JP2004516444A - フィルタエレメント - Google Patents

Abstract

周囲に濾過媒体１２が巻き付けられた支持体１１を具備したフィルタエレメント１０が提案される。該濾過媒体１２は、溶接可能な材料からなり、２つの周方向の溶接継ぎ目１８と１つの長手方向の溶接継ぎ目１９によって前記支持体１１に気密に固着される。濾過媒体１２の支持体１１に溶接接合することにより、濾過媒体がコイルから直接に作製されるので、予めホース状の濾過媒体を作製しておく必要がない。

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は請求の範囲第１項の上位概念のフィルタエレメント並びに請求の範囲第９項の空気フィルタに関する。
【０００２】
（背景技術）
ＤＥ３７２３８０７に、半径方向の穴を有する剛性材の支持筒と、濾過媒体および端版とより構成された管状のフィルタエレメントが開示されている。前記支持筒の外側は濾過媒体で覆われている。前記端版は支持筒に後工程で射出成型されたプラスチック材で形成されている。該端版は前記濾過媒体に気密に固着されている。
周知のように、支持筒には既製のホース状の濾過媒体で被せられる。その際、濾過媒体は、例えば長手方向に縫合してホース状の濾過媒体としてもよい。この予め製作されたホース状の濾過媒体は、フィルタエレメントの組立て工程において支持筒に被せられる。
しかしながら、該支持筒の直径に応じて異なるホース状の濾過媒体を作製しなければならず、そのことは相当な補給上の経費のほかに組立て及び在庫のコストが嵩む要因となる。さらに、多くの濾過媒体、特に作製時に重なり部が生じた濾過媒体は、支持筒の外周を滑らないので、支持筒に被せることが出来ない。
本発明の課題は、したがって、簡単で安価に製作できる、支持体と濾過媒体を有するフィルタエレメントを提供することである。この課題は特許請求範囲１記載の特徴によって解決される。
【０００３】
（発明の開示）
本発明のフィルタエレメントは、例えば空気等の清浄化を行うもので、外套面を備えた支持体とその両端部、並びに溶接接合可能な濾過媒体を有する。前記濾過媒体は、例えばポリエステル不織布で作製することが出来る。前記支持体は円筒状に形成されるが、断面形状が任意の、例えば円形のほか楕円形の筒であってもよい。さらに該支持体は清浄化される流体が通過できるようにしてある。
支持体を流体が通過可能にするのには、例えば多数の窓を支持体に設けてもよいし、あるいは窓を設けないが支持体の材料を流体が通過可能なものとしてもよい。
前記窓は、任意の形状、例えば円形あるいは長方形形状としてよい。前記濾過媒体は、前記支持体の外套部を覆い、少なくとも１つの溶接継ぎ目で支持体に溶接接合される。前記濾過媒体の支持体への溶接に際しては、濾過媒体は継ぎ目領域が圧縮され、継ぎ目がそれ以外の材料部分よりも盛り上がることはない。したがって、例えば接合の際に発生する高く盛上った継ぎ目によって変形されることがないいろいろな取付け方法を可能とすることが出来る。前記支持体は、濾過媒体の溶接接合に際して表面が溶ける材料で製作され、これにより前記濾過媒体は少なくともところどころで支持体に接合される。濾過媒体は部分的に、例えば溶接継ぎ目に沿って重なってもよく、それにより該濾過媒体はそれ自身および支持体と気密に溶接接合されることになる。濾過媒体がそれ自身と溶接接合されると、溶接継ぎ目に沿って漏れが発生することがなくなる。
【０００４】
前記濾過媒体は、直接にコイルから巻き解いて支持体への巻き付け、溶接、切断の工程が連続的に行われるが、この工程の順序については種々の変形が可能である。１つの特別な製作方法においては、相前後して並べられた多くの支持体に濾過媒体が被せられ、続く濾過媒体の切断により別々にされる。コイルから直接に濾過媒体を作製することにより、支持体に被せるホース状の濾過媒体を予め製作する工程がなくなる。さらに、支持体上を滑らせることができない重ね合わせ濾過媒体でも、支持ロールに巻き付けることができる。
【０００５】
本発明の好ましい実施形態によれば、濾過媒体は長方形形状に作製され、長手方向の継ぎ目で支持体に溶接接合される。そして、該濾過媒体は予め切断していてもよいし、あるいは直接にコイルから巻き解きその後に切断してもよい。前記長方形の濾過媒体は、終端と始端とが重なるように支持体に巻き付けられる。その後該濾過媒体は溶接される。
【０００６】
