JP2005006439A - スピンドルモータ組立方法及び組立装置 - Google Patents

スピンドルモータ組立方法及び組立装置 Download PDF

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博紀 逸崎
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Abstract

【課題】減圧環境下で、シャフトを突出する軸側構造体及び軸受穴を有する軸受側構造体の一方又は両方を確実に保持して軸受穴にシャフトを挿入し、流体動圧軸受を備えたスピンドルモータを精度良く組み立てる。
【解決手段】減圧前に第1保持部42を下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部を挿入させ、環状凹部10d内に所要量のオイルLを配する。軸側構造体10、第2保持部46、軸受側構造体12、第1保持部42、及び保持部支持体44を、基台40上で減圧カバーDにより覆い、内部空間を減圧する。減圧後、第2保持部46を上昇させてシャフト10bの挿入を完了させると共に環状凹部10d内にハウジング16とスリーブ18の開口側を嵌合させる。更に第2保持部46を軸線方向に上昇させて両解除板部42cを上向きに押圧し、第2保持部46による軸側構造体10の保持を解除すると共に両保持端部42aを拡開させ、組立体Aを基台40上に落下させて第1保持部42と第2保持部46から離隔させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ、例えばハードディスクなどの情報記録機器を駆動するためのスピンドルモータを組み立てるための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体動圧軸受を備えたスピンドルモータの組立てにおいては、製品使用中に温度上昇等により潤滑油が漏出すること及びNRRO(non−repeatable run−out)を惹起して流体動圧軸受の性能低下の原因となること等を回避するために、潤滑油中に気泡を含まないようにすることが肝要である。
【0003】
動圧軸受装置を備えたスピンドルモータを、減圧環境を利用して潤滑油中に気泡を含まないようにして組み立てる従来の技術については、特許文献1に、スリーブの円筒部内面に設けられた動圧溝と、該スリーブの該円筒部内に挿入される回転軸の外周面とで共働きするラジアル軸受と、スラスト軸受面と該軸の端面とで共働きするスラスト軸受とを備えた動圧軸受装置において、該スラスト軸受面に潤滑油を注入後、該潤滑油の沸点以上であって70kPa以下の気圧下で、該軸を該スリーブの該円筒部に挿入することを特徴とする動圧軸受装置が開示されている。この発明によれば、スリーブ底部(スラスト軸受部)に潤滑油を注入後、潤滑油の沸点以上の気圧下であって70kPa以下で軸を挿入している。このため、100kPaで挿入する場合より、潤滑油中(スリーブと軸の隙間に満たされている潤滑油)に残る空気量を少なくできる。
【0004】
また、同様に減圧環境を利用する潤滑流体動圧軸受装置付ブラシレスモータの組立方法として、特許文献2に、軸と該軸を回転可能に嵌合して支持するスリーブとを有し、軸又はスリーブ内面の少なくとも一方にヘリングボーン状の動圧発生用の溝が設けられ、軸とスリーブとの隙間には、潤滑流体が充填される潤滑流体動圧軸受装置付ブラシレスモータの組立方法において、スリーブ内部に充填される潤滑流体の注入工程と、マグネットを有するロータの一体となった軸を、潤滑流体が注入されたスリーブ内部へ挿入する組立工程を、共に減圧環境下において行うことを特徴とする潤滑流体動圧軸受装置付ブラシレスモータの組立方法が開示されている。この方法により組み立てられたブラシレスモータは、潤滑流体が実質的に気泡を含まないので、潤滑流体の漏れ出しの恐れがなく、また、気泡を含まないことから、潤滑流体の漏れ出しにともなう量の減少によるモータ性能の低下、耐久性の低下を防ぐことができ、さらに、注入工程と組立工程が一つの装置によって行われることにより、装置スペースを小さくでき、また、モータ製作タクト(時間)が減少できる。
【0005】
このような減圧環境下において、シャフトを突出する軸側構造体を軸受穴を有する軸受側構造体に組み込み、流体動圧軸受を備えたスピンドルモータを組み立てる場合、十分な作業精度を実現する上で困難な点がある。しかしながら、減圧環境下で軸側構造体及び軸受側構造体の一方又は両方を確実に保持して軸受穴に対しシャフトを挿入し、流体動圧軸受を備えたスピンドルモータを組み立てる方法及び装置は知られていない。
【特許文献1】特開2002−130283号公報
【特許文献2】特開2001−107967号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、減圧環境下において、シャフトを突出する軸側構造体及び軸受穴を有する軸受側構造体の一方又は両方を確実に保持して軸受穴に対しシャフトを挿入し、流体動圧軸受を備えたスピンドルモータを精度良く組み立てることが可能な方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明のスピンドルモータ組立方法は、
シャフトを突出する軸側構造体と、前記シャフトが挿入された軸受穴を有する軸受側構造体の一方に対し他方が、前記シャフト又は軸受穴の軸線を中心として回転自在に支持されてなるスピンドルモータを組み立てるための方法であって、
前記軸側構造体と軸受側構造体の少なくとも一方を保持部により保持し、
軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態とし、減圧下で前記保持部を前記軸線方向に移動させることにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向におけるそれぞれ所定の向きに移動させて前記軸受穴に対する前記シャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
前記挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に、前記少なくとも一方の保持部による保持を解除させ、
前記挿入の完了後に保持部を前記軸線の方向に移動させることにより保持部と前記組立体を軸線方向に離隔させ、
少なくとも軸受穴に対するシャフトの挿入完了まで前記減圧状態を維持することを特徴とする。
【0008】
軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態において、減圧下で保持部を軸線方向に移動させることにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向におけるそれぞれ所定の向きに移動させて軸受穴に対するシャフトの挿入を行う。軸線方向移動により挿入を行うので、減圧下でありながら挿入作業を容易且つ確実に精度良く行い得る。また、軸受穴に対するシャフトの挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に少なくとも一方の保持部による保持を解除し、挿入完了後に保持部を軸線方向に移動させることにより、保持部から組立体を離隔させることができる。
【0009】
軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態というのは、軸側構造体のシャフトと軸受側構造体の軸受穴の軸線が実質上一致する状態であり、軸側構造体と軸受側構造体の一方又は両方を移動させることによりそのように位置決めすることが可能である。
【0010】
保持部による保持は、軸側構造体と軸受側構造体の何れか一方又は両方について行う。軸側構造体と軸受側構造体の両方を保持部により保持している場合、一方に対し他方の保持部を又は両方の保持部を前記軸線の方向におけるそれぞれ所定の向きに移動させることにより軸受穴に対するシャフトの挿入を行う。
【0011】
軸受穴に対するシャフトの挿入完了以降においては、適宜時期(例えば、軸受穴に対するシャフトの挿入完了時、又は保持部から組立体が離隔した後)に減圧状態から復圧するものとすることができる。
【0012】
挿入完了後に保持部を軸線方向に移動させることによる、保持部からの組立体の離隔は、保持部の軸線方向移動距離に応じて離隔するものの他、保持が解除された組立体が移動(重力による落下等)して離隔するもの、或はその両方により離隔するものであってもよい。
【0013】
(2) 上記スピンドルモータ組立方法は、軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態とし、前記保持部を前記軸線方向に移動させることにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向におけるそれぞれ所定の向きに移動させて前記軸受穴に対する前記シャフトの一部挿入を行った状態で減圧し、減圧下で更に前記保持部を前記軸線方向に移動させることにより挿入を完了して軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得るものとすることができる。
【0014】
この場合、軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態として保持部を軸線方向に移動させることにより軸受穴に対するシャフトの一部挿入を行う作業は、減圧前に確実に行うことができる。次いで減圧し、軸受穴に対しシャフトの一部挿入を行った状態で保持部を更に軸線方向に移動させることにより挿入を完了させるので、減圧下でありながら挿入作業を容易且つ確実に精度良く行い得る。
【0015】
(3) 上記スピンドルモータ組立方法は、上記軸受穴に対し上記シャフトの一部挿入を行った状態又はそれ以前の状態であって、上記軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態において、その所定箇所に所要量のオイルを配し、減圧下での軸受穴に対するシャフトの挿入完了により前記オイルをシャフトと軸受穴の間隙に介在させるものとすることができる。
【0016】
この場合、所定箇所に所要量のオイルを配する作業は、軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態において容易且つ確実に精度良く行われる。その後、減圧下で軸受穴に対しシャフトの挿入を完了させることにより前記オイルをシャフトと軸受穴の間隙に介在させるので、オイル中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。
【0017】
前記オイルは、シャフトと軸受穴の間隙の全てに介在させるものでなくともよく、また、他の部分にも介在させるものであってもよい。
【0018】
(4) 上記スピンドルモータ組立方法は、複数の保持部が一体状をなし、保持部の上記軸線方向の移動が一体的に行われるものとすることができる。
【0019】
この場合、軸受穴に対しシャフトの一部挿入を行った状態で、減圧下、保持部を軸線方向に移動させることにより挿入を完了させるので、一体状をなす複数(2、3又は4以上)の保持部の軸線方向の移動を一体的に行うことにより、複数の軸受側構造体の各軸受穴に対する複数の軸側構造体の各シャフトの挿入作業を、減圧下でありながら容易且つ確実に精度良く行い得る。また、軸受穴に対するシャフトの挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に少なくとも一方の保持部による保持を解除し、挿入完了後に複数の保持部を一体的に軸線方向に移動させることにより、複数の保持部から複数の組立体を一括して離隔させることができる。
【0020】
(5) 上記スピンドルモータ組立方法は、保持部による保持の解除と、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部又はその一部の軸線方向移動により行うものとすることができる。
【0021】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部又はその一部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0022】
(6) 上記(5)のスピンドルモータ組立方法は、軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、保持部を更に前記軸線方向の所定の向きに移動させることにより、保持部による軸側構造体又は軸受側構造体の保持を解除させると共に保持部と組立体を軸線方向に離隔させるものとすることができる。
【0023】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部の軸線方向における所定の向きの移動のみにより行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0024】
(7) 上記(5)のスピンドルモータ組立方法は、保持部として一方の保持部と他方の保持部を有し、他方の保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きに押圧されることにより他方の保持部による保持を解除するものであり、
上記軸側構造体又は軸受側構造体のうち何れかを一方の保持部により、残りを他方の保持部により、それぞれ保持し、前記一方の保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
前記一方の保持部を前記軸線の方向における所定の向きに更に移動させることにより、その一方の保持部の保持を解除させると共に他方の保持部の解除部を軸線方向における前記所定の向きに押圧して他方の保持部による保持を解除させるものとすることができる。
【0025】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入及び一方の保持部の保持解除、並びに他方の保持部の解除部に対する軸線方向所定向きの押圧による他方の保持部の保持解除及び両保持部と組立体との軸線方向離隔を、一方の保持部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0026】
なお、両保持部と組立体は、例えば、前記他方の保持部による保持解除後、更に両保持部を軸線方向における所定の向きに移動させることにより、或いは、保持が解除された組立体の移動(重力による落下等)により、軸線方向に離隔するものとすることができる。
【0027】
(8) 上記(5)のスピンドルモータ組立方法は、保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向き及び逆向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、
締付部により保持本体を締付けて軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
締付部のみを前記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動させることにより締付を解除して保持本体による保持を解除させた後、保持本体又は保持本体と締付部を上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動させることによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させるものとすることができる。
【0028】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、締付部、保持本体、又は保持部全体の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0029】
