JP2004529928A - 眼炎症疾患用眼局所処置剤 - Google Patents

眼炎症疾患用眼局所処置剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な塩を
有効成分として0.01%〜0.1%の濃度で含むヒト用眼炎症疾患用眼局所処置剤を提供する。本発明の眼局所処置剤は、眼炎症疾患に罹患したヒトに低用量で眼局所投与することによって、優れた抗眼炎症効果を持続して示す。本発明の薬剤は、痒み、発赤、浮腫、潰瘍等の、眼炎症疾患によって生じる症状に効果的である。本発明はまた通常の抗炎症剤(例えばステロイド、シクロスポリン類)では改善効果を示さない患者に対して効果的であり、本発明はまた、他の抗炎症剤が使用できない(例えばステロイド禁忌)患者に対して適用することが効果的である。本発明の薬剤は、特に、眼に1回〜4回、それを局所に投与することによって十分な効果を示すという理由から極めて有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、トリシクロ化合物を有効成分とする眼炎症疾患の眼局所処置剤に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
眼炎症疾患は、炎症の位置によって様々な苦痛を伴う多くの眼障害の形態を取る。眼炎症疾患としては、ブドウ膜炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、後球視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、角膜潰瘍および結膜潰瘍等が含まれる。眼炎症疾患は、種々の眼障害、更に眼科手術もしくは眼の物理的外傷の結果として生じる。
また、眼炎症疾患の症状としては、痒み、発赤、浮腫および潰瘍等が含まれる。
眼炎症疾患の患者は、眼疾患患者の半数以上を占めており、医療現場において抗眼炎症効果を有する薬剤は重要な役割をはたす。現在、眼炎症疾患には、主にステロイド剤、非ステロイド剤が用いられている。
ステロイド剤は眼炎症疾患に対して優れた効果をあらわし、臨床上不可欠な薬剤であるが、全身投与、局所投与の別にかかわらず重篤な副作用を引き起こす恐れがある。そのような副作用として、例えば、ステロイド性緑内障、感染性眼疾患、ステロイド性白内障等がある。特に慢性的な眼炎症疾患を有する患者はそのような副作用の危険性が高く、既に眼圧が上昇している患者(例えば緑内障患者)のような特定の患者にとっては、このような副作用は決して容認できない。このような事情により、非ステロイド性の抗眼炎症剤の開発が強く望まれている。
現在、非ステロイド性抗炎症剤は、内服剤として数十種類の薬剤が上市されている。しかし、眼炎症疾患の治療剤、特に眼局所投与用の製剤である点眼剤の場合、含有される薬剤は抗炎症作用に加えて水溶性の向上、眼局所での刺激性の軽減、および眼組織への良好な移行性等の点眼剤に特有の必須条件にかなう性質を有することが必要であり、これらの条件を満たし且つ眼炎症疾患に有効な非ステロイド系薬剤の開発は容易ではなかった。
しかも、点眼剤の場合、内服剤に比べて、一回に投薬できる量が少なく、内服剤として効力を有する薬剤であっても、点眼投与では十分な効果が示されないこと、あるいは頻回(一日少なくとも4回)の投与が必要であることが多く、少量でより効果の高い非ステロイド性抗炎症性点眼剤の開発が望まれている。本発明の目的は、少量で優れた抗眼炎症作用を有し、かつ安全性の高い非ステロイド性抗眼炎症剤を提供することにある。
FK506やシクロスポリン類がアレルギー性結膜炎、春季カタル、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の処置に有用であることは知られている(例えばWO92/19278)。
しかしながら、FK506のようなある種のトリシクロ化合物が眼炎症疾患を罹患しているヒトに対して低用量の眼局所投与で優れた抗眼炎症作用を発揮すること、また従来の抗炎症剤で改善効果がみられない対象に対しても有効であること、さらに他の抗炎症剤が使用出来ない(例えばステロイド禁忌)対象に対しても有効であることはまだ知られていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の開示
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ある種のトリシクロ化合物が眼炎症疾患を罹患しているヒトに対して低用量の眼局所投与で優れた抗眼炎症作用を持続的に発揮することを見出した。また、本発明の眼局所処置剤が、眼炎症疾患によって引き起こされる痒み、発赤、浮腫および潰瘍等の症状に対して有効であることを見出した。さらに、本発明の眼局所処置剤が、従来の抗炎症剤(例えばステロイドやシクロスポリン類等)で改善効果が見られない対象に対しても有効であること、および他の抗炎症剤が使用出来ない(例えばステロイド禁忌)対象に対しても有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)眼炎症疾患の処置を必要とするヒトに対して、下記一般式(I)で表わされるトリ
シクロ化合物またはその医薬的に許容な塩を0.01%〜0.1%の濃度で含有する眼局所処置剤を局所投与することを含む、眼炎症疾患の処置方法:
【0004】
【化1】
Figure 2004529928
【0005】
(式中、R1およびR2、R3およびR4、R5およびR6の隣接する対は、各々独立して、
a)2つの隣接する水素原子からなり、ここでR2はアルキルであってもよく、または
b)該対のそれぞれに結合している炭素原子どうしの間でもうひとつの結合を形成してもよく;
7は水素原子、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、もしくはアルキルオキシであるか、またはR1と共になってオキソを形成してもよく;
8およびR9は各々独立して、水素原子またはヒドロキシを表わし;
10は水素原子、アルキル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルキル、アルケニル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルケニル、またはオキソによって置換されたアルキルであり;
Xはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式−CH2O−で表わされる基であり;
Yはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基であり;
11およびR12は各々独立して水素原子、アルキル、アリールまたはトシルを表わし;
13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は各々独立して水素原子またはアルキルを表わし;
24は、置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環であり;そして
nは1または2を表わし、
上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子および/または酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが、その複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ベンジル、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシ基によって置換されたアルキルから選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい)、またはその医薬的に許容な塩。
(2)トリシクロ化合物がFK506である(1)記載の方法。
(3)眼局所投与が1日1回〜4回の投与である(1)記載の方法。
(4)眼局所処置剤が点眼剤または眼軟膏である(1)記載の方法。
(5)眼炎症疾患が、ブドウ膜炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、後球視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、角膜潰瘍、結膜潰瘍およびそれらの結果として生じる症状;眼障害によって引き起こされる眼炎症疾患;眼科手術後の眼炎症疾患;及び物理的外傷の結果として生じる眼炎症疾患からなる群より選択される(1)記載の方法。
(6)眼炎症疾患の処置が眼の痒みの処置を目的とするものである(1)記載の方法。
(7)眼炎症疾患の処置が眼の発赤の処置を目的とするものである(1)記載の方法。
(8)眼炎症疾患の処置が眼の浮腫の処置を目的とするものである(1)記載の方法。
(9)眼炎症疾患の処置が眼の潰瘍の処置を目的とするものである(1)記載の方法。
(10)他の抗眼炎症剤で改善効果が見られないヒトに投与することを含む(1)記載の方法。
【0006】
(11)他の抗眼炎症剤がシクロスポリン類および/またはステロイド剤である(10)記載の方法。
(12)他の抗眼炎症剤を使用できないヒトに投与することを含む(1)記載の方法。
(13)他の抗眼炎症剤がステロイド剤である(12)記載の方法。
(14)一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な塩を有効成分として0.01%〜0.1%の濃度で含むヒト用眼炎症疾患用眼局所処置剤。
(15)トリシクロ化合物がFK506である(14)記載の剤。
(16)眼局所処置が1日1回〜4回の眼への投与を含む(14)記載の剤。
(17)点眼剤あるいは眼軟膏である(14)記載の剤。
(18)眼炎症疾患が、ブドウ膜炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、後球視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、角膜潰瘍、結膜潰瘍およびそれらの結果として生じる症状;眼障害によって引き起こされる眼炎症疾患;眼科手術後の眼炎症疾患;及び物理的外傷の結果として生じる眼炎症疾患からなる群より選択される(14)記載の剤。
(19)眼局所処置が眼の痒みの処置を目的とするものである(14)記載の剤。
(20)眼局所処置が眼の発赤の処置を目的とするものである(14)記載の剤。
(21)眼局所処置が眼の浮腫の処置を目的とするものである(14)記載の剤。
(22)眼局所処置が眼の潰瘍の処置を目的とするものである(14)記載の剤。
(23)他の抗眼炎症剤で改善効果が見られないヒトに投与するための(14)記載の剤。
(24)他の抗眼炎症剤がシクロスポリン類および/またはステロイド剤である(23)記載の剤。
(25)他の抗眼炎症剤を使用できないヒトに投与するための(14)記載の剤。
(26)抗眼炎症剤がシクロスポリン類および/またはステロイド剤である(25)記載の剤。
(27)ヒトの眼炎症疾患の処置のための眼局所処置剤の製造のための一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な塩の使用であって、該処置剤中、該トリシクロ化合物が0.01%〜0.1%の濃度で含められることを特徴とする使用。
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は、下記一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な
塩を有効成分として0.01%〜0.1%の濃度で含有するヒト用眼炎症疾患用眼局所処置剤を提供する。
【0008】
【化2】
Figure 2004529928
【0009】
(式中、R1およびR2、R3およびR4、R5およびR6の隣接する対は、各々独立して、
a)2つの隣接する水素原子からなり、ここでR2はアルキル基であってもよく、または
b)該対のそれぞれに結合している炭素原子どうしの間でもうひとつの結合を形成してもよく;
7は水素原子、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、もしくはアルキルオキシを表わすか、またはR1と共になってオキソを形成してもよく;
8およびR9は各々独立して、水素原子またはヒドロキシを表わし;
10は水素原子、アルキル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルキル、アルケニル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルケニル、またはオキソによって置換されたアルキルであり;
Xはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式−CH2O−で表わされる基であり;
Yはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基であり;
11およびR12は独立して水素原子、アルキル、アリールまたはトシルを表わし;
13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は各々独立して水素原子またはアルキルを表わし;
24は、所望により置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環であり;そして
nは1または2を表わし、
上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子および/または酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが、その複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ベンジル、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシによって置換されたアルキルから選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい)、またはその医薬的に許容な塩。
【0010】
また、本発明は、眼炎症疾患の処置を必要とするヒトに対して、上記一般式(I)で
表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な塩を0.01%〜0.1%の濃度で含有する眼局所処置剤を眼局所投与することを含む、眼炎症疾患の処置方法に関する。
さらに、本発明は、ヒトの眼炎症疾患の処置のための眼局所処置剤の製造のための上記一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な塩の使用に関し、ここで当該処置剤中、トリシクロ化合物は0.01%〜0.1%の濃度で含められている。
一般式(I)において、好ましいR24としては、例えば以下のような適当な置換基を有していてもよいシクロ(C5-7)アルキルを挙げることが出来る。
(a)3,4−ジオキソシクロヘキシル;
(b)3−R20−4−R21−シクロヘキシル(その中で、R20はヒドロキシ、アルキルオキシ、または−OCH2OCH2CH2OCH3、およびR21はヒドロキシ、−OCN、アルキルオキシ、適当な置換基を有するヘテロアリールオキシ、−OCH2OCH2CH2OCH3、保護されたヒドロキシ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノオキザリルオキシ、アジド、p−トリルオキシチオカルボニルオキシ、またはR2526CHCOO−(式中、R25は所望により保護されていてもよいヒドロキシ、または保護されたアミノ、およびR26は水素原子またはメチル、またはR20とR21は一緒になって、エポキシド環の酸素原子を形成する);または
(c)シクロペンチルであって、そのシクロペンチルは、メトキシメチル、所望により任意に保護されていてもよいヒドロキシメチル、アシルオキシメチル(その中において、アシル部分は、4級化されていてもよいジメチルアミノまたはエステル化されていてもよいカルボキシ)、1個またはそれ以上の保護されていてもよいアミノおよび/またはヒドロキシ、またはアミノオキザリルオキシメチルで置換されている。好ましい例は、2−ホルミル−シクロペンチルである。
【0011】
式(I)において使用されている各記号の定義、その具体例、およびその好ましい実施態様を以下に詳細に説明する。
「低級」とは特に指示がなければ、炭素原子1〜6個を有する基を意味するものとする。
「アルキル」および「アルキルオキシ」のアルキル部分の好ましい例としては、直鎖もしくは分枝鎖脂肪族炭化水素残基が挙げられ、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等の低級アルキルが挙げられる。
「アルケニル」の好ましい例としては、1個の二重結合を含有する直鎖もしくは分枝鎖脂肪族炭化水素残基が挙げられ、例えばビニル、プロペニル(アリル等)、ブテニル、メチルプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル等の低級アルケニルが挙げられる。
「アリール」の好ましい例としては、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、ナフチル等が挙げられる。
【0012】
「保護されたヒドロキシ」および「保護されたアミノ」における保護基の好ましい例としては、例えばメチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピルチオメチル、イソプロピルチオメチル、ブチルチオメチル、イソブチルチオメチル、ヘキシルチオメチル等の低級アルキルチオメチルのような1−(低級アルキルチオ)(低級)アルキル、さらに好ましいものとしてC1〜C4アルキルチオメチル、最も好ましいものとしてメチルチオメチル;
例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、第三級ブチルジメチルシリル、トリ第三級ブチルシリル等のトリ(低級)アルキルシリル、例えばメチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジフェニルシリル、第三級ブチルジフェニルシリル等の低級アルキルジアリールシリル等のようなトリ置換シリル、さらに好ましいものとしてトリ(C1〜C4)アルキルシリルおよびC1〜C4アルキルジフェニルシリル、最も好ましいものとして第三級ブチルジメチルシリルおよび第三級ブチルジフェニルシリル;
カルボン酸、スルホン酸およびカルバミン酸から誘導される脂肪族アシル、芳香族アシルおよび芳香族基で置換された脂肪族アシルのようなアシル;等が挙げられる。
【0013】
脂肪族アシルとしては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、カルボキシアセチル、カルボキシプロピオニル、カルボキシブチリル、カルボキシヘキサノイル等の、カルボキシのような適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルカノイル;
