JP2004342875A - レーザアニール装置 - Google Patents

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昌宏 戸井田
Shinichiro Sonoda
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Abstract

【課題】レーザアニール装置によりアニール処理を行っている位置で検出したアニール状態の情報に基づいてフィードバック制御を行い、アニール処理された高品位な製品を高い歩留まりで製造する。
【解決手段】半導体レーザのレーザ光源300から出射され、空間光変調手段316で空間強度分布を変更調整されたレーザビームをレーザ照射手段で膜状のアニールの対象物150に照射すると共に走査手段152、330でアニールの対象物150とレーザビームとを相対的に移動して走査することによりアニール処理を行う。この際、アニール制御手段が、アニール位置でアニール状態のモニタとして計測した情報に基づいて、空間光変調手段316と走査手段152、330との少なくとも一方に対するフィードバック制御を行い、アニール処理を適正化する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザビームを対象物に照射してアニール処理を行っている最中に、アニール状態をモニタしながらフィードバック制御を行い大結晶粒形成を実現する、レーザアニール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレイ等のフラットパネル・ディスプレイの小型軽量化、低コスト化の観点から、画素表示ゲート用の薄膜トランジスタ(TFT)だけでなく、駆動回路や信号処理回路、画像処理回路などをLCDのガラス基板上に直接形成するシステム・オン・ガラス(SOG)−TFTが注目されている。
【0003】
このような画素表示ゲート用のTFTには、アモルファスシリコン(a−Si)が使用されてきたが、SOG−TFTにはキャリア移動度の大きいポリシリコン(Poly−Si)が必要である。しかしながら、ガラスの変形温度は600°Cと低いことから、ポリシリコン膜の形成に600℃以上の高温を利用した結晶成長技術を使用することができない。このため、ポリシリコン膜の形成には、アモルファスシリコン膜を低温(100〜300°C)で形成した後、波長308nmのXeClエキシマレーザによるパルス照射でアモルファスシリコン膜を熱溶融し、冷却過程で結晶化させるエキシマ・レーザアニール(ELA)が用いられている。このELAを用いることにより、ガラス基板に熱的損傷を与えずにポリシリコン膜を形成することができる。
【0004】
従来のアモルファスシリコン(a−Si)をポリシリコン(Poly−Si)化させるレーザアニール処理は、XeClエキシマレーザの波長308nm光を、a−Si膜に対して照射することにより行われている。このXeClエキシマレーザの波長308nm光のa−Siに対する吸収係数は1×10cm−1と大きいので、入力エネルギーは表面の極近傍(<1nm)で吸収される。
【0005】
このため、エキシマ・レーザアニールでは、レーザエネルギーの吸収および熱伝搬によって溶融したSi層では深度方向に大きな温度勾配が生じ、例えば図24に示す部分溶融の状態となることがある。
【0006】
この場合には、熱が主に基板方向に拡散し、溶融しないで残存したa−Siが800℃で固相間で結晶相へ相転移を起すため、溶融Si相とa−Si相の境界部に結品核が発生する。発生した結晶核は、それを起点として、温度勾配に沿って図の上向き方向に結晶成長する。隣接結晶核から成長した結晶粒とぶつかり、結晶粒が小さく結晶粒界が多い状態で結晶成長が止まる。
【0007】
ここで、TFTの高性能化には、高い電荷移動度が要求される。電子にとって結晶粒界は移動の障壁になるため、電荷移動度を上げるためには、結晶粒界の少ないすなわち大きい結晶粒の生成が重要である。
【0008】
そこで、エキシマ・レーザアニールでは、図25に示すように、エキシマレーザの出力を上げ残存a−Si相を島状にすると、発生する結晶核の数が少なくなり一つひとつの結晶粒が大きく成長する状態となる。
【0009】
またエキシマ・レーザアニールでは、図26に示すように、さらにエキシマレーザの出力を上げa−Si相を完全溶融してしまうと、融点以下になっても結晶化しない過冷却状態となる。そして温度が下がると一転して結晶核が一斉に発生し微小結晶粒で全体が埋め尽くされる状態となる。
【0010】
上述したレーザ強度と結晶粒径の関係を定性的に表すと図27のようになる。レーザ強度を上げていくと、それにつれ部分溶融(a)の状態から残存a−Si相を島状にする溶融状態(b)となるように結晶粒径は増大するが、a−Siが完全溶融するレーザ強度を超えた途端に完全溶融状態(c)となり、結晶粒径は一気に微細化する。一方エキシマレーザの出力安定度は悪く通常10〜15%程度の強度揺らぎ(図27にハッチングで例示)が避けられない。このため実効的にはエキシマレーザアニールで得られる結晶粒径は現状0.3μm程度に止まる。これは、結晶成長方向を鉛直方向(図24、図25に向かって鉛直方向)にしたことの限界でもある。
【0011】
こうした問題に対し、a−Siを完全溶融させ過冷却状態を生じさせないようにゆっくりと基板を走査し、結晶成長を横方向に制御するアニール法が考案されている。
【0012】
このアニール法では、図28に示すようにレーザが照射されないa−Si層から結晶核が発生するが、温度勾配のためa−Siと溶融層境界の底部の結晶核から斜め上方に結晶成長が進む。これは深度方向に温度勾配があるため、固液界面が斜め方向にねてしまい斜めの固液界面に垂直に結晶成長が進むと考えられる。
【0013】
いずれにしても膜厚と反対側からの結晶粒との衝突により、結晶粒界の大きさが制限されてしまう。これは溶融層深度方向の温度勾配が大きいことが本質的原因である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0014】
そこで、エキシマレーザ横方向結晶成長の問題点を解決するものとして、レーザ出力安定度の高い(1%)高出力Nd:YVOレーザの532nm光によるレーザアニールが考案されている。
【0015】
Nd:YVOレーザの532nm光のa−Siに対する吸収係数は、5×10cm−1のため入力エネルギーの90%を吸収するのに460nmの膜厚を必要とする。このNd:YVOレーザの532nm光は、エキシマレーザの波長308nm光に比べて吸収係数が1.5桁ほど少ないため、図29に示すように、同じ膜厚で比較すれば532nmのほうが深度方向に対する温度勾配は平坦となり、固液界面は垂直に立ちやすい。このため横方向への成長距離が長くとれ大きな結晶粒界が生成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
【非特許文献1】
松村 正清 著 表面科学21巻 第5号 pp278−287、2000
2000年3月28日受理
【特許文献1】
特開2001−144027号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、a−Si膜における膜厚の深度方向に対する温度勾配を平坦とし、固液界面を垂直に立てた状態でアニール処理した場合には、固液界面から成長する結晶の膜の横方向への成長距離が長くとれるので、大きな結晶粒界が生成できる。このためには、レーザアニール装置によって、固液界面の傾きや移動速度を制御しながらアニール処理を進める必要がある。
【0018】
しかし従来のレーザアニール装置は、単にレーザ照射を行なうのみで、偶発的結晶化がなされており、アニール処理されている位置で固液界面状態や結晶性の情報を検出し、この情報をフィードバックしてレーザ出力、レーザ強度分布、走査速度等を調整可能なレーザアニール装置はなかった。
【0019】
本発明は上述の事実を考慮し、レーザビームを対象物に照射してアニール処理を行っている位置でアニール状態の情報を検出し、この情報に基づいてフィードバック制御を行って適切なアニール処理を可能としたレーザアニール装置を新たに提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のレーザアニール装置は、レーザビームを出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザビームを、膜状のアニールの対象物に照射させるレーザ照射手段と、アニールの対象物に照射するレーザビームの空間強度分布を変更調整する空間光変調手段と、アニールの対象物とレーザビームとを、相対的に移動して走査する走査手段と、レーザビームをアニールの対象物に照射してアニール処理を行っている位置でアニール状態のモニタとして計測した情報に基づいて、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対するフィードバック制御を行うアニール制御手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
