JP2004330671A - 金型の製作方法及び押し型 - Google Patents

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雅弘 森川
Kazumi Furuta
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Abstract

【課題】塗布されたレジストの表面形状を補正することで、微細パターンを有する設計形状を精度良く形成することが可能な金型の製作方法及び押し型を提供する。
【解決手段】内面が設計値に倣って非球面形状に精度良く形成された押し型Bを、被覆されたコーティング剤Lの表面に押しつけ、内部ヒータBhで加熱することで、コーティング剤Lを溶融させ、その膜厚を一定に補正した後、冷却固化させている。このとき、基材Aと押し型Bとの間に所定の間隙δを設けると、かかる間隙δを介して余分なコーティング剤Lが外部へと流出する。以上により、高精度なコーティング剤Lの表面形状を得ることができる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型の製作方法及び押し型に関し、例えば光学素子成形用金型の製作に好適な金型の製作方法及び押し型に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に発展している光ピックアップ装置の分野では、極めて高精度な対物レンズなどの光学素子が用いられている。プラスチックやガラスなどの素材を、金型を用いてそのような光学素子に成形すると、均一な形状の製品を迅速に製造することができるため、かかる金型成形は、そのような用途の光学素子の大量生産に適しているといえる。ここで、金型は消耗品であり、また不測の事態による破損なども予想されることから、高精度な光学素子を成形するためには、定期的或いは不定期の金型交換が必要であるといえる。従って、光学素子を成形するための金型(光学素子成形用金型ともいう)も、一定精度のものをある程度の量だけ予め用意しておく必要があるといえる。
【0003】
ここで、単結晶ダイヤモンド工具などを用いた切削加工で金型を製造した場合、手間がかかる上に、全く同一形状の金型を切り出すことは困難といえ、それ故金型交換前後で光学素子製品の形状バラツキが生じる恐れがあり、又コストもかかるという問題がある。
【0004】
特に、光ピックアップ装置に用いるある種の光学素子には、収差特性を良好にすべく、光学面の光軸に同心に、断面がブレーズ形状の微細な回折輪帯を設けることが行われている。このような回折輪帯に対応した同心溝を、金型の光学面転写面に形成する場合、切削加工に手間と時間がかかるという問題がある。光学素子成形用金型を超鋼などで形成する場合、精度良く所望の光学面転写面形状を得るためには、ダイアモンド工具による切削加工等によらなくてはならない。
【0005】
このような問題に対し、例えば光学素子の光学面に対応した母光学面を有する母型に対し、化学反応を通じて電鋳等を成長させることで、金型を製作しようとする試みがある。このような電鋳による金型製作手法を用いると、例えば光学素子の回折輪帯に対応した輪帯を備えた非球面を精度良く形成した母型を一つ用意するだけで、寸法バラツキの少ない光学素子成形用金型を比較的容易に転写形成することができる。このような電鋳技術に関しては、以下の特許文献1に記載されている。
【特許文献1】
特開平2002−333722号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
例えば回折輪帯に対応する微細パターンを形成するために、特許文献1に記載のごとく、母型の表面に塗布剤としてレジストを塗布し、電子ビーム描画を行い、現像処理し、電鋳処理を行うことで、微細パターンを有する光学素子成形用金型を得ることができる。ここで、光学素子成形用金型の表面に、高精度な回折輪帯などに対応した母型上の微細パターンを精度良く転写形成するためには、レジストの表面形状を例えば非球面に一致させるように最適なものとしなくてはならない。ところが、スピンコータなどを用いることで、レジストの膜厚バラツキを抑えることができるとしても、例えば曲面上に塗布されたレジストの表面形状を完全に理想形状とすることは困難である。更に、母型の表面の形状が悪ければレジストの表面形状も悪くなるという問題がある。その他、レジストの滴下速度や粘度等の変化は、レジストの表面形状を悪化させる原因になるが、これを厳密に制御することも困難といえる。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、塗布されたレジストの表面形状を補正することで、微細パターンを有する設計形状を精度良く形成することが可能な金型の製作方法及び押し型を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の金型の製作方法は、基材にコーティング剤を被覆するステップと、被覆したコーティング剤を、押し型を用いて加熱押圧するステップと、加熱押圧されたコーティング剤に対して電子ビーム描画を行うステップと、を有するので、前記基材に被覆されたコーティング材の膜厚が不適切である場合、前記押し型を用いて、被覆したコーティング剤を加熱押圧することにより、表面形状を適正なもの(膜厚を局所的に不均一にする場合も含む)とでき、それにより最適なパターン形状を電子ビーム描画を通じて得ることができる。
