JP2004335582A - 光電変換装置 - Google Patents

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Yuichiro Yamashita
雄一郎 山下
Tetsuya Itano
哲也 板野
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Abstract

【課題】光電変換装置の開口率の上昇を可能とする。
【解決手段】半導体基体に2次元状に画素が配列されて設けられ、画素を選択するトランジスタのゲートに接続される選択線101、画素を初期化するトランジスタのゲートに接続される初期化線102及び画素の光電変換素子からの信号を転送するトランジスタのゲートに接続される転送線103のうちの少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、二線が半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換装置に係わり、特に半導体基体に、光電変換素子、該光電変換素子からの信号を転送する転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた画素又は単位画素を2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の画素は共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の画素の前記選択手段、前記初期化手段、前記転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、共通の転送線に接続されている光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのアプリケーションにおいて、従来はCCDが入力デバイスとして多く用いられているが、近年CMOSイメージセンサと呼ばれる画像入力デバイスが開発、製品化されている。CMOSイメージセンサは、CCDが必要としたような特別なプロセスではなく、CMOSロジックを製造するプロセスを流用することができ、結果としてローコスト化を図れるという利点をもつ。
【0003】
従来技術としては、特許文献1等にあるように、行方向に配列された画素に共通に接続された選択線、リセット線、転送線がそれぞれ積層されておらず、少なくとも選択線と転送線が金属配線により構成されているCMOSイメージセンサが挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−94086公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CMOSイメージセンサはCMOSプロセスを流用することによる画質低下という課題を有している。画質低下の原因は画素あたりに閉める開口部の割合(開口率)が低いということ、および開口面積に対して開口部から光電変換部(たとえばシリコン上のフォトダイオードが光電変換部ならば、そのシリコン表面)までの距離が大きくなるということがあげられる。CMOSイメージセンサの課題を図7を用いて説明する。
【0006】
図13は、CMOSセンサの一画素の一例をレイアウトした際に上面から見た図である。画素を制御するための画素選択線501、画素リセット線502、転送線503がそれぞれ行ごとに配置される。画素選択線501は画素内の選択トランジスタのゲート504に接続され、画素リセット線502は画素内のリセットトランジスタのゲート505に接続され、転送線503は画素内の転送ゲート506に接続される。507は光電変換部であり、ここではフォトダイオードである。508は浮遊拡散部、509は光電変換結果を増幅するアンプ部のゲート、510はアンプの増幅結果を伝播する垂直出力線である。画素の選択トランジスタに供給される電圧は、不図示の上方向に隣接する画素のリセットトランジスタに電圧を供給する電源から供給される。また図13に示す、リセットトランジスタに電圧を供給する電源は不図示の下方向に隣接する画素の選択トランジスタにも電圧を供給している。
【0007】
CMOSイメージセンサは、通常のCMOSプロセスを用いており、画素選択線501、画素リセット線502、転送線503はそれぞれ同一層上のポリシリコン、もしくはアルミニウムを用いて構成されている。同一層上に並ぶことから、理論上縦方向に取れる開口サイズの最大値LAは、画素の縦方向の大きさをLY、配線幅をLW(各配線幅は等しいとする)、配線間隔をLS1,LS2(ここでは、LS1=LS2=LSとする)とすると、
LA = LY − 3×LW − 2×LS … 式(1)
となる。
【0008】
いかに画素設計を最適化しても、画素の縦方向の開口サイズはこの式(1)によって支配されてしまい、LW=0.6μm,LS=0.6μmとすると、たとえば3.3μm角の画素を構成しようとすると縦方向の開口は0.3μmしか取れなくなってしまい、マイクロレンズを用いてもほとんど光を取り込むことができなくなってしまう。
【0009】
本開口率の問題に関してCMOSプロセスの多層金属配線を用いた解決法も取られている。CMOSロジックプロセスで用いられているような多層金属配線を導入し、配線501〜503を多層にして配置することで式(1)の制限を免れることができる。ただし、多層金属配線、およびあわせて導入が必要となるCMP技術などによりマイクロレンズからシリコン表面までの距離がふえ、結果として集光効率の悪化につながってしまう。また、プロセス工程数もふえ、画素あたりのコンタクトホール・ビアホールなどの増加によりプロセスの難度も増加することが、プロセスコストそのものの増加、また、歩留まりの悪化などによるコストの増加につながるという課題がある。
【0010】
