JP2004345507A - 車両用ドアの補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突時における乗員脇の車両用ドアの車室側への侵入を抑制する。
【解決手段】車両用ドアの補強構造は、ドアパネル21の空間部25内に配置されたウィンドウガラス29の上下移動を案内するため空間部25内に上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ50及び後サッシュ60と、これらのサッシュよりも外側の空間部25内に配設されて前後方向に延びるドアビーム70を有する。ドアビーム70はビーム本体74とこの前端部74aに接続されたブラケット71を有してなる。ビーム本体74の前端部74aは、側面視において前サッシュ50と交差する位置まで延びる。ブラケット71は先端部がインナパネル22に接続さて所定の力を受けると変形する。前サッシュ50から前の前側のドアパネルの側面衝突時の剛性は、前サッシュ50よりも後側のドアパネルの側面衝突時の剛性よりも低い。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアの補強構造に関し、特に、側面衝突時におけるドアパネルの変形を小さくするための車両用ドアの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の側部に配設された車両用ドアには、車体の側方から作用する衝突荷重によりドアが変形して車室内に侵入するのを抑制するため、ドアパネルの内部に車体前後方向に延びるドアビームが設けられた車両用ドアの補強構造が提案されている。また、ドアパネルが車室内に侵入する程度をより小さくするため、アウタパネルの窓肩部の内側にアウタパネルの内面に沿って車体前後方向に延びる補強部材を設けた車両用ドアの補強構造も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この補強部材は、アウタパネル側に開口して断面コ字状をなした板状部材であり、前後方向に延びる窓肩部の範囲内に配設されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−334955号公報(第4頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ドアビームのみを有したドアパネルの場合、車両用ドアの前端部はドアヒンジを介して車体に連結され、車両用ドアの後端部はドアロック機構を介して車体に連結されるので、車両用ドアを閉じた状態にすると、車両用ドアはその両端部が固定支持された状態になる。この状態で車両用ドアの側方から車両用ドアに衝突荷重が作用すると、図9に示すように、この衝突荷重のエネルギはドアパネル90全体の車室3側への変形により吸収され、乗員Mの脇のドアパネル90が車室3内に大きく侵入する虞がある。そこで、乗員脇のドアパネルの車室内への侵入量を小さくするため、ドアビームの剛性をさらに高めると、車両重量が増大するという不都合が生じる。
【0005】
また、ドアビームの他に補強部材が設けられたドアパネルの場合、補強部材は前後方向に延びる窓肩部の範囲内に配設されているので、車両用ドアに側面衝突荷重が作用すると、補強部材の前後位置においてドアパネルが折れ曲がり、その結果、乗員脇のドアパネルの車室内への侵入が抑制できないという問題が発生する。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、側面衝突時において、乗員脇の車両用ドアの車室側への侵入量を抑制可能な車両用ドアの補強構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる発明は、ドアパネルと、該ドアパネル内に設けられたウィンドウガラスの上下移動を案内するための上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ及び後サッシュを有してなる車両用ドア(例えば、実施形態におけるリヤドア11、フロントドア20)の補強構造において、前サッシュから前の前側のドアパネル(例えば、実施形態における前側ドアパネル21b)の側面衝突時における剛性は、前サッシュよりも後側のドアパネル(例えば、実施形態における後側ドアパネル21a)の側面衝突時における剛性よりも低くする。
【0008】
上記構成の車両用ドアの補強構造によれば、前サッシュから前の前側のドアパネルの側面衝突時における剛性を、前サッシュよりも後側のドアパネルの側面衝突時における剛性よりも低くすることで、車両用ドアの側方から車両用ドアに側面衝突荷重が作用すると、その衝突荷重のエネルギは、先ず、前サッシュから前の前側のドアパネルの変形により吸収されるとともに、前側のドアパネルを構成する部材に分散されて吸収される。このため、前サッシュよりも後側のドアパネルに吸収される側面衝突荷重のエネルギを小さくすることができ、その結果、前サッシュよりも後側のドアパネルの車室側への変形量を小さくすることができる。