上述のように構成することにより、レーザビームをアニールの対象物に照射してアニール処理を行っている位置において対象物がアニールされている状態をモニタし、このモニタしたときの情報に基づいて、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対し、アニール処理を適正化するフィードバック制御を行うことにより、アニール処理された高品位な製品を高い歩留まりで製造できる。
【0022】
請求項2の発明は、請求項1に記載のレーザアニール装置において、レーザ光源が、固体レーザであることを特徴とする。
【0023】
上述のように構成することにより、レーザ光源を高出力で安定駆動できるので、レーザアニール処理を迅速にかつ、安定して実行できる。
【0024】
請求項3の発明は、請求項1に記載のレーザアニール装置において、レーザ光源が、半導体レーザであることを特徴とする。
【0025】
上述のように構成することにより、レーザ光源を駆動する上での安定性を向上し、個々の半導体レーザ素子の出力が小さくても、これらの総数を増加又は減少させて高出力化したり、比較的低い出力に設定する調整を容易に行うことができ、かつ半導体レーザ光源は安価なので、製品を廉価に製造できる。
【0026】
請求項4の発明は、請求項3に記載のレーザアニール装置において、レーザ光源が、GaN系半導体レーザであることを特徴とする。
【0027】
上述のように構成することにより、GaN系レーザ光源を駆動する上での安定性をより向上し、個々のGaN系半導体レーザ素子の出力が半導体レーザのうちでは比較的強くでき、これらの総数を増加又は減少させてより高出力化したり、比較的低い出力に設定する調整を容易に行うことができ、かつGaN系半導体レーザ光源はより安価なので、製品をより廉価に製造できる。
【0028】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレーザアニール装置において、アニール制御手段が、アニール処理を行っているレーザビームの投射範囲内にある結晶化域で結晶性に応じて放射されるラマン散乱光からラマン分光スペクトルの情報を計測し、結晶の品位と固液界面の位置を解析し、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対し、結晶化の状態又は固液界面の移動状態を適正化するフィードバック制御を行うよう構成されていることを特徴とする。
【0029】
上述のように構成することにより、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の発明の作用、効果に加えて、レーザビームをアニールの対象物に照射してアニール処理を行っている位置において、アニール用のレーザビームを利用し、アニール用レーザビームの投射範囲内にある結晶化域で結晶性に応じて放射されるラマン散乱光からラマン分光スペクトルの情報を計測し、結晶の品位と固液界面の位置を解析し、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対し、結晶の品位を所定基準以上に保つために必要とされるフィードバック制御を行って、アニール処理された高品位な製品を高い歩留まりで製造できる。
【0030】
また、このアニール制御手段は、レーザ光源から照射されるレーザビームを、アニール用と、ラマン励起光用とに共用しているので、ラマン励起光用のレーザ光源を別途設けるものに比較して、構成を簡素化できる。
【0031】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレーザアニール装置において、アニール制御手段が、アニール処理を行っている位置に、ラマン励起光用のレーザ光源から出射されたアニール用のレーザビームと異なる波長のレーザビームを照射した際に結晶化域で結晶性に応じて放射されるラマン散乱光からラマン分光スペクトルの情報を計測し、結晶の品位と固液界面の位置を解析し、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対し、結晶化の状態又は固液界面の移動状態を適正化するフィードバック制御を行うよう構成されていることを特徴とする。
【0032】
上述のように構成することにより、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の発明の作用、効果に加えて、レーザビームをアニールの対象物に照射してアニール処理を行っている位置において、ラマン励起光用のレーザ光源から出射されたアニール用のレーザビームと異なる波長のレーザビームを利用し、アニール用レーザビームの投射範囲内にある結晶化域で結晶性に応じて放射されるラマン散乱光からラマン分光スペクトルの情報を計測し、結晶の品位と固液界面の位置を解析し、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対し、結晶の品位を所定基準以上に保つために必要とされるフィードバック制御を行って、アニール処理された高品位な製品を高い歩留まりで製造できる。
【0033】
また、ラマン励起光用のレーザ光源から出射されたアニール用のレーザビームと異なる波長のレーザビームを利用することにより、アニールレーザ光が温度勾配を形成するために、空間的に強度分布を持ため励起光強度が変わるとラマン効率が大きく変化してラマン信号強度の相対比較が困難となることを防止し、アニール用のレーザビームと別波長のレーザビームをラマン励起光とすることにより、ラマン信号強度の相対比較を可能として、より詳細なアニール部の状態把握を行える。
【0034】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレーザアニール装置において、アニール制御手段が、反射率測定用レーザ光源から出射されたアニール用のレーザビームと異なる波長で均一な光強度の反射率測定用レーザビームを、アニール処理を行っている位置に反射させたときの結晶化の部分と溶融状態の部分とで異なる反射強度を計測して検出した結晶化部分と溶融部分との2次元的な情報から得られる結晶化域、溶融域、結晶化域の移動速度のデータを解析し、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対し、結晶化の状態又は固液界面の移動状態を適正化するフィードバック制御を行うよう構成されていることを特徴とする。
【0035】
上述のように構成することにより、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の発明の作用、効果に加えて、レーザビームをアニールの対象物に照射してアニール処理を行っている位置に対して、反射率測定用レーザ光源から出射されたアニール用のレーザビームと異なる波長で均一な光強度の反射率測定用レーザビームを反射させたときの結晶化の部分と溶融状態の部分とで異なる反射強度を計測し、このときの結晶化部分と溶融部分との2次元的な情報から得られた、結晶化域と溶融域との境界にある固液界面の状態と、固液界面の移動速度のデータを解析し、空間光変調手段と走査手段との少なくとも一方に対して結晶の品位を所定基準以上に保つために必要とされるフィードバック制御を行うことにより、アニール処理された高品位な製品を高い歩留まりで製造できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明のレーザアニール装置を低温ポリシリコンTFT形成に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0037】
本実施の形態に係わるレーザアニール装置が用いられる低温ポリシリコンTFT形成プロセスでは、まず、図18(A)に示すように、ガラス製又はプラスチック製(フィルム等を含む)の透明な基板150上に、酸化ケイ素(SiO)絶縁膜190を堆積し、SiO絶縁膜190上にアモルファスシリコン膜192を堆積する。
【0038】
このアモルファスシリコン膜192をレーザアニールにより多結晶化してポリシリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、例えば、図18(B)に示すように、透明な基板150上に、SiO絶縁膜190を介して、ポリシリコンゲート194、ポリシリコンソース/ポリシリコンドレイン196、ゲート電極198、ソース/ドレイン電極200、及び層間絶縁膜202を備えたポリシリコンTFTを形成する。
[レーザアニール装置の構成]
本実施の形態に係るレーザアニール装置は、図1に示すように、対象物としてのアモルファスシリコン膜が堆積された透明な基板150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。なお、ステージ152は、アニールの対象物とレーザビームとを相対的に移動して走査する走査手段を構成する。
【0039】
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、このレーザアニール装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