(9) 上記(5)のスピンドルモータ組立方法は、保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向きと逆向き及び所定の向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、
締付部により保持本体を締付けて軸側構造体又は軸受側構造体を保持した状態で締付部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
前記挿入完了以降、更に締付部を前記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより締付を解除して保持本体による保持を解除させた後、締付部を上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動させることにより、保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させるものとすることができる。
【0030】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、締付部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0031】
(10) 上記(5)のスピンドルモータ組立方法は、保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、
上記軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
前記挿入中であって挿入完了前に、保持部の一部である解除部を軸線方向における所定の向きに所定箇所に対し押圧することにより保持部による保持を解除し、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で、保持部による前記軸線の方向における所定の向きの押圧により挿入を完了させ、
更に、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で前記保持部を前記軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動させることによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させるものとすることができる。
【0032】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入及び解除部の所定箇所に対する軸線方向押圧による(すなわち所定箇所から解除部に対する所定向きと逆の向きの反力による)保持部の保持の解除を、保持部の軸線方向所定向きの移動により行うことができ、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部の軸線方向における所定向きと逆向きの移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0033】
(11) 上記(5)のスピンドルモータ組立方法は、保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、
上記軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
前記挿入完了後、保持解除体を前記の軸線方向における所定の向きと逆向きに移動させて前記解除部を押圧させることにより保持部による保持を解除し、
保持解除体の解除部に対する押圧継続による保持解除状態で、前記保持部及び保持解除体を前記軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動させることによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させるものとすることができる。
【0034】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入及び保持解除体の解除部押圧による保持部の保持の解除を、保持部の軸線方向所定向きの移動及び保持解除体の軸線方向における所定の向きと逆向きの移動により行うことができ、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部及び保持解除体の軸線方向における所定向きと逆向きの移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部及び保持解除体を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0035】
(12) 上記(1)乃至(7)のスピンドルモータ組立方法は、上記保持部の少なくとも一部が強磁性材料製であると共に軸側構造体及び軸受側構造体の一方がロータマグネットを備えており、ロータマグネットを備える軸側構造体又は軸受側構造体が、そのロータマグネットと保持部の強磁性材料部分との磁気的吸着力により保持部に保持されるものとすることができる。
【0036】
この場合、ロータマグネットの磁気的吸着力を利用して効率的に組立作業を行い得、また、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体又は軸受側構造体に加わってそれらが破損することが防がれる。更に、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0037】
(13) 上記(1)乃至(7)のスピンドルモータ組立方法は、上記保持部が磁石体を備えると共に軸側構造体及び軸受側構造体の一方における少なくとも一部が強磁性材料製であり、少なくとも一部が強磁性材料製である軸側構造体又は軸受側構造体が、その強磁性材料部分と保持部の磁石体との磁気的吸着力により保持部に保持されるものとすることができる。
【0038】
この場合、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体又は軸受側構造体に加わってそれらが破損することが防がれる。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。保持部が備える磁石体は、永久磁石が好ましいが、電磁石を採用することも可能である。
【0039】
(14) 本発明のスピンドルモータ組立装置は、
シャフトを突出する軸側構造体と、前記シャフトが挿入された軸受穴を有する軸受側構造体の一方に対し他方が、前記シャフト又は軸受穴の軸線を中心として回転自在に支持されてなるスピンドルモータを組み立てるための装置であって、
前記軸側構造体と軸受側構造体の少なくとも一方を保持し、軸側構造体と軸受側構造体を同軸状として、前記軸線方向に移動することにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向に移動させ、前記軸受穴に対する前記シャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得ることができる保持部、並びに軸側構造体及び軸受側構造体を含む空間内を減圧し得る減圧部を備え、
前記減圧部は、前記軸側構造体と軸受側構造体を同軸状とした状態で前記空間内を減圧し得、少なくとも軸受穴に対するシャフトの挿入完了まで前記減圧状態を維持することができるものであり、
前記保持部は、前記減圧部による減圧下で軸線方向に移動し得、前記挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に、前記少なくとも一方の保持部による保持を解除し、挿入完了後に保持部と前記組立体を軸線方向に離隔させることができるものであることを特徴とする。
【0040】
軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態として保持部を軸線方向に移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行うことができ、軸受穴に対するシャフトの挿入作業は、減圧部によりその軸側構造体及び軸受側構造体を含む空間内を減圧した状態で行うことができる。軸線方向移動により挿入を行うので、軸受穴に対しシャフトを挿入する作業は、減圧下でありながら容易且つ確実に精度良く行い得る。また、軸受穴に対するシャフトの挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に少なくとも一方の保持部による保持を解除し、挿入完了後に保持部を軸線方向に移動させることにより、保持部から組立体を離隔することができる。
【0041】
挿入完了後における保持部からの組立体の離隔は、保持部の軸線方向移動距離に応じて離隔するものの他、保持が解除された組立体が移動(重力による落下等)して離隔するもの、或はその両方により離隔するものであってもよい。
【0042】
(15) 上記スピンドルモータ組立装置は、上記減圧部が、前記軸受穴に対する前記シャフトの一部挿入を行った状態で前記空間内を減圧し得、少なくとも軸受穴に対するシャフトの挿入完了まで前記減圧状態を維持することができるものとすることができる。
【0043】
この場合、軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態として保持部を軸線方向に移動させることにより軸受穴に対するシャフトの一部挿入を行う作業は、減圧前に確実に行うことができる。次いで減圧し、軸受穴に対しシャフトの一部挿入を行った状態で保持部を更に軸線方向に移動させることにより挿入を完了させるので、減圧下でありながら挿入作業を容易且つ確実に精度良く行い得る。
【0044】
(16) 上記スピンドルモータ組立装置は、上記軸受穴に対し上記シャフトの一部挿入を行った状態又はそれ以前の状態であって、上記軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態において、前記所定箇所に所要量のオイルを配することができるオイル配装部を備えるものとすることができる。
【0045】
この場合、所定箇所に所要量のオイルを配する作業は、軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態においてオイル配装部により容易且つ確実に精度良く行われる。その後、減圧下で軸受穴に対しシャフトの挿入を完了させて前記オイルをシャフトと軸受穴の間隙に介在させることにより、オイル中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。
【0046】
前記オイルは、シャフトと軸受穴の間隙の全てに介在させるものでなくともよく、他の部分にも介在させるものであってもよい。
【0047】
(17) 上記スピンドルモータ組立装置は、複数の保持部が一体状をなし、保持部の上記軸線方向の移動が一体的に行われるものとすることができる。
【0048】
この場合、一体状をなす複数(2、3又は4以上)の保持部の軸線方向の移動を一体的に行うことにより、複数の軸受側構造体の各軸受穴に対する複数の軸側構造体の各シャフトの挿入作業を、減圧下でありながら容易且つ確実に精度良く行い得る。また、挿入完了後に複数の保持部を一体的に軸線方向に移動させることにより、複数の保持部から複数の組立体を一括して離隔させることができる。
【0049】
(18) 上記スピンドルモータ組立装置は、保持部による保持の解除と、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部又はその一部の軸線方向移動により行うものとすることができる。
【0050】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部又はその一部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0051】
(19) 上記(18)のスピンドルモータ組立装置は、上記保持部が、軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、更に前記軸線方向の所定の向きに移動することにより、軸側構造体又は軸受側構造体の保持を解除すると共に保持部と組立体を軸線方向に離隔させることができるものとすることができる。
【0052】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部の軸線方向における所定の向きの移動のみにより行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0053】
(20) 上記(18)のスピンドルモータ組立装置は、上記保持部として、一方の保持部と他方の保持部を有し、他方の保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きに押圧されることにより他方の保持部による保持を解除するものであり、
前記一方の保持部は、軸側構造体又は軸受側構造体のうち何れかを保持し、前記他方の保持部は軸側構造体又は軸受側構造体のうち残りを保持するものであり、前記一方の保持部は、上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、更に、前記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、その一方の保持部の保持を解除すると共に他方の保持部の解除部を軸線方向における前記所定の向きに押圧して他方の保持部による保持を解除させることができるものとすることができる。
【0054】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入及び一方の保持部の保持解除、並びに他方の保持部の解除部に対する軸線方向所定向きの押圧による他方の保持部の保持解除及び両保持部と組立体との軸線方向離隔を、一方の保持部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0055】
なお、両保持部と組立体は、例えば、前記他方の保持部による保持解除後、更に両保持部を軸線方向における所定の向きに移動させることにより、或いは、保持が解除された組立体の移動(重力による落下等)により、軸線方向に離隔するものとすることができる。
【0056】
(21) 上記(18)のスピンドルモータ組立装置は、上記保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向き及び逆向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、且つ、締付部により保持本体を締付けることにより軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、更に、締付部のみが前記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動することにより保持本体による保持を解除させた後、保持本体又は保持本体と締付部を上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動することによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものとすることができる。
【0057】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、締付部、保持本体、又は保持部全体の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0058】