そこで、本発明においては、式1によって定められる開口サイズの上限をさらに増加させることを目的とする。また、その際に金属配線層の多層化を用いることなしに、マイクロレンズからシリコン表面までの距離の増加、プロセスコストの増加、歩留まりの低化などを防ぐことを目的とする。また本発明においても読み出し速度が減少させないことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明の光電変換装置は、少なくとも、半導体基体に、光電変換素子、該光電変換素子からの信号を転送する転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた画素を2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の画素は共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の画素の前記選択手段、前記初期化手段、前記転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、共通の転送線に接続されている光電変換装置において、
前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、該第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、該二線が前記半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられていることを特徴とする。かかる本発明の光電変換装置によれば、選択線、初期化線、転送線のうちの少なくとも二つを積層することにより、開口率の上昇が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図、図2は等価回路図である。
【0014】
本実施形態の光電変換装置は、図1に示すように、上方向に隣接する画素の画素リセット線102″と図1に図示された画素の画素選択線101とが重なっており、また下方向に隣接する画素の画素選択線101′と図1に図示された画素の画素リセット線102とが重なっている。すなわち、本実施形態では、隣接する画素どうしで画素リセット線と画素選択線が重なって配されている。
【0015】
図1において、101、102、103はそれぞれ行ごとに共通に配置された画素選択線、画素リセット(画素初期化)線、転送線である。101′、102″は下方向に配された画素の画素選択線、上方向に配された画素の画素リセット(画素初期化)線である。画素選択線101は画素内の画素選択トランジスタのゲート104、画素リセット(画素初期化)線102は画素リセットトランジスタのゲート105、転送線103は転送トランジスタのゲート106に異なる材料を介さずに直接接続され、各配線は各ゲートと同一の材料で形成されている。107は列ごとに共通に配置される出力線である。また、109は半導体層中に構成される光電変換部であり、ここではシリコンのn形基板もしくはnウェル中に形成されたp形不純物層で形成されるフォトダイオードで構成されている。図1においては遮光膜は省略しているが、光電変換部109以外を覆う形で形成されている。
【0016】
110は光電変換結果の光電荷をうけ、その光電荷に応じた出力を増幅して出力線107に伝える増幅手段となる増幅トランジスタのゲートであり、増幅手段はフローティングディフュージョン(浮遊拡散部)111の電圧を受けてソースフォロアアンプによって出力する回路で構成される。112は増幅手段のための電源配線であり、遮光膜に接続されている。113はフローティングディフュージョン111とリセットトランジスタのドレイン114を接続するための配線である。
【0017】
図3(a)〜(c)は、図1の各部の断面図であり、図3(a)は図1のA−A′の断面図、図3(b)は図1のB−B′の断面図、図3(c)は図1のC−C′の断面図である。図1と同様の部位には同じ番号を付している。また図1の画素選択線101′、画素リセット線102は省略されている。201はフィールド分離を行うための絶縁膜、202は基体であり、ここではp型のシリコン基板、もしくはp型のシリコン基板にドープされたウェルである。203は埋め込み型フォトダイオードであり、ここではp型半導体層で上面をほぼ覆われ、基体202と接するn型半導体で構成されている。遮光膜108は光電変換部109以外を覆うように構成されている。
【0018】
画素選択線101は画素リセット線102の上に重なるように配置されており、ここではポリシリコン(多結晶シリコン)で形成されている。それら二つの間の絶縁膜は、たとえば画素リセット線のポリシリコンの表面を酸素雰囲気中で再酸化することで構成される。なお配線抵抗を低く抑えるために画素選択線101をポリシリコンと、例えば、チタン、タングステン、アルミニウム等の金属との化合物で構成することも可能である。画素選択線101、画素リセット線102、転送線103の配線のうちどのような二線を重ね合わせるからは後述するように適宜決められる。
【0019】
それぞれのトランジスタのゲート部104、105、106は、例としてそれぞれゲート酸化膜206を介して基板と結合しており、MOSトランジスタを構成している。ここでトランジスタはMOSトランジスタには限定されず、バイポーラトランジスタ、JFETなども適応され得る。
また、205は高濃度にドープされたn層であり、MOSトランジスタのソースおよびドレインを形成している。204は画素リセットトランジスタのゲート、204は画素選択トランジスタのゲート、204は増幅手段となるトランジスタのゲートである。
【0020】
さらに、この画素の回路構成および駆動方法はよく知られたフォトダイオードを完全に空乏化させて後に蓄積動作を開始するCMOSセンサと同等である。このCMOSセンサは埋め込み型フォトダイオードのn型半導体領域203に蓄積された信号電荷を完全に浮遊拡散領域(フローティングディフュージョン)111に転送させた後に次の信号電荷の蓄積動作を開始するものである。
【0021】
ここで、従来例と同様、理論上縦方向に取れる開口サイズの最大値LAを求めると、画素の縦方向の大きさをLY、配線幅をLW、配線間隔をLSとすると、
LA = LY − 2×LW − LS ・・・式(2)
となり、同一設計ルールを用いると配線幅と配線間隔を足した分だけ縦方向の開口サイズを大きくできることとなる。なお、ここで、本実施形態では、隣接する画素どうしで画素選択線と画素リセット線とが重なるので、画素どうしの一部が重複していると言え、一画素の縦方向の開口サイズは、図1の画素選択線101′と画素リセット線102、又は画素選択線101と画素リセット線102″を除いたサイズとなる(ここでは、画素選択線101と画素リセット線102″を除いたサイズをLYとしている。)。
【0022】
従来はLS=LW=0.6の設計ルールを用いて3.3μm角の画素を設計した際は0.3μmの開口しか確保できなかったが、本実施形態によれば1.5μmもの開口を確保することができる。
