JP2004354240A - 漏洩磁束探傷法および漏洩磁束探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】欠陥の発生原因を判定する欠陥弁別機能を有する漏洩磁束探傷法および漏洩磁束探傷装置を提供することを目的とする。
【解決手段】12a、12bの演算装置により、それぞれの測定条件における信号を演算し、欠陥を検出する。さらに、検出された欠陥信号は、欠陥弁別装置13a、13bに送られ、その周波数成分が計算される。この欠陥信号の周波数成分情報から、欠陥弁別をおこない欠陥の発生原因を判定する。また、周波数成分情報と、磁化条件の異なる漏洩磁束信号の強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積等とを組み合わせることで、欠陥の弁別精度を上げることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】12a、12bの演算装置により、それぞれの測定条件における信号を演算し、欠陥を検出する。さらに、検出された欠陥信号は、欠陥弁別装置13a、13bに送られ、その周波数成分が計算される。この欠陥信号の周波数成分情報から、欠陥弁別をおこない欠陥の発生原因を判定する。また、周波数成分情報と、磁化条件の異なる漏洩磁束信号の強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積等とを組み合わせることで、欠陥の弁別精度を上げることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性体金属被検体を磁化し、被検体に存在する欠陥に起因して発生する、漏洩磁束を測定することにより欠陥の検出を行い、検出された欠陥に対して欠陥信号の特徴量を用いて分類する、欠陥の弁別可能な漏洩磁束探傷法および漏洩磁束探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄のような強磁性体金属の内部に存在する欠陥を検出する方式として、漏洩磁束探傷方法が広く用いられる。その一例として、特開平2000−227418号公報(特許文献1)に示される探傷装置を、図2に示す。図2は、微小な内部欠陥を検出するために、複数のセンサによって測定した金属の同一個所に起因する信号同士を演算することで、S/N比を向上させるようにした漏洩磁束探傷装置の概略構成図であり、製鉄プラントにおける製鉄検査ラインに組み込まれている。
【0003】
図2において、1は鋼板、2a、2bは搬送ロール、6は漏洩磁束探傷装置、3a、3bは磁化器、4a、4bは磁気センサ、20は信号処理装置、7は内部欠陥である。
【0004】
製品検査ラインを搬送される鋼板1は、搬送ローラ2a、2bにより、ほぼ一定速度Vで搬送されている。そして、磁化器3aによる磁化は、磁化器3bによる磁化よりも強く設定され、鋼板1を磁気飽和に近い程度まで磁化するようになっている。磁気センサ4aは、磁化器3aで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定し、磁気センサ4bは、磁化器3bで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。
【0005】
信号処理装置20は、各磁気センサ4a、4bの検出信号Va(t)、Vb(t)をアナログ・ディジタル(AD)変換する。また、鋼板2の移動方向における磁気センサ4aと磁気センサ4bの位置ずれ量Sを、逐次実測した鋼板速度Vで除して、同じ鋼板位置に対応する時間差△tを求め、遅延処理回路(図示せず)により4aの信号Va(t)を、相対的に磁気センサ4bの信号Vb(t)に対して遅らせて、Va(t−△t)とVb(t)を対応させるようにする。また、検出信号Va(t−△t)、及びVb(t)は直流分や周波数の低い地合ノイズ成分の低減、欠陥信号周波数より高い電気ノイズなどをカットするため、バンドパスフィルタにかけられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平2000−227418号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このバンドパスフィルタは通常、欠陥信号のS/N比を高く検出するため、欠陥の大きさによって、フィルタの通過帯域をそれぞれ最適化している。
【0008】
特に、熱延鋼板中の内部欠陥に関しては、サンプル採取・分析を繰り返した結果により、図3(b)に示す長さ数mm〜10数mmの長い内部欠陥から図3(a)に示す直径が数100μmの微小な内部欠陥まで、欠陥の大きさが広く分布していることが分かってきた。そして、これら熱延鋼板中の内部欠陥は、鋼が作られる過程で不純物が混入したもので、その不純物の成分によって圧延された時の伸び方に差があることから、内部欠陥の形状に差が生じているということも分かってきている。例えば、Alのように固いものが主成分のものは、余り伸びず核となって残り図3(a)に示すような微小な欠陥となり、またCaのように比較的やわからい物が主成分のものに関しては、図3(b)に示すような伸びて長い欠陥となる。
【0009】
これらの内、主成分がAlであるものは、製鋼の工程中で酸素を除くため用いられそのまま除去しきれず残っているものと考えられる。また、主成分がCaであるものは、製鋼時のパウダーが巻き込まれたものであると考えられる。
【0010】
微小な内部欠陥は、缶用材として加工された際に破断を生じるなど問題となることが知られている。また、長い内部欠陥も、微小欠陥と同様加工時に破断を起こしたり、次工程以降で表面に顕在化し、表面欠陥として塗装時のむらなどの問題となったりするため、これらも重大欠陥として検出する必要がある。このように品質管理の観点から、微小欠陥、長い欠陥のいずれも検出する必要がある。
【0011】
そして、これらの欠陥の発生原因を究明することは、欠陥発生への早期対応を行い、欠陥の大量発生を予防する上で非常に重要である。しかし、上記特許文献1のような従来用いられてきた探傷方法では、検出しようとする欠陥の大きさが微小なものから比較的大きいものまで広く分布する場合、そのいずれにも対応することは困難であり、欠陥の発生原因までは究明できずにいた。
【0012】
これまでは、サンプルを切り出してその成分を分析することによって、原因究明を行ってきた。この作業には、通常数日から数週間の日数がかかり、この期間内では、異常の対策を十分取ることができないという問題があった。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、欠陥の発生原因を判定する欠陥弁別機能を有する漏洩磁束探傷法および漏洩磁束探傷装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明により解決される。
【0015】