例えばシクロプロピルオキシアセチル、シクロブチルオキシプロピオニル、シクロヘプチルオキシブチリル、メンチルオキシアセチル、メンチルオキシプロピオニル、メンチルオキシブチリル、メンチルオキシペンタノイル、メンチルオキシヘキサノイル等の、低級アルキルのような適当な置換基を1個以上有していてもよいシクロ(低級)アルキルオキシ(低級)アルカノイル;
カンファースルホニル;
例えばカルボキシメチルカルバモイル、カルボキシエチルカルバモイル、カルボキシプロピルカルバモイル、カルボキシブチルカルバモイル、カルボキシペンチルカルバモイル、カルボキシヘキシルカルバモイル等のカルボキシ(低級)アルキルカルバモイル、および例えばトリメチルシリルメトキシカルボニルエチルカルバモイル、トリメチルシリルエトキシカルボニルプロピルカルバモイル、トリエチルシリルエトキシカルボニルプロピルカルバモイル、第三級ブチルジメチルシリルエトキシカルボニルプロピルカルバモイル、トリメチルシリルプロポキシカルボニルブチルカルバモイル等のトリ(低級)アルキルシリル(低級)アルキルオキシカルボニル(低級)アルキルカルバモイル等の、カルボキシもしくは保護されたカルボキシ等のような適当な置換基を1個以上有する低級アルキルカルバモイルが挙げられる。
【0014】
芳香族アシルとしては、例えばベンゾイル、トルオイル、キシロイル、ナフトイル、ニトロベンゾイル、ジニトロベンゾイル、ニトロナフトイル等の、ニトロのような適当な置換基を1個以上有してもよいアロイル;
例えばベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル、キシレンスルホニル、ナフタレンスルホニル、フルオロベンゼンスルホニル、クロロベンゼンスルホニル、ブロモベンゼンスルホニル、ヨードベンゼンスルホニル等の、ハロゲンのような適当な置換基を1個以上有していてもよいアレーンスルホニル等が挙げられる。
芳香族基で置換された脂肪族アシルとしては、例えば低級アルキルオキシまたはトリハロ(低級)アルキル等の適当な置換基を1個以上有していてもよいアル(低級)アルカノイル等であってもよく、ここで具体例としては、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、フェニルブチリル、2−トリフルオロメチル−2−メトキシ−2−フェニルアセチル、2−エチル−2−トリフルオロメチル−2−フェニルアセチル、2−トリフルオロメチル−2−プロポキシ−2−フェニルアセチル等が挙げられる。
上記アシル中、さらに好ましいアシルとしては、カルボキシを有してもよいC1〜C4アルカノイル、シクロアルキル部分に(C1〜C4)アルキルを2個有するシクロ(C5〜C6)アルキルオキシ(C1〜C4)アルカノイル、カンファースルホニル、カルボキシ(C1〜C4)アルキルカルバモイル、トリ(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキルオキシカルボニル(C1〜C4)アルキルカルバモイル、ニトロを1個または2個有していてもよいベンゾイル、ハロゲンを有するベンゼンスルホニル、C1〜C4アルキルオキシとトリハロ(C1〜C4)アルキルを有するフェニル(C1〜C4)アルカノイルが挙げられ、それらのうち、最も好ましいものとしては、アセチル、カルボキシプロピオニル、メンチルオキシアセチル、カンファースルホニル、ベンゾイル、ニトロベンゾイル、ジニトロベンゾイル、ヨードベンゼンスルホニルおよび2−トリフルオロメチル−2−メトキシ−2−フェニルアセチル等が挙げられる。
【0015】
「飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子および/または酸素原子を含有する複素環基」の好ましい例としては、ピロリル、テトラヒドロフリル等が挙げられる。
「適当な置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ」の中の「適当な置換基を有していてもよいヘテロアリール部分」とは、EP−A−532088中の式Iで表される化合物の基R1として例示のものが挙げられるが、例えば、1−ヒドロキシエチルインドール−5−イルが好ましい。その開示を引用して明細書記載の一部とする。
本発明において使用されるトリシクロ化合物(I)は、EP−A−184162、EP−A−323042、EP−A−423714、EP−A−427680、EP−A−465426、EP−A−480623、EP−A−532088、EP−A−532089、EP−A−569337、EP−A−626385、WO89/05303、WO93/05058、WO96/31514、WO91/13889、WO91/19495、WO93/5059等に記載されており、それらの開示は引用により本明細書の一部とする。
【0016】
特に、FR900506(=FK506)、FR900520(アスコマイシン)、FR900523およびFR900525と呼称される化合物は、ストレプトミセス(Streptomyces)属、例えばストレプトミセス・ツクバエンシス(Streptomyces tsukubaensis)No.9993(寄託機関:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(旧名称:通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所)、寄託日:1984年10月5日、受託番号:微工研条寄第927号)もしくは、ストレプトミセス・ハイグロスコピカス・サブスペシース・ヤクシマエンシス(Streptomyces hygroscopicus subsp.yakushimaensis)No.7238(寄託機関:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(旧名称:通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所)、寄託日:1985年1月12日、受託番号:微工研条寄第928号)(EP−A−0184162)により産生される物質であり、下記構造式で示されるFK506(一般名:タクロリムス)は、代表的な化合物である。
【0017】
【化3】
Figure 2004529928
【0018】
