JP2004508799A - 無損失スイッチングdc−dc変換器 - Google Patents

無損失スイッチングdc−dc変換器 Download PDF

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Abstract

新しい無損失スイッチングDC−DC変換器は、各々のスイッチが特定の電流−電圧スイッチング特性を満たす4つまでの制御可能スイッチのための新規な無損失スイッチング時間制御でもって、非常にコンパクトなサイズで超高効率に動作し、そして、低EMIノイズ、低スイッチング・リプル電流および向上した信頼性といった付加的な性能上の利点を提供する。

Description

【0001】
(発明の分野)
この発明は、スイッチングDC−DCパワー変換器の分野に関し、詳しくは、非常にコンパクトなサイズで超高効率であって、同時に、EMIノイズをずっと低減し信頼性をずっと向上させるといったさらなる性能上の利点を提供する、新規なタイプの無損失スイッチングを使用する新しいクラスのスイッチング変換器に関する。
【0002】
(発明の背景)
(定義付けと分類)
種々の数量間の記述をより容易なものとするために、このテキスト全体を通して以下の表記が一貫して用いられる。
1.DC−かねてから直流のことを指す略記であるが、ここでより広い意味を得て一般にDC量を備える回路を指す。
2.AC−かねてから交流のことを指す略記であるが、ここでより広い意味を得て全ての交流電気量(電流および電圧)を指す。
3.i、v−電流および電圧についてiおよびvのように、瞬間時間領域量が下付き文字を添えて表される。
4.I、V−IおよびVのように、瞬間時間領域量のDC成分が対応する大文字で指示される。
5.Δi−瞬間成分とDC成分との差がΔで指示され、したがって、Δiは電流iのリプル成分またはAC成分を指示する。
6.D−入力スイッチSの負荷比(デューティレシオ)は、D=tON/Tとして定義され、ここで、tONは、入力スイッチのON時間であり、Tは、fを定スイッチング周波数とするときT=1/fとして定義されるスイッチング期間である。スイッチSは、DTインタバルの間閉ざされて電流を流す(ONとされる)。
7.D’−入力スイッチSの相補負荷比D’は、D’ =1−Dとして定義され、D’Tは、入力スイッチSが開いている(OFFとされる)間のインタバルである。
8.S、S、S’、S’−それぞれ、入力スイッチ、出力スイッチ、相補入力スイッチおよび相補出力スイッチについてのスイッチの名称であり、同時にそれぞれ能動な制御可能スイッチのスイッチング状態を以下のとおり指定する。ハイレベルは能動スイッチがONとされていることを指示し、ロウ(ゼロ)レベルはそれがOFFとされていることを指示する。
9.CR−電流整流(CR)ダイオードおよびそれに対応するスイッチング時間図についての名称である。ダイオードは2端子受動スイッチであるので、スイッチング時間図はまた、ダイオードのスイッチの状態を以下のとおり表す。ハイレベルは、ダイオードがONであることを、ロウレベルは、それがOFFであることを示す。
10.I−1つのクォードラント・スイッチは、特定の1つのクォードラント動作に限定されることを示す理想スイッチの周りの長方形の囲み内のローマ数字(IからIV)によって指示される。
11.CBS−3端子の制御可能半導体スイッチング装置としての電流2方向スイッチを指示し、それは、ON状態でいずれかの方向に電流を流すが、2つのパワー端子間でのOFF状態で1つの極性だけの電圧を遮断し、そして2つのパワー端子間でのスイッチの状態を独立して制御する第3の制御端子を有する。
12.VBS−3端子の制御可能半導体スイッチング装置として電圧2方向スイッチを指示し、それはON状態で1方向にのみ電流を流すが、2つのパワー端子間でのOFF状態でいずれかの極性の電圧を遮断し、そして2つのパワー端子間でのスイッチの状態を独立して制御する第3の制御端子を有する。
13.CBS/VBS−電流2方向スイッチ(CBS)か電圧2方向スイッチ(VBS)かを用いることができることを指示する。
【0003】
サイズが絶えず縮小する電子信号処理装置と適合させるために電子パワー処理装置のサイズおよび重量を低減させることが要求された結果、DC−DCスイッチング変換器の動作するスイッチング周波数が増大する方向に押し続けられており、最初の20kHzのレベルから200kHz以上のスイッチング周波数となっている。そしてこの結果、スイッチングパワーの損失が比例して増大している。したがって、過去において変換器のトポロジーが数多く現れてきており、それらは大きくは2つのカテゴリーに属する。
1.スイッチング損を低減しようという試みのなされなかったハードスイッチング変換器のカテゴリー。
2.スイッチング損を低減するために措置のとられたソフトスイッチング変換器のカテゴリー。
【0004】
残念ながら、ほとんどの場合において、スイッチング損の低減には、スイッチング装置の伝導損や変圧器の漏れインダクタンスに蓄積されるエネルギーと関係する損失およびその他の更なる損失といった他の損失の増大が伴い、結果として、効率がわずかないし中程度に改善されるに過ぎない。スイッチング変換器はまた、使用されるスイッチの数に関して3つのクラスに分類することができる。
1.一例が従来技術のバック変換器(buck converter)である2スイッチ変換器のクラス。
2.従来技術のフォワード変換器のような3スイッチ変換器のクラス。
3.本発明およびその他数多くの従来技術の変換器のような4スイッチ変換器のクラス。
【0005】
(従来技術ソフトスイッチング変換器)
スイッチング損の低減を行った最初のソフトスイッチング方法の1つは、Cヘンゼ(C.Henze)、H.Cマーチン(H.C.Martin)およびD.Wパーズリー(D.W.Parsley)によって、2スイッチ変換器クラスに属し、図1a乃至図1gの従来技術に示される基本バック変換器についての記録「パルス幅変調を用いる高周波パワー変換器におけるゼロ電圧スイッチング」IEEE応用パワーエレクトロニクス会議(IEEE出版88CH2504−9)第33乃至40頁において紹介された。
【0006】
定スイッチング周波数でゼロ電圧スイッチングを得るためには、通常のトランジスタ−ダイオードで実現された2つのスイッチは、2つのMOSFETトランジスタで置き換えられ、それらの各々は、理想スイッチの逆並列「ボディ」ダイオードおよび寄生ドレイン−ソース容量との並列接続としてモデル化され、結果として図1c乃至図1fの回路モデルが得られる。合計スイッチング・サイクルTは、図2eに示されるような2つのスイッチSおよびS’の適切な駆動タイミングによって4つのインタバルに分割される。2つの制御可能スイッチで、はっきりと定義された2つの移行インタバルが導入され、その間双方のスイッチがOFFであることに注意する。第1の移行インタバル(図2eのt)は、スイッチSが(図2eにおけるように)OFFとされるとき開始し、「自然な」移行(DTからD’Tへの移行または単にDからD’への移行)としてもまた知られている。スイッチSをOFFとすることによって、インダクタ電流Iが必要とされる方向(図2a乃至図2fの電流源Iによって表される)に自然に流れている。この電流源Iは、容量CS’が完全に放電されるまでスイッチSの寄生容量Cを充電し、スイッチS’の寄生容量CS’を放電し、その瞬間スイッチS’のボディ・ダイオードが電圧をゼロにクランプし、スイッチS’の容量CS’の逆充電を防止する。その瞬間、スイッチS’は、ゼロ・スイッチング損でONとすることができ(図2e)、それは、CS’の電荷が、(Vに充電された)スイッチSの容量Cに既に移転されていたからである。D’からDへの移行の間、反転のプロセスを行うために、負のインダクタ電流Iが必要とされる。これを達成する最も簡単な方法は、大きなリプル電流を有するように出力インダクタを設計して、そのピークツーピークのリプル電流が少なくとも最大DC負荷電流の3倍となるようにすることである。図2eのインダクタ電流波形に示されるとおり、瞬間インダクタ電流iは、D’Tインタバルの間のある点で方向を反転し、大きさIで負になる。相補インタバルD’Tが終わる前にスイッチS’は、OFFとなっていわゆる「強制の」移行を開始する(それは、ここでインダクタ電流が、大きなリプルのために設計された変換器回路によって意図的に負になることを強制されるからである)。この強制された移行期間(図2eにおけるt)の間、tと反対のインタバルが生じ、この負のインダクタ電流IがスイッチS’の寄生容量CS’を充電し、スイッチSの寄生容量CをSの電圧Vがゼロに到達するまで放電する。その瞬間、ボディ・ダイオードはスイッチSの電圧をゼロにクランプして、スイッチSを無損失として強制的にゼロ電圧でONとする。したがって、「ハードスイッチング」におけるように各サイクルで消散させる代わりに、寄生容量CおよびCS’に蓄積される電荷のリサイクリングが行われる。
【0007】
この非常に簡単な方法で、能動スイッチSおよびS’双方についてソフトスイッチングを達成することができ、かつそれらスイッチにかかる電圧ストレスも低いけれども、あらゆる動作条件でソフトスイッチングを達成するためには、出力インダクタ・リプル電流の大きさが最大DC負荷電流よりも2倍を超えて高くなければならないという大きな不都合がある。明らかに、このソフトスイッチング方法には難点があり、強制されたD’からDへの移行を達成するために、D’Tインタバルが終わる前に負の瞬間インダクタ電流が得られるよう、大きなインダクタ・リプル電流を有することが必要である。そしてこれによって、伝導損が大きく増大し、そうしてスイッチング損が低減して得られた蓄えが大きく減少する。更には、この大きなリプル電流を吸収し、かつ出力ACリプル電圧を受け入れ可能なレベルにまで低減するために、出力キャパシタのサイズを増すことが必要である。
【0008】
別の従来技術のスイッチング損を低減する方法は、3スイッチ変換器のクラスに属するもので、Pヴィンシャレリ(P.Vinciarelli)による米国特許第4,415,959号に「ゼロ電流でスイッチングするフォワード変換器」として開示される。この擬似共振変換器においてゼロ電流で強制的にメイン入力パワースイッチをスイッチングさせるのに、無効成分、小さな共振インダクタおよび小さな共振キャパシタが用いられて、メイン・スイッチ方形波様電流波形を正弦波様電流波形に歪ませる。これによって、メイン・スイッチをゼロ電流でONおよびOFFすることが可能となり、またスイッチ電流およびスイッチ電圧の重畳および半導体スイッチング装置の有限スイッチング時間特性によって引き起こされるスイッチング損が低減される。残念ながら、スイッチ電流のRMS値が増大することで伝導損が増大し、それによってゼロ電流スイッチングによって得られるスイッチング損の低減が幾分減少する。しかしながらより重大なのは、メイン・スイッチの寄生容量に蓄積される1/2・CVなるエネルギーによる顕著なスイッチング損がなおも残存し、そのスイッチがONとされるとき、消散してしまうという事実である。このスイッチング損は、OFFラインのアプリケーションにおける名目300VのDC入力電圧のような高入力DC電圧から、DC源として整流されたACラインを用いて動作するアプリケーションにおいて特に言明される。
【0009】
Pヴィンシャレリによる米国特許第4,441,146号の「単一端フォワード変換器における変圧器の磁心の最適なリセッティング」に開示された変換器は、4スイッチ変換器のクラスに属する。補助スイッチおよび蓄積容量を備えて二次変圧器に配置される枝が、変換器の磁心をリセットするための「磁化電流ミラー」を形成することのみを目的として用いられたもので、他の役割を果たしていない。これに対して、本発明においては、補助スイッチおよび補助キャパシタを備える枝が、新規のスイッチング変換器のトポロジーの一次側に配置され、変圧器の磁心のリセットのみならず、より重要なことに、スイッチング損の削減をも達成している。
【0010】
アイザック・コーエン(Isaac Cohen)による「低リプル電流成分ストレス電圧およびゼロ・スイッチング容量のパルス幅変調DC/DC変換器」についての米国特許第5,291,382号に開示される変換器もまた、4スイッチ変換器のクラスに属する。この変換器において、ゼロ電圧でのソフトスイッチングは、図1a乃至図1gのバック変換器に類似する方法で達成される。それは、大きな磁化リプル電流を結果として生じる絶縁変圧器の小さな磁化インダクタンスに基づいており、それ故ソフトスイッチング・バック変換器におけるのと同じソフトスイッチングおよび効率の制限を有する。しかしながら、ソフトスイッチングは変圧器の大きな磁化電流リプルによって達成され、バック変換器におけるような大きな出力インダクタ・リプル電流をもたないので、出力リプル電圧でのバック変換器の大きな出力インダクタ・リプル電流の望ましくない作用が削減される。
【0011】
4スイッチ変換器のクラスの更に別の例は、ジョン・バセット(John Basset)による「ゼロ電圧でスイッチングするDC/DC変換器」についての米国特許第5,066,900号に開示される従来技術の変換器である。この変換器において、変圧器の漏れインダクタンスはスイッチング損を強制的に低減する共振インダクタとして用いられる。しかしながら、本発明におけるような最適スイッチング時間制限を備える制御可能スイッチではなく、変換器の出力(二次側)おける2つのスイッチに対して受動整流ダイオードを用いるために、このソフトスイッチング手法で達成できる効率の向上が厳しく制限されてしまい、オフラインの変換器のアプリケーションのような中乃至高入力DC電圧でのアプリケーションについては特にそうである。
【0012】
前記引用された従来技術のソフトスイッチング変換器に共通するのは、それらが、3スイッチおよび4スイッチ変換器のクラスに属するものについて異なるソフトスイッチング方法を使用するけれども、それらは全て、2つの出力スイッチに対して受動的な電流整流スイッチのみを用いていることである。それに対して、4スイッチ変換器のクラスに属する本発明は、入力側の2つの能動スイッチに加えて、形の異なるCBSかVBSかである出力二次側の2つの能動および制御可能スイッチをもまた用いている。4つの制御可能スイッチング装置の全てによる非常に特別なスイッチング時間制御と共に、これによって、従来技術のソフトスイッチング方法を用いる場合と同じく伝導損、漏れ損などの他の望ましくない損失を増大させずにスイッチング損を削減する結果となる。したがって、独特なスイッチング時間制御を行う本変換器は、広い動作範囲に渡ってスイッチング損がゼロに近いことを特徴とし、そしてそれ故に、無損失スイッチング変換器のクラスと称される(先に紹介されたハードスイッチングおよびソフトスイッチングのカテゴリーに加えて)スイッチング変換器の新しい第3のカテゴリーに属する。
【0013】
前記の見直しから、古典的な従来技術のソフトスイッチング方法と関係するその他全ての望ましくない特長を導入することなくスイッチング損を削減し、そしてそれによって理論的にもかつ実験上のプロトタイプにおいても確認されるとおり全体の効率を著しく増大する、新しい無損失スイッチング方法が必要とされることが明らかである。この発明は、そのような新規な無損失スイッチング方法を導入するもので、それは適切な変換器のトポロジーおよび適当な半導体スイッチ型に加えて4つの制御可能スイッチの適当な駆動タイミングをも必要とするが、結果としてスイッチング損を削減する。更には、スイッチング損の削減は、場合によっては負荷比動作範囲全体を通して維持される。
【0014】
(発明の概要)
この発明の主要な目的は、無損失スイッチングDC−DC変換器を提供することであり、それは、新規な無損失スイッチング方法を用いて(他の変換器の損失を増大させずに)スイッチング損を削減し、これまで従来技術のソフトスイッチング方法によっては達成することのできなかった超高効率を達成する。新規な無損失スイッチングによって超高スイッチング周波数での動作が可能となり、そしてそれによってサイズと重量が実質的に低減しパワー密度が増大する。更なる固有の利点は、EMIノイズが低減されかつ構成要素ストレス(電圧、電流および温度)が低減して信頼性が増大することである。
【0015】
(無損失スイッチング変換器のカテゴリー)
新しい無損失スイッチングDC−DC変換器は、変換器それ自体におけるスイッチの位置に依存する特定のスイッチング−クォードラント特性(例えば電流2方向性または電圧2方向性)をもつ4つまでの制御可能スイッチを備えるパワー処理ステージと、スイッチング時間制御ボックスとからなり、それは、電子駆動制御を介して必要とされる一連のスイッチングを制御可能スイッチの少なくとも3つまたは4つ全てに提供して、代替的な多数の方法で無損失スイッチングを達成する。本発明は、非絶縁パワー・ステージと絶縁パワー・ステージの双方において実施され、備わる出力スイッチは、CBS/ダイオード出力スイッチかVBS出力スイッチかのいずれかとして実現される。絶縁パワー処理ステージは、絶縁変圧器、入出力インダクタ、直列入力キャパシタ、補助キャパシタおよび4つの制御可能スイッチからなる。入力インダクタは、DC源と直列に接続されて非脈動(連続)入力電流を提供し、一方出力インダクタは、DC負荷と直列に接続されて非脈動(連続)出力電流を提供する。直列入力キャパシタは入力インダクタおよび一次変圧器と直列に接続される。入力スイッチと相補入力スイッチは変圧器の一次側にあり、一方、出力スイッチと相補出力スイッチは変圧器の二次側にある。相補入力スイッチと直列の補助キャパシタを備える枝が、相補入力スイッチが閉じている間のみ小さなACリプル電流を導通させるように変換器内に配置される。このACリプル電流は、制御可能出力スイッチおよび新規なスイッチング時間制御と共に無損失スイッチング動作を可能とし、従来技術のソフトスイッチング変換器で不可能であった効率とサイズ・パフォーマンスとを備える。またこの枝によって、絶縁変圧器がリセット巻線またはその他の磁心リセット手段を必要とせずに自動的にボルト秒バランスの取られることが確実になる。この枝を新しい変換器の残りの部分に接続してなおも前記の独特な特性を保留する代替的な多くの方法がある。そのような可能性が、そのような枝が満たさなければならない一般的な機能規準と一緒に、詳細な明細書に数多く開示される。非絶縁の異なる形が絶縁変圧器を単にインダクタで置き換えることによって得られる。
出力制御可能スイッチのタイプ、CBSかVBSか、に基づく2つの異なる形で、絶縁および非絶縁無損失スイッチング変換器の双方を実現することができる。
【0016】
(CBS出力スイッチでの無損失スイッチング)
CBS出力スイッチでの第1の無損失スイッチングのカテゴリーは、スイッチの寄生容量と絶縁変圧器の漏れインダクタンス(または非絶縁変換器の場合には別の付加的な共振インダクタ)との間の共振を用いて、無損失スイッチングを達成する。制御可能スイッチの特別なスイッチング時間制御は、無損失スイッチングを生成することのできる非常に有効な共振電流を生み出し、かつこれまで従来技術の変換器によっては得ることのできなかった超高効率および小さなサイズを提供する。
【0017】
このカテゴリーは以下のとおり3つの主なサブカテゴリーに分けられる。
1.実質的にスイッチング損を低減する、CBS半導体スイッチのスイッチング時間制御のみを調整する共振インダクタの無い非絶縁変換器。
2.付加的な共振インダクタを含み、その、スイッチの寄生容量との共振に依存して無損失スイッチングを達成する非絶縁変換器。
3.漏れインダクタンスが共振インダクタの役割を果たし、そして制御可能CBSスイッチの新規な無損失スイッチング時間制御を用いることで全てのスイッチング損の低減を実際に達成する絶縁変換器。
【0018】
(VBS出力スイッチでの無損失スイッチング)
VBS出力スイッチでの第2の無損失スイッチングのカテゴリーは、CBS出力スイッチのカテゴリーがそうであったように共振電流に依存しない。そうではなくて、それは補助キャパシタACリプル電流と出力スイッチの電圧2方向特性とに基づいて、それぞれの寄生容量の無損失放電をゼロ電圧まで強制し、その時点で適当な制御可能スイッチをゼロ損失でONとできる。この方法は共振に依存しないので、それは動作点から独立しており、全入力電圧範囲を含む広い動作範囲にわたって無負荷から完全負荷までの如何なる負荷電流についてもそのような理想的なスイッチング性能を維持する。
【0019】
このカテゴリーもまた以下のような3つのサブカテゴリーに分けられる。
1.非常に特別なスイッチング時間制御シーケンスを用いて無損失スイッチング性能を得て、結果として出力スイッチに対称的な電圧波形を生じ、そうして「対称的な」無損失スイッチングと称される、共振インダクタを備えない非絶縁スイッチング変換器。
2.別の非常に特別なスイッチング時間制御シーケンスを用いて無損失スイッチング性能を得て、結果として出力スイッチを横切る非対称な電圧波形を生じ、それゆえ、それは「非対称な」無損失スイッチングと称される、共振インダクタを備える非絶縁変換器。
3.固有的に絶縁変圧器の漏れインダクタンスを含むが、無損失スイッチング性能についてそれに依存せず、前記「非対称な」無損失スイッチング時間制御に類似する新規なスイッチング時間制御を用いる、絶縁変換器。
【0020】
CBSおよびVBSカテゴリー双方に適用できる変換器の別の改良は、入力インダクタと絶縁変圧器を共通の磁心に結合して集積磁気回路を形成するもので、それは結果として完全な動作範囲にわたって望ましいゼロ・リプル入力インダクタ電流を生じ、そして導通したEMIノイズならびに入力リプル電圧を低減する。非絶縁バージョンにおいては、入力および中間インダクタが結合インダクタ構造に結合されて同じ利点が得られる。この発明を特徴付けると考えられる新規な特長が、特に添付された特許請求の範囲で説明されている。本発明は、添付した図面と関連付けて以下の記述を読むと最もよく理解される。
【0021】
(発明の詳細な説明)
(ハードスイッチング変換器のトポロジー)
本発明の新規な無損失スイッチングの特長によって、従来技術の変換器の問題を克服し、結果として高効率および高パワー密度を生じるスイッチングDC−DC変換器が提供される。しかしながら、より容易に理解するという目的で、スイッチング変換器の基本動作が、最初に、4つの理想単一極、単一スロー・スイッチ(single−throw switches)、すなわち、入力スイッチS、相補入力スイッチS’、出力スイッチSおよび相補出力スイッチS’を備えて最も基礎的な「ハードスイッチング」を構成する図3aに紹介され、ここで「ダッシュ符号(prime)」は相補スイッチを示す。
【0022】
図3bに示されるように、SおよびSスイッチは同相で動かされ、すなわち、この理想化バージョンにおいては、それらは双方が同時にONとされ、Dを負荷比とし、Tをスイッチング・サイクルとするときの時間インタバルDTの間ONを保たれ、そして同時にOFFとされて、D’=1−Dを相補負荷比とするときの相補インタバルD’Tの間OFFを保たれるように動かされる。相補スイッチS’およびS’は、その名称が示唆するとおり相補的に動かされ、それはそれらの相対するスイッチSおよびSそれぞれに関してまさに異相である。図3bのタイミング図は、駆動信号とそれぞれのスイッチの状態(ONまたはOFF)の双方を示す。以下のスイッチの取り決めは、このテキスト全体を通して採用されることに注意する。図3bにおけるようなスイッチのタイミング図は、スイッチ駆動信号と導通状態との双方を表し、そして、例えば駆動信号SがハイであるときスイッチSはONであり、また駆動信号SがロウのときスイッチSはOFFである。
【0023】
図3aの新しい変換器は、全ての動作状態において入出力電流の連続性を維持する入力インダクタLおよび出力インダクタLを有する。加えて、変換器の中間において、第3の、以後中間インダクタLと呼ばれるものがある。その変換器はまた、3つのキャパシタ、すなわち、直列入力キャパシタC、補助キャパシタCおよび出力濾過キャパシタCを有する。出力濾過キャパシタCは、スイッチング・プロセスに参加するものではなく、それ故それは、変換器のスイッチング動作に必要ではなく、したがって、この分析および更なる説明からは取り残されるということに注意すること。
【0024】
図3bのスイッチング時間図は、4つの理想スイッチ全てが図4aにおけるような実際の半導体スイッチング装置および図4bのスイッチング時間制御と置き換えられるとき、結果として、変換器の「ハードスイッチング」動作および実質的なスイッチング損を生じる。
1.入力スイッチおよび相補入力スイッチは、3端子能動スイッチング装置(MOSFET)であり、それらは、図4におけるような適切なゲート駆動信号によって外部から制御できる。
2.出力スイッチおよび相補出力スイッチは、2端子受動スイッチング装置(ダイオード)であり、それらは、変換器回路の動作によって、その2端子に特定の条件が課せられるときのみにONおよびOFFとされ、すなわち、ダイオード・スイッチ端子にかかる電圧がその閾値電圧よりも高くなるときダイオードはONとなり、そしてダイオード端子を通る電流がゼロとなるときダイオードはOFFとなる。
【0025】
(ハードスイッチング損)
図4aの各半導体スイッチング装置は、それがMOSFETトランジスタであろうとダイオードであろうと、図5に示されるような等価集中寄生容量Cで表されるOFF状態であり得るが、それは、その装置のOFF電圧Vに充電される。この寄生容量に蓄積されるエネルギーEは、図5に示されるように一旦スイッチSが閉じられると全て消散され、そして結果としてハードスイッチング・パワー損Pを生じ、それは、スイッチング周波数に直接比例する。
Figure 2004508799
【0026】
典型的な高電圧スイッチについてV=595Vであり、C=237pF(図15bの実験波形を参照)についてエネルギーE=42W/MHzを蓄積し、f=200kHzについてP=8.4Wの損であった。たとえ4つのスイッチの内1つのみがハードスイッチング・モードで動作しているとしても、結果として得られる8.4Wのスイッチング損は、100Wの変換器の場合において、7.8%を超える効率損を表す。従来技術のソフトスイッチング方法は損失の合計を程々に低減するに過ぎない。したがって、新しい無損失スイッチング方法が必要とされ、それは、他の損失を増大することなくスイッチング損を削減し、結果として最高の効率を可能とするものである。
【0027】
(スイッチ・クォードラントの分類および最適なスイッチの実現)
理想スイッチ(図6a)が閉ざされる(ONとされる)とき、電流をいずれかの方向に流すことが可能であり、そして、理想スイッチが開けられる(OFFとされる)とき、いずれかの極性の電圧を遮断することが可能であり、そしてそれは、図6bの(i−v)特性の太線によって示されるような4クォードラント・スイッチとして動作する。しかしながら、スイッチングする半導体装置は、電流の流れの方向か電圧遮断能力の極性かのいずれかに制限を課する。例えば、電流整流器(ダイオード)は、電流を1方向(整流方向)のみに流し、1つの極性のみの電圧を遮断する(図10c)。このようにダイオードは、1クォードラント・スイッチの例である。バイポーラ・トランジスタは、1クォードラント・スイッチの別の例である(図9c)。
【0028】
パワー半導体スイッチ技術の現状においては、実現可能な半導体4クォードラント・スイッチは単一の構成要素としては存在しておらず、代わりに合成スイッチを用いることができ、それは、MOSFETトランジスタおよび/またはダイオードのような2つ以上の半導体スイッチング装置からなる。そのような実際に実現されたものの1つが図6cに示されており、2つのNチャンネルMOSFET装置が背中合わせとされて、それらのソース端子が一緒に接続され、かつそれらのゲート端子が一緒に接続されて有効な4クォードラント・スイッチを構成している。この場合において、図3aの変換器はそれを実現するのに合計8つのMOSFETスイッチを必要とし、余分のMOSFET装置の伝導損によってなおも更に効率が劣化している。図6cのバイポーラ・トランジスタのバージョンでさえ、理想スイッチの4クォードラント・スイッチング特性を模倣するのに4つの装置(2つのバイポーラ・トランジスタと2つのダイオード)を必要とする。問題は、図3aの変換器が、複雑な4クォードラント・スイッチ無しで、より簡単にスイッチを実現して構築でき得るか否かである。しかしながら、そのようにより簡単に実現することで、この発明で導入される新しい無損失スイッチング方法を実施できるものとしなければならない。以下の2クォードラントおよび1クォードラント・スイッチの選択は、これから調査されねばならない。
【0029】
2クォードラント・スイッチのカテゴリーには、2つのサブカテゴリーがあり、すなわち、図7bのi−v特性をもつ電流2方向スイッチ(CBS)と図8bのi−v特性をもつ電圧2方向スイッチ(VBS)である。電流2方向スイッチは、図7aの記号で描写され、CBSと記される理想スイッチ記号の周りに長方形の囲みがあって、図7bに示されるような電流2方向スイッチ(クォードラントIおよびIVの境界に沿う太線)としてその動作に制限のあることが明白に示されており、スイッチが閉じられるときそれは電流をいずれかの方向に流すことができ、したがって、電流2方向スイッチという名称であり、そしてスイッチが開けられるときそれは1極性のみの電圧を遮断できる。面白いことに、図7cに示される単一MOSFETスイッチは、その相当するバイポーラ・トランジスタがそうであるように単一クォードラント・スイッチとして動作することが通常期待されるが、実際は、以下の2つの理由から2クォードラント・スイッチとして動作することが観察される。
a)特定の半導体を実現することにより、MOSFETスイッチは、図7cの点線で描かれる内蔵寄生(ボディ)ダイオードを有しており、それによって、MOSFETのドレイン−ソース電流と反対の電流のための経路が提供される。
b)MOSFETスイッチング装置は固有に電流2方向であり、それは、チャンネルがいずれかの方向に電流を流すことができるからである。第2の特長は、実際、低ON抵抗MOSFET導通チャンネルを通して電流を方向付けることによって、ボディ・ダイオードによる大きな伝導損を削減するために、大抵の低電圧アプリケーションで用いられており、それは、このいわゆるMOSFETでの同期整流器の実現において、ボディ・ダイオードの導通をバイパスするものである。
【0030】
電圧2方向スイッチ(VBS)は、図8aの記号で描かれており、それはまた、太線によって、図8bに示されるようなクォードラントIおよびIIの境界に沿って表されるような2クォードラント・スイッチとして動作し、スイッチが閉じられるときそれは電流を1方向のみに流すことができ、またスイッチが開けられるとき、それは正か負かいずれかの極性の電圧を遮断することができる。それを実際に図8cに実現したものにおいて、それは、2つの装置、すなわち、MOSFETスイッチと電流整流器(ダイオード)の直列接続を備える合成スイッチからなる。ここでダイオードを加えることによって合成スイッチに電圧2方向の特長が提供されるが、同時に、そうでなければ電流2方向であったMOSFETの特長を単一電流方向に限定することとなることに注意する。明らかに、そのような電圧2方向スイッチ(VBS)はより高い伝導損を有しており、それは、それが、各々がそれ自体の伝導損を有していて、ダイオードが合計伝導損を支配する2つの物理的な装置の直列接続からなるからである。
【0031】
実際にいくつかの実現されたものにおいて、電圧2方向スイッチは、図6cの2つの背中合わせのMOSFETという既に示された合成スイッチと置き換えることができ、実際それは、本当の4クォードラント・スイッチであり、それは、それが同時に電圧2方向スイッチならびに電流2方向スイッチであるからである。このように実現することの利点は、MOSFETダイオードの直列接続を備える図8cのVBSスイッチに比べて伝導損が低減されることである。こういう理由で、詳細な無損失スイッチング動作についての後の章で、そのように実現される2つのMOSFETトランジスタがVBS出力スイッチに用いられたのである。
【0032】
1クォードラント・スイッチのカテゴリーには、2つの基本的なサブカテゴリー、すなわち、図9bのi−v特性をもつ1クォードラント能動スイッチのカテゴリーと図10bのi−v特性をもつ1クォードラント受動スイッチのカテゴリーとがある。1クォードラント能動スイッチは、長方形の囲みの内側のローマ数字Iを備える図9aの記号で示される。図9cの3端子能動および制御可能スイッチとしてのバイポーラ・トランジスタは、そのような1クォードラント・スイッチの例である。1クォードラント受動スイッチは、長方形の囲みの内側のローマ数字IIを備える図10aの記号で示される。図10cの単純ダイオード整流器が、2端子受動スイッチであるそのような第2クォードラント・スイッチの例であり、その状態(ONまたはOFF)は、その端子における電圧および電流に依存し、MOSFETやバイポーラ・トランジスタのような制御可能能動スイッチにおけるような制御信号に依存しない。
【0033】
(最低限の無損失スイッチング変換器の実現)
原則として、図3aの変換器の4つのスイッチの各々は、複雑な4クォードラント・スイッチではなく、4つの利用できるより簡単な選択、すなわち2つのクォードラントCBSまたはVBSスイッチおよび/または1クォードラント能動バイポーラ・トランジスタまたは受動ダイオード・スイッチの実現のいずれででも実現できる。これによって、簡略化されたスイッチが実現される256の異なる変換器が可能となる。基本的なパワー変換の原理により、主な入力スイッチは受動スイッチではありえず、それはダイオードでの代替はなく、入力スイッチについて3つの選択のみが残る。相補入力スイッチについても同じことが仮定されるならば、これにより、特定の簡略化された物理的なスイッチの実現によって、144もの多くの異なる変換器の構成がなおも残される。
【0034】
しかしながら、図3aの変換器の動作を続いて分析すると、またとりわけ新しい無損失スイッチング方法の効率の利点をなおも生み出すことができるスイッチを実現することで、結果として以下の最小のスイッチ要件が得られる。
1.入力スイッチSが、最低でも図9bのi−v特性をもつ1クォードラント能動スイッチであり、それ故バイポーラ・トランジスタとして実現できる。
2.相補入力スイッチS’が、最低でも図7bのi−v特性をもつ2クォードラントCBSスイッチ(そのスイッチを通る電流がACである)であり、それ故単一MOSFETで実現できる。
3.相補出力スイッチS’が、最低でも図10bのi−v特性をもつ1クォードラント受動スイッチであり、それ故単一ダイオード整流器を実現すれば十分である。
4.出力スイッチSが、最低でも図7bのCBSスイッチか図8bのVBSスイッチかのi−v特性をもつ2クォードラント・スイッチであり、それ故CBSスイッチ(単一MOSFET)かVBSスイッチ(ダイオードと直列のMOSFET)かのいずれかとして実現できる。制御可能2クォードラント・スイッチとしてこのスイッチを実現することが、新規の無損失スイッチング動作および高変換効率にとって重大である。
【0035】
もちろん、前記最低限のスイッチの実現は、必ずしも最も実用的な実現ではない。例えば、高スイッチング周波数では、MOSFETスイッチが好ましく、したがって余分の複雑さを増すことなく、入力スイッチSもまた単一MOSFETトランジスタとして実現される。
【0036】
最低限の相補出力スイッチS’は、単純なダイオード整流器でしかないものであり得るが、このスイッチはまた同期整流器として動作するMOSFETスイッチとして実現されることが好ましく、それ故より低い伝導損のMOSFETチャンネルを導通するその寄生ボディ・ダイオードを通って導通をバイパスさせるのにも用いられる。これは、低出力電圧のアプリケーションにはとりわけ重要であり、そこでこれは全体の効率を更に増大させる。
【0037】
最後に、出力スイッチは、やはりMOSFET装置を備えるCBSかVBSかのいずれかのスイッチとして実現される。CBSスイッチとしては、このMOSFETスイッチは、相補出力スイッチのMOSFETとは違って、同期整流スイッチのタイミングで動作せず、以下に記述されるような独特のスイッチング時間制御に従う。同様に、VBSスイッチとして実現(図8cのMOSFET/ダイオード合成スイッチを備えるか、伝導損を低減する図6cの2MOSFET合成スイッチとして)されるときは、それはまた、以下により詳細に説明されるように独特の無損失スイッチング時間制御に従う。
【0038】
(実際の無損失スイッチング変換器の実現)
144を超える異なる変換器の可能性の内、以下の2つの基本的な構成が、新規の無損失スイッチング動作を特長付ける最も魅力ある実際の代替として明らかとなった。
1.4つのスイッチ全てが電流2方向スイッチである図11aの変換器。
2.出力スイッチSが電圧2方向スイッチ(VBS)として実現され、残りの3つのスイッチが電流2方向スイッチである図11bの変換器。
【0039】
図11aおよび図11bの双方の変換器は、便宜上、出力スイッチSがCBSかVBSかのいずれかのスイッチを表す図11cの変換器のコンパクトな形で表すことができる。こうして、図11cに示される特別な記号がこれを指定するのに用いられ、すなわち、長方形の内側のCBS/VBSの名称と共にある理想スイッチを囲む長方形である。したがって、図11cの以下の全てのバリエーションは、図11aの変形か図11bの変形かのいずれかが以下により詳細に記述されるような適当なスイッチング時間制御に従うよう適用できることを意味する。図11cの以下の全てのバリエーションによってまた、相補出力スイッチとしてダイオード整流器でより簡単に実現することも想定される。
【0040】
出力スイッチに用いられるスイッチング装置の適当なタイプに加えて、スイッチング時間制御はなお更に重要であり、図11dにスイッチング時間制御ボックスで表され、それは、4つのスイッチの全てに望ましい駆動信号を提供する。この図はまた、図11cの中間インダクタをn:1の絶縁変圧器で単純に置き換えることによって得られる絶縁バージョンを示す。そして、スイッチング時間制御ボックス、出力スイッチおよび絶縁変圧器は、図8の太線で示され、それらが無損失スイッチングにおいて果たす特別な役割が強調される。
【0041】
(CBSスイッチを備える無損失スイッチングの構成)
図11dの一般的な無損失スイッチングの構成が、3つのMOSFETスイッチとダイオードで最も簡単にそれを実現したものの1つとして図12aに示される。達成するのが困難であるD’からDへの無損失スイッチング移行(相補スイッチがONである状態から相補スイッチがOFFである状態への移行)の間のスイッチのスイッチング時間制御が、図12bに太線で強調して示され、拡大された移行インタバルの間のタイミング・パターンが強調され、それは、200kHzのスイッチング周波数について、T=5,000nsなる合計スイッチング期間と比べて、100nsのオーダーに過ぎない。
【0042】
MOSFETスイッチが、入力スイッチSと相補入力スイッチS’に用いられ、図12bに示されるようなD’からDへの移行の間のスイッチング時間において、双方のスイッチがOFFである間の幾ばくかの「デッド時間」インタバルが生じる。相補出力スイッチは、ダイオードCR’によって実現されて示されていて、このスイッチについて適切な無損失スイッチング動作のために特別な時間制御は必要でないという事実が強調される。したがって、変換器の回路状態によって、このダイオード・スイッチをONおよびOFFとするよう命令され、ダイオード端子にかかる正の電圧がそれをONとし、ダイオード・スイッチにかかる負の電圧またはゼロ電流がそれをOFFとする。図12bに示されるように、このCR’ダイオードは、入力スイッチがONとされた後の瞬間tでOFFとなる。したがって、ダイオードの代わりに、相補出力スイッチにMOSFETトランジスタが用いられるならば、MOSFETは、図12bのCR’ダイオードと同じスイッチング時間で、その導通インタバルの間それ自体のボディ・ダイオードをバイパスする同期整流器として単独で用いられる。そこにおいて、瞬間tは、そのようなMOSFET相補出力スイッチがOFFとされなければならない最後の瞬間であることを意味する。
【0043】
最後に、出力スイッチが、図12aに太線でCRと指示されるそのボディ・ダイオードに並列なそのスイッチング時間制御信号Sによって制御されるMOSFETスイッチからなるものとして示される。ボディ・ダイオードは、図7cにおいて示されたように全てのMOSFETの一体化された部分であるが、ここではダイオードCRとして別個に強調されており、それは、図12bの波形CRで示されるように、このダイオードのスイッチングのタイミングが新規な無損失スイッチング機構の理解にとりわけ重要であるからである。ダイオードCRが図4aにおけるような出力スイッチに単独で用いられるならば、それは、図12bのダイオードCRについての波形に示されるような瞬間tでの変換器動作によってONとされる。新規な無損失スイッチング方法の動作について重大であるのは、この瞬間t(瞬間tの前後)に関する制御可能出力スイッチSをONとすることである。
【0044】
同期整流器として用いられるとき、MOSFETトランジスタは、それらの内部ボディ・ダイオードが変換器回路条件に応答してONおよびOFFとされるのと同じ瞬間にONおよびOFFとされる。例えば、変換器動作の結果、ボディ・ダイオードに正の電圧がかかるとき、それぞれのボディ・ダイオードがONとなり、そして変換器動作の結果、ボディ・ダイオードを通る電流がゼロにまで低減するとき、ボディ・ダイオードはONとなる。このように、それ自体のボディ・ダイオードによって命令される以外のときに、MOSFETスイッチをONまたはOFFとすることによっては何も得ることができないかのように見える。この従来の知識によって、従来技術のソフトスイッチング変換器において、唯一の同期整流器としてMOSFETが用いられるものとなり、またそう限定される。このように実現されると、MOSFETスイッチのボディ・ダイオードの伝導損が低減するのに役立つ一方で、これによってスイッチング損の低減に向けて全く何も行われない。このようにそれらのボディ・ダイオード・スイッチングに関するMOSFETの非常に特別なスイッチング時間制御が、新規な無損失スイッチング動作をもたらすのに必要とされる。
【0045】
MOSFETを、そのボディ・ダイオードが変換器回路によってOFFとされる前にOFFとすることで、変換器の動作に違いが出る訳ではないことは事実であり、すなわち、その特定のスイッチは、そのMOSFETスイッチに適用されるスイッチング時間制御に関係なくボディ・ダイオードの導通によってONとなる。実際、正にこの理由で、相補出力スイッチにCR’のみが用いられるのであり、それは、D’からDへの移行の間の相補出力スイッチの個別のスイッチング時間制御によって図12aの変換器の無損失スイッチング動作に何の違いももたらされないからである。
【0046】
従来技術のスイッチング変換器において認識されていないのは、MOSFET(CBS)出力スイッチを、そのボディ・ダイオードがONとなる前に、独立したスイッチング駆動制御によってONとすることは、有効かつ以前は達成することのできなかった無損失スイッチング性能にとって重大であるということである。以前のソフトスイッチング方法全てからはっきりと区別される展開において、図12aの出力MOSFETスイッチSが、そのボディ・ダイオードが瞬間tでONとなる前であって、そして場合によっては、図12bにおけるように相補入力スイッチS’が瞬間tでOFFとされる前でさえある瞬間tに、故意に時期尚早にONとされる。この結果、D’からDへの移行の間、入力スイッチの寄生容量が極めて有効に共振放電され、それは、従来技術のソフトスイッチング方法によっては達成できるものではない。以前の数値例を用いると、8.4Wのスイッチング損が削減されて効率が7.8%増大される。
【0047】
図4aにおけるような2つのダイオード整流器を備える変換器において、ダイオード整流器CRがONとされる唯一の特定の瞬間tがある。反対に、図12aにおけるような出力スイッチSとしてのMOSFETでは、瞬間tと瞬間t(図12bにおいてCBSとして指示される)との間に広範囲の時間があって、その間に、MOSFET出力スイッチSをONとすることができ、結果として無損失スイッチング性能を生じ、かつ効率がずっと向上する。
【0048】
最後に、制御可能出力スイッチSは瞬間tの前にONとされてそのように良好な結果を得るので、等しく有益な無損失スイッチング性能で瞬間tの後それをONとすることができるかどうかを尋ねるのは当然である。答えは肯定であるが、それには異なるタイプの出力スイッチ、すなわち図13bまたは図14aのVBSスイッチ、および図14bの異なるスイッチング時間制御が必要となる。しかしながら、VBSスイッチでの動作が次の章で記述される前に、双方のバージョンのバイポーラ・トランジスタを実現することが次に導入される。
【0049】
図12aのMOSFETトランジスタを合成バイポーラ・トランジスタ/ダイオード・スイッチと置き換えて代替的に実現したものが図13aに示されており、それには図12bの同じスイッチング時間制御が適用される。これを実現して不利な点は、ここでは、各CBSスイッチが、以前用いられた単一MOSFETスイッチではなく、バイポーラ・トランジスタと外部ダイオード(2つの装置)からなる合成スイッチであるということである。更には、MOSFETの有利な特長は、それがそのボディ・ダイオードをバイパスして更に伝導損を低減するというものであるが、それもまた失われる。にもかかわらず、これによって、如何なるタイプのCBSスイッチでも唯一の要件であることが指摘される。したがって、例えば、MOSFETトランジスタまたはバイポーラ・トランジスタで実現されることが示されたものに加えて、当業者は、他の制御可能能動半導体または他のスイッチング装置での実現を容易に見出し、それらは、GTO(ゲート・ターンオフ)装置、IGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)トランジスタ、SCR(サイリスタ)またはその他の制御可能CBSスイッチング装置を用いるなどしてCBSスイッチとして動作させられる。
【0050】
(VBSスイッチを備える無損失スイッチングの構成)
CBS出力スイッチの適切なスイッチング時間制御によって、そのスイッチの有利な動作の範囲が、CBSインタバルとして指示され図12bに示される瞬間tからtまでのインタバルへと明らかに拡大されている。しかしながら、図12bの瞬間tを超えると、同じCBSをそれと並列にダイオードを備えて実現することによって、そのスイッチにかかる電圧極性の反転を防止し、それをゼロ・ボルトにクランプし、したがってその能動スイッチのスイッチング時間制御を更に有利に用いることは不可能となる。CBSスイッチについてはそれが事実である一方で、これは、図13bにおけるようなダイオードと直列のバイポーラ・トランジスタでVBS出力スイッチを実現する場合には当てはまらない。出力スイッチにかかる電圧vS2が、もはやtでゼロまで下げてクランプされるものではなく、実際、図14bのS波形の太線で示されるように、瞬間tの後はバイポーラ・トランジスタがONとされるように負になることに注意する。MOSFETトランジスタおよびダイオードで代替的に出力スイッチを実現することが図14aに示されており、図14bの同じスイッチング時間を用いて結果として上に略述されたのと同じ追加のMOSFETの利点を生じる。
【0051】
VBSスイッチを備える無損失スイッチングにはいくつかの独特の利点がある。
1.それは動作点から独立している。
2.それは入力DC電圧と出力DC負荷電流のいかなる組み合わせについても達成される。
3.共振インダクタのような余分な構成要素を追加する必要が無く、したがって、たとえ絶縁変圧器が非常に小さな漏れインダクタンスしか有していなくとも(緊密に結合された変圧器)それは等しく有効である。
【0052】
この無損失スイッチングのタイプは、図14bにおけるような出力スイッチおよびスイッチング時間制御のためにVBSスイッチを実現することに依存しており、そのいくつかの変形についての詳細な記述が、スイッチング損の削減の章に提示されている。
【0053】
(ハードスイッチングおよび無損失スイッチングの実験上の比較)
D’からDへの移行の、従来のハードスイッチングと新規な無損失スイッチングとの性能が、固定の200kHzスイッチング周波数(5μsのスイッチング期間T)および50%の負荷比Dで動作する400Vから5Vの20AスイッチングDC−DC変換器において実験的に比較されている。前記比較において、DからD’への移行は、適切なスイッチング時間制御によって無損失に保たれた。一方、D’からDへの移行は、ある場合には図15bの単純スイッチング時間制御でハードスイッチングが行われ、別の場合には図16bの特定のスイッチング時間制御で無損失とされた。
【0054】
ハードスイッチングされたバージョンについて図15aに示され、新しい変換器の無損失スイッチングされる新規なバージョンについて図16aに示された入力スイッチのドレイン−ソース電圧の実験上の電圧波形からは、目盛りあたり1μsという大きくて粗い時間スケールのために、それらのD’からDへの移行インタバルの間の相違はほとんど認められない。
【0055】
しかしながら、一旦時間スケールが20倍に拡大されて目盛りあたり50nsとされ(図15bおよび図16bのD’からDへの移行)、そして入力スイッチ・ゲート電圧および入力スイッチ・ドレイン電流がまた観察されると、劇的な相違が明らかとなる。この実験例における無損失スイッチングのD’からDへの移行は、CBSスイッチを出力スイッチおよび図16bのスイッチング時間制御として用いることによってなされており、それは結果として寄生容量の最も有効な共振放電を生じる。
【0056】
図15bのハードスイッチングは、単純ハードスイッチング時間制御の結果であり、同時に相補入力スイッチ(および相補出力スイッチ)をOFFとしていて、入力スイッチおよび出力スイッチがONとされる。簡略化のため、相補出力スイッチ・タイミング制御は示されておらず、それは、入力スイッチSをONとすることでダイオード整流器CR’を強制して同時にOFFとするからである。入力スイッチVGS(S)のゲート−ソース電圧波形によって、入力スイッチがV=595Vというその最大遮断電圧でONとされ、結果として8.4Wのハードスイッチング損を生じていることが示されている。