【0023】
また、本実施形態においては、出力線107はアルミニウムを主とした金属膜をエッチングすることで形成される例を挙げており、前記金属膜、および遮光膜はCMPによって平坦化された絶縁膜の上に形成されている。CMPを用いることで上部配線層のいっそうの微細化、および遮光膜によって定義される開口部の辺の高さが均一になることによる光入射角依存性の解消という効果を得ることができる。
【0024】
ただし、CMPによって平坦化されなくとも開口の増加という一方の効果は同様に得ることができる。たとえば光入射角依存性が問題とならないようなアプリケーションにおいては、CMPプロセスを排除することでプロセスにかかるコストを低減するという効果を代わりに得ることができる。
【0025】
また、CMPを行う層、行わない層の組み合わせでデバイスを実現してもよい。たとえば列出力線107を形成する際にはCMPを導入し、遮光層を形成する際にはCMPを導入しない。ポリシリコンで形成される下地などに比較しても第一の金属層のパターンは十分単純であり、CMPを用いなくとも層間絶縁膜のリフロー技術で十分に遮光膜の平坦性が確保できる場合は2度目のCMPを省略できる。このことで光入射角依存性の解消、列出力線などの微細化などの効果とともに、CMPプロセスを一度省略することによるコスト低減の効果を合わせて得ることができる。
【0026】
また、逆に列出力線などはCMPを用いない層間絶縁膜上に形成し、最後の遮光膜のみをCMPを用いた層間絶縁膜上に形成するという方法によっても、光入射角依存性の解消、およびコスト低減の効果を得ることができる。ただしこの場合列出力線のパターニングにおける微細化という効果を得ることはできない。
【0027】
さらに、図1においてはリセット線102,102″と転送線103を第一の層のポリシリコン、選択線101,101′を第二の層のポリシリコンで形成し、かつリセット線102,102″の上にそれぞれ選択線101′,102を積層する構成を例としている。本発明の効果はもちろんこの構成に限定されない。従来平面的にレイアウトされていた行方向の配線を2層ポリシリコン技術を用いて配置するのが本発明の思想であり、その観点から考えるとどの配線をどの層に配置するか、どの配線とどの配線を積層するかは限定事項にはならない。設計事項として以下の事柄を考慮しながらどの層をどの様に配置するかを決定し、適切なレイアウトを行えばよい。
【0028】
(1)積層された二つの配線は積層されていないもう一つの配線に比べて配線容量が大きくなり、駆動に時間を要する。
【0029】
(2)上層のポリシリコンによって形成されるトランジスタのゲート酸化膜の界面の制御、および膜厚の制御は、初期のポリシリコンの層のそれらに比較して困難であり、ゲート酸化膜質の低下が起こりやすい。設計者は上記二つの事柄を主に考慮しながら設計することで、いかなる場合でも本発明の効果を得ることができる。
【0030】
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図、図5は図4のC−C′の断面図である。図1、図2と同様の部位には同じ番号を付している。図5において、図4の画素選択線101′、画素リセット線102は省略されている。本実施形態の光電変換装置は、実施形態1の光電変換装置と異なり、選択用MOSトランジスタのゲートと増幅用トランジスタのゲートが重なり合っている。
【0031】
図4及び図5において、301は第一層のポリシリコンで形成される増幅用トランジスタのゲート110が画素選択トランジスタのゲート104で一部覆われるように構成されている。
【0032】
この構成により、実施形態1で必要となっていた上記二つのトランジスタのゲート間スペースをさらに小さくすることができ、実施形態1の効果をさらに微細な画素において得ることができるようになった。
【0033】
ここでは選択用MOSトランジスタが上部に配置されているが、逆に選択用MOSが下部に配置されてもよい。増幅の特性を考えると望ましくは増幅用MOSトランジスタが第一のポリシリコンで形成されるべきであるが、実施形態1においてたとえば選択線を第一のポリシリコンで形成するような設計を行った場合、増幅用MOSトランジスタは第二のポリシリコンで形成せざるを得ない。この場合でも本発明の本実施形態の効果を同様に得ることができる。
【0034】
また、従来、水平方向のシェーディングを解消する目的として、基板の電位を固定するために行方向に水平な方向の画素を結ぶような基板電位配線を接続する場合があった。本発明においてはそのような配線は開口率を低下させる要因になることから完全に排除し、効果として開口率を向上させている。
【0035】
ここでポリシリコン層間の絶縁膜は従来の2層ポリシリコンプロセスと同様に下の層のポリシリコンを酸化したものを用いるのが望ましい。ポリシリコンの周囲に選択的に酸化膜を形成することができるからである。ただし、ポリシリコンの層の間に要求される信頼性,積層される配線間の配線容量、フォトダイオード部に入射する光が要求する光学特性などの設計パラメータに応じて、ポリシリコン同士の層間膜に酸化膜、窒化膜、酸化膜と窒化膜の混合膜、酸化膜と窒化膜の積層膜などを用いても良い。また、その他別な絶縁膜を導入しても良い。また本実施形態では支持母体は基板202としたが、この基板はたとえば通常のシリコンでも良く、たとえばSOI基板などでも良い。また同様の積層配線が導入できるのであればほかの材料を用いても同様に本発明の効果をえることができる。
【0036】
なお、本実施形態の選択用MOSトランジスタのゲートと増幅用トランジスタのゲートとを重なり合わせる構成は以下に説明する実施形態3及び4等の他の実施形態にも適用することができる。
【0037】
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図、図7は等価回路図である。図1、図2と同様の部位には同じ番号を付している。
【0038】
本実施形態の光電変換装置は、図7に示すように、二つの光電変換部、二つの光電変換部からの電荷をフローティングディフュージョンに転送する二つの転送トランジスタ、フローティングディフュージョンと入力部が接続される一つの増幅トランジスタ、一つの選択トランジスタ、一つのリセットトランジスタから単位セルが構成される。単位セルは二つ光電変換部を有するので実質的に二つの画素を構成し、二つの画素の増幅トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタが共通化されたものととらえることができる。