【0040】
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の各端部は、それぞれ設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には透明な基板150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164はゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
【0041】
このレーザアニール装置では、そのスキャナ162及びステージ152とこれらの制御系の部分に、a−Si膜にGaN系半導体レーザ光(405nm)を照射してアニール処理を行っている位置でアニール状態のモニタとして計測した結晶性の情報に基づいてa−Si膜の横方向への結晶成長を促すフィードバック制御を行って大結晶粒形成を実現するための、図2に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段が構成されている。
【0042】
このアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、レーザ光源300として、GaN半導体レーザで発光された波長405nm光を、光ファイバー301内で集積し、投射する光ファイバーモジュール光源を用いる。なお、レーザ光源300は、波長350nmから波長450nmの範囲内における任意の波長のアニール用のレーザビームを出射するように構成しても良い。
【0043】
なお、半導体レーザを利用したレーザ光源の場合には、個々の半導体レーザ素子の出力が小さくても、これらの総数を増加又は減少させて高出力化したり、比較的低い出力に設定する調整を容易に行うことができる。また、半導体レーザ光源は安価なので、製品を廉価に製造できる。
【0044】
特に、GaN系半導体レーザを利用すれば、GaN系レーザ光源を駆動する上での安定性をより向上し、個々のGaN系半導体レーザ素子の出力が半導体レーザのうちでは比較的強くでき、これらの総数を増加又は減少させてより高出力化したり、比較的低い出力に設定する調整(パワースケーリングの調整)を容易に行うことができ、かつGaN系半導体レーザ光源はより安価なので、製品をより廉価に製造できる。
【0045】
さらに、レーザ光源300には、LD励起固体レーザを利用したレーザ光源であるNd:YVOSHレーザ、Nd:YAGSHレーザ、Pr:YLFレーザを利用しても良い。この固体レーザをレーザ光源とした場合には、レーザ光源を高出力で安定駆動できる。
【0046】
このアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段には、光ファイバーモジュール光源であるレーザ光源300の光ファイバー301から投射された波長405nmのレーザビームを、ビーム成形光学系302によりビーム成形し、空間光変調手段である空間光変調器316を通し、ダイクロイックミラー304により投影レンズ308へ折り曲げて投影レンズ308により所望のビームパターンにてa−Si膜の表面に上方から投射するレーザ照射手段が設けられている。
【0047】
この図2に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、空間光変調手段としての空間光変調器316を、入射された光ビームをデータに応じて各画素毎に変調して、光ビームを所定の空間分布に形成する空間光変調素子であるデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)で構成することができる。
【0048】
この空間光変調器(DMD)316は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた図示しないコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力されたデータに基づいて、各空間光変調器316毎に制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。このデータは、各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。また、ミラー駆動制御部では、データ処理部で生成した制御信号に基づいて、空間光変調器316毎に各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
【0049】
空間光変調器(DMD)316は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0050】
空間光変調器(DMD)316のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心として空間光変調器(DMD)316が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図7(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、データ信号に応じて、空間光変調器(DMD)316の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図に示すように制御することによって、空間光変調器(DMD)316に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
【0051】
なお、図7には、空間光変調器(DMD)316の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、空間光変調器(DMD)316に接続された図示しないコントローラによって行われる。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0052】
また、空間光変調器(DMD)316は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図8(A)は空間光変調器(DMD)316を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(照射ビーム)53の走査軌跡を示し、図8(B)は空間光変調器(DMD)316を傾斜させた場合の照射ビーム53の走査軌跡を示している。
【0053】
空間光変調器(DMD)316には、長辺方向にマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短辺方向に多数組(例えば、600組)配列されているが、図8(B)に示すように、空間光変調器(DMD)316を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる照射ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、空間光変調器(DMD)316を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、空間光変調器(DMD)316の傾斜角は微小であるので、空間光変調器(DMD)316を傾斜させた場合の走査幅Wと、空間光変調器(DMD)316を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
【0054】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねてレーザ照射(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、レーザ照射位置の微少量をコントロールすることができ、高精細なアニールを実現することができる。また、主走査方向に配列された複数のレーザ光源300の間のつなぎ目を微少量のレーザ照射位置制御により段差無くつなぐことができる。
【0055】
なお、空間光変調器(DMD)316を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0056】
このレーザアニール装置におけるアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、空間光変調器(DMD)316を利用することにより、基板150のa−Si膜に対して、微細な帯状の範囲に投射される光エネルギーの分布を、図3に想像線LPで示すように、基板150の搬送方向前端側で強く、搬送方向後端側に行くのに従って弱くして光エネルギーの強度に勾配を持たせる分布にする調整を行い、図4に示すような、理想的なa−Si膜内の深さ方向(膜厚方向)の温度分布となるように制御することが可能となる。
【0057】