【0057】
たった25nsの後に完全にONとされる入力スイッチの高スイッチング速度にも関わらず、制御不可能なD’からDへの移行は、結果として別の障害、すなわち、入力スイッチのドレイン−ソース電流iDS(S)に示されるように最高負荷でのピーク・スイッチ電流よりもなお3倍高い高電流スパイク・ノイズを生じている。
【0058】
図16bの無損失スイッチング実験波形は、図16bのより複雑なスイッチング時間制御パターンの結果である。いか様にして、入力スイッチ・ゲート−ソース電圧が、入力スイッチにかかる電圧が既にゼロまで低減された瞬間に「ハイ」(そのMOSFET装置をONとする)となり、そして結果として寄生容量によるスイッチング損を完全に削減するのかに注意する。
【0059】
更には、入力スイッチ電流iDS(S)は、ここでオーバーシュートを有しておらず、スパイクが無くて非常に平滑であり、結果として、ハードスイッチングされる場合の25nsから無損失スイッチングの場合の180nsにD’からDへの移行時間が拡大されることによって、ずっとEMIノイズが改善される。このように、図16bの適切なスイッチング時間制御と共にCBS出力スイッチを用いることで、制御されない、誤った、ノイズのあるかつ損失のあるハードスイッチングされる移行が、よく制御され、予測可能で、平滑かつ効率の良い無損失スイッチングのD’からDへの移行へと置き換えられる。
【0060】
この例によって、5μsという合計スイッチング期間のたった0.4%に過ぎない200nsという短いD’からDへの移行インタバルの間の、制御可能なMOSFETスイッチの正しいスイッチング時間制御パターンの重要性が指摘される。このように、それは、短い移行インタバルの間、制御可能CBSスイッチをスイッチングする適切なシーケンスであり、それは結果として実質的に性能を向上させる。DからD’への移行の間もまた、同様に正確なスイッチング時間制御が実現され、結果としてその移行と同様の無損失スイッチング性能を生じる。しかしながら、その移行の詳細なタイミングは後の章での分析に残しておく。
【0061】
(ハードスイッチング対無損失スイッチングの変換器の構成)
前記実験の比較によって決定的な重要性が明白に指摘されるのは、制御可能スイッチング装置の特定のスイッチング時間制御パターンであり、それには、特定のタイプの制御可能スイッチ(CBSかVBSかのいずれかのスイッチ)を実現して、スイッチを適切に配置(出力スイッチとして配置されるVBSスイッチのように)することが伴うが、目に見えないが、にも関わらず存在しているスイッチング装置の寄生容量、目に見えないが、またいつも存在している絶縁変圧器の寄生漏れインダクタンスのような、「寄生」成分の存在および相互接続も含まれており、それらはすべて合わさって、新規な無損失スイッチング性能を可能としている。
【0062】
図3bのハードスイッチング時間制御を伴う図3aの基本的なハードスイッチング・トポロジーによって、理想化された変換器の安定状態動作のみが確実なものとなる。それは、144の可能な変換器の構成から、最適なスイッチ(CBS/VBS/ダイオード/トランジスタ)を実現する2つの構成を選択するもので、全ての能動スイッチ(VBSタイプのCBS)の対応する最適なスイッチング時間制御が伴っており、それは、これまで従来技術のソフトスイッチング変換器では達成することのできなかった性能の実現をもたらす。構築された実験プロトタイプによって、比類の無い無損失スイッチング変換器の性能、すなわち、効率の向上、より高い動作スイッチング周波数を可能とすることによるサイズと重量の低減、EMIノイズの低減、構成要素の温度の低下、スイッチング構成要素のストレス(電圧および/または電流のオーバーシュート)の低減およびこれらを通しての究極的に向上した信頼性、が確認されている。
【0063】
(安定状態の分析)
図1aの従来技術のバック変換器のような単純なスイッチング変換器は、分析し理解するのが容易であった。図3aの簡略化された形であってでさえ、新しい変換器は明らかにずっと複雑である。第1のステップとして、安定状態動作の存在が証明されなければならず、それは、一定のスイッチング周波数fでスイッチングを多数回繰り返した後、回路における全てのキャパシタが有限のDC電圧に充電され、全てのインダクタが有限のDC電流を導通していなければならない。そして、そのような安定状態動作の存在を証明し、キャパシタの実際のDC電圧およびインダクタのDC電流を負荷比D、入力電圧VおよびDC負荷電流Iの関数として求めるために、状態空間平均化方法(state−space averaging method)が使用され、それについての詳細は、Sカク(S.Cuk)およびR.Dミドルブルック(R.D.Middlebrook)による書籍「スイッチングされるモードのパワー変換の改良」第I巻、第II巻および第III巻、または同じ著者による、パワーエレクトロニクス専門家会議(PESC)の会報で1976年6月に出版された技術論文「スイッチング変換器のパワーステージのモデル化への一般的な統一されたアプローチ」に記述されている。
【0064】
分析は、得られた2つのスイッチングされるネットワーク、すなわち、図17aに示されるようなON時間インタバルDTの間のものと、図17bに示されるようなOFF時間インタバルD’Tの間のものとについての完全な状態空間等式を書くことから始まる。図17aと図17bの双方のスイッチングされるネットワークにおいて、想定されるインダクタ電流の方向およびキャパシタのDC電圧の極性は印の付けられたとおりである。実際の計算の結果、例えば、負の符号の付いたDC電圧が生じるならば、前記想定される極性は正しいものではなく、反対のDC電圧の極性が実際のキャパシタDC電圧の極性である。安定状態平均化方法に続いて、安定状態等式が、それぞれの負荷比DおよびD’を重み付け係数として平均化され、そして、課せられた安定状態規準が全ての導関数をゼロに等しくする。結果として得られる5つの代数等式は、DC電圧V、VおよびVならびにDC電流IおよびIという5つの未知数をもち、それは続いて、既知量である負荷比D、入力電圧Vおよび負荷電流Iに関して解かれ、結果として以下の安定状態の解が得られる。
Figure 2004508799
【0065】
実験プロトタイプを構築して前述の安定状態の条件を実証することによってもまた確認されたことであるが、等式(2)で与えられる安定状態の解によってもまた、この変換器が有限の安定状態をもつことが確認される。式(2)における解は全て正の符号をもって得られたので、図17aおよび図17bにおけるように想定されたインダクタ電流の方向およびキャパシタDC電圧の正の極性もまた、それらの実際の電流の方向および実際のDC電圧の極性に対応することにもまた注意する。このように、図3aの変換器は極性が反転せず、従来のバック変換器と同じDC変換比、すなわち、V/V=Dを有する。このDC変換比は、図18に示されるように負荷比Dの線形関数である。実際のアプリケーションの多くにおいてDC入力電圧源と出力DC負荷との間のガルバーニ絶縁は必要ではなく、より簡単な非絶縁の構成がしばしば好ましい。更には、そのような非絶縁変換器が適切ではないアプリケーションにおいては、正の入力から正の出力への電圧変換が最も必要とされ、本発明の極性非反転の特長もまた明白な利点とされる。
【0066】
本発明は、変換器がステップダウン変換のみを可能とし、入力DC電圧よりも高い電圧を提供することができないバック変換器と同じ制限を有するように見える。しかしながら、これはそういうケースではなく、この制限は、本発明の絶縁の拡張ならびにオートトランスの拡張を導入することによって後で取り除かれる。
【0067】
実際のアプリケーションにおいては、大抵、出力電圧は、入力DC源電圧が大きく変動し、かつ出力DC負荷電流が大きく変動するにも関わらず、調整されて一定に保たれることが必要である。これらの変動は双方とも吸収でき、図19aにおけるような調整されたDC供給が得られるように、DC−DC変換器の周りを従来のフィードバック制御ループで閉じることによって出力電圧を調整することができる。フィードバック制御ループは、必要に応じて図19bに示される負荷比Dを変調して、出力電圧を調整する。したがって、スイッチング変換器の動作およびその主要な特長は、例えば、2:1の入力DC電圧範囲について、D=0.33からD=0.66というような動作負荷比Dの広い範囲にわたって有効であることが重要である。
以下に記述される本発明の3つの基本特性は、実際、動作範囲最大限にわたって保持される。
【0068】
(3つの基本特性)
(第1の特性:3つのインダクタのDC電流間の関係)
式(2)の2つのDC電流の等式から、3つのDCインダクタの電流間の非常に簡単で最も顕著な関係を容易に得ることができ、それは、この変換器の独特の性能の根幹である。すなわち、式(2)からの入力インダクタのDC電流Iおよび中間インダクタのDC電流Iを加えることにより、入力インダクタ、中間インダクタおよび出力インダクタのDC電流間のこの主要な関係が得られる。
Figure 2004508799
【0069】
全く予期されない結果が得られており、すなわち、入力インダクタのDC電流Iおよび中間インダクタのDC電流Iの双方が式(2)のとおり動作負荷比Dにそれぞれ強く依存しているにもかかわらず、基本の関係(3)は動作負荷比Dから独立している。中間インダクタによって果たされる本質的な役割にも注意するが、それは、如何なる負荷比Dに対しても関係(3)が成り立つように、必要とされる負荷比に依存するDC電流のみを提供するものである。この関係を認識することなく、後に導入される新規な無損失スイッチング方法を得ることはできない。
【0070】
(第2の特性:補助キャパシタのみにおけるACリプル電流)
この非常に独特で重大な関係もまた、図20に表示される相補OFF時間インタバルD’T=(1−D)Tの間にスイッチングされるネットワークを検査するのみで、代替的かつ簡単な方法で実証することができる。図20のノードAでの瞬間電流の和(DC電流および重畳されたACリプル電流の双方)によって、3つのインダクタ電流i、iおよびiに関して以下のとおり表される瞬間補助キャパシタ電流i(t)が導かれる。
Figure 2004508799
【0071】
この等式は、更に2つの関係、すなわち、インダクタ電流のDC成分に関するもの(ここおよびテキストのその他のところで大文字で記される)と、ACリプル成分に関するもの(ここおよびテキストのその他のところでΔ記号で記される)に分けることができる。こうして下式を得る。
Figure 2004508799
等式(6)の時間領域の表示およびACリプル電流は、スイッチング損の削減についての後の章で示される。
【0072】
しかしながら、補助キャパシタCの電流のDC成分Iは、ゼロで無ければならないことに注意し、すなわち
Figure 2004508799
であり、それは、補助キャパシタCはON時間インタバルDTの間変換器回路に接続されず、OFF時間相補インタバルD’T=(1−D)Tの間のみ相補入力スイッチS’を通して接続されるからである。したがって、OFF時間インタバルD’Tの間の補助キャパシタは、正味ゼロのDC電流I=0を有さなければならない。そうでなければ、正のDC電流Iは、例えば全サイクルでこのキャパシタを充電し、それによってそのDC電圧Vを無限大まで増大し続けることとなってしまう。それ故、式(6)のACリプル電流のみが補助キャパシタに存在しており、それは、状態空間の平均化によって、このキャパシタが、式(2)におけるようなV=V/(1−D)で与えられる有限のDC電圧を有することが確実となるからである。このように、式(7)で、等式(5)は、等式(3)と同じ結果に帰着する。全てのDCインダクタ電流の実際の方向は、図21aにおけるようなもので、それは、等式(2)によって確認される。
【0073】
(第3の特性:入力および中間インダクタのAC電圧の関係)
この変換器の独特の性能の特長を完全に理解することが更に容易になるように、3つのキャパシタ全てのDC電圧を、図21aに、Vおよび負荷比Dに関して明白に示す。入力インダクタおよび中間インダクタのAC電圧は、vL1およびvとして指示され、そしてそれらの正の極性が図21aに示されるように正(+)の符号で記される。これらのインダクタの実際の時間領域電圧波形は、図21aの構成において、入力スイッチSおよび出力スイッチSが閉ざされ(DTインタバル)およびそれらが開けられる(相補D’Tインタバル)時間のインダクタ電圧レベルを単に見ることによって、図21bにおけるように推定される。このように、2つのインダクタのAC電圧が同一であり、すなわち、図21aに記される正の極性の指示に関して同相であって等しい大きさであることを簡単に確立することができる。
Figure 2004508799
【0074】
この関係(8)はまた、V、L、CおよびLからなるループから容易に分かるものであり、そこでは、入力キャパシタCおよびDC電圧源Vが交流については短絡しており、それは、ACについて入力インダクタLを中間インダクタLと平行に配置するもので、それ故それらは同一のAC電圧を有する。更には、関係(8)はまた、如何なる動作負荷比Dについても成り立つが、それはそれがDから独立しているからであるということを観察するのも重要である。
【0075】
(結合インダクタの改良)
式(8)から、入力インダクタおよび中間インダクタは、如何なる動作点についても同一の電圧波形を有するので、それらは、図22の結合インダクタの拡張で指示されるように共通の磁心に結合することができる。図23aの分離した入力インダクタは、図23bに示されるようにDC電流Iを支える空気間隙gを有し、一方、図23cの分離した中間インダクタは、図23dに示されるようにDC電流Iを支える空気間隙gを有する。図24aの組み合わされた結合インダクタ構造も空気間隙を有し、それは、DC電流の合計(I+I)を支える2つの空気間隙の和(g+g)である。このように、対応する有効インダクタンスは、組み合わされた結合インダクタ磁心の、図24bの磁束対アンペア回数特性に示されるように、なおも更に低減される。性能の利点を最適にするために、結合インダクタのマグネティクスが、UU様の磁心の、間隙の無いレッグに配置される入力インダクタで実現され、一方、中間インダクタが、図25aに示されるような、中に空気間隙を備える磁気レッグに配置される。そのように磁心に空気間隙を配置し、かつ双方の巻線について巻数を同一とすることで、殆ど全ての漏れインダクタンスが入力インダクタ側にあり、中間インダクタ側には無視できるほどの漏れインダクタンスしかない図25bの回路モデルが結果として得られる。AC電圧波形が同一であることから、入力インダクタ側の漏れインダクタンスにかかる正味のAC電圧は、事実上ゼロであって、如何なる動作負荷比Dについても入力インダクタにおいてゼロのリプル電流が導かれる。
【0076】
(代替の構成)
たとえ図11cのもとの変換器に対して多数の構成の再配置が成されるとしても、基本関係(3)および(4)は全て維持されることに注意する。補助キャパシタCと相補入力スイッチS’の直列接続を備える枝が、太線で強調されて示されており、基本特性(3)および(4)を変えることなく、そしてそれ故同じ変換器動作を有する、図26a乃至図26lに示されるような多くの異なる方法で接続することができる。例えば、この枝は、図26aにおけるように中間インダクタLと平行に、または図26bにおけるように入力インダクタLと平行に接続することができる。図26aの場合には、補助キャパシタCのDC電圧は、下式で与えられる新しい安定状態値Vへと変えられ、そして図26bの場合には、Cの電圧は、式(9)で与えられるのと同じである。
Figure 2004508799
別の代替案は、この枝を、図26cに示されるように、入力電圧源の正の端子と、入力キャパシタと中間インダクタLとの間の接合点との間に接続することである。2つの更なる可能性が、図26dおよび図26eに示されている。
【0077】
入力キャパシタCを、図26fにおけるように、下の戻り電流路に移動させて、更なる変更例を得ることができる。これは、入力と出力との間の共通接地が失われ、そして、ソースか負荷かのいずれかが浮遊してしまうという明らかに不利な点を有する。にもかかわらず、そのような非絶縁変換器から得られる絶縁バージョンは、後で絶縁無損失スイッチング変換器の章で示されるように、その欠点を訂正する。そして、補助キャパシタCと相補入力スイッチS’を備える枝を、図26fに示されるような中間インダクタと並列に接続することができる。この構成の利点は、補助キャパシタが、式(9)で与えられる大きく低減されたDC電圧Vを有し、一方、同時に、スイッチSおよびS’が、以下に記述されるようないわゆるハイ側のドライバを実現するのに好ましい位置にあるというものである。例えば、D=0.5について、遮断電圧の要件は、式(9)から半分に低減することである。そのような接続において不利な点は、それによって、入力スイッチを備える枝の寄生インダクタンスが増大し、そして、そのスイッチに電圧スパイクの増大が引き起こされることである。基本変換器の構成の、他の可能な変形が、図26g乃至図26lに示されている。基本変換器の構成のこれらの等価な変形全てにおいて、補助キャパシタCの位置が異なるにも関わらず、このキャパシタは常に、電圧V、V、VおよびVを線形に組み合わせたDC電圧を有する。
【0078】
図26a乃至図26lに示されるこれらの変形に加えて、補助キャパシタCと相補入力スイッチS’とを備えるこの枝を、基本変換器回路の他のノード間に配置でき、なおも基本の関係(4)を満足する方法が更に数多くある。例えば、入力インダクタおよび/または出力インダクタのような他の構成要素を、図26jにおけるような変換器の、上のレッグから下のレッグ(戻り電流路)へと配置換えすることによって得られる、図11cに示される基本変換器の構成の他の等価な変形例は、文字通り何百もある。丁度入力キャパシタの下のレッグへの配置換えの場合のように、ソースと負荷との間の共通接地の望ましい特長は、この非絶縁変換器の場合には失われる。にもかかわらず、絶縁の等価物はその欠点を削減し、2つの別々の接地を備える絶縁バージョンを結果として得ている。
【0079】
更には、相補出力スイッチS’もまた、図26jの変換器の下のレッグに配置換えされるとき、図26kの非絶縁変換器が得られる。この変換器においては、入力DC源と出力DC負荷との正の端子が、図26kに示されるように共通の接地を有することができ、結果として、負入力−負出力の変換器を生じている。なおも別の変形が図26lに示されており、そこでは、補助キャパシタと相補入力スイッチとを備える枝が、出力スイッチと平行に配置されている。
【0080】
しかしながら、これら構成要素の配置換えは全て、図11cの正しく同じ新しい基本スイッチング変換器の変形に過ぎないということに注意する。このことは、(先に記述されたとおりカクによって導入された)状態空間平均化分析方法によって容易に証明される。これら変換器の変形全てについての状態空間の等式は、図11cの新しい基本スイッチング変換器の状態空間の等式と同一であり、したがって、これら変換器の変形全ては、上で説明されたような補助キャパシタCのDC電圧の相違を除いて、本質的に同じ特性を生じる。例えば、入力インダクタLを図26jおよび図26kにおけるように下のレッグに配置換えすると、結果として、図11cの基本変換器についてのものと同じ2つの(DTインタバルとD’Tインタバルの間の)スイッチングされるネットワークの等式を生じる。
【0081】
補助キャパシタCと相補入力スイッチS’とを有する枝の、これらの代替的な接続全てと、前述のような入力インダクタ、出力インダクタ、相補出力スイッチ等のような他の構成要素の再配置とは、全て1つのことで共通しており、すなわち、相補インタバルD’Tの間の補助キャパシタ電流i(t)が、式(4)によって与えられるということに注意する。この関係(4)が維持されるので、新しい基本変換器の独特の特性は全て維持され、図26a乃至図26lの多数の等価の変形例のいずれにも、ならびに、図示されていないが条件(4)を満足する他の多くの例においても存在している。したがって、特許請求の範囲において、補助キャパシタCと相補入力スイッチS’とを備える枝を他の様々な可能性の変換器全てに接続する手段を記述するのに必要な、基本的な機能条件として等式(4)を用いるものとする。当業者であるならば、動作が同じ関係(4)を包括する他の代替的な変換器の変更例をいくつか見出すものであり、したがって、それらは全て、このもとの変換器の構成の他の変形と考えられる。
【0082】
前述の全ての変形例において、相補入力スイッチS’と補助キャパシタCとを備える枝を通る電流はACのみであり、それは式(7)に示されるようにI=0であるからである。したがって、相補入力スイッチS’はACリプル電流成分のみを伝播し、それは、DC負荷電流と比べて小さい。それ故、相補入力スイッチS’の伝導損は、電流がDC負荷電流に直接依存するパワースイッチである入力スイッチSの伝導損に比べて、非常に小さくて無視できるものである。丁度相補入力スイッチS’のように、補助容量Cもまた、比較的サイズが小さく損失の低い成分であり、それは、それもまた、同じく小さなACリプル電流成分のみを伝播するからである。それ故、補助キャパシタは、それがより大きなESRを有するときでさえ無視できるだけの損失しか有していない。したがって、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、変換器の伝導損の合計にほんのわずかにしか貢献していないが、決定的に重要であり、それは、それが関係(3)および(4)によって定義される2つの基本的な特性の存在を可能とするからであって、それらは、無損失スイッチングの性能にとって重大である。
【0083】
加えて、この枝が存在する結果、中間インダクタLでボルト−秒バランスを生じる。または、中間インダクタLでのボルト−秒バランスを確実にするのに丁度必要な、式(2)によって与えられるDC電圧Vに、補助キャパシタCが充電される。したがって、この中間インダクタが絶縁変圧器によって置き換えられるとき(次の絶縁変換器の章を参照)、これもまた、その変圧器の磁化インダクタンスのボルト秒バランスを確実にする。このように、従来技術のフォワード変換器の絶縁変圧器における第3のリセット巻線のような、別個の磁心リセット機構の必要性が完全に削除されている。それ故、中間インダクタL(または絶縁変圧器の磁化インダクタンス)でのボルト秒バランスは、その動作に固有のものであり、この変換器の第3の基本特性を表す。
【0084】
(ハードスイッチングの簡略化)
ハードスイッチング変換器の場合、図27aに示されるように、単一クォードラント・スイッチでより簡単に実現することもまた可能である。しかしながら、相補入力スイッチS’は、なおも、例えば、図27aにおけるようなダイオードと並列のNPNバイポーラ・トランジスタのような電流2方向スイッチで実現されなければならず、それは、その電流が交流であって、それ故に固有に2方向性であるからである。入力スイッチSは、電流2方向性である必要は無く、図27aに示されるように、別のNPNバイポーラ・トランジスタで実現することができる。出力スイッチSおよびS’は、ダイオードであり得るが、それは、図27aにおけるような電流整流器CRおよびCR’である。図27aのNPNバイポーラ・トランジスタS’は、図27bのPNPトランジスタS’と置き換えることができるが、それは、ここでは、図27aの回路に必要とされる浮遊駆動(フローティングドライブ)ではなく、直接駆動のために好ましいエミッタ接地の構成である。より高いスイッチング周波数および駆動の簡易性を強調して、バイポーラ・トランジスタは、図27cにおけるようなMOSFETトランジスタと置き換えることができる。相補入力スイッチS’はPチャンネルMOSFETであって、それは、直接駆動に適切な好ましいソース接地の構成であることに注意する。入力スイッチSもまた、ソース接地の構成であり、したがって、より複雑な浮遊駆動ではなく、より簡単な直接駆動を用いることができる。追加される利点は、ダイオードが既にMOSFET装置に組み込まれていて、外部ダイオードが必要でないことである。更には、入力MOSFETスイッチSにおけるボディ・ダイオードが、軽い負荷電流で不連続の導電モードを防止し、それは、変換器の前端が全体として電流2方向性であるからである。
【0085】
図27cのPチャンネルMOSFETS’は、図27dのNチャンネルMOSFETS’で置き換えられる。このスイッチには、図27aのバイポーラの等価物として浮遊駆動が必要である一方で、これは、特別な集積回路(IC)ドライバ・チップ、いわゆる「ハイ側のドライバ」の利便性および有効性のために、多くのアプリケーションでなおも好まれており、それは、そのような駆動条件のみのために設計されているが、新規な無損失スイッチングを実現するのに必要な適切なスイッチング時間制御を提供することもできる。
【0086】
出力伝導損を低減する必要のある低電圧のアプリケーションについて、出力側の電流整流器CRおよびCR’が、図27eにおけるような同期整流器として動作するMOSFET装置で置き換えられる。更には、全てのMOSFET装置を使用することで、新規な無損失スイッチング方法をいくつか異ならせて実現することが可能となる。アプリケーションによっては、図11cの構成における電圧V=V/(1−D)と比較して、V=DV/(1−D)によって与えられる、より低いDC電圧を、補助キャパシタCにおいて有する図26aまたは図26fの構成が好まれるであろう。それぞれの補助キャパシタのDC電圧定格出力の比は、下式で与えられる。
Figure 2004508799
【0087】
したがって、負荷比D=0.5では、補助キャパシタの電圧定格出力は、図26aにおけるような位置に配置されるとき、図11cにおけるような配置と比べて2倍低くなる。その後、絶縁の実施例は、補助キャパシタCのより低い電圧定格出力とハイ側の駆動構成との双方を利用する。補助キャパシタの他の位置によっては、キャパシタCのなおも低い電圧定格出力が導かれる。
【0088】
図27fは、2つの背中合わせのMOSFETを備える合成スイッチとして実現される出力スイッチを示す。図27gの変換器もまた、同じVBSスイッチを実現しているが、スイッチS’についてはPチャンネルMOSFETである。
【0089】
(CBS出力スイッチでの絶縁の拡張例)
実際のアプリケーションの大半において、入力DC源と出力DC負荷との間のガルバーニ絶縁が、安全上の理由で、またはシステムの点から見て、しばしば必要とされる。変換器の絶縁バージョンが一旦得られると、出力DC電圧を変圧器の巻数比で拡大または縮小することができ、負ならびに正のDC出力電圧を提供することができ、異なるDC電圧および極性を備える多数の出力を容易に得ることができるといった、追加の利点が獲得される。
【0090】
しかしながら、非絶縁DC−DCの存在によって、ガルバーニ絶縁の等価物の存在が全く保証されるわけではない。実際多くの非絶縁変換器は、ガルバーニ絶縁の拡張を全く有していない。それを有するものでも、フォワード変換器のようにむしろ明白でない拡張を現実に有しており、それは、図1aの従来技術のバック変換器から得られており、その基本形において磁心のリセットを行う第3の巻線を必要とする。従来技術のフライバック変換器のような更に別の変換器は、ストレート・フォワードの絶縁バージョンを有しており、非絶縁バージョンのインダクタを絶縁変圧器で置き換えることによって簡単に得られる。本発明は、そのカテゴリーに属するものであり、それは、中間インダクタL(およびそれ故に、それぞれの絶縁変圧器の磁化インダクタンス)ではボルト秒のバランスが取れていることが既に実証されたからである。3つの別々のインダクタを備える本発明の非絶縁バージョンは、図26aに示されている。そうして、図28の対応する絶縁の拡張は、磁化インダクタンスLおよび二次対一次の巻数比N:Nを備え、電圧変換比を下式に変える絶縁変圧器で、もとの中間インダクタLを、単に置き換えることによって得られる。
Figure 2004508799
したがって、図26aの非絶縁変換器の全ての特性が、図28の絶縁の等価物に引き継がれる。
【0091】
非絶縁変換器は、電圧ステップダウン機能のみが可能であったが、図28の絶縁の拡張例では、ステップアップならびにステップアップ/ステップダウン機能もまた可能である。また多くのアプリケーションにおいて、整流されたACラインが一次DC源として用いられるとき、および5V、3.3Vおよびそれ以下といった低い電圧出力が必要とされるときのように、非常に大きなステップダウンが必要とされる。そのようなアプリケーションにおいては、変圧器の巻数比をとおしての更なる電圧ステップダウンが必須であり、ガルバーニ絶縁の特長もまたそうである。
【0092】
丁度図26aの非絶縁変換器を、図28のその絶縁の対応物(カウンターパート)に変換したように、ここで、図26b乃至図26lの変換器の中間インダクタを、それらの絶縁の対応物を得るために、絶縁変圧器で置き換えることができる。しかしながら、全ての非絶縁変換器の変形例が、それらの絶縁の等価物をもつわけではないことに注意する。
【0093】
例えば、そのようなステップの後、図26dおよび図26iは、なおもガルバーニ絶縁を有しておらず、それは、補助キャパシタCと相補入力スイッチS’からなる枝が、変換器の一次側の1つのノードと二次側の別のノードとの間に接続されるからである。したがって、これらの変換器の構成を除外した後もなお、図11cの基本の非絶縁変換器の絶縁の拡張例が多数可能である。基本変換器の絶縁の拡張例のいくつかが、図29a乃至図29hに示されている。図29gおよび図29hの変換器においては、補助キャパシタCと相補入力スイッチS’とを備える枝が、完全に二次側にあることに注意する。したがって、この枝が入力側にあったときのもとの利点は消失しており、変圧器の漏れインダクタンスに蓄積されるエネルギーは回復されず、消失して、全体の効率が低減される結果となる。更には、この余分のエネルギーの損失は、入力MOSFETスイッチのドレイン−ソース電圧の減衰されない、または非常に軽く減衰されるリンギングとして呈示される。そして、これによって、このデバイスの高い電圧スパイクおよびそのより高い電圧定格出力ならびにずっと増大した放射EMIノイズが導かれる。
【0094】
図26fの非絶縁構成における共通接地の欠如は、ソースと負荷が別々の接地を有する一方で変圧器が浮遊している図29eの絶縁の等価物において解消されている。この構成には、一次側のスイッチを図30に示されるようなハイ側の構成のNチャンネルMOSFET装置で実現することができ、一方、補助キャパシタCが、式(9)によって与えられるようなより低い電圧定格出力Vを有するという、追加された利点がある。同じ利点は、図29fの絶縁の構成においても保留されるが、それは、図29kの、その非絶縁の対応物の絶縁バージョンである。図26gの変換器の絶縁の対応物は、図29aの絶縁変換器と同じであるが、入力キャパシタCが違っていて、それは、上のレッグにあり、また相補出力スイッチS’は出力戻りレッグにある。明らかに、双方の変換器は各々の自明な変更例である。
【0095】
丁度、非絶縁の場合には等価の変形を用いて得られる文字どおり何百もの変形があるように、中間インダクタを絶縁変圧器で単純に置き換えられることによって得られる絶縁変換器も等しく大きな数だけある。これらの内のほんの2、3のものだけは、図26dおよび図26iの変換器について説明されたような絶縁を有するものではないということが判明する。
【0096】
前述から、絶縁変圧器を挿入することで、新しい変換器の基本動作または主要な特長と性能特性が変わらなかったことは明白である。しかしながら、補助キャパシタを備える枝が、一次側と二次側との間に配置されるこれらの変形例は除外されるべきである。
【0097】
にもかかわらず、図29aの本発明の絶縁の拡張には追加の実施例がいくつかあり、それらは、非絶縁の構成においては利用できないか新たに面白い特長が無いものである。
【0098】
図30に示されているのは、図29aの4つのスイッチが全てNチャンネル半導体MOSFETスイッチング装置と置き換わった絶縁変換器の実施例である。一次側のスイッチは、ハイ側のドライバIC回路を用いることができるように接続されており、それは、実用上紛れも無い利点である。同様に、二次側のMOSFETスイッチング装置は双方とも、ソース接地のNチャンネルMOSFETであって、結果として二次側のMOSFETスイッチング装置について実用上直接駆動が得られている。補助キャパシタCは、同時に、それがより低いDC電圧定格出力を有する位置にあることにも注意する。
【0099】
入力スイッチの負荷比を変調する駆動および制御回路が一次側にあるならば、二次側のMOSFETスイッチは、駆動するのに幾分かの問題を呈し、すなわち、双方の対応する駆動信号が、一次側から二次側へと送信されなければならず、また、駆動制御には絶縁が提供されなければならない。更には、一旦駆動信号が二次側に提供されると、二次側の駆動回路にもまた駆動パワーを提供しなければならず、その結果、解決するのが複雑で費用のかかるものとなる。したがって、存在しているスイッチング変換器回路を用いて、制御またはパワー回路の構成要素を全く追加せずに正しく駆動できるように、二次側のスイッチを「自己駆動(self−driven)」できるものとするならば、それは、実用上紛れも無い利点である。そのような「自己駆動」の1つの構成が、図31aに示される本発明の別の実施例に提供される。図31aにおけるような接続がなされているならば、すなわち、出力MOSFETスイッチSのゲートが、相補出力MOSFETスイッチS’のドレインに接続され、一方、相補出力MOSFETスイッチS’のゲートが出力MOSFETスイッチSのドレインに接続されているならば、変圧器の二次側は、既に正しい駆動波形を示している。したがって、一次スイッチング装置をONおよびOFFとすることで、出力MOSFETスイッチング装置を駆動するように変圧器の二次側に正しい駆動波形が自動的に生成される。こうして複雑な駆動および制御回路が削除される。
【0100】
本発明の別の「自己駆動」の実施例が、図31bに示されており、そこでは、追加の駆動巻線が、絶縁変圧器の同じ磁心に巻かれている。各駆動巻線は、巻数Nを有しており、相応する巻線の一端が、2つの出力MOSFETスイッチに、最適の、異相の駆動を提供するように接続される。再度、複雑な駆動および制御回路が削除され、回路が大きく簡略化される。
【0101】
図31aの「自己駆動」の構成と比較して、図31bの構成はより柔軟であり、それは、駆動巻線の巻数が駆動の要件を最適化するよう選択できるからである。前記回路の簡略化にもかかわらず、次の章で説明される無損失スイッチングの利点の殆どは、このより簡単な駆動の実現においてなおも有効であることに注意すべきである。
【0102】
一旦絶縁変圧器が実現されると、別個の出力電圧の各々は、図32に示されるような対応する変圧器の巻数比によってスケーリングされる。各出力は隔離されているので、第2の出力について出力の接地を適切に選択することによって、負極性の出力電圧を得ることもできる。
【0103】
絶縁が必要とされず、かつ正の出力電圧極性が正の入力電圧源から必要とされる、いくつかのアプリケーションにおいては、図33に示されるようなオートトランスが中間インダクタに置き換わる別の実施例を用いることで利点が得られる。如何なるオートトランスの接続においても、一次および二次巻線は、図33のNのようなある共通の巻数を共有する。この構成は、完全絶縁のバージョンよりも効率が高い。図33に示されるように、合計巻数Nを備える唯一の巻線のみをオートトランスに備える必要があり、それは、一次巻線が丁度Nの巻数でタップを用いているからである。図33に示される構成において、N>Nであり、巻数比は電圧のステップアップを提供する。しかしながら、N<N(二次巻線が一次巻線でタップを用いる)のとき、更なる電圧ステップダウンが得られる。加えて、AC銅損が低減され、それは、単一のオートトランス巻線もまた、より低いRMS電流を有するからである。丁度絶縁変圧器の場合のように、出力DC電圧の更なる電圧スケーリングが得られる。
【0104】
(VBS出力スイッチを備える絶縁の拡張例)
図34に示されるのは、図29eの全てのスイッチがNチャンネル半導体MOSFETスイッチング装置と置き換えられる絶縁変換器の実施例である。出力VBSスイッチSが、2つのMOSFET装置からなる合成4クォードラント・スイッチによって実現されることにもまた注意する。一次側のスイッチはやはり、ハイ側のドライバICチップを用いることができるように接続され、それは、実用上紛れも無い利点である。相補出力スイッチS’が、そのソースを設置して接続されており、直接駆動の準備がなされている。しかしながら、図34の2MOSFET4クォードラント合成スイッチSによって実現される出力スイッチは、浮遊駆動を必要とする。図35において、電圧2方向スイッチ(VBS)Sは、ダイオードとソース接地のPチャンネルMOSFETで実現されており、それは、直接駆動に適切な構成である。同時に、補助キャパシタCは、それがより低いDC電圧定格出力を有するような位置にあることにもまた注意する。このキャパシタCの電圧は、スイッチS’と補助キャパシタCからなる枝が入力インダクタLと並列に接続されているならば、更に低くすることができる。
【0105】
しかしながら、この構成において、入力電流はこの枝を流れるACリプル電流プラス入力インダクタ電流を含んでおり、そしてそれ故に、もはやリプルが無いわけではない。絶縁変圧器が一旦実現されると、別個の出力電圧の各々が、図36に示されるような対応する変圧器の巻数比でスケーリングされる。最後に、各出力は隔離されるので、第2の出力に出力接地を適切に選択することによって、負極性出力電圧を得ることもできる。
【0106】
絶縁が必要とされず、かつ正の出力電圧極性が正の入力電圧源から必要とされる、いくつかのアプリケーションにおいては、図37に示されるように、オートトランスが絶縁変圧器に置き換わる別の実施例を用いることで利点が得られる。
【0107】
アプリケーションの大半において、整流されたACラインからの動作におけるように、例えば、400Vから5Vあるいはそれ以下の電圧へといったような、かなり大きな全体のステップダウンが必要とされる。この場合、絶縁変圧器のステップダウン巻数比をとおして更なるステップダウンが提供される。図30および図34の絶縁の拡張例ならびに図33および図37のオートトランスの拡張例は、その場合にも、変換器の出力側から変換器の入力側を完全に分離するという実用上の重要な機能を行う。この望ましい性能は、出力側の整流によるものである。完全な分離とは、入力側がその低い電流を「見る」だけであって、出力側からのDC電流の反射が無く、それは、低電圧では高電流のアプリケーションが入力側の装置での大きな負荷電流ストレスを表し得るということを意味する。同様に、出力電圧は、入力側のスイッチング装置の電圧定格出力を増大させるように入力側に反射しない。
【0108】
入力側の電圧はいずれも出力側に反射されず、出力側の成分の電圧定格出力を増大させず、また、入力電流も、出力デバイスが見る合計電流を増大するように絶縁変圧器またはオートトランスの巻数比をとおして反射しない。したがって、変圧器の一次側のスイッチング装置は低い入力電流で動作し、一方、変圧器の二次側のスイッチング装置は、追加の電圧および/または電流オーバーヘッド無しに低い出力電圧で動作する。
【0109】
MOSFETスイッチがOFFのとき、それらの寄生ドレイ−ソース容量が、1/2・C で与えられるエネルギーを蓄積するOFF状態電圧Vに充電され、ここで、Vは装置遮断(ブロッキング)電圧であり、Cは式(1)に示されるとおりのスイッチング装置寄生容量である。
【0110】
クォードラントが遮断電圧に依存するために、入力一次側の高電圧装置は、変圧器の二次側における低電圧出力装置よりもかなり高いエネルギーが蓄積される。この損失を削減するために他の対策が取られないならば、それぞれのMOSFETスイッチがONとされる度に、寄生キャパシタが短絡され、その蓄積エネルギーが熱として消散される。これによって、図30および図34のいずれのMOSFETスイッチング装置が、大きな入力−出力ステップダウン変換器の場合の、スイッチング損の低減に最も重大であるかが明らかになる。その場合入力側MOSFETスイッチが高電圧装置であり、一方、出力側MOSFET装置が低電圧装置である。明らかに、入力側の高電圧装置が、このスイッチング損の貢献に関しては断然最も重大である。したがって、次の章では、入力側の高電圧MOSFETスイッチのスイッチング損を完全に削除し、出力側のMOSFETスイッチのスイッチング損を削減するか実質的に低減するかする本発明の新規な無損失スイッチングの実施例が記述される。
【0111】
(スイッチング損の削減)
(第2の基本特性)
図11cの変換器の入力インダクタおよび出力インダクタのACリプル電流成分が、図38aおよび図38bに示されている。2つのインダクタの電流の、与えられ、選択された方向および、図38aおよび図38bに示されるように選択された巻線の正のAC電圧の極性について、以下の等式が適用されることに注意する。
Figure 2004508799
これらの2つの等式の符号の違いは、出力インダクタ・リプル電流が、図38aおよび図38dに示されるように、入力インダクタ・リプル電流と比較して異相にあることを示す。
【0112】
ここで、等式(4)、(5)、(6)および(7)の時間領域の解釈を完全に明らかにする。インダクタ電流の和i(t)+i(t)が図39aに示されており、そのDC電流レベルI+IおよびACリプル電流成分Δi+Δiが示されている。出力インダクタ電流i(t)が図39bに示されている。出力インダクタDC電流レベルIは、I+Iと大きさが等しく、そして、減算の後、図39cに示される正味のDC電流は常時ゼロであり、関係(5)を実証する。図39dのリプル電流Δi(t)を図39aのリプル電流Δi(t)+Δi(t)から減算する結果、図39dのリプル電流波形の合計の時間領域が表示される。出力インダクタ・リプル電流は、入力インダクタおよび中間インダクタ・リプル電流に関して異相であるので、また、差Δi+Δi(t)−Δi(t)を見ているので、これは、図39dに示されるような3つのリプル電流全ての大きさを実際に加える結果となることに注意する。補助キャパシタCにおける図39eの電流i(t)の時間領域波形は、相補時間インタバルD’Tの間、図39dの波形と一致しており、時間インタバルDTの間明らかにゼロである。この補助キャパシタ電流i(t)はゼロのDC電流成分を有しており、そうして、もとの仮定を実証している。補助キャパシタのみにおいてのACリプル電流の存在は、同じ相補インタバルD’T内で補助キャパシタが充電され、なおかつ放電されなければならない事実から容易く推定できていたであろうが、一方、前述の詳細な分析によって、このACリプル電流は、相補インタバルDTの間、図39eのそれに同一であり、それは、DからD’への移行での正の値IとD’からDへの移行での負の値Iに等しいことを確認することができる。したがって、相補インタバルD’Tの終わりには、補助キャパシタ瞬間電流は、常に丁度望ましい方向を有しており、それは、補助キャパシタCを大きさIのピーク電流で放電する。
【0113】
前述の詳細な分析から、3つのインダクタにおけるリプル電流の大きさに関わらず、補助キャパシタ時間領域電流は、常に図39eに示されるのと同じ形であって、すなわち、DTからD’Tへの時間インタバルの移行で正のピーク値Iであり、D’TからDTへの移行で負のピークIであり、ここで、I=|I|=Δi/2ということになる。このように、如何なる負荷比Dについても、図39eの補助キャパシタ電流は、常に負のピークIを有しており、無損失スイッチング動作を可能としている。中間インダクタが、絶縁変換器のバージョンにおいて絶縁変圧器で置き換えられるとき、明らかに同じことが成り立つ。いずれの場合にも、これによっていかにして、実行するのが困難な移行(D’からDへの移行)を強制するのに必要な負のピーク電流Iが、既に自動的に無損失スイッチングに提供されているのかに注意する。本発明までの共通のソフトスイッチング手法では、例えば、図2eのバック変換器における従来技術のソフトスイッチングで記述され、そこに示されているように、出力インダクタ・リプル電流の過度の増大によって、相補インタバルの終わりに、負の瞬間出力インダクタ電流を幾分強制的に生成しなければならなかった。
【0114】
従来技術のソフトスイッチング方法では、出力スイッチおよび相補出力スイッチの双方について、ダイオード整流器のような受動半導体スイッチング装置を用いることによって有効性が限定されていた。このような装置は自動的にONとされるが、それは、ある非常に特別な瞬間に変換器回路の動作によって到達される特定の状態(ダイオード・スイッチ端子にかかるゼロに近い正の閾値電圧)に応答したに過ぎないのであって、無損失スイッチングの利点を最大化するのに必要なようにではない。ここでは、数多くの新規な無損失スイッチング変換器回路が提示されているが、無損失スイッチングの有効性が非常に向上していて、効率も実質的に増大しており、それらは、出力スイッチと相補出力スイッチの双方のためのMOSFETトランジスタのような、制御可能2クォードラント半導体スイッチング装置を用いる結果得られたものであり、それらは、変換器の状態からは独立してONとすることができる。これらの制御可能スイッチの実際のスイッチングのタイミングを制御して、共振インダクタを備える、またはそれを含むことの無い、無損失スイッチング性能を最適化するような数多くの可能性が、明らかに存在する。ここでは、最も有効な方法のいくつかが紹介され、説明されている。これらから、当業者であるならば、開示された無損失スイッチング方法の変形または組み合わせが推定でき、それらは、手元にある特定のアプリケーションには最も有効なものとなるであろう。
【0115】
以下の無損失スイッチングの説明は、2つの主要な部分に分けられる。
1.最初に、新規な無損失スイッチング方法を紹介し、かつ、顕著な波形と相関する様々な移行サブインタバルを表す、簡略化された等価回路モデルを通じてそれらの動作を説明する、新規な無損失スイッチング方法の分類および分析。各無損失スイッチング方法について、重大な分析等式を与え、かつ、設計においてのそれらの使用を説明して、低電圧から中間電圧を通して高入力DC電圧まで要請される広範囲の実用上のアプリケーション、非絶縁または絶縁変換器のアプリケーション、広い入力電圧範囲の要件等について、有効な無損失スイッチングを案出することができ、かつそれを通しての各方法の最善の使用を考察することができるものとする。
2.無損失スイッチング方法の各々の詳細な動作が、動作の詳細な記述と一緒に、(DからD’へのおよびD’からDへの)2つの移行の各移行サブインタバルについての完全な変換器回路の状態を用いて記述する無損失スイッチングの詳細な説明。
【0116】
(新規な無損失スイッチング方法の分類および分析)
本説明は以下のように分けられる。最初に、最も重要でずっと困難なD’からDへの(いわゆる「強制される」)移行が、以下の3つのカテゴリーでこの順番に分析される。
1.共振インダクタを備えない非絶縁変換器。
2.共振インダクタを備える非絶縁変換器。
3.漏れインダクタンスを共振インダクタとして備える絶縁変換器。
【0117】
そしてこれらのカテゴリーの各々から、CBSスイッチ、ダイオードまたはVBSスイッチとして出力スイッチを実現したものに基づく異なる無損失スイッチングのカテゴリーが導かれ、続いてそれらが、出力スイッチがONとされる移行インタバルの間の実際の瞬間に依存するように示される。
【0118】
そして、前記と同じフォーマットを用いて、達成するのがより容易いDからD’への移行であって、「自然な」無損失スイッチングの移行とも称される移行の間の、無損失スイッチング性能を実証する。そして、2つの別々のDからD’へおよびD’からDへの移行の各々について、無損失スイッチングの詳細な説明の章で様々な可能性が一緒に組み合わされて、数多くの新規な無損失スイッチングの代替案となる。明らかに、その章の主要な区分は反対の一端から始まり、すなわち、2つの主要なカテゴリー、双方の移行を含むCBS/ダイオード・スイッチのカテゴリーおよびVBSスイッチのカテゴリーで始まり、その一方、特定の出力スイッチの実現に依存していて、そして、共振インダクタを備えるかまたは備えない非絶縁変換器および最後には、絶縁変換器といった他の変形例が続けられる。そして、無損失スイッチングの詳細な説明におけるのと同じ編成が、実験による実証の章にも続けられる。
【0119】
絶縁変換器の場合には、別個の共振インダクタが必要では無いことに注意するが、それは、絶縁変圧器の既に組み込まれた漏れインダクタンスによってその役割が果たされるからである。更には、絶縁変圧器の漏れインダクタンスが、ソフトスイッチングを有効にするために、一次および二次巻線を緩く結合することによって意図的に大きなものとされていた、他のソフトスイッチング方法と違って、ここではそのような要件は必要ではない。それ故、変圧器は緊密に結合した巻線で作られて、漏れインダクタンスとそれに対応する損失を最小限にする。
【0120】
無損失スイッチングの可能性の大きさに容易に追随するために、以下の用語法が採用される。
1.共振インダクタを備えない非絶縁変換器についての無損失スイッチングの場合は、A、B、C等のような大文字で列挙される。
2.共振インダクタを備える非絶縁変換器についての無損失スイッチングの場合は、1、2、3等のようなアラビア数字で列挙される。
3.絶縁変換器(漏れインダクタンスが含まれる)についての無損失スイッチングの場合は、I、II、III等のようなローマ数字で列挙される。
【0121】
(安定状態および移行インタバルの定義)
