JP2004361427A - 電気光学パネルの駆動回路及び方法、電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気光学パネルの駆動回路には、半導体素子を含んでなる選択用スイッチング素子がデータ線群毎にn本のデータ線に対応してn個設けられている。各選択用スイッチング素子は、入力されたマルチプレクス信号に含まれる画像信号を選択信号に応じて出力する。また、データ線群におけるn個の半導体素子のうち、選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子は、選択信号が後に供給される他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶パネル、有機EL(Electro−Luminescence)パネル等の電気光学パネルの駆動回路及び方法、及びこれらを用いた電気光学装置に関する。
【0002】
【背景技術】
この種の駆動回路は、電気光学パネルと共に電気光学装置を構成し、電気光学パネルを構成する基板上に内蔵又は後付けされ、電気光学パネルを駆動する。このような駆動回路におけるRGBカラー表示用の一駆動方式として、マルチプレクサ方式がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、従来のマルチプレクサ方式の一例について説明する。このマルチプレクサ方式では、電気光学パネルにおける複数のデータ線が、例えば、3本のデータ線を含むデータ線群に分割される。各データ線群に含まれる3本のデータ線は、赤色用(R)データ線、緑色用(G)データ線、及び青色用(B)データ線の各々に割当てられる。他方で、画像信号に係る1水平期間が、赤色用(R)期間、緑色用(G)期間、及び青色用(B)期間に分割され、画像信号源から同一画像信号線に対して、1水平期間毎に、時間軸上でR用、G用及びB用の画像信号がマルチプレクスされたRGBの画像信号が供給される。そして、係る同一画像信号線とRGBの3本のデータ線との間に設けられた選択スイッチによる選択動作によって、R期間にはRデータ線に画像信号が入力され、G期間にはGデータ線に画像信号が入力され、B期間にはBデータ線に画像信号が入力される。これらにより、R用の画素部に対してR用の画像信号が供給され、G用の画素部に対してG用の画像信号が供給され、B用の画素部に対してB用の画像信号が供給される。
【0004】
このようにして、マルチプレクス方式によれば、画像信号源においてマルチプレクスされたRGB画像信号が、選択スイッチによってデマルチプレクスされることで、RGBのカラー画像の表示が可能となる。
【0005】
他方、この種の電気光学パネルには、製造途中、製造完了時、出荷時、使用後の点検時や故障時等に検査を行うための検査回路が設けられている場合も多い。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−145597号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなマルチプレクサ方式によれば、例えば、データ線群への画像信号の入力が、1フレームにおいてRデータ線、Gデータ線、Bデータ線の順に行われるので、次のような問題が生じる。即ち、データ線においてリーク電流が生じる期間(ここではデータ線に所望の電圧が書きこまれてから書きこみ画素のスイッチング素子がオフするまでの期間をいう)をリーク期間とすると、Rデータ線に係るリーク期間と、Gデータ線に係るリーク期間と、Bデータ線に係るリーク期間のそれぞれについて時間的な長さを互いに比較すると、Rデータ線に係るリーク期間、Gデータ線に係るリーク期間、及びBデータ線に係るリーク期間の順に短くなる。よって、データ線群に含まれる3本のデータ線のうち、Rデータ線においてリーク電荷量が最も多くなってしまう。従って、Rデータ線においてリーク電荷による書き込み電位変動は最も起こりやすくなり、電気光学パネルの表示領域におけるカラー表示の際、フリッカ或いはちらつき、明線などが発生するなどの技術的問題点がある。
【0008】
さらに、電気光学パネルの駆動回路において、例えば消費電力節約等の理由からに積極的に駆動周波数を変化させた場合には、上述したリーク期間が相対的に長くなることで、前述したフリッカ或いはちらつき、明線などの発生が助長される恐れもある。
【0009】
加えて、回路検査時に検査配線と接続するための選択スイッチがデータ線に設けられている場合、この選択スイッチを経由したリークパスが存在し上記問題を助長する問題点がある。
【0010】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、マルチプレクス方式を採用しつつもカラー表示におけるフリッカ等の発生を抑制し得る電気光学パネルの駆動回路及び方法、電気光学パネルの検査回路及び方法、これらを用いた電気光学装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路は上記課題を解決するために、n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動回路であって、n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレクスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給手段と、入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子と、該選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給手段とを備えており、前記選択用スイッチング素子は半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子について、前記一の半導体素子は、前記他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる。
【0012】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路によれば、その動作時には、画像信号供給手段は、時間軸上でマルチプレクスされたn種類の画像信号を含むマルチプレクス信号を、複数のデータ線群の夫々に対して出力する。これと並行して、選択信号供給手段は、データ線群毎にn本のデータ線に対応して設けられたn個の選択用スイッチング素子に夫々選択信号を供給する。これらの結果、選択用スイッチング素子は、選択信号の入力に応答して、その出力端側から、この選択用スイッチング素子と対応するデータ線群を構成するn本のデータ線のうち第j本目(但し、jは1以上n以下の自然数)のデータ線に対して、その入力端側から入力されるマルチプレクス信号に含まれる画像信号を出力する。
【0013】
ここで、選択用スイッチング素子は半導体素子を含んでおり、データ線群におけるn個の選択用スイッチング素子の夫々に含まれる半導体素子のうち、一の半導体素子は、他の半導体素子に対して選択信号が先に供給される。よって、選択信号が相対的に先に供給される半導体素子を含む一の選択用スイッチング素子と対応するデータ線に係るリーク期間は、選択信号が相対的に後に供給される半導体素子を含む他の選択用スイッチング素子と対応するデータ線に係るリーク期間と比較して長くなる。このため、当該データ線におけるリーク電流量は、他の選択用スイッチング素子と対応するデータ線におけるリーク電流量と比較して多くなることが予想される。しかるに、本発明によれば、選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子は、選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる。例えば、データ線群におけるn個の選択用スイッチング素子とについて、選択信号が最先に供給される一の半導体素子は他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる、或いは、選択信号が最後に供給される一の半導体素子は他の半導体素子と比べてオフ電流特性に劣る。
【0014】
以上の結果、本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路によれば、動作時にリーク電流が相対的に発生しやすいデータ線について、該リーク電流の悪影響を優先的に或いは積極的に低減するので、フリッカを効率的に低減できる。
【0015】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路の一態様では、前記データ線群毎に前記n個の半導体素子について、前記オフ電流特性の優れた順に前記選択信号が順次供給されるように構成されている。
【0016】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路によれば、選択信号供給手段は、複数のデータ線群のうち一のデータ線群と対応する選択用スイッチング素子に対して、当該データ線群におけるj本目のデータ線にj番目の画像信号を順番に出力させるタイミングで選択信号を供給する。よって、このデータ線群において、順番に、j本目のデータ線に係るリーク期間はj番目に長くなる。これに対して、データ線群における各選択用スイッチング素子に含まれる半導体素子は、各データ線に係るリーク期間の長さと対応して、リーク期間が長くなるほどオフ電流特性に優れるように構成されている。従って、データ線群内の複数のデータ線について、動作時にリーク電流が相対的に発生しやすい順番で、該リーク電流の悪影響を優先的に低減するので、フリッカを効率的に低減できる。
【0017】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路の他の態様では、前記マルチプレクス信号において画像信号は、前記データ線群毎に一水平期間内でマルチプレクスされており、前記選択信号供給手段は、前記一水平期間内に、前記n個の半導体素子に対して前記選択信号を順次供給する。
【0018】
この態様によれば、一水平期間内に、選択用スイッチング素子は、選択信号の入力に応答して、対応するデータ線群を構成するn本のデータ線のうち第j本目のデータ線に対して、マルチプレクス信号に含まれる画像信号を出力する。ここで特に、各選択用スイッチング素子に含まれる半導体素子は、リーク期間が長くなるほどオフ電流特性に優れるように構成されているので、各水平期間について、リーク電流の発生を効率的に抑制することができる。
【0019】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路の他の態様では、前記半導体素子は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、”TFT”と称する)を有し、前記オフ電流特性は、前記薄膜トランジスタのオフ電流の大小である。
【0020】
この態様によれば、オフ電流特性として、各半導体素子に含まれるTFTのオフ電流の値を変化させる。例えば、各データ線群について、選択信号が最先に供給される一のTFTのオフ電流の値を、他のTFTと比べて小さくするように構成する。
【0021】
