JP2005002330A - 光学樹脂材料、光学素子、光モジュール、フッ素化ポリマー前駆体及びフッ素化ポリマー - Google Patents

光学樹脂材料、光学素子、光モジュール、フッ素化ポリマー前駆体及びフッ素化ポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れると共に、光通信用波長域である1.25〜1.65μmにおける光損失が少ない光学樹脂材料、及びそれを用いてなる光学素子や光モジュールを提供すること。
【解決手段】 フッ素化ポリオキサゾールまたはフッ素化ポリチアゾールを含有する光学樹脂材料。該光学樹脂材料を用いて得られる光導波路、波長フィルタ、光波長板、光偏光板等の光学素子、該光学素子を使用してなる光モジュール。フッ素化ポリオキサゾールまたはフッ素化ポリチアゾールの前駆体を用いた感光性光学樹脂材料。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フッ素化ポリマーを含む光学樹脂材料に関し、さらに詳しくは、フッ素化ポリオキサゾールまたはフッ素化ポリチアゾールを含み、耐熱性に優れると共に、光通信波長域での光吸収損失が著しく小さな光学樹脂材料に関する。本発明のフッ素化ポリマーは、その前駆体に感光性化合物を配合したり、光重合性官能基を導入することにより、感光性光学樹脂材料として使用することも可能である。
本発明の光学樹脂材料は、光導波路、光フィルタ、光波長板、光偏光板等の光学素子用の樹脂材料として好適である。本発明の光学樹脂材料から形成された光学素子は、光モジュールとして使用することができる。本発明の光学素子は、特に光電子集積回路(OEIC)や光電子混載実装配線板などにおいて好適に適用することができる。
透明性などの光学特性に優れた樹脂材料は、ガラス等の無機系材料に比べて、軽量であり、耐衝撃性や加工性に優れ、取り扱いが容易であるなどの特徴を有している。そのため、光学樹脂材料は、光ファイバや光学レンズ、光ディスク基板など様々な光学用途に用いられてきた。光学樹脂材料をOEICや光電子混載実装配線板における光導波路など、光通信用の近赤外光を透過させる媒体として用いる場合、無機系材料と比較して問題となるのは、大きな光透過損失である。
光学樹脂材料における光透過損失の原因には大きく分けて散乱と吸収の2つがあるが、光通信用途に用いられる光の波長領域(一般に、1.25μm〜1.65μm)では、光吸収損失が支配的となっている。すなわち、光学樹脂材料の多くは、その分子構造に本質的な赤外振動の高調波吸収特性を有しており、それによる光吸収損失が大きく、光通信用途への適用が困難となっている。
特に、これまで可視光用光学樹脂材料として広く用いられてきたポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン(PS)は、分子鎖内に2種類以上の炭素−水素結合(C−H結合)を有するため、その近赤外吸収スペクトルには、幅広で強度の大きな吸収ピークが複数存在している。
このC−H結合に起因する高調波吸収を長波長側へシフトさせて、近赤外吸収の強度を低減させるには、重水素原子(D)またはフッ素原子(F)による分子内水素原子の置換が効果的であることが報告されている。具体的に、PMMAやPS中の水素原子を重水素原子またはフッ素原子で置換した樹脂材料について基礎的な検討結果が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、これらの光学樹脂材料は、例えばシリコン基板上でのOEICや光モジュールの作製に必要なハンダ耐熱性(通常、260℃以上)を持たないため、OEICや光モジュール等の光学樹脂材料として使用することが困難であり、製造工程上の種々の工夫が必要となる。
他方、高い耐熱性を持つ樹脂として、熱分解開始温度が400℃以上のポリイミド樹脂が知られている。最近、ポリイミド樹脂を光学樹脂材料として適用することが検討されている。例えば、近赤外光の光損失を低減するため、分子内の水素原子の一部をフッ素原子に置換して透明性を改善した含フッ素化ポリイミド樹脂とこれを用いた光導波路が提案されている(例えば、非特許文献2、特許文献1参照。)。また、分子内の全ての水素原子をフッ素原子に置換した全フッ素化ポリイミド樹脂が報告されている(例えば、特許文献2、非特許文献3参照。)。
光導波路以外の光学素子として、ポリイミド樹脂や含フッ素ポリイミド樹脂を基材とする光波長フィルタ、光波長板、光偏光板などの開発も行われており、さらに、複数の光学素子を集積化した光モジュールの開発も進められている。
Kaino, Appl.Phys.Lett.48(12),pp.757-758(1986) Reuter et al. APPLIED OPTICS,Vol.27,No.21,pp.4565-4571(1988) 特開平4−9807号公報 (第1頁) 特開平11−147955号公報 (第1頁) 影井 他、2002年電子情報通信総合大会予稿集C−3−152
これまでに検討されてきた含フッ素ポリイミド樹脂や全フッ素化ポリイミド樹脂は、波長1.4μm付近に大きな光吸収ピークがあるため、光通信用の光学樹脂材料としては、その透明性が不十分である。この波長1.4μm付近での光吸収は、分子鎖中に含まれる芳香族環のC−H結合の伸縮振動の第2高調波と変角振動の結合振動に由来するものと、樹脂内に残留しているか、あるいは樹脂表面に吸着している水のO−H結合の伸縮振動の第2高調波に由来するものであることが知られている。
このため、ポリイミド樹脂からなる光学用樹脂材料は、たとえ分子内の全ての水素原子をフッ素原子に置換した全フッ素化ポリイミド樹脂であっても、光通信波長域(1.25μm〜1.65μm)の全域にわたって低い光損失を達成することができない。このことは、ポリイミド樹脂からなる光学樹脂材料を用いて形成した光学素子や該光学素子を用いた光モジュールにおいても同様である。
したがって、光通信波長全域における高い光透過性と耐熱性とを同時に満足する光学樹脂材料や、該光学樹脂材料を用いた光学素子及び光モジュールは、これまでに知られていない。
そこで、本発明の目的は、耐熱性に優れると共に、光通信波長域での光吸収損失が著しく小さな光学樹脂材料と、該光学樹脂材料を用いた光学素子及び光モジュールを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、フッ素化ポリオキサゾール及びフッ素化ポリチアゾールからなるフッ素化ポリマーが、フッ素化ポリイミド樹脂に匹敵する高度の耐熱性を有することに加えて、波長1.4μm付近での光吸収損失が著しく小さく、光通信波長域(1.25μm〜1.65μm)の全域にわたって高い光透過性を示し、光学樹脂材料として優れた特性を有することを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、下記式(1)
Figure 2005002330
(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、R1は、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、R2は、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーを含有する光学樹脂材料が提供される。
また、本発明によれば、前記の光学樹脂材料から形成された光導波路、波長フィルタ、光偏光板などの光学素子が提供される。さらに、本発明によれば、これらの光学素子を含む少なくとも2つ以上の光学素子を集積一体化してなる光モジュールが提供される。
本発明によれば、前記フッ素化ポリマーの前駆体と、光分解感光性化合物、光架橋感光性化合物、光変成感光性化合物、及び光重合感光性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の感光性化合物とを含有する感光性光学樹脂材料が提供される。
本発明によれば、前記フッ素化ポリマーの前駆体に、光分解性官能基、光架橋性官能基、光変成性官能基、及び光重合性官能基かならる群より選ばれる少なくとも1種の光官能基を導入してなる感光性フッ素化ポリマー前駆体を含有する感光性光学樹脂材料が提供される。
さらに、本発明によれば、下記式(8)
Figure 2005002330
(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が3,000〜1,000,000であるフッ素化ポリマー前駆体が提供される。
本発明によれば、上記フッ素化ポリマー前駆体を閉環してなる下記式(1)
Figure 2005002330
(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーが提供される。
本発明のフッ素化ポリオキサゾール及びフッ素化ポリチアゾールからなる光学樹脂材料は、従来のフッ素化ポリイミド樹脂と比較して、光通信波長域での水に由来する波長1.4μmの光吸収損失が少ない。したがって、本発明の光学樹脂材料は、耐熱性と光通信波長域における低光損失とを兼ね備えたものである。さらに、本発明の光学樹脂材料は、吸水性が低い樹脂構造を有するため、長期安定性に優れる。しかも、本発明の光学樹脂材料は、ジカルボン酸化合物成分のみ炭素原子−水素原子結合を全て炭素原子−フッ素原子結合とするだけでよいので、合成コストの抑制も可能である。
本発明のフッ素化ポリマーは、下記式(1)
Figure 2005002330
(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、R1は、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、R2は、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーである。
本発明のフッ素化ポリマーは、式(1)中のXが酸素原子(O)である場合には、下記式(2)
Figure 2005002330
〔式中、R1及びR2は、式(1)におけるのと同じである。〕
で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリオキサゾールであり、式(1)中のXが硫黄原子(S)である場合には、下記式(3)
Figure 2005002330
〔式中、R及びRは、式(1)におけるのと同じである。〕
で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリチアゾールである。
前記式(1)は、繰り返し単位の数(k)を加えて示すと、下記式(1′)
Figure 2005002330
〔式中、R及びRは、式(1)におけるのと同じである。〕
で表わすことができる。繰り返し単位の数kは、通常1以上の整数であり、好ましくは5〜10,000、より好ましくは7〜8,000、特に好ましくは8〜5,000である。この繰り返し単位の数kの値は、式(2)及び(3)で表されるフッ素化ポリオキサゾール及びフッ素化ポリチアゾールにおいても同様である。
