JP4835818B2 - 光学素子成形金型用成形金型及び光学素子成型金型の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子成形金型用成形金型及び光学素子成型金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から一般的に行われてきたプラスチック光学素子の光学素子用金型の製作手法としては、例えば鋼材やステンレス銅などでブランク(一次加工品)を作っておき、その上に無電解ニッケルメッキとよばれる化学メッキにより、アモルファス状のニッケルと燐の合金を100μmほどの厚みに鍍膜し、このメッキ層を超精密加工機によりダイアモンド工具で切削加工して、高精度な光学面を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術の手法によれば、基本的に機械加工により部品形状を創成するため、加工機の運動精度近くまで容易に部品精度が高められる反面、製作工程に機械加工と化学処理が混在し煩雑で納期がかかること、メッキ層の厚みを考慮してブランク(一次加工品)を作製する必要があること、必ずしもメッキ処理が安定している訳ではなく、ブランクの組成の偏りや汚れ具合によってメッキ層の付着強度がばらついたり、ピットと呼ばれるピンホール状の欠陥が生じたりすること、メッキ層の厚みの中で光学素子の光学面に対応する光学成形面を創成しなければならないため、光学成形面を再加工するときなどはメッキ厚みに余裕が無く加工不可能となる場合があること、一般的には繰り返し使用はできず金型コストが高いこと等々の不具合が生じていた。
【0004】
また、多量に光学成形面を加工すると、工具の切れ刃の状態や加工条件、加工環境温度の変化などにより、微妙に切削加工し仕上げた光学成形面の形状がバラツいていた。この光学成形面加工バラツキは、一般的には100nm程度の光学面形状誤差を発生し、非常に慎重に加工した場合でも50nm程度の誤差が残り、これが加工精度限界であった。
【0005】
また、近年、光学面に回折溝を施して色収差を効率よく補正する光学系が、光情報記録分野などで実用化され、大量に生産されている。光学材料としては、プラスチックやガラスが使われているが、赤外光学系などではZnSeなどの結晶材料も用いられている。この様な光学素子を大量に生産する時に効率の良い手法は、成形であるが、この際に成形金型の微細な回折溝を有する光学成形面を高精度に効率よく製作する技術が、極めて重要となっている。
【0006】
例えば、ダイアモンド切削により光学成形面上に回折溝などの光学機能を有する微細なパターンを創成する場合は、刃先の鋭さが回折溝形状の正確さを左右し、光学面として転写された時に回折効率に大きな影響を与えることが、特開2001−195769号公報等で述べられるように知られている。
【0007】
従って、回折輪帯の回折効率を低下させないためには、刃先の大きさを十分小さくせねばならず、そのため小さな刃先部分に切削抵抗が集中してかかるので切り込み量を小さくせねばならず、光学成形面全体を均一に切削除去するまでに加工回数が多くなる。また、小さなカッターマークによる光学成形面の表面粗さの劣化を防ぐためにも工具送り速度を遅くせねばならず、1回の光学成形面加工時間も長くなる。その結果、切削長が増大するので工具刃先の損耗が大きくなり、工具交換が頻繁となる。つまり、従来のダイアモンド切削により微細な形状を有する光学成形面を加工する場合は、工具の寿命が極端に短くなり、また、切削によりダイアモンド中のカーボンがブランクに拡散し、それにより工具の寿命を更に短縮化させることとなっている。しかも一つの光学成形面を加工する時間も増大するので、加工効率が非常に低下し、金型の生産性が低下してコストが急激に高くなっていた。そのため、特にダイアモンド切削により微細な形状を表面に有する光学成形面を仕上げる場合には、簡素で納期の短い金型製作手法が望まれる。
【0008】
加えて、近年、波長の数倍からそれよりも小さな微細構造を光学面に施して、新たな光学的機能を光学素子に付加することが試みられている。例えば、非球面光学面を有する成形レンズの表面に回折溝を施して、屈折による通常の集光機能とその時に副作用として発生する正の分散を、回折溝による回折の大きな負の分散を利用してうち消して、本来、屈折だけでは不可能な色消し機能を有する単玉光学素子が、DVD/CD互換の光ディスク用ピックアップ対物レンズで実用化されている。これは、光学素子を透過する光の波長の数10倍の大きさの回折溝による回折作用を利用したもので、このように波長より十分大きな構造による回折作用を扱う領域は、スカラー領域と呼ばれている。
【0009】
一方、光学素子を透過する光の波長の数分の一という微細な間隔で、円錐形状の突起を光学面の表面に密集させて形成させることで、光の反射抑制機能を発揮させることができることが判っている。即ち、微細な間隔で突起を形成することで、光波が光学素子に入射する際の空気界面での屈折率変化を、従来の光学素子のように1から媒体屈折率まで瞬間的に変化させるのではなく緩やかに変化させ、それにより光の反射を抑制することができるのである。このような突起を形成した面は、いわゆる蛾の眼(moth eye)と呼ばれる微細構造で、光の波長よりも微細な構造体が波長よりも短い周期で並ぶことにより、もはや個々の構造が回折せず、光波に対して平均的な屈折率として働くもので、このような作用をする領域を等価屈折率領域と一般に呼んでいる。このような等価屈折率領域に関しては、例えば電子情報通信学会論文誌 C Vol.J83−C No.3pp.173−181 2000年3月に述べられている。
【0010】
このような等価屈折率領域の微細構造によれば、従来の反射防止コートに比べて反射防止効果の角度依存性や波長依存性を少なくしながら同時に大きな反射防止効果を得ることができ、また、成形により光学面と微細構造が同時に創成できることから、レンズ機能と反射防止機能が同時に得られて、従来のように成形後にコート処理をするといつた後加工が不要となる、など生産上のメリットも大きいと考えられ注目されている。さらに、このような等価屈折率領域の微細構造を光学面に対して方向性を持つように配すると、強い光学異方性を光学面に持たせることもでき、従来、水晶などの結晶を削りだして製作していた複屈折光学素子を成形によって得ることができ、また、屈折光学素子や反射光学素子と組み合わせて新たな光学的機能を付加するとができる。この場合の光学異方性は、構造複屈折と呼ばれている。
【0011】
上述したスカラー領域と等価屈折率領域の間には、回折効率が入射条件のわずかな違いにより急激に変化する共鳴領域がある。例えば、回折溝幅を狭くしていくと、波長の数倍程度で急激に回折効率が減少し、また増加するという現象(アノマリー)が発生する。このような回折溝幅を調整することによって、特定の波長のみを反射する導波モード共鳴格子フィルターとして、通常の干渉フィルターと同等の効果をより角度依存性を少なくして実現できている。