【0009】
また、本発明に係わる発明は、ドアパネルと、該ドアパネル内に設けられたウィンドウガラスの上下移動を案内するための上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ及び後サッシュを有してなる車両用ドアの補強構造において、前サッシュよりも外側のドアパネル内に前後方向に延びるドアビームを配設し、該ドアビームの前端部は、側面視において前サッシュと交差する位置まで延び、前サッシュから前側のドアビームの側面衝突時における剛性は、前サッシュよりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低くする。
【0010】
上記構成の車両用ドアの補強構造によれば、ドアビームの前端部を側面視において前サッシュと交差する位置まで延ばし、前サッシュから前側のドアビームの側面衝突時における剛性を、前サッシュよりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低くすることで、ドアパネルに側面衝突荷重が作用すると、その力はドアビームに作用して、ドアビームを介して前サッシュをインナパネル側に移動させる。そして、前サッシュから前側のドアパネルが車室側に変形するとともに、前サッシュから前側のドアビームも変形する。このため、側面衝突荷重のエネルギは、先ずドアビームの変形及び前側のドアパネルの変形により吸収される。このため、前サッシュよりも後側のドアパネルに吸収される衝突荷重のエネルギを小さくすることができ、その結果、後側のドアパネルの車室側への変形量を小さくすることができる。また、側面衝突時において前サッシュから前側のドアビームが変形することで、車室内に搭乗した乗員の前側で積極的にドアパネルをより効率的に変形させることができる。
【0011】
また、本発明に係わる発明は、ドアパネルと、該ドアパネル内に設けられたウィンドウガラスの上下移動を案内するための上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ及び後サッシュを有してなる車両用ドアの補強構造において、前サッシュよりも外側のドアパネル内に前後方向に延びるドアビームを配設し、該ドアビームの前端部は、側面視において前サッシュと交差する位置まで延び、ドアビームの前端部から前側のドアビームの側面衝突時における剛性は、ドアビームの前端部よりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低くする。
【0012】
上記構成の車両用ドアの補強構造によれば、ドアビームの前端部を側面視において前サッシュと交差する位置まで延ばし、ドアビームの前端部から前側のドアビームの側面衝突時における剛性を、ドアビームの前端部よりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低くすることで、ドアパネルに側面衝突荷重が作用すると、その力はドアビームに作用して、ドアビームを介して前サッシュをインナパネル側に移動させる。そして、前サッシュから前側のドアビームが車室側に変形するとともに、ドアビームの前端部も変形する。このため、側面衝突荷重のエネルギは、先ずドアビームの前端部の変形及び前側のドアパネルの変形により吸収される。このため、前サッシュよりも後側のドアパネルに吸収される衝突荷重のエネルギを小さくすることができ、その結果、後側のドアパネルの車室側への変形量を小さくすることができる。また、側面衝突時においてドアビームの前端部が変形することで、車室内に搭乗した乗員の前側で積極的にドアパネルをより効率的に変形させることができる。
【0013】
上記構成の車両用ドアの補強構造において、前サッシュをドアパネル上に設けられたサッシュ取付部(例えば、実施形態における取り付け部材53、53’)に取り付け、サッシュ取付部は、前サッシュから車両室内側に向く大きさの力を受けると、車両室内側に変形するようにしてもよい。
【0014】
上記構成の車両用ドアの補強構造によれば、前サッシュをドアパネル上に設けられたサッシュ取付部に取り付け、サッシュ取付部は前サッシュから車両室内側に向く大きさの力を受けると車両室内側に変形することで、ドアビームにインナパネル側に向く力が作用すると、この力はドアビーム及び前サッシュを介してサッシュ取付部に作用して、サッシュ取付部をインナパネル側に変形させる。このため、車室内に搭乗した乗員の前方位置のドアパネルをより効率的に変形させることができる。
【0015】
上記構成の車両用ドアの補強構造において、ドアビームは、前後方向に延びるビーム本体と、一端側が該ビーム本体の前端に接続されて他端側がドアパネルに接続されたブラケットを有してなり、ビーム本体の前端は、側面視において前サッシュと交差するとともに、ドアパネルの前側に配設されたフロントピラーよりも後側の非交差位置まで延び、ビーム本体の後端は、側面視においてドアパネルの後側に配設されたセンタピラーと交差する位置まで延びるようにしてもよい。