この態様では、前記データ線群毎に前記n個の半導体素子のうち前記選択信号が相対的に先に供給される一の薄膜トランジスタは、前記選択信号が相対的に後に供給される他の薄膜トランジスタと比べて、チャネル幅が小さいか若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が大きいように構成してもよい。
【0022】
このように構成すれば、チャネル幅やチャネル長さの調節という比較的簡単な方法によって、選択信号が相対的に先に供給される一のTFTのオフ電流特性が、選択信号が相対的に後に供給される他のTFTと比べて優れている構成を得ることが可能となる。
【0023】
或いはこの態様では、前記半導体素子は、前記薄膜トランジスタとして相補型トランジスタを有し、前記データ線群毎に前記n個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の相補型トランジスタは前記選択信号が相対的に後に供給される他の相補型トランジスタと比べて、該一又は他の相補型トランジスタを構成する相異なる導動型の薄膜トランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導動型の薄膜トランジスタについて、チャネル幅が小さいか若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が大きいように構成してもよい。
【0024】
このように構成すれば、チャネル幅やチャネル長さの調節という比較的簡単な方法によって、選択信号が相対的に先に供給される一のTFTのオフ電流特性が、選択信号が相対的に後に供給される他のTFTと比べて優れている構成を得ることが可能となる。しかもこの場合、相補型トランジスタにおけるオフ電流或いはオフ電流特性を主に律則する、オフ電流の大きい方の導動型の薄膜トランジスタのオフ電流の値を調整している。言い換えれば、サンプリング能力或いは画像信号をサンプリングする際の供給電荷量を主に律則する方の薄膜トランジスタについては、リーク電流を低減させるための調整が不要である。これらの結果、オン時の供給電荷量を当該トランジスタのオフ電流特性を変化させない場合の値と概ね同等の値としたまま、リーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
【0025】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路の他の態様では、前記電気光学パネルの駆動検査時に用いられる検査用スイッチング素子を更に備えており、該検査用スイッチング素子は、検査用半導体素子を含んでなると共に、前記選択用スイッチング素子に対応させて前記データ線に設けられており、前記データ線群毎に前記n個の半導体素子と対応するn個の検査用半導体素子のうち前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と対応する前記検査用半導体素子は、前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子と対応する前記検査用半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる。
【0026】
この態様によれば、選択用スイッチング素子と対応させて設けられた検査用スイッチング素子は電気光学パネルの駆動時にはオフ状態となっており、データ線群毎にn個の検査用半導体素子のうち選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と対応する検査用半導体素子は、選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子と対応する検査用半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる。例えば、データ線群におけるn個の検査用スイッチング素子について、選択信号が最先に供給される一の半導体素子と対応する検査用半導体素子は他の検査用半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる、或いは、選択信号が最後に供給される一の半導体素子と対応する検査用半導体素子は他の検査用半導体素子と比べてオフ電流特性に劣る。
【0027】
よって、この態様によれば、検査時には、検査用スイッチング素子により駆動検査を行うことができ、動作時には、検査用スイッチング素子に含まれる検査用半導体素子によるリーク電流の悪影響を低減することが可能となる。
【0028】
この態様では、前記n個の検査用半導体素子は、前記選択信号が供給される順に対応する順で前記オフ電流特性に優れるように構成してもよい。
【0029】
このように構成すれば、複数のデータ線群のうち一のデータ線群において、選択信号供給手段によって、n個の検査用スイッチング素子と対応するn個の選択用スイッチング素子に対して、j本目のデータ線にj番目の画像信号を順番に出力させるタイミングで、選択信号が供給される。よって、このデータ線群において、順番に、j本目のデータ線に係るリーク期間はj番目に長くなる。これに対して、データ線群における各検査用スイッチング素子に含まれる検査用半導体素子は、各データ線に係るリーク期間の長さと対応して、リーク期間が長くなるほどオフ電流特性に優れるように構成されている。従って、データ線群内の複数のデータ線について、検査用スイッチング素子に含まれる検査用半導体素子におけるリーク電流の悪影響をより低減することが可能となる。
【0030】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路の他の態様では、前記選択信号供給手段は、前記一の半導体素子が前記画像信号を出力する期間が、前記他の半導体素子が前記画像信号を出力する期間と比べて長くなるように前記選択信号を供給する。
【0031】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路では、上述したように選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子がオフ電流特性に優れるが、この半導体素子と対応するデータ線では、該データ線への画像信号の書き込みが十分に行われない可能性がある。しかるにこの態様によれば、選択信号供給手段は、この優れたオフ電流特性を有する一の半導体素子が画像信号を出力する期間が、相対的に長くなるように選択信号を供給する。このため、オフ電流特性に優れる一の半導体素子と対応するデータ線において、このデータ線に対する画像データ信号の書き込みを十分に行うことが可能となる。
【0032】
本発明の第2の電気光学パネルの駆動回路は上記課題を解決するために、n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動回路であって、n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給手段と、入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子と、該選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給手段とを備えており、前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子が前記画像信号を出力する期間が、前記他の半導体素子が前記画像信号を出力する期間と比べて長くなるように前記選択信号を供給する
本発明の第2の電気光学パネルの駆動回路によれば、前述した第1の電気光学パネルの駆動回路における画像信号の出力期間に係る態様の場合と同様の作用及び効果を得ることができる。すなわち、選択信号供給手段は、この優れたオフ電流特性を有する一の半導体素子が画像信号を出力する期間が、相対的に長くなるように選択信号を供給する。このため、オフ電流特性に優れる一の半導体素子と対応するデータ線において、このデータ線に対する画像データ信号の書き込みを十分に行うことが可能となる。
【0033】
本発明の第1及び第2の電気光学パネルの駆動回路の他の態様では、前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n個の半導体素子について、前記オフ電流特性の優れた順に前記画像信号を出力する期間が長くなるように前記選択信号を供給する。
【0034】
この態様によれば、データ線群内の複数のデータ線について、動作時に画像信号を書き込み難い順番で、画像信号を出力する期間を長くするので、全体として各データ線に対する画像信号の書き込みを十分に行うことができる。
【0035】
本発明の第1及び第2の電気光学パネルの駆動回路の他の態様では、当該電気光学パネルの駆動回路は、駆動周波数が可変であり、前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を定めて前記選択信号を出力する。
【0036】
この態様によれば、例えば水平期間といったマルチプレクスされる各期間内で最後に供給される選択信号の出力の終了時点が該各期間の終了時点よりも僅かに以前に来るように、選択信号供給手段は、選択信号を出力する。この際、選択信号が出力される期間或いは各半導体素子が画像信号を出力する期間は固定するとよい。即ち、データ線に対する書き込み能力が同じであれば、例えば駆動周波数を落とした場合であっても、該各期間の終了時点寄りに集めてリーク期間を短くすることで、画像信号を出力する期間を長くする必要性は殆ど又は実践上全くない。このように、極めて効率的にリーク電流量が低減されることになる。
【0037】
本発明の第3の電気光学パネルの駆動回路は上記課題を解決するために、n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動回路であって、n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給手段と、入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子と、前記選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給手段とを備えており、前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、当該電気光学パネルの駆動回路は、駆動周波数が可変であり、前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を定めて前記選択信号を出力する。
【0038】
本発明の第3の電気光学パネルの駆動回路によれば、前述した第1又は第2の電気光学パネルの駆動回路における選択信号の出力が終了する時点を定めることに係る態様の場合と同様の作用及び効果を得ることができる。すなわち、例えば水平期間といったマルチプレクスされる各期間内で最後に供給される選択信号の出力の終了時点が該各期間の終了時点よりも僅かに以前に来るように、選択信号供給手段は、選択信号を出力する。そして、データ線に対する書き込み能力が同じであれば、例えば駆動周波数を落とした場合であっても、該各期間の終了時点寄りに集めてリーク期間を短くすることで、画像信号を出力する期間を長くする必要性は殆ど又は実践上全くない。このように、極めて効率的にリーク電流量が低減されることになる。
