JP2004336012A - 半導体膜の製造方法、半導体装置の製造方法、集積回路、電気光学装置、電子機器 - Google Patents

半導体膜の製造方法、半導体装置の製造方法、集積回路、電気光学装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】微細孔を結晶成長の起点として半導体膜の溶融結晶化を行う場合において、結晶粒径の大きい略単結晶を得られる技術を提供する。
【解決手段】本発明にかかる半導体薄膜の製造方法は、基板(10)上に形成された絶縁膜(12)に微細孔(14)を形成する微細孔形成工程と、微細孔(14)内及び絶縁膜(12)上に非単結晶半導体膜(16)を形成する成膜工程と、非単結晶半導体膜(16)を溶融結晶化させるための第1の熱処理(18)と、非単結晶半導体膜(16)の溶融後の温度低下を抑制する第2の熱処理(20)とを並行して行って結晶性半導体膜(22)を形成する結晶化工程と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体薄膜及び半導体装置の製造方法に関する。特に、結晶性珪素膜を製造する際に、結晶粒径の大きな略単結晶を得る技術に関する。
液晶表示装置やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に用いられる薄膜トランジスタの電気的特性を向上させるために、略単結晶珪素膜を成長させて半導体薄膜を形成する技術が提案されている(非特許文献1)。この技術は、基板上の絶縁膜に微細孔を開けて、この絶縁膜上及び微細孔内に非晶質珪素膜を形成した後、この非晶質珪素膜にレーザを照射して、上記微細孔の底部内の非晶質珪素を非溶融状態に保持しながら、その他の部分の非晶質珪素膜を溶融状態にすることにより、非溶融状態に保持された非晶質珪素を結晶核とした結晶成長を生じさせて、略単結晶状態の珪素膜を形成させるものである。
「Single Crystal Thin Film Transistors」, IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257-258
上述の方法では、レーザ照射によって硅素膜のみを瞬間的に溶融状態として結晶化を行っており、溶融後の膜温度も急速に低下する。このように硅素膜の膜温度が急速に低下すると、結晶粒が大きく成長するために必要な時間を十分に確保しにくく、微小孔を略中心とする結晶粒の更なる大粒径化を図ることが難しかった。このような不都合は、硅素膜の膜厚が薄くなるほどより顕著となるため、硅素膜の薄膜化による半導体素子(特に薄膜トランジスタ)の特性向上を図る際の妨げともなる。
そこで、本発明は、微細孔を結晶成長の起点として半導体膜の溶融結晶化を行い略単結晶の結晶粒を形成する場合において、当該結晶粒の更なる大粒径化を図ることを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の半導体薄膜の製造方法は、基板上に形成された絶縁膜に微細孔を形成する微細孔形成工程と、上記微細孔内及び上記絶縁膜上に非単結晶半導体膜を形成する成膜工程と、上記非単結晶半導体膜を溶融結晶化させるための第1の熱処理と、上記非単結晶半導体膜の溶融後の温度低下を抑制する第2の熱処理とを並行して行って結晶性半導体膜を形成する結晶化工程と、を含む。
上記方法によれば、第1の熱処理と並行して第2の熱処理を行うことによって、非単結晶半導体膜を溶融させた後の溶融状態をより長く維持することができる。なお、第1の熱処理と第2の熱処理とを同時に行うことが好ましい。微小孔底部の結晶核を中心とする結晶成長は、その成長がある部分に到達した時に当該部分の溶融状態が維持されていないとそれ以上進行することができない。本発明の方法によれば、微小孔を略中心とする略単結晶の結晶粒の成長が十分に進行するように溶融状態に保っておくことが可能となり、当該略単結晶の結晶粒の大粒径化を図ることができる。また、第1の熱処理により溶融された非単結晶半導体膜の温度が急速に下がると、微細孔以外の部分に結晶核がランダムに発生し、その結晶核を中心として結晶粒が大きく成長し、微細孔を略中心とする結晶成長の進行を妨げる場合がある。しかし本発明の方法によって膜温度の低下を抑制することにより、これら微細孔以外の領域における結晶成長を抑制することができる。これにより、微小孔を略中心として成長する略単結晶の結晶粒が、微小孔以外の場所で発生した結晶粒に接してその成長を妨げられにくくなり、略単結晶の結晶粒を十分に成長させることが可能となる。