【0016】
上記構成の車両用ドアの補強構造によれば、ドアビームを、ビーム本体及びビーム本体の先端部に接続されるブラケットを有して形成することで、ドアビームの前端部の剛性をビーム本体のそれよりも低くすることができる。またビーム本体の前端を側面視において前サッシュを超えてフロントピラーよりも後側の非交差位置まで延ばし、ビーム本体の後端を側面視においてセンタピラーと交差する位置まで延ばすことで、側面衝突時において、ビーム本体の後端部がセンタピラーに当接した位置を支点としてビーム本体の前側を前サッシュ側に移動させることができ、側面衝突荷重を効率的に前サッシュに伝えることができる。従って、車室内に搭乗した乗員の前方位置においてドアパネルをより効率的に変形させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図8に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、車両の車室前側の両側部に配設されたフロントドアの補強構造の態様を示す。
【0018】
まず、本発明に係わる車両用ドアの補強構造を説明する前に、この補強構造を有したフロントドアの車両への取り付け構造について概説する。フロントドア20は、図1(側面図)に示すように、車体1の前後方向の中間部に形成された車室3の前側の左右両側部に開口するフロント開口部5に配設される。フロントドア20は、フロント開口部5の前部に設けられたフロントピラー7にドアヒンジ8を介して取り付けられて車両左右方向に揺動自在であり、フロント開口部5の後側に設けられたセンタピラー9にロック機構(図示せず)を介してロック可能である。
【0019】
フロントドア20は、図2(分解斜視図)に示すように、内側にインナパネル22、外側にアウタパネル23を対向配置して内部に空間部25を形成してなるドアパネル21と、ドアパネル21の空間部25内に配設されたドアビーム70を有して構成される。フロントドア20が図1に示すフロント開口部5を閉じる位置に揺動されると、図3(内部側面図)に示すように、ドアパネル21の後端部はセンタピラー9の前側部分と交差する位置に配置される。
【0020】
次に、本発明に係わるフロントドア20の補強構造について説明する。補強構造は、ドアビーム70、ドアパネル21の空間部25内に配設された前サッシュ50及び後サッシュ60を有してなる。
【0021】
前サッシュ50及び後サッシュ60は、ドアパネル21の空間部25内に上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設される。前サッシュ50はドアパネル21の前側に配置されて上側が車両後方側に傾斜し、平面視において図4に示す逆コ字状に形成される。後サッシュ60はドアパネル21の後側に配置されて上側が車両後方側に傾斜し、平面視において図4に示す略逆U字状に形成される。
【0022】
前サッシュ50の上端部は、図5(b)に示すように、取り付け部材53を介して第2補強部材75の取り付け面75aに固定される。第2補強部材75については後述する。取り付け部材53は金属材料製の板状部材であり、その上側には、図5(a)に示すように、前後方向に所定の間隔を有して配置された複数のねじ孔54が形成されている。このねじ孔54には第2補強部材75の取り付け面75aを挿通したボルト51が螺合して、取り付け部材53は第2補強部材75を介してインナパネル22に固定されている。取り付け部材53は、図5(b)に示すように、下方に延び、その先端部には前サッシュ50が溶接等により固着されている。このため、取り付け部材53は片持ち支持された状態にあり、取り付け部材53の下側に前サッシュ50からインナパネル22側に向く所定の大きさの力が作用すると、取り付け部材53の下側はインナパネル22側に撓んで変形する。インナパネル22には、内側からボルト51の取り付け操作を可能にする複数の操作孔24が前後方向に所定の間隔を有して形成されている。なお、図5(a)は、図3のIII−III矢視に相当する部分の断面図を示し、図5(b)は、図5(a)のV−V矢視に相当する部分の断面図を示す。
【0023】
一方、前サッシュ50の下端部は、図6(断面図)に示すように、取り付け部材53’を介してインナパネル22に接続されている。取り付け部材53’は前後方向に延び、その前側がインナパネル22を挿通したボルト51と螺合してインナパネル22に固定されている。このため、取り付け部材53’は前述した図5(b)に示す取り付け部材53と同様に片持ち支持された状態にあり、取り付け部材53’の先端側に前サッシュ50からインナパネル22側に向く所定の大きさの力を受けると、取り付け部材53’の先端側はインナパネル22側に撓んで変形する。前サッシュ50は、その上端位置が図4に示す車室3内に搭乗した乗員Mの膝よりも車両前側の位置になるように配置されている。なお、図6は、図3のIII’−III’矢視に相当する部分の断面図を示す。