【0009】
本発明の、押し型を用いた加熱押圧ステップの例について説明する。図7は、本発明の一例にかかる光学素子成形用金型の製作方法の一部を示す概略図である。尚、本発明においては、膜厚の不均一は誇張して示されている。まず、図7(a)に示すように、基材Aの表面に例えば非球面形状の母光学面Asを形成し、更に図7(b)に示すように、母光学面As上にコーティング剤Lをスピンコートにより被覆する。ここで、母光学面Asが精度良く形成されているとすると、コーティング剤Lの膜厚を一定とすることで、その表面形状は母光学面Asを反映して高精度なものとなる。ところが、スピンコート不良などにより、コーティング剤Lの膜厚が一定とならない場合がある。そこで、本発明においては、図7(c)に示すように、内面が設計値に倣って非球面形状に精度良く形成された押し型Bを、被覆されたコーティング剤Lの表面に押しつけ、内部ヒータBhで加熱することで、コーティング剤Lを溶融させ、その膜厚を一定に補正した後、冷却固化させている。このとき、基材Aと押し型Bとの間に所定の間隙δを設けると、かかる間隙δを介して余分なコーティング剤Lが外部へと流出するので好ましい。以上により、図7(d)に示すように、高精度なコーティング剤Lの表面形状を得ることができる。
【0010】
本発明の、押し型を用いた加熱押圧ステップの別な例について説明する。図8は、本発明の一例にかかる光学素子成形用金型の製作方法の一部を示す概略図である。尚、本発明においては、基材の表面粗さは誇張して示されている。まず、図8(a)に示すように、基材Aの表面に例えば非球面形状の母光学面Asを形成し、更に図8(b)に示すように、母光学面As上にコーティング剤Lをスピンコートにより被覆する。ここでは、母光学面Asが粗度が悪いため、コーティング剤Lの膜厚を一定にできたとしても、その表面形状は母光学面Asの粗さが反映され高精度なものとならない場合もある。そこで、本発明においては、図8(c)に示すように、内面が設計値に倣って非球面形状に精度良く形成された押し型Bを、被覆されたコーティング剤Lの表面に押しつけ、内部ヒータBhで加熱することで、コーティング剤Lを溶融させ、その膜厚を一定に補正した後、冷却固化させている。このとき、基材Aと押し型Bとの間に所定の間隙δを設けると、かかる間隙δを介して余分なコーティング剤Lが外部へと流出するので好ましい。以上により、図8(d)に示すように、高精度なコーティング剤Lの表面形状を得ることができる。
【0011】
更に、前記コーティング剤に電子ビーム描画がされた基材から電鋳を成長させるステップと、成長した前記電鋳を用いて金型を形成するステップとを有すると好ましい。
【0012】
更に、前記コーティング剤はレジストであると好ましい。
【0013】
更に、前記コーティング剤を被覆するステップは、前記基材を回転させながら前記コーティング剤を滴下するステップを含むと好ましい。
【0014】
更に、加熱押圧時に、前記押し型と前記基材との間に所定の間隙を設けると、被覆されたコーティング剤が加熱されて溶融したときに流路抵抗を与えて、前記間隙を介したコーティング剤材の流れ出しを制御することで、より適切な表面形状を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施の形態にかかる金型の製作方法を構成する工程を示すフローチャートである。図2は、図1に示す主要な工程において、処理される母型の素材と電極部材の組立体(これを基材又は部材Aという)を示す断面図である。以後、基材(又は部材A)をここで製作する母型として説明する。図3は、部材Aの上面図である。尚、本実施の形態により製作される基材は、その母光学面に、光学素子の回折輪帯に対応した輪帯が形成されるものとする。
【0016】