また、特に、本発明の方法によれば、溶融結晶化の対象となる半導体膜の膜厚が薄い場合でも温度が急速に低下するのを抑制することができるので、略単結晶状態の、特性に優れた半導体膜をより薄く形成することができる。かかる結晶性半導体膜を用いることにより、チャネル形成領域の薄膜化による薄膜トランジスタの電気的特性の向上を図ることが可能となる。さらに、急速な温度変化の無い穏やかな条件下で結晶化が進み、結晶粒の成長に要する時間をより長く確保することもできるので、当該結晶粒の結晶性が向上され、形成される結晶粒中に結晶欠陥が生じにくくなるという利点もある。
なお、本発明において「略単結晶」とは、結晶粒が単一である場合のみならず、これに近い状態、すなわち、複数の結晶が組み合わせられていてもその数が少なく、半導体薄膜の性質の観点からほぼ単結晶により形成された半導体薄膜と同等の性質を備えている場合も含む。
第1の熱処理はレーザ照射によって行うことが好ましい。これにより、溶融結晶化を効率よく行うことが可能となる。用いるレーザとしてはエキシマレーザ、固体レーザ、バスレーザなどの種々のものが考えられる。
また、本発明にかかる第1の熱処理は、微細孔以外の領域にある非単結晶半導体膜を略完全溶融状態とすると共に、微細孔内の非単結晶半導体膜を部分溶融状態にする条件にして行われることが好ましい。かかる条件により、非溶融状態部分を結晶核として溶融結晶化をより良好に行うことができる。
第2の熱処理は、瞬時熱アニール処理とすることが好ましい。瞬時熱アニール(RTA:Rapid Thermal Annealing)処理は、例えばハロゲン光を用いたアニール装置によって行うことができる。シリコン膜は長波長の光を吸収し難いので、短波長の光で加熱することが好ましく、従ってハロゲン光を用いるのが望ましい。そしてアニール装置に備えられたハロゲンランプによって加熱、昇温させるので高精度な温度制御をすることができ、昇降温速度も速いのでスループットを向上させることも可能である。ハロゲンランプに代えて、赤外線ランプ、アークランプ、グラファイトヒータ等を加熱源として用いることもできる。この他第2の熱処理には、熱酸化プロセスに用いられる炉(ファーネス)等、半導体装置の製造に用いられる種々の熱処理装置を用いることが可能である。
また、第2の熱処理は、レーザ照射によって行われることも好ましい。用いるレーザとしてはエキシマレーザ、固体レーザ、ガスレーザなどが考えられ、非単結晶半導体膜が吸収できる波長とする。これにより、非単結晶半導体膜を局所的に加熱することができる。
第1の熱処理は、非単結晶半導体膜の一部に対して選択的に熱を加えるものとし、第2の熱処理は、非単結晶半導体膜のうち少なくとも第1の熱処理がなされる部分を加熱するものとすることも好ましい。これにより、非単結晶半導体膜の全体を加熱する場合よりも少ないエネルギーで第2の熱処理を行うことができる。
第1の熱処理と第2の熱処理をともにレーザ照射によって行うことも好ましい。その場合には、第1の熱処理を短パルスレーザによって行い、第2の熱処理を第1の熱処理における短パルスレーザよりもパルス幅の長いレーザ又は連続波レーザによって行うことが好ましい。これにより、2種類のレーザを組み合わせる場合における第1及び第2の熱処理を好適に行うことが可能となる。
また、第2の熱処理は、非単結晶半導体膜に加わる熱量が漸減するように制御されることも好ましい。更に好ましくは、当該熱量を漸減させる制御は、第1の熱処理がなされると同時かそれ以降に開始される。かかる制御を行うことにより、結晶化が進む際の半導体膜の温度低下が緩やかになるので、結晶性半導体膜の結晶性をより向上させることが可能となる。
また、本発明は、上述した半導体薄膜の製造方法によって製造される結晶性半導体膜を使用して半導体装置を形成する素子形成工程を備える半導体装置の製造方法でもある。ここで、本発明において「半導体装置」とは、本発明に係る結晶性半導体膜を備える装置をいい、トランジスタ、ダイオード、抵抗、インダクタ、キャパシタ、その他能動素子、受動素子を問わない単体の素子を含む。上述した本発明に係る結晶性半導体膜を使用することにより、特性の優れた半導体装置を得ることが可能となる。
また、上述した半導体装置の製造方法においては、結晶性半導体膜の微細孔を含まない部分を使用して半導体装置の形成を行うと更に好適である。微細孔近傍では結晶性が若干劣る部分が形成される場合があるため、この部分を含まないようにして半導体装置を形成すると、半導体装置の特性を更に向上させることが可能となる。また、上述した半導体装置の製造方法において、半導体装置として薄膜トランジスタを形成する場合には、微細孔を、当該薄膜トランジスタを形成する位置に対応させて設けることが好ましい。これにより、薄膜トランジスタの形成対象となる領域を的確に選択して当該領域に結晶性半導体膜を形成することが可能となる。
また、本発明は、上述した製造方法を適用して製造される半導体装置を備える集積回路であり、電気光学装置であり、また電子機器でもある。