化学名:17−アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)−1−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン
【0019】
トリシクロ化合物(I)のうち、より好ましいものは、R3およびR4、R5およびR6の隣接するそれぞれの対が、当該対のそれぞれが結合している炭素原子どうしの間に独立してもう一つの結合を形成してもよく、
8とR23が独立して水素原子であり、
9がヒドロキシであり、
10がメチル、エチル、プロピルまたはアリルであり、
Xが(水素原子、水素原子)またはオキソであり、
Yがオキソであり、
14、R15、R16、R17、R18、R19とR22がそれぞれ独立してメチルを示し、
24が、3−R20−4−R21−シクロヘキシルであり(その中で、R20はヒドロキシ、アルキルオキシ、または−OCH2OCH2CH2OCH3、およびR21はヒドロキシ、−OCN、アルキルオキシ、適当な置換基を有するヘテロアリールオキシ、−OCH2OCH2CH2OCH3、保護されたヒドロキシ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノオキザリルオキシ、アジド、p−トリルオキシチオカルボニルオキシ、またはR2526CHCOO−(式中、R25は所望により保護されていてもよいヒドロキシ、または保護されたアミノ、およびR26は水素原子またはメチル)であり、またはR20とR21は一緒になって、エポキシド環の酸素原子を形成し)、そして
nが1または2である化合物である。
【0020】
特に好ましいトリシクロ化合物(I)としては、FK506の他に、EP−A−427680の実施例66aに記載の33−エピ−クロロ−33−デスオキシ アスコマイシンといったハロゲン化誘導体等のアスコマイシン誘導体が挙げられる。
トリシクロ化合物(I)およびその医薬的に許容な塩とは、無毒の、医薬として許容される慣用の塩であり、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、例えばトリエチルアミン塩、N−ベンジル−N−メチルアミン塩等のアミン塩のような無機または有機塩基との塩が挙げられる。
本発明のトリシクロ化合物においては、コンホーマーあるいは不斉炭素原子および二重結合に起因する光学異性体および幾何異性体のような1対以上の立体異性体が存在することがあり、そのようなコンホーマーあるいは異性体もこの発明の範囲に包含される。また、トリシクロ化合物は溶媒和物を形成することも出来るが、その場合も本願発明の範囲に含まれる。好ましい溶媒和物の例としては、水和物およびエタノレートが挙げられる。
本発明において、眼炎症疾患とは、ブドウ膜炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、後球視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、角膜潰瘍および結膜潰瘍等に関連して、あるいはその結果として、表われる眼炎症疾患;ドライアイ、眼感染、視神経障害等の眼障害によって引き起こされる眼炎症疾患;眼科手術で生じる眼炎症疾患;及び眼への物理的外傷の結果として生じる眼炎症疾患を含む。また、原因不明の眼炎症疾患、例えば、慢性銭型角膜炎、タイゲソン角膜炎、進行性モーレン潰瘍等も本発明の眼炎症疾患に含まれる。
本発明には、また、痒み、発赤、浮腫および潰瘍等の眼炎症疾患によって生じる症状の処置も含まれる。
本発明の眼局所処置剤は、眼炎症疾患を罹患しているヒトに対して低用量の眼局所投与で優れた抗眼炎症作用を発揮するものである。具体的には一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物を有効成分として0.01%〜0.1%の濃度で含有する眼局所処置剤である。
【0021】
また、本発明においては、従来の抗炎症剤(例えばステロイドやシクロスポリン類等)で改善効果が見られない対象に対しても有効である。
さらに、ステロイド処置と異なり、本発明の処置剤は、眼圧上昇をもたらすことなく抗眼炎症効果を示す、すなわち抗炎症剤による副作用が低減される。従って、他の抗炎症剤が使用出来ない(例えばステロイド禁忌)対象に対しても有効である。
本発明にいう処置には、予防、治療、症状の軽減、症状の減退、進行停止等、あらゆる管理が含まれる。
本発明において有効成分として用いられる一般式(I)化合物は、点眼剤および眼軟膏剤等の剤形で眼局所投与される。
製剤化して投与する場合には、常套手段に従って製造した製剤が投与され得る。その形態としては、点眼剤、眼軟膏剤等眼科の分野で用いられる全ての眼局所投与用製剤を含む。点眼剤は、有効成分を無菌の水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかまたは使用前に溶解されるべき粉末組成物と組み合わせることによって調製される。眼軟膏は、基剤に有効成分を混合して調製される。かかる製剤は、常套手段に従って調製することができる。
【0022】
点眼剤は、例えば、EP−A−0406791に記載のような点眼剤とすることが好ましく、所望により点眼剤に通常用いられる添加物が添加され得る。そのような添加剤としては、等張化剤(例えば塩化ナトリウム等)、緩衝剤(例えばホウ酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等)、保存剤(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール等)、増粘剤(例えば乳糖、マンニトール、マルトース等の糖類;例えばヒアルロル酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム等のヒアルロン酸もしくはその塩;例えばコンドロイチン硫酸等のムコ多糖類;ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、架橋ポリアクリル酸塩等)が挙げられる。前記文献の開示は引用することで明細書記載の一部とする。
また、眼軟膏は、通常用いられる眼軟膏用基剤中に有効成分を混和し、常法に従って製剤化することによって無菌的に調製することができる。眼軟膏の基剤としては、ワセリン、ゼレン50、プラスチベース、マクロゴール等が例示されるが、これらに限定されない。更に親水性を高めることを目的として界面活性剤を加えることができる。また、眼軟膏についても必要に応じて前記の例えば保存剤等の添加剤を配合することもできる。