まず、図1のステップS101で、Si、SiO又はポリシリコン製の略半球型の形状を有する母型の素材10を、金属など導電性の素材からなる円盤状の電極部材11の中央開口11aに埋め込み接着剤で相対回転不能に固定し(図2(a)参照)、部材Aを得る。その後、ステップS102で、不図示の施盤(ここでは超精密旋盤(SPDT加工機)を含む)のチャックに部材Aを取り付ける。更に、ステップS103で、部材Aを回転させなから、ダイヤモンド工具により、母型の素材10の上面を図1(b)に示すように切削加工し母光学面(成形しようとする光学素子の光学曲面に相当し、該母光学面は光軸を有する)10aを形成し、且つ電極部材11の上面に周溝11a(第1のマーク)を切削加工し、更に電極部材11の外周面11fを切削加工する。このとき、母光学面10aの光軸の位置は、その外形から確認することはできないが、同時に加工されることから母光学面10aと周溝11aとは、精度良く同軸に形成されることとなり、又、円筒面に形成された電極部材11の外周面11fも、光軸と精度良く同軸に形成される。即ち、外周面11fは回転軸を有し、それは母光学面の光軸に一致することとなる。
【0017】
ここで、周溝11aは、例えば、暗視野部(凹部に相当)と明視野部(凸部に相当)とからなる複数の溝から形成されてよく、暗視野部、明視野部を各々複数個有するとさらに好ましい(これはダイヤモンド工具の先端が凹凸を有するものであれば容易に形成できる)。また、周溝11aの凹凸形状により、塗布されるレジスト飛散防止の堤防としても機能させることができる。
【0018】
更に、ステップS104で、部材Aを超精密旋盤から取り外し、ステップS105で、不図示のFIB(Focused Ion Beam)加工機のステージ上にセットする。続くステップS106で、FIB加工機のステージ上の部材Aにおける周溝11aを読み取り、例えばその内側エッジから母型の素材10の光軸の位置を決定し、ステップS107で、決定した光軸から等距離で3つ(4つ以上でも良い)の第2のマーク11bを、電極部材11上に描画する(図2(b)及び図3参照)。ダイヤモンド工具により加工形成した周溝11aの幅は比較的広いため、これを用いて加工の基準とすることは、加工精度を低下させる恐れがあるが、FIB加工機は、幅が20nmの線を形成できるため、例えば十字線を形成すると、20nm×20nmの微細なマークを形成することができ、それを加工の基準とすることで、より高精度な加工が期待できる。
【0019】
ステップS108で、部材AをFIB加工機のステージから取り外し、ステップS109で、第2のマーク11b上に保護テープ13を貼り付ける(図2(c)参照)。この保護テープ13は、後加工で母型の素材10上に塗布されるレジストLが、第2のマーク11bに付着しないようにするためのものである。レジストLが第2のマーク11bに付着すると、加工の基準として読み取りが不適切になる恐れがある。
【0020】
更に、ステップS110で、部材Aを不図示のスピンコータにセットし、ステップS111で、レジストLを母型の素材10上に流下させながらプレスピンを実施し(コーティング剤を滴下するステップ)、その後ステップS112で本スピンを実施し、レジストLの被膜を行う(図2(d)参照:コーティング剤を被覆するステップ)。プレスピンと本スピンとを分けたのは、複雑な曲面である母光学面10aに、均一な膜厚のレジストLを被膜させるためである。
【0021】
その後、ステップS113で、部材Aをスピンコータから取り外し、ステップS114で、図2(c)に示すように、押し型Bを用いて加熱押圧し(加熱押圧するステップ、詳細は図7,8を参照して前述)、ベーキングを行ってレジストLの被膜を安定させ、ステップS115で保護テープ13を剥がす。かかる状態の部材Aが、図2(d)に示されている。
【0022】
続いて、ステップS116で、部材Aを不図示の形状測定器(画像認識手段と記憶手段とを有する)にセットし、ステップS117で、形状測定器の画像認識手段を用いて、第2のマーク11bを検出する。更に、ステップS118で、超精密旋盤に用いた母型の素材10の母光学面10aの3次元座標を、第2のマーク11bに基づく3次元座標に変換して、これを記憶手段に記憶する。このように、母光学面10aを新たな3次元座標で記憶し直すのは、後工程で電子ビーム描画を行う際に、母光学面10aの被加工面に対して、狭い電子ビームの焦点深度を合わせるために、電子銃と部材Aとの相対位置を調整する必要があるからである。尚、第2のマーク11bは、測定の際、測定データにかかる座標の基準点がどこなのかを作業者が視認するための位置認識マークとして利用できる。その後、ステップS119で部材Aを形状測定器から取り外す。
【0023】