図3bのタイミング図で表されるハードスイッチングは、ONかOFFかのいずれかとして対応するスイッチ状態で、2つのインタバル、すなわち、DTインタバルと相補インタバルD’Tだけを明確に区別していた。DTインタバルからD’Tインタバルへの移行(DからD’へのトランジッション若しくは移行と呼ばれる)およびD’TインタバルからDTインタバルへの移行(D’からDへの移行と呼ばれる)の2つの移行もまた存在しており、それは、現実の半導体スイッチが無限に速いものではないからである。図11dの新しい変換器の無損失スイッチング動作において、スイッチの、損失があってストレスの高いハードスイッチング動作は、全てのスイッチの、正確で最適なタイミングの取られたスイッチング時間制御のために、充分に制御された移行時間インタバルを備える無損失かつ平滑な動作と置き換えられる。そして、図11dのスイッチング時間制御ボックスおよびそれに対応するスイッチ駆動タイミングの正確な制御は、無損失スイッチング変換器動作の一体的、重要かつ不可分の部分である。それなくしては、変換器動作はハードスイッチング動作に逆戻りしてしまい、結果として、効率が大きく低減され、サイズが増大し、EMIノイズのような他の性能が劣化し、装置の電圧、電流および温度ストレスが増大し、そしてそれゆえに信頼性が大きく低下する。したがって、以下の分析および実験によって確認されるように、ハードスイッチング変換器のトポロジーは二次的に重要なものであり、それは、変換器が超高効率の性能および小さなサイズをもつ主要な理由となるのは、基礎を成す無損失スイッチング変換器のトポロジーおよび全てのスイッチの正確なスイッチング時間制御ならびにそれぞれの移行サブインタバルの間の変換器回路の対応する有益な動作であるからである。
【0122】
2つの移行インタバルのいずれかについて図11dの4つのスイッチの各々にスイッチング時間制御の可能性がかなり多数あることに注意する。しかしながら、ごく特定の駆動タイミングのほんの2、3のものだけが(追加の共振インダクタが備わっていてもいなくとも)変換器動作と関係し、そして(CBSまたはVBSスイッチのような)出力スイッチについて適切にスイッチを実現する結果、優れた無損失スイッチング動作が得られる。図11dの4つの制御可能2クォードラント・スイッチについて可能なスイッチング時間制御の数がこのとおりかなり大きいので、2つの安定状態インタバルおよび2つの移行インタバルのより正確な定義が必要となる。したがって、安定状態インタバルDTおよびD’Tならびに安定状態負荷比Dおよび相補負荷比D’が、ここで入力スイッチSに関してのみ定義され、すなわち、インタバルDTはスイッチSが閉じられている(電流を流す)限り続き、そして、相補インタバルD’TはスイッチSが開けられている限り続く。このように、安定状態特性(キャパシタのDC電圧およびインダクタのDC電流)は、そのように定義された安定状態負荷比Dに関して一意的に決定される。
【0123】
そして、2つの移行インタバルが以下のように定義され、すなわち、第1の移行インタバル(しばしば「自然な」移行とも呼ばれる)は、これ以降DからD’への移行と称され、その間スイッチの状態が、SおよびSがONでありS’およびS’がOFFである最初の状態から、SおよびSがOFFでありS’およびS’がONである最後の状態へと変えられる。第2の移行(しばしば「強制された」移行と呼ばれる)の間、スイッチの状態は、前記と反対に、すなわち、SおよびSがOFFでありS’およびS’がONである最初の状態から、SおよびSがONでありS’およびS’がOFFである最後の状態へと変えられる。
【0124】
2スイッチ変換器のクラスのバック変換器のような従来技術のソフトスイッチング変換器または4スイッチ変換器のクラスに属する従来技術のいずれのソフトスイッチング変換器も、2つだけ制御可能スイッチが存在するために、2つの移行が非常に簡単に定義されており、すなわち、各移行の間双方の制御可能スイッチがOFFであり、それは、他のスイッチング装置が受動ダイオード整流器スイッチで実現されていて、そうしてスイッチング時間制御ボックスによっては制御可能ではないからである。それ故、各移行は、2つの制御可能スイッチのいずれでも前の瞬間にONとされたスイッチを、OFFとすることによって開始される。したがって、DからD’への移行は一方の制御可能スイッチをOFFとすることによって開始され、D’からDへの移行は他方の制御可能(相補)スイッチをOFFとすることによって開始される。しかしながら、新規な無損失スイッチング方法は、従来技術のソフトスイッチング以上に簡単であることは無く、それは、
1.2クォードラント・スイッチング特性を備える4つの制御可能スイッチによって、ずっと多くのスイッチング時間制御の可能性が提供され、
2.前記1の結果として、入力スイッチおよび相補入力スイッチの最適スイッチング時間制御は、多くの場合従来技術のソフトスイッチング変換器におけるスイッチのスイッチング時間制御とは完全に異なっており、
3.スイッチング時間制御は、2クォードラント・スイッチの使用される実際のタイプ(CBSまたはVBSタイプ)に依存する。
したがって、第1の移行インタバル(DからD’への移行)の始まりは、DTインタバルの終わりで入力スイッチSをOFFとするのともはや必ずしも一致しない。
【0125】
2つの追加の能動および制御可能スイッチ、すなわち、出力スイッチSおよび相補出力スイッチS’が存在するために、無損失スイッチングのDからD’への移行は、そのような移行を開始するよう設計されるいずれのスイッチででも開始できる。例えば、「対称的な」無損失スイッチングと称される(VBS出力スイッチを備え、かつ共振インダクタを備えずに)1つの無損失スイッチングの場合において、第1の移行は、出力スイッチSをOFFとして全く予期されずに開始し、一方入力スイッチSは、同じ移行の第2の部分を開始するよう同じDからD’への移行の間に単に後でOFFとされる。同様に、絶縁変換器における困難なD’からDへの移行(それ故に漏れインダクタンスとCBS出力スイッチを備える)は、非常に高い入力DC電圧の場合に、相補入力スイッチS’がOFFとされる前であってさえも、CBS出力スイッチSを最初にONとすることによって開始される。
【0126】
移行サブインタバルの間適用できる変換器回路モデルは、太線がONであり、また細線がOFFであるMOSFETまたはダイオード・スイッチとして描かれている。
【0127】
(仮定)
特に断りの無い限り以下の仮定が適用される。
1.全てのスイッチは制御可能2クォードラント・スイッチであり、それらはMOSFETトランジスタ・スイッチであって、寄生容量およびそれらのボディ・ダイオードと並列な理想スイッチとしてモデル化されており、
2.L、LおよびLなるインダクタンス値は、それらのそれぞれの瞬間電流i、iおよびiが、比較的短い無損失スイッチング移行インタバルの間一定であると考えられ得るように充分に大きく、
3.キャパシタC、CおよびCは、それらそれぞれの電圧が全体のスイッチング・サイクルの間一定であり、それらのDC電圧値に等しいと考えられ得るように充分に大きい。
【0128】
(等価共振回路のパラメータ)
入力スイッチおよび相補入力スイッチの寄生容量CS1およびCS’1は、下式で与えられる共振容量Cへと結合され、それは、それらが移行インタバルの間並列に接続されるキャパシタとして動作するからである。
Figure 2004508799
【0129】
絶縁変換器の分析のために、全ての量は一次側に反映されると仮定される。特に出力スイッチSの寄生容量は、絶縁変圧器の巻数比を通して下式のように等価容量CS2pとして一次側に反映される。
Figure 2004508799
【0130】
共振インダクタが含まれている場合についての引き続いての分析において、この反映された容量CS2pは、式(13)で定義される入力スイッチの共振容量Cと比較してずっと小さく無視でき、すなわち下式となる。
Figure 2004508799
【0131】
この仮定は、共振インダクタが無い場合については必要とされない。この仮定(15)は、絶縁変圧器の比較的大きなステップダウン巻数比で、関心のもたれる実際の殆どの場合において満足されることに注意する。例えば、二次側低電圧スイッチは、一次側高電圧スイッチよりも高い容量を有するが、小さくすらある5:1のステップダウン巻数比または有効な0.04の反射係数で一次側に反映されるとき、反映された容量は、一次側の高電圧スイッチング装置の共振容量と比べて無視できるものとなる。式(15)が満足されていない場合もまた分析されており、ずっと複雑なモデルであって、出力スイッチの過剰な容量の作用に打ち勝つよう補助キャパシタACリプル電流Iのより大きなピークが必要とされているが、それによって完全な無損失スイッチがもたらされることが示されている。
【0132】
普遍性を失うことなく、絶縁変圧器の漏れインダクタンスLもまた一次側に集中していて、非絶縁変換器の共振インダクタLに等しいと考えられる。したがって、非絶縁および絶縁変換器双方についてかつ仮定(15)のもとで、共振容量Cおよび共振インダクタL(または漏れインダクタンスL=L)によって形成される直列共振回路の特性抵抗Rが下式で与えられる。
Figure 2004508799
一方、同じ直列の共振回路の共振周波数は下式で与えられる。
Figure 2004508799
【0133】
共振インダクタおよびキャパシタならびにそれらの相互接続抵抗の寄生抵抗による直列共振回路の実際の物理的な抵抗は、実用上非常に小さい。したがって、以下の分析においてそれは無視され、そして非減衰振動の場合のみが仮定される。
【0134】
特性抵抗Rは、変換器の無損失スイッチング性能において重大な役割を果たしており、D’からDへの移行(図39e)での補助キャパシタのピーク電流Iと一緒に、行うのが困難であるD’からDへの移行の無損失スイッチングに責任のある3つの共振電圧成分の相対的な有効性を量的に評価するのに用いられる。
【0135】
本発明においては、図39eにおいて先に証明されたように、D’T時間インタバルの終わりに補助キャパシタ負電流Iが既に存在している。したがって、図2eにおけるような従来技術のソフトスイッチング構成とは対照的に、大きな出力インダクタ・リプル電流が必要とされない。実際、以下に示されるように、本発明の特別なスイッチング時間制御は、主要な関係(4)の評価を利用して、スイッチング損を本質的に充分大きく低減するものである。
【0136】
この変換器においては、丁度その他多くのスイッチング変換器におけるように、「自然な」DからD’への移行が簡単に達成されるが、それは、この移行の間の電流方向が、相補入力スイッチの寄生容量を自然に放電するようなものであるからである。「強制される」移行という名称を正当化する図2a乃至図2eのバック例におけるように電流方向の反転が要求されるのは、第2のD’からDへの移行である。したがって、この困難なD’からDへの強制される移行をいかにして新規な無損失スイッチング方法が達成しているかをまず説明し、それに続いて、共振インダクタを一緒に加えているかまたは加えていない簡略化された等価回路モデルおよび適切なスイッチング時間制御を用いて、DからD’への移行を説明する。そしてこれに続いて、種々の移行状態および詳細な波形の詳細な回路図によって裏付けられる双方の移行の間の変換器動作を詳細に記述する。
【0137】
以下で用いられる回路図において、いずれかの移行についての相補出力スイッチS’の実際のスイッチング時間がしばしば省略されるが、それは、このスイッチのボディ・ダイオードが、それがONまたはOFFとされるときに指図するからである。それ故、MOSFETは、そのボディ・ダイオードの導通をバイパスして伝導損を低減するのに用いられるに過ぎない。他方、出力スイッチSのスイッチング時間は、達成するのが困難なD’からDへの無損失スイッチングの移行について特に重大である。出力スイッチをONとする特定の瞬間および共振インダクタの有無に依存して、CBSかVBSスイッチのいずれかを用いることで非常に有効な無損失スイッチングの代替例が数多く得られる。まず、より困難なD’からDへの移行を以下で詳細に分析し、それに続いてDからD’への移行を分析する。
【0138】
(D’からDへの移行の間の無損失スイッチング)
(共振インダクタを備えない非絶縁DC−DC変換器)
主な無損失スイッチングの代替例が2つ考えられる。最初のものは、4つのスイッチの適切なゲート駆動タイミングのみを用いることに基づいており、外部成分を加えることに依存しておらず、それ故図40aにおいてL=0と仮定される。第2の代替例は、図40aに示されるような入力キャパシタCと直列に加えられる共振インダクタLを用いることに基づいている。入力スイッチ、相補入力スイッチおよび相補出力スイッチはCBSスイッチとして実現され、それらは続いて、理想スイッチ、寄生ボディ・ダイオードおよび寄生ドレイン−ソースの並列接続を備える合成スイッチとして、図40bにおいてモデル化される。しかしながら、出力スイッチSは、CBSスイッチとしてかつ図40bにおけるようにモデル化されか、VBSスイッチとしてかつ図40cにおけるようにモデル化されかのいずれかで実現される。
【0139】
より容易に2つの移行インタバルにおける変換器動作に従うために、軽い輪郭で示されているスイッチがそれぞれの移行の間OFFとされる。したがって、図41aにおける回路は、D’からDへの移行の始まりで丁度変換器を示し、それは、図42bに示されるような瞬間tで相補入力スイッチS’をOFFとすることによって開始される。出力スイッチが制御不可能受動ダイオード・スイッチである従来技術のソフトスイッチングと違って、ここでは、出力スイッチSは、ONとなる実際の時間が動作にとって重大な能動スイッチである。図42bに示されるように異なる瞬間t、tまたはtで出力スイッチSをONとすることによって、質的および量的に異なる場合が多数もたらされ、ならびに出力スイッチも対応して異なって実現されるものがもたらされ、すなわち、
1.時間tは、結果として、CBS出力スイッチで完全なハードスイッチングを生じ、入力スイッチおよび出力スイッチ双方に完全遮蔽電圧がかかり(図42bにおいて一点鎖線で描かれる波形)、それは正の遮蔽電圧が必要であるからであり、
2.時間tで、出力スイッチにかかる電圧はゼロであり、一方、入力スイッチにかかる電圧は、電圧VからVへと低減され、出力スイッチは、ダイオードかCBSかVBSスイッチかであり得(図42bに点線で描かれる波形)、
3.時間tで、出力スイッチにかかる電圧は極性が反転されており、それ故出力スイッチについてはVBSスイッチしか実現が可能ではなく(図42bにおいて太線で描かれる波形)、一方、入力スイッチにかかる電圧はゼロ電圧までずっと低減される。
【0140】
前述の各々の場合において、一旦出力スイッチSがONとされると、入力スイッチもまた同時にONとされる必要がある。
出力スイッチにかかる電圧の反転について、それをどのように異なるやり方で実現する必要があるのかに注意し、すなわち、
a)tとtとの間の時間インタバルではCBSスイッチが必要とされ、
b)tとtとの間の時間インタバルではVBSスイッチが必要とされ、
c)出力スイッチ電圧がゼロとなる瞬間tでの2つの領域間の境界では、ダイオード・スイッチでさえも用いることができる。
後で説明されるように、共振インダクタが含まれる場合についてもまた同じ振る舞いが観察される。
【0141】
(共振インダクタを備えない等価回路モデル)
まずD’からDへの移行の簡略化されたモデルが開発される。この移行は、相補入力スイッチS’をOFFとすることで開始し、そうしてそれは、図41aに細線で示されている。この移行の間導通している唯一のスイッチは、相補出力スイッチCR’であり、そうしてそれは、図41aに太線で示されている。このスイッチのタイミングは回路動作にとって重大ではないことを示すために、それはダイオードで例示されている。しかしながら、出力スイッチSのスイッチング時間制御は、そのタイプのように非常に重大であり、図41aの全てのスイッチは、OFFであって、そして、図41bに示されるようなそれぞれのスイッチの対応する寄生容量で表されている。更には、3つのインダクタは3つの定電流源で表されており、一方、入力キャパシタと補助キャパシタはDC電圧源として表されており、それらそれぞれのDC値VおよびVを備えていて、結果として図41bの等価回路モデルが得られる。式(3)および式(6)によって与えられ、ならびに図39bに示される基本特性によって、いかにして図41bの3つの電流源が組み合わされて図41cの単一電流源Iとなり、3つのインダクタのDC電流全てが打ち消され合うのかに注意する。これが、この無損失スイッチングの移行が非常に望ましい実用的な特長を有している主な理由であり、すなわち、それは、DC負荷電流から独立していて、補助キャパシタのピークACリプル電流Iにのみ依存している。図41cの2つの並列キャパシタは、組み合わされて共振容量Cとなり、最初の電圧値はVであり、一方、出力スイッチのキャパシタは最初V−V値を有していて、結果として図42aの更に簡略化された等価回路モデルが得られる。
【0142】
入力スイッチおよび出力スイッチ双方のキャパシタは、I/(C+CS2)という同じ速度で線形的に放電している。入力スイッチ遮断電圧はVであるので、入力スイッチはVに等しい初期電圧で放電を開始する。図42aの等価回路モデルから、移行インタバルの間の入力スイッチの瞬間電圧vS1と出力スイッチの瞬間電圧vS2の間の基本的な関係は下式となる。
Figure 2004508799
【0143】
したがって、入力スイッチ寄生キャパシタが、初期値Vから瞬間tで放電を開始するとき、式(18)から、出力スイッチ寄生キャパシタは、図42bの波形に見られるようにより低い初期電圧レベル(V−V)から同時に放電を開始する。双方のキャパシタは、I/(C+CS2)という同じ速度で線形的に放電するので、出力キャパシタはまず瞬間tでゼロ電圧レベルに放電する。その瞬間、入力スイッチの寄生キャパシタもまたより低い電圧レベルVに放電される。明らかに、その全ての電荷が、ここで無損失に相補入力スイッチの寄生キャパシタに移動され、それは同じ速度で充電されて、その電圧はそれに対応して増大される。実際、瞬間tで、制御可能入力スイッチおよび制御可能出力スイッチの双方は、それらに低下した電圧をかけてONとすることができる。明らかに、これによって既にスイッチング損について利益がもたらされており、それは、出力スイッチが、そのスイッチにかかる理想のゼロ電圧で既にONとされていて、それ故スイッチング損が無いからである。同時に、入力スイッチ電圧もまた、実質的にVからVへと低減されていて、そのスイッチのスイッチング損が対応して低減している。したがって、スイッチング損の低減は既に達成されている。
【0144】
図42bに見られるような出力スイッチにかかる電圧vS2を観察することによって、もう1つ重大なことを認知できる。出力スイッチがある条件を満足するならば、入力スイッチの寄生容量の線形放電は、妨げられることがないままに更にVのレベルを下がり瞬間tを過ぎることができることに注意する。これによって、出力スイッチにかかる電圧もまた、tで得られるゼロ・レベル未満に低下し続けることが必要となることに注意する。したがって、移行インタバルがこの時間領域へと拡大するためには、出力スイッチは、瞬間tとtの間の時間インタバルで図42bの出力スイッチについてVBSと印の付けられたような電圧2方向スイッチ(VBS)として実現されなければならない。
【0145】
特に関心のもたれる更に別の点は、入力スイッチにかかる電圧がゼロに到達する瞬間tに到達される。その瞬間、入力スイッチはゼロ電圧でONとすることができ、そのスイッチング損は完全に削減されている。しかしながら、出力VBSスイッチは、その瞬間負の電圧(−V)を遮断していて、V に比例するハードスイッチング損でONとされなければならない。にもかかわらず、これらのハードスイッチング損は、変圧器ステップダウン巻数比の大きな絶縁変換器の非常に重要な実際の場合について、無視できることが以下で示されている。
【0146】
VBSスイッチは現在、ダイオード(または別のMOSFET)と直列のMOSFETトランジスタからなる合成スイッチであるので、それは、CBSスイッチよりも高い伝導損を有する。したがって、どの範囲でCBSスイッチを使用することができるのかが分かれば有用である。図42bに示されるように、瞬間tとtとの間の時間インタバルの間、CBSスイッチが配置されており、それは、その場合に、出力スイッチは、1つの極性の電圧を遮断する必要しかないからである。他方、能動CBSスイッチが必要とされる。そのようなスイッチが、それ自体のボディ・ダイオードが瞬間tでONとされる前に時期尚早にONとされるならば、それは、そのボディ・ダイオードと反対の方向に電流を流すことができなければならず、使用されるMOSFETは実際そうなっている。
【0147】
出力スイッチをONとし、ならびにこの領域で入力スイッチを同時にONとすると、双方の装置のスイッチング損が瞬間tと比べて増大されるだけであることに注意する。事実、瞬間tで、入力および出力スイッチ双方について最大ハードスイッチング損が得られる。したがって、この時間領域での動作は常に望ましくないものであるように思われる。
【0148】
共振インダクタを備えない変換器であるこの場合においては、これが真実である一方で、共振インダクタが含まれている場合について、ならびに全ての絶縁変圧器の拡大例において、この領域が最も魅力的なものになることが以下に示されおり、それは、無損失スイッチングが全く予期されないことに、ずっと有効なものとされるからである。実際、驚くことに、これらの変換器についてCBS出力スイッチをONとすることによって、拡張例によって、瞬間tでまたはその瞬間の前でさえも以下に示されるような最も有効な無損失スイッチングがもたらされる。
【0149】
最後に、図42bにもまた示されるように、瞬間tでCBSかVBSスイッチかのいずれかを用いることができる。この非常に特別なスイッチングの瞬間tでは、簡単な整流器ダイオードさえをも用いることができる。出力スイッチと違って、D’からDへの移行の間の相補出力スイッチの正確なスイッチング時間制御は、全く重大ではなく、単純なダイオード整流器に取り替えることもできるということにもまた注意する。したがって、瞬間tでのその特別なスイッチングについて、相補出力スイッチと出力スイッチの双方を、能動スイッチとしてより複雑に駆動しおよび制御する必要のないダイオードとして実現することができる。にもかかわらず、その非常に特別な場合においてでさえ、CBSスイッチを用いることが、特に低出力電圧のアプリケーションについて、効率を上げるためにしばしば好まれる。その場合、MOSFET装置のボディ・ダイオードは、より低いMOSFETチャンネルON抵抗によってバイパスされ、結果として伝導損が低減される。
特別な場合の各々がここで個別に説明される。
【0150】
(VBSスイッチの実現−ケースA)
出力スイッチのVBSスイッチを実現するいくつかの場合に関心がもたれる。VBS出力スイッチが、2つのNチャンネルMOSFETの直列接続として、図43aに実現されたものが示されており、およびそれに対応する波形が図43bに示されている。以下が、従来技術のソフトスイッチングと比較したこの無損失スイッチングの独特の特長であり、すなわち、
1.入力スイッチをゼロ電圧でONとできるように、入力スイッチ電圧は、消散されること無く完全にゼロに低減され、
2.入力スイッチの無損失スイッチングはDC負荷電流から独立しており、それでこの移行は、完全な負荷電流について、および無負荷電流ででも同じ時間を有する。いずれの場合でも、設計された、補助キャパシタのピーク・リプル電流Iによって制御される非常に速い移行が得られ、そうして、有効スイッチ負荷比Dを過度に低減することなく高スイッチング周波数での動作を可能とし、
3.入力スイッチの無損失スイッチングが、如何なる動作負荷比および如何なる入力DC負荷比についても得られ、
4.入力スイッチの無損失スイッチングが、共振インダクタのような如何なる成分をも加えずに実現され、
5.入力スイッチのゼロ電圧スイッチングが、ピーク補助キャパシタ・リプル電流Iでもって得られ、それは大きいものである必要はなく、それに対して、図2eの従来技術のソフトスイッチングにおいては、ピーク・インダクタ・リプル電流は、最大DC負荷電流の2倍を超えて大きくなければならない。そうしてこの結果、重い伝導損のペナルティを生じ、また高DC負荷電流への帰還が減少する。
【0151】
この非絶縁の場合において、入力スイッチのハードスイッチング損は完全に削減され、一方、出力スイッチのハードスイッチング損は実質的に低減する。しかしながら、大きなステップダウンの要請される変換器の絶縁の拡張例の最も重要な実際の場合について、この方法は殆ど理想的である。図59aの絶縁の場合について、後に示されるように、出力スイッチのハードスイッチング電圧Vは、変圧器のステップダウン巻数比を通してずっと低いハードスイッチング電圧V/nまで縮小され、結果として、出力スイッチの無視できるハードスイッチング損しか生じず、一方、入力スイッチは、前記概略された理想ゼロ電圧スイッチング特性を保持する。MOSFETと直列のダイオードによる出力スイッチの余分な伝導損という不利益は、そのダイオードを伝導損の低減されている別のMOSFETスイッチと置き換えることによって緩和できる。
【0152】
(VBSスイッチの実現−ケースB)
図44aおよび図44bに示されるこの場合において、VBS出力スイッチは、例えば、入力および出力スイッチ双方の電圧がV/2である、瞬間tとtとの間の瞬間t23でONとされる。入力および出力スイッチの寄生容量が比較可能であると仮定すると、これは非絶縁の場合において最も低いスイッチング損に対応する。
【0153】
(CBSスイッチの実現−ケースC)
図45aおよび波形が太線で描かれている図45bに示されるこの場合において、CBS出力スイッチは、それにかかる電圧がゼロに到達する瞬間tでONとされる。同時に入力スイッチは、低下したハードスイッチングの電圧VでONとされる。
【0154】
CBSスイッチは、その内部ボディ・ダイオードが変換器回路動作によって強制的にONとされる瞬間tにONとすることができるのみならず、CBSスイッチは、その瞬間以前であってさえも時期尚早にONとすることもでき、これは、点線で図45bの波形に示される瞬間t12のような瞬間tとtとの間のいずれかであることに注意する。この場合の入力スイッチSは、同じ瞬間t12でONとされなければならない。明らかに、この結果、出力スイッチにハードスイッチング損を生じるのみならず、入力スイッチに、増大したハードスイッチング電圧および損失をも生じる。実際、入力および出力スイッチ双方が瞬間tでONとされるならば、最大ハードスイッチング損という最悪の場合が得られる。このように、瞬間tとtとの間のこの領域(CBSスイッチ領域)は、大変非効率であり、回避されるべきであるように思われる。共振インダクタが無い場合について、実際にこのことが成り立つ一方で、共振インダクタが含まれているときは、この領域は最も魅力的なものとなる。事実、驚くことに、出力スイッチSがONとされる瞬間tに近ければ近いほど、共振インダクタを備える章で説明されるように、共振インダクタを備えるより有効な無損失スイッチングが得られる。
【0155】
(ダイオード・スイッチの実現−ケースD)
図46aおよび図46bに示されるこの非常に特別な場合において、出力スイッチおよび相補出力スイッチは、受動スイッチ、すなわちダイオードである。出力スイッチCRおよび相補出力スイッチCR’について対応するスイッチング時間制御が無いことに注意する。この場合、入力の能動スイッチのスイッチング時間制御のみが問題であって、結果として、スイッチング時間制御回路が簡略化される。しかしながら、整流器ダイオードによって、ケースCにおけるよりも高い伝導損がもたらされる。
【0156】
(入力スイッチを遅延させてONとすること−ケースE)
図46bでまた示されるのは、出力スイッチ(図46aにおけるようなダイオードか図45aにおけるようなMOSFETかのいずれか)は、それにかかる電圧がゼロとなる瞬間tでONとされるが、入力スイッチはONとされるのが遅延されて幾分遅れた時間t23でONとされる別の特別な場合である。唯一の結論は、入力スイッチにかかる電圧が、点線で描かれる図46bの波形に示されるような遅延されたインタバルの間電圧レベルVに引き止められるというものである。
【0157】
明らかにこれは望ましいものではなく、それは、それが他に何の利益も無い移行インタバルを引き延ばすに過ぎないからである。したがって、入力スイッチをONとする最適の時間は、ゼロ電圧レベルで出力スイッチがONとされるのと同時である。これらの3つの場合C、DおよびEの全てにおいて、VBS出力スイッチを使うこともまたできることに注意する。しかしながら、より低い伝導損のために、CBSスイッチまたはダイオードでさえ好ましいものとされる。
【0158】
(共振インダクタを備える非絶縁DC−DC変換器)
共振インダクタLが含まれているときの無損失スイッチングの代替例は、図47aの変換器に基づくものである。図47bの全体図に示されるケース1乃至ケース6のような、質的および量的に異なる多数の代替例が得られる。以前のように、これらのケースは、瞬間tから瞬間tまでの範囲にある、出力スイッチがONとされる時間が異なっている。丁度共振インダクタが無い場合におけるように、これらのケースもまた、出力スイッチを実際に実現したものが異なっており、すなわち、瞬間tからtまではCBSスイッチが必要であり、瞬間tから瞬間tまではVBSスイッチが必要とされる。したがって、図47aの変換器図には、出力スイッチについて採用されるVBS/CBSスイッチの指定が含まれている。
【0159】
別の顕著な特性にもまた注意するものとし、すなわち、共振インダクタが変換器動作(ケース1乃至ケース4)に大きな影響を有する全ての場合が、CBS領域に含まれている。かなり驚くべき事実は、別の場合(ケース1)が現れることであり、それは、共振インダクタのない回路において存在すらしなかったものであり、すなわち、太線の波形1として図47bに示されるように、出力スイッチは、相補出力スイッチが時間tでOFFとされる前であってさえも時間tでONとされる。入力スイッチにかかる電圧が、入力スイッチがONとされるときにいかに迅速にゼロ電圧へと減衰するのかに注意する。
【0160】
(移行サブインタバルについての等価回路モデル)
完全な移行インタバルは、以下のように指示される、区別され、連続する4つの移行サブインタバルに分けられており、すなわち、
1.共振インダクタ電流が、その初期値Iから(I+Ir1)へとブーストされる間のブースト・サブインタバルと、
2.入力スイッチ容量が一定速度で放電され、それ故線形に電圧が減衰する間の線形サブインタバルと、
3.入力スイッチの電圧が、その寄生容量の共振放電によって下降し続ける間の共振サブインタバルと、
4.入力キャパシタ電流iC1が、その方向を反転し、電流iから反対方向に流れる電流−iへと変化する間の電流−反転サブインタバルとである。
【0161】
特定のスイッチング時間パターンによっては、ブーストまたは線形サブインタバルのような前述の1つ以上のサブインタバルが存在しないかもしれないことに注意する。そうして、等価回路モデル、特性の顕著な波形および分析定量モデルが全てのサブインタバルについて開発され、それらの使用を通して、動作のベストモードが選択でき、所定のアプリケーションについて最適に設計されるものとなる。そして、等価回路モデルとそれに対応する設計の等式が、ブースト・サブインタバル、線形サブインタバル、共振サブインタバルおよび最後に電流−反転サブインタバルについてこの順番で別々に開発される。
【0162】
最初のステップは、図47aの変換器における3つの大きなインダクタL、LおよびLを、相互入力スイッチがONとされる丁度前の瞬間を示す、図48aに示されるような、D’Tインタバルの終わり(または等価的にはDTインタバルの始まり)で電流値i(0)、i(0)およびi(0)を備える定電流源としてモデル化することである。その瞬間、入力キャパシタ電流は下式に等しいことに注意し、すなわち、
Figure 2004508799
であり、ここで、
Figure 2004508799
かつ、i(0)は、D’からDへの移行の始まりでの入力インダクタ電流の値である。線形および/または共振サブインタバルの間、入力スイッチにはi(t)電流成分のみが存在し、かつ電流i(0)は低減されることに注意する。相補入力スイッチが開けられた(t=0+)直後の瞬間に、図48aのノードAから流れ出る正味の電流はIであり、それは、入力インダクタからの、およびiC1からのi(0)電流の貢献がお互いに打ち消しあうからである。同じ作用を観察する別の方法は、入力電流源i(0)を等価回路の変形によって移動して、図48bの回路モデルに示されるように、共振インダクタLと並列に実現させることである(方向が右から左を指している電流源i(0))。式(19)からのキャパシタ電流もまた、同じ共振インダクタと平行な定電流源i(0)として示すことができるが、今度は左から右を指しており、一方、共振インダクタ電流はi(t)へと低減される。
同じ値i(0)を備える2つの反対の電流源は、相互に打ち消しあい、したがって、i(t)電流成分のみが、線形および/または共振放電インタバルの間存在する。
【0163】
図48bにおけるように出力スイッチが開いていると、入力スイッチ寄生容量CS1が、一定の線形放電速度I/Cで、図48cのモデルで示されるように出力スイッチがONとされるようなときまで、放電されており、その瞬間、共振放電が開始される。このモデルは更に簡略化されて図48dのものとなり、そこではDC源が削減されているが、そのモデルは、減衰の無い簡単な直列共振L、C回路へと還元される。そして、この共振回路の電圧および電流の振動は、式(16)によって定義されるような特性抵抗R、式(17)によって定義されるような共振周波数ωおよび共振振動の開始に存在する初期条件、すなわち、瞬間t=0で共振インダクタにおける電流がi(0)および入力スイッチの電圧がvS1(0)であることを用いて、完全に記述することができる。vS1(0)は、出力スイッチがONとされ、共振移行サブインタバルが開始されるときに存在する入力スイッチの電圧vS1であることに注意する。例えば、特別な場合には、相補入力スイッチがOFFとされる瞬間に出力スイッチがONとされるとき(図47bのケース2)、この初期条件はVS1=Vである。その場合、図48aにおけるようなスイッチ状態の1つから直ちに、図48cにおけるようなものとなって、図48bの線形サブインタバルがスキップされてしまう。しかしながら、図48bの中間サブインタバルが含まれる(相補入力スイッチがOFFとされた後しばらくして出力スイッチがONとされる)ようにスイッチング時間制御がスイッチ状態に含まれているならば、図47bのケース3が得られ、結果として、線形サブインタバルとそれに続く共振サブインタバルの双方が生じる。これらの2つのケースならびに共振放電を含む他の2つの特徴的なケース(図47bのケース1およびケース4)が、次の章で完全に説明され、質的および量的に個別にモデル化される。
【0164】
(ブースト・サブインタバル)
図49aの変換器およびケース1がここで詳細に分析される。D’からDへの移行は、まず、出力スイッチをONとし、かつ他の全ての場合におけるのと違って、相補入力スイッチをOFFとすることによって開始することに注意する。そうして、D’からDへの移行インタバルは、2つのサブインタバルに分けられ、すなわち、
1.瞬間tとtとの間のブースト・サブインタバルであって、図50aの等価回路でモデル化される。
2.瞬間tと入力スイッチが最低電圧でONとされるときの瞬間tminとの間の共振サブインタバルであって、図50bの等価回路でモデル化される。
【0165】
ブースト・サブインタバルにおいて、DC電圧源(V−V)が共振インダクタに印加され、結果として共振電流を線形に増大し、それは、瞬間tで、下式に等しいピーク値Ir1へとブーストされる。
Figure 2004508799
【0166】
同時に、補助キャパシタの負のピークACリプル電流Iが、ブースト・サブインタバルの終わりに、共振インダクタにおける合計電流を(I+Ir1)へとブーストする定電流源として作用する。
【0167】
(共振サブインタバル)
相互入力スイッチがOFFとされるとき、共振サブインタバルが開始される。直列共振回路は、共振インダクタLと直列の共振容量Cからなり、小さくてここでは無視できると考えられる抵抗を備え、それによって、減衰しない振動をもつモデルがもたらされる。この共振回路にもまた2つの初期条件があり、すなわち、共振容量Cの初期電圧Vおよび(Ir1+I)に等しい初期共振インダクタ電流である。そのような共振放電電流iの解を求めることができ、下式のように3つの基本成分に分けられる。
Figure 2004508799
【0168】
3つの共振電流成分は全て、図50cにおいて異なる細点線で描かれ、一方、結果として得られる合計共振電流(i)は太線で描かれる。
3つの共振電流成分の各々は、結果として、共振インダクタにかかる対応する共振電圧成分を生じ、それは、下式のように、Lをかけられるそれぞれの共振電流成分の時間微分係数である。
Figure 2004508799
【0169】
3つの共振電圧成分は、図50cにおいて細点線で描かれる。第2の共振電圧成分vr2の存在に注意するものとし、それは、共振インダクタの初期電圧(V−V)が存在するために現れる。したがって、共振回路は、入力相補スイッチが(I+Ir1)という初期共振電流および(V−V)という共振インダクタの初期電圧でONとされるときに振動し始め、それは、入力スイッチの電圧Vに対応する。
【0170】
図50bにおける等価回路モデルから、共振サブインタバルの間の入力スイッチの瞬間電圧vS1(t)が下式で与えられ、図50cにおいて太線で示される。
Figure 2004508799
【0171】
図50cから、いかにして3つの共振インダクタ電圧成分全てが同じ方向に作用するかに注意するものとし、それは、入力スイッチの電圧vS1を低減する向きであって、単調に低減する。例えば、共振電圧成分vr1とvr3とが式(28)および式(30)において、それぞれ正の符号を有するとすると、これらの成分は、最初、電圧vS1を低減する向きではなく、増大する向きに作用する。同様に、共振電圧成分vr2の負の符号によってもまた、入力スイッチ電圧vs1は、式(29)に示されるとおり低減されるのではなく、増大されるであろう。ここで、式(28)、式(29)および式(30)によって与えられる正弦波成分および余弦波成分を1つに足し合わせて、下式によって与えられる余弦波形v(t)を結果として得ることによって、合計電圧v(t)についての閉形分析式を求めることさえもできる。
Figure 2004508799
【0172】
このように、図50cにおいて太線で示される共振放電サブインタバルの間、入力スイッチの電圧が最終的に下式で表される。
Figure 2004508799
【0173】
ここで、新規な無損失スイッチングの有効性を測るために簡単な規準が利用でき、すなわち、
無損失スイッチング
Figure 2004508799
Figure 2004508799
【0174】
このように、合計共振電圧Vの大きさが、入力DC電圧Vに等しいか、またはそれより大きいとき、ゼロ電圧への完全な低減が得られる。そうでなければ、式(37)によって与えられる差Vは、入力スイッチがONとされなければならない最小ハードスイッチング電圧Vのままである。
【0175】
3つの共振電圧放電成分が存在し、および入力スイッチの電圧の高速共振放電に向けてそれらが同時に貢献するということが、何故この無損失スイッチング機構が、3つの可能な共振放電成分の内せいぜい1つのみが存在し、そのときでさえ最も有効でないvr3成分が存在する、従来技術のソフトスイッチング方法よりもずっと有効であるのかの主な理由である。しかしながら、3つの共振成分の相対的な有効性を比較する前に、残りの電流−反転サブインタバルがモデル化されており、それは、それが続けて起こり、全ての共振放電の場合に共通しているからである。
【0176】
(電流−反転サブインタバル)
図42bにおけるように入力スイッチにかかる電圧がVレベルにあるときの時間tで入力スイッチをONとすることによって、通常(共振インダクタを備えない場合)は、D’からDへの移行を完了する。L=0について図51aの回路モデルに示されるように、入力キャパシタにかかるDC電圧が、相補出力スイッチのボディ・ダイオードのバイアスを反転し、そしてそれをOFFとする。続いて、これによって、相補出力スイッチMOSFETがOFFとされるならば、入力キャパシタ電流が、入力キャパシタを充電する電流iから、同じキャパシタを放電する反対方向で大きさiの電流へと突然に変化する(入力キャパシタの充電バランス要件)。
【0177】
しかしながら、図51aの回路モデルにおける共振インダクタLのようなインダクタの存在で、入力キャパシタ電流のそのような突然の変化が防止され、そして電流−反転サブインタバルtが図51aの等価回路でモデル化される。このサブインタバルの始まり(瞬間tmin)で、共振インダクタ電流iは、図50cに示されるようにゼロに低減されており、そうして式(19)に示されるとおりの入力キャパシタ電流を入力インダクタ成分iC1(tmin)=i(0)だけへと低減している。そして、入力キャパシタDC電圧Vが共振インダクタLに印加されて、図51cにおけるように、iC1=−iかつ相補出力スイッチS’を流れる電流がゼロとなる瞬間tまで、V/Lという速度での入力キャパシタ電流の線形の低下がもたらされ、そのスイッチが有効にOFFとされる。そうして、この電流−反転インタバルtの長さを、小さなリプル電流について有効に近似して下式から得ることができ、ここでI=I+Iが、このサブインタバルにおける電流変化の合計の近似の大きさである。
Figure 2004508799
式(38)から、このサブインタバルの長さは、DC負荷電流IおよびDC入力電圧Vに大きく依存し、かつ、最高のDC負荷電流および最低の入力DC電圧に対して最長である。したがって、能動相補出力スイッチは、式(38)によって与えられる最短の時間tの終結前に、すなわち、そのボディ・ダイオードがOFFとなる図51cの瞬間tの前に、OFFとされなければならない。入力キャパシタにおける突然の電流変化およびtサブインタバルの間の緩やかな変化が無いことによって、伝導され放射されたEMIノイズを低減するのに実際非常に有用である。以前の高電圧例の値、すなわち、V=400V、L=27μH、I=27A(n=27の巻数比で一次側に反映される出力DC負荷電流Iが0.74Aである)に対して、電流反転サブインタバルはt=50nsである。
【0178】
(安定状態DTインタバルにおける振動)
サブインタバルの終わりに相補入力スイッチがOFFとされた後、D’からDへの移行が完了して、結果として、スイッチ状態が、入力および出力スイッチがONとされる図51bのモデルにおいて示されるようなこの移行の始まりでのものから反転され、一方、相補入力スイッチおよび相補出力スイッチはOFFである。にもかかわらず、相補出力スイッチをOFFにするという正にその動作によって、共振インダクタと直列のその寄生容量CS’2が導入されている。これによって、この容量CS’2が、その最初のゼロ電圧値からその最後の電圧Vに充電される別の共振回路が有効に形成され、その結果、潜在的に2Vのピーク値を有する図51cに示されるような振動を生じる。この振動が減衰および損失によって一旦消失すると、最後の安定状態に到達する。振動は明らかに、それぞれのスイッチの遮断電圧要件を増大する。振動素子と結合される固有の寄生抵抗が、振動を充分に減衰させないならば、外部のR−C緩衝器(スナバ)ネットワークを用いてこの振動を減衰することができる。
【0179】
(3つの共振成分の有効性の比較)
明らかに、合計電圧vS1の低減における各共振電圧成分の相対的な貢献は、式(28)、式(29)および式(30)によって与えられるそれぞれの正弦波電圧および余弦波電圧成分の対応する大きさに依存する。250kHzのスイッチング周波数で動作する400Vから5V、20Aの出力について設計される27:1のステップダウン巻数比をもつ絶縁変換器の実際の例がある。二次側が一次側に反映されるとき、等価非絶縁変換器について以下の値が得られており、すなわち、
Figure 2004508799
であり、公式から以下の値が計算される。
Figure 2004508799
3つの成分共振電圧および結果として得られる結合共振電圧は、下式である。
Figure 2004508799
【0180】
=V=400Vであるので、式(36)に示され、(V=0.6Vについて)図50cに太線で示されるとおり、入力スイッチにおいてゼロ電圧スイッチングが達成される。明らかに、上の典型的な例については、最初の共振成分が入力スイッチ電圧を低減するのに最も有効であり、第2の共振成分はそれほど有効ではなく、そして第3の共振成分が最も有効ではない。
【0181】
3つの共振成分の有効性のこの順番は、実際、以下の理由で、関心のある全ての実用例について一般的に成り立つ。大きさがvr3=Rである第3の共振電圧成分は、Iに依存しており、そして小さなIについて非常に小さい。しかしながら、大きさがVr2=V−Vである第2の共振電圧成分は、Iに依存しない。それでも、D=0.5については、この成分のみで入力スイッチ電圧をゼロに低減できるようにVr2=Vである。しかしながら、この成分は、動作負荷比DがD=0.5よりも低くなるとき次第に有効でなくなってくるが、それは、Vr2が入力電圧Vの端数のみとなるからである。ここにおいて、その大きさがVr1=Ir1である第1共振電圧成分が救済に来る。低い負荷比でさえ、この成分は入力スイッチ電圧をゼロに低減するのに有効である。このために必要となるのは、比例して長くなるブースト・インタバル(出力スイッチSをより早く有効にONとすることによる)のみであり、必要に応じて第1共振電流成分Ir1を増大する。これによって、他の損失は増大せず、それは、ブースト・インタバルは150ナノ秒のオーダーで非常に短いからである。
【0182】
第3の最も有効でない共振成分vr3は、従来技術のソフトスイッチング方法においてのみ存在する成分であることに注意する。ずっと有効である付加的な2つの共振電圧成分vr1およびvr2は、本発明の新規な無損失スイッチング方法において独特に存在している。
【0183】
前記正弦波および余弦波共振電流および共振電圧成分ならびに結果として得られる和が、前記実用例によって図50cにおけるスケールにプロットされ、種々の共振成分の典型的な相対スケーリングへの洞察が行われる。
【0184】
更には、図47bにおける様々な共振電圧波形(波形1乃至波形4)のスケーリングもまた、前記実用例についてであるが、入力スイッチにかかる最低の電圧で出力スイッチSをONとし、およびそれに対応して入力スイッチSをONとする異なる瞬間について、描かれている。この例およびその変更例を後に実験の章で用いて、予期される無損失スイッチング波形を実証する。図47bに示される6つの異なる場合の各々が、ここで別々に説明される。
【0185】
(ケース1−3つの共振成分およびCBS出力スイッチ)
図49bに示されるように、入力スイッチの電圧が共振放電を通してゼロに低減される。第1の共振電圧「ブースト」成分vr1(図50c)が電圧放電の殆どに責任があることに注意し、それは、たとえ他の2つの成分が削減されたとしても、265Vの電圧低減が達成されており、V=135Vが得られているからである。
【0186】
したがって、V=575Vについて最大ハードスイッチング損の18倍の低減が得られている。第1の共振成分Vr1が容易に増大できることにもまた注意する。「ブースト」インタバル(図50c)をt=121nsからt=183nsへと丁度50%だけ増大することによって、第1の共振ブースト成分だけがVr1=400Vとなり、残りの他の2つの共振成分の貢献がなくともゼロ電圧スイッチが得られている。
【0187】
更には、これは、実質的に他にペナルティ無く得られており、それは、ブースト・インタバルがスイッチング期間の合計と比べて短いからであり、したがって、実質的にブースト・インタバルを増大することによって、意図的にIr1電流を増大させているにもかかわらず、これは、伝導損、rms電流および効率に無視できるだけの影響しか与えていない。この例において、全体のスイッチング期間と比べてブースト・インタバルは実際小さく、すなわち4,000nsのスイッチング期間と比べての121nsまたは3%である。
【0188】
例えば、第3共振電圧成分vr3ではこのようなケースとはならない。補助キャパシタ・ピーク電流Iを増大することによって、変換器全体のrms電流もまた実質的に増大され、それによって、損失低減の大きな部分を相殺している。それ故明らかに、この場合は、高い入力DC電圧について非常に有効であり、そこでは、この例における575Vのような大きな共振電圧放電が必要とされていて、そして、他の共振成分によって達成するのが不可能である。
【0189】
(ケース2−2つの共振成分およびCBS出力スイッチ)
この場合、ブースト・インタバルはゼロに低減され、そうして、第1の共振電圧成分vr1が低減される。これが起こるのは、出力スイッチがONとされるときで、これと正確に同じ瞬間tに図52bに示されるように相補入力スイッチがOFFとされ、結果として、2つの残りの共振電圧成分のみを生じる。
Figure 2004508799
【0190】
公式(33)から結果として得られる最大共振電圧は、V=199Vに等しい。そうして、式(37)から、残りのハードスイッチング電圧は、瞬間tminで得られるV=201Vである。唯一の作用が、正味24Vのみの補足的な低減またはハードスイッチング電圧Vの10%未満の低減として、入力スイッチ電圧を225Vから201Vへと更に低下させることであったvr3成分を、この場合の共振成分vr2がどのように支配するのかに注意する。第2共振電圧成分のその有効性は、「電圧オーバーヘッド」(V−V)に依存し、それは続いて、負荷比Dに依存することに注意する。この依存を明らかに露呈するために、第3の共振電圧成分Vr3が無視できる影響しか与えていないと仮定し、それは、式(42)における成分vr2のみが残るような下式の場合である。
Figure 2004508799
その場合、入力スイッチSの電圧をせいぜいVよりも下の値|V−V|だけ低減することができる。そうして、負荷比D=0.5に対してV=2VかつV−V=Vであり、共振放電は、入力スイッチのキャパシタ電圧をずっと低下させてゼロ・ボルトとし、図53aに示されるような完全な無損失スイッチングとすることができる。Sの最小電圧が得られるときに入力スイッチSをONとすることによって、丁度正しい瞬間にこれらの共振振動を「捕獲する」ことの重要性に注意する。その瞬間が逃されて、図53bの波形に示されるようにONとするのが遅れたならば、その電圧における振動は、電圧vS1を殆ど最初の値Vへと戻すことができ、それは、超低寄生抵抗によってほんのわずかしか減衰がもたらされないからである。明らかに、そのような電圧でONとすることで、結果として、ハードスイッチングの場合と比べて殆ど損失の低減が無くなる。そうして、この共振インダクタンスの場合において、入力スイッチSの正しい駆動のタイミングが最大限の利益を生じさせるのに重大である。