【0012】
ところで、スカラー領域や、等価屈折率領域や、共鳴領域を利用して光学素子を形成しようとする場合、その光学面に微細な突起(又はくぼみ)を形成する必要がある。このような微細な突起(又はくぼみ)を備えた光学素子を大量生産するには、一般的にはプラスチックを素材として成形を行うことが適しているといえるが、かかる場合、微細な突起(又はくぼみ)に対応したくぼみ(又は突起)を備えた光学成形面を、金型に設ける必要がある。
【0013】
しかるに、上述したような等価屈折領域や共鳴領域の突起(又はくぼみ)に関しては、数十乃至数百ナノメートルの間隔で突起(又はくぼみ)を形成しなくてはならず、切削加工を含む機械的加工では極めて困難である。加えて、従来の型は再利用が困難という問題もある。
【0014】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、従来とは全く異なる思想に基づいて、切削性に優れ、寸法精度を高めることができ、しかも所望の光学成形面の形状を転写形成可能な光学素子成形金型用成形金型を提供することを目的とする。又、本発明は、光学素子成形金型の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光学素子成形金型用成形金型は、光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型であって、過冷却液体域を有する非晶質合金を用いて形成されているので、より精度の高い光学素子成型用金型を成形でき、又それを用いてより精度の高い光学素子を成形することができる。
【0016】
請求項2に記載の光学素子成形金型用成形金型は、過冷却液体域を有する第1の非晶質合金を成形することによって形成される光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型であって、過冷却液体域を有し、前記第1の非晶質合金のガラス転移点よりも高いガラス転移点を有する第2の非晶質合金を用いて形成されているので、より精度の高い光学素子成型用金型を成形でき、又それを用いてより精度の高い光学素子を成形することができる。より具体的には、前記第2の非晶質合金の被削性・被加工性が極めて良好であることから、前記光学素子成形金型用成形金型の母光学面や母寸法基準面を、前記光学素子の光学面もしくは寸法基準面に対応して精度良く仕上げることができ、しかも工具の寿命をも延長させることができる。尚、寸法基準面とは、例えば光学素子のフランジ部周面などのごとく、その光学素子を他の部材に取り付ける際に、位置決めの基準となるような面をいう。
【0017】
ここで、過冷却液体域を有する非晶質合金(アモルファス合金ともいう)について説明する。過冷却液体域を有する非晶質合金は、金属ガラスとも呼ばれ、加熱すると過冷却液体となるアモルファス状の合金である。これは、通常の金属が多結晶組成であるのに対して、組織がアモルファス状のため組成がミクロ的にも均一で機械強度や常温化学耐性に優れ、ガラス転移点を有し、ガラス転移点+50〜200℃前後(これを過冷却液体域という)に加熱すると軟化するためプレス成形加工が出来るという、通常の金属に無い特徴を有する。
【0018】
従来、金属ガラスについてこの加熱プレス成形によって成形金型を創成する技術が特開平10−217257号公報で述べられ、また稜線を有する光学素子について特開平9−286627号公報で述べられている。また。日本機械学会65巻633号346−352「金属ガラスの精密・微細加工に関する研究」で、金属ガラスをプレス成形して光学成形面を有する成形金型部品を創成した例が述べられている。この例では、プレス成形による転写光学面(光学成形面)の形状精度は500nm、表面粗さは90nmとしている。
【0019】
ここで、本発明者は金属ガラスのアモルファス構造に着目し、金属ガラスに対し直接ダイアモンド工具による超精密切削加工を行うと、高精度な光学鏡面が容易に得られることを新たに見いだした。その理由は、この材料がアモルファス状であり結晶粒界を持たないので場所によらず被削性が均一であること、又アモルファス状を保つために結晶化エネルギーを大きくして組成的に多晶体としているため、切削加工中のダイアモンドの拡散摩耗が少なく工具の刃先寿命を長く保てること等によるものであることがわかった。同様なことは、ダイアモンド工具などを用いた研削加工にもいえる。
【0020】
特に、本発明を適用した例では、従来の加熱プレス成形のみによる光学素子の光学面創成や光学素子成形金型の光学成形面創成を行うのではなく、まず金属ガラスを加熱プレス成形によりニアネットシェイプ、即ち仕上げ形状に非常に近いブランクを製作した後、例えば、光学素子成形金型用成形金型では、超精密加工機によるダイアモンド切削で、光学素子の光学面を成形するための光学素子成形金型の光学成形面に対応する面(母光学面という)や、その他の嵌合面に対応する面などを切削加工して、光学素子成形金型用成形金型に仕上げるというものである。
【0021】
このような手法で成形する際は、割り型を用いてパーティングラインが、成形した母光学面に残るように成形しても良く、また抜き勾配があっても良い。切削加工などの後加工によって、容易に削除できるからである。又、加熱プレス成形等により形成した光学素子成形金型用成形金型に、基準となる面を加工創成した後、この面を基準として偏心が最小となるよう加工機に取り付け、光学成形面に対応する母光学面を超精密加工機によりダイアモンド切削加工すれば、偏心の少ない高精度な母光学面を容易に創成できる。この手法によると、光学素子成形金型用成形金型の寸法精度は、最終仕上げ寸法に対して5〜10μm程大きく成形すれば良く、後加工による加工取り代が従来の約1/10以下となる。従って、本発明による光学素子成形金型用成形金型は、極めて精度よく大量に製作することができるといえる。
【0022】
また、本発明の光学素子成形金型用成形金型は、基本的には、従来の金型のような化学メッキ処理を行う必要がなく、メッキ厚を、ブランク寸法を決めるのに考慮する必要もないため、母光学面加工に至るまでのブランク製作工程が極めて簡素になり、納期も従来の1/4以下とすることができる。さらに、何度でも母光学面を再切削加工でき、不要となった場合でも、加熱プレス成形により別の形状の型材料とすることが出来るので、材料寿命としては半永久的となる。
【0023】
一方、本発明を別な角度で見ると、以下のようなことも考えられる。本発明者は、金属ガラスがプラスチックなどの成形と根本的に異なる点として、金属材料であるから熱伝導性が非常に高く全体が瞬間的に固化し、冷却収縮が小さくしかも成形部位によらず比例的に発生することや型との反応性が低いことなどが挙げられるが、成形圧力や成形時間を最適化することによりプラスチック成形で得られる光学成形面と同等またはさらに高精度に再現性良く転写できることに思い至った。
