JP2004519656A - ガス誘導体を備えた反応装置のガスシール - Google Patents
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Abstract
材料糸および材料片用反応装置の材料入口開口部および材料出口開口部用ガスシールに関する。開口部は、ガスカーテンで密閉される。これらのカーテンは、ガス出口開口部又はノズルから出、炉の内部に角度をつけて向けたガス流によって生成される。本発明に従い、材料糸又は片に隣接してその表面に略平行、反応装置内部に向かって延在するガス誘導体がガス出口開口部に取り付けてある。ガス出口開口部を出るガスは、ガス誘導体と材料糸又は片の間に形成されたガス誘導空間内を、僅かに高い圧力下に、炉の内部に向かって誘導され、大きく改良されたガスシールが実現する。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、材料糸又は片を処理する反応装置に関し、
−材料糸又は片の搬送方向と平行に延在する外側ジャケットを有すると共に、前壁、後壁、又は上下の閉塞壁を有し、前壁又は後壁、又は、前壁と後壁のいずれか、又は上下の閉塞壁又はその両方に、少なくとも一本の材料糸又は片を導入するための開口部を少なくとも一個有しおよび/又は少なくとも一本の材料糸又は片を引き出すための開口部を少なくとも一個有することと、
−材料糸又は片を反応装置内を通過させる装置と、材料糸又は片を反応装置に搬送すると共に反応装置から搬出する装置とを有することと、
−反応装置の内部又はその一部および/又は材料糸或いは片又はその一部を加熱し、もしくは反応装置の内部又はその一部および/又は材料糸又は片又はその一部を冷却する装置を備えているか或いは該装置を備えていないことと、
−温度を調整した又はしていないガスを反応装置空間に供給するおよび/又は反応装置空間からガスを除去する装置を有していることと、
−少なくとも一本の材料糸又は片が、開口部を通って反応装置空間に入るおよび/又は少なくとも一本の材料糸又は片が反応装置空間から出る場所に、ガス排出口を有するガス供給ラインおよび分配装置を備えており、それにより、材料の入口又は出口のための開口部からガスを流出して、ガスのカーテンを生成し、好ましくない物質が反応装置空間内に侵入するのを防ぐのと同時に好ましくない物質が反応装置空間内から出て行くのを防止することとを特徴とする反応装置用のガスシール関する。
【0002】
(背景技術)
例えば高温、連続操作で無端の材料糸又は片を処理するため、この無端材料を搬送装置、一般的にはローラを備えた電動速度調整引き出しおよび巻き取り装置で引っ張って反応装置内を通過させる。従って、材料糸又は片は、一度だけ、又は多くの場合にそうであるように、数回連続的に反応装置内を通過する。後者の場合、工程にかかる経費のため、材料糸又は片は、先ず反応装置内を通過し、その後、一般的にはローラを反転させることですぐに戻され、もう一度反応装置内に搬送される。この操作は、その工程で必要な回数だけ繰り返される。多くの場合、反応装置は、材料糸又は片を、所望の物理的処理を施すためにある特定の温度に曝す機器を構成するだけでなく、温度処理と並行して化学反応も行い、そのため一般的には、ガス又は蒸気の形態の反応物質を反応装置内に導入することがしばしばあり、所定の滞留時間後、反応生成物と共に反応装置から取出す。反応装置内部のガス空間に毒性又は腐食性、或いは他の理由から反応装置を取り囲む雰囲気に排出できないガス又は蒸気が含まれている場合、材料糸又は片を反応装置内に搬入又はこれから搬出する入口と出口を全て密閉し、反応装置の外部の人間、材料又は環境に有害な又は不利な影響を与えぬようにせねばならない。
【0003】
この問題の解決策として幾つかの技術が挙げられる。例えば反応装置から出るガスおよび蒸気を吸引して除去し、害を及ぼさないようにガス封止箱を材料の入口と出口に設けてもよい。しかし、この種封止箱は嵩張るため、材料糸又は片の出入り口の邪魔になり、更に、有毒物質を確実に除去するため、異質の又はバラストガスをガス封止手段内に大量に吸引して処理せねばならず、また再利用および/又は再生のことを考えると、反応装置の内部に残ったガスおよび蒸気の一部がガス封止空間に吸引されて無駄になるという欠点がある。後者の欠点は、ガス封止空間が減圧環境下で作動する場合に生ずる。材料糸又は片の反転ローラをガス封止室内に設置せねばならず、この解決法では、高圧環境下で作動するガス封止手段は、「減圧ガス封止手段」より更に多くの設置スペースを取る。また、例えばガス封止室に材料糸又は片用の通路を設けると、有害な物質の一部がこれら通路を経て外に出てしまう。また「高圧ガス封止手段」の場合、材料糸又は片の視覚検査ができず、不完全な検査のみとなるため、作業者が直接行うことができずおよび/又は反応装置で行われる工程において必要となる材料糸又は片の制御、調整および予防のための措置を十分迅速に行えない可能性がある。別の手段として、所謂ガスカーテンがある。この場合、材料糸又は片を反応装置内に搬送する、又はそこから搬出する開口部において、炉の内部に向けて実質的にガス流が生成するように、また、有害なガスや蒸気が反応装置から出ないよう、動的カーテンとして機能するように、無害のガスを適当な開口部又はノズルから炉の開口部内および材料糸又は片上に吹き付ける。
【0004】
しかし、以下に示すように、ガスのカーテンを利用した従来知られた密閉方法も、満足のいく動作はしない。
【0005】
米国特許第5928986号明細書は、炭化状態の炭素繊維又は糸の繊維表面の活性剤を、800〜1000(Cの温度の適したガスで酸化させるための炉を開示する。炉は、材料糸の入口と出口開口部では、冷却および吸引装置を備えたガス封止室を備える。炉から出てガス封止室に入るガスは、吸引装置により吸出され、無害となる。もう1つの変形例では、不活性ガスをガス封止室内に吹き込む。この不活性ガスは、ガスのカーテンを生成し、空気が炉内に入るのを防ぐ。このガスも殆どの部分がガス封止室から吸出される。ここで、何れの場合も、気体状の含有物を吸出するガス封止室が関係してくる。第1の場合には炉から出るガスが、そして第2の場合にはガス封止室内に導入される残滓ガスが炉で発生するガスと共に吸い出される。この場合、ガスのカーテンが多少なりとも生ずるなら、炉の作業空間の実際の入口ではなく、ガス封止室内で生成される。
【0006】
独国特許出願公開第3312683号明細書は、所謂予備酸化繊維から炭化した炭素繊維を製造する縦型貫流炉を開示する。生産工程は300〜1500(Cの温度で行われる。この工程を実施するのに必要な予備酸化繊維は、例えばポリアクリロニトリルからなる有機繊維を処理するための上流処理段階で、300(C迄の温度で製造される。この繊維は不融性である。炭化炉における繊維の処理は、保護ガスを用いて行われる。このため、保護ガスは、詳しい説明は省略するが、炉の下部材料出口に吹き込まれ、該ガスは、炉内で上方向に上がる。繊維片用の入口と出口開口部から比較的距離を開けた位置にある加熱域の近くに、温度調整保護ガスを吹き込み、加熱室又は加熱域内にガスカーテンを生成するノズルを備える。ノズルの直下に、吹き込まれた保護ガスの大部分を取り除く吸引開口部があり、該開口部を経てここで気体又は蒸気状の炭化工程の反応生成物で満された吹き込み保護ガスの大部分が除去される。このガスのカーテンは、有害で、特にタールを含む分解生成物が縦型炉内を上方に流れ、炉の上部域の冷却器に流れ込むのを防ぐものであり、炉を外部から密閉することを意図してはいない。
【0007】
直接反応空間内ではなく、材料の入口と炉の出口に形成され、ガス封止室を備えていないガスカーテンは、米国特許第6027337号明細書に記載されている。炉は、約150〜300(Cの温度でポリアクリロニトリル繊維から炭化繊維を製造すべく、好適には予備酸化した不溶解性繊維を生成するために用いる。よって、繊維は空気流に曝されることになる。この反応で、そして蒸気と二酸化炭素に加えて、たとえ非常に少量でも決してあってはならないシアン化水素や一酸化炭素のような非常に有毒なガスが放出され、捕獲されずに炉外の空間にも排出され得る。ここで用いる技術的な解決策は、空気用の出口、特に広い溝穴形状のノズルを、材料片を炉へ搬入・搬出する各点に空気供給ラインと分配装置を設けることである。炉内を外気から密閉すべくガスカーテンを生成するため、ガスをこれらノズルから炉内へ向けて所定の角度で噴出させる。よって、殆どが炉内に向かい、ガスカーテンとして作用する空気の流れが炉の内部に対向する繊維の糸又は繊維片用の開口部の側部に形成される。しかし、毎日の作業で、材料片の出入り口の近傍における有害ガスの濃度が高すぎることが判ったため、この技術的解決策も期待を完全に満すことはできなかった。
【0008】
(発明の開示)
よって、本特許出願の基礎となる本発明の目的は、材料糸又は片に対し何らかの処理を行う反応装置の内部の前記材料糸又は片の出入り口用開口部において、該開口部での反応装置の反応空間からの、好ましくないガスの流出を安全なレベル迄確実に低下可能なガスシールを提供することにある。
【0009】
この目的は、ガス供給ラインと分配装置が少なくとも1つの偏向板、即ちガス誘導体を備えるという請求項1記載の特徴部分により達成でき、ガス誘導体を、
−反応装置内部に向かって延在させることと、
−反応装置内部の方向から見て、ガス供給ラインおよび分配装置のガス排出開口部の後に配置することと、
−材料糸又は片の表面から距離をおいて配置することと、
−材料糸又は片に隣接する表面を、ガス供給ラインおよび分配装置のガス排出開口部と同じ幾何学的レベル又はガス排出開口部の幾何学的レベルとは異なるレベルに配置することとを特徴とする。
【0010】
従属請求項は、本発明の更に有利な変形例を示すものであり、本発明の説明内にも記載されている。
【0011】
「材料糸又は片」という用語は、本発明では、編み物又は布の形態、任意の層の形態のフィラメント、繊維、糸、例えば織物のようなテキスタイル工程で張り合わせた又は結合したフィラメント、繊維、糸、更には膜、積層物又はシート等の材料であって、処理のために開口部を通して反応装置内に搬送でき、更に処理後は反応装置から搬出できる材料を指すものとする。このタイプの材料には、例えばプラスチック、ガラス、セラミックス、炭素、天然又は合成繊維、ゴム又は広範囲にわたる各種複合材料が含まれる。説明の都合上、以降材料片という用語でこれら全ての材料を意味するものとする。
【0012】
「反応装置」という語は、本発明では、処理対象の材料の出入り口と、目的とする処理に必要な操作手段の出入り口を有する、壁で囲まれた空間を意味する。又この反応装置は、例えば測定、制御および搬送装置、ガスおよび蒸気の誘導、搬送、処理装置、更に加熱、冷却およびエネルギー利用装置および/又は操作の安全および環境保護用設備等の各操作に必要なあらゆる機器を含む。このような反応装置は、高温で作業することが多く、よって炉とも見なし得る。本発明の内容から、材料片は水平(横型反応装置)又は垂直(縦型反応装置)方向に搬送されて反応装置を通過する。好ましくは、材料片の搬送レベルは、傾斜していても、カーブしていてもよい。又反応装置は、反応装置内部の気体状の内容物を循環させるための装置を備えていてもよい。