【0191】
D=0.5よりも高い負荷比について、その方法が等しく有効であり、それは、共振の移行が常に、D=0.75についての電圧を図53cに示されるようにゼロ・レベルへと低下させることが保証されているからである。この場合、V−V=3Vであり、低減できている共振電圧の一部のみが、入力スイッチ電圧をゼロとするのに必要とされる。しかしながら、D=0.5よりも低い負荷比に対して、無損失スイッチングは漸進的に効率がなくなってくる。例えば、D=0.25(図53d)については、V=1.33V、V−Vg=0.33Vであって、結果として0.66Vという最低のハードスイッチング・レベルを生じていて、その時点で入力スイッチSがONとされなければならないので、それと関係するハードスイッチング損が受け入れられなければならない。それ故、無損失スイッチングは、負荷比D=0.25に対して、結果としてスイッチング損を4倍低減させる。
【0192】
もちろん、最大限の損失の比較を行うために、共振インダクタの過剰な損失ならびにそのための付加的なスペースを考慮しなければならない。しかしながら、これは、図52aの非絶縁の拡張例およびその派生例についてしか成り立たない。図60の絶縁変換器およびその派生例において、共振インダクタLは既に絶縁変圧器構造それ自体の漏れインダクタンスとして組み込まれており、それは、この外部共振インダクタと同じ役割を果たす。
【0193】
D’からDへの移行は、DC負荷電流から独立していることに注意し、それは、vr2成分が電圧差(V−V)に依存していて、DC負荷電流に依存しないからである。同様に、vr1およびvr3成分は、ブースト電流成分Ir1およびACリプル成分Iに依存し、そうしてまた、DC負荷電流からは独立している。したがって、D’からDへの移行の共振サブインタバルは、完全DC負荷電流かまたは無負荷電流かについて同じ継続期間を有し、それは、図2eにおけるようなDC負荷電流に依存する従来技術のソフトスイッチング方法に優る明確な利点である。
【0194】
第2の共振電圧期間vr2は、特に高入力電圧の場合に非常に有効である。合計共振電圧低減のこの「余弦波」成分は、特性抵抗Rにも補助キャパシタACリプル電流Iにも依存していなくて、電圧オーバーヘッド(V−V)の関数に過ぎないことに注意する。図53aに示されるように、負荷比D=0.5について、ゼロ電圧レベルへの完全な放電が、如何なる入力電圧Vについても保証される。例えば、この入力電圧は、1000V、2000V等であり得るもので、ゼロ電圧への低減は、R値に関係なく、それ故スイッチの如何なる共振/漏れインダクタンスおよび如何なる共振容量Cについても、およびゼロのリプル電流を含む如何なる補助キャパシタACリプル電流Iについても得られる。この第2の共振電圧成分vr2を活性化するのに必要なのは、出力スイッチおよび適切なスイッチング時間制御について能動CBSスイッチを用いることが全てであって、変換器の回路状態に応答して出力スイッチ・ボディ・ダイオードをONとさせることではなく、この能動スイッチは、意図的にずっと早くONとされる。最大限の効果のために、この出力スイッチは、相補入力スイッチがOFFとされるのと同じ瞬間tにONとされる。この第2の共振電圧成分vr2は、高入力DC電圧に非常に有効であって、また従来技術のソフトスイッチング方法には欠如しているものであることに注意する。
【0195】
丁度反対なのは、第3の共振電圧成分vr3についての場合であり、それは、以下でケース4について説明されるように、入力DC電圧が増大されるとき益々効果の無いものとなる。この第3の成分は、従来技術のソフトスイッチング方法に存在する唯一の共振成分であって、それによって、中乃至高入力DC電圧でそれらに効果の無いことが説明される。
【0196】
(ケース3−線形サブインタバルをもつ2つの共振成分)
出力スイッチSをONとするのが更に遅れて、相補入力スイッチが既に瞬間tでOFFとされた後の瞬間t12になると(図54b)、入力および出力スイッチ電圧双方が線形的に放電される付加的な線形放電インタバルが得られる。そして、出力スイッチが意図的にONとされる瞬間t12で、共振放電が開始される。なおも、式(42)におけるような2つの共振電圧放電成分のみが存在する。しかしながら、第2成分の最大値はここでは実質的に小さく、それは、式(33)において、電圧Vが、瞬間t12で入力スイッチに存在する低減した電圧v12と置き換えられるからである。例えば、v12=495Vについて第2の成分は、先の175Vの代わりにVr2=95Vへと低減する。ここで、残りの共振成分は双方とも、結果として得られる電圧がV=134Vであるように等しい影響を有しており、また、残りのハードスイッチング電圧はV=266Vである。この場合が、中間入力DC電圧およびD>0.5に対して最も適切である。第2共振電圧成分を作る線形サブインタバルが長ければ長いほど、それが完全に削減されて、線形サブインタバルが瞬間tにまで延び、結果としてケース4となるまで如何により有効で無くなるのかに注意する。
【0197】
(ケース4−唯一の共振成分およびCBS/ダイオード出力スイッチ)
先のケースにおけるように出力スイッチが時期尚早に意図的にONとされず、図55bに示されるように、それにかかる電圧がゼロに到達するとき、自然にまかせてONとされる(それ故、図55aに示されるように、出力スイッチおよび相補出力スイッチには、単純なダイオード整流器で充分である)ならば、第3の共振電圧成分のみが下式のように残る。
Figure 2004508799
【0198】
この共振電圧成分は、共振放電を通して入力スイッチ電圧を低減するのに最も有効でない。前記例において、入力スイッチ電圧は、V未満のVr3=95Vだけ低減できるに過ぎず、結果として、V=305Vというハードスイッチング電圧を生じる。補助キャパシタACリプル電流Iを増大することで、この成分の有効性が増大されるが、全体の損失および効率の低減を比例して増大させる。
【0199】
このリプル電流Iは、3つのインダクタ全てのACリプル電流の和である。したがって、3つのインダクタ値のいずれかが低減すると、Iが増大する。入力および出力で低いACリプル電流を保持するために、明らかに、中間インダクタの低減が好ましい。特にこれは、図62aおよび図62bの絶縁バージョンについての場合であり、ここでこれは、絶縁変圧器の小さな磁化インダクタンスへと転換する。続いて、この結果、変圧器のサイズが小さなものとなる。図55bにおいて点線で示されるのがケース4Aであり、そこでは、元の電流Iが3倍増大される。入力スイッチ容量の放電がここで3倍速くなり、そして、共振によってこの容量の電圧が3倍大きく低減される。
【0200】
しかしながら、補助キャパシタのリプル電流が4倍に増大されるならば、V=380Vという電圧の低減が得られ、結果として、V=20Vのみを生じる。残念ながら、これはまた結果として、ACリプル電流による伝導損を16倍増大させ、それは実際、無損失スイッチングによるスイッチング損の低減によって得られる蓄えの大半を減少させてしまう。このケースは、明らかに、名目50Vの入力DC電圧のような低乃至中入力電圧にとって適切である。代替案として、特性抵抗Rをまた増大させて、結果として、正味の共振電圧を比例して増大することもできる。しかしながら、これによって、漏れインダクタンスをずっと増大させることが必要となるために、実際にスイッチング損の相殺低減さえもがより高くなってしまう。例えば、前述のように共振電圧をVr3=380Vへと4倍に増大するのと整合して、特性抵抗Rを4倍増大することが必要とされ、そして、式(16)から共振または漏れインダクタンスは16倍増大されなければならず、結果として、高い漏れインダクタンスによる付加的な損失を生じている。更には、大きな外部共振インダクタが必要とされる。この特別な場合においては、図55aのダイオード整流器で充分であって、出力側では制御可能なスイッチが必要とされないということにも注意する。しかしながら、更に伝導損を低減するために、低い出力電圧ではダイオードはCBSスイッチと置き換えられる。
【0201】
入力スイッチを横切る寄生キャパシタの共振放電に基づく前記無損失スイッチング方法の全てが、負荷比Dに依存することに注意する。以下の場合において、前述の共振放電成分のいずれをも使用することなく無損失スイッチングが達成される、この変換器について代替の無損失スイッチング方法が導入される。この新規な無損失スイッチング方法および回路の実現は、共振の無い無損失スイッチングとして指定される。
【0202】
(ケース5−VBSスイッチと低減されたスイッチング損)
出力スイッチが、図56aにおけるようにVBSスイッチとして実現されるとき、出力VBSスイッチがONとなるのが更に瞬間t23まで遅延できて、結果として、図56bの波形を生じる。どのように入力スイッチの電圧がインタバル全体の間線形に低下し続け、一方、出力スイッチの電圧が負にすらなるのかに注意し、それは、それらが、出力能動VBSスイッチと入力CBSスイッチの双方が同時にONとされる瞬間t23で突然ゼロに低減されるまで続く。明らかに、入力および出力スイッチ双方が、幾分かのハードスイッチング損を被る。如何にして以前の共振放電が決して起こらなかったのかに注意するが、それは、出力スイッチをONとする際に入力スイッチもまたONとされたからである。CS2=Cのとき、ハードスイッチング電圧がV/2である瞬間t23で合計スイッチング損が最小である。
【0203】
(ケース6−VBSスイッチと無損失スイッチング)
入力スイッチSにかかる電圧が、更に遅延した後、ゼロに到達する瞬間tで図57aの出力VBSスイッチSがONとされるとき、入力スイッチのゼロ電圧スイッチングが得られる。ここで、出力スイッチはVレベルでハードスイッチングされることに注意する。より詳細な分析を行うと、この非絶縁の場合でさえ合計スイッチング損の実質的な低減が達成されることが示される。しかしながら、この方法の真の有効性は、後の章に示される絶縁ステップダウン変換器において充分に実現される。
【0204】
(VBSスイッチのための完全なD’からDへの移行)
ブースト、線形および共振インタバルに加えて、CBSスイッチ実現のための完全な移行インタバルもまた電流−反転サブインタバルを有する。前述のケース5および6に示されるように、ここで、共振サブインタバルは線形放電サブインタバルと置き換えられ、それに再度、電流−反転サブインタバルおよび出力スイッチの安定状態サブインタバルにおける電圧/電流振動が続く。線形サブインタバル、電流−反転サブインタバルおよび安定状態振動インタバルtの等価回路モデルが、図58a乃至図58cにそれぞれ示されており、一方、対応する波形が図58dに示されている。
【0205】
(線形放電サブインタバル)
このD’からDへの移行は、相補入力スイッチをOFFとすることによって開始される。図48bを参照して丁度先に説明されたように、入力スイッチの容量を放電する正味の電流は、入力キャパシタ電流が、図58aにおけるように、および図58dの入力キャパシタ電流波形に示されるようにiC1=i(t)+Iであるという事実にもかかわらず、補助キャパシタACリプル電流Iである。この容量がゼロに放電されるとき入力スイッチがONとされ、この線形放電サブインタバルtが完了する。
【0206】
(電流−反転サブインタバル)
共振インダクタの存在によって、入力キャパシタの電流が、キャパシタを充電するその安定状態の値iから、それに続くDTの安定状態インタバルにおいて同じキャパシタを放電する大きさiの負の電流へと突然に変化するのが防止される。図58bの等価回路は、3つのスイッチをONとするもので(入力および出力スイッチならびに相補出力スイッチ)、その結果、入力スイッチキャパシタ電流iC1が、正のレベルi+Iから図58dに示されるようなサブインタバルtの間の負のiへと線形に変化する。一旦電流−iが達成されると、相補出力スイッチにおける電流がゼロとなり、そのスイッチをOFFとし、そうしてD’からDへの移行が完了される。
【0207】
(移行インタバルの完了の後の振動)
前述の通り、図58cの等価回路は、相補出力スイッチの寄生容量および共振インダクタにより、共振出力スイッチの電圧の初期値、すなわちゼロ(それがOFFとされる前の瞬間)と、安定状態の要件によって決定されるようなVに等しい最後の値との差によって引き起こされる、安定状態DTインタバルの始めの振動をモデル化する。前述のような外部R−C緩衝器ネットワークを用いて、これらの振動を減衰することができる。
【0208】
(絶縁DC−DC変換器)
(一次側対二次側ハードスイッチング)
(ケースI−VBSスイッチ)
図57aの中間インダクタLを、ステップダウン巻数比nの絶縁変圧器と置き換えて、図59aの変換器モデルが得られ、そこでは、共振インダクタLの役割が絶縁変圧器の漏れインダクタンスによって果たされている。如何にして、出力VBSにかかる遮断電圧もまた図59bに示されるのと同じ巻数比nによって縮小されて、瞬間tで下式によって与えられるVNEGとなっているのかに注意し、ここで、VNEGという名称が用いられるのは、この電圧が負の極性であるからである。
Figure 2004508799
例えば、n=5については、出力スイッチにかかる電圧VNEGが、図57bのそれから5という係数によって縮小されて、結果として、n=1という巻数比と比較して、図59bのとおり電圧を5倍低減し、およびハードスイッチング損を25倍低減する。そうして、ステップダウン比が高ければ高いほど出力スイッチの残りのハードスイッチング損が低くなる。
【0209】
オフライン・スイッチング電力供給のような、実際の殆どのアプリケーションにおいて、AC入力電圧がまず整流され、結果として、400Vという高い名目DC電圧を生じ、そして、n=27のような高いステップダウン巻数比の絶縁変圧器を備えるスイッチング変換器を用いることによって、この高入力DC電圧が5VDC以下の電圧に低減される。以下の分析によって、低電圧で最大限にハードスイッチングされるときでさえ無視できるだけのスイッチング損にしか寄与していない、二次側の低電圧装置と比べて、一次側の高電圧装置が、ずっと大きく殆どのスイッチング損に寄与していることが明らかとなる。これによって、図57aの本発明の非絶縁の拡張例、および図59aのその絶縁ステップダウンの等価物に最初に導入される、この新しいタイプの無損失スイッチングに最初の動機が与えられる。以下の実用例には、ハードスイッチングを二次側に移動させる利点が示されている。この比較を容易とするために、図59aの絶縁変換器が選択されて、測定および波形の表出のために、後で実験の章において用いられる以下の値が備えられ、すなわち、V=450V、n=27、V=5Vスイッチング周波数f=200kHzおよび先の数値例と同じその他の数量とされる。
【0210】
ここで、高電圧一次側スイッチのハードスイッチングによる電力損と、図59aの絶縁変換器の低電圧二次側スイッチのハードスイッチングの電力損とを、200kHzという同じスイッチング周波数で比較するのが有益である。実験の章において記述されるオフライン・スイッチング供給についての典型的なデータがここで用いられる。入力スイッチSはV=750Vで動作し、C=237pFを有し、それによって、200kHzというスイッチング周波数で、100Wという変換器出力についてPS1=13.3Wというかなり高いハードスイッチング損がもたらされる。この損失は、図59aの絶縁変換器で削減され、そして、出力スイッチSのハードスイッチング損と置き換えられる。
【0211】
しかしながら、図57aの変換器における電圧の大きさVでの出力スイッチSの「ハードスイッチング」は、VNEG=−16.7Vとして式(45)から計算されるずっと低い電圧レベルでの、図59aの絶縁変換器における出力スイッチSの「ハードスイッチング」と置き換えられることに注意する。出力スイッチSにかかる電圧の後縁での、この負の特性電圧ピークが、測定波形においてもまた特色付けられるVNEG=−16.7Vで、入力DC電圧が450Vのオフライン変換器の実験プロトタイプで測定される図104aの波形で確認される。図59aの絶縁変換器における出力スイッチの遮断電圧もまた比例して低減され、ここで、実験プロトタイプにおける30Vの装置のような、低電圧定格スイッチが用いられるものとなることにも注意する。このスイッチはまた、比例して増大する電流能力を有するので、それはまた、結果として、寄生容量CS2を増大させる。実験プロトタイプにおいて用いられる典型的なケースにおいて、図59aの低電圧出力スイッチSは、入力スイッチSよりも12倍を超えて大きい寄生容量、すなわちCS2=2950pFを有する。しかしながら、そのハードスイッチング電圧はVNEG=−16.7Vにしか過ぎず、それ故、一次側のハードスイッチング電圧より27倍小さい(絶縁変圧器巻数比nと同じ)。加えて、スイッチング損が遮断電圧に二次的に依存するために、この結果、図59aの絶縁変換器においては出力スイッチの極めて小さなハードスイッチング損しか生じず、それは、入力スイッチのスイッチング損を166倍低減するためには、一次側の入力スイッチでP=0.082Wまたは最大ハードスイッチング損の0.6%であると計算されるものである。
【0212】
更に重要なことには、この100Wの変換器の例について、それらによって0.08%の効率損しかもたらされない。そうして、結果として、実際の低電圧装置のハードスイッチング損は無視できるものであり、スイッチング損の主なソースは、一次側の高電圧スイッチング装置のハードスイッチング損にある。したがって、図59aを参照して、高ステップダウン変換器における入力スイッチSおよび相補入力スイッチS’のスイッチング損は、断然最も重大であって、無損失スイッチング方法を使用することによって低減され、または削減される必要があり、一方、出力低電圧スイッチSおよびS’のスイッチング損は、実際には無視できるものである。これが正に、ハードスイッチング損を一次側から二次側に移動することによる、本発明の絶縁変換器に適用されるこの新規な無損失スイッチング方法において達成されるものである。
【0213】
図59aにおける絶縁変換器の電圧2方向スイッチの役割は正に、どのハードスイッチングをも一次側高電圧スイッチから二次側低電圧スイッチへと移動させることであり、そして、入力一次側の高電圧スイッチの無損失スイッチングを可能とし、そしてそれによって、スイッチング損の大半を削減する過程にある。
【0214】
従来技術のソフトスイッチング方法か前述の新規な共振方法かと比較しての、この新しい無損失スイッチング方法の別の明らかな利点は、そのような性能が動作範囲全体を通して、すなわち、如何なる入力DC電圧Vについても、および如何なる動作負荷比Dについても維持されることである。入力スイッチは、常にゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとなり、そして出力スイッチのみは、式(45)によって与えられる電圧でONとなる。この電圧はVに依存するが、上に示されるとおり損失は本当に無視できるもので、この無損失スイッチング方法を如何なる動作点についても等しく有効なものとしている。
【0215】
これは、以下に示されるCBSスイッチを実現する場合には当てはまっておらず、それは、入力スイッチ電圧を低減するのに共振に依存し、それ故、動作点に依存するものである。変圧器漏れインダクタンス、特性抵抗Rまたはいずれかの共振成分を追加することに依存せずに高電圧入力スイッチの完全な無損失スイッチングを得るために、最終的にはスイッチング装置の適切なタイミングのみが必要とされる。これは、以下に示されるCBSスイッチを実現する場合には当てはまらない。
【0216】
(ケースII−共振インダクタを備えるCBSスイッチ)
CBSスイッチが、図60aの変換器におけるように実現されるとき、絶縁の拡張例は、出力スイッチのハードスイッチング損を低減するのに同じ効果を有する。ここで、先の非絶縁のケース2のみが記述されているが、結果は、その他全ての共振の場合に等しく利用できる。再度、出力スイッチのハードスイッチング電圧が、絶縁変圧器の巻数比nだけ低減されて、結果として、図60bに示されるように電圧(V−V)/nを生じ、そしてそれ故、出力スイッチのスイッチング損を無視できる。
【0217】
(ケースIII−ブーストおよび共振サブインタバルのみにおいて用いられるCBSスイッチ)
以下の例では、前述の無損失スイッチング方法の組み合わせを、いくつかの実際のアプリケーションにおいて如何にして有用に用いることができるのかを示すことが意図されている。遠隔通信の48Vの出力電圧整流器においては、特に高電流および電力レベルで、出力整流器ダイオードが、より低い伝導損およびより低い費用のためにMOSFETスイッチよりも実際は好まれるであろう。
【0218】
他方、三相商用AC電圧の場合、整流されたACラインは結果として800Vの入力DC電圧を生じ、続いてそのために、一次側の高電圧定格スイッチング装置によって相対的に大きなスイッチング損が生成されてしまう。図61aの回路構成および、図61bにおけるような補助MOSFET出力スイッチの特定のスイッチング時間制御駆動によって、出力ダイオード整流器の低スイッチング損および低伝導損の双方がもたらされる。出力スイッチは、最高電力について定格のパワー・ダイオードおよび並列の「補助」低パワー、低電流定格MOSFETスイッチで実現されることに注意する。そして、ブーストおよび共振サブインタバルの間電流を導通させるためだけに、「補助」MOSFETスイッチ(図61aの細線で示される)が用いられ、一方、図61bにおける電流波形iS2によって示されるように、瞬間tで変換器回路によって自然にONとされるとき、パワー・ダイオードが導通を引き継いでいる。そのすぐ後の時刻tminに入力スイッチがゼロ電圧でONとされ、かつ同時に出力「補助」MOSFETがOFFとされる。その瞬間から先は、出力ダイオード整流器CRがDC負荷電流の導通を引き継ぐ。
【0219】
先の共振方法のいずれでも実現することができる。遠隔通信整流器におけるように高い入力DC電圧について、共振放電が後に続くブースト・サブインタバルをもつ上記ケース(図47bのケース1と同じ)は、D’からDへの移行の間、入力スイッチの、さもなければ支配的であったスイッチング損を削減するのに最も有効であろう。この例によってもまた、相補出力スイッチの重大ではない駆動タイミングが指摘されており、それは、先の場合と同様この場合においても単なる受動ダイオード整流器スイッチに過ぎず、独立して制御される能動MOSFETスイッチではない。
【0220】
(ケースIV−絶縁変圧器の磁化インダクタンスでの共振)
これは、図62aにおけるような、出力スイッチおよび相補出力スイッチにダイオード整流器のみが用いられる別のケースである。加えて、絶縁変圧器は、小さな磁化インダクタンスをもつように設計されており、結果として、磁化インダクタンスの、対応して大きなリプル電流および大きなIを生じる。続いてこれによって、大きな放電の比I/Cがもたらされ、入力スイッチの電圧放電は、ゼロ・ボルトへの完全な放電まで実際ずっと線形的であるように思われる。現実には、ケース4Aにおけるようになおも共振は起こっているが、図62bにおける線形に近いvS1が得られるように共振の振る舞いをマスクするような非常に大きな傾斜をもつ。
【0221】
(ケースV−出力スイッチの大きな容量の効果)
前述のケースは全て、式(14)で定義されるように一次側に反映される出力スイッチ容量が、入力スイッチの共振容量Cと比べて無視できるという仮定(15)に基づくものである。これは実際、高変圧器ステップダウン巻数比についての場合である。V=400Vである上記例において、出力スイッチ容量CS2=2,950pFが一次側に反映されるときCS2p=4pFとなる。続いてこれは、実際の入力スイッチの共振容量C=237pFと比べられるとき、事実上無視できる。それ故、仮定(15)は、ほとんどの実際の場合において、絶縁変圧器の相対的に大きなステップダウン巻数比で充分に正当なものとされる。
【0222】
しかしながら、絶縁変圧器のステップダウン巻数比が大きくなくなって1に近づくとき、そのようなスケーリングはもはや適用できない。実際、1:1の巻数比については、出力スイッチ電圧遮断要件が入力スイッチと同様であって、反映された容量
Figure 2004508799
となり、式(15)が満足されないように、比較可能な寄生容量を結果として生じている。最終的な結果は、出力スイッチ容量が入力および出力スイッチ双方にかかる波形を変化させるというものである。ここでこの効果は、唯一の共振電流成分ir3の存在するCBSスイッチ/ダイオード整流器を備える先の特別なケース4について検査される。その場合、出力ダイオード整流器スイッチは、変換器回路によって強制的にONとされ、入力スイッチおよび相補入力スイッチの駆動タイミングのみが問題となる。
【0223】
このケースについての等価回路が、図63aに示されている。図63bに点線でプロットされおよび番号1の付けられている波形が、CS2が無視できる場合に対応する。その場合、入力スイッチ寄生容量および出力スイッチ寄生容量の双方が、出力スイッチ電圧がtでゼロに低減されるまで線形に放電し、そして、出力スイッチ・ダイオードがONとされる。続いて、共振放電が開始し、入力スイッチ電圧を40Vの合計共振電圧放電についてtm1でゼロへと低下させ、それは、この場合においてV=40Vであるからである。しかしながら、大きなキャパシタCS2は、図63bに番号2の付けられている点線の波形で示されているように放電を引き延ばしており、結果として、rIという入力スイッチの共振電圧放電を低減しており、そして、V−rIによって与えられる残りのハードスイッチング電圧をもたらしており、ここで、低減比rは、式(49)から得られている。図63aのモデルから、容量CS2が増大するには更なる電流を必要とし、続いてそれは、入力スイッチ電圧をゼロにするために新しい値INNへと補助キャパシタACリプル電流を増大して補償しなければならない。その場合、入力スイッチのゼロ電圧への低減が取り戻され、そして、図63bにおいて太線で指示され番号3の付けられている波形が得られる。
【0224】
この場合に存在する唯一の共振電圧成分vr4=−Vr4sinωtが低減係数rで低減され、それは、無次元の係数αおよびβに依存し、ここで下式が得られる。
Figure 2004508799
【0225】
関数従属性f(α,β)は、図64aのグラフに示されており、過度の出力スイッチ容量のために、どれだけ無損失スイッチングが劣化されるのかを査定するのに有用である。しかしながら、設計の目的で重要な係数は、下式で定義される電流増幅係数δであり、ここで、INNはゼロ電圧スイッチングを達成するのに必要とされる補助キャパシタACリプル電流の新しいピークであり、図63bの波形において番号3の付けられた太線で示されている。
Figure 2004508799
【0226】
前述の無損失スイッチング方法が、以下の数値例で、図63aの回路から得られる分析モデルに基づいてプロットされる図64aおよび図64bの2つのグラフの助けで例示されている。
Figure 2004508799
そうして、式(47)および式(48)から、α=1およびβ=0.8が計算される。それ故、図64aのグラフから、図63bに波形2で示されるような低減比r=0.31が得られる。
【0227】
電流増幅係数δが、図64bのグラフから得られ、それは、前述の選択(α=1およびβ=0.8)についてδ=1.64およびINN=1.64Aを導き出す。それ故、補助キャパシタACリプル電流の64%の増大が、そのような大きな出力キャパシタを補償するのに必要とされる。
【0228】
S2が無視できる先のケースの顕著な特長がなおも保持されていることに注意し、すなわち、入力スイッチおよび出力スイッチの双方が、大きな出力容量CS2にもかかわらず、このD’からDへの移行の間ゼロ電圧でONとされる。もちろん、分析モデルはより複雑であり、そして得られる時間領域波形ももっと入り組んでいる。実際、後のDからD’への移行の分析によって、相補入力スイッチおよび相補出力スイッチ(ダイオード整流器)もまたその移行の間ゼロ電圧でONとされることも明らかになる。それ故、4つの半導体スイッチ全てが、大きな出力スイッチ容量が考慮されているときでさえ、この特別な場合においてゼロ電圧でONとされる。そうして、補助キャパシタ・ピークリプル電流をINNへと適当に増大させ、または対応してRを増大させることによって、ゼロ電圧スイッチングが保持される。
【0229】
(DからD’への移行の間の無損失スイッチング)
通常この移行によって自然に無損失スイッチングがもたらされるが、これが実際のケースであることを実証し、ならびにまた数多くの異なるケースのことを考慮して、それらの相対的な利点を理解することが重要である。以下の全てのケースについて、入力スイッチの電圧と相補入力スイッチの電圧との間の次の基本的な関係が、安定状態の間だけではなく、移行インタバルの間もまた成立する。
Figure 2004508799
【0230】
このDからD’への移行インタバルの間、無損失スイッチングの目標は相補入力スイッチvS’1の電圧をVレベルからゼロへと低減することである。式(52)から、入力スイッチの電圧は、相補入力スイッチの電圧の相補に過ぎず、そしてゼロ電圧からV電圧レベルへと増大される。実際これによって、相補入力スイッチの寄生容量に最初に蓄積されるエネルギーの移行が、この移行インタバルの間の消散しない無損失スイッチング方法で入力スイッチの寄生キャパシタへと反映される。
【0231】
(共振インダクタの無い非絶縁DC−DC変換器)
出力スイッチについてダイオード整流器で実現される図46aの非絶縁変換器が、第1のケースとして選択されるが、それは、この移行において、2つの出力ダイオード・スイッチが、結果として、ケースE(図46b)のD’からDへの移行について前述されるような停止状態にならないことを実証するためのものであって、そこでは、双方の出力ダイオードが導通して、結果として停止状態を、その状態が入力スイッチをONとすることによって中断されるまで生じる。
【0232】
(ケースA−ダイオード整流器スイッチ)
入力スイッチをOFFとすることでDからD’への移行が開始し、それは結果として、図65aの等価回路モデルとなる。ダイオード相補出力スイッチS’はOFFであり、そうして細線で示されており、一方ダイオード出力スイッチSは、ONであり、そうして太線で示されていることに注意する。相補入力スイッチの寄生容量および相補出力スイッチの寄生容量は、相補出力スイッチの電圧がゼロに到達するまで図65cに示されるのと同じ速度で放電しており、その瞬間、第2のサブインタバルがtで開始する。理想ダイオードを仮定するならば、瞬間tで相補出力スイッチ・ダイオードはONとなり、一方同時に出力スイッチ・ダイオードはOFFとなって、結果として図65bの等価回路となる。電流源(i+i)は、以前と同じ方向を維持するが、大きさはIへと低減される。この結果、相補入力スイッチの放電の速度は以前よりも低くなるが、しかしそれにも関わらず、完全な放電まで平滑に続き、その瞬間、この相補入力スイッチを、ゼロ電圧でかつゼロのスイッチング損をもってONとすることができる。相補出力ダイオード・スイッチもまた、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって先に自動的にONとされていたことにも注意する。
【0233】
D’からDへの移行と違って、この移行は、DC負荷電流に依存しており、それは第1の線形サブインタバルがピーク入力スイッチ電流(i+i)に依存しており、そうして相対的にかなり短いからである。しかしながら、第2のサブインタバルは、小さな補助キャパシタ・ピークACリプル電流Iのみに依存しており、相対的にかなり長いものである。したがってこの移行は、全体としてD’からDへの移行よりもほんの少しだけ短い。
【0234】
(ケースB−CBS出力スイッチ)
出力スイッチがCBSスイッチと置き換えられるとき、出力スイッチは、そのボディ・ダイオードが瞬間tで導通するのを止めるのと同時にかまたはそれ以前かにOFFとされるならば、ケースAにおけるような理想的な振る舞いが得られる。そのCBS出力スイッチをOFFとするのが瞬間tを超えて遅延されるならば、それによって、D’からDへの移行において既に観察されたように、入力スイッチのVレベルまたは相補入力スイッチの(V−V)レベルで同じ停止状態が課せられることに注意する。しかしながら、出力スイッチをOFFとするとき、完全に放電されるまで、相補入力スイッチの寄生容量の平滑な放電が同じ速度で続く。明らかに、そのように出力スイッチをOFFとするのが遅延されるのは浪費であって、この移行インタバルを引き延ばすものに過ぎず、そうして適切なスイッチング時間制御によって容易に削減される。
【0235】
(ケースC−VBS出力スイッチおよび非対称無損失スイッチング)
出力スイッチがVBSスイッチと置き換えられるとき、図65cにおいてまた同じ移行波形が観察される。明らかに、この無損失スイッチングの移行を可能とするのにVBSスイッチが必要とされるものではない。しかしながら、それがD’からDへの移行に効果的に用いられているので、ここで、このことによって、VBSスイッチを用いて双方の移行に適切なタイミング制御をうまく提供することができるということが確認される。出力スイッチの電圧は、DからD’への移行の間正であるが、D’からDへの移行の間、それは負である。したがって、この無損失スイッチングのケースは、そのような非対称電圧波形によって非対称無損失スイッチングと称される。この名称の別の理由は、VBSスイッチによって、次に示されるような入出力スイッチの対称的な電圧波形をもつ更に別の無損失スイッチングのケースが可能となることである。
【0236】
(ケースD−VBS出力スイッチおよび対称的な無損失スイッチ)
VBS出力スイッチが、それにかかる電圧の正および負の極性の双方を遮断できるという事実によって、無損失スイッチングの機会が更に別に与えられる。出力スイッチをダイオードで実現する場合において、図65aのこのダイオードは、それにかかる電圧を、DからD’への移行の最初のサブインタバルの間ゼロにクランプしておく。VBS出力スイッチを実現すると、出力スイッチは瞬間tでまずOFFとされ、結果として図66aの回路モデルとなる。このモデルから、出力インダクタ電流iは、相補出力スイッチの容量を線形に放電し、そして図66cの波形に示されるように、出力スイッチの容量を負の極性へと同じ速度で線形に充電する(これが、VBSスイッチが必要とされた第1の理由である!)。
【0237】
相補出力スイッチS’の電圧が瞬間tでゼロとなる(S’がONとされる)とき、出力スイッチSの電圧が(−V)となる。その瞬間入力スイッチSがOFFとされて、結果として第2の線形移行サブインタバルについて有効な図66bの等価回路モデルとなる。ここで、相補入力スイッチの寄生容量は、相補入力スイッチがゼロ電圧でONとされる瞬間tで完全に放電されるまで、速度[I/(C+CS2)]で線形に放電される。同時に、出力スイッチの寄生容量は、負の電圧レベル(−V)から、またも瞬間tで到達される正の電圧レベル(V−V)へと同じ速度で充電されている。
【0238】
ある暫定時tで、出力スイッチにかかる電圧がゼロであって、その後極性を変える。しかしながら、電圧2方向スイッチであるVBS出力スイッチは、双方の極性の電圧を遮断し、スイッチを解放し続けることが可能である。再度、この移行の結果、相補入力スイッチならびに相補出力スイッチの双方についてゼロ電圧スイッチング(ZVS)が生じる。
【0239】
第1のサブインタバルが極めて短いことに注意するが、それは、DC負荷電流が高く、出力スイッチの寄生容量が入力スイッチのものと比べて小さく、結果として非常に急峻な放電速度を生じるからである。他方、第2のサブインタバルの上昇する傾斜は、tサブインタバルについての対応するD’からDへの移行の下降する傾斜と対称的である。それ故、出力スイッチにかかる電圧波形の顕著な特長は、それが対称的であって、この場合について対称的な無損失スイッチングを指示することになるというものである。入力スイッチの電圧もまた、双方の移行(DからD’への移行およびD’からDへの移行)について等しい移行時間で完全に対称的であることにも注意する。したがって、対称的な無損失スイッチングの別の特長は、それがDC負荷電流から独立しているということである。双方の移行端の、対称的であるが緩やかな上昇および下降傾斜には、後の実験の章に提示される実験用プロトタイプにおける非常に平滑でノイズの無い移行端で確認されるように、EMIノイズを低減する上で明確な利点がある。
【0240】
更には、相補入力スイッチおよび相補出力スイッチは、いかなる入力電圧VについてもDからD’への移行の間ゼロ・ボルトでスイッチングされ、そうしていかなる動作負荷比Dについてもゼロ電圧スイッチングが達成される。D’からDへの移行について、ずっと低減された損失と組み合わされることで、この無損失スイッチング方法は、入力電圧範囲が広くおよびDC負荷電流が広く変化するアプリケーションにとって特に適切なものとなる。
【0241】
(共振インダクタを備える非絶縁DC−DC変換器)
図47aの共振インダクタLを備える非絶縁変換器が選択され、そこで、出力スイッチは再度、CBSスイッチ、ダイオードまたはVBSスイッチのいずれかとして実現できる。
【0242】
(ケース1−CBS/ダイオード/VBS出力スイッチ)
出力スイッチSは、移行インタバルの間ずっと閉ざされる。移行は入力スイッチをOFFとすることによって開始され、結果として図67aにおけるような第1のサブインタバルについての等価回路が得られる。そうして、電流の差(i−i)によって相補入力スイッチの寄生キャパシタが放電されている。初期値i(0)=−iであり、そうして最初は容量CS’2に電流が流れていない。しかしながら、入力スイッチの電圧が上昇するにつれ、共振インダクタの電圧vもそうなって、結果として共振電流iを低減する。続いてこの結果、相補出力スイッチの寄生キャパシタに正味の放電電流が生じる。図67cの波形に示されるように、このキャパシタは結局、tでゼロに放電し、それぞれのダイオード・スイッチを強制的にONとし、またはCBSスイッチの場合には、そのボディ・ダイオードがONとなるときそのスイッチをONとする。これによって、図67bの等価回路が導かれる。
【0243】
こうして、電流(i−i)は、相補入力スイッチの寄生容量を更にずっと放電し続けてtでゼロとし、その瞬間、このスイッチはゼロ電圧でONとされる。出力スイッチは、双方のインタバルの間中閉ざされており、その動作にはいかようにも影響を及ぼさなかったことに注意する。そうして、出力スイッチは、ダイオード、CBSまたはVBSスイッチのいずれかとして実現することができ、その結果、同一の波形が得られる。
【0244】
図67cの2つのサブインタバルtおよびtには、前述の通り、図90を参照しての詳細な説明に示される入力キャパシタ電流波形に見られるような電流−反転サブインタバルtが続けられる。しかしながら、先の場合と違って、電流−反転は、図90に示されるように双方の移行tおよびtの間中起こっている。最後に、図90の安定状態インタバルtにおいて前述と同じ振動が観察される。
【0245】
(スイッチング時間対移行インタバル)
これまで考えられた全てのケースにおいて、全てのスイッチは、自然な、固有の小さな寄生容量がそれらに備わって用いられており、外部に付加されるキャパシタはスイッチと並列に配置されていた。アプリケーションによっては、図68aに示されるように、入力スイッチか相補入力スイッチかのいずれかと並列に付加される共振キャパシタCraを置くことが実際に望ましいものもある。そのように加えられる外部キャパシタが無ければ、大きな出力DC負荷電流かスイッチの非常に小さな固有の寄生容量かのいずれか、または双方によって作り出される大きな傾斜(i+i)/Cのために、点線で図68bの波形によって示されるように、DからD’への移行インタバルは非常に短い。これが、DからD’への移行がDC負荷電流に依存しているという事実から直接得られる結果である。その場合、移行インタバルは、入力スイッチSの本来のOFFとするスピード能力に匹敵するものとなる。続いてこれによって、部分的にOFFとされた入力スイッチが、DからD’への移行の間幾分かのスイッチング損を生成してしまう。加えられる共振キャパシタCraが、図68bの太線の波形で示されるようにDからD’への移行を遅くすることによってこれらの損失を低減し、一方、減衰の傾斜は実質的に(i+i)/Craへと減衰され、ここで、Craは典型的にはCよりも数倍大きい。電圧減衰の速度を低下することは、伝導されて放射されるEMIノイズを低減するのに付加的な肯定の効果を有する。
【0246】
(絶縁DC−DC変換器−ケースI)
絶縁DC−DC変換器において、共振インダクタの役割は、図59aおよび図60aに示されるように絶縁変圧器の漏れインダクタンスLによって果たされる。D’からDへの移行のケースIおよびIIにおいては、前述のように電圧をスケーリングすることを除いて、DからD’への移行は、共振インダクタを備える非絶縁変換器についての前述のケースIにおけるのと同じ振る舞いに従う。更には、それは、出力スイッチについての3つ全て、すなわちCBS/ダイオード/VBSスイッチを実現するのに等しく適用される。
【0247】
(詳細な無損失スイッチング動作)
前述の分析によって、新規な無損失スイッチングの様々な可能性のあらましが提供され、まず、達成するのが困難なD’からDへの移行を個別に分析し、続いて、DからD’への移行を分析することによって、それらの相対的な利点の、質的ならびに量的な双方の評価が与えられる。これによってまた、明らかに、出力スイッチを実現したもの、すなわちCBSスイッチ・ダイオードまたはVBSスイッチに基づいて、3つの新規な無損失スイッチング変換器グループが個別に露呈された。ダイオードは、CBSスイッチの非常に特別な場合を表すので、それは、ここで、これらのCBSの場合と組み合わされて1つのグループとなる。そうして、回路動作および、DからD’への移行とD’からDへの移行との双方の顕著な波形の詳細な説明が、2つの大きな無損失スイッチングのカテゴリーに従って以下に別々に行われる。
1.CBS/ダイオード出力スイッチを備える無損失スイッチング
2.VBS出力スイッチを備える無損失スイッチング
【0248】
無損失スイッチングの各場合について、特定のインタバルでの変換器の回路状態が提示され、そして、変換器回路モデルが、それぞれのインタバルおよびこれらのインタバルの間の特性波形と相関される。そうして、正に最初の変換器回路モデルが、移行の始まりでの変換器を示し、一方、最後の変換器回路モデルは、常に移行が完了した後の回路を示す。これらの回路のみについて(それらは安定状態回路モデルであるので)、それらを移行インタバルの間の変換器モデルから容易に区別するために、これらのスイッチのONであるもののみが示され、そして太線で描かれており、一方、OFFスイッチは完全に省略されている。他方、移行インタバルの間の変換器回路モデルについては、それらは、各サブインタバルについて区別できる変換器回路によって特徴付けられる幾つかのサブインタバルをもつことができるので、以下の取り決めが採用され、すなわち、特定のサブインタバルの間ONであるスイッチが太線で描かれ、一方、OFFであるスイッチが細線で描かれる。
【0249】
更には、MOSFETスイッチの記号は、特定のスイッチの制御動作を示すようこれらのモデルに保有されている(ONとされているものについて太線、OFFとされているスイッチについて細線)。加えて、場合によっては、例えば、CBSスイッチのボディ・ダイオードは、たとえそれぞれの能動スイッチがONとするスイッチング時間制御によって信号を与えられなくとも、回路動作によってONとすることができることもある。そうして、これらの場合においては、ならびに、ボディ・ダイオードをONとすることが変換器動作をよりよく理解するのに重要であるときに、ボディ・ダイオードもまた太線で明白に示される。
【0250】
(CBS出力スイッチを用いる無損失スイッチング)
無損失スイッチングの詳細な記述は、更に3つのサブカテゴリーに分けられる。
1.共振インダクタを備えない非絶縁変換器
2.共振インダクタを備える非絶縁変換器
3.絶縁DC−DC変換器
【0251】
(共振インダクタを備えない非絶縁変換器)
D’T時間インタバルの終わりに補助キャパシタの負の電流Iが、図39eにおいて先に証明されたように既に存在している。したがって、大きな出力インダクタ・リプル電流は必要でなく、また、多くの従来技術のソフトスイッチングの構成における共振インダクタのような、いかなる共振素子をも追加することさえ必要でない。実際、以下に示されるとおり、本発明の独特のスイッチング構成は、主要な関係(4)およびそこから得られる図39eの時間領域波形においての結果を一緒に認識すると、単に図45aの4つのスイッチの適切な駆動タイミングを用いることで、ずっとスイッチング損の低減された実用的な無損失スイッチングを独特に可能とするものである。このスイッチング損の低減の方法は、多くの実用の場合において、同じく以下に記述される無損失スイッチング方法とほとんど同じぐらい優れているが、ここでは暫定的に低減されたスイッチング損と称されている。共振インダクタンスの備わっていないこのタイプの新規なスイッチングについて適切なまたは確立された指示が無いために、低減されたスイッチング損という名称が採用されている。
まず、図69aの回路のDからD’への移行を見てみる。
【0252】
(DからD’への移行)
安定状態の分析および図70aの波形から、時間インタバルDTの終わりでは瞬間電流i+iがiよりも大きい(図70aにおけるように有効的にそれらの差はIに等しい)ということになる。DからD’インタバルへの移行は、図69a、図69b、図69cおよび図69dに示される4つの等価回路および図70bに示されるそれらの対応する時間間隔t、t、t、tによって表すことができる。
【0253】
(インタバルt
図69aおよび図70bのtインタバルは、最初の移行が開始する前のDT時間インタバルに対応する。SおよびSスイッチは、双方ともONであり、S’およびS’はOFFである。このインタバルが終わって、そしてSがOFFとされるとき最初のいわゆる「自然な」移行が開始され、それは結果として図69bの回路となる。
【0254】
(インタバルt
インタバルt(図70bに表されるような移行インタバルの合計t+tの最初の部分)の間、電流i+iがSの寄生キャパシタを充電しており(それは、スイッチSが前の瞬間にONであったので最初は完全に放電されている)、そしてS’およびS’スイッチを横切る寄生キャパシタを放電している。この電流にはDC成分I+Iが含まれているので、この結果、これらの寄生キャパシタは相対的に速く充電および放電され、それ故入力スイッチSの寄生キャパシタで急速に電圧が上昇する。前述の通り、これらの3つのキャパシタは、ACについて並列に接続されている。このインタバルは、スイッチS’にかかる電圧VS’2がゼロに低下し、そしてS’のボディ・ダイオードが導通し始めるとき終結される。それ故、スイッチS’は、それ自体の寄生ダイオードによってゼロ電圧で自然にONとされる。ダイオードにかかる電圧の高い低下によって低電圧でのダイオードの導通はかなり非効率であるので、これによってまた、スイッチS’がONとされる(または等価的には元のS’MOSFETがONとされる)理想的な時間である。MOSFETのON抵抗が低く、およびそれにかかる電圧の低下が対応して低いために、ダイオードを流れる電流はMOSFET装置を通ってバイパスされ、そうして出力の整流の伝導損を最小にする。S’がONとされるときにスイッチSが同時にOFFとされ、その結果、図70bのインタバルtについて有効な図69cの回路モデルが得られる。スイッチSをOFFとするのが遅延されるならば、スイッチSおよびS’それぞれについて現在の値VおよびV−Vで全ての電圧をクランプして中間のレベルが追随する。明らかにこのインタバルは非生産的であって、不必要であり、それは、それが、最初の移行インタバルの完了を遅延させるに過ぎず、それ故図70bにおけるような適切な駆動タイミングによって回避されるべきであるからである。
【0255】
(インタバルt
そして図70bのインタバルt(D’からDへの移行インタバルの第2の部分)は、図69cの等価回路によって特徴付けられており、その間3つのスイッチS、S’およびSがOFFであり、スイッチS’のみがONであって、それ自体のボディ・ダイオードをバイパスしている(ボディ・ダイオードはまた、図69cに太線で示されており、このダイオードが最初に導通を開始し、S’をONとする引き金となったという事実を示す)。I+I=Iである基本の関係(4)のために、電流i+i−iがここでそれぞれのACリプル成分I=Δi+Δi−Δiのみからなっていて、その結果、先のインタバルtと比較してスイッチSの電圧上昇の傾斜を低減していることに注意する。このACリプル電流の合計によってSにかかる容量を充電し始め、一方、同時にそれは、先のtインタバルにおけるよりもずっと遅い速度ではあるが、Sにかかる容量を充電してS’にかかる容量を放電し続ける。このインタバルが終わりに到達するのは、スイッチS’の電圧がゼロに達し、そのスイッチのボディ・ダイオードが、インタバルtの始めの変換器回路を示す図69dにおいて示されるように導通し始めるときである。これには、スイッチSの電圧をVレベルでクランプする効果がある。この時点で、スイッチSは、ゼロ電圧で、それ故にゼロのスイッチング損をもってONとすることができ、そしてまた内部ボディ・ダイオードをバイパスして伝導損を低減する。
【0256】
(インタバルt
図69dの回路には、スイッチSおよびSが同時にONであった間の図69aの始めの状態との比較で、DからD’への移行が完了されており、ここでスイッチS’およびS’が同時にONであることが示されている。要するに、この第1の移行の間、全てのスイッチがゼロ電圧でONとされてDからD’への移行の無損失スイッチングが達成され、それ故にスイッチング損が無い。
【0257】
(D’からDへの移行)
D’Tインタバルの終わりのこの移行では、図72aの波形に示されるように、電流i+iは電流iよりも小さい。そうしてD’からDへの移行は、図71a、図71b、図71c、図71dの回路および図72bに示されるそれらそれぞれのインタバルt、t、t、tによって表される。
【0258】
(インタバルt
