JP2004329857A - 内視鏡用可撓管及びその製造方法 - Google Patents

内視鏡用可撓管及びその製造方法 Download PDF

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玲 中山
Susumu Aono
進 青野
Hiroyuki Nagami
裕之 永水
Masanori Yajima
正規 谷島
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Abstract

【課題】可撓管と接続部材との接続性を強化できる内視鏡用可撓管の製造方法を提供することにある。
【解決手段】フレックス12の接続側端部の開口部を広げる拡径工程と、上記拡径工程により広げられた上記フレックス12の開口部に接続口金15を挿入して上記接続口金15の外周に上記フレックス12を嵌め合わせ、上記接続口金15と上記フレックス12を接続する嵌合工程とを有する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレックス部材を備えた可撓管を接続部材に接続する内視鏡用可撓管及びその可撓管の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、内視鏡の軟性挿入部に使用される可撓管は接続口金の内側に管状に形成したフレックスとブレードを挿入し、外側に位置する接続口金に形成した切り欠き開口部分を通じて接続口金の外周側から内側に位置するフレックス及びブレードとの半田付けを行い、接続口金と可撓管の電気的導通と固定の両方を同時に行なうようにしていた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−190330号公報(第2頁下側の右欄の第1〜5行及び図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の内視鏡用可撓管では、接続口金と可撓管の固定強度の向上を図り、接続口金と可撓管との電気的導通性を高めるため、可撓管を接続口金に半田付け固定していたが、従来の半田付け方式では注意しないと、特定箇所にしか半田付けがなされない虞があり、特に電気的導通の不安定であるという不具合を生じる虞があったので、その半田付け作業とチック作業が非常に面倒であった。さらに、従来の構造では半田付けをする際に塗布する溶剤が可撓管内面まで浸透してしまうため、その溶剤を除去する洗浄処理が難いという欠点があった。
【0005】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、フレックス部材と接続部材との接続性を強化できる内視鏡用可撓管及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、接続部材に接続する管状のフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管の製造方法であって、管状に形成したフレックス部材の接続側端部の開口部を広げる拡径工程と、上記拡径工程により広げられた上記フレックス部材の開口部に接続部材を挿入して上記接続部材の外周に上記フレックス部材を嵌め合わせ、上記接続部材と上記フレックス部材を接合する工程と、を有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法である。
請求項2に係る発明は、管状に形成したフレックス部材を備えた可撓管を接続部材に接続する内視鏡用可撓管の製造方法であって、電気を導通可能な管状のフレックス部材により形成された内部空間に電気を導通可能な接続部材を挿入して上記接続部材の外周に上記フレックス部材を嵌め合わせる嵌合工程と、上記嵌合工程により上記フレックス部材に挿入された上記接続部材と上記フレックス部材との間を溶融金属で接合し、上記接続部材と上記フレックス部材との電気的接続をとる接合工程と、を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法である。
請求項3に係る発明は、接続工程は上記フレックス部材と上記接続部材の嵌め合い部における上記フレックス部材に形成された螺旋状の隙間から溶融金属を注入し、上記フレックス部材と上記接続部材を接合することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用可撓管の製造方法である。
【0007】
請求項4に係る発明は、接続部材に接続する管状のフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管において、長尺な弾性体を螺旋状に巻いて形成される管状のフレックス部材と、上記フレックス部材の接続側端部の開口部を拡径して、この広げられた接続側端部の内部空間に挿入した接続部材と、上記管状のフレックス部材と上記接続部材の嵌め合い部における上記フレックス部材と上記接続部材を溶融金属で接合した接合部と、を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管である。
請求項5に係る発明は、接続部材に接続する管状のフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管において、長尺な弾性体を螺旋状に巻いて管状に形成したフレックス部材と、上記フレックス部材の接続側端部を被嵌し、この接続側端部が被嵌する外周部分を小径部とした接続部材と、上記フレックス部材の端部と上記接続部材の小径部との嵌め合い部における上記フレックス部材と上記接続部材を溶融金属で接合した接合部と、を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管である。
請求項6に係る発明は、上記フレックス部材と上記接続部材との接合部はろう接合したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内視鏡用可撓管。
【0008】
請求項7に係る発明は、上記フレックス部材と上記接続部材との接合部は溶接接合したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内視鏡用可撓管である。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1〜5を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態に係る内視鏡は可撓管と接続口金の接続部に関する部分以外は、例えば特開平9−173278号公報に示した電子式内視鏡と同様なものである。
【0010】
図1は本実施形態に係る電子式内視鏡1の外観構成を示す。内視鏡1は体腔内等の被検部位に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端に接続された操作部3と、この操作部3から延出した長尺で可撓性を有するユニバーサルコード4とを有してなる。ユニバーサルコード4の先端には光源接続用コネクタ5が設けられている。挿入部2は先端に設けられた先端部6と、この先端部6の後方部に設けられた湾曲部7と、この湾曲部7の後方部に設けられた長尺で可撓性を有する軟性部8とからなっている。また、上記ユニバーサルコード4及び軟性部8は後述するような構造の可撓管11によりそれぞれ構成される。そして、挿入部2の軟性部8における可撓管11は先端が湾曲部7の後端に接続され、この可撓管11の後端は操作部3に接続される。また、ユニバーサルコード4を構成する可撓管11は先端が光源接続用コネクタ5に接続され、この可撓管11の後端は操作部3に接続される。
【0011】
上記可撓管11は図2に示すように構成される。すなわち可撓管11は内側から順に積層される、ステンレスなどの金属製部材で作られた帯状素材を螺旋状に巻いて管状に形成した螺旋管状部材からなるフレックス12と、ガラスファイバーなどの繊維部材を編組して網状に構成した網管状のブレード13と、シリコン樹脂などにより作られた外皮14とで構成されている。上記ブレード13は繊維部材で形成したので金属製部材で形成した場合に比べてフレックス12との密着性は低い。
【0012】
上記可撓管11の両端には内視鏡1における操作部3やコネクタ5または挿入部2の湾曲部7等に連結するための接続部材がそれぞれ設けられている。ここでの接続部材は管状部材からなる接続口金15となっている。接続口金15はこれを接続する対象に応じてそれに適合する形状に形成されている。
