JP2004502855A - 顔料銅フタロシアニン固溶体及びそれを含む透明分散物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ホストとして銅フタロシアニン(Pigment Blue 15; C.I. 74160)、ゲストとして他のブルーからバイオレットの顔料を含む顔料固溶体に関する。好ましいホストは、銅フタロシアニンのα(Pigment Blue 15:1)、β(Pigment Blue 15:3)及びε(Pigment Blue 15:6)結晶形、特にε結晶形である。単一相固溶体が好ましい。本発明は、更に、顔料粒子としてこれらの固溶体及びレオロジー改良剤として顔料誘導体を含む分散物にも関する。ε結晶格子の固溶体の好ましい分散物は、特に、存在するカラーフィルタと比較して、445±10nmにおいて改良された透過帯を有する液晶ディスプレー(LCD)用カラーフィルタの調製に使用できる。また、請求されているのは、本発明の分散物の製造方法、固溶体それ自体、及び高分子量有機材料を着色するためのその使用である。
Description
【0001】
本発明は、ホストとして銅フタロシアニン(Pigment Blue 15; C.I. 74160)、ゲストとして他のブルーからバイオレットの顔料を含む顔料固溶体に関する。好ましいホストは、銅フタロシアニンのα(Pigment Blue 15:1)、β(Pigment Blue 15:3)及びε(Pigment Blue 15:6)結晶形、特にε結晶形である。単一相固溶体が好ましい。
【0002】
本発明は、更に、顔料粒子としてこれらの固溶体及びレオロジー改良剤として顔料誘導体を含む分散物にも関する。ε結晶格子の固溶体の好ましい分散物は、特に、存在するカラーフィルタと比較して、445±10nmにおいて改良された透過帯を有する液晶ディスプレー(LCD)用カラーフィルタの調製に使用できる。
【0003】
透過帯の正確な位置及び絶対値は、カラーフィルタの最も重要なパラメータである。異なる着色光に対する可能な限り高い吸収性と合わせて、光の放射付近の波長範囲において高い透過性が望まれている。通常、三色使用は、1個の青色、1個の赤色及び1個の緑色フィルタを使用して達成される。これらのフィルタは透明性、均質性が高くなければならず、極めて均一の層厚で調製できなければならない。
【0004】
多くの青色フィルタが既知であり、市販されているものもある。それらのうちの幾つかは、ε銅フタロシアニン(C.I. Pigment Blue 15:6)及びカルバゾールバイオレット(C.I. Pigment Violet 23)を含む。しかし、これらのフィルタは、現代の必要条件を完全に満たすことができないことが見出された。したがって本発明の目的は青色フィルタを改良することである。
【0005】
銅フタロシアニン(粗又はα相)は、例えばUS−2,556,728では、溶媒と共に塩磨砕する、EP−0 803 545では、乾式磨砕、続いて溶媒処理する、EP−0 808 878では、固体結合剤と共に不活性雰囲気下で乾式磨砕する、WO−99/54410では乾式又は水性磨砕、続いてコンディショニングすることによりそのβ結晶形に容易に変換されることが繰り返し記載されてきた。
【0006】
一方、GB−1,411,880及びJP−A−04/252 273には、まず最初にα銅フタロシアニンをαとε銅フタロシアニンの混合物にボールミル中で変換し、次に穏やかに上昇させた温度で溶媒により処理して純粋なε銅フタロシアニンに変換することが記載されている。しかしこの結果は、極めて再現性が困難である。
【0007】
US−4,135,944には、β又はε銅フタロシアニンの形成が、剪断力、溶媒及び温度のみならず、ε結晶相の形成を決定する適切なフタロシアニン誘導体にも依存することが説明されている。
【0008】
また、JP−A−48/76 925によると、結晶相の決定要因であることをそれ自体明確に示しているものは、塩素化銅フタロシアニンであり、純粋なα銅フタロシアニンと一緒に処理されて、そのX線回析パターンがε銅フタロシアニンと極めて類似している混合物が得られる。
【0009】
JP−A−09/95 638及びJP−A−08/44 056には、αとε銅フタロシアニンの物理的混合物及びα銅フタロシアニンとジオキサジンバイオレットのそれぞれの物理的混合物の青色カラーフィルタにおける使用が記載されている。
【0010】
JP−A−61/266 471には、α銅フタロシアニンの塩混練が、芳香族イソシアナートと脂肪族アミンとの無色な反応生成物の存在下又は不在下で実施されるかどうかに応じて、R又はβ形になることが開示されている。
【0011】
JP−A−07/198 925には、ε銅フタロシアニンの10%液体分散物、SiO2粒子(“無定形フュームドシリカ”)及びN−メチルピロリジン中のジオキサジンバイオレットが記載されている。しかし固溶体の形成はなく、対照的に、実施例1によると分散物のX線粉末図には、ε銅フタロシアニンとジオキサジンバイオレットの特性信号が個別に互いに並列して明確に含まれている。
【0012】
また、本発明は、優先日において依然として未公開の出願WO−01/04215、WO−01/09252及びJP−A−2000/281924と幾つかの重要な点において異なる。予期しないことに、塩磨砕の過程における銅フタロシアニンの望まれない相転移を、選択された種類の顔料を加えることにより防止することができる。更に予期しないことに、改良された色彩特性を示す固溶体が得られる。
【0013】
本発明は、銅フタロシアニンの全ての既知の結晶形、例えば、α、β、γ、δ、ε、ρ、π、X又はR結晶形を慎重に使用できる。α、βが好ましく、特にε結晶形が好ましく、それにより改良された青色カラーフィルタを調製する下記に記載の新規分散物が得られる。
【0014】
本発明は、顔料、レオロジー改良剤及び高分子量有機材料(a high molecular mass organic material)を含む顔料分散物であって、
顔料が、そのホストが非置換銅フタロシアニンであり、そのゲストがキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料である固溶体であり;
レオロジー改良剤が、窒素又は硫黄を含有する基によりコアが置換されている、キナクリドン、ジヒドロキナクリドン、キナクリドンキノン、1,1′−ジアントラキノニル、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソインドリノン、イソビオラントロン、フタロシアニン及び1,4−ジケトピロロ〔3,4c〕ピロール並びにこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択される顔料分散物を提供する。
【0015】
好ましくは、非置換銅フタロシアニンホストが、そのα、β又はε結晶形、特に好ましくはそのε結晶形で存在する。
【0016】
これらのゲスト顔料は、例えばハンドブック”Industrial Organic Pigments” (W. Herbst & K. Hunger, VCH Weinheim 1993, ISBN 3−527−28161−4)により当業者に既知である。慎重には、ゲスト顔料の量は、銅フタロシアニンの量に基づき、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは10重量%まで、特別には5重量%まで、とりわけ約1〜約3重量%である。意図される使用に応じて、大量のゲスト顔料が、特に塗料の使用目的に選択されることも可能である。適切なモル比で固溶体の代わりに混晶を形成することができ、これらの結晶は、特例としてではなく、固溶体として本発明の文脈で同様に解釈される。好ましいゲストはキナクリドン、ジオキサジン及びインダントロン顔料である。
【0017】
本発明の固溶体の電子鏡検法は、全ての結晶が狭い粒度分布という同様の側面を持つことを示している。したがって、実質的にゲストの総量がホストと同じ粒子で存在し、ホストとゲストが一緒になって固溶体を形成することが理解される。X線粉末図も独自の結晶相を示す。
【0018】
前面には、コアが−SO3H、−SO2NR5R6、−SO2−C1−C10アルキレン−NR5R6であるか、又は特に−SO3 −M+(ここで、M+は、+NR1R2R3R4又はアルカリ金属陽イオン若しくは半分のアルカリ土類金属陽イオンであり、そしてR1〜R6は、互いに独立して、水素、C1−C30アルキル、C5−C24シクロアルキル、C2−C30アルケニル、C7−C30アリールアルキル、C6−C18アリール、〔C2−C5アルキレン−O〕1−10H、〔C2−C5アルキレン−O〕1−10C1−C5アルキル、〔C2−C5アルキレン−NH〕1−10H、又は〔C2−C5アルキレン−NH〕1−10C1−C5アルキルである)の基1〜4個により置換されている、レオロジー改良剤がある。+NR1R2R3R4を含有する化合物は、例えば、商標(登録商標)Arquad (Akzo B.V.)として既知である。
【0019】
スルホン化誘導体の代わりに、他の誘導体、例えば、顔料をホルムアルデヒド及び第二級アミンと反応させて(マニッヒ反応)得られるものを使用して、例えば、−CH2NR5R6、下記式:
【0020】
【化2】
【0021】
で示される基1〜4個により置換されているコアを得ることも可能である。
【0022】
例えば、骨格が−NHSO2R5、−N(C1−C5アルキル)SO2R5、−NHSO2−C1−C10アルキレン−NR5R6、−N(C1−C5アルキル)−C1−C10アルキレン−SO2NR5R6、−NHCOR5、−N(C1−C5アルキル)COR5、−NHCO−C1−C10アルキレン−NR5R6又は−N(C1−C5アルキル)−C1−C10アルキレン−CONR5R6により置換されているような更なる既知のレオロジー改良剤も使用してよい。同じコアに異なる置換基を有するような既知のレオロジー改良剤も使用してよい。
【0023】
一般的に、レオロジー改良剤の量は、顔料の総量に基づき、2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、特に好ましくは6〜12重量%である。本発明のレオロジー改良剤は、既知の物質であるか、又は既知の方法により調製できる。相乗剤と称されることもある。
【0024】
一つの好ましい実施態様において、本発明の分散物は、中性な非イオン分散物を、顔料の総量に基づき、好ましくは5〜200重量%、特に好ましくは10〜80重量%、極めて特に好ましくは20〜50重量%で更に含む。
【0025】
中性な非イオン分散物は、当業者に周知である。該当の分散物は、例えば、ポリグリコール又はその誘導体を含んで良い。
【0026】
カラーフィルタの作成に特に適切な高分子量有機材料は、当業者に既知である。例えば、これらはポリマーを含むことができる。実質的に無色の高分子量有機材料が好ましく、その例は下記に記載されている。
【0027】
賢明には、高分子量有機材料の量は、顔料の総量に基づき、10〜400重量%、好ましくは30〜200重量%、特に好ましくは40〜100重量%である。
【0028】
