JP2004330852A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホーンの警笛音の拡散を防止することができる車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前面に設けられたグリル部2の後方にホーン14を配設し、上記グリル部2の後部側に、上記ホーン14の音の拡散を防ぐガイド壁9A(9B)を設けた構造。
【選択図】 図9
【解決手段】車体前面に設けられたグリル部2の後方にホーン14を配設し、上記グリル部2の後部側に、上記ホーン14の音の拡散を防ぐガイド壁9A(9B)を設けた構造。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の前面に取り付けられるグリル部の後方に配置されたホーンの音の拡散を防止するようにした車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車において、前方へ向けて警笛音を発生させるホーンは、車体の前部に取り付けられている。取付箇所としては、一般に、フロントバンパーの後部側の空間部に取り付けられている。
フロントバンパーの後方にホーンを配置すると、フロントバンパーの壁面によって警笛音が遮られるため、フロントバンパーの壁面に音の通路を形成することが行われている(特許文献1参照。)。
【0003】
このように、フロントバンパーの後部側の下方位置にホーンを取り付けると、音の通路を形成するための構造が複雑となり、しかも、走行時の泥水などがかかりやすい欠点がある。
【0004】
そこで、ホーンの取付位置をフロントフード近くに配置することも行われている。これによって、走行時の泥水などがかかりやすい欠点は解消されるが、音が遮られる課題は解消しなかった。
このため、図13および図14に示すように、フロントフード100の下部側のフロントバンパー101後方空間にホーン102を配置する構造(特許文献2参照。)が知られている。この場合、ホーン102の音がフロントバンパー101の壁面によって遮られるのを防ぐために、フロントバンパー101の上端延出部101aに開口部103を形成している。
【0005】
【特許文献1】実開昭62−185154号公報
【特許文献2】特開2000−103303号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によるとフロントバンパー101の上端延出部101aに開口部103を形成しなければならないため、フロントバンパー101の成形型が複雑となり、フロントバンパー101の成形作業が煩雑となる。また、ホーン102の取付位置がフロントバンパー101から離れているため、警笛音が拡散し、音量を上げなければならなかった。
【0007】
本発明は上記課題を解決し、ホーンの警笛音の拡散を防止することができる車体前部構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、車体前面に設けられたグリル部の後方にホーンを配設し、上記グリル部の後部側に、上記ホーンの音の拡散を防ぐガイド壁を設けたことにある。
また、本発明は、上記グリル部の後部側にグリルカバーを設け、該グリルカバーに、警笛音を通す開口穴とともに、上記ホーン側に向けて延設するガイド壁を設けたことにある。
さらに、上記ホーン近傍の車体構成部品に、上記グリル部に向けて延設するガイド壁を設けたことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図10は、本発明の車体前部構造の一実施の形態を示したものである。
【0010】
図1および図2は、自動車の車体前部を示したもので、車体1の前面には、ラジエータグリル部2が設けられている。このラジエータグリル部2は、ラジエータアッパーグリル3とラジエータロアグリル4で構成され、それぞれフロントバンパー5の上下に組付けられている。
ラジエータアッパーグリル3は、樹脂成形によって一体成形されており、フロントバンパー5の上部側に設けられた立設部51相互間の凹部52に一体的に組み付けられている。
ラジエータアッパーグリル3の両側には、左右のヘッドランプ6が配置され、上部側には、フロントフード7の前端部が配置されている。
【0011】
ラジエータアッパーグリル3は、図2および図3に示すように、複数の縦リブ31aおよび横リブ31bを格子状に組み合わせたグリル部を略長方形に形成された枠部31cの内側に一体成形したグリル本体31と、グリル本体31の上端部に車体後方に向けて延出した延出部32とで形成されている。