(22) 上記(18)のスピンドルモータ組立装置は、上記保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向きと逆向き及び所定の向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、且つ、締付部により保持本体を締付けることにより軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、挿入完了以降、更に、締付部が前記軸線の方向における所定の向きに移動することにより締付を解除して保持本体による保持を解除させた後、締付部が上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動することにより、保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものとすることができる。
【0059】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、締付部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0060】
(23) 上記(18)のスピンドルモータ組立装置は、上記保持部が、一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、且つ、締付部により保持本体を締付けることにより軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、前記挿入中であって挿入完了前に、前記解除部を軸線方向における所定の向きに所定箇所に対し押圧することにより保持を解除し、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で、前記軸線の方向における所定の向きの押圧により挿入を完了させ、更に、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で前記軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動することによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものとすることができる。
【0061】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入及び解除部の所定箇所に対する軸線方向押圧による(すなわち所定箇所から解除部に対する所定向きと逆の向きの反力による)保持部の保持の解除を、保持部の軸線方向所定向きの移動により行うことができ、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部の軸線方向における所定向きと逆向きの移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0062】
(24) 上記(18)のスピンドルモータ組立装置は、上記保持部が、一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、且つ、軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得ることができるものであり、
前記挿入完了後、軸線方向における所定の向きと逆向きに移動させて前記解除部を押圧することにより保持部による保持を解除することができる保持解除体を備え、
前記保持部及び保持解除体は、保持解除体の解除部に対する押圧継続による保持解除状態で、軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動することによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものとすることができる。
【0063】
この場合、軸受穴に対するシャフトの挿入及び保持解除体の解除部押圧による保持部の保持の解除を、保持部の軸線方向所定向きの移動及び保持解除体の軸線方向における所定の向きと逆向きの移動により行うことができ、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部及び保持解除体の軸線方向における所定向きと逆向きの移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部及び保持解除体を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0064】
(25) 上記(14)乃至(20)のスピンドルモータ組立方法は、上記保持部の少なくとも一部が強磁性材料製であり、軸側構造体及び軸受側構造体の一方がロータマグネットを備える場合に、ロータマグネットを備える軸側構造体又は軸受側構造体を、そのロータマグネットと保持部の強磁性材料部分との磁気的吸着力により保持部に保持し得るものとすることができる。
【0065】
この場合、ロータマグネットの磁気的吸着力を利用して効率的に組立作業を行い得、また、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体又は軸受側構造体に加わってそれらが破損することが防がれる。更に、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0066】
(26) 上記(14)乃至(20)のスピンドルモータ組立方法は、上記保持部が磁石体を備えるものであり、軸側構造体及び軸受側構造体の一方における少なくとも一部が強磁性材料製である場合に、少なくとも一部が強磁性材料製である軸側構造体又は軸受側構造体を、その強磁性材料部分と保持部の磁石体との磁気的吸着力により保持部に保持し得るものとすることができる。
【0067】
この場合、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体又は軸受側構造体に加わってそれらが破損することが防がれる。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。保持部が備える磁石体は、永久磁石が好ましいが、電磁石を採用することも可能である。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明のスピンドルモータ組立方法及び組立装置の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0069】
図1乃至図4は、環状凹部内にオイルを配した軸側構造体のシャフトを軸受側構造体の軸受穴に挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第1の方法及び装置を示す断面図、図5は、第1の方法及び装置の変形例を示す断面図である。
【0070】
図6は、第1の方法及び装置により得られた組立体を用いたスピンドルモータの断面図、図7は、スピンドルモータを用いたディスク駆動装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【0071】
(1)軸側構造体と軸受側構造体の組立体の構成
図1乃至図4に示す第1の方法及び装置により組み立てられる組立体は、軸側構造体10(ロータ10)と軸受側構造体12からなる。図示の例ではロータが軸側構造体を構成しているが、これに限るものではない。ステータ側に軸側構造体が設けられていてもよい。また、本発明のスピンドルモータ組立方法及び組立装置により組み立てられるスピンドルモータは、この態様のものに限るものではない。
【0072】
ロータ10は、略カップ状のロータハブ10aと、このロータハブ10aの回転中心に嵌合固定されたシャフト10bとから構成され、ロータハブ10aの外周壁の内周面にはロータマグネット14が接着等の手段によって取付けられている。
【0073】
軸受側構造体12は、有底円筒状のハウジング16(軸受ハウジング)とこのハウジング16内に同軸状に取付けられた中空円筒状のスリーブ18とを有する。このように、ハウジング16とスリーブ18とが一体となって円筒状の軸受側構造体12を形成している。軸受穴18bは、スリーブ18の中心部を軸線方向に貫通する。
【0074】
また、スリーブ18は多孔質焼結体からなる。従って、軸受穴18bの内周面部は多孔質材料からなる。その材質については特に限定はなく、各種金属粉末や金属化合物粉末、非金属粉末を原料として成形、焼結したものが使用できる。原料としてはFe−CuやCu−Sn、Cu−Sn−Pb、Fe−Cなどが挙げられる。この多孔質焼結体製のスリーブ18内には、後に述べる軸受間隙に保持されるのと同じオイルLが含浸されている。
【0075】
スリーブ18の軸受穴18bには、シャフト10bが挿通されている。シャフト10bの外周面は、スリーブ18の内周面と間隙を介して半径方向に対向し、またシャフト10bの先端面は、ハウジング16の閉塞端部16aの内面(閉塞端面)と間隙を介して軸線方向に対向している。スリーブ18の奥側端面(図1乃至図4における上側の端面)は、ハウジング16の閉塞端部16aの内面と隙間を介して軸線方向に対向するよう取付けられている。更に、ハウジング16の開口側の端面(軸受側円周状平坦面)及びスリーブ18の開口側の端面は、ロータハブ10aのシャフト突出側においてそのシャフト10bの外周面から半径方向外方に延伸する軸側円周状平坦面10a1と間隙を介して軸線方向に対向している。
【0076】
これらハウジング16及びスリーブ18の開口側の端面とロータハブ10aのシャフト突出側の面との間に形成される間隙と、スリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面との間に形成される間隙と、ハウジング16の閉塞端部16aの内面とシャフト10bの下端面との間に形成される隙間及びこれに隣接するスリーブ18の奥側端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面との間に形成される隙間(これらの各隙間並びに後述する連通孔19内に形成される隙間を合わせて、以下「軸受隙間」と記載する)とは全て連続している。これら連続する各隙間には、オイルLが途切れることなく連続して保持されている(本明細書では、このように連続する各隙間にオイルLが途切れることなく連続して保持されている軸受構造を、以下、フルフィル構造と言う。)。
【0077】
更に、スリーブ18の外周面には、その上方側の端面から下方側の端面に至る軸線方向溝が設けられている。この軸線方向溝は、断面形状が半円状(これに限らず、例えば略矩形状等の形状とすることもできる。)となるようプレス加工あるいは切削加工により形成されている。このような構成のスリーブ18がハウジング16の内周面に取付けられることで、軸線方向溝とハウジング16の内周面とによって、連通孔19が形成され、この連通孔19内にもオイルLが保持されている。スリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面との間に形成される間隙の軸線方向両端部は、ハウジング16及びスリーブ18の開口側の端面とロータハブ10aのシャフト突出側の面との間に形成される間隙、並びにスリーブ18の奥側端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面との間に形成される隙間を介して、連通孔19により連通する。
【0078】
ハウジング16の外周のうち開口端部付近には、半径方向外方に突設され且つ外周面がその開口端から離間するにつれて縮径するよう傾斜面状に形成された環状フランジ部16bが設けられている。また、ロータハブ10aには、軸側円周状平坦面10a1の外周側からシャフト10bと同じ向きにロータハブ10aの外周壁よりも短く立ち上げられた環状壁部10cが設けられ、環状壁部10cとシャフト10bの間に、軸側円周状平坦面10a1を底面とする環状凹部10dが形成されている。環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面は、非接触状態で半径方向に対向している。
【0079】
この環状壁部10cの内周面(円筒状周壁面)とフランジ部16bの外周面との間に規定される間隙の半径方向の間隙寸法は、フランジ部16bの外周面が上記のとおり傾斜面状に形成されることで、ブラケット30側(環状壁部10cの先端部方向)に向かって漸増する。すなわち、この環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面とが協働してテーパシール部28を構成している。上述した各間隙内に保持されるオイルLは、このテーパシール部28のみにおいて、空気との界面にメニスカスを形成する。
【0080】
テーパシール部28は、オイルリザーバとして機能し、テーパシール部28内に保持されるオイル量に応じてオイル界面の形成位置が適宜移動可能である。従って、テーパシール部28内に保持されるオイルLが、オイル保持量の減少に伴ない後に説明する軸受部に供給されると共に、熱膨張等によって体積が増大した分のオイルLは、このテーパシール部28内に収容される。
【0081】
このように、ハウジング16のフランジ部16bの外周面とロータハブ10aの環状壁部10cの内周面間にテーパ状間隙を形成し、表面張力を利用したテーパシール部28を構成することで、テーパシール部28がより大径となると共に、テーパシール部28の軸線方向寸法も比較的に大とすることができる。従って、テーパシール部28内の容積が増大し、フルフィル構造の動圧軸受に多量に保持されるオイルLの熱膨張に対しても十分に追随可能となる。
【0082】
スリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面の間に、互いに軸線方向位置を隔てた2箇所にそれぞれラジアル軸受部(図示せず)が構成されている。各ラジアル軸受部を構成するスリーブ18の内周面又はシャフト10bの外周面には、ロータ10の回転時にオイルLに流体動圧を誘起するために、ヘリングボーングルーブ等の動圧発生溝(図示せず)が形成されている。なお、その動圧発生溝を軸線方向非対称に形成して、ロータ10の回転時に開口側に位置するラジアル軸受部においてオイルLに誘起される流体動圧の極大部がそのラジアル軸受部の中心から奥側に偏倚するようにすることにより、オイルLを奥側に押し込む圧力が生じる。この押し込み圧によって、開口側ラジアル軸受部よりも奥側に位置する間隙内に保持されるオイルLの内圧が大気圧(外気圧)以上に保たれる。
【0083】
また、ハウジング16の開口端側の端面(軸受側円周状平坦面)とロータハブ10aの軸側円周状平坦面10a1の間にスラスト軸受部(図示せず)が構成されている。ハウジング16の開口端側の端面又は軸側円周状平坦面10a1には、ロータ10の回転時にオイルLに対して半径方向内方(シャフト10b側)に向かう圧力を誘起するためのポンプインのスパイラルグルーブ等の動圧発生溝が形成されている。
【0084】
スラスト軸受部で発生する圧力は、大気圧を幾分上回る程度であり、これのみでロータ10を十分に浮上させるのは困難である。しかしながら、シャフト10bの端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面との間に保持されたオイルLの内圧も、連通孔19を通じてスラスト軸受部で誘起される流体動圧によって高められたオイルLの内圧と同等の圧力となるよう伝播されるので、静圧軸受部として機能する。これらスラスト軸受部と静圧軸受部との協働によって、ロータ10を十分に浮上させることが可能となる。
【0085】
(2)抜け止め機構
図6に示されるように、環状壁部10cのうちテーパシール部28よりも先端側には、接着等の手段によって環状の抜止めリング25が固着されている。この抜止めリング25がフランジ部16bの下部(図6)に対して非接触状態で嵌り合うことで、軸受側構造体12のハウジング16に対するロータ10(軸受側構造体)の抜け止め構造が構成される。
【0086】