請求項1に記載の発明は、強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化条件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その結果に基づいて欠陥を検出する漏洩磁束探傷法において、検出した欠陥信号の周波数成分情報を利用して、欠陥の弁別を行うことを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥の弁別は、欠陥のサイズまたは/および形状の弁別であることを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥のサイズまたは/および形状の弁別結果に基づき、欠陥の発生原因を弁別することを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥信号の周波数成分情報は、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理を行うことにより得ることを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理では、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに欠陥判定の閾値を変えることを特徴とする漏洩磁束探傷方法である。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の漏洩磁束探傷方法において、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理では、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに異なるサンプリング周波数を用いることを特徴とする漏洩磁束探傷方法である。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化条件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その結果に基づいて欠陥を検出する漏洩磁束探傷装置において、検出した欠陥信号の周波数成分情報を利用して、欠陥の弁別を行う欠陥弁別装置を有することを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥弁別装置は、欠陥のサイズまたは/および形状を弁別する装置であることを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0023】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥弁別装置は、欠陥のサイズまたは/および形状の弁別結果に基づき、欠陥の発生原因を弁別する装置であることを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7ないし請求項9に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥信号の周波数成分情報は、異なる2種以上のフィルタによる信号処理を行うことにより得ることを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0025】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理は、異なるフィルタによる信号処理ごとに欠陥判定の閾値を変えることを特徴とする漏洩磁束探傷装置である。
【0026】
さらに、請求項12に記載の発明は、請求項10または請求項11に記載の漏洩磁束探傷装置において、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理は、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに異なるサンプリング周波数を用いることを特徴とする漏洩磁束探傷装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、図1を用いて説明する。図1では、1は鋼板、2a、2bは搬送ロール、3a、3bは磁化器、4a、4bは磁気センサ、5aは微小欠陥用信号処理装置、5bは長欠陥用信号処理装置、6は漏洩磁束探傷装置、7は内部欠陥、8a、8bは磁化器電源、9a、9bはA/D変換器、10a、10bはバンドパスフィルタ、11a、11bは遅延回路、12a、12bは演算装置、および13a、13bは欠陥弁別装置を示す。
【0028】
この製品検査ラインでは、鋼板1の搬送路に沿って漏洩磁束探傷装置6が設置されており、磁化器3a、3bは磁化器電源8a、8bにより電力をそれぞれ供給され、鋼板1を磁化する。そして、L1およびL2は、磁気センサ4aおよび4bと鋼板1との距離であるリフトオフをそれぞれ表わしている。
【0029】
鋼板1は、磁化器3aと磁気センサ4aによりある磁化状態にて探傷される。さらに、磁化器3bと磁気センサ4bにより、先の磁化器3aおよび磁気センサ4aとは異なる磁化レベルにて探傷される。磁気センサ4aおよび4bの出力は、信号処理装置5aおよび5bにそれぞれ入力されて処理が施される。信号処理された信号は、それぞれ9a、9bのA/D変換器にてデジタル信号に変換された後、10a、10bのバンドパスフィルタにかけられる。A/D変換器のサンプリング周期、バンドパスフィルタの通過帯域は、それぞれの信号処理装置の対応する欠陥の大きさによってあらかじめ決められている。
【0030】
図4に、熱延鋼板を探傷する際のノイズと欠陥信号の強度および周波数分布のイメージ図を示す。右上がりの点線で囲まれた楕円で、広範囲に分布する内部欠陥全体を示しており、微小欠陥の信号は、周波数が高い(波長が短い)が信号強度は小さく、長い欠陥の信号は、周波数は低い(波長が長い)が信号強度が大きいという特徴がある。ノイズは、広範囲の周波数分布を示すが、内部欠陥の信号に比べて信号強度は小さい。
【0031】
微小な欠陥は欠陥体積が小さいため欠陥信号成分も小さく、これをS/N比良く検出するためには、検出する欠陥の大きさにあわせてフィルタの通過帯域を狭く絞り、ノイズ成分を除く必要がある。しかし、ここでフィルタの通過域を微小欠陥に合わせて狭く絞ると、上記の長さ数mmにわたるような長い欠陥の信号も除かれてしまい、長い欠陥は計測できないという問題が生じる。
【0032】
長い欠陥を検出するために、バンドパスフィルタの通過帯域を微小欠陥、長い欠陥のいずれにも対応できるように広くとると、ノイズ信号がはいりやすくなるたためノイズ信号が多くなり、S/N比が低下する。長い欠陥信号は欠陥自体の体積が大きいため信号が大きく検出は可能であるが、先に述べたように微小な欠陥は信号成分が小さいため検出できなくなる。