ラジエータアッパーグリル3は、グリル本体31の下面に一定間隔で設けられた突片33をフロントバンパー5の凹部52に、突片33に対応するように設けられた係合穴52aに組付けるとともに、グリル本体31の両側に設けられた取付孔34をフロントバンパー5の立設部51の内側フランジ部の取付部51aに、グリル本体31の下端に設けられた取付孔34をフロントバンパー5の凹部52の取付部52bにそれぞれねじ8を介してねじ止めして固定されている。
【0012】
上記ラジエータアッパーグリル3の後面側には、ラジエータアッパーグリル3の通気口3aの一部を塞ぐようにグリルカバー9が装着されている。このグリルカバー9は、エンジンルームに配設されたエアコンディショナー用コンデンサ10よりも上方側の通気口3aを塞ぐようにしてラジエータアッパーグリル3の後面に装着されている(図9参照)。
【0013】
上記グリルカバー9は、図3および図4に示すように、ラジエータアッパーグリル3の横リブ31bの裏面形状に沿うように縦断面を凹凸面9aに形成したカバー本体91と、カバー本体91に一体に成形されたエンブレム取付部92とで構成されている。このグリルカバー9のカバー本体91は、エアコンディショナー用コンデンサ10の略上方空間に対応する大きさに形成されており、この実施の形態では、ラジエータアッパーグリル3の上から2段までの横リブ31b相互間の通気口3aのうち、エアコンディショナー用コンデンサ10がある右側半分程度を覆う大きさに形成されている。
【0014】
このグリルカバー9には、カバー本体91の上端部に上方に延びる上端延出部93と、後方に延びる後方延出部94が設けられており、上端延出部93の片側側面には、後方に向けて延びる側壁95が後方延出部94の一側に連設して設けられている。
上端延出部93には、係合穴93aが車幅方向に所定間隔で形成されており、この係合穴93aは、図5に示すように、ラジエータアッパーグリル3の裏面、右側上端部に車体後方に向けて、突設された爪部35aに係合するように形成されている。また、グリルカバー9のカバー本体91には、前面の幅方向の略中央部に、上下二段の係合爪部96が形成されている。これら係合爪部96は、図6に示すように、前方に向けて互いに接近するように突出した一対の爪部96a,96bで形成されており、これら一対の爪部96a,96b相互間で、ラジエータアッパーグリル3の縦リブ31aを挟持してグリルカバー9が組付けられている。
【0015】
上記グリルカバー9には、図3および図4に示すように、エンブレム11を取り付けるエンブレム取付部92が一体成形されており、このエンブレム取付部92にエンブレム取付部92よりも後方に凹ませたエンブレム台座部92aが形成されている。このエンブレム取付部92に対応するラジエータアッパーグリル3の中心位置には、開口穴36が形成されており、この開口穴36に、図7に示すように、上記エンブレム取付部92が挿入されてエンブレム取付部92がラジエータアッパーグリル3に組み付けられている。エンブレム取付部92の周囲には、図8に示すように、車体後方側に凹ませた段差部92bが設けられており、この段差部92bに車体の前後方向の係合穴92cが、周囲4箇所に形成されている。係合穴92cはエンブレム取付部92の形状に応じて形成場所および数を設定する。
この係合穴92cに係合する爪部35bがラジエータアッパーグリル3の開口穴36周縁部に形成されている。
【0016】
エンブレム取付部92の段差部92bの上端部には、図7に示すように、取付孔92dが形成され、この取付孔92dに対応するラジエータアッパーグリル3の裏面には、ボス部37が設けられており、このボス部37にねじ12を螺着してエンブレム取付部92が固定されている。エンブレム11は、両面接着テープ13によってエンブレム取付部92およびラジエータアッパーグリル3に跨って接着されている。
【0017】
上記グリルカバー9の後方には、図9および図10に示すように、警笛音を発生させるホーン14が配設されており、このホーン14は、ラジエータアッパーグリル3の後方に車幅方向に配設されたフードロッククロスメンバ15にボルト16およびナット16aにより固定されている。上記ホーン14は、グリルカバー9の後方延出部94と側壁95の後方に配置されており、これら後方延出部94と側壁95によって警笛音を前方にガイドするガイド壁9Aを形成している。また、後方延出部94の下部側のカバー本体91には、警笛音を遮蔽しないために開口穴97が、ホーン14の音を通過させるのに必要な所定幅に亘って形成されている。
【0018】
上記実施の形態による車体前部構造の組付け手順を説明すると、ラジエータアッパーグリル3の後方からグリルカバー9を組付ける。
グリルカバー9の係合爪部96をラジエータアッパーグリル3の縦リブ31aに、ラジエータアッパーグリル3の爪部35aをグリルカバー9の係合穴93aに係合させて組付ける(図5、図6参照)。