【0013】
図2に示すように、接続口金15の可撓管接続側端部には可撓管11の端部を被嵌する小径部15aが形成され、かつ、この小径部15aの終端にはその終端から立ち上がる壁により可撓管11の端面を突き当てる段差部15bが形成されている。図2に示す接続口金15には、例えば溝15cやネジ孔15dを形成している。しかし、この溝15cやネジ孔15dは接続部材としての接続口金15にとり必須のものではない。
【0014】
図2に示すように、可撓管11の端部は上記接続口金15の外周面に覆うように嵌合して配置される。可撓管11の接続端部には半田付けによりフレックス12を上記接続口金15に固定する半田部16と、接続口金15と可撓管11を水密構造にするために接着剤を上記半田部16の外表面および接続口金15の段差部にわたり塗布した接着部17と、外皮14から接続口金15にわたりその外周に被嵌した熱収縮チューブなどの水密性を確保するためのカバー部材18とが設けられている。
【0015】
以下に、上記可撓管11を接続口金15に組み付ける製造手順について説明する。
まず、図3に示すように、可撓管11の端部からフレックス12の端部を外へ引き出す。
次に、図4に示すように、可撓管11の端部から引き出したフレックス12の部分の内径を広げて、接続口金15の小径部15aの外周に嵌合し、フレックス12の先端を段差部15bの端面に突き当てる。
ついで、図5に示すように、接続口金15に嵌合したフレックス12の嵌合部分に半田を付きやすくするための溶剤を塗布し、そのフレックス12が嵌合した部分の領域内における全周に溶融した半田を付けて、フレックス12を接続口金15に半田付け固定する。その後に上記溶剤を洗浄して除去する。
この後、半田部16の外表面および接続口金15の段差部15bの端面にわたり、接着剤を塗布し、図6に示すように、ブレード13と外皮14を半田部16の外表面に引き込んで、ブレード13と外皮14を半田部16に接着する。また、このとき、ブレード13と外皮14の間も接着するようになる。このようにして、ブレード13と外皮14及び半田部16が互いに接着し合い封止状態になる。そして、接着部17により、半田部16とブレード13と外皮14の各間の水密を保つことができる。
【0016】
最後に、図7に示すように、外皮14から接続口金15にわたり、その外周に熱収縮チューブなどのカバー部材18を密に被嵌し、これにより接続作業を終了する。
【0017】
このカバー部材18を組み付けることにより、水密性が確実になる。また、カバー部材18を外皮14から接続口金15にわたり被嵌する際、接着剤を塗布して接着するようにしても良い。
【0018】
本実施形態によれば、可撓管11の金属製フレックス12を接続口金15の外周に外側から接合作業ができるので、接続口金15の外周部全周にわたって半田付けによる接合が可能となり、金属製フレックス12と接続口金15の接続性を高めて両者を確実に接合できる。そして、可撓管11と接続口金15の固定と、フレックス12と接続口金15の電気的導通性を高め、かつ、両者の接続力を強化する。また、可撓管11の端部からフレックス12を引き出し、このフレックス12の引き出し端部を接続口金15の外周部に被嵌して溶剤を塗布し半田付けするため、その溶剤の塗布及び半田付けした後の溶剤の洗浄作業が容易である。また、接続口金15には半田付けのための切り欠き部が無くなることで、接続口金15の原価が低減できる。
【0019】
なお、上記実施形態では可撓管11の金属製フレックス12を接続口金15の外周に半田付けによりろう接合して固定するが、この接合作業を開放した外側から容易に行なうことができる。また、半田付けの代わりに例えばレーザー溶接等の溶接による接合手段によって接合固定することも可能であり、その場合の溶接作業も容易である。
【0020】
(第2の実施形態)
図8〜11を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では可撓管11のブレード19の材質、接続口金15に可撓管11の端部を取付ける構造以外は前述した第1の実施形態と同様のものであり、それらの詳細な説明は省略する。
【0021】
図8に示すように、上記可撓管11は内側から順に積層される、ステンレスなどの金属部材で作られた螺旋管状部材のフレックス12と、網管状のブレード19と、熱可塑性エラストマ等からなる外皮20とで構成されている。上記ブレード19は金属製素線を編組して網状に形成した構成であるが、前述した第1の実施形態と同様に繊維部材で形成したものでも良い。
【0022】
上記可撓管11の両端には内視鏡における操作部やコネクタまたは挿入部の湾曲部に連結するための接続口金15がそれぞれ設けられている。この接続口金15の可撓管接続側端部には可撓管11のブレード19の端部を被嵌する第1小径部21が形成されている。第1小径部21の終端には前述した第1の実施形態と同様にその終端から立ち上がる壁により可撓管11の端面を突き当てる段差部15bが形成されている。
【0023】
第1小径部21の領域には接続口金15の端から第1小径部21の全長よりも短い長さで第1小径部21より小さい径の第2小径部22が形成されている。この第2小径部22には半田付けしたフレックス12とブレード19が嵌め込まれ、そのフレックス12とブレード19は第2小径部22に半田付けにより接合されている。この半田部16は第2小径部22の領域内に位置することになる。また、第1小径部21の外周面から第2小径部22の外周面までの深さはこれに嵌め込むフレックス12とブレード19を重ね合わせた両者の厚さである。このため、ブレード19の外周面は第1小径部21の外周面に一致する。
【0024】
また、外皮20の先端部分は除去されており、この除去部位により接続口金15に接続する接続部を構成している。半田部16のブレード19と接続口金15の第1小径部21の残る外周面の両者にわたり、それらの外周にはそれを覆うように配置した水密保護のための弾性ゴム状の外皮23が設けられている。この弾性を有する外皮23は上記外皮20の厚さに比べて最終的に薄くなるものである。
【0025】
この外皮23の外周には糸24が一重に密に強く巻き付けられ、外皮23を締め付け固定するようになっている。また、糸24は接着剤25で固着されており、接続部の外周面を覆うように配置した水密性のある接着固定部26を形成している。
【0026】
以下に、上記可撓管11を接続口金15に組み付ける製造手順について説明する。
まず、図9に示すように、可撓管11の接続端部における外皮20を剥がし、フレックス12とブレード19を露出して、溶剤を塗布し、このフレックス12とブレード19を半田付けする。半田付け後に洗浄し、溶剤を除去する。
【0027】
次に、図10に示すように、半田付けしたフレックス12とブレード19の部分を接続口金15における第1小径部21の外周部に被せ、このフレックス12およびブレード19を接続口金15の第1小径部21全周にわたり半田付け固定する。
【0028】
この後、図11に示すように、半田部16のブレード19と第1小径部21に残る外周面の両者にわたりそれらの外周を密に覆うように弾性ゴム状の外皮23を被せる。外皮23の先端は段差部15bの端面に当て、外皮23の後端は上記外皮20の端面に当て配置する。外皮23の外周に糸24を巻き付けて縛り上げ、さらに、巻き付けた糸24を接着剤25で接着し固定する。これにより接続作業を終了する。
【0029】
本実施形態によれば、糸縛りによって外皮23を締結し、水密性を保つため、接続口金15に可撓管11を接続する接続部の水密性を確保できる。
【0030】
この実施形態の場合も可撓管11の金属製フレックス12を接続口金15の外周に半田付けによって、ろう接合して固定したが、この半田付けの代わりに例えばレーザー溶接等の溶接による接合手段によって接合固定することも可能である。
【0031】
なお、本発明は、医療用内視鏡のみならず、工業用内視鏡にも適用が可能である。また、内視鏡以外の可撓管を用いる医療機器にも適用が可能である。本発明において半田と呼ぶ場合、狭義の半田以外のろう付け材料を含む。さらに、本発明において溶融金属で接合するとはろう接合と溶接接合の両者を含む。
【0032】
(第3の実施形態)
図12に示すように、本実施形態に係る内視鏡30は、体腔内に挿入する長尺な挿入部31と、その挿入部31の基端に連設された操作部32とで構成されており、操作部32には、接眼部33、照明用光源装置に接続されるライトガイドコードまたは携帯用小型光源を接続するための照明接続部34が設けられている。