抜止めリング25の上面(図6)とフランジ部16bの下面(図6)並びに抜止めリング25の内周面とハウジング16の外周面とは、テーパシール部28に連続し且つテーパシール部28の半径方向の間隙の最小の隙間寸法よりも小な隙間寸法を有する間隙を介して対向している。
【0087】
(3)スピンドルモータの構成
上記軸側構造体と軸受側構造体の組立体は、例えば図6に図示されるようにスピンドルモータに用いることができる。すなわち、ハウジング16が、ブラケット30に設けられた円形ボス部30aに固着され、円形ボス部30aの外周面には、ロータマグネット14と半径方向に対向してステータ27が固着される。
【0088】
本発明のスピンドルモータ組立方法及び組立装置を用いて製造されるスピンドルモータは、特に、ハードディスクなどの情報記録機器を駆動するのに適するが、これに限るものではない。
【0089】
(4)ディスク駆動装置の構成
図7に、一般的なディスク駆動装置50の内部構成を模式図として示す。ケーシング51の内部は塵・埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成しており、その内部に情報を記憶する円板状のディスク板53が装着されたスピンドルモータ52が設置されている。加えてケーシング51の内部には、ディスク板53に対して情報を読み書きするヘッド移動機構57が配置され、このヘッド移動機構57は、ディスク板53上の情報を読み書きするヘッド56、このヘッドを支えるアーム55及びヘッド56及びアーム55をディスク板53上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部54により構成される。
【0090】
このようなディスク駆動装置50のスピンドルモータ52として上記スピンドルモータを使用することで、ディスク駆動装置50の薄型化並びに低コスト化を可能にすると同時に、スピンドルモータの安定性や信頼性及び耐久性が改善されるので、より信頼性の高いディスク駆動装置とすることができる。
【0091】
(5)図1乃至図4の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立
基台40は、その水平上面上に軸側構造体10を支持するものである。
【0092】
第1保持部42は、軸受側構造体12を保持するものであり、上端部が、上下動機構により上下動可能な保持部支持体44の下面側に支持されている。第1保持部42は、縦断面において、上端部の両側に、互いにやや内向きに垂下した垂下部を有する略倒立U字形状をなし、両垂下部の下端部が、軸受側構造体12の外周基部を弾性的に挟圧保持する保持端部42aである。第1保持部42の下部は、このような弾性的な挟圧保持が可能な程度に径方向の変形を許容するために、スリット状の分割部により周方向に分割されている。
【0093】
保持部を構成する材料としては、合成樹脂や金属等、弾性を有する材料を適宜採用し得る。保持端部42aの形状は、軸受側構造体12の軸線を中心としてその外周基部の形状に沿って湾曲した湾曲板形状をなすものとすることが好ましい。
【0094】
両垂下部における保持端部42aの上側位置には、それぞれ軸受側構造体12の基部外底面を下向きに押圧し得る押圧部42bが内方に張出形成されている。また両垂下部における上下中央よりもやや上方位置には、それぞれ解除板部42cが外方に張出形成されている。第1保持部42における両解除板部42cを上向きに押圧すると、両垂下部の下端部に位置する両保持端部42aは弾性変形により互いに拡開する。
【0095】
第2保持部46は、強磁性材料からなり、ロータマグネット14との間の磁気吸引力により軸側構造体10を保持するものである。第2保持部46は、円形開口部46bを有する板状をなし、円形開口部46bに沿って下向きに、複数の内周面支持突部46aが(好ましくは3以上)設けられている。内周面支持突部46aは、下端部が内向きに湾曲した外向きに凸の湾曲状態に形成されている。図5に示す例は、第2保持部47は、内周面支持突部を有していない点を除き、図1に示す例と同一である。
【0096】
減圧前(本明細書中の減圧前というのは、通常の場合大気圧下を意味する。)に、図1に示すよりも保持部支持体44及び第1保持部42を上方に位置させた状態において、軸受側構造体12の外周基部を両保持端部42aにより挟圧保持させる。両保持端部42aによる挟圧保持は、軸受側構造体12の基部を両保持端部42a間に下方から押し込むことにより、又は両解除板部42cを上向きに押圧して両保持端部42aを拡開させ、両保持端部42a間に軸受側構造体12の基部を位置させて両解除板部42cの押圧を解除することにより行うことができる。
【0097】
また、軸側構造体10を、ロータハブ10aの基部側において(すなわちシャフト10bの自由端が上向きの状態で)、基台40の水平上面上の所定位置に載置する。基台40上に載置された軸側構造体10のロータマグネット14の内周側に第2保持部46の内周面支持突部46aを上方から嵌め込み、第2保持部46における内周面支持突部46aの外周側の下面がロータマグネット14の上面に当接した状態で、内周面支持突部46aを含む第2保持部46とロータマグネット14との間の磁気吸引力によって軸側構造体10を第2保持部46に保持させる。
【0098】
軸側構造体10と軸受側構造体12は、それぞれ第2保持部46及び第1保持部42により保持されることにより上下に同軸状をなす状態となるものとすることが好ましいが、一方又は両方の保持部の水平方向位置を調整して同軸状とするものとすることもできる。
【0099】
次に、減圧下(本明細書中の減圧下というのは、例えば1000Pa以下の減圧である。好ましくは、100Pa以下、より好ましくは10Pa以下の減圧である。)において、又は減圧前に、保持部支持体44と第1保持部42を一体的に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0100】
また、減圧下又は減圧前において、軸受穴18bに対しシャフト10bの一部挿入が行われた時点又はそれ以前であって軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において、軸側構造体10における軸側円周状平坦面10a1を内底面として環状壁部10cとシャフト10bの間の環状凹部10d内に所要量のオイルLを配し、軸側円周状平坦面10a1上にオイルLを溜める。軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において環状凹部10d内に所要量のオイルを配するので、作業が容易である。なお、多孔質焼結体からなるスリーブ18には、予めオイルを含浸させるのが通常であるが、軸側構造体と軸受側構造体の組み立ての際に軸受隙間等にオイルを配すると同時に多孔質焼結体にオイルを含浸させることもできる。
【0101】
減圧は、軸側構造体10、第2保持部46、軸受側構造体12、第1保持部42、及び保持部支持体44を、基台40上で、図1に示す上下可動の減圧カバーDによって覆い、基台40と減圧カバーDにより内包形成される減圧部の内部空間を例えば真空ポンプ等の減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0102】
減圧後、又は減圧環境継続下、図2に示されるように第2保持部46を軸線方向に上昇させて軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入を完了させると共に環状凹部10d内にハウジング16及びスリーブ18の開口側を嵌合させる。すると、環状凹部10d内の軸側円周状平坦面10a1上に配したオイルLは、一部は径方向内方側(スリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面との間の間隙)へ、別の一部は径方向外方側(環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面の間隙)に、連続するよう移動する。これにより軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。
【0103】
軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入は、少なくとも挿入途中から挿入完了まで減圧下で行われるので、オイルL中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。また、環状凹部10d内に配したオイルLの界面は、減圧下での環状凹部10d内へのハウジング16及びスリーブ18の開口側の嵌合及び軸受穴18b内へのシャフト10bの挿入により、径方向内方側及び径方向外方側においてそれぞれスリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面との間の間隙及び環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面の間隙を軸線方向におけるシャフト10bの先端側(図4及び図5における上方)へ移動する。オイルLの界面が径方向内方と外方の両側に生じ、オイルに作用する力によりそれぞれが軸線方向に移動するので、オイルLに作用する力を内外に分散してオイル界面の急激な移動が防がれ、減圧下において作業の精度や円滑性等が十分とは言い難い場合でも、オイルの飛び出しや乱れが抑えられる。減圧下で軸受穴18bに対しシャフト10bの挿入を完了させようとする際にスリーブ18を構成する多孔質焼結体に対しオイルLが十分に含浸していない場合、オイルLが十分に含浸するまで挿入を停止させ或いは挿入速度を低下させる必要があるが、この場合においても、オイル界面の急激な移動が緩和されるため、減圧下において挿入作業の精度や円滑性等が十分とは言い難い場合でもオイルの飛び出しが抑制される。
【0104】
更に第2保持部46を軸線方向に上昇させることにより、第1保持部42の両解除板部42cを上向きに押圧して両保持端部42aを拡開させて第1保持部42による軸受側構造体12の保持を解除し(図3、図4)、続いて第2保持部46を軸線方向に上昇させることにより、軸側構造体10と軸受側構造体12が組み立てられた状態を維持しつつ第2保持部46による軸側構造体10の保持を解除する。その際、第2保持部46の下面がロータマグネット14の上面(永久磁石体における軸線方向に略垂直な面)から離隔し、また、内周面支持突部46aは、ロータマグネット14の内周面(永久磁石体における軸線方向に略平行な面)と磁気的に吸着しつつ摺動した後、ロータマグネット14から離隔する。
【0105】
このように上側に位置する軸受側構造体12の保持を解除した後、下側に位置する軸側構造体10の保持が解除されるので、軸側構造体10と軸受側構造体12が組み立てられた状態で、組立体Aを基台40上に落下させ、それを第1保持部42及び第2保持部46から上下軸線方向に離隔させることができる。この場合、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体10又は軸受側構造体12に加わってそれらが破損することが防がれる。また、磁気的吸着面において吸着を維持しつつ略軸線方向に摺動して保持部(磁石体を備えるもの若しくは備えないもの)と軸側構造体又は軸受側構造体(ロータマグネットを備えるもの若しくは備えないもの)を離隔させる場合、保持部に要求される寸法精度に余裕が生じる。
【0106】
なお、軸受穴18b内にシャフト10bを部分挿入させる作業を減圧前に行うと、その作業が容易である。次いで、減圧下において軸受穴18bに対しシャフト10bの挿入を完了させる作業は、予め部分挿入された状態から行うので、減圧下であるにもかかわらず作業は容易である。部分挿入状態において減圧が行われた場合、連通孔19の奥側端部(図1における上端部)は、スリーブ18の奥側端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面の間の隙間を通じて軸受穴18b内に通じているので、軸受穴18bのうちシャフト10bの先端よりも奥(図1における上)の部分も、連通孔19を通じて容易に減圧状態となる。従ってオイルL中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。
【0107】
軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入完了後、適宜時期に、減圧状態から復圧させる。復圧により、シャフト10bの先端面と閉塞端部16aの内面との間隙を含むシャフト10bと軸受穴18bの間隙にオイルが確実に行き渡り、得られる液体動圧軸受は、シャフト10b及び軸側円周状平坦面10a1と軸受側構造体12との間の一連の軸受隙間が連続したオイルLで満たされ、更にそのオイルに連続して、テーパシール部28に空気との界面を有する状態でオイルLが保持されたフルフィル構造となる。なお、余分なオイルは環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面の間隙におけるオイル界面から吸い取り等によって除去することができる。また、スリーブ18を構成する多孔質焼結体に対するオイルLの含浸を、流体動圧軸受の組み立てと同時に行った場合、製造効率を高めることができる。
【0108】
なお、保持部支持体44の下面側に複数の第1保持部42を同一上下位置となるよう支持して上下軸線方向移動が一体的に行われるものとし、それらの第1保持部42により複数の軸受側構造体12を同時に保持し得るものとすると共に、水平状の強磁性板に円形開口部46b及び内周面支持突部46aからなる組を複数設け(或いは、円形開口部46b及び内周面支持突部46aを備えた複数の第2保持部46を同一上下位置となるよう連結し)、上下軸線方向の移動が一体的に行われる複数の第2保持部46により複数の軸側構造体10を同時に保持し得るものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0109】
(6)図8乃至図11の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立
図8乃至図11は、環状凹部内にオイルを配した軸側構造体のシャフトを軸受側構造体の軸受穴に挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第2の方法及び装置を示す断面図である。
【0110】
以下、図1乃至図4に示す第1の方法及び装置と相違する点を中心に、第2の方法及び装置について説明する。
【0111】
保持部はコレット60(保持本体)と、締付部62からなる。コレット60は、基部が保持部支持体44の下面側に支持され、上下軸線のまわりの周方向に複数の保持爪60aが形成され、下方に開口する。コレット60のうち保持爪60aが形成された外周部の外径は、下向きに漸次拡径するテーパ状をなす。締付部62は、コレット60のテーパ状外径に対応して下向きに漸次拡径するテーパ状の締付孔62aにおいて、締付孔62aとコレット60が同軸状をなすようにコレット60に外嵌される。保持部支持体44及びコレット60と、締付部62は独立的に上下動可能である。コレット60に対し締付部62を下降動させることによりコレット60を締付けることができ、締付部62を上昇動させることにより保持爪60aが弾性的に拡開してコレット60の締付けを解除することができる。
【0112】
減圧前に、図8に示すよりも保持部支持体44並びにコレット60及び締付部62を上方に位置させ、締付部62をコレット60の上部位置に位置させた状態で、軸受側構造体12の基部をコレット60の下端開口部内に同軸状に挿入した後、締付部62をコレット60の下部位置に位置させることにより軸受側構造体12の基部をコレット60により挟圧保持させる。
【0113】