【0039】
本発明の第1、第2及び第3の電気光学パネルの駆動回路における他の態様では、前記選択信号供給手段は、前記各期間内において、前記各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を、前記駆動周波数の変化によらずに固定して前記選択信号を出力する。
【0040】
この態様によれば、例えば水平期間といったマルチプレクスされる各期間内で最後に供給される選択信号の出力の終了時点が該各期間の終了時点よりも、微小な固定時間だけ以前に来るように、選択信号供給手段は、選択信号を出力する。これにより、比較的簡単にリーク期間を常に短く設定することが可能となる。
【0041】
本発明の第1、第2、及び第3の電気光学パネルの駆動回路における他の態様によれば、前記選択信号供給手段は、前記各期間内において、前記各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を、前記各期間の開始時点よりも前記終了時点に寄せるように、前記選択信号を出力する。
【0042】
この態様によれば、例えば水平期間といったマルチプレクスされる各期間内で最後に供給される選択信号の出力の終了時点が、該各期間の開始時点よりも終了時点に寄せられる。この結果、該各期間内において、該各期間の半分よりリーク期間を常に短く設定することが可能となる。
【0043】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学パネルの駆動回路(但し、その各種態様を含む)及び前記電気光学パネルを備える。
【0044】
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明の電気光学パネルの駆動回路を備えるので、各データ線群におけるリーク電流を抑制することができる。よって、本発明の電気光学装置においてカラー表示を行う場合、フリッカ等の発生が抑制され、その結果、従来の電気光学装置と比較してカラー表示の際の表示品質を大幅に改善することができる。
【0045】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を具備してなる。
【0046】
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品位の画像表示が可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置を実現することも可能である。
【0047】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動方法は上記課題を解決するため、n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動方法であって、n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給工程と、入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給工程とを備えており、前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子は、前記他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れる。
【0048】
本発明の第1の電気光学パネルの駆動方法によれば、上述した本発明の第1の電気光学パネルの駆動回路の場合と同様に、リーク電流が相対的に発生しやすいデータ線について、該リーク電流の悪影響を優先的に低減するので、フリッカを効率的に低減できる。
【0049】
本発明の第2の電気光学パネルの駆動方法は上記課題を解決するため、n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動方法であって、n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給工程と、入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給工程とを備えており、前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、前記選択信号供給工程は、前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子が前記画像信号を出力する期間が、前記他の半導体素子が前記画像信号を出力する期間と比べて長くなるように前記選択信号を供給する。
【0050】
本発明の第2の電気光学パネルの駆動方法によれば、上述した本発明の第2の電気光学パネルの駆動回路の場合と同様に、オフ電流特性に優れる一の半導体素子と対応するデータ線において、このデータ線に対する画像データ信号の書き込みを十分に行うことが可能となる。
【0051】
本発明の第3の電気光学パネルの駆動方法は上記課題を解決するため、n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動方法であって、n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給工程と、入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給工程とを備えており、前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、当該電気光学パネルの駆動方法は、駆動周波数が可変であり、前記選択信号供給工程は、前記データ線群毎に前記n種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を定めて前記選択信号を出力する。
【0052】
本発明の第3の電気光学パネルの駆動方法によれば、上述した本発明の第3の電気光学パネルの駆動回路の場合と同様に、例えば水平期間といったマルチプレクスされる各期間内で最後に供給される選択信号の出力の終了時点が該各期間の終了時点よりも僅かに以前に来るように、選択信号供給工程は、選択信号を出力する。そして、該各期間の終了時点寄りに集めてリーク期間を短くすることで、画像信号を出力する期間を長くする必要性は殆ど又は実践上全くなく、極めて効率的にリーク電流量が低減されることになる。
【0053】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を、TFTアクティブマトリクス駆動形式の液晶装置に適用したものである。
【0055】
<1;第1実施形態>
本発明の電気光学装置に係る第1実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
【0056】
<1−1;液晶装置の構成>
先ず図1及び図2を参照して液晶装置の概略構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、このうち各画素部における回路構成を示す回路図である。
【0057】
第1実施形態の液晶装置は、主要部として、本発明に係る「電気光学パネル」の一例たる液晶パネルを備える。液晶パネルは、画素用のスイッチング素子としてTFT、画素電極等を形成した素子基板と、対向電極等を形成した対向基板とを互いに電極形成面を対向させて且つ一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶を挟持することで構成されている。
【0058】
図1において、液晶装置1は、液晶パネル100、画像信号供給手段120、走査線駆動回路130、及び検査回路150を備えている。液晶装置1は更に、当該液晶装置1の駆動を制御する信号を生成する制御回路140を備えており、制御回路140内には選択信号供給手段142が設けられている。
【0059】
液晶パネル100は、その素子基板上に画像表示領域110が規定されており、画像表示領域110の周辺に位置する周辺領域にデマルチプレクス回路160を備えている。
【0060】
液晶パネル100は、画像表示領域110に、縦横に配線されたデータ線114及び走査線112を備え、それらの交点に対応する各画素に、マトリクス状に配列された画素電極118及び画素電極118をスイッチング制御するためのTFT116を備えている。
【0061】
図2に、これら画素電極118及びTFT116と、走査線112及びデータ線114との接続関係について、具体的な構成例を示してある。
【0062】
尚、図2には、TFT116として、片チャネル型のTFTを用いる場合の構成例を示してある。図2に示すように、TFT116のソース電極には、データ線114が電気的に接続されている一方、TFT116のゲート電極には、走査信号が供給される走査線112が電気的に接続されるとともに、TFT116のドレイン電極には、画素電極118が接続されている。そして、各画素は、画素電極118と、対向基板に形成された対向電極108と、これら両電極間に挟持された液晶105とによって構成される結果、走査線112とデータ線114との各交点に対応して、マトリクス状に配列されることになる。
【0063】
尚、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、蓄積容量119が、画素電極118と対向電極108との間に形成される液晶容量と並列に付加されている。例えば、画素電極118の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量119により保持されるので、保持特性が改善される結果、高コントラスト比が実現されることとなる。
【0064】
また、図2に示すように、後述する対向電極電位LCCOMが対向電極108に印加されて、1水平期間毎にレベル反転する構成となっている。
【0065】
デマルチプレクス回路160及び検査回路150は、TFTを用いて構成されるスイッチング素子を複数備える。デマルチプレクス回路160は、n本のデータ線114を一群とし、これらn本のデータ線114の各々に設けられる選択用スイッチング素子111により構成されている。
【0066】
尚、本実施形態では特に断らない限り、図1に示したようにn=3として、即ちRGB用に夫々1本ずつである合計3本のデータ線114を、一群或いは一つのデータ線群として説明を行う。但し、例えばRGB用に夫々2本ずつである合計6本のデータ線114を、一群として構成することも可能である。
【0067】
検査回路150は、データ線群における、n個の選択用スイッチング素子111に夫々対応して設けられるn個の検査用スイッチング素子113を備えている。即ち、n個の検査用スイッチング素子113はデータ線群におけるn本のデータ線114に対応して設けられており、検査用スイッチング113の出力端側は対応するデータ線114に接続されている。尚、デマルチプレクス回路160のより詳細な構成は後述する。
【0068】
画像信号供給手段120は、例えば240個の出力端子を有しており、当該液晶装置1に供給される入力画像データに基づいて、各出力端子からマルチプレクス信号SEG1〜SEG240を出力する。本実施形態によれば、各マルチプレクス信号SEG1〜SEG240は時分割多重されている。