【0033】
上記挿入部31は、上記操作部32に連設された屈曲自在な長尺の可撓管35と、この可撓管35の先端に連設された先端構成部36とからなり、先端構成部36には、照明光学系と対物光学系(図示せず)が設けられている。挿入部31の可撓管35内には、図示しないイメージガイドファイバ束やライトガイドファイバ束などの光伝達用部材や他の内蔵部材が挿通されており、これらの内蔵部材の先端部分は、上記先端構成部36内において所定部位に固定されている。イメージガイドファイバ束は、対物光学系に接続され、ライトガイドファイバ束は、照明光学系に接続されている。
【0034】
上記可撓管35は図12に実線で示すように挿入部31をフリーな状態で空中に水平におくとき、その挿入部31の自重によって図12に点線で示すように垂れ下がらない程度の硬度を有している。このため、挿入部31はその延出方向に向けて略直線形状を維持しようとする。このような内視鏡30の挿入部31にあっては、任意の方向に向けるとき、自重によって可撓管35が垂れ下がるようなことがなく、その影響を考慮することなく、挿入部31を操作できる。
【0035】
このような内視鏡30であれば、内壁面に凹凸のある体腔内に略水平に内視鏡30を挿入する際、挿入部31が自重で垂れ下がることにより、意図しない方向に先端構成部36が向いてしまうことがない。このため、湾曲操作などにより挿入方向を制御する必要がなく、挿入部31の取り回し操作が容易である。また、挿入部31の可撓管35は軟性であるため、誤操作や患者が不用意に動いてしまった場合にあっても、体腔内の形態に追従し、体腔内の粘膜に過剰な負担をかけない。
【0036】
(第4の実施形態)
図13に示すように、本実施形態に係る内視鏡30は体腔内挿入部31と操作部32とで構成されており、操作部32には接眼部33、湾曲操作ノブ37、鉗子などの患部処置具挿入口38、照明用光源装置に接続されるライトガイドコードまたは携帯用小型光源を接続するための照明接続部(図示せず)が設けられている。上記挿入部31は上記操作部32に連設された屈曲自在で長尺な可撓管35と、この可撓管35の先端に連設された湾曲管39と、この湾曲管39の先端構成部36とからなっている。
【0037】
上記先端構成部36には、照明光学系、対物光学系、処置具出入口などが設けられている。湾曲管39は上記操作部32の湾曲操作ノブ37による操作により湾曲させられるものであり、湾曲することにより先端構成部36を任意の方向に向け得るようになっている。挿入部31の可撓管35内と湾曲管39内には、イメージガイドファイバ束やライトガイドファイバ束等の光伝達用部材、処置具挿通管、湾曲操作ワイヤ(何れも図示せず)などの内蔵部材が挿通されており、これらの内蔵部材の先端部分は、先端構成部36内の所定部位に固定されている。
【0038】
上記可撓管35は、硬度の異なる可撓管35a,35bからなり、それぞれの可撓管35a,35bは、図13の実線によって示すようにフリーな状態で空中に水平に配置したとき、挿入部31が自重によって図13の点線によって示すように垂れ下がらないだけの硬度と長さを有している。この場合、先端側に位置する可撓管35bは、基端側に位置する可撓管35aよりも硬度が低い。この硬度差を考慮し、その分、先端側に位置する可撓管35bの長さを、基端側に位置する可撓管35aに比べて短くしてある。
【0039】
このような内視鏡30にあっては、挿入部31の体腔内挿入時、先端構成部36が体腔内粘膜に押圧された場合、可撓管35aよりも硬度の低い先端側に位置する可撓管35bの方が先に屈曲する。また、湾曲操作ノブ37を操作することにより、湾曲管39を湾曲させ、挿入部31の先端構成部36を任意の方向に向けることができる。
【0040】
このように硬度の異なる部分を有する可撓管35を構成する内視鏡30によれば、可撓管35を単一の硬度で構成する場合に比べて、より硬度の低い部位を先端側に設けることができるため、誤操作や患者が不用意に動いてしまった場合にも、先端構成部36が体腔内の粘膜を過剰に押さず、患者に与える負担を小さくできる。また、湾曲機構により、挿入部31の先端構成部36を直視方向だけでなく体腔内の任意の方向に向けて観察することが可能である。
【0041】
(第5の実施形態)
図14に示すように、内視鏡の挿入部における可撓管41は、内側から順に、フレックス42、ブレード43及び樹脂層44で積層した多層構造のものであり、全長にわたり可撓性を呈するようになっている。通常、フレックス42は、金属または非金属材料の帯状材をスパイラル状に巻いたものであり、また、ブレード43は、金属材または非金属材を筒状に編組み構成したものである。可撓管41は途中から硬さが異なり、例えば、以下に挙げるような構成のものとすることにより、手元側部分41aの硬さが、先端側部分41bの硬さよりも、相対的に硬くなるようにしてある。
【0042】
a.第1の例としては、フレックス42とブレード43については同じく形成されるが、手元側部分41aと先端側部分41bとでは、樹脂層44のみが相違する。つまり、手元側部分41aの樹脂層44をポリエステル樹脂で形成し、先端側部分41bでの樹脂層44をシリコーン樹脂で形成したものである。ブレード43と樹脂層44とは一体的に固着すると良い。ブレード43の外周に樹脂層44を押出し成型すれば、ブレード43と樹脂層44を容易に固着することができる。
【0043】
また、シリコーン樹脂は、ポリエステル樹脂よりも柔らかいので、手元側部分41aの硬さよりも、先端側部分41bの硬さが相対的に柔らかくなる。ポリエステル樹脂やシリコーン樹脂はいわゆるオートクレーブ耐性が高いので、オートクレーブ耐性のある2段可撓性可撓管を提供できる。
【0044】
b.第2の例としては、フレックス42とブレード43は同じく形成し、手元側部分41aでの樹脂層44を高硬度のポリエステル樹脂で形成する一方、先端側部分41bでの樹脂層44を、シリコーン樹脂または低高硬度のポリエステル樹脂で形成したものである。この例においても、ブレード43と樹脂層44とを一体的に固着すると良い。ブレード43の外周に樹脂層44を押出し成型すれば、ブレード43と樹脂層44とを容易に固着することができる。手元側部分41aの樹脂層44のみをブレード43に固着するようにすれば、その構成の差によって手元側部分41aを先端側部分41bに比べて硬く出来る。
【0045】
この構成によっても、手元側部分41aの硬さを高めることができる。また、ポリエステル樹脂やシリコーン樹脂はいわゆるオートクレーブ耐性が高いので、オートクレーブ耐性のある2段可撓性可撓管を提供できる。
【0046】
c.第3の例としては、内側から順に、フレックス42、ブレード43及び樹脂層44によって可撓管41を構成するが、内部構造体(芯材)としてのフレックス42または/およびブレード43を金属製とし、手元側部分41aでの内部構造体(芯材)としてのフレックス42または/およびブレード43を焼鈍し処理を施し、先端側部分41bでのフレックス42または/およびブレード43を焼鈍し処理無しとする。この焼鈍し処理の有無によって、手元側部分41aを硬く、先端側部分41bを相対的に柔らかく構成した。
【0047】
d.第4の例としては、手元側部分41aでの内部構造体(芯材)としてのフレックス42または/およびブレード43の表面に表面コート層(図示せず)を形成し、先端側部分41bでの内部構造体(芯材)としてのフレックス42または/およびブレード43には表面コート層を形成せず、その表面コート層の有無によって手元側部分41aの硬さが、先端側部分41bの硬さよりも相対的に硬くなるようにしたものである。上記表面コート層を、フッ素系樹脂コートにすると、オートクレーブ耐性がより高まる。また、外装の樹脂層44にはオートクレーブ耐性のあるポリエステル樹脂やシリコーン樹脂を用いると良い。
【0048】
e.第5の例としては、可撓管41の内部構造体(芯材)を構成するフレックス42または/およびブレード43の表面に表面コート層(図示せず)を形成し、先端側部分41bでの表面コート層は薄く、手元側部分41aのコート層は厚く形成したものである。これは、表面コート層の厚さの違いによって、手元側部分41aの硬さが、先端側部分41bの硬さよりも相対的に硬くなるようにしたものである。上記表面コート層を、フッ素系樹脂コートにすると、オートクレーブ処理耐性が高まる。
【0049】