また、軸側構造体10を、ロータハブ10aの基部側において基台40の水平上面上の所定位置に載置する。軸側構造体10と軸受側構造体12は、軸側構造体10の載置位置又は保持部支持体44並びにコレット60及び締付部62の水平方向位置を調整して同軸状とすることができる。なお、軸側構造体10の図8における下部が嵌合する上方開口の保持凹部を基台40又は基台40上で固定された若しくは水平動可能な保持体に設け、軸側構造体10を、その保持凹部に嵌合保持させることや、その他の保持体に保持させることもできる。後述の例においても同様である。
【0114】
次に、減圧下において、又は減圧前に、保持部支持体44並びにコレット60及び締付部62を一体的に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0115】
また、減圧下又は減圧前において、軸受穴18bに対しシャフト10bの一部挿入が行われた時点又はそれ以前であって軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において、第1の方法と同様に環状凹部10d内に所要量のオイルLを配する。
【0116】
減圧は、軸側構造体10、軸受側構造体12、保持部支持体44並びにコレット60及び締付部62を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0117】
減圧後、又は減圧環境継続下、保持部支持体44並びにコレット60及び締付部62を一体的に下降させて軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入を完了させると、第1の方法と同様にオイルLの移動が行われ、軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。
【0118】
次に、締付部62のみを軸線方向に上昇させてコレット60の上部位置に位置させることにより(図9、図10)、コレット60による軸側構造体10の保持を解除し、次いで、保持部支持体44並びにコレット60及び締付部62を一体的に上昇させることにより、コレット60及び締付部62からなる保持部から組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。
【0119】
なお、保持部支持体44の下面側に複数のコレット60を同一上下位置となるよう支持して上下軸線方向移動が一体的に行われるものとすると共に、水平板に締付孔62aを複数設け(或いは、締付孔62aを備えた複数の締付部62を同一上下位置となるよう連結し)て各締付孔62aの上下軸線方向の移動が一体的に行われるものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0120】
他の点は第1の方法及び装置と同様である。
【0121】
(7)図12及び図13の方法及び装置並びに図14乃至図16の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立
図12及び図13並びに図14乃至図16は、それぞれ環状凹部内にオイルを配した軸側構造体のシャフトを軸受側構造体の軸受穴に挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第3及び第4の方法及び装置を示す断面図である。
【0122】
以下、図1乃至図4に示す第1の方法及び装置と相違する点を中心に、第3の方法及び装置について説明する。
【0123】
第3の方法及び装置においては、円形開口部48aを備えた押圧体48を有する。押圧体48は上下位置が固定されている。
【0124】
減圧前に、図12に示すよりも保持部支持体44及び第1保持部42を上方に位置させた状態において、軸受側構造体12の外周基部を両保持端部42aにより挟圧保持させる。軸受側構造体12の水平方向位置は、押圧体48における円形開口部48a内に位置する。また、軸側構造体10を、ロータハブ10aの基部側において基台40の水平上面上の所定位置に載置する。軸側構造体10と軸受側構造体12は、軸側構造体10の載置位置又は保持部支持体44及び第1保持部42の水平方向位置を調整して同軸状とすることができる。
【0125】
次に、減圧下において、又は減圧前に、保持部支持体44と第1保持部42を一体的に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0126】
また、減圧下又は減圧前において、軸受穴18bに対しシャフト10bの一部挿入が行われた時点又はそれ以前であって軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において、第1の方法と同様に環状凹部10d内に所要量のオイルLを配する。
【0127】
減圧は、軸側構造体10、押圧体48、軸受側構造体12、第1保持部42、及び保持部支持体44を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0128】
減圧後、又は減圧環境継続下、保持部支持体44と第1保持部42を軸線方向に下降させると、軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入が完了する前に、第1保持部42の両解除板部42cが押圧体48の円形開口部48aの外周部上面に当接して上向きに押圧され、両保持端部42aが拡開して第1保持部42による軸受側構造体12の保持が解除される。更に保持部支持体44と第1保持部42を軸線方向に下降させると、押圧部42bにより軸受側構造体12の基部が下方に押圧され、軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入が完了すると共に環状凹部10d内にハウジング16及びスリーブ18の開口側が嵌合し、第1の方法と同様にオイルLの移動が行われ、軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。
【0129】
次に、保持部支持体44を軸線方向に上昇させると、両解除板部42cが押圧体48により上向きに押圧されて軸受側構造体12の保持を解除した状態を維持しつつ第1保持部42が上昇して第1保持部42から組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。続けて保持部支持体44を軸線方向に上昇させることにより、押圧体48による両解除板部42cの上向き押圧が解除され、両保持端部42aが復元する。
【0130】
なお、保持部支持体44の下面側に複数の第1保持部42を同一上下位置となるよう支持して上下軸線方向移動が一体的に行われるものとし、それらの第1保持部42により複数の軸受側構造体12を同時に保持し得るものとすると共に、水平板に円形開口部48aを複数設け(或いは、円形開口部48aを備えた複数の押圧体48を同一上下位置となるよう連結し)て各円形開口部48aの外周部の上下軸線方向の移動が一体的に行われるものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0131】
他の点は第1の方法及び装置と同様である。
【0132】
第4の方法及び装置における押圧体48(保持解除体)は上下可動である。
【0133】
第4の方法及び装置においては、減圧下において、又は減圧前に、保持部支持体44と第1保持部42を一体的に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させ、次いで、減圧後、又は減圧環境継続下、保持部支持体44と第1保持部42を軸線方向に下降させることにより、第1保持部42により軸受側構造体12が保持された状態で軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入が完了する(図14、図15)。
【0134】
その後、押圧体48を上昇させて第1保持部42の両解除板部42cを押圧体48の円形開口部48aの外周部上面により上向きに押圧することにより、両保持端部42aを拡開して第1保持部42による軸受側構造体12の保持を解除することができる。この状態で保持部支持体44及び押圧体48(或は、保持部支持体44のみ)を軸線方向に上昇させると、第1保持部42が上昇して第1保持部42から組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。その後(或は、保持部支持体44のみを上昇させて)、両解除板部42cから押圧体48を上下方向に離隔させることにより、押圧体48による両解除板部42cの上向き押圧が解除され、両保持端部42aが復元する。
【0135】
(8)図17及び図18の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立図17及び図18は、環状凹部内にオイルを配した軸側構造体のシャフトを軸受側構造体の軸受穴に挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第5の方法及び装置を示す断面図である。
【0136】
以下、図1乃至図4に示す第1の方法及び装置と相違する点を中心に、第5の方法及び装置について説明する。
【0137】
第1保持部70は、軸受側構造体12を保持するものであり、上端部が、上下動可能な保持部支持体44の下面側に支持されている。第1保持部70は、縦断面において、上端部の両側に、垂下部を有し、両垂下部の下端部が、軸受側構造体12の外周基部を弾性的に挟圧保持する保持端部70aである。保持部を構成する材料としては、合成樹脂や金属等、弾性を有する材料を適宜採用し得る。保持端部70aの形状は、軸受側構造体12の軸線を中心としてその外周基部の形状に沿って湾曲した湾曲板形状をなすものとすることが好ましい。両垂下部における保持端部70aの上側位置には、それぞれ軸受側構造体12の基部外底面を下向きに押圧し得る押圧部70bが内方に張出形成されている。解除脚部70cは、両保持端部70aの下端から外方にやや上向きに延び、更に下方に延びている。第1保持部70における両解除脚部70cを上向きに押圧すると、両垂下部の下端部に位置する両保持端部70aは弾性変形により互いに拡開する。
【0138】
減圧前に、図17に示すよりも保持部支持体44及び第1保持部70を上方に位置させた状態において、軸受側構造体12の外周基部を両保持端部70aにより挟圧保持させる。また、軸側構造体10を、ロータハブ10aの基部側において基台40の水平上面上の所定位置に載置する。軸側構造体10と軸受側構造体12は、軸側構造体10の載置位置又は保持部支持体44及び第1保持部70の水平方向位置を調整して同軸状とすることができる。
【0139】
次に、減圧下において、又は減圧前に、保持部支持体44と第1保持部70を一体的に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0140】
また、減圧下又は減圧前において、軸受穴18bに対しシャフト10bの一部挿入が行われた時点又はそれ以前であって軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において、第1の方法と同様に環状凹部10d内に所要量のオイルLを配する。
【0141】
減圧は、軸側構造体10、軸受側構造体12、第1保持部70、及び保持部支持体44を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0142】
減圧後、又は減圧環境継続下、保持部支持体44と第1保持部70を軸線方向に下降させると、軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入が完了する前に、第1保持部70の両解除脚部70cの下端が基台40の上面に当接して上向きに押圧され、両保持端部70aが拡開して第1保持部42による軸受側構造体12の保持が解除される。更に保持部支持体44と第1保持部70を軸線方向に下降させると、押圧部70bにより軸受側構造体12の基部が下方に押圧され、軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入が完了すると共に環状凹部10d内にハウジング16及びスリーブ18の開口側が嵌合し、第1の方法と同様にオイルLの移動が行われ、軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。
【0143】
次に、保持部支持体44を軸線方向に上昇させると、両解除脚部70cが基台40の上面により上向きに押圧されて軸受側構造体12の保持を解除した状態を維持しつつ第1保持部70が上昇して第1保持部70から組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。続けて保持部支持体44を軸線方向に上昇させることにより、基台40による両解除脚部70cの上向き押圧が解除され、両保持端部42aが復元する。
【0144】
なお、保持部支持体44の下面側に複数の第1保持部70を同一上下位置となるよう支持して上下軸線方向移動が一体的に行われるものとし、それらの第1保持部70により複数の軸受側構造体12を同時に保持し得るものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0145】
他の点は第1の方法及び装置と同様である。
【0146】
(9)図19乃至図21の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立図19乃至図21は、オイルを配した軸受側構造体の軸受穴に軸側構造体のシャフトを挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第6の方法及び装置を示す断面図である。
【0147】
基台40上の第1保持部41には、軸受側構造体12の基部が嵌合する上方開口の保持凹部41aが形成されている。第1保持部41は、基台40上で水平方向に移動し得るものであってもよく、固定されたものであってもよい。
【0148】
第2保持部47は、強磁性材料からなり、ロータマグネット14との間の磁気吸引力により軸側構造体10を保持するものである。第2保持部47は、円形開口部47bを有する板状をなす。
【0149】
減圧前に、第1保持部41の保持凹部41aに、開口部を上向きにして軸受側構造体12の基部を嵌合保持させる。また、シャフト10bの自由端が下向きの状態の軸側構造体10を、第2保持部47における円形開口部47bの外周側の上面がロータマグネット14の下面に当接した状態で、ロータマグネット14との間の磁気吸引力によって第2保持部47に保持させる。
【0150】
軸側構造体10と軸受側構造体12は、それぞれ第2保持部47及び第1保持部41により保持されることにより上下に同軸状をなす状態となるものとすることが好ましいが、一方又は両方の保持部の水平方向位置を調整して同軸状とするものとすることもできる。
【0151】
また、減圧下又は減圧前において、軸受側構造体12における閉塞端部16aの内面(図19における上面)を内底面として軸受穴18b内に所要量のオイルLを配し、閉塞端部16a上にオイルLを溜める。軸受穴18bが閉塞されない状態において軸受穴18b内に所要量のオイルを配するので、作業が容易である。
【0152】
次に、減圧下又は減圧前に、第2保持部47を軸線方向に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0153】
減圧は、軸側構造体10、軸受側構造体12、第1保持部41及び第2保持部47を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0154】