【0024】
そこで、光学面上に微細な突起(又はくぼみ)を有する光学素子成形金型として、何らかの非晶質合金製のマスター(光学素子成形金型用成形金型)から成形転写することで、かかる非晶質合金製の光学素子成形金型を得れば、最終成形品であるプラスチックなどの光学素子よりも形状精度の高い金型を多量に容易に得ることが実現できる。そのような精度の高い光学成形面を有する光学素子成形金型を形成するには、それに対応した形状の光学素子成形金型用成形金型を予め作製することで、高精度な光学素子成形金型を成形により容易に得ることができるのである。このような光学素子成形金型用成形金型は、光学素子の光学面に対応する母光学面にレジストをスピンコート法などで塗布し、電子ビームやレーザービームによって微細パターンを露光した後、現像によって光学面上の微細パターンを形状化することにより得ることができる。
【0025】
すなわち、本発明の光学素子成形金型用成形金型は、従来の光学成形面の加工時間に比べて3倍以上を有する微細な形状を有する光学素子成形金型の光学成形面などを、ニアネットシェイプであるブランクから容易に成形でき、後加工を不要として加工効率を大幅に向上できる。但し、本発明の範囲は、微細な光学パターンに依存しない。また、使用されるダイアモンド工具形状や切削条件にも依存しない。
【0026】
ただし、光学素子成形金型用成形金型の素材となる第2の非晶質合金のガラス転移点が、光学素子成形金型の素材となる第1の非晶質合金のガラス転移点より低ければ、加熱プレス成型時に、光学素子成形金型用成形金型が溶融変形する恐れがある。そこで、これを防止するために、第2の非晶質合金のガラス転移点は、第1の非晶質合金のガラス転移点より高くする。
【0027】
上述の条件を満たす限り、本発明の光学素子成形金型用成形金型及び光学素子成形金型で用いることができる第1及び第2の非晶質合金の種類は問わない。Pd系、Mg系、Ti系、Fe系、Zr系などの公知の金属ガラスが使えるが、過冷却液体領域を有するアモルファス状である合金材料であることが、本発明に必要な用件であって、これらの組成や種類は問わない。ただし、プラスチック光学素子用の光学素子成形金型材料としては、樹脂温度が300℃近くであることから、Pd系、Ti系、Fe系などがガラス転移点が高いので有利であるが、より好ましくはPd系が空気中でほとんど酸化することなく、加熱プレスができ、また、大きなバルク形状が出来るという点でも有利である。また更に、Pd(パラジウム)は貴金属で高価ではあるが、その材料によらず、本発明の金属ガラス製の金型は不要となれば鋳潰して再利用できるため、短納期で加工労務費が低いことを合わせると、長期にわたる金型コストはPdを含有する金属ガラスを用いたとしても低コストにできる。
【0028】
請求項3に記載の光学素子成形金型用成形金型は、過冷却液体域を有する第1の非晶質合金を成形することによって形成される光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型であって、過冷却液体域を有し、前記第1の非晶質合金のガラス転移点よりも、50℃以上(このましくは100℃以上)高いガラス転移点を有する第2の非晶質合金を用いて形成されているので、前記第1の非晶質合金を加熱プレス成形して前記光学素子成形金型を形成する際にも、前記光学素子成形金型用成形金型の変形を招かず、繰り返し使用しても安定した型形状を維持できる。
【0029】
請求項4に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の光学成形面(光学素子の光学面を成形する面)または成形寸法基準面(光学素子の寸法基準面を成形する面)を、加熱プレス成形によって、成形転写して形成するので、かかる光学成形面や成形寸法基準面を精度よく形成することができる。
【0030】
請求項5に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の光学成形面に突起又はくぼみが転写形成されるように、対応したくぼみ又は突起が形成されているので、前記光学成形面に後加工を施すことなく所望のくぼみ又は突起を形成することができる。
【0031】
請求項6に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみが、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、等価屈折率領域の微細構造を形成するので、前記光学素子の光透過率をより高めることができる。尚、前記突起又はくぼみの間隔は、前記光学素子の光学面を透過する光の波長以下であると好ましい。
【0032】
請求項7に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみが、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、反射防止効果を発生する微細構造を形成するので、前記光学素子の光透過率をより高めることができる。尚、前記突起又はくぼみの間隔は、前記光学素子の光学面を透過する光の波長以下であると好ましい。
【0033】
請求項8に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみが、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、構造複屈折を発生する微細構造を形成するので、例えば、前記光学素子の光透過率を光の振動方向に対して変化させることができる。尚、前記突起又はくぼみの間隔は、前記光学素子の光学面を透過する光の波長以下であると好ましい。
【0034】
請求項9に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみが、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、共鳴領域の微細構造を形成するので、例えば、前記光学素子の収差の度合いを変化させて、異なる機能を発揮させることができる。
【0035】
請求項10に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみが、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、前記光学素子に対して光を照射する光源の波長変化による収差変化を調整する機能を有するので、前記光学素子の光学機能を高めることができる。
【0036】
請求項11に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、温度変化による収差変化を調整する機能を有するので、前記光学素子の光学機能を高めることができる。