【0033】
そこで、異なる磁化条件で探傷した測定データに対して、通過帯域の異なる2種類以上のバンドパスフィルタを用いた信号処理を行い、その結果に対して周波数成分情報を利用した欠陥の弁別を行うことで微小な欠陥に対しても、長い欠陥に対しても同様に精度良く欠陥の判定、弁別を行うことができる。また、周波数の短い領域で低い信号強度で閾値をとり、長い領域では高い信号強度の閾値をとることで、微小な欠陥と長い欠陥とを弁別可能である。
【0034】
図1の説明に戻って、上述のバンドパスフィルタにかけられた信号は、11a、11bの遅延回路にて上流に位置するセンサからの信号に時間的遅れを与えることで、鋼板上の同じ位置に起因する信号として同期される。その後、信号は12a、12bの演算装置により、それぞれの測定条件における信号を演算し、欠陥を検出する。さらに、検出された欠陥信号は、欠陥弁別装置13a、13bに送られ、その周波数成分が計算される。この欠陥信号の周波数成分情報から、欠陥弁別をおこない欠陥の発生原因を判定する。また、周波数成分情報と、磁化条件の異なる漏洩磁束信号の強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積等とを組み合わせることで、欠陥の弁別精度を上げることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図5を用いて説明する。図5は、本発明を実施するために使用した漏洩磁束探傷装置の概略構成図であり、図1に示した構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図5において、14a、14bは周波数計算装置である。この実施例においては、磁気センサ4a、4bと鋼板1との距離、すなわちリフトオフLは、両磁気センサについて同じ値(0.7[mm])としているが、これは必ずしも同じとする必要はない。
【0037】
なお、製品検査ラインを搬送される鋼板1の厚さは、1[mm]であり、この鋼板1は搬送ローラ2a、2bにより、ほぼ一定速度V=[100m/min]で搬送されている。また、図示していないが、複数個の磁気センサ4a、4bが板幅方向に直線的に5[mm]ピッチで配列されており、200組400個の磁気センサ4a、4bにて板幅方向1mをカバーしている。磁化器3a、3bの磁極の間隔は12[mm]である。この例では、磁化器を2つ用いているが、1つの磁化器に対して異なる磁化条件となる位置に配置した2つ以上の磁気センサを用いてもかまわない。
【0038】
磁化器3bによる磁化は、磁化器3aによる磁化よりも強く設定され、鋼板1を磁気飽和に近い程度まで磁化するようになっている。磁気センサ4bは、磁化器3bで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。磁気センサ4aは、磁化器3aで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。そして、各磁気センサ4a、4bの検出信号Va(t)、Vb(t)は、微小欠陥用信号処理装置5a、長欠陥用信号処理装置5bに並行して入力され、並行して処理される。
【0039】
検出信号Va(t)、Vb(t)は、微小欠陥用A/D変換器9aでは16.7kHzのサンプリング周波数により、さらに長欠陥用A/D変換器9bでは8.3kHzのサンプリング周波数によりアナログ信号からディジタル信号に変換される。これは、微小な欠陥と長い欠陥では、欠陥の長さが異なるため、必要となる分解能が異なるためである。
【0040】
具体的には、微小な欠陥を対象とする場合は、細かい分解能が必要であるためデータのピッチを細かくする必要があり、データをデジタル化する際のサンプリング周波数も高い必要がある。その一方で、長い欠陥を対象とする場合は欠陥が大きいため、分解能は微小欠陥のときと比べ粗くてもかまわず、サンプリング周波数は低くてもかまわない。微小欠陥用のフィルタを利用した信号処理に用いるデータと長い欠陥用のフィルタを利用した信号処理に用いるデータでサンプリング周波数を変えることで、全体の計算量を最適化することが可能である。これにより、信号処理時間の短く、コストの低い方法で、前記課題を解決することができる。
【0041】
また、検出信号Va(t)、及びVb(t)は直流分や周波数の低い地合ノイズ成分の低減、欠陥信号周波数より高い電気ノイズなどをカットするため、バンドパスフィルタ10a、10bにかけられる。通過帯域は、微小欠陥用の10aにおいては1kHz〜1.67kHzであり、また、もう一方の長欠陥用の10bにおいては0.08kHz〜1.67kHzである。それぞれの信号処理装置内ではVa(t)、Vb(t)に対しては同一のものが用いられる。
【0042】
また、鋼板1の移動方向における磁気センサ4aと磁気センサ4bの位置ずれ量を、逐次実測した鋼板速度Vで除して、同じ鋼板位置に対応する時間差△tを求め、遅延処理回路11a、11bにより5a、5b内でそれぞれ4aの信号Va(t)を、相対的に磁気センサ4bの信号Vb(t)に対して遅らせて、Va(t−△t)とVb(t)を対応させるようにする。
【0043】
位置の対応がついた信号Va(t−△t)とVb(t)は、それぞれ演算装置12a、12bでそれぞれ演算処理され、これにより欠陥判定を行う。演算処理としては、信号の強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積を計算するものであり、演算値単体またはこれら演算値の組み合わせにて欠陥の有無を判定する。
【0044】
欠陥があると判定された場合は、演算装置12a、12bは欠陥発生信号を周波数計算装置14a、14bに送る。周波数計算装置14a、14bは、磁気センサ4bからの信号の欠陥に対応する個所の周波数を計算し、欠陥弁別装置13a、13bに送る。欠陥弁別装置13a、13bでは、周波数計算装置14a、14bにて計算された欠陥の周波数成分情報と、演算装置12a、12bにて計算された欠陥の信号強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積という欠陥のサイズ情報を合わせて、その欠陥の発生原因を分類するすなわち欠陥の弁別を行う。
【0045】
なお、それぞれの測定値間の演算、遅延処理、フィルタリングなどの処理は、上述したようにデジタル信号で行ってもよいし、アナログ信号をデジタル信号に変換前に行ってもよい。また、デジタル信号に変換してから行う場合であっても、ハードウエアによってもソフトウエアによって行ってもかまわない。
【0046】
また、上記の説明では、信号処理装置内における異なる磁化条件の磁気センサ4a、4bからの信号へのフィルタリングには同一の通過帯域を用いているが、それぞれに異なる通過帯域を用いてもかまわない。
【0047】