本発明の眼局所処置剤は、保存剤を含まない無菌のユニット・ドーズ・タイプとして製剤化することも可能である。
本発明に用いられる有効成分の投与量および投与回数は、ヒトの性別、年齢、体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与方法、処置期間等により変化するが、通常、成人に対し点眼剤の製剤を使用するのであれば、有効成分を0.01%〜0.1%含有する製剤を、1日1眼あたり数回、好ましくは1〜6回、より好ましくは1〜4回、1回数滴、好ましくは1〜4滴点眼することができる。また、眼軟膏剤の製剤として使用するのであれば、有効成分を0.01%〜0.1%含有する製剤を、一日あたり数回、好ましくは1〜6回、より好ましくは1〜4回塗布すればよい。特に1〜4回の点眼あるいは塗布で充分な効果を発現することから、本発明の眼局所処置剤は極めて有用である。
本発明においては、1種類の有効成分を単独で当該製剤に含めることもできるし、また2種類以上の有効成分を併用して含めることもできる。複数の有効成分を併用する場合には、各々の含有量は、それらの治療効果や安全性等を考慮して適宜増減することができる。
更に、本発明製剤においては、本発明の目的に反しない限り、他の薬理活性成分を適宜含有させることもできる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、これはこの発明を限定するものではない。
【実施例】
【0023】
[実施例1]
方法1
一群30名合計4群に対して、実験群にはFK506点眼剤(0.01%、0.06%及び0.1%)をそれぞれ1回点眼投与し、対照群にはプラセボを1回点眼投与した。実験群、対照群ともに点眼投与の3時間後に各種異物(猫毛(Cat Hair)、猫皮膚屑(Cat Dander)、あるいは木、ブタクサまたはイネ科植物の花粉)を点眼投与し、炎症を惹起させた。5分後に眼の痒みを5段階スコア(0〜4)を用いて評価した。異物のみを投与した場合のスコア(ベースライン値)からの減少度を求めた。その結果を図1に示す。
図1に示される通り、FK506点眼剤0.01%、0.06%および0.1%を点眼投与した実験群の方が、プラセボを点眼投与した対照群と比べて痒みの減少度が大きかった。これらの結果、0.01%〜0.1%の低濃度のFK506点眼剤の投与により、抗眼炎症効果を示すことが認められた。
【0024】
[実施例2]
FK506点眼剤を被験者に1日1回、1週間、点眼投与した。対照群にはプラセボを同容量点眼した。実験群、対照群ともに最終点眼投与の16時間後に各種異物(猫毛、猫皮膚屑、あるいは、木、ブタクサまたはイネ科植物の花粉)を点眼投与し、炎症を惹起させた。10分後に結膜充血および結膜浮腫を5段階スコア(0〜4)を用いて評価した。異物のみを投与した場合のスコア(ベースライン値)からの変化度を求めた。その結果を表1および表2に示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004529928
【0026】
【表2】
Figure 2004529928
【0027】
表1および表2に示される通り、0.1%FK506点眼剤の点眼により結膜充血および結膜浮腫のスコアはいずれも、プラセボを点眼投与した対照群と比べ明らかに減少した。これらの結果、低濃度のFK506点眼剤の投与により少なくとも16時間は抗眼炎症作用(抗浮腫作用および抗発赤作用)を示すことが認められた。
【0028】
以下に、各種の眼炎症疾患を有する患者に低用量のFK506点眼剤を投与した場合の実施例を示す。
【0029】
[実施例3]
類天疱瘡による進行性角膜潰瘍に罹患した患者に0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼した。結果、顕著な改善効果がみられ、そのような効果は43週間後においても持続していた。
【0030】
[実施例4]
進行性モーレン潰瘍に罹患した患者に0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼した。結果、顕著な改善効果がみられ、そのような効果は、41週間後においても持続していた。
【0031】
[実施例5]
慢性銭型角膜炎に罹患した患者に0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼した。結果、2週間以内に顕著な改善効果が認められ、43週間後においてもその効果が持続していた。
【0032】
[実施例6]
通常の治療方法がなく(コルチコステロイドの局所投与で改善効果が見られないかコルチコステロイドの局所あるいは全身投与が使用できない)、シクロスポリンAの点眼投与では改善効果が見られないタイゲソン角膜炎に罹患した患者に0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼した。結果、3週間以内に顕著な改善効果が認められ、41週間後においてもその効果が持続していた。
【0033】
[実施例7]
ステロイド緑内障の病歴を有し、シクロスポリンAの点眼投与にもかかわらず慢性拒絶の経歴がある全層角膜移植を行なった患者に0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼した。結果、創傷により生じた炎症の進行が停止し、34週間後においてもその効果が持続した。また眼圧の上昇も認められなかった。
【0034】
[実施例8]
通常の治療方法がなく(コルチコステロイドの局所投与で改善効果が見られないかコルチコステロイドの局所あるいは全身投与が使用できない)、シクロスポリンAの点眼投与により改善効果が見られない眼瞼角結膜炎に罹患した患者に0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼したところ、2週間以内に顕著な改善効果が認められ、18週間後においても効果が持続していた。
【0035】
[実施例9]
シクロスポリンAの局所投与に不応性であるという経歴があり、通常の治療を行うことができない(コルチコステロイドの局所投与では改善効果が見られないか、あるいは局所あるいは全身投与にコルチコステロイドが使用できない)、円錐角膜のために全層角膜移植を行なった患者に、0.06%FK506点眼剤を1日3回点眼した。その結果、顕著な改善効果が観察され、25週間後においてもその効果は持続した。