ここで「集積回路」とは、一定の機能を奏するように半導体装置及び関連する配線等が集積され配線された回路(チップ)をいう。
本発明は電気光学装置において、複数の画素領域と、画素領域ごとに設けられた半導体装置と、半導体装置により制御される電気光学素子と、を備え、半導体装置は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造されるものである。
ここで「電気光学装置」とは、本発明に係る半導体装置を備えた、電気的作用によって発光するあるいは外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を制御するもの双方を含む。例えば電気光学素子として、液晶素子、電気泳動粒子が分散した分散媒体を有する電気泳動素子、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子を備えたアクティブマトリクス型の表示装置をいう。
ここで「電子機器」とは、本発明にかかる半導体装置を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。その構成に特に限定が無いが、例えば、ICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝広告用ディスプレイ等が含まれる。
以下に本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における半導体薄膜の製造方法を説明する図である。
(微細孔形成工程)
まず、図1(a)に示すように、基板10上に絶縁膜としての酸化珪素膜12を形成する。基板10上への酸化珪素膜12の形成方法としては、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)や低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、あるいはスパッタリング法等の物理気相堆積法が挙げられる。例えばPECVD法により厚さ数100nmの酸化珪素膜12を形成できる。
次に、図1(a)に示すように、酸化珪素膜12の所定位置に微細孔14を形成する。例えばフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程を行うことにより、酸化珪素膜12の面内の所定の位置に、断面が直径0.1μm程度の円形である微細孔14を開口できる。例えばエッチング方法としてCHF3ガスのプラズマを用いた反応性イオンエッチングを採用することができる。上記微細孔14の直径が0.5μm程度の場合は、当該微細孔14を有する基板全面に新たな酸化珪素膜を堆積することにより、微細孔14の直径を0.1μm程度にすることができる。
(成膜工程)
次に、図1(b)に示すように、酸化珪素膜12上および微細孔14内に、非単結晶半導体膜として非晶質珪素膜16を形成する。非晶質珪素膜はPECVD法、LPCVD法、常圧化学気相堆積法(APCVD法)、スパッタリング法などによって形成することができ、50nm〜300nm程度の膜厚とすることが好適である。なお、非晶質珪素膜に代えて、多晶質珪素膜を形成してもよい。
(結晶化工程)
次に、図1(c)に示すように、非晶質珪素膜16に対する第1の熱処理としてレーザ18の照射を行い、これと同時に第2の熱処理としてハロゲンランプ20を用いた瞬時熱アニール処理を行う。
レーザ18としては、XeClパルスエキシマレーザ(波長308nm、パルス幅30nsec)を用い、エネルギー密度:0.4〜1.5J/cm2(非晶質珪素膜16の膜厚が50nm〜500nm、好ましくは50nm〜250nmに対応)でレーザ照射を行うことが好適である。
ここで、照射されたXeClパルスエキシマレーザは非晶質珪素膜16の表面近傍でほとんどが吸収される。これはXeClパルスエキシマレーザの波長(308nm)における非晶質珪素および結晶性珪素の吸収係数がそれぞれ0.139nm-1、0.149nm-1と大きいためである。また、酸化珪素膜12は、上記レーザに対して略透明であって、このレーザのエネルギーを吸収しないため、レーザ照射によって溶融しない。これにより、微細孔14以外の領域にある非晶質珪素膜16は膜厚方向全域に渡ってほぼ完全に溶融した状態となる。また、微細孔14内にある非晶質珪素膜16は表面が溶融し微細孔14の底部では溶融しない状態(部分溶融状態)となる。
レーザ照射後の珪素の凝固は、微細孔14の内部で先に始まり、その後非晶質珪素膜16の略完全溶融状態となっている部分(表面側の部分)に至る。このとき、微細孔14の底部近傍ではいくつかの結晶粒が発生するが、微細孔14の断面寸法(本実施形態では、円の直径)を1個の結晶粒と同程度か少し小さい程度にしておくことにより、微細孔14の上部(開口部)には1個の結晶粒のみが到達するようになる。この微細孔14の開口部に到達した結晶粒を核として、略単結晶の結晶成長が開始される。
