の電力105を交流電力に変換するインバータ9と、燃料電池2が発電した直流の電力105を交流電力に変換して空気圧縮機用電動機3に供給するインバータ10と、インバータ9で変換された交流電力で駆動される走行用電動機11と、走行用電動機11のロータ(回転子)の磁極位置を検出して磁極位置検出信号111を出力する磁極位置検出装置12と、走行用電動機11の回転速度を減じて駆動軸14に伝達するギヤ13と、駆動軸14により回転駆動されて燃料電池車両1を駆動する駆動輪15と、車両の前後方向の勾配を検出して勾配検出値108を出力する勾配検出機構16と、空気圧縮機用電動機3のトルクの一部を駆動軸14に伝達するアシストトルク伝達用クラッチ17と、空気圧縮機用電動機3の回転速度を減じてアシストトルク伝達用クラッチ17の入力側へ伝えるギヤ18と、従動輪19と、燃料電池車両1全体を制御するコントローラ6とを備えている。
走行用電動機11は、燃料電池2を主たる電力供給源とする走行用の電動機である。コントローラ6は、磁極位置検出装置12が検出した磁極位置検出信号111に基づいて、走行用電動機11の回転を制御するコントローラである。
またコントローラ6は、車両停止時に勾配検出機構16が検出した勾配検出値108に基づいて、車両発進時にトルクアシストが必要か否かを判定し、必要な場合、磁極位置検出装置12が磁極位置を検出して、走行用電動機11から所望のトルクを発生させられるようになるまで、アシストトルク伝達用クラッチ17を接続して、空気圧縮機用電動機3の出力トルクの一部を駆動軸14に伝達するように制御する。
燃料電池2は、空気圧縮機用電動機3に駆動される空気圧縮機4から送り込まれる空気101中の酸素と、水素タンク5から送り込まれる水素102を使用して発電を行う。コントローラ6は、空気流量調整用のバルブ7、水素流量調整用のバルブ8に、それぞれ開度指令103、104を出力して、空気、水素の流量を調整することにより、燃料電池2の発電量を制御する。
燃料電池2で発電された電力105は、コントローラ6からの出力指令106、107に基づき、インバータ9,10で交流に変換され、電流値を調整されて走行用電動機11と空気圧縮機用電動機3に供給される。走行用電動機11のロータの磁極位置は、磁極位置検出装置12により検出され、磁極位置検出信号111としてコントローラ6へ送られる。
走行用電動機11の出力はギヤ13により回転数を調整されて、駆動軸14に伝達され、駆動軸14は駆動輪15を駆動して、車両を走行させる。
坂道で燃料電池車両1が停車し走行用電動機11が停止した際、勾配検出機構16によりコントローラ6に勾配検出値108が伝達される。
ここで、勾配検出値108は、勾配の角度αを示し、登り勾配時にαは正、水平時に0,下り勾配時にαは負として検出されるものとする。この勾配検出値108の値を基にコントローラ6は、車両発進時に走行用電動機11がおよそ一回転して、磁極位置検出装置12から磁極位置検出信号111が出力されるまで、走行用電動機11の出力トルクが制限されることを考慮して、制限された走行用電動機11のトルクで発進すると後退するか否か、言い換えれば、空気圧縮機用電動機3のトルクアシストが必要か否かを判定し、必要であれば坂道発進時に空気圧縮機用電動機3のトルクアシストにより車両の後退を防止する。
勾配検出値108が正の一定値以上の場合、即ちトルクアシストが必要な角度だとコントローラ6が判定した場合、車両運転者によりブレーキが外されると、コントローラ6からアシストトルク伝達用クラッチ17へクラッチ結合動作指令109が出される。
これによりアシストトルク伝達用クラッチ17が繋がれ、空気圧縮機用電動機3の出力トルクの一部がギヤ18で分配されて、駆動軸14へ伝達される。同時に走行用電動機11からもトルクが発生するが、磁極位置検出装置12が磁極位置検出信号111を出力するまでは、制限されたトルクしか出力できない。
このように、空気圧縮機用電動機3と走行用電動機11との二つの電動機の出力トルクの合計がクリープトルクとなり、坂道発進時の燃料電池車両1の後退を防止する。空気圧縮機用電動機3からのトルクも利用するため、従来の走行用電動機11のみでクリープトルクを発生させる場合と比較して走行用電動機11から発生させるトルクは小さくて済む。
その後、走行用電動機11が1回転する間に磁極位置検出装置12がロータの磁極位置を検出して磁極位置検出信号を111をコントローラ6へ出力して、走行用電動機11からは所望のトルクを出力できるようになる。以後のアクセル操作により走行用電動機11はトルクを増大して燃料電池車両1が前進する。ブレーキを外してから駆動軸14は走行用電動機11と空気圧縮機用電動機3の両方で駆動するため、走行用電動機11の制限トルクによるトルク不足を補うことができ、車両が後退せずに前進可能となる。