すなわち、このアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、空間光変調器(DMD)316を利用してa−Si膜に対する光エネルギーの分布を図3に想像線LPで示すように基板150の搬送方向前端側で強く、搬送方向後端側に行くのに従って弱くした場合には、a−Si膜におけるレーザビームが投射されて溶融を開始された搬送方向前端側(搬送方向上流側)の溶融開始位置から搬送方向後端側(搬送方向下流側)の固液界面LSの位置までの溶融状態にある部分における温度勾配を、図4に実線TLで示すように、溶融開始位置から固液界面LSの位置にかけて滑らかに温度が低下するよう制御できる。
【0058】
このように溶融開始位置から固液界面LSの位置にかけて滑らかに温度が低下するような温度勾配を呈するように加熱制御する場合には、a−Si膜におけるレーザビームで溶融されたものを、必ず固液界面LSに生じる結晶核から結晶を成長させるように制御できる。
【0059】
よって例えば、溶融開始位置から固液界面LSの位置の間において、部分的に冷却された所(固液界面LS以外の部分)に生じた結晶核から結晶が成長して横方向結晶成長が妨げられ、大結晶粒の形成が阻害されることを防止できる。
【0060】
なお、この加熱制御にあたっては、a−Si膜におけるレーザビームで溶融された部分が種々の要因で冷却されても、固液界面LS以外の部分に結晶核が生じないようにできる温度勾配に設定することが望ましい。
【0061】
上述のように空間光変調器316により温度勾配をもたせるための空間分布形成された光ビームが投射されている光ビームの投射範囲内におけるa−Si膜は、光ビームの投射範囲内における搬送方向前端側の溶融開始位置から固液界面LSの位置までの部分で加熱溶融し、光ビームの投射範囲内における固液界面LSから搬送方向後端側にかけての結晶化域SAで熱放射とともに結晶化する。
【0062】
図3に示すように、光ビームの投射範囲内における結晶化域SAには、405nm光が照射されているので、この405nm光がラマン励起光として機能し、結晶化域SAから結晶性に応じたラマン散乱光RLが放射される。ラマン散乱光は、励起光から518cm−1シフトした波長であり、図5に示すように、そのスペクトル形状は結晶性が良好なほどそのスペクトル半値幅が狭くなる。
【0063】
ラマン散乱光RLは投影レンズ308で収集され、ダイクロイックミラー304を透過し、レンズ310により、スリット314を穿設したスリット部材312上に投影される。このスリット314を透過したラマン散乱光RLは、凹面ミラー318により反射されて平行ビームへ変換され、回折格子320に入射する。
【0064】
回折格子320により回折されたラマン散乱光RLは、凹面ミラー322により反射されてCCD324上に結像される。CCD324上に結像されたラマン散乱光RLのスリット像における長手方向は、a−Si膜上の空間位置に対応し、短手方向は回折格子により波長軸に展開される。
【0065】
すなわち、図3に想像線LPで示すような強度パターン(強度勾配)の405nm光がa−Si膜上に投影されると、その光エネルギーを吸収してa−Si膜の温度と相状態は図4に示すようになる。熱拡散やa−Si膜を設けた基板150の走査方向への移動により温度勾配が順次移動し結晶化が進展する。
【0066】
したがって図3に示すように、405nmビーム投影パターン内(光ビームの投射範囲内)では、405nmビーム投影パターン内の一部である結晶化域SAで結晶化していることになる。
【0067】
この結晶化域SAの領域にも405nm光が投影されているので、この405nm光はラマン励起光として機能し、結晶品位に応じたラマンスペクトルを呈することになる。
【0068】
結晶化域SAで生じたラマン散乱光は、投影レンズ308とレンズ310によりスリット部材312のスリット314上にそのパターンが投影される。スリット314を透過した投影像は上述したようにスペクトルに分解され、CCD受光面上では図5に示すスペクトルパターンとして検出される。
【0069】
この図5では、X軸が、スリット314の長手方向となるa−SiのX軸方向(走査方向)の位置関係と対応しており、Y軸が、ラマン散乱光の波長に対応している。
【0070】
この図5に示すようなCCD324から出力されるラマン分光スペクトル画像の情報(データ)は、制御部326へ送信され、そのデータの出力パターンから405nm光投影領域内の結晶化域SAにおけるポリシリコンの結晶の品位と固液界面LSの位置が解析される。
【0071】
この制御部326は、解析された結晶の品位と固液界面LSの位置との情報に基づいて制御信号を生成し、この制御信号を空間光変調器316とステージ駆動部330へ送信してフィードバック制御を行う(必要に応じてレーザ光源300のレーザ出力を調整する制御も行う)ことで、固液界面LSの移動状態や結晶化の状態を適正に制御し、結晶を横方向成長させて結晶粒を大型化させる。
【0072】
この制御部326で行うフィードバック制御では、例えば、ポリシリコンの結晶の品位が所定の基準より低下した場合に、ステージ駆動部330へ制御信号を送信して、ステージ152を通常のそれまでの搬送方向と逆方向に所定距離移動させてから再度通常の搬送方向に移動させる制御を行うことにより、基板150上に形成された結晶の品位が所定の基準より低下した部分を再度結晶化させて適切な結晶を成長させるようにできる。これによって、アニール処理された製品としての基板150は、その製造上の歩留まりを向上できる。
【0073】
さらに、この制御部326で行うフィードバック制御では、例えば、ステージ駆動部330へ制御信号を送信して、固液界面LSの移動速度が所定の速度となるように制御し、又は固液界面LSの移動速度とステージ152が基板150を搬送する速度とが一致するように逐次調整する制御を行うこと等により、基板150上に安定して適切な結晶を成長させるようにできる。
【0074】
また、この制御部326で行うフィードバック制御では、ポリシリコンの結晶の品位が所定の基準より低下した場合に、例えば、空間光変調器316へ制御信号を送信して、空間光変調器316により空間分布形成された波長405nmの光ビームの強度パターン(強度勾配)を変更調節して、適切な結晶を成長させるようにできる。
【0075】
すなわち、この制御部326では、上述のようなフィードバック制御をして結晶化をコントロールすることにより、従来の制御無しのレーザアニール処理に比して結晶の横方向成長を容易に行えるようにし結晶粒の大型化を図ることができる。
【0076】
また、レーザアニール装置でアニール処理の最中にアニール位置をモニタした情報に基づいてレーザ駆動制御にフィードバックかけられるためには、レーザ光源300が駆動制御性にすぐれた半導体レーザで構成されていることではじめて実現できる。また、従来のようにエキシマレーザをレーザ光源とした場合には不可能なことである。よって、レーザアニール装置では、結晶性の状態や固液界面状態を即座に評価しその結果を、半導体レーザを用いたレーザ光源300に対するレーザ駆動制御にフィードバックをかけることで、安定した高品位のSi結晶膜が実現できる。
[レーザアニール装置の他の構成例]
次に、図19に示す、レーザアニール装置におけるアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の構成について説明する。
【0077】
この図19に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、レーザ光源としてファイバアレイ光源3000を用い、副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列又は複数列に配列されたレーザ出射部から照射されたレーザビームを所望のビーム強度の光ビームに成形するビーム成形光学系3002を利用して構成する。なお、その他の構成は、前述した図2に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段と同等である。
【0078】
ファイバアレイ光源3000は、図9(A)に示すように、多数のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合され、光ファイバ31の出射端部(発光点)が副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。なお、発光点を主走査方向に沿って複数列に配列することもできる。
【0079】
光ファイバ31の出射端部は、図9(B)に示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。保護板63は、光ファイバ31の端面と密着させて配置してもよく、光ファイバ31の端面が密封されるように配置してもよい。光ファイバ31の出射端部は、光密度が高く集塵し易く劣化し易いが、保護板63を配置することにより端面への塵埃の付着を防止することができると共に劣化を遅らせることができる。
【0080】
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
【0081】
このような光ファイバは、例えば、図10に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
【0082】