【0013】
「偏向板又はガス誘導体」という用語は、本発明では反応装置のガス供給ラインおよび分配装置の位置又はそれに隣接する位置に取り付けた、何等かの形状を有するガス誘導体を意味する。説明の都合上、以降、偏向板およびガス誘導体については、ガス誘導体という用語を使用することとする。
【0014】
ガス供給および分配装置は、材料片用の出入り口の全幅にわたって均一に広がり、ガスカーテンの生成に必要なガスを分配する。更にこの装置は、材料片の出入り口全幅にわたり、好ましくはノズルの形状の開口部を1個以上備える。これらノズルは適した形状であれば、いかなる形状でもよい。ノズルを、所定の方向のガス流を生成および維持できるように、特定の方法で空間的に並べる。そのガス通路および/又はガス出口開口部は、例えば円形又は楕円形のような角のない形状、或いは、例えば正方形や長方形のような直角四辺形、また四辺形以上の多角形でもよい。ガス出口の開口部は水平でも、傾斜していても、或いは特殊な外形を有していてもよい。有利な実施形態によると、ノズルは溝穴形状であり、入口又は出口開口部の全幅にわたって延在する。ノズルのガス出口溝穴は、ガスの流れに特定の方向又は特定のトルクをかけるかにより直線状でも、湾曲していてもよい。ガスカーテンを生成するガスは、これらのガス出口ノズルによって特定の角度および速度で炉内に噴出される。更に詳しくは本明細書においても引用した米国特許第6027337号明細書を参照されたい。本発明によると、ガス出口の開口部又はノズルの位置により、反応装置の内部に向けたガス流と、材料片の表面又はガス誘導体に直接隣接する表面との間に形成される角度は、30〜60(、特に40〜50(であるのが好ましい。ガス流は、50〜140m/秒の範囲の初期速度であるのがよい。ガス誘導体は、炉の内部で特定の長さにわたり、材料片から間隔を空けて延在する。ガス誘導体は、その都度最も近い位置にある材料片と共に通路又はガス誘導空間を形成するように取り付けるか、或いは少なくとも部分的にガス透過性を有する材料片の場合には、前記材料片用の同じ出口又は入口の開口部で、当該材料片の各々反対側において間隔を空けて位置するガス誘導体との間に取り付ける。従来の例とは異なり、ガスカーテンを生成するガス流は、誘導されずに大型の反応装置の内部に渦巻き型に分散して噴射され、有害なガスの一部が反応装置の開口部に逆流することはない。代わりに、ガス誘導体の間に位置するガス誘導空間に滞留し、誘導されて炉内に入る。ガス圧は、炉内では、材料の出入り口に直接隣接する領域の内側が、炉の内部より幾分高くなっている。ガス誘導空間の高さは、別の理由から適当でない場合を除いては低く維持される。結果として、炉内にある有害なガスは、外に出るには有向流に反しガス誘導空間内に分散せねばならない。しかし、ガス誘導空間のガスの速度がその断面全体にわたり均一に分布しており、外側に向かって流れるガスの粒子の分散速度より大きい場合には、これは技術的に不可能である。これらの条件は本発明の解決法により保証される。
【0015】
ガスの供給ラインと分配装置は、材料片出入り口の開口部の全幅にわたり延在し、その平坦な両側に平行に配置され、後者に位置するガスの出口開口部が「カーテンガス」の少なくとも片側における、少なくとも1つの材料出口又は入口開口部で供給できるよう構成される。反応装置に材料の出入り口用の開口部を1つ以上設けた場合、各ガスの供給ラインと分配装置は、隣接して平行に延在する二本のガス出口開口部の列、又は材料出入り口の開口部の全幅にわたり延在し、隣接して平行に延在する二本の溝穴形状のノズルを備える。ガス出口開口部の1つの列又は1個の溝穴形状のノズルは、ガス誘導体と材料片の間に位置するガス誘導空間に第1の材料入口又は出口の開口部でガスを供給し、それに隣接するガス出口開口部の列又はこれに隣接する他方のスリット型ノズルは、ガス誘導体と材料片との間のガス誘導空間に、この第1の出入り口開口部に直接隣接して位置する第2の材料入口又は出口の開口部でガスを供給する。ガス供給ラインと分配装置は、1つおきの隣接する材料出入口の開口部にガスを半分ずつ供給する。これは材料の入口に対してのみ当て嵌まり、最初と最後の出口として反応装置のハウジングの平坦な側に接する開口部には適用されない。ガス誘導体は、材料の入口又は出口開口部と同じ幅であり、ガス供給ラインと分配装置に固定するか、後者に直接隣接して固定する。ガス誘導体は、所定の長さだけ反応装置の内部に突出しており、特に好ましい実施形態では、材料片に対し同じ間隔を保つ。しかし、その材料片に対する間隔は、材料片の二つの平坦側で異なる。通常の場合、各材料片の隣接する表面からガス誘導体の表面迄の最低間隔は5mmである。特殊な場合には、これより狭いこともある。この間隔は、15〜40mmが好ましい。ガス誘導体の長さ、例えばガス出口開口部又はノズルから反応装置内部の方向への寸法は、ある限度内で変動してもよい。その限界は、ガス誘導体の長さの、該ガス誘導体の表面とそれとすぐ隣接する材料片の表面との間の間隔に対する比により決まる。この比は多くても10対1で、4対1〜6対1が好ましい。本発明のある実施形態では、ガス誘導体は平坦面を持つ。もう1つの実施形態では、その表面は湾曲している。その横方向の表面、即ち材料の入口又は出口の開口部又は材料片の幅の表面が湾曲している場合、その湾曲は凸型でも凹型でもよい。材料片用の搬送又は反転ローラが、例えば技術的な理由から“群”をなしている場合や、その直径が外側から内側に向かい徐々に小さくなっている場合には、このような湾曲を設ける。更に、ガス誘導体表面の横方向、即ち材料の入口や出口開口部の幅又は材料片の幅方向の表面を、材料片の片側で凸形状とし、他端側で凹形状にできる。この形状は、材料片がその幅方向に弛み、ガス誘導体の表面と材料片の間の間隔が一定に保たれている場合に有利である。ガス誘導体の表面も、やはり長手方向、即ち材料の入口又は出口開口部から反応装置の内部に向かって湾曲していてもよい。ここでも、同じ材料片に対向するガス誘導体の二つの面を相補形状、即ち材料片の湾曲又は弛みに従い、上面を凸、下面を凹にできる。また、同じ材料片に隣接する二つのガス誘導体の二面を、それらに囲まれたガス誘導空間が反応装置の内部に向かうにつれ広くなるよう湾曲させてもよい。かかるガス誘導体の両凸面又は楔形の形状は、概して、このガス誘導空間内で特定の速度プロファイルを生成する。ガス誘導体の表面形状の前述の組み合わせも、勿論可能である。しかし、これらは、技術的に適し、必要な費用と努力が正当なものであると判断したときのみ採用する。一般的にガス誘導体の反応装置内部に面する縁部および/又は角部は、凸凹や角のないようにするか、面取りをしたり、僅かに角度をつけたりするとよい。これは、材料片がガス誘導体に接した際、それらを磨耗や損傷から守るべく行う。より一般的には、材料片の磨耗や損傷を防ぎ、汚れの付着や沈着を最低限にして、掃除がしやすいようにガス誘導体の表面を滑らかにする。また表面に粘着防止剤を被着するか、或いは適当な方法で腐食から守るのがよい。好ましい実施形態では、各材料の入口と出口開口部における各材料片が、二つのガス誘導体の表面で形成されるガス通路内を走行するようにガス誘導体を各材料片の各々の側に配置する。必要なら、或いは有利なら、ガス誘導体を、材料片の片側に1つだけ設けるような別法も考えられる。
【0016】
ガス誘導体の形状と詳細な実施形態は、反応装置の構造的および技術的条件に応じ変わる。ガス誘導体は、閉鎖形状、即ち反応装置と全く連通しないか、僅かに連通する中空の空間を囲むような形状でもよく、また、間に反応装置の内部と自由に連通する空間を設けた金属誘導シート又は誘導面を有するものでもよい。このような閉鎖型装置は、反応装置の内部でガス流を受けない内部のデッドゾーンに物質が不都合に付着してしまうような場合に好ましい。
【0017】
ガス誘導体は、ガスカーテンを生成するためのガスの出口開口部に対して様々な位置に設置できる。一方では、これら出口開口部と同じ面又は同じ幾何学的レベルに配置し、隣接する材料片から間隔を空けて反応装置の内部に向かい延在させてもよい。この場合、ガス流は、まず材料片上に誘導され、少なくともその一部が反射してガス誘導通路内を通って反応装置内に入る。或いはガス誘導体を、ガスカーテンを生成するためのガスの出口開口部がガス誘導体の表面より上に上昇するように、即ちこれら反応装置の入口開口部がガス誘導体と材料片の間の空間にある程度突出するように配置できる。開口部から出るガス流は、この配置では、材料片上に誘導され、ガス流の少なくとも一部が反射してガス誘導空間内を通って反応装置の内部に入るか、又はガス出口開口部迄延在するノズルが湾曲され、ガス流が、まず、ガス誘導体の表面に当たってそこで反射し、流圧が下がって偏向されて材料片上に当たり、ガス誘導空間内を流れて反応装置内部に流入する。第3の方法では、ガス誘導空間に隣接するガス誘導体の表面はガス出口開口部の上方に突出する。この場合、ガス出口開口部を、僅かにガス誘導体の前に位置させておくと、ガス流は、まず材料片上に吹き付けられ、そこから少なくともガス流の一部が反射し、速度が低下してガス誘導体の表面に当たり、最終的にはガス誘導空間を通って反応装置の内部に入る。この方法は、特に材料片とガス誘導体の間の間隔が、特別狭く設定されている場合に採用される。ガス誘導体の形状、詳細な実施形態および位置は、反応装置の構造的、技術的環境によって変わるので、当業者にとり適宜の方法を選択できる。
【0018】
ガス誘導体は、目的とする加工条件に適したあらゆる材料から形成できる。これに伴う手間と費用および加工のしやすさを考慮し、それらは、鉄、鋼、ステンレス鋼、銅、真鍮、青銅、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属や合金から形成される。しかし場合により、前記のような金属や金属合金以外の材料、例えば磁器、石器、炭化珪素、炭素、グラファイト又はガラス等のようなセラミックス材から形成することもできる。環境的に必要なら或いは許せば、例えば繊維強化プラスチック材、繊維強化炭素又は薄片積層材料或いは、例えばフッ素重合体、フッ素−クロロポリマ、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノールホルムアルデヒド樹脂又はエポキシ樹脂等の熱可塑性および熱硬化性の材料の群に属する天然又は合成物質等の複合材料も使用できる。ガス誘導体の表面又は誘導体それ自体は、繊維、糸、編糸又はワイア等を合わせて織物状にしたものでもよい。この目的のためには、各種織物が最も一般的に使用される。しかし非織物材や、任意に配置した層材料も特殊な場合には使用できる。この種織物の複合体は、この目的に適したいかなる材料からも構成でき、例えばプラスチック繊維、天然又は合成繊維材料、鉱物、ガラス、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、炭素又はグラファイト繊維或いは、例えば鋼、ステンレス鋼、銅、真鍮、青銅ワイア等から構成することもできる。
【0019】