前記支持体には、前記両端部のうちの１端部近くの外套面に周方向に延びるシール***を設けるのが好ましい。該シール***は、例えばハウジングにフィルタエレメントを囲むように設けられた取付け部に気密に支持される。シール***は、例えば支持体自身の形状として形成してもよいし、あるいは別部品で形成してもよい。別部品で形成する場合は、例えばシール性のあるＰＵＲ発泡材を選ぶことができる。
【０００７】
本発明の他の実施形態では、濾過媒体は前記シール***を囲み該シール***の近くで固着される。
溶接継ぎ目は、前記シール***の領域で中断してもよいし、あるいは続いていてもよい。
溶接継ぎ目が、シール***の直ぐ手前で終わるか、あるいはシール***領域では溶接せずに過ぎた後に再び溶接する中断溶接継ぎ目では、濾過媒体はシール***領域では各部でフレキシブルであり、そのため組み付けに際して濾過媒体は前記取付け部で圧縮される。したがって、取付け部とフィルタエレメントの間は追加のシール部材を設けることなく気密にすることができる。
【０００８】
本発明のさらに他の実施形態によれば、シール部材を具備した前記支持体の両端部のうちの１端部に濾過媒体が接合され、前記シール部材をフィルタエレメントを囲む部分に設けられた取付け部で支持することができる。該シール部材は、例えばＴＰＥ或はＰＵＲ発泡材製で、支持体の端部領域および濾過媒体の端部周辺を取り巻く。これにより、濾過媒体は支持体に固着される。さらに、前記取付け部と関連してフィルタエレメントの流入側と流出側とを確実に気密に分割することができる。
【０００９】
別体のシール部材が前記第１の端部で支持体と接合されるようにするのも好ましい。このシール部材により、濾過媒体がシール機能を果たすことから免除される。該濾過媒体は支持体を気密に取り巻いている。前記シール部材は唯支持体を前記取付け部に対してシールするのみである。したがって、濾過媒体が汚れた場合に、例えばスポンジゴムからなる前記シール部材を交換することなく濾過媒体を支持体から取り外して新しい濾過媒体に交換することができる。このことは、コスト安で材料を節約したフィルタエレメント交換を可能とする。
【００１０】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記濾過媒体は支持体の周りに螺旋状に巻き付けられ、その際該濾過媒体は、螺旋巻きに沿う１つの溶接継ぎ目によって支持体の外套面に固着することができるが、該外套の第１および第２の端部に近い領域においても支持体の外套面に固着することができる。さらにこれら両方法を組み合わせることもでき、その場合、濾過媒体は３つの溶接継ぎ目で支持体に固着されることになる。濾過媒体を螺旋状に巻き付ける方法は製作が容易であり、特に連続工程で製作する場合にそうである。濾過媒体に掛ける予張力と巻き角はフィルタエレメントの特性に影響を与えるので、これらのパラメータは要求特性に応じて決定しなければならない。例えば、巻き角は濾過媒体が支持体を二重に巻くように選ばれる。
予張力を十分に大きくすると、濾過媒体自身が後から続く巻き付けによって固着されるので、螺旋巻きに沿う溶接接合を省略することができる。さらに、螺旋巻きが重なり合う領域では特に濾過媒体に適する溶接可能な材料からなる固定帯域ができ、引き続き該固定帯域で溶接接合を行うことも考えられる。
【００１１】
本発明によるフィルタエレメントを空気フィルタに組み付けることは有効な実施形態である。該空気フィルタはさらに、例えば星型に折り畳まれて形成されたプライマリフィルタエレメントを有する。該プライマリフィルタエレメントは流体中の汚れを分離する。それが健全である間は２次エレメントには流体中の汚れが接触することがない。プライマリフィルタエレメントが損傷した場合は、２次エレメントが流体を十分に清浄化して、後続するコンポーネント、例えば内燃機関に損傷が生じないようにする。
【００１２】
上記およびその他の本発明の好ましい実施例の特徴が、請求の範囲のほか、明細書及び図面から読み取れ、それらの特徴が個々にあるいは幾つかが組み合わされて本発明の実施形態に実施され、および他の分野で適用されて有利かつそれ自身保護され得る実施形態を具現することができ、それらに対して茲に保護を要請するものである。
【００１３】
（発明を実施するための最良の形態）
第１図にフィルタエレメント１０が断面で示されている。
該フィルタエレメント１０は支持体１１、濾過媒体１２、およびシール部材１３で構成されている。前記支持体１１は、円筒状に形成され、プラスチック製である。該支持体１１は、清浄化すべき流体が支持体１１を通って内側に流入するために、その外套面１４に多くの窓１５を有している。これらの窓１５は、本実施例においては長方形形状に形成されている。窓は、例えば円形あるいは三角形形状に形成することも可能である。支持体１１は第１の端部１６と第２の端部１７を有する。