【0039】
図6に示すように、下方向に隣接する単位セルのリセット線102′と図6に図示された単位セルの選択線101とが重なっており、また上方向に隣接する単位セルの選択線101″と図6に図示された単位セルのリセット線102とが重なっている。106a,106bは光電変換部109a,109bからの電荷を転送する転送トランジスタのゲート、103a,103bは光電変換部109a,109bからの電荷を転送する転送トランジスタの転送線である。ここでは、ゲート106a,106bは転送線103a,103bの一部で構成される。
【0040】
本実施形態の光電変換装置において、理論上縦方向に取れる開口サイズの最大値LAを求めると、画素(単位セルの半分)の縦方向の大きさをLY、配線幅をLW、配線間隔をLSとすると、
LA = LY − 1.5×LW − 0.5LS ・・・式(3)
となり、実施形態1の構成と比べてさらに縦方向の開口サイズを大きくできることとなる。
【0041】
ここでは、選択線とリセット線とを重ねる例を示したが、実施形態1と同様に他の配線を重ねることもできる。
【0042】
(実施形態4)
以上説明した実施形態1〜3の光電変換装置は、隣接する画素又は単位セルどうしで配線が重なって配されている例を示したが、本実施形態では、一つの画素内で配線が重なっている例を示す。
【0043】
図8は、本発明の実施形態3の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図、図9は等価回路図である。図1、図2と同様の部位には同じ番号を付している。
【0044】
図8においては選択線101と転送線103を第一の層のポリシリコン、画素リセット線102を第二の層のポリシリコンで形成し、かつ転送線103上にリセット線102を積層する構成としている。
【0045】
ここで、実施形態1と同様に、理論上縦方向に取れる開口サイズの最大値LAを求めると、画素の縦方向の大きさをLY、配線幅をLW、配線間隔をLSとすると、
LA = LY − 2×LW − LS ・・・式(4)
となり、実施形態1と同様に、従来例と比べて同一設計ルールを用いると配線幅と配線間隔を足した分だけ縦方向の開口サイズを大きくできることとなる。
【0046】
本実施形態では、一つの画素内で配線が重なっている例を示したが、一つの単位セル内で配線が重なっている実施形態も勿論可能である。この場合、実施形態3で示した単位セル内で転送線103a又は103b上にリセット線102を積層し、上下に隣接する単位セルの選択線101″及びリセット線102′がない構成となる。
【0047】
またここでは、転送線とリセット線とを重ねる例を示したが、実施形態1と同様に他の配線を重ねることもできる。
【0048】
(実施形態5)
図10は、本発明の光電変換装置の信号読みだし系を示す説明図である。なお本実施形態では遅延素子が設けられていることが従来の信号読みだし系と異なる。複数の画素401は行列状、ここでは5行3列のマトリックス上に配置され、同じ列の画素は選択的に垂直線402に接続されている。それら垂直線402は、第一の記憶手段となる遅延素子403〜405を介して第二の記憶手段となる記憶素子406〜408に接続されている。記憶素子はおのおの選択スイッチ409〜411を介して水平線412に接続され、水平線412はバッファを介して出力ノード413に接続される。ここで、前記記憶素子としては酸化膜容量等の容量素子を用いることが可能である。また遅延素子としては、CCDデバイス、或いは容量素子とスイッチを用いたサンプルホールド手段等を用いることが可能である。
【0049】
図11(b)は、図10の信号読みだし系の動作の説明図である。図11(a)は、比較のため示した従来の信号読みだし系の動作の説明図である。
【0050】
図11(a)に示すように、n番目の行の画素が選択された後、画素アクセス501期間においてその行につながるすべての画素が選択的に垂直線402に接続することで活性化する。従来のCMOSセンサにおいては遅延素子による遅延機能が無いので、そのままその後画素の値が出力線402を介して記憶素子406〜408に、あるタイミングで保持される。
【0051】
その後水平信号転送期間502において、シフトレジスタなどを用いて順次選択スイッチ409〜411が水平線412に接続され、各列のデータがシリアルに出力される。
【0052】
ここで上述した本実施形態の光電変換装置の画素においては、配線が積層構成をとるために画素アクセス期間501が従来のCMOSセンサに比較して大きくなりがちである。したがって後述する駆動方法を採ることが望ましい。以下その駆動方法を図11(b)を用いて説明する。
【0053】
n+1行目の行の画素が画素アクセス期間503において垂直線402に読まれている間、n行目のデータが保持機能を有する記憶素子406〜408を選択スイッチ409〜411により順次に水平線412に接続することで出力される(水平信号転送期間504)。画素アクセス期間503において遅延機能を有する遅延素子403〜405にて垂直線402のデータをあるタイミングで保持する。水平信号転送期間が終了した後、n+2行目の画素アクセス期間が始まる間での間(転送期間505)に、遅延素子403〜405が保持しているデータを記憶素子406〜408に転送する。その後n+1行目の水平信号転送期間(504)とn+2行目の画素アクセス期間に入る。
【0054】
このように次の行の画素にアクセスしながら現在の行の水平信号転送を行うことで、実効的な読み出し速度の向上につながった。とくに本実施形態の光電変換装置の画素構造においては画素アクセス期間が従来のCMOSセンサなどに比較して大きくなることからも、この新規読み出し方法は特に効果を発揮する。
【0055】
図10の回路図ではアナログ的出力を仮定しているが、たとえば出力直前にAD変換しても同様の効果が得られる。また、各列ごとにAD変換器を搭載し、画素アクセス期間内でAD変換し、水平信号転送期間においてデジタルデータを転送しても同様の効果が得られる。また、各列ごとにAD変換器を搭載する場合、たとえば遅延機能に入力されるデータをAD変換しても同様の効果が得られ、またたとえば保持機能から出力されるデータをAD変換しても同様の効果が得られる。好ましくは遅延機能に入力される前にAD変換し、遅延機能、保持機能で生ずるアナログ的ノイズの影響を受けないことが望ましい。具体的には、図10において、記憶素子406〜408にそれぞれアナログ・デジタル変換手段を接続する、複数の記憶素子をある単位ごとにまとめ、各単位ごとにマルチプレクサに接続し、このマルチプレクサにアナログ・デジタル変換手段を接続する例が挙げられる。