本発明のフッ素化ポリマー前駆体の重量平均分子量(Mw)は、通常3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜800,000、より好ましくは8,000〜500,000、特に好ましくは10,000〜300,000である。フッ素化ポリマー前駆体の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミーエーション・クロマトグラフィ(GPC)により分子量測定を行い、標準ポリスチレン換算値として得ることができる。フッ素化ポリマーは、その前駆体の脱水閉環により合成されるが、脱水される水分子の分子量が小さいため、その重量平均分子量は、前駆体の重量平均分子量とほぼ同じ範囲となる。
本発明のフッ素化ポリマーは、前記式(1)中のR及びRが炭素原子と一価元素の化学結合として炭素原子−フッ素原子結合を含む芳香族基であることが耐熱性の観点から好ましい。
前記式(1)〜(3)中のR1の具体例としては、下記式(4)
Figure 2005002330
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、パーフルオロアリール基、アルコキシ基、パーフルオロアルコキシ基、フェノキシ基もしくはパーフルオロフェノキシ基であり、かつ、R3及びR4のうち少なくとも一方は、フッ素原子または炭素原子−フッ素原子結合を有する基である。)
で表される4価の有機基を挙げることができる。
また、前記式(1)〜(3)中のRの具体例としては、下記式(5)
Figure 2005002330
〔式中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、パーフルオロアリール基、アルコキシ基、パーフルオロアルコキシ基、フェノキシ基もしくはパーフルオロフェノキシ基であり、Yは、単結合、−O−、−SO−、−S−、−R’−、−(OR’)−、−(R’O)−もしくは−(OR’O)−(式中、R’は、アルキレン基、パーフルオロアルキレン基、アリーレン基もしくはパーフルオロアリーレン基であり、nは、1以上の整数である。)であり、かつ、R〜R10及びYのうちの少なくとも1つは、フッ素原子または炭素原子−フッ素原子結合を有する基である。〕
で表される4価の有機基を挙げることができる。
前記式(1)〜(3)中のRの具体例としては、下記式(6)
Figure 2005002330
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルコキシ基またはパーフルオロフェノキシ基である。)
で表わされる2価の有機基を挙げることができる。
また、前記式(1)〜(3)中のRの具体例としては、下記式(7)
Figure 2005002330
〔式中、R15〜R22は、それぞれ独立に、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルコキシ基もしくはパーフルオロフェノキシ基であり、Zは、単結合、−O−、−SO−、−S−、−R’−、−(OR’)−、−(R’O)−もしくは−(OR’O)−(式中、R’は、パーフルオロアルキレン基もしくはパーフルオロアリーレン基であり、nは、1以上の整数である。〕
で表わされる2価の有機基を挙げることができる。
上記R及びRの具体例を組み合わせると、例えば、下記式(9)〜(38)で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーが得られる。これらの式中の各置換基は、前記と同じである。また、共重合体の場合には、これらの繰り返し単位の2種以上が組み合わされた繰り返し単位となる。
Figure 2005002330
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本発明のフッ素化ポリオキサゾール及びフッ素化ポリチアゾール樹脂からなるフッ素化ポリマーは、分子内の炭素原子に結合する一価元素の多くを、例えば、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基等の水素原子を持たない基のいずれかとすることによって、近赤外域での最大の光損失原因であるC−H結合に基づく振動吸収を減らすことができる。それに加えて、オキサゾール結合あるいはチアゾール結合を主鎖構造に導入して、ポリオキサゾールまたはポリチアゾールとすることによって、フッ素化ポリマー内への残留水分やフッ素化ポリマー表面への吸着水分を低減することができ、それによっても、近赤外域での光吸収損失を低減することができる。しかも、ポリオキサゾールまたはポリチアゾール構造のフッ素化ポリマーとすることにより、光集積回路や光モジュールの製造工程で要求される十分な耐熱性(260℃以上)を発揮することができる。
前記式(4)〜(7)中のR〜R22において、パーフルオロアルキル基としては、炭素原子数1〜4を有するものが好ましく、その具体例として、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。パーフルオロアルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、その具体例として、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、ノナフルオロブトキシ基等が挙げられる。
また、パーフルオロアルキレン基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、その具体例として、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、オクタフルオロブチレン基等が挙げられる。パーフルオロアリーレン基としては、テトラフルオロフェニレン基、オクタフルオロビフェニレン基等が例示される。
例えば、前記式(28)及び(34)で表わされる繰り返し単位の具体例としては、下記式(39)〜(43)で表わされるフッ素化ポリオキサゾールが挙げられる。
Figure 2005002330
Figure 2005002330
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Figure 2005002330
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また、フッ素化ポリオキサゾール共重合体の具体例としては、前記式(28)で表わされる繰り返し単位と式(34)で表わされる繰り返し単位とを含む下記式(44)で表わされる共重合体を挙げることができる。
Figure 2005002330
(式中、q及びrは、繰り返し単位数であるが、共重合割合としては、q:rのモル比で、通常1:99〜99:1、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10である。
フッ素化ポリオキサゾール及びフッ素化ポリチアゾールは、各種合成法により合成することができるが、先ず各々の前駆体を調製し、これらの前駆体を加熱閉環する方法により調製する方法が好ましい。前駆体を用いて所望の形状に成形した後、加熱閉環することが好ましい。この加熱閉環処理は、前駆体を、空気中、好ましくは窒素中、70〜370℃で2〜5時間加熱することによって行う。
前駆体の構造や加熱閉環反応は、使用する原材料の種類や合成法によって異なるが、例えば、下記式(45)
Figure 2005002330
〔式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、R1及びR2は、式(1)におけるのと同じである。kは、繰り返し単位の数である。〕
で表わされるフッ素化ポリマー前駆体の加熱閉環反応が挙げられる。繰り返し単位の数kは、通常1以上の整数であり、好ましくは5〜10,000、より好ましくは7〜8,000、特に好ましくは8〜5,000である。
本発明のフッ素化ポリマー前駆体は、式(8)
Figure 2005002330
(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が3,000〜1,000,000のフッ素化ポリマー前駆体であることが好ましい。
フッ素化ポリマー前駆体は、式(46)で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリオキサゾールであることが好ましい。
Figure 2005002330
本発明のフッ素化ポリマー前駆体の重量平均分子量(Mw)は、通常3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜800,000、より好ましくは8,000〜500,000、特に好ましくは10,000〜300,000である。フッ素化ポリマー前駆体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5である。
フッ素化ポリマー前駆体は、下記式(47)〜(49)で表わされるフッ素化ポリオキサゾール前駆体であることが好ましい。これらの式中のY及びR〜R22は、前記フッ素化ポリマーにおけるのと同じである。
Figure 2005002330
Figure 2005002330
Figure 2005002330
フッ素化ポリオキサゾール前駆体の好ましい具体例としては、下記式(50)〜(54)で表わされる単独重合体及び共重合体を挙げることができる。
Figure 2005002330
Figure 2005002330
Figure 2005002330
Figure 2005002330
Figure 2005002330
(式中のq及びrは、前記と同じ意味である。)
本発明のフッ素化ポリマーは、前記式(1)で表わされる2種以上の相異なる繰り返し単位を有する共重合体とすることができ、それによって、屈折率や耐熱性などを調整することができる。共重合体を構成する各繰り返し単位のモル比は、屈折率や耐熱性などの所望の特性に応じて任意に設定することができる。
フッ素化ポリオキサゾール前駆体は、例えば、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物を縮合重合する方法;ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物の酸クロリドを脱塩酸縮合反応する酸クロリド法;有機ケイ素化したビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物の酸クロリドを脱塩酸縮合反応する酸クロリド法;ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸を、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下で縮合重合する方法;等により合成することができる。また、フッ素化ポリチアゾール前駆体は、ビスアミノフェノール化合物の代わりにジアミノジチオール化合物を使用することを除けば、ポリオキサゾール前駆体の場合と同様な方法により合成することができる。