【0069】
走査線駆動回路130は、例えば320個の走査信号G1〜G320を、画像表示領域110における各走査線112に対して順次出力するものである。
【0070】
制御回路140における選択信号供給手段142は、1水平期間内において第1〜第n選択信号を出力する。
【0071】
検査回路150において、例えば電気光学パネルの駆動検査時、複数のデータ線群の各々におけるn個の検査用スイッチング素子113に夫々検査用選択信号が供給され、該検査用選択信号の入力に応じて検査用スイッチング素子113を介してデータ線114に出力される検査信号が供給される。
【0072】
次に図3を参照して、デマルチプレクス回路160のより詳細な構成について説明する。図3には、デマルチプレクス回路160の構成及び検査回路150の概略的な構成を示してある。
【0073】
本実施形態では、データ線群115には第1〜第nデータ線のn本のデータ線114が含まれている。ここで、本実施形態ではn=3とし、第1〜第3データ線114a、114b、及び114cを含むデータ線群115の構成例を図3に示してある。また、図1についても、図3と同様に、液晶装置1は、n=3としてあるデータ線群115を含む構成であるとする。
【0074】
本実施形態の構成例によれば、画像表示領域110には、上述の240個のマルチプレクス信号SEG1〜SEG240の夫々と対応して、240群のデータ線群115が設けられている。また、各データ線群115に対する走査線112の本数は320本である。
【0075】
よって、データ線群115における画素数は、第1〜第3データ線114a、114b、及び114cと、走査線112との各交差に対応して、3×320となる。本実施形態では、これらの画素を、説明の便宜上サブ画素Psと適宜称する。
【0076】
そして、この構成例では、第1データ線114aと走査線112との各交差に対応する320画素は赤(R)を表示するサブ画素Psr、第2データ線114bと走査線112との各交差に対応する320画素は緑(G)を表示するサブ画素Psg、第3データ線114cと走査線112との各交差に対応する320画素は青(B)を表示するサブ画素Psbとなっている。
【0077】
また、データ線群115において、第1〜第3データ線114a、114b、及び114cと、1本の走査線112との各交差に対応する各サブ画素Psを一組とするものを、メイン画素Pmと適宜称する。上述したようなこの構成例によれば、液晶パネルの画像表示領域110におけるメイン画素Pmの総数は、240×320となる。
【0078】
デマルチプレクス回路160は、240群のデータ線群115の各々に対する第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cにより構成されている。
【0079】
本実施形態では、データ線群115において、第1〜第3データ線114a、114b、及び114cの一端側には、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cが設けられている。図3には、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTとして片チャネル型のTFTを用いる場合の構成例を示してある。
【0080】
第1データ線114aに着目すれば、当該第1データ線114aには第1選択用スイッチング素子111aが、そのソース電極又はドレイン電極を第1データ線114aと電気的に接続させることによって、設けられている。この第1択用スイッチング素子111aと同様に、第2データ線114bには第2選択用スイッチング素子111bが設けられており、第3データ線114cには第3選択用スイッチング素子111cが設けられている。
【0081】
検査回路150は、240群のデータ線群115の各々における第1〜第3データ線114a、114b、及び114cと対応する第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cを備えている。
【0082】
データ線群115において、第1〜第3データ線114a、114b、及び114cの他端側と、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cの出力端側は電気的に接続されている。尚、図3には、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cの夫々を構成するTFTとして片チャネル型のTFTを用いる場合の構成例を示してある。
【0083】
第1データ線114aに着目すれば、当該第1データ線114aには第1検査用スイッチング素子113aが、そのソース電極又はドレイン電極を第1データ線114aと電気的に接続させることによって、設けられている。この第1検査用スイッチング素子113aと同様に、第2データ線114bには第2検査用スイッチング素子113bが設けられており、第3データ線114cには第3検査用スイッチング素子113cが設けられている。
【0084】
尚、電気光学パネルの駆動検査時、各データ線群115において、検査回路150において出力される検査用選択信号は、第1検査用スイッチング素子113a、第2検査用スイッチング素子113b、及び第3検査用スイッチング素子113cのいずれかのゲート電極に入力される。
【0085】
画像信号供給手段120から出力されるマルチプレクス信号SEG1〜SEG240は、240群のデータ線群115に入力される。本実施形態では、1水平期間において、一つのマルチプレクス信号SEGjが一つのデータ線群115に入力される。
【0086】
また、選択信号供給手段142は、1フレームの期間内において、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cに入力される第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、及びBSELを出力する。第1選択信号RSELは、第1選択用スイッチング素子111aのゲート電極に入力され、第2選択信号GSELは、第2選択用スイッチング素子111bのゲート電極に入力され、第3選択信号BSELは、第3選択用スイッチング素子111cのゲート電極に入力される。
【0087】
データ線群115において、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cは、マルチプレクス信号SEGjの第1〜第3データ線114a、114b、及び114cへの入力を、第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、及びBSELに基づいてスイッチング制御する。
【0088】
<1−2;液晶装置の動作>
次に図4を参照して、液晶装置1の動作について説明する。図4は、液晶装置1の動作に係る各種信号の経時的変化を示すタイミングチャートである。
【0089】
図4に示すように、対向電極108の電位であるコモン電位LCCOMは、1水平期間毎に高電位と低電位との間で切り替わる。これは、液晶の焼付及び劣化を防止すると共にフリッカを防止するための反転駆動方式を採用していることによる。
【0090】
ここで、本実施形態において、1水平期間は分割された4つの期間からなる。また、既に説明したように、画像信号供給手段120から出力されるマルチプレクス信号SEGjは時分割多重された信号であって、1水平期間にデータ線群115における各データ線114a、114b、及び114cに供給すべき第1〜第3画像信号を含んでいる。
【0091】
第1画像信号は、第1期間に赤(R)を表示するサブ画素(R画素)Psrに供給されるべき信号であり、第2画像信号は第2期間に緑(G)を表示するサブ画素(G画素)Psgに供給されるべき信号であり、第3画像信号は第3期間に青(B)を表示するサブ画素(B画素)Psbに供給されるべき信号である。
【0092】
図4には、第1期間をR期間として示してあり、第2期間をG期間として示してあり、第3期間をB期間として示してある。また、図4において、マルチプレクス信号SEGjに含まれる第1画像信号をRデータ、第2画像信号をGデータ、第3画像信号をBデータとして示してある。
【0093】
また、1水平期間においてG期間に続いてコモン電位が切り替わる反転期間が存在する。
【0094】
図4に示すように、a(但し、aは1以上の自然数)フレームにおいて、走査線駆動回路130から出力された走査信号Gyが、図3に示す走査線112−yに印加される。走査信号Gyが印加されると、この走査線112−yに電気的に接続されたメイン画素Pmの、R画素Psr、G画素Psg、及びB画素Psbを構成するTFT116がオン状態となる。
【0095】
そして、本実施形態では、このメイン画素Pmに対応するいずれかのデータ線群115において、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cは、第1〜第3データ線114a、114b、及び114cへの第1画像信号(Rデータ)、第2画像信号(Gデータ)、及び第3画像信号(Bデータ)の入力をスイッチング制御する。
【0096】
このスイッチング制御において、第1選択用スイッチング素子111aは、第1選択信号RSELの入力に応答して、その出力端側から、第1データ線114aに対して、その入力端側から入力されるマルチプレクス信号SEGjに含まれる第1画像信号(Rデータ)を出力し、第2選択用スイッチング素子111bは、第2選択信号GSELの入力に応答して、その出力端側から、第2データ線114bに対して、その入力端側から入力されるマルチプレクス信号SEGjに含まれる第2画像信号(Gデータ)を出力し、第3選択用スイッチング素子111cは、第3選択信号BSELの入力に応答して、その出力端側から、第3データ線114cに対して、その入力端側から入力されるマルチプレクス信号SEGjに含まれる第3画像信号(Bデータ)を出力する。ここで、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、111cの夫々の入力端側とは、これら第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、111cの夫々のソース電極及びドレイン電極のいずれか一方の電極(例えば、ソース電極)であり、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、111cの夫々の出力端側とは、これら第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、111cの夫々のソース電極及びドレイン電極のうち他方の電極(例えば、ドレイン電極)である。
【0097】
このようなスイッチング制御を行うため、選択信号供給手段142から出力される第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、及びBSELは、次のように第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのそれぞれに入力される。
【0098】