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、照射ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
【0083】
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
【0084】
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
【0085】
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
【0086】
レーザモジュール64は、図11に示す合波レーザ光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、照射ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
【0087】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜460nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。なお、好適な波長範囲については後述する。
【0088】
上記の合波レーザ光源は、図12及び図13に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
【0089】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0090】
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0091】
なお、図13においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0092】
図14は、このコリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図14の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0093】
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0094】
従って、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0095】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0096】
このように構成されたファイバアレイ光源3000では、合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザビームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
【0097】
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザビームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザビームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
【0098】
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合(シングルモードレーザを使用する場合)には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、100本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約18W(=180mW×100)である。
【0099】
ファイバアレイ光源3000のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、本実施の形態で使用する合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
【0100】
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約18W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを864本(8×108)束ねなければならず、発光領域の面積は13.5mm(1mm×13.5mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.3(MW(メガワット)/m)、光ファイバ1本当りの輝度は8(MW/m)である。
【0101】
これに対し、本実施の形態では、上述した通り、マルチモード光ファイバ100本で約18Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.3125mm(0.025mm×12.5mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は57.6(MW/m)となり、従来に比べ約44倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は288(MW/m)であり、従来に比べ約36倍の高輝度化を図ることができる。
【0102】
また、上述した図19に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、主走査方向に沿って1列又は複数列に配列されたレーザ出射部からレーザビームを照射するように構成したファイバアレイ光源3000の代わりに、複数のGaN系半導体レーザで出射したレーザビームを光ファイバー内で合波させてから光ファイバーの出射端から出射するファイバ光源を複数有し、複数の光ファイバの出射端における発光点の各々をバンドル状(光ファイバーを束ねたものであって、円形、矩形、多角形等の種々の断面形状に束ねることができる)に配列したファイババンドル光源で構成し、このファイババンドル光源から出射されたレーザビームを、ビーム成形光学系3002を利用して所望のビーム強度の光ビームに成形するように構成しても良い。
【0103】
また、図19に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、レーザ光源としてファイバアレイ光源3000を用い、副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されたレーザ出射部から照射されたレーザビームを所望のビーム強度の光ビームに成形するビーム成形光学系3002を利用して構成する。
【0104】
また、ファイバアレイ光源3000は、LDコントローラ3001によって各半導体レーザ毎に駆動制御するように構成して、空間光変調器(DMD)を設けたものと同様に、空間分布形成された波長405nmの光ビームの強度パターン(強度勾配)を所要の空間分布に形成する空間光変調が可能なように構成する。このようにして、前述した図3に想像線LPで示すように、ビーム投影パターン内で、基板150の搬送方向前端側で強く搬送方向後端側に行くのに従って弱くするよう光エネルギーの強度に勾配を持たせるようにできる。
【0105】
すなわち、ファイバアレイ光源3000では、その出力端から投射される光ビームを、各半導体レーザ(光ファイバーモジュール光源として構成しても良い)の制御手段であるLDコントローラ3001による出力制御により、光ビームを所定の空間分布に形成する空間光変調を行うことにより適宜所要の空間的な強度分布となるように成形する。また、アニール位置で計測した結晶性の情報に基づいて制御部326がLDコントローラ3001をフィードバック制御して、固液界面の移動や結晶化の状態を制御する。
【0106】
なお、その他の作用、効果は、前述した図2に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段と同等である。
【0107】
次に、図20に示す、レーザアニール装置におけるアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の構成について説明する。
【0108】
この図20に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、アニール用のレーザ光を投射するレーザ光源300とは別に、異なる波長のラマン励起光を投射する手段を設ける。
【0109】
この図20に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、レーザ光源300から出射されるレーザビームとは異なる波長のラマン励起光用のレーザビームを出射するレーザ光源332を設ける。
【0110】
このラマン励起光用のレーザ光源332は、例えば、ラマン励起光として波長460nmから波長1000nmの光、固体レーザ光、固体レーザSHG光、半導体レーザSHG光、半導体レーザ光、波長488nmの光、波長532nmの光、波長632nmの光、波長680nmの光、波長780nmの光又は波長800nmの光を出射するものとして構成することができる。