前記外套面１４の前記端部領域１６、１７には窓１５が設けられず、従ってこれらの領域から流体が支持体内に流入することは出来ない。前記第１の端部１６は開口端に形成されていてシール部材１３が設けられている。該シール部材１３は、支持体１１にその第１の端部を取り巻くように取り付けられ、フィルタエレメントが取付け部（不図示）に組み付けられた際にシール機能を果たす部材である。該シール部材１３は前記濾過媒体１２とは接触しない。前記第２の端部１７は、閉口端に形成されていて、このことにより対応するシール部材（不図示）を設けることを妨げるものではないが、清浄前側（不図示）の清浄化されていない流体が清浄側（不図示）に達することはない。
【００１４】
前記濾過媒体１２は、溶接可能なポリエステル不織布から成り、前記支持体１１の外套面１４の窓１５が設けられた領域を囲む。本実施例では、濾過媒体１２は２つの周方向の溶接継ぎ目１８および１つの長手方向の溶接継ぎ目１９で支持体１１に気密に固着されている。これらの溶接継ぎ目１８、１９の部分では濾過媒体は圧縮される。
【００１５】
第２図には他の実施例のフィルタエレメント１０の断面が示されている。
第１図と同じ構成については同じ符号が付してある。この変形例では、濾過媒体１２は１つの長手方向溶接継ぎ目１９と１つの周方向継ぎ目１８とで支持体１１に固着されている。第１の端部１６の領域では、濾過媒体１２はシール部材２０を介して固着されている。
該シール部材２０は、ＰＵＲ発泡材製で、前記濾過媒体１２のみでなく支持部材１１にも接合されている。前記シール部材２０を安定させるために支持リング２１が鋳込まれている。
【００１６】
本実施例では、第２の端部は開口端に形成されている。フィルタエレメント１０をハウジング（不図示）に組み込む際には、第１の端部１６とともに第２の端部１７も取付け部（不図示）に気密に取り付けられる。
【００１７】
第３図には、さらに他の実施例のフィルタエレメント１０の断面が示されている。第１図と同じ構成については同じ符号が付してある。支持体１１には第１の端部領域の外套面１４に周方向に沿うシールのための***２２が設けられている。シール部材１２は、前記シール***２２をその前後でそれぞれ周方向の溶接継ぎ目１８で完全に覆って支持体１１に固着している。さらに、長手方向の溶接継ぎ目１９は軸平行方向に延び前記シール***２２の前で終わっている。濾過媒体１２のシール***２２を覆う部分は、フィルタエレメント１０の組付けに際して取付け部（不図示）に圧入される。これにより、濾過媒体１２は取付け部（不図示）に気密に密着し、漏れの発生が防止される。
【００１８】
第２の端部１７の領域においても同様に、前記濾過媒体１２は周方向溶接継ぎ目１８によって支持体１１に接合されている。該第２の端部１７は閉口端に形成され、フィルタエレメント１０を取付け部（不図示）から引き抜くための取出し把手２３が設けられている。
該取出し把手２３は、フィルムヒンジ２４を介して支持体１１に繋がっている。フィルタエレメント１０を取り外す際には、前記フィルムヒンジ２４は、軸方向の引上げ力をフィルタエレメントに掛けられるように９０°回転される（鎖線で示す）。
【００１９】
第４図には、さらに他の実施例のフィルタエレメント１０の半分断面が示されている。第１図と同じ構成については同じ符号が付してある。本実施例においては、濾過媒体１２は支持体に螺旋状に巻き付けられている。濾過媒体１２の固着のために、端部１６、１７の領域にはそれぞれに周方向溶接継ぎ目１８が設けられている。さらに、前記濾過媒体１２は、螺旋溶接継ぎ目２５で支持体１１に接合されている。該螺旋溶接継ぎ目２５は濾過媒体１２の継ぎ目に沿って延びている。濾過媒体１２を被せるに際しては、螺旋溶接継ぎ目２５は濾過媒体の重なりの中央部を走ってもよいし、あるいは適当な予張力を掛けて巻き付けるて溶接を省略してもよい。
【００２０】
第５図には、空気フィルタの断面が示されている。
