JP2004361690A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマディスプレイパネルのアドレス電極に表示データを供給するためのスキャンドライバ回路12と、このスキャンドライバ回路12と電源との間に配置されかつプラズマディスプレイパネルの表示動作に応じてプラズマディスプレイパネルからのエネルギーの回収を行う電力回収回路20と、この電力回収回路20の所定の中点の電圧を検出する中点電圧検出回路21と、この中点電圧検出回路21で検出した電圧と2点の基準電圧とを比較する電圧比較回路24、25と、この電圧比較回路24、25からの信号により前記スキャンドライバ回路12の動作を制御するマイコン26とを具備した。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイ装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイ技術の中で最近特に注目を集めている。
【0003】
一般に、このプラズマディスプレイ装置では、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させカラー表示を行っている。そして、基板上に隔壁によって区画された表示セルが設けられており、これに蛍光体層が形成されている構成を有する。
【0004】
このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、プラズマディスプレイ装置の主流は、3電極構造の面放電型のもので、その構造は、一方の基板上に平行に隣接した表示電極対を有し、もう一方の基板上に表示電極と交差する方向に配列されたアドレス電極と、隔壁、蛍光体層を有するもので、比較的蛍光体層を厚くすることができ、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0005】
また、このプラズマディスプレイ装置の駆動回路として、特許文献1に示すようなものが知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−278509号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのようなプラズマディスプレイ装置において、表示駆動回路の異常発生時に表示駆動回路の動作を制御できるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイ装置は、放電空間を形成して対向するスキャン電極とサステイン電極とで対をなす一対の基板上に複数列のストライプ状の表示電極とこの表示電極に交差するように対向配置される複数列のアドレス電極とを設けることにより構成された複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルの前記スキャン電極に駆動信号電圧と維持パルスを供給するためのスキャンドライバ回路と、このスキャンドライバ回路と電源との間に配置されかつプラズマディスプレイパネルの表示動作に応じてプラズマディスプレイパネルからのエネルギーの回収を行う電力回収回路と、この電力回収回路の所定の中点の電圧を検出する中点電圧検出回路と、この中点電圧検出回路で検出した電圧と2点の基準電圧とを比較する電圧比較回路と、この電圧比較回路からの信号により前記スキャンドライバ回路の動作を制御する制御回路とを具備したものである。
【0009】
この構成により、スキャンドライバ回路部分において、異常発生時にスキャンドライバ回路の動作を制御することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図1〜図7を用いて説明するが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。
【0011】
まず、プラズマディスプレイ装置におけるプラズマディスプレイパネルの構造について図1を用いて説明する。図1に示すように、ガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、スキャン電極とサステイン電極とで対をなすストライプ状の表示電極2が複数列形成され、そしてその電極群を覆うように誘電体層3が形成され、その誘電体層3上には保護膜4が形成されている。
【0012】
また、前記前面側の基板1に対向配置される背面側の基板5上には、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2と交差するように、オーバーコート層6で覆われた複数列のストライプ状のアドレス電極7が形成されている。このアドレス電極7間のオーバーコート層6上には、アドレス電極7と平行に複数の隔壁8が配置され、この隔壁8間の側面およびオーバーコート層6の表面に蛍光体層9が設けられている。
【0013】
これらの基板1と基板5とは、スキャン電極およびサステイン電極の表示電極2とアドレス電極7とがほぼ直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁8によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極2とアドレス電極7との交点が位置する複数の放電セルが設けられ、その各放電セルには、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層9が一色ずつ順次配置されている。
【0014】
図2にこのプラズマディスプレイパネルの電極配列を示しており、図2に示すようにスキャン電極およびサステイン電極とアドレス電極とは、M行×N列のマトリックス構成であり、行方向にはM行のスキャン電極SCN1〜SCNMおよびサステイン電極SUS1〜SUSMが配列され、列方向にはN列のアドレス電極D1〜DNが配列されている。
【0015】