f.第6の例としては、フレックス42、ブレード43及び樹脂層44で積層した多層構造の可撓管41において、手元側部分41aでの樹脂層44aには、オートクレーブ処理耐性のあるFEP等の比較的硬い第1の熱収縮チューブを用い、先端側部分41bでの樹脂層44bには、同じくオートクレーブ処理耐性のあるポリオレフィンやシリコーン樹脂等の比較的柔らかい第2の熱収縮チューブを用い、オートクレーブ処理耐性と、可撓性の違いを同時に得るようにしたものである。また、熱収縮チューブの肉厚を増減させ、手元側部分41aと先端側部分41bでの硬さを変えるようにしても良い。この例では、熱収縮チューブを使用するので、可撓管の組立製造が容易である。
【0050】
g.第7の例としては、図15に示すように、フレックスが省略され、ブレード43と樹脂層44によって形成され、手元側部分41aでは、ブレード43の内側に樹脂層46を形成したものである。手元側部分41aに樹脂層46を加えることにより、これがない先端側部分41bに比べて、可撓性の硬さに差を出すようにしたものである。
【0051】
上記内層の樹脂層46は、図16に示すような段付の芯金47をブレード43内に同軸的に挿入して押出し成型する。この後、ブレード43の外周に外側の樹脂層44を押出し成型するようにする。内層の樹脂層46と外側の樹脂層44を同時に押出し成型しても良い。いずれの場合にも、樹脂層44,46をブレード43に固着させて一体化することができる。
【0052】
なお、上記各例の技術的事項を任意に組み合わせて適用して可撓管41の手元側部分41aと先端側部分41bでの硬さを変えるようにしても良い。
【0053】
(第6の実施形態)
本実施形態は、上述した第5の実施形態に係る内視鏡の可撓管41の構成において、図17に示すように、手元側部分41aと先端側部分41bを接続管51によって接続するようにしたものである。手元側部分41aと先端側部分41bの構成については上述した付記第3群の第1実施形態のものが適用できる。接続管51は中途部外周の全周にわたり鍔52が一体に形成されている。
【0054】
そして、図17に示すように、手元側部分41aの先端を接続管51の基端側部分の外周に被嵌して先端を接続管51の鍔52に突き当てると共に、先端側部分41bの基端を接続管51の先端側部分の外周に被嵌して基端を接続管51の鍔52に突き当て、その被嵌部と突当部を接着等によって接続するようにした。
【0055】
このような構成によれば、手元側部分41aと先端側部分41bを硬質の接続管51で連結するため、その手元側部分41aと先端側部分41bの接続強度を高めることができる。さらに、手元側部分41aと先端側部分41bの間に設けた接続管51の部分が、手元側部分41aと先端側部分41bに比べて比較的硬質の部分となり、この接続部分を、挿入部の途中部分を指で保持する握り部45とする。この握り部45には、比較的硬質な接続管51が位置するため、指で握り締めても潰れず、接続管51をしっかりと握り締めることができる。
【0056】
また、接続管51の一部分(鍔52)が可撓管41の外に露出しているので、これを標示として可撓管41の握り部45の位置を眼で確認できる。握り部45の位置にマーキングを施しても良い。また、接続管51を可撓管41の外に露出させないで、接続管51を可撓管41の樹脂外装層の中に埋め込み配置するようにしても良い。この場合、接続管51に対応した該可撓管41の表面にマーキング等を施して握り部45の位置を標示させるようにするのが良い。また、鍔52のない単なるパイプ状の接続管51を使用しても良いが、この場合は、手元側部分41aと先端側部分41bの端面同士を突き当て接着等により直接的に接続すると良い。握り部45の標示として、彩色差、他の部分との明度差、マークを付すなどの方式もある。
【0057】
本実施形態では柔らかさの異なる手元側部分41aと先端側部分41bを接続する接続管51の部分を握り部45としているので、内視鏡挿入時に、その握り部45を握り、比較的柔らかい可撓管41が潰れることがない。内視鏡挿入時には、可撓管41を、強くつまみ、ひねりながら押し込むなど、可撓管41に力を与える。このような場合でも、可撓管41が潰れない。また、接続管51を用い、柔らかさの異なる手元側部分41aと先端側部分41bの接続部分を可撓管41の握り部45として兼用することができ、無駄のない構成の内視鏡が得られる。なお、接続管51を用いて柔らかさの異なる基端側部分と先端側部分を接続し、その接続部分を握り部とする特徴は、上述したように可撓管をオートクレーブ耐性とした場合に限らず、一般的な可撓管の場合にも適用できる。
【0058】
(第7の実施形態)
図18を参照して本実施形態の電子式内視鏡について説明する。図18は内視鏡操作部の本体ケースの後端に設けた後口金61と、挿入部62の基端部とを接続する部分の縦断面図である。
【0059】
上記挿入部62は内層樹脂63と外層樹脂64の間に金属製のブレード65を介在させた密着三層構造のトルクチューブ66によって構成されている。トルクチューブ66の基端部分は、操作部側の後口金61の内側に嵌め込まれた状態で後述するように後口金61に接続される。
【0060】
上記後口金61は、挿入部62側へ突き出し形成された筒状の接続用口金部67を含み、この接続用口金部67は、後口金61と一体の導電性部分となっている。また、図18に示すように、後口金61の内側には、接続用口金部67から後口金61の本体部分にわたって延びる金属製の接続管68が配置されている。そして、上記トルクチューブ66の基端部分を、接続用口金部67と接続管68の間に挟み込み、後述する接続用チューブ73と接着剤69によって後口金61に固定されている。
【0061】
図18に示すように、トルクチューブ66と接続用口金部67との間には、金属製の導通パイプ71が密に介在している。導通パイプ71には内側に向けて切り起こした複数の導通爪72が設けられ、各導通爪72は斜め後方に向いて傾斜している。導通爪72はトルクチューブ66の外層樹脂64に突き刺さり、外層樹脂64を突き抜けて金属製のブレード65に突き刺さって接触し、電気的に導通している。導通パイプ71はその複数箇所に設けられている導通爪72を介して金属製のブレード65に導通する。通常、導通パイプ71は接続用口金部67内に嵌め込まれた状態で通常の接着剤による接着、導電性接着剤による接着、または半田等のろう付け手段によって接続用口金部67に固定されるが、接続用口金部67の内面に接合するだけのものであっても良い。
【0062】
図18に示すように、上記トルクチューブ66の基端部分を接続した接続用口金部67には、接続用チューブ73がトルクチューブ66にわたり被せられている。接続用チューブ73は接続用口金部67からトルクチューブ66の基端部分にわたり被嵌することにより、接着剤69で接着した接続部の接続強度を高め、且つ、その接続部を保護するようになっている。なお、上記接続用チューブ73は熱収縮チューブであっても良い。
【0063】
また、図18に示すように、後口金61には折止めチューブ74が取着されている。この折止めチューブ74は、接続用チューブ73を越える位置まで延びる長さのものである。接続用チューブ73は折止めチューブ74によって完全に覆われている。
【0064】
次に、後口金61にトルクチューブ66を組み付ける方法について説明する。後口金61にトルクチューブ66を組み付ける前に、予め、トルクチューブ66の基端部を接続管68に被せる。トルクチューブ66と接続管68を接着しても良い。
【0065】
その後、トルクチューブ66の基端部の外周に導通パイプ71を被せる。このとき、導通爪72は斜め後方に向いて傾斜しているので、トルクチューブ66の基端側から導通パイプ71を被せれば、導通爪72の引っ掛かりは少なく、導通パイプ71をトルクチューブ66の基端部の外周に比較的容易に嵌め込むことができる。
【0066】
そして、導通パイプ71を僅かに戻せば、図18に示すように、導通爪72はトルクチューブ66の外層樹脂64に突き刺さり、外層樹脂64を突き抜けて金属製のブレード65に突き刺さって接触し、電気的に導通する。この際、トルクチューブ66の外周に導通パイプ71を接着しても良い。
【0067】
次に、接続管68と導通パイプ71を組み付けたトルクチューブ66の基端部を、接続用口金部67内に差し込む。
【0068】
最後に、上記接続用口金部67からトルクチューブ66の露出外周にわたり接着剤69を塗布し、且つ、それらの外周にわたり接続用チューブ73を被せて、接着固定する。
【0069】