本実施例ではA/D変換時のデータのサンプリング周波数を、長い欠陥用、微小欠陥用でそれぞれ異なるものを用いているが、A/D変換を共通化し同じサンプリング周波数でサンプリングを行い、その後データ処理の計算の際に間引きして処理しても同様の効果が得られる。また、この場合、間引き処理に関しては、例えばフィルタリングの際に以下に示す方法を用いても、全体の計算量を減らすことが可能である。
【0048】
デジタル化されたデータに対するフィルタリング処理として、FIRフィルタが知られている。このフィルタ処理は、元データをAn(n=1、2、…N)とし、フィルタ係数Wm(m=−M、−M+1、…M)としたとき、(1)式に示すような積和演算処理により行われる。
【0049】
【数1】
【0050】
ここで、この積和演算に対して半分の項数のフィルタ係数Xl(l=−L、−L+1、…L、2L=M)を用意し、(2)式に示すようにこの積和処理のみ間引いたデータを用いることで探傷結果の分解能を落とさず全体の計算量を減らすことが可能である。ここで、Xlとしては例えばXl=W2lのようにとる。
【0051】
【数2】
【0052】
以上、対象とする欠陥の大きさに応じて計算量を最適化することが出来、計算を容易に行うことができる
図6と図7に、本発明の効果の一例を示す。 長さの異なる、図3に模式的に示したような2種の内部欠陥(微小欠陥と長い欠陥)に対して、図5に示した装置にてそれぞれのフィルタを適用した結果である。
【0053】
図3(a)に示したような微小欠陥に対しての例を、図6に示す。先ず、図6(a)は、微小欠陥に対する探傷元データである。これに対して、長欠陥用のフィルタ(通過帯域0.08kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図6(b))と微小欠陥用のフィルタ(通過帯域1kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図6(c))とを合わせて示している。図6(c)の微小欠陥用のフィルタ(通過帯域1kHz〜1.67kHz)を用いた方が、図6(b)の長欠陥用のフィルタ(通過帯域0.08kHz〜1.67kHz)を用いた場合に比べて、S/N比が高くなり、中央部にある欠陥信号とその他のノイズ信号をはっきり区別できることがわかる。
【0054】
これとは反対に、図3(b)に示したような長い欠陥の探傷結果を、図7に示す。前結果と同じように、上から探傷元データ(図7(a))、長欠陥用のフィルタ(通過帯域0.08kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図7(b))、および微小欠陥用のフィルタ(通過帯域1kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図7(c))とを合わせて示している。長欠陥用のフィルタを用いた方(図7(b))が、微小欠陥用のフィルタを用いた場合(図7(c))に比べてS/N比が高くなることがわかる。図7(c)では、長周期の欠陥信号がほぼ完全に落ちてしまっている。
【0055】
また、図6の例は主成分がAlであるが、図7の例では主成分がCaである。これらの欠陥信号の周波数分析の結果、メインの欠陥信号の波長は、図6で2mm、図7で10mmとなり、前者の場合は、欠陥の主成分がAlであり、後者の場合は、欠陥の主成分がCaであることが分かった。このように、欠陥の周波数成分情報を利用した欠陥の長さから、欠陥発生原因の弁別が可能である。また、2値化情報を元とした2次元マッピングを行い、欠陥部の幅、面積、などからも欠陥発生原因の弁別が可能である。さらには、欠陥の縦横比、円形度などを指標とする欠陥の形状からも欠陥発生原因の弁別が可能である。すなわち、図3(a)に示したような2次元マッピング後の形状が円形に近い場合は、Al性介在物と判断し、また、図3(b)に示したようなより楕円形に近い場合の内、特に圧延により圧延方向に尖った形状である場合は、よりやわらかいCa性介在物と判断するといった具合である。
【0056】
【発明の効果】
内部欠陥が検出された信号に対して、欠陥の周波数成分の情報によりその発生原因を分類することができ、このことにより早期に欠陥発生への対応をとることが可能となった。また、前記信号に対して、通過帯域の異なるの2種類以上のフィルタをかけることによって、強磁性体金属被検体中の欠陥が微小なものであっても、長いものであっても確実に検出・弁別でき、欠陥検出精度を大幅に向上させることができる。また、欠陥信号強度を前記欠陥の周波数成分の情報に組み合わせて判定することで、欠陥の弁別精度を向上させることが可能である。さらに、対象とする欠陥の大きさに応じてA/D変換のサンプリング周波数を変えることで計算量を最適化することが出来、計算を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】従来の漏洩磁束探傷装置の概略構成を示す図である。
【図3】熱延鋼板中の内部欠陥の模式図である。
【図4】欠陥とノイズの信号強度および周波数の分布イメージ図である。
【図5】本発明の実施例を示す概略構成図である。
【図6】微小欠陥に対する本発明の効果を示す図である。
【図7】長い欠陥に対する本発明の効果を示す図である。
【符号の説明】
1 強磁性体金属被検体(鋼板)
2a、2b 搬送ロール
3a、3b 磁化器
4a、4b 磁気センサ
5a 微小欠陥用信号処理装置
5b 長欠陥用信号処理装置
6 漏洩磁束探傷装置
7 内部欠陥
8a、8b 磁化器電源
9a、9b A/D変換器
10a、10b バンドパスフィルタ
11a、11b 遅延回路
12a、12b 演算装置
13a、13b 欠陥弁別装置
14a、14b 周波数計算装置
20 信号処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性体金属被検体を磁化し、被検体に存在する欠陥に起因して発生する、漏洩磁束を測定することにより欠陥の検出を行い、検出された欠陥に対して欠陥信号の特徴量を用いて分類する、欠陥の弁別可能な漏洩磁束探傷法および漏洩磁束探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄のような強磁性体金属の内部に存在する欠陥を検出する方式として、漏洩磁束探傷方法が広く用いられる。その一例として、特開平2000−227418号公報(特許文献1)に示される探傷装置を、図2に示す。図2は、微小な内部欠陥を検出するために、複数のセンサによって測定した金属の同一個所に起因する信号同士を演算することで、S/N比を向上させるようにした漏洩磁束探傷装置の概略構成図であり、製鉄プラントにおける製鉄検査ラインに組み込まれている。
【0003】
図2において、1は鋼板、2a、2bは搬送ロール、6は漏洩磁束探傷装置、3a、3bは磁化器、4a、4bは磁気センサ、20は信号処理装置、7は内部欠陥である。
【0004】