【0037】
請求項12に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型の突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、回折輪帯(輪帯状の回折面)を形成するので、従来、回折輪帯を形成するために、前記光学成形面に施していた切削加工等が不要となるため、前記光学素子成形金型の加工にかかる手間やコストを削減することができる。
【0038】
請求項13に記載の光学素子成形金型用成形金型は、母光学面(光学素子成形金型の光学成形面を成形する面)を、切削加工により創成したので、例えばダイアモンド工具の寿命を延長することができる。
【0039】
請求項14に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記突起又はくぼみが、母光学面にレジストを塗布し、電子ビーム描画により露光して現像処理を行うことで形成されていることを特徴とする。
【0040】
例えば、回折光学素子などの微細な面形状を、光学素子成形金型用成形金型の母光学面上に創成する手法を、本発明者は考案した。その例を示すと、非球面形状などに成形された光学素子成形金型用成形金型の母光学面上に、スピンコートなどで0.1〜3μmの厚みにレジストを直接塗布して、これに電子ビームやレーザービームなどで直接描画して現像し、レジストの微細光学パターンを母光学面に形成した後、ドライエッチングにより母光学面表面に回折溝に対応する突起又はくぼみなどの微細な形状を形成し、光学素子成形金型用成形金型を得るものである。
【0041】
金属ガラスは前述したように、基本的に、アモルファス状であり全体が均一で結晶粒界を持たないため、どの部位であっても全く単一組成の方向性を持たない材料である。つまりこれは、ドライエッチングにおいて例えば単結晶シリコンのように結晶方位で選択的にエッチングが進行するということがなく、条件に従ってエッチングが均一に進むということである。従って非晶質合金の表面にレジストの厚みで微細な光学パターンを形成して、イオンや電離したガス成分などを一方向から加速してレジスト表面に照射すると、その厚みにほぼ比例して照射方向にエッチングが進行する。非晶質合金は導体であるから、電子ビームによる露光やイオンエッチングなどで荷電粒子を加速して表面にぶつける際に容易に電界を形成できるので、石英基材などのようにレジスト表面に導電膜を施す工程は不要で、具合が良い。
【0042】
また、このような荷電粒子によるエッチングは、ダイアモンドなどの先端を鋭利に加工する用途として既に実用化されており、装置も希ガスなどを電離してイオン化し電界をかけて加速してぶつけるという非常に単純な構造であるため、本発明を実現するために特別な設備を開発する必要はない。本発明では、露光・現像処理の例としてのドライエッチングに用いる荷電粒子の種類も特に限定されるものではない。非晶質合金を用いた光学素子成形金型用成形金型の母光学面上に、レジストで形成した微細形状を荷電粒子を照射することでドライエッチングして、高精度な微細構造の光学素子成形金型用金型を得ることも本発明の範疇である。
【0043】
ここで、前記光学素子成形金型用成形金型の露光・現像処理についてより具体的に説明する。半導体素子などを形成する手法として、シリコンウェハーにフォトレジスト(レジストともいう)を塗布し、レーザビームを照射して所定のパターンを描画する手法が知られている。これを利用して、前記光学素子成形金型用成形金型の母光学面に微細なくぼみ(又は突起)を形成することが考えられる。
【0044】
即ち、光学素子成形金型用成形金型における非球面などの母光学面においても、全く同様にフォトレジストをスピンコート法などで塗布し、電子ビームやレーザービームによって微細パターンを露光した後、現像によって母光学面上のくぼみ(又は突起)などの微細パターンを形状化するのである。
【0045】
この手法によれば、上述した微細なくぼみ(又は突起)以外にも、通常の機械加工での創成では極めて困難である、非対称や非軸対称なパターンや形状を含んだ微細な形状を、母光学面上に、露光ビームの制御により高精度に創成することが可能となる。
【0046】
尚、フォトレジストの厚みは通常1μm程度であるが、塗布乾燥後ポストベーキングして十分固化させた後、再塗布をすることによりフォトレジストを厚くすることができる。露光手法は、電子ビームやレーザービームなどの露光量(ドーズ量)を調整することにより、ネガ型のレジストでは露光量の多いところはより固化して現像の際に残り、ポジ型では逆に現像液中に溶出するので、露光量によって現像の進行に差が生じ、それによりレジストの立体的な微細形状が創成できる。
【0047】
レジストは樹脂であるから、このまま金型の母光学面として用いるには強度や密着性が足らず実用性に乏しい。従って、何らかの手法によって、このレジストによる母光学面上の微細な形状をマスターとして金型材料に転写する必要がある。従来、この手法の一つとして電鋳が使われていた。例えば、光ディスクのピットパターンを転写してスタンパ金型を製作する際に、レジストによりガラス基板上に創成されたピットと呼ばれる光記録パターン表面を、銅などのフラッシュメッキで表面に導電性を持たせた後、電解液中で電界をかけて金属ニッケルを析出付着させることで、微細な形状を写し取るものである。
【0048】
しかしながら、電鋳はその生成方法から容易に想像できるように、析出して突出したところほど電界密度が増し、さらにメッキが進むという現象が起き、そのためメッキ液中の電界分布はミクロ的に常に変動しており均一に電鋳の厚みが増えるわけではない。そのため、電鋳内には非常に大きな応力が発生するので、表面の微細形状は精度良く転写できるが、基盤の平面形状は応力でマスターから剥離した段階で反ったりするのが普通である。前述した光ディスク基板のように、全体が平面形状の場合は、電鋳の厚みを0.1mm以下に非常に薄くすることと、マスターから剥離後に裏面を薄く研磨して平面性を確保するなどの後工程を行い、金型の平面部に倣うように取り付けることで、金型内で平面形状を維持している。
【0049】
これに対し、基板形状が非球面の母光学面などのように高精度な立体形状の場合は、このような従来の手法は使えず、電鋳処理後にマスターから剥離した瞬間に、母光学面形状は歪んでしまうという問題がある。電鋳の状態にもよるが、数mmの厚みに電鋳を施した場合は、10μm程度は歪みによる母光学面の変形を考慮する必要がある。世の中では、微細な形状を有する光学面の形状精度は少なくとも100nm以下、高精度な用途では50nm以下が要求されており、従ってそれ以上に高精度な母光学面を電鋳により転写してレジストから金型を得ることは難しい。従って、レジストによる微細な形状を表面に有する母光学面は、電鋳により転写しても微細な形状は写し取れるが、母光学面形状は歪んで使用することは難しい。