デマルチプレクス回路160において、選択信号供給手段142から第1期間(R期間)に出力される第1選択信号RSELは、第1選択用スイッチング素子111aに入力される。第1選択信号RSELが入力された第1選択用スイッチング素子111aはオン状態となり、第1データ線114aに第1画像信号(Rデータ)が供給される。これに伴い、既に対応するTFT116が走査信号Gyの供給によりオン状態とされているR画素Psrへの、第1画像信号(Rデータ)の書き込みが開始される。
【0099】
そして、時刻t1において、選択信号供給手段142からの第1選択信号RSELの供給が終了されると、第1選択用スイッチング素子111aはオフ状態となるとともに、時刻t1においてR画素Psrに取り込まれる電位が確定する。
【0100】
次に、デマルチプレクス回路160において、選択信号供給手段142から第2期間(G期間)に出力される第2選択信号GSELは、第2選択用スイッチング素子111bに入力される。第2選択信号GSELが入力された第2選択用スイッチング素子111bはオン状態となり、第2データ線114bに第2画像信号(Gデータ)が供給される。これに伴い、既に対応するTFT116が走査信号Gyの供給によりオン状態とされているG画素Psgへの、第2画像信号(Gデータ)の書き込みが開始される。
【0101】
そして、時刻t2において、選択信号供給手段142からの第2選択信号GSELの供給が終了されると、第2選択用スイッチング素子111bはオフ状態となるとともに、時刻t2においてG画素Psgに取り込まれる電位が確定する。
【0102】
続いて、デマルチプレクス回路160において、選択信号供給手段142から第3期間(B期間)に出力される第3選択信号BSELは、第3選択用スイッチング素子111cに入力される。第3選択信号BSELが入力された第3選択用スイッチング素子111cはオン状態となり、第3データ線114cに第3画像信号(Bデータ)が供給される。これに伴い、既に対応するTFT116が走査信号Gyの供給によりオン状態とされているB画素Psbへの、第3画像信号(Bデータ)の書き込みが開始される。
【0103】
そして、時刻t3において、選択信号供給手段142からの第3選択信号BSELの供給が終了されると、第3選択用スイッチング素子111cはオフ状態となるとともに、時刻t3においてB画素Psbに取り込まれる電位が確定する。
【0104】
ここで、液晶装置1の駆動例によれば、第1データ線114aに係るリーク期間は時刻t1から走査信号Gyがオフになるまでの期間であり、第2データ線114bに係るリーク期間は時刻t2から走査信号Gyがオフになるまでの期間であり、第3データ線114cに係るリーク期間は時刻t3から走査信号Gyがオフになるまでの期間である。図4には、第1データ線114aに係るリーク期間をRリーク期間として示してあり、第2データ線114bに係るリーク期間をGリーク期間として示してあり、及び第3データ線114cに係るリーク期間をBリーク期間として示してある。第1〜第3データ線114a、114b、114cの夫々に係るリーク期間の時間的な長さを互いに比較すると、Rリーク期間が最も長く、次いでBリーク期間が長くなり、Gリーク期間は最も短くなる。従って、第1〜第3データ線114a、114b、114cの夫々におけるリーク電流量は、三つの選択用スイッチング素子(即ち、第1〜第3選択用スイッチング素子111a〜111c)のオフ電流特性に優劣がないと仮定すれば、第1データ線114aが最大となり、次いで第2データ線114bが大きくなり、第3データ線114cが最小となる。
【0105】
ここで、本実施形態によれば、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTのうち、選択信号が相対的に先に供給される一のTFTは、選択信号が相対的に後に供給される他のTFTと比べてオフ電流特性に優れる。本実施形態では好ましくは、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち、第1選択用スイッチング素子111aを構成するTFTのオフ電流特性が最も優れており、この第1選択用スイッチング素子111aの次に第2選択用スイッチング素子111bを構成するTFTがオフ電流特性に優れている。そして、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち、第3選択用スイッチング素子111cを構成するTFTが最もオフ電流特性に劣る。
【0106】
また、本実施形態によれば、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTのオフ電流特性とは、これらTFTの夫々のオフ電流の大小である。即ち本実施形態では、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち、第1選択用スイッチング素子111aを構成するTFTのオフ電流は最小となり、第3選択用スイッチング素子111cを構成するTFTのオフ電流は最大となる。第2選択用スイッチング素子111bのオフ電流は、第3選択用スイッチング素子111bの次に大きくなる。
【0107】
このようにオフ電流を調整するために、第1選択用スイッチング素子111aを構成するTFTのチャネル幅は、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち最小となっている、若しくはこれに代えて又は加えて第1選択用スイッチング素子111aを構成するTFTのチャネル長が第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち最大となっている。また、第3選択用スイッチング素子111cを構成するTFTのチャネル幅は、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち最大となっている、若しくはこれに代えて又は加えて第3選択用スイッチング素子111cを構成するTFTのチャネル長が第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち最小となっている。第2選択用スイッチング素子111bを構成するTFTのチャネル幅は、第3選択用スイッチング素子111cの次に大きくなっている、若しくはこれに変えて又は加えて、第2選択用スイッチング素子111bを構成するTFTのチャネル長は、第1選択用スイッチング素子111aの次に大きくなっている。
【0108】
よって、本実施形態では、ゲート電極に選択信号が印加されていないリーク期間では、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cのうち、第1選択用スイッチング素子111aの電気抵抗が最大となり、且つ第3選択用スイッチング素子111cの電気抵抗が最小となる。第2選択用スイッチング素子111bの電気抵抗は、第1選択用スイッチング素子111aに次いで大きくなる。従って、本実施形態では、1フレームの期間内において、これら第1〜第3データ線114a、114b、及び114cにおけるリーク電流の発生を効率良く抑制することができる。
【0109】
従って、本実施形態によれば、液晶装置1を駆動させてカラー表示をおこなった場合、フリッカ等の発生が抑制され、その結果、従来の電気光学装置と比較してカラー表示の際の表示品質を大幅に改善することができる。
【0110】
尚、a水平期間に続くa+1水平期間では、a水平期間と同様に、データ線群115における第1〜第3データ線114a、114b、及び114cの選択及び第1〜第3画像データ信号のサンプリングが実行される。
【0111】
更に、本実施形態では好ましくは、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cに対応させて、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cは、夫々オフ電流特性を変化させて構成されている。より具体的には、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cのうち、第1検査用スイッチング素子113aを構成するTFTのオフ電流特性が最も優れており、この第1検査用スイッチング素子113bの次に第2検査用スイッチング素子113bを構成するTFTがオフ電流特性に優れている。そして、第3検査用スイッチング素子113cを構成するTFTが最もオフ電流特性に劣る。また、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cは電気光学パネルの駆動時にはオフ状態となっている。
【0112】
よって、本実施形態では、通常動作時、1水平期間の期間内において、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cにおけるリーク電流の悪影響をより低減することができる。
【0113】
<1−3;変形例>
<1−3−1;データ線選択スイッチング素子及び検査用スイッチング素子>次に図5を参照して、本実施形態の変形例について説明する。図5(A)はデマルチプレクス回路における選択用スイッチング素子の変形例を示す回路図であり、図5(B)は、検査回路における検査用スイッチング素子の変形例を示す回路図である。
【0114】
本変形例では、選択用スイッチング素子111及び検査用スイッチング素子113を構成する薄膜トランジスタとして、本発明に係る相補型トランジスタの一例たるCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)を用いる。
【0115】
図5(A)に示す変形例では、データ線群115において、第1〜第3データ線選択スイッチング素子111a’、111b’、及び111c’の夫々を構成するTFTを、CMOSとしている。図5(B)に示す変形例では、データ線群115において、第1〜第3検査用スイッチング素子113a’、113b’、及び113c’の夫々を構成するTFTを、CMOSとしている。尚、これらのCMOSは夫々、nチャネルMOS型トランジスタとpチャネルMOS型トランジスタの2種類のトランジスタを含んでいる。
【0116】
図5(A)において、第1データ線114aに着目すれば、第1選択用スイッチング素子111a’に含まれる2種類のトランジスタのソース電極及びドレイン電極は夫々第1データ線114aに電気的に並列に接続される。また、第1選択用スイッチング素子111a’において一方の種類のトランジスタのゲート電極は第1選択信号RSELが供給される信号線に電気的に直列に接続してあり、他方の種類のトランジスタのゲート電極は第1選択信号RSELの反転信号が供給される信号線に電気的に直列に接続してある。この第1選択用スイッチング素子111a’と同様に、第2データ線114bに第2選択用スイッチング素子111b’が設けられているとともに、第3データ線114cに第3選択用スイッチング素子111c’が設けられている。
【0117】
また、図5(B)において、第1データ線114aに着目すれば、第1検査用スイッチング素子113a’に含まれる2種類のトランジスタのソース電極及びドレイン電極は夫々第1データ線114aに電気的に並列に接続される。また、第1検査用スイッチング素子113a’において一方の種類のトランジスタのゲート電極は検査用選択信号TRSELが供給される信号線に電気的に直列に接続してあり、他方の種類のトランジスタのゲート電極は検査用選択信号TRSELの反転信号が供給される信号線に電気的に直列に接続してある。この第1検査用スイッチング素子113a’と同様に、第2データ線114bに第2検査用スイッチング素子113b’が設けられているとともに、第3データ線114cに第3検査用スイッチング素子113c’が設けられている。