本発明でフッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成に使用されるビスアミノフェノール化合物としては、例えば、2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−メチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジメチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジエチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−メトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−メトキシ−4−メチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−メトキシ−4−エチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジメトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−エトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−エトキシ−4−メチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−エトキシ−4−エチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−エトキシ−4−メトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジエトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジフルオロ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−フルオロ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジ(トリフルオロメチル)−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジ(ペンタフルオロエチル)−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメトキシ−4−フルオロ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメトキシ−4−ペンタフルオロエチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジ(トリフルオロメトキシ)−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエトキシ−4−フルオロ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエトキシ−4−トリフルオロメチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエトキシ−4−ペンタフルオロエチル−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエトキシ−4−トリフルオロメトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジ(ペンタフルオロエトキシ)−2,6−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、3,3′ −ジアミノ−4,4′ −ジヒドロキシビフェニル、4,4′ −ジアミノ−3,3′ −ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,6,2′,6′−ヘキサフルオロ−5,5′ −ジトリフルオロメチル−3,3′ −ジアミノ−4,4′ −ジヒドロキシビフェニル、2,6,2′,6′−ヘキサフルオロ−5,5′−ジトリフルオロメチル−4,4′−ジアミノ−3,3′ −ジヒドロキシビフェニル、ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ビスアミノフェノール化合物は、有機ケイ素化したものを使用することができる。
本発明でフッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成に使用されるジカルボン酸化合物としては、例えば、テトラフルオロフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸、3−トリフルオロメチル−トリフルオロフタル酸、4−トリフルオロメチル−トリフルオロフタル酸、2−トリフルオロメチル−トリフルオロイソフタル酸、4−トリフルオロメチル−トリフルオロイソフタル酸、5−トリフルオロメチル−トリフルオロイソフタル酸、2−トリフルオロメチル−トリフルオロテレフタル酸、3,4−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロフタル酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロフタル酸、2,4−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロイソフタル酸、4,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロイソフタル酸、4,6−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロイソフタル酸、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロテレフタル酸、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロテレフタル酸、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロフタル酸、3,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロフタル酸、2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロイソフタル酸、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロイソフタル酸、4,5,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロイソフタル酸、テトラキス(トリフルオロメチル)フタル酸、テトラキス(トリフルオロメチル)イソフタル酸、テトラキス(トリフルオロメチル)テレフタル酸、3−ペンタフルオロエチル−トリフルオロフタル酸、4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロフタル酸、2−ペンタフルオロエチル−トリフルオロイソフタル酸、4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロイソフタル酸、5−ペンタフルオロエチル−トリフルオロイソフタル酸、2−ペンタフルオロエチル−トリフルオロテレフタル酸、3−トリフルオロメトキシ−トリフルオロフタル酸、4−トリフルオロメトキシ−トリフルオロフタル酸、2−トリフルオロメトキシ−トリフルオロイソフタル酸、4−トリフルオロメトキシ−トリフルオロイソフタル酸、5−トリフルオロメトキシ−トリフルオロイソフタル酸、2−トリフルオロメトキシ−トリフルオロテレフタル酸、4,4′−ジカルボキシオクタフルオロビフェニル、3,3′−ジカルボキシオクタフルオロビフェニル、4,4′−ジカルボキシオクタフルオロジフェニルエーテル、4,4′−ジカルボキシオクタフルオロジフェニルスルフィド、4,4′−ジカルボキシオクタフルオロジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−カルボキシテトラフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、パ−フルオロスベリン酸、1,4−ビス(4−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン等が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、これらのジカルボン酸化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明でフッ素化ポリチアゾール前駆体の合成に使用されるジアミノジチオール化合物としては、例えば、2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−メチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1,4−ジメチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1,4−ジエチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−メトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−メトキシ−4−メチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−メトキシ−4−エチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1,4−ジメトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−エトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−エトキシ−4−メチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−エトキシ−4−エチル−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1−エトキシ−4−メトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1,4−ジエトキシ−2,6−ジアミノ−3,5−ベンゼンジチオール、1,4−ジフルオロ−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−トリフルオロメチル−4−フルオロ−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1,4−ジ(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1,4−ジ(ペンタフルオロエチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−トリフルオロメトキシ−4−フルオロ−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−トリフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−トリフルオロメトキシ−4−ペンタフルオロエチル−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