ガスシールを生成して維持すべく、ガス供給ラインと分配装置を経て、またガス開口部又はノズルから反応装置内に噴出されるガスの温度は、反応装置内の加工手順によって異なる。加工手順が特別な関連手段を必要としないなら、ガスは大気温度でよい。あまり低温のガスを噴出すと加工の妨げとなり、また、高温のガスが必要又は有利な場合にはガスを予め加熱する。これは、例えば反応装置内が高温である場合等がそうである。低温ガスは、実際に高温の反応空間に入る際に加熱され、膨張して、ガスシールの近傍に好ましくない逆圧を生ずる可能性がある。反応装置の材料の入口と出口又は反応装置それ自体を冷却する必要がある場合、予め冷却したガスを吹き込むとよい。必要なら、比較的大きい前述のような逆圧の形成の危険性を考慮し、ガス誘導空間にそれに対応したガス圧を生成する。本発明の更に別の変形例によると、少なくとも一部が反応装置の内部から引き出したガスによりガスシールが確立する。この際適度に絶縁した導管を使用してこのガスのエネルギーを有利に利用できる。勿論、この種ガスが、反応装置の外部の大気に漏出してはならない成分を含まない場合もある。これは、例えば反応装置内の保護ガスにより単純に製品の温度処理を行う場合や、ガスを処理中又は反応装置を出た後に浄化し、有害物質を取り除ける場合等である。かかる浄化は、後燃焼装置内での燃焼により熱で行う。本発明の更に別の有利な変形例では、放出された熱エネルギーを利用し、ガスシールを作動させるのに使用する周知の熱伝達装置でガスを加熱できる。ガスを少なくとも部分的に加熱し、ガスシールを作動させるのに使用する熱交換器を通して反応装置から十分な高さの熱成分を含むガスを誘導すれば、後燃焼装置がなくても、同様の効果が達成できる。
【0020】
本発明のもう1つの変形例では、ガス誘導体は、反応装置の材料の入口および出口開口部で確実なガスシールを維持するだけではない。ガス誘導体は、ガスシールに必要であり、反応装置内に吹き込まれるガスを加熱又は冷却するための加熱又は冷却体として設計してもよい。このガスの温度調整を、反応装置の内部で行われる工程に利用できる場合、ガスシールを維持するために絶対的に必要な量より多いガスを炉内に導入してもよい。例えば反応装置の両端近傍での特定の温度プロファイルのメンテナンスがある。かかる目的の適用方法では、前述の本発明の好ましい実施形態に対し指定された以上に、隣接する材料片の表面からの距離に対するガス誘導体の長手方向の長さの比を変更することも必要となる。
【0021】
例として示した略図を参照にしながら、本発明について詳しく説明する。
【0022】
図1の反応装置1は、基礎3上に立設したハウジング2で囲まれている。ガス供給ライン4と加熱装置5は、反応装置15の内部を加熱ガスで満している。反応生成物を伴う使用済みのガスは、ガス排出口6を経て反応装置1から出、材料および/又は熱回収装置又はガス浄化装置(図示せず)に送られる。引き出し装置(図示せず)から送られる材料片7は、反応装置の空間の前に位置するローラ8′上に搬送され、ガスカーテン9により密閉された開口部10を経て反応装置1に送られる。材料片7は、反応装置1を通り、まず前記反応装置1から同様にガスカーテン9*で密閉された開口部10*から出る。更に材料片7は、やはり反応装置1の外側に位置するローラ8により偏向され、同様にガスカーテン9′で密閉された開口部10′から再び反応装置に入る。この様に、材料片7は、反応装置1を合計8回とおり、その結果、材料片は、ローラ8、8*により毎回反転されて開口部10′から反応装置1内に入り、反応装置1から開口部10)を通じて出る。全ての開口部10、10′、10”、10*、10**は、ガスカーテン9、9′、9”、9*、9**により密閉される。反応終了後、材料片7は、最後のガスカーテン9**で密閉された開口部10**から反応装置1を出、ローラ8”下を走行し、巻き取り装置(図示せず)へ進む。かかる反応装置は、例えば大気中でポリアクリロニトリル材片を溶融するための、約180〜320(Cで作動する炉である。反応装置は、例えば更に高い温度で使用し、不溶解性であり、繊維、布又はフェルト片の形態である繊維を炭化してもよい。炭化は、勿論非酸化雰囲気内で行わねばならない。本発明によるガス誘導体又は偏向板11、11′は、材料入口10、10′、10”と出口10*、10**用の反応装置1の開口部に位置している。これら各開口部10、10′、10”、10*、10**には、これら対のガス誘導体(11、11′)を設けてあり、ガスは、二つの側から常に材料片7上を流れるよう構成されており、その結果外側の大気に対し、反応装置の内部を確実に密閉している。例えば材料片の片側が材料入口又は出口開口部において比較的長い距離にわたり、場合によっては液体膜上を滑走するような特別な場合(図示せず)には、両側にガスを吹き付ける工程は省略してもよい。この場合、ガス誘導体は材料片の片側にのみ配置する。ガスカーテン9、9′、9”、9*、9**を維持するのに必要なガスは、パイプラインとして形成したガス供給ラインと分配装置12を経て誘導され、材料入口開口部10、10′、10”と出口開口部10*、10**へ進み、そこで全幅にわたり均一に分配され、空間的に方向付けられたノズル13を経て入口および出口開口部10、10′、10”、10*、10**を出て、所定の角度で材料片7に対して吹き付けられる(図9も参照)。少なくともガスの一部はこれら材料片7から偏向され、反応装置15の内部より高いガス圧で、ガス誘導体11と材料片7又は非常にガスが透過し易い材料片7の場合、隣接するガス誘導体11の対向する二つのガス誘導面にて形成されるガス誘導空間14内に吹き付け、最終的には反応装置15の内部に入る。最も上と下に位置する材料入口開口部10、10”と出口開口部10*、10**のガス誘導体11′、即ち反応装置の壁に面した側に材料片がないガス誘導体は、ガス出口開口部又はノズル13を、ガスカーテン9、9”、9*、9**を生成すべき材料片7に面した側にのみ設ける。
【0023】
図2は、図1に示す形式の反応装置1の正面図である。ここでも、反応装置1は、反応装置ハウジング2と、反応装置基礎3と、処理ガス用のガス供給ライン4と、処理ガス用のヒータ5と、処理ガス用のガス排出口6とを備える。炉体の左右にローラ軸16と、ローラ8、8*用の軸受け、ギヤ機構、駆動装置を収容したカラム17、17′を設けている。材料片7は、ローラ8、8*上を反応装置へ、また反応装置から入口開口部10′、10”と出口開口部10*を経て搬送される。ガスカーテン(図1の9)を生成すべく使用するガスは、ここでは見えないが、ガス供給ラインと分配装置12を経て、この場合、材料入口開口部と出口開口部10′、10”、10*の全幅にわたり延在する溝穴形状のノズルとして形成したガス出口開口部13に送られる。ガスは、空間的に方向付けられて後者から出、ガス誘導空間14に、更に改善されたガスカーテンを形成する。
【0024】
図3に示す反応装置1′は、図1に示すそれと設計と構成で類似する。図1の反応装置1との最も重要な違いは、この装置1′では、下から上に向かって反応装置1′を通る一本の通路内で材料片が搬送および処理され(図示せず)、或いは図3に示すように、反応装置1から出る前に、下から上および上から下に向かい反応装置内を数回通過して処理される縦型反応装置である点である。よって、材料片を下から反応装置1に導入し、それらを、図3に示す如く、下から引き出すか又は図示しない、上方から反応装置1の内部に導入してそれらを再び同じ側で取り出すか、同様に図示しないが、材料片を下から導入し、それらを上で取り出し又はその逆にするか、当業者の裁量による。反応装置1は、図1に示す反応装置1の変形として、更に断熱材18を備え、支持枠19内に取り付けている。その他の特徴は、図1の反応装置1と同じである。よって詳しい説明は図1によるが、それらは適宜適合・変形可能である。
【0025】
反応装置の基礎部3、同装置のハウジング2の前面の一部、材料片7および材料片7用の搬送/反転ローラ8を図4に示す。材料片7は、開口部10′を経て反応装置内へ搬送されると共に開口部10*を経て反応装置から搬出される。ガス供給ラインと分配装置12はガスカーテン9′、9*用のガスを出すノズル13と共に、ガスカーテン9′、9*を生成し維持する。本発明によるガス誘導体又は偏向板は備えていない。ノズル13を出たガスは、ガス誘導空間を通らず、かつガス誘導空間では圧力が上がらないので、有効なガス障壁は形成できない。代わりにガスは任意に、そして非常に迅速に分配され、反応装置15の大きい内部空間で渦を形成し、反応装置の雰囲気の一部の漏出に対して確実な効果を有し、密閉手段を提供するガスカーテンは生成しない。
【0026】
図5は、図4と類似するが、図4と比べた基本的な違いは、本発明によるガス誘導体11、11a、11b、11cを備え、該誘導体と材料片7によりガス誘導空間14、14′、14”を形成し、好ましくない反応装置の内部からのガス漏れの大部分を防ぐ点にある。ここでも、反応装置の壁2の前面の一部、反応装置の基礎3、搬送/反転ローラ8、材料片7の一部7a、7b、7c、7d、7eを含む材料片7、反応装置の開口部10′、10*とガス出口開口部又はノズル3、13a、13bとに“カーテンガス”を供給するガス供給ラインと分配装置12を示している。ガス誘導体、ガス誘導空間およびノズル位置については、説明の目的で、考えられる様々な形状を1つの図内に略示している。しかし、これら様々な形態を1つの反応装置で実施すべきことを意味しない。ガス誘導体11、11*は、全面が閉鎖されており、材料片7とその一部7cに対向する面は平坦であり、ガス誘導体11と材料片7、7cの間の前記ガス誘導体の全長と全幅にわたり一定の間隔が生ずるようガス誘導空間14、14′を配置してある。よって、ガス誘導空間14′はガス誘導空間14より大きい。ガス誘導体11aは、反応装置の内部に開放した空間を囲むプレートとして構成されている。ここでも、材料片の一部7e、7dに対向する面は平坦であり、ガス誘導体11と材料片の一部7e、7dの間の前記ガス誘導体の全長と全幅にわたり、一定で均一な間隔を持つガス誘導空間14を形成するよう配置している。もう1つの実施形態を材料片7aの部分に示す。この材料片の一部7aの両面側に、二つのガス誘導体11b、11cが位置しており、その側面は反応装置の内部に向かって凸型に湾曲しており、均一形状14”のガス誘導空間を反応路の内部に向かって徐々に広がるよう形成している。ガス誘導体11bは湾曲板として形成され、隣接するガス誘導体11aと共に、リアクタ内部へ向けて開いた空間を形成しているが、この空間はガス誘導区間ではない。一方、ガス誘導体11cは、その二つの平坦な側が同じ凸型に湾曲した表面を持ち、閉鎖空間を形成している。材料片の一部7bの両面側には、2つの異なる形状のガス誘導体11c、11が位置している。材料片の一部7bの片側には、ガス誘導体11cが、反応装置の内部に向かって徐々に広がるガス誘導空間14”を形成しており、反対側のガス誘導体11は、材料片の一部7bと共にガス誘導体11の全長と全幅にわたり、一定の高さのガス空間14を形成している。別のガス誘導空間の例を材料片の一部7cで示す。材料片の一部7cの両側に位置するガス誘導体11、11*は同じ形状であり、材料片の一部7cに対する各間隔は、その幅と長さにわたり一定ではあるが互いに異なる。材料片7上のガス誘導空間が異なるガスシールは、一般的に特別の場合に限られる。全ガス誘導体11、11*、11a、11b、11cは、反応装置の内部に隣接する端部に鋭い縁部や角がないのが望ましい。これら端部は材料片7から離れる方向に僅かに曲げてある。