ステップS120で、部材Aを、図6を参照して後述する電子ビーム描画装置の3次元ステージにセットし、ステップS121で、読取手段(走査型電子顕微鏡:電子ビーム描画装置に付属していると好ましい)を介して部材Aの第2のマーク11bを検出し、それと記憶されている母光学面10aの3次元座標とから、母光学面10aの被加工面の形状を求め、ステップS122で、求めた被加工面の形状に対して電子ビームの焦点が合うように、3次元ステージを移動させ、電子ビームB(図2(d)参照)を照射し、所定の処理として所望の輪帯形状を描画する(電子ビーム描画を行うステップ)。描画後、ステップS123で、3次元ステージより部材Aを取り外し、ステップS124で現像処理を行って、輪帯形状のレジストを得る。ここで、同一点における電子ビームBの照射時間を長くすれば、それだけレジストの除去量が増大するため、位置と照射時間(ドーズ量)を調整することで、ブレーズ形状の輪帯になるよう、レジストを残すことができる。従って、電子ビーム描画前にレジストの表面形状を極力設計形状に合致させておくことが、「高精度な微細パターンを有する設計形状」を精度良く形成する上で重要である。尚、電極部材11の外周面11fを基準として、上述したごとく輪帯形状のレジストを得ることで、後述するごとく母光学面にブレース状の輪帯を形成しても良い。
【0024】
更に、ステップS125で、プラズマシャワーによるドライエッチングを経て、母型の素材10の母光学面10aの表面を彫り込んでブレーズ状の輪帯10b(微細パターンであるが、ここでは実際より誇張されて描かれている)を形成する(図2(e)参照)。ここまでの工程で加工処理された部材Aが、母型として製作されたこととなる。即ち、これらのプロセスの結果、限定の形状(パターン)を有する光学面が母光学面上に形成される。
【0025】
更に、図2(e)に示すように、ステップS126で、ニッケル燐のスパッタリング処理を行い、母光学面10aに対して、輪帯10bを埋め尽くすようにニッケル燐の被膜を行う。ここで、輪帯10b(微細パターン)を埋めるとは、少なくとも輪帯10b(微細パターン)の地肌が隠れるように被膜すれば足りるが、第1の層であるニッケル燐の被膜Pの表面が、実質的に微細パターンの頂部近傍の高さとなるまで被膜されると好ましい。
【0026】
その後、ステップS127で、スルファミン酸ニッケル浴中に、表面を活性処理した基材すなわち部材Aを浸し、電極部材11と外部の電極14との間に電流を流すことで、電鋳部材20を第2の層として母光学面10a(即ちニッケル燐被膜P)から成長させる(電鋳を成長させるステップ、図2(f)参照)。このとき、電鋳に先立ち電極部材11の外周面11fに絶縁剤を塗布することで、絶縁剤が塗布された部分の電鋳形成を抑制できる。射出成形時に許容できるチルト角度を1分として以下の加工を行う場合、その基準面となる電鋳部材が形成されない外周面11fの軸線方向長さを7mm以上とすることが望ましい。電鋳部材20は、その成長の過程で、母光学面10aに精度良く対応した光学面転写面20aと、輪帯10bに精度良く対応した輪帯転写面20bとを形成する(光学面転写面20aと輪帯転写面20bを合わせて光学転写面と呼ぶ)。
【0027】
その後、ステップS128で、電極部材11の外周面11fを基準として、部材Aと電鋳部材20とを一体で、SPDT加工機の回転軸と部材Aの光軸とを一致させるようにしてチャックに取り付け、電鋳部材20の外周面20cを切削加工する(金型を形成するステップ、図2(g)参照)。この操作において、母光学面の光軸は電鋳部材の回転中心と一致することとなる。上述したように、外周面11fの軸線方向長さを7mm以上とすることで、例えば部材Aをチャックに取り付ける際に用いる支持部材(不図示)と、部材Aとの端面平行度を考慮する必要がなく、セットの手間が省ける。なお、ステップS103において、用いられるSPDT加工機(第1の施盤)とステップS128において用いられるSPDT加工機(第2の施盤であるがここでは同じもの)が用いられている。しかし、異なるSPDT加工機を用いることも可能である。
【0028】
加えて、図2(g)に示すように、電鋳部材20に、裏打ち部材との位置決め部としてのピン孔20d(中央)及びネジ孔20eを加工する。尚、ピン孔20dの代わりに円筒軸を形成しても良い。
【0029】
ステップS129(前半)において、電鋳部材20を、以下に述べるように裏打ち部材と一体化することで、可動コア30を形成する。
【0030】
図4は、可動コア30の断面図である。図4において、可動コア30は、先端(図で右側)に配置した電鋳部材20と、後端(図で左側)に配置した押圧部36と、その間に配置された摺動部材35とから構成される。摺動部材35及び押圧部36が裏打ち部材となる。
【0031】
電鋳部材20は、そのピン孔20dに、円筒状の摺動部材35の端面中央から突出したピン部35aを係合させることで、摺動部材35と所定の関係で位置決めされ、更に、摺動部材35を軸線に平行に貫通する2つのボルト孔35bに挿通したボルト37を、ネジ孔20eに螺合させることで、電鋳部材20は摺動部材35に取り付けられる。
【0032】