その上、本発明の固溶体とは別に、キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料も同様に本発明の青色分散物の成分であり得る。 本発明の分散物がカラーフィルタ以外の目的に使用され、青色がもはや必須でない場合には、任意の望まれる他の顔料を混合することも可能であり、例としては、彩色、白色、黒色、光沢又は二色性有機、無機若しくはメタリック顔料であり、この場合、本発明の固溶体の高い色飽和度(colour saturation)(彩度(chroma))のおかげで特に魅力的な色合いを生み出すことができる。当業者は、所望の色彩及び効果を得るためにどのように顔料を混合物するべきかを理解している。
【0029】
顔料は、好ましくは0.01μm〜0.3μm、特に好ましくは0.02μm〜0.2μm、極めて特に好ましくは0.04μm〜0.1μmの平均粒度を有する。
【0030】
好ましくは、大部分のレオロジー改良剤は、顔料の表面上又は分散物中に分離して存在する。更に、予期しないことに、顔料のコアに封入されている不純物、例えばレオロジー改良剤、特にスルホン酸塩が、本発明の分散物の適用特性に悪影響を与え、本発明の分散物から調製されたフィルタが、非常に多くの場合、緑色を帯びすぎたり、多数の欠陥部位(ピンホール)を有することが見出されている。追加のレオロジー改良剤を加えなければ、これらの問題は相当程度緩和されないままである。したがって、好ましくは、顔料の総量に基づき、20重量%未満のレオロジー改良剤、又は2重量%未満のレオロジー改良剤をコアに封入する。
【0031】
したがって、多量のレオロジー改良剤又は構造的に類似した化合物を含有する銅フタロシアニンを含まない出発材料を使用することも好ましい。
【0032】
本発明の顔料分散物の光学的性質は、透明ガラス基板上の、顔料及びレオロジー改良剤を合計で53.9重量%含有する約0.4μm厚被膜に基づき容易に評価でき、そのスペクトルは少なくとも400〜700nm(380〜780nmのスペクトル範囲が最も適切である)で測定される。顔料固溶体のホストとしてのε銅フタロシアニンの場合、500nmにおける吸収の455nmにおける吸収との比率の結果は、
【0033】
【化3】
【0034】
少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.2、特に好ましくは少なくとも2.5である。一方、500nmにおける吸収の415nmにおける吸収との比率の結果は、
【0035】
【化4】
【0036】
少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.85、特に好ましくは少なくとも0.95である。この場合の被膜厚が乾燥被膜のために示されている。下記のパラメータ
【0037】
【化5】
【0038】
は、透過値よりもより効果的に本発明の分散物の潜在能力を特徴付けし、後者と異なり、試験パラメータから実質的に独立しているため、顔料とレオロジー改良剤を一緒にした合計濃度範囲約50〜60%において実質的に変化を示さない。顔料分散物から出発する被膜を調製する適切な方法はそれ自体既知である。注意深く処理すると、最適な透過帯の中央において約90%の透過率を達成することも可能である。
【0039】
本発明の分散物は、例えば、それ自体スクリーン又はディスプレーに使用され得るカラーフィルタを調製するために使用できる。
【0040】
本発明の分散物は、銅フタロシアニンとゲスト顔料を共存混練(conjoint kneading)して調製でき、上記に示した理由のため、レオロジー改良剤及び適切であれば分散剤を、混練の後まで加えないことが好ましい。賢明には、銅フタロシアニンは無定形であるべきではなく、また、例えば、WO−01/04215に従って混練の前に無定形にするべきでもなく、さもなければ彩色が損害を受ける。
【0041】
銅フタロシアニンが主にε結晶形である場合でも、他の形態を含むことができ、それは混練の間にε形に変換される。この場合、他の形態は多くとも、X線粉末図においてその信号が、約5〜10°2θ(CuKα)におけるε形の主要信号を超えないような量で賢明に存在するべきであり、一般的には40重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0042】
一方、混練にはあらゆるゲスト顔料が、好ましくは微細に分割された形態で使用され、特に好ましくはWO−01/04215に従って無定形にしたものである。
【0043】
もちろんこの方法も、ゲスト顔料が添加されない場合には、純粋な銅フタロシアニンの分散物のために適切である。しかしこの場合、ゲスト顔料の相安定化作用及び固溶体の形成がないため、生成物の結晶相を確実に予測することは不可能である。また、色強度は、出発材料よりも依然としてはるかに高いが、ゲストが存在する場合よりも著しく低い。
【0044】
したがって本発明は、本発明の顔料分散物の調製方法であって、
好ましくは主にそのε結晶形の非置換銅フタロシアニン、及び所望であれば、キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を、結晶性無機塩又は結晶性無機塩と有機液体の混合物と混練し、
窒素又は硫黄を含有する基によりコアが置換されている、キナクリドン、ジヒドロキナクリドン、キナクリドンキノン、1,1′−ジアントラキノニル、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソインドリノン、イソビオラントロン、フタロシアニン及び1,4−ジケトピロロ〔3,4c〕ピロール並びにこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択されるレオロジー改良剤を加えることを含む方法を提供する。
【0045】
好ましいレオロジー改良剤は、−CH2NR5R6の基1〜4個により置換され、好ましくは−CH2NR5R6の基2個により置換されているか、又は−CH2NR5R6の基の平均約2個により置換されている混合物である。
【0046】
所望であれば、加えて、中性な非イオン分散物を、顔料の総量に基づき、好ましくは5〜200重量%、特に好ましくは10〜80重量%、極めて特に好ましくは20〜50重量%で添加することも可能である。
【0047】
賢明には、結晶性無機塩は、20℃で≦100mg/lの程度、好ましくは20℃で≦10mg/lの程度まで有機液体に可溶性であり、特に好ましくは20℃で実質的に不溶性である。
【0048】
無機塩及び有機液体も、好ましくはそれぞれ水に少なくとも10g/100mlの程度で可溶性である。使用される無機塩は、好ましくは、結晶化に水を用いるか又は用いない、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム又は塩化ナトリウムであり、特に好ましくは硫酸ナトリウム、塩化カリウム又は塩化ナトリウムである。
【0049】
混練には、好ましくは5〜200μmの平均粒度を有する塩、特に好ましくは10〜50μmの平均粒度を有する塩を使用することが好ましい。
【0050】
特に好ましくは、オキソ基1又は2個により置換され、1個以上のヒドロキシル基がC1−C8アルキルカルボニルでエステル化若しくはC1−C8アルキルでエーテル化され得る、ケトン、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド、ニトロ化合物、又はモノ−、ビス−若しくはトリスヒドロキシ−C2−C12アルカン化合物、或いはこれらの混合物を有機液体として使用することである。代わりとして、アルコール類又はグリコール類を使用することも可能である。特に好ましくは、ケトン、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド又はニトロ化合物は、脂肪族若しくは脂環式化合物を含む。
【0051】
慣用的な少量の酸性又は塩基性不純物は妨害的ではないが、好ましくは、有機液体はそれ自体中性である。中性有機液体の例示としては、本発明をいかようにも制限するものではないが、トリアセチン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、酢酸ブチル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド及びスルホナートである。ジアセトンアルコールが極めて特に好ましい。
【0052】
好ましくは、混練の間の温度は、10〜60℃である。回転速さは、適切なときに冷却することを考慮して、混練塊を均一剪断下で均質的に移動させ、温度が本発明の温度の範囲を超えないように設定されるべきである。局部過熱又は過剰機械的応力の事例は可能な限り避けるべきである。例えば、回転速さ50〜150rpm及び混練時間6〜24時間で容量5lのニーダーにより優れた結果が得られるが、これらの数字によりいかようにも制限されるものではなく、例えば大型の装置により回転速さを低くすることが可能である。
【0053】
混練した後、無機塩及び有機液体を、水、特に脱イオン水を用いて洗い流すことが好ましい。乾燥は、好ましくは−20℃〜250℃/10−1から105Pa、特に好ましくは25〜100℃/102から105Pa、又は100〜200℃/104から105Pa、特に極めて好ましくは約80℃/104Paで実施される。
【0054】
混練の間、有機液体の無機塩との比率は、好ましくは1ml:6g〜3ml:7gであり、有機液体の無機塩及び全顔料の総重量との比率が1ml:2.5g〜1ml:7.5gである。
【0055】
特定の不純物が、結晶相転移を引き起こすことが知られている。その量及び素性により、不純物は、分析による検出が困難であることもある。したがって非置換銅フタロシアニンを純粋な形態(例えば、α、β、又は好ましくはε)で使用すること、又は上記に示したように被膜に基づき得られる分散物の彩色を検査することのいずれかが望ましい。主にε形の銅フタロシアニンから出発する場合、通常、存在する他のどのような形態の銅フタロシアニンもε形に変換されることが見出される。
【0056】
したがって本発明は、また、結晶性無機塩又は結晶性無機塩と有機液体の混合物と混練して銅フタロシアニンをそのε形に変換する方法であって、銅フタロシアニンが、ε形が主である異なる結晶形の混合物を含有する方法を提供する。
【0057】
更に、X線粉末図において、通常、主に銅フタロシアニン結晶形に属する信号以外の全ての信号が消滅する。特に有利には、特に高い堅牢度、とりわけ顕著な光堅牢性が注目に値する、銅フタロシアニン格子の単一相固溶体が得られる。
【0058】
好ましくは、レオロジー改良剤を、所望の粒度が達成される後まで添加せず、特に好ましくは混練の後まで添加しない。中性非イオン分散物を加える場合も、好ましくは、所望の粒度が達成される後まで添加せず、特に好ましくは混練の後まで添加しない
【0059】
本発明の分散物は、更に、慣用の溶媒を慣用の量で含んでよい。
【0060】
銅フタロシアニンを含む固溶体は新規である。これらは、分散性、レオロジー、熱安定性、移行堅牢性、光堅牢性及び耐候性のような良好な適用特性、また、色強度及び色飽和度を有する顔料として使用できる。これらの固溶体の適用には、カラーフィルタ、電子写真、自動塗装システム、及び全種類のポリマー繊維が挙げられるが、これらには限定されない。
【0061】