【0027】
ガス出口ノズル13、13a、13bの異なる形状と配置を図5に示す。材料片の一部7cから判るように、ノズル13がガス誘導体11の表面上から僅かに突出するか、ノズル13aがガス誘導体11aの表面を超えて突出し、更に折り曲げられてノズル13aを離れるガス流が、まずガス誘導体11aの表面に当たり、反射し、その後ガス圧が下がり、よって実質的に乱流が減った状態で材料片7dの表面に到達する。例えば材料片7bで示すように、ガス誘導体11c、11の間を非常に近い間隔に保たねばならない場合、ノズルが突出していると不都合である。この場合、ノズル13bを、ガス供給ラインと分配装置12内に取り込む。ノズル13、13a、13bは、好ましくは溝穴形ノズルで材料入口と出口開口部に全幅にわたり延在するとよいが、他のノズル形状も可能である。
【0028】
例えば凸又は凹型表面を持つローラで搬送又は偏向するので、材料片が曲がってしまうことが多い。図6は、表面が凸型に曲がった材料片を示す。反応装置を両側のハウジング2により略示している。2個の搬送/反転ローラ8に加え、その軸端16も示す。材料片7は、少なくとも反応装置の開口部の領域ではローラ8のように曲がっており、そのためガスカーテンを生成し維持せねばならない機器の部分もその曲率に合わせて湾曲している。その結果、ガスの供給ラインと分配装置12、ノズル13および材料の入口と出口開口部10の後ろ側にガス誘導空間14を形成するその表面(図示せず)も本発明によるガスシールの機能的能力の規定に合うように湾曲して形成する。
【0029】
図7は、材料片7が凹型に湾曲した点を除き図6に相当する。その内容に関しては、図6を参照されたい。図7は、図6の凸を凹と読み替えればよい。
【0030】
材料片は、非常にぴんと張られるので、その搬送帯域間、例えば搬送/反転ローラ8間で弛むことはない。しかし、これは、材料片とガス誘導体間の間隔がガスシールの位置で非均一であることを意味し、従って材料片の両側に異なるガス誘導空間が生ずる。よって、ガスシール効果が下がる危険がある。これに対処すべく、ガス誘導体11の表面を、弛みで生じた材料片7の湾曲に合わせて曲げ(図示せず)および/又はガス誘導体11を、図8に示す如く適当に傾けて取り付け、希望の、概略一定の間隔を材料片7の両側に確立する。
【0031】
図9は、ガス出口開口部又はノズル13、13aからのガス流が材料片7に当たり、かつ湾曲したノズル13aの場合には、隣接するガス誘導体11aの表面に当たる角度20、20′を示す。材料片7とガス供給ラインと分配装置12も併せて示す。直線ノズル13を出た後、ガス流21は、40(の角度20で材料片7に当たり、湾曲したノズル13aを出た後は、45(の角度20′でガス誘導体11aの表面に当たる。
【0032】
図1から図9は、本発明の基本的概念に従う本発明の可能な変形例の幾つかを示している。当業者には明らかであるがここに開示しなかった本発明の他の変形も、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0033】
本発明による、更に高効率のガスシールについて、ポリアクリロニトリル繊維片を連続的に酸化して非溶融性とするための反応装置内での2組の測定結果に基づき説明する。即ち、材料片を、反応装置内を水平に誘導し、両測定列で温度を180〜265(Cに上げる。酸化剤は空気である。他の生成物の内、高毒性ガスである気体状のシアン化水素(HCN)を反応装置内で起きている反応中に放出した。材料の入口と出口開口部でのガスシールの効果は、入口の隙間から10cmの距離にある最上部の材料入口開口部中心でHCN濃度を測ることで判定した。この測定場所を選んだのは、有害ガスと同様に材料の入口と出口開口部から漏出する可能性のあるガスを飛沫同伴する、炉の前面の外側に向かう上昇温暖気流が生まれるので、特にHCNの濃度が決まって高い場所であるためである。
【0034】
材料片を、反応装置の加熱された中心部の外側に位置する搬送/反転ローラにより反応装置を通って計23回水平に搬送した。従って反応装置は、これら開口部、即ち反応装置の前後に位置する材料の入口と出口開口部を合計46箇持ち、各開口部がガスカーテンで密閉されていた。室温の空気も材料入口と出口開口部でガスカーテンを生成する手段として働く。「カーテンガス」は溝穴型ノズルとして形成したノズルを初期速度105m/秒で出、材料片に向かい直接流れる。ノズルから流れる膜状のガスジェットは、45(の角度で材料片に当たった。
【0035】
第1の機能テストでは、反応装置の材料の入口と出口開口部を、従来の技術に従いガスカーテンで密閉した。この場合は、平均濃度15ppmのHCNを測定した(15回測定の平均値)。
【0036】
この第1のテストで得たHCN値は操作と環境安全に対し高すぎたので、反応装置の全ガスシールを本発明によるガスシールと交換した。図5に符号11で示す、密閉したガス誘導体を組み込んだ。ガス誘導体の長さは120mm、その表面と材料片の距離は25mmとした。かくして第2回目の機能テストを行った。操作条件は全て第1回目のテストと同じである。第1回目のテストとの唯一の違いは、ガスカーテンにガス誘導体がある点だけであった。同じ測定位置と条件で測定を行い、合計16回の測定から2ppmのHCN濃度を算出した。第1回目の機能テスト(15ppmのHCN)を第2回目の機能テスト(2ppmのHCN)と比較すると、本発明の方法により、上記のタイプのガスシールに、非常に大きな効率の改善が見られた。ガスカーテンを備えたこれらシールにおいて、反応装置から周囲の大気に排出されるガスの濃度は略10分の1に減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】
図1に示す反応装置の正面図である。
【図3】
本発明の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図4】
従来の技術による反応装置の開口部近傍領域の部分的縦断面である。
【図5】
本発明に従うガス出口開口部の種々の実施形態を示す断面図である。
【図6】
材料片を凸型に湾曲させる反応装置の正面図である。
【図7】
材料片を凹型に湾曲させる反応装置の正面図である。
【図8】
材料片用の搬送/反転ローラの異なる配列を示す断面図である。
【図9】
ガス流がガス誘導体と材料片に当たる角度を説明するための断面図である。
【符号の簡単な説明】
1、1′ 反応装置
2 反応装置ハウジング
3 反応装置の基礎
4 処理ガス用ガス供給ライン
5 処理ガス用ヒータ
6 処理ガス用ガス排出装置
7、7a〜7e 材料片
8、8′、8”、 8* ローラ
9、9′、9”、 9*、9** ガスカーテン
10、10′、10”、 10 開口部
11、11′、11*、11a〜11c ガス誘導体
12 ガス供給ラインおよび分配装置
13、13a、13b ガス出口開口部
14、14′、14” ガス誘導空間
15 反応装置内部
16 ローラ軸
17 中空ピラー
18 断熱材
19 支持枠
20、20′ ガス流が当たる角度
21 ガス流
(技術分野)
本発明は、材料糸又は片を処理する反応装置に関し、
−材料糸又は片の搬送方向と平行に延在する外側ジャケットを有すると共に、前壁、後壁、又は上下の閉塞壁を有し、前壁又は後壁、又は、前壁と後壁のいずれか、又は上下の閉塞壁又はその両方に、少なくとも一本の材料糸又は片を導入するための開口部を少なくとも一個有しおよび/又は少なくとも一本の材料糸又は片を引き出すための開口部を少なくとも一個有することと、
−材料糸又は片を反応装置内を通過させる装置と、材料糸又は片を反応装置に搬送すると共に反応装置から搬出する装置とを有することと、
−反応装置の内部又はその一部および/又は材料糸或いは片又はその一部を加熱し、もしくは反応装置の内部又はその一部および/又は材料糸又は片又はその一部を冷却する装置を備えているか或いは該装置を備えていないことと、
−温度を調整した又はしていないガスを反応装置空間に供給するおよび/又は反応装置空間からガスを除去する装置を有していることと、
−少なくとも一本の材料糸又は片が、開口部を通って反応装置空間に入るおよび/又は少なくとも一本の材料糸又は片が反応装置空間から出る場所に、ガス排出口を有するガス供給ラインおよび分配装置を備えており、それにより、材料の入口又は出口のための開口部からガスを流出して、ガスのカーテンを生成し、好ましくない物質が反応装置空間内に侵入するのを防ぐのと同時に好ましくない物質が反応装置空間内から出て行くのを防止することとを特徴とする反応装置用のガスシール関する。
【0002】
(背景技術)
例えば高温、連続操作で無端の材料糸又は片を処理するため、この無端材料を搬送装置、一般的にはローラを備えた電動速度調整引き出しおよび巻き取り装置で引っ張って反応装置内を通過させる。従って、材料糸又は片は、一度だけ、又は多くの場合にそうであるように、数回連続的に反応装置内を通過する。後者の場合、工程にかかる経費のため、材料糸又は片は、先ず反応装置内を通過し、その後、一般的にはローラを反転させることですぐに戻され、もう一度反応装置内に搬送される。この操作は、その工程で必要な回数だけ繰り返される。多くの場合、反応装置は、材料糸又は片を、所望の物理的処理を施すためにある特定の温度に曝す機器を構成するだけでなく、温度処理と並行して化学反応も行い、そのため一般的には、ガス又は蒸気の形態の反応物質を反応装置内に導入することがしばしばあり、所定の滞留時間後、反応生成物と共に反応装置から取出す。反応装置内部のガス空間に毒性又は腐食性、或いは他の理由から反応装置を取り囲む雰囲気に排出できないガス又は蒸気が含まれている場合、材料糸又は片を反応装置内に搬入又はこれから搬出する入口と出口を全て密閉し、反応装置の外部の人間、材料又は環境に有害な又は不利な影響を与えぬようにせねばならない。
【0003】
この問題の解決策として幾つかの技術が挙げられる。例えば反応装置から出るガスおよび蒸気を吸引して除去し、害を及ぼさないようにガス封止箱を材料の入口と出口に設けてもよい。しかし、この種封止箱は嵩張るため、材料糸又は片の出入り口の邪魔になり、更に、有毒物質を確実に除去するため、異質の又はバラストガスをガス封止手段内に大量に吸引して処理せねばならず、また再利用および/又は再生のことを考えると、反応装置の内部に残ったガスおよび蒸気の一部がガス封止空間に吸引されて無駄になるという欠点がある。後者の欠点は、ガス封止空間が減圧環境下で作動する場合に生ずる。材料糸又は片の反転ローラをガス封止室内に設置せねばならず、この解決法では、高圧環境下で作動するガス封止手段は、「減圧ガス封止手段」より更に多くの設置スペースを取る。また、例えばガス封止室に材料糸又は片用の通路を設けると、有害な物質の一部がこれら通路を経て外に出てしまう。また「高圧ガス封止手段」の場合、材料糸又は片の視覚検査ができず、不完全な検査のみとなるため、作業者が直接行うことができずおよび/又は反応装置で行われる工程において必要となる材料糸又は片の制御、調整および予防のための措置を十分迅速に行えない可能性がある。別の手段として、所謂ガスカーテンがある。この場合、材料糸又は片を反応装置内に搬送する、又はそこから搬出する開口部において、炉の内部に向けて実質的にガス流が生成するように、また、有害なガスや蒸気が反応装置から出ないよう、動的カーテンとして機能するように、無害のガスを適当な開口部又はノズルから炉の開口部内および材料糸又は片上に吹き付ける。