なお、上記組立手順とは別に、トルクチューブ66を後口金61に組み付ける前に、接続用口金部67内に導通パイプ71を組み付け、その後に、トルクチューブ66を導通パイプ71内に差し込むようにして組み立てても良い。この場合にあっては、導電性接着剤による接着または半田等のろう付け手段によって、接続用口金部67と導通パイプ71を予め固定しておくことができる。
【0070】
なお、導通パイプ71の導通爪72の向きを斜め前方に向けても良い。この場合には導通パイプ71内にトルクチューブ66を差し込み難いが、導通パイプ71に割りを形成するなどによって挿入し易くできる。
【0071】
以上の如く、本実施形態にあっては、トルクチューブ66を後口金61に接続する場合、トルクチューブ66の基端部と、接続用口金部67との間に介在させた金属製の導通パイプ71に複数の導通爪72を設け、この導通爪72によって導通パイプ71とブレード65との電気的導通を確保する。したがって、ブレード65により電磁波を遮蔽する場合のグランドを安定的に形成できる。また、図18に示すように、導通パイプ71に設ける導通爪72を内向き後方に傾斜させて形成しているため、その導通爪72は外層樹脂64とブレード65にわたり斜め後方に突き刺さり、挿入部62のトルクチューブ66の抜け防止に寄与する係止力を高める。
【0072】
(第8の実施形態)
この実施形態の基本的構成は上述した第7の実施形態のものと同じであるが、図19に示すように、導通パイプ71は内側に向けて設けた導通爪72のほかに、外側に向けた複数の導通爪76を設ける点で相違する。外側の導通爪76は導通パイプ71に外側に向けて切り起こして形成され、各導通爪76は斜め前方に向けられている。
【0073】
この外側に向けた複数の導通爪76の先端は、接続用口金部67の内面に突き当たり、部分的に食い込むように係止する。このため、接続用口金部67と導通パイプ71の結合強度を高める。また、この導通爪76を介しての接続用口金部67と導通パイプ71の電気的導通が良好になる。接続用口金部67を導通パイプ71より柔らかい金属材料または導電性材料によって形成すれば、導通爪76の食い込みがより一層、良くなる。
【0074】
本実施形態によれば、導通パイプ71による接続用口金部67とトルクチューブ66の金属製ブレード65との電気的導通が確保できる。特に、接続用口金部67と導通パイプ71を接着する場合でもその間の電気的導通を確保できるようになる。
【0075】
なお、上記各実施形態では、トルクチューブ66を、口金部67の内側に組み付けるようにしたが、上記口金部67の外側にトルクチューブ66を被せて組み付けてもよく、この場合には、上記口金部67と上記トルクチューブ66との間に、外向きの導通爪を有した導通パイプ71を介在させて上記導通爪が内層樹脂63を突き抜けて上記導電性ブレード65に突き刺さって上記口金部67と上記導電性ブレード65を電気的に導通させるようにすると良い。
【0076】
また、上記実施形態での接続管68とトルクチューブ66との間に、外向きの導通爪を有した導通パイプ71を介在させ、上記導通爪が内層樹脂63を突き抜けて上記導電性ブレード65に突き刺さって上記接続管68と上記導電性ブレード65を電気的に導通させるようにしても良い。上記接続管68は上記口金61と導通する部材であるため、上記導電性ブレード65を上記口金61に電気的に導通させることができる。
【0077】
(第9の実施形態)
図20を参照して本実施形態の内視鏡について説明する。図20は前述したような内視鏡における挿入部の湾曲部に組み込む最先端の節輪85にアングルワイヤ86を接続した状態での一部を縦断して示す断面図である。挿入部の湾曲部には複数の節輪85を順次枢着して回動自在になっており、挿入部内に挿通したアングルワイヤ86の先端を最先端に位置する節輪85に固定し、そのアングルワイヤ86を手元側に引くことによって湾曲部を牽引側へ湾曲させ得るようになっている。
【0078】
上記最先端の節輪85は円筒状の金属製部材によって構成されている。この節輪85にはその壁部の一部を内側に切り起こして、アングルワイヤ86を通す固定リング部87を形成してあり、この固定リング部87に、アングルワイヤ86を通した状態で、例えば、切り起こし孔側から銀ろう等を注入して、ろう付け固定されている。この固定リング部87の部分は、アングルワイヤ86の中途部を固定する第1の固定部となっている。
【0079】
また、節輪85には、上下のアングルワイヤ86にそれぞれ対応した別々の固定リング部87が節輪85の略上下各位置に配置されている。さらに、節輪85には、上記固定リング部87よりも前方に位置して、孔88が貫通する状態で形成されており、この各孔88にはアングルワイヤ86の最先端を差し込み、アングルワイヤ86の先端を節輪85の外側まで引き出して半田付け固定されるようになっている。この各孔88の部分はアングルワイヤ86の先端を固定する第2の固定部となっている。
【0080】
図20に示すように、第2の固定部の孔88は挿入部の前後方向に長いスリット状の長孔からなり、アングルワイヤ86の先端部を斜めに入り込ませるようになっている。スリット状の長孔の幅は、アングルワイヤ86が丁度密に嵌り込める程度が好ましい。アングルワイヤ86の先端部分は一箇所ではなく、前後に離れた第1の固定部と第2の固定部の2箇所で固定される。
【0081】
次に、上記節輪85にアングルワイヤ86を接続する方法について説明する。まず、アングルワイヤ86を固定リング部87に挿通し、さらに、アングルワイヤ86の先端部分をスリット状の孔88に差し込み、アングルワイヤ86の先端を節輪85の外側まで引き出し、スリット状の孔88に沿わせて斜め前方に向ける。
【0082】
そして、アングルワイヤ86の長さを調節して固定リング部87に対する固定位置を決める。固定リング部87に対するアングルワイヤ86の位置が決まったところで、固定リング部87に挿通したアングルワイヤ86の部分を、固定リング部87に銀ろうによってろう付け固定する。
【0083】
次に、スリット状の孔88に沿わしたアングルワイヤ86の先端部分を半田付けにより固定する。ついで、節輪85の外側まで引き出したアングルワイヤ86の余分な先端部分を切除し、スリット状の孔88からアングルワイヤ86の先端部分が突き出さないように処理する。したがって、アングルワイヤ86が節輪85の外にはみ出さない。このため、アングルワイヤ86によって、この固定部分が太くはならない。
【0084】
上記アングルワイヤ86は前後に離れた第1の固定部と第2の固定部の2箇所で固定されるので、両固定部の協同によってアングルワイヤ86を節輪85にしっかりと固定できる。また、コンパクトな構成で挿入部の細径化も確保できる。
【0085】
また、最初に固定リング部87にアングルワイヤ86の部分を、銀ろうによって固定し、この後、アングルワイヤ86の先端部分をスリット状の孔88に半田付けによって固定するようにしたから、手順よくアングルワイヤ86を組み立てることができる。組立性の向上が図れる。
【0086】
さらに、最初に固定する固定リング部87には、溶融温度の高いろう材の銀ろうによってろう付け固定し、その後に固定する孔88には、溶融温度の低いろう材の半田によってろう付けするため、後から行うろう付け作業の際の熱によって先にろう付けした固定リング部87の部分のろう材を溶融させてしまうことがない。よって、作業組立性の向上が図れる。
【0087】
なお、上記実施形態では、アングルワイヤの固定部を、湾曲部の最先端の節輪に設けたが、最先端の節輪を組み付ける先端部の筒状部材に設けるようにしても良い。
【0088】
(第10の実施形態)
図23を参照して本実施形態について説明する。本実施形態に係る内視鏡の可撓管の構成および可撓管と口金の接合方法以外は、特開平10−309261号公報や特開平6−142039号公報に示されている電子内視鏡と同様の構成である。
【0089】
図23に示すように、内視鏡の可撓管101は、内側から順に、導電性材を編組した筒状のブレード102と、ステンレス等の導電材料で作られた螺旋管状部材のフレックス103と、ガラスファイバなどの繊維材を編組した網状のブレード104と、シリコン樹脂などの外皮105の順で重ねて構成されている。
【0090】
上記ブレード102の外径は、フレックス103の内径よりも大きい径を有しており、これによって、ブレード102はフレックス103の内周面に張り付くように組み付けられている。上記ブレード102は不要輻射ノイズの放射を低減できる材料であれば、網状部材でなくても良い。
【0091】