走行開始後、走行用電動機11がおよそ一回転すると、走行用電動機11の磁極位置検出装置12の信号111をコントローラ6は認識できることにより、任意のトルクを出力できるようになる。
このため、コントローラ6が磁極位置検出装置12の信号111を認識することで、アシストトルク伝達用クラッチ17を切り離し、空気圧縮機用電動機3によるトルクアシストを終了する。以後、車両が再度停止するまで、空気圧縮機用電動機3の全トルクで空気圧縮機4を駆動することになる。
図2は、第一実施形態における運転者の操作を含むシステム全体の動作を説明するフローチャートである。
まず、ステップS10の燃料電池車両1の停止状態において、走行用電動機11の回転は停止している。この状態では、磁極位置検出装置12は、走行用電動機11の磁極位置検出ができず、コントローラ6は磁極位置検出信号111により、走行用電動機11のロータの磁極位置を検出できない状態となっている。
次いで、S12に示すように、コントローラ6は、燃料電池を低出力として燃料消費を抑制する暖機運転を行うように、空気及び水素を供給する。この状態では、空気圧縮機用電動機3は低速度で回転を続けていて、常にロータの磁極位置が検出されている。従って、空気圧縮機用電動機3は、任意のタイミングで最大トルクを発生させることが可能な状態である。
次いで、コントローラ6は、S14で勾配検出機構16が検出した車両の前後方向の勾配検出値108を読み込む。次いで、S16でコントローラ6は、勾配検出値108がある角度以上の登り勾配か否か、言い換えれば、車両発進時に空気圧縮用電動機3からのトルクアシストが必要か否かを判定する。
S16の判定がYesの場合、即ちコントローラ6が車両発進時にトルクアシストが必要と判定している場合、S18で運転者がブレーキを解除(OFF)すると、コントローラ6は、S20で燃料電池の発電状態を暖機運転から走行用電動機11へ電力供給可能な発電状態へ移行させ、S22でアシストトルク伝達用クラッチ17を接続(ON)し、空気圧縮機用電動機3から駆動軸14へトルク伝達可能とする。
次いで、S24とS26とは並行に実行され、コントローラ6はS24で空気圧縮機用電動機3に最大トルクを発生させ、その発生トルクの一部でアシストトルク伝達用クラッチ17を介して駆動軸14のトルクをアシストさせるとともに、S26で走行用電動機11からクリープトルクを発生させる。このとき、走行用電動機11が発生するクリープトルクと、空気圧縮機用電動機3が発生する最大トルクから空気圧縮機駆動用トルクを除いたトルクとが駆動軸14に加えられ、燃料電池車両1が後退するのを防止することができる。
次いで、S28で運転者がアクセルを踏み込む(アクセルON)と、S30でコントローラ6は、磁極位置検出信号111により磁極位置が検出できない状態で、走行用電動機11に制限されたトルクを発生させる。次いでS32で、前記トルクにより駆動軸14が回転し、駆動輪15が回転することにより燃料電池車両1が発進する。
続いてS34で、走行用電動機11の回転が1回転に達し、S36で磁極位置検出装置12からの磁極位置検出信号111によりコントローラ6が磁極位置を検出できるようになり、走行用電動機11も最大トルクまで出力可能となる。次いでS38で、コントローラ6は、インバータ9に出力指令106を出して、アクセル開度に応じた必要トルクを走行用電動機11から出力させる。そして、S40でアシストトルク伝達用クラッチ17によるトルク伝達を遮断(OFF)して、S64の車両巡航状態へ移行する。
一方、S16の判定がNoの場合、即ちコントローラ6が車両発進時にトルクアシストが不要と判定している場合、S50で運転者がブレーキを解除(OFF)すると、コントローラ6は、S52で燃料電池の発電状態を暖機運転から走行用電動機11へ電力供給可能な発電状態へ移行させる。
次いで、S54で運転者がアクセルを踏み込む(アクセルON)と、S56でコントローラ6は、磁極位置検出信号111により磁極位置が検出できない状態で、走行用電動機11に制限されたトルクを発生させる。次いでS58で、前記トルクにより駆動軸14が回転し、駆動輪15が回転することにより燃料電池車両1が発進する。