【0004】
しかし、以下に示すように、ガスのカーテンを利用した従来知られた密閉方法も、満足のいく動作はしない。
【0005】
米国特許第5928986号明細書は、炭化状態の炭素繊維又は糸の繊維表面の活性剤を、800〜1000(Cの温度の適したガスで酸化させるための炉を開示する。炉は、材料糸の入口と出口開口部では、冷却および吸引装置を備えたガス封止室を備える。炉から出てガス封止室に入るガスは、吸引装置により吸出され、無害となる。もう1つの変形例では、不活性ガスをガス封止室内に吹き込む。この不活性ガスは、ガスのカーテンを生成し、空気が炉内に入るのを防ぐ。このガスも殆どの部分がガス封止室から吸出される。ここで、何れの場合も、気体状の含有物を吸出するガス封止室が関係してくる。第1の場合には炉から出るガスが、そして第2の場合にはガス封止室内に導入される残滓ガスが炉で発生するガスと共に吸い出される。この場合、ガスのカーテンが多少なりとも生ずるなら、炉の作業空間の実際の入口ではなく、ガス封止室内で生成される。
【0006】
独国特許出願公開第3312683号明細書は、所謂予備酸化繊維から炭化した炭素繊維を製造する縦型貫流炉を開示する。生産工程は300〜1500(Cの温度で行われる。この工程を実施するのに必要な予備酸化繊維は、例えばポリアクリロニトリルからなる有機繊維を処理するための上流処理段階で、300(C迄の温度で製造される。この繊維は不融性である。炭化炉における繊維の処理は、保護ガスを用いて行われる。このため、保護ガスは、詳しい説明は省略するが、炉の下部材料出口に吹き込まれ、該ガスは、炉内で上方向に上がる。繊維片用の入口と出口開口部から比較的距離を開けた位置にある加熱域の近くに、温度調整保護ガスを吹き込み、加熱室又は加熱域内にガスカーテンを生成するノズルを備える。ノズルの直下に、吹き込まれた保護ガスの大部分を取り除く吸引開口部があり、該開口部を経てここで気体又は蒸気状の炭化工程の反応生成物で満された吹き込み保護ガスの大部分が除去される。このガスのカーテンは、有害で、特にタールを含む分解生成物が縦型炉内を上方に流れ、炉の上部域の冷却器に流れ込むのを防ぐものであり、炉を外部から密閉することを意図してはいない。
【0007】
直接反応空間内ではなく、材料の入口と炉の出口に形成され、ガス封止室を備えていないガスカーテンは、米国特許第6027337号明細書に記載されている。炉は、約150〜300(Cの温度でポリアクリロニトリル繊維から炭化繊維を製造すべく、好適には予備酸化した不溶解性繊維を生成するために用いる。よって、繊維は空気流に曝されることになる。この反応で、そして蒸気と二酸化炭素に加えて、たとえ非常に少量でも決してあってはならないシアン化水素や一酸化炭素のような非常に有毒なガスが放出され、捕獲されずに炉外の空間にも排出され得る。ここで用いる技術的な解決策は、空気用の出口、特に広い溝穴形状のノズルを、材料片を炉へ搬入・搬出する各点に空気供給ラインと分配装置を設けることである。炉内を外気から密閉すべくガスカーテンを生成するため、ガスをこれらノズルから炉内へ向けて所定の角度で噴出させる。よって、殆どが炉内に向かい、ガスカーテンとして作用する空気の流れが炉の内部に対向する繊維の糸又は繊維片用の開口部の側部に形成される。しかし、毎日の作業で、材料片の出入り口の近傍における有害ガスの濃度が高すぎることが判ったため、この技術的解決策も期待を完全に満すことはできなかった。
【0008】
(発明の開示)
よって、本特許出願の基礎となる本発明の目的は、材料糸又は片に対し何らかの処理を行う反応装置の内部の前記材料糸又は片の出入り口用開口部において、該開口部での反応装置の反応空間からの、好ましくないガスの流出を安全なレベル迄確実に低下可能なガスシールを提供することにある。
【0009】
この目的は、ガス供給ラインと分配装置が少なくとも1つの偏向板、即ちガス誘導体を備えるという請求項1記載の特徴部分により達成でき、ガス誘導体を、
−反応装置内部に向かって延在させることと、
−反応装置内部の方向から見て、ガス供給ラインおよび分配装置のガス排出開口部の後に配置することと、
−材料糸又は片の表面から距離をおいて配置することと、
−材料糸又は片に隣接する表面を、ガス供給ラインおよび分配装置のガス排出開口部と同じ幾何学的レベル又はガス排出開口部の幾何学的レベルとは異なるレベルに配置することとを特徴とする。
【0010】
従属請求項は、本発明の更に有利な変形例を示すものであり、本発明の説明内にも記載されている。
【0011】
「材料糸又は片」という用語は、本発明では、編み物又は布の形態、任意の層の形態のフィラメント、繊維、糸、例えば織物のようなテキスタイル工程で張り合わせた又は結合したフィラメント、繊維、糸、更には膜、積層物又はシート等の材料であって、処理のために開口部を通して反応装置内に搬送でき、更に処理後は反応装置から搬出できる材料を指すものとする。このタイプの材料には、例えばプラスチック、ガラス、セラミックス、炭素、天然又は合成繊維、ゴム又は広範囲にわたる各種複合材料が含まれる。説明の都合上、以降材料片という用語でこれら全ての材料を意味するものとする。
【0012】
「反応装置」という語は、本発明では、処理対象の材料の出入り口と、目的とする処理に必要な操作手段の出入り口を有する、壁で囲まれた空間を意味する。又この反応装置は、例えば測定、制御および搬送装置、ガスおよび蒸気の誘導、搬送、処理装置、更に加熱、冷却およびエネルギー利用装置および/又は操作の安全および環境保護用設備等の各操作に必要なあらゆる機器を含む。このような反応装置は、高温で作業することが多く、よって炉とも見なし得る。本発明の内容から、材料片は水平(横型反応装置)又は垂直(縦型反応装置)方向に搬送されて反応装置を通過する。好ましくは、材料片の搬送レベルは、傾斜していても、カーブしていてもよい。又反応装置は、反応装置内部の気体状の内容物を循環させるための装置を備えていてもよい。
【0013】
「偏向板又はガス誘導体」という用語は、本発明では反応装置のガス供給ラインおよび分配装置の位置又はそれに隣接する位置に取り付けた、何等かの形状を有するガス誘導体を意味する。説明の都合上、以降、偏向板およびガス誘導体については、ガス誘導体という用語を使用することとする。
【0014】
ガス供給および分配装置は、材料片用の出入り口の全幅にわたって均一に広がり、ガスカーテンの生成に必要なガスを分配する。更にこの装置は、材料片の出入り口全幅にわたり、好ましくはノズルの形状の開口部を1個以上備える。これらノズルは適した形状であれば、いかなる形状でもよい。ノズルを、所定の方向のガス流を生成および維持できるように、特定の方法で空間的に並べる。そのガス通路および/又はガス出口開口部は、例えば円形又は楕円形のような角のない形状、或いは、例えば正方形や長方形のような直角四辺形、また四辺形以上の多角形でもよい。ガス出口の開口部は水平でも、傾斜していても、或いは特殊な外形を有していてもよい。有利な実施形態によると、ノズルは溝穴形状であり、入口又は出口開口部の全幅にわたって延在する。ノズルのガス出口溝穴は、ガスの流れに特定の方向又は特定のトルクをかけるかにより直線状でも、湾曲していてもよい。ガスカーテンを生成するガスは、これらのガス出口ノズルによって特定の角度および速度で炉内に噴出される。更に詳しくは本明細書においても引用した米国特許第6027337号明細書を参照されたい。本発明によると、ガス出口の開口部又はノズルの位置により、反応装置の内部に向けたガス流と、材料片の表面又はガス誘導体に直接隣接する表面との間に形成される角度は、30〜60(、特に40〜50(であるのが好ましい。ガス流は、50〜140m/秒の範囲の初期速度であるのがよい。ガス誘導体は、炉の内部で特定の長さにわたり、材料片から間隔を空けて延在する。ガス誘導体は、その都度最も近い位置にある材料片と共に通路又はガス誘導空間を形成するように取り付けるか、或いは少なくとも部分的にガス透過性を有する材料片の場合には、前記材料片用の同じ出口又は入口の開口部で、当該材料片の各々反対側において間隔を空けて位置するガス誘導体との間に取り付ける。従来の例とは異なり、ガスカーテンを生成するガス流は、誘導されずに大型の反応装置の内部に渦巻き型に分散して噴射され、有害なガスの一部が反応装置の開口部に逆流することはない。代わりに、ガス誘導体の間に位置するガス誘導空間に滞留し、誘導されて炉内に入る。ガス圧は、炉内では、材料の出入り口に直接隣接する領域の内側が、炉の内部より幾分高くなっている。ガス誘導空間の高さは、別の理由から適当でない場合を除いては低く維持される。結果として、炉内にある有害なガスは、外に出るには有向流に反しガス誘導空間内に分散せねばならない。しかし、ガス誘導空間のガスの速度がその断面全体にわたり均一に分布しており、外側に向かって流れるガスの粒子の分散速度より大きい場合には、これは技術的に不可能である。これらの条件は本発明の解決法により保証される。
【0015】
ガスの供給ラインと分配装置は、材料片出入り口の開口部の全幅にわたり延在し、その平坦な両側に平行に配置され、後者に位置するガスの出口開口部が「カーテンガス」の少なくとも片側における、少なくとも1つの材料出口又は入口開口部で供給できるよう構成される。反応装置に材料の出入り口用の開口部を1つ以上設けた場合、各ガスの供給ラインと分配装置は、隣接して平行に延在する二本のガス出口開口部の列、又は材料出入り口の開口部の全幅にわたり延在し、隣接して平行に延在する二本の溝穴形状のノズルを備える。ガス出口開口部の1つの列又は1個の溝穴形状のノズルは、ガス誘導体と材料片の間に位置するガス誘導空間に第1の材料入口又は出口の開口部でガスを供給し、それに隣接するガス出口開口部の列又はこれに隣接する他方のスリット型ノズルは、ガス誘導体と材料片との間のガス誘導空間に、この第1の出入り口開口部に直接隣接して位置する第2の材料入口又は出口の開口部でガスを供給する。ガス供給ラインと分配装置は、1つおきの隣接する材料出入口の開口部にガスを半分ずつ供給する。これは材料の入口に対してのみ当て嵌まり、最初と最後の出口として反応装置のハウジングの平坦な側に接する開口部には適用されない。ガス誘導体は、材料の入口又は出口開口部と同じ幅であり、ガス供給ラインと分配装置に固定するか、後者に直接隣接して固定する。ガス誘導体は、所定の長さだけ反応装置の内部に突出しており、特に好ましい実施形態では、材料片に対し同じ間隔を保つ。しかし、その材料片に対する間隔は、材料片の二つの平坦側で異なる。通常の場合、各材料片の隣接する表面からガス誘導体の表面迄の最低間隔は5mmである。特殊な場合には、これより狭いこともある。この間隔は、15〜40mmが好ましい。ガス誘導体の長さ、例えばガス出口開口部又はノズルから反応装置内部の方向への寸法は、ある限度内で変動してもよい。その限界は、ガス誘導体の長さの、該ガス誘導体の表面とそれとすぐ隣接する材料片の表面との間の間隔に対する比により決まる。この比は多くても10対1で、4対1〜6対1が好ましい。本発明のある実施形態では、ガス誘導体は平坦面を持つ。