エンブレム取付部92は、係合穴92cにラジエータアッパーグリル3の爪部35bを係合させて、組付ける(図8参照)。そして、取付孔92dにねじ12を通して、ラジエータアッパーグリル3のボス部37に、ねじ12を螺合してグリルカバー9をラジエータアッパーグリル3に固定する(図7参照)。
【0019】
つぎに、ラジエータアッパーグリル3をフロントバンパー5の凹部52に組付けて固定する。ラジエータアッパーグリル3のグリルカバー9は、ホーン14の前方に配設され、ガイド壁9Aがホーン14に向かって延出されている。
【0020】
そして、ホーン14の警笛は、後方延出部94と側壁95によって形成されるガイド壁9Aおよび開口穴97を通して外部に伝わるので、警笛音の拡散を防ぐことができる。後方延出部94の上方側は、グリル本体31の上端部に車体後方にむけて延出されている延出部32がガイド壁として働き、警笛音の拡散を防ぐことができる。
【0021】
つぎに、図11および図12は、本発明の他の実施の形態で、図9および図10と同一部分は同符号を付して、同一部分の説明は省略して説明する。
この場合、ラジエータアッパーグリル3の後方側で、ホーン14の下部側に設けられているヒートインシュレータパネル17に、ラジエータアッパーグリル3側に向けて延びるガイド壁9Bを設けたものである。このガイド壁9Bは、ホーン14の下部側と両側に、ラジエータアッパーグリル3に向けて略U字状の壁面を形成したもので、水平面18と垂直面19とで構成されている。
この場合も、ホーン14の警笛は、ガイド壁9Bによって前方に向けて音が伝わり、効果的な警笛音を発することができる。
【0022】
なお、本発明は、上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、ガイド壁9A,9Bを設ける車体構成部品は、グリルカバー9あるいはヒートインシュレータパネル17に限らず、他の車体構成部品に設けることもできる。また、ガイド壁9A,9Bは、警笛音を拡散させないようにガイドするものであれば、大きさ、数、材質は任意のものを使用することができる。グリル部との位置関係で、取付角度も必要に応じて設定することができる。等、その他本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜、変更して実施し得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による車体前部構造によれば次のような効果を奏することができる。
本発明は、車体前面に設けられたグリル部の後方にホーンを配設し、上記グリル部の後部側に、上記ホーンの音の拡散を防ぐガイド壁を設けたので、警笛音の拡散を防いで音を限りなく広範囲に伝えることができる。
また、本発明は、上記グリル部の後部側にグリルカバーを設け、該グリルカバーに、警笛音を通す開口穴とともに、上記ホーン側に向けて延設するガイド壁を設けたので、警笛音の拡散を防ぐことができる。また、グリルカバーを利用して警笛音の拡散を防ぐガイド壁を設けることができるので経済的である。
さらに、上記ホーン近傍の車体構成部品に、上記グリル部に向けて延設するガイド壁を設けたので、グリルカバーが適用されていない車種に対してもホーン性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体前部構造の実施の形態における自動車の車両前部を示す斜視図である。
【図2】図1のラジエータグリル部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図2のラジエータグリル部を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図3のグリルカバーを拡大して示す斜視図である。
【図5】図3のA−A線断面図である。
【図6】図3のB−B線断面図である。
【図7】図3のC−C線断面図である。
【図8】図3のD−D線断面図である。
【図9】図1のE−E線断面図である。
【図10】図9のF−F線断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態で、図9と同一部分の断面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態で、図10と同一部分の断面図である。
【図13】従来の自動車の車両前部を示す正面図である。
【図14】図13のG−G線断面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 ラジエータグリル部(グリル部)
3 ラジエータアッパーグリル(ラジエータグリル)
5 フロントバンパー
9 グリルカバー
10 エアコンディショナー用コンデンサ
11 エンブレム
13 両面接着テープ
14 ホーン
9A,9B ガイド壁
94 後方延出部