【0118】
図5(A)の変形例によれば、データ線群115において、第1選択用スイッチング素子111a’、第2選択用スイッチング素子111b’、及び第3選択用スイッチング素子111c’のうち、第1選択用スイッチング素子111a’がオフ電流特性に最も優れ、この第1選択用スイッチング素子111a’に次いで第2選択用スイッチング素子111b’がオフ電流特性に優れ、第3選択用スイッチング素子111b’がオフ電流特性に最も劣るようにするため、これら第1選択用スイッチング素子111a’、第2選択用スイッチング素子111b’、及び第3選択用スイッチング素子111c’は夫々以下のように構成されている。
【0119】
より具体的には、第1選択用スイッチング素子111a’、第2選択用スイッチング素子111b’、及び第3選択用スイッチング素子111c’の夫々を構成するCMOSのうち、選択信号が相対的に後に供給されるCMOSと比べて、該一又は他のCMOSを構成する相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタについて、チャネル幅が小さいか若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が大きい。本変形例では好ましくは、第1選択用スイッチング素子111a’を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタのチャネル幅が、第1〜第3選択用スイッチング素子111a’、111b’、111c’のうち最小となり、若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が第1〜第3選択用スイッチング素子111a’、111b’、111c’のうち最大となる。また、第2選択用スイッチング素子111b’を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタのチャネル幅は、第3選択用スイッチング素子111c’に次いで大きくなり、若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が第1選択用スイッチング素子111a’に次いで大きくなる。更に、第3選択用スイッチング素子111c’を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタのチャネル幅が、第1〜第3選択用スイッチング素子111a’、111b’、111c’のうち最大となり、若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が第1〜第3選択用スイッチング素子111a’、111b’、111c’のうち最小となる。
【0120】
よって、本変形例では、前述したように、第1〜第3選択用スイッチング素子111a’、111b’、111c’の夫々を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型の薄膜トランジスタのうち、少なくとも一つのトランジスタの構成のみを変化させるため、第1〜第3データ線114a、114b、114cにサンプリングされる第1〜第3画像信号の電荷量を、当該トランジスタの構成を変化させない場合の値と同等の値としたまま、前述した第1実施形態と同様、第1〜第3選択信号RSEL〜BSELが印加されていないリーク期間では、第1〜第3データ線114a、114b、114cにおけるリーク電流の発生を極めて効率的に抑制することができる。
【0121】
他方、図5(B)の変形例によれば、データ線群115において、第1検査用スイッチング素子113a’、第2検査用スイッチング素子113b’、及び第3検査用スイッチング素子113c’のうち、第1検査用スイッチング素子113a’がオフ電流特性に最も優れ、この第1検査用スイッチング素子113a’に次いで第2検査用スイッチング素子113b’がオフ電流特性に優れ、第3検査用スイッチング素子113b’がオフ電流特性に最も劣るようにするため、これら第1〜第3検査用スイッチング素子113a’、113b’、113c’は夫々以下のように構成されている。
【0122】
より具体的には、第1検査用スイッチング素子113a’を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタのチャネル幅が、第1〜第3検査用スイッチング素子113a’、113b’、113c’のうち最小となり、若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が第1〜第3検査用スイッチング素子113a’、113b’、113c’のうち最大となる。また、第2検査用スイッチング素子113b’を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタのチャネル幅は、第3検査用スイッチング素子113c’に次いで大きくなり、若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が第1検査用スイッチング素子113a’に次いで大きくなる。更に、第3検査用スイッチング素子113c’を構成するCMOSに含まれる相異なる導電型のトランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導電型のトランジスタのチャネル幅が、第1〜第3検査用スイッチング素子113a’、113b’、113c’のうち最大となり、若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が第1〜第3検査用スイッチング素子113a’、113b’、113c’のうち最小となる。
【0123】
よって、本変形例では、前述した第1実施形態と同様、第1〜第3選択信号TRSEL〜TBSELが印加されていないリーク期間では、第1〜第3検査用スイッチング素子113a、113b、及び113cにおけるリーク電流の悪影響をより低減することができる。
【0124】
<1−3−2;1水平期間の構成>
次に図6を参照して、本実施形態の他の変形例について説明する。
【0125】
前述した第1実施形態では、一のデータ線群115における第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTのオフ電流特性は上述したように設定されているため、第1〜第3選択用スイッチング素子111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTのうち、少なくとも2個について、他方のTFTと比較してオフ電流特性に優れるTFTと対応するデータ線では、逆にオン電流特性の劣化によって該データ線への画像信号の書き込みが十分に行われない可能性がある。即ち、各選択用スイッチング素子におけるオン電流特性の劣化によって書込能力或いはサンプリング能力が多少なりとも低下する懸念がある。より具体的には、前述した第1実施形態によれば、第1〜第3選択用スイッチング111a、111b、及び111cの夫々について、第1選択用スイッチング111aと対応する第1データ線114aへの第1画像信号の書きこみが十分に行われなくなる可能性が最も大きくなる。
【0126】
本変形例では、図4に示すタイミングチャートにおける1水平期間の各期間の長さを次のように変化させて、液晶装置1の駆動を行う。
【0127】
図6は、図4に示す1水平期間の各期間の長さを変化させた場合の、同図における各信号の経時的変化を示すタイミングチャートである。尚、図6に示すタイミングチャートについて、図4と重複する説明は省略する。
【0128】
図6に示すように、選択信号供給手段142の第1選択信号RSELの供給期間の長さは時刻t1’〜時刻t2’の間の時間的な長さlr、選択信号出力回路142の第2選択信号GSELの供給期間の長さは時刻t3’〜時刻t4’の間の時間的な長さlg、及び選択信号出力回路142の第3選択信号BSELの供給期間の長さは時刻t5’〜時刻t6’の間の時間的な長さlbとなる。
【0129】
本変形例によれば、1水平期間において、第1〜第3期間のそれぞれの長さを第1期間、第2期間、第3期間の順に短くしてある。そして、選択信号供給手段142は、lr≧lg≧lbとなるように、第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、及びBSELのそれぞれを出力する。
【0130】
従って、このとき、第1〜第3選択用スイッチング111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTうち、少なくとも2個について、一のTFTが画像信号を出力する期間は、他のTFTが画像信号を出力する期間と比べて長くなる。また、第1〜第3選択用スイッチング111a、111b、及び111cの夫々を構成するTFTうち、第1選択用スイッチング111aを構成するTFTが第1画像信号を出力する期間が最も長くなり、この第1選択用スイッチング111aの次に第2選択用スイッチング111bを構成するTFTが第2画像信号を出力する期間が最も長くなり、第3選択用スイッチング111cを構成するTFTが第3画像信号を出力する期間が最も短くなる。
【0131】
従って、この変形例によれば、仮にリーク電流低減のためにオフ電流特性を向上させるために、オン電流特性が多少劣化したとしても、データ線群115における、第1〜第3データ線114a、114b、114cに対して、第1〜第3画像信号の書き込みを十分に行うことができる。
【0132】
<2;第2実施形態>
本発明の電気光学装置に係る第2実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態に係る液晶装置の主要な構成は、第1実施形態の液晶装置1と同様の構成を含んでいる。すなわち、本実施形態の液晶装置は、主要部に本発明に係る「電気光学パネル」の一例たる液晶パネル、この液晶パネルの駆動に用いる各種信号を生成する、画像信号供給手段、走査線駆動回路、及び検査回路の他、選択信号供給手段を有する制御回路を備えている。そして、本実施形態によれば、液晶装置において、液晶パネルと前述した各回路及び各手段の構成は、第1実施形態の液晶装置1と同様の構成としてある。
【0133】
第2実施形態では、液晶パネルの画像表示領域における、デマルチプレクス回路を構成する各選択用スイッチング素子、及び検査回路に含まれる各検査用スイッチング素子は、第1実施形態で説明したオフ電流特性の調整を行ったものである必要はない。
【0134】
また、第2実施形態の液晶装置の駆動は、図4及び図6を参照して説明した第1実施形態の液晶装置1と同様の動作によって行われる。但し、第2実施形態では、液晶装置の駆動の際、駆動周波数を落とすことにより、この駆動に費やされる消費電力を低減させる省エネ動作に対して、画質を落とさぬように以下の如く適切に対処可能に構成されている。
【0135】