製品検査ラインを搬送される鋼板1は、搬送ローラ2a、2bにより、ほぼ一定速度Vで搬送されている。そして、磁化器3aによる磁化は、磁化器3bによる磁化よりも強く設定され、鋼板1を磁気飽和に近い程度まで磁化するようになっている。磁気センサ4aは、磁化器3aで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定し、磁気センサ4bは、磁化器3bで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。
【0005】
信号処理装置20は、各磁気センサ4a、4bの検出信号Va(t)、Vb(t)をアナログ・ディジタル(AD)変換する。また、鋼板2の移動方向における磁気センサ4aと磁気センサ4bの位置ずれ量Sを、逐次実測した鋼板速度Vで除して、同じ鋼板位置に対応する時間差△tを求め、遅延処理回路(図示せず)により4aの信号Va(t)を、相対的に磁気センサ4bの信号Vb(t)に対して遅らせて、Va(t−△t)とVb(t)を対応させるようにする。また、検出信号Va(t−△t)、及びVb(t)は直流分や周波数の低い地合ノイズ成分の低減、欠陥信号周波数より高い電気ノイズなどをカットするため、バンドパスフィルタにかけられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平2000−227418号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このバンドパスフィルタは通常、欠陥信号のS/N比を高く検出するため、欠陥の大きさによって、フィルタの通過帯域をそれぞれ最適化している。
【0008】
特に、熱延鋼板中の内部欠陥に関しては、サンプル採取・分析を繰り返した結果により、図3(b)に示す長さ数mm〜10数mmの長い内部欠陥から図3(a)に示す直径が数100μmの微小な内部欠陥まで、欠陥の大きさが広く分布していることが分かってきた。そして、これら熱延鋼板中の内部欠陥は、鋼が作られる過程で不純物が混入したもので、その不純物の成分によって圧延された時の伸び方に差があることから、内部欠陥の形状に差が生じているということも分かってきている。例えば、Alのように固いものが主成分のものは、余り伸びず核となって残り図3(a)に示すような微小な欠陥となり、またCaのように比較的やわからい物が主成分のものに関しては、図3(b)に示すような伸びて長い欠陥となる。
【0009】
これらの内、主成分がAlであるものは、製鋼の工程中で酸素を除くため用いられそのまま除去しきれず残っているものと考えられる。また、主成分がCaであるものは、製鋼時のパウダーが巻き込まれたものであると考えられる。
【0010】
微小な内部欠陥は、缶用材として加工された際に破断を生じるなど問題となることが知られている。また、長い内部欠陥も、微小欠陥と同様加工時に破断を起こしたり、次工程以降で表面に顕在化し、表面欠陥として塗装時のむらなどの問題となったりするため、これらも重大欠陥として検出する必要がある。このように品質管理の観点から、微小欠陥、長い欠陥のいずれも検出する必要がある。
【0011】
そして、これらの欠陥の発生原因を究明することは、欠陥発生への早期対応を行い、欠陥の大量発生を予防する上で非常に重要である。しかし、上記特許文献1のような従来用いられてきた探傷方法では、検出しようとする欠陥の大きさが微小なものから比較的大きいものまで広く分布する場合、そのいずれにも対応することは困難であり、欠陥の発生原因までは究明できずにいた。
【0012】
これまでは、サンプルを切り出してその成分を分析することによって、原因究明を行ってきた。この作業には、通常数日から数週間の日数がかかり、この期間内では、異常の対策を十分取ることができないという問題があった。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、欠陥の発生原因を判定する欠陥弁別機能を有する漏洩磁束探傷法および漏洩磁束探傷装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明により解決される。
【0015】
請求項1に記載の発明は、強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化条件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その結果に基づいて欠陥を検出する漏洩磁束探傷法において、検出した欠陥信号の周波数成分情報を利用して、欠陥の弁別を行うことを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥の弁別は、欠陥のサイズまたは/および形状の弁別であることを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥のサイズまたは/および形状の弁別結果に基づき、欠陥の発生原因を弁別することを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥信号の周波数成分情報は、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理を行うことにより得ることを特徴とした漏洩磁束探傷方法である。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理では、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに欠陥判定の閾値を変えることを特徴とする漏洩磁束探傷方法である。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の漏洩磁束探傷方法において、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理では、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに異なるサンプリング周波数を用いることを特徴とする漏洩磁束探傷方法である。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化条件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その結果に基づいて欠陥を検出する漏洩磁束探傷装置において、検出した欠陥信号の周波数成分情報を利用して、欠陥の弁別を行う欠陥弁別装置を有することを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥弁別装置は、欠陥のサイズまたは/および形状を弁別する装置であることを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0023】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥弁別装置は、欠陥のサイズまたは/および形状の弁別結果に基づき、欠陥の発生原因を弁別する装置であることを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7ないし請求項9に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥信号の周波数成分情報は、異なる2種以上のフィルタによる信号処理を行うことにより得ることを特徴とした漏洩磁束探傷装置である。