95 側壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の前面に取り付けられるグリル部の後方に配置されたホーンの音の拡散を防止するようにした車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車において、前方へ向けて警笛音を発生させるホーンは、車体の前部に取り付けられている。取付箇所としては、一般に、フロントバンパーの後部側の空間部に取り付けられている。
フロントバンパーの後方にホーンを配置すると、フロントバンパーの壁面によって警笛音が遮られるため、フロントバンパーの壁面に音の通路を形成することが行われている(特許文献1参照。)。
【0003】
このように、フロントバンパーの後部側の下方位置にホーンを取り付けると、音の通路を形成するための構造が複雑となり、しかも、走行時の泥水などがかかりやすい欠点がある。
【0004】
そこで、ホーンの取付位置をフロントフード近くに配置することも行われている。これによって、走行時の泥水などがかかりやすい欠点は解消されるが、音が遮られる課題は解消しなかった。
このため、図13および図14に示すように、フロントフード100の下部側のフロントバンパー101後方空間にホーン102を配置する構造(特許文献2参照。)が知られている。この場合、ホーン102の音がフロントバンパー101の壁面によって遮られるのを防ぐために、フロントバンパー101の上端延出部101aに開口部103を形成している。
【0005】
【特許文献1】実開昭62−185154号公報
【特許文献2】特開2000−103303号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によるとフロントバンパー101の上端延出部101aに開口部103を形成しなければならないため、フロントバンパー101の成形型が複雑となり、フロントバンパー101の成形作業が煩雑となる。また、ホーン102の取付位置がフロントバンパー101から離れているため、警笛音が拡散し、音量を上げなければならなかった。
【0007】
本発明は上記課題を解決し、ホーンの警笛音の拡散を防止することができる車体前部構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、車体前面に設けられたグリル部の後方にホーンを配設し、上記グリル部の後部側に、上記ホーンの音の拡散を防ぐガイド壁を設けたことにある。
また、本発明は、上記グリル部の後部側にグリルカバーを設け、該グリルカバーに、警笛音を通す開口穴とともに、上記ホーン側に向けて延設するガイド壁を設けたことにある。
さらに、上記ホーン近傍の車体構成部品に、上記グリル部に向けて延設するガイド壁を設けたことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図10は、本発明の車体前部構造の一実施の形態を示したものである。
【0010】
図1および図2は、自動車の車体前部を示したもので、車体1の前面には、ラジエータグリル部2が設けられている。このラジエータグリル部2は、ラジエータアッパーグリル3とラジエータロアグリル4で構成され、それぞれフロントバンパー5の上下に組付けられている。
ラジエータアッパーグリル3は、樹脂成形によって一体成形されており、フロントバンパー5の上部側に設けられた立設部51相互間の凹部52に一体的に組み付けられている。
ラジエータアッパーグリル3の両側には、左右のヘッドランプ6が配置され、上部側には、フロントフード7の前端部が配置されている。
【0011】
ラジエータアッパーグリル3は、図2および図3に示すように、複数の縦リブ31aおよび横リブ31bを格子状に組み合わせたグリル部を略長方形に形成された枠部31cの内側に一体成形したグリル本体31と、グリル本体31の上端部に車体後方に向けて延出した延出部32とで形成されている。
ラジエータアッパーグリル3は、グリル本体31の下面に一定間隔で設けられた突片33をフロントバンパー5の凹部52に、突片33に対応するように設けられた係合穴52aに組付けるとともに、グリル本体31の両側に設けられた取付孔34をフロントバンパー5の立設部51の内側フランジ部の取付部51aに、グリル本体31の下端に設けられた取付孔34をフロントバンパー5の凹部52の取付部52bにそれぞれねじ8を介してねじ止めして固定されている。
【0012】
上記ラジエータアッパーグリル3の後面側には、ラジエータアッパーグリル3の通気口3aの一部を塞ぐようにグリルカバー9が装着されている。このグリルカバー9は、エンジンルームに配設されたエアコンディショナー用コンデンサ10よりも上方側の通気口3aを塞ぐようにしてラジエータアッパーグリル3の後面に装着されている(図9参照)。
【0013】