ここで、本実施形態の液晶装置の駆動について、図7の上段に基準周波数駆動時の、各種信号の経時的変化を示すタイミングチャートを示してあり、図7の下段には基準周波数の1/2の周波数で駆動する際の、各種信号の経時的変化を示すタイミングチャートを示してある。尚、図7には、コモン電位、第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、及びBSELの各々の駆動波形が示してある。図7に示すタイミングチャートについて、図4及び図6と重複する説明は省略する。
【0136】
基準周波数駆動時と、基準周波数の1/2の周波数の駆動時とを比較すると、基準周波数の1/2の周波数の駆動時における1水平期間の長さは、基準周波数駆動時の2水平期間分の長さと同等の長さとなっている。よって、何らの手当てを施さなければ、基準周波数の1/2の周波数の駆動時、データ線群の第1〜第3データ線の各々に係るリーク期間も、基準周波数駆動時のこれらのリーク期間と比較して長くなる恐れがある。
【0137】
しかるに本実施形態によれば、選択信号供給手段は、データ線群毎にn種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として選択信号の出力が終了する時点を定めて選択信号を出力する。
【0138】
本実施形態では、既に図4及び図6を参照して説明したように、n=3とした場合、マルチプレクス信号は、3種類の画像信号(Rデータ、Gデータ、Bデータ)が1水平期間の期間内において時分割多重された信号である。
【0139】
そして、本実施形態において、図7に示すように、選択信号供給手段は、1水平期間期間内で供給される第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、BSELのうち、最後に供給される第3選択信号BSELの出力の終了時点が、該1水平期間の終了時点よりも僅かに以前に来るように、第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、BSELの夫々を出力する。この際、第1〜第3選択信号RSEL、GSEL、BSELの夫々が出力される期間、或いはデータ線群における各選択用スイッチング素子を構成するTFTが画像信号を出力する期間は固定するとよい。即ち、データ線に対する書き込み能力が同じであれば、例えば駆動周波数を落とした場合であっても、これらTFTが画像信号を出力する期間を長くする必要性は殆ど又は実践上全くない。他方で、この画像信号を出力する期間を固定したまま、駆動周波数を下げれば、相対的に短くなったこの画像信号を出力する期間を、該各期間の終了時点寄りに集めたことになる。これにより、データ線群における各データ線に係るリーク期間は、相対的に短くされたことになり、リーク電流量が低減されることになる。
【0140】
その結果、本実施形態の液晶装置では、駆動周波数の変化に起因する、各データ線群に含まれる各データ線のリーク電流量の増加が抑制されるため、このリーク電流量の増加によるフリッカ等の発生も抑制され、その結果、従来の電気光学装置と比較してカラー表示の際の表示品質を大幅に改善することができる。
【0141】
以上のように第2実施形態によれば、省エネ用に駆動周波数を低下させた場合であっても、画質を殆ど又は全く劣化させることなく表示動作を行えるという大きな利点が得られる。
【0142】
<3;液晶装置の構成例>
次に以上説明した第1及び第2実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、液晶装置1を上面から見た平面図であり、図9は、図8のH−H’断面図である。
【0143】
液晶装置1は、上述したように主要部に液晶パネル100を有している。液晶パネル100は、その画像表示領域110に、スイッチング素子116、画素電極118等(図1参照)を形成した素子基板602と、対向電極108等を形成した対向基板604とを、互いに電極形成面を対向させて且つ一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶を挟持することで構成されている。尚、図8には、素子基板602をその上に形成された各構成要素と共に対向基板604の側から見た液晶装置1の構成を示してある。
【0144】
図8及び図9において、素子基板602の上には、画像表示領域110(即ち、実際に液晶層配向状態変化により画像が表示される液晶装置の領域)の周囲において、素子基板602と対向基板604の両基板を貼り合わせて液晶層を包囲する光硬化性樹脂からなるシール材606が、画像表示領域110に沿って設けられている。そして、対向基板604上における画像表示領域110とシール材606との間には、遮光性の額縁遮光膜608が設けられている。遮光性の額縁遮光膜608や遮光層609を素子基板602上に形成してもよい。
【0145】
また、図8において、画像表示領域110の左右2辺に沿った部分には、走査線駆動回路130が両側に設けられている。ここで、走査線112の駆動遅延が問題にならないような場合、走査線駆動回路130は走査線112に対して片側のみに形成しても良い。
【0146】
シール材606の外側の領域には、画像表示領域110の下辺に沿って画像信号供給手段120及び外部からの信号入力等を行う外部回路接続用端子610が設けられており、画像表示領域110の左右の2辺に沿って走査線駆動回路130が画像表示領域110の両側に設けられている。更に画像表示領域110の上辺には、走査線駆動回路130に電源や駆動信号を供給するための複数の配線612が設けられている。また、対向基板604のコーナー部の少なくとも一箇所で、素子基板602と対向基板604との間で電気的導通をとるための上下導通材614が設けられている。そして、シール材606とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板604が当該シール材606により素子基板602に固着されている。
【0147】
また、液晶装置1において、RGBのカラーフィルタは、遮光層609の形成されていない画素電極118に対向する所定領域にその保護膜と共に、対向基板604上に形成されている。このような構成を有する本発明に係る液晶装置1は、直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に適用することができる。
【0148】
また、液晶装置1に用いる各スイッチング素子は、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTでも良いし、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、本実施の形態は有効である。
【0149】
更に、液晶装置1において、液晶層を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いて構成すれば、配向膜、並びに前述の偏光フィルム、偏光板等が不要となり、光利用効率が高まることによる液晶装置の高輝度化や低消費電力化の利点が得られる。
【0150】
尚、画像信号出力回路120及び走査線駆動回路130は、素子基板602の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、素子基板602の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
<4;電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。
【0151】
<4−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図10は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0152】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネル100と同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0153】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0154】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0155】
<4−2:モバイル型コンピュータ>
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図11は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0156】
<4−3;携帯電話>
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図12は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0157】
尚、図10〜図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0158】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学パネルの駆動回路及び方法、電気光学パネルの検査回路及び方法、並びに該駆動回路や検査回路等を備えた電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同液晶装置の画素の一態様を示すブロック図である。
【図3】同液晶装置におけるデマルチプレクス回路の構成を示すブロック図である。
【図4】同液晶装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図5(A)は、同液晶装置に係るデータ線選択スイッチング素子の変形例を示す回路図であり、図5(B)は、同液晶装置に係る検査用スイッチング素子の変形例を示す回路図である。
【図6】同液晶装置の変形例に係るタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る液晶装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図9】図8のH−H’断面図である。
【図10】液晶装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す断面図である。
【図11】液晶装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す断面図である。
【図12】液晶装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
111…選択用スイッチング素子、112…走査線、114…データ線、116…トランジスタ(スイッチング素子)、118…画素電極、120…画像信号供給手段、130…走査線駆動回路、142…選択信号供給手段、160…デマルチプレクス回路、RSEL、GSEL、BSEL…選択信号
Claims (20)
- n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動回路であって、