図72aおよび図72bのtインタバルは、D’からDへの移行が開始する丁度前のD’T時間インタバルに対応する。スイッチS’およびS’が双方ともONであり、SおよびSがOFFである。このインタバルが終了し、そしてスイッチS’がOFFとされるとき通常「強制された」移行と呼ばれる第2の移行が開始され、その結果、その強制された移行の第1のサブインタバルtを表す図71bの回路が得られる。
【0259】
(インタバルt
図71bの回路によって表されるこのインタバルt(移行インタバルの合計t+tの最初のサブインタバル)の間、電流i−i−iがS’にかかる寄生キャパシタを充電しており、かつSおよびSにかかる寄生キャパシタを放電している。この電流のDC成分の合計がゼロであるので、ACリプル成分の合計のみが残される。そうしてこの結果、これらの寄生キャパシタが相対的にゆっくりと充電および放電され、それ故相補入力スイッチS’の寄生キャパシタで電圧がゆっくりと上昇する。
【0260】
前述の仮定によって、これらの3つキャパシタはACについて並列に接続されている。このインタバルが終結するのは、スイッチSにかかる電圧vS2がゼロに低下し、Sのボディ・ダイオードが導通し始めるときである。したがって、スイッチSはそれ自体の寄生ボディ・ダイオードによってゼロ電圧で自然にONとされる(ソフトスイッチングされる)。ダイオードにかかる電圧の高い低下のために低電圧でのダイオードの導通がかなり非効率的であるので、これによってまた、スイッチSがONとされる(または等価的には元のSMOSFETがONとされる)理想的な時間である。MOSFETのON抵抗が低く、およびそれにかかる電圧の低下が対応して低いために、ダイオードを流れる電流はMOSFETデバイスを通ってバイパスされ、そうして出力の整流の伝導損を最小限にする。
【0261】
(インタバルt
スイッチSがONとされるとき、スイッチS’が同時にOFFとされ、その結果、図72bのインタバルtについて有効な図71cの回路モデルが得られる。ここで、図72bの点線で示されるようにSスイッチをONとするのが遅延されたならば、全ての電圧が、現在の値、すなわち、スイッチSにかかるVおよびスイッチS’にかかるV−Vでクランプされ、一方スイッチS’はゼロ電圧レベルにとどまる。移行インタバルの残りの部分は無損失スイッチングで完了できない。したがって、スイッチSは低下した電圧で「ハードに」ONとされ、そしてその寄生キャパシタは突然に放電されなければならない。この第3のインタバルtは、理想的には低減されるべきであり、それは、それが、何の有用な機能ももたずに移行インタバルの完了を遅延するに過ぎないからである。図72bの太線は、正にtインタバルの終わりにスイッチSがONとされ、そうしてインタバルtが完全に低減される場合を例示する。
【0262】
(インタバルt
スイッチSをハードにONとすることと関係する損失は、主にスイッチS’の寄生ボディ・ダイオードにおける反転回復の損失と、有効電圧がVであるスイッチS、S’およびS’にかかる寄生キャパシタにおける(CV)/2の損失とからなる。それ故、図71dは、スイッチSおよびSがONとされるD’からDへの移行の完了の後の最後のステージを示す。図71dはまた、スイッチS’の寄生容量の最後の電圧がVであり、そしてスイッチS’の寄生容量の最後の電圧がVであることを示しており、それらは、次のDからD’への移行についてのそれらの開始の値である。
【0263】
面白いことに、ここで、このタイプの無損失スイッチングがいかに有効であるかが示される。DからD’への移行は、結果として無損失スイッチングを生じることが明らかであり、一方D’からDへの移行は、結果としてスイッチング損を低減し、それは、スイッチSの寄生容量は入力電圧V未満の放電ができないからである。非常に簡単な分析によって、このスイッチング損の低減は、実現するのが比較的簡単であるけれども、例えば、V=V/(1−D)=5VのときのD=0.8のようなより高い負荷比での動作については特に、やはり非常に有効であることが明らかとなる。それ故、スイッチSにかかる寄生キャパシタが高電圧VC=5VからVのレベルに放電される。それ故、スイッチS、S’およびS’に蓄積されるエネルギーの端数のみが、電圧比の自乗によって与えられるときに損失される。この場合、このことは、エネルギー損を25倍低減し、または、D’からDへの移行がハードスイッチングされたならば、すなわち、スイッチSをV=5Vというそれにかかる最高の電圧でONとすることで、損失されていたであろうエネルギーを96%節約するものと解釈される。明らかに、多くの実用上のアプリケーションについては、そのような結果は充分以外の何ものでもない。D=0.6のようなより低い負荷比でも、なおも損失の6.25倍の低減が達成され、もしくはハードスイッチング損の84%が回復されたことに注意する。
【0264】
動作点が例えばD=0.25のようなより低い負荷比へと動かされるにつれ、より高いパーセンテージででも、すなわち、遮断電圧の合計V=V/(1−D)=1.33Vの75%ででもハードスイッチング・インタバルtが開始し、それ故、その移行のハードスイッチング損の合計の44%が回復される。そうして、スイッチング損を更に低減するために共振インダクタが含まれるものとなる。
【0265】
(共振インダクタを備える非絶縁変換器)
ここで、図67a、図67b、図67cにおいて先に説明されたDからD’への移行の1つの場合を、図47bの波形1、2、3、4が参照されるD’からDへの移行の間の共振放電の4つの異なる場合(ケース1、2、3、4)の各々と組み合わせて、区別できる4つの無損失スイッチングのケースを得ることができる。
【0266】
(DからD’への移行(ケース1、2、3、4))
DからD’への移行インタバルは、図73a、図73b、図73c、図73d、図73eの5つの特性回路および対応する図74の波形によって表される。各インタバルにおける回路動作の説明を以下に続ける。
【0267】
(インタバルt
これは、移行が開始する前のDTインタバルの終わりに対応する。図73aにおけるようにSおよびSはONであり、S’およびS’はOFFである。このインタバルが終わり、そしてSがOFFとされるとき移行が開始される。
【0268】
(インタバルt
電流iおよび−iC1(iC1は、図73bにおけるように正の方向をもつ入力キャパシタ電流である)の和はSにかかるキャパシタを充電しつつ、かつS’にかかるキャパシタを放電している。電流iC1の初期値は−iであり、そうして最初は、図74のiC1波形に示されるようにS’に向かって電流が流れていない。電圧vS1が増大するにつれ、共振インダクタの電圧vが増大し始め、それによってiC1は大きさが低減されてしまう。結果として、スイッチS’における電流はもはやゼロではあり得ず、そのスイッチの容量もまたその初期値Vから放電されている。このインタバルは、この容量が完全に放電されるとき終わり、そしてS’のボディ・ダイオードが導通し始める。このとき、スイッチS’がゼロ電圧でONとされる(それ故スイッチング損はない)。
【0269】
(インタバルt
電流iおよび−iは、図73cにおけるようにSの容量を充電し、およびS’の容量を放電し続ける。電圧vは更に上昇し、それによってiの大きさは更に低減される。このインタバルが終結するのは、スイッチS’の電圧がゼロに到達し、S’のボディ・ダイオードが導通し始めるときである。ここで、S’はまたスイッチング損をもたずにONとすることができる。
【0270】
(インタバルt
ここで電圧vはV−Vによって与えられ、そうしてiの大きさは図73dにおけるように線形に低減する。この間または最後の2つのサブインタバルの間のある時点でそれは負となっている(最初それはiであった)。iC1がi−Iという値に到達するとき出力スイッチSの電流はゼロとなる。スイッチSは、この時点でOFFとされなければならない。
【0271】
(インタバルt
ここで、負となるスイッチSの電流は、図73eに示されるとおりのスイッチSの容量を充電する。このインタバルにおけるiC1の初期値はまた、DからD’への移行が完了した後の最終値でもある。そうしてSの容量をその最終値(V−V)に充電するために、電流iC1は幾分アンダーシュートしなければならない。続いてこれによって、Sの電圧がオーバーシュートすることとなる。その結果LとCS2との間に振動が生じ、減衰されないならば、それは継続する。振動素子と関係する固有の寄生抵抗が充分に振動を減衰しないならば、さらなるR−C減衰ネットワークが必要となり、それはまたD’からDへの移行の完了の後同様の振動を減衰させる。振動は、tインタバルの終わりで消失する。
【0272】
(D’からDへの移行(ケース1))
これは、図49bの波形において先に例示されたケース1に対応する。このケースは、図75a乃至図75eの5つの等価回路および図76に示される5つのサブインタバルにおける対応する波形によって表される。
【0273】
(インタバルt
これは、移行が開始する前の変換器の状態を表す。SおよびSがOFFであり、S’およびS’がONである。このインタバルが終わって、SがONとされるとき移行が開始される。
【0274】
(インタバルt
ここにおいて電圧(V−V)が直ちに共振インダクタLに印加され、それによって電流iが急速に増大し、過剰なエネルギーがLに蓄積される。このインタバルの長さによって、この蓄積されたエネルギーの量が制御される。S’スイッチをONとすることによってこのインタバルが終結する。
【0275】
(インタバルt
スイッチS’をOFFとすることによってもまた、それぞれが入力スイッチSの電圧を低減するのに寄与する3つの共振電流成分をもつキャパシタCS1の共振放電が開始される。この電圧vS1がその最低の値に到達するとき、SスイッチがONとされなければならず、それによってこのインタバルが終結される。この瞬間、共振電流はゼロに低減され、そして入力キャパシタ電流iC1は、図76のiC1電流波形に示されるように電流iに等しい。非常に頻繁に完全な放電が得られてゼロ電圧でONとされる。場合によっては、動作負荷比が低くて入力電圧がまた非常に高いとき、ゼロ電圧が得られないこともあるが、スイッチング損の実質的な低下は生じている。実際、残存するある小さなハードスイッチング電圧V=V/4でのスイッチングの結果、循環共振電流の低減のためにより高い効率が得られ、それは、より低いvS1を達成するのに必要である。
【0276】
(インタバルt
この電流−反転サブインタバルは、入力スイッチSがONとされるとき、入力キャパシタ電流iC1=iをもって開始する。入力キャパシタ電流は、図76のiC1波形に示されるように、V/Lに等しい一定速度で線形に低減する。このインタバルの間のある瞬間にそれはゼロとなり、そしてその後方向を反転して安定状態電流レベル−iに到達する。それが起こるとき、相補出力スイッチS’のボディ・ダイオードの電流がゼロとなり、それ故ボディ・ダイオードがOFFとなってスイッチS’がOFFとされなければならない。これによって、D’からDへの移行が完了する。
【0277】
(インタバルt
このインタバルの間、スイッチS’の寄生容量CS’2が、その最初のゼロ値から(S’スイッチが丁度その前の瞬間にOFFとされた)その最終電圧値Vへと共振によって充電されている。そうして、共振インダクタLと寄生キャパシタCS’2とを備える共振回路によって、図76に示されるようにS’スイッチに電圧信号が誘導される。これらの振動は減衰することができ、またDからD’への移行の後に生じる同様の振動を抑制するのに用いられる同一のR−C緩衝器ネットワークを用いることでリンギングを抑制することができる。
【0278】
(D’からDへの移行(ケース2))
これは、図52bの波形において先に例示されたケース2に対応する。このケースは、図77a乃至図77dの4つの等価回路および図78に示される4つのサブインタバルでの対応する波形によって表される。
【0279】
(インタバルt
これは、移行が開始する前の変換器の状態を表す。SおよびSがOFFであり、S’およびS’がONである。このインタバルが終わって、S’がOFFとされ同時にSがONとされるとき移行が開始される。
【0280】
(インタバルt
スイッチSを時期尚早に(そのボディ・ダイオードがONとなる前に)ONとすることによって、共振放電が開始される。しかしながら、今回は2つの共振電流成分のみが残り、それは、ケース1に存在するブースト成分が、ブースト時間がゼロに低減されるために削減されてしまうからである。にもかかわらず、大きさが(V−V)/Rに等しい2つの残存する共振電流正弦波成分のうちの1つだけが、単独で、入力電圧Vの大きさにもかかわらず、D=0.5という負荷比で入力スイッチ電圧を完全にゼロに低減することができる。
【0281】
(インタバルt
ケース1についてのインタバルtと同じである。
【0282】
(インタバルt
ケース1についてのインタバルtと同じである。
【0283】
(D’からDへの移行(ケース3))
これは、図54bの波形において先に例示されるケース3に対応する。このケースは、図79a乃至図79eの5つの等価回路および図80に示される5つのサブインタバルでの対応する波形によって表される。
【0284】
(インタバルt
これは、移行が開始する丁度前のD’Tインタバルを表す。SおよびSがOFFであり、S’およびS’がONである。このインタバルが終わって、S’がOFFとされるとき、D’からDへの移行が開始される。
【0285】
(インタバルt
図79bの回路から、入力スイッチSの容量CS1は、−I/Cで与えられる一定の速度で放電している。出力スイッチSは、その電圧がゼロに到達する前にONとされ、この線形放電インタバルを完了し、入力スイッチ電圧をVS1に低減する。
【0286】
(インタバルt
をONとすることで、共振サブインタバルおよび入力スイッチの寄生容量の放電が開始され、前述のケース2におけるようにまた2つの共振電流成分が備わっているが、それらのうちの1つは(VS1−V)/Rに等しい大きさに低減され、結果として以前よりも有効でない共振放電を生じている。入力スイッチSの電圧がその最低の値に到達するとき、入力スイッチSがONとされなければならず、それによって、このインタバルが終結される。Sの電圧の最小値は、スイッチSのタイミング、すなわち、先のインタバルtの長さに依存する。インタバルtが短ければ短いほど最小値が低く、それは、共振プロセスがより高い最初の電圧値で開始するからである。スイッチSの電圧の最小値は、Sの適切なタイミングによってゼロとすることができる。しかしながら、実験によって、およそV/4という値で結果としてより高い効率が生じることが示されている。ハードスイッチングの場合全体にわたって、16という係数によって2CVの損失が低減される。しかしながら、さらなる低減のために、Sのより低い電圧を達成するのに必要な、より大きな循環回路によって損失が増大されることとなる。
【0287】
(インタバルt
ケース1のサブインタバルtと同じである。
【0288】
(インタバルt
ケース1のサブインタバルtと同じである。
【0289】
(D’からDへの移行(ケース4))
これは、図55bの波形において先に例示されるケース4に対応する。このケースは、図81a乃至図81eの5つの等価回路および図82に示される5つのサブインタバルでの対応する波形によって表される。
【0290】
(インタバルt
これは、移行が開始する前のインタバルを表す。SおよびSがOFFであり、S’およびS’がONである。インタバルが終わってS’がOFFとされるとき、移行が開始される。
【0291】
(インタバルt
図81bの回路におけるようにスイッチS、S’およびSがOFFであり、S’がONである。入力スイッチSおよび出力スイッチSの寄生容量は、同じ一定の速度−I/Cで放電している。この線形の放電サブインタバルが完了するのは、出力スイッチSにかかる電圧がゼロに到達し、かつ、入力出力Sの電圧がVに低減されるときである。これによって、図81cに示されるように出力スイッチSのボディ・ダイオードがONとされるが、その瞬間、出力MOSFETスイッチSがONとされて、そのボディ・ダイオードをバイパスし、および伝導損を低減する。
【0292】
(インタバルt
共振放電サブインタバルは、図81cの回路におけるように出力スイッチSをONとすることで開始する(共振を開始するにはボディ・ダイオードをONとすることで充分である)。この場合、唯一の共振電流放電成分のみしか残っておらず、それは、前記ケース3において存在する第2の共振電流成分が削減されるからである(その大きさはVr2=V−V=0であるが、それは、その瞬間の入力スイッチSの電圧が、図82のvS1(t)の波形に示されるようにV=Vであるからである)。同じ波形においても示されるように、Vレベル未満の入力スイッチSの電圧の低下が最小であって、それは、この成分が電圧を低減するのに最も有効で無いからである。その有効性を増大するのに、Iおよび/または特性インピーダンスRの増大が必要とされ、それは、Vr3=Rであって、それらの双方は、無損失スイッチングによってもたらされる損失の低減を幾分か減少させるからである。
【0293】
(インタバルt
ケース1のサブインタバルtと同じである。
【0294】
(インタバルt
ケース1のサブインタバルtと同じである。
前述のケースにおいて、制御可能MOSFET・CBSスイッチではなく、出力スイッチおよび相補出力スイッチが、単純なダイオード電流整流器として実現されていたならば、全く同じ波形および同一の振る舞いが得られていたであろうことに注意する。
【0295】
(絶縁DC−DC変換器)
絶縁DC−DC変換器において、共振インダクタの役割は、図60aに示されるような絶縁変圧器の漏れインダクタンスLによって果たされる。図60bを参照して説明されるように、電圧をスケーリングすることを除いては、詳細な無損失スイッチング動作が、共振インダクタを備える非絶縁変換器について前記に略述されるのと同じ場合に従う。
【0296】
(VBS出力スイッチを用いる無損失スイッチング)
詳細な無損失スイッチングの説明は、3つのサブカテゴリーに分けられる。
1.共振インダクタを備えない非絶縁変換器
2.共振インダクタを備える非絶縁変換器
3.絶縁DC−DC変換器
加えて、第1のサブカテゴリーには、4つのスイッチのスイッチング時間制御に依存する2つの特別な場合があり、すなわち、a)対称的な無損失スイッチングと、b)非対称の無損失スイッチングがあって、それらは個別に説明される。
【0297】
(共振インダクタを備えない非絶縁変換器)
(対称的な無損失スイッチング)
まず、図43aの変換器のDからD’への移行を説明する。
【0298】
(DからD’への移行)
安定状態の分析および図84aの波形から、時間インタバルDTの終わりでは、瞬間電流i+iがiよりも大きい(それらの差は有効的に図84aにおけるようなIに等しい)ということになる。DからD’への移行インタバルは、図83a、図83b、図83cおよび図83dに示されるような4つの等価回路および図84bに示されるそれらの対応する時間インタバルt、t、t、tによって表すことができる。
【0299】
(インタバルt
図83aおよび図84bのtインタバルは、DからD’への移行が開始する前のDT時間インタバルに対応する。スイッチSおよびSは双方ともONであり、S’およびS’は双方ともOFFである。このインタバルが終わって出力スイッチSがOFFとされるとき、まず、いわゆる「自然な」移行が開始され、その結果、図83bの回路が得られる。
【0300】
(インタバルt
図84bの回路によって表されるインタバルtの間、電流iはS’スイッチの寄生キャパシタを迅速に放電し、そして、負の極性でSスイッチの寄生キャパシタを充電する。このインタバルが終結されるのは、スイッチS’にかかる電圧VS’2がゼロへと低下し、そして、S’のボディ・ダイオードが図83cに示されるように導通し始めるときである。したがって、スイッチS’は、ゼロ電圧で(ソフトスイッチングされる)、それ自体の寄生ダイオードによって自然にONとされる。低電圧でのダイオードの導通は、ダイオードにかかる電圧の高い低下のためにかなり非効率的であるので、これはまた、伝導損を最小限にするためにスイッチS’をONとする(または元のS’MOSFETをONとする)理想的な時間である。S’がONとされるとき、入力スイッチSが同時にOFFとされ、その結果、図84bのインタバルtについて有効な図83cの回路モデルが得られる。スイッチSをOFFとするのが遅延されたならば、中間インタバルがインタバルtに続き、全ての電圧が現在の値、すなわち、スイッチS’およびS’のそれぞれについてのVおよび−Vでクランプされる。明らかに、このインタバルは非生産的であって不必要であり、それは、それが、DからD’への移行の完了を遅延するに過ぎず、それ故、図84bにおけるような適切な駆動タイミングによって回避されるべきものであるからである。
【0301】
(インタバルt
そして、図84bのインタバルt(DからD’への移行の第2の部分)が、図83cの等価回路によって特徴付けられ、その間、3つのスイッチS、S’およびSがOFFであってスイッチS’のみがONであり、それ自身のボディ・ダイオードをバイパスしている(ボディ・ダイオードが最初に導通を開始してS’をONとし始めたという事実を示すよう、図83においてもまた太線で示されている)。
【0302】
+I=Iである基本の関係(4)のために、ここで電流i+i−iは、それらそれぞれのACリプル成分I=Δi+Δi−Δiのみからなることに注意し、結果として、(i+i)/Cという、先のインタバルtにおけるスイッチSおよびS’での電圧変化の傾斜と比べて、スイッチS、S’およびSでの電圧変化の傾斜I/Cが低減されている。このACリプル電流Iの合計は、Sを横切る容量の−Vからゼロへの放電を開始し、そして、それを正の極性でV−Vへと充電し、一方、同時に、このACリプル電流Iは、図84bに示されるように、Sにかかる容量を電圧Vへと充電し、そして、S’にかかる容量をゼロへと放電する。このインタバルtが終わるのは、スイッチS’の電圧がゼロに到達し、そして、スイッチS’のボディ・ダイオードが導通を開始する(インタバルtの始まりで変換器回路を示す図83dにおいて示される)ときである。これは、VレベルでスイッチSの電圧をクランプするという作用を有する。この時点で、スイッチS’はゼロ電圧でONとすることができ、それ故、ゼロのスイッチング損をもってであって、かつ内部ボディ・ダイオードをバイパスして伝導損を低減する。
【0303】
(インタバルt
スイッチSおよびSが同時にONであった間の図83aにおける始めの状態と比較して、図83dの回路は、DからD’への移行が完了していて、スイッチS’およびS’が同時にONであることを示す。要するに、このD’からDへの移行の間、全てのスイッチがゼロ電圧でONとされていて、DからD’への移行の無損失スイッチングが達成され、それ故、スイッチング損は無いものとなる。
【0304】
(D’からDへの移行)
D’Tインタバルの終わりのこの移行について、電流i+iは、図86aの波形に示されるように電流iよりも小さい。そうして、D’からDへの移行は、図85a、図85b、図85c、図85dの回路および図86bに示されるそれらそれぞれのインタバルt、t、t、tによって表される。
【0305】
(インタバルt
図85aおよび図70bにおけるtインタバルは、D’からDへの移行が開始する丁度前のD’T時間インタバルに対応する。スイッチS’およびS’が双方ともONであり、SおよびSがOFFである。図86aから、瞬間電流i+iは、この移行の間iよりも小さい。このインタバルが終わって、相補入力スイッチS’がOFFとされるとき、通常「強制される」移行と呼ばれるD’からDへの移行が開始され、その結果、強制された移行の第1の部分tを表す、図85bの回路が得られる。
【0306】
(インタバルt
このインタバルtの間(図85bの回路によって表されるようなD’からDへの移行インタバルtD’D=t+tの合計の最初の部分)、電流i−i−iがS’を横切る寄生キャパシタを充電しており、かつ、インタバルtの間、図86bの波形に示されるようなSおよびSを横切る寄生キャパシタを放電している。この電流のDC成分の合計はゼロであるので、ACリプル成分の合計のみが残される。この結果、これらの寄生キャパシタの充電および放電が相対的に遅くなり、それ故、スイッチS’での電圧上昇が遅くなる。
【0307】
前述の仮定(大きなインダクタンスが電流源でおよび大きな容量が電圧源で置き換えられる)が与えられて、これらの3つのキャパシタはACについて並列に接続される。
【0308】
このインタバルが終結されるのは、スイッチSにかかる電圧VS1がゼロに低下し、およびSのボディ・ダイオードが、図85cに示されるように導通し始めるときである。したがって、スイッチSは、ゼロ電圧で(ソフトスイッチングされる)、それ自体の寄生ボディ・ダイオードによって自然にONとされる。低電圧でのダイオードの導通は、ダイオードにかかる電圧の高い低下のためにかなり非効率的であるので、これが、伝導損を最小限にするためにスイッチSをONとする(または等価的には元のSMOSFETをONとする)理想的な時間である。
【0309】
ここで非常に重要な観察が行われ、それによって明らかに、出力スイッチSについて電圧2方向スイッチで実現することの重要性が示される。インタバルtについて図86bに示されるように、スイッチSにかかる電圧は、最初の正の電圧V−Vから負の電圧−Vへと変化する。スイッチSが電流2方向スイッチ(CBS)で実現されたならば、スイッチSにかかる負の電圧が呈示され、そして、それの電圧は、CBSスイッチのボディ・ダイオードによってゼロ電圧でクランプされる。続いて、これによって、入力スイッチSを横切るキャパシタのゼロへの完全な放電が防止される。その代わりに、Sの電圧は+Vでクランプされ、そしてこのスイッチはONとされなければならないものとなり、その結果生じるハードスイッチング損を受け入れている。しかしながら、スイッチSについて代わりに電圧2方向スイッチが用いられると、この問題は削減され、それは、Sスイッチにかかる負の電圧がここで許容されるからである。そうして、Sスイッチの放電が、妨げられずにゼロ電圧まで続けられ、その瞬間、それはゼロのスイッチング損をもってONとされる。
【0310】
(インタバルt
スイッチSがONとされるとき、スイッチS’が同時にOFFとされ、その結果、図86bのインタバルtについて有効な図85cの回路モデルが得られる。移行インタバルの残りの部分は、無損失スイッチングでもって完了することはできない。したがって、スイッチSは低下した電圧−Vで「ハードに」ONとされ、そしてその寄生キャパシタは突然に放電されなければならない。この第3のインタバルtは理想的には削減されるが、それは、それが何の有用な機能ももたずにD’からDへの移行の完了を遅延させるに過ぎないからである。
【0311】
(インタバルt
スイッチSをハードにONとすることと関係する損失は、有効電圧がVであるスイッチSの寄生キャパシタにおける1/2・CVの損失およびスイッチS’のボディ・ダイオードにおける反転回復の電流損である。それ故、図85dはスイッチSおよびSがONとされるD’からDへの移行の完了の後の最後のステージを示す。図86bはまた、スイッチS’の寄生キャパシタの最後の電圧がVであること、およびスイッチS’の寄生キャパシタの最後の電圧がVであることを示し、それらは、次のDからD’についてのそれらの始めの値である。
【0312】
面白いことに、ここで、このタイプのスイッチング損の低減が如何に有効であるのかが示される。DからD’への移行が、結果として無損失スイッチングを生じていることは明らかであり、一方、D’からDへの移行は、結果としてスイッチング損の部分的な低減しか生じておらず、それは、ONとされるとスイッチSの寄生キャパシタが電圧(−V)に充電されるからである。非常に簡単な分析によって、より高い負荷比での動作について、この方法がなおも有効であることが明らかとなる。例えば、D=0.8についてV=V/(1−D)=5Vである。したがって、スイッチSにかかる寄生キャパシタが高電圧V=5Vからゼロ・レベルへとずっと放電されて、この高電圧スイッチについてゼロの損失で無損失スイッチングを可能としており、一方、スイッチSにかかる寄生キャパシタは、V−V(負荷比D=0.8であるこの場合について4Vに等しい)から−Vレベルへと放電され、そして、ハードスイッチングをもってONとされるが、スイッチング損は大きく低減される。それ故、ONとするときの損失が下式で与えられるハードスイッチングの場合と比較して、スイッチに蓄積されるエネルギーの端数のみが失われる。
1/2・(5V(CS1+CS’1)+1/2・(4VS2+1/2・V S’2   (53)
【0313】
無損失スイッチングが実現されるとき、ONとするときの損失は1/2・V (CS2+CS’2)に低減される。スイッチの寄生容量が同じであったならば、無損失スイッチングの損失はハードスイッチング損の3%未満となっている(2対67の比である!)。
【0314】
(非対称の無損失スイッチング)
まず、図43aの回路のDからD’への移行を説明する。
【0315】
(DからD’への移行)
安定状態の分析および図88aの波形から、時間インタバルDTの終わりでは、瞬間電流i+iがiよりも大きい(それらの差は有効的に図88aにおけるようなIに等しい)。DからD’への移行インタバルは、図87a、図87b、図87cおよび図87dならびに図88bに示されるそれらの対応する時間インタバルt、t、t、tに示される4つの等価回路によって表すことができる。
【0316】
(インタバルt
図87aおよび図88bのtインタバルは、DからD’への移行が開始する前のDT時間インタバルに対応する。スイッチSおよびSが双方ともONであり、S’およびS’はOFFである。このインタバルが終わってSがOFFとされるとき、まずいわゆる「自然な」移行が開始され、その結果、図87bの回路が得られる。
【0317】
(インタバルt
インタバルt(図88bによって表されるようなDからD’への移行インタバルの合計tDD’=t+tの最初の部分)の間、電流i+iが、Sの寄生キャパシタ(その前の瞬間にスイッチSがONであったので最初は完全に放電されていた)を充電し、そしてS’およびS’スイッチを横切る寄生キャパシタを放電している。この電流にはDC成分I+Iが含まれているので、この結果、これらの寄生キャパシタの充電および放電は相対的に速くなり、それ故、スイッチSでの電圧の上昇が速くなる。大きなインダクタが電流源でかつ大きな容量が電圧源で置き換えられるとの仮定が与えられると、これらの3つのキャパシタはACについて並列に接続される。このインタバルが終結するのは、スイッチS’にかかる電圧VS’2がずっとゼロへと低下し、そしてS’のボディ・ダイオードが図87cに示されるように導通し始めるときである。
【0318】
それ故、スイッチS’は、ゼロ電圧で(ソフトスイッチングされる)、それ自体の寄生ダイオードによって自然にONとされる。低電圧でのダイオードの導通は、ダイオードにかかる電圧の高い低下のためにかなり非効率的であるので、これはまた、伝導損を最小限にするためにスイッチS’をONとする(または等価的に元のS’MOSFETをONとする)理想の時間である。
【0319】
S’がONとされるとき、スイッチSは同時にOFFとされ、その結果、図88bのインタバルtについて有効な図87cの回路モデルが得られる。スイッチSをOFFとするのが遅延されたならば、中間インタバルがインタバルtに続き、すべての電圧を現在の値で、すなわち、スイッチSおよびS’それぞれについてのVおよびV−Vでクランプする。明らかに、このインタバルは非生産的かつ不必要であり、それは、それが、DからD’への移行インタバルの完了を遅延させるに過ぎないもので、それ故、図88bにおけるような適切な駆動タイミングによって回避されるべきであるからである。
【0320】
(インタバルt
そして図88bのインタバルt(DからD’への移行インタバルtDD’の第2の部分)は、図87cの等価回路によって特徴付けられ、その間3つのスイッチS、S’およびSがOFFであり、スイッチS’だけがONであって、それ自体のボディ・ダイオードをバイパスしている(まずボディ・ダイオードが導通し始め、そしてS’をONとし始めたという事実を示すために、太線で図87cにおいてもまた示されている)。ここで、I+I=Iである基本の関係(4)のために、電流i+i−iは、それらそれぞれのACリプル成分Δi+Δi−Δi=−Iのみからなっており、結果として、先のインタバルtと比較してスイッチSでの電圧の上昇の傾斜が低減される。このACリプル電流の合計はSを横切る容量を充電し始め、一方、同時にそれは、先のtインタバルにおけるよりもずっと遅い速度でではあるが、Sを横切る容量を充電して、S’を横切る容量を放電し続ける。このインタバルが終わるのは、スイッチS’の電圧がゼロに到達し、そのスイッチのボディ・ダイオードが、インタバルtの始めでの変換器回路を示す図87dに示されるように導通し始めるときである。これは、VレベルでスイッチSの電圧をクランプするという作用を有する。この時点で、スイッチS’をゼロ電圧でONとすることができ、それ故、ゼロのスイッチング損をもってであって、また内部ボディ・ダイオードをバイパスして伝導損を低減する。
【0321】
(インタバルt
図87dの回路は、DからD’への移行が完了しており、かつここで、スイッチSおよびSが同時にONであった間の図87aの始めの状態との比較で、スイッチS’およびS’が同時にONであることを示す。要するに、このDからD’への移行の間、全てのスイッチはゼロ電圧でONとされ、そしてDからD’への移行の無損失スイッチングが達成され、それ故、スイッチング損が無いものとなる。
【0322】
(D’からDへの移行)
この移行は、対称的なタイミングが実現されるD’からDへの移行と同一であって、既に説明され、図85a乃至図85dの回路に示されたものであり、またそれらそれぞれのインタバルt、t、t、tが図86bに示されている。
【0323】
(共振インダクタを備える非絶縁変換器)
(非対称の無損失スイッチング)
図57aの共振インダクタを備える非絶縁変換器で実現される新規な無損失スイッチング方法の分析をここで行う。
【0324】
この新規な無損失スイッチングは、他のタイプの無損失スイッチングからは、その「シグネチャー」すなわち、出力スイッチSにかかる電圧の後端の負の電圧ピークによって容易に見分けられる。後端の線形の傾斜によって、強制されたD’からDへの移行において何の共振放電も存在しないことが確認される。
【0325】
この無損失スイッチングのもう1つの実用上の利点は、一次側の高電圧装置が双方ともゼロ電圧でONとされ、それ故、いかなる動作点でもスイッチング損の無いものとなる。それ故、出力低電圧デバイスにかかる非常に低い電圧でのハードスイッチングのために、無視できる残りのスイッチング損によって、500kHz以上のずっと高いスイッチング周波数でささやかにしかスイッチング損を増大させない動作が可能となる。図57aの共振インダクタを備える非絶縁変換器に関しての無損失スイッチングの分析が以下に続く。大きなインダクタおよび大きな非寄生キャパシタに関して、先の分析におけるのと同じ仮定がなされる。
【0326】
(DからD’への移行)
DからD’への移行インタバルが、図89a乃至図89eの5つの特性回路および図90の対応する波形によって表される。図90には、tが図89aに、tが図89cに、といったように、各インタバルがそれぞれの回路モデルに対応する5つのインタバルt、t、t、t、tに分けられるタイミング図が備わる。
【0327】
VBSスイッチを実現する回路動作は、図73a乃至図73eの回路においてCBSスイッチが実現されたときと全く同じである(図74および図90の同一の波形を参照)。それ故、図74aをもって与えられるのと同じ説明が適用される。
【0328】
(D’からDへの移行)
この移行について、5つの回路モデルが図91a乃至図91eおよび図92の対応する波形に示されている。図92の5つのインタバルは、図91a乃至図91eの5つの回路に対応する。
【0329】
(インタバルt
このインタバルは、図91aの等価回路に対応していて、移行が開始する丁度前のD’Tインタバルを表す。対応する波形が図92に示されている。SおよびSがOFFであり、S’およびS’がONである。このインタバルが終わってS’がOFFとされるとき、D’からDへの移行が開始される。
【0330】
(インタバルt
図86bの線形放電インタバルtを参照して先に説明された、共振インダクタを備えずにVBS出力スイッチを備える変換器についてのものと同じ動作の説明が適用される。
【0331】
(インタバルt
このインタバルは、非生産的であるので、適切なスイッチング時間制御によって削減するべきであるというものを含めて、図86bのインタバルtについてのものと同じ動作の説明が適用される。
【0332】
(インタバルt
この電流−反転サブインタバルは、出力スイッチSがONとされるとき、入力キャパシタ電流iC1=i+Iで始まる。入力キャパシタ電流は、図92のiC1の波形に示されるようにV/Lに等しい一定の速度で線形に低減する。このインタバルの間のある瞬間で、それはゼロとなり、そしてその後、方向を反転して安定状態の電流レベル(−I)に到達する。それが起こるとき、相補出力スイッチS’のボディ・ダイオードの電流はゼロとなり、それ故、ボディ・ダイオードがOFFとなってスイッチS’がOFFとされなければならない。これによって、D’からDへの移行が完了し、安定状態のインタバルtにおいて同じく望ましくない振動が引き起こされる。
【0333】
(インタバルt
相補出力スイッチS’をOFFとすることで、共振インダクタおよび相補出力スイッチS’の寄生キャパシタCS’2を備える共振回路が形成される。この共振回路によって、この寄生容量を、その最初のゼロ電圧からその最後の電圧Vへと、安定状態で、一連の望ましくない振動を通して充電することが容易となる。これらの振動は、DからD’への移行の後に起こる同様の振動を抑制するのに用いられるのと同一のR−C緩衝器ネットワークを用いることで、減衰および抑制することができる。
【0334】
(実験による実証)
CBS出力スイッチを備える図11aの新しい変換器、およびVBS出力スイッチを備える図11bの新しい変換器、ならびに図11dのそれらの絶縁の等価物に適用できる多数の新規な無損失スイッチング方法を確認するのに、4組の実験が行われた。
【0335】
(非絶縁変換器のプロトタイプ)
非絶縁変換器の実験のために、図40aの構成が用いられ、名目50W、10Vの出力変換器の3つのブレッドボードのプロトタイプが、すなわち、CBS出力スイッチを備えるものと、VBS出力スイッチを備える別のものと、出力スイッチと相補出力スイッチとの双方にダイオード整流器を備える3番目のものとが構築された。入力電圧は、使用されるテストのタイプに依存して13Vから40Vの範囲であった。スイッチング周波数は200kHzに固定された。以下の構成値がブレッドボードのプロトタイプに用いられており、すなわち、
およびS’はIRF3710(100V/28mΩ)であり、SおよびS’はSUP70N06−14(60V/14mΩ)であり、
C=2x4.7μF/100V、C=5x10μF/50V、C=2200μF/25Vであり、
別個のインダクタは、L=200μH、L=200μH、L=50μH、L=0.75μHであった。
【0336】
(絶縁変換器のプロトタイプ)
整流されたACラインから動作する実用のオフライン変換器の2つのプロトタイプが、絶縁スイッチング変換器、すなわち、CBS出力スイッチを備えるもの(図60a)とVBS出力スイッチを備える別のもの(図59a)とにおいて無損失スイッチング方法をテストするために構築された。
【0337】
210Vから450Vまでの入力DC電圧が、100Wの名目電力で5Vの出力DC電圧に変換され、そして200kHzのスイッチング周波数で動作する。以下の値を備える成分が、図59aおよび図60aの変換器について用いられており、すなわち、
C=47nF、C=1μF、C=3×1200μF、S⇒STU10NB80、S’⇒STP4NB80FP、S&S’⇒STV160NF03Lであり、
個別のインダクタは、L=6mH、L=4μHであり、
27:1のステップダウン巻数比を備える絶縁変圧器が構築されており、また一次側で測定されるLでも指示される漏れインダクタンスはL=27μHであった。
【0338】
(CBS出力スイッチでの実験)
(CBSスイッチを備える非絶縁変換器)
(非絶縁変換器において低減されたスイッチング損)
これらの実験については、図40aにおいてL=0である。変換器は、50%の負荷比で(それ故20Vから10Vへの変換)動作するよう調整され、そして、入力電圧はV=20Vであった。図93aはスイッチSおよびSのドレイン−ソース電圧vDSを示す。50%の負荷比でのSスイッチのvDSは40Vである。入力スイッチSの電圧vDSの2つの移行に注意する。予期されたとおり、DからD’への移行では明らかに、DからD’への移行の始まりでの入力スイッチSのピーク負荷電流による急速な傾斜が、電圧レベルV(図93aにおいては20V)に到達されるまで示され、その時点で、傾斜はスイッチS’における正のACリプル電流ピークIによって決定されるずっと緩やかな傾斜へと変更される。この移行は、結果としてS’スイッチの無損失スイッチングを生じる。しかしながら、D’からDへの移行は、入力スイッチSの寄生キャパシタの放電を示し、そして、スイッチS’における負のACリプル電流ピークのために同じ緩やかな傾斜をもち、それは、正のACリプル電流ピークIと同じ大きさである。
【0339】
予期されるとおり、スイッチSの電圧vDSがVレベルに低減するとき、そのレベルを、すなわちそれ故、図93aの波形における20VのレベルVでの平坦な部分を保持するように、スイッチSのボディ・ダイオードをONとすることによって、更なる放電が防止されることに注意する。もちろんこの停止条件は、SスイッチをONとする(ハードスイッチング)ことによって意図的に終結させることができ、結果として、入力スイッチSのスイッチング損が単に低減されて削除はされないものとなる。しかしながら、出力スイッチS電圧もまた、図93aに示されるようにゼロへと放電され(下のトレース)、そうして、ゼロ電圧でONとすることができ、それ故、このスイッチによるスイッチング損は無く、それはずっと無損失にスイッチングされる。図93bは、移行および対応する駆動タイミング波形をより良く示すために、時間ベースを拡大して、このD’からDへの移行を示す。
【0340】
このタイプの無損失スイッチングは、負荷比の動作点に大きく依存している。例えば、負荷比D=0.25では、V=40VおよびV=10Vについて図93aの波形が得られる。D’からDへの移行もまた、結果としてvDS電圧の平坦な部分を生じ、それは再度Vであるが今回は40Vレベルであることに注意する。しかしながら今回は、vDSの低下が、V=53.3Vのレベルから40Vへの放電に制限され、その時点でハードスイッチングが開始される。そうして、低い負荷比では、このD’からDへの移行の結果、V=53.3Vでの完全なハードスイッチングと比べて損失の低減が最低限となる。もちろんDからD’への移行はなおも、スイッチS’の無損失スイッチングを可能とする。
【0341】
他方、図94bに示されるD=0.8のような、D=0.5よりも高い負荷比Dでの動作の結果、入力スイッチSの寄生容量に蓄積されるエネルギーの合計の小さな部分のみが消散されて、殆どの部分が回復される。この場合、入力電圧は13Vに変更されて、その結果、10Vの出力についてD=0.8となる。今回、D’からDへの移行の結果、D=0.8についてVDS=V/(1−D)=65Vの入力スイッチのVDS電圧の合計から13Vのレベルへとずっと低下する無損失スイッチングが如何にして生じるのかに注意する。それ故、元のハードスイッチングされた損失の(13V/65V)=0.04または4%で与えられる端数のみが残る。
【0342】
したがって、D’からDへの移行で、この入力スイッチSでのハードスイッチング損の25倍の低減が達成される。あらゆる実用上の目的にとっては、これで充分であって、事実上スイッチング損の完全な削除が実施されているかのように考えられる。例えば、200mWの元のハードスイッチング損は、たったの8mWへと低減され、それは、本当に無視できるものである。
【0343】
これは更に、図95の波形によって支えられており、それは、図94bと同じ波形を示すが、移行の詳細がより良く示されるようにスケールが2.5倍拡大されている。しかしながら、今回は別の変更もなされる。スイッチSが、丁度正しい時間でONとされて(Sスイッチのボディ・ダイオードがONとされるや否や)波形の平坦な部分を削除し、そうして結果として、図95の平滑なD’からDへの移行を生じるように思われるが、実際は、13Vレベルでの放電の傾斜の変化に示されるように、最後の13Vについてなおもハードスイッチングを生じる。
【0344】
(非絶縁変換器における(共振インダクタを用いての)無損失スイッチング)
次に、D’からDへの移行を助け、ゼロ電圧レベルでの無損失スイッチングを達成するために、入力キャパシタと直列に共振インダクタL=0.75μHを付加して用いることによって、無損失スイッチングの改良が可能とされたことを示すのに、一連の実験が行われた。共振インダクタが無ければ、D=0.5で動作する変換器は、V=20Vで入力スイッチの電圧をクランプする。しかしながら、共振インダクタがあると、図96に示されるように入力スイッチ電圧で共振放電の振動が起こり、入力スイッチ電圧を20Vよりもずっと低く、すなわちゼロ近くに低減する。これによって、2つの共振電流放電成分を備える図52bのケース2が例示される。
【0345】
図96は、スイッチSの最低の電圧で入力スイッチSをONとしておらず、そうすると、共振インダクタLと、入力スイッチSおよび相補入力スイッチS’の寄生容量との間の共振が、D’からDへの移行の正弦波振動(上のトレース)およびその移行の拡大図(下のトレース)に示されるように、最初の最小値を超えて続けられるという結果を例示する。このように、入力スイッチSをONとするタイミングは、ある特定の瞬間を超えて遅延されないことが重要である。例えば、振動の最初の正のピークが図96において30Vで生じるとき、SがONとされるならば、ハードスイッチングされた場合と殆ど同じ損失が発生する。しかしながら、図96においてSの最低の電圧5VでSがONとされるならば(振動の負のピーク)、ハードスイッチング損は無視できるものとなる。
【0346】
ここで、入力電圧を40Vに変更することによって、動作は低い負荷比D=0.25へと移動され、なおも10Vの出力電圧として、この方法が動作負荷比Dに依存することを示す。図97から、より低い負荷比では、共振インダクタの有効性もまた低減されることに注意し、それは、ここで、共振放電が、入力スイッチSの電圧の合計の殆ど50%(それ故ハードスイッチング損の25%)である電圧レベルに制限されるからである。にもかかわらず、0.25という低い負荷比ででさえも、共振インダクタが用いられなかった場合の44%の低減と比較して、ハードスイッチング損の75%への低減が達成される。もちろん全体の比較には加えた共振インダクタの損失を含めなければならない。
【0347】
(共振インダクタおよび出力ダイオードでの無損失スイッチング)
この実験は、共振電流成分が1つだけ存在し、V=20VからV=50Vの低乃至中入力DC電圧でその有効性をもつ図55bのケース4を示す。この実験はまた、共振回路の特性抵抗R、補助キャパシタACリプル電流Iおよび入力電圧Vの値に依存して、低い負荷比についてさえもゼロ電圧への無損失スイッチングを得ることができることを実証するためにも行われる。これを達成するためのスイッチの実現には、入力スイッチおよび相補入力スイッチの適切な駆動タイミングのみが必要とされ、それは、MOSFET様のCBSスイッチである必要があり、一方、出力スイッチおよび出力相補スイッチは単純な1クォードラント・ダイオード整流器でさえあり得るが、その導通は回路動作によって強制される。独特の特長は、4つのスイッチング装置全てが、図98aのD=0.25のような、またはそれ以下の、更に低い負荷比を含む広い動作範囲について、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされていることである。もちろん、MOSFETを実現することは、低電圧のアプリケーションにおいて出力整流器ダイオードの伝導損を低減するのになおも好ましい。図98aは、非絶縁変換器についてこれらの実験波形を示すが、絶縁の等価物についての同じ利点もまた実験的に実証されている。上のトレースは入力スイッチSの電圧を示し、中央のトレースは出力スイッチS(ダイオード電流整流器CR)の電圧を示し、および下のトレースは相補出力スイッチS’(ダイオード電流整流器CR’)の電圧を示す。
【0348】
図98bはDからD’への移行の拡大図を示し、そして図98cは図98aのD’からDへの移行の拡大図を示す。変換器は260kHzで動作され、その結果、I=3Aを生じている。特性抵抗RはL=0.75μHおよびCS1=3.2nFについてR=(L/CS11/2=15Ωであると計算される。それ故、予期される共振電圧ピークはV=I×R=45Vである。
【0349】
図82dは、入力スイッチSをONとするのが遅延されるときのD’からDへの移行を示しており、共振電圧振動のピークが、D=0.25という低い負荷比ででさえ、入力スイッチ電圧をゼロに低減するのに充分であることが示される。図98dから、出力スイッチ整流器の電圧がゼロになるときからV=30Vが測定されることに注意する。45Vの予期された値との不一致は、出力スイッチ・ダイオード整流器の寄生容量が、出力スイッチ・ダイオード整流器がONとされるのを遅延させ、そして、前述の図63bに示されるような無損失スイッチングの有効性を低減するという事実によるものである。
【0350】
(CBSスイッチを備える絶縁変換器)
((漏れインダクタンスをもつ)絶縁変換器での無損失スイッチング)
=300Vのような、またはそれ以上の、より高い入力DC電圧について、1つの共振電流成分をもつ先の方法は適切ではない。したがって、図52bおよびケース2の2つの共振電流成分をもつ方法が使用され、そしてここで実験的に実証される。この場合において、どのように、相補入力スイッチS’がOFFとされるのと同じ瞬間に出力スイッチSがONとされて、2つの電流成分をもつ共振放電が開始されるのかに注意する。
【0351】