従って本発明は、更に、実質的に銅フタロシアニン、並びにキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料及びこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択される更なる着色剤の1種以上を含む固溶体を提供する。2種以上の更なる着色剤が存在する場合、その数は任意であり、例えば、2〜100、好ましくは2〜8、特に好ましくは2〜3である。
【0062】
好ましくは、ホストとして非置換α、β又はε銅フタロシアニンの結晶格子における単一相固溶体であり、ゲストとしてキナクリドン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を含むものが好ましい。
【0063】
全ての場合において、更なる着色剤の量は、銅フタロシアニンの量に基づき、特に0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%、とりわけは約3〜5重量%である。
【0064】
特に、ホストとしてε銅フタロシアニン、ゲストとしてインダントロン顔料又はジオキサジン顔料を用いて優れた結果が得られる。
【0065】
本発明の固溶体又は分散物は、一塊、例えば、マスターバッチとして顔料高分子量有機材料に使用しても良いことは当然である。
【0066】
本発明に従って着色される高分子量有機材料は、天然又は合成由来であってよく、通常、103〜108g/molの範囲の分子量を有する。前記材料は、例えば、ゴム又はカゼインのような天然樹脂又は乾性油、塩素化ゴム、油改質アルキド樹脂、ビスコースのような改質天然物質、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセトブチラート又はニトロセルロースのようなセルロースエーテル類若しくはエステル類、特に付加重合、重縮合又は重付加により得られる完全合成有機ポリマー(熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両方)、例としてはポリエチレン、ポリプロピレン又はポリイソブチレンのようなポリオレフィン類、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、又はアクリラート及び/若しくはメタクリラート又はブタジエンのポリマーのような置換ポリオレフィン類、及び上記のモノマーのコポリマー、特にABS又はEVAを含んで良い。
【0067】
一連の重付加樹脂及び重縮合樹脂のうち、ホルムアルデヒドとフェノール類との縮合物(フェノール樹脂として既知)、ホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素、及びメラミンとの縮合物(アミノ樹脂として既知)、塗料樹脂として使用されるポリエステル類、アルキド樹脂のような飽和樹脂とマレイン酸樹脂のような不飽和樹脂の両方、また、直鎖状ポリエステル類及びポリアミド類又はシリコーン類を挙げることができる。
【0068】
記載の高分子量化合物は、別個に又はプラスチック塊若しくは溶融体として混合物で存在でき、所望であれば、繊維に紡糸され得る。
【0069】
それらは、また、アマニ油ワニス、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂又はアクリル樹脂のような、モノマーの形態で、又は塗布材料若しくはプリントインク用のフィルム形成体又は結合剤として溶解形態の重合状態で存在してよい。
【0070】
本発明の顔料固溶体による高分子量有機物質の顔料着色は、例えば、そのような顔料を、所望であれば、マスターバッチ又は分散物の形態で、ロールミル、ミキサー又は磨砕装置を使用してこれらの基板に混合することにより実施される。一般的に、その後着色材料は、カレンダー、圧縮成形、押出、塗布、注入成形又は射出成形のようなそれ自体既知の技術により所望の最終形態になる。軟質成形品を製造するか、又は脆性を減少させるために、多くの場合、いわゆる可塑剤を高分子量化合物にその造形の前に混和することが望ましい。使用され得るそのような可塑剤の例としては、リン酸、フタル酸又はセバシン酸のエステル類である。本発明の方法において、可塑剤を顔料着色剤の混和の前又は後でポリマーに混和してよい。更なる可能性は、異なる色相を得るため、充填剤及び/又は白色、彩色又は黒色顔料、また、図柄顔料のような他の着色成分を、顔料組成物の他に、特定の望ましい量で高分子量有機材料に加えることである。
【0071】
塗布材料及びプリントインクを着色するには、高分子量有機材料及び本発明の顔料固溶体を、単独で、又は充填剤、他の顔料、乾燥剤又は可塑剤のような添加剤と一緒に、一般的には、有機及び/若しくは水性溶媒又は溶媒混合物に微細分散又は溶解する。ここで一つの可能な方法は、個別の成分を単独で、さもなければ2種以上を一緒に分散又は溶解し、その次にようやく全成分を合わせることである。
【0072】
したがって、本発明の更なる実施態様は、更に、
(a)(a)と(b)の合計に基づき、本発明の固溶体0.05〜70重量%及び
(b)(a)と(b)の合計に基づき、高分子量有機材料99.95〜30重量%を含む、練り込み着色された高分子量有機材料を提供する。
【0073】
前記材料は、既製組成物、又はそれから製造される物品のいずれか、また、例えば顆粒の形態のマスターバッチを含むことができる。所望であれば、本発明に従って着色された高分子量有機材料は、慣用の添加剤、例えば安定剤を更に含んでよい。
【0074】
したがって更なる実施態様は、高分子量有機材料を全体として着色する方法であって、例えば、高分子量有機材料を本発明の顔料組成物と、場合によりマスターバッチの形態でそれ自体既知の方法により混合し、この混合物を処理することによって、本発明の固溶体又は顔料分散物を混和することを含む方法を更に提供する。この顔料着色は、特に高い色飽和度(彩度)及び良好な耐久性と組み合わされた顕著な透明性により注目に値する。
【0075】
【実施例】
下記の実施例は本発明をその範囲を制限することなく、詳細に説明する(特記のない限り、“%”は常に重量%と関連する)。
【0076】
実施例1:容量1lの実験室ニーダーに、Fastogen(登録商標)Blue EP 7 (Pigment Blue 15:6, DIC)58.2g、WO−01/04215に従って無定形にしたカルバゾールバイオレット(Pigment Violet 23)1.8g、塩化ナトリウム240g及びジアセトンアルコール70mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。塊の温度が30℃を超えないように、ニーダーの壁を20℃に冷却した。7時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。X線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0077】
実施例2:カルバゾールバイオレット2.4gを使用したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する溶液を得た。
【0078】
実施例3:カルバゾールバイオレットの代わりにCromophtal(登録商標)Blue A3R (Pigment Blue 60, Ciba Spezialitaetenchemie AG)を使用することを除いて、実施例2の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0079】
実施例4:容量1lの実験室ニーダーに、Heliogen(登録商標)Blue D6700−T (Colour Index Pigment Blue 15:6, BASF)44.0g、WO−01/04215に従って無定形にしたカルバゾールバイオレット(Colour Index Pigment Violet 23)1.36g、Solsperse(登録商標)5000 (青色銅フタロシアニン誘導体、Avecia)4.40g、塩化ナトリウム240g及びジアセトンアルコール70mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。塊の温度が40℃を超えないように、ニーダーの壁を25℃に冷却した。8時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0080】
実施例5:Fastogen(登録商標)Blue EP 7の代わりにHeliogen(登録商標)Blue D6700−T (Colour Index Pigment Blue 15:6, BASF)を使用することを除いて、実施例1の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0081】
実施例6:カルバゾールバイオレットの代わりにCinquasia(登録商標)Violet R NRT−201−D (Colour Index Pigment Violet 19, Ciba specialty Chemicals Inc.)を使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0082】
実施例7:Fastogen(登録商標)Blue EP 7 60.0gを使用し、カルバゾールバイオレットを使用しないことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する微細顔料を得た。
【0083】
実施例8:WO−01/04215に従って無定形にしたHeliogen(登録商標)Blue D6700−Tを使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0084】
実施例9:容量1lの実験室ニーダーに、Heliogen(登録商標)Blue K6902 (Pigment Blue 15:1 / BASF; α結晶形)45.0g、微細結晶質カルバゾールバイオレット(Pigment Violet 23)5.0g、塩化ナトリウム200g及びジアセトンアルコール60mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。ニーダーの壁を40℃に冷却した。8時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。生成物は、塗布材料、例えば、二色性又はメタリック光沢自動車仕上塗装(アルミニウムフレーク及び/又は雲母粒子を含有し、好ましくは2〜3塗層)において極めて魅力的な色彩特性及び良好な堅牢度を有した。
【0085】
実施例10:容量1lの実験室ニーダーに、Heliogen(登録商標)Blue S7084 (Pigment Blue 15:3 / BASF;β結晶形)45.0g、微細結晶質カルバゾールバイオレット(Pigment Violet 23)5.0g、塩化ナトリウム200g及びジアセトンアルコール60mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。ニーダーの壁を40℃に冷却した。8時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。生成物は、塗布材料、例えば、二色性又はメタリック光沢自動車仕上塗装において極めて魅力的な色彩特性及び良好な堅牢度を有した。