1,4−ジ(トリフルオロメトキシ)−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−ペンタフルオロエトキシ−4−フルオロ−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−ペンタフルオロエトキシ−4−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−ペンタフルオロエトキシ−4−ペンタフルオロエチル−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1−ペンタフルオロエトキシ−4−トリフルオロメトキシ−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、1,4−ジ(ペンタフルオロエトキシ)−2,5−ジアミノ−3,6−ベンゼンジチオール、3,3′−ジアミノ−4,4′−ビフェニルジチオール、4,4′−ジアミノ−3,3' −ビフェニルジチオール、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−チオフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−チオフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−チオフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−チオフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,6,2′,6′−ヘキサフルオロ−5,5′−ジトリフルオロメチル−3,3′−ジアミノ−4,4′−ビフェニルジチオール、2,6,2′,6′−ヘキサフルオロ−5,5′−ジトリフルオロメチル−4,4′−ジアミノ−3,3′ −ビフェニルジチオール、ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−チオフェニル)エーテル、ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−チオフェニル)スルフィド、ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−チオフェニル)スルホン、2,2−ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−チオフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジフロロ−5−トリフルオロメチル−3−アミノ−4−チオフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、これらのジアミノジチオール化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明でフッ素化ポリチアゾール前駆体の合成に使用されるジカルボン酸化合物としては、例えば、前記のフッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成に使用されるジカルボン酸化合物と同様のものが挙げられるが、これらに限られるものではない。また、これらのジカルボン酸化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で採用することができる合成法の中で、酸クロリド法の例をポリオキサゾールの合成について挙げると、まず、前記ジカルボン酸を、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒に溶解し、過剰の塩化チオニルの存在下で、室温から75℃の温度で反応させ、次いで、減圧下で余分な塩化チオニルを留去する。その後、析出物をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより、ジカルボン酸クロリドを得る。次に、前記ビスアミノフェノール化合物を、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤の存在下で、ジカルボン酸クロリドと−30℃から室温で反応することにより、前駆体を合成することができる。有機ケイ素化したビスアミノフェノール化合物を用いることもできる。
本発明に用いるフッ素化ポリオキサゾール樹脂は、前記式(2)で、フッ素化ポリチアゾールは、前記式(3)で表され、各前駆体を加熱により縮合反応させて脱水、閉環させることにより製造することができる。また、ピリジンの存在下で、無水酢酸等の脱水剤により縮合反応させて、脱水、閉環させることも可能である。
本発明のポリオキサゾールの前駆体やポリチアゾールの前駆体は、通常、これを溶剤に溶解し、ワニスとして使用することが好ましい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明のフッ素化ポリオキサゾール前駆体やフッ素化ポリチアゾール前駆体を使用する際には、先ず前駆体を上記溶剤に溶解し、得られたワニスを適当な支持体、例えば、石英ガラス、シリコンウエハ、金属、セラミックなどの基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコータを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。このようにして、塗膜を形成した後、加熱処理をして、フッ素化ポリオキサゾールやフッ素化ポリチアゾールに変換する。
前記フッ素化ポリオキサゾール前駆体やフッ素化ポリチアゾール前駆体に、光分解感光性化合物、光架橋感光性化合物、光変成感光性化合物、及び光重合感光性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の感光性化合物を添加することにより、感光性樹脂組成物である感光性光学樹脂材料を得ることができる。前記フッ素化ポリマー前駆体に、光分解性官能基、光架橋性官能基、光変成性官能基、及び光重合性官能基かならる群より選ばれる少なくとも1種の光官能基を導入することにより、感光性フッ素化ポリマー前駆体を含有する感光性光学樹脂材料を得ることができる。これらの感光性光学樹脂材料は、一般的なステッパーや露光装置を用いて、パターン状に露光し、現像することにより、簡便にファインパターニングを行うことができる。
感光性化合物としては、光重合性化合物が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの(メタ)アクリル酸系化合物が代表的なものである。光官能基としては、光重合可能な炭素−炭素二重結合を有する光重合性官能基が好ましく、アクリロイルオキシメチレン基、メタクリロイルオキシメチレン基、ビニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、2−エチルブテニル基などが挙げられる。これらの光重合性官能基を有するモノマーを用いて前駆体を合成したり、前駆体の末端を形成することにより、前駆体に光重合性官能基を導入することができる。
本発明の光学樹脂材料には、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、レベリング剤などの各種添加剤を添加することができる。
本発明の光学素子の一種である光導波路は、コアとクラッドの比屈折率差が通常0.1〜10%の範囲内にあり、好ましくは0.2〜2.5%の範囲にあることが、シングルモード導波路を構成する上で特に有効である。コアとクラッドの双方が線膨張係数の近い材料で構成されることが耐熱性の点で望ましく、さらには、コアとクラッドの双方を本発明の光学樹脂材料で構成することがより好ましい。
本発明の光学素子の一種である波長フィルターは、本発明の光学樹脂材料を基材とし、この表面に二酸化ケイ素、二酸化チタン、フッ化マグネシウム等の無機誘電体材料の薄膜を一般的な真空蒸着法やスパッタリング法によって交互積層した誘電体多層膜を形成することにより作製することができる。無機誘電体材料の種類や膜厚、層数を適当に選択することで、所望の透過あるいは反射スペクトルを有する波長フィルターを得ることができる。
本発明の光学素子の一種である光波長板は、本発明の光学樹脂材料の前駆体フィルム、あるいは本発明の光学樹脂材料フィルムを加熱した状態で一軸延伸することにより作製することができる。加熱温度、延伸率、フィルム厚さを適当に選択することで、所望のレターデーション値を持つ光波長板を得ることができる。
本発明の光学素子の一種である光偏光板は、本発明の光学樹脂材料の一軸延伸フィルム内部に、金属微粒子、カーボン微粒子、半導体微粒子等の使用光波長において不透明な微粒子を異方性分散したものであり、これら微粒子が等方分散した前駆体フィルムあるいは光学樹脂フィルムを加熱した状態で一軸延伸することにより作製することができる。加熱時間、延伸率、フィルム厚さ、微粒子濃度、微粒子種類を適当に選択することで、所望の消光比を持つ光偏光板を得ることができる。
以上のような光学素子を一種以上搭載する光モジュールは、通常使用される石英ガラス系のモジュールに比べて安価に作製することができる。また、使用する光学樹脂材料が吸湿しにくい構造を有するため、長期にわたって光学素子の安定性が良い光モジュールとなる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
(1)酸クロリドの合成:
4,4′−ジカルボキシオクタフルオロビフェニル25.52g(66.10mmol)、塩化チオニル45ml、及び脱水したN,N−ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器内に入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルを加熱減圧により留去して、2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタフルオロジフェニル−4,4′−ビフェニレンジカルボン酸クロリド23.44g(55.41mmol)を得た。
(2)フッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成:
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.33g(0.02mol)を、脱水したN,N−ジメチルアセトアミド100gに溶解し、ピリジン3.96g(0.05mol)を添加後、乾燥窒素下で氷冷した。この溶液に、2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタフルオロジフェニル−4,4′−ビフェニレンジカルボン酸クロリド8.46g(0.02mol)を脱水したN,N−ジメチルアセトアミド50gに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。その後、反応液を蒸留水1000mlに滴下し、得られた沈殿物を濾過して真空乾燥後、フッ素化ポリオキサゾール前駆体を得た。この前駆体のGPC測定によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量(Mw)=12,000、分子量分布(Mw/Mn)=1.8であった。