続いてS60で、走行用電動機11の回転が1回転に達し、S62で磁極位置検出装置12からの磁極位置検出信号111によりコントローラ6が磁極位置を検出できるようになり、走行用電動機11が最大トルクまで出力可能となり、S64の車両巡航状態へ移行する。
以上説明した第一実施形態によれば、車両停止時において、燃料電池に常に空気を供給するために回転している空気圧縮機用電動機は、任意のタイミングで最大トルクを発生させることが可能であり、かつ燃料電池車両に搭載されている機器の中で走行用電動機の次に出力が大きいため、坂道発進時に最大トルクを発生させ、空気圧縮機を駆動するのに必要な分以外の余剰トルクを走行用電動機のアシストに使用することができ、坂道発進時に駆動トルク不足で車両が後退することを防止することができるという効果がある。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態を図に基づいて説明する。図3は、本発明に係る燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムの第二実施形態の構成を説明するシステム概略図である。本実施形態では簡略化のため、燃料電池車両1の構成要素のうち本システムに必要な構成要素のみを図示し、副電力供給源を二次電池とした場合を説明する。
次に、本発明の第二実施形態を図に基づいて説明する。図3は、本発明に係る燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムの第二実施形態の構成を説明するシステム概略図である。本実施形態では簡略化のため、燃料電池車両1の構成要素のうち本システムに必要な構成要素のみを図示し、副電力供給源を二次電池とした場合を説明する。
図中の太実線は電動機の動力となる電力の流れを示し、細実線は制御指令、勾配検出値等の弱電系信号の流れを示す。また、破線は空気、水素のガスの流れを示す。
第二実施形態は、第一実施形態の構成に加えて、副電力供給源である二次電池20を備えている点が異なる。その他の構成は、第一実施形態と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
第二実施形態は、坂道発進時に、二次電池20の電力を優先的に走行用電動機11へ供給するとともに、燃料電池2への要求電力を抑制することを特徴としている。この二次電池20は、図示しない充放電制御回路を内蔵し、燃料電池2の発電能力に余裕がある場合、または二次電池20の充電状態(SOC)が所定値を下回った場合に、燃料電池2の発電電力で充電されるものとする。
次に、図4、図5を参照して、本実施形態の動作を説明する。図4は、第二実施形態における運転者の操作を含むシステム全体の動作を説明するフローチャートである。尚、図2の第一実施形態のフローチャートと同じ内容のステップには、同じステップ番号を付与している。図5は、第二実施形態における車両発進時の運転者の操作と各機器の動作タイミングを説明するタイムチャートである。
図4において、S10からS16までは、第一実施形態と同様である。S16の判定がYesの場合、即ちコントローラ6が車両発進時にトルクアシストが必要と判定している場合、S17で、コントローラ6は二次電池20から取り出し得る最大電力Prmax を算出する。ここで計算された最大電力Prmax は、図5(c)に示すように、ブレーキ解除(OFF)の時点t0から、磁極位置検出信号により走行用電動機11が必要なトルクを出力可能となる時刻t2まで、二次電池20から空気圧縮機用電動機3及び走行用電動機11へインバータ9,10を介して電力105が出力される。
次いで、S18で運転者がブレーキを解除(OFF)する(時刻t0)と、S21で、コントローラ6は、二次電池20から最大電力Prmax の電力供給を開始するように出力指令110を出す。このとき、燃料電池は、暖機運転を継続し、その発電出力P1は、小さな値である。
これにより、主たる電力供給源である燃料電池2に要求される発電量を従来のPsから、(P1=Ps−Prmax)と、低く抑えることができ、結果として、供給空気量101の要求量をVairからV1低下させることができることで、この時に生じる空気圧縮機用電動機3の余剰トルク(Tcreq−Tc1)を用いて、走行用電動機11に必要なトルクTa(Treq−Tlim以上)をアシスト可能となる。
次いで、S22でアシストトルク伝達用クラッチ17を結合(ON)し、空気圧縮機用電動機3から駆動軸14へトルク伝達可能とする。