【0056】
またAD変換器は各列ごとに持つことは無く、複数列に一つ持たせても同様の効果が得られる。その場合には合わせてAD変換器のチップ内の総面積が減少し、チップサイズの縮小などの効果もえられる。その場合には画素アクセス期間を時分割し、当該行の水平信号転送が始まる前までにすべての列の画素のAD変換を終了させなくてはならないことは言うまでもない。
【0057】
次に上記光電変換装置を用いた撮像システムについて説明する。図12に基づいて、本発明の光電変換装置をスチルカメラに適用した場合の一例について詳述する。
【0058】
図12は本発明の光電変換装置を“スチルビデオカメラ”に適用した場合を示すブロック図である。
【0059】
図12において、1101はレンズのプロテクトとメインスイッチを兼ねるバリア、1102は被写体の光学像を本発明の光電変換装置となる固体撮像素子1104に結像させるレンズ、1103はレンズ1102を通った光量を可変するための絞り、1104はレンズ1102で結像された被写体を画像信号として取り込むための固体撮像素子、1106は固体撮像素子1104より出力される画像信号のアナログ−ディジタル変換を行うA/D変換器、1107はA/D変換器1106より出力された画像データに各種の補正を行ったりデータを圧縮する信号処理部、1108は固体撮像素子1104、撮像信号処理回路1105、A/D変換器1106、信号処理部1107に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部、1109は各種演算とスチルビデオカメラ全体を制御する全体制御・演算部、1110は画像データを一時的に記憶するためのメモリ部、1111は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部、1112は画像データの記録または読み出しを行うための半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体、1113は外部コンピュータ等と通信するためのインターフェース部である。
【0060】
次に、前述の構成における撮影時のスチルビデオカメラの動作について、説明する。
【0061】
バリア101がオープンされるとメイン電源がオンされ、次にコントロール系の電源がオンし、さらに、A/D変換器1106などの撮像系回路の電源がオンされる。
【0062】
それから、露光量を制御するために、全体制御・演算部1109は絞り1103を開放にし、固体撮像素子1104から出力された信号はA/D変換器1106で変換された後、信号処理部1107に入力される。そのデータを基に露出の演算を全体制御・演算部1109で行う。
【0063】
この測光を行った結果により明るさを判断し、その結果に応じて全体制御・演算部1109は絞りを制御する。
【0064】
次に、固体撮像素子1104から出力された信号をもとに、高周波成分を取り出し被写体までの距離の演算を全体制御・演算部1109で行う。その後、レンズを駆動して合焦か否かを判断し、合焦していないと判断したときは、再びレンズを駆動し測距を行う。
【0065】
そして、合焦が確認された後に本露光が始まる。露光が終了すると、固体撮像素子1104から出力された画像信号はA/D変換器1106でA−D変換され、信号処理部1107を通り全体制御・演算1109によりメモリ部に書き込まれる。その後、メモリ部1110に蓄積されたデータは、全体制御・演算部1109の制御により記録媒体制御I/F部1111を通り半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体1112に記録される。又外部I/F部1113を通り直接コンピュータ等に入力して画像の加工を行ってもよい。
【0066】
また、上記のシステム内の、センサからのデータを処理する後処理手段群が、たとえばセンサと同一の基板上の作成されても同様の効果をえることができる。またたとえば異なる基板上に作成されても同様の効果をえることができる。同一上の基板に実装することでICの部品点数を減らし、実装、部品コストを削減する効果をあわせてえることができ、また異なる基板上に実装することでセンサへもれこむ後処理手段回路からのノイズの低減、後処理手段部のICの歩留まり向上などの効果を得ることができる。
【0067】
また、本発明の実施形態においては、フィールド酸化膜下のチャネル形成を防止するための不純物層、金属配線層を形成する前のバリアメタル層、最上位層に形成されるパッシベーション膜など、実際の半導体においてはほぼ必須といえるさまざまな要素を省略している。また、本発明においてレイアウトは概念の説明にとどめ、配線間スペースやコンタクトサイズなどの制約事項は無視している。実際の設計においては製造プロセスが要求するデザインのガイドラインを守って設計する必要があることは言うまでも無い。
【0068】
また、実施形態5においては、画素のリセットノイズの除去方法、各画素の増幅アンプの固定パターンおよび1/fノイズ除去方法、周辺に必須となる垂直、水平シフトレジスタ、タイミング発生部などのさまざまな必須要素、必須駆動方法などを省略している。これは本発明の要素を際立たせるために意図的に行っていることであり、それら従来から通常用いられている必須要素、必須駆動方法などを本発明と組み合わせても本発明の効果は同様に得ることができることは言うまでもない。
【0069】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の好適な実施の態様は以下に説明する態様である。
【0070】
(実施態様1) 少なくとも、半導体基体に、光電変換素子、該光電変換素子からの信号を転送する転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた画素を2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の画素は共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の画素の前記選択手段、前記初期化手段、前記転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、共通の転送線に接続されている光電変換装置において、