(3)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
前記工程(2)で得たフッ素化ポリオキサゾール前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスを石英ガラス基板上にスピンコートし、窒素中で70℃から順次加熱して、最終330℃で1時間加熱した。上記の操作を3回繰り返し、厚さ80μmの下記式(40)で表されるフッ素化ポリオキサゾールのフィルムを得た。
Figure 2005002330
[比較例1]
フッ素化ポリイミド前駆体ワニス(日立化成製、商品名OPI−N3405)を石英基板上にスピンコートし、窒素中で100℃から順次加熱し、最終350℃で1時間加熱した。上記の操作を3回繰り返し、厚さ100μmのフッ素化ポリイミドフィルムを得た。
<物性の測定>
実施例1及び比較例1で得られたフィルムの耐熱性と波長1.0〜1.7μmでの光吸収スペクトルの測定を行った。図1に光吸収スペクトルの測定結果を示す。また、表1に、耐熱性と波長1.4μmでの光吸収損失の値を示す。
(1)耐熱性の評価方法:
セイコーインスツルメンツ(株)製「TG/DTA220」を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で重量減少5%となる温度を測定した。
(2)光吸収損失の評価方法:
日立製作所(株)製「自記分光光度計U−3400」を使用して、波長1.0〜1.7μmの範囲の吸収スペクトル測定を行なった。また、波長1.4μmの吸収ピ−クから光吸収損失値を読みとった。
Figure 2005002330
実施例1で用いた本発明の光学樹脂材料は、比較例1で用いた公知のフッ素化ポリイミド樹脂と比較して、耐熱性がほぼ同等である上に、波長1.4μmでの光吸収損失が著しく小さく、光通信用波長域全域で使用可能であるという特長を有している。
[実施例2]
(1)有機ケイ素化芳香族ジアミンの合成:
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン10.98g(0.03mol)を200mLの3ツ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で乾燥テトラヒドロフラン75mLに溶解させた。滴下ロートから、13.2mLのヘキサメチルジシラザンを滴下、滴下終了後続いてトリメチルクロロシラン1.9mLを滴下した。約1時間そのまま撹拌した後、オイルバスで約60℃として約12時間反応させた。反応混合物をH−NMR、およびキャピラリーGC−MSで分析したところ、有機ケイ素化4置換体が86%、有機ケイ素化3置換体が14%の混合物であったため、さらにヘキサメチルジシラザン6.7mLとトリメチルクロロシラン1.0mLを追加して滴下して、そのまま約10時間反応させたところ、生成物がほぼ有機ケイ素化4置換体となったので反応を終了した。ここで得られた反応物の溶媒を留去した後、真空ポンプで減圧蒸留を行ったところ、158〜162℃/2mmHgで10gの生成物を得た。この生成物をH−NMR、及びキャピラリーGC−MSで分析したところ、99.8%の純度で目的とする有機ケイ素化4置換体、すなわち下記式(55)で表わされる2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンであった。
Figure 2005002330
(2)フッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成:
(1)で得られた2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン3.33g(5.0mmol)を100mLなすフラスコ中で20mLの脱水N,N−ジメチルアセトアミドに溶解させて、窒素気流下で−50℃に冷却した後、滴下ロートから実施例1の(1)で得られた2,3,5,6,2′,3′,5′,6′−オクタフルオロビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド2.12g(5.0mmo1)を一気に滴下したのち、反応容器の温度を0℃に保って3時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとDMAcを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、下記式(50)で表わされるフッ素化ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリアミドを収率90%で得た。このフッ素化ポリオキサゾールについて、LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量(Mw)=190,000、分子量分布(Mw/Mn)=2.2であった。
Figure 2005002330
H−NMR、13C−NMR、19F−NMRの測定結果を示す。
IH-NMR(400MHz,DMSO-d6):7.05-7.09(4H,m,Ar-H),8.36(2H,s,Ar-H),10.5 and 11.0(4H,-NH and -OH)
13C-NMR(100MHz,DMSO-d6):63.4(m,-C(CF3)2-),106.6,115.2,119.7,122.5,123.2,124.4(q,-CF3,JCF),125.1,127.4,141.9,144.4,148.7,155.6(C=O)
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-142.4(4F,s,Ar-F),-139.5(4F,s,Ar-F),-64.5(6F,s,-CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1600cm-1(C=O)
以上のデータは、実施例1で得られたフッ素化ポリオキサゾール前駆体のデータと一致した。
(3)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
前記工程(2)で得られたフッ素化ポリオキサゾール前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次昇温して加熱し、最終的に330℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのポリベンゾオキサゾールフィルムが得られた。
IR分析によって、3000cm−1付近に見られた−OH、−NH、及び1600cm−1付近に見られたC=Oの吸収が消失し、あらたに1690cm−1にC=Nに起因する吸収が見られたことを確認した。このフッ素化ポリオキサゾールは、式(40)で表わされる繰り返し単位を有するポリマーである。
Figure 2005002330
得られたフッ素化ポリオキサゾールのTG−DTAを窒素中で測定した結果を図2に示す。図2より、フッ素化ポリオキサゾールフィルムは、耐熱性に優れていることが確認された。
[実施例3]
(1)パーフルオロジカルボン酸ジクロリドの合成:
テトラフルオロイソフタル酸を実施例1(2)と同様に塩化チオニルと脱水N,N−ジメチルホルムアミドを用いて3時間反応させた。減圧蒸留により、沸点=70〜73℃/2mmHgで目的のテトラフルオロイソフタル酸ジクロリドが無色透明の液体として得られた。純度を上げるため、再度減圧蒸留を行い、純度99.9%程度のものが得られた。
(2)フッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成:
実施例2の(1)で得られた2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン4.24g(6.38mmo1)を100mLなすフラスコ中で脱水N,N−ジメチルアセトアミドに溶解させて、窒素気流下で−50℃に冷却した後、滴下ロートから(1)で得られたテトラフルオロイソフタル酸ジクロリド1.75g(6.38mmo1)を一気に滴下したのち、反応容器の温度を0℃に保って12時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとDMAcを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、下記式(49)で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドを収率90%で得た。LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチルピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、Mw=23,000、Mw/Mn=2.2であった。
Figure 2005002330
H−NMR、及び19F−NMRの測定結果を示す。構造式に示すフッ素化ポリオキサゾールの構造が確認できた。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):7.0(4H,m,Ar-H),8.23(2H,m,Ar-H),10.3 and 10.6(4H,-NH and -OH)
13C-NMR(100MHz,DMSO-d6):63.2(m,-C(CF3)2-),112.9(t),115.2,122.4,123.5,124.2(q,-CF3,JCF),125.0,127.3,134.8,137.3,146.8,148.8,156.2(C=O)
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-166.4(F,Ar-F),-135.4(2F,Ar-F),-120.6(F,Ar-F),-64.5(6F,-CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1600cm-1(C=O)
(3)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
(2)で得られたフッ素化ポリオキサゾール前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次昇温して加熱し、最終的に330℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのフッ素化ポリオキサゾールフィルムが得られた。
IR:1620(C=N)
このフッ素化ポリオキサゾールは、式(39)で表わされる繰り返し単位を有するものである。
Figure 2005002330
[実施例4]
(1)パーフルオロジカルボン酸ジクロリドの合成:
ビス(4−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)スルフォン(白色固体、純度97.6%)を実施例1(2)と同様に塩化チオニルと脱水N,N−ジメチルホルムアミドを用いて3時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去した後トルエンに溶かして乾燥ヘキサン中で晶析させた。この淡黄色の粗結晶を乾燥熱ヘキサン・トルエン混合溶液から再結晶精製して、純度99.1%(HPLC)の淡黄色結晶としてパーフルオロジカルボン酸ジクロリドであるビス(4−カルボニルクロライド−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)スルフォンが得られた。
(2)フッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドの合成:
実施例2の(1)で得られた2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン6.66g(10.0mmo1)を100mLなすフラスコ中で脱水N,N−ジメチルアセトアミドに溶解させて、窒素気流下で−50℃に冷却した後、滴下ロートから(1)で得られたビス(4−カルボニルクロライド−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)スルフォン4.87g(10.0mmol)を一気に滴下したのち、ゆっくりと反応容器の温度を室温に戻して12時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとN,N−ジメチルアセトアミドを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、下記式(51)で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドを収率88%で得た。LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチルピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、Mw=30,000、Mw/Mn=2.8であった。
Figure 2005002330
H−NMR、及び19F−NMRの測定結果を示す。構造式に示すフッ素化ポリオキサゾールの構造が確認できた。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):7.0(3H,m,Ar-H),8.26(2H,s,Ar-H),10.5 and 10.8(4H,-NH and -OH)
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-140.3(4F,Ar-F),-138.2(4F,Ar-F),-64.5(6F,-CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1600cm-1(C=O)
(3)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
(2)で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次加熱して最終320℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのポリベンゾオキサゾールフィルムが得られた。
IR:1620(C=N)
このフッ素化ポリオキサゾールは、式(41)で表わされる繰り返し単位を有するものである。
Figure 2005002330
[実施例5]共重合体の合成
(1)フッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミド共重合体の合成:
実施例2の(1)で得られた2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン9.99g(15.0mmo1)を100mLなすフラスコ中で脱水N,N−ジメチルアセトアミドに溶解させて、窒素気流下で−50℃に冷却した後、滴下ロートから実施例1の(1)で得られた2,3,5,6,2′,3′,5′,6′−オクタフルオロビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド4.24g(10.0mmo1)と実施例3の(1)で得られたテトラフルオロイソフタル酸ジクロライド1.38g(5.0mmo1)を混合して一気に滴下したのち、ゆっくりと反応容器の温度を室温に戻して6時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとN,N−ジメチルアセトアミドを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、下記式(54)で表わされる2つの繰り返し単位を有するフッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミド共重合体を収率94%で得た。
LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチルピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、Mw=42,000、Mw/Mn=2.4であった。
Figure 2005002330
(式中、q:rのモル比は、1:2である。)
H−NMR、及び19F−NMRの測定結果を示す。上記構造式に示すフッ素化ポリオキサゾールの構造が確認できた。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):6.9-7.2(4H,m,Ar-H),8.3-8.5(2H,m,Ar-H),10.4 and 10.7(4H,-NH and -OH)
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-166.4(F,Ar-F),-142.5(8F,Ar-F),-139.7(8F,Ar-F),-135.4(2F,Ar-F),-120.7(F,Ar-F),-64.6(18F,-CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1600cm-1(C=O)
(2)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
(1)で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体ポリアミド共重合体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次加熱して最終320℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのポリベンゾオキサゾールフィルムが得られた。
このフッ素化ポリオキサゾールは、下記式(44)で表わされる2つの繰り返し単位(q:r=1:2)を有する共重合体である。
Figure 2005002330
[実施例6]共重合体の合成
(1)フッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミド共重合体の合成:
実施例2の(1)で得られた2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン9.99g(15.0mmo1)を100mLなすフラスコ中で脱水N,N−ジメチルアセトアミドに溶解させて、窒素気流下で−50℃に冷却した後、滴下ロートから実施例1の(1)で得られた2,3,5,6,2′,3′,5′,6′−オクタフルオロビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド2.12g(5.0mmo1)と実施例3の(1)で得られたテトラフルオロイソフタル酸ジクロライド2.76g(10.0mmo1)を混合して一気に滴下したのち、ゆっくりと反応容器の温度を室温に戻して6時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとN,N−ジメチルアセトアミドを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、下記式(54)で表わされる2つの繰り返し単位(q:r=2:1)を有するフッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミド共重合体を収率91%で得た。
LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチルピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、Mw=42,000、Mw/Mn=1.9であった。
Figure 2005002330
H−NMR、及び19F−NMRの測定結果を示す。上記構造式に示すフッ素化ポリオキサゾール共重合体の構造が確認できた。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):6.9-7.2(4H,m,Ar-H),8.4-8.6(2H,s,Ar-H),10.4 and 10.7(4H,-NH and -OH)
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-166.4(F,Ar-F),-142.5(2F,Ar-F),-139.7(2F,Ar-F),-135.4(2F,Ar-F),-120.7(F,Ar-F),-64.6(9F,-CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1600cm-1(C=O)
(2)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
(1)で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体ポリアミド共重合体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次加熱して最終320℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのポリベンゾオキサゾールフィルムが得られた。このフッ素化ポリオキサゾールは、下記式(44)で表わされる2つの繰り返し単位(q:r=2:1)を有する共重合体である。
Figure 2005002330
[実施例7]
<波長1.55μmにおける屈折率測定>
実施例2〜6で得られたフッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドをSi0表面酸化膜付きのシリコンウェハ上にスピンコートして、窒素気流下で徐々に昇温し、最終的に約320℃でベーキングして約10μm厚のフッ素化ポリオキサゾール膜へと変化させた後、メトリコン(Metricon)社製のプリズムカップラー(Mode1 2010 PRISM COUPLER)を用いて、室温で屈折率測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005002330