更に、減圧後、又は減圧環境継続下、第2保持部47を軸線方向に下降させて軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入を完了させると共に環状凹部10d内にハウジング16及びスリーブ18の開口側を嵌合させる。すると、軸受穴18b内の閉塞端部16a上に配したオイルLが、軸受隙間[すなわち、シャフト10bの先端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面との間隙、スリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面との間の間隙及びこれに隣接するスリーブ18の奥側端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面の間の隙間、連通孔19内部、並びにハウジング16及びスリーブ18の開口側の端面とロータハブ10aのシャフト突出側の面との間隙]、及びテーパシール部28[環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面の間隙]に連続するよう移動する。これにより軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。減圧下であるため、オイルL中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。
【0155】
軸受穴18b内の閉塞端部16a上に配したオイルLの界面は、減圧下でのシャフト10bの挿入により、スリーブ18の内周面とシャフト10bの外周面との間の間隙を軸受穴18bの底部から開口部へと、軸線方向におけるシャフト10bの基部側(図19及び図20における上方)に移動した後、軸側円周状平坦面10a1とハウジング16及びスリーブ18の開口側の端面との間を周方向に拡がりつつ半径方向外方へ移動し、更に、軸側円周状平坦面10a1の外周側から環状壁部10cの内周面とフランジ部16bの外周面の間隙を軸線方向におけるシャフト10b先端側(図19及び図20における下方)へ移動する。オイルLの界面の移動方向が複数回にわたりそれぞれほぼ90度ずつ変化し、而もその間に、オイル界面は軸側円周状平坦面10a1と軸受側構造体12との間を周方向に拡がりつつ径方向外方へ移動するので、オイル界面の急激な移動が防がれ、減圧下において作業の精度や円滑性等が十分とは言い難い場合でも、オイルの飛び出しや乱れが抑えられる。また、スリーブ18を構成する多孔質焼結体に対するオイルLの含浸を、液体動圧軸受の組み立てと同時に行うことも可能で、製造効率を高められる。減圧下で軸受穴18bに対しシャフト10bの挿入を完了させようとする際にスリーブ18を構成する多孔質焼結体に対しオイルLが十分に含浸していない場合、オイルLが十分に含浸するまで挿入を停止させ或いは挿入速度を低下させる必要があるが、この場合においても、オイル界面の急激な移動が緩和されるため、減圧下において挿入作業の精度や円滑性等が十分とは言い難い場合でもオイルの飛び出しが抑制される。
【0156】
更に、第2保持部47を軸線方向に下降させることにより、第2保持部47の上面をロータマグネット14の下面(永久磁石体における軸線方向に略垂直な面)から離隔させて第2保持部47による軸側構造体10の保持を解除し、図21に示すように第2保持部47を下方に位置させることにより、第2保持部47と組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。この場合、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体10又は軸受側構造体12に加わってそれらが破損することが防がれる。
【0157】
なお、軸受穴18b内にシャフト10bを部分挿入させる作業を減圧前に行うと、その作業が容易である。次いで、減圧下において軸受穴18bに対しシャフト10bの挿入を完了させる作業は、予め部分挿入された状態から行うので、減圧下であるにもかかわらず作業は容易である。部分挿入状態において減圧が行われた場合、連通孔19の奥側端部(図19における下端部)は、スリーブ18の奥側端面とハウジング16の閉塞端部16aの内面の間の隙間を通じて軸受穴18b内に通じているので、軸受穴18bのうちシャフト10bの先端よりも奥(図19における下)の部分も、連通孔19を通じて容易に減圧状態となる。従ってオイルL中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。
【0158】
また、基台40上に複数の第1保持部41を設けて複数の軸受側構造体12を同時に保持し得るものとすると共に、水平状の強磁性板に円形開口部47bを複数設け(或いは、円形開口部47bを備えた複数の第2保持部47を同一上下位置となるよう連結し)、上下軸線方向の移動が一体的に行われる複数の第2保持部47により複数の軸側構造体10を同時に保持し得るものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0159】
(10)図22乃至図24の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立
図22乃至図24は、オイルを配した軸受側構造体の軸受穴に軸側構造体のシャフトを挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第7の方法及び装置を示す断面図である。
【0160】
以下、図19乃至図21に示す第6の方法及び装置と相違する点を中心に、第7の方法及び装置について説明する。
【0161】
上下動可能な保持部支持体80の下面側に、軸側構造体10の基部側を磁気吸引力により保持する電磁石82の上側部が支持されている。この場合のロータハブ10a又はシャフト10bは、強磁性材料からなる。
【0162】
減圧前に、第1保持部41の保持凹部41aに、開口部を上向きにして軸受側構造体12の基部を嵌合保持させる。また、シャフト10bの自由端が下向きの状態の軸側構造体10の基部側中央部を、電磁石82を作動させて磁気的に保持する。
【0163】
軸側構造体10と軸受側構造体12は、それぞれ電磁石82及び第1保持部41により保持されることにより上下に同軸状をなす状態となるものとすることが好ましいが、一方又は両方の保持部の水平方向位置を調整して同軸状とするものとすることもできる。
【0164】
また、減圧下又は減圧前において、軸受側構造体12における閉塞端部16aの内面(図19における上面)を内底面として軸受穴18b内に所要量のオイルLを配し、閉塞端部16a上にオイルLを溜める。
【0165】
次に、減圧下又は減圧前に、保持部支持体80及び電磁石82を軸線方向に下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0166】
減圧は、軸側構造体10、軸受側構造体12、第1保持部41及び電磁石82を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0167】
更に、減圧後、又は減圧環境継続下、保持部支持体80及び電磁石82を軸線方向に下降させて軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入を完了させると共に環状凹部10d内にハウジング16及びスリーブ18の開口側を嵌合させる。すると、第6の方法と同様にオイルLの移動が行われ、軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。
【0168】
その後、電磁石82の作動を停止させ、、保持部支持体80及び電磁石82を軸線方向に上昇させることにより、電磁石82による軸側構造体10の保持を解除し、電磁石82と組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。
【0169】
なお、基台40上に複数の第1保持部41を設けて複数の軸受側構造体12を同時に保持し得るものとすると共に、保持部支持体80に電磁石82を複数設け、上下軸線方向の移動が一体的に行われる複数の電磁石82により複数の軸側構造体10を同時に保持し得るものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0170】
他の点は第6の方法及び装置と同様である。
【0171】
(11)図25乃至図28の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立
図25乃至図28は、環状凹部内にオイルを配した軸側構造体のシャフトを軸受側構造体の軸受穴に挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第8の方法及び装置を示す断面図である。
【0172】
以下、図1乃至図4に示す第1の方法及び装置と相違する点を中心に、第8の方法及び装置について説明する。
【0173】
ハンド92は、上側部が、上下動可能な保持部支持体90の下面側に支持され、一対の挟持爪92aを下方に突出する。挟持爪92aは、適宜のアクチュエータにより発生する挟圧力により軸受側構造体12を保持する。なお、ハンド92のほか、モータ等のアクチュエータその他の動力又は圧力発生装置により直接に又はネジや歯車機構等の伝動機構等を介して発生する挟圧力又は拡開力により軸側構造体又は軸受側構造体を保持するものを適宜利用可能である。
【0174】
減圧前に、図17に示すよりも保持部支持体90及びハンド92を上方に位置させた状態において、軸受側構造体12の外周基部を挟持爪92aにより挟圧保持させる。また、軸側構造体10を、ロータハブ10aの基部側において基台40の水平上面上の所定位置に載置する。軸側構造体10と軸受側構造体12は、軸側構造体10の載置位置又は保持部支持体90及びハンド92の水平方向位置を調整して同軸状とすることができる。
【0175】
次に、減圧下において、又は減圧前に、保持部支持体90及びハンド92を下降させて軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0176】
また、減圧下又は減圧前において、軸受穴18bに対しシャフト10bの一部挿入が行われた時点又はそれ以前であって軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において、第1の方法と同様に環状凹部10d内に所要量のオイルLを配する。
【0177】
減圧は、軸側構造体10、軸受側構造体12、保持部支持体90及びハンド92を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0178】
減圧後、又は減圧環境継続下、保持部支持体90及びハンド92を軸線方向に下降させることにより、軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入が完了し、第1の方法と同様にオイルLの移動が行われ、軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる。
【0179】
次に、挟持爪92aによる軸受側構造体12の挟圧保持を解除して保持部支持体90及びハンド92を軸線方向に上昇させると、ハンド92と組立体Aを上下軸線方向に離隔させることができる。
【0180】
なお、保持部支持体90の下面側に複数のハンド92を支持して上下軸線方向移動が一体的に行われるものとし、それらのハンド92により複数の軸受側構造体12を同時に保持し得るものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0181】
他の点は第1の方法及び装置と同様である。
【0182】
(12)図29乃至図32の方法及び装置による軸側構造体と軸受側構造体の組立
図29乃至図32は、環状凹部内にオイルを配した軸側構造体のシャフトを軸受側構造体の軸受穴に挿入させて軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る例として第9の方法及び装置を示す断面図である。
【0183】
以下、図1乃至図4に示す第1の方法及び装置と相違する点を中心に、第9の方法及び装置について説明する。
【0184】
保持部は、コレット100(保持本体)と、上下動可能な締付部102からなる。コレット100は、上下軸線のまわりの周方向に複数の保持爪100aが形成され、下方に開口する。コレット100のうち保持爪100aが形成された外周部の外径は、下向きに漸次縮径するテーパ状をなす。締付部102は、コレット100のテーパ状外径に対応して下向きに漸次縮径するテーパ状の締付孔102aを有する。
【0185】
減圧前に、軸受側構造体12と締付部102の締付孔102aを同軸状に位置させ、図29に示すように、締付部102の締付孔102aに対し、保持爪100aを下向きにしてコレット100を同軸状に内嵌する。これにより、保持爪100aが締付孔102aにより締付けられて軸受側構造体12の基部が挟圧保持される。
【0186】
また、軸側構造体10を、ロータハブ10aの基部側において基台40の水平上面上の所定位置に載置する。軸側構造体10と軸受側構造体12は、軸側構造体10の載置位置又は締付部102の水平方向位置を調整して同軸状とすることができる。
【0187】
次に、減圧下において、又は減圧前に、締付部102を下降させてコレット100に保持された軸受側構造体12の軸受穴18b内にシャフト10bの一部(先端側)を挿入させる。
【0188】
また、減圧下又は減圧前において、軸受穴18bに対しシャフト10bの一部挿入が行われた時点又はそれ以前であって軸側構造体10における環状凹部10dが閉塞されない状態において、第1の方法と同様に環状凹部10d内に所要量のオイルLを配する。
【0189】
減圧は、軸側構造体10、軸受側構造体12、保持部支持体44並びにコレット100及び締付部102を、基台40上で、図1に示すような上下可動の減圧カバーによって覆い、基台40と減圧カバーにより内包形成される減圧部の内部空間を減圧装置により排気減圧することにより行うことができる。
【0190】
減圧後、又は減圧環境継続下、締付部102を下降させてコレット100に保持された軸受穴18bに対するシャフト10bの挿入を完了させると、第1の方法と同様にオイルLの移動が行われ、軸側構造体10と軸受側構造体12の組立体Aが得られる(図30)。
【0191】
更に締付部102を下降させると、挿入完了状態の軸受側構造体12及びそれを保持するコレット100に対し締付部102が下降して軸側構造体10の保持を解除することになる(図31)。次いで、締付部102を上昇させることにより、コレット100及び締付部102からなる保持部を組立体Aから上方に離隔させることができる(図32)。
【0192】
なお、水平板に、複数のコレット100を嵌合保持し得る締付孔102aを複数設け(或いは、締付孔102aを備えた複数の締付部102を同一上下位置となるよう連結し)て各締付孔102aの上下軸線方向の移動が一体的に行われるものとすることによって、複数の軸側構造体10と軸受側構造体12の組立を同時に行い得るものとすることもできる。
【0193】
他の点は第1の方法及び装置と同様である。
【0194】
(13)なお、本明細書に記載した各組立方法において用いるオイルは、各方法実施の際の減圧時における気泡の膨張や発生によるオイルの飛散を防ぐ上で、実質上気泡を含まないオイル(好ましくは気泡を含まず且つ溶存気体濃度が十分に低いオイル)、すなわち例えば(好ましくは、各方法における減圧時の圧力よりも低い圧力下で)十分に脱泡処理されたオイル又はそれと同等のオイルとすることが望ましい。
【0195】
上記何れの液体動圧軸受製造方法においても、オイルの温度を、軸受隙間への確実な浸透が可能な十分な流動性を有する所定温度以上とすることが望ましい。その場合、オイルが十分な流動性を有するので、軸受隙間等の必要箇所がオイルによって確実性高く満たされる。よって、精度及び耐久性に優れた液体動圧軸受を製造する上で効果的である。
【0196】
以上、本発明に従うスピンドルモータ組立方法及び組立装置の一実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0197】
例えば、スリーブ18の下端側の端面をハウジング16の閉塞端部16aの内面に当接させ、スリーブ18の下端側の端面に、その内周面と軸線方向溝18aとに連続する半径方向溝を設けて連通をはかることも可能である。