CBSスイッチを備える実験の絶縁変換器は、300Vの入力DC電圧、27:1のステップダウン絶縁変圧器巻数比およびおよそD=0.5の負荷比で動作される。その無損失スイッチング性能は、図60aの非絶縁等価物であるそれの等価回路および、D=0.5についての場合を示す図53aの波形でモデル化され、それによって入力スイッチの電圧のゼロ電圧への完全な放電が予測される。これは、図99aの実験波形によって確認されるが、そこでは、上のトレースは入力スイッチの電圧であり、中央のトレースは出力スイッチの電圧であり、および下のトレースは相補出力スイッチの電圧である。図99bはDからD’への移行の拡大図を示す。図99cのD’からDへの移行の拡大図は、入力スイッチの電圧のゼロへの完全な放電を明白に示し、その時点で、それにかかるゼロ電圧でそれをONとすることができる。
【0352】
高入力DC電圧のアプリケーションによっては、前述の2つの共振電流成分が、充分な放電を提供して入力スイッチ電圧をゼロ・レベルへと低減するのに足りないものがある。その場合には、3つの共振電流成分をもつ図49bのケース1を、図100の実験波形によって例示されるとおり実現することができる。最初のトレースは入力スイッチSのドレイン−ソース電圧を表し、中央のトレースは出力スイッチSのドレイン−ソース電圧であり、そして下のトレースは変圧器の一次側における電流である。波形から、如何にして、相補入力スイッチS’がOFFとされる(Sスイッチの電圧が低下され始める)前にまず出力スイッチSがONとされる(電圧VS2がゼロに低減される)のかに注意する。その120nsという時間の間に相補入力スイッチの電流が、如何にしてピーク共振電流成分Ir1=0.8Aを生成しているのかに注目する。上のトレースは、入力スイッチの電圧が675Vからゼロ電圧へとずっと放電されるのを明白に示す。
【0353】
(VBS出力スイッチでの実験)
VBS出力スイッチを備える変換器の性能を実装するのに2つのプロトタイプが構築されており、すなわち
1.ガルバーニ絶縁を備えず4クォードラント電圧2方向スイッチを2つのMOSFETで実現する図43aの無損失スイッチング変換器。
2.ガルバーニ絶縁を備え4クォードラント電圧2方向スイッチを2つのMOSFETで実現する図59aの無損失スイッチング絶縁スイッチング変換器。
【0354】
明細書に詳細に説明されるような、VBS出力スイッチを備えるこの変換器に特有の無損失スイッチング機構の4つのタイプを実証するのに、以下のとおり多くのテストが行われており、すなわち
1.図43aの非絶縁変換器の対称的な無損失スイッチングと、
2.図43aの非絶縁変換器の非対称の無損失スイッチングと、
3.図57aの付加した共振インダクタの含まれる非絶縁変換器の無損失スイッチングと、
4.図59aの絶縁変換器における無損失スイッチングが行われた。
【0355】
(VBSスイッチを備える非絶縁変換器)
名目50W、10Wの出力について、図43aの非絶縁スイッチング変換器の同じプロトタイプが用いられたが、VBS出力スイッチを備えて、新規な無損失スイッチング方法を更にテストした。
【0356】
(対称的な無損失スイッチング)
対称的な無損失スイッチングのケースが得られるように、すなわち、DからD’への移行について、図66cの波形で説明されるとおり入力スイッチSがOFFとされる前に出力スイッチSがOFFとされるように、まずスイッチング駆動のタイミングが調整される。図101において、上のトレースは、入力スイッチの電圧の測定された波形を示しており、および下のトレースは、200kHzでの出力スイッチSの電圧を示しており、それらによって、電圧波形において対称的な前端および後端から示されるような双方のスイッチについての明確な対称的な振る舞いが示される。図101に示されるように、入力スイッチSにかかる電圧は完全に低下しており、そうして、D’からDへの移行の間に達成するのが困難なゼロ電圧スイッチングを可能としている。他の動作点で更なる実験が行われて、対称的な無損失スイッチング波形が観察され、全ての動作点での入力スイッチSのゼロ電圧スイッチングが確認されている。
【0357】
図101において、VBS出力スイッチSにかかるおよそ20Vの明確な負の電圧ピークにもまた注意するが、それは、分析によって予期されるように、V=20Vの入力DC電圧に対応する。加えて、DからD’への移行によって、出力スイッチSにかかる電圧波形において2つの異なるサブインタバルが明確に示されており、すなわち、負の傾斜インタバルをもつ最初の非常に速い電圧低下と、それに続いての、ACリプル電流のみのために正の傾斜をもつずっと遅い電圧上昇である。また、どのように、端部での電圧波形の移行が、200kHzのスイッチング周波数ででさえ丸められて平滑であり、ハードスイッチングと結び付く通常の高周波数リンギングおよびスパイク・ノイズの無いものとなるのかにも注意する。プロトタイプで測定される効率は95.5%であった。
【0358】
(非対称の無損失スイッチング)
ここでスイッチング駆動のタイミングが、非対称の無損失スイッチングのケースが得られるように変更される。DからD’への移行について、図65cの波形に示されるように出力スイッチSがOFFとされる前に、ここで入力スイッチSがOFFとされる。D’からDへの移行のための駆動タイミングは、対称的な無損失スイッチングの場合と同じであり、すなわち、それは相補入力スイッチS’をまずOFFとすることによって開始される。図102において、上のトレースは、入力スイッチSの電圧の波形を示し、下のトレースは、200kHzのスイッチング周波数での出力スイッチSの電圧を示す。対称的な無損失スイッチングの場合に存在するDからD’への移行において負の電圧ピークが存在しないことによる、出力スイッチSの電圧波形の非対称的な形に注意する。加えて、DからD’への移行の間の入力スイッチSの電圧には2つの異なる傾斜があって、更にはそれによって図102の波形に非対称性がもたらされる。しかしながら、D’からDへの移行の間の入力スイッチSの電圧の後端の傾斜は、対称的な場合におけるのと同じであり(ハードスイッチングを指示するのに後端の傾斜において突然の変化がない)、そうして、結果として、如何なる動作点でも入力スイッチのゼロ電圧スイッチングおよびゼロのスイッチング損を生じる。実際、DからD’への移行の間の相補入力スイッチの予期されるゼロ電圧スイッチングもまた、実験によって確認されており、出力スイッチのみがD’からDへの移行の間にハードスイッチングされるものとして、−V電圧レベルでハードスイッチングが起こっている。
【0359】
(共振インダクタでの非対称の無損失スイッチング)
ここで、共振インダクタLが入力キャパシタと直列に非絶縁変換器に加えられ、そして非対称の無損失スイッチングにおけるのと同じ駆動タイミングが用いられる。図103に示されるように、出力スイッチSの電圧波形の非対称の傾斜が得られることに注意する。しかしながら、図102におけるようなDからD’への移行の間の入力スイッチSの前端電圧の移行の2つの異なる傾斜がここで、共振インダクタLが存在するときの図103の単一の急速な傾斜と置き換えられている。共振インダクタが存在することによる、出力スイッチのリンギング電圧にもまた注意する。D’からDへの移行は、結果として、共振インダクタを備えない非対称の無損失スイッチングにおけるのと同じ単一の傾斜および負の電圧のピークを生じる。
【0360】
(VBSスイッチを備える絶縁変換器)
(漏れインダクタンスでの無損失スイッチング)
絶縁変換器の場合についての正しい駆動タイミングは、共振インダクタを備える非絶縁変換器の非対称の無損失スイッチングにおけるのと同じである。ここで、共振インダクタの役割は、絶縁変圧器の組み込み漏れインダクタンスによって果たされる。
【0361】
そうして、DからD’への移行が、入力スイッチSをOFFとすることによって開始される。絶縁スイッチング変換器の無損失スイッチングの性能が、450VのDC入力電圧での動作について図104aに示されている。図104aの上のトレースは、入力スイッチSのドレイン−ソース電圧を表し、中央のトレースは、出力スイッチSのドレイン−ソース電圧を表し、そして下のトレースは、相補出力スイッチS’のドレイン−ソース電圧を表す。入力スイッチと出力スイッチの電圧波形の全体の外観は、共振インダクタを備える非絶縁変換器における非対称の無損失スイッチングにおいて対応する波形に類似している。入力スイッチ電圧はゼロに低減され、そしてスイッチはゼロ電圧でONとされ、結果として、D’からDへの移行の間ゼロのスイッチング損を生じる。V=450Vおよびn=27について等式(45)による、出力スイッチでのおよそ16.7Vの負の電圧ピークにもまた注意する。出力スイッチSは、D’からDへの移行の間のハードスイッチング損でONとされる唯一のものである。しかしながら、図104aから示されるように、ハードスイッチングがV=450Vで一次側に残るならば、この負の電圧ピークは450Vとの対比でおよそ16.7Vにしか過ぎない。低電圧出力装置の寄生容量(この場合において30Vの遮断電圧)は、CS2=2950pFである。ハードスイッチングされる電圧もまた非常に低い(16.7V)ので、電力損はP=1/2・CS2 =82mWであり、実用上無視される。これによって、高電圧の一次側で、高い電圧スイッチング装置の無損失スイッチングをもつことが重要であり、そして、低電圧の二次側での、出力スイッチの低電圧でのハードスイッチングによるスイッチング損は相対的に重要でないことが確認される。
【0362】
スイッチング損の低減される場合であって、実際のスイッチの容量CS1=350pFかつCS’1=95pF、それ故C=445pFについて、V=450Vという電圧レベルで高電圧の一次側でハードスイッチングが起こっていたならば、計算される合計スイッチング損は、P=9Wであり、それは、ハードスイッチング損が、二次低電圧側の出力スイッチのみであるときよりも9/0.082=110倍大きい係数である。
【0363】
(効率の測定)
CBS出力スイッチを備える50Vから5V、20Aの絶縁変換器のプロトタイプでなされた効率の測定が、図105に示されている。広い2:1の入力電圧範囲の大半にわたっての96%を超える高い効率は、提示される新規な無損失スイッチング方法の有効性に直接帰せられる。
【0364】
(結論)
スイッチングDC−DC変換器のサイズおよび重量を低減しようという過去の試みの結果、より高いスイッチング周波数に向けて明白な前進が得られている。スイッチング周波数を増大することによって、最初にキャパシタや磁気構成要素(インダクタおよび変圧器)のようなエネルギー移送および蓄積構成要素のサイズを小さくすることが可能となる一方で、半導体スイッチング装置のスイッチング損が、スイッチング周波数に直接比例して上昇し、そうして、結果として、戻りが減少している。従来技術のソフトスイッチング変換器は、重大な高電圧スイッチング装置をゼロまたはゼロに近い電圧でONとすることによって、このトレードオフを改善し、そうして、スイッチング装置の寄生容量によるスイッチング損を低減している。しかしながら、それを達成するためには、従来技術のソフトスイッチングの変換器は、極端に大きなACリプル電流(その最大DC負荷電流の倍より大きい)または、絶縁変圧器の大きな漏れインダクタンス(別個の大きな外部共振インダクタによってしばしば高められる)もしくはその他の設計の制約かのいずれかが必要とされ、正味の損失の低減が、予想されるよりもかなり低いものとなるような追加の損失が引き起こされていた。それ故、新規なクラスの無損失スイッチング変換器が、この発明で導入されており、それは、他の効率損失機構を導入することなくスイッチング損の削減を確実なものとしている。
【0365】
本発明のハードスイッチングのバージョンは、理想4クォードラント・スイッチを4つ備える4スイッチ変換器のクラスに属する。電子半導体スイッチング装置で簡潔にハードウェアを実現することで、1クォードラント特性かせいぜい2クォードラント特性かのいずれかをもつスイッチを用いることが決定され、それによって、なおも144のスイッチング変換器を実現することが可能とされている。そのようなハードウェアをもっとも簡潔に実現すると、入力スイッチおよび相補入力スイッチの双方について制御可能MOSFETトランジスタを、そして出力スイッチおよび相補出力スイッチの双方についてダイオード整流器を有するものとなり、その結果、簡単なハードスイッチング時間制御が実行されるとき、非効率的な動作を生じてしまう。しかしながら、出力スイッチとしての受動ダイオードを、CBSの異なった形態(例えば、単一の能動MOSFETスイッチ)かVBSの異なった形態(ダイオードと直列の単一のMOSFETスイッチ)かのいずれかの制御可能スイッチング装置と単純に置き換えることによって、あらゆる制御可能スイッチの新規のスイッチング時間制御と一緒に、無損失のスイッチング性能が、すなわち、サイズの低減を同時に可能とする実質的な効率の向上がもたらされる。比較として、従来技術の、比較に値するサイズおよび低い5V電圧出力での性能の、絶縁ソフトスイッチング変換器の典型的には90%の効率が、新規な無損失絶縁スイッチング変換器においては、広い入力DC電圧動作範囲にわたって96%を超えるまでに増大されている。
【0366】
新規な発明の特定の実施例がここに記述され、例示されているけれども、当業者には直ちに変更が見出されると認められる。その結果、特許請求の範囲は、そのような変更およびそれの等価物をカバーするように解釈されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1a】
従来技術のバック変換器のトポロジー若しくは接続形態を示す。
【図1b】
SスイッチおよびS’スイッチの相補スイッチングおよび脈動入力電流を示す。
【図2】
a〜dは、先行技術のソフトスイッチング・バック変換器の4つの回路モデルの1つを示す。eは、図1aのバック変換器においてソフトスイッチングを達成するのに負のピーク値Iを必要とする高リプル電流Iの必要性を示すタイミング図である。
【図3a】
入力スイッチS、相補入力スイッチS’、出力スイッチSおよび相補出力スイッチS’として理想スイッチを用いる本発明の簡略化された回路図である。
【図3b】
図3aの変換器の理想スイッチの駆動信号ならびにON状態およびOFF状態を定義するスイッチング時間図波形で図3aの動作を示す。
【図4a】
出力スイッチおよび相補出力スイッチをダイオード整流器で実現する本発明の変換器バージョンを示す。
【図4b】
図4aの2つの制御可能能動MOSFETスイッチのハードスイッチング・スイッチング時間制御を示す。
【図5】
スイッチが開いているときスイッチの寄生容量に蓄積されるエネルギーが、スイッチが閉じられるとハードスイッチングの方法でどのようにして全て消散されるかを示す。
【図6a】
4クォードラント・スイッチの記号を示す。
【図6b】
図6aの示す4クォードラント・スイッチが電流2方向かつ電圧2方向であることを示す。
【図6c】
このスイッチを2つのMOSFET装置で実現する1つの可能性を示す。
【図7a】
2クォードラント電流2方向スイッチ(CBS)の記号を示す。
【図7b】
図7aに示される2クォードラント電流2方向スイッチ(CBS)が、電流をいずれかの方向に流すが、1極性のみの電圧を遮断若しくはブロックすることを示す。
【図7c】
単一のMOSFET装置を用いてこのスイッチを実現する1つの可能性を示す。
【図8a】
2クォードラント電圧2方向スイッチ(VBS)の記号を示す。
【図8b】
図8aに示される2クォードラント電圧2方向スイッチ(VBS)が、いずれかの極性の電圧を遮断するが、1方向のみに電流を流すことを示す。
【図8c】
このスイッチを整流ダイオードと直列の単一のMOSFET装置を用いて実現する1つの可能性を示す。
【図9a】
1つの極性の電圧を遮断し、1方向のみに電流を流す1クォードラント能動スイッチの記号を示す。
【図9b】
図9aに示される1クォードラント能動スイッチが流す電流の唯一の方向であるクォードラントIを示す。
【図9c】
このスイッチを1つのNPNバイポーラ・トランジスタを用いて実現する1つの可能性を示す。
【図10a】
1つの極性のみの電圧を遮断し、1方向のみに電流を流す1クォードラント受動スイッチの記号を示す。
【図10b】
図10aに示される1クォードラント受動スイッチの流す電流の唯一の方向であるクォードラントIIを示す。
【図10c】
このスイッチを単一の電流整流器(ダイオード)を用いて実現する1つの可能性を示す。
【図11a】
本発明の回路図を示し、入力スイッチS、相補入力スイッチS’、出力スイッチSおよび相補出力スイッチS’が電流2方向スイッチ(CBS)として実現されている。
【図11b】
電圧2方向スイッチ(VBS)として実現される図11aの出力スイッチSを示す。
【図11c】
CBSスイッチかVBSスイッチかを用いることができることを意味する理想スイッチの周りの長方形の内側のCBS/VBSと指示される記号で置き換えられる図11aおよび図11bの出力スイッチを示す。
【図11d】
太線で強調される構成要素、すなわち、漏れインダクタンスを備える絶縁変圧器、出力スイッチを実現する能動スイッチおよび非常に特別なスイッチング時間制御を備える本発明を示す。
【図12a】
相補出力スイッチのための整流ダイオードおよび3つのCBSスイッチで図8dを特別に実現したものを示す。
【図12b】
図12aの変換器についてD’からDへの移行の間の無損失スイッチング時間制御を実現する1つの特定の可能性を示す。
【図13a】
図12aの2つの入力MOSFETトランジスタをバイポーラ・トランジスタとダイオードで置き換えておよび図12bの同じ無損失スイッチング時間制御で実現したものを示す。
【図13b】
図13aの変換器をVBS出力スイッチで特別に実現したものを示す。
【図14a】
バイポーラ・トランジスタの代わりにMOSFETトランジスタを用いるだけで図13bの変換器を実現したものを示す。
【図14b】
図13bおよび図14aの変換器のための無損失スイッチング時間制御を示す。
【図15a】
1000ns/divの時間スケールで示される、ハードスイッチングされるD’からDへの移行をもつ実験変換器の波形を示す。
【図15b】
図15aの波形のD’からDへの移行を拡大した図を50ns/divの時間スケールでおよび対応するハードスイッチング時間制御で示す。
【図16a】
新規な無損失スイッチングのD’からDへの移行をもつ実験変換器の波形を1000ns/divの時間スケールで示す。
【図16b】
図16aの波形のD’からDへの移行を拡大した図を50ns/divの時間スケールで対応する無損失スイッチング時間制御で示す。
【図17a】
図3aの変換器についてインタバルDTの間に得られるスイッチングされたネットワークを示す。
【図17b】
図3aの変換器について相補インタバルD’Tの間に得られるスイッチングされたネットワークを示す。
【図18】
図3aの変換器の線形DC電圧変換比のグラフを示す。
【図19a】
図11cの変換器の閉ループ調整器(レギュレータ)を示す。
【図19b】
図11cの変換器の出力DC電圧の調整について電子制御によって提供される可変負荷比Dを示す。
【図20】
図3aの本発明の3つのインダクタの電流間の基本的な関係を確立するのに用いられる相補インタバルD’Tの間にスイッチングされるネットワークを示す。
【図21a】
インダクタ電流の正の方向およびインタバルDTの間のキャパシタ電圧の正の極性で図11cの変換器を示す。
【図21b】
図21aの2つのインダクタに存在するAC電圧をTの完全なサイクルの間示す。
【図22】
入力および中間インダクタが単一磁心で結合されて結合インダクタ構造になる本発明の回路図を示す。
【図23a】
入力インダクタは、別々に用いられるとき適当な空気間隙を有さなければならないことを示す。
【図23b】
導磁度(パーミアンス)Pが空気間隙による入力インダクタの1巻辺りのインダクタンスであるインダクタンス値の劣化を示す。
【図23c】
中間インダクタが、別々に用いられるとき適当な空気間隙を有さなければならないことを示す。
【図23d】
空気間隙による中間インダクタのインダクタンス値の劣化を示す。
【図24a】
結合インダクタを実現するには、図23aおよび図23cの元々別々のインダクタの2つの空気間隙の合計である空気間隙を有さなければならないことを示す。
【図24b】
空気間隙の増大によってインダクタンス値の劣化がより高くなりさえする結合磁束対アンペア回数特性を示す。
【図25a】
中間インダクタ巻線のある側に集中する空気間隙で結合インダクタを実現したものを示す。
【図25b】
漏れインダクタンスが入力インダクタ巻線の側に完全に集中していて、それによって入力インダクタ巻線にゼロ・リプル電流を示す、図25aから導かれる回路モデルである。
【図26a】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26b】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26c】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26d】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26e】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26f】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26g】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26h】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26i】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26j】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26k】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図26l】
補助キャパシタCの電流が常にi+i−iに等しく、ここで3つのインダクタ電流の正の方向が図21aに指定されているという共通の特性を全てが有する、図11cに示される本発明の12の等価な変形の1つを示す。ただし、補助キャパシタと相補入力スイッチS’を備える枝は、太線で強調されている。
【図27a】
入力側にバイポーラNPNトランジスタを出力側に電流整流器を備える図3aの本発明の変換器を示す。ただし、相補入力スイッチS’を横切る余分なダイオードはそのスイッチに2方向に電流を流す。
【図27b】
2つのバイポーラ・トランジスタの接地されたエミッタでの直接駆動を容易とするようにPNPバイポーラ・トランジスタで相補入力スイッチS’を実現したものを示す。
【図27c】
図27bの入力スイッチおよび相補入力スイッチをNチャンネルおよびPチャンネルMOSFET装置でそれぞれ置き換えて示す。
【図27d】
2つのNチャンネルMOSFETトランジスタのハイの側のドライバ構成を示す。
【図27e】
図11cの変換器を全てMOSFETトランジスタで実現したものを示す。
【図27f】
図11cの本発明を、図9aにおけるような2つのMOSFET装置からなる合成OUTPUTスイッチSを用いる2つのNチャンネルMOSFETトランジスタSおよびS’のハイの側のドライバ構成にて、全てMOSFETトランジスタで実現したものを示す。
【図27g】
相補入力スイッチS’を、直接駆動構成においてソースの接地されたPチャンネルMOSFETで実現した図27fの変換器を示す。
【図28】
図11cの中間インダクタがN:Nの巻数比の絶縁変圧器で置き換えられる絶縁実施例を示す。
【図29a】
同等な(カウンターパート)非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29b】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29c】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29d】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29e】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29f】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29g】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図29h】
同等な非絶縁変換器から得られる本発明の8種類の絶縁変換器の等価物の1つを示す。
【図30】
図29eの変換器を全てMOSFETで実現する別の実施例を示す。
【図31a】
図30の変換器の自己駆動の実施例を示す。
【図31b】
絶縁変圧器に追加の駆動巻線Nを備える図30の変換器の自己駆動の実施例を示す。
【図32】
図30の変換器の2出力の実施例を示す。
【図33】
オートトランス(autotransformer)を用いる本発明の別の実施例を示す。
【図34】
図30の変換器の出力スイッチを2つのMOSFETで実現する別の実施例を示す。
【図35】
図34の変換器のVBS出力スイッチをPチャンネルMOSFET/ダイオードで実現する別の実施例を示す。
【図36】
図34の変換器の2出力の実施例を示す。
【図37】
VBS出力スイッチを2つのMOSFETで実現する図33の変換器の別の実施例を示す。
【図38a】
L1=Ldi/dtで記述されるインダクタLについてAC電圧およびリプル電流の波形を示す。
【図38b】
L2=−Ldi/dtで記述されるインダクタLについてAC電圧およびリプル電流の波形を示す。
【図39a】
図21aの変換器の入力および中間インダクタ電流の和の時間領域波形を示す。
【図39b】
図21aの変換器の出力インダクタ電流の時間領域波形を示す。
【図39c】
図21aの変換器の3つのインダクタのDC電流の合計を示しそれはゼロに等しい。
【図39d】
結合された3つのリプル電流の時間領域波形を示す。
【図39e】
図21aの変換器の補助キャパシタCにおける電流のグラフを示し、それはD’T時間インタバルの間のみ存在し、D’T時間インタバルの始まりに正のピークIを有し、D’T時間インタバルの終わりに負のピークIを有するACリプル成分のみからなる。
【図40a】
共振インダクタLの加えられた本発明の別の実施例を示す。
【図40b】
全てのスイッチが電流2方向性であって、それらの等価なモデルで表されるときの図40aの変換器を示す。
【図40c】
VBS出力スイッチがその等価なモデルで表される図40bの変換器を示す。
【図41a】
相補出力スイッチの代わりにダイオード整流器を備え、D’からDへの移行の始まりに相補入力スイッチが開かれた直後の図11cの変換器を示す。
【図41b】
相補出力スイッチの代わりにダイオード整流器を備え、D’からDへの移行の始まりに相補入力スイッチが開かれた直後の図11cの変換器を示す。D’からDへの移行の間有効な図41aの変換器の等価回路モデルを示す。
【図41c】
相補出力スイッチの代わりにダイオード整流器を備え、D’からDへの移行の始まりに相補入力スイッチが開かれた直後の図11cの変換器を示す。図41bのモデルの簡略化された等価回路モデルを示す。
【図42】
aは、D’からDへの移行の間、図41aの変換器の最終等価回路モデルを示す。bは、出力スイッチのタイプが出力スイッチのONとされる特定の瞬間に依存する電圧vS2からの:a)tからtへのCBSスイッチ(点線);b)tでのCBS、VBSまたはダイオード・スイッチ(破線);c)tからtまでのVBSスイッチ(太線)を示す。
【図43a】
D’からDへの移行の無損失スイッチングを可能とする2つのMOSFETトランジスタで実現されるVBS出力スイッチで実現される変換器を示す。
【図43b】
スイッチング損なしに入力スイッチをONとすることを可能とする、図34aの変換器のD’からDへの移行の間の入力スイッチ寄生容量の完全な放電を示す。
【図44a】
図43aの変換器を示しており、VBSスイッチは、スイッチング損を低減するように出力スイッチを横切る電圧を低減してONとされる。
【図44b】
VBSスイッチがONとされるとき、スイッチング損を低減するように出力スイッチにかかる電圧が低減されることを示す。
【図45a】
出力スイッチがONとされるのを瞬間t以前のときに限定するCBS出力スイッチで実現される変換器である。
【図45b】
ゼロ電圧で出力スイッチがONとされる場合を実線で表し、出力スイッチにかかるいくらかの電圧で早期にONとされることが点線の場合に示される。
【図46a】
出力スイッチおよび相補出力スイッチが電流整流器(ダイオード)として実現される変換器を示す。
【図46b】
出力スイッチ・ダイオードCRがONとされるのと同時に入力スイッチSがONとされる特別なケースDを太線で示し、入力スイッチSがONとされるのが時刻t23まで遅延されるときの波形を点線が示す。
【図47a】
追加の共振インダクタLを備える変換器を示す。
【図47b】
D’からDへの移行の複数の場合(1乃至6)を示し、それらは、出力スイッチの実現されるタイプ(CBS、ダイオードまたはVBS)および出力スイッチSがONとされるときの移行インタバルの間の特定の時刻の双方に依存して起こり得る。
【図48a】
共振サブインタバルを記述する回路モデルの進行を示す。
【図48b】
共振サブインタバルを記述する回路モデルの進行を示す。
【図48c】
共振サブインタバルを記述する回路モデルの進行を示す。
【図48d】
共振サブインタバルを記述する回路モデルの進行を示す。
【図49a】
CBS出力スイッチと共振インダクタを備える図47bのケース1について変換器を示す。
【図49b】
相補入力スイッチがOFFとされて結果としてブースト・サブインタバルを生じる前に出力スイッチがONとされるときの図49aの変換器について関係する波形を示す。
【図50a】
D’からDへの移行の間のブースト・サブインタバルについて図49aの変換器の等価回路モデルを示す。
【図50b】
D’からDへの移行の間の共振サブインタバルについて図49aの変換器の等価回路モデルを示す。
【図50c】
1つのタイミング図で、3つの共振電圧成分と、結果として得られる入力スイッチの電圧を示し、かつ別のタイミング図で、3つの共振電流成分と、結果として得られる合計共振電流およびD’からDへの移行の間の特別なスイッチング時間制御を示す。
【図51a】
D’からDへの移行の間の電流−反転サブインタバルについての回路モデルを示す。
【図51b】
以下に続く安定状態のDTインタバルの始まりでの発振を記述する回路モデルを示す。
【図51c】
図40dおよび図51bの等価回路によってモデル化される、電流−反転サブインタバルの間および安定状態DTインタバルの始まりの特性波形を示す。
【図52a】
CBS出力スイッチと共振インダクタを備える図47bのケース2についての変換器を示す。
【図52b】
相補入力スイッチS’がOFFとされるのと同時に出力スイッチSがONとされるときのケース2についての特性波形を示す。
【図53a】
D=0.5での入力スイッチの寄生容量の完全な放電およびゼロ電圧で入力スイッチがONとされるのを示す。
【図53b】
入力スイッチがONとされるのがそのスイッチにおいて最小電圧だけ過ぎる遅延が、実質的なハードスイッチング損を導き得ることを示す。
【図53c】
0.5より高い負荷比で完全な放電も起こっているが、共振電流は図53aの場合におけるようにゼロまで低減されないことを示す。
【図53d】
共振放電の有効性が、大きなハードスイッチング電圧の残るD=0.25での負荷比に強く依存することを示す。
【図54a】
CBS出力スイッチと共振インダクタを備える図47bのケース3についての変換器を示す。
【図54b】
相補入力スイッチがOFFとされた後であるが、出力スイッチのボディ・ダイオードがONとされる前に、出力スイッチSがONとされ、結果としてV12電圧までの線形サブインタバルを生じ、それに共振サブインタバルが続くときのケース3の特性波形を示す。
【図55a】
出力スイッチおよび相補出力スイッチのための電流整流器(ダイオード)と共振インダクタを備える図47bのケース4についての変換器を示す。
【図55b】
傾斜I/Cをもつケース4の特性波形を太線で示し、一方傾斜が3倍増大されて3I/Cとなった場合を表す波形を点線で示す。
【図56a】
出力スイッチが2つのMOSFETトランジスタと共振インダクタとで実現される図47bのケース5についての変換器を示す。
【図56b】
VBSスイッチを実現することによって可能となった、出力スイッチ端子における電圧反転を示す。
【図57a】
VBS出力スイッチが2つのMOSFETトランジスタと共振インダクタとで実現される図47bのケース6についての変換器を示す。
【図57b】
入力スイッチ電圧がtで完全にゼロに低減し、その瞬間入力スイッチがゼロ・スイッチング損でONとされる線形放電インタバルを示す。
【図58a】
線形放電サブインタバルの間の図57aの変換器の等価回路モデルを示す。
【図58b】
電流−反転サブインタバルの間の図57aにおける変換器の等価回路モデルを示す。
【図58c】
安定状態DTインタバルの始まりでの発振を予想するための図57aにおける変換器の等価回路モデルを示す。
【図58d】
D’からDへの変移の間の特性波形を示す。
【図59a】
2MOSFETのVBS出力スイッチおよび図59bの波形に示されるケースIのn:1のステップダウン巻数比を備える絶縁変換器を示す。
【図59b】
非絶縁変換器の出力スイッチのハードスイッチングされる電圧Vが絶縁変換器における巻数比nで(−V/n)に低減され、高ステップダウン比についてハードスイッチング損を無視できるものとすることを示し、その波形にケースIのn:1のステップダウン巻数比が示される。
【図60a】
CBS出力スイッチと図47bの波形に示されるケースIIのn:1のステップダウン巻数比を備える絶縁変換器を示す。
【図60b】
出力スイッチのハードスイッチング電圧がその巻数比nによって低減されることを図47bが示す絶縁変換器である。
【図61a】
出力スイッチが低パワーMOSFETSおよび高パワー外部電流整流器CR(ダイオード)を備える絶縁変換器を示す。
【図61b】
出力MOSFETスイッチSが、共振移行サブインタバルの間用いられてスイッチング損を削減し、その後外部ダイオードが導通を引き継ぐときOFFであることを示す。
【図62a】
小さな変圧器磁化インダクタンスLと補助キャパシタCの大きなリプル電流Iとを持つ絶縁変圧器を有する絶縁変換器を示す。
【図62b】
図62aの絶縁変換器が結果として生じる大きな共振電流放電を示す。
【図63a】
出力スイッチの寄生容量CS2が含まれる図55aの変換器の等価回路モデルを示す。
【図63b】
3つの場合、すなわち:1)α=0;β=0.8;δ=1、2)α=1;β=0.8;δ=1、3)α=1;β=0.8;δ=1.64の特性波形を示す。
【図64a】
パラメータβの様々な値についてのキャパシタ比αの関数として低減係数γを示す。
【図64b】
αおよびβの関数として電流増加係数δを示す。
【図65】
aは、DからD’への移行であって、非対称の無損失スイッチングの間、および出力スイッチがONであるサブインタバルの間の等価回路を示す。bは、出力スイッチがOFFであるサブインタバルの間の等価回路を示す。cは、図65aおよび図65bの等価回路によってモデル化される2つのサブインタバルの間の特性波形を示す。
【図66】
aは、DからD’への移行であって、非対称の無損失スイッチングの間、および入力スイッチがONとされるサブインタバルの間の等価回路を示す。bは、入力スイッチがOFFとされるサブインタバルの間の等価回路を示す。cは、前記2つのサブインタバルの間の特性波形を示す。
【図67a】
共振インダクタが含まれるDからD’への移行の間、および相補出力スイッチがOFFとされるサブインタバルの間の等価回路を示す。
【図67b】
相補出力スイッチがONとされるサブインタバルの間の等価回路を示す。
【図67c】
前記2つのサブインタバルの間の特性波形を示す。
【図68a】
追加の共振キャパシタCraがどのように、図68bの波形に太線で示されるように移行インタバルを増大させ、短い移行インタバル(図68bにおける点線)および半導体スイッチの高速スイッチング時間によって引き起こされる損失を削減するのかを示す。
【図68b】
太線が、追加の共振キャパシタCraにより増大される移行インタバルを示し、点線が、追加の共振キャパシタCraにより削減される損失を引き起こす短い移行インタバルを示す。
【図69a】
DからD’への移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図69b】
DからD’への移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図69c】
DからD’への移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図69d】
DからD’への移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図70a】
DからD’への移行に関係するインダクタの電流の関係のグラフを示す。
【図70b】
図69a乃至図69dの4つの変換器回路の状態によってモデル化されるDからD’への移行に関係する特性スイッチング時間制御波形およびそれぞれのスイッチ電圧のグラフを示す。
【図71a】
D’からDへの移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図71b】
D’からDへの移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図71c】
D’からDへの移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図71d】
D’からDへの移行に関係する図45aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図72a】
D’からDへの移行に関係するインダクタの電流の関係のグラフを示す。
【図72b】
図71a乃至図71dの4つの変換器回路状態によってモデル化されるD’からDへの移行に関係する特性スイッチング時間制御波形およびそれぞれのスイッチ電圧のグラフを示す。
【図73a】
DからD’への移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図73b】
DからD’への移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図73c】
DからD’への移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図73d】
DからD’への移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図73e】
DからD’への移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図74】
図73a乃至図73eの5つの変換器回路状態によって記述されるDからD’への移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフを示す。
【図75a】
図49bのケース1のD’からDへの移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図75b】
図49bのケース1のD’からDへの移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図75c】
図49bのケース1のD’からDへの移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図75d】
図49bのケース1のD’からDへの移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図75e】
図49bのケース1のD’からDへの移行に関係する共振インダクタを備える図49aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図76】
図75a乃至図75eの5つの変換器回路状態によって記述されるD’からDへの移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフを示す。
【図77a】
図52bのケース2のD’からDへの移行に関係する図52aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図77b】
図52bのケース2のD’からDへの移行に関係する図52aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図77c】
図52bのケース2のD’からDへの移行に関係する図52aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図77d】
図52bのケース2のD’からDへの移行に関係する図52aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図78】
図77a乃至図77dの4つの変換器回路状態によって記述されるD’からDへの移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフを示す。
【図79a】
図54bのケース3のD’からDへの移行に関係する図54aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図79b】
図54bのケース3のD’からDへの移行に関係する図54aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図79c】
図54bのケース3のD’からDへの移行に関係する図54aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図79d】
図54bのケース3のD’からDへの移行に関係する図54aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図79e】
図54bのケース3のD’からDへの移行に関係する図54aの変換器の5つの変換器回路状態を示す。
【図80】
図54aの変換器について図79a乃至図79eの5つの変換器回路状態によってモデル化されるD’からDへの移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフを示す。
【図81a】
図55bのケース4のD’からDへの移行に関係する図55aの変換器の5つの変換器回路状態(ダイオード、電流整流器がMOSFETで置き換えられたもの)の1つを示す。
【図81b】
図55bのケース4のD’からDへの移行に関係する図55aの変換器の5つの変換器回路状態(ダイオード、電流整流器がMOSFETで置き換えられたもの)の1つを示す。
【図81c】
図55bのケース4のD’からDへの移行に関係する図55aの変換器の5つの変換器回路状態(ダイオード、電流整流器がMOSFETで置き換えられたもの)の1つを示す。
【図81d】
図55bのケース4のD’からDへの移行に関係する図55aの変換器の5つの変換器回路状態(ダイオード、電流整流器がMOSFETで置き換えられたもの)の1つを示す。
【図81e】
図55bのケース4のD’からDへの移行に関係する図55aの変換器の5つの変換器回路状態(ダイオード、電流整流器がMOSFETで置き換えられたもの)の1つを示す。
【図82】
図55aの変換器について図81a乃至図81eの5つの変換器回路状態(ダイオード、電流整流器がMOSFETで置き換えられたもの)によってモデル化されるD’からDへの移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフを示す。
【図83a】
対称的な無損失スイッチングの場合として図66cに示されるDからD’への移行に関係する2MOSFETのVBSスイッチを備える図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図83b】
対称的な無損失スイッチングの場合として図66cに示されるDからD’への移行に関係する2MOSFETのVBSスイッチを備える図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図83c】
対称的な無損失スイッチングの場合として図66cに示されるDからD’への移行に関係する2MOSFETのVBSスイッチを備える図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図83d】
対称的な無損失スイッチングの場合として図66cに示されるDからD’への移行に関係する2MOSFETのVBSスイッチを備える図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図84a】
DからD’への移行に関係するインダクタの電流の関係のグラフを示す。
【図84b】
図43aの変換器についての図83a乃至図83dの4つの変換器回路状態によってモデル化されるDからD’への移行の間の、特性スイッチング時間制御波形およびそれぞれのスイッチ電圧のグラフを示す。
【図85a】
図43bにケースAとして示されるD’からDへの移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図85b】
図43bにケースAとして示されるD’からDへの移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図85c】
図43bにケースAとして示されるD’からDへの移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図85d】
図43bにケースAとして示されるD’からDへの移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態を示す。
【図86a】
D’からDへの移行に関係するインダクタの電流の関係のグラフを示す。
【図86b】
図43aの変換器についての図85a乃至図85dの4つの変換器回路状態によってモデル化されるD’からDへの移行の間の、特性スイッチング時間制御波形およびそれぞれのスイッチ電圧のグラフを示す。
【図87a】
図65cに非対称の無損失スイッチングの場合として示されるDからD’への移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図87b】
図65cに非対称の無損失スイッチングの場合として示されるDからD’への移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図87c】
図65cに非対称の無損失スイッチングの場合として示されるDからD’への移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図87d】
図65cに非対称の無損失スイッチングの場合として示されるDからD’への移行に関係する図43aの変換器の4つの変換器回路状態の1つを示す。
【図88a】
DからD’への移行に関係するインダクタの電流の関係のグラフを示す。
【図88b】
図43aの変換器についての図87a乃至図87dの4つの変換器回路状態によってモデル化されるDからD’への移行の間の、特性スイッチング時間制御波形およびそれぞれのスイッチ電圧のグラフを示す。
【図89a】
共振インダクタンスが含まれるDからD’への移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図89b】
共振インダクタンスが含まれるDからD’への移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図89c】
共振インダクタンスが含まれるDからD’への移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図89d】
共振インダクタンスが含まれるDからD’への移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図89e】
共振インダクタンスが含まれるDからD’への移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図90】
図57aの変換器についての図89a乃至図89eの5つの変換器回路状態によってモデル化されるDからD’への移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフを示す。
【図91a】
共振インダクタンスが含まれるD’からDへの移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図91b】
共振インダクタンスが含まれるD’からDへの移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図91c】
共振インダクタンスが含まれるD’からDへの移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図91d】
共振インダクタンスが含まれるD’からDへの移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図91e】
共振インダクタンスが含まれるD’からDへの移行に関係する図57aの変換器の5つの変換器回路状態の1つを示す。
【図92】
図57aの変換器についての図91a乃至図91eの5つの変換器回路状態によってモデル化されるD’からDへの移行の間の、特性スイッチング時間制御波形、それぞれのスイッチ電圧および入力キャパシタ電流のグラフである。
【図93a】
後縁(D’からDへの移行)が、ハードスイッチングされなければならないときの20VのVレベルでクランプされる入力スイッチS(上のトレース)の測定された電圧波形、および出力スイッチS(下のトレース)の電圧波形のオシロスコープのトレースを示す。