上記可撓管101の両端には、内視鏡の操作部や電気コネクタ部などを連結するための接続口金106と、上記接続口金106に設けられ、ブレード102の内周面と嵌合する第1の嵌合部107と、上記ブレード102の外周面とフレックス103とが嵌合する第2の嵌合部108と、接続口金106と可撓管101とを水密構造にするための接着部109と、熱収縮チューブなどの水密を保護するためのカバー部材110とが構成されている。上記嵌合部107,108は半田111,112によって確実にブレード102とフレックス103とを電気的に導通させている。また、上記半田111,112の代りに導電性接着剤を用いても良い。
【0092】
このような構成の可撓管101を内視鏡の操作部および電気コネクタ部に確実に導通させて組み付ける。それによって、内視鏡の先端部から可撓管101、電気コネクタまで確実に導通させることができ、可撓管101に設けたブレード102によって不要輻射ノイズの放射及び混入が大幅に低減させることができる。また、ブレード102は可撓管101の最内層に位置しているため、オートクレーブ滅菌によって、万一、最内層のブレード102が破断したとしても、外皮105までの間に、フレックス103およびブレード104が介在しているため、外皮105を突き破るような可能性はなくなる。
【0093】
上記可撓管101によれば、不要輻射ノイズの放射および混入を防ぐことができるため、他の医療電気機器に不要輻射ノイズの影響を与えない内視鏡を提供することができる。可撓管101の最内層にブレード102を構成することで、可撓管101の内面の凹凸が減少し、内蔵物の挿入性を向上することができる。可撓管101の最内層にブレード102を構成することで、内面の凹凸が減少し、可撓管101を屈曲させた際の内蔵物の噛まれを防止することができる。さらに、ブレード102が外皮105を突き破る可能性がないため、オートクレーブ滅菌対応の内視鏡用可撓管に使用することができる。
【0094】
上記説明によれば、以下の付記項の事項またはそれらの組み合わせ事項のものが得られる。
<第1の実施形態及び第2の実施形態の付記項>
1.接続部材に接続するフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管において、
長尺な弾性体を螺旋状に巻いて管状に形成したフレックス部材と、
上記フレックス部材の接続側端部の開口部を拡径して、この広げられた接続側端部の内部空間に挿入した接続部材と、
上記フレックス部材と上記接続部材の嵌め合い部における上記フレックス部材に形成された螺旋状の隙間から注入した溶融金属によりまたは溶接により上記フレックス部材と上記接続部材を接合した接合部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管。
2.上記フレックス部材の接続側端部を被嵌する、上記接続部材の外周部を小径部としたことを特徴とする第1項に記載の内視鏡用可撓管。
【0095】
3.接続部材に接続するフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管において、
長尺な弾性体を螺旋状に巻いて管状に形成したフレックス部材と、
上記フレックス部材の接続側端部を被嵌し、この接続側端部が被嵌する外周部分を小径部とした接続部材と、
上記フレックス部材の端部と上記接続部材の小径部との嵌め合い部における上記フレックス部材の端部に形成された螺旋状の隙間から注入した溶融金属によりまたは溶接により上記フレックス部材と上記接続部材を接合した接合部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管。
4.上記接合部を覆うカバー部材を有し、上記カバー部材は、ブレードを内挿した外皮からなり、上記接合部に固定したことを特徴とする第3項に記載の内視鏡用可撓管。
5.上記接合部を覆うカバー部材を有し、上記カバー部材は上記接合部を覆う外皮からなり、上記外皮の外周に糸を巻き付けて上記外皮を締め付け、上記糸を接着剤で固定したことを特徴とする第3項に記載の内視鏡用可撓管。
6.内側から、フレックス部材(螺旋管)、ブレード(網状管)、外皮を順次積層して形成した可撓管の端部に内視鏡の操作部本体および/または湾曲部へ連結する接続口金を有した内視鏡用可撓管において、
可撓管の端から上記フレックス部材の端部を引き出す工程と、
上記引き出し工程により引き出した上記フレックス部材の端部の内径を広げる拡径工程と、
上記拡径工程により内径を広げたフレックス部材の開口部に上記接続口金を挿入してフレックス部材と接続口金を嵌め合わせる嵌合工程と、
上記嵌合工程により嵌め合わせたフレックス部材と接続口金を固定する接合工程と、
を有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
7.上記接合工程はフレックス部材と接続口金を半田等の溶融金属にて固定することを特徴とする第6項に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0096】
<第3の実施形態及び第4の実施形態の付記項>
1.操作部より軟性挿入部が延出する内視鏡において、上記軟性挿入部は、自重により垂れ下がらずに延出方向に略直線的な形状を維持するための硬度を有することを特徴とする軟性鏡。
2.第1項において、上記軟性挿入部は、硬度の異なる複数の可撓管を有することを特徴とする内視鏡。
3.第2項において、上記軟性挿入部は、湾曲部を有するとともに、上記操作部は、上記湾曲部を湾曲操作するための湾曲操作機構を有することを特徴とする内視鏡。
【0097】
(第3の実施形態及び第4の実施形態の発明の従来の技術)
硬性内視鏡は、挿入部が硬性であるため、術者は、生体内腔を観察する際に誤操作や患者が不用意に動くことにより患者の粘膜を挿入部で穿孔してしまわないようにその使用に際して十分な注意を払う必要性があった。一方、挿入部が軟性で先端に湾曲機構が設けられた軟性内視鏡にあっては、挿入部の軟性部が自重によって大きく撓み易いため、術者は、生体内腔の形状に合わせて挿入部の軟性部の撓みを考慮しながら湾曲機構を利用してゆっくりと挿入部を挿入していかねばならず、熟練した技術の習得が必要であった。
【0098】
(第3の実施形態及び第4の実施形態の発明が解決しようとする課題)
この発明の目的は、生体内腔への挿入時に取り回し性の良い内視鏡を提供することである。
【0099】
(第3の実施形態及び第4の実施形態の発明の作用)
この発明における内視鏡の操作部を任意の方向に向けて把持したとき、内視鏡の挿入部がその自重によって垂れ下がることがなく、挿入部の延出方向に向けて略直線形状を維持する。
【0100】
(第3の実施形態及び第4の実施形態の効果)
この発明によれば、内壁に凹凸のある管腔に略水平に内視鏡を挿入する際、挿入部が自重で垂れ下がることにより意図しない方向に先端部が向いてしまうことがないため、湾曲操作などにより挿入部の挿入方向を制御する必要がなく、挿入部の取りまわしが容易である。また、挿入部は軟性であるため、誤操作や患者が不用意に動いてしまった場合にも体腔内の粘膜に与える負担を軽減できる。
【0101】
<第5の実施形態及び第6の実施形態の付記項>
1.挿入部における可撓管は、内側から順に、フレックス、ブレード及び樹脂層でそれぞれ構成した先端側部分と基端側部分を有し、先端側部分の硬さが基端側部分の硬さに比べて柔らかく構成したことを特徴とした内視鏡。
2.先端側部分と基端側部分におけるフレックス、ブレード及び樹脂層の少なくとも一部の部材の形態(寸法(厚さ、幅、密度等を含む)、材料、特性等を含む)を異ならせて、先端側部分と基端側部分における硬さを変えたことを特徴とした第1項に記載の内視鏡。
3.先端側部分の樹脂層をシリコーン樹脂で形成し、基端側部分の樹脂層をポリエステル樹脂で形成したことを特徴とした第2項に記載の内視鏡。
4.先端側部分の樹脂層を低硬度のポリエステル樹脂で形成し、基端側部分の樹脂層を高硬度のポリエステル樹脂で形成したことを特徴とした第2項に記載の内視鏡。
【0102】
5.先端側部分のフレックスまたはブレードは焼鈍し無しであり、基端側部分のフレックスまたはブレードは焼鈍し有りであることを特徴とした第2項に記載の内視鏡。
6.先端側部分のフレックスまたはブレードには表面コートがなく、基端側部分のフレックスまたはブレードには表面コートがあることを特徴とした第2項に記載の内視鏡。