第３図と同じ構成については同じ符号が付してある。空気フィルタは、容器２７と蓋２８を有するプラスチック製の筒状のハウジングを有する。前記容器２７はシール部材２９を介して前記蓋２８と気密に接合されている。該容器２７には、その底部に接線方向に開口する流入口３０および中央部に位置する出口管３１が設けられている。前記ハウジング２６内には、第１図乃至４で説明したフィルタエレメント１０が組み込まれる。フィルタエレメント１０は、前記出口管３１と同心に取り付けられ、支持体１１に対応して窓１５が設けられたプラスチック製の中空円筒状のプライマリ支持筒３２に囲まれている。該プライマリ支持筒３２には、内側に取付け部３３が設けられ、該取付け部に第１の端部１６に濾過媒体１２で覆われたシール***２２を有するフィルタエレメント１０が気密に支持される。プライマリ支持筒３２の周囲には、リング状に閉じ星形に折り畳まれたプライマリフィルタエレメント３４がハウジング２６に対して気密に取り付けられる。該プライマリフィルタエレメント３４は、１個の濾紙３５とそれに気密に接合された２個の端版３６より成る。端版３６は、シール性を有する弾性材料、例えばＰＵＲ発泡材からなる。そして、流入口３０から流入する空気は前記プライマリフィルタエレメント３４に対して一方側のみから流入するのではなく、容器２７には案内壁３７が設けられていて、流入空気はプライマリフィルタエレメント３４を流過するには先ず最初に該案内壁３７に沿って上昇しなければならないようになっている。
【００２１】
前記プライマリフィルタエレメント３４が損傷した場合は、フィルタエレメント１０は流れの矢印方向に関して流入口３０を出口管３１から気密に分離しているので、空気は少なくとも粗い清浄化がなされて出口管３１から流出する。
【図面の簡単な説明】
本発明のさらなる詳細は、実施形態の概略を示すつぎの図面を参照して説明される。
【図１】フィルタエレメントの実施例の断面図である。
【図２】フィルタエレメントの他の実施例の断面図である。
【図３】フィルタエレメントのさらに他の実施例の断面図である。
【図４】フィルタエレメントのさらに他の実施例の半分断面図である。
【図５】空気フィルタの断面図である。

Claims (10)

1. 外套面（１４）、第１の端部（１６）、および第２の端部（１７）を備えた流体が通過できる支持体（１１）と、該支持体（１１）の前記外套面（１４）を覆う濾過媒体（１２）とを有する流体流を清浄化するフィルタエレメント（１０）において、前記濾過媒体（１２）は溶接接合可能で前記支持体（１１）に少なくとも溶接継ぎ目（１８、１９）で溶接接合されていることを特徴とするフィルタエレメント（１０）。
2. 前記濾過媒体（１２）は長方形形状に作製されて長手方向の溶接継ぎ目（１９）で前記支持体（１１）に溶接接合されていることを特徴とする請求の範囲第１項記載のフィルタエレメント（１０）。
3. 前記支持体（１１）は、前記外套面（１４）の両端部（１６，１７）の近くに設けられて前記フィルタエレメント（１０）を囲む部分に設けられた取付け部（３３）で支持される周方向に延びるシール***（２２）を有することを特徴とする請求の範囲第１項あるいは２項に記載のフィルタエレメント（１０）。
4. 前記濾過媒体（１２）は前記シール***（２２）を覆い該シール***（２２）の近くで固着されていることを特徴とする請求の範囲第３項記載のフィルタエレメント（１０）。
5. 前記濾過媒体（１２）は前記支持体（１１）の端部（１６）、（１７）のうちの１つの端部に接合されたシール部材（２０）を備え、該シール部材（２０）は前記フィルタエレメント（１０）を囲む部分に設けられた取付け部（３３）で支持されることを特徴とする前記請求の範囲のいずれか１項に記載のフィルタエレメント（１０）。
6. シール部材（１３）が前記第１の端部（１６）にのみ前記支持体（１１）に接合されていることを特徴とする請求の範囲第１項乃至４項のいずれか１項に記載のフィルタエレメント（１０）。
7. 前記濾過媒体（１２）は前記支持体（１１）に螺旋状に巻き付けられていることを特徴とする前記請求の範囲のいずれか１項に記載のフィルタエレメント（１０）。
8. 前記濾過媒体（１２）は第１の周方向接合面（１８）でもって前記外套面（１４）の前記第１の端部表面（１６）において、第２の周方向接合面（１８）でもって前記外套面（１４）の前記第２の端部表面（１７）において前記支持体（１１）に固着されていることを特徴とする請求の範囲第７項記載のフィルタエレメント（１０）。
9. 流入口（３０）および流出口（３１）を備え、該流入口（３０）と流出口（３１）気密に隔てられているハウジング（２６）を有する空気フィルタにおいて、前記請求の範囲のいずれか１項に記載のフィルタエレメント（１０）が組み込まれたことを特徴とする空気フィルタ。
10. 前記ハウジング（２６）に前記フィルタエレメント（１０）に加えてさらにプライマリフィルタエレメント（３４）が組み込まれていることを特徴とする請求の範囲第９項記載の空気フィルタ。

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