【0050】
そこで、本発明においては、まず、光学素子の光学面の、例えば非球面形状に精度良く一致させた母光学面を備えたニアネットシェイプの光学素子成形金型用成形金型を成形し、更にその母光学面に対して、スピンコート法でレジストを塗布した後、電子ビームやレーザビームで所定のパターンを形成し、その後ドライエッチングを施すことで、例えば微細なくぼみ(又は突起)が形成されるようにしている。以上の処理が、現像・露光処理の一例であるが、これに限られない。ドライエッチングとしては、ガスエッチングによる化学的なエッチングやイオンエッチング、プラズマエッチングなどの物理的なエッチングとそれらを複合したエッチング技術がある。また、微細な形状の創成に基板材料のエッチング異方性を積極的に利用する技術もある。
【0051】
請求項15に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記突起又はくぼみが、母光学面にレジストを塗布し、レーザー光描画により露光して現像処理を行うことで形成されていることを特徴とする。
【0052】
請求項16に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記突起又はくぼみが、前記レジストの現像後にドライエッチング処理により形成されることを特徴とする。
【0053】
請求項17に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型用成形金型の母光学面を、集束イオンビームを用いたガスデポジションにより創成したことを特徴とする。集束イオンビームを用いたガスデポジションについては、実施の形態を参照して後述する。
【0054】
請求項18に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型用成形金型に用いている前記第2の非晶質合金が、前記光学素子成形金型をプレス成形する際に硬度Hv300以上を維持すると、繰り返し使用しても形状を維持することができる。
【0055】
請求項19に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記光学素子成形金型用成形金型に用いている前記第2の非晶質合金が、室温で硬度Hv700以下であること、被切削性に優れるため好ましい。
【0056】
請求項20に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記第2の非晶質合金の組成に、ニッケル、ハフニウム、又はパラジウムを30mol%以上50mol%以下の割合で含有すると、光学素子成形金型用成形金型の素材として好適である。
【0057】
請求項21に記載の光学素子成形金型用成形金型は、前記第2の非晶質合金の組成に、銅、ジルコニア、銅、アルミニウム、燐のいずれかを少なくとも3mol%以上の割合で含有すると、光学素子成形金型用成形金型の素材として好適である。
【0083】
請求項22に記載の光学素子成形金型の製造方法は、過冷却液体域を有する第1の非晶質合金を成形することによって形成される光学素子を成形するための光学素子成形金型の製造方法であって、過冷却液体域を有し、前記第1の非晶質合金のガラス転移点よりも高いガラス転移点を有する第2の非晶質合金を用いて形成された光学素子成形金型用成形金型により、前記第1の非晶質合金を加熱プレス成形することで光学素子成形金型を製造するので、より精度の高い光学素子成型用金型を成形でき、又それを用いてより精度の高い光学素子を成形することができる。
【0084】
本明細書中で用いる回折輪帯とは、光学素子(例えばレンズ)の光学面表面に、光軸を中心とする略同心状の輪帯として形成されたレリーフを設けて、回折によって光束を集光あるいは発散させる作用を持たせた回折面のことをいう。例えば、光軸を含む平面でその断面をみれば各輪帯は鋸歯のような形状が知られているが、そのような形状を含むものである。また、回折輪帯をここでは回折溝ともいう。
【0085】
本発明が適用されるに当たり、突起(又はくぼみ)の並びなど、個々の微細構造の形状や配列周期などは関係ない。どのような微細な構造であっても、光学素子に新たな機能を付加する目的で作られたものであれば、その成形金型は本発明の範疇に含まれる。また、新たに付加する機能としては、収差を低減するものに限らない。光学系の特性に応じて収差を故意に増加させる場合も、最終的に理想とする収差に近づける目的で行う限り、本発明の範疇に含まれる。
【0086】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型を製作する工程を示す図である。まず、図1(a)に示すように、光学素子の一例であるレンズの非球面に対応した母非球面101aを形成したマスター型材101に、支柱105を取り付け、且つボルト103を用いて円筒状のブランク型102を組み付ける。更に、図1(b)に示すように、マスター型材101及びブランク型102をヒーターHにより予備加熱しておき、過冷却液体域間で加熱し軟化させた非晶質合金MGを、急激な固化を抑制しつつブランク型102内に挿入し、プランジャー106で加圧する。このときブランク型102内の空気は、エアベント(ブランク型102の端面に形成された溝102a)を介して外部へと流出する。非晶質合金MGは、溶融した樹脂と同様に柔軟性があるため、わずかな加圧であっても、ブランク型102の内形状に一致するように変形し、又、マスター型材101の母非球面101aの形状に一致するように変形する。すなわち、マスター型材101の母非球面101aに対応する母光学面(後述する1a)は、非球面形状に形成されることとなる。非晶質合金MGを軟化させて成形することで、マスター型材101とブランク型102からなるマスター型104の損耗を抑制し、その寿命を延長することができる。
【0087】
更に、図1(c)に示すように、マスター型104とプランジャー106とを一体で、冷却水が満たされた容器107内に沈下させることで、非晶質合金MGを急冷させる。尚、かかる冷却は自然放冷であっても良い。その後、容器107から取り出したマスター型104とプランジャー106とを分離させ、固化したアモルファス合金MGを取り出すことで、光学素子成形金型用成形金型1が形成される。この時点では、光学素子成形金型用成形金型1の母光学面1a(図2)は母非球面のみであり、くぼみや突起は形成されていない。成形後の非晶質合金のフランジ外周面の仕上げ加工において、マスター型材101のティルト基準面でティルトを合わせた後、母光学面1aを回転させて、その偏心量に基づいて調整を行うことで、母光学面1aの偏心量の除去を機械加工で行える。
【0088】