もう1つの実施形態では、その表面は湾曲している。その横方向の表面、即ち材料の入口又は出口の開口部又は材料片の幅の表面が湾曲している場合、その湾曲は凸型でも凹型でもよい。材料片用の搬送又は反転ローラが、例えば技術的な理由から“群”をなしている場合や、その直径が外側から内側に向かい徐々に小さくなっている場合には、このような湾曲を設ける。更に、ガス誘導体表面の横方向、即ち材料の入口や出口開口部の幅又は材料片の幅方向の表面を、材料片の片側で凸形状とし、他端側で凹形状にできる。この形状は、材料片がその幅方向に弛み、ガス誘導体の表面と材料片の間の間隔が一定に保たれている場合に有利である。ガス誘導体の表面も、やはり長手方向、即ち材料の入口又は出口開口部から反応装置の内部に向かって湾曲していてもよい。ここでも、同じ材料片に対向するガス誘導体の二つの面を相補形状、即ち材料片の湾曲又は弛みに従い、上面を凸、下面を凹にできる。また、同じ材料片に隣接する二つのガス誘導体の二面を、それらに囲まれたガス誘導空間が反応装置の内部に向かうにつれ広くなるよう湾曲させてもよい。かかるガス誘導体の両凸面又は楔形の形状は、概して、このガス誘導空間内で特定の速度プロファイルを生成する。ガス誘導体の表面形状の前述の組み合わせも、勿論可能である。しかし、これらは、技術的に適し、必要な費用と努力が正当なものであると判断したときのみ採用する。一般的にガス誘導体の反応装置内部に面する縁部および/又は角部は、凸凹や角のないようにするか、面取りをしたり、僅かに角度をつけたりするとよい。これは、材料片がガス誘導体に接した際、それらを磨耗や損傷から守るべく行う。より一般的には、材料片の磨耗や損傷を防ぎ、汚れの付着や沈着を最低限にして、掃除がしやすいようにガス誘導体の表面を滑らかにする。また表面に粘着防止剤を被着するか、或いは適当な方法で腐食から守るのがよい。好ましい実施形態では、各材料の入口と出口開口部における各材料片が、二つのガス誘導体の表面で形成されるガス通路内を走行するようにガス誘導体を各材料片の各々の側に配置する。必要なら、或いは有利なら、ガス誘導体を、材料片の片側に1つだけ設けるような別法も考えられる。
【0016】
ガス誘導体の形状と詳細な実施形態は、反応装置の構造的および技術的条件に応じ変わる。ガス誘導体は、閉鎖形状、即ち反応装置と全く連通しないか、僅かに連通する中空の空間を囲むような形状でもよく、また、間に反応装置の内部と自由に連通する空間を設けた金属誘導シート又は誘導面を有するものでもよい。このような閉鎖型装置は、反応装置の内部でガス流を受けない内部のデッドゾーンに物質が不都合に付着してしまうような場合に好ましい。
【0017】
ガス誘導体は、ガスカーテンを生成するためのガスの出口開口部に対して様々な位置に設置できる。一方では、これら出口開口部と同じ面又は同じ幾何学的レベルに配置し、隣接する材料片から間隔を空けて反応装置の内部に向かい延在させてもよい。この場合、ガス流は、まず材料片上に誘導され、少なくともその一部が反射してガス誘導通路内を通って反応装置内に入る。或いはガス誘導体を、ガスカーテンを生成するためのガスの出口開口部がガス誘導体の表面より上に上昇するように、即ちこれら反応装置の入口開口部がガス誘導体と材料片の間の空間にある程度突出するように配置できる。開口部から出るガス流は、この配置では、材料片上に誘導され、ガス流の少なくとも一部が反射してガス誘導空間内を通って反応装置の内部に入るか、又はガス出口開口部迄延在するノズルが湾曲され、ガス流が、まず、ガス誘導体の表面に当たってそこで反射し、流圧が下がって偏向されて材料片上に当たり、ガス誘導空間内を流れて反応装置内部に流入する。第3の方法では、ガス誘導空間に隣接するガス誘導体の表面はガス出口開口部の上方に突出する。この場合、ガス出口開口部を、僅かにガス誘導体の前に位置させておくと、ガス流は、まず材料片上に吹き付けられ、そこから少なくともガス流の一部が反射し、速度が低下してガス誘導体の表面に当たり、最終的にはガス誘導空間を通って反応装置の内部に入る。この方法は、特に材料片とガス誘導体の間の間隔が、特別狭く設定されている場合に採用される。ガス誘導体の形状、詳細な実施形態および位置は、反応装置の構造的、技術的環境によって変わるので、当業者にとり適宜の方法を選択できる。
【0018】
ガス誘導体は、目的とする加工条件に適したあらゆる材料から形成できる。これに伴う手間と費用および加工のしやすさを考慮し、それらは、鉄、鋼、ステンレス鋼、銅、真鍮、青銅、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属や合金から形成される。しかし場合により、前記のような金属や金属合金以外の材料、例えば磁器、石器、炭化珪素、炭素、グラファイト又はガラス等のようなセラミックス材から形成することもできる。環境的に必要なら或いは許せば、例えば繊維強化プラスチック材、繊維強化炭素又は薄片積層材料或いは、例えばフッ素重合体、フッ素−クロロポリマ、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノールホルムアルデヒド樹脂又はエポキシ樹脂等の熱可塑性および熱硬化性の材料の群に属する天然又は合成物質等の複合材料も使用できる。ガス誘導体の表面又は誘導体それ自体は、繊維、糸、編糸又はワイア等を合わせて織物状にしたものでもよい。この目的のためには、各種織物が最も一般的に使用される。しかし非織物材や、任意に配置した層材料も特殊な場合には使用できる。この種織物の複合体は、この目的に適したいかなる材料からも構成でき、例えばプラスチック繊維、天然又は合成繊維材料、鉱物、ガラス、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、炭素又はグラファイト繊維或いは、例えば鋼、ステンレス鋼、銅、真鍮、青銅ワイア等から構成することもできる。
【0019】
ガスシールを生成して維持すべく、ガス供給ラインと分配装置を経て、またガス開口部又はノズルから反応装置内に噴出されるガスの温度は、反応装置内の加工手順によって異なる。加工手順が特別な関連手段を必要としないなら、ガスは大気温度でよい。あまり低温のガスを噴出すと加工の妨げとなり、また、高温のガスが必要又は有利な場合にはガスを予め加熱する。これは、例えば反応装置内が高温である場合等がそうである。低温ガスは、実際に高温の反応空間に入る際に加熱され、膨張して、ガスシールの近傍に好ましくない逆圧を生ずる可能性がある。反応装置の材料の入口と出口又は反応装置それ自体を冷却する必要がある場合、予め冷却したガスを吹き込むとよい。必要なら、比較的大きい前述のような逆圧の形成の危険性を考慮し、ガス誘導空間にそれに対応したガス圧を生成する。本発明の更に別の変形例によると、少なくとも一部が反応装置の内部から引き出したガスによりガスシールが確立する。この際適度に絶縁した導管を使用してこのガスのエネルギーを有利に利用できる。勿論、この種ガスが、反応装置の外部の大気に漏出してはならない成分を含まない場合もある。これは、例えば反応装置内の保護ガスにより単純に製品の温度処理を行う場合や、ガスを処理中又は反応装置を出た後に浄化し、有害物質を取り除ける場合等である。かかる浄化は、後燃焼装置内での燃焼により熱で行う。本発明の更に別の有利な変形例では、放出された熱エネルギーを利用し、ガスシールを作動させるのに使用する周知の熱伝達装置でガスを加熱できる。ガスを少なくとも部分的に加熱し、ガスシールを作動させるのに使用する熱交換器を通して反応装置から十分な高さの熱成分を含むガスを誘導すれば、後燃焼装置がなくても、同様の効果が達成できる。
【0020】
本発明のもう1つの変形例では、ガス誘導体は、反応装置の材料の入口および出口開口部で確実なガスシールを維持するだけではない。ガス誘導体は、ガスシールに必要であり、反応装置内に吹き込まれるガスを加熱又は冷却するための加熱又は冷却体として設計してもよい。このガスの温度調整を、反応装置の内部で行われる工程に利用できる場合、ガスシールを維持するために絶対的に必要な量より多いガスを炉内に導入してもよい。例えば反応装置の両端近傍での特定の温度プロファイルのメンテナンスがある。かかる目的の適用方法では、前述の本発明の好ましい実施形態に対し指定された以上に、隣接する材料片の表面からの距離に対するガス誘導体の長手方向の長さの比を変更することも必要となる。
【0021】
例として示した略図を参照にしながら、本発明について詳しく説明する。
【0022】
図1の反応装置1は、基礎3上に立設したハウジング2で囲まれている。ガス供給ライン4と加熱装置5は、反応装置15の内部を加熱ガスで満している。反応生成物を伴う使用済みのガスは、ガス排出口6を経て反応装置1から出、材料および/又は熱回収装置又はガス浄化装置(図示せず)に送られる。引き出し装置(図示せず)から送られる材料片7は、反応装置の空間の前に位置するローラ8′上に搬送され、ガスカーテン9により密閉された開口部10を経て反応装置1に送られる。材料片7は、反応装置1を通り、まず前記反応装置1から同様にガスカーテン9*で密閉された開口部10*から出る。更に材料片7は、やはり反応装置1の外側に位置するローラ8により偏向され、同様にガスカーテン9′で密閉された開口部10′から再び反応装置に入る。この様に、材料片7は、反応装置1を合計8回とおり、その結果、材料片は、ローラ8、8*により毎回反転されて開口部10′から反応装置1内に入り、反応装置1から開口部10)を通じて出る。全ての開口部10、10′、10”、10*、10**は、ガスカーテン9、9′、9”、9*、9**により密閉される。反応終了後、材料片7は、最後のガスカーテン9**で密閉された開口部10**から反応装置1を出、ローラ8”下を走行し、巻き取り装置(図示せず)へ進む。かかる反応装置は、例えば大気中でポリアクリロニトリル材片を溶融するための、約180〜320(Cで作動する炉である。反応装置は、例えば更に高い温度で使用し、不溶解性であり、繊維、布又はフェルト片の形態である繊維を炭化してもよい。炭化は、勿論非酸化雰囲気内で行わねばならない。本発明によるガス誘導体又は偏向板11、11′は、材料入口10、10′、10”と出口10*、10**用の反応装置1の開口部に位置している。これら各開口部10、10′、10”、10*、10**には、これら対のガス誘導体(11、11′)を設けてあり、ガスは、二つの側から常に材料片7上を流れるよう構成されており、その結果外側の大気に対し、反応装置の内部を確実に密閉している。例えば材料片の片側が材料入口又は出口開口部において比較的長い距離にわたり、場合によっては液体膜上を滑走するような特別な場合(図示せず)には、両側にガスを吹き付ける工程は省略してもよい。この場合、ガス誘導体は材料片の片側にのみ配置する。ガスカーテン9、9′、9”、9*、9**を維持するのに必要なガスは、パイプラインとして形成したガス供給ラインと分配装置12を経て誘導され、材料入口開口部10、10′、10”と出口開口部10*、10**へ進み、そこで全幅にわたり均一に分配され、空間的に方向付けられたノズル13を経て入口および出口開口部10、10′、10”、10*、10**を出て、所定の角度で材料片7に対して吹き付けられる(図9も参照)。少なくともガスの一部はこれら材料片7から偏向され、反応装置15の内部より高いガス圧で、ガス誘導体11と材料片7又は非常にガスが透過し易い材料片7の場合、隣接するガス誘導体11の対向する二つのガス誘導面にて形成されるガス誘導空間14内に吹き付け、最終的には反応装置15の内部に入る。最も上と下に位置する材料入口開口部10、10”と出口開口部10*、10**のガス誘導体11′、即ち反応装置の壁に面した側に材料片がないガス誘導体は、ガス出口開口部又はノズル13を、ガスカーテン9、9”、9*、9**を生成すべき材料片7に面した側にのみ設ける。