表2の結果からわかるように、本発明のフッ素化ポリオキサゾールは、一般のポリイミドやポリベンゾオキサゾールと比較して低い屈折率を有していることが明らかである。そのため、本発明のフッ素化ポリオキサゾールは、低屈折率が求められる光学用途の材料として好適である。また、実施例2、3、5、6から図3に示すように、共重合体の共重合比〔式(39)で表わされる繰り返し単位のモル%で表わす〕を変化させることにより、屈折率を精密に制御することができることがわかる。これらの結果から、本発明のフッ素化ポリオキサゾールが波長フィルタや光波長板、光偏光板、その他の光学素子用の材料として極めて有用であることがわかる。
[実施例8]
(1)パーフルオロジカルボン酸ジクロリドの合成:
文献(Ralph J. De Pasquale and Christ Tamborski, J. 0rg. Chem., 33, 830-(1968))に示されている方法に従って合成した1,4−ビス(4−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンを実施例1(2)と同様に塩化チオニルと脱水N,N−ジメチルホルムアミドを用いて50℃で3時間反応させた。
塩化チオニルを留去した後、得られた白色固体を乾燥イソプロピルエーテルで再結晶して無色針状の結晶を得た。この結晶の純度は98.5%(GC)であった。反応式を式(56)に示す。
Figure 2005002330
13C−NMR及び19F−NMRの結果は、以下の通りであった。元素分析の結果も、目的のジカルボン酸ジクロリドの計算値と一致した。
13C-NMR(100MHz,DMSO-d6):113.1(t),132.0,138.5,140.1(JCF),140.8(JCF),144.4(JCF),158.1
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-155.1(4F,Ar-F),-154.5(4F,Ar-F),-137.4(4F,Ar-F)
元素分析:calc.C;39.8,F;37.8,ana1.C;39.7,F;38.1
(2)フッ素化ポリオキサゾール前駆体の合成:
実施例2の(1)と同様に合成して精製した2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン6.66g(10.0mmo1)を100mLなすフラスコ中で40mLの脱水N,N−ジメチルアセトアミドに溶解させて、(1)で得られたパーフルオロジカルボン酸ジクロリドの結晶6.03g(10.0mmo1)を室温で一気に加えた。その後、そのまま16時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとN,N−ジメチルアセトアミドを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、フッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドを収率85%で得た。LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチルピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、Mw=118,000、Mw/Mn=1.8であった。反応式を式(57)に示す。
Figure 2005002330
H−NMR、13C−NMR、19F−NMRの測定結果を示す。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):7.01(4H,m,Ar-H),8.25(2H,s,Ar-H),10.4 and 10.7(4H,-NH and -OH)
13C-NMR(100MHz,DMSO-d6):63.4(m,-C(CF3)2-),114.1(t),115.2,122.6,123.4,124.4(q,-CF3,JCF),125.1,127.5,131.7,134.8,139.7(dd,JCF),140.7(dd,JCF),143.5(dd,JCF),148.7,155.6(C=O)
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):-157.7(4F,Ar-F),-157.4(4F,Ar-F),-142.7(4F,s,Ar-F),-64.4(6F,s,-CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1607cm-1(C=O)
(3)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
(2)で得られたフッ素化ポリオキサゾール前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次加熱して最終300℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのフッ素化ポリオキサゾールフィルムが得られた。このフッ素化ポリオキサゾールは、下記式(42)で表わされる繰り返し単位を有するものである。
Figure 2005002330
得られたこのフッ素化ポリオキサゾールフィルムの動的粘弾性測定を行った結果、260℃付近から弾性率の値が急激に小さくなったことから、熱可塑性の挙動をとることがわかった。したがって、このフッ素化ポリオキサゾールは、熱可塑性を利用して、射出成形やホットエンボスなどの加工法による光部品の作製が可能である。
[実施例9]
(1)パーフルオロジカルボン酸ジクロリドの合成:
実施例8と同様に、文献(Ralph J. De Pasquale and Christ Tamborski, J. 0rg. Chem., 33, 830-(1968))に示されている方法に従って合成した1,3−ビス(4−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンを実施例1(2)と同様に塩化チオニルと脱水N,N−ジメチルホルムアミドを用いて50℃で3時間反応させた。塩化チオニルを留去した後、得られた白色固体を乾燥イソプロピルエーテルで再結晶して無色針状の結晶を得た。この結晶の純度は99.2%(GC)であった。反応式を下記式(58)に示す。
Figure 2005002330
(2)フッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドの合成:
実施例2の(1)と同様に合成して精製した2,2−ビス[4−(トリメチルシロキシ)−3−〔(トリメチルシリル)アミノ〕−フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン6.66g(10.0mmol)を100mLなすフラスコ中で40mLの脱水N,N−ジメチルアセトアミドと略す)に溶解させて、(1)で得られたパーフルオロジカルボン酸ジクロリドの結晶6.03g(10.0mmo1)を室温で一気に加えた。その後、そのまま16時間反応させた。得られた溶液をメタノールで処理したのち、エバポレーターでエタノールとN,N−ジメチルアセトアミドを留去したのち、メタノール/クロロホルムで再沈精製し、減圧乾燥して、フッ素化ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリアミドを収率85%で得た。LiBr−NMP(臭素化リチウムを溶解させたN−メチルピロリドン)を展開溶液とするGPCによって分子量測定を行った結果、ポリスチレン換算の分子量は、Mw=76,000、Mw/Mn=1.7であった。反応式を式(59)に示す。
Figure 2005002330
H−NMR、13C−NMR、19F−NMRの測定結果を示す。
1H-NMR(DMSO-d6):7.02(4H,m,Ar-H),8.25(2H,s,Ar-H),10.39,10.68(2H×2,s,Ar-OH and Ar-NH)
13C-NMR(DMSO-d6):63.6,114.2(t,JC-F=21Hz),115.5,122.8,123.7,124.6(q,JC-F=286Hz),125.4,127.7,130.7(t),135.1(t),138.0(JC-F=250Hz),139.9(JC-F=250Hz),142.3(JC-F=251Hz),143.8(JC-F=250Hz),144.1(JC-F=250Hz),149.0,155.8
19F-NMR(DMSO-d6):-162.6(F,Ar-F),-157.9(4F,Ar-F),-154.4(2F,Ar-F),-151.1(F,Ar-F),-142.8(4F,Ar-F),-64.5(6F,CF3)
IR:3300cm-1(br,-OH and -NH),1607cm-1(C=O)
(3)フッ素化ポリオキサゾールフィルムの作製:
(2)で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに溶解、フィルター濾過の後、固形分30%のワニスを得た。得られたワニスをガラス基板上に塗布して、窒素中で70℃から順次加熱して最終300℃で1時間加熱した。この操作により、厚さ約50μmのフッ素化ポリオキサゾールフィルムが得られた。このフッ素化ポリオキサゾールは、下記式(43)で表わされる繰り返し単位を有するものである。
Figure 2005002330
得られたフッ素化ポリオキサゾールフィルムの動的粘弾性測定を行った結果、230℃付近から弾性率の値が急激に小さくなったことから、熱可塑性の挙動をとることがわかった。このフッ素化ポリオキサゾールは、熱可塑性を利用して、射出成形やホットエンボスなどの加工法による光部品の作製が可能である。
[実施例10]
<光導波路の作製>
以下の手順で図4に示す構造を有する光学素子(1チップ分のみ図示)を作製した。厚さ1mm、直径100mm、厚さ1μmの熱酸化膜付きシリコンウェハ42上に、実施例2のフッ素化ポリオキサゾール前駆体ポリアミドのワニスをスピンコートし、加熱することにより、厚さ10μmの下部クラッド層であるフッ素化ポリベンゾオキサゾール層45を形成した。この下部クラッド層上に、実施例5のフッ素化ポリベンゾオキサゾール前駆体のワニスをスピンコートし、加熱することにより、厚さ8μmのコア層46であるフッ素化ポリベンゾオキサゾール層を形成した。
この後、このコア層46上に厚さ1.2μmのポジ型フォトレジスト(NTT−AT製DLR−501)をスピンコートにて形成し、フォトマスクを介した紫外線露光と現像を行い、幅8μmの直線パターンを形成した。このパターニング後のウェハを反応性イオンエッチング装置を用いて酸素ラジカルにてコア層を基板厚さ方向に異方性エッチングし、高さ8μmのコアリッジを得た。
レジストを剥離した後、実施例2で調製したフッ素化ポリベンゾオキサゾール前駆体のワニスをスピンコートし、加熱することにより、厚さ15μmの上部クラッド層であるフッ素化ポリオキサゾール層45(下部層と同じ符号で示す)を形成し、シリコンウェハ上に光導波路を形成した。最後にダイシングマシンにて、所望の長さと幅に切断し、光導波路チップ41を得た。光波長1.55μmでのこの導波路チップの導波損失をカットバック法にて測定したところ、0.4dB/cmであった。
2種の屈折率の異なるフッ素化ポリオキサゾール同士であれば、屈折率の高いものをコア層46、屈折率の低いものをクラッド層45とすることで、光導波路を作製することが可能であり、本実施例の組み合わせに限定されるものではない。図4に示す光学素子(光導波路)41は、シリコンウェハ42、V字溝43、電極44、クラッド樹脂層45、コア樹脂46、電極47、及びアライメントマーク48,48を備えたものである。