次いで、S24とS26とは並行に実行され、コントローラ6はS24で空気圧縮機用電動機3に最大トルクを発生させ、その発生トルクの一部でアシストトルク伝達用クラッチ17を介して駆動軸14のトルクをアシストさせるとともに、S26で走行用電動機11からトルクを発生させる。このとき、走行用電動機11が発生するトルクと、空気圧縮機用電動機3が発生する最大トルクから空気圧縮機用トルクを除いたトルクとの合計がクリープトルクTreq1 として駆動軸14に加えられ、燃料電池車両1が後退するのを防止することができる。第一実施形態の場合と同様に、空気圧縮機用電動機3からのトルクも利用するため、従来の走行用電動機11のみでクリープトルクを発生させる場合と比較して走行用電動機11から発生させるトルクは小さくて済む。
次いで、S28で運転者がアクセルを踏み込む(t1,アクセルON)と、S30でコントローラ6は、磁極位置検出信号111により磁極位置が検出できない状態で、走行用電動機11にトルク制限値Tlimまで増大したトルクを発生させる。次いでS32で、トルク制限値Tlimと空気圧縮機用電動機3から走行用電動機11へのトルクアシスト分Taとの合計により駆動軸14が回転し、駆動輪15が回転することにより燃料電池車両1が発進する。
続いてS34で、走行用電動機11の回転が1回転に達し、S36(時刻t2)で磁極位置検出装置12からの磁極位置検出信号111によりコントローラ6が磁極位置を検出できるようになり、走行用電動機11のトルク制限Tlimが解除される。次いでS38で、コントローラ6は、インバータ9に出力指令106を出して、アクセル開度に応じた必要なトルクTreqを走行用電動機11から出力させる。
次いで、S40で、コントローラ6は、動作指令109によりアシストトルク伝達用クラッチ17のトルク伝達を遮断(OFF)し、S42で空気圧縮機用電動機3の発生トルクTcreq 全てで空気圧縮機4を駆動する。これにより、S44で燃料電池2への空気供給量をVairまで増加させ、S46で燃料電池2から必要な出力Psを発生させる状態となる。次いで、S48(時刻t3)で二次電池20からの電力供給を停止させ、S64の車両巡航状態へ移行する。
一方、S16の判定がNoの場合、即ちコントローラ6が車両発進時にトルクアシストが不要と判定している場合、S50からS64までの動作は、第一実施形態と全く同様なので、説明を省略する。
本実施形態によれば、坂道発進時に二次電池20から電力供給することにより、燃料電池2が本来必要な発電量Psを発生するタイミングを走行用電動機11の磁極位置検出装置12の信号111が検出される時間まで遅らせることができ、空気圧縮機用電動機3の発生トルクの(Tcreq-Tc1)を走行用電動機11のトルクアシストに使用できるため、坂道発進時のトルクアシスト分Taを考慮しても、空気圧縮機用電動機3の定格出力を第一実施形態と比較して大きくする必要がなく、システム全体の大きさを小さくすることができる。
第二実施形態によれば、坂道発進時に副電力供給源から電力を供給することにより、相対的に燃料電池の必要な空気量も少なくなるため、第一実施形態に比べて空気圧縮機用電動機が発生するトルクの多くを走行用電動機のアシストに使用することができる。このため、第一実施形態と同様に駆動トルク不足で車両が後退することを防止することができ、かつ走行用電動機のトルクアシストすることを考慮しても空気圧縮機用電動機の定格を大きくする必要がないため、システム全体の寸法を小さくすることができるという効果がある。
尚、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載された物であって、本発明を限定する為に記載された物ではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更をも含む趣旨である。
たとえば、第二実施形態では、副電力供給源を二次電池としているが、小型の燃料電池を別に積んでも良いし、キャパシタのような電荷を直接蓄えられる機器でも良い。また、勾配検出機構は角度値のみを出力するとしているが、トルクアシストの要否を判定し、コントローラへ伝える判定機構までを勾配検出機構に持たせるシステム構成としてもよい。
1:燃料電池車両、2:燃料電池、3:空気圧縮機用電動機、4:空気圧縮機、5:水素タンク、6:コントローラ、7,8:バルブ、9,10:インバータ、11:走行用電動機、12:磁極位置検出装置、13,18:ギヤ、14:駆動軸、15:駆動輪、16:勾配検出機構、17:アシストトルク伝達用クラッチ、19:従動輪、20:二次電池、101:空気、102:水素、103,104:開度指令、105:電力、106,107:出力指令、108:勾配検出値、109:動作指令、110:出力指令、111:磁極位置検出信号。