摺動部材35は、ピン部35aの設けられた端面(図で右端)に対向する端面(図で左端)の中央に突出して形成されたネジ軸35cを、略円筒状の押圧部36の端部に形成されたネジ孔36aに螺合させることで、押圧部36に対して所定の位置関係で取り付けられる。図4において、本実施例では電鋳部材20の摩耗を考慮し、摺動部材35の外周面35eは、電鋳部材20及び押圧部36のフランジ部36b以外の部分の外周面よりも大径となっている。ここで、図1のステップS128(後半)で、電極部材11の外周面11fを基準に、摺動部材35と押圧部36の外周面が回転とともに切削加工により仕上げられるため、ステップS103で形成された基準がステップS129まで首尾一貫して使用され、基材の同心円パターン(輪帯10b)中心と、金型摺動部外形中心との同軸度を1μm以内に収めることができる(即ち、母光学面の光軸が摺動部材35と押圧部36を有する裏打ち部材の回転中心に一致する状態となる)。なお、ステップS129において電鋳部材20を裏打ち部材と一体化した後、切削加工後の電鋳部材20の外周面を基準に、裏打ち部材外周面を(切削加工により基材と同軸になるように)仕上げることも可能である。
【0033】
その後、図4の矢印Xで示す位置でカットすることにより、部材Aから電鋳部材20を脱型する(図1のステップS130)。このとき、ニッケル燐の被膜Pは、金型20側に付着し、母型の微細パターンを精度良く転写形成した状態で光学面転写面に露出する。更に、ステップS131で、電鋳部材20と基材を脱型後、可動コア30の先端の電鋳部材20を仕上げて、光学素子成形用金型を得る。
【0034】
図5は、このようにして形成された可動コア30を用いて光学素子を成形する状態を示す図である。図5において、光学面転写面41aを有する光学素子成形用金型41を保持する保持部42は、可動側キャビティ43に固定されている。可動側キャビティ43は、小開口43aと、それに同軸な大開口43bとを有している。可動側キャビティ43内に可動コア30を挿入したときに、摺動部材35の外周面35eが、小開口43aの内周面と摺動し、押圧部36のフランジ部36bの外周面36dが、大開口43bの内周面と摺動する。かかる2つの摺動部によって案内されることで、可動側キャビティ43に対して、大きく傾くことなく可動コア30は軸線方向に移動可能となる。光学素子成形用金型31、電鋳部材20の間に溶融した樹脂を射出し、可動コア30を矢印方向に加圧することで、光学素子OEが成形される。このように、基材から精度良く転写形成された光学素子成形用金型としての電鋳部材20を用いることで、光学素子OEの光学面には、電鋳部材20の光学面転写面20aが転写形成され、且つ輪帯転写面20bに対応した回折輪帯が光軸に同心的に精度よく形成されることとなる(即ち、光学素子OEの光学面には、電鋳部材20の光学転写面が光軸に対して精度良く形成される)。
【0035】
次に、電子ビーム描画装置の全体の概略構成について、図6を参照して説明する。図6は、本例の電子ビーム描画装置の全体構成を示す説明図である。
【0036】
電子ビーム描画装置401は、図6に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に描画対象の部材A上を走査するものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃412と、この電子銃412からの電子ビームを通過させるスリット414と、スリット414を通過する電子ビームの前記部材Aに対する焦点位置を制御するための電子レンズ416と、電子ビームが出射される経路上に配設され開口により所望の電子ビームのビーム形状にするためのアパーチャー418と、電子ビームを偏向させることでターゲットである部材A上の走査位置等を制御する偏向器420と、偏向を補正する補正用コイル422と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒410内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
【0037】
さらに、電子ビーム描画装置411は、描画対象となる部材Aを載置するための載置台であるXYZステージ430と、このXYZステージ430上の載置位置に部材Aを搬送するための搬送手段であるローダ440と、XYZステージ430上の部材Aの表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置480と、XYZステージ430を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段450と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置460と、鏡筒410内及びXYZステージ430を含む筐体411内を真空となるように排気を行う真空排気装置470と、部材A上を観察する観察系491と、これらの制御を司る制御手段である制御回路492と、を含んで構成されている。
【0038】