【産業上の利用可能性】
【0036】
産業上の利用可能性
上記した実施例3〜9に示す通り、低濃度のFK506点眼剤を各種の眼炎症疾患を有するヒトに眼局所投与することにより、抗炎症作用を示すことが認められた。
また、本発明の眼局所処置剤が、従来の抗炎症剤(例えばステロイドやシクロスポリン類等)で改善効果が見られない対象に対しても有効であること、および他の抗炎症剤が使用出来ない(例えばステロイド禁忌)対象に対しても抗炎症作用を示すことが認められた。
【0037】
本出願は、米国で出願された出願番号第60/283,169号を基礎としておりそれらの内容は引用により本明細書に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、FK506点眼剤の点眼による痒みの低減を示すグラフである。

Claims (27)

  1. 眼炎症疾患の処置を必要とするヒトに対して、下記一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に許容な塩を0.01%〜0.1%の濃度で含有する眼局所処置剤を眼局所投与することを含む、眼炎症疾患の処置方法:
    Figure 2004529928
    (式中、R1およびR2、R3およびR4、ならびにR5およびR6の隣接する対は、各々独立して、
    a)2つの隣接する水素原子からなり、ここでR2はアルキルであってもよく、または
    b)該対のそれぞれに結合している炭素原子どうしの間でもうひとつの結合を形成してもよく;
    7は水素原子、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、もしくはアルキルオキシであるか、またはR1と共になってオキソであってもよく;
    8およびR9は各々独立して、水素原子またはヒドロキシを表わし;
    10は水素原子、アルキル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルキル、アルケニル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルケニル、またはオキソによって置換されたアルキルであり;
    Xはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式−CH2O−で表わされる基であり;
    Yはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基であり;
    11およびR12は各々独立して水素原子、アルキル、アリールまたはトシルを表わし;
    13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は各々独立して水素原子またはアルキルを表わし;
    24は、置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環であり;そして
    nは1または2を表わし、
    上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子および/または酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが、その複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ベンジル、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシによって置換されたアルキルから選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい)、およびその医薬的に許容な塩。
  2. トリシクロ化合物がFK506である請求項1記載の方法。
  3. 眼局所投与が1日1回〜4回の投与である請求項1記載の方法。
  4. 眼局所処置剤が点眼剤または眼軟膏である請求項1記載の方法。
  5. 眼炎症疾患が、ブドウ膜炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、後球視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、角膜潰瘍、結膜潰瘍およびその結果として生じる症状;眼障害によって引き起こされる眼炎症疾患;眼科手術後の眼炎症疾患及び物理的外傷の結果として生じる眼炎症疾患からなる群より選択される請求項1記載の方法。
  6. 眼炎症疾患の処置が眼の痒みの処置を目的とするものである請求項1記載の方法。
  7. 眼炎症疾患の処置が眼の発赤の処置を目的とするものである請求項1記載の方法。
  8. 眼炎症疾患の処置が眼の浮腫の処置を目的とするものである請求項1記載の方法。
  9. 眼炎症疾患の処置が眼の潰瘍の処置を目的とするものである請求項1記載の方法。
  10. 他の抗眼炎症剤で改善効果が見られないヒトに投与することを含む請求項1記載の方法。
  11. 他の抗眼炎症剤がシクロスポリン類および/またはステロイド剤である請求項10記載の方法。
  12. 他の抗眼炎症剤を使用できないヒトに投与することを含む請求項1記載の方法。
  13. 他の抗眼炎症剤がステロイド剤である請求項12記載の方法。
  14. 下記一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物またはその医薬的に
    許容な塩を有効成分として0.01%〜0.1%の濃度で含むヒト用眼炎症疾患用眼局所処置剤;
    Figure 2004529928
    (式中、R1およびR2、R3およびR4、ならびにR5およびR6の隣接する対は、各々独立して、
    a)2つの隣接する水素原子からなり、ここでR2はアルキルであってもよく、または
    b)該対のそれぞれに結合している炭素原子どうしの間でもうひとつの結合を形成してもよく;
    7は水素原子、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、もしくはアルキルオキシであるか、またはR1と共になってオキソであってもよく;
    8およびR9は各々独立して、水素原子またはヒドロキシを表わし;