【0024】
第2補強部材75は、図2に示すインナパネル22の窓肩部28に沿って前後方向に延び、その前後両端部はドアパネル21の前後両端部の近傍位置まで延びる。第2補強部材75は、その前側に前述した平面状の取り付け面75aが形成されている。この第2補強部材75は、オフセット衝突や前衝突等の衝突荷重に対してドアパネルの剛性を強化する。
【0025】
ドアビーム70は、図3に示すように、前後方向に延びるビーム本体74と、ビーム本体74の前端部に固着されたブラケット71を有してなる。ビーム本体74は、前側が斜め上方へ向くように傾斜して延び、その前端部74aは側面視において前サッシュ50と交差する位置まで延びるとともに、ドアパネル21の前側に配設されたフロントピラー7よりも後側の非交差位置まで延びる。なお、前端部74aは前サッシュ50と交差する位置まで延びていればよく、前サッシュ50の前面50aと略同一面上に配置されたり、前面50aよりも後側に配置されたりしてもよい。ブラケット71は、ビーム本体74の前端部74aに溶着されて前側に延び、その前端部は図7に示すインナパネル22に溶着された連結部材73に溶着されている。ブラケット71は、前後方向に延びる板金製であり、ビーム本体74の前端部74aを支持する一方、側面衝突時において車室3側へ容易に変形可能である。ビーム本体74の後端部74bは、側面視においてセンタピラー9に交差する位置まで延び、図7に示すブラケット72を介してインナパネル22の後端下部に溶着手段等により固着されている。このため、フロントドア20の側方から衝突荷重(以下、「側面衝突荷重」と記す。)が作用すると、ビーム本体74の後端がセンタピラー9に当接した位置を支点としてビーム本体74の前側が前サッシュ50側に移動する。なお、前サッシュ50、後サッシュ60及びビーム本体74は金属材料製である。
【0026】
このように、ビーム本体74の前端部74aを側面視において前サッシュ50と交差する位置まで延ばすことで、図4に示すように、前サッシュ50から前の車両前側のドアパネル(以下、「前側ドアパネル21b」と記す。)の側面衝突時における剛性は、前サッシュ50よりも後側のドアパネル(以下、「後側ドアパネル21a」と記す。)の側面衝突時における剛性よりも低くなる。
【0027】
次に、本発明に係わる車両用ドアの補強構造の動作に関して、フロントドア20の側方から左右方向成分を有した側面衝突荷重Fがフロントドア20に作用した場合について説明する。側面衝突荷重Fがフロントドア20に作用すると、この側面衝突荷重Fはフロントドア20のアウタパネル23を車室3側へ押圧して変形させる。
【0028】
ここで、フロントドア20の後側ドアパネル21aは側面衝突時の剛性が強化され、またフロントドア20が図1に示すフロント開口部5を閉じた状態では、フロントドア20の前側は図1に示すドアヒンジ8により連結され、後側はロック機構により連結されて、フロントドア20の両端部は固定支持された状態にある。このような状態でフロントドア20に側面衝突荷重Fが作用すると、この力Fはアウタパネル23を介してドアビーム70に作用する。そして、ドアビーム70に作用した力によりドアビーム70のブラケット71が変形して、ドアビーム70が前サッシュ50をインナパネル22側に押圧する。前サッシュ50に作用した力は、図5(b)に示す取り付け部材53を押圧してインナパネル22側に変形させる。そして、取り付け部材53が受けた力は第2補強部材75の取り付け面75aを押圧してこれを変形させる。また、図6に示す取り付け部材53’も前サッシュ50から受ける力によりインナパネル22側に変形する。その結果、上下方向に延びる前サッシュ50の側面が取り付け部材53、53’を介してインナパネル22を押圧する。
【0029】
このため、インナパネル22は前サッシュ50の側面により広い範囲で押圧される。その結果、図3に示すように、前サッシュ50より前側の前サッシュ50に沿った前側ドアパネル21bの前後方向に延びる部分(以下、「脆弱部35」と記す。)が車室3側に屈曲する。なお、脆弱部35は側面視において前サッシュ50を含んだ領域でもよい。その結果、側面衝突荷重Fのエネルギは、脆弱部35の変形により吸収されるとともに、脆弱部35に繋がる他の部材(図2に示す第1補強部材40,第2補強部材75、第3補強部材80等)に分散されて吸収される。そして、脆弱部35周辺で吸収されなかった側面衝突荷重Fのエネルギは、図4に示す後側ドアパネル21aを変形させて吸収される。なお、第1補強部材40、第3補強部材80については後述する。
【0030】