上記グリルカバー9は、図3および図4に示すように、ラジエータアッパーグリル3の横リブ31bの裏面形状に沿うように縦断面を凹凸面9aに形成したカバー本体91と、カバー本体91に一体に成形されたエンブレム取付部92とで構成されている。このグリルカバー9のカバー本体91は、エアコンディショナー用コンデンサ10の略上方空間に対応する大きさに形成されており、この実施の形態では、ラジエータアッパーグリル3の上から2段までの横リブ31b相互間の通気口3aのうち、エアコンディショナー用コンデンサ10がある右側半分程度を覆う大きさに形成されている。
【0014】
このグリルカバー9には、カバー本体91の上端部に上方に延びる上端延出部93と、後方に延びる後方延出部94が設けられており、上端延出部93の片側側面には、後方に向けて延びる側壁95が後方延出部94の一側に連設して設けられている。
上端延出部93には、係合穴93aが車幅方向に所定間隔で形成されており、この係合穴93aは、図5に示すように、ラジエータアッパーグリル3の裏面、右側上端部に車体後方に向けて、突設された爪部35aに係合するように形成されている。また、グリルカバー9のカバー本体91には、前面の幅方向の略中央部に、上下二段の係合爪部96が形成されている。これら係合爪部96は、図6に示すように、前方に向けて互いに接近するように突出した一対の爪部96a,96bで形成されており、これら一対の爪部96a,96b相互間で、ラジエータアッパーグリル3の縦リブ31aを挟持してグリルカバー9が組付けられている。
【0015】
上記グリルカバー9には、図3および図4に示すように、エンブレム11を取り付けるエンブレム取付部92が一体成形されており、このエンブレム取付部92にエンブレム取付部92よりも後方に凹ませたエンブレム台座部92aが形成されている。このエンブレム取付部92に対応するラジエータアッパーグリル3の中心位置には、開口穴36が形成されており、この開口穴36に、図7に示すように、上記エンブレム取付部92が挿入されてエンブレム取付部92がラジエータアッパーグリル3に組み付けられている。エンブレム取付部92の周囲には、図8に示すように、車体後方側に凹ませた段差部92bが設けられており、この段差部92bに車体の前後方向の係合穴92cが、周囲4箇所に形成されている。係合穴92cはエンブレム取付部92の形状に応じて形成場所および数を設定する。
この係合穴92cに係合する爪部35bがラジエータアッパーグリル3の開口穴36周縁部に形成されている。
【0016】
エンブレム取付部92の段差部92bの上端部には、図7に示すように、取付孔92dが形成され、この取付孔92dに対応するラジエータアッパーグリル3の裏面には、ボス部37が設けられており、このボス部37にねじ12を螺着してエンブレム取付部92が固定されている。エンブレム11は、両面接着テープ13によってエンブレム取付部92およびラジエータアッパーグリル3に跨って接着されている。
【0017】
上記グリルカバー9の後方には、図9および図10に示すように、警笛音を発生させるホーン14が配設されており、このホーン14は、ラジエータアッパーグリル3の後方に車幅方向に配設されたフードロッククロスメンバ15にボルト16およびナット16aにより固定されている。上記ホーン14は、グリルカバー9の後方延出部94と側壁95の後方に配置されており、これら後方延出部94と側壁95によって警笛音を前方にガイドするガイド壁9Aを形成している。また、後方延出部94の下部側のカバー本体91には、警笛音を遮蔽しないために開口穴97が、ホーン14の音を通過させるのに必要な所定幅に亘って形成されている。
【0018】
上記実施の形態による車体前部構造の組付け手順を説明すると、ラジエータアッパーグリル3の後方からグリルカバー9を組付ける。
グリルカバー9の係合爪部96をラジエータアッパーグリル3の縦リブ31aに、ラジエータアッパーグリル3の爪部35aをグリルカバー9の係合穴93aに係合させて組付ける(図5、図6参照)。
エンブレム取付部92は、係合穴92cにラジエータアッパーグリル3の爪部35bを係合させて、組付ける(図8参照)。そして、取付孔92dにねじ12を通して、ラジエータアッパーグリル3のボス部37に、ねじ12を螺合してグリルカバー9をラジエータアッパーグリル3に固定する(図7参照)。
【0019】
つぎに、ラジエータアッパーグリル3をフロントバンパー5の凹部52に組付けて固定する。ラジエータアッパーグリル3のグリルカバー9は、ホーン14の前方に配設され、ガイド壁9Aがホーン14に向かって延出されている。
【0020】
そして、ホーン14の警笛は、後方延出部94と側壁95によって形成されるガイド壁9Aおよび開口穴97を通して外部に伝わるので、警笛音の拡散を防ぐことができる。後方延出部94の上方側は、グリル本体31の上端部に車体後方にむけて延出されている延出部32がガイド壁として働き、警笛音の拡散を防ぐことができる。