    10は水素原子、アルキル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルキル、アルケニル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルケニル、またはオキソによって置換されたアルキルであり;
    Xはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式−CH2O−で表わされる基であり;
    Yはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基であり;
    11およびR12は各々独立して水素原子、アルキル、アリールまたはトシルを表わし;
    13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は各々独立して水素原子またはアルキルを表わし;
    24は、置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環であり;そして
    nは1または2を表わし、
    上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子および/または酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが、その複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ベンジル、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシによって置換されたアルキルから選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい)、およびその医薬的に許容な塩。
  15. トリシクロ化合物がFK506である請求項14記載の剤。
  16. 眼局所処置が1日1回〜4回の眼への該剤の投与によって実施される請求項14記載の剤。
  17. 点眼剤あるいは眼軟膏である請求項14記載の剤。
  18. 眼炎症疾患が、ブドウ膜炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、後球視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、角膜潰瘍、結膜潰瘍およびその結果として生じる症状;眼障害によって引き起こされる眼炎症疾患;眼科手術後の眼炎症疾患;及び物理的外傷の結果として生じる眼炎症疾患からなる群より選択される請求項14記載の剤。
  19. 眼局所処置が眼の痒みの処置を目的とするものである請求項14記載の剤。
  20. 眼局所処置が眼の発赤の処置を目的とするものである請求項14記載の剤。
  21. 眼局所処置が眼の浮腫の処置を目的とするものである請求項14記載の剤。
  22. 眼局所処置が眼の潰瘍の処置を目的とするものである請求項14記載の剤。
  23. 他の抗眼炎症剤で改善効果が見られないヒトに投与するための請求項14記載の剤。
  24. 該抗眼炎症剤がシクロスポリン類および/またはステロイド剤である請求項23記載の剤。
  25. 他の抗眼炎症剤を使用できないヒトに投与するための請求項14記載の剤。
  26. 抗眼炎症剤がシクロスポリン類および/またはステロイド剤である請求項25記載の剤。
  27. ヒトの眼炎症疾患の処置のための眼局所処置剤の製造のための下記一般式(I)で表わされるトリシクロ化合物およびその医薬的に許容な塩の使用であって、該処置剤中、該トリシクロ化合物が0.01%〜0.1%の濃度で含められることを特徴とする使用:
    Figure 2004529928
    (式中、R1およびR2、R3およびR4、ならびにR5およびR6の隣接する対は、各々独立して、
    a)2つの隣接する水素原子からなり、ここでR2はアルキルであってもよく、または
    b)該対のそれぞれに結合している炭素原子どうしの間でもうひとつの結合を形成してもよく;
    7は水素原子、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、もしくはアルキルオキシであるか、またはR1と共になってオキソであってもよく;
    8およびR9は各々独立して、水素原子またはヒドロキシであり;
    10は水素原子、アルキル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルキル、アルケニル、1以上のヒドロキシによって置換されたアルケニル、またはオキソによって置換されたアルキルであり;
    Xはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式−CH2O−で表わされる基であり;
    Yはオキソ、(水素原子、ヒドロキシ)、(水素原子、水素原子)、または式N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基であり;
    11およびR12は独立して水素原子、アルキル、アリールまたはトシルを表わし;
    13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は各々独立して水素原子またはアルキルを表わし;
    24は、置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環であり;そして
    nは1または2を表わし、
    上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子および/または酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが、その複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ベンジル、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシによって置換されたアルキルから選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい)、およびその医薬的に許容な塩。
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