【0023】
図2は、図1に示す形式の反応装置1の正面図である。ここでも、反応装置1は、反応装置ハウジング2と、反応装置基礎3と、処理ガス用のガス供給ライン4と、処理ガス用のヒータ5と、処理ガス用のガス排出口6とを備える。炉体の左右にローラ軸16と、ローラ8、8*用の軸受け、ギヤ機構、駆動装置を収容したカラム17、17′を設けている。材料片7は、ローラ8、8*上を反応装置へ、また反応装置から入口開口部10′、10”と出口開口部10*を経て搬送される。ガスカーテン(図1の9)を生成すべく使用するガスは、ここでは見えないが、ガス供給ラインと分配装置12を経て、この場合、材料入口開口部と出口開口部10′、10”、10*の全幅にわたり延在する溝穴形状のノズルとして形成したガス出口開口部13に送られる。ガスは、空間的に方向付けられて後者から出、ガス誘導空間14に、更に改善されたガスカーテンを形成する。
【0024】
図3に示す反応装置1′は、図1に示すそれと設計と構成で類似する。図1の反応装置1との最も重要な違いは、この装置1′では、下から上に向かって反応装置1′を通る一本の通路内で材料片が搬送および処理され(図示せず)、或いは図3に示すように、反応装置1から出る前に、下から上および上から下に向かい反応装置内を数回通過して処理される縦型反応装置である点である。よって、材料片を下から反応装置1に導入し、それらを、図3に示す如く、下から引き出すか又は図示しない、上方から反応装置1の内部に導入してそれらを再び同じ側で取り出すか、同様に図示しないが、材料片を下から導入し、それらを上で取り出し又はその逆にするか、当業者の裁量による。反応装置1は、図1に示す反応装置1の変形として、更に断熱材18を備え、支持枠19内に取り付けている。その他の特徴は、図1の反応装置1と同じである。よって詳しい説明は図1によるが、それらは適宜適合・変形可能である。
【0025】
反応装置の基礎部3、同装置のハウジング2の前面の一部、材料片7および材料片7用の搬送/反転ローラ8を図4に示す。材料片7は、開口部10′を経て反応装置内へ搬送されると共に開口部10*を経て反応装置から搬出される。ガス供給ラインと分配装置12はガスカーテン9′、9*用のガスを出すノズル13と共に、ガスカーテン9′、9*を生成し維持する。本発明によるガス誘導体又は偏向板は備えていない。ノズル13を出たガスは、ガス誘導空間を通らず、かつガス誘導空間では圧力が上がらないので、有効なガス障壁は形成できない。代わりにガスは任意に、そして非常に迅速に分配され、反応装置15の大きい内部空間で渦を形成し、反応装置の雰囲気の一部の漏出に対して確実な効果を有し、密閉手段を提供するガスカーテンは生成しない。
【0026】
図5は、図4と類似するが、図4と比べた基本的な違いは、本発明によるガス誘導体11、11a、11b、11cを備え、該誘導体と材料片7によりガス誘導空間14、14′、14”を形成し、好ましくない反応装置の内部からのガス漏れの大部分を防ぐ点にある。ここでも、反応装置の壁2の前面の一部、反応装置の基礎3、搬送/反転ローラ8、材料片7の一部7a、7b、7c、7d、7eを含む材料片7、反応装置の開口部10′、10*とガス出口開口部又はノズル3、13a、13bとに“カーテンガス”を供給するガス供給ラインと分配装置12を示している。ガス誘導体、ガス誘導空間およびノズル位置については、説明の目的で、考えられる様々な形状を1つの図内に略示している。しかし、これら様々な形態を1つの反応装置で実施すべきことを意味しない。ガス誘導体11、11*は、全面が閉鎖されており、材料片7とその一部7cに対向する面は平坦であり、ガス誘導体11と材料片7、7cの間の前記ガス誘導体の全長と全幅にわたり一定の間隔が生ずるようガス誘導空間14、14′を配置してある。よって、ガス誘導空間14′はガス誘導空間14より大きい。ガス誘導体11aは、反応装置の内部に開放した空間を囲むプレートとして構成されている。ここでも、材料片の一部7e、7dに対向する面は平坦であり、ガス誘導体11と材料片の一部7e、7dの間の前記ガス誘導体の全長と全幅にわたり、一定で均一な間隔を持つガス誘導空間14を形成するよう配置している。もう1つの実施形態を材料片7aの部分に示す。この材料片の一部7aの両面側に、二つのガス誘導体11b、11cが位置しており、その側面は反応装置の内部に向かって凸型に湾曲しており、均一形状14”のガス誘導空間を反応路の内部に向かって徐々に広がるよう形成している。ガス誘導体11bは湾曲板として形成され、隣接するガス誘導体11aと共に、リアクタ内部へ向けて開いた空間を形成しているが、この空間はガス誘導区間ではない。一方、ガス誘導体11cは、その二つの平坦な側が同じ凸型に湾曲した表面を持ち、閉鎖空間を形成している。材料片の一部7bの両面側には、2つの異なる形状のガス誘導体11c、11が位置している。材料片の一部7bの片側には、ガス誘導体11cが、反応装置の内部に向かって徐々に広がるガス誘導空間14”を形成しており、反対側のガス誘導体11は、材料片の一部7bと共にガス誘導体11の全長と全幅にわたり、一定の高さのガス空間14を形成している。別のガス誘導空間の例を材料片の一部7cで示す。材料片の一部7cの両側に位置するガス誘導体11、11*は同じ形状であり、材料片の一部7cに対する各間隔は、その幅と長さにわたり一定ではあるが互いに異なる。材料片7上のガス誘導空間が異なるガスシールは、一般的に特別の場合に限られる。全ガス誘導体11、11*、11a、11b、11cは、反応装置の内部に隣接する端部に鋭い縁部や角がないのが望ましい。これら端部は材料片7から離れる方向に僅かに曲げてある。
【0027】
ガス出口ノズル13、13a、13bの異なる形状と配置を図5に示す。材料片の一部7cから判るように、ノズル13がガス誘導体11の表面上から僅かに突出するか、ノズル13aがガス誘導体11aの表面を超えて突出し、更に折り曲げられてノズル13aを離れるガス流が、まずガス誘導体11aの表面に当たり、反射し、その後ガス圧が下がり、よって実質的に乱流が減った状態で材料片7dの表面に到達する。例えば材料片7bで示すように、ガス誘導体11c、11の間を非常に近い間隔に保たねばならない場合、ノズルが突出していると不都合である。この場合、ノズル13bを、ガス供給ラインと分配装置12内に取り込む。ノズル13、13a、13bは、好ましくは溝穴形ノズルで材料入口と出口開口部に全幅にわたり延在するとよいが、他のノズル形状も可能である。
【0028】
例えば凸又は凹型表面を持つローラで搬送又は偏向するので、材料片が曲がってしまうことが多い。図6は、表面が凸型に曲がった材料片を示す。反応装置を両側のハウジング2により略示している。2個の搬送/反転ローラ8に加え、その軸端16も示す。材料片7は、少なくとも反応装置の開口部の領域ではローラ8のように曲がっており、そのためガスカーテンを生成し維持せねばならない機器の部分もその曲率に合わせて湾曲している。その結果、ガスの供給ラインと分配装置12、ノズル13および材料の入口と出口開口部10の後ろ側にガス誘導空間14を形成するその表面(図示せず)も本発明によるガスシールの機能的能力の規定に合うように湾曲して形成する。
【0029】
図7は、材料片7が凹型に湾曲した点を除き図6に相当する。その内容に関しては、図6を参照されたい。図7は、図6の凸を凹と読み替えればよい。
【0030】
材料片は、非常にぴんと張られるので、その搬送帯域間、例えば搬送/反転ローラ8間で弛むことはない。しかし、これは、材料片とガス誘導体間の間隔がガスシールの位置で非均一であることを意味し、従って材料片の両側に異なるガス誘導空間が生ずる。よって、ガスシール効果が下がる危険がある。これに対処すべく、ガス誘導体11の表面を、弛みで生じた材料片7の湾曲に合わせて曲げ(図示せず)および/又はガス誘導体11を、図8に示す如く適当に傾けて取り付け、希望の、概略一定の間隔を材料片7の両側に確立する。
【0031】
図9は、ガス出口開口部又はノズル13、13aからのガス流が材料片7に当たり、かつ湾曲したノズル13aの場合には、隣接するガス誘導体11aの表面に当たる角度20、20′を示す。材料片7とガス供給ラインと分配装置12も併せて示す。直線ノズル13を出た後、ガス流21は、40(の角度20で材料片7に当たり、湾曲したノズル13aを出た後は、45(の角度20′でガス誘導体11aの表面に当たる。
【0032】
図1から図9は、本発明の基本的概念に従う本発明の可能な変形例の幾つかを示している。当業者には明らかであるがここに開示しなかった本発明の他の変形も、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0033】
本発明による、更に高効率のガスシールについて、ポリアクリロニトリル繊維片を連続的に酸化して非溶融性とするための反応装置内での2組の測定結果に基づき説明する。即ち、材料片を、反応装置内を水平に誘導し、両測定列で温度を180〜265(Cに上げる。酸化剤は空気である。他の生成物の内、高毒性ガスである気体状のシアン化水素(HCN)を反応装置内で起きている反応中に放出した。材料の入口と出口開口部でのガスシールの効果は、入口の隙間から10cmの距離にある最上部の材料入口開口部中心でHCN濃度を測ることで判定した。この測定場所を選んだのは、有害ガスと同様に材料の入口と出口開口部から漏出する可能性のあるガスを飛沫同伴する、炉の前面の外側に向かう上昇温暖気流が生まれるので、特にHCNの濃度が決まって高い場所であるためである。
【0034】
材料片を、反応装置の加熱された中心部の外側に位置する搬送/反転ローラにより反応装置を通って計23回水平に搬送した。従って反応装置は、これら開口部、即ち反応装置の前後に位置する材料の入口と出口開口部を合計46箇持ち、各開口部がガスカーテンで密閉されていた。室温の空気も材料入口と出口開口部でガスカーテンを生成する手段として働く。「カーテンガス」は溝穴型ノズルとして形成したノズルを初期速度105m/秒で出、材料片に向かい直接流れる。ノズルから流れる膜状のガスジェットは、45(の角度で材料片に当たった。
【0035】
第1の機能テストでは、反応装置の材料の入口と出口開口部を、従来の技術に従いガスカーテンで密閉した。この場合は、平均濃度15ppmのHCNを測定した(15回測定の平均値)。
【0036】