【図93b】
入力スイッチおよび相補入力スイッチのゲート駆動ならびに入力スイッチのドレイン−ソース電圧をそれぞれ示す下の3つの拡大トレースと共に、図93aのD’からDへの移行の拡大図を示す。
【図94a】
およびSスイッチの測定された電圧波形のオシロスコープのトレースをより高い入力電圧V=40Vについて示し、Sスイッチのクランピング電圧が40Vであって、ハードスイッチング損を増大しているものを示す。
【図94b】
およびSスイッチの測定された電圧波形のオシロスコープのトレースをより低い入力電圧V=13Vについて示し、Sスイッチのクランピング電圧が13Vであって、ハードスイッチング損を低減しているものを示す。
【図95】
図94bにおけるのと同じ波形を、2.5倍大きな時間スケールで示し、Sスイッチの電圧の後端における平坦な部分が消失するようにタイミングが調整された後のみを示す。
【図96】
共振インダクタL=0.75μHを追加する効果を示すもので、入力スイッチS(上のトレース)の電圧のオシロスコープのトレースを、そのスイッチをONとするのが遅れ過ぎて発振が起きるときのV=20Vについて示し、および下の3つのトレースは、入力スイッチおよび相補入力スイッチのゲート駆動、ならびに入力スイッチの電圧を描くD’からDへの移行の拡大図である。
【図97】
D=0.25、V=40Vのような低負荷比での動作を示し、ここで下の3つのトレースはD’からDへの移行の拡大トレースである。
【図98a】
電流整流器(ダイオード)を備える図55aの変換器の無損失スイッチング動作を示す。
【図98b】
図98aのDからD’への移行の拡大図を示す。
【図98c】
図98aのD’からDへの移行の拡大図を示す。
【図98d】
図98aの同じD’からDへの移行であるが、入力スイッチをONとするのが遅れて共振発振を強調するときのものを示す。
【図99a】
2つの共振電流成分をもつ300Vから5Vの変換器の測定された波形を示す。
【図99b】
図99aのDからD’への移行の拡大図を示す。
【図99c】
図99aのD’からDへの移行の拡大図を示す。
【図100】
3つの共振電流成分をもつ高入力電圧変換器の測定された波形を示す。
【図101】
200kHzのスイッチング周波数での入力スイッチの電圧(上のトレース)および4クォードラント出力スイッチの電圧(下のトレース)の対称的な無損失スイッチング波形のオッシロスコープのトレースを示す。
【図102】
200kHzのスイッチング周波数での入力スイッチの電圧(上のトレース)および4クォードラント出力スイッチの電圧(下のトレース)の非対称的な無損失スイッチング波形のオッシロスコープのトレースを示す。
【図103】
追加した共振インダクタを用いるVBS出力スイッチを備える非絶縁変換器の場合を示し、200kHzのスイッチング周波数での入力スイッチの電圧(上のトレース)、4クォードラント出力スイッチの電圧(中のトレース)および相補出力スイッチS’の電圧の無損失スイッチング波形のオッシロスコープのトレースを示す。
【図104a】
4クォードラントVBS出力スイッチを備える絶縁変換器の場合を示し、入力スイッチの無損失スイッチング電圧波形(上のトレース)、出力スイッチがONとされるレベルである−16.7Vを示す4クォードラント出力スイッチの電圧(中のトレース)および450Vの入力電圧での相補出力スイッチS’の電圧(下のトレース)を示す。
【図104b】
図104aのDからD’への移行の間の波形の拡大図を示す。
【図104c】
=450Vについて入力スイッチのゼロ・ボルトまで下がる無損失スイッチング移行を確認する、図104aのD’からDへの移行の間の波形の拡大図である。
【図105】
入力DC電圧が38Vから68Vまでの広い入力電圧範囲にわたる実験的な50Vから5Vの絶縁変換器について得られる測定された効率のグラフを示す。

Claims (53)

  1. 入力端子と共通入力端子との間に接続されるDC電圧源から、出力端子と共通出力端子との間に接続されるDC負荷に電力を提供する無損失スイッチングDC−DC変換器であって、
    (1)一端が前記入力端子に接続される入力インダクタと、
    (2)一端が前記出力端子に接続される出力インダクタと、
    (3)一端が前記共通入力端子および前記共通出力端子に接続される中間インダクタと、
    (4)一端が前記中間インダクタの第2端に接続される共振インダクタと、
    (5)前記入力インダクタの第2端に接続される一端を有する入力キャパシタであって、その第2端が前記共振インダクタの第2端に接続される入力キャパシタと、
    (6)前記共通入力端子に接続される一端を備える入力スイッチであって、その第2端が前記入力インダクタの前記第2端に接続される入力スイッチと、
    (7)前記共通出力端子に接続される一端を備える出力スイッチであって、その第2端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される出力スイッチと、
    (8)前記出力インダクタの前記第2端に接続される一端を有する相補出力スイッチであって、その第2端が前記中間インダクタの前記第2端に接続される相補出力スイッチと、
    (9)相補入力スイッチと補助キャパシタを備える枝であって、前記相補入力スイッチの一端が前記補助キャパシタの一端に接続され、一方前記相補入力スイッチの他端および前記補助キャパシタの他端が前記枝の両端を成す枝と、
    (10)前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチにON信号およびOFF信号の正確なパターンを提供するスイッチング時間制御手段であって、前記入力スイッチがONとされる間が基準時間インタバルDTであり、かつ前記入力スイッチがOFFとされる間が相補時間インタバルD’T=(1−D)Tであり、ここで、1つの完全なスイッチ動作サイクルT内でDが可変かつ制御可能な負荷比であり、D’が相補負荷比である、スイッチング時間制御手段と、
    (11)前記枝の前記両端を前記変換器に接続し、それによって前記相補時間インタバルD’Tの間前記枝を流れる電流を、前記入力インダクタの前記一端に流れ込む電流と前記中間インダクタの前記一端に流れ込む電流との和を前記出力インダクタの前記一端から流れ出る電流だけ低減したものに等しくする手段とを備え
    前記基準時間インタバルDTの間前記枝を電流が流れず、かつ前記相補時間インタバルD’Tの間前記枝をAC電流のみが流れ、
    前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチが半導体電流2方向スイッチング装置であって、ON状態にある間電流を双方の方向に導通させることができ、かつOFF状態にある間一方向に電圧を保持することができ、および前記半導体電流2方向スイッチング装置は、理想スイッチ、寄生ボディ・ダイオードおよび寄生容量の並列接続を備えるようにモデル化されており、
    前記変換器のDC−DC電圧変換比は、前記動作負荷比Dに線形に依存しており、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記半導体電流2方向スイッチング装置の正確な電子制御動作が含まれており、それによってDからD’への第1の移行およびD’からDへの第2の移行の2つの移行が、各連続スイッチ動作サイクルTの間得られ、ここで、前記移行インタバルは前記スイッチ動作サイクルに比べて短く、かつ前記スイッチング時間制御手段はそれぞれのスイッチに以下のように制御信号を提供し、すなわち、
    前記DからD’への第1の移行は前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力スイッチの電圧がゼロに低減されるとき、前記スイッチング時間制御手段は、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる相補出力スイッチに制御信号を提供し、そして前記第1の移行は前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減するまで継続し、その瞬間、前記スイッチング時間制御手段は、やはりゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる前記相補入力スイッチに制御信号を提供し、そして前記第1の移行は、前記出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続して、これを、前記DからD’への第1の移行を完了するように出力スイッチをOFFとしなければならない最新の瞬間とし、
    前記D’からDへの第2の移行は、前記出力スイッチを最初にONとすることによって、意図的に前記相補入力スイッチがOFFとされる前に開始されて、前記共振インダクタの電流をブーストし、その追加される大きさは、前記共振インダクタのインダクタンスに反比例し、前記補助キャパシタのDC電圧と前記DC電圧源のDC電圧との電圧差に直接比例し、かつ前記出力スイッチと前記相補入力スイッチが双方ともONとされる間のこのブースト・サブインタバルに直接比例し、そして、前記相補入力スイッチがOFFとされるとき、前記入力スイッチを横切る寄生容量の共振放電および前記相補入力スイッチを横切る寄生キャパシタの同時共振充電が、この共振サブインタバルの間に起こり、そこでの合計共振電流は3つの区別される電流成分を備えており、すなわち、第1のものは、前記定義されるように大きさが追加される余弦波共振電流成分であり、第2のものは、大きさが、前記補助キャパシタのDC電圧と前記DC電圧源のDC電圧との電圧差に直接比例し、かつ前記共振インダクタのインダクタンスと、前記入力スイッチと前記相補入力スイッチの寄生容量の和に等しい共振キャパシタの容量との比の平方根に等しい共振回路の特性インピーダンスに反比例する正弦波共振電流成分であり、第3のものは、大きさが、前記出力スイッチがONとされた瞬間の前記共振インダクタにおける最初の電流値に等しい余弦波共振電流成分であり、そして、前記入力スイッチの前記寄生容量が完全に放電された瞬間、前記スイッチング時間制御手段は、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる前記入力スイッチに制御信号を提供して前記共振サブインタバルを完了し、そして、入力キャパシタ電流が、入力インダクタ電流に等しいものから中間インダクタ電流に大きさが等しい反対方向の電流へと反転される間の電流−反転サブインタバルだけ、前記第2の移行は継続し、その瞬間、相補出力スイッチを流れる電流はゼロに低減されて、これを、前記D’からDへの第2の移行を完了するように相補出力スイッチをOFFとしなければならない最新の瞬間とし、
    前記共振容量は、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチを横切る寄生キャパシタの容量よりも際立って高く、そしてそれによって、前記半導体電流2方向スイッチング装置のスイッチ・タイミングの正確なパターンに基づいて、前記スイッチング時間制御手段が無損失スイッチング・サイクルを提供し、この無損失スイッチング・サイクルの間、無損失であるように電荷が寄生容量間で移動され、かつ前記D’からDへの第2の移行の間、前記共振インダクタに更に十分なエネルギーを蓄積して前記共振インダクタにおけるピーク共振電流を増大するように前記相補入力スイッチをOFFとする前の必要なだけ早いときに前記出力スイッチをOFFとし、前記入力スイッチの前記寄生容量をゼロ電圧へと完全に放電するのが丁度可能であって、前記D’からDへの第2の移行を丁度完了させ、スイッチング損および前記半導体スイッチング装置の電圧ストレスを低減し、かつ電磁干渉の低減された前記変換器の効率を増大し、そして、前記負荷比Dが0.5より充分低く、整流された利用ACライン電圧におけるように前記DC電圧源が非常に高く、従来技術のソフトスイッチングが有効でないとき、前記無損失スイッチングがDC−DC変換に特に有効である
    無損失スイッチングDC−DC変換器。
  2. 前記相補入力スイッチをOFFとし、同時に前記出力スイッチをONとすることによって、D’からDへの前記第2の移行が開始され、前記入力スイッチを横切る寄生容量の共振放電および同時に前記相補入力スイッチを横切る寄生容量の共振充電を開始し、合計共振電流は、2つの区別できる電流成分、すなわち前記第2の正弦波共振電流成分と前記第3の余弦共振電流成分とを備え、そして前記入力スイッチの前記寄生容量の電圧が最低の値に到達した瞬間に、前記入力スイッチは前記スイッチング手段によって低くなった電圧でスイッチング損を低減してONとされ、前記共振サブインタバルを完了し、そしてD’からDへの前記第2の移行は相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減するまで継続され、これを、この電流−反転サブインタバルおよびD’からDへの前記第2の移行を完了するよう相補出力スイッチがOFFとされなければならない最新の瞬間とし、および、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記共振インダクタに既に蓄積されているエネルギーによって前記入力スイッチの前記寄生容量の共振放電および電圧低減が促進され、前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、かつ電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大させて、D’からDへの前記第2の移行を完了し、そして、前記負荷比Dがおよそ0.5という動作範囲の中間にあって、かつ前記DC電圧源が、整流された利用ACライン電圧におけるように非常に高いとき、前記無損失スイッチングが特にDC−DC変換器について有効である
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  3. 前記相補入力スイッチをOFFとすることによって、D’からDへの前記第2の移行が開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源のレベルにまで低下するまでに前記出力スイッチがONとされて、前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の共振放電を強制的に行い、合計共振電流は、2つの区別できる電流成分、すなわち大きさが、前記出力スイッチがONとされた瞬間に存在する前記入力スイッチ電圧と前記DC電圧源のDC電圧との電圧差に等しい前記第2の正弦波共振電流成分と、前記第3の余弦波共振電流成分とを備え、そして前記寄生容量の前記電圧が最小値に到達した瞬間、前記入力スイッチは、前記スイッチング手段によって、大きく低下した電圧でかつスイッチング損が大きく低減してONとされ、前記共振サブインタバルを完了し、そしてD’からDへの第2の移行は、前記相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、前記電流−反転サブインタバルおよびD’からDへの前記第2の移行を完了するように前記相補出力スイッチがOFFとされなければならない(そのボディ・ダイオードがなおも導通していたのでその瞬間までにOFFとされ得ていた)最新の瞬間とし、そして、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記相補入力スイッチと前記出力スイッチは双方ともOFFとされて、前記線形放電が行われ、それに続いて前記入力スイッチを横切る前記寄生容量のさらなる電圧の低減のための前記共振放電が行われ、そして前記入力スイッチと前記出力スイッチが低くなった電圧でONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスが低減され、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率が増大され、そして前記負荷比Dが動作範囲の中間にあるか、0.5より高い負荷比にあるかし、かつ前記DC電圧源が整流された利用ACライン電圧におけるように異常に高いとき、前記無損失スイッチングが特にDC−DC変換器について有効である
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  4. D’からDへの前記第2の移行が前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の線形放電を開始し、そして前記入力スイッチの電圧が前記DC電圧源のレベルにまで低下するとき、前記出力スイッチがゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、前記入力スイッチにかかる前記寄生容量の共振放電を強制し、共振電流は前記第3の余弦波共振電流成分のみを備え、そして前記入力スイッチにかかる前記寄生容量の前記電圧が最小値に到達する瞬間に、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源レベルより低い電圧で、低下したスイッチング損でもって前記入力スイッチがONとされて、前記共振サブインタバルを完了し、そしてD’からDへの第2の移行は、相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、前記電流−反転サブインタバルおよびD’からDへの前記第2の移行を完了するよう前記相補出力スイッチがOFFとされなければならない(そのボディ・ダイオードがなおも導通していたのでその瞬間までにOFFとされ得ていた)最新の瞬間とし、そして、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間前記出力スイッチは、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってかつそのボディ・ダイオードが自然に導通し始める特定の瞬間にONとされ、そうして前記ボディ・ダイオードの電流伝導損を大きく低減し、低下した電圧で前記入力スイッチがONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、スイッチング損を低減し、前記半導体スイッチング装置の電圧ストレスを低減し、かつ電磁波干渉を低減することで前記変換器の効率を増大し、そして前記第3の余弦波共振電流成分の前記大きさと前記特性インピーダンスの積が前記DC電圧源に等しく、その場合に前記入力スイッチはゼロ電圧でONとされ、結果として、前記半導体電流2方向スイッチング装置の4つ全てについてスイッチング損をゼロとするときに前記無損失スイッチングが特に有効である
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  5. 前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチは2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であって、それらは、前記入力および前記相補入力スイッチング装置の電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器の動作状態および状況に応答してONまたはOFF状態にあり、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記入力スイッチと前記相補入力スイッチの正確な電子制御動作が含まれており、それによってDからD’へのおよびD’からDへの2つの移行が、各々連続するスイッチ動作サイクルTの間得られ、そこでは、前記移行インタバルが前記スイッチ動作サイクルと比べて短く、そして前記スイッチング時間制御手段はそれぞれのスイッチについて制御信号を以下の通り提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロに低減されるとき前記相補出力整流器スイッチが導通し始め、そうしてゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって自動的にOFFとされ、そして前記第1の移行は、前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減されるまで継続し、その瞬間、前記相補入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、一方、前記出力整流器スイッチは、変換器が前記出力整流器スイッチに印加する反転バイアス電圧によってOFFとされ、そして、
    前記相補入力スイッチをOFFとすることによってD’からDへの前記第2の移行が開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源のレベルに低下するとき前記出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロであり、そうして前記出力整流器スイッチがゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の共振放電を強制し、共振電流は前記第3の余弦共振電流成分のみを備え、そして前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の前記電圧が最小値に到達する瞬間、前記入力スイッチは、前記スイッチング手段によって前記DC電圧源レベル未満に低減された電圧でかつ低下したスイッチング損でONとされ、一方、前記相補出力整流器スイッチは遮断電圧で自動的にOFFとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、そして、
    それによって、前記出力整流器スイッチおよび前記相補出力整流器スイッチのための制御および駆動回路は必要とされず、そのために前記変換器の駆動および制御回路を簡略化し、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記出力整流器スイッチは、ゼロの電圧でゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、そして前記入力スイッチは、低下した電圧でONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、前記半導体装置のスイッチング損および電圧ストレスは低減され、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率は増大され、そして、前記第3の余弦共振電流成分の前記大きさと前記特性インピーダンスとの積が前記DC電圧源に等しく、その場合において前記入力スイッチもまたゼロ電圧でONとされ、その結果、前記半導体電流2方向スイッチング装置の2つおよび前記2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)の2つにおいてスイッチング損がゼロとなるときに、前記無損失スイッチングは特に有効である
    請求項1に記載の無損失変換器。
  6. 前記共振インダクタはゼロのインダクタンスを有し、すなわちそれは短絡されており、そうして前記入力キャパシタの前記第2端が前記中間インダクタの前記第2端に接続されており、
    前記入力スイッチをOFFとすることによってDからD’への前記第1の移行が開始されて、前記相補入力スイッチを横切る前記寄生容量の線形放電を開始し、そして前記相補出力スイッチにかかる電圧がゼロに低減するとき、このスイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、一方、出力スイッチが同時にOFFとされて、前記相補入力スイッチの寄生容量の線形放電が、速度は低減されているが、前記相補入力スイッチにかかる電圧がゼロに低下するまで継続し、その瞬間、相補入力スイッチがゼロのスイッチング損でONとされ、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始され、前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源のレベルに低下するとき、前記入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって、低下した電圧でかつ低下したスイッチング損をもってONとされ、そして前記出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって、前記出力スイッチにかかる電圧がゼロでかつゼロのスイッチング損をもって同時にONとされ、そしてそれと同時に、前記相補出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってOFFとされてD’からDへの前記第2の移行を完了する
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  7. 前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチは2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であって、それらは、前記入力および前記相補入力スイッチング装置の電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器の動作状態および状況に応答してONまたはOFFの状態にあり、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記入力スイッチおよび前記相補入力スイッチの正確な電子制御動作が含まれており、それによってDからD’へのおよびD’からDへの2つの前記移行が各々連続するスイッチ動作サイクルTの間得られ、そこでは、前記移行インタバルは前記スイッチ動作サイクルに比べて短く、そして前記スイッチング時間制御手段はそれぞれのスイッチについて制御信号を以下の通り提供し、すなわち、
    前記入力スイッチをOFFとすることによってDからD’への前記第1の移行が開始され、そして前記相補出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロに低減されるとき前記相補出力整流器スイッチが導通し始め、そうしてゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、そして前記第1の移行は前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減するまで継続し、その瞬間前記相補入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、一方、前記出力整流器スイッチは、変換器が前記出力整流器スイッチにかける反転バイアス電圧によってOFFとされ、そして、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生容量の線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源のレベルに低下するとき前記出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロであり、そうして前記出力整流器スイッチはゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、そして同時に前記入力スイッチは、前記スイッチング手段によって前記DC電圧源レベルに低下した電圧でかつ低下したスイッチング損でONとされ、一方、前記相補出力スイッチは遮断電圧によって自動的にONとされて無損失スイッチング・サイクルを達成し、そして、
    それによって、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチのための制御および駆動回路が必要とされず、そのために前記変換器の駆動および制御回路を簡略化し、
    それによってD’からDへの前記第2の移行の間前記出力スイッチがゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、そして前記入力スイッチは、低下した電圧でONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、かつ電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大させ、そしてたとえ共振インダクタが無くともスイッチング損が低減される
    請求項6に記載の無損失スイッチング変換器。
  8. 入力端子と共通入力端子との間に接続されるDC電圧源から、出力端子と共通出力端子との間に接続されるDC負荷に電力を提供する無損失スイッチングDC−DC変換器であって、
    (1)一端が前記入力端子に接続される入力インダクタと、
    (2)一端が前記出力端子に接続される出力インダクタと、
    (3)一端が前記共通入力端子と前記共通出力端子に接続される中間インダクタと、
    (4)一端が前記中間インダクタの第2端子に接続される共振インダクタと、
    (5)一端が前記入力インダクタの第2端に接続される入力キャパシタであって、前記入力キャパシタの第2端が前記共振インダクタの第2端に接続される入力キャパシタと、
    (6)一端が前記共通入力端子に接続される入力スイッチであって、前記入力スイッチの第2端が前記入力インダクタの前記第2端に接続される入力スイッチと、
    (7)一端が前記共通出力端子に接続される出力スイッチであって、前記出力スイッチの第2端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される出力スイッチと、
    (8)一端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される相補出力スイッチであって、前記相補出力スイッチの第2端が前記中間インダクタの前記第2端に接続される相補出力スイッチと、
    (9)直列に接続される相補入力スイッチと補助キャパシタを備える枝と、
    (10)前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチに、ON信号及びOFF信号の正確なパターンを提供して前記入力スイッチがONとされる間を基準時間インタバルDTとし、前記入力スイッチがOFFとされる相補時間インタバル間をD’T=(1−D)Tとし、ここで、1つの完全なスイッチ動作サイクルT内でDは可変および制御可能負荷比とし、D’は相補負荷比とする、スイッチング時間制御手段と、
    (11)前記枝の両端を前記変換器に接続し、それによって前記相補時間インタバルD’Tの間前記枝を流れる電流が、前記入力インダクタの前記一端に流れ込む電流と前記中間インダクタの前記一端に流れ込む電流との和を前記出力インダクタの前記一端から流れ出る電流だけ低減したものに等しくなる手段と
    を備え、
    前記基準時間インタバルDTの間前記枝を電流が流れず、前記相補時間インタバルD’Tの間AC電流のみが前記枝を流れ、
    前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記相補出力スイッチは半導体電流2方向スイッチング装置であって、ON状態にある間双方向に電流を流すことができ、OFF状態にある間一方向に電圧を保持し、および前記半導体電流2方向スイッチング装置は理想スイッチ、寄生ボディ・ダイオードおよび寄生容量の並列接続としてモデル化され、
    前記出力スイッチは半導体電圧2方向スイッチング装置であって、ON状態にある間電流を流すことができ、OFF状態にある間電圧を双方向に保持し、および前記半導体電圧2方向スイッチング装置は、そのモデルが理想スイッチおよび等価寄生容量の並列接続からなる合成スイッチであり、
    前記変換器のDC−DC電圧変換比は、前記動作負荷比Dに線形に依存し、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記半導体電流2方向および電圧2方向スイッチング装置の正確な電子制御動作が含まれており、それによって、DからD’への第1の移行とD’からDへの第2の移行の2つの移行が各々連続するスイッチ動作サイクルTの間得られ、ここで、前記移行インタバルは前記スイッチ動作サイクルに比べて短く、かつ前記スイッチング時間制御手段はそれぞれのスイッチに以下のように制御信号を提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は、前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力スイッチの電圧がゼロに低減されるとき、前記スイッチング時間制御手段は、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる相補出力スイッチに制御信号を提供し、そして前記第1の移行は前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減されるまで継続し、その瞬間前記スイッチング時間制御手段はやはりゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる前記相補入力スイッチに制御信号を提供し、そして前記第1の移行は更に、出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、DからD’への前記第1の移行を完了するよう出力スイッチをOFFとしなければならない最新の瞬間とし、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始され、前記入力スイッチにかかる前記寄生容量の線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧がゼロに低下するとき、前記入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってゼロ電圧でかつゼロのスイッチング損をもってONとされ、そして前記出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって前記DC電圧源の負の値に等しい前記出力スイッチにかかる電圧で同時にONとされ、そして前記第2の移行は、入力キャパシタ電流が入力インダクタ電流に等しいものから大きさが中間インダクタ電流に等しい反対方向の電流に反転される電流−反転サブインタバルだけ継続し、その瞬間相補出力スイッチを流れる電流はゼロに低減され、これを、D’からDへの前記第2の移行を完了するよう相補出力スイッチをOFFとしなければならない最新の瞬間とし、
    前記共振容量は、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチを横切る寄生キャパシタの容量よりもずっと高く、そしてそれによって、D’からDへの前記第2の移行の間前記入力スイッチがゼロ電圧でONとされ、そうしてスイッチング損と前記半導体装置の電圧ストレスを低減し、かつ電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大し、
    それによって、前記半導体電流2方向および電圧2方向スイッチング装置のスイッチ・タイミングの正確なパターンに基づいて前記スイッチング時間制御手段によって無損失スイッチング・サイクルが提供され、
    それによって、DからD’への移行の間の相補入力スイッチおよびD’からDへの移行の間の入力スイッチのゼロ電圧でのスイッチングが、いかなる動作点についても、すなわち、全ての入力DCソース電圧についてもおよび無負荷から最高負荷までのいかなるDC負荷電流についても達成される
    変換器。
  9. D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始され、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源の半分のレベルに低下するとき、前記入力スイッチが前記スイッチング時間制御手段によって、低下した電圧で、かつ低下したスイッチング損をもってOFFとされ、かつ前記出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源の半分に等しい前記出力スイッチにかかる負の電圧で同時にONとされ、そして入力キャパシタ電流が入力インダクタ電流に等しいものから大きさが中間インダクタ電流に等しい反対方向の電流に反転される電流−反転サブインタバルだけ前記第2の移行が継続し、その瞬間相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減して、これを、D’からDへの前記第2の移行を完了するために相補出力スイッチがOFFとされなければならない最新の瞬間とし、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記入力スイッチおよび前記出力スイッチが、大きさが前記DC電圧源の半分に等しい電圧で同時にONとされ、そうしてスイッチング損と前記半導体装置の電圧ストレスを低減し、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大する
    請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  10. 前記共振インダクタがゼロのインダクタンスを有し、すなわちそれが短絡されており、そうして前記入力キャパシタの前記第2端が前記中間インダクタの前記第2端に接続されており、
    DからD’への前記第1の移行は前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力スイッチの電圧がゼロに低減されるとき、前記スイッチング時間制御手段は、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる相補出力スイッチに制御信号を提供し、一方、前記出力スイッチが同時にONとされ、そして前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減するまで前記第1の移行が継続し、その瞬間前記スイッチング時間制御手段が、やはりゼロ電圧でゼロ・スイッチング損をもってONとされる前記相補入力スイッチに制御信号を提供してDからD’への前記第1の移行を完了し、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始され、前記入力スイッチにかかる前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧がゼロに低下するとき、前記入力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、ゼロ電圧でかつゼロのスイッチング損をもってONとされ、そして前記出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源の負の値に等しい前記出力スイッチにかかる電圧で同時にONとされる
    請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  11. D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始され、前記入力スイッチにかかる前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源の半分のレベルに低下するとき、前記入力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、低下した電圧でかつ低下したスイッチング損でもってONとされ、かつ前記出力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源の半分の負の値に等しい前記出力スイッチにかかる電圧で同時にONとされ、そして相補出力スイッチが同時にOFFとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、それによって、D’からDへの前記第2の移行間、前記入力スイッチと前記出力スイッチが、大きさが前記DC電圧源の半分に等しい電圧で同時にONとされ、そうしてスイッチング損と前記半導体装置の電圧ストレスを低減し、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大させる
    請求項10に記載の無損失スイッチング変換器。
  12. DからD’への前記第1の移行が前記出力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力スイッチの電圧がゼロに低減されるとき、前記スイッチング時間制御手段が、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる相補出力スイッチに制御信号を提供し、一方、前記入力スイッチが同時にOFFとされ、そして前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減されるまで前記第1の移行が継続し、その瞬間前記スイッチング時間制御手段が、やはりゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる前記相補入力スイッチに制御信号を提供する
    請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  13. D’からDへの前記第2の移行が前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始され、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源の半分のレベルに低下するとき、前記入力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、低下した電圧でかつ低下したスイッチング損をもってONとされ、かつ前記出力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源の半分の負の値に等しい前記出力スイッチにかかる電圧で同時にONとされ、そして相補出力スイッチが同時にOFFとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記入力スイッチと前記出力スイッチが、前記DC電圧源の半分に等しい電圧で同時にONとされ、そうして前記半導体装置のスイッチング損と電圧ストレスを低減し、そして電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大する
    請求項12に記載の無損失スイッチング変換器。
  14. 入力端子と共通入力端子との間に接続されるDC電圧源から、出力端子と共通出力端子との間に接続されるDC負荷に電力を提供する絶縁無損失スイッチングDC−DC変換器であって、
    (1)一端が前記入力端子に接続される入力インダクタと、
    (2)一端が前記出力端子に接続される出力インダクタと、
    (3)共通磁心に配置される一次巻線および二次巻線を備え、そして各巻線はドットの付いた一端と別の印の付いていない一端とを有する、絶縁変圧器であって、それによって、前記絶縁変圧器の前記一次巻線に印加されるいかなるAC電圧も前記絶縁変圧器の前記二次巻線にAC電圧を誘導して2つのAC電圧が前記絶縁変圧器の前記一次および二次巻線のドットの付いた一端で同位相となるようにし、ここで前記絶縁変圧器の前記一次巻線はドットの付いた一端が前記共通入力端子に接続され、そして前記絶縁変圧器の前記二次巻線がドットの付いた一端で前記共通出力端子に接続される絶縁変圧器と、
    (4)一端が前記絶縁変圧器の前記一次巻線の印の付いていない一端に接続される入力キャパシタであって、前記入力キャパシタの第2端が前記入力インダクタの第2端に接続される入力キャパシタと、
    (5)一端が前記共通入力端子に接続される入力スイッチであって、前記入力スイッチの第2端は前記入力インダクタの前記第2端に接続される入力スイッチと、
    (6)一端が前記共通出力端子に接続される出力スイッチであって、前記出力スイッチの他端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される出力スイッチと、
    (7)一端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される相補出力スイッチであって、前記相補出力スイッチの第2端が前記絶縁変圧器の前記第2巻線の印の付いていない一端に接続される相補出力スイッチと、
    (8)直列に接続される相補入力スイッチと補助キャパシタを備える枝であって、前記枝の一端が前記絶縁変圧器の前記一次巻線のドットの付いた一端に接続され、前記枝の他端が前記入力インダクタの前記印の付いていない一端に接続される枝と、
    (9)前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチに、ON信号及びOFF信号の正確なパターンを提供して前記入力スイッチがONとされる間を基準時間インタバルDTとし、前記入力スイッチがOFFとされる間を相補時間インタバルD’T=(1−D)Tとし、ここで、1つの完全なスイッチ動作サイクルT内でDは可変および制御可能負荷比としD’は相補負荷比とする、スイッチング時間制御手段と
    を備え、
    前記基準時間インタバルDTの間前記枝を電流が流れず、前記相補時間インタバルD’Tの間前記枝をAC電流のみが流れ、
    前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチが半導体電流2方向スイッチング装置であって、ON状態にある間電流を双方向に流すことができ、OFF状態にある間一方向に電圧を保持し、そして前記半導体電流2方向スイッチング装置は、理想スイッチ、寄生ボディ・ダイオードおよび寄生容量の並列接続として各々モデル化され、
    前記一次巻線および前記二次巻線は、前記一次巻線と前記二次巻線との間の漏れを低減するために緊密に結合され、
    漏れインダクタンスを備える前記絶縁変圧器は、一次巻線と直列に接続される有効漏れインダクタンスを備える漏れの無い完全に結合された変圧器としてモデル化され、
    前記絶縁無損失スイッチング変換器のDC−DC電圧変換比は、前記動作負荷比Dに線形に依存し、
    前記絶縁変圧器の前記二次巻線と前記一次巻線の巻数比によって、前記絶縁無損失スイッチング変換器のDC−DC電圧変換比が更に制御され、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記半導体電流2方向スイッチング装置の正確な電子制御動作が含まれており、それによって、2つの移行、DからD’への第1の移行およびD’からDへの第2の移行が、前記移行インタバルが前記スイッチ動作サイクルに比べて短い各連続スイッチ動作サイクルTの間得られ、および前記スイッチング時間制御手段が、それぞれのスイッチに以下のように制御信号を提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は、前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力スイッチの電圧がゼロに低減されるとき、前記スイッチング時間制御手段は、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる相補出力スイッチに制御信号を提供し、そして前記第1の移行は前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減されるまで継続し、その瞬間前記スイッチング時間制御手段はやはりゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされる前記相補入力スイッチに制御信号を提供し、そして前記第1の移行は、出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、DからD’への前記第1の移行を完了するよう出力スイッチをOFFとしなければならない最新の瞬間とし、そして、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチがOFFとされる前に意図的に、まず前記出力スイッチをONとすることによって開始されて、前記漏れインダクタンスに反比例し、前記補助キャパシタのDC電圧と前記DC電圧源のDC電圧との間の電圧差に直接比例し、そして前記出力スイッチと前記相補入力スイッチが双方ともONとされる間のブースト・サブインタバルに直接比例する追加の大きさだけ、前記漏れインダクタンスにおける電流をブーストし、そして前記相補入力スイッチがOFFとされるとき、前記入力スイッチを横切る寄生キャパシタの共振放電および前記相補入力スイッチを横切る寄生キャパシタの共振充電が同時にこの共振サブインタバルの間起こり、そこでは合計共振電流は、3つの区別できる電流成分、すなわち、前記定義される追加の大きさを備える第1の余弦波共振電流成分、大きさが、前記補助キャパシタのDC電圧と前記DC電圧源のDC電圧との間の電圧差に直接比例し、前記漏れインダクタンスと、前記入力スイッチおよび前記相補入力スイッチの寄生キャパシタの和に等しい共振容量の容量との比の平方根に等しい共振回路の特性インピーダンスに反比例する第2の正弦波共振電流成分および、大きさが、前記出力スイッチがONとされる瞬間かつ前記入力スイッチの前記寄生キャパシタが完全に放電される瞬間の前記漏れインダクタンスの最初の電流値に等しい第3の余弦波共振電流成分、を備えており、前記スイッチング時間制御手段は、ゼロ電圧でかつゼロのスイッチング損をもってONとするよう前記入力スイッチに制御信号を提供して前記共振サブインタバルを完了し、そして前記第2の移行は、入力キャパシタ電流が、入力インダクタ電流に等しいものから前記絶縁変圧器の磁化電流に等しい大きさで反対方向に流れる電流(前記基準時間インタバルDTの間の前記絶縁変圧器の一次電流と同じ)へと反転される間の電流−反転サブインタバルだけ継続し、その瞬間相補出力スイッチを流れる電流はゼロに低減され、これを、D’からDへの前記第2の移行を完了するよう相補出力スイッチがOFFとされなければならない最新の瞬間とし、