7.先端側部分のフレックスまたはブレードに薄い表面コートを形成し、基端側部分のフレックスまたはブレードには厚い表面コートを形成したことを特徴とした第2項に記載の内視鏡。
8.先端側部分は内側のブレードと外側の樹脂層により形成し、基端側部分は内側の樹脂層と中間層のブレードと外側の樹脂層により形成し、先端側部分と基端側部分における硬さを変えたことを特徴とした第1項に記載の内視鏡。
9.挿入部における可撓管は、先端側部分と基端側部分の間に接続管を介在させたことを特徴とした第1〜8項のいずれかに記載の内視鏡。
10.挿入部における可撓管は、基端側部分の中途部の少なくとも一個所に接続管を設けたことを特徴とした第1〜8項のいずれかに記載の内視鏡。
11.接続管の位置に対応した可撓管の外周に握把位置を示す標示を付したことを特徴とした第9〜10項に記載の内視鏡。
【0103】
(第5の実施形態及び第6の実施形態の発明が解決しようとする課題)
軟性内視鏡をオートクレーブによって滅菌する場合、高圧高温の雰囲気中に挿入部が晒されるので、挿入部の外皮を一般的な樹脂によって形成すると、その樹脂層が割れたり劣化したりする虞がある。
また、軟性内視鏡の挿入部における可撓管を柔らくすると、この挿入部を体腔内に押し込み挿入する際、押込み力が挿入部の先端側まで十分に伝え難い。
【0104】
(第5の実施形態及び第6の実施形態の発明の目的)
この第5の実施形態及び第6の実施形態の発明の目的は、挿入部の先端側の硬さが挿入部の基端側の硬さに比べて柔らかに構成することにより、挿入部の体腔内への挿入性を高めた内視鏡を提供することにある。この付記第3群の別の目的は、オートクレーブによる滅菌処置の耐性を高め、且つ、オートクレーブ耐性を維持して多段可撓性の可撓管を構成した内視鏡を提供することにある。
【0105】
(第5の実施形態及び第6の実施形態の発明の効果)
この第5の実施形態及び第6の実施形態の発明によれば、途中から硬さが異なる多段可撓性蛇管の可撓管が得られ、特に、手元側部分の硬さが、先端側部分の硬さより硬いため、体腔内に挿入部を押し込む際の押込み力が硬い手元側部分を介して先端側へ効率よく伝えることができ、内視鏡挿入部の挿入操作性を向上する。
【0106】
<第7の実施形態及び第8の実施形態の付記項>
1.内層樹脂と外層樹脂の間に導電性ブレードを介在させた三層構造のトルクチューブを口金内側に組み付けると共に、上記組付け部分の口金とトルクチューブとの間に、内向きの導通爪を有した導通パイプを介在させて、上記導通爪が外層樹脂を突き抜けて導電性ブレードに突き刺さって上記口金と上記導電性ブレードを電気的に導通させたことを特徴とする電子式内視鏡。
2.上記導通パイプに外向きの導通爪を設け、この外向きの導通爪を上記口金の内面に食い付かせて接触させたことを特徴とする第1項に記載の電子式内視鏡。
3.内層樹脂と外層樹脂の間に導電性ブレードを介在させた三層構造のトルクチューブを、口金またはこの口金に導通する部材の外側に被せて組み付けると共に、この組付け部分の口金またはこの口金に導通する部材と、上記トルクチューブとの間に、外向きの導通爪を有した導通パイプを介在させて上記導通爪が内層樹脂を突き抜けて上記導電性ブレードに突き刺さって上記口金と上記導電性ブレードを電気的に導通させたことを特徴とする電子式内視鏡。
【0107】
(第7の実施形態及び第8の実施形態の発明が解決しようとする課題)
内視鏡挿入部の可撓管は、内側から順に、フレックスと、ブレードと、外層樹脂との三層構造であった。電子式内視鏡にあっては、内部から放射する電磁波や外部から入射しようとする電磁波を遮蔽するため、金属製のフレックスやブレードを遮断部材として利用し、その遮断部材としてのフレックスやブレードを操作部の後口金に半田付けにより接続して導通させるようにしている。このため、電磁波を遮蔽するグランドを安定的に形成できた。
【0108】
しかし、特に、細い内視鏡挿入部を構成するような場合に使用される、内層樹脂と外層樹脂の間にブレードを介在させた三層構造のトルクチューブを構成する場合にあっては、ブレードを操作部の後口金に導通させて電磁波を遮蔽するグランドを安定的に形成することが難しかった。
【0109】
この第7の実施形態及び第8の実施形態の発明は、内層樹脂と外層樹脂の間に、ブレードを介在させた三層構造のトルクチューブを利用する場合、そのブレードを操作部の後口金に導通させて電磁波を遮蔽するグランドを安定的に形成することができる電子式内視鏡を提供することを目的とする。
【0110】
<第9の実施形態の付記項>
1.被検体に挿入可能な挿入部と、上記挿入部に設けられた湾曲可能な湾曲部と、
管状の部材により形成され、上記湾曲部の先端側に設けられたワイヤ接続部材と、
このワイヤ接続部材に離れて設けられた第1のワイヤ固定部と第2のワイヤ固定部と、
上記挿入部内に挿通され、先端中途部を上記第1のワイヤ固定部に固定し、先端を上記第2のワイヤ固定部に固定した、上記湾曲部を操作可能な湾曲操作ワイヤと、
を有することを特徴とする内視鏡。
2.第1のワイヤ固定部に湾曲操作ワイヤの先端中途部を相対的に融点の高いろう材によってろう付け固定し、第2のワイヤ固定部に湾曲操作ワイヤの先端を相対的に融点の低いろう材によってろう付け固定したことを特徴とする第1項に記載の内視鏡。
3.第2のワイヤ固定部は、管状のワイヤ接続部材の内外に貫通する孔からなり、湾曲操作ワイヤの先端を、ワイヤ接続部材の外からろう付け固定することを特徴とする第1項または第2項に記載の内視鏡。
4.被検体に挿入可能な挿入部と、
上記挿入部に設けられた湾曲可能な湾曲部と、
管状部材により形成され、上記湾曲部の先端側に設けられた先端部材と、
上記先端部材に設けられたワイヤ固定部と、
上記挿入部内を先端側から基端側に挿通して上記挿入部の基端側から上記湾曲部を操作可能なアングルワイヤと、
上記先端部材に設けられ上記ワイヤ固定部より先端側に位置して上記アングルワイヤを上記先端部材の内側から外側に挿通可能な貫通孔と、
上記貫通孔に設けられ上記アングルワイヤを上記先端部材に固定する引き出し固定部と、
を有することを特徴とする内視鏡。
【0111】
(第9の実施形態の発明が解決しようとする課題とその目的)
内視鏡挿入部の湾曲部は、複数の節輪を順次回動自在に枢着してなり、挿入部内に挿通したアングルワイヤの先端を最先端に位置する節輪に固定し、そのアングルワイヤを手元側に引くことによって牽引方向へ湾曲部を湾曲するようになっている。アングルワイヤの先端は最先端に位置する節輪に固定するが、このアングルワイヤを固定する従来方式としては図21で示す形式のものと図21で示す形式のものとが知られている。
【0112】
図21で示す形式のものは、一本のアングルワイヤ81の中間部分を節輪82の外周に巻き掛けると共に、そのアングルワイヤ81の両端側ワイヤ部分を節輪82に形成した孔83から節輪82内に導き入れ、挿入部内を通じて手元側に導くようになっている。この形式ではアングルワイヤ81の中間部分が節輪82の外周に掛けられるため、その分、節輪82の外周から突き出て挿入部の外径を太くする欠点があった。このため、耳鼻科用内視鏡のように、挿入部が特に細径の内視鏡にあっては影響が大きく、不都合なものであった。また、この接続形式のものにあっては、アングルワイヤ81を節輪82に組み付ける作業が面倒であった。
【0113】
図22で示す形式のものは、各アングルワイヤ81の先端部分を節輪82の内壁に切り起こし形成した固定リング部84に差し込み、その固定リング部84に半田付けで固定するようにしたものである。この接続形式では、アングルワイヤ81が節輪82の外に全く出ないので、アングルワイヤ81によって挿入部を太くするような不都合は生じない。また、アングルワイヤ81を節輪82に組み付ける作業も比較的容易であった。
【0114】
しかし、この接続形式のものにあっては、節輪82内の固定リング部84に、アングルワイヤ81の先端部を差し込み、それに半田付け固定するため、固定リング部84から突き出したアングルワイヤ81の余分な先端部分を刃物で切り落とす後処理が必要であった。また、この後処理の作業をし易くするため、図22に示すように、前方が短い節輪82としなければならず、節輪82の長さが制限されていた。その結果、その前方に組み込む、撮像素子や電気回路等の内蔵物を組み付ける筒部材を、節輪82とは別に設けなければならず、その分、先端部付近の構成が複雑になると共に、太径化を招くという難点があった。
【0115】
この付記第5群の発明は、組立作業が簡単であり、組立性が向上すると共に、構成の簡略化と細径化が図れる内視鏡を提供することを目的とする。