一方、非晶質珪素膜16は、レーザ18の照射と同時にハロゲンランプ20によって加熱され、溶融後の温度低下が抑制される。ハロゲンランプに代えて、レーザ18とは別のレーザ照射を用いて第2の熱処理を行うことも可能である。第2の熱処理にレーザを用いる場合は、非晶質珪素膜16のうちレーザ18の照射により溶融される部分のみを選択的に加熱することができて効率がよい。
第2の熱処理を行うことにより、微細孔14の底部で発生した結晶粒が開口部に到達し、更にこの結晶粒を種結晶として略単結晶の結晶成長が十分に進行するように膜の溶融状態を維持することができる。これにより、図1(d)に示すように、微小孔を略中心とする結晶粒の成長が矢印の方向に十分に時間をかけて進み、該結晶粒の大粒径化を図ることができる。
また、膜温度が維持されることにより、図2に示すような微細孔14以外の場所に存在する結晶核を中心とした結晶23の形成が進まず、このような結晶に微細孔14を略中心とする略単結晶状の珪素膜(結晶性珪素膜)22の成長が妨げられることもない。
さらに、非晶質珪素膜16の膜厚が薄い場合、レーザ18の照射のみでは急速に膜温度が低下して結晶粒が小さくなる傾向があるが、ハロゲンランプ20で同時に加熱することによって、このような問題も回避することが可能である。
また、急速な温度変化の無い穏やかな条件下で十分に時間をかけて結晶化が進むため、結晶性珪素膜22(結晶性半導体膜)に結晶欠陥が生じることを極力回避して結晶性の向上を図ることが可能となるという効果も得られる。
(素子形成工程)
次に、薄膜トランジスタを例にして、上述した製造方法により製造される結晶性半導体膜22を用いて半導体素子を形成する工程を説明する。
図3は、素子形成工程について説明する図である。まず図3(a)に示すように、結晶性半導体膜22をパターニングし、薄膜トランジスタの形成に不要となる部分を除去して整形する。
次に、図3(b)に示すように、酸化珪素膜12および結晶性珪素膜22の上に酸化珪素膜24を形成する。例えば、酸化珪素膜24は、電子サイクロトロン共鳴PECVD法(ECR−CVD法)またはPECVD法にて形成できる。この酸化珪素膜24は薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として機能するものである。
次に、図3(c)に示すように、タンタルまたはアルミニウムの金属薄膜をスパッタリング法により形成した後、パターニングすることによって、ゲート電極26を形成する。次に、このゲート電極26をマスクとしてドナーまたはアクセプターとなる不純物イオンを打ち込み、ソース/ドレイン領域28とチャネル形成領域30をゲート電極26に対して自己整合的に作製する。NMOSトランジスタを作製する場合、例えば、不純物元素としてリン(P)を1×1016cm-2の濃度でソース/ドレイン領域に打ち込む。その後、XeClエキシマレーザを照射エネルギー密度400mJ/cm2程度で照射するか、250℃〜450℃程度の温度で熱処理することにより不純物元素の活性化を行う。
次に、図3(d)に示すように、酸化珪素膜24およびゲート電極26の上面に、酸化珪素膜32を形成する。例えば、PECVD法で約500nmの酸化珪素膜32を形成する。次に、ソース/ドレイン領域28に至るコンタクトホールを酸化珪素膜24、32に開けて、コンタクトホール内および酸化珪素膜32上のコンタクトホールの周縁部にソース/ドレイン電極34を形成する。ソース/ドレイン電極34は、例えばスパッタリング法によりアルミニウムを堆積して形成するとよい。また、ゲート電極26に至るコンタクトホールを酸化珪素膜32に開けて、ゲート電極26用の端子電極を形成する。以上で、本発明に係る半導体装置としての薄膜トランジスタTが作製できる。
なお、図3に示す例では説明の便宜上、微細孔14が薄膜トランジスタの真下に位置するように図示されているが、微細孔14の形成位置を薄膜トランジスタTの真下から外すようにすることも好適である。この場合には、上記図3(a)において説明したパターニング工程において、薄膜トランジスタTの活性領域30等となるべき部分をパターニングする際に微細孔14の形成位置を外すようにすればよい。
このように、本実施形態では、レーザ18による溶融結晶化とハロゲンランプ20による加熱を同時に行うことで、略単結晶の大粒径化を実現することができる。こうして得られた結晶性珪素膜22内には結晶粒界がほぼ無いと見なせるため、電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁を大きく減少できる効果が得られる。本発明により得られた結晶性半導体膜22を薄膜トランジスタの活性領域に用いることにより、オフ電流が少なく移動度の大きい高性能な薄膜トランジスタを形成することができる。