この第1のテストで得たHCN値は操作と環境安全に対し高すぎたので、反応装置の全ガスシールを本発明によるガスシールと交換した。図5に符号11で示す、密閉したガス誘導体を組み込んだ。ガス誘導体の長さは120mm、その表面と材料片の距離は25mmとした。かくして第2回目の機能テストを行った。操作条件は全て第1回目のテストと同じである。第1回目のテストとの唯一の違いは、ガスカーテンにガス誘導体がある点だけであった。同じ測定位置と条件で測定を行い、合計16回の測定から2ppmのHCN濃度を算出した。第1回目の機能テスト(15ppmのHCN)を第2回目の機能テスト(2ppmのHCN)と比較すると、本発明の方法により、上記のタイプのガスシールに、非常に大きな効率の改善が見られた。ガスカーテンを備えたこれらシールにおいて、反応装置から周囲の大気に排出されるガスの濃度は略10分の1に減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】
図1に示す反応装置の正面図である。
【図3】
本発明の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図4】
従来の技術による反応装置の開口部近傍領域の部分的縦断面である。
【図5】
本発明に従うガス出口開口部の種々の実施形態を示す断面図である。
【図6】
材料片を凸型に湾曲させる反応装置の正面図である。
【図7】
材料片を凹型に湾曲させる反応装置の正面図である。
【図8】
材料片用の搬送/反転ローラの異なる配列を示す断面図である。
【図9】
ガス流がガス誘導体と材料片に当たる角度を説明するための断面図である。
【符号の簡単な説明】
1、1′ 反応装置
2 反応装置ハウジング
3 反応装置の基礎
4 処理ガス用ガス供給ライン
5 処理ガス用ヒータ
6 処理ガス用ガス排出装置
7、7a〜7e 材料片
8、8′、8”、 8* ローラ
9、9′、9”、 9*、9** ガスカーテン
10、10′、10”、 10 開口部
11、11′、11*、11a〜11c ガス誘導体
12 ガス供給ラインおよび分配装置
13、13a、13b ガス出口開口部
14、14′、14” ガス誘導空間
15 反応装置内部
16 ローラ軸
17 中空ピラー
18 断熱材
19 支持枠
20、20′ ガス流が当たる角度
21 ガス流
Claims (32)
- 材料糸又は片(7)を処理する反応装置(1)において、
−材料糸又は片(7)の搬送方向と平行に延在する外側ジャケット(2)を有すると共に、前壁、後壁、又は上下の閉塞壁を有し、前壁又は後壁、又は、前壁と後壁のいずれか、又は上下の閉塞壁又はその両方に、少なくとも一本の材料糸又は片(7)を導入するための開口部(10、10′)を少なくとも一個有しおよび/又は少なくとも一本の材料糸又は片(7)を引き出すための開口部(10、10′)を少なくとも一個有することと、
−材料糸又は片(7)を、反応装置(1)内を通過させる装置(8)と、材料糸又は片(7)を反応装置(1)に搬送すると共に反応装置(1)から搬出する装置を有することと、
−反応装置の内部(15)又はその一部を加熱しおよび/又は材料糸又は片(7)又はその一部を加熱し、或いは反応装置の内部(15)又はその一部および/又は材料糸又は片(7)又はその一部を冷却する装置(5)を備えているか或いはそのような装置を備えていないことと、
−温度を調整した又はしていないガスを反応装置空間に供給する装置(14)および/又は反応装置空間(15)からガスを除去する装置(6)を有することと、
−少なくとも一本の材料糸又は片(7)が開口部(10)を通って反応装置空間(15)に入るおよび/又は少なくとも一本の材料糸又は片(7)が反応装置空間(15)から出る場所に、ガス排出口(13)を有するガス供給ラインと分配装置(12)を備え、それによりガス材料入口10′、10”)又は出口(10*、10**)のための開口部(13)からガスを流出してガスのカーテン(9)を生成し、好ましくない物質が反応装置空間(15)内に侵入することおよび反応装置空間(15)から好ましくない物質が出ることを防止可能な反応装置において、ガス供給ラインと分配装置(12)は、少なくとも1つの偏向板又はガス誘導体(11)を持ち、該誘導体は
−反応装置内部(15)に向かって延在することと、
−反応装置内部(15)から見て、ガス供給ラインおよび分配装置(12)のガス排出開口部(13)の後に配置することと、
−材料糸又は片(7)の表面から距離をおいて配置することと、
−材料糸又は片(7)に隣接する表面を、ガス供給ラインおよび分配装置(12 )のガス排出開口部(13)と同じ幾何学的レベル又はガス排出開口部の幾何学的レベルとは異なるレベルに配置することとを特徴とする反応装置(1)用のガスシール。 - 水平に作動する反応装置(1)の一部をなすことを特徴とする請求項1記載のガスシール。
- 垂直に作動する反応装置(1)の一部をなすことを特徴とする請求項1記載のガスシール。
- 反応装置(1)は、該装置内の気体状の内容物を循環する装置を有することを特徴とする請求項1から3の1つに記載のガスシール。
- 反応装置(1)は炉であることを特徴とする請求項1から4の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、各々ガス供給ラインと分配装置(12)に並行に配置され、その表面領域全体にわたり、材料糸又は片(7)に対し同じ間隔を維持することを特徴とする請求項1から5の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、金属群、金属合金、セラミックス、ガラス、複合材料又はプラスチックを含む材料からなることを特徴とする請求項1から6の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、繊維、糸、編み糸又はワイアから生成された複合織物からなることを特徴とする請求項1から7の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、鋼、ステンレス鋼、銅、真鍮、青銅、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ガラス又は鉱物繊維から形成された繊維、糸又はワイアからなることを特徴とする請求項8記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)を、各材料糸又は片(7)の一方の平坦面のみ、又は両平坦面に配置したことを特徴とする請求項1から9の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)を、各材料糸又は片(7)の両平坦面側に配置したことを特徴とする請求項1から9の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が平坦面を有し、炉(15)の内部に面する端部又は縁部が丸めてあり、角がないことを特徴とする請求項1から11の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が曲げた表面を有し、炉(15)の内部に面した端部および縁部が丸めてあり、角がないことを特徴とする請求項1から11の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)は、円滑な表面を有することを特徴とする請求項1から13の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)は、耐粘着性被覆を有することを特徴とする請求項1から14の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が耐食性であることを特徴とする請求項1から15の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、更に加熱体として形成されたことを特徴とする請求項1から16の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、冷却体として形成されたことを特徴とする請求項1から16の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)の直接隣接する材料糸又は片(7)の表面からの距離が、少なくとも5mmであることを特徴とする請求項1から18の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)の直接隣接する材料糸又は片(7)の表面からの距離が15〜40mmであることを特徴とする請求項1から19の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)の材料糸又は片(7)の片側の、材料糸又は片(7)の表面からの距離が偏向板又はガス誘導体(11)の材料糸又は片(7)の反対側の材料糸又は片(7)の表面からの距離と異なることを特徴とする請求項1から20の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)の長さと、それらの直接隣接する材料糸又は片(7)の表面からの距離との比が10:1以下であることを特徴とする請求項1から21の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)の長さと、それらの直接隣接する材料糸又は片(7)の表面からの距離との比が、4:1〜6:1であることを特徴とする請求項1から21の1つに記載のガスシール。
- 偏向板又はガス誘導体(11)が、材料糸又は片(7)が弛んだ場合に、材料糸又は片(7)の片側と、直接隣接する偏向板又はガス誘導体(11)の反対側との間の望ましい距離が大きく保たれるような配置および形状であることを特徴とする請求項1から23の1つに記載のガスシール。
- ガスが、方向付けられたノズル(13)からガス分配装置(12)を出ることを特徴とする請求項1から24の1つに記載のガスシール。
- ノズル(13)を出るガス流が反応装置(15)の内部に対し角度(20)をつけて方向付けられ、直接隣接する材料糸又は片(7)の表面と、そしてガスの出口開口部(13a)が屈曲している場合には、直接隣接する偏向板又はガス誘導体(11)の表面と30〜60(の角度(20)をなすようノズルが配置されたことを特徴とする請求項25記載のガスシール。
- ノズル(13)を出るガス流が反応装置(15)の内部に対し角度(20)をつけて方向付けられ、直接隣接する材料糸又は片(7)の表面と、そしてガスの出口開口部(13a)が屈曲している場合は、直接隣接する偏向板又はガス誘導体(11)の表面と、40〜50(の角度(20)をなすようノズルが配置されたことを特徴とする請求項25又は26記載のガスシール。
- ガス流が、ノズル(13)又はガス出口開口部(13)を初期速度50〜140m/秒で出ることを特徴とする請求項1から27の1つに記載のガスシール。
- シールが、温度調整したガスで作動することを特徴とする請求項1から28の1つに記載のガスシール。
- ガスの温度調整が、反応装置(1)を出るガスおよび蒸気の熱成分を使って行われることを特徴とする請求項29記載のガスシール。
- シールが常温のガスで作動することを特徴とする請求項1から28の1つに記載のガスシール。
- 少なくとも一部が炉(15)の内部から導出したガスで作動することを特徴とする請求項1から29の1つ又は31記載のガスシール。
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