Treq :現状の車両姿勢から車両が前進するのに必要なトルク、
Treq1:現状の車両姿勢から車両が後退しないために必要なクリープトルク、
Tlim :磁極位置が検出されるまでの走行用電動機のトルク制限値、
Prmax:二次電池20から取り出し得る最大電力、
Ps :走行用電動機がTreqを出力するために必要な燃料電池出力、
P1 :燃料電池の最小要求出力値、
Vair :燃料電池がPsを出力するために必要な空気量、
V1 :燃料電池がP1を出力するために必要な空気量、
Tcreq:空気圧縮機がVairを送出するために必要な空気圧縮機用電動機トルク、
Tc1 :空気圧縮機がV1を送出するために必要な空気圧縮機用電動機トルク、
Ta :空気圧縮機用電動機から走行用電動機へのアシストするトルク
Treq1:現状の車両姿勢から車両が後退しないために必要なクリープトルク、
Tlim :磁極位置が検出されるまでの走行用電動機のトルク制限値、
Prmax:二次電池20から取り出し得る最大電力、
Ps :走行用電動機がTreqを出力するために必要な燃料電池出力、
P1 :燃料電池の最小要求出力値、
Vair :燃料電池がPsを出力するために必要な空気量、
V1 :燃料電池がP1を出力するために必要な空気量、
Tcreq:空気圧縮機がVairを送出するために必要な空気圧縮機用電動機トルク、
Tc1 :空気圧縮機がV1を送出するために必要な空気圧縮機用電動機トルク、
Ta :空気圧縮機用電動機から走行用電動機へのアシストするトルク
Claims (2)
- 燃料電池を主たる電力供給源とする走行用電動機と、前記燃料電池に空気を供給する空気圧縮機と、該空気圧縮機を駆動する空気圧縮機用電動機と、前記走行用電動機の磁極位置を検出する磁極位置検出装置と、該磁極位置検出装置が検出した磁極位置に基づいて前記走行用電動機を制御するコントローラとを備えた燃料電池車両の坂道発進時後退防止システムであって、
前記空気圧縮機用電動機の出力トルクを前記空気圧縮機と車両の駆動軸とに分配して伝達するクラッチ機構と、
車両進行方向の勾配を検出する勾配検出機構と、を備え、
前記コントローラは、前記勾配検出機構が登り勾配を検知した状態で車両が発進する際に、前記磁極位置検出装置が磁極位置を検出するまで、前記空気圧縮機用電動機の出力トルクの一部を前記駆動軸に伝達するように前記クラッチ機構を制御することを特徴とする燃料電池車両の坂道発進時後退防止システム。 - 前記燃料電池とは異なる副電力供給源を備え、
前記コントローラは、車両発進時に、前記副電力供給源から優先的に前記走行用電動機に電力を供給するとともに、燃料電池への要求電力を抑制することを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両の坂道発進時後退防止システム。
Priority Applications (1)
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JP2003272459A JP2005033953A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 燃料電池車両の坂道発進時後退防止システム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007015373A1 (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 燃料電池自動車 |
JP2010148250A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Mitsubishi Motors Corp | 電気自動車の制御装置 |
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CN105835884A (zh) * | 2015-02-02 | 2016-08-10 | 铃木株式会社 | 驱动控制装置 |
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2003
- 2003-07-09 JP JP2003272459A patent/JP2005033953A/ja active Pending
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