【0025】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理は、異なるフィルタによる信号処理ごとに欠陥判定の閾値を変えることを特徴とする漏洩磁束探傷装置である。
【0026】
さらに、請求項12に記載の発明は、請求項10または請求項11に記載の漏洩磁束探傷装置において、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理は、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに異なるサンプリング周波数を用いることを特徴とする漏洩磁束探傷装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、図1を用いて説明する。図1では、1は鋼板、2a、2bは搬送ロール、3a、3bは磁化器、4a、4bは磁気センサ、5aは微小欠陥用信号処理装置、5bは長欠陥用信号処理装置、6は漏洩磁束探傷装置、7は内部欠陥、8a、8bは磁化器電源、9a、9bはA/D変換器、10a、10bはバンドパスフィルタ、11a、11bは遅延回路、12a、12bは演算装置、および13a、13bは欠陥弁別装置を示す。
【0028】
この製品検査ラインでは、鋼板1の搬送路に沿って漏洩磁束探傷装置6が設置されており、磁化器3a、3bは磁化器電源8a、8bにより電力をそれぞれ供給され、鋼板1を磁化する。そして、L1およびL2は、磁気センサ4aおよび4bと鋼板1との距離であるリフトオフをそれぞれ表わしている。
【0029】
鋼板1は、磁化器3aと磁気センサ4aによりある磁化状態にて探傷される。さらに、磁化器3bと磁気センサ4bにより、先の磁化器3aおよび磁気センサ4aとは異なる磁化レベルにて探傷される。磁気センサ4aおよび4bの出力は、信号処理装置5aおよび5bにそれぞれ入力されて処理が施される。信号処理された信号は、それぞれ9a、9bのA/D変換器にてデジタル信号に変換された後、10a、10bのバンドパスフィルタにかけられる。A/D変換器のサンプリング周期、バンドパスフィルタの通過帯域は、それぞれの信号処理装置の対応する欠陥の大きさによってあらかじめ決められている。
【0030】
図4に、熱延鋼板を探傷する際のノイズと欠陥信号の強度および周波数分布のイメージ図を示す。右上がりの点線で囲まれた楕円で、広範囲に分布する内部欠陥全体を示しており、微小欠陥の信号は、周波数が高い(波長が短い)が信号強度は小さく、長い欠陥の信号は、周波数は低い(波長が長い)が信号強度が大きいという特徴がある。ノイズは、広範囲の周波数分布を示すが、内部欠陥の信号に比べて信号強度は小さい。
【0031】
微小な欠陥は欠陥体積が小さいため欠陥信号成分も小さく、これをS/N比良く検出するためには、検出する欠陥の大きさにあわせてフィルタの通過帯域を狭く絞り、ノイズ成分を除く必要がある。しかし、ここでフィルタの通過域を微小欠陥に合わせて狭く絞ると、上記の長さ数mmにわたるような長い欠陥の信号も除かれてしまい、長い欠陥は計測できないという問題が生じる。
【0032】
長い欠陥を検出するために、バンドパスフィルタの通過帯域を微小欠陥、長い欠陥のいずれにも対応できるように広くとると、ノイズ信号がはいりやすくなるたためノイズ信号が多くなり、S/N比が低下する。長い欠陥信号は欠陥自体の体積が大きいため信号が大きく検出は可能であるが、先に述べたように微小な欠陥は信号成分が小さいため検出できなくなる。
【0033】
そこで、異なる磁化条件で探傷した測定データに対して、通過帯域の異なる2種類以上のバンドパスフィルタを用いた信号処理を行い、その結果に対して周波数成分情報を利用した欠陥の弁別を行うことで微小な欠陥に対しても、長い欠陥に対しても同様に精度良く欠陥の判定、弁別を行うことができる。また、周波数の短い領域で低い信号強度で閾値をとり、長い領域では高い信号強度の閾値をとることで、微小な欠陥と長い欠陥とを弁別可能である。
【0034】
図1の説明に戻って、上述のバンドパスフィルタにかけられた信号は、11a、11bの遅延回路にて上流に位置するセンサからの信号に時間的遅れを与えることで、鋼板上の同じ位置に起因する信号として同期される。その後、信号は12a、12bの演算装置により、それぞれの測定条件における信号を演算し、欠陥を検出する。さらに、検出された欠陥信号は、欠陥弁別装置13a、13bに送られ、その周波数成分が計算される。この欠陥信号の周波数成分情報から、欠陥弁別をおこない欠陥の発生原因を判定する。また、周波数成分情報と、磁化条件の異なる漏洩磁束信号の強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積等とを組み合わせることで、欠陥の弁別精度を上げることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図5を用いて説明する。図5は、本発明を実施するために使用した漏洩磁束探傷装置の概略構成図であり、図1に示した構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図5において、14a、14bは周波数計算装置である。この実施例においては、磁気センサ4a、4bと鋼板1との距離、すなわちリフトオフLは、両磁気センサについて同じ値(0.7[mm])としているが、これは必ずしも同じとする必要はない。
【0037】
なお、製品検査ラインを搬送される鋼板1の厚さは、1[mm]であり、この鋼板1は搬送ローラ2a、2bにより、ほぼ一定速度V=[100m/min]で搬送されている。また、図示していないが、複数個の磁気センサ4a、4bが板幅方向に直線的に5[mm]ピッチで配列されており、200組400個の磁気センサ4a、4bにて板幅方向1mをカバーしている。磁化器3a、3bの磁極の間隔は12[mm]である。この例では、磁化器を2つ用いているが、1つの磁化器に対して異なる磁化条件となる位置に配置した2つ以上の磁気センサを用いてもかまわない。
【0038】