【0116】
<第10の実施形態の付記項>
1.内視鏡の操作部本体および電気コネクタ部へ連結する接続口金を備えた可撓管を有する電子内視鏡において、
可撓管の最内層に設けられた導電性ブレードと、上記ブレード外径よりも小さい内径を有する導電性フレックスと、上記接続口金に設けられ上記ブレードの内周面と嵌合する第1の嵌合部と、上記ブレードの外周面と上記フレックス内周面とが嵌合する第2の嵌合部とを有することを特徴とする電子内視鏡の可撓管。
【0117】
(第10の実施形態の従来技術)
特開平10−309261号公報及び特開平6−142039号公報
(第10の実施形態の発明が解決しようとする課題とその目的)
従来の電子内視鏡に用いられていた可撓管(ユニバーサルコード)は、ステンレス等の螺旋管(フレックス)に、金属繊維を編んだ網状管(ブレード)を被せ、その網状管の上を樹脂でコーティングして構成していた。このフレックス−ブレード−樹脂という構成のものでは、万一、ブレードが破断した場合、ブレードが樹脂を損傷させる可能性があった。このため、特に、オートクレーブ滅菌対応の内視鏡にあっては、オートクレーブ滅菌により金属のブレードが錆る可能性がある。このため、ガラスファイバなどの繊維部材を編んだブレードを用いた可撓管を使用していた。
【0118】
しかし、このようなオートクレーブ滅菌対応の可撓管は金属ブレードを構成していないため、可撓管において不要輻射ノイズの放射および混入の可能性があった。
この第10の実施形態の発明は不要な輻射ノイズの放射及び混入を低減することを目的とする。
【0119】
(第10の実施形態の発明の作用)
不要輻射ノイズの放射及び混入を防ぐことができる。ブレードを最内層に構成することで、内面の凹凸が減少するため、内蔵物の挿入性を向上することができる。また、ブレードを最内層に構成することで、内面の凹凸が減少するため、内蔵物の噛まれを防止することができる。尚、前述した本発明の技術思想を、この付記第6群のものに適用することも可能である。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、可撓管と接続部材との接続性を強化できる内視鏡用可撓管及びその可撓管の簡単な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の外観図。
【図2】上記第1の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続部の縦断面図。
【図3】上記第1の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図4】上記第1の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図5】上記第1の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図6】上記第1の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図7】上記第1の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続部の縦断面図。
【図9】上記第2の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図10】上記第2の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図11】上記第2の実施形態に係る内視鏡における可撓管と接続口金の接続手順の説明図。
【図12】第3の実施形態に係る内視鏡の説明図。
【図13】第4の実施形態に係る内視鏡の説明図。
【図14】第5の実施形態に係る内視鏡の可撓管の縦断面図。
【図15】上記第5の実施形態に係る内視鏡の可撓管の他の例の縦断面図。
【図16】上記第5の実施形態に係る内視鏡の可撓管を使用するときの段付芯金の側面図。
【図17】第6の実施形態に係る内視鏡の可撓管の他の例の縦断面図。
【図18】第7の実施形態の電子式内視鏡の後口金と挿入部の基端部とを接続する部分の縦断面図。
【図19】第8の実施形態の電子式内視鏡の後口金と挿入部の基端部とを接続する部分の縦断面図。
【図20】第9の実施形態の内視鏡における挿入部の湾曲部に組み込む最先端の節輪にアングルワイヤを接続した状態での一部縦断して示す断面図。
【図21】従来の一例として湾曲部の最先端節輪にアングルワイヤを接続した状態の断面図。
【図22】従来の他の例として湾曲部の最先端節輪にアングルワイヤを接続した状態の断面図。
【図23】第10の実施形態に係る内視鏡の可撓管の構成および可撓管と口金の接合部を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡、2…挿入部、3…操作部、4…ユニバーサルコード
5…コネクタ、6…先端部、7…湾曲部、8…軟性部、11…可撓管
12…フレックス、13…ブレード、14…外皮、15…接続口金
15a…小径部、15b…段差部、16…半田部、17…接着部
18…カバー部材

Claims (7)

  1. 接続部材に接続する管状のフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管の製造方法であって、
    管状に形成したフレックス部材の接続側端部の開口部を広げる拡径工程と、
    上記拡径工程により広げられた上記フレックス部材の開口部に接続部材を挿入して上記接続部材の外周に上記フレックス部材を嵌め合わせ、上記接続部材と上記フレックス部材を接合する工程と、
    を有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
  2. 管状に形成したフレックス部材を備えた可撓管を接続部材に接続する内視鏡用可撓管の製造方法であって、
    電気を導通可能な管状のフレックス部材により形成された内部空間に電気を導通可能な接続部材を挿入して上記接続部材の外周に上記フレックス部材を嵌め合わせる嵌合工程と、
    上記嵌合工程により上記フレックス部材に挿入された上記接続部材と上記フレックス部材との間を溶融金属で接合し、上記接続部材と上記フレックス部材との電気的接続をとる接合工程と、
    を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
  3. 接続工程は上記フレックス部材と上記接続部材の嵌め合い部における上記フレックス部材に形成された螺旋状の隙間から溶融金属を注入し、上記フレックス部材と上記接続部材を接合することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  4. 接続部材に接続する管状のフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管において、
    長尺な弾性体を螺旋状に巻いて形成される管状のフレックス部材と、
    上記フレックス部材の接続側端部の開口部を拡径して、この広げられた接続側端部の内部空間に挿入した接続部材と、
    上記管状のフレックス部材と上記接続部材の嵌め合い部における上記フレックス部材と上記接続部材を溶融金属で接合した接合部と、
    を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管。
  5. 接続部材に接続する管状のフレックス部材を備えた内視鏡用可撓管において、
    長尺な弾性体を螺旋状に巻いて管状に形成したフレックス部材と、
    上記フレックス部材の接続側端部を被嵌し、この接続側端部が被嵌する外周部分を小径部とした接続部材と、
    上記フレックス部材の端部と上記接続部材の小径部との嵌め合い部における上記フレックス部材と上記接続部材を溶融金属で接合した接合部と、
    を具備したことを特徴とする内視鏡用可撓管。
  6. 上記フレックス部材と上記接続部材との接合部はろう接合したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内視鏡用可撓管。
  7. 上記フレックス部材と上記接続部材との接合部は溶接接合したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内視鏡用可撓管。
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