[実施例11]
<光モジュールの作製>
以下の手順で、図5に示す構造を有する光モジュールを作製した。比抵抗1kΩ・cm以上、面方位(001)、厚さ1mm、直径100mmのシリコンウェハ52表面に、水酸化カリウム水溶液を用いて異方性エッチングを行い、V溝アレイとアライメントマークを形成した。この後、熱酸化処理を行い、厚さ1μmの酸化膜を形成し、V溝の開口幅を140μmとした。
このシリコンウェハ上に、厚さ0.2μmのポリイミド(IST製ML−15)、厚さ6μmの実施例2記載のフッ素化ポリオキサゾール、厚さ8μmの実施例5記載のフッ素化ポリオキサゾール、厚さ1.2μmの実施例10記載のポジ型フォトレジストを順次積層し、その後、V溝関口幅中心と導波路幅中心を一致させてフォトマスクを介した紫外線露光と現像を行い、幅8μmの直線導波路パターンを形成した。このパターニング後のウェハを反応性イオンエッチング装置を用いて酸素ラジカルにてコア層を基板厚さ方向に異方性エッチングし、高さ8μmのコアリッジを形成した。
レジストを剥離した後、厚さ15μmの実施例2記載のフッ素化ポリオキサゾールを形成し、シリコンウェハ52上に光導波路53を形成した。さらに、プラズマアッシング装置を用いてV溝部とアライメントマーク部のポリマーを完全に除去し、所望の位置に金電極あるいは金スズ電極を形成し、図4に示すV字溝43と光導波路と電極44を一体形成したシリコンベンチとし、最後にダイシングマシンにてチップ化を行った。
このチップに波長選択フィルターと半導体レーザーとフォトディテクターと光ファイバを実装し、図5に示す光モジュールを作製した。この光モジュールの性能評価をしたところ、光出力は−5dBm、最小受信感度は−30dBmであった。
図5に示す光モジュール51は、シリコンウェハ52、樹脂の光導波路53、フィルター56、フォトダイオード54、半導体レーザー55、光ファイバ57を備えたものである。
本発明の光学樹脂材料は、光導波路、光フィルタ、光波長板、光偏光板等の光学素子用の樹脂材料として利用することができる。本発明の光学樹脂材料から形成された光学素子は、光モジュールとして使用することができる。本発明の光学素子は、特に光電子集積回路(OEIC)や光電子混載実装配線板などにおいて好適に適用することができる。
本発明のフッ素化ポリマー(実施例1)と公知のフッ素化ポリイミド樹脂(比較例1)の光通信に使用する波長域における赤外吸収スペクトルである。 実施例2で得られたフッ素化ポリオキサゾールのTG−DTA(窒素中)チャートである。 共重合比と屈折率との関係を示すグラフである。 光学素子(1チップ分)の一例を示す説明図である。 光モジュールの一例を示す説明図である。
符号の説明
41:光学素子、
42:シリコンウェハ、
43:V字溝、
44:電極、
45:クラッド樹脂層、
46:コア樹脂、
47:電極、
48:アライメントマーク、
51:光モジュール、
52:シリコンウェハ、
53:樹脂の光導波路、
54:フォトダイオード、
55:半導体レーザー、
56:フィルター、
57:光ファイバ。

Claims (20)

  1. 下記式(1)
    Figure 2005002330
    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーを含有する光学樹脂材料。
  2. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のXが酸素原子である下記式(2)
    Figure 2005002330
    (式中、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリオキサゾールである請求項1記載の光学樹脂材料。
  3. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のXが硫黄原子である下記式(3)
    Figure 2005002330
    (式中、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表わされる繰り返し単位を有するフッ素化ポリチアゾールである請求項1記載の光学樹脂材料。
  4. フッ素化ポリマーが、前記式(1)で表される繰り返し単位の数が5〜10,000の範囲内のものである請求項1記載の光学樹脂材料。
  5. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のR及びRが炭素原子と一価元素の化学結合として炭素原子−フッ素原子結合を含む芳香族基である繰り返し単位を有するものである請求項1記載の光学樹脂材料。
  6. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のRが下記式(4)
    Figure 2005002330
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、パーフルオロアリール基、アルコキシ基、パーフルオロアルコキシ基、フェノキシ基もしくはパーフルオロフェノキシ基であり、かつ、R及びRのうち少なくとも一方は、フッ素原子または炭素原子−フッ素原子結合を有する基である。)
    で表される4価の有機基である繰り返し単位を有するものである請求項1記載の光学樹脂材料。
  7. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のRが下記式(5)
    Figure 2005002330
    〔式中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、パーフルオロアリール基、アルコキシ基、パーフルオロアルコキシ基、フェノキシ基もしくはパーフルオロフェノキシ基であり、Yは、単結合、−O−、−SO−、−S−、−R’−、−(OR’)−、−(R’O)−もしくは−(OR’O)−(式中、R’は、アルキレン基、パーフルオロアルキレン基、アリーレン基もしくはパーフルオロアリーレン基であり、nは、1以上の整数である。)であり、かつ、R〜R10及びYのうちの少なくとも1つは、フッ素原子または炭素原子−フッ素原子結合を有する基である。〕
    で表される4価の有機基である繰り返し単位を有するものである請求項1記載の光学樹脂材料。
  8. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のRが下記式(6)
    Figure 2005002330
    (式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルコキシ基またはパーフルオロフェノキシ基である。)
    で表わされる2価の有機基である繰り返し単位を有するものである請求項1記載の光学樹脂材料。
  9. フッ素化ポリマーが、前記式(1)中のRが下記式(7)
    Figure 2005002330
    〔式中、R15〜R22は、それぞれ独立に、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルコキシ基もしくはパーフルオロフェノキシ基であり、Zは、単結合、−O−、−SO−、−S−、−R’−、−(OR’)−、−(R’O)−もしくは−(OR’O)−(式中、R’は、パーフルオロアルキレン基もしくはパーフルオロアリーレン基であり、nは、1以上の整数である。〕
    で表わされる2価の有機基である繰り返し単位を有するものである請求項1記載の光学樹脂材料。
  10. フッ素化ポリマーが、前記式(1)で表わされる2種以上の相異なる繰り返し単位を有する共重合体である請求項1記載の光学樹脂材料。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学樹脂材料から形成された光学素子。
  12. 光学素子が、コアと、その周囲にコアよりも屈折率の低いクラッドを配置した光導波路であって、コアとクラッドのうちの少なくとも1つが請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学樹脂材料から形成されたものである請求項11記載の光学素子。
  13. 光学素子が、樹脂基材の表面に誘電体多層膜を形成してなる波長フィルタであって、樹脂基材が請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学樹脂材料から形成されたものである請求項11記載の光学素子。
  14. 光学素子が、樹脂基材に光学異方性を付与してなる光波長板であって、樹脂基材が請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学樹脂材料から形成されたものである請求項11記載の光学素子。
  15. 光学素子が、樹脂基材に透過率異方性を付与してなる光偏光板であって、樹脂基材が請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学樹脂材料から形成されたものである請求項11記載の光学素子。
  16. 請求項11乃至15のいずれか1項に記載の光学素子のうち1つ以上を含む、少なくとも2つ以上の光学素子を集積一体化してなる光モジュール。
  17. 下記式(8)
    Figure 2005002330
    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーの前駆体と、光分解感光性化合物、光架橋感光性化合物、光変成感光性化合物、及び光重合感光性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の感光性化合物とを含有する感光性光学樹脂材料。
  18. 下記式(8)
    Figure 2005002330
    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマーの前駆体に、光分解性官能基、光架橋性官能基、光変成性官能基、及び光重合性官能基かならる群より選ばれる少なくとも1種の光官能基を導入してなる感光性フッ素化ポリマー前駆体を含有する感光性光学樹脂材料。
  19. 下記式(8)
    Figure 2005002330
    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が3,000〜1,000,000であるフッ素化ポリマー前駆体。
  20. 請求項19記載のフッ素化ポリマー前駆体を閉環してなる下記式(1)
    Figure 2005002330
    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合として1つ以上の炭素原子−フッ素原子結合を含む4価の有機基であり、Rは、炭素原子と一価元素の化学結合の全てが炭素原子−フッ素原子結合で構成されている2価の有機基である。)
    で表される繰り返し単位を有するフッ素化ポリマー。
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