【0111】
図20に示すように、ラマン励起光用のレーザ光源332から出射されたラマン励起光用のレーザビームは、ビーム成形光学系334で所望の光ビームに成形され、ハーフミラー336で反射されることにより、ダイクロイックミラー304を透過し、投影レンズ308により所望のビームパターンにてa−Si膜の表面に上方から投射される。
【0112】
このようにレーザ光源300から投射されるアニールレーザ光と、ラマン励起光用のレーザ光源332から出射されたラマン励起光用のレーザビームとを別波長の光とするメリットは次のとおりである。すなわち、アニールレーザ光は温度勾配を形成するために、空間的に強度分布を持つ。またラマン散乱は非線形現象のため、励起光強度が変わるとラマン効率が大きく変化するから、ラマン信号強度の相対比較が困難となる。
【0113】
そこで、レーザアニール光とは独立に強度制御できるラマン励起光とすることにより、ラマン信号強度の相対比較を可能として、より詳細なアニール部の状態把握を行えるという効果がある。
【0114】
なお、この図20に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段におけるその他の構成は、前述した図2に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段と同等である。また、図20に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、ラマン励起光用のレーザ光源332から出射されたラマン励起光用のレーザビームを利用することによる作用及び効果以外は、前述した図2に示すものと同様の作用、効果を奏する。
【0115】
次に、図21に示す、レーザアニール装置におけるアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の構成について説明する。
【0116】
この図21に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、ファイバアレイ光源3000と、ビーム成形光学系3002を利用し、アニール用のレーザ光と異なる波長のラマン励起光を投射するアニール制御手段としてのレーザ光源332と、ビーム成形光学系334及びハーフミラー336を光路上に設けて構成する。
【0117】
なお、この図21に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段におけるその他の構成は、前述した図2に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段又は図20に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段と同等である。また、図21に示すアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、ファイバアレイ光源3000を利用することによる作用及び効果、さらに、図20に示すアニール用のレーザ光と異なる波長のラマン励起光を投射する手段としてのレーザ光源332等を利用することによる作用及び効果以外は、前述した図2に示すものと同様の作用、効果を奏する。
【0118】
次に、図22に示す、レーザアニール装置におけるアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の構成について説明する。
【0119】
この図22に示すアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段は、レーザアニール装置におけるスキャナ162及びステージ152とこれらの制御系の部分に、a−Si膜にGaN半導体レーザ光(405nm)を照射してアニール処理を行っている位置でアニール状態のモニタとして測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてa−Si膜の横方向への結晶成長を促すフィードバック制御を行って大結晶粒形成を実現する構成が設けられている。
【0120】
このアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、レーザ光源300として、GaN半導体レーザで発光された波長405nm光を、光ファイバー301内で集積し、投射する光ファイバーモジュール光源を用いる。
【0121】
このアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段は、光ファイバーモジュール光源であるレーザ光源300の光ファイバー301から投射された波長405nmのレーザビームを、ビーム成形光学系302によりビーム成形し、空間光変調器316を通し、ダイクロイックミラー304により投影レンズ308へ折り曲げて投影レンズ308により所望のビームパターンにてa−Si膜の表面に上方から投射するよう構成されている。
【0122】
このようにして空間光変調器316により空間分布形成された光ビームにより、a−Si膜は加熱溶融し、熱放射とともに結晶化する。
【0123】
また、このアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、別途設けられた反射率測定用レーザ光源338(例えば波長633nmの光ビームを出射するレーザ光源として構成する)から射出された光ビームを、ビーム成形光学系340で所定の光ビームに成形し、ハーフミラー342で反射し、ダイクロイックミラー304を透過し、投影レンズ308により所望のビームパターンにてa−Si膜の表面に上方から投射される。
【0124】
このようにしてa−Si膜の表面に上方から投射された反射率測定用レーザ光源338から射出された光ビームは、Si膜のアニール位置(a−Siの領域と、溶融したSiの領域と、ポリシリコンの結晶化領域との部分)の各表面状態に応じて反射され、投影レンズ308とレンズ344とによりCCD346上に反射像として結像される。なお、この反射率測定用レーザ光源338から射出されSi膜で反射された光ビームは、光路上にあるダイクロイックミラー304とハーフミラー342とを透過する。
【0125】
ここで、反射率測定用レーザ光源338から射出された光ビームが、Si膜のアニール位置の各表面状態に応じて反射する反射率についてみると、一般に複素屈折率n−ikの物質と空気との境界面における反対率Rは、R={(n−1)+k}/{(n+1)+k}で表される。また結晶Siおよび溶融Siのnとkは、例えば反射率測定用の波長633nmの光ビームに対して、n=3.88、k=0.019、n=2.82、k=5.28である。ここで添字のcは結晶化Si、lは溶融Siを表す。
【0126】
したがって結晶Siでは表面反射率R=0.348、溶融SiではR=0.7344であり、結晶化の部分と溶融状態の部分とで反射率測定用光ビームの反射強度が大きく異なる。
【0127】
そこで、アニール用のレーザビームが照射されている領域(アニール位置)に対して、反射率測定用レーザ光源338から射出された均一な光強度の光ビームを反射させたときの結晶化の部分と溶融状態の部分とで異なる光ビームの反射強度の状態をCCD346によって、結晶化部分と溶融部分との2次元的な画像情報(データ)として検出する。このCCD346で検出された画像情報(データ)は、制御部328へ送信される。
【0128】
制御部328は、画像情報(データ)から結晶化域、溶融域、結晶化域の移動速度(すなわち固液界面LSの移動速度)のデータを取得し、このデータを解析し、必要に応じて、空間光変調器316、ステージ駆動部330に対する制御信号を生成し、この制御信号を空間光変調器316又はステージ駆動部330に送信してフィードバック制御を行うことで、レーザ光源300から射出されたレーザアニール用の光ビームの空間強度分布やa−Si基板移動速度を最適化し、固液界面LS移動を制御し、結晶Siを適切に横方向成長させて結晶粒を大型化させる。
【0129】
この制御部328で行うフィードバック制御では、例えば、固液界面LSがうねるような曲線となった場合、又は固液界面LSが基板150の搬送方向(走査方向)に対して斜めとなった場合には、固液界面LSにおける搬送方向の後端側に遅れている部位に供給する光エネルギを増大させ、搬送方向の先端側に進んでいる部位に供給する光エネルギを減少させるように空間光変調器316を制御して、固液界面LSが搬送方向に対して直交する直線状となるように調整する。
【0130】
さらに、この制御部326で行うフィードバック制御では、例えば、固液界面LSの移動速度に対してステージ152が基板150を搬送する速度が早過ぎるとa−Si膜に十分に熱が行き渡らないので、ステージ駆動部330へ制御信号を送信して、基板150の搬送速度を適切な速度に調整する制御を行うことにより、基板150上に安定して適切な結晶を成長させるようにできる。
【0131】