このような電極構成のプラズマディスプレイパネルにおいては、アドレス電極とスキャン電極の間に書き込みパルスを印加することにより、アドレス電極とスキャン電極の間でアドレス放電を行い、放電セルを選択した後、スキャン電極とサステイン電極との間に、交互に反転する周期的な維持パルスを印加することにより、スキャン電極とサステイン電極との間で維持放電を行い、所定の表示を行うものである。
【0016】
また、プラズマディスプレイ装置の階調表示駆動方式としては、一般にADS(アドレス・表示期間分離)方式が用いられている。ADS方式では、1フィールドを複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合は、1フィールドを8つのサブフィールドに分割する。また、各サブフィールドは、点灯セル選択のためのアドレス放電が行われるアドレス期間と、表示のための維持放電が行われる維持期間(表示放電期間)とに分離される。
【0017】
このADS方式では、各サブフィールドで第1ラインから第mラインまでPDPの全面にアドレス放電による走査が行われ、全面アドレス放電終了時に維持放電が行われる。
【0018】
図3に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の表示駆動回路の構成を示している。図3に示すように、図1に示す構成のプラズマディスプレイパネル(PDP)10、アドレスドライバ回路11、スキャンドライバ回路12、サステインドライバ回路13、放電制御タイミング発生回路14、電源回路15、16、A/Dコンバータ(アナログ・デジタル変換器)17、走査数変換部18、及びサブフィールド変換部19を備えている。
【0019】
図3の回路において、まず、映像信号VDは、A/Dコンバータ17に入力される。また、水平同期信号H及び垂直同期信号Vは放電制御タイミング発生回路14、A/Dコンバータ17、走査数変換部18、サブフィールド変換部19に与えられる。A/Dコンバータ17は、映像信号VDをデジタル信号に変換し、その画像データを走査数変換部18に与える。
【0020】
走査数変換部18は、画像データをPDP10の画素数に応じたライン数の画像データに変換し、各ラインごとの画像データをサブフィールド変換部19に与える。サブフィールド変換部19は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ回路11にシリアルに出力する。アドレスドライバ回路11は、電源回路15に接続されており、サブフィールド変換部19から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて複数のアドレス電極に電圧を供給する。
【0021】
放電制御タイミング発生回路14は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを基準として、放電制御タイミング信号SC、SUを発生し、各々スキャンドライバ回路12およびサステインドライバ回路13に与える。スキャンドライバ回路12は、出力回路121及びシフトレジスタ122を有する。また、サステインドライバ回路13は、出力回路131及びシフトレジスタ132を有する。これらのスキャンドライバ回路12及びサステインドライバ回路13は共通の電源回路16に接続されている。
【0022】
スキャンドライバ回路12のシフトレジスタ122は、放電制御タイミング発生回路14から与えられる放電制御タイミング信号SCを垂直走査方向にシフトしつつ出力回路121に与える。出力回路121は、シフトレジスタ122から与えられる放電制御タイミング信号SCに応答して複数のスキャン電極に順に駆動信号電圧を供給する。
【0023】
サステインドライバ回路13のシフトレジスタ132は、放電制御タイミング発生回路14から与えられる放電制御タイミング信号SUを垂直走査方向にシフトしつつ出力回路131に与える。出力回路131は、シフトレジスタ132から与えられる放電制御タイミング信号SUに応答して複数のサステイン電極に順に駆動信号電圧を供給する。
【0024】
図4にこのプラズマディスプレイ装置の表示駆動回路のタイミングチャートの一例を示しており、図4に示すように、書き込み期間では、全てのサステイン電極SUS1〜SUSMを0(V)に保持した後に、第1行目の表示する放電セルに対応する所定のアドレス電極D1〜DNに正の書き込みパルス電圧+Vw(V)を、第1行目のスキャン電極SCN1に負の走査パルス電圧−Vs(V)をそれぞれに印加すると、所定のアドレス電極D1〜DNと第1行目のスキャン電極SCN1との交点部において、書き込み放電が起こる。
【0025】
次に、第2行目の表示する放電セルに対応する所定のアドレス電極D1〜DNに正の書き込みパルス電圧+Vw(V)を、第2行目のスキャン電極SCN2に負の走査パルス電圧−Vs(V)をそれぞれに印加すると、所定のアドレス電極D1〜DNと第2行目のスキャン電極SCN2との交点部において書き込み放電が起こる。
【0026】
上記同様の動作が順次に行われて、最後に第M行目の表示する放電セルに対応する所定のアドレス電極D1〜DNに正の書き込みパルス電圧+Vw(V)を、第M行目のスキャン電極SCNMに負の走査パルス電圧−Vs(V)をそれぞれに印加すると、所定のアドレス電極D1〜DNと第M行目のスキャン電極SCNMとの交点部において書き込み放電が起こる。
【0027】
次の維持期間では、全てのスキャン電極SCN1〜SCNMを一旦0(V)に保持すると共に、全てのサステイン電極SUS1〜SUSMに負の維持パルス電圧−Vm(V)を印加すると、書き込み放電を起こした前記交点部におけるスキャン電極SCN1〜SCNMとサステイン電極SUS1〜SUSMとの間に維持放電が起こる。次に全てのスキャン電極SCN1〜SCNMと全てのサステイン電極SUS1〜SUSMとに負の維持パルス電圧−Vm(V)を交互に印加することにより、表示する放電セルにおいて維持放電が継続して起こる。この維持放電の発光によりパネル表示が行われる。
【0028】