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態では、第2の熱処理としてハロゲンランプを用いた瞬時熱アニール処理を行う場合について主に説明していたが、この第2の熱処理についてもレーザ照射によって行うことができる。以下、その場合の好適な実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と重複する内容については適宜説明を省略する。
図4は、第2の実施形態における半導体薄膜の製造方法を説明する図である。
(微細孔形成工程)
まず、図4(a)に示すように、基板10上に絶縁膜としての酸化珪素膜12を形成し、当該酸化珪素膜12の所定位置に微細孔14を形成する。具体的な形成方法については第1の実施形態と同様である。
(成膜工程)
次に、図4(b)に示すように、酸化珪素膜12上および微細孔14内に、非単結晶半導体膜として非晶質珪素膜16を形成する。具体的な形成方法については第1の実施形態と同様である。
(結晶化工程)
次に、図4(c)に示すように、非晶質珪素膜16に対する第1の熱処理としてレーザ18の照射を行い、これと同時に第2の熱処理としてレーザ19の照射を行う。
第1の熱処理にかかるレーザ18としては、第1の実施形態と同様に短パルスレーザを用いることが好ましい。本例においても、レーザ18としてXeClパルスエキシマレーザ(波長308nm、パルス幅30nsec程度)を用い、エネルギー密度:0.4〜1.5J/cm2(非晶質珪素膜16の膜厚が50nm〜500nm、好ましくは50nm〜250nmに対応)でレーザ照射を行う。
また、第2の熱処理にかかるレーザ19としては、第1の熱処理における短パルスレーザよりもパルス幅の長いレーザ又は連続波レーザを用いることが好ましい。本例では半導体膜が珪素からなるので、当該珪素膜に吸収されて熱を加えることが可能な波長のレーザであれば如何なるものもレーザ19として採用し得る。例えば、YAGレーザの第2高調波(波長532nm)をレーザ19として用いると好適である。そして、パルス幅については第1の熱処理にかかるレーザ光よりも十分に長いパルス幅(例えば、100〜1000倍程度)にするか、あるいは連続波とするとよい。かかる波長域のレーザを用いることにより、非晶質硅素膜16に対して必要十分な熱量を与えることができる。なお、第2の熱処理にかかるレーザ19を基板10の裏面側から行ってもよい。
図5は、第2の熱処理としてのレーザの照射時間の制御について概略的に説明する図である。同図では、横軸が時間、縦軸がレーザの強度(任意単位)にそれぞれ対応している。
図5に示すように、第1の熱処理としてのレーザ18がある時刻t1において照射されるとすると(グラフH1参照)、第2の熱処理としてのレーザ19の照射は少なくとも当該時刻t1と略同時に開始され、レーザ18の照射が終了した後もしばらく照射が続けられていればよい。更に好ましくは、図示のように時刻t1より以前からレーザ19の照射が開始されているとよい(グラフH2、H3又はH4参照)。これにより、非晶質硅素膜16に十分な熱量を与えて結晶粒の大粒径化を図ることができる。また、レーザ19の照射強度を徐々に小さし、非晶質硅素膜に加わる熱量が漸減するように制御することも好適である(グラフH3又はH4参照)。この場合には、熱量を漸減させる制御は時刻t1以降、すなわちレーザ18による第1の熱処理がなされると同時かそれ以降に開始されると更に好適である。かかる制御を行うことにより、結晶化が進む際の珪素膜の温度低下が緩やかになるので、結晶性珪素膜の結晶性をより向上させることが可能となる。
(素子形成工程)
その後、上述した第1の実施形態と同様にして、結晶性半導体膜22を用いて半導体素子を形成する(図3参照)。
このように、第2の実施形態においても、第1の熱処理としてのレーザ18による溶融結晶化と第2の熱処理としてのレーザ19による加熱を同時に行うことで、略単結晶の大粒径化を実現することができる。こうして得られた結晶性珪素膜22内には結晶粒界がほぼ無いと見なせるため、電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁を大きく減少できる効果が得られる。本発明により得られた結晶性半導体膜22を薄膜トランジスタの活性領域に用いることにより、オフ電流が少なく移動度の大きい高性能な薄膜トランジスタを形成することができる。