磁化器3bによる磁化は、磁化器3aによる磁化よりも強く設定され、鋼板1を磁気飽和に近い程度まで磁化するようになっている。磁気センサ4bは、磁化器3bで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。磁気センサ4aは、磁化器3aで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。そして、各磁気センサ4a、4bの検出信号Va(t)、Vb(t)は、微小欠陥用信号処理装置5a、長欠陥用信号処理装置5bに並行して入力され、並行して処理される。
【0039】
検出信号Va(t)、Vb(t)は、微小欠陥用A/D変換器9aでは16.7kHzのサンプリング周波数により、さらに長欠陥用A/D変換器9bでは8.3kHzのサンプリング周波数によりアナログ信号からディジタル信号に変換される。これは、微小な欠陥と長い欠陥では、欠陥の長さが異なるため、必要となる分解能が異なるためである。
【0040】
具体的には、微小な欠陥を対象とする場合は、細かい分解能が必要であるためデータのピッチを細かくする必要があり、データをデジタル化する際のサンプリング周波数も高い必要がある。その一方で、長い欠陥を対象とする場合は欠陥が大きいため、分解能は微小欠陥のときと比べ粗くてもかまわず、サンプリング周波数は低くてもかまわない。微小欠陥用のフィルタを利用した信号処理に用いるデータと長い欠陥用のフィルタを利用した信号処理に用いるデータでサンプリング周波数を変えることで、全体の計算量を最適化することが可能である。これにより、信号処理時間の短く、コストの低い方法で、前記課題を解決することができる。
【0041】
また、検出信号Va(t)、及びVb(t)は直流分や周波数の低い地合ノイズ成分の低減、欠陥信号周波数より高い電気ノイズなどをカットするため、バンドパスフィルタ10a、10bにかけられる。通過帯域は、微小欠陥用の10aにおいては1kHz〜1.67kHzであり、また、もう一方の長欠陥用の10bにおいては0.08kHz〜1.67kHzである。それぞれの信号処理装置内ではVa(t)、Vb(t)に対しては同一のものが用いられる。
【0042】
また、鋼板1の移動方向における磁気センサ4aと磁気センサ4bの位置ずれ量を、逐次実測した鋼板速度Vで除して、同じ鋼板位置に対応する時間差△tを求め、遅延処理回路11a、11bにより5a、5b内でそれぞれ4aの信号Va(t)を、相対的に磁気センサ4bの信号Vb(t)に対して遅らせて、Va(t−△t)とVb(t)を対応させるようにする。
【0043】
位置の対応がついた信号Va(t−△t)とVb(t)は、それぞれ演算装置12a、12bでそれぞれ演算処理され、これにより欠陥判定を行う。演算処理としては、信号の強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積を計算するものであり、演算値単体またはこれら演算値の組み合わせにて欠陥の有無を判定する。
【0044】
欠陥があると判定された場合は、演算装置12a、12bは欠陥発生信号を周波数計算装置14a、14bに送る。周波数計算装置14a、14bは、磁気センサ4bからの信号の欠陥に対応する個所の周波数を計算し、欠陥弁別装置13a、13bに送る。欠陥弁別装置13a、13bでは、周波数計算装置14a、14bにて計算された欠陥の周波数成分情報と、演算装置12a、12bにて計算された欠陥の信号強度・比・差分値、欠陥信号の長さ・幅・面積という欠陥のサイズ情報を合わせて、その欠陥の発生原因を分類するすなわち欠陥の弁別を行う。
【0045】
なお、それぞれの測定値間の演算、遅延処理、フィルタリングなどの処理は、上述したようにデジタル信号で行ってもよいし、アナログ信号をデジタル信号に変換前に行ってもよい。また、デジタル信号に変換してから行う場合であっても、ハードウエアによってもソフトウエアによって行ってもかまわない。
【0046】
また、上記の説明では、信号処理装置内における異なる磁化条件の磁気センサ4a、4bからの信号へのフィルタリングには同一の通過帯域を用いているが、それぞれに異なる通過帯域を用いてもかまわない。
【0047】
本実施例ではA/D変換時のデータのサンプリング周波数を、長い欠陥用、微小欠陥用でそれぞれ異なるものを用いているが、A/D変換を共通化し同じサンプリング周波数でサンプリングを行い、その後データ処理の計算の際に間引きして処理しても同様の効果が得られる。また、この場合、間引き処理に関しては、例えばフィルタリングの際に以下に示す方法を用いても、全体の計算量を減らすことが可能である。
【0048】
デジタル化されたデータに対するフィルタリング処理として、FIRフィルタが知られている。このフィルタ処理は、元データをAn(n=1、2、…N)とし、フィルタ係数Wm(m=−M、−M+1、…M)としたとき、(1)式に示すような積和演算処理により行われる。
【0049】
【数1】
【0050】
ここで、この積和演算に対して半分の項数のフィルタ係数Xl(l=−L、−L+1、…L、2L=M)を用意し、(2)式に示すようにこの積和処理のみ間引いたデータを用いることで探傷結果の分解能を落とさず全体の計算量を減らすことが可能である。ここで、Xlとしては例えばXl=W2lのようにとる。
【0051】
【数2】
【0052】
以上、対象とする欠陥の大きさに応じて計算量を最適化することが出来、計算を容易に行うことができる
図6と図7に、本発明の効果の一例を示す。 長さの異なる、図3に模式的に示したような2種の内部欠陥(微小欠陥と長い欠陥)に対して、図5に示した装置にてそれぞれのフィルタを適用した結果である。
【0053】
図3(a)に示したような微小欠陥に対しての例を、図6に示す。先ず、図6(a)は、微小欠陥に対する探傷元データである。これに対して、長欠陥用のフィルタ(通過帯域0.08kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図6(b))と微小欠陥用のフィルタ(通過帯域1kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図6(c))とを合わせて示している。図6(c)の微小欠陥用のフィルタ(通過帯域1kHz〜1.67kHz)を用いた方が、図6(b)の長欠陥用のフィルタ(通過帯域0.08kHz〜1.67kHz)を用いた場合に比べて、S/N比が高くなり、中央部にある欠陥信号とその他のノイズ信号をはっきり区別できることがわかる。
【0054】
これとは反対に、図3(b)に示したような長い欠陥の探傷結果を、図7に示す。前結果と同じように、上から探傷元データ(図7(a))、長欠陥用のフィルタ(通過帯域0.08kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図7(b))、および微小欠陥用のフィルタ(通過帯域1kHz〜1.67kHz)を用いたデータ(図7(c))とを合わせて示している。長欠陥用のフィルタを用いた方(図7(b))が、微小欠陥用のフィルタを用いた場合(図7(c))に比べてS/N比が高くなることがわかる。図7(c)では、長周期の欠陥信号がほぼ完全に落ちてしまっている。