【0086】
実施例11:ジルコンセラミックビーズ83.3g、実施例1の生成物2.8g、Solsperse(登録商標)5000 0.28g、Disperbyk(登録商標)161 (分散物/BYK Chemie:1:6n−酢酸ブチル/1−メトキシ−2−酢酸プロピル中の顔料親和性基を有する高分子量ブロックコポリマー30%溶液)4.10g及びプロピレングリコールモノメチル酢酸エーテル(MPA, CAS 登録番号 108−65−6)14.62gを含有する100mlガラス容器中で、これらの成分を23℃で、Dispermatを用いて100rpmで10分間、3000rpmで180分間撹拌した。アクリルポリマー結合剤(MPA中35%溶液)4.01gを室温で加えた後、撹拌を3000rpmで30分間続けた。ビーズを分離した後、分散物を等量のMPAで希釈した。ガラス基板(Corning Type 1737−F)をこの分散物でスピンコート装置により塗布し、1000rpmで30秒間スピンした。この被膜の乾燥を、ホットプレートにより100℃で2分間、200℃で5分間実施した。達成した被膜厚は0.4μmであった。図1は、このカラーフィルタの最大約455nmにおける透過スペクトルを示す。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.154/y=0.177/Y=26.98%であった。
【0087】
実施例12〜15:実施例1の生成物の代わりにそれぞれ実施例2〜5の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。
【0088】
実施例16:実施例1の生成物の代わりにそれぞれ実施例6の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。
【0089】
実施例17〜18:実施例1の生成物の代わりにそれぞれ実施例7及び8の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。
【0090】
実施例19:実施例1の生成物の代わりに実施例8の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.154/y=0.181/Y=26.11%であった。
【0091】
実施例20:実施例1の生成物の代わりに実施例9の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.152/y=0.201/Y=30.73%であった。
【0092】
実施例21:実施例5の生成物9gを、1MのHCl溶液10mlと共に水90mlに分散させた。ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニン1gを加え、1時間撹拌した。次に混合物を1NのNaOH溶液をゆっくりと加えて中和し、1時間再び撹拌した。その後、混合物を濾過し、洗浄し、真空下、80〜90℃/3・103Paで15時間乾燥させた。
【0093】
実施例22:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニンの代わりにビスフタルイミドメチル銅フタロシアニン1gを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0094】
実施例23:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニンの代わりにモノジエチルアミノプロピルスルホンアミド銅フタロシアニン1gを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0095】
実施例24:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニン0.5g、加えてUS−5,334,727の実施例2に従って得られた生成物0.5gのみを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0096】
実施例25:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニン0.5g、加えてEP−A−1,026,207の実施例23に従って得られた生成物0.5gのみを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0097】
実施例26:実施例21の生成物3.08gを使用し、Solsperse(登録商標)5000を使用しないことを除いて、実施例11の手順を繰り返した。達成された被膜厚は全て0.4μm未満であった。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.153/y=0.177/Y=26.44%であった。
【0098】
実施例27〜28:実施例21の生成物の代わりに実施例22から25の生成物を使用することを除いて、実施例26の手順を繰り返した。達成された被膜厚は全て0.4μm未満であった。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、それぞれ、
x=0.154/y=0.179/Y=27.05%(実施例27)
x=0.156/y=0.183/Y=27.27%(実施例28)
x=0.156/y=0.176/Y=26.43%(実施例29)
x=0.155/y=0.179/Y=26.91%(実施例30)
であった。
【0099】
実施例31:実施例11、16及び26の被膜を表面のユニット当たりのピンホールの数で比較した。実施例16の被膜は、実施例11よりもピンホールが少なかったが、実施例26の被膜には実質的にピンホールがなかった。
【0100】
実施例32:Fastogen(登録商標)Blue EP 7 (Pigment Blue 15:6, DIC)及びHeliogen(登録商標)Blue D6700−T (Colour Index Pigment Blue 15:6, BASF)中の不純物を、Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation − Time Of Fly (MALDI−TOF)により相対的に測定した。
【0101】
実施例33:Heliogen(登録商標)Blue D6700−T 60.0gを使用し、カルバゾールバイオレットを使用しないことを除いて、実施例5の手順を繰り返した。生成物の電気抵抗率は、実施例5よりも約5%低かった。塗料の色強度は実施例5の生成物の92%であった。
【0102】
実施例34:Heliogen(登録商標)Blue D6700−T 57.0g及びカルバゾールバイオレット3.00gを使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。塗料の色強度は実施例5の生成物の101%であった。
【0103】
実施例35:Heliogen(登録商標)Blue D6700−T 54.0g及びカルバゾールバイオレット6.00gを使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。塗料の色強度は実施例5の生成物の116%であった。
【0104】
実施例36:実施例33の生成物を白色を減退させた通常のポリエステル/セルロールアセトブチラート塗料に、TiO2顔料と共に重量比10:90で混和した。実施例5の出発材料から調製した被膜と比較して、色相はほぼ同じであったが、彩度は高かった(CIE−L*C*h:ΔH*=−0.4,ΔC*=+2.0)。
【0105】
実施例37:実施例5の生成物の代わりに実施例34の生成物を使用することを除いて、実施例36の手順を繰り返した。実施例36の被膜と比較して、色相ははるかにより赤く、彩度も予想外に同様に高かった(ΔH*=+5.4,ΔC*=+0.0)。色の純度は、特に非常に魅力的な自動車の色彩を設計するために極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の透明分散物によるカラーフィルタの最大約455nmにおける透過スペクトルである。
本発明は、ホストとして銅フタロシアニン(Pigment Blue 15; C.I. 74160)、ゲストとして他のブルーからバイオレットの顔料を含む顔料固溶体に関する。好ましいホストは、銅フタロシアニンのα(Pigment Blue 15:1)、β(Pigment Blue 15:3)及びε(Pigment Blue 15:6)結晶形、特にε結晶形である。単一相固溶体が好ましい。
【0002】
本発明は、更に、顔料粒子としてこれらの固溶体及びレオロジー改良剤として顔料誘導体を含む分散物にも関する。ε結晶格子の固溶体の好ましい分散物は、特に、存在するカラーフィルタと比較して、445±10nmにおいて改良された透過帯を有する液晶ディスプレー(LCD)用カラーフィルタの調製に使用できる。
【0003】
透過帯の正確な位置及び絶対値は、カラーフィルタの最も重要なパラメータである。異なる着色光に対する可能な限り高い吸収性と合わせて、光の放射付近の波長範囲において高い透過性が望まれている。通常、三色使用は、1個の青色、1個の赤色及び1個の緑色フィルタを使用して達成される。これらのフィルタは透明性、均質性が高くなければならず、極めて均一の層厚で調製できなければならない。
【0004】
多くの青色フィルタが既知であり、市販されているものもある。それらのうちの幾つかは、ε銅フタロシアニン(C.I. Pigment Blue 15:6)及びカルバゾールバイオレット(C.I. Pigment Violet 23)を含む。しかし、これらのフィルタは、現代の必要条件を完全に満たすことができないことが見出された。したがって本発明の目的は青色フィルタを改良することである。
【0005】
銅フタロシアニン(粗又はα相)は、例えばUS−2,556,728では、溶媒と共に塩磨砕する、EP−0 803 545では、乾式磨砕、続いて溶媒処理する、EP−0 808 878では、固体結合剤と共に不活性雰囲気下で乾式磨砕する、WO−99/54410では乾式又は水性磨砕、続いてコンディショニングすることによりそのβ結晶形に容易に変換されることが繰り返し記載されてきた。
【0006】
一方、GB−1,411,880及びJP−A−04/252 273には、まず最初にα銅フタロシアニンをαとε銅フタロシアニンの混合物にボールミル中で変換し、次に穏やかに上昇させた温度で溶媒により処理して純粋なε銅フタロシアニンに変換することが記載されている。しかしこの結果は、極めて再現性が困難である。
【0007】
US−4,135,944には、β又はε銅フタロシアニンの形成が、剪断力、溶媒及び温度のみならず、ε結晶相の形成を決定する適切なフタロシアニン誘導体にも依存することが説明されている。
【0008】
また、JP−A−48/76 925によると、結晶相の決定要因であることをそれ自体明確に示しているものは、塩素化銅フタロシアニンであり、純粋なα銅フタロシアニンと一緒に処理されて、そのX線回析パターンがε銅フタロシアニンと極めて類似している混合物が得られる。