特に本実施形態では、珪素膜に対して吸収されやすい波長のレーザ19を用いて第2の熱処理を行うので、硅素膜の部分に対して優先的に熱量を与えて、基板10等には熱量をほとんど与えないという選択的な加熱を行うことが可能となる。これにより、基板10として比較的に安価で不純物の含有量の多いガラス基板を用いる場合であっても、加熱によるガラス基板から硅素膜への不純物の移動を抑制することが可能となる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置等を備えた電気光学装置について説明する。
図6は、第2の実施形態における電気光学装置100の接続図を示す図である。本実施形態の電気光学装置(表示装置)100は、各画素領域に電界発光効果により発光可能な発光層OELD、それを駆動するための電流を記憶する保持容量を備え、さらに本発明の製造方法によって製造される半導体装置、ここでは薄膜トランジスタT1〜T4を備えて構成されている。ドライバ領域101からは、走査線Vsel及び発光制御線Vgpが各画素領域に供給されている。ドライバ領域102からは、データ線Idataおよび電源線Vddが各画素領域に供給されている。走査線Vselとデータ線Idataとを制御することにより、各画素領域に対する電流プログラムが行われ、発光部OELDによる発光が制御可能になっている。
なお、上記駆動回路は、発光要素に電界発光素子を使用する場合の回路の一例であり他の回路構成も可能である。また、ドライバ領域101、102のそれぞれを構成する集積回路を本発明に係る半導体装置によって形成することも好適である。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置等を備えた電子機器に関する。
図7は、第3の実施形態における電子機器の例を示す図である。図7(a)は本発明の製造方法によって製造される半導体装置等が搭載された携帯電話の例であり、当該携帯電話230は、電気光学装置(表示パネル)100、アンテナ部231、音声出力部232、音声入力部233及び操作部234を備えている。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば表示パネル100や内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。図7(b)は本発明の製造方法によって製造される半導体装置等が搭載されたビデオカメラの例であり、当該ビデオカメラ240は、電気光学装置(表示パネル)100、受像部241、操作部242及び音声入力部243を備えている。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば表示パネル100や内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
図7(c)は本発明の製造方法によって製造される半導体装置等が搭載された携帯型パーソナルコンピュータの例であり、当該コンピュータ250は、電気光学装置(表示パネル)100、カメラ部251及び操作部252を備えている。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば表示パネル100や内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。図7(d)は本発明の製造方法によって製造される半導体装置等が搭載されたヘッドマウントディスプレイの例であり、当該ヘッドマウントディスプレイ260は、電気光学装置(表示パネル)100、バンド部261及び光学系収納部262を備えている。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば表示パネル100や内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
図7(e)は本発明の製造方法によって製造される半導体装置等が搭載されたリア型プロジェクターの例であり、当該プロジェクター270は、電気光学装置(光変調器)100、光源272、合成光学系273、ミラー274、275を筐体271内に備えている。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば光変調器100や内蔵される回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。図7(f)は本発明の製造方法によって製造される半導体装置等が搭載されたフロント型プロジェクターの例であり、当該プロジェクター280は、電気光学装置(画像表示源)100及び光学系281を筐体282内に備え、画像をスクリーン283に表示可能になっている。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば画像表示源100や内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