【0198】
また、スリーブ18は、アルミニウム系の材料、銅系材料、ステンレス綱といった無垢の金属材から適宜選択して使用することも可能である。
【0199】
更に、開口側及び奥側ラジアル軸受部に形成される動圧発生溝は、オイルLに対して常に一方向に向かう流動を誘起するよう配置されることが重要であり、上記実施形態では、開口側ラジアル軸受部の動圧発生溝を軸線方向に非対称な形状のヘリングボーングルーブとし、奥側ラジアル軸受部の動圧発生溝を軸線方向に対称な形状のヘリングボーングルーブとしているが、開口側ラジアル軸受部の動圧発生溝を軸線方向に対称な形状のヘリングボーングルーブとし、奥側ラジアル軸受部の動圧発生溝を軸線方向に非対称な形状のヘリングボーングルーブとして、オイルLに対して押し込み圧を付与することも可能である。
【0200】
また、上記実施形態では、ハウジング16を中空円筒状とし、一方の端部をハウジング16とは別の部材からなる閉塞部材によって閉塞した構成を例示しているが、閉塞端部16aをハウジング16と−体に形成した構成とすることも当然に可能である。
【0201】
【発明の効果】
請求項1の組立方法及び請求項14の組立装置によれば、軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態において、減圧下で保持部を軸線方向に移動させることにより軸受穴に対するシャフトの挿入を行うので、減圧下でありながら挿入作業を容易且つ確実に精度良く行い得る。また、軸受穴に対するシャフトの挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に少なくとも一方の保持部による保持を解除し、挿入完了後に保持部を軸線方向に移動させることにより、保持部から組立体を離隔することができる。また、軸線に沿った直線運動のみで軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得ることができるため、量産時における製品の信頼性を確保することが容易である。減圧環境下で組み立てを行う場合、減圧空間内部で部品を動かすための機構が必要になり、しばしば装置複雑化の原因となる。しかし、本発明によれば、直線往復運動のみで組み立てられるため、製造装置の機構が単純になり、製造装置のコストを下げ得ると同時に、信頼性も高められる。
【0202】
請求項2の組立方法及び請求項15の組立装置によれば、軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態として保持部を軸線方向に移動させることにより軸受穴に対するシャフトの一部挿入を行う作業は、減圧前に確実に行うことができ、次いで減圧し、軸受穴に対しシャフトの一部挿入を行った状態で保持部を更に軸線方向に移動させることにより挿入を完了させるので、減圧下でありながら挿入作業を容易且つ確実に精度良く行い得る。
【0203】
請求項3の組立方法及び請求項16の組立装置によれば、所定箇所に所要量のオイルを配する作業を、軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態において容易且つ確実に精度良く行い得、その後、減圧下で軸受穴に対しシャフトの挿入を完了させることにより前記オイルをシャフトと軸受穴の間隙に介在させるので、オイル中に空気を内包してしまうことを効果的に避けることができる。
【0204】
請求項4の組立方法及び請求項17の組立装置によれば、一体状をなす複数の保持部の軸線方向の移動を一体的に行うことにより、複数の軸受側構造体の各軸受穴に対する複数の軸側構造体の各シャフトの挿入作業を、減圧下でありながら容易且つ確実に精度良く行い得る。また、挿入完了後に複数の保持部を一体的に軸線方向に移動させることにより、複数の保持部から複数の組立体を一括して離隔させることができる。
【0205】
請求項5の組立方法及び請求項18の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部又はその一部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0206】
請求項6の組立方法及び請求項19の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部の軸線方向における所定の向きの移動のみにより行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0207】
請求項7の組立方法及び請求項20の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入及び一方の保持部の保持解除、並びに他方の保持部の解除部に対する軸線方向所定向きの押圧による他方の保持部の保持解除及び両保持部と組立体との軸線方向離隔を、一方の保持部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0208】
請求項8の組立方法及び請求項21の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、締付部、保持本体、又は保持部全体の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0209】
請求項9の組立方法及び請求項22の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入、保持部による保持の解除、及び保持部と組立体との軸線方向離隔を、締付部の軸線方向移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0210】
請求項10の組立方法及び請求項23の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入及び解除部の所定箇所に対する軸線方向押圧による保持部の保持の解除を、保持部の軸線方向所定向きの移動により行うことができ、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部の軸線方向における所定向きと逆向きの移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0211】
請求項11の組立方法及び請求項24の組立装置によれば、軸受穴に対するシャフトの挿入及び保持解除体の解除部押圧による保持部の保持の解除を、保持部の軸線方向所定向きの移動及び保持解除体の軸線方向における所定の向きと逆向きの移動により行うことができ、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部及び保持解除体の軸線方向における所定向きと逆向きの移動により行うことができるので、減圧下においても容易且つ確実に精度良く作業を行い得る。また、複数の保持部及び保持解除体を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0212】
請求項12の組立方法及び請求項25の組立装置によれば、ロータマグネットの磁気的吸着力を利用して効率的に組立作業を行い得、また、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体又は軸受側構造体に加わってそれらが破損することが防がれる。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【0213】
請求項13の組立方法及び請求項26の組立装置によれば、磁気的吸着力を超える力が軸側構造体又は軸受側構造体に加わってそれらが破損することが防がれる。また、複数の保持部を一体的に操作して複数のスピンドルモータの組立を一括して行う上でも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第1の方法及び装置を示す断面図である。
【図2】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第1の方法及び装置を示す断面図である。
【図3】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第1の方法及び装置を示す断面図である。
【図4】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第1の方法及び装置を示す断面図である。
【図5】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第1の方法及び装置の変形例を示す断面図である。
【図6】第1の方法及び装置により得られた組立体を用いたスピンドルモータの断面図である。
【図7】スピンドルモータを用いたディスク駆動装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【図8】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第2の方法及び装置を示す断面図である。
【図9】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第2の方法及び装置を示す断面図である。
【図10】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第2の方法及び装置を示す断面図である。
【図11】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第2の方法及び装置を示す断面図である。
【図12】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第3の方法及び装置を示す断面図である。
【図13】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第3の方法及び装置を示す断面図である。
【図14】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第4の方法及び装置を示す断面図である。
【図15】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第4の方法及び装置を示す断面図である。
【図16】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第4の方法及び装置を示す断面図である。
【図17】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第5の方法及び装置を示す断面図である。
【図18】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第5の方法及び装置を示す断面図である。
【図19】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第6の方法及び装置を示す断面図である。
【図20】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第6の方法及び装置を示す断面図である。
【図21】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第6の方法及び装置を示す断面図である。
【図22】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第7の方法及び装置を示す断面図である。
【図23】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第7の方法及び装置を示す断面図である。
【図24】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第7の方法及び装置を示す断面図である。
【図25】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第8の方法及び装置を示す断面図である。
【図26】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第8の方法及び装置を示す断面図である。
【図27】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第8の方法及び装置を示す断面図である。
【図28】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第8の方法及び装置を示す断面図である。
【図29】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第9の方法及び装置を示す断面図である。
【図30】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第9の方法及び装置を示す断面図である。
【図31】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第9の方法及び装置を示す断面図である。
【図32】軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る第9の方法及び装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ロータ
10 軸側構造体
10a ロータハブ
10a1 軸側円周状平坦面
10b シャフト
10c 環状壁部
10d 環状凹部
12 軸受側構造体
14 ロータマグネット
16 ハウジング
16a 閉塞端部
16b フランジ部
18 スリーブ
18a 軸線方向溝
18b 軸受穴
18c 分岐孔
19 連通孔
25 抜止めリング
26 スラストヨーク
27 ステータ
28 テーパシール部
30 ブラケット
30a 円形ボス部
40 基台
41 第1保持部
41a 保持凹部
42 第1保持部
42a 保持端部
42b 押圧部
42c 解除板部
44 保持部支持体
46 第2保持部
46a 内周面支持突部
46b 円形開口部
47 第2保持部
47b 円形開口部
48 押圧体
48a 円形開口部
50 ディスク駆動装置
51 ケーシング
52 スピンドルモータ
53 ディスク板
54 アクチュエータ部
55 アーム
56 ヘッド
57 ヘッド移動機構
60a 締付部
60a 保持爪
60 コレット
62 締付部
62a 締付孔
70 第1保持部
70a 保持端部
70b 押圧部
70c 解除脚部
80 保持部支持体
82 電磁石
90 保持部支持体
92 ハンド
92a 挟持爪
100 コレット
100a 保持爪
102 締付部
102a 締付孔
A 組立体
D 減圧カバー
L オイル

Claims (26)

  1. シャフトを突出する軸側構造体と、前記シャフトが挿入された軸受穴を有する軸受側構造体の一方に対し他方が、前記シャフト又は軸受穴の軸線を中心として回転自在に支持されてなるスピンドルモータを組み立てるための方法であって、前記軸側構造体と軸受側構造体の少なくとも一方を保持部により保持し、
    軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態とし、減圧下で前記保持部を前記軸線方向に移動させることにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向におけるそれぞれ所定の向きに移動させて前記軸受穴に対する前記シャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
    前記挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に、前記少なくとも一方の保持部による保持を解除させ、