図2は、光学素子成形金型用成形金型の母光学面の加工工程を示す図である。まず、図2(a)に示すように、不図示の駆動体によって光学素子成形金型用成形金型1を光軸回りに回転させながら、母光学面1aにレジストRを塗布する(スピンコート)。レジストRは、母光学面1aを含むマスター型材1の上面に、等しい膜厚でコーティングされる。
【0089】
更に、レジストRがコーティングされた母光学面1aに対し、不図示の露光機により電子ビームLBを照射して、微細パターンを露光形成する。続いて、図2(b)に示すように、光学素子成形金型用成形金型1を溶液中に浸し、母光学面1a上において、露光形成された微細パターンに応じてレジストRを除去する。ここで、電子ビームLBのビーム径は極めて小さいため、数十乃至数百ナノメートルの間隔で、レジストRを除去することができる。
【0090】
その後、図2(c)に示すように、部分的にレジストRが除去された光学素子成形金型用成形金型1の上面を、イオンシャワーIS(加速されたアルゴンイオン等)の雰囲気中に曝し(ドライエッチング)、レジストRのパターンに応じて、光学素子成形金型用成形金型1の表面を除去する。このとき、レジストRの残っている部分は、表面が除去されないため、露光時に厚く円形のレジストRを残すことで、光学素子成形金型用成形金型1の加工済み母光学面1a’の表面に、小さな円筒形状の突起が多数形成されることとなる。
【0091】
このようにして形成された光学素子成形金型用成形金型1は、円管状のブランク型2の一端を閉止するような形でボルト3で固定されて、マスター型4が形成されることとなる(図2(d))。ブランク型2と光学素子成形金型用成形金型1との間に、エアベントが形成されるように、ブランク型2の端面には、溝2aが形成されている。尚、光学素子成形金型用成形金型1の加工は、大規模な設備も不要であって、その製作コストを低くできる上、一つあれば、後述するようにして光学素子成形金型を大量に製作できるので、さらに低コスト化が望める。
【0092】
図3は、光学素子成形金型の製作工程を示す図である。まず、図3(a)に示すように、図2のに示す工程で製作されたマスター型4に支柱5を取り付ける。更に、図3(b)に示すように、マスター型4をヒーターHにより予備加熱しておき、過冷却液体域間で加熱し軟化させた非晶質合金MG’を、急激な固化を抑制しつつブランク型2内に挿入し、プランジャー6で加圧する。このときブランク型2内の空気は、エアベント(溝2a)を介して外部へと流出する。このとき、光学素子成形金型用成形金型1の素材である非晶質合金MG(第2の非晶質合金)のガラス転移点は、成形すべき非晶質合金MG’(第1の非晶質合金)のガラス転移点より好ましくは50℃以上(より好ましくは100℃)以上高くなっているので、成形時の熱で、光学素子成形金型用成形金型1が変形する恐れはない。
【0093】
非晶質合金MG’は、溶融した樹脂と同様に柔軟性があるため、わずかな加圧であっても、ブランク型2の内形状に一致するように変形し、又、光学素子成形金型用成形金型1の母光学面1a’の形状に一致するように変形する。すなわち、光学素子成形金型用成形金型1の母光学面1a’に対応する光学素子成形金型の光学成形面(後述する10a)には、円筒に対応したくぼみが形成されることとなる。非晶質合金MG’を軟化させて成形することで、マスター型4の損耗を抑制し、その寿命を延長することができる。
【0094】
更に、図3(c)に示すように、マスター型4とプランジャー6とを一体で、冷却水が満たされた容器7内に沈下させることで、非晶質合金MG’を急冷させる。尚、かかる冷却は自然放冷であっても良い。その後、容器7から取り出したマスター型4とプランジャー6とを分離させ、固化した非晶質合金MG’を取り出すことで、光学素子成形金型10(図4)が形成される。
【0095】
以上の説明では、光学素子成形金型用成形金型1を非晶質合金で成形した態様を例示したが、ブランク型2も同様にして非晶質合金とするとより低コスト化に有利である。図4は、光学素子の一つであるレンズを形成するための金型を示す断面図である。上述のようにして非晶質合金MG’から形成した光学素子成形金型10と、同様にして形成した光学素子成形金型11とを、それぞれ光学成形面10a、11a同士を対向させるようにして、ダイセット金型13,14に挿入し、溶融したプラスチック材料PLを光学素子成形金型10,11間に射出して、更に冷却することで、所望の形状のレンズを得ることができる。
【0096】
非晶質合金MG、MG’の例としては、以下の組成の金属ガラスを用いることができる。
Pd40Ni10Cu30P20
Zr55Cu30Al10Ni5
Pd53Cu28Ni10P9
Pd76Cu17Si7
【0097】
図5は、このような光学素子成形金型により形成されるレンズの光学面を拡大して示す一部断面斜視図である。図5(a)においては、レンズの光学面に、複数の突起の例として微細な円筒Cをマトリクス状に多数形成した構成(等価屈折率領域の微細構造の例)となっている。例えばかかるレンズをDVD記録/再生用光ピックアップ装置の対物レンズとして用いた場合、レンズを透過する光は650nm近傍である。そこで、微細な円筒Cの間隔Δを160nmとすると、かかる対物レンズに入射する光は殆ど反射せず、極めて光透過率の高いレンズを提供することができる。
【0098】
図5(b)においては、レンズの光学面に、複数の突起の例として間隔Δで離隔した多数の微細な三角錐Tを形成しており、図5(a)と同様な顕著な効果を有する。この間隔Δとしては、0.1〜0.2μm以下であると散乱を低下させるので好ましい。図5(c)においては、レンズの光学面に、複数の突起の例として間隔Δで離隔した多数のフィンF(構造複屈折の微細構造の例)を形成している。フィンFの長さは、透過する光の波長より長く(上述の例では650nm以上)なっている。かかる構成を備えたレンズは、フィンFに沿った方向に振動面を有する光を透過させるが、フィンFに交差する方向の光は透過させないという、いわゆる偏光効果を奏する。図5(d)においては、レンズの光学面に、連続した複数の突起の例として回折輪帯Dを形成している。回折輪帯Dに関しては、例えば特開2001−195769号公報に、その形状に応じた効果である色収差補正及び温度補正について詳細に述べられているので、以下の説明を省略する。また、図5(a)〜(c)においては、簡単のために平面上に、それら突起を設けた例を示したが、その底面を球面や非球面等の適宜の曲率を持った曲面とし、その曲面上に設けるようにしてもよい。
【0099】
ところで、上述した実施の形態では、光学素子成形金型用成形金型1の母光学面1aの加工を、電子ビームを用いて行っていたが、これに限られずレーザビームを用いたり、あるいはダイアモンド切削などの機械加工を施したりできる。更に、以下の例は、集束イオンビームを用いたガスデポジションにより加工を行うものである。
【0100】