【0009】
JP−A−09/95 638及びJP−A−08/44 056には、αとε銅フタロシアニンの物理的混合物及びα銅フタロシアニンとジオキサジンバイオレットのそれぞれの物理的混合物の青色カラーフィルタにおける使用が記載されている。
【0010】
JP−A−61/266 471には、α銅フタロシアニンの塩混練が、芳香族イソシアナートと脂肪族アミンとの無色な反応生成物の存在下又は不在下で実施されるかどうかに応じて、R又はβ形になることが開示されている。
【0011】
JP−A−07/198 925には、ε銅フタロシアニンの10%液体分散物、SiO2粒子(“無定形フュームドシリカ”)及びN−メチルピロリジン中のジオキサジンバイオレットが記載されている。しかし固溶体の形成はなく、対照的に、実施例1によると分散物のX線粉末図には、ε銅フタロシアニンとジオキサジンバイオレットの特性信号が個別に互いに並列して明確に含まれている。
【0012】
また、本発明は、優先日において依然として未公開の出願WO−01/04215、WO−01/09252及びJP−A−2000/281924と幾つかの重要な点において異なる。予期しないことに、塩磨砕の過程における銅フタロシアニンの望まれない相転移を、選択された種類の顔料を加えることにより防止することができる。更に予期しないことに、改良された色彩特性を示す固溶体が得られる。
【0013】
本発明は、銅フタロシアニンの全ての既知の結晶形、例えば、α、β、γ、δ、ε、ρ、π、X又はR結晶形を慎重に使用できる。α、βが好ましく、特にε結晶形が好ましく、それにより改良された青色カラーフィルタを調製する下記に記載の新規分散物が得られる。
【0014】
本発明は、顔料、レオロジー改良剤及び高分子量有機材料(a high molecular mass organic material)を含む顔料分散物であって、
顔料が、そのホストが非置換銅フタロシアニンであり、そのゲストがキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料である固溶体であり;
レオロジー改良剤が、窒素又は硫黄を含有する基によりコアが置換されている、キナクリドン、ジヒドロキナクリドン、キナクリドンキノン、1,1′−ジアントラキノニル、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソインドリノン、イソビオラントロン、フタロシアニン及び1,4−ジケトピロロ〔3,4c〕ピロール並びにこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択される顔料分散物を提供する。
【0015】
好ましくは、非置換銅フタロシアニンホストが、そのα、β又はε結晶形、特に好ましくはそのε結晶形で存在する。
【0016】
これらのゲスト顔料は、例えばハンドブック”Industrial Organic Pigments” (W. Herbst & K. Hunger, VCH Weinheim 1993, ISBN 3−527−28161−4)により当業者に既知である。慎重には、ゲスト顔料の量は、銅フタロシアニンの量に基づき、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは10重量%まで、特別には5重量%まで、とりわけ約1〜約3重量%である。意図される使用に応じて、大量のゲスト顔料が、特に塗料の使用目的に選択されることも可能である。適切なモル比で固溶体の代わりに混晶を形成することができ、これらの結晶は、特例としてではなく、固溶体として本発明の文脈で同様に解釈される。好ましいゲストはキナクリドン、ジオキサジン及びインダントロン顔料である。
【0017】
本発明の固溶体の電子鏡検法は、全ての結晶が狭い粒度分布という同様の側面を持つことを示している。したがって、実質的にゲストの総量がホストと同じ粒子で存在し、ホストとゲストが一緒になって固溶体を形成することが理解される。X線粉末図も独自の結晶相を示す。
【0018】
前面には、コアが−SO3H、−SO2NR5R6、−SO2−C1−C10アルキレン−NR5R6であるか、又は特に−SO3 −M+(ここで、M+は、+NR1R2R3R4又はアルカリ金属陽イオン若しくは半分のアルカリ土類金属陽イオンであり、そしてR1〜R6は、互いに独立して、水素、C1−C30アルキル、C5−C24シクロアルキル、C2−C30アルケニル、C7−C30アリールアルキル、C6−C18アリール、〔C2−C5アルキレン−O〕1−10H、〔C2−C5アルキレン−O〕1−10C1−C5アルキル、〔C2−C5アルキレン−NH〕1−10H、又は〔C2−C5アルキレン−NH〕1−10C1−C5アルキルである)の基1〜4個により置換されている、レオロジー改良剤がある。+NR1R2R3R4を含有する化合物は、例えば、商標(登録商標)Arquad (Akzo B.V.)として既知である。
【0019】
スルホン化誘導体の代わりに、他の誘導体、例えば、顔料をホルムアルデヒド及び第二級アミンと反応させて(マニッヒ反応)得られるものを使用して、例えば、−CH2NR5R6、下記式:
【0020】
【化2】
【0021】
で示される基1〜4個により置換されているコアを得ることも可能である。
【0022】
例えば、骨格が−NHSO2R5、−N(C1−C5アルキル)SO2R5、−NHSO2−C1−C10アルキレン−NR5R6、−N(C1−C5アルキル)−C1−C10アルキレン−SO2NR5R6、−NHCOR5、−N(C1−C5アルキル)COR5、−NHCO−C1−C10アルキレン−NR5R6又は−N(C1−C5アルキル)−C1−C10アルキレン−CONR5R6により置換されているような更なる既知のレオロジー改良剤も使用してよい。同じコアに異なる置換基を有するような既知のレオロジー改良剤も使用してよい。
【0023】
一般的に、レオロジー改良剤の量は、顔料の総量に基づき、2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、特に好ましくは6〜12重量%である。本発明のレオロジー改良剤は、既知の物質であるか、又は既知の方法により調製できる。相乗剤と称されることもある。
【0024】
一つの好ましい実施態様において、本発明の分散物は、中性な非イオン分散物を、顔料の総量に基づき、好ましくは5〜200重量%、特に好ましくは10〜80重量%、極めて特に好ましくは20〜50重量%で更に含む。
【0025】
中性な非イオン分散物は、当業者に周知である。該当の分散物は、例えば、ポリグリコール又はその誘導体を含んで良い。
【0026】
カラーフィルタの作成に特に適切な高分子量有機材料は、当業者に既知である。例えば、これらはポリマーを含むことができる。実質的に無色の高分子量有機材料が好ましく、その例は下記に記載されている。
【0027】
賢明には、高分子量有機材料の量は、顔料の総量に基づき、10〜400重量%、好ましくは30〜200重量%、特に好ましくは40〜100重量%である。
【0028】
その上、本発明の固溶体とは別に、キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料も同様に本発明の青色分散物の成分であり得る。 本発明の分散物がカラーフィルタ以外の目的に使用され、青色がもはや必須でない場合には、任意の望まれる他の顔料を混合することも可能であり、例としては、彩色、白色、黒色、光沢又は二色性有機、無機若しくはメタリック顔料であり、この場合、本発明の固溶体の高い色飽和度(colour saturation)(彩度(chroma))のおかげで特に魅力的な色合いを生み出すことができる。当業者は、所望の色彩及び効果を得るためにどのように顔料を混合物するべきかを理解している。
【0029】
顔料は、好ましくは0.01μm〜0.3μm、特に好ましくは0.02μm〜0.2μm、極めて特に好ましくは0.04μm〜0.1μmの平均粒度を有する。
【0030】
好ましくは、大部分のレオロジー改良剤は、顔料の表面上又は分散物中に分離して存在する。更に、予期しないことに、顔料のコアに封入されている不純物、例えばレオロジー改良剤、特にスルホン酸塩が、本発明の分散物の適用特性に悪影響を与え、本発明の分散物から調製されたフィルタが、非常に多くの場合、緑色を帯びすぎたり、多数の欠陥部位(ピンホール)を有することが見出されている。追加のレオロジー改良剤を加えなければ、これらの問題は相当程度緩和されないままである。したがって、好ましくは、顔料の総量に基づき、20重量%未満のレオロジー改良剤、又は2重量%未満のレオロジー改良剤をコアに封入する。
【0031】
したがって、多量のレオロジー改良剤又は構造的に類似した化合物を含有する銅フタロシアニンを含まない出発材料を使用することも好ましい。
【0032】
本発明の顔料分散物の光学的性質は、透明ガラス基板上の、顔料及びレオロジー改良剤を合計で53.9重量%含有する約0.4μm厚被膜に基づき容易に評価でき、そのスペクトルは少なくとも400〜700nm(380〜780nmのスペクトル範囲が最も適切である)で測定される。顔料固溶体のホストとしてのε銅フタロシアニンの場合、500nmにおける吸収の455nmにおける吸収との比率の結果は、
【0033】
【化3】
【0034】
少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.2、特に好ましくは少なくとも2.5である。一方、500nmにおける吸収の415nmにおける吸収との比率の結果は、
【0035】
【化4】
【0036】
少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.85、特に好ましくは少なくとも0.95である。この場合の被膜厚が乾燥被膜のために示されている。下記のパラメータ
【0037】
【化5】
【0038】
は、透過値よりもより効果的に本発明の分散物の潜在能力を特徴付けし、後者と異なり、試験パラメータから実質的に独立しているため、顔料とレオロジー改良剤を一緒にした合計濃度範囲約50〜60%において実質的に変化を示さない。顔料分散物から出発する被膜を調製する適切な方法はそれ自体既知である。注意深く処理すると、最適な透過帯の中央において約90%の透過率を達成することも可能である。
【0039】
本発明の分散物は、例えば、それ自体スクリーン又はディスプレーに使用され得るカラーフィルタを調製するために使用できる。
【0040】
本発明の分散物は、銅フタロシアニンとゲスト顔料を共存混練(conjoint kneading)して調製でき、上記に示した理由のため、レオロジー改良剤及び適切であれば分散剤を、混練の後まで加えないことが好ましい。賢明には、銅フタロシアニンは無定形であるべきではなく、また、例えば、WO−01/04215に従って混練の前に無定形にするべきでもなく、さもなければ彩色が損害を受ける。
【0041】
銅フタロシアニンが主にε結晶形である場合でも、他の形態を含むことができ、それは混練の間にε形に変換される。この場合、他の形態は多くとも、X線粉末図においてその信号が、約5〜10°2θ(CuKα)におけるε形の主要信号を超えないような量で賢明に存在するべきであり、一般的には40重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0042】