【0055】
また、図6の例は主成分がAlであるが、図7の例では主成分がCaである。これらの欠陥信号の周波数分析の結果、メインの欠陥信号の波長は、図6で2mm、図7で10mmとなり、前者の場合は、欠陥の主成分がAlであり、後者の場合は、欠陥の主成分がCaであることが分かった。このように、欠陥の周波数成分情報を利用した欠陥の長さから、欠陥発生原因の弁別が可能である。また、2値化情報を元とした2次元マッピングを行い、欠陥部の幅、面積、などからも欠陥発生原因の弁別が可能である。さらには、欠陥の縦横比、円形度などを指標とする欠陥の形状からも欠陥発生原因の弁別が可能である。すなわち、図3(a)に示したような2次元マッピング後の形状が円形に近い場合は、Al性介在物と判断し、また、図3(b)に示したようなより楕円形に近い場合の内、特に圧延により圧延方向に尖った形状である場合は、よりやわらかいCa性介在物と判断するといった具合である。
【0056】
【発明の効果】
内部欠陥が検出された信号に対して、欠陥の周波数成分の情報によりその発生原因を分類することができ、このことにより早期に欠陥発生への対応をとることが可能となった。また、前記信号に対して、通過帯域の異なるの2種類以上のフィルタをかけることによって、強磁性体金属被検体中の欠陥が微小なものであっても、長いものであっても確実に検出・弁別でき、欠陥検出精度を大幅に向上させることができる。また、欠陥信号強度を前記欠陥の周波数成分の情報に組み合わせて判定することで、欠陥の弁別精度を向上させることが可能である。さらに、対象とする欠陥の大きさに応じてA/D変換のサンプリング周波数を変えることで計算量を最適化することが出来、計算を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】従来の漏洩磁束探傷装置の概略構成を示す図である。
【図3】熱延鋼板中の内部欠陥の模式図である。
【図4】欠陥とノイズの信号強度および周波数の分布イメージ図である。
【図5】本発明の実施例を示す概略構成図である。
【図6】微小欠陥に対する本発明の効果を示す図である。
【図7】長い欠陥に対する本発明の効果を示す図である。
【符号の説明】
1 強磁性体金属被検体(鋼板)
2a、2b 搬送ロール
3a、3b 磁化器
4a、4b 磁気センサ
5a 微小欠陥用信号処理装置
5b 長欠陥用信号処理装置
6 漏洩磁束探傷装置
7 内部欠陥
8a、8b 磁化器電源
9a、9b A/D変換器
10a、10b バンドパスフィルタ
11a、11b 遅延回路
12a、12b 演算装置
13a、13b 欠陥弁別装置
14a、14b 周波数計算装置
20 信号処理装置
Claims (12)
- 強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化条件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その結果に基づいて欠陥を検出する漏洩磁束探傷法において、検出した欠陥信号の周波数成分情報を利用して、欠陥の弁別を行うことを特徴とした漏洩磁束探傷方法。
- 請求項1に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥の弁別は、欠陥のサイズまたは/および形状の弁別であることを特徴とした漏洩磁束探傷方法。
- 請求項2に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥のサイズまたは/および形状の弁別結果に基づき、欠陥の発生原因を弁別することを特徴とした漏洩磁束探傷方法。
- 請求項1ないし請求項3に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記欠陥信号の周波数成分情報は、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理を行うことにより得ることを特徴とした漏洩磁束探傷方法。
- 請求項4に記載の漏洩磁束探傷方法において、前記異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理では、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに欠陥判定の閾値を変えることを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
- 請求項4または請求項5に記載の漏洩磁束探傷方法において、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理では、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに異なるサンプリング周波数を用いることを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
- 強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化条件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その結果に基づいて欠陥を検出する漏洩磁束探傷装置において、検出した欠陥信号の周波数成分情報を利用して、欠陥の弁別を行う欠陥弁別装置を有することを特徴とした漏洩磁束探傷装置。
- 請求項7に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥弁別装置は、欠陥のサイズまたは/および形状を弁別する装置であることを特徴とした漏洩磁束探傷装置。
- 請求項8に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥弁別装置は、欠陥のサイズまたは/および形状の弁別結果に基づき、欠陥の発生原因を弁別する装置であることを特徴とした漏洩磁束探傷装置。
- 請求項7ないし請求項9に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記欠陥信号の周波数成分情報は、異なる2種以上のフィルタによる信号処理を行うことにより得ることを特徴とした漏洩磁束探傷装置。
- 請求項10に記載の漏洩磁束探傷装置において、前記異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理は、異なるフィルタによる信号処理ごとに欠陥判定の閾値を変えることを特徴とする漏洩磁束探傷装置。
- 請求項10または請求項11に記載の漏洩磁束探傷装置において、異なる2種以上のフィルタを用いた信号処理は、異なるフィルタを用いた信号処理ごとに異なるサンプリング周波数を用いることを特徴とする漏洩磁束探傷装置。
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