図6は、光学素子成形金型用成形金型1の母光学面1aの加工で用いることのできる集束イオンビーム装置の要部を概略的に示す図である。
【0101】
図6の集束イオンビーム装置では、ガリウム液体金属イオン源111のエミッタ111aに加速電圧を印加し電極111bに負の高電圧を印加すると、エミッタ111aからイオンが放出され、電極111b及び111cで構成される集束レンズで集束される。集束されたイオンビームbは、ビームを平行にするコンデンサレンズ112と、ビーム照射のオンオフを行うブランカ113と、ビーム位置をアパチャ115に対し調整するアライナ114と、ビーム開角を決めるアパチャ115と、ビームを対物レンズ117の中心に通すためのアライナ116と、ビームを基体の表面にスポット状に合焦させる対物レンズ117と、ビームを基体(光学素子成形金型用成形金型1)の表面上で走査させるように電界または磁界によりビームを偏向させる偏向走査部118とを順に通過し、XYステージ121上に取り付け固定された光学素子成形金型用成形金型1の母光学面1aに照射される。
【0102】
また、ガス放出部119ではノズル119aから母光学面1aに向けてデポジション用のガスを吹き付ける。また、集束イオンビームの照射により母光学面1aから放出される2次電子を2次電子検出器120で検出する。また、XYステージ121は駆動部121a、121bによりXY方向に微小に移動し、XYステージ制御部122の駆動部121a、121bの制御により集束イオンビームの照射点と母光学面1aとの相対位置を微小調整できる。図6の集束イオンビーム装置の上述の各部分111〜122は全体として制御装置123により制御される。
【0103】
図6の集束イオンビーム装置により、集束イオンビームを照射しながらガス放出部119のノズル119aから母光学面1aにガスを吹き付けると、この吹き付けガスにより形成された母光学面1aの表面近傍の雰囲気が集束イオンビームと衝突する。この衝突で発生した分子・原子を母光学面1aの表面に付加させてデポジションを行うことにより、その表面に成膜を行うことができ、この成膜により所望のパターン形状を形成できる。
【0104】
上述の集束イオンビームに用いるイオンは、ガリウム以外にアルゴン等が用いられるが、原子量の大きい元素の方がエネルギ密度が高く、加工に適する。また、イオン生成においては室温で液体であることが望ましいため、イオン発生元素としては通常はガリウムを用いるのが好ましい。また、効率よく高速にデポジションを行うにはガスの分解効率が高いことが望ましく、従って、加速したときの運動エネルギが大きなガリウムを加速イオンに用いた方が良い。そのため、イオンビームは正の荷電粒子となるが、イオンビームの電荷の正負は本発明の本質とは関係ない。
【0105】
また、図6の偏向走査部118は電界や磁界により集束イオンビームの走査範囲(フィールド)を制御できるが、この走査範囲は、通常は5μm角〜20μm角と非常に狭いため、図6のXYステージ121で母光学面1aと集束イオビームの照射点の位置を相対的に変えることにより広い母光学面を形成できる。即ち、形成される母光学面パターンの大きさが集束イオンビームの走査範囲を超える場合は、XYステージ121により母光学面1aを移動させながらつなぎ照射をして母光学面を接続することにより、より広い母光学面を形成できる。
【0106】
上述のようにつなぎ照射のためXYステージ121で母光学面1aを移動する方が、一般的には集束イオンビーム装置(加速器)よりも基体の方がはるかに小型で軽量であるため好ましい。また、走査パターンのつなぎ精度は、所望の光学面形状や光学特性を得るのに非常に重要であるので、XYステージ121は、例えば既存の電子ビーム描画装置などで実用になっている2軸の微動ステージが同様のつなぎ露光を目的とした装置なので、そのまま利用できる。
【0107】
また、基体の形状が平面以外の球面や非球面形状などの3次元的な場合は、本発明の母光学面形成を行うには、集束イオンビームの焦点近傍に基材表面が常に位置するように制御するために、微動ステージは、XYZの3軸駆動や各軸固りの回転駆動などとすることが好ましい。この場合、集束イオンビームのビーム開き角は、2〜3度程度であるので、所望の光学面精度にもよるが、焦点深度を5μm程度取ることができ、微動ステージの集束イオンビーム光軸方向の位置決め精度は、それほど高分解能高精度にする必要はない。球面や非球面の深い基体形状に母光学面形成を行う際には、場合によっては集束イオンビームを照射する部分の面傾斜角が50〜70度と大きくなることがある。このような場合は、ワークを回転駆動することにより集束イオンビームの光軸に対する面傾斜角を0度(垂直)に近づくように微動ステージを制御すると、デポジション条件が基体上でほぼ均一となり、膜厚制御が容易となる。しかし、集束イオンビームにより分解され発生するデポジション媒体の量やそのスパッタエネルギに対して、基板の面傾斜角は本来関係がないため、以上の方法は基板の面傾斜角の影響を受けにくく、面傾斜角に合わせて若干の照射時間などに補正を加えることにより、所望の膜厚で高精度に母光学面形状を形成できる。
【0108】
また、図7のように、集束イオンビームの焦点スポットsの径は通常20nm程度であるが、集束イオンビームの照射により分解されたガスが拡散したり飛散方向がばらつくため、ライン状にビームを走査した際にデポジションされたパターンの片側にはみ出しが生じ、図7の破線のように、そのはみ出し量tは、数10〜数100nm程度である。このはみ出しは、走査毎の再現性が極めて良いため、光学面パターンを形成する際には、予めこのはみ出し量を見込んで、走査のパターンを走査ラインに対して膜厚が厚くなる側にオフセットして照射することで、所望の光学パターン形状を高精度に得ることができる。
【0109】
上述のはみ出し量は、ガスの種類やデポジション条件によって変わり、一般的にはデポジションレートが小さいときは小さく、大きいときは大きくなるので、それを補正するオフセット量もそのはみ出し量に準じて決めれば良い。かかる実施の形態においては、実用的なデポジション条件の制約からこのオフセット量は、概ね50nm以上から500nmまでの範囲になる。
【0110】
【発明の効果】
本発明によると、従来とは全く異なる思想に基づいて、切削性に優れ、寸法精度を高めることができ、しかも所望の光学成形面の形状を転写形成可能な光学素子成形金型用成形金型を提供することができる。又、本発明によると、その光学素子成形金型用成形金型によって成形された光学素子成形金型、それを用いて形成される光学素子及び光学素子成形金型の製造方法を提供することができる。又、高精度な光学素子を非常に低コストで大量生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の光学素子成形金型用成形金型の製作工程を示す図である。