【0021】
つぎに、図11および図12は、本発明の他の実施の形態で、図9および図10と同一部分は同符号を付して、同一部分の説明は省略して説明する。
この場合、ラジエータアッパーグリル3の後方側で、ホーン14の下部側に設けられているヒートインシュレータパネル17に、ラジエータアッパーグリル3側に向けて延びるガイド壁9Bを設けたものである。このガイド壁9Bは、ホーン14の下部側と両側に、ラジエータアッパーグリル3に向けて略U字状の壁面を形成したもので、水平面18と垂直面19とで構成されている。
この場合も、ホーン14の警笛は、ガイド壁9Bによって前方に向けて音が伝わり、効果的な警笛音を発することができる。
【0022】
なお、本発明は、上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、ガイド壁9A,9Bを設ける車体構成部品は、グリルカバー9あるいはヒートインシュレータパネル17に限らず、他の車体構成部品に設けることもできる。また、ガイド壁9A,9Bは、警笛音を拡散させないようにガイドするものであれば、大きさ、数、材質は任意のものを使用することができる。グリル部との位置関係で、取付角度も必要に応じて設定することができる。等、その他本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜、変更して実施し得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による車体前部構造によれば次のような効果を奏することができる。
本発明は、車体前面に設けられたグリル部の後方にホーンを配設し、上記グリル部の後部側に、上記ホーンの音の拡散を防ぐガイド壁を設けたので、警笛音の拡散を防いで音を限りなく広範囲に伝えることができる。
また、本発明は、上記グリル部の後部側にグリルカバーを設け、該グリルカバーに、警笛音を通す開口穴とともに、上記ホーン側に向けて延設するガイド壁を設けたので、警笛音の拡散を防ぐことができる。また、グリルカバーを利用して警笛音の拡散を防ぐガイド壁を設けることができるので経済的である。
さらに、上記ホーン近傍の車体構成部品に、上記グリル部に向けて延設するガイド壁を設けたので、グリルカバーが適用されていない車種に対してもホーン性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体前部構造の実施の形態における自動車の車両前部を示す斜視図である。
【図2】図1のラジエータグリル部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図2のラジエータグリル部を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図3のグリルカバーを拡大して示す斜視図である。
【図5】図3のA−A線断面図である。
【図6】図3のB−B線断面図である。
【図7】図3のC−C線断面図である。
【図8】図3のD−D線断面図である。
【図9】図1のE−E線断面図である。
【図10】図9のF−F線断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態で、図9と同一部分の断面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態で、図10と同一部分の断面図である。
【図13】従来の自動車の車両前部を示す正面図である。
【図14】図13のG−G線断面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 ラジエータグリル部(グリル部)
3 ラジエータアッパーグリル(ラジエータグリル)
5 フロントバンパー
9 グリルカバー
10 エアコンディショナー用コンデンサ
11 エンブレム
13 両面接着テープ
14 ホーン
9A,9B ガイド壁
94 後方延出部
95 側壁
Claims (3)
- 車体前面に設けられたグリル部の後方にホーンを配設し、上記グリル部の後部側に、上記ホーンの音の拡散を防ぐガイド壁を設けたことを特徴とする車体前部構造。
- 上記グリル部の後部側にグリルカバーを設け、該グリルカバーに、警笛音を通す開口穴とともに、上記ホーン側に向けて延設するガイド壁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
- 上記ホーン近傍の車体構成部品に、上記グリル部に向けて延設するガイド壁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
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