すなわち、この制御部326では、上述のようなフィードバック制御をして結晶化をコントロールすることにより、従来の制御無しのレーザアニール処理に比して結晶の横方向成長を容易に行えるようにし結晶粒の大型化を図ることができる。
【0132】
次に、図23に示す、レーザアニール装置におけるアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の構成について説明する。
【0133】
この図23に示すアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、ファイバアレイ光源3000と、ビーム成形光学系3002を利用して構成する。
【0134】
なお、この図23に示すアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段におけるその他の構成は、前述した図22に示すアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段と同等である。
【0135】
また、この図23に示すアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段では、ファイバアレイ光源3000におけるLDコントローラ3001が各半導体レーザ毎に駆動制御して、空間光変調器(DMD)を設けたものと同様に、適宜空間的に強度分布(強度パターン(強度勾配))を持つように空間分布形成された波長405nmの光ビームを出射する。
【0136】
すなわち、ファイバアレイ光源3000では、その出力端から投射される光ビームを、各半導体レーザ(光ファイバーモジュール光源として構成しても良い)の制御手段であるLDコントローラ3001による出力制御により適宜空間的に強度分布を持った光ビームとして成形する。また、固液界面LSの位置に関する情報に基づいて制御部326は、LDコントローラ3001とステージ駆動部330をフィードバック制御し、固液界面LSの移動制御や、結晶化の状態の制御を適切に実行する。
【0137】
なお、その他の作用、効果は、前述した図22に示すアニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段と同等である。
[レーザアニール装置の動作]
次に、レーザアニール装置の動作について説明する。
【0138】
図1に示すように、このレーザアニール装置では、アニールの対象物である基板150を表面に吸着した、アニールの対象物とレーザビームとを相対的に移動して走査する走査手段としてのステージ152が、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により基板150の先端が検出されると、これより露光開始位置が決定され、レーザ光源300(3000)が駆動制御されて、レーザアニール処理が開始される。
【0139】
また、この際、空間光変調器(DMD)316を備えるものでは、ミラー駆動制御部から制御信号を空間光変調器(DMD)316に送信して空間光変調器(DMD)316のマイクロミラーの各々がオンオフ制御され、レーザ光源300から空間光変調器(DMD)316に照射されたレーザ光を、マイクロミラーがオン状態のときに反射することにより、基板150のa−Si膜面上に結像してレーザアニール処理される。このようにして、レーザ光源300から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、基板150が空間光変調器(DMD)316の使用画素数と略同数の画素単位(照射エリア)でレーザ照射されアニールされる。
【0140】
このレーザアニール装置では、基板150がステージ152と共に所要速度で移動されることにより、基板150がステージ移動方向と反対の方向に副走査され、スキャナ162により、図16及び図17に例示するように帯状の照射済み領域が形成される。
【0141】
また、空間光変調器(DMD)316を備えるものでは、図15(A)及び(B)に示すように、例えば、空間光変調器(DMD)316が、主走査方向にマイクロミラーを800個配列したマイクロミラー列を、副走査方向に600組配列した構成とされている場合に、コントローラにより一部のマイクロミラー列(例えば、800個×10列)だけが駆動されるように制御しても良い。
【0142】
ここで、図15(A)に示すように、空間光変調器(DMD)316の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図15(B)に示すように、空間光変調器(DMD)316の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
【0143】
空間光変調器(DMD)316のデータ処理速度には限界があり、使用する画素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
【0144】
このレーザアニール装置では、スキャナ162による基板150の副走査が終了し、検知センサ164で基板150の後端が検出されると、ステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
【0145】
このレーザアニール装置は、ガスレーザであるエキシマレーザに代えて高品位な半導体レーザをレーザ光源に用いているので、以下の1)〜6)の利点がある。
【0146】
1)光出力が安定化し、結晶粒径サイズの揃ったポリシリコン膜を再現性良く作製することができる。
【0147】
2)半導体レーザは、全部固体の半導体レーザであるため、数万時間に亘り駆動可能で高信頼性を有している。また、半導体レーザは、光出射端面の破損が生じ難く、高信頼性であり、高ピークパワーを実現できる。
【0148】
3)ガスレーザであるエキシマレーザを用いる場合と比べると、小型化が可能で、メンテナンスが非常に簡便になる。また、エネルギー効率も10%〜20%と高い。
【0149】
4)半導体レーザは、基本的にCW(連続)駆動が可能なレーザであるため、パルス駆動する場合にも、アモルファスシリコンの吸収量、発熱量に応じて繰り返し周波数、パルス幅(duty)を自由に設定することができる。例えば、数Hz〜数MHzまでの任意の繰り返し動作を実現でき、数psec〜数100msecの任意のパルス幅を実現できる。特に、繰り返し周波数を数10MHz帯程度までとすることができ、CW駆動する場合と同様に、連続的な結晶粒界を形成することができる。また、繰り返し周波数を大きくすることができるので、高速アニールが可能である。
【0150】
5)半導体レーザをCW駆動して連続したレーザ光でアニール面上を所定方向に走査することができるので、結晶成長の方向が制御され、連続的な結晶粒界を形成することができ、高キャリア移動度のポリシリコン膜を形成することが可能になる。
【0151】
また、このレーザアニール装置で、レーザ光源に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列したファイバアレイ光源3000を用いた場合には、以下の1)〜3)の利点がある。
【0152】
1)一般に、レーザアニール装置では、アニール面(露光面)において400mJ/cm〜700mJ/cmの範囲の高い光密度が必要であるが、本実施の形態では、アレイ化するファイバ本数、合波するレーザビームの本数を増加することで、容易にマルチビームでの高出力化、高光密度化を図ることができる。例えば、1本の合波レーザ光源のファイバ出力を180mWとすると、556本をバンドルすれば100Wの高出力を安定に得ることができる。加えて、ビーム品位も安定しており、高パワー密度である。従って、将来の低温ポリシリコンの成膜面積の大面積化やハイスループット化へも対応することができる。
【0153】
2)光ファイバの出射端部はコネクタ等を用いて交換可能に取り付けることが可能であり、メンテナンスが容易になる。
【0154】
3)小型の半導体レーザを合波した小型の合波モジュールなので、光源部をエキシマレーザより非常に小型化することができる。
【0155】
さらに、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくした場合には、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源3000の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたレーザアニール装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度でのアニールの場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細なアニールが可能となる。
【0156】
【発明の効果】