【図2】光学素子成形金型用成形金型の母光学面の加工工程を示す図である。
【図3】本実施の形態の光学素子成形金型の製作工程を示す図である。
【図4】光学素子であるレンズを形成するための金型を示す断面図である。
【図5】光学素子用金型により形成されるレンズの光学面を拡大して示す一部断面斜視図である。
【図6】光学素子成形金型用成形金型の母光学面の加工で用いることのできる集束イオンビーム装置の要部を概略的に示す図である。
【図7】図6のイオンビーム装置において基体上の集束イオンビームの焦点スポットsの径に対し、ライン状にビームを走査した際にデポジションされたパターンの片側におけるはみ出し量tを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 光学素子成形金型用成形金型
2 ブランク型
4 マスター型
5 支柱
6 プランジャー
7 容器
10、11 光学素子成形金型
101 マスター型材
102 ブランク型
104 マスター型
105 支柱
106 プランジャー
107 容器
Claims (22)
- 光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型であって、過冷却液体域を有する非晶質合金を用いて形成されていることを特徴とする光学素子成形金型用成形金型。
- 過冷却液体域を有する第1の非晶質合金を成形することによって形成される光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型であって、過冷却液体域を有し、前記第1の非晶質合金のガラス転移点よりも高いガラス転移点を有する第2の非晶質合金を用いて形成されていることを特徴とする光学素子成形金型用成形金型。
- 過冷却液体域を有する第1の非晶質合金を成形することによって形成される光学素子成形金型を成形するための光学素子成形金型用成形金型であって、過冷却液体域を有し、前記第1の非晶質合金のガラス転移点よりも、50℃以上高いガラス転移点を有する第2の非晶質合金を用いて形成されていることを特徴とする光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の光学成形面または成形寸法基準面を、加熱プレス成形によって、成形転写して形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の光学成形面に突起又はくぼみが転写形成されるように、対応したくぼみ又は突起が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、等価屈折率領域の微細構造を形成することを特徴とする請求項5に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、反射防止効果を発生する微細構造を形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、構造複屈折を発生する微細構造を形成することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、共鳴領域の微細構造を形成することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、前記光学素子に対して光を照射する光源の波長変化による収差変化を調整する機能を有することを特徴とする請求項5に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、温度変化による収差変化を調整する機能を有することを特徴とする請求項5又は10に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型の前記突起又はくぼみは、前記光学素子成形金型により成形される光学素子の光学面に転写されて、回折輪帯を形成することを特徴とする請求項5又は10に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型用成形金型の母光学面を、切削加工により創成したことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型用成形金型の前記突起又はくぼみは、母光学面にレジストを塗布し、電子ビーム描画により露光して現像処理を行うことで形成されていることを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型用成形金型の前記突起又はくぼみは、母光学面にレジストを塗布し、レーザー光描画により露光して現像処理を行うことで形成されていることを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形用成形金型の前記突起又はくぼみは、前記レジストの現像後にドライエッチング処理により形成されることを特徴とする請求項14又は15に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型用成形金型の母光学面を、集束イオンビームを用いたガスデポジションにより創成したことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型用成形金型に用いている前記第2の非晶質合金が、前記光学素子成形金型をプレス成形する際に硬度Hv300以上を維持することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記光学素子成形金型用成形金型に用いている前記第2の非晶質合金が、室温で硬度Hv700以下であることを特徴とする請求項18に記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記第2の非晶質合金の組成に、ニッケル、ハフニウム、又はパラジウムを30mol%以上50mol%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 前記第2の非晶質合金の組成に、銅、ジルコニア、銅、アルミニウム、燐のいずれかを少なくとも3mol%以上の割合で含有することを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の光学素子成形金型用成形金型。
- 過冷却液体域を有する第1の非晶質合金を成形することによって形成される光学素子を成形するための光学素子成形金型の製造方法であって、過冷却液体域を有し、前記第1の非晶質合金のガラス転移点よりも高いガラス転移点を有する第2の非晶質合金を用いて形成された光学素子成形金型用成形金型により、前記第1の非晶質合金を加熱プレス成形することで光学素子成形金型を製造することを特徴とする光学素子成型金型の製造方法。
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