なお、電子レンズ416は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル417a、417b、417cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
【0039】
測定装置480は、部材Aに対してレーザーを照射することで部材Aを測定する第1のレーザー測長器482と、第1のレーザー測長器482にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が部材Aを反射し当該反射光を受光する第1の受光部484と、前記第1のレーザー測長器482とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器486と、前記第2のレーザー測長器486にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が部材Aを反射し当該反射光を受光する第2の受光部488と、を含んで構成されている。
【0040】
ステージ駆動手段450は、XYZステージ430をX方向に駆動するX方向駆動機構452と、XYZステージ430をY方向に駆動するY方向駆動機構454と、XYZステージ430をZ方向に駆動するZ方向駆動機構456と、XYZステージ430をθ方向に駆動するθ方向駆動機構458と、を含んで構成されている。これによって、XYZステージ430を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。
【0041】
なお、制御回路492は、図示しないが、電子銃412に電源を供給するための電子銃電源部、この電子銃電源部での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部、電子レンズ416(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部、このレンズ電源部での各電子レンズに対応する各電流を調整制御するレンズ制御部、を含んで構成される。
【0042】
さらに、制御回路492は、補正用コイル422を制御するためのコイル制御部、偏向器420にて成形方向の偏向を行う成形偏向部、偏向器420にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部、偏向器420にて主走査方向の偏向を行うための主偏向部、電子ビームの電界を制御する電界制御手段である電界制御回路、描画パターンなどを前記部材Aに対して生成するためのパターン発生回路、各種レーザー制御系、ステージ駆動手段450を制御するためのステージ制御回路、ローダ駆動装置460を制御するローダ制御回路、測定情報を入力するための測定情報入力部、入力された情報や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラムメモリ、各部を備えた制御系、これらの各部の制御を司る例えばCPUなどにて形成された制御部、を含んで構成されている。
【0043】
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置401において、ローダ440によって搬送された部材AがXYZステージ430上に載置されると、真空排気装置470によって鏡筒410及び筐体411内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃412から電子ビームが照射される。
【0044】
電子銃412から照射された電子ビームは、電子レンズ416を介して偏向器420により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ416を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、XYZステージ430上の部材Aの表面、例えば曲面部(曲面)12上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
【0045】
この際に、測定装置480によって、部材A上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御回路492は、当該測定結果に基づき、電子レンズ416のコイル417a、417b、417cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
【0046】
あるいは、測定結果に基づき、制御回路492は、ステージ駆動手段450を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにXYZステージ430を移動させる。
【0047】