即ち、本発明に係わる車両用ドアの補強構造は、側面衝突荷重Fのエネルギを先ず積極的に脆弱部35周辺で吸収させるので、図4に示す後側ドアパネル21aで吸収される側面衝突荷重Fのエネルギを小さくすることができる。その結果、図8に示すように、後側ドアパネル21aの車室3側への変形量を小さくすることができ、車室3内に搭乗する乗員M側へのドアパネル21の侵入量を抑制することができる。また、本発明に係わる車両用ドアの補強構造は、図5(b)及び図6に示す取り付け部材53、53’及び図3に示すブラケット71が変形可能に構成されているので、車室3内に搭乗した乗員の前方位置におけるドアパネル21をより効率的に変形させることができる。
【0031】
なお、図2に示すように、アウタパネル23の窓肩部27に車体前後方向に延びる第1補強部材40を設けてもよい。第1補強部材40の前端部40aは側面視において図3に示す前サッシュ50と交差する位置まで延びる。但し、この前端部40aは側面視において前サッシュ50と交差していればよく、前端部40aが図3に示す前サッシュ50の前面50aと略同一面上に配置されたり、前面50aよりも後側に配置されたりしてもよい。この第1補強部材40を設けることで、フロントドア20に側面衝突荷重が作用すると、この側面衝突荷重により第1補強部材40がインナパネル22側へ押圧されて、第1補強部材40の前端部40aが図3に示す前サッシュ50に当接接触する。このため、側面衝突荷重が前サッシュ50に伝達される量をより増加させることができる。従って、図4に示す車室3内に搭乗した乗員Mの前方位置におけるドアパネル21をより効率的に変形させることができる。
【0032】
また、前述した第2補強部材75と第1補強部材40との間に第3補強部材80を設けてもよい。第3補強部材80は左右方向の中間部に前後方向に延びる孔部81を有し、この孔部81に図3に示すウィンドウガラス29が挿通される。第3補強部材80はドアパネル21の前後両端部の近傍位置まで延びる。この第3補強部材80によりオフセット衝突や前衝突等の衝突荷重に対する車両前後方向の剛性を強化させることができる。
【0033】
このように本発明に係わる補強構造を有したフロントドア20に第1補強部材40及び第3補強部材80を設けた場合でも、側面衝突荷重がフロントドア20に作用すると、図8に示すように、フロントドア20を脆弱部35において車室3側に屈曲させることができる。このため、車両が前衝突、オフセット衝突等したときでも、乗員脇側へのドアパネル21の侵入量を抑制することができる。
【0034】
また、前述した実施の形態では、フロントドア20に補強構造を採用した例を示したが、図1に示すように、車両の車室3の後側の両側部に配設されたリヤドア11に前述した補強構造を採用してもよい。なお、前述した実施の形態では、図2に示す第1補強部材40の前端部40aを図3に示す前サッシュ50に交差する位置まで延ばした例を示したが、ドアビーム70の前端部70aを前サッシュ50に交差する位置まで延ばしただけで、前サッシュ50の前側の前側ドアパネル21bに脆弱部35を形成することができる場合には、第1補強部材40の前端部40aを前サッシュ50と交差しない位置に配置してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる車両用ドアの補強構造によれば、前サッシュから前の前側のドアパネルの側面衝突時における剛性を、前サッシュよりも後側のドアパネルの側面衝突時における剛性よりも低くすることで、車両用ドアに作用する側面衝突荷重のエネルギを、前サッシュから前の前側のドアパネルの変形により吸収させることができる。このため、前サッシュよりも後側のドアパネルに吸収される側面衝突荷重のエネルギを小さくすることができ、その結果、前サッシュよりも後側のドアパネルの車室側への変形量を小さくすることができる。
【0036】
また、本発明に係わる車両用ドアの補強構造によれば、ドアビームの前端部を側面視において前サッシュと交差する位置まで延ばし、前サッシュから前側のドアビームの側面衝突時における剛性を、前サッシュよりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低くすることで、ドアパネルに作用した側面衝突荷重のエネルギを、前サッシュから前側のドアパネルの変形及びドアビームの変形により吸収させることができる。このため、前サッシュよりも後側のドアパネルに吸収される衝突荷重のエネルギを小さくすることができ、その結果、後側のドアパネルの車室側への変形量を小さくすることができる。また、側面衝突時において前サッシュから前側のドアビームが変形することで、車室内に搭乗した乗員の前側で積極的にドアパネルをより効率的に変形させることができる。
【0037】