上記例に限らず本発明に係る半導体装置の製造方法は、あらゆる電子機器の製造に適用可能である。例えば、この他に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ、ICカードなどにも適用することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で種々に変形、変更実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、半導体膜の一例として珪素膜を採り上げて説明していたが、半導体膜はこれに限定されるものではない。また、上述した実施形態では、本発明に係る結晶性半導体膜を用いて形成される半導体素子の一例として薄膜トランジスタを採り上げて説明していたが、半導体素子はこれに限定されるものではなく、他の素子(例えば、薄膜ダイオード等)を形成してもよい。
第1の実施形態の半導体薄膜の製造方法を説明する図である。 ランダムに発生した結晶核を中心とした結晶粒に、略単結晶上の結晶性珪素膜の成長が妨げられる比較例を示す図である。 素子形成工程について説明する図である。 第2の実施形態の半導体薄膜の製造方法を説明する図である。 第2の熱処理としてのレーザの照射時間の制御について概略的に説明する図である。 第3の実施の形態における電気光学装置の接続図である。 第4の実施の形態における電子機器の例を示す図である。
符号の説明
10…基板、 12、24、32…酸化珪素膜、 14…微細孔、 16…非晶質珪素膜、 18…レーザ(第1の熱処理)、19…レーザ(第2の熱処理)、 20…ハロゲンランプ、22…結晶性珪素膜、 26…ゲート電極、 28…ソース/ドレイン領域、 30…チャネル形成領域、 34…ソース/ドレイン電極、 100…電気光学装置、 T…薄膜トランジスタ

Claims (13)

  1. 基板上に形成された絶縁膜に微細孔を形成する微細孔形成工程と、
    前記微細孔内及び前記絶縁膜上に非単結晶半導体膜を形成する成膜工程と、
    前記非単結晶半導体膜を溶融結晶化させるための第1の熱処理と、前記非単結晶半導体膜の溶融後の温度低下を抑制する第2の熱処理とを並行して行って結晶性半導体膜を形成する結晶化工程と、
    を含む半導体膜の製造方法。
  2. 前記第1の熱処理はレーザ照射によって行われる、請求項1に記載の半導体膜の製造方法。
  3. 前記第1の熱処理は、前記微細孔以外の領域にある非単結晶半導体膜を略完全溶融状態にすると共に、前記微細孔内の非単結晶半導体膜を部分溶融状態にする条件にして行われる、請求項1又は2に記載の半導体膜の製造方法。
  4. 前記第2の熱処理は瞬時熱アニール処理である、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体膜の製造方法。
  5. 前記第2の熱処理はレーザ照射によって行われる、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体膜の製造方法。
  6. 前記第1の熱処理は、前記非単結晶半導体膜の一部に対して選択的に熱を加えるものであり、前記第2の熱処理は、前記非単結晶半導体膜のうち少なくとも前記第1の熱処理がなされる部分を加熱するものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体膜の製造方法。
  7. 前記第1の熱処理は、短パルスレーザによって行い、
    前記第2の熱処理は、前記第1の熱処理における前記短パルスレーザよりもパルス幅の長いレーザ又は連続波レーザによって行う、請求項1に記載の半導体膜の製造方法。
  8. 前記第2の熱処理は、前記非単結晶半導体膜に加わる熱量が漸減するように制御される、請求項1に記載の半導体膜の製造方法。
  9. 前記熱量を漸減させる制御は、前記第1の熱処理がなされた以降に開始される、請求項8に記載の半導体膜の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法によって製造される前記結晶性半導体膜を使用して半導体素子を形成する素子形成工程を備える半導体装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備える集積回路。
  12. 請求項10に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備える電気光学装置。
  13. 請求項12に記載の電気光学装置を備える電子機器。

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