次の消去期間において、全てのスキャン電極SCN1〜SCNMを一旦0(V)に保持すると共に、全てのサステイン電極SUS1〜SUSMに消去パルス電圧−Ve(V)を印加すると、消去放電を起こして放電が停止する。
【0029】
以上の動作により、プラズマディスプレイ装置において、一画面が表示される。
【0030】
図5は、図3に示す表示駆動回路におけるスキャンドライバ回路部分の要部回路構成を示す図であり、図5に示すように、スキャンドライバ回路12と電源回路16との間には、PDP10の表示動作に応じてPDP10からのエネルギーの回収を行う電力回収回路20が接続配置されている。
【0031】
21は前記電力回収回路20の所定の中点の電圧を検出する中点電圧検出回路、22、23は低電圧電源と接続した基準電圧発生回路、24、25は中点電圧検出回路21で検出した電圧と基準電圧発生回路22、23による2点の基準電圧とを比較する電圧比較回路で、この電圧比較回路24、25の信号は、前記スキャンドライバ回路12の動作を制御する制御回路としてのマイコン26に入力されるように接続されている。
【0032】
ところで、一般にプラズマディスプレイ装置において、スキャンドライバ回路12と接続する電力回収回路20の中点電圧を常時検出して、異常発生時には通常時より中点電圧が0Vになることを検出してマイコン26に異常を知らせて、放電制御回路の動作を停止させると共に、電源回路の動作も停止させて、電力回収回路20の部品破壊を最小限に抑える。
【0033】
従来、この種の目的のためには、図6に示すように、電力回収回路20の中点電圧を検出する中点電圧検出回路21が接続配置されており、常時中点電圧を検出して、電力回収回路20の異常発生時には、中点電圧が0Vになることを検出して、マイコン26へ異常発生信号を送り、放電制御回路の動作を停止させると共に、電源回路の動作も停止させて電力回収回路20の部品破壊を最小限に抑えることが行われていたが、中点電圧が0Vになる以外の異常を検出できない。
【0034】
本発明においては、電力回収回路20の中点電圧を検出する中点電圧検出回路21と、この中点電圧検出回路21で検出した電圧と2点の基準電圧とを比較する電圧比較回路24、25と、この電圧比較回路24、25からの信号により前記マイコン26が接続配置されており、常時、中点電圧検出範囲と基準電圧範囲とを比較して中点電圧検出範囲が基準電圧範囲より外れた時にはマイコン26へ異常発生信号を送り、放電制御回路の動作を停止させると共に、電源回路の動作も停止させることができる。図7に本発明による中点電圧検出範囲と、制御動作の範囲の概要を示している。
【0035】
このように本実施の態様の回路構成によれば、電力回収回路の異常発生時には中点電圧が0Vになった場合だけでなく、中点電圧が通常動作範囲外になった場合にも、回路動作を停止させて回路の破壊を最小限に抑えることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によるプラズマディスプレイ装置によれば、電力回収回路の異常発生時には中点電圧が0Vになった場合だけでなく、中点電圧が通常動作範囲外になった場合にも回路動作を停止させて回路の破壊を最小限に抑えることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置のパネルの概略構成を示す斜視図
【図2】同プラズマディスプレイ装置のパネルの電極配列を示す説明図
【図3】同プラズマディスプレイ装置の表示駆動回路の一例を示すブロック回路図
【図4】同プラズマディスプレイ装置の駆動方法の一例を示す信号波形図
【図5】同プラズマディスプレイ装置の表示駆動回路の要部回路を示す回路図
【図6】本発明の比較例としての回路の回路図
【図7】本発明における回路の動作範囲を示す説明図
【符号の説明】
10 プラズマディスプレイパネル
12 スキャンドライバ回路
16 電源回路
20 電力回収回路
21 中点電圧検出回路
22、23 基準電圧発生回路
24、25 電圧比較回路
26 マイコン
Claims (1)
- 放電空間を形成して対向するスキャン電極とサステイン電極とで対をなす一対の基板上に複数列のストライプ状の表示電極とこの表示電極に交差するように対向配置される複数列のアドレス電極とを設けることにより構成された複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルの前記スキャン電極に駆動信号電圧と維持パルスを供給するためのスキャンドライバ回路と、このスキャンドライバ回路と電源との間に配置されかつプラズマディスプレイパネルの表示動作に応じてプラズマディスプレイパネルからのエネルギーの回収を行う電力回収回路と、この電力回収回路の所定の中点の電圧を検出する中点電圧検出回路と、この中点電圧検出回路で検出した電圧と2点の基準電圧とを比較する電圧比較回路と、この電圧比較回路からの信号により前記スキャンドライバ回路の動作を制御する制御回路とを具備したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003160273A JP2004361690A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | プラズマディスプレイ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007004304A1 (ja) * | 2005-07-06 | 2007-01-11 | Fujitsu Hitachi Plasma Display Limited | プラズマディスプレイ装置 |
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-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160273A patent/JP2004361690A/ja active Pending
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