さらに、本発明に係わる車両用ドアの補強構造によれば、ドアビームの前端部を側面視において前サッシュと交差する位置まで延ばし、ドアビームの前端部から前側のドアビームの側面衝突時における剛性を、ドアビームの前端部よりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低くすることで、ドアパネルに作用する側面衝突荷重のエネルギを、前サッシュから前側のドアパネルの変形及びドアビームの前端部の変形により吸収させることができる。このため、前サッシュよりも後側のドアパネルに吸収される衝突荷重のエネルギを小さくすることができ、その結果、後側のドアパネルの車室側への変形量を小さくすることができる。また、側面衝突時においてドアビームの前端部が変形することで、車室内に搭乗した乗員の前側で積極的にドアパネルをより効率的に変形させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる車両用ドアの補強構造を有したフロントドアを備えた車両の側面図を示す。
【図2】このフロントドアの分解斜視図を示す。
【図3】このフロントドアの内部側面図を示す。
【図4】このフロントドアの概略平面図を示す。
【図5】前サッシュの上部取り付け構造を示し、同図(a)は図3のIII−III矢視に相当する部分の断面図であり、同図(b)は図5(a)のV−V矢視に相当する部分の断面図である。
【図6】図3のIII’−III’矢視に相当する部分における前サッシュの下部取り付け構造を示す断面図である。
【図7】図1中のI−I矢視に相当する部分のフロントドアの断面図を示す。
【図8】本発明に係わる補強構造を有したフロントドアの変形を示す概略平面図である。
【図9】従来のフロントドアの変形を示す概略平面図である。
【符号の説明】
11 リヤドア(車両用ドア)
20 フロントドア(車両用ドア)
21 ドアパネル
29 ウィンドウガラス
50 前サッシュ
53、53’ 取り付け部材(サッシュ取付部)
60 後サッシュ
70 ドアビーム
71 ブラケット
74 ビーム本体
74a 前端部

Claims (5)

  1. ドアパネルと、該ドアパネル内に設けられたウィンドウガラスの上下移動を案内するための上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ及び後サッシュを有してなる車両用ドアの補強構造において、
    前記前サッシュから前の前側のドアパネルの側面衝突時における剛性は、前記前サッシュよりも後側のドアパネルの側面衝突時における剛性よりも低いことを特徴とする車両用ドアの補強構造。
  2. ドアパネルと、該ドアパネル内に設けられたウィンドウガラスの上下移動を案内するための上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ及び後サッシュを有してなる車両用ドアの補強構造において、
    前記前サッシュよりも外側の前記ドアパネル内に前後方向に延びるドアビームを配設し、
    該ドアビームの前端部は、側面視において前記前サッシュと交差する位置まで延び、
    前記前サッシュから前側のドアビームの側面衝突時における剛性は、前記前サッシュよりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低いことを特徴とする車両用ドアの補強構造。
  3. ドアパネルと、該ドアパネル内に設けられたウィンドウガラスの上下移動を案内するための上下方向に延びて前後方向に所定間隙を有して配設された前サッシュ及び後サッシュを有してなる車両用ドアの補強構造において、
    前記前サッシュよりも外側の前記ドアパネル内に前後方向に延びるドアビームを配設し、
    該ドアビームの前端部は、側面視において前記前サッシュと交差する位置まで延び、
    前記ドアビームの前端部から前側のドアビームの側面衝突時における剛性は、前記ドアビームの前端部よりも後側のドアビームの側面衝突時における剛性よりも低いことを特徴とする車両用ドアの補強構造。
  4. 前記前サッシュは、前記ドアパネル上に設けられたサッシュ取付部に取り付けられ、
    前記サッシュ取付部は、前記前サッシュから車両室内側に向く大きさの力を受けると、車両室内側に変形することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用ドアの補強構造。
  5. 前記ドアビームは、前後方向に延びるビーム本体と、一端側が該ビーム本体の前端に接続されて他端側が前記ドアパネルに接続されたブラケットを有してなり、
    前記ビーム本体の前端は、側面視において前記前サッシュと交差するとともに、前記ドアパネルの前側に配設されたフロントピラーよりも後側の非交差位置まで延び、
    前記ビーム本体の後端は、側面視において前記ドアパネルの後側に配設されたセンタピラーと交差する位置まで延びることを特徴とする請求項2、3及び4のいずれかに記載の車両用ドアの補強構造。
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