本発明のレーザアニール装置によれば、レーザビームを対象物に照射してアニール処理を行っている位置でアニール状態の情報を検出し、この情報に基づいてフィードバック制御を行って適切なアニール処理を可能とするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、アニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段を設けたアニール処理用の光路を示す光路図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る、アニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の要部を取り出して示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置における、アニール位置での温度勾配と、a−Si膜の固相と溶融相(液相)との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段における結晶性に応じたラマン散乱光の状態を例示する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置におけるデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。
【図7】(A)及び(B)はDMDの動作を説明するための説明図である。
【図8】(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、走査ビームの配置及び走査線を比較して示す平面図である。
【図9】(A)は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置におけるファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は(A)の部分拡大図である。
【図10】マルチモード光ファイバの構成を示す図である。
【図11】合波レーザ光源の構成を示す平面図である。
【図12】レーザモジュールの構成を示す平面図である。
【図13】図15に示すレーザモジュールの構成を示す側面図である。
【図14】図16に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。
【図15】(A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図である。
【図16】スキャナによる1回の走査で透明基板をアニールするアニール方式を説明するための平面図である。
【図17】(A)及び(B)はスキャナによる複数回の走査で透明基板をアニールするアニール方式を説明するための平面図である。
【図18】(A)及び(B)は、低温ポリシリコンTFT形成プロセスを説明するための図である。
【図19】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置における、ファイバアレイ光源を利用したアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の光路を示す光路図である。
【図20】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置における、空間光変調器と、ラマン励起光用のレーザ光源とを利用したアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の光路を示す光路図である。
【図21】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置における、ファイバアレイ光源と、ラマン励起光用のレーザ光源とを利用したアニール位置で計測した結晶性の情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の光路を示す光路図である。
【図22】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置における、空間光変調器を利用した、アニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の光路を示す光路図である。
【図23】本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置における、ファイバアレイ光源を利用した、アニール位置で測定した反射率により固液界面状態を計測した情報に基づいてフィードバック制御を行うアニール制御手段の光路を示す光路図である。
【図24】従来のエキシマ・レーザアニールにより部分溶融された状態を示す説明図である。
【図25】従来のエキシマ・レーザアニールにより、残存a−Si相を島状にして結晶粒が成長する状態を示す説明図である。
【図26】従来のエキシマ・レーザアニールにより、a−Si相を完全溶融してから過冷却状態となり、微小結晶粒で全体が埋め尽くされる状態を示す説明図である。
【図27】従来のエキシマ・レーザアニールにおけるレーザ強度と結晶粒径の関係を定性的に示す説明図である。
【図28】従来の結晶成長を横方向に制御するアニール法において、膜厚と反対側からの結晶粒との衝突により結晶粒界の大きさが制限されてしまう状態を示す説明図である。
【図29】従来の結晶成長を横方向に制御するアニール法において、Nd:YVOレーザの532nm光で深度方向に対する温度勾配を平坦とし、固液界面を垂直に立たせて結晶粒界を横方向へ大きく成長させる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
150 基板
152 ステージ
162 スキャナ
300 レーザ光源
301 光ファイバー
302 ビーム成形光学系
304 ダイクロイックミラー
308 投影レンズ
310 レンズ
312 スリット部材
314 スリット
316 空間光変調器
318 凹面ミラー
320 回折格子
322 凹面ミラー
326 制御部
328 制御部
330 ステージ駆動部
332 ラマン励起光用のレーザ光源
334 ビーム成形光学系
336 ハーフミラー
338 反射率測定用レーザ光源
340 ビーム成形光学系
342 ハーフミラー
344 レンズ
346 CCD

Claims (7)

  1. レーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射された前記レーザビームを、膜状のアニールの対象物に照射させるレーザ照射手段と、
    前記アニールの対象物に照射する前記レーザビームの空間強度分布を変更調整する空間光変調手段と、
    前記アニールの対象物と前記レーザビームとを、相対的に移動して走査する走査手段と、
    前記レーザビームを前記アニールの対象物に照射してアニール処理を行っている位置でアニール状態のモニタとして計測した情報に基づいて、前記空間光変調手段と前記走査手段との少なくとも一方に対するフィードバック制御を行うアニール制御手段と、
    を有することを特徴とするレーザアニール装置。
  2. 前記レーザ光源が、固体レーザであることを特徴とする請求項1に記載のレーザアニール装置。
  3. 前記レーザ光源が、半導体レーザであることを特徴とする請求項1に記載のレーザアニール装置。
  4. 前記レーザ光源が、GaN系半導体レーザであることを特徴とする請求項3に記載のレーザアニール装置。
  5. 前記アニール制御手段が、アニール処理を行っている前記レーザビームの投射範囲内にある結晶化域で結晶性に応じて放射されるラマン散乱光からラマン分光スペクトルの情報を計測し、結晶の品位と固液界面の位置を解析し、前記空間光変調手段と前記走査手段との少なくとも一方に対し、結晶化の状態又は固液界面の移動状態を適正化するフィードバック制御を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレーザアニール装置。
  6. 前記アニール制御手段が、アニール処理を行っている位置に、ラマン励起光用のレーザ光源から出射された前記アニール用のレーザビームと異なる波長のレーザビームを照射した際に結晶化域で結晶性に応じて放射されるラマン散乱光からラマン分光スペクトルの情報を計測し、結晶の品位と固液界面の位置を解析し、前記空間光変調手段と前記走査手段との少なくとも一方に対し、結晶化の状態又は固液界面の移動状態を適正化するフィードバック制御を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレーザアニール装置。
  7. 前記アニール制御手段が、反射率測定用レーザ光源から出射された前記アニール用のレーザビームと異なる波長で均一な光強度の反射率測定用レーザビームを、アニール処理を行っている位置に反射させたときの結晶化の部分と溶融状態の部分とで異なる反射強度を計測して検出した結晶化部分と溶融部分との2次元的な情報から得られる結晶化域、溶融域、結晶化域の移動速度のデータを解析し、前記空間光変調手段と前記走査手段との少なくとも一方に対し、結晶化の状態又は固液界面の移動状態を適正化するフィードバック制御を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレーザアニール装置。
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