前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、該第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、該二線が前記半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられていることを特徴とする光電変換装置。
【0071】
かかる実施態様1の光電変換装置によれば、選択線、初期化線、転送線のうちの少なくとも二つを積層することにより、開口率の上昇が可能となる。
【0072】
(実施態様2) 少なくとも、半導体基体に、光電変換素子、該光電変換素子からの信号を転送する転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた画素を2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の画素は共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の画素の前記選択手段、前記初期化手段、前記転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、共通の転送線に接続されている光電変換装置において、
前記他の配列方向に配された一画素列の、前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも一線と、該一画素列と隣接する他の画素列の、前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも一線との少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、該第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、該二線が前記半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられていることを特徴とする光電変換装置。
【0073】
(実施態様3) 少なくとも、半導体基体に、複数の光電変換素子、該複数の光電変換素子からの信号をそれぞれ転送する複数の転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた単位セルを2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の単位セルは共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の単位セルの前記選択手段、前記初期化手段、前記複数の転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、複数の共通の転送線に接続されている光電変換装置において、
前記選択線、前記初期化線及び複数の前記転送線のうちの少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、該第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、該二線が前記半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられていることを特徴とする光電変換装置。
【0074】
(実施態様4) 少なくとも、半導体基体に、複数の光電変換素子、該複数の光電変換素子からの信号をそれぞれ転送する複数の転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた単位セルを2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の単位セルは共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の単位セルの前記選択手段、前記初期化手段、前記複数の転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、複数の共通の転送線に接続されている光電変換装置において、
前記他の配列方向に配された一単位セル列の、前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも一線と、該一単位セル列と隣接する他の単位セル列の、前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも一線との少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、該第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、該二線が前記半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられていることを特徴とする光電変換装置。
【0075】
(実施態様5) 前記転送手段、前記選択手段、前記初期化手段はそれぞれ絶縁ゲート型トランジスタからなり、前記転送手段、前記選択手段、前記初期化手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートはそれぞれ前記転送線、前記選択線、前記初期化線と同一の材料で形成され、かつ、
前記転送手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートと前記転送線、前記選択手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートと前記選択線、前記初期化手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートと前記初期化線は異なる材料を介さずに接続されることを特徴とする実施態様1から4のいずれかに記載の光電変換装置。
【0076】
かかる実施態様5の光電変換装置によれば、加えて選択手段と選択線、初期化手段と初期化線、転送手段と転送線を接続するコンタクトホールなどを省略でき、さらに開口率の上昇が可能となる。
【0077】