一方、混練にはあらゆるゲスト顔料が、好ましくは微細に分割された形態で使用され、特に好ましくはWO−01/04215に従って無定形にしたものである。
【0043】
もちろんこの方法も、ゲスト顔料が添加されない場合には、純粋な銅フタロシアニンの分散物のために適切である。しかしこの場合、ゲスト顔料の相安定化作用及び固溶体の形成がないため、生成物の結晶相を確実に予測することは不可能である。また、色強度は、出発材料よりも依然としてはるかに高いが、ゲストが存在する場合よりも著しく低い。
【0044】
したがって本発明は、本発明の顔料分散物の調製方法であって、
好ましくは主にそのε結晶形の非置換銅フタロシアニン、及び所望であれば、キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を、結晶性無機塩又は結晶性無機塩と有機液体の混合物と混練し、
窒素又は硫黄を含有する基によりコアが置換されている、キナクリドン、ジヒドロキナクリドン、キナクリドンキノン、1,1′−ジアントラキノニル、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソインドリノン、イソビオラントロン、フタロシアニン及び1,4−ジケトピロロ〔3,4c〕ピロール並びにこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択されるレオロジー改良剤を加えることを含む方法を提供する。
【0045】
好ましいレオロジー改良剤は、−CH2NR5R6の基1〜4個により置換され、好ましくは−CH2NR5R6の基2個により置換されているか、又は−CH2NR5R6の基の平均約2個により置換されている混合物である。
【0046】
所望であれば、加えて、中性な非イオン分散物を、顔料の総量に基づき、好ましくは5〜200重量%、特に好ましくは10〜80重量%、極めて特に好ましくは20〜50重量%で添加することも可能である。
【0047】
賢明には、結晶性無機塩は、20℃で≦100mg/lの程度、好ましくは20℃で≦10mg/lの程度まで有機液体に可溶性であり、特に好ましくは20℃で実質的に不溶性である。
【0048】
無機塩及び有機液体も、好ましくはそれぞれ水に少なくとも10g/100mlの程度で可溶性である。使用される無機塩は、好ましくは、結晶化に水を用いるか又は用いない、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム又は塩化ナトリウムであり、特に好ましくは硫酸ナトリウム、塩化カリウム又は塩化ナトリウムである。
【0049】
混練には、好ましくは5〜200μmの平均粒度を有する塩、特に好ましくは10〜50μmの平均粒度を有する塩を使用することが好ましい。
【0050】
特に好ましくは、オキソ基1又は2個により置換され、1個以上のヒドロキシル基がC1−C8アルキルカルボニルでエステル化若しくはC1−C8アルキルでエーテル化され得る、ケトン、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド、ニトロ化合物、又はモノ−、ビス−若しくはトリスヒドロキシ−C2−C12アルカン化合物、或いはこれらの混合物を有機液体として使用することである。代わりとして、アルコール類又はグリコール類を使用することも可能である。特に好ましくは、ケトン、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド又はニトロ化合物は、脂肪族若しくは脂環式化合物を含む。
【0051】
慣用的な少量の酸性又は塩基性不純物は妨害的ではないが、好ましくは、有機液体はそれ自体中性である。中性有機液体の例示としては、本発明をいかようにも制限するものではないが、トリアセチン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、酢酸ブチル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド及びスルホナートである。ジアセトンアルコールが極めて特に好ましい。
【0052】
好ましくは、混練の間の温度は、10〜60℃である。回転速さは、適切なときに冷却することを考慮して、混練塊を均一剪断下で均質的に移動させ、温度が本発明の温度の範囲を超えないように設定されるべきである。局部過熱又は過剰機械的応力の事例は可能な限り避けるべきである。例えば、回転速さ50〜150rpm及び混練時間6〜24時間で容量5lのニーダーにより優れた結果が得られるが、これらの数字によりいかようにも制限されるものではなく、例えば大型の装置により回転速さを低くすることが可能である。
【0053】
混練した後、無機塩及び有機液体を、水、特に脱イオン水を用いて洗い流すことが好ましい。乾燥は、好ましくは−20℃〜250℃/10−1から105Pa、特に好ましくは25〜100℃/102から105Pa、又は100〜200℃/104から105Pa、特に極めて好ましくは約80℃/104Paで実施される。
【0054】
混練の間、有機液体の無機塩との比率は、好ましくは1ml:6g〜3ml:7gであり、有機液体の無機塩及び全顔料の総重量との比率が1ml:2.5g〜1ml:7.5gである。
【0055】
特定の不純物が、結晶相転移を引き起こすことが知られている。その量及び素性により、不純物は、分析による検出が困難であることもある。したがって非置換銅フタロシアニンを純粋な形態(例えば、α、β、又は好ましくはε)で使用すること、又は上記に示したように被膜に基づき得られる分散物の彩色を検査することのいずれかが望ましい。主にε形の銅フタロシアニンから出発する場合、通常、存在する他のどのような形態の銅フタロシアニンもε形に変換されることが見出される。
【0056】
したがって本発明は、また、結晶性無機塩又は結晶性無機塩と有機液体の混合物と混練して銅フタロシアニンをそのε形に変換する方法であって、銅フタロシアニンが、ε形が主である異なる結晶形の混合物を含有する方法を提供する。
【0057】
更に、X線粉末図において、通常、主に銅フタロシアニン結晶形に属する信号以外の全ての信号が消滅する。特に有利には、特に高い堅牢度、とりわけ顕著な光堅牢性が注目に値する、銅フタロシアニン格子の単一相固溶体が得られる。
【0058】
好ましくは、レオロジー改良剤を、所望の粒度が達成される後まで添加せず、特に好ましくは混練の後まで添加しない。中性非イオン分散物を加える場合も、好ましくは、所望の粒度が達成される後まで添加せず、特に好ましくは混練の後まで添加しない
【0059】
本発明の分散物は、更に、慣用の溶媒を慣用の量で含んでよい。
【0060】
銅フタロシアニンを含む固溶体は新規である。これらは、分散性、レオロジー、熱安定性、移行堅牢性、光堅牢性及び耐候性のような良好な適用特性、また、色強度及び色飽和度を有する顔料として使用できる。これらの固溶体の適用には、カラーフィルタ、電子写真、自動塗装システム、及び全種類のポリマー繊維が挙げられるが、これらには限定されない。
【0061】
従って本発明は、更に、実質的に銅フタロシアニン、並びにキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料及びこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択される更なる着色剤の1種以上を含む固溶体を提供する。2種以上の更なる着色剤が存在する場合、その数は任意であり、例えば、2〜100、好ましくは2〜8、特に好ましくは2〜3である。
【0062】
好ましくは、ホストとして非置換α、β又はε銅フタロシアニンの結晶格子における単一相固溶体であり、ゲストとしてキナクリドン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を含むものが好ましい。
【0063】
全ての場合において、更なる着色剤の量は、銅フタロシアニンの量に基づき、特に0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%、とりわけは約3〜5重量%である。
【0064】
特に、ホストとしてε銅フタロシアニン、ゲストとしてインダントロン顔料又はジオキサジン顔料を用いて優れた結果が得られる。
【0065】
本発明の固溶体又は分散物は、一塊、例えば、マスターバッチとして顔料高分子量有機材料に使用しても良いことは当然である。
【0066】
本発明に従って着色される高分子量有機材料は、天然又は合成由来であってよく、通常、103〜108g/molの範囲の分子量を有する。前記材料は、例えば、ゴム又はカゼインのような天然樹脂又は乾性油、塩素化ゴム、油改質アルキド樹脂、ビスコースのような改質天然物質、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセトブチラート又はニトロセルロースのようなセルロースエーテル類若しくはエステル類、特に付加重合、重縮合又は重付加により得られる完全合成有機ポリマー(熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両方)、例としてはポリエチレン、ポリプロピレン又はポリイソブチレンのようなポリオレフィン類、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、又はアクリラート及び/若しくはメタクリラート又はブタジエンのポリマーのような置換ポリオレフィン類、及び上記のモノマーのコポリマー、特にABS又はEVAを含んで良い。
【0067】
一連の重付加樹脂及び重縮合樹脂のうち、ホルムアルデヒドとフェノール類との縮合物(フェノール樹脂として既知)、ホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素、及びメラミンとの縮合物(アミノ樹脂として既知)、塗料樹脂として使用されるポリエステル類、アルキド樹脂のような飽和樹脂とマレイン酸樹脂のような不飽和樹脂の両方、また、直鎖状ポリエステル類及びポリアミド類又はシリコーン類を挙げることができる。
【0068】
記載の高分子量化合物は、別個に又はプラスチック塊若しくは溶融体として混合物で存在でき、所望であれば、繊維に紡糸され得る。
【0069】
それらは、また、アマニ油ワニス、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂又はアクリル樹脂のような、モノマーの形態で、又は塗布材料若しくはプリントインク用のフィルム形成体又は結合剤として溶解形態の重合状態で存在してよい。
【0070】
本発明の顔料固溶体による高分子量有機物質の顔料着色は、例えば、そのような顔料を、所望であれば、マスターバッチ又は分散物の形態で、ロールミル、ミキサー又は磨砕装置を使用してこれらの基板に混合することにより実施される。一般的に、その後着色材料は、カレンダー、圧縮成形、押出、塗布、注入成形又は射出成形のようなそれ自体既知の技術により所望の最終形態になる。軟質成形品を製造するか、又は脆性を減少させるために、多くの場合、いわゆる可塑剤を高分子量化合物にその造形の前に混和することが望ましい。使用され得るそのような可塑剤の例としては、リン酸、フタル酸又はセバシン酸のエステル類である。本発明の方法において、可塑剤を顔料着色剤の混和の前又は後でポリマーに混和してよい。更なる可能性は、異なる色相を得るため、充填剤及び/又は白色、彩色又は黒色顔料、また、図柄顔料のような他の着色成分を、顔料組成物の他に、特定の望ましい量で高分子量有機材料に加えることである。