n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレクスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給手段と、
入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子と、
該選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給手段と
を備えており、
前記選択用スイッチング素子は半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、
前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子は、前記他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れることを特徴とする電気光学パネルの駆動回路。 - 前記データ線群毎に前記n個の半導体素子について、前記オフ電流特性の優れた順に前記選択信号が順次供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 前記マルチプレクス信号において画像信号は、前記データ線群毎に一水平期間内でマルチプレクスされており、
前記選択信号供給手段は、前記一水平期間内に、前記n個の半導体素子に対して前記選択信号を順次供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学パネルの駆動回路。 - 前記半導体素子は、薄膜トランジスタを有し、前記オフ電流特性は、前記薄膜トランジスタのオフ電流の大小であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 前記データ線群毎に前記n個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の薄膜トランジスタは、前記選択信号が相対的に後に供給される他の薄膜トランジスタと比べて、チャネル幅が小さいか若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が大きいことを特徴とする請求項4に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 前記半導体素子は、前記薄膜トランジスタとして相補型トランジスタを有し、
前記データ線群毎に前記n個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の相補型トランジスタは前記選択信号が相対的に後に供給される他の相補型トランジスタと比べて、該一又は他の相補型トランジスタを構成する相異なる導動型の薄膜トランジスタのうち少なくともオフ電流の大きい方の導動型の薄膜トランジスタについて、チャネル幅が小さいか若しくはこれに代えて又は加えてチャネル長が大きいことを特徴とする請求項4に記載の電気光学パネルの駆動回路。 - 前記電気光学パネルの駆動検査時に用いられる検査用スイッチング素子を更に備えており、
該検査用スイッチング素子は、検査用半導体素子を含んでなると共に、前記選択用スイッチング素子に対応させて前記データ線に設けられており、
前記データ線群毎に前記n個の半導体素子と対応するn個の検査用半導体素子のうち前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と対応する前記検査用半導体素子は、前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子と対応する前記検査用半導体素子と比べてオフ電流特性に優れることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学パネルの駆動回路。 - 前記n個の検査用半導体素子は、前記選択信号が供給される順に対応する順で前記オフ電流特性に優れることを特徴とする請求項7に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 前記選択信号供給手段は、前記一の半導体素子が前記画像信号を出力する期間が、前記他の半導体素子が前記画像信号を出力する期間と比べて長くなるように前記選択信号を供給することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動回路であって、
n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給手段と、
入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子と、
該選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給手段と
を備えており、
前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、
前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子が前記画像信号を出力する期間が、前記他の半導体素子が前記画像信号を出力する期間と比べて長くなるように前記選択信号を供給することを特徴とする電気光学パネルの駆動回路。 - 前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n個の半導体素子について、前記オフ電流特性の優れた順に前記画像信号を出力する期間が長くなるように前記選択信号を供給することを特徴とする請求項9又は110に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 当該電気光学パネルの駆動回路は、駆動周波数が可変であり、
前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を定めて前記選択信号を出力することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の電気光学パネルの駆動回路。 - n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動回路であって、
n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給手段と、
入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子と、
前記選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給手段と
を備えており、
前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、
当該電気光学パネルの駆動回路は、駆動周波数が可変であり、
前記選択信号供給手段は、前記データ線群毎に前記n種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を定めて前記選択信号を出力することを特徴とする電気光学パネルの駆動回路。 - 前記選択信号供給手段は、前記各期間内において、前記各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を、前記駆動周波数の変化によらずにほぼ同一として前記選択信号を出力することを特徴とする請求項12又は13に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 前記選択信号供給手段は、前記各期間内において、前記各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を、前記各期間の開始時点よりも前記終了時点に寄せるように、前記選択信号を出力することを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の電気光学パネルの駆動回路。
- 請求項1から15のいずれか一項に記載の電気光学パネルの駆動回路及び前記電気光学パネルを備えたことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項16に記載の電気光学装置を具備することを特徴とする電子機器。
- n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動方法であって、
n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給工程と、
入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給工程と
を備えており、
前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、
前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子は、前記他の半導体素子と比べてオフ電流特性に優れることを特徴とする電気光学パネルの駆動方法。 - n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動方法であって、
n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給工程と、
入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給工程と
を備えており、
前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、
前記選択信号供給工程は、前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応するn個の半導体素子のうち、前記選択信号が相対的に先に供給される一の半導体素子と前記選択信号が相対的に後に供給される他の半導体素子とについて、前記一の半導体素子が前記画像信号を出力する期間が、前記他の半導体素子が前記画像信号を出力する期間と比べて長くなるように前記選択信号を供給することを特徴とする電気光学パネルの駆動方法。 - n本(但し、nは2以上の自然数)のデータ線を夫々含んでなるデータ線群を複数有する電気光学パネルを駆動する電気光学パネルの駆動方法であって、
n種類の画像信号を時間軸上でマルチプレスすることで、前記データ線群別のマルチプレクス信号として前記複数のデータ線群の各々に対して出力する画像信号供給工程と、
入力端側から入力される前記マルチプレクス信号を選択信号に応じてデマルチプレクスし、該デマルチプレクスにより得られた前記画像信号を出力端側から前記データ線に出力する選択用スイッチング素子に前記選択信号を供給する選択信号供給工程と
を備えており、
前記選択用スイッチング素子は夫々半導体素子を含んでなると共に前記データ線群毎に前記n本のデータ線に対応してn個設けられており、
当該電気光学パネルの駆動方法は、駆動周波数が可変であり、
前記選択信号供給工程は、前記データ線群毎に前記n種類の画像信号がマルチプレクスされる各期間内において、該各期間の終了時点を基準として前記選択信号の出力が終了する時点を定めて前記選択信号を出力することを特徴とする電気光学パネルの駆動方法。
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