(実施態様6) 前記光電変換素子の光電変換部以外への光を遮光する遮光膜を有し、前記選択線、前記初期化線、前記転送線はおのおの前記第一の導電体又は前記第二の導電体で構成され、前記出力線は前記第二の導電体上に配される第三の導電体で構成され、前記遮光膜は前記第三の導電体上に配される第四の導電体で構成されることを特徴とする実施態様1から4のいずれかに記載の光電変換装置。
【0078】
かかる実施態様6の光電変換装置によれば、加えて、不必要な光が増幅手段やフローティングディフュージョン(浮遊拡散部)に入り込むことを防ぐことができ、画質の向上が可能となる。
【0079】
(実施態様7) 前記増幅手段及び前記選択手段は電界効果型トランジスタで構成され、かつ前記遮光膜は前記増幅手段の電界効果型トランジスタのドレインもしくは前記選択手段の電界効果型トランジスタのドレインに接続されることを特徴とする実施態様6に記載の光電変換装置。
【0080】
かかる実施態様7の光電変換装置によれば、加えて、さらに遮光膜を電源配線として用いることができ、必要な配線を遮光と兼用することでさらに開口率の向上につながる。
【0081】
(実施態様8) 前記第三の導電体が堆積される絶縁層がCMPにより平坦化されていることを特徴とする実施態様6に記載の光電変換装置。
【0082】
かかる実施態様8の光電変換装置によれば、加えて、出力線が堆積されるべき層の凹凸がCMPで極小化でき、出力線の精度の高い加工による歩留まり向上、開口率向上につながる。
【0083】
(実施態様9) 前記第四の導電体が堆積される絶縁層がCMPにより平坦化されていることを特徴とする実施態様7又は8に記載の光電変換装置。
【0084】
かかる実施態様9の光電変換装置によれば、加えて、たとえば遮光膜の形成する開口部の形成する多角形の辺のシリコン面からの高さの差による入射角依存性が問題となるような場合にCMPを導入することでその高さをそろえることができ、それによって入射角依存性を解決することができる。
【0085】
(実施態様10) 前記増幅手段及び前記選択手段はそれぞれ絶縁ゲート型トランジスタを有し、前記増幅手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートと前記選択手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートとが絶縁層を介して重なるように積層化されていることを特徴とする実施態様1〜9のいずれかに記載の光電変換装置。
【0086】
かかる実施態様10の光電変換装置によれば、選択トランジスタと増幅トランジスタのゲート間のマージンを極小化することができ、画素サイズの微細化が可能となる。
【0087】
(実施態様11) 前記半導体基体側から見て前記増幅手段の絶縁ゲート型トランジスタのゲートを下部に配し、前記選択線の絶縁ゲート型トランジスタのゲートを上部に配置したことを特徴とする実施態様10に記載の光電変換装置。
【0088】
かかる実施態様11の光電変換装置によれば、増幅トランジスタのゲートを下に置くことにより、増幅トランジスタのゲート酸化膜界面の品質を可能な限り最良に保つことが可能であり、これによってノイズの低い増幅が可能となる。
【0089】
(実施態様12) 前記画素において、前記出力線、前記選択線、前記初期化線、前記転送及び画素に電力を供給するための電源線のみを配したことを特徴とする実施態様1〜11のいずれかに記載の光電変換装置。
【0090】
かかる実施態様12の光電変換装置によれば、加えて、従来必要となっていた電源配線をなくすことで、更なる開口率の向上を見込むことができる。
【0091】
(実施態様13) 積層化された配線間の層間絶縁材料は、前記半導体基体側から見て下部に位置する配線の材料の酸化物、窒化物もしくは酸化物と窒化物との混合化合物からなることを特徴とする実施態様1〜12のいずれかに記載の光電変換装置。
【0092】
かかる実施態様13の光電変換装置によれば、加えて、現在の半導体工程で用意に導入できる製造プロセスを導入することで、コストと信頼性の両面において利点を得ることができる。
【0093】
(実施態様14) 積層化された配線間の層間絶縁膜は、主として前記半導体基体側から見て下部の配線が酸化されたもので構成されていることを特徴とする実施態様1〜13のいずれかに記載の光電変換装置。
【0094】
かかる実施態様14の光電変換装置によれば、加えて、下部の配線層の材料自身によって生成される絶縁膜を層間膜として用いることができ、さらにその上に導電体を堆積させることができることから、高さの上昇を最小限に抑えることができる。
【0095】
(実施態様15) 前記第一の導電体および第二の導電体の材料は主に多結晶シリコンであることを特徴とする実施態様1〜14のいずれかに記載の光電変換装置。
【0096】
かかる実施態様15の光電変換装置によれば、加えて、とくに自身を酸化するものとしては現在もっとも信頼性の高い多結晶シリコン(ポリシリコン)を用いることで、高い信頼性と低いコストを実現することができる。
【0097】
(実施態様16) 前記第一の導電体の材料は多結晶シリコンであり、前記第二の導電体の材料は多結晶シリコンと金属の化合物であることを特徴とする1〜15のいずれかに記載の光電変換装置。
【0098】
かかる実施態様16の光電変換装置によれば、加えて、第二の導電体で形成される配線の抵抗を低く抑えることができ、高速駆動が可能となる。
【0099】
(実施態様17) 前記光電変換装置はシリコンを主とする基板上に形成されることを特徴とする実施態様1〜16のいずれかに記載の光電変換装置。
【0100】
かかる実施態様17の光電変換装置によれば、ポリシリコンと洗浄、熱体制などで親和性のあるシリコン基板を用いることで、低コストの製造が可能となる。
【0101】
(実施態様18) すくなくとも、複数の前記出力線にそれぞれ接続される複数の第一の記憶手段、前記複数の遅延手段にそれぞれ接続される複数の第二の記憶手段を有することを特徴とする実施態様1〜17のいずれかに記載の光電変換装置。
【0102】
かかる実施態様18の光電変換装置によれば、画素の制御に比較的時間がかかる本発明においても、従来とほぼ変わらないフレームレートを確保することができる。
【0103】
(実施態様19) 前記複数の第二の記憶手段に記憶された内容を選択的に読みだす選択手段が、前記複数の第二の記憶手段に接続されていることを特徴とする実施態様18に記載の光電変換装置。