    前記挿入の完了後に保持部を前記軸線の方向に移動させることにより保持部と前記組立体を軸線方向に離隔させ、
    少なくとも軸受穴に対するシャフトの挿入完了まで前記減圧状態を維持することを特徴とするスピンドルモータ組立方法。
  2. 軸側構造体と軸受側構造体が同軸状をなす状態とし、前記保持部を前記軸線方向に移動させることにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向におけるそれぞれ所定の向きに移動させて前記軸受穴に対する前記シャフトの一部挿入を行った状態で減圧し、減圧下で更に前記保持部を前記軸線方向に移動させることにより挿入を完了して軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得る請求項1記載のスピンドルモータ組立方法。
  3. 上記軸受穴に対し上記シャフトの一部挿入を行った状態又はそれ以前の状態であって、上記軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態において、その所定箇所に所要量のオイルを配し、減圧下での軸受穴に対するシャフトの挿入完了により前記オイルをシャフトと軸受穴の間隙に介在させる請求項1又は2記載のスピンドルモータ組立方法。
  4. 複数の保持部が一体状をなし、保持部の上記軸線方向の移動が一体的に行われる請求項1、2又は3記載のスピンドルモータ組立方法。
  5. 保持部による保持の解除と、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部若しくはその一部又は保持解除体の軸線方向移動により行う請求項1乃至4の何れかに記載のスピンドルモータ組立方法。
  6. 軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、保持部を更に前記軸線方向の所定の向きに移動させることにより、保持部による軸側構造体又は軸受側構造体の保持を解除させると共に保持部と組立体を軸線方向に離隔させる請求項5記載のスピンドルモータ組立方法。
  7. 保持部として一方の保持部と他方の保持部を有し、他方の保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きに押圧されることにより他方の保持部による保持を解除するものであり、
    上記軸側構造体又は軸受側構造体のうち何れかを一方の保持部により、残りを他方の保持部により、それぞれ保持し、前記一方の保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
    前記一方の保持部を前記軸線の方向における所定の向きに更に移動させることにより、その一方の保持部の保持を解除させると共に他方の保持部の解除部を軸線方向における前記所定の向きに押圧して他方の保持部による保持を解除させる請求項5記載のスピンドルモータ組立方法。
  8. 保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向き及び逆向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、
    締付部により保持本体を締付けて軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
    締付部のみを前記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動させることにより締付を解除して保持本体による保持を解除させた後、保持本体又は保持本体と締付部を上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動させることによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させる請求項5記載のスピンドルモータ組立方法。
  9. 保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向きと逆向き及び所定の向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、
    締付部により保持本体を締付けて軸側構造体又は軸受側構造体を保持した状態で締付部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
    前記挿入完了以降、更に締付部を前記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより締付を解除して保持本体による保持を解除させた後、締付部を上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動させることにより、保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させる請求項5記載のスピンドルモータ組立方法。
  10. 保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、
    上記軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
    前記挿入中であって挿入完了前に、保持部の一部である解除部を軸線方向における所定の向きに所定箇所に対し押圧することにより保持部による保持を解除し、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で、保持部による前記軸線の方向における所定の向きの押圧により挿入を完了させ、
    更に、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で前記保持部を前記軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動させることによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させる請求項5記載のスピンドルモータ組立方法。
  11. 保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、
    上記軸側構造体又は軸受側構造体を保持した保持部を上記軸線の方向における所定の向きに移動させることにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、
    前記挿入完了後、保持解除体を前記の軸線方向における所定の向きと逆向きに移動させて前記解除部を押圧させることにより保持部による保持を解除し、
    保持解除体の解除部に対する押圧継続による保持解除状態で、前記保持部及び保持解除体を前記軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動させることによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させる請求項5記載のスピンドルモータ組立方法。
  12. 上記保持部の少なくとも一部が強磁性材料製であると共に軸側構造体及び軸受側構造体の一方がロータマグネットを備えており、ロータマグネットを備える軸側構造体又は軸受側構造体が、そのロータマグネットと保持部の強磁性材料部分との磁気的吸着力により保持部に保持される請求項1乃至7の何れかに記載のスピンドルモータ組立方法。
  13. 上記保持部が磁石体を備えると共に軸側構造体及び軸受側構造体の一方における少なくとも一部が強磁性材料製であり、少なくとも一部が強磁性材料製である軸側構造体又は軸受側構造体が、その強磁性材料部分と保持部の磁石体との磁気的吸着力により保持部に保持される請求項1乃至7の何れかに記載のスピンドルモータ組立方法。
  14. シャフトを突出する軸側構造体と、前記シャフトが挿入された軸受穴を有する軸受側構造体の一方に対し他方が、前記シャフト又は軸受穴の軸線を中心として回転自在に支持されてなるスピンドルモータを組み立てるための装置であって、前記軸側構造体と軸受側構造体の少なくとも一方を保持し、軸側構造体と軸受側構造体を同軸状として、前記軸線方向に移動することにより、軸側構造体と軸受側構造体の一方に対し他方を又は両方を前記軸線の方向に移動させ、前記軸受穴に対する前記シャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得ることができる保持部、並びに軸側構造体及び軸受側構造体を含む空間内を減圧し得る減圧部を備え、
    前記減圧部は、前記軸側構造体と軸受側構造体を同軸状とした状態で前記空間内を減圧し得、少なくとも軸受穴に対するシャフトの挿入完了まで前記減圧状態を維持することができるものであり、
    前記保持部は、前記減圧部による減圧下で軸線方向に移動し得、前記挿入中における挿入完了前又は挿入完了時以降に、前記少なくとも一方の保持部による保持を解除し、挿入完了後に保持部と前記組立体を軸線方向に離隔させることができるものであることを特徴とするスピンドルモータ組立装置。
  15. 上記減圧部が、前記軸受穴に対する前記シャフトの一部挿入を行った状態で前記空間内を減圧し得、少なくとも軸受穴に対するシャフトの挿入完了まで前記減圧状態を維持することができるものである請求項14記載のスピンドルモータ組立装置。
  16. 上記軸受穴に対し上記シャフトの一部挿入を行った状態又はそれ以前の状態であって、上記軸側構造体又は軸受側構造体における所定箇所が閉塞されない状態において、前記所定箇所に所要量のオイルを配することができるオイル配装部を備える請求項14又は15記載のスピンドルモータ組立装置。
  17. 複数の保持部が一体状をなし、保持部の上記軸線方向の移動が一体的に行われる請求項14、15又は16記載のスピンドルモータ組立装置。
  18. 保持部による保持の解除と、保持部と組立体との軸線方向離隔を、保持部又はその一部の軸線方向移動により行う請求項14乃至17の何れかに記載のスピンドルモータ組立装置。
  19. 上記保持部が、軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、更に前記軸線方向の所定の向きに移動することにより、軸側構造体又は軸受側構造体の保持を解除すると共に保持部と組立体を軸線方向に離隔させることができるものである請求項18記載のスピンドルモータ組立装置。
  20. 上記保持部として、一方の保持部と他方の保持部を有し、他方の保持部の一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きに押圧されることにより他方の保持部による保持を解除するものであり、
    前記一方の保持部は、軸側構造体又は軸受側構造体のうち何れかを保持し、前記他方の保持部は軸側構造体又は軸受側構造体のうち残りを保持するものであり、前記一方の保持部は、上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、更に、前記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、その一方の保持部の保持を解除すると共に他方の保持部の解除部を軸線方向における前記所定の向きに押圧して他方の保持部による保持を解除させることができるものである請求項18記載のスピンドルモータ組立装置。
  21. 上記保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向き及び逆向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、且つ、締付部により保持本体を締付けることにより軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、更に、締付部のみが前記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動することにより保持本体による保持を解除させた後、保持本体又は保持本体と締付部を上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動することによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものである請求項18記載のスピンドルモータ組立装置。
  22. 上記保持部が、保持本体と締付部からなり、保持本体に対する締付部の上記軸線の方向における相対的な所定の向きと逆向き及び所定の向きの移動によりそれぞれ保持本体締付及び締付解除を行い得るものであり、且つ、締付部により保持本体を締付けることにより軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、挿入完了以降、更に、締付部が前記軸線の方向における所定の向きに移動することにより締付を解除して保持本体による保持を解除させた後、締付部が上記軸線の方向における所定の向きと逆の向きに移動することにより、保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものである請求項18記載のスピンドルモータ組立装置。
  23. 上記保持部が、一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、且つ、軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得、前記挿入中であって挿入完了前に、前記解除部を軸線方向における所定の向きに所定箇所に対し押圧することにより保持を解除し、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で、前記軸線の方向における所定の向きの押圧により挿入を完了させ、更に、解除部の所定箇所に対する押圧継続による保持解除状態で前記軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動することによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものである請求項18記載のスピンドルモータ組立装置。
  24. 上記保持部が、一部に解除部を有し、その解除部が上記軸線の方向における所定の向きと逆向きに押圧されることにより保持部による保持を解除するものであり、且つ、軸側構造体又は軸受側構造体を保持して上記軸線の方向における所定の向きに移動することにより、軸受穴に対するシャフトの挿入を行って軸側構造体と軸受側構造体の組立体を得ることができるものであり、
    前記挿入完了後、軸線方向における所定の向きと逆向きに移動させて前記解除部を押圧することにより保持部による保持を解除することができる保持解除体を備え、
    前記保持部及び保持解除体は、保持解除体の解除部に対する押圧継続による保持解除状態で、軸線の方向における所定の向きと逆向きに移動することによりその保持部と上記組立体を軸線方向に離隔させることができるものである請求項18記載のスピンドルモータ組立装置。
  25. 上記保持部の少なくとも一部が強磁性材料製であり、軸側構造体及び軸受側構造体の一方がロータマグネットを備える場合に、ロータマグネットを備える軸側構造体又は軸受側構造体を、そのロータマグネットと保持部の強磁性材料部分との磁気的吸着力により保持部に保持し得るものである請求項14乃至20の何れかに記載のスピンドルモータ組立方法。
  26. 上記保持部が磁石体を備えるものであり、軸側構造体及び軸受側構造体の一方における少なくとも一部が強磁性材料製である場合に、少なくとも一部が強磁性材料製である軸側構造体又は軸受側構造体を、その強磁性材料部分と保持部の磁石体との磁気的吸着力により保持部に保持し得るものである請求項14乃至20の何れかに記載のスピンドルモータ組立方法。
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