    前記共振容量は、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチを横切る寄生キャパシタの容量よりもずっと大きく、そしてそのために、前記絶縁変圧器によって前記入力DC電圧源と前記DC負荷との間にガルバーニ絶縁が備えられ、そして、
    それによって、前記半導体電流2方向スイッチング装置のスイッチ・タイミングの正確なパターンに基づいて、前記スイッチング時間制御手段によって無損失スイッチング・サイクルが提供され、この無損失スイッチング・サイクルの間、電荷が無損失に寄生キャパシタ間を移動させられ、そしてD’からDへの前記第2の移行の間、前記相補入力スイッチと前記出力スイッチとが、前記絶縁変圧器の前記漏れインダクタンスに追加のエネルギーが充分に蓄積されるのに必要なだけ同時にONとされ続けて、前記絶縁変圧器の前記漏れインダクタンスのピーク共振電流を増大し、前記入力スイッチの前記寄生キャパシタのゼロ・ボルトへの完全な放電が丁度可能となり、および前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大してD’からDへの第2の移行を完了し、そして前記無損失スイッチングは、前記負荷比Dが0.5より充分小さく、前記DC電圧源が整流された商用ACライン電圧におけるように非常に高いとき、DC−DC変換器に特に有効である
    変換器。
  15. D’からDへの前記第2の移行が、前記相補入力スイッチをOFFとし同時に前記出力スイッチをONとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る寄生キャパシタの共振放電および同時に前記相補入力スイッチを横切る寄生キャパシタの共振充電を開始し、合計共振電流は、2つの区別できる電流成分、すなわち前記第2の正弦波共振電流成分および前記第3の余弦波共振電流成分を備え、そして、前記入力スイッチの前記寄生キャパシタの電圧が最小値に到達する瞬間、前記入力スイッチが、前記スイッチング手段によって、低下した電圧でかつ低下したスイッチング損をもってONとされて前記共振サブインタバルを完了し、またD’からDへの前記第2の移行は、相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、相補出力スイッチがOFFとされて、この電流−反転サブインタバルおよびD’からDへの前記第2の移行を完了する最新の瞬間とし、そして、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記共振インダクタに既に蓄積されているエネルギーによって、前記入力スイッチの前記寄生キャパシタの共振放電および電圧低下が促進されて、D’からDへの前記第2の移行を完了し、前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減させ、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大させ、そして、前記負荷比Dが0.5前後で動作範囲の中間にあり、かつ前記DC電圧源が整流された商用ACライン電圧におけるように非常に高いとき、前記無損失スイッチングがDC−DC変換器について特に有効である
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  16. D’からDへの前記第2の移行が、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源のレベルに低下する前ならいつでも前記出力スイッチがONとされて、前記入力スイッチにかかる前記寄生キャパシタの共振放電を強制し、合計共振電流は、2つの区別できる電流成分、すなわち、大きさが、前記出力スイッチがONとされる瞬間に存在する前記入力電圧と前記DC電圧源のDC電圧との電圧差に等しい前記第2の正弦波共振電流成分、および前記第3の余弦共振電流成分を備え、そして、前記寄生キャパシタの前記電圧が最小値に到達する瞬間、前記入力スイッチは、前記スイッチング手段によって大きく低下した電圧でかつ大きく低下したスイッチング損をもってONとされて、前記共振サブインタバルを完了し、そしてD’からDへの第2の移行は、前記相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、前記電流−反転サブインタバルおよびD’からDへの前記第2の移行を完了するよう、前記相補出力スイッチをOFFとしなければならない(そのボディ・ダイオードがなおも導通しているので、その瞬間以前いつでもOFFとされ得ていた)最新の瞬間とし、そして、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記相補入力スイッチと前記出力スイッチとの双方がOFFとされて、前記線形放電を提供し、それに前記共振放電が続いて、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの電圧を更に低減し、そして前記入力スイッチと前記出力スイッチが低下した電圧でONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスが低減され、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率が増大され、そして前記無損失スイッチングは、前記負荷比Dが動作範囲の中間にあるか、0.5より高い負荷比であるかのいずれかのとき、および前記DC電圧源が整流された商用ACライン電圧におけるように非常に高いとき、DC−DC変換器に対して特に有効である
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  17. D’からDへの前記第2の移行が、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチの電圧が前記DC電圧源のレベルに低下するとき、前記出力スイッチが、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、前記入力スイッチにかかる前記寄生容量の共振放電を強制し、共振電流は前記第3の余弦波共振電流成分のみを備え、そして前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの前記電圧が最小値に到達する瞬間、前記入力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源レベルより低い電圧でかつ低下したスイッチング損をもってONとされて前記共振サブインタバルを完了し、そしてD’からDへの第2の移行は、相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで継続し、これを、前記電流−反転サブインタバルおよびD’からDへの前記第2の移行を完了するよう、前記相補出力スイッチをOFFとしなければならない(そのボディ・ダイオードがなおも導通しているので、その瞬間以前いつでもOFFとされ得ていた)最新の瞬間とし、そして、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記出力スイッチは、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって、かつそのボディ・ダイオードが自然に導通し始めそれ故に前記ボディ・ダイオードの電流導電損が大きく低減される特定の瞬間に、ONとされ、そして前記入力スイッチが、低下した電圧でONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了し、前記半導体スイッチング装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、電磁波干渉を低減することで前記変換器の効率を増大し、そして、前記第3の余弦波共振電流成分の前記大きさと前記特性インピーダンスとの積が前記DC電圧源に等しく、その場合において前記入力スイッチはゼロ電圧でONとされ、結果として前記4つの半導体電流2方向スイッチング装置全てでゼロのスイッチング損を生じるとき、前記無損失スイッチングが特に有効である
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  18. 前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチが2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であって、それらは前記入力および前記相補入力スイッチング装置の電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器動作状態および状況に応答してONまたはOFF状態となり、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記入力スイッチおよび前記相補入力スイッチの正確な電子制御動作が含まれており、それによって連続するスイッチ動作サイクルTの各々の間DからD’への移行およびD’からDへの移行という2つの移行が得られ、ここで前記移行インタバルは前記スイッチ動作サイクルに比べて短く、かつ前記スイッチング時間制御手段はそれぞれのスイッチに以下のように制御信号を提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は、前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロに低減されるとき、前記相補出力整流器スイッチが導通し始め、それ故ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって自動的にONとなり、そして前記移行は、前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減されるまで継続し、その瞬間前記相補入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、一方、前記出力整流器スイッチは、前記出力整流器スイッチにかかる変換器により加えられる反転バイアス電圧によってOFFとされ、そして、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源のレベルに低下するとき、前記出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロとなり、それ故前記出力整流器スイッチは、ゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、前記第3の余弦波共振電流成分のみを備える共振電流で、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの共振放電を強制し、そして前記入力スイッチにかかる前記寄生キャパシタの前記電圧が最小値に到達する瞬間、前記入力スイッチが前記スイッチング手段によって、前記DC電圧源レベル未満に低減された電圧でかつ低減されたスイッチング損をもってONとされ、一方、前記相補出力整流器スイッチは遮断電圧によって自動的にOFFとされて、D’からDへの前記第2の移行を完了し、そして、
    それによって、前記出力整流器スイッチおよび前記相補出力整流器スイッチの制御および駆動回路が必要とはされず、それによって前記変換器の駆動および制御回路を簡略化し、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記出力整流器スイッチは、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもって自動的にONとされ、そして前記入力スイッチは、低下した電圧でONとされてD’からDへの前記第2の移行を完了して、前記半導体装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大し、そして前記無損失スイッチングは、前記第3の余弦波共振電流成分の前記大きさと前記特性インピーダンスとの積が前記DC電圧源に等しく、その場合前記入力スイッチがゼロ電圧でONとされて、結果として前記2つの半導体電流2方向スイッチング装置および前記2つの2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)でスイッチング損がゼロとなるとき、特に有効である
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  19. 入力端子と共通入力端子との間に接続されるDC電圧源から出力端子と共通出力端子との間に接続されるDC負荷へと電力を供給する絶縁無損失スイッチングDC−DC変換器であって、
    (1)一端が前記入力端子に接続される入力インダクタと、
    (2)一端が前記出力端子に接続される出力インダクタと、
    (3)共通磁心に配置される一次巻線および二次巻線を備える絶縁変圧器であって、各巻線はドットの付いた一端と別の印が付いていない一端とを有しており、それによって前記絶縁変圧器の前記一次巻線に印加されるAC電圧によって前記絶縁変圧器の前記二次巻線にAC電圧が誘導されて、2つのAC電圧が前記絶縁変圧器の前記一次および二次巻線のドットの付いた一端で同相となるものとし、前記絶縁変圧器の前記一次巻線はそのドットの付いた一端が前記共通入力端子に接続され、前記絶縁変圧器の前記二次巻線はそのドットの付いた一端が前記共通出力端子に接続される絶縁変圧器と、
    (4)一端が前記絶縁変圧器の前記一次巻線の印の付いていない一端に接続される入力キャパシタであって、前記入力キャパシタの第2端が前記入力インダクタの第2端に接続される入力キャパシタと、
    (5)一端が前記共通入力端子に接続される入力スイッチであって、前記入力スイッチの第2端が前記入力インダクタの前記第2端に接続される入力スイッチと、
    (6)一端が前記共通出力端子に接続される出力スイッチであって、前記出力スイッチの第2端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される出力スイッチと、
    (7)一端が前記出力インダクタの前記第2端に接続される相補出力スイッチであって、前記相補出力スイッチの第2端が前記絶縁変圧器の前記二次巻線の印の付いていない一端に接続される相補出力スイッチと、
    (8)直列に接続される相補入力スイッチと補助キャパシタとを備える枝であって、前記枝の一端が前記絶縁変圧器の前記一次巻線のドットの付いた一端に接続され、前記枝の他端が前記入力インダクタの前記印の付いていない一端に接続される枝と、
    (9)信号をONおよびOFFとする正確なパターンを前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチに提供するスイッチング時間制御手段であって、前記入力スイッチがONとされる間の基準時間インタバルDTおよび前記入力スイッチがOFFとされる間の相補時間インタバルD’T=(1−D)Tとを備え、ここでDは可変および制御可能負荷比であり、D’は1つの完全なスイッチ動作サイクルT内の相補負荷比であるスイッチング時間制御手段と
    を備え、
    前記基準時間インタバルDTの間前記枝を電流が流れず、かつ前記相補時間インタバルD’Tの間前記枝をAC電流のみが流れ、
    前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記相補出力スイッチは、半導体電流2方向スイッチング装置であって、ON状態にある間電流を双方向に流すことができ、かつOFF状態にある間電圧を一方向に保持し、および前記半導体電流2方向スイッチング装置は、理想スイッチ、寄生ボディ・ダイオードおよび寄生容量の並列接続を備えるようにモデル化され、
    前記出力スイッチは半導体電圧2方向スイッチング装置であり、ON状態にある間、電流を導通することができ、OFF状態にある間電圧を双方向に保持し、そして前記半導体電圧2方向スイッチング装置は、そのモデルが理想スイッチと等価寄生容量の並列接続からなる合成スイッチであり、
    前記一次巻線および前記二次巻線は、前記一次巻線と前記二次巻線との間の漏れを低減するよう緊密に結合されており、
    漏れインダクタンスを備える前記絶縁変圧器は、有効漏れインダクタンスがその一次巻線と直列に接続される漏れの無い完全に結合された変圧器としてモデル化され、
    前記絶縁無損失スイッチング変換器のDC−DC電圧変換比は、前記動作負荷比Dに線形に依存し、
    前記絶縁変圧器の前記二次巻線と前記一次巻線との巻数比によって前記絶縁無損失スイッチング変換器のDC−DC電圧変換比が付加的に制御され、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記半導体電流2方向および電圧2方向スイッチング装置の正確な電子制御動作が含まれており、それによって2つの移行、すなわちDからD’への第1の移行およびD’からDへの第2の移行が、各々連続するスイッチ動作サイクルTの間得られ、ここで前記移行インタバルは、前記スイッチ動作サイクルに比べて短く、かつ前記スイッチング時間制御手段は、それぞれのスイッチに以下のように制御信号を提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は、前記入力スイッチをOFFとすることによって開始され、そして前記相補出力スイッチの電圧がゼロに低減されるとき、前記スイッチング時間制御手段は、相補出力スイッチがゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされるように制御信号を提供し、そして前記第1の移行は、前記相補入力スイッチの電圧がゼロに低減されるまで継続し、その瞬間前記スイッチング時間制御手段は、前記相補入力スイッチがゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってまたONとされるように制御信号を提供し、そして前記第1の移行は、出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されるまで更に継続し、これを、DからD’への前記第1の移行を完了するために出力スイッチがOFFとされなければならない最新の瞬間とし、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧がゼロに低下するとき、前記入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によってゼロ電圧でかつゼロのスイッチング損をもってONとされ、および前記出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって同時にONとされて、前記出力スイッチにかかる電圧を前記DC電圧源の負の値に等しいものとし、そして前記第2の移行は、入力キャパシタ電流が入力インダクタ電流に等しいものから大きさが中間インダクタ電流に等しい反対方向の電流へと反転される間の電流−反転サブインタバルだけ継続し、その瞬間、相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されて、これを、D’からDへの前記第2の移行を完了するよう相補出力スイッチがOFFとされなければならない最新の瞬間とし、
    前記共振容量が、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチを横切る寄生キャパシタの容量よりもずっと高く、そして、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間前記入力スイッチはゼロ電圧でONとされ、そうして前記半導体装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、かつ電磁干渉を低減することで前記変換器の効率を増大し、
    それによって、前記半導体電流2方向および電圧2方向スイッチング装置のスイッチ・タイミングの正確なパターンに基づいて前記スイッチング時間制御手段によって無損失スイッチング・サイクルが提供され、
    それによって、DからD’への移行の間の相補入力スイッチのおよびD’からDへの移行の間の入力スイッチのゼロ電圧でのスイッチングが、いかなる動作点においても、すなわち、全ての入力DC源電圧についてもかつ無負荷から完全負荷までのいかなるDC負荷電流についても、達成される
    変換器。
  20. D’からDへの前記第2の移行が、前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始されて、前記入力スイッチを横切る前記寄生キャパシタの線形放電を開始し、そして前記入力スイッチにかかる電圧が前記DC電圧源の半分のレベルに低下するとき、前記入力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって、低下した電圧でかつ低下したスイッチング損をもってONとされ、および前記出力スイッチは、前記スイッチング時間制御手段によって、前記DC電圧源の半分に等しい前記出力スイッチにかかる電圧で同時にONとされ、そして前記第2の移行は、入力キャパシタ電流が、入力インダクタ電流に等しいものから大きさが中間インダクタ電流に等しい反対方向の電流に反転される間の電流−反転サブインタバルだけ継続し、その瞬間、相補出力スイッチを流れる電流がゼロに低減されて、これを、D’からDへの前記第2の移行を完了するよう相補出力スイッチをOFFとしなければならない最新の瞬間とし、
    それによって、D’からDへの前記第2の移行の間、前記入力スイッチおよび前記出力スイッチは、大きさが前記DC電圧源の半分に等しい電圧で同時にONとされ、そうして前記半導体装置のスイッチング損および電圧ストレスを低減し、電磁干渉を低減することで前記絶縁無損失スイッチング変換器の効率を増大する
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  21. 前記中間インダクタはオートトランスを備え、
    前記オートトランスの巻線の一端は、前記共通入力端子および前記共通出力端子へと接続され、前記オートトランスの前記巻線の第2端は、前記相補出力スイッチの前記第2端に接続され、そして前記オートトランスの前記巻線のタップ端は、前記共振インダクタの前記一端に接続され、
    前記オートトランスの前記巻線の巻数と、前記オートトランスの前記巻線の前記一端と前記タップ端との間の巻数の比によって、前記変換器のDC−DC電圧変換比が付加的に制御される
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  22. 前記中間インダクタ巻線の前記一端が、前記共通出力端子に接続され、
    前記入力キャパシタの前記一端が、前記共通入力端子に接続され、かつ前記入力キャパシタの前記第2端が、前記共通出力端子に接続され、および、
    前記共振インダクタ巻線の前記第2端が、前記入力インダクタの前記第2端に接続される
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  23. 前記中間インダクタはオートトランスを備え、
    前記オートトランスの巻線の一端は、前記共通入力端子および前記共通出力端子へと接続され、前記オートトランスの前記巻線の第2端は、前記相補出力スイッチの前記第2端に接続され、そして前記オートトランスの前記巻線のタップ端は、前記共振インダクタの前記一端に接続され、
    前記オートトランスの前記巻線の巻数と、前記オートトランスの前記巻線の前記一端と前記タップ端との間の巻数の比によって、前記変換器のDC−DC電圧変換比が付加的に制御される
    請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  24. 前記中間インダクタ巻線の前記一端が、前記共通出力端子に接続され、
    前記入力キャパシタの前記一端が、前記共通入力端子に接続され、かつ前記入力キャパシタの前記第2端が、前記共通出力端子に接続され、および、
    前記共振インダクタ巻線の前記第2端が、前記入力インダクタの前記第2端に接続される
    請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  25. 前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記ドットの付いた一端に接続され、および前記枝の他の一端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端に接続される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  26. 前記枝の一端が、前記入力インダクタの前記一端に接続され、および前記枝の他端が、前記入力インダクタの前記第2端に接続される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  27. 前記枝の一端が、前記入力インダクタの前記一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の絶縁一次巻線の前記印の付いていない一端に接続される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  28. 前記入力キャパシタの一端が、前記共通入力端子に接続され、
    前記入力キャパシタの第2端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いた一端に接続され、
    前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端が、前記入力インダクタの前記第2端に接続され、および、
    前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記ドットの付いた一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端に接続される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  29. 前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記印の付いていない一端に接続され、および前記枝の他端が、前記出力端子に接続される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  30. 前記相補出力スイッチの一端が、前記共通出力端子に接続され、
    前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記ドットの付いた一端が、前記相補出力スイッチの第2端に接続され、
    前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記印の付いていない一端が、前記出力インダクタの前記第2端に接続され、および、
    前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記印の付いていない一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記ドットの付いた一端に接続される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  31. 前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチがMOSFET装置であり、
    前記出力スイッチMOSFET装置のゲートが、前記相補出力スイッチMOSFET装置のドレインに接続され、そして前記出力スイッチMOSFET装置のドレインが、前記相補出力スイッチMOSFET装置のゲートに接続され、
    前記入力スイッチMOSFET装置および前記相補入力スイッチMOSFET装置の制御および駆動回路が、前記共通入力端子を用いており、
    それによって、前記絶縁変圧器の前記二次巻線が、前記出力スイッチMOSFET装置と前記相補出力スイッチMOSFET装置との双方に駆動電圧を提供することで、前記出力スイッチMOSFET装置と前記相補出力スイッチMOSFET装置との双方の自己駆動動作を可能として、簡略化された制御および駆動回路は前記入力DC電圧源から絶縁されており、そして
    それによって、適切な駆動信号を、前記出力スイッチMOSFET装置および前記相補出力スイッチMOSFET装置に、前記入力DC電圧源と前記DC負荷との間の前記ガルバーニ絶縁を通して送信することが必要とされる信号処理回路が必要でなくなり、それによって、前記変換器駆動および制御回路を簡略化する請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  32. 直列に接続され、および前記共通出力端子に接続される接点が間に備わる2つの駆動巻線を前記絶縁変圧器の二次側に更に含み、
    前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記相補出力スイッチはMOSFET装置であり、
    1つの駆動巻線のドットの付いた一端が、前記出力スイッチMOSFET装置のゲートに接続され、
    他の駆動巻線の印の付いていない一端が、前記相補出力スイッチMOSFET装置のゲートに接続され、
    前記2つの駆動巻線が、前記出力スイッチMOSFET装置と前記相補出力スイッチMOSFET装置との双方に、それらの自己駆動動作のために、異相の駆動電圧を提供して、制御および駆動回路は前記入力DC電圧源からガルバーニ絶縁されており、
    前記入力スイッチMOSFET装置および前記相補入力スイッチMOSFET装置の前記制御および駆動回路が、前記共通入力端子を用いており、
    それによって、適切な駆動信号を、前記出力スイッチMOSFET装置および前記相補出力スイッチMOSFET装置に、前記入力DC電圧源と前記DC負荷との間の前記ガルバーニ絶縁を通して送信することが必要とされる信号処理回路が必要でなくなり、それによって、前記変換器駆動および制御回路を簡略化する請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  33. 別個のDC負荷出力のための追加の二次巻線と別個の出力回路とが更に含まれており、
    前記絶縁変圧器には、前記追加のDC負荷出力のための前記追加の二次巻線が含まれ、
    前記別個の出力回路の各々は、前記絶縁無損失スイッチング変換器の出力回路の構成および接続と同一の構成および接続を有し、
    前記別個の出力回路の各々は、前記絶縁変圧器の前記追加の二次巻線と前記DC負荷出力との間に、前記絶縁無損失スイッチング変換器の前記出力回路が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線と前記出力DC負荷との間に接続されるのと同一の方法で接続され、
    前記スイッチング時間制御手段は、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記別個の出力回路の各出力スイッチ、前記相補出力スイッチおよび前記別個の出力回路の各相補出力スイッチに、信号をONおよびOFFとする正確なパターンを、前記入力スイッチがONとされる間の基準時間インタバルDTおよび前記入力スイッチがOFFとされる間の相補時間インタバルD’T=(1−D)Tで提供し、ここで、Dは可変および制御可能負荷比であり、D’は1つの完全なスイッチ動作サイクルT内の相補負荷比であり、
    前記多重出力絶縁変圧器の前記追加の二次巻線と前記一次巻線との巻数比によって、前記追加のDC負荷各々についての前記変換器のDC−DC電圧変換比がそれぞれ更に制御され、
    そのために、前記多重出力絶縁変圧器によって、前記入力DC電圧源、前記DC負荷および前記追加のDC負荷の間にガルバーニ絶縁が提供される
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  34. 前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記ドットの付いた一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端に接続される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  35. 前記枝の一端が、前記入力インダクタの前記一端に接続され、および前記枝の他端が、前記入力インダクタの前記第2端に接続される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  36. 前記枝の一端が、前記入力インダクタの前記一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端に接続される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  37. 前記入力キャパシタの一端が、前記共通入力端子に接続され、
    前記入力キャパシタの他端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記ドットの付いた一端に接続され、
    前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端が、前記入力インダクタの前記第2端に接続され、そして
    前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記ドットの付いた一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の前記一次巻線の前記印の付いていない一端に接続される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  38. 前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記印の付いていない一端に接続され、および前記枝の他端が、前記出力端子に接続される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  39. 前記相補出力スイッチの一端が、前記共通出力端子に接続され、
    前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記ドットの付いた一端が、前記相補出力スイッチの第2端に接続され、
    前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記印の付いていない一端が、前記出力インダクタの前記第2端に接続され、そして
    前記枝の一端が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記印の付いていない一端に接続され、および前記枝の他端が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線の前記ドットの付いた一端に接続される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  40. 前記絶縁変圧器の二次側に2つの駆動巻線が更に含まれており、
    前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記相補出力スイッチがMOSFET装置であり、
    前記出力スイッチが、2つのNチャンネルMOSFET装置を備えていて、一方の前記NチャンネルMOSFET装置のソース端子が別の前記NチャンネルMOSFET装置のソース端子に接続されていて(背中合わせの接続)、前記2つのNチャンネルMOSFET装置のゲート端子が互いに接続されており、
    一方の前記NチャンネルMOSFET装置のドレイン端子が、前記共通出力端子に接続され、および別の前記NチャンネルMOSFET装置のドレイン端子が、前記出力インダクタ巻線の前記第2端に接続されており、
    1つの駆動巻線のドットの付いた一端が、前記2つのNチャンネルMOSFET装置の共通ゲートに接続されていて、および前記1つの駆動巻線の印の付いていない一端が、前記出力スイッチを備える前記2つのNチャンネルMOSFET装置の共通ソースに接続されており、
    他の駆動巻線の印の付いていない一端が、前記相補出力スイッチMOSFET装置のゲートに接続されていて、および前記他の駆動巻線のドットの付いた一端が、前記相補出力スイッチMOSFET装置のソースに接続されており、
    前記2つの駆動巻線によって、前記出力スイッチ(前記2つのNチャンネルMOSFET装置を備える)および前記相補出力スイッチMOSFET装置の双方に、異相の駆動電圧が、それらの自己駆動動作のために提供され、制御および駆動回路は前記入力DC電圧源からガルバーニ絶縁されており、
    前記入力スイッチMOSFET装置と前記相補入力スイッチMOSFET装置のための前記制御および駆動回路は、前記共通入力端子を用いており、
    それによって、適当な駆動信号を、前記入力DC電圧源と前記DC負荷との間の前記ガルバーニ絶縁を通して、前記出力スイッチMOSFET装置および前記相補出力スイッチMOSFET装置へと送信することが必要とされる信号処理回路が必要とされなくなり、それによって、前記変換器駆動および制御回路を簡略化し、
    それによって、前記出力スイッチが、電圧2方向かつ電流2方向の双方であって、4クォードラント・スイッチとして動作し、前記2つのMOSFET装置の低伝導損によって、2クォードラント電圧2方向スイッチを実現したものと比べて電流伝導損が大きく低減される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  41. 別個のDC負荷出力のための追加の二次巻線と別個の出力回路とが更に含まれており、
    前記絶縁変圧器には、前記追加のDC負荷出力のための前記追加の二次巻線が含まれており、
    前記別個の出力回路の各々は、前記絶縁無損失スイッチング変換器の出力回路の構成および接続と同一の構成および接続を有し、
    前記別個の出力回路の各々は、前記絶縁変圧器の前記追加の二次巻線と前記DC負荷出力との間に、前記絶縁無損失スイッチング変換器の前記出力回路が、前記絶縁変圧器の前記二次巻線と前記出力DC負荷との間に接続されるのと同一の方法で接続され、
    前記スイッチング時間制御手段は、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチ、前記出力スイッチおよび前記別個の出力回路の各出力スイッチ、前記相補出力スイッチおよび前記別個の出力回路の各相補出力スイッチに、信号をONおよびOFFとする正確なパターンを、前記入力スイッチがONとされる間の基準時間インタバルDTおよび前記入力スイッチがOFFとされる間の相補時間インタバルD’T=(1−D)Tで提供し、ここで、Dは可変および制御可能負荷比であり、D’は1つの完全なスイッチ動作サイクルT内の相補負荷比であり、
    前記多重出力絶縁変圧器の前記追加の二次巻線と前記一次巻線との巻数比によって、前記追加のDC負荷各々についての前記変換器のDC−DC電圧変換比がそれぞれ更に制御され、
    そのために、前記多重出力絶縁変圧器によって、前記入力DC電圧源、前記DC負荷および前記追加のDC負荷の間にガルバーニ絶縁が提供される
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  42. 前記相補入力スイッチと並列に接続される小さな追加の共振キャパシタが更に含まれていて、前記共振サブインタバルを延長し、そして、短いが有限の前記入力スイッチのOFFとなる時間によって引き起こされる前記入力スイッチのスイッチング損を低減する請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  43. 前記入力スイッチと並列に接続される小さな追加の共振キャパシタが更に含まれていて、前記共振サブインタバルを延長し、そして、短いが有限の前記入力スイッチのOFFとなる時間によって引き起こされる前記入力スイッチのスイッチング損を低減する請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  44. 前記入力スイッチと並列に接続される小さな追加の共振キャパシタが更に含まれていて、前記共振サブインタバルを延長し、そして、短いが有限の前記入力スイッチのOFFとなる時間によって引き起こされる前記入力スイッチのスイッチング損を低減する請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  45. 前記相補入力スイッチと並列に接続される小さな追加の共振キャパシタが更に含まれていて、前記共振サブインタバルを延長し、そして、短いが有限の前記入力スイッチのOFFとなる時間によって引き起こされる前記入力スイッチのスイッチング損を低減する請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  46. 前記出力整流器スイッチと並列に接続される小さな補助MOSFETトランジスタが更に含まれており、
    前記スイッチング時間制御手段には、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記補助MOSスイッチの正確な電子制御動作が含まれていて、それによって各々連続するスイッチ動作サイクルTの間DからD’への移行およびD’からDへの移行の2つの移行が得られており、ここで、前記移行インタバルは、前記スイッチ動作サイクルに比べて短く、そして前記スイッチング時間制御手段は、以下の通りそれぞれのスイッチに制御信号を提供し、すなわち、
    前記入力スイッチをOFFとすることによってDからD’への前記第1の移行が開始され、そして前記相補出力整流器スイッチにかかる遮断電圧がゼロに低減されるとき、前記相補出力整流器スイッチが導通し始め、そうしてゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、そして前記第1の移行は、前記相補入力スイッチにかかる電圧がゼロに低減されるまで継続し、その瞬間、前記相補入力スイッチが、前記スイッチング時間制御手段によって、ゼロ電圧でゼロのスイッチング損をもってONとされ、一方前記出力整流器スイッチは、前記出力整流器スイッチを横切る変換器が印加する反転バイアス電圧によってOFFとされ、そしてD’からDへの前記第2の移行が、前記相補入力スイッチがOFFとされる前に意図的に、まず前記補助MOSFETスイッチをONとすることによって開始され、前記漏れインダクタンスに逆比例し、前記補助キャパシタのDC電圧と前記DC電圧源のDC電圧との間の電圧差に直接比例し、かつ前記補助MOSFETスイッチおよび前記相補入力スイッチが双方ともONとされる間のこのブースト・サブインタバルに直接比例する追加の大きさだけ前記漏れインダクタンスにおける電流をブーストし、そして前記相補入力スイッチがOFFとされるとき、前記入力スイッチを横切る寄生キャパシタの共振放電およびそれと同時に前記相補入力スイッチにかかる寄生キャパシタの共振充電が、合計共振電流が前記3つの区別できる共振電流成分を備えるこの共振サブインタバルの間に起こり、そして前記共振サブインタバルが終わる前に、前記出力電流整流スイッチが正の電流によって自動的にONとされ、前記共振サブインタバルの終わりであってかつ前記入力スイッチの前記寄生キャパシタが完全に放電されるとき、前記スイッチング時間制御手段によって、ゼロ電圧でかつゼロのスイッチング損で動作される前記入力スイッチとOFFとされる前記補助MOSFETトランジスタの双方のための同時制御信号が提供されて、前記共振サブインタバルを完了し、そして前記第2の移行は、入力キャパシタ電流が入力インダクタ電流に等しいものから前記絶縁変圧器の磁化電流に大きさが等しい反対方向の電流に反転される間の電流−反転サブインタバルだけ継続し、その瞬間、前記相補出力整流器スイッチを流れる電流がゼロに低減されて、そうしてそれが自然にOFFとされてD’からDへの前記第2の移行を完了する
    請求項18に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  47. 前記スイッチング時間制御手段は、以下の通りそれぞれのスイッチに制御信号を提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は、前記入力スイッチをOFFとし、同時に前記相補入力スイッチをONとすることによって開始および完了され、その瞬間、前記出力電流整流スイッチが自動的にONとされ、かつ前記相補出力電流整流器スイッチが自動的にOFFとされ、そして、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記入力スイッチをONとし、同時に前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始および完了され、その瞬間、前記出力電流整流スイッチが自動的にOFFとされ、かつ前記相補出力電流整流器スイッチが自動的にONとされる
    請求項7に記載の無損失スイッチング変換器。
  48. 前記スイッチング時間制御手段は、以下の通りそれぞれのスイッチに制御信号を提供し、すなわち、
    DからD’への前記第1の移行は、前記入力スイッチをOFFとし、同時に前記相補入力スイッチをONとすることによって開始および完了され、その瞬間、前記出力電流整流スイッチが自動的にONとされ、かつ前記相補出力電流整流器スイッチが自動的にOFFとされ、そして、
    D’からDへの前記第2の移行は、前記入力スイッチをONとし、同時に前記相補入力スイッチをOFFとすることによって開始および完了され、その瞬間、前記出力電流整流スイッチが自動的にOFFとされ、かつ前記相補出力電流整流器スイッチが自動的にONとされる
    請求項18に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  49. 前記第3の余弦波共振成分の大きさを、前記絶縁変圧器の、比例して増大する磁化電流を用いて必要なだけ大きくして、前記入力スイッチの前記寄生容量の電圧を望まれるだけ低く低減し、
    それによって、前記絶縁変圧器のサイズおよび重量が低減される
    請求項18に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  50. 前記相補出力スイッチが2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であり、それは、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記出力スイッチの電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器の動作状態および状況に応答してONまたはOFF状態にあり、
    そのために、前記相補出力整流器スイッチのための制御および駆動回路が必要とされず、それによって、前記変換器の駆動および制御回路を簡略化する
    請求項1に記載の無損失スイッチング変換器。
  51. 前記相補出力スイッチが2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であり、それは、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記出力スイッチの電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器の動作状態および状況に応答してONまたはOFF状態にあり、
    そのために、前記相補出力整流器スイッチのための制御および駆動回路が必要とされず、それによって、前記変換器の駆動および制御回路を簡略化する
    請求項8に記載の無損失スイッチング変換器。
  52. 前記相補出力スイッチが2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であり、それは、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記出力スイッチの電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器の動作状態および状況に応答してONまたはOFF状態にあり、
    そのために、前記相補出力整流器スイッチのための制御および駆動回路が必要とされず、それによって、前記変換器の駆動および制御回路を簡略化する
    請求項14に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
  53. 前記相補出力スイッチが2端子電流整流器スイッチ(ダイオード)であり、それは、前記入力スイッチ、前記相補入力スイッチおよび前記出力スイッチの電子制御スイッチングによってもたらされる前記変換器の動作状態および状況に応答してONまたはOFF状態にあり、
    そのために、前記相補出力整流器スイッチのための制御および駆動回路が必要とされず、それによって、前記変換器の駆動および制御回路を簡略化する
    請求項19に記載の絶縁無損失スイッチング変換器。
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