【0104】
かかる実施態様19の光電変換装置によれば、加えて、記憶手段から直接アナログ値を読み出すことが可能となり、アナログ信号を要求するシステムに対して親和性を保つことができる。
【0105】
(実施態様20) 前記複数の第二の記憶手段は、それぞれアナログ・デジタル変換手段が接続されることを特徴とする実施態様18に記載の光電変換装置。
【0106】
かかる実施態様20の光電変換装置によれば、加えて、デジタル信号を要求するシステムに対して親和性を保つことができる。
【0107】
(実施態様21) 前記複数の第二の記憶手段は、ある単位ごとにまとめられ、各単位ごとに接続されるマルチプレクス手段を介してアナログ・デジタル変換手段が接続されることを特徴とする実施態様18に記載の光電変換装置。
【0108】
かかる実施態様21の光電変換装置によれば、AD変換器を数列に一つで共有することで、センサの面積自身を実施態様19の光電変換装置に比較して減少させながらデジタル信号を出力することができる。
【0109】
(実施態様22) 実施態様18〜21のいずれかに記載の光電変換装置の有する画素は前記他の配列方向に配された一列の複数の画素からなる画素群ごとに走査され、該画素群から出力される信号が前記複数の第一の記憶手段に保持されるとともに、前記複数の第二の記憶手段に保持された信号が出力され、前記複数の第二の記憶手段に保持された信号が出力された後に、前記第複数の第一の記憶手段に保持された信号が前記複数の第二の記憶手段に転送されることを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
【0110】
かかる実施態様22の光電変換装置の駆動方法によれば、画素の制御に比較的時間がかかる本発明においても、従来とほぼ変わらないフレームレートを確保することができる駆動方法を提供することができる。
【0111】
(実施態様23) すくなくとも光を導入する光学系、実施態様1〜21のいずれかに記載の光電変換装置、該光電変換装置の出力を処理する後処理手段からなることを特徴とする撮像システム。
【0112】
かかる実施態様23の撮像システムによれば、デジタルカメラなどの撮像システムにおいても本発明の光電変換装置のすべての作用効果を得ることができる。
【0113】
(実施態様24) 前記後処理手段は前記光電変換装置と同一の半導体基板上に形成されることを特徴とする実施態様23に記載の撮像システム。
【0114】
かかる実施態様24の撮像システムによれば、要求される後処理手段をすべて一つのIC上に収めることによって、チップ数の低減、ひいては実装コストの低減を図ることができる。
【0115】
(実施態様25) 前記後処理手段は前記光電変換装置と別の半導体基板上に形成されることを特徴とする実施態様23に記載の撮像システム。
【0116】
かかる実施態様25の撮像システムによれば、ノイズの生みやすいデジタルICと本発明にかかる光電変換装置を搭載したICを完全に分離することでノイズの低い光電変換装置を実現することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば光電変換装置の開口率の上昇が可能となる。その際に金属配線層の多層化を用いることなしに、マイクロレンズからシリコン表面までの距離の増加、プロセスコストの増加、歩留まりの低化などを防ぐことができる。また信号読み出し速度が減少させない駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図である。
【図2】実施形態1の光電変換装置の等価回路図である。
【図3】(a)〜(c)は、図1の各部の断面図である。
【図4】本発明の実施形態2の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図である。
【図5】図4のC−C′線の断面図である。
【図6】本発明の実施形態3の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図である。
【図7】実施形態3の光電変換装置の等価回路図である。
【図8】本発明の実施形態4の光電変換装置の画素を上面から多層にわたって透視した平面図である。
【図9】実施形態4の光電変換装置の等価回路図である。
【図10】本発明の光電変換装置の信号読みだし系を示す説明図である。
【図11】図10に係る信号読みだし系の動作の説明図である。
【図12】本発明の光電変換装置をスチルビデオカメラに適用した場合を示すブロック図である。
【図13】CMOSセンサの一画素の一例をレイアウトした際に上面から見た図である。
【符号の説明】
101 画素選択線
102 画素リセット線
103 転送線
104 画素選択トランジスタのゲート
105 画素リセットトランジスタのゲート
106 転送トランジスタのゲート
107 出力線
108 遮光膜
109 光電変換部
110 増幅手段
111 フローティングディフュージョン(浮遊拡散部)
112 電源
113 配線
201 絶縁膜
202 基体(p型基板もしくはp型ウェル)
203 埋め込み型フォトダイオード(n型半導体)
204画素リセットトランジスタのゲート
204画素選択トランジスタのゲート
204増幅手段となるトランジスタのゲート
205 高濃度ドープn層
206 ゲート酸化膜

Claims (1)

  1. 少なくとも、半導体基体に、光電変換素子、該光電変換素子からの信号を転送する転送手段、転送された信号を増幅する増幅手段、該増幅手段から出力信号を出力するための選択手段と、該増幅手段に転送された信号を初期化する初期化手段とを備えた画素を2次元状に配置し、一配列方向に配された複数の画素は共通の出力線に接続され、また該一配列方向と異なる他の配列方向に配された複数の画素の前記選択手段、前記初期化手段、前記転送手段はそれぞれ共通の選択線、共通の初期化線、共通の転送線に接続されている光電変換装置において、
    前記選択線、前記初期化線及び前記転送線のうちの少なくとも二線は、多結晶半導体を含む第一の導電体と、該第一の導電体上に絶縁層を介して形成される多結晶半導体を含む第二の導電体との積層構成で、該二線が前記半導体基体の面の鉛直方向から見て少なくとも一部が重なり合うように設けられていることを特徴とする光電変換装置。
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