また、本例においては、電子ビームの制御、XYZステージ430の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい。
【0048】
次に、測定装置480の第1のレーザー測長器482により電子ビームと交差する方向から部材Aに対して第1の光ビームS1を照射し、部材Aを透過する第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
【0049】
この際に、第1の光ビームS1は、部材Aの底部にて反射されるため、第1の強度分布に基づき、部材Aの平坦部上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、部材Aの母光学面10上の(高さ)位置を測定することができない。
【0050】
そこで、本例においては、さらに第2のレーザー測長器486を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器486によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から部材Aに対して第2の光ビームS2を照射し、部材Aを透過する第2の光ビームS2が第2の受光部488にて受光されることによって、第2の光強度分布が検出され、これに基づき、位置が測定算出される。
【0051】
そして、この部材Aの高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
【0052】
以上、実施の形態並びに実施例を参照して本発明を説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良(実施の形態の組み合わせを含む)が可能であることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、塗布されたレジストの表面形状を補正することで、微細パターンを有する設計形状を精度良く形成することが可能な金型の製作方法及び押し型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる金型の製作方法を構成する工程を示すフローチャートである。
【図2】図1に示す主要な工程において、処理される母型の素材と電極部材の組立体すなわち部材Aを示す断面図である。
【図3】部材Aの上面図である。
【図4】可動コア30の断面図である。
【図5】可動コア30を用いて光学素子を成形する状態を示す図である。
【図6】電子ビーム描画装置の構成の一例を示す説明図である。
【図7】本発明にかかる金型の製作方法の一部を示す概略図である。
【図8】本発明にかかる金型の製作方法の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
A 基材(部材)
B 押し型
P ニッケル燐被膜
10 母型の素材
11 電極部材

Claims (6)

  1. 基材にコーティング剤を被覆するステップと、
    被覆したコーティング剤を、押し型を用いて加熱押圧するステップと、
    加熱押圧されたコーティング剤に対して電子ビーム描画を行うステップと、を有することを特徴とする金型の製作方法。
  2. 前記コーティング剤に電子ビーム描画がされた基材から電鋳を成長させるステップと、
    成長した前記電鋳を用いて金型を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の金型の製作方法。
  3. 前記コーティング剤はレジストであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金型の製作方法。
  4. 前記コーティング剤を被覆するステップは、前記基材を回転させながら前記コーティング剤を滴下するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金型の製作方法。
  5. 加熱押圧時に、前記押し型と前記基材との間に所定の間隙を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金型の製作方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の金型の製作方法に用いることを特徴とする押し型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006159673A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Konica Minolta Holdings Inc 金型の製作方法、素子の製作方法及び素子

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