【0071】
塗布材料及びプリントインクを着色するには、高分子量有機材料及び本発明の顔料固溶体を、単独で、又は充填剤、他の顔料、乾燥剤又は可塑剤のような添加剤と一緒に、一般的には、有機及び/若しくは水性溶媒又は溶媒混合物に微細分散又は溶解する。ここで一つの可能な方法は、個別の成分を単独で、さもなければ2種以上を一緒に分散又は溶解し、その次にようやく全成分を合わせることである。
【0072】
したがって、本発明の更なる実施態様は、更に、
(a)(a)と(b)の合計に基づき、本発明の固溶体0.05〜70重量%及び
(b)(a)と(b)の合計に基づき、高分子量有機材料99.95〜30重量%を含む、練り込み着色された高分子量有機材料を提供する。
【0073】
前記材料は、既製組成物、又はそれから製造される物品のいずれか、また、例えば顆粒の形態のマスターバッチを含むことができる。所望であれば、本発明に従って着色された高分子量有機材料は、慣用の添加剤、例えば安定剤を更に含んでよい。
【0074】
したがって更なる実施態様は、高分子量有機材料を全体として着色する方法であって、例えば、高分子量有機材料を本発明の顔料組成物と、場合によりマスターバッチの形態でそれ自体既知の方法により混合し、この混合物を処理することによって、本発明の固溶体又は顔料分散物を混和することを含む方法を更に提供する。この顔料着色は、特に高い色飽和度(彩度)及び良好な耐久性と組み合わされた顕著な透明性により注目に値する。
【0075】
【実施例】
下記の実施例は本発明をその範囲を制限することなく、詳細に説明する(特記のない限り、“%”は常に重量%と関連する)。
【0076】
実施例1:容量1lの実験室ニーダーに、Fastogen(登録商標)Blue EP 7 (Pigment Blue 15:6, DIC)58.2g、WO−01/04215に従って無定形にしたカルバゾールバイオレット(Pigment Violet 23)1.8g、塩化ナトリウム240g及びジアセトンアルコール70mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。塊の温度が30℃を超えないように、ニーダーの壁を20℃に冷却した。7時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。X線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0077】
実施例2:カルバゾールバイオレット2.4gを使用したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する溶液を得た。
【0078】
実施例3:カルバゾールバイオレットの代わりにCromophtal(登録商標)Blue A3R (Pigment Blue 60, Ciba Spezialitaetenchemie AG)を使用することを除いて、実施例2の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0079】
実施例4:容量1lの実験室ニーダーに、Heliogen(登録商標)Blue D6700−T (Colour Index Pigment Blue 15:6, BASF)44.0g、WO−01/04215に従って無定形にしたカルバゾールバイオレット(Colour Index Pigment Violet 23)1.36g、Solsperse(登録商標)5000 (青色銅フタロシアニン誘導体、Avecia)4.40g、塩化ナトリウム240g及びジアセトンアルコール70mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。塊の温度が40℃を超えないように、ニーダーの壁を25℃に冷却した。8時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0080】
実施例5:Fastogen(登録商標)Blue EP 7の代わりにHeliogen(登録商標)Blue D6700−T (Colour Index Pigment Blue 15:6, BASF)を使用することを除いて、実施例1の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0081】
実施例6:カルバゾールバイオレットの代わりにCinquasia(登録商標)Violet R NRT−201−D (Colour Index Pigment Violet 19, Ciba specialty Chemicals Inc.)を使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0082】
実施例7:Fastogen(登録商標)Blue EP 7 60.0gを使用し、カルバゾールバイオレットを使用しないことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する微細顔料を得た。
【0083】
実施例8:WO−01/04215に従って無定形にしたHeliogen(登録商標)Blue D6700−Tを使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。
【0084】
実施例9:容量1lの実験室ニーダーに、Heliogen(登録商標)Blue K6902 (Pigment Blue 15:1 / BASF; α結晶形)45.0g、微細結晶質カルバゾールバイオレット(Pigment Violet 23)5.0g、塩化ナトリウム200g及びジアセトンアルコール60mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。ニーダーの壁を40℃に冷却した。8時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。生成物は、塗布材料、例えば、二色性又はメタリック光沢自動車仕上塗装(アルミニウムフレーク及び/又は雲母粒子を含有し、好ましくは2〜3塗層)において極めて魅力的な色彩特性及び良好な堅牢度を有した。
【0085】
実施例10:容量1lの実験室ニーダーに、Heliogen(登録商標)Blue S7084 (Pigment Blue 15:3 / BASF;β結晶形)45.0g、微細結晶質カルバゾールバイオレット(Pigment Violet 23)5.0g、塩化ナトリウム200g及びジアセトンアルコール60mlを導入し、回転速度を100rpmに設定した。ニーダーの壁を40℃に冷却した。8時間後、脱イオン水150mlを徐々に加え、得られた混合物をBuechner漏斗に排出し、漏斗中の材料を、洗浄水が塩を含まなくなるまで水で洗浄した。生成物を80℃/3・103Paで15時間乾燥させ、次にメッシュサイズ0.4mmの篩により篩にかけた。そのX線粉末図が非置換銅フタロシアニンの純粋なε結晶相に相当する固溶体を得た。生成物は、塗布材料、例えば、二色性又はメタリック光沢自動車仕上塗装において極めて魅力的な色彩特性及び良好な堅牢度を有した。
【0086】
実施例11:ジルコンセラミックビーズ83.3g、実施例1の生成物2.8g、Solsperse(登録商標)5000 0.28g、Disperbyk(登録商標)161 (分散物/BYK Chemie:1:6n−酢酸ブチル/1−メトキシ−2−酢酸プロピル中の顔料親和性基を有する高分子量ブロックコポリマー30%溶液)4.10g及びプロピレングリコールモノメチル酢酸エーテル(MPA, CAS 登録番号 108−65−6)14.62gを含有する100mlガラス容器中で、これらの成分を23℃で、Dispermatを用いて100rpmで10分間、3000rpmで180分間撹拌した。アクリルポリマー結合剤(MPA中35%溶液)4.01gを室温で加えた後、撹拌を3000rpmで30分間続けた。ビーズを分離した後、分散物を等量のMPAで希釈した。ガラス基板(Corning Type 1737−F)をこの分散物でスピンコート装置により塗布し、1000rpmで30秒間スピンした。この被膜の乾燥を、ホットプレートにより100℃で2分間、200℃で5分間実施した。達成した被膜厚は0.4μmであった。図1は、このカラーフィルタの最大約455nmにおける透過スペクトルを示す。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.154/y=0.177/Y=26.98%であった。
【0087】
実施例12〜15:実施例1の生成物の代わりにそれぞれ実施例2〜5の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。
【0088】
実施例16:実施例1の生成物の代わりにそれぞれ実施例6の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。
【0089】
実施例17〜18:実施例1の生成物の代わりにそれぞれ実施例7及び8の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。
【0090】
実施例19:実施例1の生成物の代わりに実施例8の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.154/y=0.181/Y=26.11%であった。
【0091】
実施例20:実施例1の生成物の代わりに実施例9の生成物を使用することを除いて、実施例11の手順を繰り返した。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.152/y=0.201/Y=30.73%であった。
【0092】
実施例21:実施例5の生成物9gを、1MのHCl溶液10mlと共に水90mlに分散させた。ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニン1gを加え、1時間撹拌した。次に混合物を1NのNaOH溶液をゆっくりと加えて中和し、1時間再び撹拌した。その後、混合物を濾過し、洗浄し、真空下、80〜90℃/3・103Paで15時間乾燥させた。
【0093】
実施例22:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニンの代わりにビスフタルイミドメチル銅フタロシアニン1gを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0094】
実施例23:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニンの代わりにモノジエチルアミノプロピルスルホンアミド銅フタロシアニン1gを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0095】
実施例24:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニン0.5g、加えてUS−5,334,727の実施例2に従って得られた生成物0.5gのみを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0096】
実施例25:ビスジメチルアミノメチル銅フタロシアニン0.5g、加えてEP−A−1,026,207の実施例23に従って得られた生成物0.5gのみを使用することを除いて、実施例21の手順を繰り返した。
【0097】
実施例26:実施例21の生成物3.08gを使用し、Solsperse(登録商標)5000を使用しないことを除いて、実施例11の手順を繰り返した。達成された被膜厚は全て0.4μm未満であった。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、x=0.153/y=0.177/Y=26.44%であった。
【0098】
実施例27〜28:実施例21の生成物の代わりに実施例22から25の生成物を使用することを除いて、実施例26の手順を繰り返した。達成された被膜厚は全て0.4μm未満であった。三色座標(背面照明として標準Cを用いた)は、それぞれ、
x=0.154/y=0.179/Y=27.05%(実施例27)
x=0.156/y=0.183/Y=27.27%(実施例28)
x=0.156/y=0.176/Y=26.43%(実施例29)
x=0.155/y=0.179/Y=26.91%(実施例30)
であった。
【0099】
実施例31:実施例11、16及び26の被膜を表面のユニット当たりのピンホールの数で比較した。実施例16の被膜は、実施例11よりもピンホールが少なかったが、実施例26の被膜には実質的にピンホールがなかった。
【0100】
実施例32:Fastogen(登録商標)Blue EP 7 (Pigment Blue 15:6, DIC)及びHeliogen(登録商標)Blue D6700−T (Colour Index Pigment Blue 15:6, BASF)中の不純物を、Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation − Time Of Fly (MALDI−TOF)により相対的に測定した。
【0101】
実施例33:Heliogen(登録商標)Blue D6700−T 60.0gを使用し、カルバゾールバイオレットを使用しないことを除いて、実施例5の手順を繰り返した。生成物の電気抵抗率は、実施例5よりも約5%低かった。塗料の色強度は実施例5の生成物の92%であった。
【0102】
実施例34:Heliogen(登録商標)Blue D6700−T 57.0g及びカルバゾールバイオレット3.00gを使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。塗料の色強度は実施例5の生成物の101%であった。
【0103】
実施例35:Heliogen(登録商標)Blue D6700−T 54.0g及びカルバゾールバイオレット6.00gを使用することを除いて、実施例5の手順を繰り返した。塗料の色強度は実施例5の生成物の116%であった。
【0104】
実施例36:実施例33の生成物を白色を減退させた通常のポリエステル/セルロールアセトブチラート塗料に、TiO2顔料と共に重量比10:90で混和した。実施例5の出発材料から調製した被膜と比較して、色相はほぼ同じであったが、彩度は高かった(CIE−L*C*h:ΔH*=−0.4,ΔC*=+2.0)。
【0105】
実施例37:実施例5の生成物の代わりに実施例34の生成物を使用することを除いて、実施例36の手順を繰り返した。実施例36の被膜と比較して、色相ははるかにより赤く、彩度も予想外に同様に高かった(ΔH*=+5.4,ΔC*=+0.0)。色の純度は、特に非常に魅力的な自動車の色彩を設計するために極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の透明分散物によるカラーフィルタの最大約455nmにおける透過スペクトルである。
Claims (23)
- 顔料、レオロジー改良剤及び高分子量有機材料を含む顔料分散物であって、
顔料が、そのホストが非置換銅フタロシアニンであり、そのゲストがキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロロ又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料である固溶体であり;
レオロジー改良剤が、窒素又は硫黄を含有する基によりコアが置換されている、キナクリドン、ジヒドロキナクリドン、キナクリドンキノン、1,1′−ジアントラキノニル、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソインドリノン、イソビオラントロン、フタロシアニン、及び1,4−ジケトピロロ〔3,4c〕ピロール並びにこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択されることを特徴とする顔料分散物。 - ゲスト顔料の量が、銅フタロシアニンの量に基づき、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜3重量%である、請求項1記載の顔料分散物。
- レオロジー改良剤が、−SO3H、−SO2NR5R6、−SO2−C1−C10アルキレン−NR5R6であるか、又は特に、−SO3 −M+(ここで、M+は、+NR1R2R3R4又はアルカリ金属陽イオン若しくは半分のアルカリ土類金属陽イオンであり、そしてR1〜R6は、互いに独立して、水素、C1−C30アルキル、C5−C24シクロアルキル、C2−C30アルケニル、C7−C30アリールアルキル、C6−C18アリール、〔C2−C5アルキレン−O〕1−10H、〔C2−C5アルキレン−O〕1−10C1−C5アルキル、〔C2−C5アルキレン−NH〕1−10H、〔C2−C5アルキレン−NH〕1−10C1−C5アルキル、−CH2NR5R6、下記式:
- レオロジー改良剤の量が、顔料の総量に基づき、2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、特に好ましくは6〜12重量%である、請求項1記載の顔料分散物。
- 高分子量有機材料の量が、顔料の総量に基づき、10〜400重量%、好ましくは30〜200重量%、特に好ましくは40〜100重量%である、請求項1記載の顔料分散物。
- 中性な非イオン分散物を、顔料の総量に基づき、好ましくは5〜200重量%、特に好ましくは10〜80重量%、極めて特に好ましくは20〜50重量%で更に含む、請求項1記載の顔料分散物。
- キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロロ又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を更に含む、請求項1記載の顔料分散物。
- レオロジー改良剤の大部分が、顔料の表面上又は分散物中に分離して存在する、請求項1記載の顔料分散物。
- 透明ガラス基板上の、顔料分散物から調製され、顔料及びレオロジー改良剤を合計で53.9重量%含有する0.4μm厚被膜の、500nmにおける吸収の455nmにおける吸収との比率が、少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.2、特に好ましくは少なくとも2.5である、請求項1記載の顔料分散物。
- 透明ガラス基板上の、顔料分散物から調製され、顔料及びレオロジー改良剤を合計で53.9重量%含有する0.4μm厚被膜の、500nmにおける吸収の415nmにおける吸収との比率が、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.85、特に好ましくは少なくとも0.95である、請求項1記載の顔料分散物。
- 非置換銅フタロシアニンが、そのα、β又はε結晶形、好ましくはそのε結晶形で存在する、請求項1記載の顔料分散物。
- 請求項1〜11のいずれか1項記載の顔料分散物の成分を含有する層を含むカラーフィルタ。
- 請求項12記載のカラーフィルタを調製するための請求項1〜11のいずれか1項記載の顔料分散物の使用。
- 請求項13記載のカラーフィルタを含むスクリーン又はディスプレー。
- 実質的に銅フタロシアニン、並びにキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料及びこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択される更なる着色剤の1種以上を含む固溶体。
- ホストとして非置換α、β又はε銅フタロシアニンの結晶格子における単一相固溶体を含み、ゲストとしてキナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を含む、請求項15記載の固溶体。
- 更なる着色剤の量が、銅フタロシアニンの量に基づき、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%、とりわけ約3〜5重量%である、請求項15又は16記載の固溶体。
- 顔料分散物の調製方法であって、
好ましくは主にそのε結晶形の非置換銅フタロシアニン、及び所望であれば、キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソビオラントロン、ペリレン、アミノ置換1,4−ジケト−2,5−ジアリールピロロ〔3,4c〕ピロール又はアルコキシ置換ナフトールASアゾ顔料を、結晶性無機塩又は結晶性無機塩と有機液体の混合物と混練し、
窒素又は硫黄を含有する基によりコアが置換されている、キナクリドン、ジヒドロキナクリドン、キナクリドンキノン、1,1′−ジアントラキノニル、ジオキサジン、インダントロン、インジゴ、イソインドリノン、イソビオラントロン、フタロシアニン及び1,4−ジケトピロロ〔3,4c〕ピロール及びこれらの任意の所望の混合物からなる群より選択されるレオロジー改良剤を加えることを含む方法。 - 請求項1〜11のいずれか1項記載の顔料分散物又は請求項15若しくは16記載の固溶体を得ることを含む、請求項18記載の方法。
- 有機液体の無機塩との比率が、1ml:6g〜3ml:7gであり、有機液体の無機塩及び全顔料の総重量との比率が1ml:2.5g〜1ml:7.5gである、請求項18記載の方法。
- 結晶性無機塩又は結晶性無機塩と有機液体の混合物と混練することにより、銅フタロシアニンをそのε形に変換する方法であって、銅フタロシアニンが、ε形が主である異なる結晶形の混合物を含有する方法。
- 高分子量有機材料を全体として着色する方法であって、請求項1記載の顔料分散物又は請求項15記載の固溶体を混和することを含む方法。
- (a)(a)と(b)の合計に基づき、請求項15又は16記載の固溶体0.05〜70重量%及び
(b)(a)と(b)の合計に基づき、高分子量有機材料99.95〜30重量%を含む、練り込み着色された高分子量有機材料。
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